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JP2005336185A - コラーゲン分解活性酵素含有組成物、およびそれらの歯科分野における使用 - Google Patents

コラーゲン分解活性酵素含有組成物、およびそれらの歯科分野における使用 Download PDF

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JP2005336185A JP2005150248A JP2005150248A JP2005336185A JP 2005336185 A JP2005336185 A JP 2005336185A JP 2005150248 A JP2005150248 A JP 2005150248A JP 2005150248 A JP2005150248 A JP 2005150248A JP 2005336185 A JP2005336185 A JP 2005336185A
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collagenolytic
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オリヴァー,カプラー
Ingo R Haeberlein
インゴ,レイノルド,ハーバーレイン
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Abstract

【課題】
コラーゲン分解活性酵素の歯科分野への使用。
【解決手段】
ドリルなしの酵素的齲蝕除去のために、酸性pHにおいて酵素活性を有する少なくとも1つのコラーゲン分解活性酵素を含んで成る組成物に関する。このコラーゲン分解活性酵素を含んで成る組成物を製造する方法、および齲蝕を除去する方法に関する。歯科用処置薬を製造するためのコラーゲン分解活性酵素を含んで成る組成物の使用にも関する。
【選択図】 なし

Description

本発明は、ドリルなしの酵素的齲蝕除去のために、酸性pHにおいて酵素活性を有する少なくとも1つのコラーゲン分解活性酵素を含んで成る組成物に関する。さらに本発明は、このコラーゲン分解活性酵素を含んで成る組成物を製造する方法、および齲蝕を除去する方法に関する。
本発明は歯科用途におけるコラーゲン分解活性酵素の使用にも関する。
齲歯とも称される齲蝕は、最も頻繁に起きるヒトの疾病の一つである。齲蝕は、歯の脱落を引き起こすことさえある歯の細菌性損傷である。歯は、より柔らかい象牙質を封入する硬いエナメルの覆いによって外側から保護され、次に象牙質はいわゆる歯髄を封入する。エナメルそれ自体は、約95%の無機化合物、特にヒドロキシルアパタイト、および約5%の有機化合物と水から成る。象牙質はエナメルより柔らかく、約65%の無機化合物(主にヒドロキシルアパタイト)、約20%の有機化合物(主にコラーゲンおよび多糖類)、および約15%の水から成る。
齲蝕疾病は、プラークと、プラークから発達する歯石の形成に始まることが多い。プラークは、主に細菌、タンパク質、および多糖類を含有する塊から成り、ぬぐい去ることが困難である歯の上の白みがかったフィルムである。「プラーク」という用語は、歯の表面に存在する全微生物およびそれらの有機マトリックスを表現する。プラークから齲蝕および歯石が発達でき、後者は歯茎にとって非常に有害で、石灰化したプラークから成る。注意深い歯磨きによってさえも歯石は歯の表面から取り除くことができない。
齲蝕は、炭水化物の細菌性発酵、特に糖から酸への細菌性発酵によって数段階を経て発達する。前記細菌性発酵から得られる酸が硬いエナメルを最初に溶解するのに対し、細菌は主に歯の上に残った食物粒子などの有機成分を攻撃する。
エナメルが、細菌誘発性の酸の影響によって多孔性および柔軟になった場合、細菌が歯石下の象牙質層に到達してそれに齲蝕を感染させることもある。齲蝕疾病は、象牙質下の歯髄の炎症を引き起こすことが多い。歯髄の炎症は極めて痛く、速やかに処置されないと患者の健康に重篤なリスクをもたらすこともある。
エナメルまたはエナメルおよび象牙質が最も溶解された領域は、齲蝕病変と称される。齲蝕病変は、常態では部分的に細菌性起源、部分的に歯の崩壊物、および部分的に唾液ならびに食物粒子に由来する、多数の独特な化合物から成る。
他の生きている体組織とは異なり、齲蝕によって引き起こされた歯の損傷を修復する内因性の方法はない。齲蝕の初期においてのみ、歯の硬い物質の再石灰化の手段による治癒が可能である。齲蝕の後期では、齲蝕による歯の損傷領域を取り除く処置に対する必要性がある。齲蝕に冒された歯組織を除去して得られる空隙は、窩洞と称される。特定サイズ以上の窩洞では、齲蝕で冒された歯牙組織が取り除かれた後、窩洞は常態では人工充填物で充填される。
齲蝕によって引き起こされた歯の損傷は、常態では歯科ドリルで齲蝕性歯牙組織を穿孔して取り除かれる。適応症および技術次第で、400,000rpmまでのドリル速度が得られる。使用されるドリルは、硬い金属またはダイヤモンド器具である。穿孔は莫大な熱放出を引き起こし、取り除かれた歯の物質は処置部位を汚染するので、窩洞を冷却し清浄にするために水と空気の混合物が通常必要である。
しかしこの歯科ドリルを使用して齲蝕を除去する処置方法は、いくつかの不都合を有する。
例えば重大な不都合は、この処置方法が概して患者にとってかなりの疼痛と結びついていることである。穿孔によって引き起こされる疼痛としては、患者は炎症性であることが多い歯の領域で、回転するドリル器具の細かい振動を特に感じる。さらに、非常に不快なものとして知覚されるドリルの笛声音がある。したがって多くの患者は、齲蝕によって冒され損傷された歯の処置を受けるまでに長く待ちすぎることが多い。
この処置方法に関わるさらなる不都合は、穿孔が健康な歯の物質を損傷し取り除くことである。しかしこのような健康な歯の物質の除去は、概して望ましくない。さらにドリルによる齲蝕の機械的処置は、歯を重篤に損傷することがある。齲蝕病変中の齲蝕性組織が健康な歯をある程度損傷しているのに対し、少量の健康な象牙質のみが歯髄から齲蝕病変を隔てていることが多い。このような場合。歯科医は、歯髄を覆う脆い象牙質壁を損傷することなく、齲蝕性領域を完全に除去するという非常に困難な課題に直面する。歯髄を覆う残存象牙質層の機械的抵抗性は、低い機械的応力に抵抗するのにも十分でないため、歯髄の有害な開口を避けられないことが多い。
上述の古典的穿孔療法に加えて、歯の硬い物質の穏やかな処置のための増えつつある方法が、ここ数年の間に記載されている。
例えば(特許文献1)は、本質的に疼痛かつドリルなしに、齲蝕を除去するための化学機械的方法について記載している。齲蝕を溶解するために、攻撃的酸化剤である次亜塩素酸ナトリウムをアミノ酸と組み合わせて使用する。この方法の不都合は、強酸化剤としての次亜塩素酸ナトリウムが、感染した齲蝕性歯牙組織および感染していない健康な歯牙組織の構成物と非特異性に反応することである。
さらにこの方法では、表面の齲蝕性領域の軟化のみが可能である。酸化効果が低下するとすぐに、次亜塩素酸ナトリウム溶液を塗布しなければならない。したがって溶液の頻繁な塗布が必要である。
記載された化学−機械的方法には非常に時間がかかり、常に成功するとは限らず、結局は、やはり歯科用ドリルに戻らなくてはならないことが臨床経験によって実証される。
(特許文献2)は、齲蝕および歯周疾病を処置および防止する方法について記載している。それは遺伝子操作を通じて得られた酵素によって、口腔窩洞内の病原菌と戦う特定の方法を提唱する。リゾチームおよびデキストラナーゼが、適切な酵素として言及される。齲蝕を処置および防止するための出発点として、プラークが酵素で取り除かれるべきである。文献では、そのような齲蝕の処置については言及されていない。
エナメルおよび象牙質が攻撃および分解され劣化するpH値に調節された酵素含有処置組成物が、有用なことが多い。例えば有孔であるが完全に破壊されていないエナメル覆いの下に齲蝕病変が位置するような場合である。このような場合、ドリルなしにエナメル覆いを取り除けることが望ましいこともある。これは酸性に調節した酵素含有処置組成物を塗布して達成することができ、酸は、有孔であるが完全に破壊されていないエナメル覆いを攻撃して取り除き、このような組成物を構成する酵素は、エナメルの被覆層の下に位置する齲蝕性領域の分解を誘発または遂行する。さらに象牙質およびエナメルに対するこのような酸性組成物の分解効果のために、窩洞内部のラフニングを達成し、それによって引き続く充填療法の準備をして、それを容易にすることができる。
概して歯科医は、窩洞が「清浄である」、すなわち齲蝕性残留物がないかどうかの判定のために、様々な方法に依存できる。しかし日常的に歯科医は、歯科プローブで新しく作られた窩洞表面を引っ掻いて生じる、独特な音響信号に依存する。齲蝕のない象牙質をこのような歯科プローブで引っ掻くと、窩洞壁の高いミネラル物質割合に起因する歯切れの良いクリアな音を発する。この試験は、窩洞に齲蝕性物質がないかどうかを判定する最も簡単な方法として実施されることが多く、この試験の信頼性は高いが、そこで窩洞に齲蝕がないと定義できる、歯牙物質の除去点を必ずしも正確に判定しない。通常、所望の結果をもって歯科プローブ法を適用するには、歯から取り除く物質量は必要なよりも大きい。これは、齲蝕細菌がないが既に部分的に脱石灰化された、わずかに脱石灰化された歯牙物質は、健康な歯牙物質のように処置できるが、歯科プローブで引っ掻いた際に、典型的な引っ掻き音を与えないという事実によって説明できる。
