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JP2005349524A - ラッピング加工装置 - Google Patents

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JP2005349524A JP2004172591A JP2004172591A JP2005349524A JP 2005349524 A JP2005349524 A JP 2005349524A JP 2004172591 A JP2004172591 A JP 2004172591A JP 2004172591 A JP2004172591 A JP 2004172591A JP 2005349524 A JP2005349524 A JP 2005349524A
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Abstract

【課題】 ラッピングフィルムを用いて加工するとき、短時間でワークの加工面をクラウニング形状に形成すると共に、シューおよびラッピングフィルムの寿命を向上させ、設備費の削減が可能なラッピング加工方法およびラッピング加工装置を提供する。
【解決手段】 断面非真円の円弧状をしたワークWの加工面を覆い、薄肉基材の一面に砥粒が設けられた長尺な帯状のラッピングフィルム11と、ワークWを回転駆動する回転駆動手段40と、ワークWを軸方向にオシレーションするオシレーション手段50と、ラッピングフィルム11の背面側に設けられ、ラッピングフィルム11の砥粒面をワークWの加工面に押付けるシュー手段70と、を有するラッピング加工装置1であって、シュー手段70は、ラッピングフィルム11の背面側に設けられたシューを複数のローラ状のシュー71により構成し、シューホルダー80に回転可能に保持したことを特徴とする。
【選択図】 図5

Description

本発明は、ワークの加工面を砥粒付きのラッピングフィルムによりフィルムラッピング加工(以下単にラッピング加工)するラッピング加工装置に関する。
たとえば、車両のエンジン部品であるカムシャフトのカムロブ部やジャーナル部あるいはクランクシャフトのジャーナル部やピン部等のような断面円弧状の外周面を有するワークを仕上げ加工する場合は、最近、一面に砥粒が設けられた帯状をした長尺なラッピングフィルムを用いてラッピング加工されている。
このラッピング加工は、ワークの加工面をラッピングフィルムで覆い、対向配置されたシューにより背面側から加圧し、ラッピングフィルムをワークに押付けた状態でワークに回転を与えると同時にワークを軸方向にオシレーション(振動)し、ラッピングフィルムの砥粒面でワークを加工する超仕上げ加工である(たとえば、特許文献1参照)。
このようなラッピング加工では、所定数のワークを加工した後、ラッピングフィルムはフィルム送りされ、新たな部分で加工を行なうことになる。
しかし、シューは、ラッピングフィルムがワークに対しズレないように所定の力でラッピングフィルムを加圧するものであることから、常に同一箇所である先端部がラッピングフィルムと接しており、しかもラッピングフィルムとシューの先端部分との間の滑りを防止するために、ラッピングフィルムの背面側には滑り防止加工が施されている。
この結果、シューに関しても、ある程度加工を行なうと、摩耗などにより形状が変化し、フィルムの押付け力が変動し、加工の均一性を保持できないことから、かなりの頻度で交換を余儀なくされている。また、シューの交換作業は、面倒であるのみでなく、その間ラッピング加工が中断されることになるので、装置の稼働率が低下し、生産能率も低下する虞がある。
また、シューの先端部は、ワークの回転軸に直交する方向の断面が円弧状の中凹状としたものがある。例えば、ワークがカムロブ部の場合には、エンジン性能を高めるために、当該カムロブ部の周面を軸方向で円弧状をした中凸状にすることがある。このようなワークの成形時には、シューの先端部の形状を、前記ワークの中凸形状に対応して円弧状の中凹状とし、シュー形状に倣ってカムロブ部の周面を中凸形状に成形している。
しかし、中凹形状のシューを使用すれば、ラッピングフィルムの外側縁部には、オシレーション時に往復動するワークのエッジ部より過大な面圧が掛かることになる。
