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JP2005351172A - スーパーチャージャー - Google Patents

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JP2005351172A JP2004172847A JP2004172847A JP2005351172A JP 2005351172 A JP2005351172 A JP 2005351172A JP 2004172847 A JP2004172847 A JP 2004172847A JP 2004172847 A JP2004172847 A JP 2004172847A JP 2005351172 A JP2005351172 A JP 2005351172A
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Abstract

【課題】 ハウジング2の内周面に常に弾性接触することが可能な弾性変形力を有し、流体の圧縮圧力を考慮した許容応力まで耐え得る高剛性の板スプリング弁6を使用することで、圧縮流体の圧送を行うことのできるスーパーチャージャー1を提供することにある。【解決手段】 スーパーチャージャー1は、円筒形状のハウジング2内に偏心状態でロータ3が取り付けられ、ロータ3の外周に複数の挿入孔12が形成されており、それらの挿入孔12内に、ハウジング2の内周面に常に弾性接触することが可能な弾性変形力を有する複数の板スプリング弁6が差し込まれている。また、各板スプリング弁6を、吸入空気の圧縮圧力を考慮した許容設定応力まで耐え得る高剛性の材料で製造することにより、吸気管の途中に介装されて、吸気管の吸気通路内をエンジンの燃焼室に向かって流れる吸入空気を強制的に吸気(過給)するスーパーチャージャー1の板状弁体として機能する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、吸入した流体を圧縮状態にして吐出するスーパーチャージャーに関するもので、特にエンジンの吸気管の途中に介装されて、流入した吸入空気を圧縮してエンジンの燃焼室内に圧送する板スプリング式過給機に係わる。
[従来の技術]
従来より、流体(例えば空気や水等)の吸引および圧送、流体(例えば冷媒ガス等)の圧縮などに使用することが可能な容積形ポンプとして、円筒形状のケーシング内に偏心状態にロータが取り付けられ、ロータの外周には、スリットが形成されており、そのスリット内に板状のベーンが挿入されたベーン式ポンプが知られている。このベーン式ポンプでは、板状のベーンを収容するスリットにベーンを押し出し付勢するためのスプリング等の付勢手段を設ける必要があるため、構造が複雑になり、小型化や低価格化が難しいという不具合があった。
そこで、簡単な構造で、小型化が図れる容積形ポンプとして、図9に示したような容積形ポンプが提案されている(例えば、特許文献1参照)。これは、円筒形状のケーシング101と、このケーシング101内に偏心した状態で収納されたロータ102とを備えている。ケーシング101の下面には、吸引口103および吐出口104が形成されている。ロータ102は、電動モータの出力軸が入力嵌合部105に嵌合されることにより電動モータの回転がロータ102に伝えられるように構成されている。また、ロータ102の外周には、支点軸を持った湾曲形状からなる4本の弁106が配設されている。なお、容積形ポンプは、これらの各弁106間とケーシング101の内周面とロータ102の外周面とによって、ケーシング101内に形成される真円状のキャビティを、4つの可変容積空間107に区画されている。
[従来の技術の不具合]
ところが、従来の特許文献1に記載の容積形ポンプにおいては、ロータ102が回転すると、弁106は遠心力でケーシング101の内周面に接触しながら回り、可変容積空間107の容積が増大および減少を繰り返すことで、可変容積空間107内に吸入した流体を圧送するようになっている。すなわち、4本の弁106は遠心力のみでケーシング101の内周面に接触しており、可変容積空間107内の圧力が少し上がると、直ちに弁106が逃げる構造であるため、圧縮流体の圧送には不向きであった。特に、特許文献1に記載の容積形ポンプを、エンジンの燃焼室内に供給する吸入空気を過給して、高出力および低燃費を得ようとするスーパーチャージャー等の電動過給機に適用するには不向きであった。
特開2003−106275号公報(第1−4頁、図1−図7)
本発明の目的は、ハウジングの内周面に常に弾性接触することが可能な弾性変形力を有し、流体の圧縮圧力を考慮した許容応力まで耐え得る高剛性の板スプリング弁を使用することで、圧縮流体の圧送を行うことのできるスーパーチャージャーを提供することにある。
請求項1に記載の発明によれば、上流側の流体配管と下流側の流体配管との間に介装された円筒形状のハウジング内に偏心した状態で回転体を回転自在に収容し、ハウジングの内周と回転体の外周との間に形成される環状空間を複数の板状弁体によって複数の可変容積空間に区画している。そして、複数の可変容積空間のうちの少なくとも1つの可変容積空間の容積が増大と減少とを繰り返すことで、上流側の流体配管から可変容積空間内に吸入した流体が、圧縮された状態で下流側の流体配管に吐出されるように構成されている。
