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JP2005317855A - 微結晶シリコン膜の形成方法及び光起電力素子 - Google Patents

微結晶シリコン膜の形成方法及び光起電力素子 Download PDF

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Toshihiro Yamashita
敏裕 山下
Hideichiro Sugiyama
秀一郎 杉山
Yasuyoshi Takai
康好 高井
Shotaro Okabe
正太郎 岡部
Eiju Tsuzuki
英寿 都築
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Abstract

【課題】 産業的に実用レベルにある堆積速度で、光電特性の優れた微結晶シリコン膜(シリコン系半導体層)の形成方法と、それによって形成されたシリコン系半導体層を用いた光起電力素子を提供する。
【解決手段】 真空容器内に原料ガスを導入し、前記真空容器内に導入した基板上に、1.0nm/sec以上の堆積速度で、プラズマのON/OFFを複数回繰り返す間欠式堆積膜形成方法において、1回のプラズマON時に形成する堆積膜の膜厚を600nm以下とすることを特徴とする。
【選択図】 図1

Description

本発明は、プラズマCVD法による微結晶シリコン膜の形成方法、及び、光活性層の一部に微結晶シリコン膜を用いた光起電力素子に関し、特にpin接合(もしくはnip接合)を1組以上有し、変換効率が高く、屋外での長時間の使用でも変換効率の経年変化が少ない太陽電池、センサー等の光起電力素子に関するものである。
電気機器の独立電源として、また、系統電力の代替エネルギー源として、様々な光起電力素子がすでに利用されている。しかしながら、特に系統電力の代替としては、光起電力素子の発電量当たりのコストが依然高い状態である。そこで、現在も引き続き盛んに光起電力素子に関する研究や開発がなされている。
例えば、光電変換を担う最も重要な部分の材料に関して、結晶型光起電力素子や薄膜型光起電力素子の技術研究・開発がある。結晶型光起電力素子は、単結晶や多結晶のシリコンを用いたものであり、薄膜型光起電力素子は、非晶質や微結晶質のシリコン、シリコンゲルマニウム、シリコンカーバイト、あるいは化合物半導体を用いたものである。微結晶シリコンについては従来から研究や開発が進められてきたが、結晶材料や非結晶材料に比べて実用化が遅れていた。
しかし、近年、微結晶シリコンについては、良好な光電気変換効率が得られ、光劣化が全く見られないという報告(非特許文献1参照)により、注目を浴びている。
この非特許文献1では、大量の水素で希釈したシランガスに、周波数70MHzの高周波電力を供給するプラズマCVD法により、光起電力素子が作製される。この光起電力素子は、1組の半導体接合を持つ構成である。そして、この光起電力素子において、7.7%の光電気変換効率が得られており、光劣化が全く見られないことが報告されている。更に非特許文献1によれば、非晶質シリコンと微結晶シリコンとを積層した積層型光起電力素子を作製することによって、初期光電気変換効率13.1%、光劣化後12.4%が得られたとの記載もある。
また、結晶性を示すシリコン半導体層の形成方法としては、従来からキャスト法等の液相から成長させる方法が行われてきたが、高温処理が必要であり、量産性・低コスト化に向けての課題があった。
キャスト法以外の結晶性を示すシリコン半導体層の形成方法としては、特許文献1に記載のアモルファスシリコン膜形成後に水素プラズマ処理を行い、膜の形成と水素プラズマ処理を繰り返すことにより多結晶シリコン膜を形成する方法が開示されている。
一般的に結晶性を示すシリコン半導体層を用いた光起電力素子では、結晶粒界におけるシリコンのダングリングボンド等の影響、結晶粒界近傍に生じるひずみ、結晶自体の不完全性等によってキャリアの走行性が妨げられ、光起電力素子としての光電特性に悪影響を与えることが知られている。
上記の影響を軽減する為の対策として、結晶化度及び結晶性の向上や、結晶粒径を増大させ結晶粒界密度を低下させることが有効であると考えられる。これを実現する為の手段として、堆積速度を低下させまたは、シリコン膜の形成とH2雰囲気でのアニールによる結晶化を繰り返しながら膜形成を行う等の工夫を要していたが、これらの処理は堆積速度が遅いため、多くの成膜時間を要し、さらには装置の増設や改良を招く等の、コストを高める要因となっていた。
また、特許文献2では、マイクロ波導入窓のプラズマに晒される面上に、マイクロ波透過性部材で構成された多柱状構造体を配設し、該各柱状構造体の対称軸が、プラズマに晒される面に対して垂直であることを特徴とする防着構造付マイクロ波プラズマCVD装置が開示され、さらに特許文献3ではマイクロ波の進行方向に延在する複数の仕切り板で構成されるプラズマ制御手段を介して前記マイクロ波エネルギーを放射する技術が開示されているが、堆積された膜の一部は微結晶であるが、そのほとんど非晶質シリコンであり、光劣化の問題があった。さらにこの開示技術により、ある程度全面にわたり微結晶化するには、さらなる工夫と改善の余地があった。
さらに、特許文献4では、基体(被堆積物)を回転させ、且つ膜堆積と非膜堆積を繰り返しシリコン膜を形成する方法において、1回のプラズマON時に堆積される膜厚が約100nmの成膜手段が開示されているが、堆積された膜の一部は微結晶であるが、その殆どは非晶質シリコンであり、大全面にわたり微結晶化し、かつさらに特性を向上させるには、さらなる工夫と改善の余地があった。
さらにまた、特許文献5では、結晶質シリコン系薄膜光電変換層をプラズマCVD法で堆積する条件として、(1)プラズマ放電電極間距離が1.5cm以内で、(2)反応室圧力が667Pa(5Torr)以上であり、(3)反応ガスにおけるシラン系ガスに対する水素ガスの流量比が100倍以上であり、(4)プラズマ放電電力密度が100mW/cm2で設定され、(5)そして、ガス吹き出し電極から導入された反応ガスが電極間で流れる下流側に進むにつれて、ガス吹き出し電極の所定の単位面積あたりから吹き出される反応ガスにおける水素に対するシラン系ガスの比率を増大させる事で、下流側のシラン系ガスを補い、均質で高品質な結晶質シリコン膜を得る技術が開示されている。
さらに、特許文献6では、結晶質シリコン系薄膜光電変換層をプラズマCVD法で堆積する条件として、(1)下地温度が550℃以下であり、(2)プラズマ反応室内に導入されるガスの主要成分としてシラン系ガスと水素ガスを含み、かつ(3)シラン系ガスに対する水素ガスの流量が50倍以上であり、(4)プラズマ反応室内の圧力が667Pa(5Torr)以上に設定され、そして(5)1つのプラズマ放電電極上に装着された基板の堆積面とそれに対向する電極の表面との距離が1cm以内に設定させる事で、成膜速度を高速化し、生産効率を高めた、結晶質シリコン系薄膜光電変換層の製造方法が開示されている。
