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JP2005334357A - コーヒー抽出用の飲料ディスペンサ - Google Patents

コーヒー抽出用の飲料ディスペンサ Download PDF

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JP2005334357A
JP2005334357A JP2004158070A JP2004158070A JP2005334357A JP 2005334357 A JP2005334357 A JP 2005334357A JP 2004158070 A JP2004158070 A JP 2004158070A JP 2004158070 A JP2004158070 A JP 2004158070A JP 2005334357 A JP2005334357 A JP 2005334357A
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Kazuo Shimooka
一夫 下岡
Satoshi Suzukake
聡 鈴掛
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Fuji Cone Seisakusho Co Ltd
UCC Ueshima Coffee Co Ltd
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Fuji Cone Seisakusho Co Ltd
UCC Ueshima Coffee Co Ltd
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Abstract

【課題】 通常ではエスプレッソ等しか淹れられないディスペンサであっても、エスプレッソよりもマイルドないしはソフトな味わいのコーヒーもドリップできるようにした新規なコーヒー抽出用の飲料ディスペンサを提供する。
【解決手段】 本発明は、ドリッパー部12に投入されたコーヒー粉Wを適宜の力で圧縮した後、シリンダー部13による加圧を一旦、解除できるように構成し、これによりドリッパー部12内にコーヒー粉Wが浮遊できるムラシ空間SPを形成し、この状態でドリッパー部12内に湯を供給してコーヒー液の抽出を行うようにしたものであり、このような抽出形態を、ムラシ空間SPを形成しない通常の抽出形態と適宜選択して実行できるようにしたことを特徴とする。また抽出後の絞りカスを排出するにあたっては、絞りカスを再度圧縮してからシリンダー部13の外に払い出すようにしたことを特徴とする。
【選択図】図14

Description

本発明は、ユーザが購入する都度、装置内でコーヒーを抽出する飲料ディスペンサに関するものであって、例えば通常ではエスプレッソしか淹れられないディスペンサであっても、ドリップ手法を改良することにより、エスプレッソよりもマイルドないしはソフトな味わいのコーヒー液をドリップできるようにした新規なコーヒー抽出用の飲料ディスペンサに係るものである。
コーヒー用の飲料ディスペンサとしては、ユーザが購入する都度、一回ごとディスペンサ内でコーヒー液を抽出する装置が一般的となっている。そして、この種の飲料ディスペンサにおけるドリップ形態は、一回分ずつ豆からコーヒー粉を挽き出した後、これを適宜の力で圧縮した後、湯を供給し、コーヒー液を抽出するというものである(例えば特許文献1参照)。このようにしてドリップされたコーヒー液は、当然ながら濃さ、酸味、苦み等の味わいが、ほぼ一定であり、例えばエスプレッソ専用の飲料ディスペンサであれば、濃いエスプレッソのみを抽出するのが一般的となっている。このため従来の飲料ディスペンサにおいてコーヒーのメニュー設定は、専ら豆の種類(銘柄)、煎り度合い(ロースト度)、コーヒー粉の粒度、混合比(ブレンド割合)等、原料そのものに依存するのがほとんどであった。従って、例えばエスプレッソよりもマイルドあるいはソフトな味わいのコーヒーを仕立てたい場合には、新たに別の飲料ディスペンサを用いてコーヒー液を抽出するのが技術常識となっていた。
しかしながら、コーヒーは嗜好品であるため、ユーザの好みが多岐にわたる場合も少なくなく、これに応じて複数の飲料ディスペンサを用意することは、ディスペンサを設置する販売者としては、経済的な負担等が大きかった。
また、通常はエスプレッソ仕様の飲料ディスペンサでありながらも、気温や季節等の違いによっては、ユーザがエスプレッソとは異なるマイルドな味わいのコーヒーを望む場合もあり、同じコーヒー粉を使用しても、よりマイルドなコーヒーを淹れられる装置が求められていた。
特開2000−157231
本発明は、このような背景を認識してなされたものであって、通常であれば例えばエスプレッソしか淹れられない飲料ディスペンサであっても、ドリップ手法を変更することによって、エスプレッソよりもマイルドな、言わばナチュラルドリップ味のコーヒーも淹れられるようにした新規なコーヒー抽出用の飲料ディスペンサの開発を試みたものである。
すなわち請求項1記載のコーヒー抽出用の飲料ディスペンサは、ほぼ一定の粒度に挽かれたコーヒー粉を受け入れ、フィルタ作用によって供給湯からコーヒー液を抽出するドリッパー部を具えるとともに、このドリッパー部には、受け入れたコーヒー粉を適宜圧縮するシリンダー部が設けられ、圧縮後のコーヒー粉に湯を送り込んでコーヒー液を抽出するようにした飲料ディスペンサにおいて、前記ドリッパー部は、投入されたコーヒー粉を適宜の力で圧縮した後、シリンダー部の加圧を一旦、解除できるように構成され、これによりドリッパー部内にコーヒー粉が浮遊できるムラシ空間を形成し、この状態でドリッパー部内に湯を供給してコーヒー液の抽出を行うようにしたことを特徴として成るものである。
また請求項2記載のコーヒー抽出用の飲料ディスペンサは、前記請求項1記載の要件に加え、前記ムラシ空間を形成した抽出形態は、ムラシ空間を形成しない通常の抽出形態と適宜選択して実行できるようにしたことを特徴として成るものである。
更にまた請求項3記載のコーヒー抽出用の飲料ディスペンサは、前記請求項1または2記載の要件に加え、前記ドリッパー部から抽出後の絞りカスを排出するにあたっては、絞りカスを再度圧縮してから払い出すようにしたことを特徴として成るものである。
これら各請求項記載の発明の構成を手段として前記課題の解決が図られる。すなわち請求項1記載の発明によれば、従来の一般的な飲料ディスペンサであってもコーヒー粉を圧縮するシリンダ部の作動を改良することにより、抽出液(コーヒー液)をよりマイルドな味わいとする新たなドリップ形態が容易に採り得る。
また請求項2記載の発明によれば、同じ原料(コーヒー粉)を用いても、二通りのドリップ形態が選択できるため、一基の飲料ディスペンサでも、よりユーザの好みに応じたコーヒーを提供することができる。また飲料ディスペンサを設置する販売者としては、ディスペンサの数を減らせるため経済的負担等が軽減でき、省スペース化に寄与する。
更にまた請求項3記載の発明によれば、絞りカスを再度圧縮した後、ドリッパー部から排出するため、フィルタ面にカスが残留することがほとんどなく、確実に排出できる。このため、その後の抽出時にも品質の高いコーヒーを提供できる。
本発明の最良の形態は、以下の実施例に述べるとおりである。
本発明の飲料ディスペンサAは、一回ごとに装置内部でコーヒーを短時間で生成するものであり、本実施例ではミルクの添加を要するコーヒーを生成対象とする。なお、生成する飲料(コーヒー)をミルクMの添加前後において区別する場合には、ミルクMを添加していないものをコーヒー液L、ミルクMを添加した後のものをコーヒーLMとして区別する。因みに後述する実施例においては、コーヒーLMの中でも特にクリーミーな泡状ミルク(フォームドミルク)の添加を要するカプチーノやカフェラテ等を本格的に味わえるようにした飲料ディスペンサAについて説明する。