そして、複数の板状弁体として、ハウジングの内周面に常に弾性接触することが可能な弾性変形力を有し、流体の圧縮圧力を考慮した許容応力まで耐え得る高剛性の板スプリング弁を使用することにより、圧縮流体の圧送を行うことができる。また、板スプリング弁は、ハウジングの内周面に常に弾性接触しているので、その可変容積空間から隣の可変容積空間への流体の漏洩を最小限に抑えることができる。また、板スプリング弁とハウジングの内周面との接触角度を鈍角とすることにより、板スプリング弁がハウジングの内周面に鈍角接触することになるので、応力変化が少なく割れ難い。
請求項2に記載の発明によれば、複数の板スプリング弁は、回転体の回転中心軸線に対して直交する半径方向に取り付けられているか、あるいは回転体の半径方向に対して傾斜して取り付けられていることを特徴としている。また、請求項3に記載の発明によれば、回転体を回転駆動する電動機を備えたことを特徴としている。さらに、請求項4に記載の発明によれば、回転体は、ハウジングの中心軸線よりも偏心した位置に回転中心軸線を有する第1回転体、およびこの第1回転体の外周側に設けられた円筒状の第2回転体よりなる。そして、複数の挿入部は、第1回転体の外周に設けられて、複数の板スプリング弁を保持固定する複数の保持部、および第2回転体を貫通するように設けられて、複数の板スプリング弁を摺動自在に保持する複数の摺動溝よりなることを特徴としている。
請求項5に記載の発明によれば、第1回転体を、ハウジング内で複数の板スプリング弁を全閉および全開することが可能な回転角度のみ駆動する電動発電機と、第1回転体、第2回転体および複数の板スプリング弁よりなる内蔵物全体を回転駆動する電動機とを備えている。そして、通常運転時には、第1回転体が電動機によって第2回転体および複数の板スプリング弁と共に回されるので、電動発電機が発電機として機能して、バッテリの充電および電気装置へ電力を供給することができる。
請求項6に記載の発明によれば、電動機の応答遅れを要因として目標過給圧に実過給圧が追従しない時、あるいは電動機の異常故障時に、電動発電機を電動機として機能させて、第1回転体を複数の板スプリング弁の全開方向に回転させる過給機制御装置を備えたことを特徴としている。また、請求項7に記載の発明によれば、スーパーチャージャー付きエンジンの運転状態に基づいて、電動機の目標回転速度またはスーパーチャージャーの目標過給圧を算出し、この算出した電動機の目標回転速度またはスーパーチャージャーの目標過給圧に基づいて、電動機の回転速度を制御する過給機制御装置を備えたことを特徴としている。
ここで、ハウジングを、エンジンの燃焼室内に吸入空気を送り込むための吸気管の途中に介装して、本発明を、吸入空気を圧縮して強制的に吸気(過給)させるスーパーチャージャーとして機能させる場合、加速時、特にフル加速で電動機の応答遅れを要因として目標過給圧に実過給圧が追従しない時には、電動発電機を電動機として機能させて、第1回転体を複数の板スプリング弁の全開方向に回転させることにより、エンジンの吸入行程で発生する吸気管負圧によりハウジングの内周と回転体の外周との間に形成される環状空間を経由してエンジンの燃焼室内に吸入空気が吸入される。これによって、スーパーチャージャーを駆動する電動機の応答遅れに起因するエンジン回転速度の上昇遅れを防止することができるので、例えば運転者のアクセル操作量に対応した加速感を得ることができ、ドライバビリティを向上することができる。
また、ハウジングを、エンジンの燃焼室内に吸入空気を送り込むための吸気管の途中に介装して、本発明を、吸入空気を圧縮して強制的に吸気(過給)させるスーパーチャージャーとして機能させる場合、電動機の異常故障時、例えば電動機がフェイル(異常停止)した時には、電動発電機を電動機として機能させて、第1回転体を複数の板スプリング弁の全開方向に回転させることにより、エンジンの吸入行程で発生する吸気管負圧によりハウジングの内周と回転体の外周との間に形成される環状空間を経由してエンジンの燃焼室内に吸入空気が吸入される。これによって、エンジンが止まってしまうのを防止することができるので、車両を安全な場所に退避走行(リンプフォーム)させることができる。
本発明を実施するための最良の形態は、圧縮流体の圧送を行うという目的を、ハウジングの内周面に常に弾性接触することが可能な弾性変形力を有し、流体の圧縮圧力を考慮した許容応力まで耐え得る高剛性の板スプリング弁を使用することで実現した。
[実施例1の構成]
図1および図2は本発明の実施例1を示したもので、図1および図2はスーパーチャージャーの主要構造を示した図である。
本実施例のスーパーチャージャー1は、多気筒4サイクルガソリンエンジン等の電動過給機付内燃機関(スーパーチャージャーエンジン:以下エンジンと略す)の吸気ポートおよび燃焼室内に吸入空気を供給する吸気管の途中に介装されて、図示しない電動機によって回転駆動される板スプリング式過給機(機械式過給機)である。ここで、吸気管の内部には、エンジンの燃焼室内に吸入空気を送り込むための吸気通路(図示せず)が形成されている。この吸気管は、吸入空気を濾過するエアクリーナ(図示せず)と、このエアクリーナのケース(図示せず)の下流端に吸気ダクトを介して気密的に連結された円筒形状のハウジング2と、このハウジング2の下流端にサージタンクを介して気密的に連結されたインテークマニホールド(またはインテークパイプ:図示せず)とから構成されている。
