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JP2005340300A - 磁気メモリ装置及びその製造方法 - Google Patents

磁気メモリ装置及びその製造方法 Download PDF

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JP2005340300A JP2004153745A JP2004153745A JP2005340300A JP 2005340300 A JP2005340300 A JP 2005340300A JP 2004153745 A JP2004153745 A JP 2004153745A JP 2004153745 A JP2004153745 A JP 2004153745A JP 2005340300 A JP2005340300 A JP 2005340300A
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Abstract

【課題】 選択素子を備え、アクセス速度に優れ、しかも、メモリセルの最小面積が小さく、メモリセルの集積度の低下を抑えた磁気メモリ装置及びその製造方法を提供すること。
【解決手段】 磁化固定層4とトンネルバリア層3と磁化自由層2とが積層されてなるTMR素子10Cからなるメモリ部を有し、TMR素子10Cに接続された読み出し用ビット線15(第1配線)とは反対側で、書き込み用ワード線14(第2配線)が絶縁層を介してTMR素子10Cに対向配置された磁気メモリ装置において、書き込み用ワード線14の少なくとも一部を貫通して接続孔25を形成し、接続孔25内に、TMR素子10Cの情報を読み出した電流を選択素子である読み出し用トランジスタ18に導く読み出し配線40(第3配線)を、書き込み用ワード線14と電気的に絶縁された状態で形成する。これにより、ビット線15に沿った方向におけるメモリセルの長さを縮小する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、磁化方向が固定された磁化固定層と、トンネルバリア層と、磁化方向の変化が可能な磁化自由層とが積層されてなるトンネル磁気抵抗効果素子によって磁気メモリ素子が構成され、この磁気メモリ素子からなるメモリ部を有する磁気メモリ装置、特に磁気ランダムアクセスメモリ、即ちいわゆる不揮発性メモリであるMRAM(Magnetic Random Access Memory)として構成された磁気メモリ装置及びその製造方法に関するものである。
情報通信機器、特に携帯端末などの個人用小型機器の飛躍的な普及に伴い、これを構成するメモリやロジックなどの素子には、高集積化、高速化、低消費電力化など、一層の高性能化が要求されている。
特に不揮発性メモリは、ユビキタス時代に必要不可欠であると考えられている。電源の消耗やトラブルが生じた場合や、サーバーとネットワークが何らかの障害により切断された場合でも、不揮発性メモリは、個人情報を含めた重要な情報を保護することができる。また、最近の携帯機器は、不要の回路ブロックをスタンバイ状態にしてできるだけ消費電力を抑えるように設計されているが、高速のワークメモリと大容量ストレージメモリとを兼ねることができる不揮発性メモリが実現できれば、消費電力とメモリの無駄を無くすことができる。また、高速の大容量不揮発性メモリが実現できれば、電源を入れると瞬時に起動できる“インスタント・オン”機能も可能になってくる。
不揮発性メモリとしては、半導体を用いたフラッシュメモリや、強誘電体を用いたFRAM(Ferroelectric Random Access Memory )なども挙げられる。
しかしながら、フラッシュメモリは、情報の書き込み時間がμ秒のオーダーであり、書き込み速度が遅いという欠点がある。一方、FRAMにおいては、書き換え可能回数が1012〜1014であり、完全にSRAM(Static Random Access Memory)やDRAM(Dynamic Random Access Memory)に置き換えるには持久力(Endurance)が小さく、また強誘電体キャパシタの微細加工が難しいという問題が指摘されている。
これらの欠点を有さず、高速、大容量(高集積化)、低消費電力の不揮発性メモリとして注目されているのが、MRAM(Magnetic Random Access Memory)と称される磁気メモリである。
初期のMRAMは、J.M.Daughton,Thin Solid Films,vol.216, pp.162-168, 1992で報告されているAMR(Anisotropic Magnetoresistive)効果や、D.D.Tang et al.,IEDM Technical Digest,pp.995-997,1997で報告されているGMR(Giant Magnetoresistance)効果を使ったスピンバルブをベースにしたものであった。しかし、これらのメモリは、負荷のメモリセル抵抗が10〜100Ωと低いため、読み出し時のビットあたりの消費電力が大きく、大容量化が難しいという欠点があった。
一方、トンネル磁気抵抗TMR(Tunnel Magnetoresistance)効果は、R.Meservey et al.,Physics Reports,vol.238,pp.214-217,1994で報告されているように、当初は抵抗変化率が室温で1〜2%の材料しかなかったが、T.Miyazaki et al.,J.Magnetism & Magnetic Material,vol.139,(L231),1995で報告されているように、20%近くの抵抗変化率を有する材料が得られるようになった。このような近年のTMR材料の特性向上によって、TMR効果を用いたMRAMに注目が集まるようになってきている。
TMR素子は、磁化自由層(記憶層)と磁化固定層との2つの磁性層の間にトンネルバリア層を挟持した構造をもち、2つの磁性層の磁化方向が「平行」であるか、「反平行」であるかを”0”または”1”の情報として記憶し、この相対的な磁化方向の違いによってトンネルバリア層を流れる電流の強度が変化することを利用して、情報の読み出しを行う記憶素子である。
TMR型のMRAMは、マトリクス状に配列されたTMR素子を有するとともに、所望のTMR素子に情報を記録するために、行方向および列方向からアクセスするためのビット線とワード線とを有しており、その交差領域に位置するTMR素子にのみ、後述するアステロイド特性を利用して、選択的に情報の書き込みを行い得るように構成されている。
TMR型のMRAMは、ナノ磁性体特有のスピン依存伝導現象に基づく磁気抵抗効果を利用して情報の読み出しを行い得る半導体磁気メモリであり、外部から電力を供給することなしに記憶を保持できる不揮発性メモリである。しかも、構造が単純であるため、高集積化が容易である。また、磁気モーメントの反転により記録を行うため、書き換え可能回数が大であり、アクセス時間についても非常に高速であることが予想され、既に100MHzで動作可能であることがR. Scheuerlein et al.,ISSCC Digest of Technical Papers,pp.128-129,Feb.2000で報告されている。
以下、TMR型のMRAMについて更に詳細に説明する。
図16(a)は、MRAMのメモリセルの記憶素子となるTMR素子10Aの斜視図である。TMR素子10Aは、支持基板7の上に設けられ、磁化の方向が比較的容易に反転する磁化自由層(記憶層)2と、磁化の方向が固定されている磁化固定層4とを含んでいる。磁化自由層(記憶層)2と磁化固定層4とには、例えばニッケル、鉄、コバルト、またはこれらの合金を主成分とする強磁性体が用いられる。また、磁化固定層4は、合成反強磁性結合(SAF: Synthetic Antiferromagnet)をもつ多層膜(強磁性体/金属/強磁性体の積層膜)であってもよい。SAFについては、S.S.Parkin et.al.,Physical Review Letters,7,May,pp.2304-2307(1990)で報告されている。
