JP3690396B2 - ラッピング加工装置およびラッピング加工方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ラッピングフィルムを用いたラッピング加工装置およびラッピング加工方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、各種機械部品の高精度化、高能率化の要求により、加工の精密性の必要が高まっている。加工の精密性を向上するものとして、ラッピングフィルムによる超仕上げ加工が注目されている。
【0003】
ラッピングフィルムを用いた超仕上げ加工は、片面に砥粒が接着されたラッピングフィルムを砥粒面と反対側からシューによりワークに押付け、ワークに回転を与えると同時に、オシレーション(振動)も与えて微細な切削を行う加工である。
【0004】
ラッピングフィルムは、ロールテープ状に形成されており、供給リールから巻取りリールまで送り出しが可能となっている。ラッピングフィルムは、ワークの加工中には送り出されないように固定され、一つの加工が終わると所定量送り出されて次の加工に用いられている。(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
しかし、このようなラッピング加工では、ある1つの加工が始まると、これが完了するまではラッピングフィルムの位置は固定されたままである。これでは、加工途中にラッピングフィルムが目詰まりし、または砥粒が脱落して加工能力が低下した場合でも、そのまま加工が続行されることとなり、所望の表面粗さを得ることができない。
【0006】
【特許文献1】
特開平7−237116号公報(図1、図2参照)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、加工途中にラッピングフィルム表面の砥粒の状態が不均一になっても安定した表面粗さを得ることができるラッピング加工装置およびラッピング加工方法の提供を目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明のラッピング加工装置は、ワークを回転自在に保持する保持手段と、薄肉基材の一面に砥粒が設けられたラッピングフィルムと、押付け部材を複数個保持し、該押付け部材により前記ラッピングフィルムの砥粒面を前記ワークに押付ける押付け部材保持手段と、前記ラッピングフィルムを送り出すフィルム送り出し手段と、を有し、隣接する前記押付け部材間の距離は、前記ラッピングフィルムの送り出し方向における前記押付け部材の幅の整数倍であり、前記フィルム送り出し手段は、加工停止中に、前記隣接する前記押付け部材間の距離分だけ前記ラッピングフィルムを送り出す。
【0009】
また、本発明のラッピング加工方法は、片面に砥粒が接着されたラッピングフィルムを砥粒と反対側から押付け部材によりワークに押付け、前記ワークに回転を与えると同時に、前記ワークに対して相対的な振動を前記ラッピングフィルムに与えて、前記ワークの表面を加工するラッピング加工方法であって、前記押付け部材は複数個が押付け部材保持手段により保持されて、前記ワークに押付けられ、隣接する前記押付け部材間の距離は、前記ラッピングフィルムの送り出し方向における前記押付け手段の幅の整数倍であり、前記ラッピングフィルムは、加工停止中において、前記隣接する前記押付け部材間の距離分だけ送り出される。
【0010】
【発明の効果】
本発明のラッピング加工装置およびラッピング加工方法によれば、押付け部材間の距離を押付け部材の幅の整数倍として、押付け部材間の距離分ラッピングフィルムを送り出すことによって、ラッピングフィルムの表面を重複せずに使用することができ、安定した加工を得ることができる。さらに、ラッピングフィルムをほとんど無駄なく全面に亘って使用することができる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態を説明する。
【0012】
(第1の実施の形態)