この結果、ラッピングフィルムでは、砥粒の摩耗や剥離が生じ、シューには、より一層大きな荷重が作用し、ラッピングフィルムとの擦れによる摩耗や、荷重による変形を受け、長期にわたり所定の中凹形状を維持できず、ワーク面粗度の悪化、シューの寿命の低下、交換頻度の増大を来たし、コスト的にも不利となるなどの問題がある。
特開平7−237116号公報 (図1、図2参照)
本発明は、上記従来技術に伴う課題を解決するためになされたものであり、ラッピングフィルムを用いてラッピング加工するとき、シューの劣化を防止し、ラッピング加工の作業性や装置の稼働率が低下を防止し、生産能率を高めることができるラッピング加工装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成する本発明に係るラッピング加工装置は、断面非真円の円弧状をしたワークの加工面を覆い、薄肉基材の一面に砥粒が設けられた長尺な帯状のラッピングフィルムと、前記ワークを回転駆動する回転駆動手段と、前記ワークを軸方向にオシレーションするオシレーション手段と、前記ラッピングフィルムの背面側に設けられ、当該ラッピングフィルムの砥粒面を前記ワークの加工面に押付けるシュー手段と、を有するラッピング加工装置であって、前記シュー手段は、前記ラッピングフィルムの背面側に設けられたシューを複数のローラ状のシューにより構成し、当該ローラ状シューをシューホルダーに回転可能に保持したことを特徴とする。
上記のように構成した本発明によれば、ラッピングフィルムの送りに伴ってローラ状シューが回転するので、加工時にワークの加工面にラッピングフィルムを押し付けるローラ状シューの周方向位置が変化し、シューの摩耗および変形を抑制でき、シューの交換頻度を低減し、コストを削減することができる。また、シューの形状が単純なローラ状であるため、シューの作成が容易で、シューの製作面でもコスト的に有利となる。
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照しつつ説明する。
図1は本発明の実施形態に係るラッピング加工装置の概略図、図2は同ラッピング加工装置の上下アーム閉状態を示す概略断面図、図3は同上下アームの開状態を示す概略断面図、図4(A)はラッピング加工されるワークの一例であるカムシャフトを示す斜視図、図4(B)は同カムシャフトのカムロブ部各部位の説明図である。なお、説明の便宜上、カムシャフト60の軸線方向(図1において左右方向)をX方向、X方向に対して直交する水平方向(図1において紙面に直交する方向)をY方向、X方向に対して直交する鉛直方向(図1において上下方向)をZ方向とする。
図1〜図3において、ラッピング加工装置1は、概して、薄肉基材の一面に砥粒が設けられたラッピングフィルム11と、ラッピングフィルム11の背面側に配置されラッピングフィルム11の砥粒面をワークWに押付けるシュー手段70と、ワークWを回転駆動する回転駆動ユニット40と、ワークWを軸線方向にオシレーションするオシレーションユニット50と、を有し、回転するワークWの加工面にラッピングフィルム11を押圧しラッピング加工を行なう。
ワークWとしては、例えば、図4Aに示すカムシャフト60を挙げることができ、このカムシャフト60におけるカムロブ部61が加工面となる。カムロブ部61は、図4Bに示すように、全体的には、略卵状をした非真円の円弧状の周面を有しており、ベースサークルをなすベース部d、カムのリフトを定めるトップ部a、トップ部aの両側に連続し、エンジンのバルブを開き始めたり、閉じ始めたりするイベント部b,b、ベース部dからイベント部b,bへのアプローチをなすランプ部c,cの複数の部位を備え、軸心O(回転中心)から加工面までの半径は部位ごとに変化している。
ベース部dは曲率半径が一定であるが、イベント部b,bはほぼ直線的であるため曲率半径が非常に大きく、トップ部aは曲率半径が比較的小さくなる。このため、カムロブ部61では、トップ部aで最も摩擦力が発生することになるので、本来的にはトップ部aがクラウニング形状(中凸形状)であればよい。
ここに、「断面非真円の円弧状」とは、回転中心から一の部位までの半径が他の部位までの半径と異なる円弧形状をいい、楕円形状や、図示したカムロブ部61のような卵形状が含まれることはもちろんのこと、外形は円形状であるが回転中心が円中心から偏心したものも含まれる。