磁化固定層4は反強磁性体層5に接して形成されており、両層間に働く交換相互作用によって、磁化固定層4は強い一方向の磁気異方性を持つことになる。反強磁性体層5の材料としては、例えば、鉄、ニッケル、白金、イリジウムおよびロジウムなどのマンガン合金、あるいはコバルトやニッケルの酸化物などを使用できる。
磁化自由層(記憶層)2は、磁化固定層4の磁化方向と平行な磁化容易軸(強磁性体が容易に磁化される方向軸)を有し、磁化固定層4の磁化方向に対し平行または反平行のいずれかの方向に磁化されやすく、この2つの状態間で比較的容易に磁化方向を反転させ得るように構成されている。従って、磁化自由層(記憶層)2を情報記憶媒体として用いる場合には、磁化固定層4の磁化方向に対し「平行」および「反平行」に磁化した磁化自由層(記憶層)2の2つの状態を、情報の“0”と“1”に対応させる。
また、磁化自由層(記憶層)2と磁化固定層4との間には、アルミニウム、マグネシウム、シリコン等の酸化物もしくは窒化物等からなる絶縁体によるトンネルバリア層3が形成されており、磁化自由層(記憶層)2と磁化固定層4との磁気的結合を切るとともに、磁化自由層(記憶層)2の磁化方向に応じたトンネル電流を流す役割を担っている。TMR素子10Aを構成する磁性層および導体層は、主にスパッタリング法により形成されるが、トンネルバリア層3は、スパッタリングで形成された金属膜を酸化もしくは窒化させることにより得ることができる。
トップコート層1は、TMR素子10Aと、TMR素子10Aに接続される配線との相互拡散防止や、接触抵抗低減および磁化自由層(記憶層)2の酸化防止という役割があり、通常は、銅、タンタル、窒化チタンおよびチタン等の材料が使用できる。引き出し電極層6は、TMR素子10Aと直列に接続される読み出し用トランジスタなどとの接続に用いられる。この引き出し電極層6は反強磁性体層5を兼ねてもよい。
図16(b)は、後述するクロスポイント型のMRAMのメモリセルの記憶素子として用いられるTMR素子10Bの斜視図である。TMR素子10Bでは、TMR素子10Aの引き出し電極層6と基板7の代わりにpn接合ダイオード層201が設けられており、pn接合ダイオード層201は、後述するワード線12と直接接合される。なお、pn接合ダイオード層201は省略することもできる。
MRAMのメモリセルには、主として2種類の形式がある。1つは、TMR素子が単独で用いられるクロスポイント型のMRAMセルである。他の1つは、TMR素子が読み出し用トランジスタなどの選択素子と共に用いられる型のMRAMセルで、選択素子1つがTMR素子1つに配される1T1J構造、または、これをコンプリメンタリに配置した、選択用素子2つがTMR素子2つに配される2T2J構造からなるMRAMセルがある。
図17(a)は、クロスポイント型のMRAMのメモリセルの一部を示す拡大斜視図である。ここでは、一例として9個のメモリセルを示しているが、このMRAMでは、相互に交差するビット線11とワード線12とが配され、これらの配線11と12が交差する層間に、TMR素子10Bがマトリックス状に配置されている。
図17(b)は、クロスポイント型のMRAMのセルレイアウトを示す平面図である。クロスポイント型のMRAMでは、デザインルール上の配線の最小寸法をFとすると、メモリセルの最小面積として4F2を実現することができる。各素子ごとに配されたスイッチング素子がないため、アクセス速度は遅くなるが、大容量のメモリを作ることができる。
図18および19は、1T1J型のMRAMの等価回路図を示している。図18は全体の構成を示し、図19はその部分拡大図である。図19では、一例として6個のメモリセルを示しているが、書き込み用ビット線13と書き込み用ワード線14とが交差する層間に、TMR素子10Aがマトリックス状に配置されると共に、情報の読み出しの際に該当するセルのTMR素子10Aを選択するための電界効果トランジスタ18が配され、TMR素子10Aに直列に接続されている。
更に、読み出し用ビット線15、電界効果トランジスタ18のON、OFFを制御する読み出し用ワード線16、および読み出された情報を出力するセンス線17が設けられている。そして、周辺回路部において、書き込み用ビット線13には書き込み用ビット線電流駆動回路19が接続され、書き込み用ワード線14には書き込み用ワード線電流駆動回路20が接続され、読み出し用ビット線15には読み出し用ビット線駆動回路21が接続され、読み出し用ワード線16には読み出し用ワード線駆動回路22が接続され、センス線17には読み出された情報を検出するセンスアンプ23が接続されている。
図20は、従来の1T1J型MRAMのメモリセルの一例を示す斜視図であり、図21は、その模式的な断面図である。但し、図21では、見やすくするため、層間絶縁膜50は、層間絶縁膜間の境界やハッチングを図示省略して示している。
メモリセルの上部には、書き込み用ビット線13と読み出し用ビット線15とが層間絶縁膜56を間に挟んで設けられ、読み出し用ビット線15に接してその下にTMR素子10Aが配置され、さらにTMR素子10Aの引き出し電極層6の下に絶縁層を挟んで書き込み用ワード線14が配置されている。
一方、メモリセルの下部には、例えばp型シリコン半導体基板30内に形成されたp型ウエル領域31に、ドレイン電極33、ドレイン領域34、ゲート電極16、ゲート絶縁膜35、ソース領域36、およびソース電極37よりなるn型のMOS(Metal Oxide Semiconductor)型電界効果トランジスタ18が設けられている。トランジスタ18のゲート電極16は、セル間をつないで帯状に形成され、読み出し用ワード線16を兼ねている。また、ドレイン電極33は、引き出し配線202、読み出し用接続プラグ211、213、215や、読み出し用ランディングパッド212、214、216(以下の図中では、接続プラグはプラグ、ランディングパッドはランドと略記する。)からなる読み出し配線210を介してTMR素子10Aの引き出し電極層6に接続されており、ソース電極37はセンス線17に接続されている。
このように構成されたメモリセルにおいて、TMR素子10Aへの情報の書き込みは、書き込み用ビット線13および書き込み用ワード線14に電流を流し、これらから発生する磁界の合成磁界によって磁化自由層(記憶層)2の磁化方向を、磁化固定層4の磁化方向に対して「平行」または「反平行」に定めることによって行う。
TMR素子10Aの磁化自由層(記憶層)2における磁界は、通常、磁化容易軸方向の磁界HEAが書き込み用ビット線13を流れる書き込み電流によって印加され、磁化困難軸方向の磁界HHAが書き込み用ワード線14を流れる書き込み電流によって印加され、これらの磁界HEAとHHAとのベクトル合成による合成磁界が作用する。
MRAMでは、それぞれ一方のみでは磁化反転が起こらない強さの磁界HEA(<一方向反転磁界Hk)およびHHA(<Hk)を印加し、アステロイド磁化反転特性を利用して、電流を流している書き込み用ビット線13と書き込み用ワード線14との交差点にあり、HEAとHHAの両磁界が共に作用するメモリセルにだけ磁性スピンの反転を起こさせ、書き込みを行うことが一般的である。以下、この原理を詳述する(米国特許 第6081445号明細書参照。)。
図22は、情報書き込み動作時における、TMR素子の磁化自由層(記憶層)2の磁界応答特性を示すアステロイド曲線のグラフである。アステロイド曲線は、エネルギー最小の条件から、次式
EA 2/3 + HHA 2/3 = Hs 2/3
で与えられ、TMR素子の書き込み条件、すなわち印加された磁界によって磁化自由層(記憶層)2の磁化方向が反転可能となるしきい値を表している。ここで、スイッチング磁界Hkの大きさは、磁化自由層(記憶層)2の材質ばかりでなく、形状などにも依存する。