エンジンは、吸入空気と燃料との混合気を燃焼室内で燃焼させて得る熱エネルギーにより出力を得るもので、吸気管の下流端に気密的に連結される吸気ポートを形成するシリンダヘッドと、吸気ポートより混合気が吸入される燃焼室を形成するシリンダブロックとを備えている。シリンダヘッドの一方側に形成される吸気ポート(インテークポート)は、吸気バルブ(インテークバルブ)により開閉される。また、シリンダヘッドの他方側に形成される排気ポートは、排気バルブ(エキゾーストバルブ)により開閉される。そして、シリンダヘッドとシリンダブロックとで形成されるシリンダ内には、エンジンのクランクシャフト(エンジン出力軸:図示せず)にコンロッド(図示せず)を介して連結されるピストンが摺動自在に配設されている。なお、シリンダヘッドには、先端部が燃焼室内に露出するようにスパークプラグ(図示せず)が取り付けられている。また、シリンダヘッドには、吸気ポートの壁面または吸気バルブの背壁面に燃料を噴射する電磁式燃料噴射弁(インジェクタ)が取り付けられている。
ハウジング2の図示上端には、天井側プレート(図示せず)が取り付けられており、また、ハウジング2の図示下端には、底側プレート(図示せず)が取り付けられている。そして、ハウジング2内には、円柱形状のロータ(回転体)3がハウジング2の中心軸線よりも偏心した状態で回転自在に収容されている。そして、ハウジング2の内周面とロータ3の外周面との間には、環状空間が形成されている。なお、ハウジング2の一方側(図2において図示右斜め上側)には、環状空間内に吸入空気を吸入するための空気吸入口(図示せず)が形成されている。また、ハウジング2の他方側(図2において図示右斜め下側)には、環状空間内より吸入空気を吐出するための空気吐出口(図示せず)が形成されている。
ロータ3は、ハウジング2の中心軸線よりも偏心した位置に回転中心軸線を有している。そして、ロータ3には、電動機の駆動軸(出力軸)の外周に嵌合する嵌合孔11が形成されている。そして、電動機の駆動軸の一端は、天井側プレートまたは底側プレートのうちの一方のプレートに設けられたベアリング(図示せず)により回転自在に軸支されている。電動機は、駆動軸に一体化されたロータ、およびこのロータの外周側に対向配置されたステータよりなるブラシレスDCモータであって、ロータには、永久磁石(マグネット)を有するロータコアが設けられ、また、ステータには、ステータコイルが巻回されたステータコアおよびステータコイルの起磁力により磁化されるヨークハウジングが設けられている。なお、電動機の出力軸とスーパーチャージャー1の駆動軸との間に、電動機の出力軸の回転速度を所定の減速比となるように減速する歯車減速機構を設けても良い。また、電動機として、ブラシレスDCモータの代わりに、ブラシ付きの直流(DC)モータや、三相誘導電動機等の交流(AC)モータを用いても良い。
そして、ロータ3の外周には、ロータ3の回転中心軸線方向に対して直交する半径方向(放射状)に複数の挿入孔(スリット、挿入部)12が形成されている。各挿入孔12内には、板スプリング弁6が圧入(締まり嵌め)等によりそれぞれ保持固定されている。複数の板スプリング弁6は、ロータ3の回転方向(図示左回転方向)に凸となるように湾曲しており、ハウジング2の内周面に常に弾性接触することが可能な弾性変形力を有し、吸入空気の圧縮圧力を考慮した許容応力まで耐え得る高剛性のばね鋼(例えばステンレス鋼等)よりなる。そして、板スプリング弁6の先端に設けられる接触子13は、ハウジング2の内周面との接触角度が鈍角となるようにハウジング2の内周面に常に当接している。また、ロータ3の外周面より突出し先端部の接触子13がハウジング2の内周面に常に弾性接触する複数の板スプリング弁6は、ハウジング2の内周面とロータ3の外周面との間に形成される環状空間を複数の可変容積空間7に区画する複数の板状弁体を構成している。
ここで、本実施例では、スーパーチャージャー1によってより多くの吸入空気(圧縮流体)を過給することによってエンジンの高出力化および低燃費化の両立を図るという目的で、エンジンの運転状態を検出する各種センサからのセンサ信号に基づいて、スーパーチャージャー1の稼働状態が最適条件となるように電動機の回転速度を制御するエンジン制御ユニット(以下ECUと呼ぶ)を備えている。このECUの内部には、CPU、RAMまたはROM等のメモリ、入力回路、出力回路、電源回路、電動機駆動回路等の機能を含んで構成されるマイクロコンピュータ(過給機制御装置)が設けられ、各種センサからのセンサ信号がA/D変換器によってA/D変換された後に、マイクロコンピュータに入力されるように構成されている。
マイクロコンピュータには、エアフローメータ(吸入空気量センサ:図示せず)からの吸入空気量信号、吸気温センサ(温度センサ:図示せず)からの吸気温信号、吸気圧センサ(圧力センサ:図示せず)からの吸気圧信号または過給圧信号、アクセル開度センサ(図示せず)からのアクセル開度信号、およびクランク角度センサ(図示せず)からのクランク角度信号等のセンサ信号が入力される。ここで、エアフローメータおよび吸気温センサは、スーパーチャージャー1よりも上流側の吸気管(例えば吸気ダクト)に設置されており、また、吸気圧センサは、スーパーチャージャー1よりも下流側の吸気管(例えばサージタンク)に設置されている。なお、マイクロコンピュータは、クランク角度センサからのクランク角度信号のパルス間隔時間を計測することでエンジン回転速度を検出する。また、スーパーチャージャー1よりも下流側の吸気管圧力を吸気圧センサによって検出し、この検出した吸気管圧力と計測したエンジン回転速度とをECUで演算することにより間接的に吸入空気量を求めるようにしても良い。この場合には、エアフローメータを廃止できる。