また本実施例で述べる飲料ディスペンサAは、コーヒーLMが、もともと嗜好品であることに因み、ユーザが購入する都度、淹れられるフレッシュブル型のものを基本とする。すなわち本実施例では、一杯分ずつ豆から挽いてドリップする、いわゆるレギュラータイプのものが適用される。
以下、本発明のコーヒー抽出用の飲料ディスペンサAについて具体的に説明する。飲料ディスペンサAは、一例として図1に示すように、主にコーヒー液Lの生成に大きく関与するディスペンサ本体部1と、ミルクMの保存や仕立てに大きく関与するミルク供給部2とに大別される。以下各部について説明する。
まずディスペンサ本体部1について説明する。このものは、ミルク添加前のコーヒー液Lを生成する飲料液生成部3と、主にミルクMの加熱や泡立用の蒸気を供給するミルク処理蒸気供給部4とを具えて成るものであり、以下、これらについて更に説明する。
飲料液生成部3は、本実施例ではコーヒー液Lの抽出を担う部位であり、一例として図2に示すように、いわゆるドリップ式の淹れ方を自動化した構造を採る。具体的には、飲料液生成部3は、適宜焙煎したコーヒー豆を一旦貯留するとともに順次送り出すホッパー10と、コーヒー豆をほぼ一定の粒度に挽くグラインダーユニット11と、挽かれたコーヒー粉Wを受け入れ、フィルタ作用によって供給湯からコーヒー液Lを抽出するドリッパー部12とを具えて成るものである。以下、グラインダーユニット11とドリッパー部12について説明する。
グラインダーユニット11は、一例として図10に示すように、ホッパー10の下部に設置されたケーシング111と、このケーシング111内に設けられたスクリュー112と、スクリュー112の先端部に設けられたミル刃113とを具えて成り、ホッパー10からケーシング111内に落下したコーヒー豆は、スクリュー112によってミル刃113側に移送される。
ケーシング111は、ほぼ円筒状に形成されて成り、ミル刃113付近にコーヒー粉Wを排出するための吐出口111Aが開口される。
またミル刃113は、内刃113Aと外刃113Bが一対となって設けられ、本実施例では内刃113Aがケーシング111に対して固定状態に設けられるとともに、外刃113Bがスクリュー112の先端部に取り付けられ、スクリュー112とともに回転するように形成される。そして、この一対のミル刃113によって、コーヒー豆は適宜の粒度に挽かれ、ケーシング111の吐出口111Aからドリッパー部12に送り込まれるものである。
更にスクリュー112には、ホッパー10から落下してきたコーヒー豆をミル刃113側に送る羽根114が複数形成されており、この羽根114は、各々が別個にスクリュー112に取り付けられるものの、全体的にはコーヒー豆の移送を担うため螺旋を描くように傾斜状態に取り付けられる。
なお図中符号m3はスクリュー112を回転させるためのモータであり、符号116はスクリュー112とモータm3とを接続する接合フランジである。
次にドリッパー部12について説明する。ドリッパー部12には、短時間でコーヒー液Lの抽出を行うために、グラインダーユニット11から投入されたコーヒー粉Wを適宜圧縮するシリンダー部13が設けられる。
このシリンダー部13には、一例として図3に示すように、内部に一対のブロック14が組み込まれ、この間にコーヒー粉Wを受け入れるものである。より詳細には、シリンダー内の上側に固定ブロック14Aを設け、下側に回転軸15を有した可動ブロック14Bを設け、回転軸15を適宜回転させることで、下側の可動ブロック14Bを昇降動させ、両ブロック14間に受け入れたコーヒー粉Wを圧縮できるようにしている。ここで図2の符号m1は、回転軸15を回転させるためのモータである。
なお両ブロック14には、コーヒー粉Wとの接触面側に金属製等のフィルタ16が、取付プレート17によって取り付けられている(固定ブロック14Aに設けられるフィルタを16A、取付プレートを17Aとし、可動ブロック14Bに設けられるフィルタを16B、取付プレートを17Bとする)。そして下側の可動ブロック14B(フィルタ16B)には、後述する加熱タンク40から給湯経路18が接続され、コーヒー液Lを抽出するための高温湯が、圧縮されたコーヒー粉Wの下側から送り込まれる。
一方、上側の固定ブロック14Aには、前記加熱タンク40から蒸気供給経路19が接続され、主に抽出したコーヒー液Lを加熱するための蒸気(これを昇温用蒸気S1とする)が、シリンダー部13の上側から送り込まれる。更にこの固定ブロック14Aには、抽出したコーヒー液LをカップCに注ぎ入れるための輸送経路20が接続される。なお図中符号21は、シリンダー内の気密性を確保するためにブロック14の周囲に設けられたOリングである。
次に抽出後のコーヒー粉Wをシリンダー部13から取り除く部材について説明する。抽出を終えた後のコーヒー粉Wは、水分が抜け、適度な硬さを有する塊状の絞りカスW1となるが、このような絞りカスW1は、抽出後、下側のフィルタ16Bの表面に付着した状態で可動ブロック14Bとともに下降してくる。この際、下側のフィルタ16Bから絞りカスW1を除去する部材が、図4に示すスクレパー24であり、下側の可動ブロック14Bが、ある位置までに下がると、絞りカスW1をカス受け25に蹴り出して除去するものである(カス受け25については図2参照)。なお、このスクレパー24には、ゴム素材等で形成されたブレード26がスクレパー24の作用端から突出状態に取り付けられ、フィルタ16Bの表面にほぼ沿ったスクレパー24の除去作動に伴い、ブレード26の先端がフィルタ表面に接触し、フィルタ16Bに残留するカスをこすり落とすようにしている。因みに図中符号27は、ブレード26をスクレパー24に取り付けているステンレス製等の板部材である。
なおこのようなスクレパー24の作動は、シリンダー部13の周辺に組み込むバネとカムとによって行わせることができ、可動ブロック14Bの下降つまり回転軸15の逆転に連動させて、バネの押さえ付けを解除するようにし、バネの付勢力によってスクレパー24をほぼ水平に移動させる形態が採り得る。もちろんスクレパー24の作動は、必ずしもバネとカムとによる作動形態に限定されるものではなく、例えばシリンダー部13とほぼ直交するようにエアシリンダー等を設け、その摺動子を適宜伸長させることにより、フィルタ16B上から絞りカスW1を押し出すような形態も可能である。
そしてドリッパー部12で抽出されたコーヒー液Lは、前記輸送経路20を経由して注入室30まで移送され、この室内の上部に設けられた注ぎ口31からカップCに注ぎ込まれる(注入室30については図1、5参照)。この注ぎ口31には、一例として図2に併せて示すように、上記コーヒー液Lの他、ミルクM、熱湯等の吐出口ノズル32が別々に設けられ、各々の液体が目的のコーヒーLMの性状等に応じて注がれる。なおこの注ぎ口31は、種々の製品形態(飲料形態)等を考慮して昇降可能に構成することが好ましく、以下これについて説明する。
注ぎ口31を昇降させるにあたって、例えば図9に示すような自動昇降機構310が採り得る。この自動昇降機構310は、正逆転自在のモータ311と、このモータ311により回転するスクリューネジ312と、このスクリューネジ312に螺合された昇降体313とを具えて成り、前記注ぎ口31は、この昇降体313に取り付けられて成る。そしてモータ311の正逆転によりスクリューネジ312を所望の方向に回転させ、注ぎ口31を上下動させるのである。
なお図中符号314は、モータ311とスクリューネジ312とを一体的に結合するカップリング(継手)であり、符号315は、スクリューネジ312を回転自在に支持するベアリング(軸受)である。
