JP2005334594A - カーボンナノチューブ突起を有する薬剤投与パッチ - Google Patents
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Abstract
【課題】ワクチン等を経皮輸送する免疫療法として、感染症予防のためのワクチンや癌治療用癌ペプチド等を、高さ10μm〜100μm程度の微小な突起状の針を平面状に配列した治療部材上に塗りこみ、皮膚に押し当てて薬剤を浸透させる方法を用いるが、針が皮膚に挿入される過程で、針表面に塗布された薬剤が、皮膚と針との摩擦接触の影響で、皮膚に剥ぎ取られてしまい、体内にうまく浸透されないという問題がある。
【解決手段】本発明の高さ10μm〜100μm程度の微小な突起状の針2の場合、微小な針として中空構造のカーボンナノチューブを使用しているため、針が皮膚に挿入される過程で表面の薬剤が皮膚に剥ぎ取られることがなく、また、治療部材を皮膚に押し当てる前に、角層を剥離する方法と組み合わせることで、常に均等な薬剤の浸透が可能となる。
【選択図】 図2
【解決手段】本発明の高さ10μm〜100μm程度の微小な突起状の針2の場合、微小な針として中空構造のカーボンナノチューブを使用しているため、針が皮膚に挿入される過程で表面の薬剤が皮膚に剥ぎ取られることがなく、また、治療部材を皮膚に押し当てる前に、角層を剥離する方法と組み合わせることで、常に均等な薬剤の浸透が可能となる。
【選択図】 図2
Description
本発明は、ワクチン等の薬剤を経皮輸送することで、患者に痛みを与えない感染症、癌、アレルギー等の治療を行う免疫療法に関する。
従来、ワクチン等を経皮輸送することで、患者に痛みを与えない感染症、癌、アレルギー等の治療を行う免疫療法として、感染症予防のためのワクチンや癌治療用癌ペプチド等を、10μm〜100μm程度の均一な長さの突起状の針を平面状に多数配列した上で、薬剤を投与パッチ上に塗りこみ、皮膚に押し当てて行うワクチン等経皮輸送方法が実施されている。
この方法であれば、針の高さが微小であるため、血管や神経まで針が届かず、患者に痛みを与えることがなく、また出血することもなく、実際に治療を行う医師等の立場とすれば、誤った針さしトラブルを防ぐといった効果も期待されている。
このように、ワクチン等を経皮輸送する免疫療法には、さまざまな優れた側面があるが、現在開発されている、感染症予防や癌治療用蛋白ペプチド、DNA、プラスミドDNA、ウィルスDNA、RNA、あるいはこれらを含んだリポソーム等(以下ワクチン材料という)を塗りこむための薬剤投与パッチでは、使用されている微小な突起状の針が、注射針のような中空構造となっていないため、あくまでもワクチン材料は、微小な突起状の針の表面に塗布した状態で、皮膚に押しあてることになり、針が皮膚に挿入される過程で、針表面に塗布された薬剤が、皮膚と針との摩擦接触の影響で、皮膚に剥ぎ取られてしまい、体内にうまく浸透されないという問題がある。
また、皮膚の表面には、皮膚バリヤーとしての角層があり、角層の状態は、人によって厚み・堅さ等がさまざまであり、また、同じ皮膚上でも厚みの差があったり、表面の凹凸にも角層の厚みの差が影響を与えており、このことが、経皮輸送のために薬剤投与パッチを皮膚に押し付けても針が均一に挿入されず、ワクチン材料が常に均等に浸透されないという問題がある。
本発明では、このような問題を解決するために、感染症やアレルギー予防、あるいは癌治療用のワクチン材料を経皮輸送するための針状突起を有する薬剤投与パッチにおいて、その針としてカーボンナノチューブを使用し配列したことを特徴とする。
また、本薬剤投与パッチを皮膚に押し付ける前に、粘着材等を使用して皮膚の角層を剥離することで、皮膚表面の状態を、均一で安定した状態とすることが可能となり、そのような状態にしてから、皮膚に薬剤投与パッチを押し当てることにより、針の挿入をより容易とし、ワクチン材料のより均等な浸透が可能になることを特徴とする。
本薬剤投与パッチにおいて、平面状に配列されたの針の材料としてカーボンナノチューブを使用することにより、ワクチン材料を表面に塗布した場合、カーボンナノチューブ内の空洞にワクチン材料を保持することが可能となり、薬剤投与パッチを皮膚に押し付け、針が挿入された時に、皮膚にワクチン材料が剥ぎ取られることなく、ワクチン材料を充分に浸透させることが可能となる。
あるいは、本発明のカーボンナノチューブ突起を有する薬剤投与パッチの裏面側に、ワクチン材料を塗布して、皮膚に押し付けた場合には、ワクチン材料が、カーボンナノチューブの空洞内を、微量づつ流れて、皮膚内に浸透することが可能となる。