J.Meier、P.Torres、R.Platz、H.Keppner、A.Shah等、「Mat. Res. Soc. Symp. Proc.」 第420巻、3頁、1996年 特開平5−136062号公報 特開平6−216039号公報 特開平6−244118号公報 特開平1−127679号公報 特開2000−101107号公報 特開平11−330520号公報
しかしながら、非特許文献1による技術には、次のような問題がある。つまり非特許文献1の微結晶光起電力素子では、光劣化は全く見られないが、膜厚が3600nmで短絡電流が25.4mA/cm2、光電変換効率が7.7%という低い変換効率しか達成されていない。さらに微結晶シリコン層の膜厚が3600nmと厚いうえに、堆積速度が0.12nm/secと遅い為、形成時間が8時間程度必要になる。よって産業的に実用レベルではないという問題がある。
また、特許文献5、或いは特許文献6に開示されている技術によれば、短時間の堆積膜形成に対してはある程度良好な効果を得ることができる。しかし長時間連続的に堆積膜を形成した場合、プラズマからの発熱量が比較的大きい条件である為、基板及び堆積膜形成空間を構成する周囲の部材の温度上昇を招く。その結果堆積膜形成条件が不安定になり、後述するように堆積される微結晶の構造が必ずしも最適なものにならない場合があった。
本発明の目的は、これらの問題点を解決し堆積速度を低下させず、良質な微結晶シリコンを堆積させる事が可能な微結晶シリコン膜の形成方法を提供するものである。また、堆積速度が速く、比較的薄くても変換効率の良い。しかも低温で安価に製造でき、生産性に優れた光起電力素子を提供するものである。さらに、長時間の使用において経時変化に強く、比較的安価な、総合的に優れた光起電力素子を提供するものである。
本発明は、少なくともプラズマ発生用電極と該電極に対向して配置された基板との間にシリコン原子を含む原料ガスを導入し、プラズマを発生させて実質的に真性の微結晶シリコン膜を前記基板上に形成する微結晶シリコン膜の形成方法であって、1.0nm/sec以上の堆積速度で、プラズマのON/OFFを複数回繰り返すことにより間欠的に堆積膜を形成する工程を有し、前記1回のプラズマON時に形成する堆積膜の膜厚が、600nm以下とすることを特徴とする微結晶シリコン膜の形成方法である。
本発明の微結晶シリコン膜の形成方法は、更なる特徴として、
「前記プラズマOFF時には、H2ガスを主体とする雰囲気中に前記基板を保持すること」、
「前記プラズマOFF時の基板温度を、50〜300℃の範囲で制御すること」、
「前記プラズマ発生用電極と前記基板との間の距離が10mm以下であり、かつ、該プラズマ発生用電極と該基板との間の圧力が300〜1500Paであること」、
「前記基板を搬送する工程を含み、搬送速度を200mm/min以上とすること」、
「前記原料ガスを、前記プラズマ発生用電極から導入すること」、
「前記プラズマ発生用電極には前記原料ガス1ccあたり、2W以上の電力を印加すること」、
を有する場合も包含する。
また、本発明は、少なくとも光活性層の一部に微結晶シリコン膜を用いた光起電力素子であって、該微結晶シリコン膜を前記本発明の微結晶シリコン膜の形成方法で作製したことを特徴とする光起電力素子である。
さらに、本発明は、少なくとも光活性層の一部に微結晶を含むシリコン系半導体層を用いた光起電力素子であって、該シリコン系半導体層のX線による、(220)回折ピークに対する(111)回折ピークの強度比範囲が0.25〜5.0、より好ましくは0.3〜2.0であることを特徴とする光起電力素子である。
本発明の微結晶シリコン膜の形成方法によれば、堆積速度を低下させず、良質な微結晶シリコンを堆積させることができる。より具体的には、X線回折法による(220)回折ピークに対する(111)回折ピークの強度比範囲が0.25〜5.0、さらに好ましくは0.3〜2.0であり、光起電力素子の光活性層の一部に導入した際に、優れた太陽電池特性が得られる微結晶シリコン膜(シリコン系半導体層)を形成することができる。
また、本発明の光起電力素子によれば、良好な光電変換効率を持ち、しかも、低温で安価に製造でき、さらに、長時間の使用において経時変化に強く、総合的に優れた光起電力素子を実現できる。
本発明の微結晶シリコン膜の形成方法は、プラズマ発生用電極と基板との間にシリコン原子を含む原料ガスを導入し、プラズマを発生させて実質的に真性の微結晶シリコン膜を基板上に形成する方法に関するものであり、以下に本発明の実施の形態を説明する。
[本発明の微結晶シリコン膜の形成方法]
本発明者らは、プラズマのON/OFFを複数回繰り返す間欠式堆積膜形成方法によって作成した微結晶シリコン膜(微結晶を含むシリコン系i型半導体層)を用いた光起電力素子の光電変換特性が、この微結晶シリコン膜の形成条件によって大きく変化する事に注目して鋭意検討を行った。
本発明者らは先ず、図2に示すロールツーロール装置201(装置の詳細は後述する。)を使用し、間欠式堆積膜形成方法によって微結晶シリコン膜を形成して光起電力素子を作成するに際し、微結晶シリコン膜の膜厚および成膜条件(反応性ガス流量、圧力、投入電力、温度等)を同じ条件とし、基板の搬送速度のみを異ならせた実験を行った。この時、膜厚を一定にする為、使用する放電電極の数(若しくは面積)、即ち放電領域の大きさを適宜調整した。また、プラズマOFF時には、H2ガスを主体とする雰囲気中に基板を保持した。
このときの実験結果を図6に示した。図6は、光起電力素子の変換効率、Voc、短絡光電流密度(Jsc)、曲線因子(FF)、微結晶シリコン膜の膜厚(Thickness)、それぞれのパラメータについての最大値を1とした相対値を示している。この結果、微結晶シリコン膜の膜厚はほぼ一定にもかかわらず、基板の搬送速度を300mm/minから550mm/minすることで、変換効率、Jsc、FFの向上が見られた。
このときのJscとFFが良くなった原因として、微結晶シリコン成膜時において、長時間の放電に晒される事無く、ある一定の間隔でプラズマに晒される時間と、H2雰囲気中での冷却を繰り返す事で、(1)微結晶シリコンの成長過程に起こる膜ひずみ及びクラックの発生を抑え、また、(2)H2雰囲気中での冷却により、成膜空間内で受けたシリコン膜へのダメージやダングリングボンド等の影響を抑える事で欠陥密度を低減できた結果だと考えられる。
そこで本発明者らは、上記作用の最適条件を見出せば前述した課題の解決になると考え、更なる実験を行った。具体的には、図3のバッチ式半導体形成装置を使用し、1サイクル(1回のプラズマのON時)に堆積する微結晶シリコン膜(微結晶を含むシリコン系i型半導体層)の膜厚を100nmから1100nmまで変化させ、図1のような光起電力素子(詳細は後述する。)を作成した。その成膜方法について図3を用いて簡単に説明する。
図3の半導体形成用真空容器302内にステンレス基板301(SUS430)をセットし、ガス導入管305よりSiH4ガス195cm3/min(normal)、SiF4ガス500cm3/min(normal)、H2ガス5000cm3/min(normal)導入した。さらに排気口306を介し、不図示の真空ポンプと圧力調節器により真空容器内を500Paに保った。そこへ高周波電源307よりVHFパワー2.5kWと、DCバイアスとして−100Vをプラズマ内に導入し、成膜した。この時の成膜速度は1.0nm/secであった。
