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JP2005329558A - インクジェット記録方法 - Google Patents

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JP2005329558A
JP2005329558A JP2004147714A JP2004147714A JP2005329558A JP 2005329558 A JP2005329558 A JP 2005329558A JP 2004147714 A JP2004147714 A JP 2004147714A JP 2004147714 A JP2004147714 A JP 2004147714A JP 2005329558 A JP2005329558 A JP 2005329558A
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秀幸 小口
Seiichi Inoue
斉逸 井上
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Abstract

【課題】曳糸形成/分断によるインク液滴(液滴)の吐出が安定し、高解像度、高画質な画像を安定して記録することができる静電式のインクジェット記録方法を提供する。
【解決手段】曳糸全体に含まれる色材粒子の平均濃度よりも、曳糸の先端部から中央部までに含まれる色材粒子の平均濃度の方が高く、および、曳糸に含まれる色材粒子に作用する力を、曳糸全体に作用する力から曳糸に含まれる色材粒子に作用する力を除いた力よりも大きくすることの少なくとも一方を満たすことで上記目的を達成する。
【選択図】図3

Description

本発明は、色材を含有する荷電粒子と、分散媒とを、少なくとも含むインク組成物に静電力を作用させてインク液滴を吐出させるインクジェット記録方法に関する。
静電式のインクジェット記録は、例えば、色材を含み、かつ帯電した微粒子(以下、色材粒子とする)を分散してなるインク組成物(以下、インクとする)を用い、画像データに応じて、インクジェットヘッドの各々の吐出部に所定の電圧を印加することにより、静電力を利用してインクを吐出かつ制御し、画像データに対応した画像を記録媒体上に記録する。
この静電式インクジェット記録装置としては、例えば特許文献1に開示のインクジェット記録装置が知られている。
図4に、特許文献1に開示される静電式インクジェット記録装置のインクジェットヘッドの概念図を示す。
このインクジェットヘッド80は、ヘッド基板82と、インクガイド84と、絶縁性基板86と、制御電極88と、電極基板90と、DCバイアス電圧源92と、パルス電圧源94とを備えている。
絶縁性基板86には、インクを吐出するための吐出口(貫通孔)96が形成される。この吐出口96の配列方向に延在してヘッド基板82が設けられ、吐出口の対応する位置のヘッド基板82上にはインクガイド84が配置される。インクガイド84は、吐出口96を貫通して、先端部分84aが絶縁性基板86のヘッド基板82側と反対側の表面よりも上部に突出している。
ヘッド基板82と絶縁性基板86とは所定の間隔を離して配置されており、両者の間にはインクQの流路が形成されている。
制御電極88に印加される電圧と同極性に帯電した微粒子(色材粒子)を含むインクQは図示していないインクの循環機構により、このインク流路98内を例えば図中右側から左側へ向かって循環され、各吐出口96にインクが供給される。
制御電極88は、絶縁性基板86の記録媒体P側の面の表面に、吐出口96の周囲を囲むようにリング状に設けられている。また、制御電極88は、画像データに応じてパルス電圧を発生するパルス電圧源94に接続され、このパルス電圧源94は、DCバイアス電圧源92を介して接地されている。
このような静電式のインクジェット記録において、記録媒体Pは、好ましくは、スコロトロン帯電器等を利用する帯電装置によって、制御電極と逆の高電圧に帯電された状態で、接地された電極基板90の絶縁層91に保持される。
このような静電式のインクジェット記録においては、制御電極88に電圧が印加されていない状態では、対向電極によるバイアス電圧とインク中の色材粒子とのクーロン引力、インク(分散媒)の粘性、表面張力、帯電粒子間の反発力、インク供給の流体圧力等が連成して、図4に示すように、インクが吐出口(ノズル)96から若干盛り上がったメニスカス形状となってバランスが取れている。
また、このクーロン引力等によって、色材粒子が泳動してメニスカス形状に移動し、すなわち、インクが濃縮された状態となっている。
制御電極88に電圧が印加(吐出ON)されると、バイアス電圧と駆動電圧とが重畳され、この結果、インクQは記録媒体P(対向電極)側に吸引されて、略円錐状のいわゆるテーラーコーンが形成される。
電圧印加開始後、時間が経過すると、色材粒子に作用するクーロン引力と分散媒の表面張力とのバランスが崩れ、曳糸と呼ばれる、直径数μm〜数十μm程度の細長いインク液柱が形成される。さらに時間が経過すると、特許文献2等に開示されているように、曳糸の先端が分断して、インクの液滴が記録媒体Pに向けて吐出され、吸引飛翔する。
静電式のインクジェットにおいては、通常、各制御電極88にパルス電圧を変調して印加することにより、吐出をON/OFFして、インク液滴を変調して吐出し、記録画像に応じたオンデマンドのインク液滴の吐出を行う。
また、特許文献3には、記録濃度、画像の明るさ、定着性、応答性等を両立させるために、インク中の色材粒子に与えられるクーロン力と溶媒に与えられる誘電分極力を制御することで、吐出されるインク液滴における色材粒子の含有率を調整するインク液滴の吐出方法が開示されている。
特開平10−138493号公報 米国特許第4314263号明細書 特開2002−370364号公報
このような静電式のインクジェットは、吐出部に対応して吐出電極を作成することができれば、各吐出部を分離するための独立したインク流路や隔壁等が不要である、いわゆるノズルレス構造であるため、インクジェットヘッドのコスト低減等を図ることができ、また、歩留りも高い。さらに、上記構造を有するために、吐出部でインク詰まり等が発生した際にも、簡単な処置で回復を図ることができる。
その反面、静電式のインクジェットでは、例えばインク組成物の特性、ヘッドの特性、駆動電圧等の様々な要因の影響を受け、曳糸の形成/分断が不安定になるためインク液滴の吐出や着弾位置、インクの濃度(分散媒に対する色材粒子の量)が不安定で、目的とする画質の画像を安定して得ることができないという問題点もある。
また、特許文献3のように、色材粒子に与えられるクーロン力および溶媒に与えられる誘電分極力を制御し、吐出されるインク液滴における色材粒子の含有率を調整することで、記録濃度、画像の明るさ、定着性、応答性等を向上させることが可能であるが、曳糸の形成/分断は安定せず、目的とする画質を安定して得ることはできなかった。
本発明の目的は、上記問題点を解決することにあり、静電式のインクジェット記録において、曳糸形成/分断によるインク液滴(液滴)の吐出が安定し、記録媒体上におけるドット径や各ドットの濃度の安定化や調整等を可能にして、インク液滴の安定化を図ることができ、かつ、高い階調分解能化も図ることができ、高画質な画像を安定して記録することができる静電式のインクジェット記録方法を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明では第1の態様として、色材を含有する荷電粒子と、分散媒とを、少なくともを含むインク組成物に静電力を作用させることにより、前記インク組成物の曳糸を形成し、この曳糸の分断によってインク液滴を吐出させるインクジェット記録方法であって、前記曳糸全体に含まれる荷電粒子の平均濃度よりも、前記曳糸の先端部から中央部までに含まれる荷電粒子の平均濃度の方が高いことを特徴とするインクジェット記録方法を提供する。
また、本発明の第2の態様として、色材を含有する荷電粒子と、分散媒とを、少なくともを含むインク組成物に静電力を作用させることにより、前記インク組成物の曳糸を形成し、この曳糸の分断によってインク液滴を吐出させるインクジェット記録方法であって、前記曳糸に含まれる荷電粒子に作用する力を、前記曳糸全体に作用する力から前記曳糸に含まれる荷電粒子に作用する力を除いた力よりも大きくすることを特徴とするインクジェット記録方法を提供する。
さらに、本発明の第3の態様として、色材を含有する荷電粒子と、分散媒とを、少なくともを含むインク組成物に静電力を作用させることにより、前記インク組成物の曳糸を形成し、この曳糸の分断によってインク液滴を吐出させるインクジェット記録方法であって、前記曳糸全体に含まれる荷電粒子の平均濃度よりも、前記曳糸の先端部から中央部までに含まれる荷電粒子の平均濃度の方が高く、かつ、前記曳糸に含まれる荷電粒子に作用する力を、前記曳糸全体に作用する力から前記曳糸に含まれる荷電粒子に作用する力を除いた力よりも大きくすることを特徴とするインクジェット記録方法を提供する。
ここで、上記態様いずれの場合でも、前記インク組成物に含まれる荷電粒子の電気伝導度が、前記インク組成物の電気伝導度の50%以上100%未満であることが好ましい。
また、前記インク組成物の電気伝導度から前記荷電粒子の電気伝導度を引いた値に対する、前記荷電粒子の電気伝導度の値の割合が1以上であることが好ましい。
また、前記インク組成物に含まれる荷電粒子の体積平均直径が、0.2〜5.0μmであることが好ましい。
