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JP2005300490A - メカニカル検出素子および検出器 - Google Patents

メカニカル検出素子および検出器 Download PDF

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Koji Yamaguchi
浩司 山口
Yoshio Hirayama
祥郎 平山
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Abstract

【課題】 感度の高いメカニカル検出素子および検出器を提供する。
【解決手段】 微細加工により作製した梁片持ち梁1Aと、片持ち梁1Aからなる抵抗体の抵抗値が測定できる電極2、3とを有し、片持ち梁1Aに加わった微小な力を、ピエゾ抵抗効果により抵抗値の変化として検出するメカニカル検出素子において、電極2、3を通じて抵抗値を測定する対象がカーボンナノチューブ4により構成される。
【選択図】 図1

Description

本発明は、梁状に加工した固体素片の弾性的な変形を検知することにより、この素片に加わった微小な力あるいは他の物理量を高感度に検出するメカニカルな検出素子および検出器に関する。
メカニカルな検出素子は民生機器用素子として用いられる。この素子の一例は、次のように作られる。リソグラフィーに代表される半導体微細加工技術を用い、シリコン等の固体薄膜を梁状に加工して、メカニカル検出素子の梁が形成される。この検出素子によれば、梁の弾性的な変位による半導体の物性変化を、電気的あるいは光学的に検出することにより、梁に加わった微小な力や他の物理量を検知する。
このようなメカニカル検出素子は、走査型プローブ顕微鏡のカンチレバーや加速度センサーなど、民生機器用素子として広く用いられている。特に、以下の3種類の電気的メカニカル検出素子は、光学系等の外部部品を必要としない自己検知型センサーとして広く用いられている。
1.ピエゾ抵抗効果検出素子
2.静電容量型検出素子
3.トンネル電流型検出素子
ピエゾ抵抗効果検出素子は、梁の全部あるいは一部分の抵抗値が測定できる電極を有し、梁に加わった微小な力を、この抵抗値の変化として検出する。静電容量型検出素子は、静電容量が測定できる1つあるいは2つの導電体を有し、梁に加わった微小な力を、この導電体の静電容量の変化として検出する(非特許文献1、2)。トンネル電流型検出素子は、電子の波長と同程度に近接した2つの導電体、すなわちトンネル接合と、そのトンネル接合に流れるトンネル電流を測定することができる電極を有し、梁に加わった微小な力を、このトンネル電流の変化として検出する(非特許文献3)。
これらの電気的メカニカル力検出素子は、微小な力の検出はもとより、加速度、電荷、磁気、変位センサーなど、梁の弾性変形を用いる、あらゆる高感度センサーの基本素子として重要である。
自己検知型の力検出素子であるピエゾ抵抗効果検出素子の例を図4に示す。図4のピエゾ抵抗効果検出素子は、絶縁性Si薄膜101、導電性Si薄膜102、および電極103、104を備えている。この検出素子では、絶縁性の高いSi半導体(絶縁性Si薄膜101)上に、導電性を持つSi薄膜(導電性Si薄膜102)が、不純物の拡散などのドーピング手法を用いて作製されている。
絶縁性Si薄膜101は、絶縁性をもつSi薄膜層である。導電性Si薄膜102は、絶縁性Si薄膜101の上に、ドーピングにより形成された導電性を持つSi薄膜層である。電極103、104は、導電層である導電性Si薄膜102に電流を注入するために用いられる、オーム型の電極である。そして、半導体微細加工技術を用いて、半導体薄膜を梁状に加工し、片持ち梁111が形成されている。