以上のようにして作成した光起電力素子の実験結果を図7に示した。図7は変換効率の最大値を1とした相対値を示している。この結果より、太陽電池特性において、1サイクルあたりの膜厚が600nm以下で大きな効果があることが分かる。また、上記結果より図4に示すnip接合における微結晶i型半導体層(402−2)の1サイクル部分の積層の周期を小さくする方向で改善される傾向がみられ、しかもこの周期が600nm以下を境に飛躍的に特性が改善されることが分かった。なお、図4はnip接合の順で堆積される半導体層を模式的に示しており、401はn型半導体層、402−1はn/iバッファ層、402−2は微結晶i型半導体層、402−3はp/iバッファ層、403は微結晶p型半導体層である。
さらに本発明者らは高効率および低コスト化のために、鋭意検討を行った。低コスト化するためには堆積速度を速くする必要がある。しかしながら、堆積速度を速くするためにはより高い高周波のパワーが必要となるが、その反面基板温度の上昇とともに特性が低下する。
以上の検討結果から、本発明においては、前述した課題を解決できる微結晶シリコン成膜の最適な条件として、堆積速度1.0nm/sec以上で、且つ1回のプラズマONで600nm以下の膜厚を堆積した時点で、1度放電をOFFする。これにより、微結晶シリコンの成長過程に起こる膜ひずみ及びクラックの発生を抑えることができる。そして、好ましくは、プラズマOFF時にはH2ガスを主体とする雰囲気中に基板を保持し、H2雰囲気中での冷却を行う。これにより、成膜空間内で受けたシリコン膜へのダメージやダングリングボンド等の影響を抑える事で欠陥密度を低減することができる。
つまり、本発明者らは、微結晶シリコン成膜の1サイクルとして、『1回のプラズマONで600nm以下の膜厚を堆積した時点で1度放電をOFFする』ことが、高速成膜と膜質向上を両立させる最適な相互作用点であることを見出したものである。さらにまた、再度成膜初期条件を整えて、微結晶シリコンを堆積する。この成膜手順を繰り返す事で、堆積速度1.0nm/sec以上の高速成膜を維持しつつ、良質な微結晶シリコンを得ることができる。
また、本発明者らは、以上のような成膜条件で得られた微結晶シリコン膜のX線回折法による分析を行ったところ、(220)回折ピークに対する(111)回折ピークの強度比範囲が0.25〜5.0、さらに好ましくは0.3〜2.0であれば、かかる微結晶シリコン膜を光起電力素子の光活性層の一部に導入した際に、太陽電池特性に優れたシリコン系半導体層となることが確認された。
一方、先に示した特許文献5、或いは特許文献6によれば、(220)回折ピークに対する(111)回折ピークの強度比が1/5以下、または1/10以下である旨の記載がある。
このX線回折によるピーク比の違いが、本発明と先行技術との大きな違いの1つであり、本発明においては上記X線回折による(220)回折ピークに対する(111)回折ピークの強度比範囲が0.25〜5.0、より好ましくは0.3〜2.0の範囲に制御することが重要である。
[本発明の光起電力素子における微結晶シリコン系半導体層領域]
高周波を用いたプラズマCVD法を用いて、太陽電池特性に優れた微結晶シリコン系半導体層を形成する場合には、使用する高周波の周波数や、原料ガスの種類等の成膜条件をそれぞれの段階で組み合わせて行うと効果がある。さらに1回の放電ON時に堆積される膜厚が600nm以下とし、さらに放電OFF時にはH2雰囲気中で冷却され、この放電ON/OFFの1サイクルを繰り返すことで、太陽電池特性に優れた微結晶シリコン系半導体層を形成できる。
結晶相が形成される過程は、結晶化することによる自由エネルギーの変化と、表面積を作る為の自由エネルギーの変化の兼ね合いによって決まる臨界半径より大きな核の形成がまず起こり、さらに、結晶核が形成された後は、表面積エネルギーの増加を伴う新しい結晶核の発生よりも、既存の結晶核の周りに結晶が成長する方がエネルギー的に有利である場合には、新たな結晶核の発生よりも、結晶核の構造を引き継ぐような形で結晶核の成長が進行していくものと考えられる。
このようにして形成される微結晶シリコン系半導体層領域では、相対的にエッチング効果や、原子の再配置をより引き起こしやすい活性状態のより富んだ形成条件でシリコン系半導体層の形成を行うことが望ましいものであると考えられる。
微結晶シリコン系半導体層領域の形成方法としては、上記のごとく膜堆積反応に加えて同時にエッチング反応も行う反応機構を用いる、フッ素化珪素等のハロゲン化シリコン及び水素を含む原料ガスを用いた高周波プラズマCVD法が好ましいものである。この方法では、プラズマ内にSiXnm(0≦n、m≦4、Xはハロゲン原子)、HX(Xはハロゲン原子)、X(ハロゲン原子)、H等の種々の活性種が形成される。これらの活性種の果たす機能の詳細は不明であるが、シリコン系半導体層の堆積に寄与する活性種に加えてエッチング反応に寄与する活性種もある点が特徴であり、相対的に結合力の弱いSi−Si結合をエッチングしながら膜の堆積が進むようにプラズマプロセスを制御することによって、欠陥密度の少ない良質な膜形成が可能になるものと考えられる。
さらに、エッチング反応の過程では結合が切断されることに伴いラジカルが形成され、これにより構造緩和が促進される為、下地層の構造にとらわれずに、より低温のプロセス温度下での良質なシリコン系半導体層の形成が可能になると考えられる。同時に、下地層との結合力の弱い領域がエッチングされる為、下地層との密着性に優れたシリコン系半導体層の形成も可能になると考えられる。これらの活性種を形成する為には、SiX4(Xはハロゲン原子)と水素ラジカルの活発な反応過程が必要となると考えられる。また水素ラジカルは堆積膜中の過剰なX(ハロゲン原子)の脱離を促進、成長面近傍を拡散することによる構造緩和を活発化させることにより、結晶性を高め、また原子の再配置を引き起こす作用があると考えられる。
以上のことから、本発明に関わる微結晶シリコン系半導体層領域(微結晶シリコン膜)の形成時には、基板近傍にある程度の水素ラジカルが存在することも重要であり、その為には周波数が大きく結合の切断能力の高い高周波を使用することが好ましいものである。
本発明は、上記反応を利用して微結晶シリコン膜のX線回折による(220)回折ピークに対する(111)回折ピークの強度比範囲を0.25〜5.0、より好ましくは0.3〜2.0の範囲に制御することにより特に良好な特性を得ることができる。
なお、高周波の投入法としては、例えば同軸ケーブルを用いた金属電極によって高周波を導入する一般的な平行平板型の投入方法を用いれば良い。金属電極が、表面に複数の穴を有していて、ここからシャワー状にガスを導入する機能をもっているものが好ましい。
さらにまた、1サイクルのプラズマON時に堆積される膜厚を600nm以下とし、プラズマOFF時にはH2雰囲気中である程度冷却されることで更なる効果が得られる。
[本発明の光起電力素子]
