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JP2005290093A - 架橋性樹脂組成物、積層体及びその製造方法並びに電子部品 - Google Patents

架橋性樹脂組成物、積層体及びその製造方法並びに電子部品 Download PDF

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JP2005290093A
JP2005290093A JP2004104229A JP2004104229A JP2005290093A JP 2005290093 A JP2005290093 A JP 2005290093A JP 2004104229 A JP2004104229 A JP 2004104229A JP 2004104229 A JP2004104229 A JP 2004104229A JP 2005290093 A JP2005290093 A JP 2005290093A
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resin composition
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Application number
JP2004104229A
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English (en)
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Hirokazu Azuma
広和 東
Kazuyo Terada
和代 寺田
Koji Kiuchi
孝司 木内
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Zeon Corp
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Nippon Zeon Co Ltd
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Abstract

【課題】溶解安定性に優れ、しかもこの組成物から基板上に形成した樹脂膜が膜厚均一性、凹凸部平坦化性、耐熱形状保持性に優れ、更に誘電特性にも優れ、集積回路素子、液晶表示素子、固体撮像素子等の電子部品に好適な架橋性樹脂組成物、この架橋性樹脂組成物を用いてなる樹脂膜を基板上に形成した積層体、及びこの積層体の製造方法を提供する。
【解決手段】プロトン性極性基を有する環状オレフィン系重合体、架橋剤及び溶媒を含有してなる架橋性樹脂組成物であって、溶媒がモノアルキレングリコール化合物とオリゴアルキレングリコール化合物との混合溶媒を含んでなり、且つモノアルキレングリコール化合物とオリゴアルキレングリコール化合物との重量比が10:90〜50:50であることを特徴とする架橋性樹脂組成物。基板と、この架橋性樹脂組成物を用いて形成された樹脂膜とからなる積層体。