また、前記インク組成物に含まれる荷電粒子の荷電量が、5〜200μC/gであることが好ましい。
また、前記インク組成物の20℃での粘度が、0.1〜10mPa・sであることが好ましい。
上記構成を有する本発明によれば、静電式のインクジェット記録において、曳糸の形成、分断が安定して行われるため、インク液滴の吐出を安定化し、目的とするインク濃度で、目的とする径のドットを形成して画像記録を行うことができるので、高画質な画像を安定して記録することができる。また、本発明によれば必要に応じて、パルス幅変調による濃度制御やドット径制御を行うこともでき、より階調分解能が高く、また、より安定性が高い、高画質な画像を記録することが可能である。
さらに、駆動電圧の印加に対するインク液滴の吐出応答性が向上するため、駆動周波数を向上させることが可能となる。
以下、本発明のインクジェット記録方法について、添付の図面に示される好適実施形態を基に詳細に説明する。
図1に、本発明のインクジェット記録方法を実施する静電式のインクジェット記録装置の一例を概念的に示す。なお、図1において、(a)は(部分断面)斜視図、(b)は部分断面図である。
なお、説明を容易にするために、図1(a)には、図2に示すように多数の吐出部を2次元的に配置して構成したマルチチャンネル構造のインクジェットヘッドの1つの吐出部のみを示し、図1(b)には、同2つの吐出部のみを示してある。
図1に示すインクジェット記録装置10(以下、記録装置10とする)は、インクジェットヘッド12(以下、ヘッド12とする)と、記録媒体Pの保持手段14と、帯電ユニット16とを有して構成される。この記録装置10においては、帯電ユニット16によって記録媒体Pにバイアス電位を帯電させた後に、ヘッド12と記録媒体Pとを対面した状態で、ヘッド12と保持手段14とを相対的に移動すると共に、記録画像に応じてヘッド12の各吐出部を変調駆動して、インク液滴Rをオンデマンドで吐出することにより、記録媒体Pに目的とする画像を記録する。
ここで、本実施形態のインクジェット記録装置で使用されるインク組成物(インクQ)は、色材を含み、かつ、帯電した微粒子(色材粒子)を分散媒(キャリア液)に分散してなるものである。なお、インク組成物(インク)の詳しい説明は後述する。
ヘッド12は、インクQに、静電力を作用させてインク液滴Rとして吐出する、静電式インクジェットヘッドで、ヘッド基板20と、吐出口基板22と、インクガイド24とを備えている。
また、ヘッド基板20と吐出口基板22は、互いに対面して所定の間隔離間して配置され、その間に、各吐出口にインクQを供給するためのインク流路26が形成される。インクQは、第1吐出電極36および第2吐出電極38に印加される制御電圧と同極性に帯電した色材粒子を含み、記録時には、インク流路26内を所定方向に所定の速度(例えば、200mm/sのインク流)で循環される。
ヘッド基板20は、全ての吐出部に共通なシート状の絶縁性基板であり、その表面には、電気的にフローティング状態である浮遊導電板28が設けられている。
浮遊導電板28には、画像の記録時に、後述する吐出部の制御電極に印加される制御電圧の電圧値に応じて誘起される誘導電圧が発生する。また、誘導電圧の電圧値は稼動チャンネル数に応じて自動的に変化する。この誘導電圧により、インク流路26内のインクQに含まれる色材粒子は付勢されて吐出口基板22側に泳動し、すなわち、後述する吐出口48のインクが、より好適に濃縮される。
なお、浮遊導電板28は必須の構成要素ではなく、必要に応じて適宜設けるのが好ましい。また、浮遊導電板28は、インク流路26よりもヘッド基板20側に配置されていればよく、例えばヘッド基板20の内部に配置してもよい。また、浮遊導電板28は、吐出部が配置される位置よりもインク流路26の上流側に配置される方が好ましい。また、浮遊導電板28に所定の電圧を印加するようにしても良い。
他方、吐出口基板22は、ヘッド基板20と同様に全ての吐出部に共通なシート状の絶縁性基板であり、絶縁性基板34と、第1吐出電極36と、第2吐出電極38と、ガード電極40と、シールド電極42、絶縁層44、46、48、50とを備えている。また、吐出口基板22には、各インクガイド24に対応する位置に、インクの吐出口54が貫通して開口している。
前述のように、ヘッド基板20と吐出口基板22とは離間して配置され、その間にインク流路26が形成される。
第1吐出電極36および第2吐出電極38は、それぞれ絶縁性基板34の図中上面および下面の表面に、各々の吐出部に対応する吐出口54の周囲を囲むようにリング状に設けられた円形電極である。絶縁性基板34および第1吐出電極36の表面には、その表面を保護すると共に平坦化する絶縁層48が被覆され、同様に、絶縁性基板34および第2吐出電極38の表面には、その表面を平坦化するための絶縁層46が被覆されている。
なお、第1吐出電極36および第2吐出電極38はリング状の円形電極に限定されず、インクガイド24に臨むように配置される電極であれば、例えば略円形電極、分割円形電極、平行電極、略平行電極など、どのような形状であっても良い。
図2(a)に示すように、ヘッド12において、インクガイド24、第1吐出電極36および第2吐出電極38、吐出口54等で構成される各吐出部は、マトリクス状に二次元的に配置されている。
図2(b)に示すように、ヘッド12は、列方向(主走査方向)に配置された3行(A行、B行、C行)の吐出部を有する。なお、図2においては、行方向(副走査方向)に5個(1列、2列、3列、4列、5列)の、計15個のマトリクス状に配置された吐出部を示している(図2(c)参照)。
図2(b)に示すように、同じ列に配置された吐出部の第1吐出電極36は、相互に接続されている。また、図2(c)に示すように、同じ行に配置された吐出部の第2吐出電極38は、相互に接続されている。
さらに、図示は省略するが、第1吐出電極36および第2吐出電極38は、それぞれ、インク液滴Rを吐出(各電極を駆動)するためのパルス電圧を出力するパルス電源に接続されている。
各行の吐出部は、行方向に対して所定の間隔を離して配置される。
また、B行目の吐出部は、A行目の吐出部に対して、列方向に所定の間隔を有し、かつ、行方向に対して、それぞれA行目の吐出部とC行目の吐出部との間に配置されている。同様に、C行目の吐出部は、B行目の5個の吐出部に対して、列方向に所定の間隔を離して、かつ、行方向に対して、それぞれB行目の吐出部とA行目の吐出部との間に配置されている。
このように、各行A、B、Cに含まれる各吐出部を、それぞれ行方向にずらして配置することにより、記録媒体Pに記録される1行は行方向に3分割される。
画像の記録時には、同一列に配置された第1吐出電極36は同時かつ同一電圧レベルに駆動される。同様に、同一行に配置された5個の第2吐出電極38は同時かつ同一電圧レベルに駆動される。
また、記録媒体Pに記録される1行は、行方向に対して、第2吐出電極38の行数に相当する3つのグループに分割され、時分割で順次駆動される。例えば、図2に示す例の場合、第2吐出電極38のA行目、B行目、C行目を所定のタイミングで順次記録することにより、記録媒体P上に1行分の画像が記録可能な状態になる。また、これに同期して、第1吐出電極36を画像データ(記録画像)に応じてパルス変調駆動して、インク液滴Rの吐出をON/OFFすることにより、画像を記録する。
従って、図示例においては、記録媒体Pとヘッド12とを、列方向(主走査方向)に相対的に移動しつつ画像記録を行うことにより、行方向(副走査方向)に各行の有する記録密度の3倍の記録密度の画像記録を行うことができる。
なお、制御電極は、第1吐出電極36および第2吐出電極38の2層電極構造に限定されず、単層電極構造でもよいし、3層以上の電極構造としても良い。
ガード電極40は、全ての吐出部に共通なシート状の電極であり、図2(a)に示すように、各々の吐出部の吐出口54の周囲に形成された第1吐出電極36および第2吐出電極38に相当する部分がリング状に開口している。また、絶縁層48およびガード電極40の表面には、その表面を保護するとともに、平坦化する絶縁層50が被覆されている。ガード電極40は所定の電圧が印加されており、隣接する吐出部のインクガイド24の間に生じる電界干渉を抑制する役割を果たす。
また、絶縁層46のインク流路26側に設けられたシールド電極42も、すべての吐出部に共通なシート状の電極であり、図2(d)に示すように、各々の吐出部の吐出口54の周囲に形成された第1吐出電極36および第2吐出電極38の内径に相当する部分まで設けられている。シールド電極42のインク流路26側はその表面を保護すると共に平坦化する絶縁層48が被覆されている。シールド電極42は、第1吐出電極36または、第2制吐出極38からのインク流路26方向への反発電界を遮蔽する役目を果たす。
なお、ガード電極40と、シールド電極42は必須の構成要素ではないのでなくてもよいが、配置した方がよいのはもちろんである。
インクガイド24は、凸状の先端部分30を持つ所定厚みのセラミック製平板である。図示例においては、同一行の吐出部のインクガイド24は、ヘッド基板20上の浮遊導電板28の上に配置された同じ支持体52の上に所定の間隔で配置される。インクガイド24は、吐出口基板22に開口された吐出口54を貫通し、先端部分30を吐出口基板22の記録媒体P側の最表面(絶縁層50の図中上側の表面)よりも上部に突出している。
インクガイド24の先端部分30は、記録媒体Pの保持手段14に向かって、漸次、細くなる略三角形状(ないしは台形状)に成形されている。