このようにして、齲蝕を取り除いてより柔らかいが健康な歯牙物質を基本的にそのまま残す、あるいは歯科プローブ引っ掻き試験に依存できるように、齲蝕と、軟化し部分的に脱石灰化された歯科物質とを取り除く、歯科ドリルを使用しない窩洞からの齲蝕除去のための物質の選択を有することの必要性が、長いこと感じられてきた。
(特許文献3)は、齲蝕の処置のためのペプシンをベースとする溶液について記載している。ペプシンの欠点は非特異性酵素活性に見られることがあり、時折、齲蝕処置のための溶液調合物中に多量のペプシンを提供する必要性に帰結する。さらにその動物性起源のために、ペプシンは高温で固有の不安定性を示すことができ、それはペプシンを含む化学調合物の熱安定性を損なうこともある。さらにその動物性起源のために、医療用ペプシンは、複雑であるために高価な調節加工を必要とする。
(非特許文献1)は、CLN2−関連熱安定性セリン−カルボキシルタンパク質分解酵素、そのクローニング、触媒セリン残基の発現および同定について記載している。
クマモリシンの結晶構造体については、(非特許文献2)で記載されている。
アリシクロバチルス・センダイエンシス(Alicyclobacillus sendaiensis)株NTAP−1からのコラーゲン分解性セリン−カルボキシルタンパク質分解酵素、その精製、特性試験、遺伝子クローニング、および異種性発現については、(非特許文献3)で記載されている。
(特許文献4)は、セリン残基が活性発現に関与する新しい酸プロテアーゼに関する。
(特許文献5)は、熱安定性コラーゲン消化酵素、酵素を製造する新しい微生物、および酵素を製造する方法について記載している。
後者のいずれの文献も歯科用途で使用するのに適した組成物については記載していない。
国際公開第98/20838号パンフレット 国際公開第96/07329号パンフレット 独国特許第102 37 317 A1号明細書 特開2002−78489号公報 米国特許第6,465,236 B1号明細書 国際公開第02/06820号パンフレット 独国特許第100 56 212 A1号明細書 米国特許第6,105,761号明細書 H.オヤマ(Oyama)ら、J.Biochem.131、757〜765(2002) Structure、第10巻、865〜876、2002年6月 Applied and Environmental Microbiology、2003年1月、p.162〜169 アレキサンダー・ブロダウワー(Alexander Wlodawer)ら、Acta Biochimica Polonica 第50巻、No.1/2003、pp.81〜102 N.ツルオカ(Tsuruoka)ら、Applied and Environmental Microbiology、2003年1月、p.163、左欄、「酵素アッセイ法(i)方法Iおよび(ii)方法II(Enzyme assay(i)Method I and(ii)Method II)」 キッド(Kidd)ら(1993)、Br.Dent.J.174:245以降 ペルディガオ(Perdigao)ら(1995)、J.Biomed.Mat.Res.29:1111以降 バネルジェー(Banerjee)ら(2000)、Caries.Res.34:144〜150
酵素含有溶液はまた、熱安定性の欠如という大きな欠点を有することが多い。酵素はそれらの変性温度を超える温度に対して非常に感応性であるため、酵素を含有する多くの組成物が、温度制御環境内で貯蔵および輸送されなくてはならない。これは、このような酵素含有組成物が、エネルギーインフラ基盤が欠如し、輸送または貯蔵中に途切れない冷蔵チェーンを維持することが不可能な地域でも使用されるようにデザインされる場合に、特に不利である。さらにまた冷蔵チェーン断絶のリスクが最小である国々では、組成物の損傷の危険を冒すことなく、酵素含有組成物を周囲条件下で貯蔵できることが望ましい。
したがって日常的診療において、それにより単純で疼痛のない効果的かつ安価なやり方で齲蝕感染歯牙組織を取り除くことができる、組成物に対する必要性がある。さらに保存する価値がある健康な歯牙物質が、それによって攻撃および損傷されない、あるいは避けられない以上に攻撃および損傷されない、齲蝕を除去するための組成物に対する必要性がある。さらに齲蝕処置後、本質的に生細菌が残らないことを確実にする、齲蝕を除去する組成物に対する必要性がある。さらに必要な酵素量を減少させる、齲蝕のドリルなし除去のための組成物に対する必要性がある。さらに顕著な活性低下を示すことなく、周囲条件または高温においてさえも輸送および貯蔵できる、齲蝕のドリルなし除去のための組成物に対する必要性がある。
一態様では、本発明は、少なくとも1つのコラーゲン分解活性酵素、少なくとも1つの溶剤、および少なくとも1つの酸を含んで成り、約5U/mLを超えるコラーゲン分解活性を有する組成物に関する。
本発明による組成物は、コラーゲン分解活性酵素群に属する少なくとも1つの酵素を含有する。このようなコラーゲン分解活性酵素は、コラゲナーゼとも記載されることが多い。本発明の文脈では、コラーゲン分解活性酵素は、三重らせん未変性コラーゲン繊維を消化する酵素である。
概して、コラーゲン分解活性酵素の全てのタイプを本発明によって用いることができる。しかし場合によっては、熱安定性の少なくとも1つのコラーゲン分解活性酵素を用いることが有利なことが分かっている。「熱安定性」という用語は、本発明の文脈で、少なくとも40℃または少なくとも50℃または少なくとも55℃または少なくとも60℃または少なくとも65℃または少なくとも70℃または少なくとも75℃または少なくとも80℃の温度で1時間の貯蔵後に、コラーゲン分解活性を示す酵素を指す。
本発明の別の態様では、Caイオンによって活性化される少なくとも1つの酵素を用いることができる。本発明による組成物が、Caイオンによって活性化できる少なくとも1つのコラーゲン分解活性酵素を含有すれば、有利なことが分かっている。組成物中のこのような酵素の存在は、齲蝕病変における齲蝕除去の効率に対して好ましい効果を有することができる。組成物中に存在する酸が齲蝕病変中のミネラル構造体を溶解する間にCaイオンが生成され、コラーゲン分解酵素にコラーゲン構造体へのアクセスを提供できるかもしれない。Caイオンによるコラーゲン分解酵素の活性化のおかげで、病変のコラーゲンの消化が改善され、齲蝕除去の方法が実質的に加速できる。
概して酸性pH領域において活性である全てのコラーゲン分解活性酵素が、本発明による組成物の構成物として使用できる。しかし本発明の一実施態様では、コラーゲン分解活性酵素としてセリン−カルボキシルタンパク質分解酵素が使用される。
セリン−カルボキシルタンパク質分解酵素は、カルボキシルタンパク質分解酵素のサブクラスである。本発明によって使用できるセリン−カルボキシルタンパク質分解酵素はコラーゲンに対する高特異性で特徴付けられ、酸性pH措置においてそれらの最大タンパク分解活性を示す。本発明の文脈で有用なセリン−カルボキシルタンパク質分解酵素のクラスは、セドリシンのクラスである。セドリシンについては、参照によってここに編入され、上述のセドリシンに関する開示の出典として明示的に言及される、(非特許文献4)で詳細に記載されている。セドリシンに関する後者の文献の開示は、本テキストの開示の一部とみなされる。
本発明で使用されるコラーゲン分解活性酵素は、概して植物、動物または真菌から、ならびに細菌、古細菌または酵母菌から単離されても良い。それらはまた、遺伝子操作を通じて製造されても良い。本発明の別の実施態様では、ドリルなし齲蝕除去のための組成物は、少なくとも1つの非動物性起源コラーゲン分解活性酵素を含んで成る。
概して本発明による組成物中で、全てのタイプのコラーゲン分解活性酵素、特にセリン−カルボキシルタンパク質分解酵素が使用できる。好ましくは歯からのドリルなし齲蝕除去を助ける組成物中に、少なくとも1つのコラーゲン分解活性酵素が存在する。この課題を達成できるいくつかのコラーゲン分解活性酵素の中で、本発明による特に有用なものは、セドリシン、クマモリシンAs、セドリシン−B、クマモリシン、クマモリシン−B、セドリシン−xApB、フィサロリシン、フィサロリシン−B、ヒトトリペプチジル−ペプチダーゼ、およびScP−Aのようなセリン−カルボキシルタンパク質分解酵素、あるいはWai21aのようなその他のペプスタチン不感応性タンパク質分解酵素である。したがって本発明の別の実施態様によると、組成物はセドリシン、セドリシン−B、クマモリシン、クマモリシン−B、セドリシン−xApB、フィサロリシン、フィサロリシン−B、ヒトトリペプチジル−ペプチダーゼ、およびScP−Aより成る群から選択される、少なくとも1つのセリン−カルボキシルタンパク質分解酵素を含んで成る。
クマモリシンおよびScP−Aは、最も好ましくは好熱性細菌バチルス・ノボスピーシズ(Bacillus novosp.)MN−32および/またはアリシクロバチルス・センダイエンシス(Alicyclobacillus sendaiensis)株NTAP−1から得られる。したがって本発明のさらに好ましい実施態様によると、組成物中に存在する少なくとも1つのコラーゲン分解活性酵素は、バチルス・ノボスピーシズ(Bacillus novosp.)MN−32またはアリシクロバチルス・センダイエンシス(Alicyclobacillus sendaiensis)株NTAP−1から得られる。
セリン−カルボキシルタンパク質分解酵素の製造方法、およびこのようなセリンカルボキシルタンパク質分解酵素の詳細な説明は、(非特許文献1)、(非特許文献2)、(非特許文献3)、(特許文献4)、および(特許文献5)にある。あらゆる引用文献は明示的に言及され、セリン−カルボキシルタンパク質分解酵素、それらの製造およびそれらの特性に関するそれらの開示は、本テキストの開示の一部と見なされる。