最初に本発明が適用されるラッピング加工装置の概略構成について説明し、その後に本発明の特徴となる部分について説明する。
【0013】
図1は本発明の実施形態に係るラッピング加工装置を示す概略構成図、図2はシュー押付手段の閉状態を示す概略断面図、図3はシュー押付手段の開状態を示す概略断面図である。なお、説明の便宜上、ワークの軸線方向(図1において左右方向)をX方向と定義し、X方向に対して直交する水平方向(図1において紙面に直交する方向)をY方向と定義し、X方向に対して直交する鉛直方向(図1において上下方向)をZ方向と定義する。
【0014】
図1、2において、本実施形態のラッピング加工装置について概説すれば、非伸縮性でかつ変形可能な薄肉基材の一面に砥粒が設けられたラッピングフィルム1(図2参照)と、ラッピングフィルム1の背面側に配置されたシュー2(図2参照)と、シュー2(押付け部材)をワークWの加工面に向けて押付けてラッピングフィルム1の砥粒面をワークWに押付けるシュー押付手段10と、ワークWを保持し回転駆動する回転駆動手段20(保持手段)と、ワークWとラッピングフィルム1相互間でオシレーションを生じさせるオシレーション手段30とを有し、ワークWを回転しつつこれにラッピングフィルム1を押圧しラッピング加工を施すに当り、前記シュー押付手段10、回転駆動手段20あるいはオシレーション手段30等の作動状態を適宜検知し、制御部Cで制御している。なお、本実施形態のワークWは、断面円弧状の加工面を有するもの、例えば、クランクシャフトのジャーナル部やピン部等のような断面真円状の加工面を有するものである。
【0015】
以下、詳述する。
【0016】
まず、ラッピングフィルム1は、種々のタイプがあるが、本実施形態では、基材が非伸縮性の高い材料、例えば、板厚が25μm〜130μm程度のポリエステルなどから構成され、この基材の一面には、数μm〜200μm程度の粒径を有する多数の砥粒(具体的には、酸化アルミニウム、シリコンカーバイド、ダイアモンド等からなる)が接着剤により取り付けられている。砥粒は、基材の一面に全面にわたって接着してもよく、また、所定幅の無砥粒領域を間欠的に形成したものであっても良い。基材の他面には、ゴムあるいは合成樹脂等からなる抵抗材料(図示せず)が取り付けられているが、場合によっては滑り止め加工を施しても良い。
【0017】
このラッピングフィルム1は、図2に示すように、モータM3により駆動される巻取りリール6(フィルム送り出し手段)の回転により、ラッピング加工装置の枠体等に支持された供給リール5から引き出され、後述の押圧アーム11、12の先端に設けられたフィルムローラR1、R5、R2等にガイドされ、巻取りリール6に巻取られるが、供給リール5と巻取りリール6の近傍にはロック装置7(図4参照)が設けられ、このロック装置7の作動により全体に所定のテンションが付与された状態で保持される。
【0018】
前記シュー2は、ゴムまたは合成樹脂あるいはアルミ等の金属により構成された比較的剛性を有するものであり、図2、4に示すように、内面側はワークWの加工面に沿うように円弧面とされているが、外周側はシューケース3a、3b(押付け部材保持手段)に保持され、押圧アーム11、12に保持されている。
【0019】
シュー押付手段10は、各シュー2が先端部に設けられた押圧アーム11、12と、これら押圧アーム11、12の後端に設けられ、所定の加圧力で両シュー2をワークWの加工面に向かって押付ける流体圧シリンダ13と、シューの押圧力を調節する押圧力調節手段15とを有している。
【0020】
前記シュー押付手段10は、流体圧シリンダ13が作動すると、支持ピン14を中心として両押圧アーム11、12が、図2に示す閉状態と、図3に示す開状態になる。両押圧アーム11、12の回動は、ラッピングフィルム1と共に行なわれ、閉じ回動によりシュー2がラッピングフィルム1を介してワークWを加圧し、開き回動によりワークWとシュー2の当接を解除する。
【0021】
なお、押圧力調節手段15は、シューケース3a、3bを押圧する押圧力をカム16により調節し、シュー2のワークWの加工面に対する押圧力を調節する。