この検出素子では、片持ち梁111の先端に力が加わり、片持ち梁111がたわむと、導電性Si薄膜102は面内の歪を受ける。たとえば、片持ち梁111が下向きにたわむと、導電性Si薄膜102は引っ張り応力を受け、体積が膨張する。この体積膨張に対し、半導体に顕著にみられる変形ポテンシャル効果および圧電効果の2つの効果(ピエゾ抵抗効果)により、導電性Si薄膜102の抵抗値が変化する。したがって、電極103と電極104との間の抵抗値の変化を、配線105、106に電流を流して検出することにより、片持ち梁111のたわみを検出することができる。この結果、片持ち梁111に加わった力を検出することが可能である。
つぎに、従来の技術の別の一例として、静電容量型およびトンネル電流型の加速度検出素子の例を図5に示す。図5の加速度検出素子は、導電性Si薄膜201、202、電極203、204、片持ち梁211、および空隙212を備えている。空隙212は、片持ち梁211の長尺方向に対し傾いた対向平面を持つ。片持ち梁211と空隙212とは、微細加工により作製した両持ち梁を、異方性エッチングや集積イオンビーム(FIB)加工することなどにより作製される。
この加速度検出素子では、素子全体に力が加わり、それにより生じた加速度によって片持ち梁211がたわむと、空隙212の間隔が変化する。その結果、導電性Si薄膜201と導電性Si薄膜202との間の静電容量が変化する。したがって、電極203と電極204との間の静電容量の変化を、配線205、206に交流電流を流して検出することにより、片持ち梁211のたわみを検出することができる。この結果、片持ち梁211の加速度、すなわち素子にかかった力を検出することが可能である。すなわち、この素子は静電容量型加速度検出素子として動作する。
ところで、この加速度検出素子では、空隙212の間隔が電子の波長と同程度に近接している場合、量子力学的なトンネル効果により、導電性Si薄膜201と導電性Si薄膜202との間にトンネル電流が流れる。このトンネル電流は、空隙212の間隔の変化に対して極めて敏感なため、トンネル電流の変化を配線205、206に電流を流して検出することによっても、片持ち梁211の加速度を検出することが可能である。すなわち、この素子は、空隙212が十分に小さい場合、トンネル電流型加速度検出素子として作用する。
Sensors and Actuators, A21-A23,1990 pp.297 アプライド・フィジックス・レター誌、62巻、1993年、834−836頁(Applied Physics Letter, Volume62, 1993 pp.834-836) アプライド・フィジックス・レター誌、58巻、1991年、100頁(AppliedPhysics Letter, Volume58, 1991 pp.100)
先に説明した従来の技術には、次の課題がある。通常用いられているピエゾ抵抗効果検出素子は、導電性半導体薄膜の変形ポテンシャル効果ならびに圧電効果によるバルク半導体固有の抵抗値変化を用いている。このため、梁の変位に対する抵抗値の変化が小さく、レーザー干渉計などを用いた変位センサーを応用した検出素子に比較して、感度が著しく低いという問題点がある。
また、通常用いられている静電容量型検出素子では、静電容量の変化比を測定するため、素子の感度を向上させるためには、非動作時の静電容量を小さくする必要がある。静電容量を測定する空隙は、電子ビーム露光やFIB加工により作製される。このため、対向する接合面は、最小でも数十ナノメートル程度の大きさを持ち、静電容量を小さくする目的において作製上の限界がある。特に、シリコン等の半導体を用いて静電接合を作製する場合には、半導体の空乏層により接合面間の距離も空乏層厚以下にはならず、感度向上に限界がある。同様の状況は、トンネル接合型力検出素子であるトンネル電流型検出素子の場合にも生じ、加工精度の限界により生じる感度限界が避けられない。
したがって、いずれの検出素子においても、導電性を持つバルク材料をリソグラフィー等の微細加工技術を用いて作製を行うという共通点に、加工精度とバルク材料の特性とからくる感度限界が生じるという点が、最も大きな問題点として指摘できる。
本発明は、前記の課題を解決し、感度の高いメカニカル検出素子および検出器を提供することにある。