[実施例1の作用]
次に、本実施例のスーパーチャージャー1の作用を図1および図2に基づいて簡単に説明する。
エンジンの吸気行程では、吸気バルブが開かれ、排気バルブが閉じられ、ピストンが上死点から下死点に向かって下降運動すると、混合気がエンジンの吸気ポートを経由して燃焼室内に吸入される。このとき、エアクリーナで濾過された空気は、エアフローメータを通り、スーパーチャージャー1よりも上流側の吸気管を構成する吸気ダクトを経由して、ハウジング2に設けられた空気吸入口から、ハウジング2の内周面とロータ3の外周面と隣設する2つの板スプリング弁6とで気密的に区画された複数の可変容積空間7のうちのいずれか1つの可変容積空間7内に流入する。
一方、ECUにより回転速度が制御されている電動機の駆動軸が回されると、この駆動軸の回転に伴ってロータ3が図示左回転方向に回転する。これにより、ロータ3の複数の挿入孔12内に差し込まれた複数の板スプリング弁6が回転して、複数の可変容積空間7の容積が変化(増大した後に減少)する。このとき、複数の板スプリング弁6の各接触子13がハウジング2の内周面に弾性接触(密着)する。具体的には、ハウジング2の空気吸入口より1つの可変容積空間7内に吸い込まれた吸入空気は、ロータ3の図示左回転方向の回転に従って吸入行程→圧縮開始行程→圧縮行程→吐出行程を経てハウジング2の空気吐出口より、スーパーチャージャー1よりも下流側の吸気管を構成するサージタンク内に吐出される。
したがって、スーパーチャージャー1よりも上流側の吸気管を構成する吸気ダクトからスーパーチャージャー1に流入した吸入空気は、ハウジング2の内周面とロータ3の外周面と隣設する2つの板スプリング弁6とで気密的に区画された複数の可変容積空間7の容積変化を繰り返すことによって、つまり可変容積空間7の容積が増大と減少とを繰り返すことによって圧縮されて、圧力(吸気管圧力)が増大し過給される。そして、スーパーチャージャー1内で圧縮されて吐出された空気は、サージタンクおよびインテークマニホールド(またはインテークパイプ)を経由してエンジンの吸気ポート内に到達する。そして、吸気ポート内で、インジェクタの噴射孔から噴射された燃料噴霧と混合して燃焼室内に吸入される。
吸気バルブが閉じられ、ピストンが上昇する圧縮行程では、混合気の中で霧化されている燃料が気化し、空気と混ざって燃え易いガスになりながら、燃焼室内で圧縮されていく。そして、ピストンが上死点に達して温度、圧力が共に高くなったところで、スパークプラグの電極間に電気火花を飛ばして点火すると、混合気は急速に燃焼し、圧力の高まった燃焼ガスによってピストンが押し下げられ、エンジンのクランクシャフトが回される(爆発行程)。そして、ピストンが下死点に達したところで、排気バルブが開かれ、燃焼ガスがエンジンの排気ポートから噴出すると共に、ピストンが上昇して燃焼室内に残った燃焼ガスを追い出す(排気行程)。本実施例のエンジンでは、以上のような吸気行程、圧縮行程、爆発行程および排気行程の4行程を、エンジンのクランクシャフトが2回転(720°CA)する間に実施する。
[実施例1の特徴]
以上のように、本実施例のスーパーチャージャー1は、円筒形状のハウジング2内に偏心状態にロータ3が取り付けられ、ロータ3の外周に複数の挿入孔12が形成されており、それらの挿入孔12内に、複数の板スプリング弁6が差し込まれた板スプリング式過給機(機械式過給機)である。そして、各板スプリング弁6は、ロータ3の回転方向(図示左回転方向)に凸となるように湾曲しており、しかもハウジング2の内周面に常に弾性接触することが可能な弾性変形力を有している。これによって、ロータ3の複数の挿入孔12内に差し込まれた複数の板スプリング弁6の各接触子13が常にハウジング2の内周面に弾性接触(密着)することで、複数の可変容積空間7のうちのいずれか1つの可変容積空間7内に吸い込まれた空気が隣設する2つの可変容積空間7のうちのいずれにも洩れ出ることはない。つまり空気の洩れを最小限とすることができる。また、各板スプリング弁6を、吸入空気の圧縮圧力を考慮した許容設定応力まで耐え得る高剛性の材料で製造することにより、吸気管の途中に介装されて、吸気管の吸気通路内をエンジンの燃焼室に向かって流れる吸入空気を強制的に吸気(過給)するスーパーチャージャー1の板状弁体として機能することができる。
また、複数の板スプリング弁6の接触子13とハウジング2の内周面とを鈍角接触させているので、応力変化が少なくハウジング2または複数の板スプリング弁6が割れ難い。また、複数の板スプリング弁6の接触子13とハウジング2の内周面との間に異物を噛み込んでも、複数の板スプリング弁6が弾性変形して逃げることができるため、ロータ3および複数の板スプリング弁6の動作不良を防止することができる。また、本実施例のスーパーチャージャー1は、構造が非常にシンプルで精度もそれほど必要ないので、非常に安価に提供できる板スプリング式過給機(機械式過給機)である。