本発明による組成物は、例えば1つのセリン−カルボキシルタンパク質分解酵素または別のペプスタチン不感応性のタンパク質分解酵素などの1つのコラーゲン分解活性酵素、あるいは例えば2つ以上のセリン−カルボキシルタンパク質分解酵素、例えば3、4、5、6または7つのコラーゲン分解活性酵素、例えばセリン−カルボキシルタンパク質分解酵素などの2つ以上のコラーゲン分解活性酵素を含んで成ることができる。しかしコラーゲン分解活性酵素の数が、1、2、3または4つ、特に1、2または3つであることが好ましい。
本発明による組成物は、少なくとも1つの溶剤を含んで成る。概して酵素が変性することなくその中に分散または溶解できる各溶剤は、本発明による組成物を構成する成分であることができる。本発明によるそれらの使用が不可能になる程度までに酵素活性を損なわない、全ての水性および有機溶剤が使用できる。
適切な溶剤は、例えば水、炭素元素2〜約10個の直鎖または分枝鎖または環式または飽和または不飽和アルコール、ケトン、エステル、カルボン酸、および2つ以上の前記タイプの溶剤の混合物である。
本発明によると、例えばジアルキルケトンまたはアルコール、あるいはポリエチレングリコール(PEG)またはヒドロキシエチルメタクリレートまたは(2,3−エポキシプロピル)メタクリレートなどの低粘度重合性物質、およびその混合物が溶剤として使用できる。特に好ましいアルコール性溶剤は、メタノール、エタノール、イソプロパノール、およびプロパノールである。その他の適切な有機溶剤は、グリセリン、ジメチルスルホキシド、テトラヒドロフラン、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノール、トルエン、塩化メチレン、クロロホルム、アルカン、および特に酢酸エチルエステルである酢酸アルキルエステルである。
概して上述の溶剤は単独で使用でき、あるいは溶剤混合物が所望結果が得られない程度にまで酵素活性を損なわないならば、2つ以上のこれらの溶剤の混合物として使用することができる。本発明による好ましい溶剤混合物は、成分として水を含んで成り、特に好ましいのは水性−アルコール性溶剤混合物である。
概して、上述の溶剤は単独で使用でき、あるいは溶剤混合物が所望結果が得られない程度にまで酵素活性を損なわないならば、2つ以上のこれらの溶剤の混合物として使用することができる。しかし本発明の好ましい実施態様によると、成分として水を含んで成る溶剤混合物、特に水性−アルコール性溶剤混合物が使用される。
本発明による組成物の粘度は、組成物が溶剤を含有する場合、本質的に高度に流動的からペースト状までのあらゆる範囲内であることができる。組成物が、処置する齲蝕病変内の容易にアクセスできない領域に均一に流れるのに十分低い粘度を有すれば、有用であることが多い。しかし例えば齲蝕病変が歯の側面領域に位置する場合、本発明による溶剤含有組成物がより高い粘度を有し、すなわち組成物があまりに早く流れないように組成物がゲル状であれば、有利であることができる。
本発明による組成物は、少なくとも1つの酸を含んで成る。概して上述のような組成物は、所望のpH値を提供するために、有機または無機のあらゆるタイプの酸、あるいは双方のタイプの酸の混合物を含有できる。ジエチルバルビツール酸、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン(TRIS)、グリシン、グリシルグリシン、N−(2−アセトアミド)−2−アミノエタンスルホン酸(ACES)、N−(2−アセトアミド)−イミノジアセテート(ADA)、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−2−アミノエタンスルホン酸(BES)、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)グリシン(BICINE)、2,2−ビス(ヒドロキシエチル)−イミノトリス(ヒドロキシメチル)メタン(BIS−TRIS)、2−(シクロヘキシルアミノ)エタンスルホン酸(CHES)、2−[4−(2−ヒドロキシエチル−1−ピペラジン)]エタンスルホン酸(HEPES)、3−[4−(2−ヒドロキシエチル−1−ピペラジニル)]プロパンスルホン酸(HEPPS)、2−モルホリノエタンスルホン酸(MES)、3−モルホリノプロパンスルホン酸(MOPS)、ピペラジン−1,4−ビス(2−エタンスルホン酸)(PIPES)、N−[トリス(ヒドロキシメチル)−メチル]−2−アミノエタンスルホン酸(TES)、N−[トリス(ヒドロキシメチル)−メチル]−グリシン(TRICINE)などの有機酸を使用して、本発明による組成物のpH値を所望のpH範囲に移行することが可能であることが分かっている。しかし上述の酸のいくつかまたは全ては、pH値を下げる以外にも組成物に対して別の効果、特に促進または阻害効果を有することができることに留意しなくてはならない。上述の酸の組み合わせが使用され、1つ以上の酸が所望pH値に到達するまたはそれを調節する目的のために添加され、1つ以上の酸がpH値に対するそれらの影響と関わりなくその他の目的のために添加されることも本発明の文脈内である。
しかし硫酸、スルホン酸、リン酸、ポリリン酸、塩酸、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、クエン酸、乳酸、シュウ酸または硝酸などの無機酸が、所望のpH値を提供し、本発明による組成物の変性およびミネラル溶解特性を改善する上で、有利であることが見いだされている。本発明の文脈では、ギ酸および酢酸のような酸が無機酸群の一部として取り扱われることに留意されたい。
pH値を低下させる目的のために、上述の有機酸と無機酸の組み合わせを使用することが可能である。しかし無機酸、特にリン酸を使用して、所望のpH値が調節できれば十分でありまたは有利でさえあることが分かっている。
さらに本発明の組成物は、少なくとも1つの緩衝液を含み、または第2の化合物と組み合わせると緩衝液として機能する第1の化合物を含んで成ることができる。本発明の組成物に含まれる緩衝液は、本発明の酵素混合物を含んで成る本発明の溶液のpH値をそれぞれの本発明の実施態様のために所望される値に調節し、所定期間内におけるpH値の変化を防止してそれぞれの溶液を安定化する役目をそれぞれ果たす。
本発明の文脈で、リン酸緩衝液、炭酸緩衝液、酢酸緩衝液、クエン酸緩衝液、トリス緩衝液、グリシルグリシン緩衝液またはグリシン緩衝液などの慣例の全ての緩衝液が適切である。リン酸ナトリウム緩衝液、リン酸水素ナトリウム緩衝液、リン酸二水素ナトリウム緩衝液、リン酸カリウム緩衝液、リン酸水素カリウム緩衝液、リン酸二水素カリウム緩衝液またはピロリン酸緩衝液が好ましい。炭酸ナトリウム緩衝液、炭酸カリウム緩衝液、炭酸水素ナトリウム緩衝液または炭酸水素カリウム緩衝液も適切である。特に好ましくは本発明の組成物は、リン酸緩衝液およびそれらの成分をそれぞれ含んで成る。特に好ましいリン酸緩衝液は、リン酸二水素ナトリウム緩衝液である。
本発明の溶剤含有溶液の緩衝液濃度は、約100モル/Lまでの範囲であることができる。モル/L濃度は溶液中の酸性画分に関連する。約0.001〜約10モル/Lの範囲が好ましい。本発明の別の実施態様によると、酵素を含有する溶液は約0.001モル/L〜約5モル/Lの範囲の緩衝液を含んで成る。約0.01〜約3モル/Lの範囲が好ましく、約0.02〜約1.0モル/Lの範囲がより好ましい。本発明の別の実施態様によると、酵素を含有する溶液は約0.03〜約10モル/Lの範囲、より好ましくは約0.05〜約5モル/Lの範囲、そしてさらにより好ましくは約0.02〜約1.0モル/Lの範囲の緩衝液を含んで成る。
本発明の酵素混合物を含んで成る溶液は、概して約1〜約5のpH範囲を有することができる。
本発明の別の実施態様によると、本発明による酵素含有溶液のpH値は約pH1.5〜約pH4.9、特に約pH2〜約pH4.5、特に約pH2.5〜約pH4.0の範囲であることができる。
酵素の酵素活性は、通常いわゆる酵素単位[U]を使用して特徴づけられる。酵素単位は、標準条件で1分あたりに対応する酵素基材の1μモルを変換するのに必要な酵素または2つ以上の酵素の混合物のそれぞれの量である。本発明によるコラーゲン分解活性酵素含有組成物は、概して酵素または酵素混合物のコラーゲン分解活性に関して、コラーゲン分解活性酵素またはこれらの2つ以上のコラーゲン分解活性酵素の混合物を約5U/mL組成物を超える量で含有する。しかしコラーゲン分解活性酵素の活性、またはこれらの2つ以上のコラーゲン分解活性酵素の混合物の活性が、約100を超えまたは約150を超えまたは約200を超えまたは約255U/mL組成物を超えるように、調節されることが好ましい。
本発明による酵素溶液は、例えば約5U〜約1,000,000U/mL溶液の総酵素活性を有することができる。下限値は、例えば約5、7、または10U/mLであり、本発明の効果は常態では、約20または約25または約30または約40または約45または約50U/mL溶液の総酵素活性下限値でかなり改善された。
好ましくは本発明の酵素溶液は、例えば約100U〜約400,000U/mL溶剤または約300〜約300,000U/mL溶剤または約500U〜約200,000U/mL溶剤または約700〜約150,000U/mL溶剤または約1,000〜約100,000U/mL溶剤または約5,000〜約50,000U/mL溶剤である、約60U〜約600,000U/mL溶剤を構成する。さらに本説明の文脈では、本発明の酵素溶液の有利な効果が特に特徴的にこのような範囲内で生じれば、それぞれの範囲の記載された下限値を上述の各範囲限界と組み合わせることができる。