図22に示すように、磁化容易軸方向に印加された磁界HEAをHx(<Hk)とし、磁化困難軸方向に印加された磁界HHAをHy(<Hk)とすると、HxとHyとのベクトル和である合成磁界Hが磁化自由層(記憶層)2に作用し、この合成磁界Hがアステロイド曲線上の点Cに対応するしきい値Hcより大きく、アステロイド曲線の外部の領域151または152に達する大きさであるとき、磁化自由層(記憶層)2の磁化方向を反転させることが可能となる。他方、ベクトル和がアステロイド曲線の内部の領域150にとどまる合成磁界Hは、磁化自由層(記憶層)2の磁化方向を反転させることができない。
上述の磁化方向反転特性は、磁化容易軸方向磁界HEAと磁化困難軸方向磁界HHAとが共に存在する場合には、磁化方向を反転させるのに必要な磁界の大きさが、それぞれが単独で作用する場合に比べて低減されると共に、書き込み用ビット線13と書き込みワード線14の2本の書き込み線を用いることにより、両者の交差点にあるメモリセルのTMR素子10Aにだけ選択的に情報を書き込むことが可能になる原理を示している。
即ち、書き込み用ビット線13を流れる書き込み電流によって、その書き込み用ビット線13の下方に配置されたすべてのTMR素子10Aに、磁化容易軸方向磁界HEAであるHxが印加され、また、書き込み用ワード線14を流れる書き込み電流によって、その書き込み用ワード線14の上方に配置されたすべてのTMR素子10Aに、磁化困難軸方向磁界HHAであるHが印加される。しかし、磁化容易軸方向又は磁化困難軸方向に単独の磁界が作用する場合、磁化反転に必要になる磁界のしきい値は、上記のアステロイド曲線の磁化容易軸(x軸)または磁化困難軸(y軸)上での値、一方向反転磁界Hkである。従って、Hkより小さいHxやHyを作用させても、それぞれ単独では磁化自由層(記憶層)2の磁化方向を反転させることはできない。しかしながら、書き込み電流が流れる書き込み用ビット線13と書き込み用ワード線14との交点にあり、HxとHとが共に作用するメモリセルでは、その合成磁界Hがアステロイド曲線上のしきい値Hcをこえてアステロイド曲線の外部の領域151(A)に達し、磁化自由層(記憶層)2の磁化方向を反転させることが可能である。
なお、HxまたはHが一方向反転磁界Hkより大きいと、それが印加されるすべてのメモリセルに情報が書き込まれてしまう不都合が生じるから、HxおよびHはHk未満でなければならず、領域152は不適当である。従って、情報の書き込みのために磁化自由層(記憶層)2に印加する合成磁界として適切な領域は、図22に灰色で示した領域151(A)である。
図23は、TMR素子10Aにおける情報の読み出し動作を説明するための概略断面図である。ここでは、TMR素子10Aの層構成を概略図示しており、トップコート層1、反強磁性体層5および引き出し電極層6は図示を省略している。
TMR素子10Aに記録された情報の読み出しは、磁気抵抗効果の1種であるTMR効果を利用して行う。TMR効果とは、トンネルバリア層を挟んで対向している2つの磁性層間を流れるトンネル電流に対する抵抗が、2つの磁性層の磁性スピンの向きが「平行」であれば小さくなり、「反平行」であれば大きくなる現象である。
具体的には、図23に示すように、書き込み用ビット線13から磁化自由層(記憶層)2、トンネルバリア層3および磁化固定層4を貫いて流れるトンネル電流を供給し、上記の抵抗の大小に対応した読み出し電流を取り出し、この大小によって磁化自由層(記憶層)2の磁性スピンの向きを検出する。
即ち、図23の左図に示すように、磁化自由層(記憶層)2と磁化固定層4との磁化の方向が「平行」で、磁性スピンが揃っている場合には、これら2つの層の間の抵抗は小さく、大きな読み出し電流がトンネルバリア層3を貫いて流れる。他方、図23の右図に示すように、磁化自由層(記憶層)2と磁化固定層4との磁化の方向が「反平行」で、磁性スピンが逆向きの場合には、これら2つの層の間の抵抗は大きく、トンネルバリア層3を貫いて流れる読み出し電流は小さい。
図21に示したように、TMR素子10Aの引き出し電極層6は、引き出し配線202と読み出し配線210とによって読み出し用トランジスタ18のドレイン電極33へ接続され、読み出し用トランジスタ18のソース電極37はセンス線17へ接続されている。従って、MRAMの読み出し動作時には、駆動電圧が印加された読み出し用ビット線15に接続されているTMR素子10Aのうち、ゲート電極(読み出し用ワード線)16への制御信号の印加によって選択されたTMR素子10Aの読み出し電流のみが、読み出し用電界効果トランジスタ18を介してセンス線17へ出力される。このようにして電界効果トランジスタ18は、TMR素子10Aに記憶されている情報を選択的に読み出すためのスイッチング素子として機能する。
なお、トランジスタ18は、n型またはp型電界効果トランジスタであってよいが、その他、ダイオード、バイポーラトランジスタ、MESFET(Metal Semiconductor Field Effect Transistor)等、各種のスイッチング素子を用いることができる。
以上に説明したように、図21に示した1T1J型のMRAMは、書き込み用ビット線13およびワード線14と、読み出し用ビット線15およびワード線16とが独立に設けられているため、ほぼ同時に書き込み動作と読み出し動作とを行うことが可能である(M.Durlam et.al.,International Electron Devices Meeting Technical Digest,pp.995-997 (2003)参照。)。この場合、書き込み用ビット線13およびワード線14と、読み出し用ビット線15およびワード線16とは、電気的に絶縁されていなければならない。
また、後述の特許文献1など、従来多くの試作結果が報告されているMRAMがそうであるように、書き込み用ビット線13と読み出し用ビット線15とを一本の配線で兼用することもできる。この場合も、書き込み用ワード線14と読み出し用ワード線16とは電気的に絶縁されていなければならない。
いずれの場合でも、図21に示すように、書き込み用ワード線14は、これを流れる電流によって発生する磁場がTMR素子10Aに有効に作用するように、引き出し電極層6にできるだけ接近して、その真下に設けられる。そして、引き出し電極層6から読み出し用ワード線16までの配線は、書き込み用ワード線14との接触を避けるために、引出し配線202を設けてTMR素子10Aの下方からオフセットした位置に導き、この位置で、読み出し用トランジスタ18と接続するための読み出し用接続プラグ211、213、215および読み出し用ランディングパッド212、214、216などの読み出し配線210を形成するのが通常である。
図24は、図21に示した従来の1T1J型のMRAMのセルレイアウトを示す平面図である。この型のMRAMでは、デザインルール上の配線の最小寸法をFとすると、ビット線に沿った方向におけるメモリセルの長さは、書き込み用ワード線14と読み出し用ワード線16とを配置するために必要な長さ3Fに、オフセットした位置に読み出し配線210を設けるための長さFが加わり、最少4Fとなる。このため、メモリセルの最小面積を8F2以下とすることはできない。このように、1T1J型のMRAMは、先述したクロスポイント型のMRAMと比べると、アクセス速度において優れているが、メモリセルの集積度は半分以下になるという問題点がある。
米国特許 第5940319号明細書(第2−4頁、図1−13)
上述した通り、クロスポイント型のMRAMは、メモリセルの最小面積が小さく、集積度の大きい大容量のメモリを作ることができるが、アクセス速度が遅くなる問題点がある。他方、選択素子を備えた1T1J型などのMRAMは、アクセス速度において優れているが、メモリセルの最小面積が大きく、メモリセルの集積度は半分以下になる問題点がある。
本発明は、上記のような事情に鑑みてなされたものであって、その目的は、選択素子を備え、アクセス速度において優れていて、しかも、メモリセルの最小面積が小さく、メモリセルの集積度の低下を抑えた磁気メモリ装置及びその製造方法を提供することにある。