前記課題を解決するために、請求項1の発明は、微細加工により作製した梁と、その梁の全部あるいは一部分からなる抵抗体の抵抗値が測定できる電極とを有し、前記梁に加わった微小な力を、ピエゾ抵抗効果により前記抵抗値の変化として検出するメカニカル検出素子において、前記電極を通じて抵抗値を測定する対象の全部あるいは一部がカーボンナノチューブにより構成されることを特徴とするメカニカル検出素子である。
請求項2の発明は、微細加工により作製した梁と、静電容量が測定できる1つあるいは2つの導電体を有し、前記梁に加わった微小な力を前記導電体の静電容量の変化として検出するメカニカル検出素子において、前記導電体の全部あるいは一部がカーボンナノチューブにより構成されることを特徴とするメカニカル検出素子である。
請求項3の発明は、微細加工により作製した梁と、電子の波長と同程度に近接した2つの導電体により形成されるトンネル接合と、このトンネル接合に流れるトンネル電流を測定することができる電極とを有し、前記梁に加わった微小な力をこのトンネル電流の変化として検出するメカニカル検出素子において、前記トンネル接合の全部あるいは一部がカーボンナノチューブにより構成されることを特徴とするメカニカル検出素子である。
請求項4の発明は、請求項1〜3のいずれか1項に記載のメカニカル検出素子において、前記抵抗体、前記導電体、および前記トンネル接合を2個以上組み合わせた構造あるいは回路の電気的特性の変化を測定することにより、前記梁に加わった微小な力を検出するメカニカル検出素子において、前記構造あるいは前記回路の一部がカーボンナノチューブにより構成されることを特徴とする。
請求項5の発明は、請求項1〜4記載のメカニカル検出素子と等価な構造をその全部あるいは構成要素として含む検出器であって、加速度、磁気、電荷、変位、質量、分子、および原子の1つによって、前記梁に弾性的な変形を発生させる発生手段を有することを特徴とする検出器である。
前記構成により、梁の変位が高感度に測定できる理由は以下のとおりである。カーボンナノチューブは、理想的な一次元電気伝導体であることが知られている。一次元電気伝導体における電気伝導率は、フェルミ準位以下に存在する量子化チャネル数に比例する。この量子化チャネルのエネルギー準位とフェルミ準位との相互関係は、カーボンナノチューブの直径、カイラリティーによって決定される。このナノチューブの形状を弾性的に変形すると、伝導電子のエネルギー準位の構造は大きく変化する。また、弾性変形の方向によっては、系の一次元性自体が消失する。このような効果により、カーボンナノチューブの電気伝導率すなわちその逆数である抵抗値は、カーボンナノチューブの弾性的な変形に対し、極めて敏感に変化する。
実際、2000年度のNature405号、769ページにTombler等によって報告されているように、カーボンナノチューブは中央部分の変位に対して0.01nm−1の比抵抗変化がある。これは、半導体ピエゾ抵抗カンチレバーの典型的な変位感度である10−5〜10−6nm−1に比較して、3桁から4桁高い感度に相当する。これより、ピエゾ抵抗効果検出素子の抵抗体としてカーボンナノチューブを用いれば、従来に比較して高い感度の検出素子の作製が可能となる。
また、一方、カーボンナノチューブは、直径がナノスケールという微細なサイズであることより、その静電容量も極めて小さい。したがって、このナノチューブにより接合を作製すれば、非常に小さな静電容量のコンデンサーが作製できる。このコンデンサーを静電容量型メカニカル検出素子に組み込むことにより、高い感度の検出素子の作製が可能となる。
また、同様に、このカーボンナノチューブと電極、あるいはカーボンナノチューブ同士でトンネル接合を作ることにより、接合の空隙の距離変化に極めて敏感なトンネル接合を形成することが可能であり、検出素子の感度を向上させることができる。
したがって、このようにカーボンナノチューブを含む梁を作製し、それに力を加え、カーボンナノチューブの弾性的な変形あるいはカーボンナノチューブの変位を引き起こすことにより、従来技術に比較して桁違いに高い感度を実現することが可能である。言い換えれば、極めて微細かつ特徴的な電気伝導特性を持つカーボンナノチューブを用いることにより、従来のリソグラフィーを用いた技術における加工精度やバルク材料の物性から生じる限界を克服し、高い感度のメカニカル検出素子を作製することが本発明の本質である。