ここで記載する酵素的活性は、常にそれぞれの酵素のためのそれぞれの標準条件に関連する。この文脈では、以下の標準条件が有効である。
クマモリシン:(非特許文献5)に記載された方法に従って活性を求めた。
ScP−A:(非特許文献5)に記載された方法に従って活性を求めた。
ペプシン:1単位は、37℃におけるA280nmでのTCAによる変換ヘモグロビンのΔE=0.01に対応する。
コラーゲンに対するクマモリシンおよびScP−Aの高特異性は、より特異性の低い酵素を使用した場合に、匹敵する結果を得るのに必要な酵素量を低下できる。それでもなおクマモリシンおよび/またはScP−Aのようなコラーゲンに対して特異性の高い酵素と、例えばコラーゲンを少なくともある程度消化できる、その他のいずれかのタンパク質分解酵素のようなコラーゲンに対して特異性のより低い酵素を組み合わせることが有利かもしれない。概して本発明による組成物の全体的酵素活性を所望の結果が得られない程度にまで損なわない、全てのタンパク質分解酵素が適用できる。したがってさらなる本発明の実施態様によると、組成物は少なくとも1つのさらなるタンパク質分解酵素を含有できる。
このさらなるタンパク質分解酵素は、好ましくはpH7未満のpHで活性である。齲蝕性象牙質を処置すると、酸、酸性pHにおけるコラゲナーゼ活性、および酸性pHにおけるさらなるプロテアーゼ活性が相乗的に作用する。酸は、齲蝕性組織中に存在する残遺ヒドロキシアパタイトを溶解して、酵素がコラーゲンにアクセスできるようにする。コラゲナーゼは、三重らせんを開裂してコラーゲンを変質させることで、非三重らせんコラーゲンに最も効率的に作用する、さらなるより非特異性のプロテアーゼによって、それが容易に消化されるようにする。さらに病変中のヒドロキシアパタイトの溶解によって利用できるようになるCaは、セリン−カルボキシタンパク質分解酵素などの酵素作用の能力向上作用を有するかもしれない。
本発明による組成物は酸性pHを有するので、前記さらなるタンパク質分解酵素の少なくとも1つも酸性pH領域で触媒活性を有し、すなわち酸性タンパク質分解酵素であることが好ましい。これらの酸性タンパク質分解酵素の中で、ペプシンが好ましい酵素である。ペプシンは例えばブタの胃から得ることができる。したがって本発明のさらなる実施態様によると、組成物は少なくとも1つのさらなるタンパク質分解酵素、または2つ以上のさらなるタンパク質分解酵素の混合物を含有でき、少なくとも1つの前記さらなるタンパク質分解酵素がペプシンである。
概して本発明による組成物の全体的性能を最適化することが望ましいであろう。その目的のために、本発明による組成物は添加剤を含有しても良い。したがってさらなる本発明の実施態様では、組成物は少なくとも1つの添加剤を含有できる。
概して本発明による組成物の効果を損なわない、または避けられない以上に損なわない、全ての添加剤を用いることができる。適切な添加剤は、例えば増粘剤、流動学的添加剤、多価アルコール、阻害剤、および緩衝液より成る群から選択されることができる。
本発明による組成物の粘度は、組成物が溶剤を含有する場合、本質的に高度に流動的からペースト状までのあらゆる範囲内であることができる。組成物が、処置する齲蝕病変内の容易にアクセスできない領域に均一に流れるのに十分低い粘度を有すれば、有用であることが多い。しかし例えば齲蝕病変が歯の側面領域に位置する場合、本発明による溶剤含有組成物がより高い粘度を有し、すなわち組成物があまりに早く流れないように組成物がゲル状であれば、有利であることができる。
本発明による溶液の粘度範囲は、例えば+25℃で約0.5mPa*s〜約100Pa*sの範囲、または例えば+25℃で約5mPa*s〜約50Pa*sの範囲である。
本発明によるコラーゲン分解活性酵素含有組成物は、少なくとも1つの流動学的添加剤を含有できる。
概して多様な状況下での使用を容易にするために、本発明によって組成物の流動学的特性を調節することが望ましい。したがって本発明による組成物に、それらの粘度またはそれらの流動動態を改善するするために、流動学的添加剤が添加されることが多い。さらにいくつかの溶解された酸性タンパク質分解酵素は、立体配置および相互作用効果のために、それらの各等電点近くのpH値を通過する際に、構造的な変化を被ることが分かっている。これらの構造的および相互作用的変化のために、いくつかの酸性タンパク質分解酵素は、等電点に近づくにつれて組成物から沈殿する傾向があるかもしれない。しかしこれは、それぞれの等電点の近くまたはそれを超えるpH値において、それぞれの酸性タンパク質分解酵素の活性に逓減をもたらすことができる。この動態は、次には本発明の対象の1つ、すなわち窩洞壁のミネラル成分を基本的に手つかずで残しながら、歯の窩洞上のコラーゲン残留物を除去することに対して、逆効果であるかもしれない。したがって等電点への接近時に、酸性タンパク質分解酵素の活性をできるだけ長く維持し、酸性タンパク質分解酵素分子の沈殿を避けることが望ましい。また本例で2つ以上のタンパク質分解酵素の組み合わせを用いた際に、混合物中のタンパク質分解酵素の1つが上述の動態を示しながら、別のタンパク質分解酵素がこの動態を示さないことが可能であることができる。これは組成物がペプシンと共に、コラーゲン分解活性酵素を含有する場合に当てはまるかもしれない。
場合によっては、流動学的添加剤の添加が、より高いpH値においてさえもこのような早期沈殿を阻害して、酸性タンパク質分解酵素の持続的作用を容易にするするかもしれないことが分かっている。
流動学的添加剤として有機増粘剤が成功裏に使用される。適切な流動学的添加剤は、多糖類である。したがって本発明によるコラーゲン分解活性酵素含有組成物が、流動学的添加剤として多糖を含有することが好ましい。適切な多糖類は、例えばデンプン、マンナン、キサンタン、アルジネート、カラジェン、ペクチン、ポリビニルピロリドン、ヒドロキシエチルプロピルセルロース、ヒドロキシブチルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロースまたはナトリウムカルボキシメチルセルロース、およびそれらの2つ以上の混合物である。特に断りのない限り、「流動学的添加剤」という用語、および「増粘剤」という用語が、本テキストの文脈で区別なく使用できることに留意すべきである。
所望の使用目的を損なわない、または少なくとも本質的に損なわなければ、概して当業者にとって既知である全ての増粘剤が、本発明による組成物の所望の粘度を調節するのに適切である。さらなる適切な増粘剤は、例えばポリエチレングリコールと、シリカゲルまたはフィロケイ酸塩などの無機増粘剤と、2つ以上の言及される増粘剤の混合物である。
本発明による組成物の粘度は、本質的に高度に流動的からペースト状までのあらゆる範囲内であることができる。組成物が、処置する齲蝕病変内の容易にアクセスできない領域に均一に流れるのに十分低い粘度を有すれば、有用であることが多い。しかし例えば齲蝕病変が歯の側面領域に位置する場合、本発明による溶剤含有組成物がより高い粘度を有し、すなわち組成物があまりに早く流れないように組成物がゲル状であれば、有利であることができる。
本発明による組成物は、組成物重量を基準として約0.1〜約2重量%の量で流動学的添加剤を含有しても良い。流動学的添加剤の量が、約0.2〜約1重量%の範囲であることが好ましい。
流動学的添加剤は、25℃で粘度が約1〜約1000mPasの範囲である組成物を提供する役目をしても良い。本発明による組成物が、25℃で約5〜約500mPasまたは約10〜約100mPasの粘度を有することが好ましい。
粘度は、25℃においてハーケ(Haake)レオメータ(ロータービスコ(RotorVisco)(RV1);センサー(60/1°Ti)で標準手順に従って測定される。
上述の流動学的添加剤に加えて、本発明による組成物は、ポリエーテルまたは両性イオン界面活性剤、あるいは2つ以上のポリエーテルおよび両性イオン界面活性剤の混合物を含有しても良い。
双方のタイプの成分またはそれらの混合物の添加は、沈殿の阻害をよりさらに改善することが示されている。
概して酸性タンパク質分解酵素の沈殿を阻害する目的のために、全てのタイプのポリエーテルが適切である。しかし使用されるポリエーテルが、少なくともある程度水溶性であることが必須条件である。
概して適切なポリエーテルは、温度20℃で少なくとも約1g/L、好ましくはそれ以上、例えば少なくとも約5または少なくとも約200g/Lの水への溶解度を有するべきである。本発明による組成物の構成物として使用されるポリエーテルが、20℃で少なくとも約0.1重量%、好ましくは少なくとも約1重量%または少なくとも約2重量%の水への溶解度を示すことが好ましい。
適切なポリエーテルは、概して塩基触媒開環反応において、通常、水、アルコールまたはアミンである開始物質を1つ以上のエポキシドと反応させて製造される。テトラヒドロフラン(THF)のような環式エーテルの開環重合によって、適切なポリエーテルを得ることも可能である。好ましい開始物質は、水、あるいは単官能性−または多官能性アルコールである。適切な単官能性アルコールは、例えばメタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、イソブタノール、三級ブタノール、異性体ペンタノール、異性体ヘキサノール、異性体ヘプタノール、およびそれらのより高級な同族化合物、シクロヘキサノール、フェノール、ナフトールなどの1〜約22個の炭素元素を有する、直鎖または分枝鎖、飽和または不飽和脂肪族、脂環式または芳香族アルコールである。好ましい多官能性アルコールの例は、例えばエチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、トリメチロールプロパン、トリエチロールプロパン、ペンタエリトリトール、ソルビトール、キシリトールなどの2、3または4個のヒドロキシル基を有するアルコールである。