即ち、本発明は、磁化方向が固定された磁化固定層と、トンネルバリア層と、磁化方向の変化が可能な磁化自由層とがこの順に積層されてなるトンネル磁気抵抗効果素子によって磁気メモリ素子が構成され、前記トンネル磁気抵抗効果素子に電気的に接続された第1配線とは反対側で、絶縁層を介して第2配線が前記トンネル磁気抵抗効果素子と対向配置された磁気メモリ装置において、
前記トンネル磁気抵抗効果素子に対し前記第2配線と同じ側で、前記トンネル磁気抵 抗効果素子に電気的に接続されている読み出し用の第3配線が、前記第2配線のエリア 内の少なくとも一部を貫通して、この第2配線とは電気的に絶縁された状態で形成され た接続孔内に設けられている
ことを特徴とする磁気メモリ装置に係わり、また、前記磁気メモリ装置の製造方法であって、前記第2配線を形成する工程と、前記第2配線のエリア内の少なくとも一部を貫通して前記接続孔を形成する工程と、前記接続孔内に前記第2配線とは電気的に絶縁された前記第3配線を形成する工程とを有する、磁気メモリ装置の製造方法に係わるものである。
本発明によれば、前記磁気メモリ装置において、前記トンネル磁気抵抗効果素子に対し前記第2配線と同じ側で、前記トンネル磁気抵抗効果素子に電気的に接続されている読み出し用の第3配線が、前記第2配線のエリア内の少なくとも一部を貫通して、この第2配線とは電気的に絶縁された状態で形成された接続孔内に設けられているので、前記第3配線を前記トンネル磁気抵抗効果素子の直下に設けることができ、前記第2配線のエリアを迂回して前記トンネル磁気抵抗効果素子の直下をオフセットした位置に読み出し用の配線を設けていた従来の磁気メモリ装置に比べ、メモリセルの面積を従来より小さく抑えることができ、メモリセルの集積度を向上させることができる。
本発明において、前記接続孔の側壁に絶縁体層が形成され、この絶縁体層の内側に前記第3配線が埋設されているのがよい。
また、前記接続孔が前記第2配線のエリア内を貫通しているのがよい。
また、前記第2配線が、少なくとも前記磁気メモリ素子の単位において、前記接続孔の両側に分割されているのもよい。
また、前記トンネル磁気抵抗効果素子に対し前記第1配線と同じ側に、前記トンネル磁気抵抗効果素子とは電気的に絶縁された書き込み用の第4配線を有しているのがよい。
或いは、また、前記第1配線が、前記読み出し用の配線と書き込み用の配線とを兼ねているのがよい。
また、前記第1配線と前記第2配線とが交差して配置され、その交差点に前記トンネル磁気抵抗効果素子が配置されているのがよい。
また、前記磁化固定層と前記磁化自由層との間に前記トンネルバリア層が挟持され、前記第1又は前記第4配線と前記第2配線とにそれぞれ電流を流すことによって誘起される磁界で前記磁化自由層を所定方向に磁化して情報を書き込み、この書き込み情報を前記トンネルバリア層を介してのトンネル磁気抵抗効果によって前記第3配線を通じて読み出すように構成されているのがよい。これらは、MRAMの標準的な構成である。
以下、本発明の好ましい実施の形態を図面参照下に具体的に説明する。
実施の形態1
図1は、実施の形態1に基づく1T1J型のMRAMのメモリ部に配置されるメモリセルの1つを示す模式的な断面図である。但し、図1では、見やすくするため、層間絶縁膜50と56とは、層間絶縁膜間の境界やハッチングを図示省略して示している。
メモリセルの上部には、書き込み用ビット線13と前記第1配線である読み出し用ビット線15とが層間絶縁膜56を間に挟んで設けられ、読み出し用ビット線15に接してその下にTMR素子10Cが配置され、さらにTMR素子10Cの下に前記絶縁層である絶縁層54を挟んで前記第2配線である書き込み用ワード線14が対向配置されている。
一方、メモリセルの下部には、例えばp型シリコン半導体基板30内に形成されたp型ウエル領域31に、ドレイン電極33、ドレイン領域34、ゲート電極16、ゲート絶縁膜35、ソース領域36、およびソース電極37よりなるn型のMOS型電界効果トランジスタ18が設けられている。トランジスタ18のゲート電極16は、セル間をつないで帯状に形成され、読み出し用ワード線16を兼ねている。また、ソース電極37はセンス線17に接続されている。
以上の点は図21に示した従来の1T1J型のMRAMと同様である。異なる点は、従来のMRAMでは、TMR素子10Aを読み出し用トランジスタ18のドレイン電極33へ接続する読み出し配線210が、TMR素子10Aの直下からオフセットした位置に設けられていたのに対し、本実施の形態に基づくMRAMでは、TMR素子10Cを読み出し用トランジスタ18のドレイン電極33へ接続する読み出し配線40が、TMR素子10Cの直下の位置に、書き込み用ワード線14を貫通して設けられていることである。
このため、デザインルール上の配線の最小寸法をFとすると、メモリセルのビット線の長さ方向の最小の寸法が、従来は、書き込み用ワード線14と読み出し用ワード線16とを配置するために必要な3Fに、オフセットした位置に読み出し配線210を設けるための長さFを加算した4Fであるのに対し、本実施の形態では、読み出し配線210のオフセットに起因する加算分が無くなるため、3Fとなり、メモリセルの最小面積は6F2となる。従って、アクセス速度において優れていると共に、メモリセルの集積度もクロスポイント型のMRAMの四分の三程度を実現できる。
以下、本実施の形態に基づくMRAMについてより詳しく説明する。
TMR素子10Cの基本構造は、図16に示した従来例と同様である。TMR素子10Cは、磁化の方向が比較的容易に反転する磁化自由層(記憶層)2と、磁化の方向が固定されている磁化固定層4とを含んでいる。磁化自由層(記憶層)2と磁化固定層4とには、例えばニッケル、鉄、コバルト、またはこれらの合金を主成分とする強磁性体が用いられる。また、磁化固定層4は、合成反強磁性結合(SAF)をもつ多層膜(強磁性体/金属/強磁性体の積層膜)であってもよい。
磁化固定層4は反強磁性体層5に接して形成されており、両層間に働く交換相互作用によって、磁化固定層4は強い一方向の磁気異方性を持つことになる。反強磁性体層5の材料としては、例えば、鉄、ニッケル、白金、イリジウムおよびロジウムなどのマンガン合金、あるいはコバルトやニッケルの酸化物などを使用できる。
磁化自由層(記憶層)2は、磁化固定層4の磁化方向と平行な磁化容易軸(強磁性体が容易に磁化される方向軸)を有し、磁化固定層4の磁化方向に対し平行または反平行のいずれかの方向に磁化されやすく、この2つの状態間で比較的容易に磁化方向を反転させ得るように構成されている。この磁化固定層4の磁化方向に対し「平行」および「反平行」に磁化した磁化自由層(記憶層)2の2つの状態を情報の“0”と“1”に対応させ、磁化自由層(記憶層)2を情報記憶媒体として用いる。
また、磁化自由層(記憶層)2と磁化固定層4との間には、アルミニウム、マグネシウム、シリコン等の酸化物もしくは窒化物等からなる絶縁体によるトンネルバリア層3が形成されており、磁化自由層(記憶層)2と磁化固定層4との磁気的結合を切るとともに、磁化自由層(記憶層)2の磁化方向に応じたトンネル電流を流す役割を担っている。TMR素子10Cを構成する磁性層および導体層は、主にスパッタリング法又はMBE(Molecular Beam Epitaxy)法により形成されるが、トンネルバリア層3は、スパッタリング法で形成された金属膜を酸化もしくは窒化させること、又は酸化物層をMBE法またはスパッタリング法によって形成することで得ることができる。
トップコート層1は、TMR素子10Cと、TMR素子10Cに接続される配線との相互拡散防止や、接触抵抗低減および磁化自由層(記憶層)2の酸化防止という役割があり、通常は、銅、タンタル、窒化チタンおよびチタン等の材料が使用できる。
以上に加えて、TMR素子10Cでは、トップコート層1の上部にビット線接続層9が設けられている。ビット線接続層9は、読み出し用ビット線15と電気的に接続するための導電体層で、通常、タングステンまたは窒化チタンが用いられる。
また、反強磁性体層5の下部には、従来のTMR素子10Aに設けられていた引き出し電極層6の代わりに、読み出し配線40と接続するためのバリア層8が設けられている。バリア層8は、TMR素子10Cと、TMR素子10Cに接続される配線との相互拡散防止や接触抵抗低減という役割があり、通常は、銅、タンタル、窒化チタンおよびチタン等の材料が使用できる。