【0022】
回転駆動手段20は、図1において、主軸21を回転自在に支持するヘッドストック22と、主軸21の先端に連結されワークWの一端を把持するチャック23と、主軸21にベルト24を介して連結された主軸モータM1と、ワークWの他端を支持するセンタを備えるテールストック25とを有している。
【0023】
ワークWは、ヘッドストック22とテールストック25との間にセットされ、主軸モータM1の回転がベルト24、主軸21及びチャック23を介して伝達され、回転することになるが、これらヘッドストック22とテールストック25は、Y方向に沿ってスライド移動自在なテーブル26上に設けられ、このテーブル26は、X方向に沿ってスライド移動自在なテーブル27上に配置されている。
【0024】
オシレーション手段30は、テーブル27の端部に当接する偏心回転体33と、偏心回転体33を回転駆動するオシレーション用のモータM2と、テーブル27の端部に偏心回転体33を常時当接させるためのばね等の弾性手段34と、を有し、偏心回転体33をモータM2により回転してテーブル27をX方向に往復移動し、ワークW全体をX方向にオシレーションするものである。
【0025】
オシレーション手段30によるオシレーションの振幅は、モータM2の軸心に対する偏心回転体33の偏心量により定められ、オシレーションの速度は、モータM2の回転速度により制御される。偏心回転体33の回転位置は、ロータリエンコーダ35により検出される。なお、偏心量の調節は、モータM2に軸と偏心回転体33との嵌合部分に調節板を挿入するなどの手段が使用されるが、流体圧手段などを利用しても良く、種々の手段がある。
【0026】
特に、本実施形態では、ラッピングフィルム1の送り量、シュー2の幅、シュー2間の距離の関係を具体的に規定し、ラッピングフィルム1の重複使用を防止して加工を安定させており、ここに本発明の要部がある。
【0027】
以下、要部に着目して説明する。
【0028】
図4は、本発明の要部を示す概略構成図である。
【0029】
本発明のラッピング加工装置では、ラッピングフィルム1を介してワークを挟み込む一組のシューケース3a、3bにn個(図4では3個)のシュー2がそれぞれ保持されている。ラッピングフィルム1の送り出し方向におけるシュー2の幅をL、同一のシューケース3aに保持されて隣接するシュー2間の距離をTとして示している。また1回の加工が終わった時点での、ラッピングフィルム1の送り出し量をaとする。
【0030】
このとき、上記T、L、aを、次式により示される関係とする。
【0031】
T:L:a=n:1:n(n:整数) … 式(1)
本発明のラッピング加工装置では、T、L、aを式(1)に合致するように定めることによって、すなわち、Tの距離と同じだけラッピングフィルム1を送り出し、シューの幅をTの整数分の一の長さに定めることによって、ラッピングフィルム1の全体を無駄なく使用できることを特徴とする。
【0032】
次に、実際に上記式(1)に従って、シュー2の幅L、シュー2間の距離T、ラッピングフィルム1の送り出し量aを定めた場合にラッピングフィルム1の砥粒面がどのように使用されるかについて、具体例を挙げて説明する。
【0033】
(具体例1)
具体例1では、シュー2の数nを3個、シュー2の幅をL、シュー2間の距離をTとし、上記式(1)に基づいてT=3×Lの関係となるようにしている。また、ラッピングフィルム1の送り出し量a=3×Lである。便宜上、図5の説明中では、3つの並んで配置されているシュー2を、図面左から第1シュー2a、第2シュー2b、第3シュー2cと称する。
【0034】
図5は、ラッピングフィルム1の送り出しと使用済み砥粒面の関係を示す図である。
【0035】
ラッピング加工装置では、シュー2の位置は固定されており、送り出しによりシュー2の位置に止まったラッピングフィルム1の砥粒面が加工に使用される。図5では、シュー2により砥粒面がワークに押付けられて加工が行われる工程は省略し、単にシュー2に押付けられる砥粒面と、ラッピングフィルム1の送り出しの関係のみを示している。図面上、加工に使用された使用済み砥粒面は灰色、未使用の部分は白色に示している。
