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JP2005325132A - 静注用免疫グロブリン製剤の製造方法 - Google Patents

静注用免疫グロブリン製剤の製造方法 Download PDF

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JP2005325132A JP2005199257A JP2005199257A JP2005325132A JP 2005325132 A JP2005325132 A JP 2005325132A JP 2005199257 A JP2005199257 A JP 2005199257A JP 2005199257 A JP2005199257 A JP 2005199257A JP 2005325132 A JP2005325132 A JP 2005325132A
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Yutaka Hirao
豊 平尾
Kazuo Takechi
和男 武智
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Mitsubishi Tanabe Pharma Corp
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Mitsubishi Pharma Corp
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Abstract

【課題】夾雑ウィルスを不活性化し、夾雑蛋白が極めて少なく、安全性と有効性が高い静注用免疫グロブリン製剤の効率的な製造方法の提供。
【解決手段】 免疫グロブリンを含む画分を出発原料とし、少なくとも(a)、(c)、(d)の工程はこの順序で処理を行うことを特徴とする静注用免疫グロブリン製剤の製造方法:(a)pH5〜7、イオン強度0.0001〜0.1Mの条件下、陰イオン交換体で処理して非吸着画分を回収。(b)加熱処理により夾雑するウィルスを不活性化。(c)pH4〜6、イオン強度0.0001〜0.1M、温度0〜4℃の条件下、分子量1,000〜10,000のポリエチレングリコール4〜12w/v%で処理して上清を回収。(d)(c)の上清をpH7〜9、イオン強度0.0001〜0.1M、温度0〜4℃の条件下、分子量1,000〜10,000のポリエチレングリコール10〜15w/v%で処理して沈殿を回収。
【選択図】なし

Description

本発明は、静注用免疫グロブリン製剤の製造方法に関する。
血漿蛋白成分である免疫グロブリンのうち、特にIgGを主成分とする免疫グロブリン製剤は、これまで広く感染症の予防および治療に用いられてきた。
この免疫グロブリン製剤中の、肝炎ウィルス等の夾雑ウィルスの混在は必ずしも否認されていない。そこで、夾雑ウィルスの不活性化法として液状加熱処理法(特許文献1)或いは乾熱処理法(特許文献2、特許文献3)が提案されている。
特開昭61−191622号公報 特開昭61−78730号公報 特願昭60−270195号
本発明は、上記加熱処理をさらに発展させ、静注用免疫グロブリン製剤の製造における収率改善、生産性の向上、夾雑蛋白のさらなる除去等を課題とするものである。即ち、本発明の目的は、夾雑ウィルスを不活性化し、夾雑蛋白が極めて少なく、臨床上適用できる製剤、すなわち、安全性と有効性がさらに高い静注用免疫グロブリン製剤の効率的な製造方法を提供することにある。
本発明者らは、この目的に沿って静注用免疫グロブリン製剤の工業的な製法について検討し、ポリエチレングリコール(以下、PEGという)分画処理、加熱処理および陰イオン交換体処理を組み合わせ、各工程の処理条件を設定して本発明を完成した。
本発明の要旨は、その特許請求の範囲に記載した通りであり、特に免疫グロブリンを含む画分を出発原料とする、以下の処理を含む静注用免疫グロブリン製剤の製造方法に関する。
(a)pH5〜7、イオン強度0.0001〜0.1Mの条件下、陰イオン交換体で処理して非吸着画分を回収する。
(b)夾雑するウィルスが不活性化するのに十分な条件下に加熱処理する。