バリア層8の下部には、絶縁層54を介して書き込み用ワード線14が対向配置されている。絶縁層54は、例えば厚さ50nmの酸化アルミニウム(アルミナ)層である。そして、絶縁層54および書き込み用ワード線14を貫通して前記接続孔である接続孔25が形成され、読み出し用接続プラグ41は、接続孔25内に、例えばタングステンを埋設して形成され、絶縁性側壁42によって書き込み用ワード線14から電気的に絶縁されている。読み出し用接続プラグ41は、TMR素子10Cのバリア層8に接続されており、読み出し用ランディングパッド43と45、および読み出し用接続プラグ44と共に読み出し配線40を形成し、TMR素子10Cを読み出し用トランジスタ18のドレイン電極33に電気的に接続して、TMR素子10Cの読み出し電流をセンス線17に導く働きをする。なお、以下の図中では、接続プラグはプラグ、ランディングパッドはランドと略記する。
このように構成されたメモリセルにおいて、TMR素子10Cへの情報の書き込みは、書き込み用ビット線13および書き込み用ワード線14に電流を流し、これらから発生する磁界の合成磁界によって磁化自由層(記憶層)2の磁化方向を、磁化固定層4の磁化方向に対して「平行」または「反平行」に定めることによって行い、この向きを情報の“0”と“1”に対応させる。
磁化自由層(記憶層)2における磁界は、磁化容易軸方向の磁界HEAが書き込み用ビット線13を流れる書き込み電流によって印加され、磁化困難軸方向の磁界HHAが書き込み用ワード線14を流れる書き込み電流によって印加され、これらの磁界HEAとHHAとのベクトル合成による合成磁界が作用する。
図22は、MRAMの書き込み条件を示すアステロイド曲線であり、印加された磁界HEAおよびHHAによって磁化自由層(記憶層)2の磁化方向の反転が起こるしきい値を示している。このアステロイド曲線の外部に相当する合成磁界が発生すると、磁化反転が可能になるが、アステロイド曲線の内部の合成磁界では、磁化自由層(記憶層)2の磁化方向を一方から他方へ反転させることはできない。MRAMでは、磁界HEAおよびHHAの一方のみでは磁化反転が起こらない磁界HEAおよびHHAを印加し、アステロイド磁化反転特性を利用して、指定されたメモリセルだけに磁性スピンの反転を起こさせ、書き込みを行う。
但し、電流を流している書き込み用ビット線13および書き込み用ワード線14の交点以外のセルにおいても、書き込み用ビット線13または書き込み用ワード線14単独で発生する磁界が印加されるため、それらの大きさが一方向反転磁界HK以上の場合は、交点以外のセルの磁化方向も反転してしまう。このため、書き込み用ビット線13または書き込み用ワード線14単独で発生する磁界では磁化自由層(記憶層)2の磁化方向の反転が起こらないように、書き込み用ビット線13および書き込み用ワード線14に流す電流の大きさなどを、合成磁界が図中の灰色の領域151(A)におさまるように調整する。
情報の読み出しは、磁気抵抗効果を応用したTMR効果を利用して行い、トンネルバリア層2を挟んだ磁化自由層(記憶層)2と磁気固定層4との間に読み出しビット線15から電流(トンネル電流)を流し、上記の抵抗の高低に応じた出力電流を、読み出し用電界効果トランジスタ18を介してセンス線17に取り出すことによって行う。
上記の書き込みワード線14に読み出し用接続プラグ41を貫通させた構造では、読み出し用接続プラグ41の影響、および読み出し用接続プラグ41の位置と書き込みワード線14の位置との位置合わせのずれの影響により、磁化自由層2に形成される磁場が変化することが懸念される。この点を検討するために、書き込みワード線14にスルーホールを形成し、このスルーホールを設ける位置と磁化反転に必要な電流値との関係を、解析ソフトウェアである「マイクロマグ(商品名)」を用いたシミュレーションで求めた。
図2は、計算モデルを示す斜視図(a)と、計算結果を示すグラフ(b)とである。TMR素子10Cの形状は、長径0.26μm、短径0.13μmのだ円形であるとした。TMR素子10Cの短径方向における、TMR素子10Cの中心とスルーホールの中心の位置のずれをDとし、このずれDと磁化反転に必要な電流値との関係を求めた。計算は、書き込みワード線14とTMR素子10Cとのギャップが10nmと100nmとである2つの場合について行い、(b−1)および(b−2)に示した。また、以上のそれぞれの場合について、スルーホールがない場合、スルーホールの直径が50nmである場合、およびスルーホールの直径が80nmである場合の計算を行ったが、これらはグラフ上では重なってしまい、区別できない。
このように、スルーホールがない場合、スルーホールの直径が50nmである場合、およびスルーホールの直径が80nmである場合の3つの計算結果に有意の差がないこと、また、(b−1)および(b−2)のグラフに示されているように、ずれDを変化させても、ずれDに関係なく反転電流は一定であることから、書き込みワード線14に設ける読み出し用接続プラグ41は、TMR素子10Cに形成される磁場の強さにほとんど影響を与えないと判定できる。
次に、図1に示したMRAMの作製工程のフローを、図3〜図5の概略断面図により説明する。但し、下層配線を形成する工程までの工程は従来と同じであるから、これについては、要点のみを説明する。
まず、公知の半導体技術によって、例えば、シリコン基板30のp型ウエル領域31に読み出し用MOS電界効果トランジスタ18と、その間を分離するSTI(Shallow Trench Isolation)などの酸化膜32を形成する。
次に、その上に積層した絶縁膜に下部配線を形成する。例えば、銅配線であれば、CVD(Chemical Vapor Deposition)法により層間絶縁膜として酸化シリコン膜を堆積させ、フォトリソグラフィ技術とドライエッチングにより層間絶縁膜をパターニングした後、バリア層としてタンタルまたは窒化タンタルの薄膜を層間絶縁膜の全面にスパッタ法によって形成し、CVD法やメッキ法により配線溝と開口部に銅を埋め込み、化学的機械研磨(CMP:Chemical Mechanical Polishing)法により表面を平坦化する。また、アルミニウム配線であれば、スパッタ法や蒸着法によりアルミニウム薄膜を形成し、フォトリソグラフィ技術とドライエッチングによりパターニングする。
上記のようにして形成した下部構造の上にTMR素子10Cなどの上部構造を作製する。但し、図3〜図5では、簡略化のため、タングステンの読み出し用接続プラグ44が形成されている層間絶縁膜51より上部のみを示し、TMR素子10C付近の要部の断面のみを示す。また、読み出し用接続プラグ44の上には、読み出し用ランディングパッド43が既に形成されているものとする。なお、図3〜図5では、見やすくするため、大半の層間絶縁膜のハッチングを図示省略して示している(以下、同様。)。
まず、図3(a)に示すように、高密度プラズマCVD法による酸化シリコン膜を1000nmの厚さに堆積させる。その後、CMPにより平坦化し、読み出し用ランディングパッド43の上に厚さ500nmの酸化シリコン膜が残るように、層間絶縁膜52を形成する。
次に、図3(b)に示すように、チタン(20nm)、窒化チタン(20nm)、アルミニウム−銅合金(300nm)、チタン(10nm)、そして窒化チタン(100nm)を順次堆積させた後、フォトレジストをマスクとするエッチングによってパターニングして、書き込み用ワード線14を形成する。次に、高密度プラズマCVD法による酸化シリコン膜を500nmの厚さに堆積させた後、CMPによって平坦化し、書き込み用ワード線14の表面を露出させ、層間絶縁膜53を形成する。