適切な一般的エポキシドまたは環式エーテルは、オキシラン(エチレンオキシド)、プロピレンオキシド、ブチレンオキシドまたはTHFである。
本発明による酸性タンパク質分解酵素の沈殿に対して阻害効果を示すポリエーテルは、1つのタイプのモノマーのみを含んで成ることができる。しかし1タイプを超えるモノマー含んで成るポリエーテルを用いることも本発明の範囲内である。このような共重合体は、無作為にまたはブロックでまとめられることができる。
本発明において、主にまたは完全にエチレンオキシドの反復単位(−CH−CH−O)を含んで成り、2または3個のヒドロキシル基を有するポリエーテルを用いることが好ましい。
GPCなどの従来の方法によって測定されるこのようなポリエーテルの平均分子量(Mw)は、約10,000原子単位を超えてはならず、好ましくは約1,000原子単位未満であるべきである。このようなポリエーテルの最小平均分子量(Mw)は、約100原子単位、好ましくは150原子単位以上、例えば約200原子単位であるべきである。
本発明の好ましい実施態様によると、コラーゲン分解活性酵素組成物は、分子量約100〜約500原子単位、好ましくは約200原子単位のポリエチレングリコールを含有できる。
1つ以上の上述のポリエーテルを含有する代わりに、またはそれに加えて、本発明によるコラーゲン分解活性酵素含有組成物は、1つ以上の両性イオン化合物を含有できる。概して少なくとも1個の正に帯電したイオン、および1個の負に帯電したイオンを有する全てのタイプの低分子成分が、本文脈において適切である。「低分子」という用語は、分子量約1000未満、好ましくは約500未満の両性イオン成分に関する。好ましい本発明の実施態様では、本発明によるコラーゲン分解活性酵素含有組成物は、両性イオン化合物としてグリシンベタイン、ベタイン、タウリン、エクトインまたはジメチルスルホニウムプロピオネート成分の1つ以上を含有する。
さらに本発明によるコラーゲン分解活性酵素含有組成物は、ポリエーテルでない4個以上のヒドロキシル基を有する1つ以上の多価アルコールを含有できる。適切な多価アルコールまたは糖アルコールの類は、ペンタエリトリトール、キシライト、ソルビトール、グルコース、スクロース、フルクトース、マンニトールまたはグリセリンである。
本発明によるコラーゲン分解活性酵素含有組成物は、組成物重量を基準として約0.1〜約20重量%の量でポリエーテルまたは2つ以上のポリエーテルの混合物を含有できる。しかし約0.5〜約8重量%の量、特に約0.8〜約5重量%の量でポリエーテルが存在することが、有利なことが分かっている。
本発明によるコラーゲン分解活性酵素含有組成物が、両性イオン化合物または2つ以上の両性イオン化合物の混合物を含有する場合、このような成分は組成物重量を基準として約0.1〜約20重量%の量で存在する。
概して両性イオン成分が、約1〜約15重量%または約7〜約12重量%の量で存在することが有利なことが分かっている。
酵素それ自体はタンパク質であるため、タンパク質分解酵素含有組成物は、組成物中の酵素の自己消化のために常にその反応性を失う危険に瀕している。自己消化の危険性は、関与するタンパク質分解酵素の特異性の低下と共に増大し得る。特定基材タンパク質に対する特異性が高い酵素は、酵素それ自体が基材の内に入らない限り、通常非常に緩慢な自己消化のみまたは自己消化不在を示すことができ、特異性がより低いタンパク質分解酵素は、組成物中の異なるタイプの酵素の消化に関して増大する活性を示すことができる。特に4未満のpH値で貯蔵されるペプシン含有組成物は、迅速な活性低下を被ることができる。この活性低下を遅延させるために、このような組成物に阻害剤を添加できる。この活性低下を遅延させる追加的なまたは代案の方法は、ペプシンが最も活性であるがなおも安定しており、コラゲナーゼも安定しているpHにおける溶液の貯蔵であっても良い。これは、約pH2を超えるpHであっても良い。
阻害剤は組成物中の酸性コラゲナーゼの自己消化を遅延させる一方、それはまた窩洞内のタンパク質に対する反応性を遅延させる。しかし齲蝕に対する反応性を犠牲にして、改善された貯蔵安定性を有する組成物を有することが望ましいかもしれない。したがって本発明による酸性コラゲナーゼ含有組成物は、阻害剤をさらに含有できる。
好ましい阻害剤は、例えばAc−Ile−Pro−Phe−CHO Ac−Ile−Pro−Phe−CHOなどのアルデヒド−タイプ阻害剤群に属し、あるいはシュード−チロスタチン、チロスタチン、キモスタチン、AcIPF、AcIAF、および多くのその他の既知の阻害剤から選択できる。
本発明によるコラーゲン分解活性酵素含有組成物のpH値を安定化させるために、このような組成物は緩衝液系を含有できる。概して緩衝液系は当業者に既知であり、緩衝されなくてはならない所望のpH領域に関して選択されなくてはならない。適切な緩衝液系は、例えばHPO/HPO、ギ酸/ギ酸塩、酢酸/酢酸塩、クエン酸/クエン酸Na、グリシン/HClである。
緩衝液濃度は、好ましくは約0.01〜約2.0Mの範囲内にある。
さらに上述の添加剤に加えて、本発明によるコラーゲン分解活性酵素含有組成物は、少なくとも1つのさらなる添加剤を含有しても良い。
本発明によるコラーゲン分解活性酵素含有組成物は、防腐剤をさらに含有できる。概して本発明による組成物中における微生物の生育を阻害し、人体が耐容性を示す全てのタイプの防腐剤が使用できる。しかしパラヒドロキシ安息香酸エステルタイプの従来の防腐剤が、最も好ましいことが分かっている。特に好ましいのは、メチルパラヒドロキシ安息香酸エステル(メチルパラベン)およびプロピルパラヒドロキシ安息香酸エステル(プロピルパラベン)の名称の下に知られる防腐剤である。前述の各防腐剤は、本発明による組成物中で唯一の防腐剤として使用できる。しかしこのような防腐剤の組み合わせを使用することも可能である。防腐剤は、概して組成物重量を基準として約0.001〜約1重量%の量で使用される。本発明の好ましい実施態様では、組成物重量を基準として約0.01〜約0.25重量%の量で防腐剤が使用される。
さらに本発明によるコラーゲン分解活性酵素含有組成物は、錯化剤、酵素基材、または酵素エフェクターなどのその他の添加剤を含有できる。
本発明の文脈では、錯化剤は、ヒドロキシアパタイトの分解を支持することにより、齲蝕病変へのアクセスを容易にする役目を果たしても良い。錯化剤は、細菌細胞壁の開裂にも貢献できる。
本発明の好ましい錯化剤は、原子価2を有する金属イオンと共に安定した錯体を形成するものである。例えばEDTA(エチレンジアミン四酢酸)、EGTA(エチレングリコールジアミノエチル四酢酸)、クエン酸またはサリチル酸またはNTA(ニトリロトリアセテート)が適切な錯化剤である。EDTA(エチレンジアミン四酢酸)が最も好ましい錯化剤である。
本発明の文脈で、酵素が機能する能力を最適化できるさらなる化合物が、本発明の組成物に添加できる。このような酵素活性化または阻害化合物は、ジエチルバルビツール酸、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン(TRIS)、グリシン、グリシルグリシン、N−(2−アセトアミド)−2−アミノエタンスルホン酸(ACES)、N−(2−アセトアミド)−イミノジアセテート(ADA)、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−2−アミノエタンスルホン酸(BES)、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)グリシン(BICINE)、2,2−ビス(ヒドロキシエチル)−イミノトリス(ヒドロキシメチル)メタン(BIS−TRIS)、2−(シクロヘキシルアミノ)エタンスルホン酸(CHES)、2−[4−(2−ヒドロキシエチル−1−ピペラジン)]エタンスルホン酸(HEPES)、3−[4−(2−ヒドロキシエチル−1−ピペラジニル)]プロパンスルホン酸(HEPPS)、2−モルホリノエタンスルホン酸(MES)、3−モルホリノプロパンスルホン酸(MOPS)、ピペラジン−1,4−ビス(2−エタンスルホン酸)(PIPES)、N−[トリス(ヒドロキシメチル)−メチル]−2−アミノエタンスルホン酸(TES)、N−[トリス(ヒドロキシメチル)−メチル]−グリシン(TRICINE)、硫酸、スルホン酸、リン酸、塩酸、酢酸、硝酸などの酸、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、アンモニア、水酸化カルシウム、酸化マグネシウムなどの塩基、塩化マグネシウム、硫酸マグネシウム、硝酸マグネシウム、塩化カルシウム、硫酸カルシウム、硝酸カルシウム、塩化鉄(III)、塩化鉄(II)、硫酸アンモニウム、塩化ナトリウム、塩化カリウム、リン酸ナトリウム、リン酸カリウム塩などの塩、補酵素、およびビタミンを含んで成る。
本発明は、本発明による組成物の調製方法にも関する。したがって本発明は、少なくとも1つのコラーゲン分解活性酵素、溶剤、および酸が、前記組成物が約5U/mLを超えるコラーゲン分解活性を有するように混合される、本発明による組成物の調製方法に関する。