なお、途中にスーパーチャージャー1のハウジング2を介装した吸気管に、スーパーチャージャー1よりも上流側の吸気通路から分岐してスーパーチャージャー1よりも下流側の吸気通路またはサージタンクに接続するか、あるいはエンジンの吸気ポートに直接接続するバイパス配管を取り付けて、そのバイパス配管内にバイパス通路を形成し、更にバイパス通路の流路開口面積を可変するバイパスバルブを設置しても良い。そして、スーパーチャージャー1を回転駆動する電動機の応答遅れに起因して、運転者がアクセルペダルを急激に踏み込む等のフル加速時に、アクセル開度の変化量に対応して設定されるスーパーチャージャー1の目標過給圧に対する制御過給圧(実過給圧)の追従性が悪くなる。このような時に、バイパスバルブを強制的に開弁(全開)しても良い。この場合には、スーパーチャージャー1を回転駆動する電動機の応答遅れに起因するエンジン回転速度の上昇遅れを防止することができるので、例えば運転者のアクセル操作量に対応した加速感を得ることができる。つまり、ドライバビリティを向上することができる。
また、電動機とECUの電動機駆動回路とを結線するワイヤーハーネスが断線したり、ショートしたりして、電動機がフェイル(異常停止)した時に、スーパーチャージャー1のロータ3の回転が止まり、エンジンのクランクシャフトを回すのに必要な最小限の空気量を圧送することができなくなる。このような時にも、バイパスバルブを強制的に開弁(全開)するようにしても良い。この場合には、エンジン回転速度を所定値以上に維持させるのに必要な吸入空気量を得ることができるので、エンジンが止まってしまうのを防止することができる。したがって、車両を安全な場所に退避走行(リンプフォーム)させることができる。
[実施例2の構成]
図3ないし図8は本発明の実施例2を示したもので、図3および図6は電動過給機付エンジン用吸気システムの全体構成を示した図で、図4、図5、図7および図8はスーパーチャージャーの主要構造を示した図である。
本実施例の電動過給機付エンジン用吸気システムは、弁位置可変式過給機(以下スーパーチャージャーと呼ぶ)1と、このスーパーチャージャー1を介装すると共に、エンジンの燃焼室8内に吸入空気を供給する吸気管9と、エンジンの燃焼室8から排気ガスを排出する排気管(図示せず)とによって構成されている。エンジンには、エンジンの稼働状態や運転状態を検出する各種センサ、およびそれらを統合制御するエンジン制御ユニット(以下ECUと呼ぶ)等によって構成される電子制御式燃料噴射装置が搭載されている。この電子制御式燃料噴射装置は、電動式のフューエルポンプ(図示せず)により燃料を一定の圧力以上に加圧してフューエルフィルタ(図示せず)を介して電磁式燃料噴射弁(インジェクタ)10へ送り、最適な噴射タイミングで、最適な燃料噴射量の燃料噴射を実施できるようにしたシステムである。
エンジンのシリンダヘッドの一方側に形成される吸気ポート14は、吸気バルブ15により開閉され、また、シリンダヘッドの他方側に形成される排気ポート16は、排気バルブ17により開閉される。そして、シリンダヘッドとシリンダブロックとで形成されるシリンダ内には、ピストン19が摺動自在に配設されている。なお、シリンダヘッドには、先端部が燃焼室8内に露出するようにスパークプラグ(図示せず)が取り付けられている。一方、吸気管9の内部には、エンジンの燃焼室8内に吸入空気を供給するための吸気通路20が形成されている。この吸気管9は、吸入空気を濾過するエアクリーナ21と、このエアクリーナ21のケース22の下流端に気密的に連結された吸気ダクト23と、この吸気ダクト23の下流端にハウジング2を介して気密的に連結されて、吸気脈動を吸収するサージタンク24と、このサージタンク24の下流端に気密的に連結されたインテークマニホールド(またはインテークパイプ:図示せず)とから構成されている。なお、吸気ダクト23には、吸入空気量を計測するエアフローメータ25が組み込まれている。
本実施例のスーパーチャージャー1は、吸気管9の途中に介装された円筒形状のハウジング2と、このハウジング2内に偏心状態で取り付けられた回転体とを備えた弁位置可変式スーパーチャージャーである。この回転体は、ハウジング2の中心軸線よりも偏心した位置に回転中心軸線を有する第1ロータ(第1回転体)4、およびこの第1ロータ4の外周側に設けられた円筒状の第2ロータ(第2回転体)5よりなる。ハウジング2の図示上端には、天井側プレート(図示せず)が取り付けられており、また、ハウジング2の図示下端には、底側プレート(図示せず)が取り付けられている。そして、ハウジング2の内周面と第2ロータ5の外周面との間には、環状空間29が形成されている。なお、ハウジング2の一方側(図5において図示左斜め上側)には、環状空間29内に吸入空気を吸入するための空気吸入口(図示せず)が形成されている。また、ハウジング2の他方側(図5において図示右側)には、環状空間29内より吸入空気を吐出するための空気吐出口(図示せず)が形成されている。
第1ロータ4には、電動発電機の回転軸の外周に嵌合する嵌合孔30が形成されている。そして、電動発電機の回転軸の一端は、ハウジング2に設けられたベアリング(図示せず)により回転自在に軸支されている。そして、第1ロータ4の外周には、複数の板スプリング弁6の各端部を溶接等の接合方法を用いて保持固定する複数の保持部(挿入部)31が形成されている。これらの保持部31は、第1ロータ4の外周に略円弧状に設けられて、複数の凸状部32の一方側壁面に設けられている。ここで、電動発電機は、第1ロータ4を、ハウジング2内で複数の板スプリング弁6を開弁(全開)および閉弁(全閉)することが可能な回転角度のみ駆動する電動機(第1アクチュエータ)としての機能と、通常運転時に車両に搭載された車載バッテリの充電および電気装置へ電力を供給する発電機としての機能とを備えている。この電動発電機は、回転軸に一体化されたロータ、およびこのロータの外周側に対向配置されたステータよりなる三相誘導電動発電機等の交流(AC)モータであって、ロータには、永久磁石(マグネット)を有するロータコアが設けられ、また、ステータには、三相のステータコイルが巻回されたステータコアが設けられている。