次に本発明の光起電力素子の構成要素について説明する。図1は本発明の光起電力素子の一例を示す模式的な断面図である。図中101は基板、102は半導体層、103は第2の透明導電層、104は集電電極である。また、101−1は支持体、101−2は金属層、101−3は第1の透明導電層であり、これらは基板101の構成部材である。但し、金属層101−2、第1の透明導電層101−3は必要に応じて設ける層であって必須ではない。
(基板)
支持体101−1としては、金属、樹脂、ガラス、セラミックス、半導体バルク等からなる板状部材やシート状部材が好適に用いられる。その表面には微細な凸凹を有していても良い。透明基板を用いて基板側から光が入射する構成としても良い。また、基板を長尺の形状とすることによってロールツーロール法を用いた連続成膜を行うことができる。特にステンレス、ポリイミド等の可撓性を有する材料は支持体101−1の材料として好適である。
(金属層)
金属層101−2は電極としての役割と、支持体101−1にまで到達した光を反射して半導体層102で再利用させる反射層としての役割とを有する。その材料としては、Al、Cu、Ag、Au、CuMg、AlSi等を好適に用いることができる。その形成方法としては、蒸着、スパッタ、電析、印刷等の方法が好適である。金属層101−2は、その表面に凸凹を有することが好ましい。それにより反射光の半導体層102内での光路長を伸ばし、短絡電流を増大させることができる。支持体101−1が導電性を有する場合には金属層101−2は形成しなくても良い。
(第1の透明導電層)
第1の透明導電層101−3は、入射光及び反射光の乱反射を増大し、半導体層102内での光路長を伸ばす役割を有する。また、金属層101−2の元素が半導体層102へ拡散あるいはマイグレーションを起こし、光起電力素子がシャントすることを防止する役割を有する。さらに、適度な抵抗をもつことにより、半導体層のピンホール等の欠陥によるショートを防止する役割を有する。さらに、第1の透明導電層101−3は、金属層101−2と同様にその表面に凸凹を有していることが望ましい。第1の透明導電層101−3は、ZnO、ITO等の導電性酸化物からなることが好ましく、蒸着、スパッタ、CVD、電析等の方法を用いて形成されることが好ましい。これらの導電性酸化物に導電率を変化させる物質を添加しても良い。
また、酸化亜鉛(ZnO)層の形成方法としては、スパッタ、電析等の方法、あるいはこれらの方法を組み合わせて形成されることが好ましい。
スパッタ法によって酸化亜鉛膜を形成する条件は、方法やガスの種類と流量、内圧、投入電力、堆積速度、基板温度等が大きく影響を及ぼす。例えばDCマグネトロンスパッタ法で、酸化亜鉛ターゲットを用いて酸化亜鉛膜を形成する場合には、ガスの種類としてはAr、Ne、Kr、Xe、Hg、O2などが挙げられ、流量は、装置の大きさと排気速度によって異なるが、例えば成膜空間の容積が20リットルの場合、1sccmから100sccmが望ましい。また成膜時の内圧は1.33×10-2Pa(1×10-4Torr)から13.3Pa(0.1Torr)が望ましい。投入電力は、ターゲットの大きさにもよるが、直径15cmの場合、10Wから100kWが望ましい。また、基板温度は、堆積速度によって好適な範囲が異なるが、1000nm/hで成膜する場合は、70℃から450℃であることが望ましい。
また、電析法によって酸化亜鉛膜を形成する条件は、耐腐食性容器内に、硝酸イオン、亜鉛イオンを含んだ水溶液を用いるのが好ましい。硝酸イオン、亜鉛イオンの濃度は、0.001mol/lから1.0mol/lの範囲にあるのが望ましく.0.01mol/lから0.5mol/lの範囲にあるのがより望ましく、0.1mol/lから0.25mol/lの範囲にあるのがさらに望ましい。硝酸イオン、亜鉛イオンの供給源としては特に限定するものではなく、両方のイオンの供給源である硝酸亜鉛でも良いし、硝酸イオンの供給源である硝酸アンモニウムなどの水溶性の硝酸塩と、亜鉛イオンの供給源である硫酸亜鉛などの亜鉛塩の混合物であっても良い。
さらに、これらの水溶液に、異常成長を抑制したり密着性を向上させる為に、炭水化物を加えることも好ましいものである。炭水化物の種類は特に限定されるものではないが、グルコース(ブドウ糖)、フルクトース(果糖)等の単糖類、マルトース(麦芽糖)、サッカロース(ショ糖)等の二糖類、デキストリン、デンプン等の多糖類や、これらを混合したものを用いることができる。
水溶液中の炭水化物の量は、炭水化物の種類にもよるが概ね、0.001g/lから300g/lの範囲にあるのが望ましく、0.005g/lから100g/lの範囲にあるのがより望ましく、0.01g/lから60g/lの範囲にあることがさらに望ましい。電析法により酸化亜鉛膜を堆積する場合には、前記の水溶液中に酸化亜鉛膜を堆積する基板を陰極にし、亜鉛、白金、炭素などを陽極とするのが好ましい。このとき負荷抵抗を通して流れる電流密度は、10mA/dm2から10A/dm2であることが好ましい。
以上の方法により、支持体101−1上に必要に応じて、金属層101−2、第1の透明導電層101−3を積層して基板101を形成する。また、素子の集積化を容易にする為に、基板101に中間層として絶縁層を設けても良い。
(半導体層)
半導体層102の形成方法として、nip接合の順で積層される半導体層について以下に記載するが、これに限定されるものではなく、例えばpin接合の順で堆積される半導体層や、nip/nip接合等の多層型シリコン系半導体層であっても良い。
本発明による微結晶シリコン膜(微結晶シリコン系半導体層)がその一部を構成する半導体層102の主たる材料としては、アモルファス相あるいは結晶相、さらにはこれらの混相系のSiが用いられる。Siに代えて、SiとC又はGeとの合金を用いても構わない。半導体層102には同時に、水素及び/又はハロゲン原子が含有される。その好ましい含有量は0.1〜40原子%である。さらに半導体層102は、酸素、窒素等を含有しても良い。半導体層をp型半導体層とするにはIII属元素、n型半導体層とするにはV属元素を含有する。p型層及びn型層の電気特性としては、活性化エネルギーが0.2eV以下のものが好ましく、0.1eV以下のものが最適である。また比抵抗としては100Ωcm以下が好ましく、1Ωcm以下が最適である。スタックセル(pin接合を複数有する光起電力素子)の場合、光入射側に近いpin接合のi型半導体層はバンドギャップが広く、遠いpin接合になるに随いバンドギャップが狭くなるのが好ましい。
光入射側のドープ層(p型層もしくはn型層)は光吸収の少ない結晶性の半導体か、又はバンドギャップの広い半導体が適している。pin接合を2組積層したスタックセルの例としては、i型シリコン系半導体層の組み合わせとして、光入射側から(アモルファス半導体層、結晶相を含む半導体層)、(結晶相を含む半導体層、結晶相を含む半導体層)となるものが挙げられる。