さらなる実施態様では、本発明は、少なくとも1つのコラーゲン分解活性酵素、例えばペプシンなどの7未満のpHで活性の非特異性プロテアーゼ、溶剤、および酸が、前記組成物が約5U/mLを超えるコラーゲン分解活性を有するように混合される、本発明による組成物を調製する方法に関する。
本発明の方法における製造および貯蔵について、当業者は、概して酵素の処理に関する全ての既知の技術を使用できる。本発明による組成物は、例えばクロマトグラフィー技術、凍結乾燥法、噴霧乾燥、顆粒化、遠心分離、沈殿、結晶化または限外濾過またはナノ濾過の手段によって加工されても良い。
さらに当業者に既知である全ての製造補助剤を使用して、貯蔵安定性を改善できる。
本発明は、本発明の文脈で記載された酵素含有組成物が、齲蝕に冒された歯の領域に塗布される、齲蝕を除去する方法にさらに関する。
齲蝕を除去する処置のために適切な処置溶液、特に溶液中の適切な酵素を選択する際、例えば特定例でどのタイプの齲蝕が存在するかを考慮しなくてはならない。
概して独特なタイプの齲蝕間には違いがある。したがって例えば齲蝕は、象牙質に対する妨げられないアクセスがある壊滅齲蝕、齲蝕性象牙質がなおもエナメルで覆われる齲蝕病変、エナメル齲蝕、歯頸の齲蝕、および歯根齲蝕として分類される。
齲蝕によって冒されたスポットが、エナメルまたは古い充填物の厚い層で封入されているために処置溶液がアクセスできない場合、エナメルの被覆層または古い充填を高速回転ドリルで取り除いても良い。しかし例えば進行した齲蝕疾病によってエナメルの被覆層が有孔である場合、歯科ドリルの使用なしに、機械的サポートと組み合わせられた本発明による組成物で貫通しても良い。有孔のエナメルの被覆層の貫通を支持する可能な機械的ツールは、プラスチックまたは金属からできた小型ブラシの付いたマイクロブラシ、金属先端部付き試料、スプーン付き試料、ボール付き試料、および概して歯科用途のために歯科医の外科手術において利用できるその他のツールを含んで成る。これらのツールは、本発明の溶液を処置部位に塗り広げ、前記溶液をすり込み、軟化された齲蝕性象牙質を取り除き、接触によって象牙質およびエナメルの硬い表面を触覚的に見分ける役目を果たす。
齲蝕によって冒された歯の領域へのアクセスが可能ならば、処置は、患者の口腔内の歯の齲蝕性領域の同定によって開始できる。同定は、例えば視診、プロービング、X線などの歯科医に既知の方法によって、また診断用印象材を使用しても実施できる。例えば研磨剤が任意に添加されても良いプローブまたはエキスカベータで、同定された齲蝕感染した歯の領域を任意に大まかに清浄にしても良い。引き続いて処置する歯の領域をすすいで、空気を吹き付けることができる。これらのステップは全く任意であり、本発明による齲蝕処置方法の一部である必要はない。
齲蝕は、本発明の酵素含有組成物を歯の準備された領域に塗布して取り除くことができる。
処置する部位ならびに任意に存在する窩洞は、それぞれ本発明の溶液で常に完全に覆われ、充填されるべきである。齲蝕に冒された歯の領域の処置のための適切な塗布容積は、例えば約100μLであることができる。しかし適切な塗布容積は、特定例について、すなわち窩洞の大きさおよび齲蝕によって冒された歯の領域の大きさについて調節されるべきである。したがって適切な塗布容積は約0.001〜約0.5mLの範囲、または約0.01〜約0.3mLの範囲、または約0.02〜約0.2mLの範囲であっても良い。
本発明の酵素含有組成物の好ましい曝露時間は、約10秒〜約5分の範囲であることができ、齲蝕病変の大きさ次第で曝露時間を減少または増大できる。曝露時間は例えば約15秒〜約2分の範囲、または約20秒〜約1分の範囲など、好ましくは約15秒〜約3分の範囲であることができる。
曝露時間中に齲蝕病変の齲蝕性部分は分解し、より大きな窩洞が発達する。曝露時間が終了したら、歯の処置領域をすすいで任意に空気を吹き付けても良い。
例えば以下のスキームに従って、齲蝕分解処置のステップを実施する。処置する歯の領域に酵素含有溶液の適切な塗布容積を塗布して溶液を5秒〜約5分暴露することができ、引き続いて歯の領域を例えば水ですすいでも良い。以下では、このような処置方法をインキュベーションステップと称する。
概してインキュベーションステップは、歯の処置領域に齲蝕性残留物が残らないように必要なだけ実施できる。インキュベーションステップは、1回、または1回を超えて、例えば2回または3回またはそれ以上実施できる。しかしほとんどの例で、2回または3回を超えてインキュベーションステップを繰り返すことは必要ないであろう。
本発明の文脈で、場合によっては、インキュベーションステップを2回続けて実施することが有利であることが分かった。齲蝕に冒された歯の領域に対する本発明の酵素溶液の曝露の長さは、約20〜約120秒、例えば約60秒であるべきである。
したがって本発明は、本発明の組成物、特に少なくとも1つの溶剤を含んで成る本発明の組成物が歯の齲蝕性領域に塗布される、齲蝕を除去する方法にも関する。
さらに本発明は、2つ以上のインキュベーションステップで方法が実施される、齲蝕を除去する方法に関する。
さらに本発明は、第1のそしてさらなるまたはいくつかのさらなるステップにおいて、本発明の組成物が歯の齲蝕領域上に塗布される、齲蝕を除去する方法に関する。
本発明の文脈で特定の状況では、エナメルおよび象牙質が攻撃されて分解するpH値に調節された酵素含有処置溶液を使用することが、有利かもしれないことが分かった。これは例えば有孔であるが完全に破壊されていないエナメルの被覆層の下に、齲蝕病変が位置する場合に当てはまる。このような例では、ドリルなしに、酸性に調節された酵素含有処置溶液の手段によってエナメルの被覆層を取り除くことが可能であり、このような溶液中に含まれる酵素は、エナメルの被覆層下に位置する齲蝕性領域の分解を誘発または実行する。
本発明によるコラーゲン分解活性酵素含有組成物の貯蔵安定性および活性損失に関する可能な問題を克服するために、このようなコラーゲン分解活性酵素含有組成物は、有利なことに2成分系の形態で提供できることが分かっている。
したがって本発明は、2つの成分AおよびBを含んで成る組成物にも関し、成分Aは、例えばセリン−カルボキシルタンパク質分解酵素、好ましくはクマモリシンまたはScP−Aであるコラーゲン分解活性酵素と、溶剤と、緩衝液系とを含んで成り、成分Bは、好ましくは水である溶剤と、AおよびBを混合した後に、例えばセリン−カルボキシルタンパク質分解酵素、好ましくはクマモリシンまたはScP−Aであるコラーゲン分解活性酵素が最も活性であるpH値以下のpH値を提供する物質とを含んで成る。
したがって本発明によるコラーゲン分解活性酵素含有組成物は、2つの成分AおよびBからも成ることができる。成分Aは、水、および好ましくは酸性組成物が最も活性であるpH値を超えるpH値を提供する緩衝液系を含んで成る。概して適切な緩衝液系は、約3.5以上、特に約4以上または約4.5または5以上のpH値を提供する。成分Aが、約5.2を超え、特に約5.3を超えまたは約5.4を超えるpH値を有すれば、有益なことが分かっている。約5.5のpH値は、非常に良好な結果を与えることが分かっている。
本テキストで使用される「緩衝液系」という用語は、成分A、ならびに成分AおよびBの混合物に関して緩衝効果を提供できる系に関する。したがって成分Aが完全な緩衝液系を含有することは概して必要でない。成分AおよびBの混合物が、このような緩衝液系をもたらせば十分である。
概して上のテキストで記載したような全てのタイプの緩衝液系が使用できる。本発明の好ましい実施態様では、リン酸緩衝液が使用される。成分Aは、好ましくは約4.5〜約6のpH値のリン酸緩衝液を含有する。成分Aが、約10〜約500mモル/L、特に約50〜約150mモル/Lの濃度のリン酸緩衝液を含有すれば、良好な結果を与えることが分かっている。
本発明による組成物中では、成分Aは好ましくは約60,000U/mL未満、特に約15〜約50,000または約50〜約45,000U/mL組成物のコラーゲン分解活性酵素活性を含有する。概して、例えば上のテキストで記載したようなセリン−カルボキシルタンパク質分解酵素の濃度および活性などのコラーゲン分解活性酵素濃度および活性に関する所見は、ここで記載する組成物にも有効である。
成分Aは、概して例えばセリン−カルボキシルタンパク質分解酵素、好ましくはクマモリシンまたはScP−Aであるコラーゲン分解活性酵素を1mLの成分Aあたり約20mg未満、好ましくは1mLの成分Aあたり約15mg未満、または約10mg未満含有できる。
成分Aは、流動学的添加剤をさらに含有できる。適切なのは、例えば上で既述したような流動学的添加剤である。本発明の好ましい実施態様では、成分Aは、流動学的添加剤として例えばヒドロキシエチルセルロースなどの多糖を含有する。流動学的添加剤は、成分A中に約0.05〜約1.5重量%の量、好ましくは約0.1〜約1重量%または約0.3〜約0.7重量%の量で存在できる。
本発明による別の好ましい実施態様では、成分Aは、以下の構成物を以下の量で含有できる。
コラーゲン分解活性酵素:約0.1〜約1.0重量%
ペプシン:約0.01〜約1.0重量%
リン酸二水素ナトリウム:約0.6〜約2.4重量%
水酸化ナトリウム:約0.001〜約0.5重量%
キサンタン:約0.2〜約1.0重量%
メチルパラベン:約0.005〜約0.05重量%
プロピルパラベン:約0.005〜約1.0重量%
水:100重量%まで
本発明による成分Bは、好ましくは水、4.0未満のpH値を提供する酸、増粘剤、および任意にポリエーテルまたは両性イオン界面活性剤、あるいはポリエーテルおよび両性イオン界面活性剤の混合物を含んで成る。