(c)pH4〜6、イオン強度0.0001〜0.1M、温度0〜4℃の条件下、分子量1,000〜10,000のPEG4〜12w/v%で処理して上清を回収する。
(d)(c)の上清をpH7〜9、イオン強度0.0001〜0.1M、温度0〜4℃の条件下、分子量1,000〜10,000のPEG10〜15w/v%で処理して沈殿を回収する。
(出発原料)
本発明の出発原料としては、免疫グロブリンを含む画分が使用され、これはヒト血漿由来であって、免疫グロブリン画分を含むものであれば特に限定されない。具体的には、コーンのエタノール分画により得られる画分II+III 、画分II、および免疫グロブリンを含むこれらと同等の画分のペースト等が挙げられる。また、この出発原料は、ヒト血液型抗体、カリクレイン、プレカリクレイン、IgM、IgG重合体などを含んでいてもよい。
(製法)
本発明による製造方法は、以下の工程を含むものである。
I.陰イオン交換体処理工程
本工程は陰イオン交換体で接触処理して非吸着画分を回収する工程である。本工程は、IgM、IgG重合体を除くために行われる。
(i)陰イオン交換体の調製
陰イオン交換体としては、陰イオン交換基を不溶性担体に結合したものが使用され、陰イオン交換基としてはジエチルアミノエチル(DEAE)基、四級アミノエチル(QAE)基等を、不溶性担体としてはアガロース、セルロース、デキストラン、ポリアクリルアミド等を用いることが出来る。その結合は公知の方法で行われる。
(ii)処理方法
出発原料を適当な水性溶媒に溶解する。水性溶媒はpH5〜7(好ましくはpH5.5〜6.5)、イオン強度0.0001〜0.1M(好ましくは0.0001〜0.01M)の水溶液とする。水性溶媒の溶質として、たとえば塩化ナトリウム、リン酸ナトリウム、リン酸カリウム、酢酸、酢酸ナトリウム、クエン酸、クエン酸ナトリウム等を含ませてもよい。蛋白質濃度としては、1〜15w/v%(特に、3〜10w/v%)が好ましい。さらに、上記水性溶媒で平衡化した陰イオン交換体と接触処理する。その処理に際してはバッチ法、カラム法のどちらを用いてもよい。
たとえば、バッチ法では、陰イオン交換体1mlに対して処理対象溶液10〜100ml程度と混合させ、0〜4℃で30分〜2時間程度攪拌した後、遠心分離(6000〜8000rpm、10〜30分間)して上清を回収する。カラム法でも、陰イオン交換体1mlに対して処理対象溶液10〜100ml程度を接触させ、非吸着画分を回収する。
II.加熱処理工程
本工程は、免疫グロブリンの抗体活性の減少は最小限にとどめるが、夾雑するウィルス、例えばHBウィルス、AIDSウィルス等は完全に不活性化する条件下で加熱処理する工程である。
加熱処理は、含湿度3%以下の乾燥状態(即ち、乾熱処理)、または溶液状態、即ち免疫グロブリンの水溶液状態(即ち、液状加熱処理)で行い、なかでも液状加熱処理を行うことが特に好ましい。さらに、この加熱処理は安定化剤の存在下に行うことが好ましく、この安定化剤としては、上記乾熱処理および液状加熱処理のいずれの場合も、二糖類(例、サッカロース、マルトース)、糖アルコール(例、ソルビトール、マンニトール)が例示され、なかでもソルビトールが好適に例示される。安定化剤の添加量は、乾熱処理では、二糖類、糖アルコール等を0.5〜5w/v%(好ましくは1〜3w/v%)、液状加熱処理では、二糖類、糖アルコール等を10w/v%以上(好ましくは20〜40w/v%)用いることが好適に例示される。
加熱の対象となる免疫グロブリンの量は、乾熱処理では、蛋白量として1〜10w/v%(好ましくは3〜7w/v%)に調整することが好ましい。液状加熱処理では、蛋白量として0.1〜30w/v%(好ましくは5〜20w/v%)に調整することが好ましい。加熱処理は、乾熱処理の場合、好ましくは安定化剤を添加後、必要に応じ除菌濾過し、たとえば凍結乾燥等によって含水率3%以下、好ましくは1%以下とする。凍結乾燥の条件としては0.5mmHgの真空下、20〜40℃で24〜96時間程度が例示される。次いで、例えば50〜80℃(好ましくは60℃程度)、1〜200時間(好ましくは10〜100時間程度)で処理する。また、本加熱処理工程は不活性ガス雰囲気下で行うことにより、加熱時の安定性をより高めることができる。不活性ガスとしては例えば、窒素ガス、アルゴン、ヘリウム等が例示される。液状加熱処理の場合は、水溶液のpHを4.5〜6.5、好ましくはpH5〜6に調整し、例えば50〜80℃(好ましくは60℃程度)で10分〜20時間(好ましくは10時間程度)処理される。また、水溶液のイオン強度としては、0.0001〜0.1M(特に好ましくは0.0001〜0.01M)が例示される。