また、pin接合を3組積層した光起電力素子の例としては、i型シリコン系半導体層の組み合わせとして、光入射側から(アモルファス半導体層、アモルファス半導体層、結晶相を含む半導体層)、(アモルファス半導体層、結晶相を含む半導体層、結晶相を含む半導体層)、(結晶相を含む半導体層、結晶相を含む半導体層、結晶相を含む半導体層)となるものが挙げられる。i型半導体層としては光(630nm)の吸収係数(α)が5000cm-1以上、ソーラーシミュレーター(AM1.5、100mW/cm2)による擬似太陽光照射下の光伝導度(σp)が10×10-5S/cm以上、暗伝導度(σd)が10×10-6S/cm以下、コンスタントフォトカレントメソッド(CPM)によるアーバックエナジーが55meV以下であるのが好ましい。i型半導体層としては、わずかにp型、n型になっているものでも使用することができる。
さらに半導体層102について説明を加える。図1は本発明の光起電力素子の一例として、一組のpin接合をもつ半導体層102(102−1、102−2、102−3、102−4、102−5)を示す模式的な断面図である。図中102−1はn型半導体層を示し、102−2はn/iバッファ層であり、さらに、本発明による微結晶シリコン膜からなるi型半導体層102−3、102−4はp/iバッファ層、また102−5はp型半導体層を積層する。pin接合を複数持つ半導体層においては、そのなかのうちの少なくとも一つが前記の構成であることが好ましい。
半導体層102(102−1、102−2、102−3、102-4、102-5)を形成するには、高周波プラズマCVD法が適している。但し、本発明においては、微結晶シリコン膜からなるi型半導体層102−3は、シリコン原子を含む原料ガス(好ましくは、ハロゲン化シリコン及び水素を含んでいる原料ガス)を用いた高周波CVD法により、1.0nm/sec以上の堆積速度で、プラズマのON/OFFを複数回繰り返すことにより間欠的に成膜し、特に1回のプラズマON時に形成する堆積膜の膜厚が600nm以下となるように制御する。また、好ましくは、プラズマOFF時には、主にH2ガス雰囲気中に保持し、さらにプラズマOFF時の基板温度を50〜300℃の範囲で制御し、またプラズマ発生用電極から基板間の距離を10mm以下とし、帯状基板を用いたロールツーロール方法では、搬送速度を200mm/min以上とする。また、原料ガスの利用効率を高め、且つ結晶性の優れた良質の微結晶を堆積するためには、原料ガスの供給手段としてガス噴出し穴がシャワー形状のものを用い、また、原料ガス1ccあたり2W以上の放電電力で成膜する事が特に好ましい。その結果、品質と生産性を極めて高いレベルで両立させることが可能となる。
以下、高周波プラズマCVD法によって半導体層102を形成する手順の好適な例を示す。
(1)減圧状態にできる半導体形成用真空容器内を所定の堆積圧力に減圧する。
(2)堆積室内に原料ガス、希釈ガス等の材料ガスを導入し、堆積室内を真空ポンプによって排気しつつ、堆積室内を所定の堆積圧力に設定する。
(3)基板101をヒーターによって所定の温度に設定する。
(4)高周波電源によって発振された高周波を前記堆積室に導入する。前記堆積室への導入方法は、高周波がマイクロ波の場合には導波管によって導き、石英、アルミナ、窒化アルミニウムなどの誘電体窓を介して堆積室内に導入したり、高周波がVHFやRFの場合には同軸ケーブルによって導き、金属電極を介して堆積室内に導入したりする方法がある。
(5)堆積室内にプラズマを生起させて原料ガスを分解し、堆積室内に配置された基板101上に堆積膜を形成する。この手順を必要に応じて複数回繰り返して半導体層102を形成する。
半導体層102の形成条件としては、堆積室内の基板温度は100〜450℃、圧力は300Pa(2.25Torr)〜1500Pa(11.25Torr)、高周波パワー密度は0.001W/cm3(投入電力/堆積室体積)が好適な条件として挙げられる。
半導体層102の形成に適した原料ガスとしては、SiH4、Si26等のシリコン原子を含有したガス化しうる化合物、SiF4、Si26、SiH22、SiH2Cl2、SiCl4、Si2Cl6等のハロゲン化シリコンが挙げられる。常温で気化しているものはガスボンベを用い、液化しているものは不活性ガスによるバブリングを行って使用する。合金系にする場合にはさらに、GeH4やCH4などのようにGeやCを含有したガス化しうる化合物を原料ガスに添加することが望ましい。原料ガスは、希釈ガスで希釈して堆積室内に導入することが望ましい。希釈ガスとしては、H2やHeなどが挙げられる。さらに窒素、酸素等を含有したガス化しうる化合物を原料ガス乃至希釈ガスとして添加しても良い。半導体層をp型層とする為のドーパントガスとしてはB26、BF3等が用いられる。また、半導体層をn型層とする為のドーパントガスとしては、PH3、PF3等が用いられる。結晶相の半導体層や、SiC等の光吸収が少ないかバンドギャップの広い層を堆積する場合には、原料ガスに対する希釈ガスの割合を増やし、比較的高いパワー密度の高周波を導入するのが好ましい。
(第2の透明導電層)
第2の透明導電層103は、光入射側の電極であるとともに、その膜厚を適当に設定することにより反射防止膜の役割を兼ねることができる。第2の透明導電層103は、半導体層102の吸収可能な波長領域において高い透過率を有することと、抵抗率が低いことが要求される。好ましくは550nmにおける透過率が80%以上、より好ましくは85%以上であることが望ましい。抵抗率は5×10-3Ωcm以下、より好ましくは1×10-3Ωcm以下であることが好ましい。第2の透明導電層103の材料としては、ITO、ZnO、In23等を好適に用いることができる。その形成方法としては、蒸着、CVD、スプレー、スピンオン、浸漬などの方法が好適である。これらの材料に導電率を変化させる物質を添加しても良い。
(集電電極)
集電電極104は集電効率を向上する為に第2の透明導電層103上に設けられる。その形成方法として、マスクを用いてスパッタによって電極パターンの金属を形成する方法や、導電性ペーストあるいは半田ペーストを印刷する方法、金属線を導電性ペーストで固着する方法などが好適である。
なお、必要に応じて光起電力素子の両面に保護層を形成することがある。同時に光起電力素子の裏面(光入射側と反射側)などに鋼板等の補強材を併用しても良い。
以下の実施例では、光起電力素子として太陽電池を例に挙げて本発明を具体的にするが、これらの実施例は本発明の内容を何ら限定するものではない。
(実施例1)
本実施例は、図2に示した堆積膜形成装置を用い、本発明の方法によって微結晶シリコン膜を形成した例である。
図2は、本発明の微結晶シリコン膜(微結晶を含むシリコン系i型半導体層)及び光起電力素子を製造する堆積膜形成装置の一例を示す模式的な断面図であり、この堆積膜形成装置201は、基板送り出し容器202、半導体形成用真空容器211〜218、基板巻き取り容器203が、ガスゲート221〜229を介して結合することによって構成されている。堆積膜形成装置201には、各容器及び各ガスゲートを貫いて帯状の導電性基板204がセットされる。帯状の導電性基板204は、基板送り出し容器202に設置されたボビンから巻き出され、基板巻き取り容器203で別のボビンに巻き取られる。
半導体形成用真空容器211〜218は、それぞれ堆積室を有しており、各堆積室にそれぞれ搬送方向に対して1.5mの放電空間を持つ。さらに該放電室内の高周波導入部241〜248に高周波電源251〜258から高周波電力を印加することによってグロー放電を生起させ、それによって原料ガスを分解し導電性基板204上に半導体層を堆積させる。また、各半導体形成用真空容器211〜218には、原料ガスや希釈ガスを導入する為のガス導入管231〜238が接続されている。
