JP2005353434A - アルカリ電池 - Google Patents
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Abstract
【課題】高温保存後においても優れた強負荷放電特性を維持できるアルカリ電池を提供することを目的とする。
【解決手段】内面にニッケル−コバルト合金層を形成した金属製の正極ケース、前記正極ケース内に収容されて、前記ニッケル−コバルト合金層に接している正極合剤、および前記正極合剤にセパレータを介して対向して配された亜鉛負極を具備し、前記正極合剤が活物質として少なくともオキシ水酸化ニッケルを含有するアルカリ電池であり、前記ニッケル−コバルト合金層により正極ケースのオキシ水酸化ニッケルによる酸化を確実に防止できる。
【選択図】図1
【解決手段】内面にニッケル−コバルト合金層を形成した金属製の正極ケース、前記正極ケース内に収容されて、前記ニッケル−コバルト合金層に接している正極合剤、および前記正極合剤にセパレータを介して対向して配された亜鉛負極を具備し、前記正極合剤が活物質として少なくともオキシ水酸化ニッケルを含有するアルカリ電池であり、前記ニッケル−コバルト合金層により正極ケースのオキシ水酸化ニッケルによる酸化を確実に防止できる。
【選択図】図1
Description
本発明は、アルカリ電池の、とくにそのオキシ水酸化ニッケルを主材料とした正極合剤を、金属製正極ケース内に密着させて収納したアルカリ電池の改良に関するものである。
アルカリマンガン電池は、正極端子を兼ねる正極ケースの中に、正極ケースに密着して円筒状の正極合剤が配置され、その中央にセパレータを介してゲル状負極が配置された構造を有する。最近、これらの電池の使用される機器は、負荷が大きくなり、用いる電池も強負荷放電に優れる性能が要望されている。そこで、正極合剤にオキシ水酸化ニッケルを混合することによって、強負荷放電性能に優れた電池を作製することが検討されている。
しかし、オキシ水酸化ニッケルは、二酸化マンガンと比較して、保存安定性が低い。特に、高温で保存した場合、オキシ水酸化ニッケルは、自己放電が大きいため、オキシ水酸化ニッケルを含む電池の保存後は、従来の電池よりも、強負荷放電性能が低下する。また、正極ケースと正極合剤が直接接触する構成であると、電池の保存中に二酸化マンガンやオキシ水酸化ニッケルなどによる酸化作用によって、正極ケースの表面に薄い酸化被膜が形成され、ケースと正極合剤との電気的接触状態が悪くなり、電池の保存性能が低下する。
特に、オキシ水酸化ニッケルは、二酸化マンガンと比較して電位が高く、還元作用が大きいため、オキシ水酸化ニッケルを含む電池はオキシ水酸化ニッケルを含まない電池よりも、正極ケース表面における酸化の割合が大きくなる。
このため、特開2000−48827号公報には、正極ケースと正極合剤の間に黒鉛の導電性被膜を形成し、この被膜によって正極ケースの内壁表面に酸化被膜ができるのを抑制してケースと正極合剤間の抵抗上昇を抑制する技術が開示されている。
特開2000−48827号公報
しかしながら、オキシ水酸化ニッケルは非常に酸化力が大きいため、正極ケースと正極合剤の間に導電性被膜を形成しただけでは酸化被膜の形成を抑制することができなかった。また導電性被膜はケース内壁全面に均一に形成しにくくむらが生じやすかった。
そしてオキシ水酸化ニッケルを含む電池では、正極ケースと正極合剤間の抵抗増大と放電可能な正極活物質量の減少によって、保存後、とくに高温保存後の強負荷放電特性が低下するという問題があった。
本発明はこのような課題を解決するものであり、酸化力の強いオキシ水酸化ニッケルを正極合剤中に含むアルカリ電池の高温保存後の強負荷放電特性を安定して向上させることを目的とする。
本発明のアルカリ電池は、内面にニッケル−コバルト合金層を形成した金属製の正極ケース、前記正極ケース内に収容されて前記ニッケル−コバルト合金層に接している正極合剤、および正極合剤にセパレータを介して対向して配された負極を具備し、前記正極合剤が活物質として少なくともオキシ水酸化ニッケルを含有することを特徴とする。とくに、正極合剤は活物質として二酸化マンガンとオキシ水酸化ニッケルを含有し、重量比で二酸化マンガン:オキシ水酸化ニッケル=20:80〜90:10の範囲であることが好ましい。さらに、前記ニッケル−コバルト合金層と前記正極合剤との間に導電性被膜を形成することが好ましい。
上記のように、本発明によれば、高温保存後も優れた強負荷放電特性を有するアルカリ電池を提供することができる。
本発明は、電池の強負荷放電特性を向上させるために、正極合剤にオキシ水酸化ニッケルを含み、正極ケースの内側にニッケル−コバルト合金層を形成したものである。
オキシ水酸化ニッケルの自己放電を考慮し、高温保存後の電池の強負荷放電性能を維持するには、正極合剤中のオキシ水酸化ニッケルの割合を多くすることが考えられる。オキシ水酸化ニッケルは酸化力が強いため正極ケース表面に薄い酸化被膜が形成されていた。この被膜形成を防止するために正極ケースの内壁表面に黒鉛等の導電性被膜を形成したり、ニッケル金属被膜を形成することが考えられる。