第2ロータ5は、第1ロータ4と相対回転運動が可能なように、第1ロータ4の複数の凸状部32の外周に所定の寸法のクリアランス(隙間)を介して嵌め合わされている。この第2ロータ5には、電動機の駆動軸(出力軸)の外周に嵌合する嵌合部(図示せず)が形成されている。そして、電動機の駆動軸の一端は、ハウジング2に設けられたベアリング(図示せず)により回転自在に軸支されている。そして、第2ロータ5の外周には、第2ロータ5の回転中心軸線方向に対して直交する半径方向より所定の傾斜角度だけ傾いた複数の摺動溝(挿入部)33が形成されている。各摺動溝33は、第2ロータ5の内周面と外周面とを連通するように貫通して設けられており、複数の板スプリング弁6を摺動自在に保持する。ここで、電動機は、第1ロータ4、第2ロータ5および複数の板スプリング弁6よりなる内蔵物全体を回転駆動する第2アクチュエータである。この電動機は、実施例1と同様にして、駆動軸に一体化されたロータ、およびこのロータの外周側に対向配置されたステータよりなるブラシレスDCモータであって、ロータには、永久磁石(マグネット)を有するロータコアが設けられ、また、ステータには、ステータコイルが巻回されたステータコアおよびステータコイルの起磁力により磁化されるヨークハウジングが設けられている。
複数の板スプリング弁6の各々は、第2ロータ5の回転方向(図示左回転方向)に凸となるように湾曲しており、更に第2ロータ5の各摺動溝33内に摺動自在に保持されており、しかも各板スプリング弁6の端部が第1ロータ4の各保持部31に固定されている。そして、これらの各板スプリング弁6は、実施例1と同様にして、吸入空気の圧縮圧力を考慮した許容応力まで耐え得る高剛性のばね鋼(例えばステンレス鋼等)よりなる。さらに、これらの各板スプリング弁6は、図3ないし図5に示したように、閉弁時(全閉時)にハウジング2の内周面に常に弾性接触することが可能な弾性変形力を有し、更に、図6ないし図8に示したように、開弁時(全開時)に第1ロータ4の外周と第2ロータ5の内周の間に巻き込まれることが可能な弾性変形力を有している。そして、板スプリング弁6の先端に設けられる接触子13は、閉弁時(全閉時)にハウジング2の内周面との接触角度が鈍角となるように設けられている。また、第2ロータ5の外周面より突出し先端部の接触子13がハウジング2の内周面に常に弾性接触する複数の板スプリング弁6は、実施例1と同様にして、ハウジング2の内周面と第2ロータ5の外周面との間に形成される環状空間29を複数の可変容積空間7に区画する複数の板状弁体を構成している。
本実施例のECUの内部には、CPU、RAMまたはROM等のメモリ、入力回路、出力回路、電源回路、第1電動機駆動回路、第2電動機駆動回路等の機能を含んで構成されるマイクロコンピュータ(過給機制御装置)が設けられ、各種センサからのセンサ信号がA/D変換器によってA/D変換された後に、マイクロコンピュータに入力されるように構成されている。そして、ECUは、エアフローメータ25からの吸入空気量信号と計測したエンジン回転速度とから基本噴射量を計算し、この基本噴射量に各種センサからのセンサ信号による補正を加えて指令噴射量を決定している。また、吸気管圧力とエンジン回転速度とから基本噴射量を直接計算しても良い。そして、ECUは、エンジンの運転状態、例えばアクセル開度とエンジン回転速度とから目標過給圧を計算し、圧力センサ(図示せず)からの吸気管圧力を実過給圧として検出し、目標過給圧と実過給圧との偏差に基づいて電動機の目標回転速度を計算し、電動機の実回転速度が目標回転速度となるように電動機のステータコイルに印加する過給機駆動電流を調整している。
そして、ECUは、第1ロータ4、第2ロータ5および複数の板スプリング弁6よりなる内蔵物全体を回転駆動する電動機の応答遅れを要因として目標過給圧に実過給圧が追従しない時に、所定の条件を満足するまで、第1ロータ4を回転駆動して複数の板スプリング弁6を開弁(全開)させるように構成されている。なお、所定の条件を満足するまでとは、例えば複数の板スプリング弁6を開弁(全開)してから一定時間が経過するまでの開弁期間、あるいは目標過給圧と実過給圧との偏差がなくなるまでの期間を指す。また、ECUは、電動機とECUの第2電動機駆動回路とを結線するワイヤーハーネスが断線したり、ショートしたりして、電動機がフェイル(異常停止)した時に、第1ロータ4を回転駆動して複数の板スプリング弁6を開弁(全開)させるように構成されている。
[実施例2の特徴]