そして、本実施例では、通常、注ぎ口31を上方位置に設定しておき、アイスメニューの場合に、この高位置からコーヒー液LやミルクM等の注入を行い、ホットメニューの場合に、注ぎ口31を自動的に下げ、低い位置から注入を行うものである。これは、アイスメニューの場合には、氷を入れる必要があり、このため通常のホットメニューよりも大きめの、いわゆるエルサイズないしはロングサイズのカップCを用いるためである。すなわちアイスメニューの場合には、氷を入れる分、カップCの高さが高くなるため、これと干渉しないように注ぎ口31を予め高い位置に設定しておき、この高位置から注入を行うものである。一方、通常のホットメニューの場合には、カップCがいわゆる標準サイズであるため、カップCの高さに合わせて注ぎ口31を下方に下げて(例えば最大60mm程度降下)、コーヒー液LやミルクM等をカップCに注入するものである。
因みに飲料のメニュー(カップの大きさ)に合わせて注ぎ口31の高さを調節するのは、一般に高さの低いカップCを使用するホットメニューの場合に、高い位置から注入したのでは、コーヒー液LやミルクM等の飛散が避けられないためである。もちろん、通常のホットメニュー(ホットカフェラテ等)を淹れ終えた際には、注ぎ口31を基の高い位置(初期位置)に戻しておくものであり、この作動も自動的に行わせるものである。
なお、このようなことに因み、図9では、注ぎ口31の初期位置(上限位置)を認識するためのセンサー316を設けている。
このように本実施例では、飲料のメニューによって注ぎ口31の高さを調整するものであるが、この高さ設定は、メニュー選択に連動させて自動的に昇降させ得るものである(いわゆる完全自動抽出形態)。
因みに従来の飲料ディスペンサにあっては、専ら販売者がディスペンサ(マシン)を操作する業務用を前提として開発されていたことに因み、注ぎ口31を手動で上下動させる形態にとどまっていた。しかしながら、本実施例では、メニュー選択に連動させて、注ぎ口31の高さを自動設定できるため、誰でも簡単且つ確実に安定した抽出が行える。このため販売者がディスペンサを操作する形態はもちろん、ユーザ自身が図1に示すメニューボタンBを押して飲料を生成する販売形態も容易に採り得る。
なお本実施例では、注ぎ口31を昇降させるものとして主にスクリューネジ312を適用し、このものを正逆転させるものであったが、この他にも、エアシリンダー等を適用し、摺動子の伸縮によって注ぎ口31を上下動させる形態も採り得る。
また注入室30は、通常のディスペンサと同様、室内にセットしたカップCにコーヒー液Lを注ぎ込む閉塞空間であるが、前面には、飲料充填後のカップC(飲料物)を取り出すための開閉扉33が形成される。もちろん、この開閉扉33は、コーヒー液L等の注入時には、周囲への飛散を考慮して、閉鎖されるものである。なお開閉扉33は、このような注入状況等が外部から目視できるように、半透明ないしは透明の素材で形成されるのが一般的であるが、熱いコーヒー液Lを注入した場合や、後述する洗浄用蒸気を送り込んだ場合等には、注入室30内に蒸気が籠もり、この扉がくもることが考えられる。このため本実施例では、一例として図5に示すように、注入室30に室内の空気を外部に放出するファン34を接続し、開閉扉33のくもりを防止できるようにしている。
また注入室30のカップ載置面35は、コーヒー液L等がこぼれることを考慮して格子状等に形成され、ここにはドレンDが接続される(図2参照)。
以上述べた部材が飲料液生成部3の主な構成要素であるが、この他にも目的とするコーヒーLMによっては製氷機などを適宜組み込むことが可能であり、この飲料液生成部3には、従来公知の種々の装置の流用が可能である。またコーヒーLMは、必ずしもカフェラテやカプチーノ等に限定されるものではない。
次に、ミルク処理蒸気の供給装置の、主な構成部であるミルク処理蒸気供給部4について説明する。このものは、上述したように、主としてコーヒー液Lに添加するミルクMの加熱や泡立用の蒸気を、移送中のミルクに供給する部位であり、これら蒸気が一例として図8に示すように、各々独立した回路により供給されるものである。ここで、ミルクMをカップC側に送る移送路をミルク供給経路36とする。また二つの蒸気回路を区別して表す場合には、主にミルクMの加熱を担う回路をミルク加熱ライン37、主にミルクMの泡立てを担う回路をミルク泡立ライン38とする。また各々のラインによって供給される蒸気を区別したい場合には、ミルク加熱ライン37によって供給される蒸気を加熱用蒸気S2、ミルク泡立ライン38によって供給される蒸気を泡立用蒸気S3として区別する。以下各蒸気の供給ラインについて説明する。
まずミルク加熱ライン37について説明する。ミルク加熱ライン37は、一例として内蔵されたヒータ39によって適宜の圧力及び温度(一例として1〜1.5bar 、125℃程度)の蒸気や高温湯を生成する加熱タンク40と、このラインへの蒸気供給のON-OFFを担う蒸気供給弁41と、蒸気流の流速を調節する蒸気調節弁42と、カップCに供給されるミルクMに蒸気を当てミルクMの加熱を図る加熱蒸気混合室43とを具えて成るものである。なお加熱蒸気混合室43には、加熱用蒸気S2やミルクMの逆流を防ぐため、逆止弁44が設けられる。また加熱タンク40の前段には、浄水器45が接続されている(図2参照)。そして加熱用蒸気S2との接触によって加熱されたミルクMは、この後、後述する泡立蒸気混合室49と泡立室50とを経由してカップC内に注がれる。
加熱タンク40は上述したように水から蒸気や熱湯をつくるものであるため、必然的に発熱を伴うが、コーヒー豆を貯留するホッパー10を上部に設けるディスペンサにあっては、このような熱がホッパー10周辺の温度を上昇させることになるため、豆の品質保持の点で好ましくない。このため、例えばグラインダーユニット11と、加熱タンク40等の発熱雰囲気との間には、図5に仮想線で示すような、熱遮断用の遮へい板CPが設けられるが、これでもまだ加熱タンク40等から発した熱は対流によって、ホッパー10周辺の温度を高めることが考えられる。
このため本実施例では、図5に併せて示すように、注入室30から蒸気を追い出すファン34を更に利用し、この吐出風によって、加熱タンク40等からの発熱を装置外部に放散させ、ディスペンサ内、特にホッパー10周辺に極力、熱を籠もらせないようにしている。具体的には、ファン34による空気流を、グラインダーユニット11下方の遮へい板CPに指向させ、装置内にとどまろうとする熱を外部に追い出し、ホッパー10周辺の温度を上昇させないようにしている。
貯留状態のミルクMは冷蔵保存されるのが一般的であり、このためミルク加熱ライン37からミルク供給経路36に加熱用蒸気S2を送る主な目的は、上述したように定量供給されてくるコールド状態のミルクMを、蒸気接触によって加熱することである。しかしながら、加熱用蒸気S2はミルク供給経路36の洗浄にも適用できる。すなわち一旦カップCにミルクMを供給した状態では、ミルク供給経路36、特に加熱蒸気混合室43以降に、残留ミルクが付着するため、これを加熱用蒸気S2によって除去するとともに経路内の殺菌を行うものである。なお、このような洗浄(殺菌)等もミルクMの供給に関連して行われる作動であるため、本明細書では、「供給」や「洗浄」という概念を含めて「ミルク処理」と総称している。
次にミルク泡立ライン38について説明する。ミルク泡立ライン38は、一例として上述した加熱タンク40と、このラインへの蒸気供給のON-OFFを担う蒸気供給弁47と、蒸気流の流速を速める蒸気調節弁48と、ミルク供給経路36から送られてくるミルクMに泡立用蒸気S3を接触させる泡立蒸気混合室49と、泡立用蒸気S3と混合したミルクMを更に攪拌する泡立室50とを具えて成るものである。なお本実施例では、泡立蒸気混合室49の直前に空気ポンプ51を設けており、泡立用蒸気S3に適宜エアを混入できるようにしている。また、この空気ポンプ51にも、ミルクMや蒸気の逆流を防ぐために逆止弁52が設けられている。因みにミルクMの泡をよりキメ細かく仕立てたい場合(フォームドミルクの泡をより一層なめらかに仕立てたい場合)に、泡立用蒸気S3に空気を混入するものである。なお空気ポンプ51は、必ずしもミルク泡立ライン38に設ける必要はなく、例えば泡立蒸気混合室49の直前など、言わばミルク加熱ライン37側に設けることも可能である。