しかしながら、正極にオキシ水酸化ニッケルを含む電池でケース表面にニッケル金属被膜を形成した場合でも60℃で1ヶ月保存した際には、オキシ水酸化ニッケルを含まず二酸化マンガンを正極合剤に用いた電池に比べて強負荷放電特性が低下する。
したがって、オキシ水酸化ニッケルを正極に適当な割合で用い、かつ電池の強負荷放電特性を維持するには、電池保存中にオキシ水酸化ニッケルなどの酸化作用によって正極ケース表面に形成される酸化被膜の電導性を高める、あるいは酸化被膜の形成を抑制する必要がある。
本発明は、正極ケース表面に形成される酸化被膜の電導性を高めるために、正極ケースの内側にニッケル−コバルト合金層を形成したものである。したがって、上記のような構成をとることによって、電池の保存特性を向上させ、高温保存後の強負荷放電性能を向上させることができる。
正極合剤中の二酸化マンガンとオキシ水酸化ニッケルの配合比は、二酸化マンガンが20〜90wt%、オキシ水酸化ニッケルが80〜10wt%であると、初度および高温保存後の放電特性に優れて好適である。特に、二酸化マンガンを50〜90wt%、オキシ水酸化ニッケルを50〜10wt%に規制すると、効果的である。
さらに、ニッケル−コバルト合金層上に導電性被膜を形成すると、酸化力のあるオキシ水酸化ニッケルによって正極ケースの内壁表面に酸化被膜が形成されるのを抑制でき、保存後における正極ケースと正極合剤間の抵抗の上昇を抑制することができるという効果も期待できる。
図1は本発明の一実施例におけるアルカリ電池の一部を断面にした正面図である。この電池は、以下のようにして製造される。1は、鋼からなる正極ケースを表す。この正極ケース1の内面には、図2に示されるように、電気めっきによるニッケル層が形成されている。この正極ケース1の内部には、二酸化マンガンを活物質とする短筒状の正極合剤成型体の複数個が挿入され、ケース内において再加圧することによりケース1の内面に密着される。こうしてケース内に充填された正極合剤3の内側に、セパレータ4および絶縁キャップ5を挿入した後、セパレータの内側にゲル状亜鉛負極6が注入される。ゲル状負極6は、ゲル化剤のポリアクリル酸ソーダ、アルカリ電解液、および負極活物質のビスマス250ppm、インジウム250ppm、アルミニウム35ppmを含有する亜鉛合金粉末からなる。次に、樹脂製封口板7、負極端子を兼ねる底板8、および絶縁ワッシャ9一体化された負極集電体10をゲル状負極6中に差し込み、正極ケース1の開口端部を封口板7の端部を介して底板8の周縁部にかしめつけて正極ケース1の開口部を密着する。次いで、正極ケース1の外表面に外装ラベル11を被覆する。こうしてアルカリ電池が完成する。
《従来例》二酸化マンガンと黒鉛粉末とを表1に示す重量比で配合し、さらに活物質100重量部に対して、電解液1重量部を混合した後、造粒し、加圧成型して正極合剤を作製した。電解液には、水酸化カリウムの41wt%の水溶液を用いた。
正極ケース1の内側に、電気めっきによりニッケル層2を形成した。ニッケル層の厚さは、2μmであった。そして、上記のようにして作製した正極合剤と正極ケースを用いて、図1に示す単3サイズのアルカリ電池1を作製した。
《比較例1》二酸化マンガンとオキシ水酸化ニッケルと黒鉛粉末とを表1に示す重量比で配合する他は、従来例と同様にしてアルカリ電池2〜9を作製した。
《比較例2》正極ケース1の内側にニッケル層2に替えてニッケル−コバルト合金めっき層を形成する他は、従来例と同様にしてアルカリ電池10を作製した。
《実施例1》二酸化マンガンとオキシ水酸化ニッケルと黒鉛粉末とを表1に示す重量比で配合し、また正極ケース1の内側にニッケル層2に替えてニッケル−コバルト合金めっき層を形成する他は、従来例と同様にしてアルカリ電池11〜18を作製した。
上記のそれぞれの電池について、初度および60℃で1ヶ月間保存後に、常温下、1000mAの定電流で連続放電を行い、電圧が終止電圧0.9Vに至るまでの持続時間を測定した。表1には、各電池10個の平均値を示した。なお、オキシ水酸化ニッケルを含まず、正極ケース内側にニッケルめっき層を形成した電池1の初度の持続時間を100として示した。
表1から明らかなように、二酸化マンガンにオキシ水酸化ニッケルを混合した正極合剤を用いた電池である比較例1の電池2〜9と本発明の電池11〜18は、初度の1000mA連続放電性能が、オキシ水酸化ニッケルを混合しない従来例の電池1と比較例2の電池10より向上した。しかし、オキシ水酸化ニッケルを混合しても、正極ケース内側にニッケル−コバルトめっき層を形成しなかった比較例1の電池2〜9は、60℃で1ヶ月間保存した後の性能の劣化が著しく、オキシ水酸化ニッケルを添加しない従来例の電池1より、放電性能が低下した。
これに対して正極ケースにニッケル−コバルト合金層を形成した本発明の電池11〜18は、オキシ水酸化ニッケルの酸化作用によって正極ケース表面に形成される酸化被膜の電導性を高くすることが可能になり、高温保存後の強負荷放電性能が良好であった。特に、オキシ水酸化ニッケルの正極活物質中に占める割合が、20〜80wt%であると、放電特性の優れた電池が得られた。
また、オキシ水酸化ニッケルを含む電池の場合、ニッケル−コバルト合金層を電気めっきにより形成する前処理に電解研磨によって正極ケース内面の不純物を除去することで、ケース内壁上に均一な合金層が形成でき、高温保存後の特性をより向上、かつ、ばらつきを低減することが可能である。