III.低濃度ポリエチレングリコール(PEG)処理工程
本工程は、低濃度PEGで処理し、上清を回収する工程である。
処理対象物を分子量1,000〜10,000(好適には約2,000〜6,000)のPEGで処理する(例えば、両者を混合する)。処理条件は、PEG濃度4〜12w/v%(特に8〜12w/v%)、pH4〜6(特に4.5〜5.5)、イオン強度0.0001〜0.1M(特に、0.0001〜0.01M)とする。この際、蛋白濃度1〜20w/v%(特に、5〜15w/v%)であることが好ましい。当該処理は、0〜4℃程度で通常30分〜6時間程度攪拌することによって行われる。その後、例えば遠心分離(6000〜8000rpm、10〜30分間)して上清を回収する。
IV.高濃度ポリエチレングリコール(PEG)処理工程
本工程はIIIの工程で得られた上清を高濃度PEGで処理し、沈殿を回収する工程である。
上記上清を分子量1,000〜10,000(好適には2,000〜6,000)のPEGにてさらに処理する(例えば、両者を混合する)。処理条件は、PEG濃度10〜15w/v%(特に、11〜13w/v%)、pH7〜9(特に7.5〜8.5)、イオン強度0.0001〜0.1M(特に、0.0001〜0.01M)とする。この際、蛋白濃度1〜20w/v%(特に、5〜15w/v%)であることが好ましい。当該処理は、0〜4℃程度で通常30分〜6時間程度攪拌することによって行われる。その後、例えば遠心分離(6000〜8000rpm、10〜30分間)して沈殿を回収する。
本発明においては、上記処理に加え、さらに陰イオン交換体による再処理あるいは以下の処理を施すことが好ましい。
V.固定化ジアミノ化合物による処理
本工程は、固定化ジアミノ化合物で接触処理して、非吸着画分を回収する工程である。本工程はプレカリクレインまたはカリクレインを除くために行われる。
(i)固定化ジアミノ化合物の調製
固定化ジアミノ化合物は、ジアミノ化合物を不溶性担体に固定化したものである。ジアミノ化合物としては、アミノベンズアミジン、アミノベンズグアニジン、リジン、アルギニン等を用いることができる。不溶性担体としてはアガロース、セルロース、デキストラン、シリカゲル、ガラス等が用いられる。固定化は公知の方法に準じればよい。例えば、アガロース、セルロース等は、例えばCNBr活性化法により、またシリカゲル、ガラス等はオキシラン法により、ジアミノ化合物を固定化することができる。
(ii)処理方法
処理対象物、例えば上記IVの工程で得られた沈殿画分をpH5〜8(特に、pH6〜7)、イオン強度0.01〜0.2M(特に0.05〜0.15M)の条件下で固定化ジアミノ化合物と接触処理する。その際、蛋白濃度1〜15w/v%(特に、3〜10w/v%)であることが好ましく、またバッチ法、カラム法のいずれもが好適に使用される。
例えばバッチ法では、固定化ジアミノ化合物1mlに対して上記画分10〜100ml程度を混合させ、0〜10℃、好ましくは0〜4℃で30分〜4時間、好ましくは30分〜2時間程度攪拌した後、遠心分離(6,000〜8,000rpm、10〜30分間)して上清を回収する。カラム法でも、固定化ジアミノ化合物1mlに対して上記画分10〜100ml程度を接触させ、非吸着画分を回収する。
VI.固定化ヒト血液型物質処理工程
本工程は、固定化ヒト血液型物質で接触処理して、非吸着画分を回収する工程である。本工程はヒト血液型抗体を除くために行われる。
(i)固定化ヒト血液型物質の調製
固定化ヒト血液型物質は、ヒト血液型物質を不溶性担体に固定化したものである。ヒト血液型物質の調製は、公知の方法を用いればよい。例えば、ヒトA、B、ABまたはO型の赤血球を低張溶液中で溶血、または超音波処理した後、硫安分画法またはPEG分画法により精製すること等により得られる。ヒト血液型物質としては合成抗原(糖鎖)を用いることもできる〔Human Blood Groups and Carbohydrate Chemistry(1978) Chem.Soc.Rev. p423〜452 を参照〕。