また泡立蒸気混合室49は、一例として図8に併せて示すように、泡立用蒸気S3の流速を加速ないしは維持できるようなノズル状もしくはベンチュリ状等に形成されることが好ましく、これは泡立用蒸気S3の流速によってミルクMを霧化しながら双方の混合を図るための構造である。
また泡立室50は、例えば室内が下窄まりの略円錐状に形成され、泡立用蒸気S3と混合されたミルクMを室内の下方出口に向かって旋回させながら攪拌する、いわゆるボルテックスミキサーの形態を採り、より一層ミルクMをキメ細かく泡立て得るようにしている。
なおミルク泡立ライン38からミルク供給経路36に泡立用蒸気S3を送る主な目的は、上述したように加熱後のミルクMを泡立てることであるが、このような泡立用蒸気S3も、ミルク泡立ライン38、特に泡立蒸気混合室49の洗浄に適用できるものである。
以上のような構成によって、すなわち低温状態のミルクMに加熱用蒸気S2を当て、温めてから更に泡立用蒸気S3を当てられるようにしたこと、またこの泡立用蒸気S3には適宜空気を混入できるようにしたこと、更にミルクMに泡立用蒸気S3を当てる際にはベンチュリ効果によりミルクMを霧化させるようにしたこと、更にまた泡立室50においてはミルクMを旋回させながら攪拌するようにしたこと等により、本実施例では、極めてキメの細かいフォームドミルクを生成できるものである。もちろん、加熱用蒸気S2と泡立用蒸気S3とが独立的に供給できるため、例えば泡立用蒸気S3を非供給とし加熱用蒸気S2のみを供給することで、ミルクMは泡立ちの少ないホットミルク状態でカップCに注ぐことができる等、種々のミルク供給形態が採り得るものである。また、このような蒸気供給は、ミルクMの加熱や泡立ちのみを行うものではなく、ライン内の洗浄にも寄与するものであり、飲料ディスペンサAの衛生状態を高いレベルで維持できるものである。
次に、ミルクの供給装置の、主な構成部であるミルク供給部2について説明する。このものは、ミルクMを新鮮な状態で保存するとともにカップCへの適量供給を担う部位であり、一例として図1、6に示すように、ミルクMを低温貯蔵するための冷蔵部5と、ここからカップCに向けて定量供給するためのポンプ部6とを具えて成るものである。以下、冷蔵部5とポンプ部6とについて説明する。
まず冷蔵部5について説明する。冷蔵部5には、例えば図6に示すように、断熱壁55や開閉扉56等によって冷蔵室57が閉塞状態に形成され、ここにミルクMが貯留される。ここでミルクMは、一例として市販のゲーブルトップ型の1リットルミルクパックMP入りのものが適用され、このパック状態のまま貯留されるものであり、冷蔵室57には適宜の数のミルクパックMPがストックされ得るものである。そして本実施例では、このうちの一つのミルクパックMPにチューブ状部材70が差し込まれ、ここからポンプ部6の作用によってミルクMが定量取り出される(チューブ状部材とポンプ部については後述する)。因みにミルクMの一回の供給量は、カフェラテやカプチーノ等のコーヒーLMを生成する場合、一例として約90cc程度である。
なおミルクMは必ずしも市販のパック容器で貯留される必要はなく、例えばミルクMを一旦、大容量のタンクやピッチャー等に移し替え、ここで貯留しながら、ここからカップCに供給する形態も採り得る。しかしながら、市販のミルクパックMPは製造段階で極めて高い衛生管理の下で充填や密閉等の作業が行われるため、この商品形態を活かして、そのままパック状態で使用するのが、ディスペンサの衛生管理上、最も現実的且つ有効的な手法と考えられる。
なお本実施例では、冷蔵室57にはミルクMのみを貯蔵するものであるが、例えばソリュブル型に類した飲料物の生成形態も併せて採る場合には、ミルクMの他、コーヒー原液(リキッドコーヒー)等も冷蔵しておき、適宜、チューブ状部材70によってディスペンサ本体部1に移送することも可能である。
このような供給形態を採ることに因み、供給中のミルクパックMP内では一回の供給ごとに徐々に残量が減少して行くものであり、以下、このミルク残量を監視する手法について説明する。本実施例では、このような計測器61として非接触式のレベルセンサー61Aを適用するものであり、一例として図2に示すように、供給中のミルクパックMPの外側面にレベルセンサー61Aを取り付け、ミルクMの静電容量をパック容器の外側から検出することで、ミルクMの残量レベルを測定するようにしている。この場合、測定精度を向上させるべく、板バネ(図示略)等を設け、レベルセンサー61AとミルクパックMPとの密着を図ることが好ましい。
因みに測定対象物の静電容量を非接触状態で検出し、例えば水等の残量レベルを計測する手法そのものは、従来より存在したが、ここでは、測定対象物が水よりも粘性の高いミルクMであるため、そのまま、この種のセンサーを適用しても、パック容器内面に付着するミルクMによって、正確に残量レベルを検出することができなかった。このため本実施例では、センサーの感度をミルクMの粘性等の性状に応じて調節し、ミルクMの残量を計測できるようにしている。
またミルクMと非接触で、その残量を検出する計測器61の他の手法としては、例えば図6に示すような重量計61Bによるものがある。具体的には冷蔵室57内に設置した重量計61Bに、供給中のミルクパックMPを載せ、重量計61Bの変位検出からミルクMの残量を検出するものである。
このように本実施例では、ミルクMに直接接触することなく、残量を計測するため、例えばミルクパックMPを交換する際、すなわち、ほぼ空になったミルクパックMPからチューブ状部材70を抜いて、新たなミルクパックMPに差し込む際、計測器61を洗浄する必要がなく、このような交換作業が、容易且つ極めて衛生的に行えるものである。
因みに従来の残量計測器は、長さの異なる二本のセンシング部材を、ミルクM中に浸漬する、接触タイプのセンサーが一般的であり、例えばミルクパックMPを交換する都度、センサーを洗浄する必要があったり、またミルクパックMPの交換中は、センサー浸漬部にゴミ等が付着しないよう衛生管理に極めて多大な神経を払う必要があり、これが大変煩わしいものであった。
なお、ミルクMの残量を監視する、このような計測器61には、これと連動させて警告音や警告灯等を発するようにし、ミルクパックMPの交換を管理者等に告知する形態を採るのが一般的である。
また本実施例では、冷蔵室57の開閉扉56は、ディスペンサの後方側に開閉できるように形成されるが、これは、飲料ディスペンサAを例えばコンビニエンスストア等のカウンタに設置した場合、店員が居ることが多い、カウンタ側からミルクパックMPの交換や補充等が行えるようにするためである。
また、冷蔵部5内における冷蔵室57以外の部位(ここを非冷蔵室63とする)には、冷蔵室57の冷却等を担うペルチェ素子65や、ポンプ部6のモータm2(後述)、あるいは交流電源の周波数や温・冷等の切替調整を行う基板等が収容され得る。
なお冷蔵室57の側面に示された符号66は、加熱用蒸気S2やミルクMの搬送経路となるチューブ状部材70を通すための取付孔であり、本実施例では、この取付孔66が、冷蔵室57の左右両方の壁面に形成される。これは、ディスペンサ本体部1に対し、冷蔵部5(ミルク供給部2)を右置きまたは左置きのどちらにでも切り換え設置できるようにしたためである(図1参照)。もちろん冷蔵部5の配置をいずれかに決めて設置した後は、当然、使用しない方の取付孔66は、閉鎖しておくことが好ましい。また、ディスペンサ本体部1に対する冷蔵部5の配置を変更する場合には、ポンプ部6のモータm2を逆回転させて、ミルクMの供給を行うものである。
次にポンプ部6について説明する。ポンプ部6は、ミルクパックMPからミルクMを定量取り出してカップC側に供給するものであり、本実施例においては、直接ミルクMに接触することなく、ミルクMの定量供給が行えるチュービングポンプ69を適用する。チュービングポンプ69は、一例として図1、6〜8に示すように、シリコン製等のチューブ状部材70と、複数(ここでは3個)のコロ71を有した回転盤72とを具えて成るものである。チューブ状部材70は、一端がミルクパックMPに差し込むように設けられるとともに、加熱蒸気混合室43に至る途中部分が少なくとも一つのコロ71によって押圧されるように設けられる。