なお、先端部分(最先端部)30は、金属が蒸着されているのが好ましい。この先端部分30の金属蒸着は必須の要素ではないが、これにより、先端部分30の誘電率が実質的に大きくなり、強電界を生じさせ易くできるという効果がある。
なお、インクガイド24の形状は、インクQ内の色材粒子を先端部分30に向けて泳動(すなわちインクQを濃縮)させることができれば、特に制限的ではなく、例えば先端部分30は凸状でなくても良い等、自由に変更してもよい。また、インクの濃縮を促進するために、毛細管現象によってインクQを先端部分30に集めるインク案内溝となる切り欠きを、インクガイド24の中央部分に図中上下方向に沿って形成しても良い。
なお、このようなヘッド12は、記録媒体Pの一辺の全域に対応する吐出部列を有する、いわゆるラインヘッドであってもよく、あるいは、ヘッド12の走査と記録媒体Pの断続的な搬送とを組み合わせる、いわゆるシャトルタイプのヘッドであってもよい。
記録媒体Pの保持手段14は、電極基板60と絶縁シート62とを備えており、ヘッド12と対面するように、インクガイド24の先端部分30に対して所定の間隔(例えば、200〜1000μm)を有して配置される。
電極基板60は接地され、絶縁シート62は、電極基板60のインクガイド24側の表面に配置されている。記録時には、記録媒体Pは絶縁シート62の表面に保持され、すなわち、保持手段14(絶縁シート62)は、記録媒体Pのプラテンとして機能する。
帯電ユニット16は、記録媒体Pを負の高電圧に帯電させるためのスコロトロン帯電器70と、スコロトロン帯電器70に負の高電圧を供給するバイアス電圧源72とを備えている。
スコロトロン帯電器70は、記録媒体Pの表面に対向する位置に所定の間隔を離して配置されている。また、バイアス電圧源72の負側の端子はスコロトロン帯電器70に接続され、その正側の端子は接地されている。
なお、帯電ユニット16の帯電手段は、スコロトロン帯電器70に限定されず、コロトロン帯電器、固体チャージャなどの従来公知の種々の帯電手段を用いることができる。
画像の記録時には、絶縁シート62すなわち記録媒体Pの表面は、帯電ユニット16によって、第1吐出電極36および第2吐出電極38に印加される高電圧と逆極性の所定の負の高電圧、例えば−1500Vに帯電される。その結果、記録媒体Pは、第1吐出電極36または第2吐出電極38に対して負の高電圧にバイアスされるとともに、保持手段14の絶縁シート62に静電吸着される。
すなわち、図示例の記録装置10においては、記録媒体Pが静電式のインクジェット記録における対向電極として作用する。
なお、保持手段14を電極基板60と絶縁シート62とで構成し、記録媒体Pを、帯電ユニット16によって負の高電圧に帯電させることにより絶縁シート62の表面に静電吸着させているが、これに限定されず、保持手段14を電極基板60のみで構成し、保持手段14(電極基板60自体)をバイアス電源72に接続して負の高電圧に常時バイアスしておき、電極基板60の表面に記録媒体Pを静電吸着させるようにしても良い。
また、記録媒体Pの保持手段14への静電吸着と、記録媒体Pへの負のバイアス高電圧の印加または保持手段14への負のバイアス高電圧の印加とを別々の負の高電圧源によって行っても良いし、保持手段14による記録媒体Pの支持は、記録媒体Pの静電吸着に限られず、他の支持方法や支持手段を用いても良い。
図示例のヘッド12は、第1吐出電極36および第2吐出電極38を有し、両者にパルス電圧が印加された状態(両電極が駆動された状態)になると、インク液滴Rが吐出される。
ここで、第2吐出電極38は、前述のように、所定のタイミングで1行ずつ順番に高電圧レベル(例えば、400〜600V)またはハイインピーダンス状態(オン状態)とされ、残りの全ての第2吐出電極38は接地レベル(接地状態:オフ状態)に駆動される。また、第1吐出電極36は、全ての列が同時に、画像データに応じて、列単位で高電圧レベルまたは接地レベルに駆動される。これにより、各々の吐出部におけるインクの吐出/非吐出が制御される。
すなわち、第2吐出電極38が高電圧レベルまたはハイインピーダンス状態で、かつ第1吐出電極36が高電圧レベルの場合にはインクQがインク液滴Rとして吐出され、第1吐出電極36および第2吐出電極38の少なくとも一方が接地レベルの場合にはインクは吐出されない。
そして、各々の吐出部から吐出されたインク液滴Rは、負の高電位に帯電された記録媒体Pに引き寄せられ、記録媒体Pの所定位置に付着して画像が形成される。
従って、この際には、インク液滴の吐出のための制御電極の駆動周波数は、前述のように第1吐出電極36の駆動周波数となる。
上記のように、下層の第2吐出電極38の行を順次オンし、画像データに応じて、上層の第1吐出電極36をオン/オフした場合、第1吐出電極36が画像データに応じて駆動されるため、列方向のそれぞれの吐出部を中心として、その両側の吐出部では、第1吐出電極36が高電圧レベルまたは接地レベルに頻繁に変化する。この場合、画像の記録時にガード電極40を所定のガード電位、例えば接地レベル等にバイアスすることにより、隣接する吐出部の電界の影響を排除することができる。
なお、図示例のヘッド12においては、別の実施形態として、第1吐出電極36と第2吐出電極38とを逆の状態、すなわち第1吐出電極36を1列毎に順次駆動し、画像データに応じて、第2吐出電極38を駆動することも可能である。
この場合、列方向は、第1吐出電極36の1列毎に駆動され、列方向のそれぞれの吐出部を中心として、その両側の列の吐出部の第1吐出電極36は常に接地レベルになるため、この両側の列の吐出部の第1吐出電極36がガード電極の役割を果す。このように、上層の第1吐出電極36で各列を順次オンし、画像データに応じて下層の第2吐出電極38を駆動する場合には、ガード電極40を設けなくても、隣接する吐出部の影響を排除し、記録品質を向上させることができる。
ヘッド12では、第1吐出電極36または第2吐出電極38の一方、または両方で、インク吐出/非吐出の制御を行うかは何ら制限的ではない。すなわち、制御電極側のインク吐出/非吐出の時の電圧値と記録媒体P側の電圧値との差分が所定値よりも大きい場合にはインクが吐出され、所定値よりも小さい場合にはインクが吐出されないように、制御電極側および記録媒体P側の電圧を適宜設定すればよい。
また、この態様では、インク中の色材粒子を正帯電させ、記録媒体側を負の高電圧に帯電させているが、これに限定されず、逆に、インク中の色材粒子を負に帯電させ、記録媒体P側を正の高電圧に帯電させても良い。このように、色材粒子の極性を上記の実施形態と逆にする場合には、記録媒体Pの帯電ユニット16、各々の吐出部の第1吐出電極36および第2吐出電極38への印加電圧極性等を上記の例と逆にすれば良い。
以下、記録装置10におけるインク液滴Rの吐出の作用を説明することにより、本発明の静電式インクジェット記録方法について、詳細に説明する。
なお、以下の例では、インクQに分散される色材粒子は正荷電しており、従って、インク液滴Rを吐出するために第1吐出電極36および第2吐出電極38には正の電圧が印加され、記録媒体Pには負のバイアス電圧が帯電される。
画像の記録時には、インクQが、図示していないインクの循環機構により、インク流路26内を図中右側から左側(図1中矢印a方向)に向かって所定の速度で循環される。
一方、記録媒体Pは、帯電ユニット16により、負の高電位(例えば、−1500V)に帯電され、保持手段14の絶縁シート62に静電吸着されつつ、例えば、搬送手段(図示省略)により、図中紙面奥手側に所定の速度で搬送される。すなわち、記録媒体Pは、−1500Vのバイアス電圧が帯電した、対向電極となっている。
このバイアス電圧のみが印加されている状態では、インクQには、バイアス電圧とインクQの色材粒子の荷電とのクーロン引力、色材粒子間のクーロン反発力、キャリア液の粘性、表面張力、誘電分極力等が作用し、これらが連成して、色材粒子やキャリア液が移動し、図3(a)に概念的に示すように、吐出口48から若干盛り上がったメニスカス形状となってバランスが取れている。
また、このクーロン引力等によって、色材粒子は、いわゆる電気泳動でバイアス電圧が帯電された記録媒体Pに向かって移動する。すなわち、吐出口54のメニスカスにおいては、インクQが濃縮された状態となっている。
この状態から、インク液滴Rを吐出するためのパルス電圧が印加される(吐出ON)。すなわち、図示例においては、第1吐出電極36および第2吐出電極38に、それぞれに対応するパルス電源から100〜600V程度のパルス電圧が印加され、電極を駆動して、吐出を行う。
これにより、バイアス電圧にパルス電圧が重畳され、先の連成に、さらにこのパルス電圧の重畳によって連成された運動が起こり、電気泳動によって色材粒子およびキャリア液がバイアス電圧(対向電極)側すなわち記録媒体P側に引っ張られ、図3(b)に概念的に示すように、メニスカスが成長して、その上部から略円錐状のインク液柱いわゆるテーラーコーンが形成される。また、先と同様に、色材粒子は電気泳動によってメニスカスに移動しており、メニスカスのインクQは濃縮され、色材粒子を多数有する、ほぼ均一な高濃度状態となっている。
パルス電圧の印加開始後、さらに有限な時間が経過すると、色材粒子の移動等により、電界強度の高いメニスカスの先端部分で、主に色材粒子とキャリア液の表面張力とのバランスが崩れ、メニスカスが急激に伸びて、図3(c)に概念的に示すように、曳糸と呼ばれる、細長いインク液柱が形成される。