さらにこのヒト血液型物質は生理的食塩液に溶解後、夾雑するウィルスの不活性化に有効とされている、例えば、約50〜70℃、好ましくは約60℃で、7〜13時間、好ましくは約10時間、または約80〜130℃、好ましくは95〜121℃で約1〜40分、好ましくは約2〜30分間加熱処理する。その後、遠心分離して不溶物を除去し、蒸留水に対して透析して、各ヒト血液型物質を得る。不溶性担体としてはアガロース、セルロース、デキストラン、シリカゲル、ガラス等が用いられる。固定化は公知の方法に準じればよい。例えば、アガロース、セルロース等はCNBr活性化法により、シリカゲル、ガラス等はオキシラン法によりヒト血液型物質を固定化できる。
(ii)処理方法
処理対象物、例えばVの工程の非吸着画分をpH5〜8(特にpH6〜7)、イオン強度0.01〜0.2M(特に0.05〜0.15M)の条件下で、上記水性溶媒で平衡化した固定化ヒト血液型物質と接触処理する。その際、蛋白濃度1〜15w/v%(特に、3〜10w/v%)であることが好ましく、またバッチ法、カラム法のどちらを用いてもよい。
例えば、バッチ法では、固定化ヒト血液型物質1mlに対して処理対象溶液10〜100ml程度と混合させ、0〜10℃、好ましくは0〜4℃で、30分〜4時間、好ましくは30分〜2時間程度攪拌した後、遠心分離(6,000〜8,000rpm、10〜30分間)して上清を回収する。カラム法でも、固定化ヒト血液型物質1mlに対して処理対象溶液10〜100ml程度を接触させ、非吸着画分を回収する。
(液状製剤の調製)
得られた免疫グロブリン組成物を1〜10w/v%(好ましくは3〜7w/v%)になるように適当な溶媒(例えば、注射用蒸留水)に溶解し、さらに安定化剤、例えば、二糖類(ショ糖、マルトース等)、糖アルコール(ソルビトール、マンニトール等)、特に好ましくはソルビトール1〜20w/v%(好ましくは、2〜10w/v%)を添加し、pH5〜6(好ましくはpH5.3〜5.7、特に好ましくは約5.5)、低電導度、好ましくは電導度1mmho以下(特に、0.6mmho以下、共に8℃換算)になるように、自体既知の手段にて調整したのち、通常の製剤化技術に基づいて、除菌濾過、分注等を行う。かくして、静脈内投与可能な免疫グロブリン製剤が調製される。
本発明においては、上記のような方法により静注用グロブリン製剤を製造したため、得られた製剤中に、IgG重合体が検出されなくなり、また、製造工程中におけるIgGの収率が向上した。
本発明により得られた製剤は免疫グロブリンが殆ど不活化されておらず、しかも、加熱処理を施しているので夾雑ウィルスも不活化され、溶解性も良好で、抗補体活性も十分に低く、また好ましい態様においてはプレカリクレイン、カリクレイン、抗ヒト血液型物質抗体等の夾雑物が含まれない等の性質を有し、昭和60年度発行の日本国生物学的製剤基準(以下、生基準)をパスできる安全な製剤である。
また、本発明により得られた製剤は、静脈内投与、点滴等により、感染症等の予防または治療に用いられる。即ち、本発明は静注用免疫グロブリン製剤の工業的製法として有益である。
本発明をより詳細に説明するために実施例を挙げるが、本発明は、これらによって何ら限定されるものではない。
実施例1
コーン画分II+III 1kgに水3リットルを加え、pH4で抽出後、この溶液にDEAE−セファデックスを添加(50ml溶液当たり1ml)し、pH6.0、4℃の条件下に接触処理し、処理後遠心分離(7000rpm 、約20分間)して上清(IgG溶液)を回収した。さらに100mlに対してソルビトールを50g添加し、pHを5.5に調整した後、60℃で10時間加熱処理した。加熱終了後、pHを5.5に調整した後、PEG#4000を終濃度が8w/v%になるように添加し、2℃で遠心分離を行った。得られた上清を1N−水酸化ナトリウムを用いpH8.8とした後、PEG#4000を終濃度が15w/v%になるように加え、2℃で遠心分離を行い、沈殿画分にIgG画分を得た。このIgG画分を蒸留水に対して透析後、5w/v%IgG溶液に調整し、酢酸ナトリウムで溶液のpHを約5.5にし、さらにソルビトールを終濃度5w/v%まで添加した。この水溶液(電導度約1mmho)を除菌濾過し静注用免疫グロブリン液状製剤を得た。
実施例2