そしてミルクMを加熱蒸気混合室43側に供給するにあたっては、コロ71によるチューブ状部材70の押圧位置が順次、供給側に変移するように回転盤72を回転させるものであり、コロ71の通過に伴う押し潰しと戻りとをチューブ状部材70に繰り返し与え、ミルクパックMPから加熱蒸気混合室43への搬送力(吸引力)を生じさせて、ミルクMを供給するものである。
なおチューブ状部材70は、必ずしもシリコン製である必要はなく、外力すなわちコロ71の接触を受けて弾性変形を行う部材であれば種々の素材の適用が可能であるし、また、変形を要しない部位については、部分的に硬い材質の管状部材で構成することも可能であり、本明細書では、このような部材を総称して「チューブ状部材」と称している。また図中符号73は、回転盤72(コロ71)と対を成し、チューブ状部材70を挟み込み、これを押圧する固定部材73である。更に図中符号72Aは、回転盤72を回転自在に保持する支持体である。
チューブ状部材70は、上述したように、ミルクMの供給に伴い、コロ71による潰しと戻りという変形を交互に受けるため、適宜の期間で取り替える必要があり、このため、この交換作業等を行い易くすべく、固定部材73に対し回転盤72(支持体72A)が幾分、回動離反できるように形成されている(図7参照)。なお図7に示す符号74は、チューブ状部材70を挟み込んだ状態で、支持体72A(回転盤72)を固定部材73にロックするための、いわゆるワンタッチタイプの止め金である。更に図1、6に示す符号m2が、上述したように、回転盤72を回転させるためのモータである。
また本実施例においては、チュービングポンプ69や加熱蒸気混合室43を冷蔵室57内に設置した。これは、ミルクMを供給するチューブ状部材70には、ミルクパックMPに差し込まれた取込口(差込端)から加熱蒸気混合室43までの間にミルクMが残留するため、この部位に残留するミルクMをも冷蔵状態で保存し、ミルクMの衛生管理を徹底するためである。このため、蒸気が加熱蒸気混合室43に供給される際には、その周囲の雰囲気温度を幾分高めることが考えられるが、蒸気による加温は、あくまでも瞬間的なものであり、チューブ状部材70(ポンプ部6側)に残留するミルクMを熱変性させる程のものではなく、もちろん冷蔵室57全体を加温することもない。なおポンプ部6や加熱蒸気混合室43に残留するミルクMを、積極的に冷蔵しなくても、衛生上、何ら問題がない場合には、当然、チュービングポンプ69や加熱蒸気混合室43は非冷蔵室63に設置することも可能である。
また、本実施例では、モータm2やペルチェ素子65等、運転時に発熱を伴う部材については、非冷蔵室63に設置したが、積極的に冷蔵部5の外部に設けることも可能である。
チュービングポンプ69は、上述したように、チューブ状部材70に移送作用を生じさせる回転盤72(コロ71)が、直接ミルクMと接触しないため、非常に衛生的である。また一回ごとのミルク供給が終わった状態では、チューブ状部材70がコロ71によって押し潰された状態となるため、チューブ状部材70の内部に残留するミルクMは、ミルクパックMP内に戻されることがなく、また残留量も少量に抑えられるため、この点においても極めて衛生的である。
なお図2に示す符号77は浄水器45から加熱タンク40に送り込む水の流量を計測するパルス発信型の流量測定器であり、符号78は加熱タンク40に一定量の水を送る振動バルブである。また符号79は加熱タンク40に設けられるサーモスタットであり、符号80は加熱タンク40内の残湯量(湯のレベル)を監視するレベラーである。更にまた符号81は加熱タンク40内の蒸気の圧力を監視するセンサーであり、符号82は加熱タンク40に入る水を出口側(湯側)に少量流して、湯温を必要以上に上昇させないようにするバイパスである。
また図2に示す符号SV1は、加熱タンク40のレベラー80と連動して給水のON-OFFを担うバルブである。符号SV2は、ドリッパー部12(飲料液生成部3)に湯を送る際に開放するバルブであり、抽出が終わった際には、このバルブSV2からドリッパー部12までの間に残留した液体を排出する作用も担うものである。符号SV3は、ドリッパー部12と連動して加熱タンク40内の蒸気(泡立用蒸気S3)を注入室30の注ぎ口31に送るバルブであり、図8の蒸気調節弁48に相当する部材である。図中符号SV4は、注入室30の注ぎ口31に随時湯を送るバルブであるが、ここでは注ぎ口31から湯を出す操作は、ディスペンサ前面に設けられる操作パネルPのスイッチ(ボタン)で行うものである。図中符号SV5は、ミルク供給経路36(加熱蒸気混合室43)に蒸気(加熱用蒸気S2)を送るバルブであり、図8の蒸気調節弁42に相当する部材である。図中符号SV7は、コーヒー液Lを加熱するための昇温用蒸気S1を送るバルブである。
次に、冷蔵室57(冷蔵部5)とディスペンサ本体部1との間において、ミルクMや蒸気(加熱用蒸気S2)等を移送するチューブ状部材70の好ましい取り回し構造9について説明する。
上記図1、6等に示した実施例では、冷蔵室57やディスペンサ本体部1の側面に取付孔66を形成し、ここにチューブ状部材70を通す、言わば貫通形態を採るものであった。これは、冷蔵室57やディスペンサ本体部1が、一般の冷蔵庫のような扉の開閉形態を採ることに起因するものである。すなわち前記冷蔵室57は、外部からアクセスするための開閉扉56を背面側から全面開閉するものであり、ディスペンサ本体部1は前面側のパネル扉を正面側に全面開閉するのが一般的な開閉形態となっている。しかしながら、洗浄もしくは交換等の都度、チューブ状部材70を抜き差しする手間を考慮すると、チューブ状部材70は極力貫通させないで引き出す取り回し構造9が望ましく、これを図11に示す。
すなわち、図11に示すチューブ状部材70の取り回し構造9は、まず冷蔵室57とディスペンサ本体部1とにおいて、収容物の出し入れ等を担うアクセス用の開閉部91を上部に形成するものである。ここで上側の開閉部91に対して固定状態に形成される主に下側部位をボディ部92とし、これら開閉部91とボディ部92との合わせ部(接続部)を境界端縁93とする。そして本実施例では、この境界端縁93が冷蔵室57とディスペンサ本体部1の側面に及ぶように形成するものであり、また、この境界端縁93に掛かるように、チューブ状部材70を保持する保持部94を形成する(ここでは冷蔵室57、ディスペンサ本体部1ともにボディ部92側に形成)。すなわち保持部94は、境界端縁93によって脱着許容開口94aを生じるように形成され、これによってチューブ状部材70の脱着が極めて容易に行えるようにしている。具体的には脱着許容開口94aから保持部94にチューブ状部材70を嵌め込んだり、ここからチューブ状部材70を抜き取って保持を解除する等、着脱にあたって脱着許容開口94aを利用するものである。
なお本実施例では、保持部94は、一例として図11に示すように、チューブ状部材70の外径とほぼ同じ内径寸法を有する内窄まり状の切り欠きとして形成するものであり、以下この保持部94(切り欠き部)の大きさや形状等について更に詳細に説明する。保持部94は、その内窄まり部分にチューブ状部材70を受け入れることによって、チューブ状部材70を保持するものであり、この保持作用径CDはチューブ状部材70の半分以上、より具体的にはチューブ状部材70(外径)の2/3〜4/5程度の大きさが好ましい。このため、残りの1/3〜1/5程度の縁部分が、あたかも境界端縁93によって切り取られ状に形成されるものであり、これが脱着許容開口94aに相当する。このように保持部94は、脱着許容開口94aによってチューブ状部材70の嵌め込みを容易なものとしながらも、全体的には内窄まり状に形成されることにより、一旦受け入れたチューブ状部材70の保持を維持する構造を確立している。