概して成分Bは、所望のpH値に達するために、上で言及されている全てのタイプの酸を含有できる。成分AおよびBは混合後に緩衝液系を形成できるので、成分B中の少なくとも1つの酸が、成分Aに含有される塩に対応すれば有利であることができる。本発明の好ましい実施態様では、成分Bはリン酸を含有する。成分AおよびBを組み合わせた後に、約2〜約4.2、または約2.5〜約3.5のpH値が得られるような量で、成分Bが酸を含有すれば、有利なこともさらに分かっている。
成分Bは、ポリエチレングリコールまたは両性イオン化合物、あるいはその両者をさらに含有できる。ポリエチレングリコールとしては、上で言及されるポリエチレングリコールが適切である。上で指定した分子量範囲のポリエチレングリコールを使用することが好ましい。成分Bがポリエチレングリコールを含有する場合、量は成分Bの重量を基準として、約0.1〜約10.0重量%、好ましくは約0.5〜約5.0重量%の範囲内である。
成分Bが両性イオン化合物を含有する場合、上述の両性イオン成分が好ましい。成分B中の両性イオン化合物の量は、約0.1〜約20重量%、特に約1〜約15または約7〜約12重量%の範囲である。
本発明による好ましい実施態様では、成分Bは、以下の構成物を以下の量で含有できる。
リン酸二水素ナトリウム:約10〜約20重量%
リン酸:約5〜約10重量%
ポリエチレングリコール:約2〜約5重量%
キサンタン:約0.2〜約1.0重量%
水:100重量%まで
成分Aおよび成分Bは、1つ以上の上述の添加剤を含有できる。好ましくは成分AまたはBの1つは、成分間で区別して、成分が塗布前に完全に混合されたかどうかを判定できるように、少なくとも1つの着色剤を含有する。
成分AおよびBが混合される比率は、混合物の所望の特性に大きく左右される。概して成分は、混合物のpH値が、成分AのpH値未満であるように混合されなくてはならない。好ましくは比率は、混合物の特性が、コラーゲン分解活性酵素含有組成物について上で記載された特性に対応するように選択される。したがって成分AおよびBを例えば約3.8未満、または約3.5未満、または約3.3未満、または約3.2未満などの約4未満のpH値を有する混合物をもたらす比率で混合することが可能である。
成分AおよびBの混合物が、以下の特性を有することがさらに好ましい。
pH値:約2.5〜約3.5
粘度:約10〜約50mPas
セリン−カルボキシルタンパク質分解酵素活性:約1,000〜約10,000
緩衝能:約0.5〜約2.0
成分AおよびBは、上述の特性を有する塗布用混合物を得るために、成分AおよびBの比率が約5:1〜約1:5、特に約2:1〜約1:4、または約1:1〜約1:3.5、好ましくは約1:2〜約1:3であるように有利に調製される。
さらなる本発明の実施態様は、上述のような2成分AおよびBが混合され、齲蝕病変がこの混合物に接触させられる、齲蝕処置のための方法に関する。
さらなる本発明の実施態様は、齲蝕処置のための成分AおよびBを含んで成る混合物の使用に関し、成分Aは、例えばセリン−カルボキシルタンパク質分解酵素、好ましくはクマモリシンまたはScP−Aであるコラーゲン分解活性酵素と、水と、組成物が最も活性のpH値を超えるpH値を提供する緩衝液系と、流動学的添加剤とを含んで成り、成分Bは、水と、コラーゲン分解活性酵素が最も活性のpH値未満のpH値を提供する酸と、増粘剤と、任意にポリエーテルまたは両性イオン界面活性剤、あるいはポリエーテルおよび両性イオン界面活性剤の混合物とを含んで成る。
さらなる本発明の実施態様は、齲蝕処置に有用な医薬品の調製のための成分AおよびBを含んで成る組成物の使用に関し、成分Aは、例えばセリン−カルボキシルタンパク質分解酵素、好ましくはクマモリシンまたはScP−Aであるコラーゲン分解活性酵素と、水と、組成物が最も活性のpH値を超えるpH値を提供する緩衝液系と、流動学的添加剤とを含んで成り、成分Bは、水と、コラーゲン分解活性酵素が最も活性のpH値未満のpH値を提供するための酸と、増粘剤と、任意にポリエーテルまたは両性イオン界面活性剤、あるいはポリエーテルおよび両性イオン界面活性剤の混合物とを含んで成る。
齲蝕の処置および除去のための組成物を調製するために適切な処置組成物を選択する際、特に適切な酵素を選択する際、例えば特定例でどの齲蝕タイプが存在するかをを考慮しなくてはならない。
概して独特なタイプの齲蝕間には違いがある。したがって例えば齲蝕は、象牙質に対する妨げられないアクセスがある壊滅齲蝕、齲蝕性象牙質がなおもエナメルで覆われる齲蝕病変、エナメル齲蝕、歯根齲蝕、および歯随管齲蝕として分類される。
齲蝕によって冒されたスポットが、エナメルまたは古い充填物の厚い層で封入されているために処置組成物がアクセスできない場合、エナメルの被覆層または古い充填を高速回転ドリルで取り除いても良い。しかし例えば進行した齲蝕疾病によってエナメルの被覆層が有孔である場合、歯科ドリルの使用なしに、機械的サポートと組み合わせられた本発明による組成物で貫通しても良い。有孔のエナメルの被覆層の貫通をサポートする可能な機械的ツールは、プラスチックまたは金属からできた小型またはマイクロブラシ、金属先端部付き試料、スプーン付き試料、ボール付き試料、および概して歯科用途のために歯科医の外科手術において利用できるその他のツールを含んで成る。これらのツールは、本発明の組成物を処置部位に塗り広げ、前記組成物をすり込み、軟化された齲蝕性象牙質を取り除き、接触によって象牙質およびエナメルの硬い表面を触覚的に見分ける役目を果たす。
齲蝕によって冒された歯の領域へのアクセスが可能ならば、処置は通常、患者の口腔内の歯の齲蝕性領域の同定によって開始できる。同定は、例えば視診、プロービング、X線などの歯科医に既知の方法によって、また診断用印象材を使用しても実施できる。例えば研磨剤が任意に添加されても良いプローブまたはエキスカベータで、同定された齲蝕感染した歯の領域を任意に大まかに清浄にする。引き続いて処置する歯の領域をすすいで、空気を吹き付ける。全ての既述した方法は本例において任意であり、本発明によって齲蝕を成功裏に取り除くためには必要でないかもしれない。
齲蝕は、本発明の酵素含有組成物を歯の齲蝕性領域に塗布することによって取り除くことができる。
処置する部位ならびに任意に存在する窩洞は、それぞれ本発明の組成物で完全に覆われ、充填されることができる。齲蝕に冒された歯の領域の処置のための適切な塗布容積は、例えば約100μLであるかもしれない。しかし適切な塗布容積は、特定例について、すなわち窩洞の大きさおよび齲蝕によって冒された歯の領域の大きさについて調節されるべきである。したがって適切な塗布容積は約0.001〜約0.5mLの範囲内、好ましくは約0.01〜約0.3mLの範囲内、そしてより好ましくは約0.02〜約0.2mLの範囲内であることができる。
本発明の酵素含有組成物の好ましい曝露時間は、約5秒〜約5分の範囲であることができ、齲蝕病変の大きさ次第で、曝露時間を減少または増大できる。曝露時間は、例えば約15秒〜2分の範囲、または約20秒〜1分の範囲など、好ましくは約10秒〜約3分の範囲である。
曝露時間中に、齲蝕病変の齲蝕性部分は分解し、より大きな窩洞が発達する。曝露時間が終了したら、歯の処置領域をすすいで任意に空気を吹き付ける。
例えば以下のスキームに従って、齲蝕分解処置のステップを実施する。処置する歯の領域に酵素含有組成物の適切な塗布容積を塗布して組成物を約5秒〜約5分暴露して、引き続いて歯の領域を例えば水ですすぐ。以下では、このような処置方法をインキュベーションステップと称する。
概してインキュベーションステップは、歯の処置領域に齲蝕性残留物が残らないように必要なだけ実施される。インキュベーションステップは、1回、または1回を超えて、例えば2回または3回またはそれ以上実施できる。しかしほとんどの例で、2回または3回を超えてインキュベーションステップを繰り返すことは必要でないであろう。
本発明の文脈で、場合によっては、インキュベーションステップを2回連続ステップで実施することが特に有利であることが分かった。齲蝕に冒された歯の領域に対する本発明の酵素組成物の曝露の長さは、約10〜約30秒、例えば約20秒であるべきである。
したがって本発明は、本発明の組成物、特に少なくとも1つの溶剤を含んで成る本発明の組成物が歯の齲蝕性領域に塗布される、齲蝕を除去する方法にも関する。
さらに本発明は、2つ以上のインキュベーションステップで方法が実施される、齲蝕を除去する方法に関する。
さらに本発明は、第1のそしてさらなるまたはいくつかのさらなるステップにおいて、本発明の組成物が歯の齲蝕領域上に塗布される、齲蝕を除去する方法に関する。
それぞれの酸性処置組成物が、既に多孔性であるエナメルの被覆層を通じて、齲蝕病変中のミネラルで被覆されたタンパク質部分にアクセスを提供しても良い。同時に酸は齲蝕病変中のミネラル構造体を取り除く。このようにしてコラーゲン分解活性酵素によるコラーゲンタンパク分解が支持される。酸およびコラーゲン分解活性酵素は、この例において相乗効果を有する。
齲蝕病変中のミネラル被覆されたタンパク質部分へのアクセスを提供できるかもしれない、ペプシンをさらに含有する酸性処置組成物を使用することも有利であることができる。同時に酸は齲蝕病変中のミネラル構造体を取り除くかもしれず、コラーゲン分解活性酵素はコラーゲンを消化するかもしれない。このコラーゲン分解活性によって、コラーゲンは、ペプシンにとってより効率的に消化できるようになる。このようにしてコラーゲン分解活性酵素によるコラーゲンのタンパク分解は、ペプシンによって支持されるかもしれない。酸、ペプシン、およびコラーゲン分解活性酵素は、この例において相乗効果も有するかもしれない。