【0036】
まず、初期状態では、ラッピングフィルム1は未使用の状態で3個のシュー2a〜cの位置に止まり、この3箇所で使用される。ここで、ラッピングフィルム1上の3箇所の使用済み砥粒面のうち送り出し方向一番後ろの使用済み箇所17(図5中最も左側の使用済み箇所)の移動に着目する。
【0037】
初期状態から1回送り後には、送り出し量a=3Lだけラッピングフィルム1が送り出され、図5中に白抜き矢印で示すように、使用済み箇所17は、第2シュー2bのちょうど手前まで送り出される。同様に、初期状態で、第2シュー2bにより使用された使用済み部分は、第3シュー2cの手前まで送り出される。
【0038】
2回送り後は、さらに白抜き矢印で示すように、使用済み箇所17は第3シュー2cの2つ手前、すなわち、第3シュー2cからLだけ離れた位置まで送り出される。
【0039】
3回送り後は、さらに白抜き矢印で示すように、使用済み箇所17は第3シュー2cのちょうど奥まで送り出される。この時点で、図面からわかるように、4つの使用済み部分が並び、4回送り後には、これらの並んだ使用済み部分が順に送り出されていくことになる。
【0040】
このように、4回送り後は、第3シュー2cを通過するラッピングフィルム1は、全面が均等に使用されることとなる。加えて、使用済み箇所17の移動を追ってわかるように、使用済み箇所17は、第1シュー2aで使用された以外で再度他のシュー2の位置で止まることはなく、このことから、使用済み箇所が再使用されていないことがわかる。
【0041】
以上のように、シュー2の数n=3個として、上記式(1)に従ってシュー2間の距離およびラッピングフィルム1の送り量を決定した場合には、ラッピングフィルム1の表面を重複せずに使用することができ、結果として安定した加工を得ることができる。さらに、ラッピングフィルム1をほとんど無駄なく全面に亘って使用することができる。
【0042】
(具体例2)
さらに、具体例2として、シュー2の個数n=4個、シュー2間隔T、シュー2の幅L、ラッピングフィルム1の送り量aとして、上記式(1)に当てはめT=4L=aとした場合について説明する。
【0043】
図6は、ラッピングフィルム1の送り出しと使用済み砥粒面の関係を示す図である。
【0044】
図5の説明の場合と同様に、便宜上シュー2は図面左から第1〜第4シュー2a〜dと称する。
【0045】
図6に示すように、まず初期状態では、シュー2の個数分、4箇所で砥粒面が使用される。次に、使用済み箇所18(図6中一番左の使用済み箇所)に着目すれば、1回送り後には、3Lだけ送り出される。したがって、第2シュー2bのちょうど手前まで送り出される。
【0046】
次に、第2シュー2bにより使用済みになった箇所と使用済み箇所18とは2回送り後には第3シュー2cのちょうど手前まで送り出される。さらに、第3シュー2cにより使用済みになった箇所から使用済み箇所18までが、3回送り後には第4シュー2dの手前まで送り出される。
【0047】
このように、各シュー2の手前に連続する使用済みになった箇所の数が次第に多くなっていき、最終的に第4シューを超えた後、すなわち、5回送り後には、砥粒面が重複して使用されず、かつ隙間なく使用されて送り出されていることとなる。砥粒面の同一箇所が重複して使用されないので、安定したワークの加工を得ることができる。加えて、第4シューを超えたラッピングフィルム1の砥粒面は、全面に亘って隙間なく使用されているので、ラッピングフィルム1の使用に無駄がなく、資源を有効に活用することができ、コストの低減を図ることができる。
【0048】
(具体例3)
さらに、確認的に、シュー2の数n=2個で、シュー2間隔T、シュー2の幅L、ラッピングフィルム1の送り量aとして、T=2L=aの関係とした具体例3について説明する。
【0049】