また、このような形態に因み、保持部94に嵌め込まれたチューブ状部材70は、外径の1/3〜1/5程度が境界端縁93から突出するような状態となるが(図11のフタ開放時の図参照)、フタとなる開閉部91の閉鎖によってチューブ状部材70はミルク等の供給に支障をきたさない程度に変形し、保持部94の内面に密着した状態となる(図11のフタ閉鎖時の図参照)。もちろん開閉部91を開放した際には、チューブ状部材70は、自らの弾性によってほぼ円形に戻るものである。
なお開閉部91の閉鎖によって、チューブ状部材70が保持部94内面に密着することは、チューブ状部材70に抜け止め作用を生じさせるものである。すなわち、飲料ディスペンサAを作動させている間は、ミルクM等の移送に伴い振動(脈動)を生じ易いが、チューブ状部材70が保持部94内面に密着するため、脈動によるチューブ状部材70の抜け(移動)が防止できるものである。
また保持部94を冷蔵室57やディスペンサ本体部1の側面上部に形成したのは、市販のミルクパックMPを縦置きした形態に因むものである。すなわち、ここでは図1、6等に示したように、ミルクパックMPの上方からチューブ状部材70を差し込み、ポンプ部6によってミルクMをカップC側に移送するため、この移送をより確実に行うために、縦置きしたミルクパックMPよりも高い位置に保持部94を形成したものである。
また、上記実施例では固定状態のボディ部92側に保持部94を形成しており、これは開閉部91の開閉作動に関わらず、チューブ状部材70を安定して保持するためであるが、保持部94は開閉部91に形成することも可能である。もちろん、保持部94をボディ部92側に形成した方が、例えば開閉部91を開放した際の反動でチューブ状部材70が抜け落ちてしまうことがなく、取り扱いや衛生管理上、極めて便利であり、望ましい形態と考えられる。
更にまた図11に示す実施例では、冷蔵室57やディスペンサ本体部1の開閉部91は、天面の一部または全部から、前面上部と側面上部とを折り返し状に連続形成しており、これを上下に開閉する形態としている。しかしながら、開閉部91は、必ずしも上下に開放・閉鎖する形態に限らず、例えば図12に示すように、側面上部を含むように形成した前面扉(上記開閉部と同一の符号91を付す)を、正面側に全面開閉することも可能である。
このように保持部94を適宜の大きさの円状に形成することは、保持部94の設計や加工等がシンプルに行える点で極めて効果的であるが、保持部94は、例えば図13に示すように、ガイド94bを付加することも可能である。すなわち、この形態は、保持部94のほぼ直交方向にガイド94bを形成したものであり、チューブ状部材70の保持はもちろん、その差し込みを行い易くし、且つまた、差し込み方向を安定させ得るものである。なお図13(a)に示す実施例は、ボディ部92の側面からガイド94bを外側突出状態に形成するとともに、開閉部91の側面にガイド94bを内側凹陥状態に形成したものである。もちろん、このようなガイド94bは、開閉部91またはボディ部92の、どちらか一方に形成しても何ら構わない。一方、図13(b)に示す実施例は、開閉部91やボディ部92の壁面の肉厚を利用してガイド94bを形成したものである。
このようにチューブ状部材70を開閉部91もしくはボディ部92の接合端縁(境界端縁93)に嵌め込み式とする取り回し構造9は、チューブ状部材70を洗浄または交換する際、その脱着(取り外しとセット)を極めて行いやすくする点で充分満足できる効果が得られるものである。特に飲料ディスペンサAは、衛生管理上、一日に数回の洗浄を行うことが望ましいため、過大な手間を要していたチューブ状部材70の洗浄や交換が、極めて衛生的且つ簡単に行え、飲料ディスペンサAのメンテナンス性を極めて向上させるものである。
なお、このようにチューブ状部材70を境界端縁93に嵌め込むようにした場合であっても、上述したように保持部94は、冷蔵室57やディスペンサ本体部1の左右両側の壁面に形成しておき、右置きまたは左置きのどちらにも対応できるようにしておくことが好ましい。
また図11では、冷蔵室57とディスペンサ本体部1との正面を90度ずらして示したが、これは両部材の配置を示したものではなく、開閉部91の開閉構造、保持部94の形成位置等を含め、チューブ状部材70の取り回し構造9を判り易く示すためであり、両部材は正面が同じ方向を向くように配置するのが一般的である。
本発明の飲料ディスペンサAは、以上のような基本構造を有するものであり、以下、この飲料ディスペンサAによるコーヒーLMの生成方法について説明しながら、併せてミルクの供給方法について説明する。なお説明にあたっては、カプチーノやカフェラテを熱い状態(ホット)で淹れる場合を例に挙げて説明する。因みに、これらカプチーノやカフェラテ等は、上述したようにミルクMをキメ細かく泡立てることが、これらの「本格さ」を決定付ける重要な要素の一つとなるものである。
なおコーヒーLMのメニューを設定するには、通常、操作パネルPに設けられたメニューボタンBを操作して(押して)選択するものであり、本実施例では、このコーヒーLMのメニュー選択に合わせて、注ぎ口31の高さも自動設定される。すなわち、ここでは、上述したように、目的のメニューが、ホットカプチーノやホットカフェラテであるため、標準サイズのカップCを使用するものであり、これに合わせて、注ぎ口31を自動的に下降させ、高さを設定するものである。また、このような作動に伴い、標準サイズのカップCを手動もしくは自動的に注入室30にセットするものである。
(1)ミルクの定量供給
冷蔵室57に保存されているミルクMを供給するには、チュービングポンプ69を作動させるものであり、具体的にはモータm2によって回転盤72を駆動させる。この回転盤72の回転によってチューブ状部材70は、コロ71による押圧(押し潰し)と、部材そのものの弾性に基づく戻り(復元)という変形を繰り返し行うものである。しかも、この変形位置が、回転する回転盤72にしたがい、順次、供給側へと変移して行くため、チューブ状部材70の内部には、貯留状態のミルクMを加熱蒸気混合室43側へと向かわせる搬送力(吸引力)が生じ、これによってミルクMの供給が行われる。また、ミルクMの一回の供給量は、回転盤72の回転数によって決定されるため、目的の供給量(一例として90cc)に達した段階で回転盤72は停止される。なお、冷蔵室57に保存されるミルクMの温度は一例として8℃程度である。
このように貯留状態のミルクMは、チュービングポンプ69の作動によって冷蔵室57から加熱蒸気混合室43に送られ、ここで加熱用蒸気S2と接触し、一例として80℃強程度に加熱されるものである。
そして加熱されたミルクMは、その後、ミルク供給経路36を通って、泡立蒸気混合室49に送られる。なお本実施例ではミルクMを最終的にキメの細かいフォームドミルクに仕立てたいため、この泡立蒸気混合室49には、空気を混入させた泡立用蒸気S3を供給しておくものであり、これをミルクMと接触させる。
またこの泡立蒸気混合室49では、ミルクMの泡立ちを向上させるべく、泡立用蒸気S3の流速によってミルクMを霧化させながら、蒸気とミルクMの混合を図ることが好ましい。
このようにして泡立用蒸気S3と接触したミルクMは、次いで、泡立室50に至り、ここで充分攪拌された後、より一層キメの細かいフォームドミルクとなってカップCに注がれる。なおカップCに注がれるフォームドミルクの温度は、この後、抽出されるコーヒー液Lの温度を下げることがないように、コーヒー液Lとほぼ同じ程度(一例として80℃程度)に設定される。因みにフォームドミルクは、時間の経過とともに次第に変化する(消失する)ため、淹れたての泡のキメの細かさを、具体的な数字で示すことは難しいが、例えばフォームドミルクが上部に盛り上がるように淹れられたカプチーノ等にあっては、砂糖を載せても泡がキメ細かいため、比較的長い時間砂糖が沈むことがなく、また実際に飲んだ場合の食感も極めて良好なものであった。