さらに有限な時間が経過すると、曳糸の成長、レイリー/ウエーバー不安定性によって発生する振動、メニスカス内における色材粒子の分布不均一、メニスカスにかかる静電界の分布不均一等の相互作用によって曳糸が分断され、インク液滴Rとなって吐出/飛翔し、かつ、バイアス電圧にも引っ張られて、記録媒体Pに着弾する。
曳糸の成長および分断は、さらにメニスカス(曳糸)への色材粒子の移動は、パルス電圧の印加中は連続して発生する。すなわち、曳糸が形成されている間は、断続的にインク液滴Rは、記録媒体Pに向かって飛翔している。また、パルス電圧の印加を終了した時点(吐出OFF)で、色材粒子およびキャリア液を記録媒体側に引っ張る力が弱くなり、形成された曳糸は小さくなっていき、所定時間が経過すると、バイアス電圧のみが印加された図3(a)のメニスカスの状態に戻る。
以上の説明から明らかなように、静電式インクジェットでは、パルス電圧(駆動電圧)を印加すると、曳糸が形成され、分断されることにより、インク液滴は吐出し、多数の微細なインク液滴により画像1ドットが形成される。
ここで、本発明のインクジェット記録方法においては、このような色材粒子を用いる静電式のインクジェット記録において、形成される曳糸全体に含まれる色材粒子の平均濃度よりも、曳糸の先端部から中央部までに含まれる色材粒子の平均濃度を高くする。曳糸の中央部とは、曳糸の先端と、テーラーコーンの先端であった点との中間点であり、曳糸全体に含まれる色材粒子の平均濃度とは、曳糸の先端からテーラーコーンの先端であった点までに含まれる色材粒子の平均濃度であり、曳糸の先端部から中央部までに含まれる色材粒子の平均濃度とは、曳糸の先端から中間点までに含まれる色材粒子の平均濃度である。
または、別の態様においては、曳糸内の色材粒子に働く力を、曳糸全体に働く力から色材粒子に働く力を除いた力(キャリア液に働く力)よりも大きくする、すなわち曳糸の色材粒子に働く力をF1、曳糸全体に働く力をF2とするとF1≧F2−F1とする。
色材粒子に働く力とは、色材粒子に担持される電荷に対して働く静電力であり、曳糸全体に働く力とは、色材粒子に働く静電力と、キャリア液も全体として帯電しているので、このキャリア液に働く静電力とを合わせた力である。
ここで、本発明のインクジェット記録方法は、曳糸全体に含まれる色材粒子の平均濃度よりも、曳糸の先端部から中央部までに含まれる色材粒子の平均濃度の方を高くすること、または、曳糸に含まれる色材粒子に作用する力を、曳糸全体に作用する力から曳糸に含まれる色材粒子に作用する力を除いた力よりも大きくすることの少なくとも一方を満たせばよいが、両方の条件を満たしていることが好ましい。
前述のように、インクジェット記録方法では、曳糸形成/分断によるインク液滴の吐出が様々な要因に影響を受けて、変動してしまう。そのため、駆動電圧の印加に対するインク液滴の吐出応答性が不安定になり、また、形成される画像ドットの大きさが不均一となるため、記録する画像の高画質化、高解像度化を安定して図ることが困難であった。
これに対して、形成される曳糸全体に含まれる色材粒子の平均濃度よりも、曳糸の先端部から中央部までに含まれる色材粒子の平均濃度の方を高くする、および/または、曳糸内の色材粒子に働く力を、曳糸全体に働く力から色材粒子に働く力を除いた力よりも大きくする。これにより、曳糸に働く力が安定するため、曳糸が安定して形成され、さらに、曳糸の分断も安定させることができる。
その結果、インク液滴の吐出が安定することで、形成される画像ドットの制御が安定するため、高画質、高解像度な記録を行うことができる。さらに、制御電圧に対して、インク液滴の吐出応答性が向上するため、駆動周波数を向上することができる。
また、インク液滴の吐出が安定していることで、印加するパルス電圧の制御で吐出される液滴数の調節を行うことができ、階調分解能を高くすることができる。
ここで、色材粒子を用いる静電式インクジェット記録においては、形成される曳糸の色材粒子の濃度分布や曳糸に作用する力は、様々な要因に影響を受ける。
本発明者等は、鋭意検討した結果、中でも特に、インク全体の電気伝導度に対する色材粒子の電気伝導度、色材粒子の体積平均直径、色材粒子の荷電量、インクの粘度の影響が大きく、これらを適宜、選択/設定することにより、曳糸全体に含まれる色材粒子の平均濃度よりも、曳糸の先端部から中央部までに含まれる色材粒子の平均濃度の方を高くすること、および/または、曳糸に含まれる色材粒子に作用する力を、曳糸全体に作用する力から曳糸に含まれる色材粒子に作用する力を除いた力よりも大きくするという条件を満たして、インク液滴の吐出を行うことができる。
具体的には、インク全体の電気伝導度に対する色材粒子の電気伝導度(インク全体の電気伝導度から上澄み液の電気伝導度を引いた電気伝導度)の割合を50%以上100%未満、より好ましくは、67%以上100%未満とすること、すなわち、インク全体の電気伝導度から色材粒子の電気伝導度を除いた電気伝導度(上澄み液の電気伝導度)に対する、色材粒子分の電気伝導度の割合を1以上、より好ましくは、2以上とすることにより、上記条件を満たすことができる。
ここで、インク全体、および色材粒子の電気伝導度は、以下のようにして算出する。
インク組成物の20℃での電気伝導度を、LCRメーター(安藤電気(株)社製AG−4311)および液体用電極(川口電機製作所(株)社製LP−05型)を使用し、印加電圧5V、周波数1kHzの条件で測定した(Aの測定)。また、小型高速冷却遠心機(トミー精工(株)社製SRX−201)を使用して、インク組成物を回転速度14500rpm、温度20℃の条件で30分間、遠心分離して色材粒子を沈殿させた後、上澄み液の電気伝導度を同様に測定した(Bの測定)。得られた測定結果から、色材粒子分の電気伝導度C(すなわち(A−B))を算出する。
すなわち、上述の関係は下記式のように表せる。
0.5≦(C/A)≦1 (式1)
1≦(A/B) (式2)
また、色材粒子の体積平均直径を0.2〜5.0μm、より好ましくは、0.4〜1.5μmとすることで、上記条件を満たすことができる。ここで、粒度分布は、狭く均一な方が好ましい。
色材粒子の体積平均直径は、例えば、超遠心式自動粒度分布測定装置CAPA−700(堀場製作所(株)製)等の装置を用い、遠心沈降法により測定できる。
また、インクに含まれる色材粒子の荷電量を、5〜200μC/g、より好ましくは、15〜100μC/gとすることでも、上記条件を満たすことができる。
さらに、インクの20℃での粘度を、0.1〜10mPa・s、より好ましくは0.6〜3.0mPa・sとすることでも、上記条件を満たすことができる。
ここで、本発明では、インク全体の電気伝導度に対する色材粒子の電気伝導度、色材粒子の体積平均直径、色材粒子の荷電量、インクの粘度の少なくとも1つが上記の範囲を満たしていればよいが、より多くの条件が上記の範囲を満たしているが好ましく、すべての条件が上記の範囲を満たしていることがより好ましい。
ここで、記録装置10で使用されるインクQ(インク組成物)について説明する。
インク組成物は、上述のように、色材含み、かつ、帯電した微粒子(色材粒子)をキャリア液に分散してなるものである。本発明のインクジェット記録方法に使用されるインク組成物は、上記条件以外には、全く限定はないが、好適な一例として、以下のものが例示される。
キャリア液は、高い電気抵抗率、特に、1010Ωcm以上を有する誘電性の液体であることが好ましい。電気抵抗率の低いキャリア液を使用すると、隣接する制御電極間で電気的導通を生じさせるため、本発明には不向きである。
また、キャリア液(誘電性液体)の比誘電率は5以下が好ましく、より好ましくは4以下、さらに好ましくは3.5以下である。分散倍の比誘電率をこの範囲とすることによって、キャリア液の色材粒子に、有効に電界が作用するため好ましい。
このようなキャリア液としては、直鎖状もしくは分岐状の脂肪族炭化水素、脂環式炭化水素、または芳香族炭化水素、およびこれらの炭化水素のハロゲン置換体、シリコーンオイル等が好ましく例示される。
一例として、ヘキサン、ヘプタン、オクタン.イソオクタン、デカン、イソデカン、デカリン、ノナン、ドデカン、イソドデカン、シクロヘキサン、シクロオクタン、シクロデカン、トルエン、キシレン、メシチレン、アイソパーC、アイソパーE、アイソパーG、アイソパーH、アイソパーL、アイソパーM(アイソパー:エクソン社の商品名)、シェルゾール70、シェルゾール71(シェルゾール:シェルオイル社の商品名)、アムスコOMS、アムスコ460溶剤(アムスコ:スピリッツ社の商品名)、KF−96L(信越シリコーン社の商品名)等を、単独または混合して用いることができる。
インク組成物全体に対するキャリア液の含有量は、20〜99質量%が好ましい。キャリア液の含有量を20質量%以上とすることにより、良好に色材粒子をキャリア液に分散することができ、99質量%以下とすることにより、色材粒子の含有量を充足できる。
ここで、色材粒子に含有される色材は、公知の染料および顔料を使用することができ、用途や目的に応じて選択することができる。
例えば、記録された画像記録物(印刷物)の色調の観点からは、顔料を用いることが好ましい(例えば、技術情報協会発行 「顔料分散安定化と表面処理技術・評価」 2001年12月25日 第1刷参照。 以下「参考文献」とする)。特に、オフセット印刷用インクやプルーフに用いられる顔料を使用すると、オフセット印刷物と同様な色調が得られるので好ましい。
また、用いる色材を変更することにより、イエロー、マゼンタ、シアン、墨(ブラック)の4色、あるいはさらに、他の色のインクを作成することができる。