図7は、ラッピングフィルム1の送り出しと使用済み砥粒面の関係を示す図である。
【0050】
図5および図6と同様に、初期状態で使用される使用済み箇所19は、1回送り後に第2シューの手前まで送り出され、2回送り後に第2シューの奥まで送り出される。このように、第2シューを超えた後のラッピングフィルム1は、砥粒面を一度ずつ使用された状態で送り出される。したがって、砥粒面の同一箇所を複数回使用することがないので、均等な加工を達成することができ、また、ラッピングフィルム1全体に亘って砥粒面を使用できるので、ラッピングフィルム1を無駄なく有効に使用することができる。
【0051】
以上説明してきたように、本実施の形態では、シュー2の数、シュー2間隔T、シュー2の幅L、ラッピングフィルム1の送り量aを式(1)に基づいて、定めているので、ラッピングフィルム1の重複使用を防止し、安定したワークの加工を得ることができる。また、上記式(1)に従えば、ラッピングフィルム1を隙間なく使用することができ、ラッピングフィルム1の無駄を無くし、コストを低減することができる。
【0052】
(第2の実施の形態)
理想的には、第1実施形態で説明した式(1)に従って、シュー2の数n、シュー2間隔T、シュー2の幅Lを決めれば、安定した加工を得ることができるが、送り出しのずれや、ラッピングフィルム1のすべり等により、上記理論を完全に実行することは困難である。上記説明では、一組のシューケース3a、3bのうち、片方のシューケース3aに保持されているシュー2を経由するラッピングフィルム1についてだけを説明していたが、一のシューケース3aを経由した後に、ラッピングフィルム1は、フィルムローラR5を経由してさらに他のシューケース3bを経由するように送り出される構造となっている(図2参照)。
【0053】
したがって、シューケース3aを経由する際に、上記理論通りにいかなかった場合、次のシューケース3bを経由する際に、砥粒面の同一箇所を複数回使用することとなったり、未使用箇所を使用することとなったりして、安定した加工を得られないことがある。そこで、第2実施形態では、新たな構成を追加することにより、さらに確実に安定した加工が得られるようにしている。
【0054】
第2実施形態におけるラッピング加工装置の全体構成については第1実施形態とほとんど同じなので、その説明は省略し、要部のみを説明する。
【0055】
第2実施形態のラッピングフィルム1加工装置では、第1実施形態の構成に加えて、一組のシューケース3a、3b間に、ラッピングフィルム1表面の砥粒状態を検出するカメラ8(検出手段)をさらに含み、検出手段による検出結果に基づいて、ラッピングフィルム1の送り出し量を補正するものである。
【0056】
図8は、第2実施形態の要部を示す概略構成図である。
【0057】
図8に示すように、ラッピングフィルム1の砥粒面を検出するためのカメラ8が配置されている。カメラ8は、シューケース3aを経由して、シューケース3bを経由する前の砥粒面を検出するべく、ラッピングフィルム1の送り出し経路上において、2つのシューケース3a、3b間に配置されている。カメラ8は、画像処理装置81に接続されており、撮影した砥粒面の画像を画像処理装置81に送信する。画像処理装置81は、制御部Cに接続されており、画像処理結果を制御部Cに送信する。
【0058】
制御部Cは、受信した画像処理結果に基づき、ラッピングフィルム1の送り量を補正する。具体的には、画像処理結果に基づき、通常シューケース3aを経由する際に生じる目詰まりよりも多く目詰まりしている部分が検出された場合には、該部分がシューケース3bを経由する際に使用されないように、送り出し量を補正する。ここで補正の対象となるラッピングフィルム1の送り出し量は、第1実施形態におけるフィルム送り出し量aである。
【0059】
このように随時ラッピングフィルム1の砥粒面を検出してフィルム送り出し量を補正することによって、理論通りにラッピングフィルム1の送り出しができていない場合でも、これを補正することができ、より安定した加工を得ることができる。
【0060】