コーン画分II+III 1kgに水3リットルを加え、pH4で抽出後、この溶液にDEAE−セファデックスを添加(20ml溶液当たり1ml)し、pH6.0、4℃の条件下に接触処理し、処理後遠心分離(7000rpm、約20分間)して上清(IgG溶液)を回収した。さらに100mlに対してソルビトールを50g添加し、pHを5.5に調整した後、60℃で10時間加熱処理した。加熱終了後、pHを5.3〜5.4に調整した後、PEG#4000を終濃度が12w/v%になるように添加し、2℃で遠心分離を行った。得られた上清を1N−水酸化ナトリウムを用いpH8.8とした後、PEG#4000を終濃度が15w/v%になるように加え、2℃で遠心分離を行い、沈殿画分にIgG画分を得た。このIgG画分を蒸留水に溶解し、DEAE−セファデックスを添加(33ml溶液当たり1ml)し、pH6.0、4℃の条件下に接触処理し、処理後遠心分離(7000rpm、約20分間)して上清(IgG溶液)を回収した。このIgG画分を蒸留水に対して透析後、5w/v%IgG溶液に調整し、酢酸ナトリウムで溶液のpHを約5.5にし、さらにソルビトールを終濃度5w/v%まで添加した。この水溶液(電導度約1mmho)を除菌濾過し静注用免疫グロブリン液状製剤を得た。
上記実施例1および2で得られた製剤は実質的にIgG単量体のみを含み、抗補体価も10〜15CH50程度であり、静注用グロブリンとしての生基準にも合格した。
実験例1
上記実施例1において、加熱処理前に陰イオン交換体による前処理を行わない方法を従来法1(特開昭63−183539号公報に記載の方法)とし、これにより得られた製剤中のグロブリンを免疫比濁法により定量して、グロブリンの回収率を求めた。同様にして、実施例1におけるグロブリンの回収率を求めた。その結果、上記従来法1での回収率を100%とすると、実施例1での回収率は146%であった。
実験例2
上記実施例2において、加熱処理前に陰イオン交換体による前処理を行わない方法を従来法2(特開昭63−183539号公報に記載の方法)とし、これにより得られた製剤中のグロブリンを免疫比濁法により定量して、グロブリンの回収率を求めた。同様にして、実施例2におけるグロブリンの回収率を求めた。その結果、上記従来法2での回収率を100%とすると、実施例2での回収率は154%であった。
実験例3
上記実施例2で得られた静注用免疫グロブリン液状製剤において、夾雑蛋白質を免疫拡散法により、IgG重合体をHPLCによりそれぞれ定量して、該製剤の性状を分析したところ、表1に示す結果が得られた。
Figure 2005325132

Claims (2)

  1. 免疫グロブリンを含む画分を出発原料とする、以下の工程を含み、少なくとも(a)、(c)、(d)の工程はこの順序で処理を行うことを特徴とする静注用免疫グロブリン製剤の製造方法:
    (a)pH5〜7、イオン強度0.0001〜0.1Mの条件下、陰イオン交換体で処理して非吸着画分を回収する。
    (b)夾雑するウィルスが不活性化するのに十分な条件下に加熱処理する。
    (c)pH4〜6、イオン強度0.0001〜0.1M、温度0〜4℃の条件下、分子量1,000〜10,000のポリエチレングリコール4〜12w/v%で処理して上清を回収する。
    (d)(c)の上清をpH7〜9、イオン強度0.0001〜0.1M、温度0〜4℃の条件下、分子量1,000〜10,000のポリエチレングリコール10〜15w/v%で処理して沈殿を回収する。
  2. 免疫グロブリンを含む画分を出発原料とする、以下の工程を含み、さらに(a)、(b)、(c)、(d)の順序で処理を行うことを特徴とする静注用免疫グロブリン製剤の製造方法:
    (a)pH5〜7、イオン強度0.0001〜0.1Mの条件下、陰イオン交換体で処理して非吸着画分を回収する。
    (b)夾雑するウィルスが不活性化するのに十分な条件下に加熱処理する。
    (c)pH4〜6、イオン強度0.0001〜0.1M、温度0〜4℃の条件下、分子量1,000〜10,000のポリエチレングリコール4〜12w/v%で処理して上清を回収する。
    (d)(c)の上清をpH7〜9、イオン強度0.0001〜0.1M、温度0〜4℃の条件下、分子量1,000〜10,000のポリエチレングリコール10〜15w/v%で処理して沈殿を回収する。
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