イエローインク用の顔料としては、例えば、C.I.ピグメントイエロー1、C.I.ピグメントイエロー74等のモノアゾ顔料、C.I.ピグメントイエロー12、C.I.ピグメントイエロー17等のジスアゾ顔料、C.I.ピグメントイエロー180等の非ベンジジン系のアゾ顔料、C.I.ピグメントイエロー100等のアゾレーキ顔料、C.I.ピグメントイエロー95等の縮合アゾ顔料、C.I.ピグメントイエロー115等の酸性染料レーキ顔料、C.I.ピグメントイエロー18等の塩基性染料レーキ顔料、フラバントロンイエロー等のアントラキノン系顔料、イソインドリノンイエロー3RLT等のイソインドリノン顔料、キノフタロンイエロー等のキノフタロン顔料、イソインドリンイエロー等のイソインドリン顔料、C.I.ピグメントイエロー153等のニトロソ顔料、C.I.ピグメントイエロー117等の金属錯塩アゾメチン顔料、C.I.ピグメントイエロー139等のイソインドリノン顔料などが挙げられる。
マゼンタインク用の顔料としては、例えば、C.I.ピグメントレッド3等のモノアゾ系顔料、C.I.ピグメントレッド38等のジスアゾ顔料、C.I.ピグメントレッド53:1等やC.I.ピグメントレッド57:1等のアゾレーキ顔料、C.I.ピグメントレッド144等の縮合アゾ顔料、C.I.ピグメントレッド174等の酸性染料レーキ顔料、C.I.ピグメントレッド81等の塩基性染料レーキ顔料、C.I.ピグメントレッド177等のアントラキノン系顔料、C.I.ピグメントレッド88等のチオインジゴ顔料、C.I.ピグメントレッド194等のペリノン顔料、C.I.ピグメントレッド149等のペリレン顔料、C.I.ピグメントレッド122等のキナクリドン顔料、C.I.ピグメントレッド180等のイソインドリノン顔料、C.I.ピグメントレッド83等のアリザリンレーキ顔料等が挙げられる。
シアンインク用の顔料としては、例えば、C.Iピグメントブルー25等のジスアゾ系顔料、C.I.ピグメントブルー15等のフタロシアニン顔料、C.I.ピグメントブルー24等の酸性染料レーキ顔料、C.I.ピグメントブルー1等の塩基性染料レーキ顔料、C.I.ピグメントブルー60等のアントラキノン系顔料、C.I.ピグメントブルー18等のアルカリブルー顔料等が挙げられる。
墨インク用の顔料としては、例えば、アニリンブラック系顔料等の有機顔料や酸化鉄顔料、及びファーネスブラック、ランプブラック、アセチレンブラック、チャンネルブラック等のカーボンブラック顔料類等が挙げられる。
更にマイクロリス−A、−K、−Tなどのマイクロリス顔料に代表される加工顔料も好適に使用できる。その具体例としてはマイクロリスイエロー4G−A、マイクロリスレッドBP−K、マイクロリスブルー4G−T、マイクロリスブラックC−Tなどが挙げられる。
また、イエロー、マゼンタ、シアン、および墨の各色のインク以外にも、炭酸カルシウムや酸化チタン顔料を用いた白インク、アルミニウム粉を用いた銀インク、銅合金を用いた金インク等であってもよい。
顔料は、基本的には一色につき一種類の顔料を使うことが、インク製造の簡便性の点で好ましい。あるいは、色相調整として、例えば、墨インク用に、カーボンブラックにフタロシアニンを混合するなど、場合によっては2種以上を併用することも好ましい。また、ロジン処理等、公知の方法により顔料を表面処理した後に使用してもよい(前記参考文献参照)。
インク組成物全体に対する色材、好ましくは顔料の含有量は、0.1〜50質量%であるのが好ましい。色材の含有量を0.1質量%以上とすることにより、色材の量が充足し、印刷物において充分良好な発色が得られ、また、50質量%以下とすることにより、色材を含有する粒子をキャリア液に良好に分散させることができる。インク組成物全体に対する色材の含有量は、さらに好ましくは、1〜30質量%である。
また、色材粒子は、顔料等の色材をキャリア液に直接、分散(粒子化)したものであってもよいが、好ましくは、被覆剤で色材を被覆してなる粒子を色材粒子とし、これをキャリア液に分散する。
被覆剤で被覆することにより、色材自身が持つ荷電を遮蔽して、望ましい荷電特性を付与することができる。また、インク組成物に色材を被覆剤で被覆してなる色材粒子を用いることにより、メディア(記録媒体)に静電インクジェットによる画像記録を行った後、ヒートローラ等を用いた加熱定着によって、画像をより安定化させることが可能になる。
被覆剤としては、例えば、ロジン類、ロジン変性フェノール樹脂、アルキッド樹脂、(メタ)アクリル系ポリマー、ポリウレタン、ポリエステル、ポリアミド、ポリエチレン、ポリブタジエン、ポリスチレン、ポリ酢酸ビニル、ポリビニールアルコールのアセタール変性物、ポリカーボネート等を挙げられる。
これらのうち、粒子形成の容易さの観点から、重量平均分子量が2,000〜1000,000の範囲内であり、かつ多分散度(重量平均分子量/数平均分子量)が、1.0〜5.0の範囲内であるポリマーが好ましい。さらに、前記定着の容易さの観点から、軟化点、ガラス転移点または、融点のいずれか1つが40℃〜120℃の範囲内にあるポリマーが好ましい。
ここで、被覆剤として特に好適に使用されるポリマーは、下記一般式(1)〜(4)で示される構成単位のいずれか1つを少なくとも含有するポリマーである。
Figure 2005329558
上記式中、X11は、酸素原子または−N(R13)−を示す。R11は、水素原子またはメチル基を示し、R12は、炭素数1から30個の炭化水素基を示し、R13は、水素原子または炭素数1から30の炭化水素基を示す。R21は、水素原子または炭素数1から20の炭化水素基を示す。R31、R32及びR41は、それぞれ、炭素数1から20個の2価の炭化水素基を示す。なお、R12、R21、R31、R32、R41の炭化水素基中に、エーテル結合、アミノ基、ヒドロシキ基、または、ハロゲン置換基を含んでいても良い。
一般式(1)で示される構成単位を含有するポリマーは、対応するラジカル重合性モノマーを公知の方法によりラジカル重合することにより得られる。
用いられるラジカル重合性モノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸ステアリル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸フェニル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル等の(メタ)アクリル酸エステル類、および、N−メチル(メタ)アクリルアミド、N−プロピル(メタ)アクリルアミド、N−フェニル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド等の(メタ)アクリルアミド類が挙げられる。
一般式(2)で示される構成単位を含有するポリマーは、対応するラジカル重合性モノマーを公知の方法によりラジカル重合することにより得られる。
用いられるラジカル重合性モノマーとしては、例えば、エチレン、プロピレン、ブタジエン、スチレン、4−メチルスチレン等が挙げられる。
一般式(3)で示される構成単位を含有するポリマーは、対応するジカルボン酸または酸無水物とジオールとを公知の方法で脱水縮合することにより得られる。
用いられるジカルボン酸および酸無水物としては、コハク酸無水物、アジピン酸、セバシン酸、イソフタル酸、テレフタル酸、1,4−フェニレンジ酢酸、ジグリコール酸等が挙げられる。また、用いられるジオールとしては、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,10−デカンジオール、2−ブテン−1,4−ジオール、1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、1,4−ベンゼンジメタノール、ジエチレングリコール等が挙げられる。
一般式(4)で示される構成単位を含有するポリマーは、対応するヒドロキシ基を有するカルボン酸をまたは公知の方法で脱水縮合するかまたは、対応するヒドロキシ基を有するカルボン酸の環状エステルを公知の方法で開環重合することにより得られる。
用いられるヒドロキシ基を有するカルボン酸またはその環状エステルとしては、6−ヒドロキシヘキサン酸、11−ヒドロキシウンデカン酸、ヒドロシキ安息香酸、ε−カプロラクトン等が挙げられる。
一般式(1)〜(4)で示される構成単位のいずれか1つを少なくとも含有するポリマーは、一般式(1)〜(4)で示される構成単位のホモポリマーであってもよく、他の構成成分との共重合体(コポリマー)であっても良い。また、これらのポリマーは、被覆剤として単独で使用しても良く、2種以上を組み合わせて使用しても良い。
インク組成物全体に対する被覆剤の含有量は、0.1〜40質量%であることが好ましい。被覆材の含有量を0.1質量%以上とすることにより、被覆剤の量が充足し、充分な定着性が得られるとともに、40質量%以下とすることにより、色材を被覆剤で被覆してなる色材粒子を良好に形成することができる。
また、前述のような色材粒子をキャリア液中に分散(粒子化)するが、粒子直径を制御し、かつ組成物中における色材粒子の沈降を抑制するために、分散剤を使用するのが、さらに好ましい。
好適な分散剤としては、ソルビタンモノオレエート等のソルビタン脂肪酸エステルや、ポリオキシエチレンジステアレート等のポリエチレングリコール脂肪酸エステルに代表される界面活性剤が挙げられる。また、例えば、スチレンとマレイン酸のコポリマー、及びそのアミン変性物、スチレンと(メタ)アクリル化合物のコポリマー、(メタ)アクリル系ポリマー、ポリエチレンと(メタ)アクリル化合物のコポリマー、ロジン、BYK−160、162、164、182(ビックケミー社製のポリウレタン系ポリマー)、EFKA−401、402(EFKA社製のアクリル系ポリマー)、ソルスパース17000,24000(ゼネカ社製のポリエステル系ポリマー)等が挙げられる。また、インク組成物の長期間保存安定性の観点から、分散剤は、重量平均分子量が1,000〜1000,000の範囲内であり、かつ多分散度(重量平均分子量/数平均分子量)が、1.0〜7.0の範囲内であるポリマーが好ましい。さらに、グラフトポリマーまたはブロックポリマーを用いることが、最も好ましい。