次に、図3(c)に示すように、全面に酸化アルミニウム(アルミナ)からなる絶縁層54を50nmの厚さに堆積させた後、その上にフォトレジスト層を形成し、このフォトレジスト層をパターニングして、開口部72を有するフォトレジスト71を形成する。更に、フォトレジスト71を200〜300℃で熱処理し、フォトレジスト71をリフローさせ、開口部72の直径を縮小させ、開口部74を有するフォトレジスト73を形成する。実線がフォトレジスト71の断面形状であり、点線がリフロー後のフォトレジスト73の断面形状である。フォトレジストの開口部の縮小方法は、この他に例えば、T.Toyoshima et al.,International Electron Devices Meeting Technical Digest,pp.333-336 (1998)に報告されている側壁形成による方法を用いてもよい。
次に、図3(d)に示すように、開口部74の直径を縮小させたフォトレジスト73をマスクとするエッチングによって、絶縁層54、書き込み用ワード線14および層間絶縁膜(酸化シリコン膜)52を順次エッチングし、読み出し用ランディングパッド43に達する接続孔25を形成する。この後、フォトレジスト73をアッシングにより除去する。
次に、図4(e)に示すように、プラズマCVD法による酸化シリコン膜を20nmの厚さに堆積させた後、エッチバックして、接続孔25に酸化シリコン膜からなる絶縁性側壁42を形成する。
次に、図4(f)に示すように、絶縁性側壁42が形成された接続孔25にタングステン層をCVD法で埋設した後、CMPにより表面を平坦化して、読み出し用接続プラグ41を形成する。
次に、図4(g)に示すように、バリア層8、反強磁性体層5、磁化固定層4、トンネルバリア層3、磁化自由層2、そしてトップコート層1を、順次PVD(Physical Vapor Deposition:物理的気相成長法)法で堆積させる。ここでバリア層8としては、窒化チタン、タンタルまたは窒化タンタルが用いられる。反強磁性体層5としては、例えば、鉄−マンガン、ニッケル−マンガン、白金−マンガン、イリジウム−マンガン等の合金を用いる。磁化固定層4としては、ニッケル/鉄、及び/又はコバルトの合金材料を用いる。磁化固定層4は、反強磁性体層5との交換結合によって磁化の方向がピニング(pinning:固定)される。トンネルバリア層3としては、通常、酸化アルミニウム(アルミナ:Al23)が用いられる。このアルミナ膜は、0.5〜5nmと非常に薄いため、ALD(Atomic Layer Deposition)法、またはアルミニウムをスパッタリングによって堆積させた後、プラズマ酸化するといった方法で形成する。磁化自由層2としても、磁化固定層4と同様、ニッケル/鉄、及び/又はコバルトの合金材料を用いる。この層は、外部磁場の印加によって、磁化方向を磁化固定層4の磁化方向に対して平行または反平行にすることができる。トップコート層1は、バリア層8と同一材料で形成する。次に、CVD法によりタングステンまたは窒化チタンからなるビット線接続層9を50nmの厚さに堆積させる。
次に、図4(h)に示すように、図4(g)に示した工程で形成した多層膜9、1〜5、および8をエッチングしてTMR素子10Cを形成する。
次に、図5(i)に示すように、プラズマCVD法によって酸化シリコンからなる層間絶縁膜55を100nmの厚さに堆積させた後、CMPにより表面を平坦化して、タングステンまたは窒化チタンからなるビット線接続層9を露出させる。
次に、図5(j)に示すように、標準的な配線形成技術によって、読み出し用ビット線15を形成する。読み出し用ビット線15の材料としては、アルミニウム合金、銅または窒化チタンを用いることができる。
次に、図5(k)に示すように、層間絶縁膜56を堆積後、標準的な配線形成技術によって、書き込み用ビット線13や、周辺回路の配線(図示省略)や、ボンディングパッド領域(図示省略)を形成する。更に、全面にプラズCVD法により窒化シリコン膜からなる絶縁膜57を堆積させ、ボンディングパッド部(図示省略)を開口して、MRAM製造のウェーハプロセス工程を完了させる。
以上詳述したように、本実施の形態に基づくMRAMの構造と製法により、従来の引き出し配線部分が無くなり、ビット線に沿った方向の長さを縮小でき、デザインルール上の配線の最小寸法をFとすると、メモリセルの面積として8F2以下のセルサイズを実現することができる。また、TMR素子10Cは、1段階のエッチングで形成できるため、精度の比較的低いエッチングでTMR素子を作製することができる。
実施の形態2
図6と図7は、実施の形態1のMRAMと本質的に同等の構造を有するMRAMを、実施の形態2に基づく方法で作製する工程を示す平面図(左図)と、平面図のA−A線の位置における断面図(右図)とである。これらは、図3(a)と同じ状態から始まり、図4(f)に相当する状態を形成するところまでを示している。この後の工程は、実施の形態1と同様であるので、説明を省略する(以下、同様。)。
まず、図6(a)に示すように、高密度プラズマCVD法による酸化シリコン膜を1000nmの厚さに堆積させる。その後、CMPにより平坦化し、読み出し用ランディングパッド43の上に厚さ500nmの酸化シリコン膜が残るように、層間絶縁膜52を形成する。
次に、図6(b)に示すように、チタン(20nm)、窒化チタン(20nm)、アルミニウム−銅合金(300nm)、チタン(10nm)、そして窒化チタン(100nm)を順次堆積させる。この後、フォトレジストをマスクとするエッチングによりパターニングして、読み出し用接続プラグ41を形成する位置に、それより内径がやや大きい貫通孔を形成した書き込み用ワード線14を形成する。次に、高密度プラズマCVD法による酸化シリコン膜を500nmの厚さに堆積させた後、CMPによって平坦化し、書き込み用ワード線14の表面を露出させ、層間絶縁膜53を形成する。
次に、図6(c)に示すように、全面に酸化アルミニウム(アルミナ)からなる絶縁層54を50nmの厚さに堆積させた後、その上にフォトレジスト層を形成し、このフォトレジスト層をパターニングして、上記貫通孔と同じ内径の開口部82を有し、上記貫通孔の上方以外を被覆するフォトレジスト81を形成する。更に、フォトレジスト81を200〜300℃で熱処理し、フォトレジスト81をリフローさせ、開口部82の内径を縮小させ、読み出し用接続プラグ41と内径が同じである開口部84を有するフォトレジスト83を形成する。実線がフォトレジスト81の断面図であり、点線がリフロー後のフォトレジスト83の断面形状である。フォトレジストの開口部の縮小方法は、この他に例えば、先述した側壁形成による方法を用いてもよい。
次に、図7(d)に示すように、開口部の直径を縮小させたフォトレジスト83をマスクとするエッチングによって、絶縁層(アルミナ膜)54、書き込み用ワード線14および層間絶縁膜(酸化シリコン膜)52を順次エッチングし、読み出し用ランディングパッド43に達する接続孔25を形成する。この後、フォトレジスト83をアッシングにより除去する。
次に、図7(e)に示すように、接続孔25にタングステン層をCVD法で埋設した後、CMPにより表面を平坦化して、読み出し用接続プラグ41を形成する。
本実施の形態によれば、開口部に側壁を形成する工程が含まれていないため、側壁を形成することが難しい、開口部の内径が小さく、アスペクト比が大きい場合にも容易に適用できる利点がある。その他は本質的に実施の形態1と同等であるから、実施の形態1と同等の作用効果を期待できるのは言うまでもない。
即ち、本実施の形態に基づくMRAMの構造と製法により、従来の引き出し配線部分が無くなり、ビット線に沿った方向の長さを縮小でき、デザインルール上の配線の最小寸法をFとすると、メモリセルの面積として8F2以下のセルサイズを実現することができる。また、TMR素子10Cは、1段階のエッチングで形成できるため、精度の比較的低いエッチングでTMR素子を作製することができる。
実施の形態3
図8と図9は、実施の形態1のMRAMと本質的に同等の構造を有するMRAMを、実施の形態3に基づく方法で作製する工程を示す平面図(左図)と、平面図のA−A線の位置における断面図(右図)とである。これらは、図3(b)と同じ状態から始まり、図4(f)に相当する状態を形成するところまでを示している。この後の工程は、実施の形態1と同様であるので、説明を省略する。