本発明によれば、検出素子を構成する部分の一部にカーボンナノチューブを用いることにより、極めて感度の高い検出素子を得ることができる。
つぎに、本発明の実施形態について、図面を参照して詳しく説明する。
[実施形態1]
本実施形態によるメカニカル検出素子はピエゾ抵抗効果力検出素子であり、このメカニカル検出素子には、梁を構成する材料として絶縁性シリコンが用いられている。本実施形態によるメカニカル検出素子を図1に示す。このメカニカル検出素子は、絶縁性シリコン薄膜1と、片持ち梁1Aと、金属電極2、3と、カーボンナノチューブ4とを備えている。
絶縁性シリコン薄膜1は、絶縁性の高いSi半導体であり、片持ち梁1Aは、絶縁性シリコン薄膜1の一部の微細加工により作製されている。金属電極2、3は、絶縁性シリコン薄膜1に形成されている。金属電極2、3は、L字状の固定部2A、3Aを持っている。固定部2A、3Aは、L字状の先端である屈曲部分が互いに向かい合うように、片持ち梁1Aに配置されている。カーボンナノチューブ4は、金属電極2、3の固定部2A、3Aによって、片持ち梁1Aに固定されている。金属電極2、3の固定部2A、3Aは、カーボンナノチューブ4と良好なオーミック接合を形成する。つまり、金属電極2、3は、カーボンナノチューブ4の電極として作用すると同時に、カーボンナノチューブ4を片持ち梁1A上に固定するためにも用いられている。
こうした構成のメカニカル検出素子の片持ち梁1Aにたわみを加えると、片持ち梁1A上に固定されたカーボンナノチューブ4は、たわみの方向に依存して、引っ張り歪あるいは圧縮歪を受ける。すでに記載したとおり、カーボンナノチューブ4の抵抗値は、これらの歪による弾性変形に極めて敏感である。したがって、金属電極2と金属電極3との間の抵抗値の変化を、配線5、6に流す電流を基にして測定することにより、従来の手法に比較して桁違いに高い感度で、片持ち梁1Aに加えられた、微小な力を検出できる。
[実施形態2]
つぎに、実施形態2について説明する。本実施形態によるメカニカル検出素子はピエゾ抵抗効果変位検出素子であり、本実施形態では、カーボンナノチューブが梁の先端部に取り付けられる構造を有する。本実施形態によるメカニカル検出素子を図2に示す。このメカニカル検出素子は、絶縁性シリコン薄膜11、14と、片持ち梁11Aと、金属電極12、15と、カーボンナノチューブ17とを備えている。
絶縁性シリコン薄膜11、14は、絶縁性の高いSi半導体である。片持ち梁11Aは、絶縁性シリコン薄膜11の一部の微細加工により作製され、同じく、突出部14Aは、絶縁性シリコン薄膜14に作製されている。そして、片持ち梁11Aと突出部14Aとは、それらの先端部が空隙18を介して互いに向かい合うように配置されている。金属電極12は絶縁性シリコン薄膜11に設けられ、金属電極15は絶縁性シリコン薄膜14に設けられている。金属電極12、14は、細長形状の固定部12A、15Aを持っている。カーボンナノチューブ17は、空隙18を橋渡しする位置で配置され、金属電極12、15の固定部12A、15Aによって、片持ち梁11Aと突出部14Aとに固定されている。金属電極12、15は、カーボンナノチューブ17の良好なオーミック電極として作用するとともに、カーボンナノチューブ17を固定する役割を果たしている。
こうした構成のメカニカル検出素子の片持ち梁11Aにたわみを加えると、片持ち梁11Aの先端部の変位により、片持ち梁11Aに固定されているカーボンナノチューブ17には、大きな歪が加えられる。実施形態1と同様に、カーボンナノチューブ17の抵抗値は、この歪による弾性変形に極めて敏感である。したがって、金属電極12と金属電極15との間の抵抗値の変化を、配線13、16に流す電流を基にして測定することにより、従来の手法に比較して桁違いに高い感度で、片持ち梁11Aの先端部の微小な変位を検出することが可能である。
[実施形態3]