分散剤として特に好適に用いられるポリマーは、下記一般式(5)および(6)で示される構成単位の少なくともいずれか一方からなる重合体成分と、下記一般式(7)で示される構成単位を少なくともグラフト鎖として含有する重合体成分とを、少なくとも含有するグラフトポリマーである。
Figure 2005329558
上記式中、X51は、酸素原子または−N(R53)−を示す。R51は、水素原子またはメチル基を示し、R52は、炭素数1から10個の炭化水素基を示し、R53は、水素原子または炭素数1から10の炭化水素基を示す。R61は、水素原子、炭素数1から20の炭化水素基、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、または、炭素数1から20個のアルコキシ基を示す。X71は、酸素原子または−N(R73)−を示す。R71は、水素原子またはメチル基を示し、R72は、炭素数4から30個の炭化水素基を示し、R73は、水素原子または炭素数1から30の炭化水素基を示す。なお、R52、R72の炭化水素基中にエーテル結合、アミノ基、ヒドロキシ基、または、ハロゲン置換基を含んでいても良い。
上記グラフトポリマーは、一般式(7)に対応するラジカル重合性モノマーを、好ましくは連鎖移動剤の存在下で重合し、得られたポリマーの末端に重合性官能基を導入し、さらに、一般式(5)または(6)に対応するラジカル重合性モノマーと共重合することにより得ることができる。
一般式(5)に対応するラジカル重合性モノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸フェニル、(メタ)アクリル酸ベンジル等、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチルの(メタ)アクリル酸エステル類、及び、N−メチル(メタ)アクリルアミド、N−プロピル(メタ)アクリルアミド、N−フェニル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド等の(メタ)アクリルアミド類が挙げられる。
一般式(6)に対応するラジカル重合性モノマーとしては、例えば、スチレン、4−メチルスチレン、クロロスチレン、メトキシスチレン等が上げられる。
さらに、一般式(7)に対応するラジカル重合性モノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸ステアリル、等が挙げられる。
これらのグラフトポリマーの具体例としては、下記の構造式で示されるポリマーが挙げられる。
Figure 2005329558
Figure 2005329558
一般式(5)および(6)で示される構成単位のいずれか1つを少なくとも含有する重合体成分と、一般式(7)で示される構成単位を少なくともグラフト鎖として含有する重合成分とを含有するグラフトポリマーは、一般式(5)および/または(6)、並びに一般式(7)で示される構成単位のみを有していてもよいし、他の構成成分を含有していても良い。グラフト鎖を含有する重合体成分と、これ以外の重合体成分との好ましい組成比は、10:90〜90:10である。この範囲において、良好な粒子形成性が得られ、所望の粒子直径を得やすく、好ましい。
これらのポリマーは、分散剤として単独で使用しても良く、2種以上を組み合わせて使用しても良い。
インク組成物全体に対する分散剤の含有量は、0.01〜30質量%であるのが好ましい。分散剤の含有量をこの範囲とすることにより、良好な粒子形成性が得られ、所望の色材粒子直径を得ることができる。
また、色材と被覆剤の混合物を、分散剤を用いてキャリア液中に分散(粒子化)することが好ましく、粒子の荷電量を制御するために荷電調整剤を併用することがさらに好ましい。
好適な荷電調整剤としては、ナフテン酸ジルコニウム塩、オクテン酸ジルコニウム塩等の有機カルボン酸の金属塩、ステアリン酸テトラメチルアンモニム塩等の有機カルボン酸のアンモニム塩、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム塩、ジオクチルスルホコハク酸マグネシウム塩等の有機スルホン酸の金属塩、トルエンスルホン酸テトラブチルアンモニウム塩等の有機スルホン酸のアンモニウム塩、スチレンと無水マレイン酸のコポリマーをアミンで変性したカルボン酸基を含有するポリマー等の側鎖にカルボン酸基を有するポリマー、メタクリル酸ステアリルとメタクリル酸のテトラメチルアンモニウム塩の共重合体等の側鎖にカルボン酸アニオン基を有するポリマー、スチレンとビニルピリジンの共重合体等の側鎖に窒素原子を有するポリマー、メタクリル酸ブチルとN−(2−メタクリロイルオキシエチル)−N,N,N−トリメチルアンモニウムトシラート塩との共重合体等の側鎖にアンモニウム基を有するポリマー等が挙げられる。
ここで、荷電調節剤は、ポリマーであるのが好ましく、特に、カルボン酸基を含有するポリマーが好ましい。
中でも特に、非水溶媒に可溶となしうる少なくとも1種以上の単量体および無水マレイン酸を構成単位として有する共重合体と、1級アミノ化合物、または、1級アミノ化合物および2級アミノ化合物との反応により得られる高分子化合物であり、かつ、半マレイン酸アミド成分とマレインイミド成分とを繰返し単位として有するポリマーは、荷電調整剤として好適に例示される。
荷電調整剤として用いられるポリマーにおいて、非水溶媒に可溶な重合体を形成しうる単量体とは、重合可能なアルケン類、シクロアルケン類、スチレン類、ビニルエーテル類、アリルエーテル類、カルボン酸ビニルエステル類あるいはアリルエステル類、メタクリル酸やアクリル酸等の不飽和カルボン酸のエステル類等である。
さらに説明すると、単量体は、総炭素数3〜40の置換されてもよいアルケン類(例えば、プロペニレン、ブテン、塩化ビニリデン、ω−フエニル−1−プロペン、アリルアルコール、ヘキセン、オクテン、2−エチルヘキセン、デセン、ドデセン、テトラデセン、ヘキサデセン、オクタデセン、ドコセン、エイコセン、10−ウンデセン酸ヘキシル等)、総炭素数5〜40のシクロアルケン類(例えば、シクロペンテン、シクロヘキセン、ビシクロ[2,2,1]−ヘプテン−2、5−シアノビシクロ[2,2,1]−ヘプテン−2等)、総炭素数8〜40の置換されてもよいスチレン類(例えばスチレン、4−メチルスチレン、4−nオクチルスチレン、4−ヘキシルオキシスチレン等)、総炭素数1〜40の脂肪族基置換ビニルエーテルあるいは、アリルエーテル類[脂肪族基として、置換されてもよいアルキル基(例えばメチル基、エチル基、ブチル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基、ドデシル基、ヘキサデシル基、オクタデシル基、ドコサニル基、クロロエチル基、2−エチルヘキシル基、4−メトキシブチル基、等)、置換されてもよいアラルキル基(例えばベンジル基、フエネチル基等)、置換されてもよいシクロアルキル基(例えばシクロペンチル基、シクロヘキシル基等)又は、置換されてもよいアルケニル基(例えば2−ペンテニル基、4−プロピル−2−ペンテニル基、オレイル基、リノレイル基等)等が挙げられる]、総炭素数6〜40の芳香族基置換ビニルエーテルあるいはアリルエーテル類[芳香族基として、例えばフエニル基、4−ブトキシフエニル基、4−オクチルフエニル基等]、総炭素数2〜40の置換されてもよい脂肪族カルボン酸のビニルエステルあるいはアリルエステル類(例えば酢酸、吉草酸、カプロン酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリステン酸、パルミナン酸、ステアリン酸、オレイン酸、ソルビン酸、リノール酸のエステル類等)、総炭素数6以上の芳香族カルボン酸のビニルエステルあるいはアリルエステル類(例えば安息香酸、4−ブチル安息香酸、2,4−ブチル安息香酸、4−ヘキシルオキシ安息香酸のエステル類等)、又はアクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、クロトン酸等の不飽和カルボン酸の総炭素数1〜32の置換されてもよい脂肪族基エステル類(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ヘキシル基、デシル基、2−ヒドロキシエチル基、N,N−ジメチルアミノエチル基等)等が挙げられる。
これらの単量体と無水マレイン酸とを構成単位として有する共重合体について、下記の(1)〜(22)に好適な具体例を示す。但し、以下の例に限定されるものではない。
Figure 2005329558
Figure 2005329558
Figure 2005329558
上述の如き無水マレイン酸を含む共重合体は、従来公知の方法に従って製造することができる。例えば、小田良平編、「近代工業化学第16巻、高分子工業化学I上」281頁(朝倉書店刊)、J.Brandrup等著、「Polymer Handbook 2nd,Edition,John Wiley & Sons,New York,第2章等の公知文献等に詳細に記載されている。