なお本実施例ではホットカフェラテやホットカプチーノ等を淹れることに因み、ミルクMは、キメ細かく、なめらかな泡立ちのフォームドミルク状態で生成するように説明したが、例えば、加熱用蒸気S2のみをミルクMに当て、泡立用蒸気S3を当てないようにすれば、泡立の少ないホットミルクあるいは泡立のない単なるホットミルクの生成が可能である。また空気入の泡立用蒸気S3のみをミルクMに作用させるようにすれば、比較的温度の低い泡立ミルクの生成が可能である。もちろん加熱用蒸気S2と泡立用蒸気S3の双方を供給せずにミルクMの供給を行うことも可能であり、この場合には、ミルクパックMPに充填されていたコールド状態でカップCに注入することができる。
(2)コーヒー豆のグラインド(コーヒー粉の生成)
このようなミルク供給に伴い、コーヒー液Lが抽出される。これには、まず、一杯分のコーヒー豆がホッパー10からグラインダーユニット11のケーシング111に落下供給される(図10参照)。
このようにしてケーシング111内に落下したコーヒー豆は、スクリュー112による移送作用によってミル刃113まで送られ、ここで適宜の粒度に挽かれ、コーヒー粉Wとなる。この際、スクリュー112に取り付けられた羽根114が、実質的にコーヒー豆に移送作用を生じさせるものである。
そして、適宜の粒度に挽かれたコーヒー粉Wは、この後、ケーシング111の吐出口111Aからドリッパー部12に送り込まれるものである(図14(a)参照)。
(3)コーヒー粉の圧縮
ドリッパー部12に送り込まれたコーヒー粉Wは、その後、図14(b)に示すように、シリンダー部13(ブロック14)によって圧縮される。具体的には回転軸15を回転(正転)させて下側の可動ブロック14Bを上昇させ、両ブロック14間に受け入れたコーヒー粉Wの圧縮を行うものである。なお、コーヒー粉Wの圧縮にあたっては、例えば圧力センサでコーヒー粉Wにかかる圧力を検知しながら、圧縮を管理することが可能であり、この場合には、コーヒー粉Wの投入量が変化した場合でも加圧を一定とした圧縮が行える。
因みに、コーヒー粉Wの圧縮は、抽出用の湯を満遍なく通過させるためであり、これによって本格的なコーヒー液Lを短時間で抽出することができる。
(4)コーヒー液の抽出(ドリップ)
その後、ドリッパー部12内で圧縮したコーヒー粉Wに湯を供給してコーヒー液Lを抽出するが、コーヒー粉Wを圧縮したままの状態で湯を供給すれば通常のドリップ、例えばエスプレッソと呼ばれる比較的濃いコーヒー液Lの抽出が行え、これを通常ドリップとする。
一方、図14(c)に示すように、下側の可動ブロック14Bを圧縮位置から一例として2〜3mm程度下げ、ドリッパー部12の上方にコーヒー粉Wが浮遊できるムラシ空間SPを形成してからコーヒー粉Wに湯を供給すれば通常ドリップよりもマイルドないしはソフトな味わいのコーヒー液Lの抽出が行え、これをナチュラルドリップとする。以下、これらのドリップ形態について順次説明する。
(a)通常ドリップ
通常ドリップを行う場合には、図3に示すように、圧縮したままのコーヒー粉Wに例えばドリッパー部12の下側から抽出用の湯を供給する。これによって、湯はコーヒー粉Wの香気成分やコーヒーオイル成分等を抽出したコーヒー液Lとなってドリッパー部12の上側から取り出される。因みに、ドリッパー部12の下側から湯を供給し、上側から抽出したコーヒー液Lを取り出すのは、上方から逃げやすい香気成分やコーヒーオイル成分等を、効率的に取り込むためである。
なおコーヒー粉Wの下側から湯を供給することに伴い、コーヒー粉Wの上方から昇温用蒸気S1を供給することで、抽出されたコーヒー液Lを加熱することができる。特に、抽出インターバル(前回の抽出から今回の抽出までの間隔)が長い場合には(例えば1分)、加熱タンク40と下側フィルタ16Bとの給湯経路18内にとどまった湯が、冷えてしまうことがあり、そのままこれを抽出湯としてコーヒー粉Wに供給した場合には、この冷えた残湯が先に押し出されるため、本来約80℃程度であるべきコーヒー液Lの温度を約60℃程度に低下させてしまうことがあった。
しかしながら、本実施例では、上記図3に示すように上側フィルタ16Aに蒸気供給経路19を接続し、ここから昇温用蒸気S1を供給することができるため、コーヒー液Lの抽出開始と同時に昇温用蒸気S1をコーヒー粉Wに送入することで、冷めた残湯の昇温が図れ、結果として抽出インターバルの長さに関係なく、常に80℃前後の熱いコーヒー液Lが抽出できるものである。因みに従来は、抽出インターバルが長いときのコーヒー液Lは温度が下がるため(ぬるいため)、商品価値に乏しく、インターバル後に抽出されたものは廃棄処分されることが多かった。
その後、抽出後のコーヒー粉W(絞りカスW1)は、可動ブロック14Bの下降に伴い、スクレパー24によって別途設置されたカス受け25に蹴り落とされるものであり、以下、絞りカスW1の排出態様について説明する。
コーヒー液Lの抽出が終わると、回転軸15の逆転により可動ブロック14Bを下降させ、固定ブロック14Aから離反させる。この際、本実施例では、離反に合わせて、まず上側フィルタ16Aに昇温用蒸気S1を供給し、上側フィルタ16Aに付着しているコーヒー粉Wの残留カスを、フィルタ面から切り離し、塊状の絞りカスW1と一体化させるものである。
なお上側フィルタ16Aにカスが残留し、この状態で抽出インターバルが長くあいた場合には、残留カスが酸化することがあり、このためインターバル後に抽出したコーヒー液Lは、酸味が強くなり、本来のコーヒー液L(コーヒーLM)の味わいを損なうことがある。しかしながら、本実施例では、絞りカスW1が上側フィルタ16Aから離れる際に、昇温用蒸気S1を供給し、極力、塊状の絞りカスW1に付着させるため(図4参照)、蒸気供給が、言わば上側フィルタ16Aの表面洗浄となり、上側フィルタ16Aに残るカスをほとんどなくすことができる。このため、たとえ抽出インターバルがあいても、残留カスによる酸化を防止することができ、常に良好な状態での抽出を可能としている。
そして、可動ブロック14Bの下降に伴い、絞りカスW1が、ある位置に達した段階で、スクレパー24が下側フィルタ16Bに沿って、ほぼ水平方向に移動し、絞りカスW1をカス受け25に払い落とすものである(図4参照)。この際、スクレパー24には、ブレード26が取り付けられているため、このものの先端が下側フィルタ16Bの表面に残留するカスをこすり落とし、フィルタの洗浄を行うものである。
なお残留カスの切り離しを目的として、上側フィルタ16Aに流す昇温用蒸気S1の供給時間が長すぎる場合には、残留カスの切り離しそのものは行えても、下側フィルタ16Bに載る塊状態の絞りカスW1が柔らかくなり過ぎることがあり、スクレパー24で蹴り出した際、塊状態を維持できず、崩れたカス粉が周囲に飛散することが懸念される。このため、切り離しを目的とした昇温用蒸気S1の供給時間は、一例として約0.5〜1.5秒程度に抑えられる。
(b)ナチュラルドリップ
ナチュラルドリップを行うには、上述したように、コーヒー粉Wを圧縮していた可動ブロック14Bを下方に下げて圧縮を解除し、上記図14(c)に示すように、コーヒー粉Wの上方にムラシ空間SPを形成する。ナチュラルドリップは、この状態でコーヒー粉Wに湯を供給するものであり、湯の供給によってコーヒー粉Wは、ムラシ空間SPを浮遊するようになり、通常ドリップで抽出したコーヒー液L(例えばエスプレッソ)よりもマイルドな味わいのコーヒー液Lが得られるものである。
なおドリップ後、絞りカスW1をシリンダー部13(ドリッパー部12)から排出するには、再度、可動ブロック14Bを上昇させ、絞りカスW1を押し固めてから、上側のフィルタ16Aに湯を供給するものであり、以降の排出作動は、上述した通常ドリップと同様である。
このように本実施例では、通常ドリップとナチュラルドリップとが可動ブロック14Bの制御手法によって選択的に行い得るものであり、このため同じ原料(コーヒー粉W)を使用しながらも、一基の飲料ディスペンサAによって味わいの異なるコーヒー液が抽出できるものである。
なお本実施例では、コーヒーLMとしてホットカフェラテやホットカプチーノを淹れることに因み、ミルクMをカップCに注ぎ入れてから、コーヒー液(飲料液)Lを注ぐ形態を採ったが、供給の順序はコーヒーLMの種類や性状等によって適宜変更し得るものである。例えば、コーヒーLMによっては、まず泡立ちのない液体状のミルクMをカップCに注入した後、コーヒー液Lを注入し、その後、今度はキメ細かく泡立てたミルクMを注入する淹れ方も考えられる。