図2に示した堆積膜形成装置201は、半導体形成用真空容器を8個具備しているが、すべての半導体形成用真空容器でグロー放電を生起させる必要はなく、製造する光起電力素子の層構成にあわせて各容器でのグロー放電の有無を選択することができる。また、各半導体形成用真空容器には、各堆積室内での導電性基板204と放電空間との接触面積を調整する為の、不図示の成膜領域調整板が設けられており、これを調整することによって各容器で形成される各半導体膜の膜厚を調整することができるようになっている。
まず、ステンレス(SUS430 2D)からなる帯状の支持体(幅40cm、長さ200m、厚さ0.125mm)を十分に脱脂、洗浄し、不図示の連続スパッタリング装置に装着し、Ag電極をターゲットとして、厚さ100nmのAg(金属層)をスパッタ蒸着させた。さらにZnOターゲットを用いて、厚さ1200nmのZnO(透明導電層)をAg(金属層)の上にスパッタ蒸着し、帯状の導電性基板204を形成した。
次に基板送り出し容器202に、導電性基板204を巻いたボビンを装着し、導電性基板204を搬入側のガスゲート、半導体形成用真空容器211、212、213、214、215、216、217、218、搬出側のガスゲートを介し、基板巻き取り容器203まで通し、帯状の導電性基板204が弛まないように不図示の張力機構により張力調整を行った。そして、基板送り出し容器202、半導体形成用真空容器211、212、213、214、215、216、217、218、基板巻き取り容器203を真空ポンプ261、262、263、264、265、266、267、268からなる真空排気系により、6.7×10-4Pa(5×10-6Torr)以下まで充分に真空排気した。
次に、半導体形成用真空容器212と213にはガス導入管から3000cm3/min(normal)のH2ガスと、500cm3/min(normal)のSiF4及び200cm3/min(normal)のSiH4を供給した。
また、半導体形成用真空容器212と213以外の半導体形成用真空容器にはガス導入管から500cm3/min(normal)のH2ガスを導入し、同時に不図示の各ガス供給管から、各ガスゲートにゲートガスとして1000cm3/min(normal)のH2ガスを供給した。この状態で真空排気系の排気能力を調整して、半導体形成用真空容器212と213内の圧力を所望の圧力に調整した。半導体形成用真空容器212と213における形成条件は表1に示す通りである。
Figure 2005317855
上記の形成条件で、まず半導体形成用真空容器212と213内の圧力が安定したところで、基板送り出し容器202から基板巻き取り容器203の方向に、導電性基板204を搬送速度300mm/minで移動した。
次に、半導体形成用真空容器212と213内のAl製の金属電極(プラズマ発生用電極)からなる高周波導入部242と243を介して、周波数60MHz、シリコン原子を含む原料ガス1ccあたり2W以上の高周波電力密度を堆積室内に導入し、堆積室内にグロー放電を生起し、導電性基板204上に、シリコン系半導体層(膜厚300nm)を形成した。また、半導体形成用真空容器212と213の間に設置されたガスゲート223ではH2雰囲気で冷却されたシリコン系半導体層を形成した。
なお、本実施例では、電極から基板間の距離を10mm以下に設定することで、ハイレート系の堆積方法としており、半導体形成用真空容器212と213における成膜速度は1.0nm/secである。
(実施例2)
実施例1と同様に真空排気系を作動させつつ、半導体形成用真空容器212と213にはガス導入管から3000cm3/min(normal)のH2ガスと、500cm3/min(normal)のSiF4及び200cm3/min(normal)のSiH4を供給した。
また、半導体形成用真空容器212と213以外の半導体形成用真空容器にはガス導入管から500cm3/min(normal)のH2ガスを導入し、各ガスゲートからはゲートガスは導入しなかった。この状態で真空排気系の排気能力を調整して、半導体形成用真空容器212と213内の圧力を所望の圧力に調整した。すなわちゲートガスを流さない状態とした以外は、実施例1と同様である。
実施例1と実施例2で作成したシリコン系半導体層のラマン散乱スペクトルを測定し、520cm-1付近(結晶成分に起因)と480cm-1付近(アモルファスに起因)のラマン強度比を調べた。以上の結果を表2に示す。
Figure 2005317855
以上のことから、プラズマOFF時には、H2ガスを主体とする雰囲気中に基板を保持することによって、より良い結果が得られるのが分かる。すなわち水素雰囲気中での冷却が、より結晶化度、結晶性、配向性に優れ、結晶粒径の大きなシリコン系半導体層の堆積が可能となる。
(実施例3)
実施例3では、ゲートガスのH2雰囲気における最適な冷却温度を見つける実験を行った。具体的には図2に示した堆積膜形成装置201を用い、以下の手順で図1に示した光起電力素子を形成した。
図1は本発明のシリコン系半導体層を有する光起電力素子の一例を示す模式的な断面図である。この光起電力素子の半導体層102は、アモルファスn型半導体層102−1とn/iバッファ層102−2と微結晶i型半導体層102−2とp/iバッファ層102−4と微結晶p型半導体層102−5とからなっている。すなわち、この光起電力素子はいわゆるpin型シングルセル光起電力素子である。
実施例1と同様に、図2において帯状の導電性基板204を作成し、堆積膜形成装置201に装着し、基板送り出し容器202、半導体形成用真空容器211、212、213、214、215、216、217、218、基板巻き取り容器203を真空ポンプ261〜268からなる真空排気系により、6.7×10-4Pa(5×10-6Torr)以下まで充分に真空排気した。
次に、表3に示す条件で、pin型シングルセル光起電力素子を作成した。先ず真空排気系を作動させつつ、半導体形成用真空容器211ではアモルファスn型半導体層102−1を作成するためガス導入管から1500cm3/min(normal)のH2ガスと、45cm3/min(normal)のSiH4及び300cm3/min(normal)のPH3ガスを供給した。また、RFパワーは300W、基板温度250℃、圧力500Paの条件で成膜した。このアモルファスn型半導体層102−1の膜厚は10nmであった。
さらに、半導体形成用真空容器212ではn/iバッファ層102−2を作成するためガス導入管から5000cm3/min(normal)のH2ガスと、20cm3/min(normal)のSiH4を供給した。また、RFパワーは800W、基板温度220℃、圧力500Paの条件で成膜した。このn/iバッファ層102−2の膜厚は10nmであった。