さらに、ラッピング加工装置1につき詳述する。図1において、回転駆動ユニット40は、主軸41を回転自在に支持するヘッドストック42と、主軸41の先端に設けられかつワークWであるカムシャフト60の一端を把持するチャック43と、主軸41にベルト44を介して連結された主軸モータMと、カムシャフト60の他端を支持するセンタ45を備えたテールストック46と、を有している。
カムシャフト60は、主軸モータMの回転がベルト44および主軸41を介して伝達され、主軸モータMの回転速度を変えることにより、ワーク回転速度が所望の速度に設定され、加工中におけるワークWの回転位置は、主軸41に取り付けられたロータリエンコーダSにより検出される。ヘッドストック42とテールストック46は、それぞれY方向に沿ってスライド移動自在なテーブル47と48上に設けられ、これらテーブル47、48は、X方向に沿ってスライド移動自在なテーブル49上に載置されている。
オシレーションユニット50は、テーブル49の端面に当接する偏心回転体51と、偏心回転体51を回転駆動するオシレーション用モータMと、テーブル49の端面を偏心回転体51に常時当接させるばねなどの弾性手段52と、を有している。
オシレーションの速度Voは、モータMの回転速度を変えることにより所望の速度(たとえば、10Hz)に設定され、振幅は、オシレーション用モータMの軸心に対する偏心回転体51の偏心量に基づいて設定される。本実施形態では、偏心量は約1mm程度であり、オシレーションの振幅は約2mm程度である。なお、偏心回転体51の偏心量の調整は、例えば調整プレート(図示せず)の挿入枚数を変えるなどの公知の手段を併用してもよい。オシレーションに伴うカムシャフト60のX方向位置の変化は、偏心回転体51の回転位置を検出するロータリエンコーダSを偏心回転体51の軸に取付け、検出する。
ラッピングフィルム11は、種々のタイプがあるが、本実施形態では、基材が非伸縮性の高い材料、たとえば、厚さが25μm〜130μm程度のポリエステルなどから構成され、この基材の内面には、数μm〜200μm程度の粒径を有する多数の砥粒(具体的には、酸化アルミニウム、シリコンカーバイト、ダイアモンドなどからなる)が接着剤により取付けられている。
図2および図3において、ラッピングフィルム11は、供給リール15から引き出され、上アーム22の先端に設けられた一対の第1ガイドローラRと、上アーム22の内方位置に取付けられている第2ガイドローラRと、下アーム23の内方位置に取付けられている第3ガイドローラRと、下アーム23の先端に設けられた一対の第4ガイドローラRなどにガイドされ、巻取りリール16に巻き取られる。巻取りリール16にはモータMが接続され、モータMにより巻取りリール16を回転すると、供給リール15からラッピングフィルム11が順次繰り出される。ラッピングフィルム11の繰り出し量を検出するために、巻取りリール16の軸には、回転量を検出するロータリエンコーダSが取付けられている。供給リール15および巻取りリール16の近傍にはロック装置(図示せず)が設けられ、このロック装置の作動によりフィルム11全体に所定のテンションが付与される。
対をなす上アーム22および下アーム23は、先端部がZ方向に開閉するように支持ピン24に支持され、上アーム22の後端部には、油圧あるいは空気圧などにより作動する流体圧シリンダ25の一端がピン連結され、下アーム23の後端部にはピストンロッド26の先端がピン連結されている。ピストンロッド26を突出すると、上下のアーム22,23は、支持ピン24を中心として先端部が閉じ回動し、図2に示す閉状態となる。一方、ピストンロッド26を後退させると、上下のアーム22,23は、図3に示す開状態となる。上下のアーム22,23の回動は、ラッピングフィルム11と共に行なわれ、閉じ回動によりシュー手段70がラッピングフィルム11を介してカムロブ部61に当接し、開き回動によりカムロブ部61とシュー手段70との当接を解除する。
図5は本実施形態に係るシュー手段の一部を示す正面図、図6は図5の6−6線に沿う断面図、図7は図5の7−7線に沿う断面相当図である。