また、本薬剤投与パッチを皮膚に押し付ける前に、粘着材等を使用して皮膚の角層を剥離することで、皮膚表面の状態を、均一で安定した状態とすることが可能となり、そのような状態にしてから、皮膚に薬剤投与パッチを押し当てることにより、針の挿入がより容易となり、ワクチン材料のより均等な浸透が常に可能となる。
以下、本発明の実施例を図面に基づき説明する。従来の微小な突起状の針を平面上に配列した薬剤投与パッチの形状を図1に示す。図からわかるように、微小な突起状の針1が空洞を持っていないことが特徴である。針の高さは、10μm〜100μm程度であり、薬剤投与パッチを皮膚に押し付ける場合を考えると、治療を行う部位は、腕や背中などに限られており、その部位において、表皮の死がいである図3の角層3を突き通すだけの高さを持ち、かつ、表皮4までしか針は届かず、血管や神経が存在する真皮5を傷つけることがないため、出血や痛みを与えることなく治療を行うことができる。しかし、針に空洞がないために、針が皮膚に挿入される過程で、針表面に塗布された薬剤が、皮膚と針との摩擦接触の影響で、皮膚に剥ぎ取られてしまい、体内にうまく浸透されないという問題がある。
それに対して、本発明のカーボンナノチューブで構成された微小な突起状の針を配列した薬剤投与パッチの形状を図2に示す。図からわかるように、微小な突起状の針2が、注射針のごとく中空構造になっていることが特徴である。針の高さは、10μm〜100μm程度である。また、チューブの内径は、使用するワクチン材料にあわせて、10nm〜数百nm程度のものを使用する。このように、中空構造になっていることにより、ワクチン材料を表面に塗布した場合、カーボンナノチューブ内の空洞にワクチン材料を保持することが可能となり、薬剤投与パッチを皮膚に押し付け、針が挿入された時に、皮膚にワクチン材料が剥ぎ取られることなく、ワクチン材料を充分に浸透させることが可能となる。
あるいは、薬剤投与パッチの裏面側に、ワクチン材料を塗布して、皮膚に押し付けた場合には、ワクチン材料が、カーボンナノチューブの空洞内を、微量づつ流れて、皮膚内に浸透することが可能となる。
図3に、通常での皮膚の表面状態を示す。通常、皮膚には、皮膚バリヤーとしての角層3があり、角層3の状態は、人によって厚み・堅さ等がさまざまであり、また、同じ皮膚上でも厚みの差があったり、表面の凹凸にも角層の厚みの差が影響を与えており、このことが、経皮輸送のために薬剤投与パッチを皮膚に押し付けても針が均一に挿入されず、ワクチン材料が常に均等に浸透されない問題へとつながることになる。
しかし、図4に示すように、薬剤を塗った薬剤投与パッチを皮膚に押し付ける前に、角層3を粘着材等で剥離しておけば,皮膚表面の状態は、均一で安定した状態となり、皮膚表面をそのような状態にしてから、薬剤投与パッチを皮膚に押し付けることにより、常により均等に薬剤を浸透させることが可能になる。図5に、このように、角層を剥離した状態で、ワクチン材料6を塗布した薬剤投与パッチ7を押し付けた状態を示す。
1・・・空洞を持たない微小な突起状の針
2・・・カーボンナノチューブで構成された微小な突起状の針
3・・・角層
4・・・表皮
5・・・真皮
6・・・ワクチン材料
7・・・薬剤投与パッチ
2・・・カーボンナノチューブで構成された微小な突起状の針
3・・・角層
4・・・表皮
5・・・真皮
6・・・ワクチン材料
7・・・薬剤投与パッチ
Claims (2)
- ワクチン等薬剤を経皮輸送(皮膚の表皮に対して薬剤を注入し、それによって薬剤を体内へ輸送することを意味し、以降経皮輸送と称す)することで、患者に痛みを与えない感染症、癌、アレルギー等の治療を行う免疫療法において、感染症予防のためのワクチンや癌治療用癌ペプチド等を、微小な高さ10μm〜100μm程度の突起状の針を平面状に配列した治療部材上に塗布し、皮膚に押し当てて行うワクチン等経皮輸送方法が実施されているが、微小な突起状の針としてカーボンナノチューブを使用することを特徴とするカーボンナノチューブ突起を有する薬剤投与パッチ。
- 請求項1のカーボンナノチューブ突起を有する薬剤投与パッチにおいて、経皮輸送により、薬剤を投与するために、薬剤を塗布した投与パッチを皮膚に押し付けたる前に、粘着剤等を使用して皮膚の角層を剥離し、皮膚表面の状態を常に均一で安定した状態としたうえで、投与パッチを皮膚に押し付け、薬剤の経皮輸送を行うことを特徴とした薬剤投与パッチ。
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JP2004184297A JP2005334594A (ja) | 2004-05-27 | 2004-05-27 | カーボンナノチューブ突起を有する薬剤投与パッチ |
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2004
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