本実施形態によるメカニカル検出素子はトンネル接合型変位検出素子であり、このメカニカル検出素子では、切断したカーボンナノチューブをトンネル接合として用いる。なお、本実施形態によるメカニカル検出素子は静電容量型検出素子にも転用するが可能である。本実施形態によるメカニカル検出素子を図3に示す。このメカニカル検出素子は、絶縁性シリコン薄膜11、14と、片持ち梁11Aと、金属電極12、15と、カーボンナノチューブ21とを備えている。なお、図3では、先に説明した図2と同一もしくは同一と見なされる構成要素には、それと同じ参照符号を付けて、その説明を省略する。
カーボンナノチューブ21は、収束イオンビームなどによって2つに切断され、一方のチューブ部分21Aは金属電極12の固定部12Aによって片持ち梁11Aに固定され、他方のチューブ部分21Bは金属電極15の固定部15Aによって突出部14Aに固定されている。カーボンナノチューブ21の切断部分にはトンネル接合21Cが形成されている。
こうした構成のメカニカル検出素子の片持ち梁11Aにたわみを加えると、片持ち梁11Aの先端部の変位により、片持ち梁11Aに固定されているカーボンナノチューブ21のチューブ部分21Aは上下に変位する。一方、カーボンナノチューブ21のチューブ部分21Bは片持ち梁11Aとは独立しているため、変位は生じない。したがって、トンネル接合21Cの間隔は片持ち梁11Aの先端部の変位距離だけ変化する。シリコンに比較してカーボンナノチューブでは、切断された先端まで良好な電気伝導を有するため、この変位に極めて敏感にトンネル電流が変化する。したがって、金属電極12と金属電極15との間に流れるトンネル電流の変化を、配線13、16を用いて測定することにより、従来の手法に比較して桁違いに高い感度で、片持ち梁11Aの先端部の微小な変位を検出することが可能である。
[実施形態4]
前記の各実施形態では、検出する対象が、メカニカル検出素子に加えられる力の場合についてのみ示したが、本実施形態では、各実施形態のメカニカル検出素子を用いて各種測定を行う検出器について説明する。本実施形態では、メカニカル検出素子の片持ち梁の先端近傍に、磁性材料を設ける。この構成によれば、メカニカル検出素子に磁気が加えられると、磁性材料を備える片持ち梁が変位するので、磁気の検出が可能である。なお、この場合には、弾性的な変形を発生させる発生手段が磁気材料である。
また、前記の磁性材料の代わりに、片持ち梁の先端近傍に導電体を設け、さらに、メカニカル検出素子に電界を加える。この構成によれば、片持ち梁の導電体が帯電すると、電界により片持ち梁がしなる。この結果、片持ち梁の導電体に帯電した電荷を検出することができる。この場合には、前記の発生手段が導電体および電界である。
また、メカニカル検出素子の片持ち梁の先端近傍の質量変化により、片持ち梁の共振周波数が変化する。つまり、外部から加振した片持ち梁の共振周波数の変化を電気的に検出することにより、分子、原子、微小物質、微小粒子などの質量を検出することができる。この場合には、前記の発生手段が、片持ち梁の加振構造である。
さらに、片持ち梁の先端の変位や、素子全体が持つ加速度も、片持ち梁のしなりを引き起こすため、これらの変位や加速度の検出素子として、メカニカル検出素子を用いることができる。この場合には、前記の発生手段が片持ち梁自体である。
こうして、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、等価の構造を用い、磁気、電荷、質量、分子、原子などあらゆる種類の物理量や微小物質・粒子の検出器の作製が可能である。
以上、本発明の実施形態1〜4を詳述してきたが、具体的な構成は各実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があっても、本発明に含まれる。たとえば、実施形態3においては、カーボンナノチューブを切断することによってトンネル接合を形成したが、単電子トランジスタとして機能するカーボンナノチューブをはじめ、自らトンネル接合として機能するカーボンナノチューブを用いることも可能である。
また、各実施形態においては、梁を構成する材料としてシリコンを用いたが、半導体に限らず、あらゆる種類の固体材料を用いることも可能であることは言うまでもない。