本実施の形態では、一気に読み出し用ランド43に達する接続孔25を形成するのではなく、例えば、書き込み用ワード線14を貫通するところまで接続孔を形成し、この状態で絶縁性の側壁を形成した後、この側壁をマスクにして読み出し用ランド43に達する接続孔を形成する。
まず、図8(a)に示すように、高密度プラズマCVD法による酸化シリコン膜からなる層間絶縁膜52の上に、チタン(20nm)、窒化チタン(20nm)、アルミニウム−銅合金(300nm)、チタン(10nm)、そして窒化チタン(100nm)を順次堆積させた後、フォトレジストをマスクとするエッチングによりパターニングして、書き込み用ワード線14を形成する。次に、高密度プラズマCVD法による酸化シリコン膜を500nmの厚さに堆積させた後、CMPによって平坦化し、書き込み用ワード線14の表面を露出させ、層間絶縁膜53を形成する。
次に、図8(b)に示すように、全面に酸化アルミニウム(アルミナ)からなる絶縁層54を50nmの厚さに堆積させた後、その上にフォトレジスト層を形成し、このフォトレジスト層をパターニングして、開口部92を有するフォトレジスト91を形成する。開口部92の内径は、接続孔25の内径と同じとする。
次に、図8(c)に示すように、フォトレジスト91をマスクとするエッチングによって、絶縁層54と書き込み用ワード線14を順次エッチングし、層間絶縁膜52に達する接続孔26を形成する。この後、フォトレジスト91をアッシングにより除去する。
次に、図9(d)に示すように、プラズマCVD法による窒化シリコン膜を20nmの厚さに堆積させた後、エッチバックして、接続孔26に窒化シリコン膜からなる絶縁性側壁46を形成する。
次に、図9(e)に示すように、絶縁層54と窒化シリコン膜からなる側壁46をマスクとして用いて、層間絶縁膜52をエッチングし、読み出し用ランディングパッド43に達する接続孔25を形成する。
次に、図9(f)に示すように、接続孔25にタングステン層をCVD法で埋設した後、CMPにより表面を平坦化して、読み出し用接続プラグ41を形成する。
本実施の形態によれば、開口部に側壁を形成する工程は含まれているものの、開口部の深さは実施の形態1の半分以下であるから、側壁を形成する工程が容易になる。また、実施の形態2ではマスクを形成する工程が2回あるのに対し、本実施の形態では1回でよい利点がある。その他は本質的に実施の形態1と同等であるから、実施の形態1と同等の作用効果を期待できるのは言うまでもない。
即ち、本実施の形態に基づくMRAMの構造と製法により、従来の引き出し配線部分が無くなり、ビット線に沿った方向の長さを縮小でき、デザインルール上の配線の最小寸法をFとすると、メモリセルの面積として8F2以下のセルサイズを実現することができる。また、TMR素子10Cは、1段階のエッチングで形成できるため、精度の比較的低いエッチングでTMR素子を作製することができる。
実施の形態4
図10は、実施の形態4に基づくMRAMの要部概略平面図である。図10に示した書き込み用ワード線14では、例えば矩形状に切り欠いた部分100があり、切り欠き部100において両側に分割された書き込み用ワード線14の間に接続孔25を設け、この接続孔25内に読み出し用接続プラグ41を形成する。
図11と図12は、実施の形態1のMRAMと本質的に同等の構造を有するMRAMを、実施の形態4に基づく方法で作製する工程を示す平面図(左図)と、平面図のA−A線の位置における断面図(右図)とである。これらは、図3(b)と同じ状態から始まり、図4(f)に相当する状態を形成するところまでを示している。
まず、図11(a)に示すように、高密度プラズマCVD法による酸化シリコン膜からなる層間絶縁膜52の上に、チタン(20nm)、窒化チタン(20nm)、アルミニウム−銅合金(300nm)、チタン(10nm)、そして窒化チタン(100nm)を順次堆積させた後、フォトレジストをマスクとするエッチングによりパターニングして、書き込み用ワード線14を形成する。次に、高密度プラズマCVD法による酸化シリコン膜を500nmの厚さに堆積させた後、CMPによって平坦化し、書き込み用ワード線14の表面を露出させ、層間絶縁膜53を形成する。
次に、図11(b)に示すように、全面に酸化アルミニウム(アルミナ)からなる絶縁層54を50nmの厚さに堆積させた後、その上にフォトレジスト層を形成し、このフォトレジスト層をパターニングして、矩形状の開口部102を有するフォトレジスト101を形成する。このフォトレジスト101をマスクとして絶縁層54と書き込み用ワード線14を順次エッチングし、矩形状の切り欠き部100をもつ書き込み用ワード線14を形成する。この後、フォトレジスト101をアッシングにより除去する。
次に、図11(c)に示すように、プラズマCVD法による窒化シリコン膜を20nmの厚さに堆積させた後、エッチバックして、切り欠き部100に窒化シリコン膜からなる絶縁性側壁47を形成する。
次に、図12(d)に示すように、高密度プラズマCVD法による酸化シリコン膜を矩形状の切り欠き部100に埋設した後、CMPによって平坦化し、書き込み用ワード線14の表面を露出させ、絶縁層57を形成する。
次に、図12(e)に示すように、フォトレジスト層を形成し、このフォトレジスト層をパターニングして、例えば楕円形状の開口部104を有するフォトレジスト103を形成する。フォトレジスト103をマスクとして絶縁層57と層間絶縁膜52を順次エッチングし、楕円の一部を切り欠いた形状の断面をもつ接続孔106(図示せず)を形成する。この後、フォトレジスト103をアッシングにより除去する。
次に、図12(f)に示すように、タングステン膜をCVD法で堆積後、CMPにより表面を平坦化して、読み出し用接続プラグ41を形成する。
本実施の形態によれば、書き込み用ワード線14に絶縁性側壁47を形成した後、この側壁をマスクにして読み出し用ランド43に達する接続孔106を形成するので、比較的精度の低いエッチングで接続孔106を形成できる利点がある。この際、開口部に側壁を形成する工程は含まれているものの、開口部が広い矩形であるので、容易に側壁を形成することができる。また、大きな開口部を形成した後、接続孔106を形成するので、接続孔106のアスペクト比が小さくなり、形成が容易になる。
一方、書き込み用ワード線14に切り欠き部100を設けると、切り欠き部100が形成される書き込み用ワード線14の領域では断面積が小さくなり、他の領域に比べエレクトロマイグレーションに対する寿命が低下することが懸念される。しかしながら、本実施の形態では、切り欠き部100を設ける領域を、書き込み用ワード線14の一部に限定することによって、書き込み用ワード線14がエレクトロマイグレーションによって溶断するなどの危険を最小限に抑えることができる。
その他は本質的に実施の形態1と同等であるから、実施の形態1と同様の作用効果を期待できるのは言うまでもない。即ち、本実施の形態に基づくMRAMの構造と製法により、従来の引き出し配線部分が無くなり、ビット線に沿った方向の長さを縮小でき、デザインルール上の配線の最小寸法をFとすると、メモリセルの面積として8F2以下のセルサイズを実現することができる。また、TMR素子10Cは、1段階のエッチングで形成できるため、精度の比較的低いエッチングでTMR素子を作製することができる。
実施の形態5
図13は、実施の形態5に基づくMRAMの要部概略平面図である。本実施の形態では、書き込み用ワード線14を2本またはそれ以上の配線で構成し、この配線間に接続孔25を設け、この接続孔25内に読み出し用接続プラグ41を形成する。この形状は、図10に示した、実施の形態4の書き込み用ワード線の形状に類似しており、実施の形態4における切り欠き部100がビット線に沿った方向に拡大された結果、メモリセル間で連結してしまった形状とみなすことができる。
書き込みワード線14は、その端部で周辺回路部の下層配線と接続する。書き込みワード線14を構成する複数の配線は、この下層配線において互いに電気的に接続するのがよい。あるいは、下層配線に至る前の端部の位置で互いに接続してもよい。