ここで、荷電調整剤として好適に使用されるポリマーは、前述のように、前記無水マレイン酸を含む共重合体と、アミノ化合物との反応体である。
アミノ化合物としては下記一般式(8)で示される1級アミノ化合物、または下記一般式(8)で示される1級アミノ化合物及び下記一般式(9)で示される2級アミノ化合物が用いられる。
一般式(8) R81NH2
一般式(9) R9192NH
上記式中、R81、R91およびR92は脂肪族基、脂環式炭化水素基、芳香族基又は複素環基を表わし、一般式(9)のR91およびR92は同じでも異なってもよい。好ましくは、炭素数1〜32の置換されてもよいアルキル基(例えばメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基、ドデシル基、テトラデシル基、ヘキサデシル基、オクタデシル基、ドコサニル基、クロロエチル基、シアノエチル基、4−ブトキシプロピル基、2−エチルヘキシル基、N,N−ブチルアミノプロピル基等)、炭素数3〜32の置換されてもよいアルケニル基(例えばアリル基、2−ペンテニル基、4−プロピル−2−ペンテニル基、デセニル基、オレイル基、リノレイル基等)、炭素数7〜36の置換されてもよいアラルキル基(例えばベンジル基、フエネチル基等)、炭素数5〜32の置換されてもよい脂環式炭化水素基(例えばシクロペンチル基、シクロヘキシル基、ビシクロ[2,2,1]−ヘプチル基、シクロヘキセニル基等)、炭素数6〜38の置換されてもよいアリール基(例えばフエニル基、トリル基、4−ブチルフエニル基、4−デシルフエニル基、4−ブトキシフエニル基、等)又は、原子数5以上の複素環基(例えば、フリル基、チエニル基等)を表わす。一般式(9) の場合、R91とR92は、炭素原子で閉環されてもよく又環内にヘテロ原子を含んでよい(例えばモルホリル基など)。
好ましいアミノ化合物の具体的例としては、エチルアミン、プロピルアミン、ブチルアミン、ペンチルアミン、ヘキシルアミン、オクチルアミン、デシルアミン、ドデシルアミン、テトラデシルアミン、ヘキサデシルアミン、ステアリルアミン、ドコサニルアミン、2−エチルヘキシルアミン、3,3−ジメチルペンチルアミン、アリルアミン、ヘキセニルアミン、ドデセニルアミン、テトラデセニルアミン、ヘキサデセニルアミン、オクタデセニルアミン、2−ノニル−2−ブテニルアミン、アリルアミン、シクロヘキシルアミン、ベンジルアミン、4−n−オクチルアニリン等が挙げられる。
また、荷電調整剤として好ましく用いられる、単量体および無水マレイン酸を構成単位として有する共重合体とアミノ化合物との反応体であるポリマーは、高分子化合物は、半マレイン酸アミド成分およびマレインイミド成分を含む。
このようなポリマーは、高分子化合物中のマレイン酸無水物成分と一級アミノ化合物との高分子反応で半マレイン酸アミド共重合体とし、さらに脱水閉環反応を行なうことで半マレイン酸アミド成分の一部をマレインイミド成分に変えることによって、容易に製造することができる。
すなわち、マレイン酸無水物とアミノ化合物との反応を生ずることなく、かつ、下記反応温度において両者を溶解しうる有機溶媒中[例えば、炭化水素類(例えば、デカン、アイソパ−G、アイソパ−H、シエルゾル71、シクロヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレン等)、ケトン類(例えばメチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等)、エーテル類(例えばジオキサン、テトラヒドロフラン、アニソール等)、ハロゲン化炭化水素(クロロホルム、ジクロロエチレン、メチルクロロホルム等)、ジメチルホルムアミドまたはジメチルスルホキサイド等が挙げられ、単独あるいは混合して使用する]において、各化合物を混合する。
これを、温度60〜200℃、好ましくは100〜180℃で、1〜80時間、好ましくは3〜15時間反応させる。この反応の際に、有機塩基(例えば、トリエチルアミン、ジメチルアニリン、ピリジン、モルホリン等)、あるいは無機または有機酸(例えば硫酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸など)を触媒量用いると、反応が促進される。あるいは、通常の脱水剤(例えば、五酸化リン、ジシクロカルボキシジイミド等)を併用してもよい。
この反応により得られる反応体は、上述の如く、ポリマー中に、半マレイン酸アミド体とマレインアミド体とを含有する高分子化合物であるが、半マレイン酸アミド体とマレインアミド体との含有量は質量比で10:90から90:10であり、好ましくは30:70から70:30である。また、ポリマーを構成する、非水溶媒に可溶な重合体を形成しうる単量体部分と無水マレイン酸部分とは質量比で10:90から99.5:0.5であり、好ましくは70:30から30:70である。高分子化合物の分子量は1000から50万であり、好ましくは5000から5万である。
ここで、荷電調整剤によって色材粒子に付与される電荷は、正電荷でも負電荷でもよい。
インク組成物全体に対する荷電調整剤の分量は、0.0001〜10質量%の範囲内であることが好ましい。この範囲内において、インク組成物の電気伝導度を、10nS/m〜300nS/mの範囲内に容易に調整できる。上述の荷電調整剤を使用することによって、色材粒子の電気伝導度をインク組成物の電気伝導度の50%以上100%未満に、および/またはインク組成物の電気伝導度から色材粒子の電気伝導度を引いた値に対する、色材粒子の電気伝導度の割合を1以上に容易に調整できる。
なお、本発明のインクジェット記録方法に用いられるインク組成物は、以上のようなキャリア液、色材粒子、分散剤、荷電調整剤等の成分のみならず、さらに、腐敗防止のために防腐剤や、表面張力を制御するための界面活性剤等の各種の成分を、目的に応じて含有してもよい。
このようなインク組成物は、一例として、色材粒子をキャリア液に分散して粒子化し、かつ、荷電調節剤をキャリア液に添加して、色材粒子に荷電を生じさせることで、調製できる。具体的な方法としては、以下の方法が例示される。
(1)色材、あるいはさらに分散樹脂粒子をあらかじめ混合(混練)した後、必要に応じて分散剤を用いてキャリア液に分散し、荷電両性剤を加える方法。
(2)色材、あるいはさらに分散樹脂粒子および分散剤を、キャリア液に同時に添加して、分散し、荷電調整剤を加える方法。
(3)色材および荷電調整剤、あるいはさらに分散樹脂粒子および分散剤を、同時にキャリア液に添加して、分散する方法。
ここで、上述のインク全体の電気伝導度に対する色材粒子の電気伝導度、色材粒子の体積平均直径、色材粒子の荷電量、インクの粘度を好適な範囲に調製する方法の一例としては、以下の様な方法がある。
インク全体の電気伝導度に対する色材粒子の電気伝導度は、分散媒の選択と、色材粒子の荷電量、分散媒中に存在する荷電粒子調整剤の量を、単独で変えたり、あるいは互いに組み合わせることによって調整することができる。
また、色材粒子の体積平均直径は、粒子形成法の選択(例えば、粉砕法、凝集法)、形成条件の制御(例えば、温度、時間、各種添加剤、攪拌条件)及び粒子形成後の分級によって調整することができる。
また、色材粒子の荷電量は、荷電調整剤の量を調整することや、色材粒子の表面形状や吸着特性を制御して、荷電調整剤の吸着効率を変えることによって調整することができる。
さらに、インクの粘度は、分散媒の選択、色材粒子の濃度、および各種濃度調整剤によって調整することができる。
このような本発明のインクジェット記録方法は、上記条件を満たすものであれば、カラー画像の記録でもモノクロ画像の記録でもよい。
以上、本発明のインクジェット記録方法について詳細に説明したが、本発明は上記実施形態には限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、各種の改良や変更を行ってもよいのは、もちろんである。
以下、本発明の具体的実施例を上げ、本発明について、より詳細に説明する。
図1に示す記録装置10を用いて、色材粒子の電気伝導度と上澄み液の電気伝導度との比を変更して、それぞれにおいて、画像ドットの平均直径、および、ばらつきを確認した。
なお、色材粒子の電気伝導度と上澄み液の電気電気伝導度との比は、インクに添加する荷電制御剤の添加量を変更することによって行い、これ以外は、全く同じ条件でインク液滴の吐出を行った。
[実施例1]
以下に示す材料を用意した。
シアン顔料(色材) [フタロシアニン顔料 C.I.Pigment Blue( 15:3) (東洋インキ製造(株)製、LIONOL BLUE FG−7350)]
被覆剤 [AP−1]
分散剤 [BZ−2]
荷電調整剤 [CT−1]
キャリア液 アイソパーG(エクソン社(株)製)
被覆剤[AP−1]、分散剤[BZ−2]、荷電調整剤[CT−1]は、以下の構造式を有するものである。
Figure 2005329558
なお、被覆剤[AP−1]、分散剤[BZ−2]、および荷電調整剤[CT−1]は、以下のようにして合成した。
・被覆剤[AP−1]
スチレン、4−メチルスチレン、アクリル酸ブチル、メタクリル酸ドデシルおよびメタクリル酸2−(N,N−ジメチルアミノ)エチルを公知の重合開始剤を用いてラジカル重合し、さらに、メチルトシラートと反応させることにより得た。重量平均分子量は、15,000であり、多分散度(重量平均分子量/数平均分子量)は、2.7であった。ガラス転移点(ミッドポイント)は51℃であり、ストレインゲージ法による軟化点は46℃であった。