さらにまた、半導体形成用真空容器213〜216ではi層102−3を作成するためガス導入管から5000cm3/min(normal)のH2ガスと、175cm3/min(normal)のSiH4ガスと、500cm3/min(normal)のSiF4ガスを供給した。また、VHFパワーは2500W、DCバイアスは-100V、基板温度150℃、圧力500Paの条件で成膜した。このi層102−3の膜厚は1200nmであった。
さらに、半導体形成用真空容器217ではp/iバッファ層102−4を作成するためガス導入管から2500cm3/min(normal)のH2ガスと、50cm3/min(normal)のSiH4を供給した。また、RFパワーは200W、基板温度220℃、圧力500Paの条件で成膜した。このp/iバッファ層102−4の膜厚は10nmであった。
さらにまた、半導体形成用真空容器218では微結晶p型半導体層102−5を作成するためガス導入管から6670cm3/min(normal)のH2ガスと、15cm3/min(normal)のSiH4ガスと、225cm3/min(normal)のBF3ガスを供給した。また、RFパワーは1600W、基板温度140℃、圧力500Paの条件で成膜した。この微結晶p型半導体層102−5の膜厚は10nmであった。
また同時に不図示の各ガス供給管から、各ガスゲートにゲートガスとして1000cm3/min(normal)のH2ガスを供給した。
このときガスゲート223〜227での放電OFF時の基板温度を10〜400℃まで変更し、最適条件を見つける実験を行った。なお、放電OFF時の基板温度の変更はガスゲート223〜227の長さを変更して行った。具体的には、50mm長のガスゲートを20個作成し、それぞれを組み合わせて使用してガスゲートの長さを50〜1000mmに変更した。また、この時、搬送速度300mm/min一定で実験を行った。
また、本発明に関わる半導体形成用真空容器213〜216における成膜速度は1.0nm/secで、1回のプラズマON時における膜厚は300nmとした。
Figure 2005317855
次に不図示の連続モジュール化装置を用いて、形成した帯状の光起電力素子を36cm×22cmの太陽電池モジュールに加工した。
実施例3で作成した太陽電池モジュールの変換効率を確認した結果を図8に示す。図8は変換効率が最大である太陽電池モジュールを1とした相対値を示している。図8より、ガスゲートの冷却によってプラズマOFF時の基板温度を50〜300℃の範囲で制御することが最適であることが分かる。なお、ガスゲート長は100mm以上で放電OFF時の基板温度を50〜300℃に設定することができた。
(実施例4)
実施例4では、ロールツーロール式堆積膜形成装置を用いて、プラズマ発生用電極と対向配置された基板との間の距離、さらにはプラズマ発生用電極と基板との間の圧力(即ち、放電空間内圧力)の最適な条件を見つける実験を行った。
実施例1乃至3によって確認された最適条件下、即ち、プラズマOFF時に基板が通過するガスゲートにH2ガスを供給し、プラズマOFF時の基板温度を50〜300℃の範囲に設定した条件下で、プラズマ発生用電極と基板との距離と、放電空間内圧力を変更して、実施例3と同様に帯状の導電性基板に光起電力素子を形成した。
次に、実施例3と同様に、連続モジュール化装置を用いて、形成した帯状の光起電力素子を36cm×22cmの太陽電池モジュールに加工し、この太陽電池モジュールの変換効率を確認した結果、プラズマ発生用電極と対向配置された基板との間の距離を10mm以下、放電空間内圧力を300〜1500Paの条件で微結晶i型半導体層102−3を成膜したものは、極めて良好な特性が得られた。
(実施例5)
実施例5では、ロールツーロールにおける成膜速度の最適な条件を見つける実験を行った。
実施例1乃至4によって確認された最適条件下、即ち、プラズマOFF時に基板が通過するガスゲートにH2ガスを供給し、プラズマOFF時の基板温度を50〜300℃、プラズマ発生用電極と基板との間の距離を10mm以下、さらに放電空間内圧力を300〜1500Paの条件下で、成膜速度を0.1nm/sec〜10nm/secの範囲で変更して、実施例3と同様に帯状の導電性基板に光起電力素子を形成した。なお、本実施例では、1回のプラズマON時における膜厚を一定(300nm)とするため、搬送速度を変更した。
次に、実施例3と同様に、連続モジュール化装置を用いて、形成した帯状の光起電力素子を36cm×22cmの太陽電池モジュールに加工し、この太陽電池モジュールの変換効率を確認した結果を図9に示す。図9より、成膜速度が1.0nm/sec以上のハイレート系で本発明による効果があることがわかった。
(実施例6)
実施例1乃至5で得られた知見より本発明者らは、図2に示した堆積膜形成装置201を用い、以下の手順で図5に示した光起電力素子を形成した。
図5は本発明のシリコン系半導体層を有する光起電力素子の一例を示す模式的な断面図である。この光起電力素子の半導体層は、アモルファスn型半導体層502-1、n/iバッファ層502-2、微結晶i型半導体層502-3、p/iバッファ層502-4、微結晶p型半導体層502-5、アモルファスn型半導体層503-1、n/iバッファ層503-2、アモルファスi型半導体層503-3、p/iバッファ層503-4、及び、微結晶p型半導体層503-5とからなっている。すなわち、この光起電力素子はいわゆるpinpin型ダブルセル光起電力素子である。
実施例1と同様に、帯状の導電性基板204を作成し、堆積膜形成装置201に装着し、基板送り出し容器202、半導体形成用真空容器211、212、213、214、215、216、217、218、基板巻き取り容器203を真空ポンプ261〜268からなる真空排気系により、6.7×10-4Pa(5×10-6Torr)以下まで充分に真空排気した。
次に、真空排気系を作動させつつ、半導体形成用真空容器211〜218へガス導入管231〜238から原料ガス及び希釈ガスを供給した。
また、不図示の各ガス供給管から、各ガスゲートにゲートガスとして1000cm3/min(normal)のH2ガスを供給した。この状態で真空排気系の排気能力を調整して、半導体形成用真空容器211〜218内の圧力を所望の圧力に調整した。形成条件はボトムセル成膜条件(表3)、トップセル成膜条件(表4)に示す通りであった。
Figure 2005317855
先ず実施例3と同様に上記表3の形成条件でボトムセルを作成する。また半導体形成用真空容器211〜218内の圧力が安定したところで、基板送り出し容器202から基板巻き取り容器203の方向に、導電性基板204の移動を開始した。
次に、半導体形成用真空容器211〜218内の高周波導入部241〜248に高周波電源251〜258より高周波を導入し、半導体形成用真空容器211〜218内の堆積室内にグロー放電を生起し、導電性基板204上に、アモルファスn型半導体層502-1(膜厚10nm)、n/iバッファ層502-2(膜厚10nm)、微結晶i型半導体層502-3(膜厚1200nm)、p/iバッファ層502-4(膜厚10nm)、微結晶p型半導体層502-5(膜厚10nm)を形成してボトムセルを作成する。