さらには、正極合剤に用いる黒鉛粉末として、人工的な処理によって不純物が少ない人造黒鉛や膨張黒鉛を使用することにより、正極活物質のオキシ水酸化ニッケルの自己放電を抑制でき、高温保存後の特性をより向上させることが可能である。
《実施例2》正極ケース内面の金属被膜の内側に,導電性炭素を主材とする導電性被膜塗料を塗布,乾燥して導電性被膜を形成した以外は電池1と同様のアルカリ電池を作製し、これを電池19とした。また、二酸化マンガンとオキシ水酸化ニッケルの正極合剤中の混合比、正極ケース内壁の金属被膜の種類を表2のようにする他は、電池19と同様の電池を作製し、これらを電池20〜22とした。これらの電池について、上記と同様の条件下で持続時間を測定しこれらの結果を表2に示した。
表2より、正極ケースの内壁の金属被膜の内側に炭素の導電性被膜を施すことにより、オキシ水酸化ニッケルの含有に関わらず初期放電特性が向上する。しかし高温保存後の放電特性に関しては、炭素の導電性被膜により正極ケース内壁表面に酸化被膜が形成されるのを抑制できるため、オキシ水酸化ニッケルを含む電池の方が優れた放電特性を示した。また、ニッケル−コバルト合金層と導電性被膜との組合せによる相乗効果もオキシ水酸化ニッケルを含む電池の方が顕著である。
本発明はオキシ水酸化ニッケルを正極活物質に含むアルカリ電池で強負荷放電特性に優れるため、電子機器、携帯機器用の電源に適用できる。
1 正極ケース
2 ニッケル層
3 正極合剤
4 セパレータ
5 絶縁キャップ
6 ゲル状負極
7 樹脂封口体
8 底板
9 絶縁ワッシャ
10 負極集電体
11 外装ラベル
2 ニッケル層
3 正極合剤
4 セパレータ
5 絶縁キャップ
6 ゲル状負極
7 樹脂封口体
8 底板
9 絶縁ワッシャ
10 負極集電体
11 外装ラベル
Claims (3)
- 内面にニッケル−コバルト合金層を形成した金属製の正極ケース、前記正極ケース内に収容されて前記ニッケル−コバルト合金層に接している正極合剤、および前記正極合剤にセパレータを介して対向して配された亜鉛負極を具備し、前記正極合剤が活物質として少なくともオキシ水酸化ニッケルを含有するアルカリ電池。
- 前記正極合剤の活物質が二酸化マンガンとオキシ水酸化ニッケルとの混合物であり、重量比で二酸化マンガン:オキシ水酸化ニッケル=20:80〜90:10である請求項1記載のアルカリ電池。
- 前記正極ケース内面のニッケル−コバルト合金層上に、導電性被膜を形成した請求項1または2記載のアルカリ電池。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004173530A JP2005353434A (ja) | 2004-06-11 | 2004-06-11 | アルカリ電池 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004173530A JP2005353434A (ja) | 2004-06-11 | 2004-06-11 | アルカリ電池 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2005353434A true JP2005353434A (ja) | 2005-12-22 |
Family
ID=35587717
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2004173530A Pending JP2005353434A (ja) | 2004-06-11 | 2004-06-11 | アルカリ電池 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2005353434A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007157635A (ja) * | 2005-12-08 | 2007-06-21 | Fdk Energy Co Ltd | 筒形電池 |
WO2015072058A1 (ja) * | 2013-11-15 | 2015-05-21 | パナソニックIpマネジメント株式会社 | アルカリ乾電池 |
-
2004
- 2004-06-11 JP JP2004173530A patent/JP2005353434A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2007157635A (ja) * | 2005-12-08 | 2007-06-21 | Fdk Energy Co Ltd | 筒形電池 |
WO2015072058A1 (ja) * | 2013-11-15 | 2015-05-21 | パナソニックIpマネジメント株式会社 | アルカリ乾電池 |
JPWO2015072058A1 (ja) * | 2013-11-15 | 2017-03-16 | パナソニックIpマネジメント株式会社 | アルカリ乾電池 |
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