シュー手段70は、上下のアーム22,23の先端部に形成された凹部27内に設置されたシューケース28に保持されて、カムロブ部61の上下に、ワークWの回転軸と直角な面に、対をなして対向配置されているが(図2,3参照)、ここでは簡単のため、一方のみについて説明する。
図5,6に示すように、各シュー手段70は、シューケース28に支点Pを中心に揺動可能に保持された1つのシューホルダー80と、シューホルダー80に回動可能に設けられた一対のローラ状のシュー71とを有している。
本実施形態の各ローラ状のシュー71は、回転軸72を中心として回動可能とされた円盤状のものであるが、シュー71の外周面は、図6,7に示すように、軸方向断面が中凹形状となっている。中凹形状としたのは、カムロブ部61の周面を軸方向で円弧状中凸状に成形するためであるが、本発明では、必ずしもこれのみでなく、シュー71の外周面は、平坦な面とした、単なる円盤状のシューであってもよい。
各シュー手段70が一対のローラ状シュー71を有しているのは、上下に配置されたシュー手段70が、カムロブ部61の加工面と接する場合、上下2つずつの4つのローラ状シュー71が接すれば、カムロブ部61を4点支持することになり、カムロブ部61を安定的に回転させることができるからである。
ローラ状シュー71としては、例えば、金属やセラミック、硬質ウレタン樹脂等を使用することができるが、硬質ウレタン樹脂としては、耐油性、耐水性に優れる材質が好ましく、例えば、ポリエーテル系のウレタンエラストマー用プレポリマー等が好ましい。
一方、シューホルダー80は、一対のローラ状シュー71を回転可能に保持する比較的圧肉の2枚の支持プレート81が所定の間隔をもって対設されている。両支持プレート81間に設けられた各ローラ状シュー71は、外周面の一部が外部に突出され、各回転軸72が平行でかつ相互に干渉しない位置で回転可能に保持されている。
シューケース28がシューホルダー80を揺動可能に保持する支点Pは、ワークWの回転軸に直交する面内でシューホルダー80を揺動可能に支持するように、各ローラ状シュー71の回転軸72と平行でかつ各ローラ状シュー71の回転軸72から等距離の位置に設けられている。
この支点Pとしては、本実施形態では支持プレート81に通孔82を開設し、シューケース28から突出したピン83を挿通したものであるが、これのみでなく、逆に、支持プレート81にピン83を設け、シューケース28側に開設した通孔にピン83を嵌合してもよいことは言うまでもない。
なお、シューケース28は、図2,3に示すワーククランプ用ばね33によりワークWの加工面に向って弾発され、ラッピングフィルム11をワークWの加工面に押付けているが、支点Pがカムシャフト60の軸心Oを通る線上に位置すれば、ばね33などによるシューの押付け力をラッピングフィルム11に効率的に作用させることができので、好ましい。
シューホルダー80においては、2枚の対設された支持プレート81間にラッピングフィルム11を送り込み、各ローラ状シュー71などの周面に沿って配置するが、ラッピングフィルム11が各ローラ状シュー71の外周面に極力長く巻回配置されるように、各ローラ状シュー71間には、ローラ状シュー71の軸と平行に折り返し部材84が設けられている。折り返し部材84は、ラッピングフィルム11の砥粒が設けられた面と当接するため、セラミックあるいは焼き入れされたピン等を使用することが好ましいが、耐摩耗性に優れた材質を有するものであればどのようなものであってもよい。
シューホルダー80には、ラッピングフィルム11の送り込み側と送り出し側にそれぞれストッパ機構85が設けられている。ラッピングフィルム11は、前述したように、供給リール15と巻取りリール16の近傍に設けられたロック装置によりロックされ、所定のテンションが付与されるが、実際にラッピング加工が行なわれるシュー手段70の近傍でロックすれば、オシレーション時に往復動するワークWのエッジ部より過大な面圧が掛かっても、位置ズレが防止でき、より好ましい。
ストッパ機構85は、ローラ状シュー71の外周面にラッピングフィルム11を押付けて固定保持するもので、2枚の支持プレート81間にラッピングフィルム11を送り込む側と送り出し側にそれぞれストッパローラ86を設け、ストッパローラ86の回転軸87をエアシリンダ88により進退させ、ストッパローラ86をローラ状シュー71の外周面に押付けている。