また、各実施形態においては、カーボンナノチューブは梁の表面に固定されているが、梁の内部に埋め込んだ構造を用いることも可能である。
また、各実施形態においては、梁の形状として片持ち梁を用いたが、両持ち梁はもとよりコイルばねなど、加えられた力による弾性変形を引き起こす、あらゆる形状の半導体あるいは固体素片を用いることができることも明らかである。
また、各実施形態においては、電極はカーボンナノチューブと直接オーミック接合を形成する場合について記載したが、カーボンナノチューブの特性の変化を測定する目的に構成された、あらゆる種類の金属電極を用いることが可能である。
また、各実施形態においては、薄膜や素片の弾性変形として「たわみ」が生じる場合を用いたが、他の弾性変形である「ねじり」、「圧縮」や「伸張」など、あらゆる種類の弾性変形を用いても、同様に高感度な検出素子および検出器の作製が可能である。
また、各実施形態では、抵抗体やトンネル接合などが1個のみ含まれる構造について記載したが、これらを複数個組み合わせた構造あるいは回路の電気的特性の変化を検出することも可能である。
本発明の実施形態1によるメカニカル検出素子を示す斜視図である。 本発明の実施形態2によるメカニカル検出素子を示す斜視図である。 本発明の実施形態3によるメカニカル検出素子を示す斜視図である。 絶縁性半導体上に導電層薄膜を形成して作製した、従来の半導体力検出素子を示す斜視図である。 従来の静電容量型/トンネル電流型加速度検出素子を示す斜視図である。
符号の説明
1 絶縁性シリコン薄膜
1A 片持ち梁
2、3 金属電極
2A、3A 固定部
4 カーボンナノチューブ
5、6 配線
11、14 絶縁性シリコン薄膜
11A 片持ち梁
14A 突出部
12、15 金属電極
12A、15A 固定部
13、16 配線
17 カーボンナノチューブ
18 空隙
21 カーボンナノチューブ21
21A、21B チューブ部分
21C トンネル接合

Claims (5)

  1. 微細加工により作製した梁と、その梁の全部あるいは一部分からなる抵抗体の抵抗値が測定できる電極(2、3)とを有し、前記梁に加わった微小な力を、ピエゾ抵抗効果により前記抵抗値の変化として検出するメカニカル検出素子において、
    前記電極(2、3)を通じて抵抗値を測定する対象の全部あるいは一部がカーボンナノチューブ(4)により構成されることを特徴とするメカニカル検出素子。
  2. 微細加工により作製した梁と、静電容量が測定できる1つあるいは2つの導電体を有し、前記梁に加わった微小な力を前記導電体の静電容量の変化として検出するメカニカル検出素子において、
    前記導電体の全部あるいは一部がカーボンナノチューブ(21)により構成されることを特徴とするメカニカル検出素子。
  3. 微細加工により作製した梁と、電子の波長と同程度に近接した2つの導電体により形成されるトンネル接合(21C)と、このトンネル接合(21C)に流れるトンネル電流を測定することができる電極(12、15)とを有し、前記梁に加わった微小な力をこのトンネル電流の変化として検出するメカニカル検出素子において、
    前記トンネル接合(21C)の全部あるいは一部がカーボンナノチューブ(21)により構成されることを特徴とするメカニカル検出素子。
  4. 前記抵抗体、前記導電体、および前記トンネル接合を2個以上組み合わせた構造あるいは回路の電気的特性の変化を測定することにより、前記梁に加わった微小な力を検出するメカニカル検出素子において、
    前記構造あるいは前記回路の一部がカーボンナノチューブにより構成されることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のメカニカル検出素子。
  5. 請求項1〜4記載のメカニカル検出素子と等価な構造をその全部あるいは構成要素として含む検出器であって、
    加速度、磁気、電荷、変位、質量、分子、および原子の1つによって、前記梁に弾性的な変形を発生させる発生手段を有することを特徴とする検出器。
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