なお、上記実施形態1、2では、クランクシャフトをラッピング加工する場合について説明してきたが、本発明はこれに限定されない。本発明は、カムシャフトをワークとしてカムローブ部を仕上げ加工する場合にも適用することができる。カムローブ部を仕上げ加工する際には特に高精度が要求されるので、第2実施形態において説明したように、1度使用した砥粒面を再使用しないように送り出し量を補正することはきわめて有効である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施形態に係るラッピング加工装置を示す概略構成図である。
【図2】 シュー押付手段の閉状態を示す概略断面図である。
【図3】 シュー押付手段の開状態を示す概略断面図である。
【図4】 本発明の要部を示す概略構成図である。
【図5】 ラッピングフィルムの送り出しと使用済み砥粒面の関係を示す図である。
【図6】 ラッピングフィルムの送り出しと使用済み砥粒面の関係を示す図である。
【図7】 ラッピングフィルムの送り出しと使用済み砥粒面の関係を示す図である。
【図8】 第2実施形態の要部を示す概略構成図である。
【符号の説明】
1…ラッピングフィルム、
2、2a〜d…シュー、
3、3a、3b…シューケース、
5…供給リール、
6…巻取りリール、
7…ロック装置、
8…カメラ、
10…シュー押付手段、
20…回転駆動手段、
30…オシレーション手段、
81…画像処理装置、
C…制御部、
M3…モータ、
R5…フィルムローラ、
L…シュー幅、
T…シュー間隔、
W…ワーク。
Claims (6)
- ワークを回転自在に保持する保持手段と、
薄肉基材の一面に砥粒が設けられたラッピングフィルムと、
押付け部材を複数個保持し、該押付け部材により前記ラッピングフィルムの砥粒面を前記ワークに押付ける押付け部材保持手段と、
前記ラッピングフィルムを送り出すフィルム送り出し手段と、
を有し、
隣接する前記押付け部材間の距離は、前記ラッピングフィルムの送り出し方向における前記押付け部材の幅の整数倍であり、
前記フィルム送り出し手段は、加工停止中に、前記隣接する前記押付け部材間の距離分だけ前記ラッピングフィルムを送り出すラッピング加工装置。 - 前記押付け部材は、前記整数倍の値と同じ個数だけ前記一の押付け部材保持手段に保持される請求項1に記載のラッピング加工装置。
- 前記押付け部材保持手段は、前記ワークを両側から挟むように二つ一組であり、
前記押付け部材保持手段間において前記ラッピングフィルム表面の砥粒状態を検出する検出手段をさらに含み、
前記送り出し手段は、前記検出手段による検出結果に基づいて、前記ラッピングフィルムの送り出し量を補正する請求項1または請求項2に記載のラッピング加工装置。 - 片面に砥粒が接着されたラッピングフィルムを砥粒と反対側から押付け部材によりワークに押付け、前記ワークに回転を与えると同時に、前記ワークに対して相対的な振動を前記ラッピングフィルムに与えて、前記ワークの表面を加工するラッピング加工方法であって、
前記押付け部材は複数個が押付け部材保持手段により保持されて、前記ワークに押付けられ、
隣接する前記押付け部材間の距離は、前記ラッピングフィルムの送り出し方向における前記押付け手段の幅の整数倍であり、
前記ラッピングフィルムは、加工停止中において、前記隣接する前記押付け部材間の距離分だけ送り出されるラッピング加工方法。 - 前記押付け部材は、前記整数倍の値と同じ個数だけ前記一の押付け部材保持手段に保持される請求項4に記載のラッピング加工方法。
- 前記押付け部材は複数個ずつ一組の押付け部材保持手段により保持され、該保持手段が前記ワークを両側から挟むことにより該ワークに押付けられ、
前記押付け部材保持手段間において前記ラッピングフィルム表面の砥粒状態を検出し、該検出結果に基づいて、前記ラッピングフィルムの送り出し量を補正する請求項4または請求項5に記載のラッピング加工方法。
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