次に、主に加熱用蒸気S2によるミルク供給経路36の洗浄態様について説明する。ここでは、一回のミルク供給毎に加熱用蒸気S2を送り込み、供給経路の洗浄を行うものとする。
洗浄にあたっては、当然ながらミルクMの供給を停止し、供給経路に加熱用蒸気S2のみを送り込んで洗浄を行う。この蒸気によって、加熱蒸気混合室43以降のミルク供給経路36内が洗浄されるものであり、経路内に付着したミルクMの除去や経路内の殺菌等が行われる。もちろん、この加熱用蒸気S2によって、泡立蒸気混合室49や泡立室50の洗浄も行える。なお、このような蒸気洗浄をミルク供給毎に行うことで、ミルク供給経路36ひいては飲料ディスペンサAの衛生状態を、より高いレベルで維持できるものである。
なお蒸気洗浄時、ポンプ部6ではチュービングポンプ69のコロ71のうち、少なくとも一つが、チューブ状部材70を押圧した(押し潰した)状態で停止するため、これが実質的な逆止弁作用を担い、蒸気がミルクパックMP側に送られることはない。
また泡立用蒸気S3のみをミルク泡立ライン38に送り込むことで、ミルク泡立ライン38の洗浄や殺菌が行えるものである。
またミルク供給ラインを洗浄した加熱用蒸気S2は、吐出口ノズル32から注入室30内に導き出されるが、注入室30にはファン34が接続されているため、洗浄後の蒸気は、速やかに装置外に排出される。このため、注入室30には蒸気が充満せず、開閉扉33のくもりが防止できるものである。なおこのファン34による吐出風によって、加熱タンク40等から発する熱を装置外部に放出するようにし、またこのファン34を常時運転すれば、注入室30の蒸気追い出しとともに、ディスペンサ内に籠もる熱を速やかに放散することができる。これによってディスペンサ上部に設置されることが多いホッパー10周辺の温度を下げることができ、コーヒー豆を、より品質の良い状態で保存できるものである。
なお、このような蒸気洗浄は、上述したようにミルクMを定量供給するごとに行うことが好ましく、更に、例えば1日に2回程度、時間を決めて定時的に蒸気洗浄を行えば、より一層、飲料ディスペンサAを衛生的に管理できるものである。もちろん、このような蒸気洗浄に加え、チューブ状部材70の交換時や、長期間マシンを使用しなかった場合の使用開始時等に、洗浄液による洗浄を併せて行うことが好ましい。
また、本実施例ではミルクMの定量取り出しを行う際にチュービングポンプ69を使用したが、チュービングポンプ69の代わりに振動ポンプ等を適用することも可能である。また、このような手法の他にも、例えばミルク供給経路36の上方にミルクパックMPを載置し、この間をチューブ状部材70で接続すれば、重力落下を利用した供給形態が採り得る。この場合、ミルクMに直接触れずに定量取り出しが行えるとともに、特に定量取り出しのための動力も不要もしくは低減できる効果がある。
本発明の飲料ディスペンサを示す斜視図である。 同上、骨格的なフローチャートである。 固定ブロックと可動ブロックとによってコーヒー粉を圧縮するシリンダー部の様子を骨格的に示す説明図である。 抽出後の絞りカス(コーヒー粉)をカス受けに払い出すシリンダー部の様子を骨格的に示す説明図である。 注入室から蒸気を追い出すファンの吐出風によって、加熱タンク等から発する熱を外部に放散させるようにした様子を骨格的に示す説明図である。 ミルク供給部をミルクパック取出側から示す骨格的斜視図である。 チュービングポンプを拡大して示す斜視図である。 ミルク加熱ラインとミルク泡立ラインとを骨格的に示す説明図である。 注ぎ口の自動昇降機構を示す説明図である。 グラインダーユニットによってコーヒー豆をミル側に送る様子を示す断面図である。 冷蔵室とディスペンサ本体部との間において、ミルクや蒸気等を移送するチューブ状部材の取り回し構造を示す斜視図である。 冷蔵室とディスペンサ本体部とにおける開閉部の他の構造を示す斜視図である。 ガイドを付加した保持部の構成を示す説明図である。 ムラシ空間を形成するナチュラルドリップ手法を段階的に示す説明図である。
符号の説明
1 ディスペンサ本体部
2 ミルク供給部
3 飲料液生成部
4 ミルク処理蒸気供給部
5 冷蔵部
6 ポンプ部
9 取り回し構造
10 ホッパー
11 グラインダーユニット
12 ドリッパー部
13 シリンダー部
14 ブロック
14A 固定ブロック
14B 可動ブロック
15 回転軸
16 フィルタ
16A フィルタ(固定ブロック側)
16B フィルタ(可動ブロック側)
17 取付プレート
17A 取付プレート(固定ブロック側)
17B 取付プレート(可動ブロック側)
18 給湯経路
19 蒸気供給経路
20 輸送経路
21 Oリング
24 スクレパー
25 カス受け
26 ブレード
27 板部材
30 注入室
31 注ぎ口
32 吐出口ノズル
33 開閉扉
34 ファン
35 カップ載置面
36 ミルク供給経路
37 ミルク加熱ライン
38 ミルク泡立ライン
39 ヒータ
40 加熱タンク
41 蒸気供給弁
42 蒸気調節弁
43 加熱蒸気混合室
44 逆止弁
45 浄水器
47 蒸気供給弁
48 蒸気調節弁
49 泡立蒸気混合室
50 泡立室
51 空気ポンプ
52 逆止弁
55 断熱壁
56 開閉扉
57 冷蔵室
61 計測器
61A レベルセンサー
61B 重量計
63 非冷蔵室
65 ペルチェ素子
66 取付孔
69 チュービングポンプ
70 チューブ状部材
71 コロ
72 回転盤
72A 支持体
73 固定部材
74 止め金
77 流量測定器
78 振動バルブ
79 サーモスタット
80 レベラー
81 センサー
82 バイパス
91 開閉部
92 ボディ部
93 境界端縁
94 保持部
94a 脱着許容開口
94b ガイド
111 ケーシング
111A 吐出口
112 スクリュー
113 ミル刃
113A 内刃
113B 外刃
114 羽根
116 接合フランジ
310 自動昇降機構
311 モータ
312 スクリューネジ
313 昇降体
314 カップリング
315 ベアリング
316 センサー
SV1 バルブ
SV2 バルブ
SV3 バルブ
SV4 バルブ
SV5 バルブ
SV7 バルブ
A 飲料ディスペンサ
B メニューボタン
C カップ
CD 保持作用径
CP 遮へい板
D ドレン
L コーヒー液
LM コーヒー
M ミルク
MP ミルクパック
m1 モータ
m2 モータ
m3 モータ
P 操作パネル
S1 昇温用蒸気
S2 加熱用蒸気
S3 泡立用蒸気
SP ムラシ空間
W コーヒー粉
W1 絞りカス

Claims (3)

  1. ほぼ一定の粒度に挽かれたコーヒー粉を受け入れ、フィルタ作用によって供給湯からコーヒー液を抽出するドリッパー部を具えるとともに、このドリッパー部には、受け入れたコーヒー粉を適宜圧縮するシリンダー部が設けられ、
    圧縮後のコーヒー粉に湯を送り込んでコーヒー液を抽出するようにした飲料ディスペンサにおいて、
    前記ドリッパー部は、投入されたコーヒー粉を適宜の力で圧縮した後、シリンダー部の加圧を一旦、解除できるように構成され、これによりドリッパー部内にコーヒー粉が浮遊できるムラシ空間を形成し、この状態でドリッパー部内に湯を供給してコーヒー液の抽出を行うようにしたことを特徴とするコーヒー抽出用の飲料ディスペンサ。
  2. 前記ムラシ空間を形成した抽出形態は、ムラシ空間を形成しない通常の抽出形態と適宜選択して実行できるようにしたことを特徴とする請求項1記載のコーヒー抽出用の飲料ディスペンサ。
  3. 前記ドリッパー部から抽出後の絞りカスを排出するにあたっては、絞りカスを再度圧縮してから払い出すようにしたことを特徴とする請求項1または2記載のコーヒー抽出用の飲料ディスペンサ。
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