・分散剤[BZ−2]
メタクリル酸ステアリルを、2−メルカプトエタノールの存在下でラジカル重合させ、さらに、メタクリル酸無水物と反応させることにより末端にメタクリロイル基を有するメタクリル酸ステアリルのポリマー(重量平均分子量は7,600であった)を得た。このポリマーを、スチレンとラジカル重合させることにより、BZ−2を得た。重量平均分子量は、110,000であった。
・荷電調整剤[CT−1]
1−オクタデセンと無水マレイン酸のコポリマーに、1−ヘキサデシルアミンを反応させることにより得た。重量平均分子量は、17,000であった。
上記各材料を用いて、以下のようにして、シアン色材を有する色材粒子を含有するインク組成物を得た。
まず、シアン顔料10gと被覆剤[AP−1]20gとを、入江商会(株)製卓上型ニーダーPBV−0.1に入れ、ヒーター温度を100℃に設定し2時間加熱混合した。得られた混合物30gをトリオサイエンス(株)製トリオブレンダーにて粗粉砕し、さらに協立理工(株)製SK−M10型サンプルミルにて微粉砕した。
得られた微粉砕物30gを、分散剤[BZ−2]7.5g、アイソパーG75g、および直径約3.0mmのガラスビーズと共に、東洋精機製作所(株)製ペイントシェーカーにて予備分散した。ガラスビーズを除去した後、直径約0.6mmのジルコニアセラミックビーズと共に、シンマルエンタープライゼズ(株)製TypeKDLダイノミルにて、内温を25℃に保ちながら5時間、引き続き45℃で5時間、2,000rpmの回転数で分散(粒子化)した。得られた分散液からジルコニアセラミックビーズを除去し、アイソパーG316gと荷電調整剤[CT−1]0.6gを加え、インク組成物[EC−1]を得た。
インク組成物の[EC−1]の20℃での電気伝導度を、上記と同様にして、LCRメーター(安藤電気(株)社製AG−4311)および液体用電極(川口電機製作所(株)社製LP−05型)を使用し、印加電圧5V、周波数1kHzの条件で測定したところ、インク全体の電気伝導度は100nS/mであった。。また、小型高速冷却遠心機(トミー精工(株)社製SRX−201)を使用して、インク組成物を回転速度14500rpm、温度20℃の条件で30分間、遠心分離して色材粒子を沈殿させた後、上澄み液の電気伝導度を同様に測定した結果、上澄み液の電気伝導度は30nS/mであった。
すなわち、色材粒子の電気伝導度は70nS/mとなり、上澄み液の電気伝導度に対する色材粒子の電気伝導度の割合は2.3となる。
また、色材粒子の体積平均直径を、上述と同様にして、超遠心式自動粒度分布測定装置CAPA−700(堀場製作所(株)製)を用い、遠心沈降法により測定した結果、0.7μmであった。
また、インク組成物の粘度は、1.2mPa・sであった。
上記インク組成物[EC−1]、および、図1に示したインクジェット記録装置10を用い、第1吐出電極36は、スイッチとして接地状態(OFF)と、ハイインピーダンス状態(ON)の2つの状態に変化させ、第2吐出電極38は、0V(OFF)と+600V(ON)の2つの状態に変化させ、また、記録媒体Pの表面には、−1600Vの電位を与え、インクガイド24の先端部分30と記録媒体Pとの間隔を500μmとして、インク液滴の吐出を行った。ここで、上記条件では、第1吐出電極36と第2吐出電極38が共にONの時にインク液滴が吐出した。
上記の条件で、重ならないようにしてドットを多数形成し、無作為に選択した1000個のドットについて、ドットアナライザ(王子計測機器(株)社製 DA−6000)を用いて、円相当径を測定して記録された最小ドット径の平均値を算出し、さらに、標準偏差(σ)を算出して、ばらつきとして3σを調べた。測定した結果、画像ドットの最小ドット径は16μm、ばらつき(3σ)は5μmであった。
[比較例1]
前記インク組成物[EC−1]において、荷電調整剤[CT−1]の添加量を変更した以外は、全く同様にして、インクを調整した。このインク全体の電気伝導度、および上澄み液の電気伝導度を、上記実施例1と同様にして計測した。その結果、インクの電気伝導度は200nS/m、上澄み液の電気伝導度は120nS/m、あった。すなわち、色材粒子の電気電気伝導度は、80nS/mとなり、上澄み液の電気伝導度に対する色材粒子の電気伝導度の割合は0.7となった。
このインクを使用する他は、実施例1と全く同様にインクを吐出し、実施例1と同様の方法で画像ドットを形成し、最小ドット径とばらつきを測定した。その結果、画像ドットの最小ドット径は30μm、ばらつきは10μmであった。
以上の、インク組成物、インク組成物の電気伝導度、上澄み液の電気伝導度、色材粒子の電気伝導度、上澄み液の電気伝導度に対する色材粒子分の電気伝導度の割合、および、測定結果をまとめて、下記表1に示す。
Figure 2005329558
表1に示すように、上澄み液の電気伝導度に対する色材粒子の電気伝導度の割合を所定範囲にすることによって、曳糸全体に含まれれる色材粒子の平均濃度よりも、曳糸の先端部から中央部までに含まれる色材粒子の平均濃度の方が高くすること、および/または、曳糸に含まれる色材粒子に作用する力を、曳糸全体に作用する力から曳糸に含まれる色材粒子に作用する力を除いた力よりも大きくすることで、平均直径の小さい画像ドットを記録することが可能となり、さらに、ばらつきも小さくすることができる。すなわち、各ドット毎の吐出繰り返しでの安定性の高いため、形成される画像ドットが均一である。これにより、高画質で解像度の高い画像記録を行うことができる。
以上の結果より、本発明の効果は、明らかである。
(a)および(b)は、本発明のインクジェット記録方法を実施するインクジェット記録装置の一実施形態の概念図である。 (a)〜(d)は、図1に示すインクジェット記録装置の制御電極を説明するための概念図である。 (a)〜(c)は、本発明のインクジェット記録方法を説明するための概念図である。 従来の静電式インクジェット記録を説明するための概念図である。
符号の説明
10 インクジェット記録装置
12、80 (インクジェット)ヘッド
14 保持手段
16 帯電ユニット
20、82 ヘッド基板
22 吐出口基板
24、84 インクガイド
26 インク流路
28 浮遊導電板
30、84a 先端部分
34 絶縁性基板
36 第1吐出電極
38 第2吐出電極
40 ガード電極
42 シールド電極
44、46、48、50 絶縁層
52、96 吐出口
60 電極基板
62 絶縁シート
70 スコロトロン帯電器
72 バイアス電圧源
86 絶縁性基板
88 制御電極
92 DCバイアス電圧源
94 パルス電圧源

Claims (8)

  1. 色材を含有する荷電粒子と、分散媒とを、少なくともを含むインク組成物に静電力を作用させることにより、前記インク組成物の曳糸を形成し、この曳糸の分断によってインク液滴を吐出させるインクジェット記録方法であって、
    前記曳糸全体に含まれる荷電粒子の平均濃度よりも、前記曳糸の先端部から中央部までに含まれる荷電粒子の平均濃度の方が高いことを特徴とするインクジェット記録方法。
  2. 色材を含有する荷電粒子と、分散媒とを、少なくともを含むインク組成物に静電力を作用させることにより、前記インク組成物の曳糸を形成し、この曳糸の分断によってインク液滴を吐出させるインクジェット記録方法であって、
    前記曳糸に含まれる荷電粒子に作用する力を、前記曳糸全体に作用する力から前記曳糸に含まれる荷電粒子に作用する力を除いた力よりも大きくすることを特徴とするインクジェット記録方法。
  3. 色材を含有する荷電粒子と、分散媒とを、少なくともを含むインク組成物に静電力を作用させることにより、前記インク組成物の曳糸を形成し、この曳糸の分断によってインク液滴を吐出させるインクジェット記録方法であって、
    前記曳糸全体に含まれる荷電粒子の平均濃度よりも、前記曳糸の先端部から中央部までに含まれる荷電粒子の平均濃度の方が高く、かつ、前記曳糸に含まれる荷電粒子に作用する力を、前記曳糸全体に作用する力から前記曳糸に含まれる荷電粒子に作用する力を除いた力よりも大きくすることを特徴とするインクジェット記録方法。
  4. 前記インク組成物に含まれる荷電粒子の電気伝導度が、前記インク組成物の電気伝導度の50%以上100%未満であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のインクジェット記録方法。
  5. 前記インク組成物の電気伝導度から前記荷電粒子の電気伝導度を引いた値に対する、前記荷電粒子の電気伝導度の値の割合が1以上であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかにに記載のインクジェット記録方法。
  6. 前記インク組成物に含まれる荷電粒子の体積平均直径が、0.2〜5.0μmであることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のインクジェット記録方法。
  7. 前記インク組成物に含まれる荷電粒子の荷電量が、5〜200μC/gであることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のインクジェット記録方法。
  8. 前記インク組成物の20℃での粘度が、0.1〜10mPa・sであることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載のインクジェット記録方法。
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