書き込みワード線14を構成する複数の配線を形成する方法としては、配線を形成する際に複数の配線を最小ピッチで形成する。あるいは、実施の形態4と同様に、一旦1本の配線を形成した後、1本の配線を複数に分割してもよい。但し、このとき、配線全長にわたって分割を行うものとする。
複数の配線を形成した後、配線間に接続孔25や読み出し用接続プラグ41を形成する工程は、実施の形態4において図11と図12を用いて説明したのと同様であるので、重複を避けるため、ここでは説明を省略する。
その他は本質的に実施の形態1や実施の形態4と同等であるから、実施の形態1と同様の作用効果を期待できるのは言うまでもない。即ち、本実施の形態に基づくMRAMの構造と製法により、従来の引き出し配線部分が無くなり、ビット線に沿った方向の長さを縮小でき、デザインルール上の配線の最小寸法をFとすると、メモリセルの面積として8F2以下のセルサイズを実現することができる。また、TMR素子10Cは、1段階のエッチングで形成できるため、精度の比較的低いエッチングでTMR素子を作製することができる。
以上、本発明を実施の形態に基づいて説明したが、本発明はこれらの例に何ら限定されるものではなく、発明の主旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能であることは言うまでもない。
例えば、実施の形態1では書き込み用ビット線13と読み出し用ビット線15を独立して設ける例を示したが、図14に示すように、両者を1本のビット線11で兼ねるようにしてもよい。
また、書き込み用ワード線14に形成される接続孔25の形状は、図15の平面図に示すように、円形(a)や楕円形(b)や矩形などでもよく、また、それらの一部が書き込み用ワード線14を貫通しているのでもよい。
MRAMは、高速かつ不揮発性の大容量メモリとしてユビキタス時代に必要不可欠なものであると考えられており、あらゆる電子装置、とりわけ、高速化、低消費電力化、高集積化などの、一層の高性能化が要求されている情報通信機器、特に携帯端末などの個人用小型機器に好適である。
本発明の実施の形態1に基づく1T1J型のMRAMのメモリセルの概略断面図である。 同、スルーホールを設ける位置と磁化反転に必要な電流値との関係を求める計算モデルを示す斜視図(a)と、計算結果を示すグラフ(b)とである。 同、MRAMの作製工程を示す要部概略断面図である。 同、MRAMの作製工程を示す要部概略断面図である。 同、MRAMの作製工程を示す要部概略断面図である。 本発明の実施の形態2に基づくMRAMの作製工程を示す要部概略断面図である。 同、MRAMの作製工程を示す要部概略断面図である。 本発明の実施の形態3に基づくMRAMの作製工程を示す要部概略断面図である。 同、MRAMの作製工程を示す要部概略断面図である。 本発明の実施の形態4に基づくMRAMの要部概略平面図である。 同、MRAMの作製工程を示す要部概略断面図である。 同、MRAMの作製工程を示す要部概略断面図である。 本発明の実施の形態5に基づくMRAMの要部概略平面図である。 本発明の他の実施の形態に基づく1T1J型のMRAMのメモリセルの概略断面図である。 本発明の実施の形態に基づく、書き込み用ワード線に形成される接続孔の形状を示す平面図である。 MRAMのTMR素子の概略斜視図である。 クロスポイント型のMRAMのメモリ部の一部を示す拡大斜視図(a)と、そのセルレイアウトを示す平面図(b)とである。 1T1J型のMRAMの等価回路図である。 1T1J型のMRAMの等価回路図である。 従来の1T1J型のMRAMのメモリセルを示す斜視図である。 同、1T1J型のMRAMのメモリセルの模式的な断面図である。 MRAMの書き込み時の磁界応答特性図である。 MRAMの読み出し動作を示す原理図である。 従来の1T1J型のMRAMのセルレイアウトを示す平面図である。
符号の説明
1…トップコート層、2…磁化自由層(記憶層)、3…トンネルバリア層、
4…磁化固定層、5…反強磁性体層、6…引き出し電極層、7…支持基板、
8…バリア層、9…ビット線接続層、10A、10B、10C…TMR素子、
11…ビット線、12…ワード線、13…書き込み用ビット線、
14…書き込み用ワード線、15…読み出し用ビット線、
16…読み出し用ワード線(ゲート電極)、17…センス線、
18…読み出し用電界効果トランジスタ(選択用トランジスタ)、
19…書き込み用ビット線電流駆動回路、20…書き込み用ワード線電流駆動回路、
21…読み出し用ビット線駆動回路、22…読み出し用ワード線駆動回路、
23…センスアンプ、25、26…接続孔、30…シリコン基板、31…ウエル領域、
32…酸化シリコン膜(例えばSTI)、33…ドレイン電極、34…ドレイン領域、
35…ゲート絶縁膜、36…ソース領域、37…ソース電極、40…読み出し配線、
41、44…読み出し用接続プラグ、42…絶縁性側壁、
43、45…読み出し用ランディングパッド、46、47…絶縁性側壁、
50〜56…層間絶縁膜、57…絶縁層、71、73…フォトレジスト、
72、74…開口部、81、83…フォトレジスト、82、84…開口部、
91…フォトレジスト、92…開口部、100…切り欠き部、
101、103…フォトレジスト、102、104…開口部、
201…pn接合ダイオード層、202…引き出し配線、210…読み出し配線、
211、213、215…読み出し用接続プラグ、
212、214、216…読み出し用ランディングパッド

Claims (9)

  1. 磁化方向が固定された磁化固定層と、トンネルバリア層と、磁化方向の変化が可能な磁化自由層とがこの順に積層されてなるトンネル磁気抵抗効果素子によって磁気メモリ素子が構成され、前記トンネル磁気抵抗効果素子に電気的に接続された第1配線とは反対側で、絶縁層を介して第2配線が前記トンネル磁気抵抗効果素子と対向配置された磁気メモリ装置において、
    前記トンネル磁気抵抗効果素子に対し前記第2配線と同じ側で、前記トンネル磁気抵 抗効果素子に電気的に接続されている読み出し用の第3配線が、前記第2配線のエリア 内の少なくとも一部を貫通して、この第2配線とは電気的に絶縁された状態で形成され た接続孔内に設けられている
    ことを特徴とする磁気メモリ装置。
  2. 前記接続孔の側壁に絶縁体層が形成され、この絶縁体層の内側に前記第3配線が埋設されている、請求項1に記載した磁気メモリ装置。
  3. 前記接続孔が前記第2配線のエリア内を貫通している、請求項1に記載した磁気メモリ装置。
  4. 前記第2配線が、少なくとも前記磁気メモリ素子の単位において、前記接続孔の両側に分割されている、請求項1に記載した磁気メモリ装置。
  5. 前記トンネル磁気抵抗効果素子に対し前記第1配線と同じ側に、前記トンネル磁気抵抗効果素子とは電気的に絶縁された書き込み用の第4配線を有している、請求項1に記載した磁気メモリ装置。
  6. 前記第1配線が、前記読み出し用の配線と書き込み用の配線とを兼ねている、請求項1に記載した磁気メモリ装置。
  7. 前記第1配線と前記第2配線とが交差して配置され、その交差点に前記トンネル磁気抵抗効果素子が配置されている、請求項1に記載した磁気メモリ装置。
  8. 前記磁化固定層と前記磁化自由層との間に前記トンネルバリア層が挟持され、前記第1又は前記第4配線と前記第2配線とにそれぞれ電流を流すことによって誘起される磁界で前記磁化自由層を所定方向に磁化して情報を書き込み、この書き込み情報を前記トンネルバリア層を介してのトンネル磁気抵抗効果によって前記第3配線を通じて読み出すように構成された、請求項1又は5に記載した磁気メモリ装置。
  9. 請求項1〜8のいずれか1項に記載した磁気メモリ装置の製造方法であって、前記第2配線を形成する工程と、前記第2配線のエリア内の少なくとも一部を貫通して前記接続孔を形成する工程と、前記接続孔内に前記第2配線とは電気的に絶縁された前記第3配線を形成する工程とを有する、磁気メモリ装置の製造方法。
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