ここで記載した組成物が、歯の中にあまりに深く貫通することによって、健康な歯牙物質に害を及ぼすのを防止するために、ヒドロキシルアパタイトのアルカリ特性が利用される。より多くのヒドロキシルアパタイトが溶解すると、組成物のpH値はpH5.5に向けてより移動し、それがコラーゲン分解活性酵素を含有する酸性組成物のヒドロキシアパタイト溶解能を制限するかもしれない。したがってコラーゲン分解活性酵素を含有する酸性組成物は、歯の健康な領域にとって危険ではないと想定される。さらにコラーゲン分解活性酵素を含有する酸性組成物が、病原菌死滅効果を有することが有利である。
本発明の文脈において、記載された処置組成物の1つは、齲蝕病変を処置するために1つ以上の連続的ステップで単独で使用できる。しかし本発明によって、記載された処置組成物を互いに組み合わせて、あるいは齲蝕病変を処置するためのその他の既知の組成物または薬剤と組み合わせて使用することも可能である。
概して酸性処置組成物、そしてさらに齲蝕病変を処置するためのその他の既知の組成物または薬剤を使用した連続的な処置ステップの順序は、本質的に恣意的である。したがって酸性処置組成物および齲蝕病変を処置するためのその他の既知の組成物または薬剤は、例えば交互に2つ以上のステップで、または各例において次々に何回か連続して使用できる。それによって第1の処置ステップは、本発明による組成物による酸性処置、または齲蝕病変を処置するためのその他の既知の組成物または薬剤によって実施できる。
好ましくは連続的処置ステップ間にすすぎのステップが行われ、塗布された組成物の残留物と共に、齲蝕病変の溶解部分の残留物が取り除かれる。
齲蝕によってあらかじめ冒された歯の領域に、本質的に検出可能な齲蝕活性細菌が残らないことは、本発明による齲蝕を処置する方法の効果であることができる。これは例えば顕微鏡的分析によって証明できる。
本発明によって提案される齲蝕の処置のための組成物は、概してあらゆる任意の形態で最終使用者に提供できる。基本形態においては、上で言及される酵素の少なくとも1つを含んで成り、次に使用者自身によって必要な量が混合されるキットを使用者のために提供できる。
したがって本発明は、例えばセリン−カルボキシルタンパク質分解酵素である少なくとも1つのコラーゲン分解活性酵素、少なくとも1つの溶剤、および少なくとも1つの酸を含んで成り、本発明による組成物を得るために、前記少なくとも1つのコラーゲン分解活性酵素、前記少なくとも1つの溶剤、および前記少なくとも1つの酸が混和性であるキットにも関する。
本発明による組成物を使用した処置と、先行技術から既知の別の組成物を使用した処置とを組み合わせることが道理にかなっていることが多い。使用者のために施用を容易にするために、この例でも前記双方の組成物をキットとして提供することが有利なことが分かった。
したがって本発明は、本発明による少なくとも1つの酸性組成物、および先行技術からの少なくとも1つの既知の組成物を含んで成るキットにも関する。本発明による組成物を2つの成分で提供する場合、成分は概して例えばチューブ、フラスコなどのあらゆるタイプのパッケージで提供することができる。しかし少量の液体塗布については、特に制限された操作空間が単純なアプリケーターの困難な取り扱いにつながることが多い歯科用途における、このような少量の液体の塗布を容易にするいくつかの代案を先行技術が開示する。
したがって本発明によれば、2成分の混合および塗布を容易にする技術的により進歩したパッケージで、上で言及される2成分AおよびBの組成物を提供することが好ましい。本発明のその他の好ましい実施態様によると、(特許文献6)の3〜4ページおよび13〜17ページ、および図1〜4、(特許文献7)の2〜10欄、および図1〜5、および(特許文献8)の2〜5欄および図1〜6でそれぞれで記載されるように、2成分AおよびBはマルチチャンバプリケーター内に提供される。上で言及される文献は明示的に言及され、それらの開示、特に上で言及される所在において開示される複数成分組成物のための供給装置に関する開示は、本発明の開示の一部とみなされる。
したがって本発明は、少なくとも1つのチャンバが例えばセリン−カルボキシルタンパク質分解酵素などのコラーゲン分解活性酵素を含有することで特徴づけられる、本発明による組成物を貯蔵および供給するためのマルチチャンバ装置に関する。
本発明によって、コラーゲン分解活性酵素を含有しない少なくとも1つのチャンバが、チャンバ内容物を混合した後、コラーゲン分解活性酵素が最も活性であるpH値を提供する物質を含有することが好ましい。この物質は、pH値を増大させる(塩基)、pH値を低下させる(酸)、あるいはマルチチャンバ装置(酸または塩)の別のチャンバ内の物質と共に緩衝液を形成する、上で言及される物質のいずれかであることができる。それぞれの物質はこのテキストで言及される。
別の本発明の実施態様では、液体を貯蔵および供給するためのマルチチャンバ装置について記載され、少なくとも1つのチャンバが成分Aを含有し、少なくとも1つのチャンバが成分Bを含有し、成分Aは、例えばセリン−カルボキシルタンパク質分解酵素、好ましくはクマモリシンまたはScP−Aなどのコラーゲン分解活性酵素と、水と、組成物が最も活性であるpH値を超えるpH値を提供する緩衝液系と、流動学的添加剤とを含んで成り、成分Bは、水と、例えばセリン−カルボキシルタンパク質分解酵素、好ましくはクマモリシンまたはScP−Aであるコラーゲン分解活性酵素が最も活性であるpH値以下のpH値を提供する酸と、増粘剤と、任意にポリエーテルまたは両性イオン界面活性剤、あるいはポリエーテルおよび両性イオン界面活性剤の混合物とを含んで成る。
本発明は、齲蝕を除去する処置薬を製造するために、そのコラーゲン分解触媒活性の最適条件を、7未満の酸性pH範囲、特に最大でpH値5.5に有する少なくとも1つのコラーゲン分解活性酵素の使用にさらに関する。
齲蝕除去の有効性は、適切な実験方法によって証明できる。これらは(i)齲蝕の原因物質としての細菌除去、(ii)処置完了後の象牙質表面特性を評価して、(iii)取り除かれた齲蝕の量を定量すべきである。細菌除去は、例えば(非特許文献6)で記載されるように、処置前後に円形バーで歯から生検材料を採取して判定できる。次に象牙質サンプルを栄養ブイヨンおよびガラスビーズと共にボルテックスしてホモジネートし、アリコートを総嫌気性生物、連鎖球菌および乳酸桿菌培養のための選択的栄養寒天上に塗り広げる。培養後、処置前後の細菌数ならびに細菌数の減少を判定できる。処置後の表面特性は、例えば(非特許文献7)で記載されるように、処置後の歯の固定と、続く走査型電子顕微鏡による評価によって評価できる。固定はグルタルアルデヒドを用いて実施でき、脱水はエタノールシリーズ中で実施でき、乾燥はヘキサメチルジシラザン(HMDS)中への移動と続くドラフトチャンバ内でのHMDSの蒸発によって実施できる。その後、サンプルを炭素スパッターしてSEMで評価できる。齲蝕除去歯は、例えば(非特許文献8)で記載されるように、共焦点レーザー走査顕微鏡によって定量できる。ここでは、齲蝕性象牙質と健全な象牙質との間の自己蛍光の違いを使用して、取り除かれた齲蝕性象牙質の量を測定できる。

Claims (8)

  1. セリン−カルボキシルタンパク質分解酵素を含んで成る少なくとも1つのコラーゲン分解活性酵素、少なくとも1つの溶剤、および少なくとも1つの酸を含んで成り、5U/mLを超えるコラーゲン分解活性および約1〜約5のpH値を有する、虫歯処置のための組成物。
  2. 前記少なくとも1つのコラーゲン分解活性酵素が、クマモリシンおよびScP−Aより成る群から選択される、請求項1に記載の組成物。
  3. 前記少なくとも1つのコラーゲン分解活性酵素が、バチルス・ノボスピーシズ(Bacillus novosp.)MN−32またはアリシクロバチルス・センダイエンシス(Alicyclobacillus sendaiensis)株NTAP−1から得られる、請求項1あるいは2に記載の組成物。
  4. 歯科用途のためのセリン−カルボキシルタンパク質分解酵素を含んで成る、少なくとも1つのコラーゲン分解活性酵素を含んで成る組成物。
  5. 前記少なくとも1つのコラーゲン分解活性酵素、少なくとも1つの溶剤、および少なくとも1つの酸が、前記組成物が5U/mLを超えるコラーゲン分解活性、および約1〜約5のpH値を有するように混合される、請求項1〜3のいずれか一項に記載の虫歯処置のための組成物の調製方法。
  6. セリン−カルボキシルタンパク質分解酵素を含んで成る少なくとも1つのコラーゲン分解活性酵素、少なくとも1つの溶剤、および少なくとも1つの酸を含んで成り、前記少なくとも1つのコラーゲン分解活性酵素、前記少なくとも1つの溶剤、および前記少なくとも1つの酸が、請求項1〜4のいずれか一項に記載の組成物を得るために混和性である、キット。
  7. 少なくとも1つのチャンバが、セリン−カルボキシルタンパク質分解酵素を含んで成るコラーゲン分解活性酵素を含有する、請求項1〜4のいずれか一項に記載の組成物を貯蔵および供給するためのマルチチャンバ装置。
  8. セリン−カルボキシルタンパク質分解酵素を含んで成るコラーゲン分解活性酵素を含有していない前記少なくとも1つのチャンバが、前記チャンバの内容物を混合した後、前記コラーゲン分解活性酵素が最も活性であるpH値を提供する物質を含んで成る、請求項7に記載のマルチチャンバ装置。
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