以上のように、本実施例の電動過給機付エンジン用吸気システムにおいては、スーパーチャージャー1の回転体の駆動方式を2軸方式とし、ハウジング2内に偏心状態で2つの第1、第2ロータ4、5を回転自在に収容している。そして、第1ロータ4を駆動する回転軸は、複数の板スプリング弁6を第2ロータ5の外周面より外方に出したり(全閉)、引っ込めたり(全開)して、複数の板スプリング弁6がハウジング2内で全閉および全開する回転角度のみ動けるように構成し、また、第2ロータ5を駆動する駆動軸は、円筒形状のハウジング2内に偏心状態で、第1ロータ4、第2ロータ5および複数の板スプリング弁6よりなる内蔵物全体を所定の回転速度で回せるように構成している。
そして、通常運転時には、アクセル開度とエンジン回転速度とから目標過給圧を計算し、圧力センサからの吸気管圧力を実過給圧として検出し、目標過給圧と実過給圧との偏差に基づいて電動機の目標回転速度を計算し、電動機の実回転速度が目標回転速度となるように電動機に印加する過給機駆動電流を制御している。これにより、第1ロータ4、第2ロータ5および複数の板スプリング弁6よりなる内蔵物全体が所定の回転速度で回転する。このとき、第1ロータ4の回転軸を回す電動発電機を、通常運転時にはOFF状態で使用することで、複数の板スプリング弁6は第2ロータ5の外周面より外方に出ており、複数の板スプリング弁6の各接触子13が常にハウジング2の内周面に弾性接触(密着)している。したがって、複数の可変容積空間7のうちのいずれか1つの可変容積空間7内に吸い込まれた空気が隣設する2つの可変容積空間7のうちのいずれにも洩れ出ることはない。つまり空気の洩れを最小限とすることができる。
これによって、図3に示したように、吸気管の一部を構成するスロットルボデー、このスロットルボデー内に開閉自在に収容されるスロットルバルブ、およびこのスロットルバルブのバルブ開度を検出するスロットル開度センサ等により構成される、吸入空気量(吸気量)を調節するための内燃機関用吸気絞り弁装置を不要としながらも、エンジンの運転状態に対応した吸入空気量(吸気量)の空気を、エンジンの燃焼室8内に強制的に吸気(過給)することができるので、理想の燃費と出力とを得ることができる。これにより、エンジンの小型化を図ることができる。また、通常運転時には、第1ロータ4の回転軸を回す電動発電機をOFF状態で使用しており、電動機の駆動軸によって第2ロータ5と共に一体的に第1ロータ4が回転するので、電動発電機が車載バッテリの充電および電気装置へ電力を供給する発電機として機能し、電気エネルギーの自給自足を行うことができる。
ここで、スーパーチャージャー1、特に第1ロータ4、第2ロータ5および複数の板スプリング弁6よりなる内蔵物全体を回転駆動する電動機の応答遅れに起因して、運転者がアクセルペダルを急激に踏み込む等のフル加速時に、アクセル開度の変化量に対応して設定される目標過給圧に対する制御過給圧(実過給圧)の追従性が悪くなる。このような時には、電動発電機をON状態とすることで、電動発電機を電動機として機能させて、図6に示したように、複数の板スプリング弁6を第1ロータ4の外周と第2ロータ5の内周の間に巻き込んで、複数の板スプリング弁6を第2ロータ5の外周面近傍まで引っ込める(全開)。これにより、ハウジング2の内周面と第2ロータ5の外周面との間に形成される環状空間29の流路開口面積が最大となる。
これによって、エンジンの吸入行程で発生する吸気管負圧により吸気通路20内に流入した吸入空気が、スーパーチャージャー1のハウジング2の空気吸入口から環状空間29内に流入する。そして、環状空間29からスーパーチャージャー1のハウジング2の空気吐出口、サージタンク24、インテークマニホールド(またはインテークパイプ)および吸気ポート14を経由してエンジンの燃焼室8内に吸入され、エンジン回転速度を上昇させるのに必要な吸入空気量を得ることができる。したがって、スーパーチャージャー1を回転駆動する電動機の応答遅れに起因するエンジン回転速度の上昇遅れを防止することができるので、空気吸入遅れを解消することができる。これにより、例えば運転者のアクセル操作量に対応した加速感を得ることができ、ドライバビリティを向上することができる。
また、電動機とECUの第2電動機駆動回路とを結線するワイヤーハーネスが断線したり、ショートしたりして、電動機がフェイル(異常停止)した時には、スーパーチャージャー1の第1、第2ロータ4、5の回転が止まり、エンジンのクランクシャフトを回すのに必要な最小限の空気量を圧送することができなくなる。このような時にも、電動発電機をON状態とすることで、電動発電機を電動機として機能させて、図6に示したように、複数の板スプリング弁6を第1ロータ4の外周と第2ロータ5の内周の間に巻き込んで、複数の板スプリング弁6を第2ロータ5の外周面近傍まで引っ込める(全開)。これによって、吸入空気をエンジンの燃焼室8内に吸入させることができるので、エンジンが止まってしまうのを防止することができる。したがって、通常走行可能となり、車両を安全な場所に退避走行(リンプフォーム)させることができる。
また、エンジンの運転状態、例えばエンジン負荷またはエンジンの暖機状態や、電動機の立ち上がり時に、スーパーチャージャー1の能力を補助する目的で、電動発電機を電動機として機能させて、複数の板スプリング弁6を第2ロータ5の外周面近傍まで引っ込める(全開)ようにしても良い。また、アイドル運転時または低速低負荷時に、電動発電機を電動機として機能させて、複数の板スプリング弁6を第2ロータ5の外周面近傍まで引っ込める(全開)ようにしても良い。また、高速高負荷時に、電動発電機を電動機として機能させて、複数の板スプリング弁6を第2ロータ5の外周面近傍まで引っ込める(全開)ようにしても良い。また、エンジンの排気管内に形成される排気通路の途中に、電動機によって回転駆動される排気機(スーパーチャージャー)を介装しても良い。この場合には、排気機を用いて排気ガスを強制的に排気させることができるので、排気量の増加に伴って吸気量が増加するため、更に燃費の向上を図ることができる。