ストッパローラ86の回転軸87は、支持プレート81に開設された長孔Oに挿通され、各支持プレート81内に設置されたエアシリンダ88内のピストンロッド89の一端が連結されている。したがって、エアホース90により圧縮空気をエアシリンダ88内に給排すれば、ピストン91が作動し、回転軸87を介してストッパローラ86がローラ状シュー71に対し近接離間し、ラッピングフィルム11をローラ状シュー71の外周面に押し付けたり、離れたりすることになる。
なお、ストッパローラ86の駆動に関しては、空圧のみでなく、油圧やスプリング、張力等を使用しても良いことは言うまでもない。
ここにおいて、ストッパローラ86の外周面は、ローラ状シュー71の外周面に沿った形状であり、ローラ状シュー71の外周面が軸方向凹形状であれば、これに対応した凸形状とする。なお、平滑な環状面であれば、これに対応した環状面とする。
このようにローラ状シュー71、折り返し部材84、ストッパローラ86などが設けられたシューホルダー80においては、2枚の支持プレート81間に導かれたラッピングフィルム11は、送り込み側のストッパローラ86→一方のローラ状シュー71→折り返し部材84→他方のローラ状シュー71→送り出し側のストッパローラ86にそれぞれ巻回された後に、シューホルダー80の外部に引き出されることになる。
なお、上記モータM、M、M、MおよびロータリエンコーダS、S、Sは、CPUやメモリを主体とするコントローラ200に接続されている。コントローラ200は、ロータリエンコーダS、S、Sの検出結果を監視しつつ、モータM、M、M、Mを制御し、ラッピング加工装置1の加工時および加工停止時の各構成の動作を制御している。
次に、作用を説明する。
まず、両押圧アーム22,23がそれぞれ開の状態で、ヘッドストック42とテールストック46との間にカムシャフト60をセットし、また、モータMを作動して巻取りリール16を回転する。使用済みのラッピングフィルム11の場合には、所定量移動し、新規な砥粒面が加工面上にセットされる。このラッピングフィルム11の移動に伴ってシュー手段70ではローラ状シュー71が回転され、シュー71自体も新たな加圧面がセットされることになる。
この段階で、供給リール15近傍に設けられたロック装置をロックし、反対側の巻取りリール16をさらに回転させると、ラッピングフィルム11に所定のテンションが付与される。シュー手段70においても、巻回配置されたラッピングフィルム11が所定のテンションもって一対のローラ状シュー71の外周面に密着する。
また、シュー手段70のエアシリンダ88内の空気を吸引し排出すると、ストッパローラ86がローラ状シュー71側に移動し、ストッパローラ86がローラ状シュー71の外周面に押し付けられ、その間のラッピングフィルム11が位置固定的に保持される。
なお、送り込み側のストッパローラ86を作動した後に、送り出し側のストッパローラ86を作動させると、ラッピングフィルム11に緩みや不必要なテンションを生じさせることなくラッピングフィルム11をローラ状シュー71の外周面に保持することができる。そして、巻取りリール16近傍のロック装置をロックすると、ラッピングフィルム11の取り付けが完了する。
次に、流体圧シリンダ25を作動すると、ピストンロッド26が突出され、上下のアーム22,23が閉じ回動し、ラッピングフィルム11をカムロブ部61の加工面上にセットされる。シュー手段70においては、シューホルダー80がワーククランプ用ばね33に弾発されるので、ローラ状シュー71およびラッピングフィルム11の砥粒面がカムロブ部61に押付けられる。
モータMを作動すると、ワークWが回転し、各加工面は、ラッピングフィルム1の砥粒面によりラッピング加工される。また、モータMを作動すると、偏心回転体51が弾性手段52の弾発力に抗して回転し、テーブル49をX方向に往復動させ、ワークWをX方向にオシレーションする。
したがって、ワークWが軸中心の回転と同時に軸方向にオシレーションされると、ワークWと砥粒との接する距離が長くなり、ワークWに対する単位時間あたりの作用砥粒数は増大し、加工時間が短縮し、ワークの加工効率を高めることができる。
なお、カムシャフト60は、多数のカムロブ部61を有しているが、これらが一斉にラッピング加工される。