微結晶i型半導体層502-3の形成には本発明の微結晶シリコン膜の形成方法を用いることが重要で、具体的には1.0nm/sec以上の堆積速度で、プラズマのON/OFFを複数回繰り返す間欠式堆積膜形成方法において、1回のプラズマON時に形成する堆積膜の膜厚を600nm以下とし、プラズマOFF時には、H2ガスを主体とする雰囲気中に基板を保持し、さらにプラズマOFF時の基板温度を50〜300℃の範囲で制御し、またプラズマ発生用電極から基板間の距離を10mm以下とし、プラズマ発生用電極と基板との間の圧力を300〜1500Pa、また、生産性を考慮すると基板の搬送速度が速いほど良いが、前記H2ガスを主体とする雰囲気中に基板を保持し、さらにプラズマOFF時の基板温度を50〜300℃の範囲で制御し、本発明の効果を得るためには200mm/min以上の搬送速度が最適であることがわかった。さらにまた生産性を上げるためガスの分解能力を十分引き出せる条件としては、シリコン原子を含む原料ガス1ccあたり2W以上の放電電力密度で成膜することも確認した。以上のような成膜条件を満たすことで本発明による絶大なる効果が得られる。
さらに不図示の装置を用いてアモルファスn型半導体層503-1(膜厚10nm)、n/iバッファ層503-2(膜厚10nm)、アモルファスi型半導体層503-3(膜厚400nm)、p/iバッファ層503-4(膜厚10nm)、微結晶p型半導体層503-5(膜厚10nm)を形成してトップセルを作成してダブルセルの光起電力素子を形成した。
上述の方法で形成した半導体層を含む図5の光起電力素子を不図示の連続モジュール化装置を用いて、形成した帯状の光起電力素子を36cm×22cmの太陽電池モジュールに加工した。
本実施例で作成した太陽電池モジュールの変換効率および光劣化を測定した結果、初期変換効率12.85%、光劣化後11.8%を得た。また、この太陽電池モジュールは密着性、温湿度試験や光劣化試験に対する耐久性に優れており、以上のことより本発明の光起電力素子を含む太陽電池モジュールは、優れた特長を持つことが分かる。
本発明のシリコン系半導体層を含む光起電力素子(微結晶シリコンシングルセル)の一例を示す模式図である。 本発明の微結晶シリコン膜及び光起電力素子を製造するロールツーロール式堆積膜形成装置の模式図である。 本発明の微結晶シリコン膜及び光起電力素子を製造するバッチ式堆積膜形成装置の模式図である。 本発明の微結晶シリコン膜を有する半導体層の一例を示す模式図である。 本発明のシリコン系半導体層を含む光起電力素子(微結晶シリコン/アモルファスシリコンダブルセル)の一例を示す模式図である。 間欠式堆積膜形成方法によって作成した光起電力素子の特性結果を示す図である。 1サイクルに堆積する微結晶シリコンの膜厚と変換効率の相関図である。 放電OFF時の基板温度と変換効率の相関図である。 堆積速度と変換効率の相関図である。
符号の説明
101 基板
101−1 支持体
101−2 金属層
101−3 透明導電層
102 半導体層
102−1 アモルファスn型半導体層
102−2 アモルファスn/i型バッファ層
102−3 微結晶i型半導体層
102−4 微結晶p/iバッファ層
102−5 微結晶p型半導体層
103 透明電極
104 集電電極
201 堆積膜形成装置
202 基板送り出し容器
203 基板巻き取り容器
204 導電性基板
211〜218 半導体形成用真空容器
221〜229 ガスゲート
231〜238 ガス導入管
241〜248 高周波導入部
251〜258 高周波電源
261〜268 真空ポンプ
301 基板
302 半導体形成用真空容器
303 冷却機構付き基板ヒーター
304 シャワーカソード
305 ガス導入管
306 排気口
307 高周波電源
402−1 アモルファスn/i型バッファ層
402−2 微結晶i型半導体層
402−3 微結晶p/iバッファ層
501 基板
501−1 支持体
501−2 金属層
501−3 透明導電層
502 微結晶シリコンボトムセル
502−1 アモルファスn型半導体層
502−2 アモルファスn/i型バッファ層
502−3 微結晶i型半導体層
502−4 微結晶p/iバッファ層
502−5 微結晶p型半導体層
503 アモルファスシリコントップセル
503−1 アモルファスn型半導体層
503−2 アモルファスn/i型バッファ層
503−3 アモルファスi型半導体層
503−4 微結晶p/iバッファ層
503−5 微結晶p型半導体層
504 透明電極
505 集電電極

Claims (10)

  1. 少なくともプラズマ発生用電極と、該電極に対向して配置された基板との間にシリコン原子を含む原料ガスを導入し、プラズマを発生させて実質的に真性の微結晶シリコン膜を前記基板上に形成する微結晶シリコン膜の形成方法であって、
    1.0nm/sec以上の堆積速度で、プラズマのON/OFFを複数回繰り返すことにより間欠的に堆積膜を形成する工程を有し、前記1回のプラズマON時に形成する堆積膜の膜厚が、600nm以下とすることを特徴とする微結晶シリコン膜の形成方法。
  2. 前記プラズマOFF時には、H2ガスを主体とする雰囲気中に前記基板を保持することを特徴とする請求項1に記載の微結晶シリコン膜の形成方法。
  3. 前記プラズマOFF時の基板温度を、50〜300℃の範囲で制御することを特徴とする請求項1又は2に記載の微結晶シリコン膜の形成方法。
  4. 前記プラズマ発生用電極と前記基板との間の距離が10mm以下であり、かつ、該プラズマ発生用電極と該基板との間の圧力が300〜1500Paであることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の微結晶シリコン膜の形成方法。
  5. 前記基板を搬送する工程を含み、搬送速度を200mm/min以上とすることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の微結晶シリコン膜の形成方法。
  6. 前記原料ガスを、前記プラズマ発生用電極から導入することを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の微結晶シリコン膜の形成方法。
  7. 前記プラズマ発生用電極には前記原料ガス1ccあたり、2W以上の電力を印加することを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の微結晶シリコン膜の形成方法。
  8. 少なくとも光活性層の一部に微結晶シリコン膜を用いた光起電力素子であって、該微結晶シリコン膜を請求項1乃至7のいずれかに記載の方法で作製したことを特徴とする光起電力素子。
  9. 少なくとも光活性層の一部に微結晶を含むシリコン系半導体層を用いた光起電力素子であって、該シリコン系半導体層のX線による、(220)回折ピークに対する(111)回折ピークの強度比範囲が0.25〜5.0であることを特徴とする光起電力素子。
  10. 少なくとも光活性層の一部に微結晶を含むシリコン系半導体層を用いた光起電力素子であって、該シリコン系半導体層のX線による、(220)回折ピークに対する(111)回折ピークの強度比範囲が0.3〜2.0であることを特徴とする光起電力素子。
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