[変形例]
本実施例では、流体として吸入空気等の気体を用いたが、流体として燃料または水等の液体を用いても良い。
スーパーチャージャーの主要構造を示した斜視図である(実施例1)。 スーパーチャージャーの主要構造を示した断面図である(実施例1)。 電動過給機付エンジン用吸気システムの全体構成を示した概略図である(実施例2)。 スーパーチャージャーの主要構造を示した斜視図である(実施例2)。 スーパーチャージャーの主要構造を示した断面図である(実施例2)。 電動過給機付エンジン用吸気システムの全体構成を示した概略図である(実施例2)。 スーパーチャージャーの主要構造を示した斜視図である(実施例2)。 スーパーチャージャーの主要構造を示した断面図である(実施例2)。 容積形ポンプの主要構造を示した断面図である(従来の技術)。
符号の説明
1 スーパーチャージャー(板スプリング式過給機、弁位置可変式過給機)
2 ハウジング
3 ロータ(回転体)
4 第1ロータ(第1回転体)
5 第2ロータ(第2回転体)
6 板スプリング弁(板状弁体)
7 可変容積空間(流体配管)
8 エンジンの燃焼室
9 吸気管
10 インジェクタ(電磁式燃料噴射弁)
12 挿入孔(挿入部)
13 接触子
14 エンジンの吸気ポート
29 環状空間
31 第1ロータの保持部(挿入部)
33 第2ロータの摺動溝(挿入部)

Claims (7)

  1. (a)上流側の流体配管と下流側の流体配管との間に介装された円筒形状のハウジングと、
    (b)このハウジング内に回転自在に収容されて、前記ハウジングの中心軸線よりも偏心した位置に回転中心軸線を有し、且つ外周に設けられた複数の挿入部を有する回転体と、
    (c)前記複数の挿入部内にそれぞれ挿入されており、前記ハウジングの内周と前記回転体の外周との間に形成される環状空間を複数の可変容積空間に区画する複数の板状弁体とを備え、
    前記複数の可変容積空間のうちの少なくとも1つの可変容積空間の容積が増大と減少とを繰り返すことで、前記上流側の流体配管から前記可変容積空間内に吸入した流体を圧縮した状態で、前記下流側の流体配管に吐出するスーパーチャージャーにおいて、
    前記複数の板状弁体は、前記ハウジングの内周面に常に弾性接触することが可能な弾性変形力を有し、流体の圧縮圧力を考慮した許容応力まで耐え得る高剛性の板スプリング弁であって、
    前記板スプリング弁は、前記ハウジングの内周面との接触角度が鈍角となるように設けられていることを特徴とするスーパーチャージャー。
  2. 請求項1に記載のスーパーチャージャーにおいて、
    前記複数の板スプリング弁は、前記回転体の回転中心軸線に対して直交する半径方向に取り付けられているか、あるいは前記回転体の半径方向に対して傾斜して取り付けられていることを特徴とするスーパーチャージャー。
  3. 請求項1または請求項2に記載のスーパーチャージャーにおいて、
    前記回転体を回転駆動する電動機を備えたことを特徴とするスーパーチャージャー。
  4. 請求項1または請求項2に記載のスーパーチャージャーにおいて、
    前記回転体は、前記ハウジングの中心軸線よりも偏心した位置に回転中心軸線を有する第1回転体、およびこの第1回転体の外周側に設けられた円筒状の第2回転体よりなり、 前記複数の挿入部は、前記第1回転体の外周に設けられて、前記複数の板スプリング弁を保持固定する複数の保持部、および前記第2回転体を貫通するように設けられて、前記複数の板スプリング弁を摺動自在に保持する複数の摺動溝よりなることを特徴とするスーパーチャージャー。
  5. 請求項4に記載のスーパーチャージャーにおいて、
    前記第1回転体を、前記ハウジング内で前記複数の板スプリング弁を全閉および全開することが可能な回転角度のみ駆動する電動発電機と、
    前記第1回転体、前記第2回転体および前記複数の板スプリング弁よりなる内蔵物全体を回転駆動する電動機と
    を備え、
    前記電動発電機は、通常運転時に発電機として機能させて、バッテリの充電および電気装置へ電力を供給することを特徴とするスーパーチャージャー。
  6. 請求項5に記載のスーパーチャージャーにおいて、
    前記電動機の応答遅れを要因として目標過給圧に実過給圧が追従しない時、あるいは前記電動機の異常故障時に、前記電動発電機を電動機として機能させて、前記第1回転体を前記複数の板スプリング弁の全開方向に回転させる過給機制御装置を備えたことを特徴とするスーパーチャージャー。
  7. 請求項3または請求項5に記載のスーパーチャージャーにおいて、
    前記スーパーチャージャー付きエンジンの運転状態に基づいて、前記電動機の目標回転速度または前記スーパーチャージャーの目標過給圧を算出し、この算出した前記電動機の目標回転速度または前記スーパーチャージャーの目標過給圧に基づいて、前記電動機の回転速度を制御する過給機制御装置を備えたことを特徴とするスーパーチャージャー。
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