本実施形態では、シュー手段70がストッパ機構85によりラッピングフィルム11をローラ状シュー71の外周面に押付けて固定的に保持しているので、テンションが付与されたラッピングフィルム11は、ローラ状シュー71の外周面に密着固定され、位置ズレを起こす虞はない。
つまり、ストッパ機構85のエアシリンダ88内の空気を吸引すると、ストッパローラ86がローラ状シュー71側に移動し、ラッピングフィルム11にテンションを掛けつつローラ状シュー71の外周面に押し付けることになり、ラッピングフィルム11がローラ状シュー71の外周面に密着される。しかも、ローラ状シュー71自体の回転もストッパローラ86の押し付け力により規制され、変位しない状態となる。
したがって、ワークWを中凸状に成形するために、ワーク軸方向形状が中凹状のシュー71を使用し、シュー先端部の形状に倣ってワークの加工面を成形する場合、ラッピングフィルム11の外側縁部に、オシレーション時に往復動するワークWのエッジ部より過大な面圧が掛かっても、ラッピングフィルム11自体が位置ズレを起こすことはなく、前記作用砥粒数が減少し、加工効率が低下することもない。
ラッピング加工は、予め設定された加工回数または回転数に達するかあるいは設定された加工時間が経過すると、モータMおよびMを停止するか、流体圧シリンダ25を作動し、上下のアーム22,23を開き、ワークWからラッピングフィルム11を離すと完了する。
加工完了後、ラッピングフィルム11を新たな面にするために、ストッパ機構85により両ストッパローラ86を作動し、ローラ状シュー71から離間させ、巻取りリール16をモータMにより作動し、ラッピングフィルム11をシューホルダー80から所定量送り出す。
この場合、両ストッパローラ86および折り返し部材84がシューホルダー80に対して回転可能に取り付けられているので、ラッピングフィルム11との間で摩擦や摩耗が生じることはなく、ラッピングフィルム11を円滑に移動させることができる。
特に、複数のローラ状シュー71間に折り返し部材84が設けられているので、各ローラ状シュー71が中凹状をしていてもラッピングフィルム11の送り方向のズレが抑制され、円滑に送られる。
また、シューに関しても、ラッピングフィルム11との擦れによる摩耗や、荷重による変形を受けても、ラッピングフィルム11の新たな面に移動に伴ってローラ状シュー71も回転し、新たな部分で荷重を受けることになるので、ローラ状シュー71の摩耗および変形も抑制でき、所定の中凹形状を長期にわたり維持でき、ワークの面粗度を悪化させたり、頻繁に交換する必要もなく、装置の稼働率も向上し、比較的長期にわたり安定した加工品質を得ることができる。
ここに、加工条件の一例を挙げると、カムシャフト60を120rpmで回転させ、ラッピングフィルム11をローラ状シュー71によって0.4Mpaでカムロブ部61に押し付け、オシレーションの振動数を100Hzで加工した場合、良好な加工結果が得られている。また、ラッピングフィルム11の新しい面に取り替える頻度としては、前記加工条件でワークWを正転で4回、逆転で4回の加工を行なった後に、新しい面に取り替えたが、十分な加工品質を得ることができた。
上述したように本実施形態では、ラッピングフィルム11の背面側に設けられたシューを複数のローラ状のシュー71により構成し、シューホルダー80に回転可能に保持したので、ローラ状のシュー71に荷重が掛かるポイントが種々変化し、ワークWを中凸状に成形するために、各ローラ状シュー71の外周面形状が軸方向で中凹形状であっても、ローラ状シュー71の摩耗および変形も抑制でき、寿命も延び、長期にわたり安定した加工品質を得ることができる。また、ローラ状シュー71を新規なものに交換する場合も、形状が単純なため、製作が容易であり治具費を低減することができることになる。
シューホルダー80に関しても、ローラ状シュー71の回転軸方向が平行でかつ相互に干渉しない位置で回転可能に保持し、各ローラ状シュー71の回転軸方向に平行でかつ回転軸72から等距離に支点Pを設け、支点Pを中心に揺動可能としたので、ワークWを安定的に保持でき、加工面を円滑に加工の均一性を持って加工できる。
複数のローラ状シュー71間にラッピングフィルム11の折り返し部材84を設けているので、ラッピングフィルム11の送り方向のズレが一層抑制できる。
シュー手段70は、ローラ状シュー71の外周面にラッピングフィルム11を押付けて固定的に保持するストッパ機構85を有しているので、ラッピングフィルム11をローラ状シュー71に密着させることができる。したがって、従来ラッピングフィルム11の背面に設けていた滑り止め防止の抵抗材料のバックコーティングや、滑り止め加工が不用となり、この面でもコスト的に有利となり、しかも、滑り止めコーティング材によるローラ状シュー71等の摩擦や摩耗までなくなる。
ストッパ機構85のストッパローラ86は、ラッピングフィルム11を加圧する面の形状がローラ状シュー71の外周面形状に沿った形状を有するので、ラッピングフィルム11の加圧が確実になり、送りも極めて円滑にできる。
なお、本発明は上述した実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲の範囲内で種々改変することができる。例えば、本実施形態では1つのシューホルダーに2つのローラ状シューを用いているが、2つ以上のローラ状シューを用いることも可能である。
本発明は、自動車用エンジンのカムシャフト、特に、カムロブ部をラッピング加工により仕上げ成形加工に適している。
ラッピング加工装置の概略図である。 同ラッピング加工装置の上下アーム閉状態を示す概略断面図である。 同上下アームの開状態を示す概略断面図である。 (A)はラッピング加工されるワークの一例であるカムシャフトを示す斜視図、(B)は同カムシャフトのカムロブ部各部位の説明図である。 本実施形態に係るシューの一部を示す正面図である。 図5の6−6線に沿う断面図である。 図5の7−7線に沿う断面相当図である。
符号の説明
11…ラッピングフィルム、
28…シューケース、
40…回転駆動ユニット、
50…オシレーションユニット、
60…カムシャフト、
61…カムロブ部、
70…シュー手段、
71…ローラ状シュー、
80…シューホルダー、
84…折り返し部材、
85…ストッパ機構、
86…ストッパローラ、
W…ワーク。

Claims (6)

  1. 断面非真円の円弧状をしたワークの加工面を覆い、薄肉基材の一面に砥粒が設けられた長尺な帯状のラッピングフィルムと、
    前記ワークを回転駆動する回転駆動手段と、
    前記ワークを軸方向にオシレーションするオシレーション手段と、
    前記ラッピングフィルムの背面側に設けられ、当該ラッピングフィルムの砥粒面を前記ワークの加工面に押付けるシュー手段と、
    を有するラッピング加工装置であって、
    前記シュー手段は、前記ラッピングフィルムの背面側に設けられたシューを複数のローラ状のシューにより構成し、当該ローラ状シューをシューホルダーに回転可能に保持したことを特徴とするラッピング加工装置。
  2. 前記シューホルダーは、前記複数のローラ状シューの回転軸方向が平行でかつ相互に干渉しない位置で回転可能に保持し、前記複数のローラ状シューの回転軸方向に平行でかつ各ローラ状シューの回転軸から等距離に、前記ワークの回転軸と平行な支持軸を設け、当該支持軸を中心に揺動可能としたことを特徴とする請求項1に記載のラッピング加工装置。
  3. 前記各ローラ状シューは、外周面の形状が軸方向で中凹形状である請求項1または2に記載のラッピング加工装置。
  4. 前記シュー手段は、前記複数のローラ状シュー間に前記ラッピングフィルムを当該ローラ状シューの外周面に沿わせる折り返し部材を有することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のラッピング加工装置。
  5. 前記シュー手段は、前記ローラ状シューの外周面に前記ラッピングフィルムを押付けて固定的に保持するストッパ機構を有することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のラッピング加工装置。
  6. 前記ストッパ機構は、前記ラッピングフィルムを加圧する面の形状が前記ローラ状シューの外周面形状に沿った外周面形状を備えたストッパローラを有することを特徴とする請求項5に記載のラッピング加工装置。
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