Description

本発明は、集積回路素子、液晶表示素子、固体撮像素子等の電子部品の製造に好適な架橋性樹脂組成物、この架橋性樹脂組成物から得られる樹脂膜を基板上に有する積層体及びこの積層体からなる電子部品に関する。
表示素子、集積回路素子、固体撮像素子、カラーフィルター、ブラックマトリックス等の電子部品には、その劣化や損傷を防止するための保護膜、素子表面や配線を平坦化するための平坦化膜、電気絶縁性を保つための電気絶縁膜等として種々の樹脂膜が設けられている。また、薄膜トランジスタ型液晶用の表示素子や集積回路素子等の素子には、層状に配置される配線の間を絶縁するために層間絶縁膜としての樹脂膜が設けられている。
最近では、配線やデバイスの高密度化にともない、これらの平坦化膜や絶縁膜等の樹脂膜に要求される絶縁性や吸水性等のレベルも高くなっている。
このような種々の要求に応えるべく、環状オレフィン系重合体を用いた架橋性樹脂組成物が提案されている。
環状オレフィン系重合体を用いた架橋性樹脂組成物としては、例えば、脂環式オレフィン樹脂、酸発生剤、架橋剤、特定のフェノール化合物及び溶媒を含有する架橋性樹脂組成物が開示されている(特許文献1)。しかしながら、この架橋性樹脂組成物を用いて基板上に形成した樹脂膜が、高度の膜厚均一性や基板凹凸部平坦化性が要求される場合には適さないことがあった。
また、特許文献2には、脂環式オレフィン樹脂、酸発生剤、架橋剤及び溶媒からなる架橋性樹脂組成物であって、溶媒として特定のグリコール系溶媒を含有する架橋性樹脂組成物が開示されている。しかしながら、この架橋性樹脂組成物は、溶解安定性が不十分で、また、基板上に形成した樹脂膜の膜厚均一性や凹凸部平坦化性が十分には得られないことがあった。
更に、特許文献3には、環状オレフィン系樹脂、酸発生剤、架橋剤、及び窒素原子又はイオウ原子を含有する非プロトン性極性溶媒を含む混合溶媒とからなる架橋性樹脂組成物が開示されている。しかしながら、この架橋性樹脂組成物を基板上に形成させて得られる樹脂膜は、膜厚均一性、基板凹凸部平坦化性、及び耐熱形状保持性に劣る等の問題があった。
WO01/04213号公報 特開2003−156838号公報 特開2003−195488号公報
本発明は、このような状況の下になされたものであり、環状オレフィン系重合体を含む架橋性樹脂組成物であって、溶解安定性に優れ、しかもこの組成物から基板上に形成した樹脂膜が膜厚均一性、凹凸部平坦化性、耐熱形状保持性に優れ、更に誘電特性にも優れる架橋性樹脂組成物、並びに、基板と、その上に架橋性樹脂組成物から形成した樹脂膜とからなる積層体を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、プロトン性極性基を有する環状オレフィン系重合体と架橋剤とを含む架橋性樹脂組成物において、溶媒として特定の2種の化合物を特定の割合で併用することにより、溶解安定性が良好で、しかもこれから基板上に形成される樹脂膜が均一性、凹凸部平坦化性、耐熱形状保持性及び誘電特性等の特性に優れることを見出し、これらの知見に基づいて本発明を完成するに至った。
かくして本発明によれば、プロトン性極性基を有する環状オレフィン系重合体、架橋剤及び溶媒を含有してなる架橋性樹脂組成物であって、溶媒がモノアルキレングリコール化合物とオリゴアルキレングリコール化合物との混合溶媒を含んでなり、且つモノアルキレングリコール化合物とオリゴアルキレングリコール化合物との重量比(モノアルキレングリコール化合物:オリゴアルキレングリコール化合物)が10:90〜50:50であることを特徴とする架橋性樹脂組成物が提供される。
本発明の架橋性樹脂組成物において、プロトン性極性基を有する環状オレフィン系重合体におけるプロトン性極性基含有環状オレフィン単位の含有量が10〜90重量%であることが好ましい。
本発明の架橋性樹脂組成物において、架橋剤が3個以上のエポキシ基を有する多官能エポキシ化合物を含むことが好ましい。
本発明の架橋性樹脂組成物は、更に、感放射線化合物を含むことができる。
また、本発明によれば、基板と、この上に上記の架橋性樹脂組成物を用いて形成された樹脂膜と、からなる積層体が提供される。
この積層体は、上記架橋性樹脂組成物を用いて樹脂膜を基板上に形成し、次いで必要に応じて樹脂を架橋させることにより得ることができる。
本発明において、上記樹脂膜はパターン化樹脂膜であってもよい。
本発明によれば更に、感放射線化合物を含有する架橋性樹脂組成物を用いて樹脂膜を基板上に形成し、この樹脂膜に活性放射線を照射して樹脂膜中に潜像パターンを形成し、次いで樹脂膜に現像液を接触させて潜像パターンを顕在化させ、基板上にパターン化樹脂膜を形成することを特徴とする、基板とその上に形成されたパターン化樹脂膜とからなる積層体の製造方法が提供される。
上記積層体の製造方法において、基板上にパターン化樹脂膜を形成した後に、樹脂の架橋反応を行うことができる。
更に、本発明によれば、上記積層体からなる電子部品が提供される。
本発明の架橋性樹脂組成物は、溶解安定性に優れ、しかも膜厚均一性、凹凸部平坦化性、耐熱形状保持性及び誘電特性等の特性がきわめて良好な樹脂膜を与えることから様々な用途に適用できる。また、本発明の積層体は、樹脂膜の膜厚均一性、凹凸部平坦化性、耐熱形状保持性及び誘電特性に優れることから、例えば、表示素子、集積回路素子、固体撮像素子、カラーフィルター、ブラックマトリックス等の電子部品には、その劣化や損傷を防止するための保護膜、素子表面や配線を平坦化するための平坦化膜、電気絶縁性を保つための電気絶縁膜(薄型トランジスタ型液晶表示素子や集積回路素子の電気絶縁膜である層間絶縁膜やソルダーレジスト膜等を含む)、マイクロレンズ、スペーサ等の電子部品用材料として好適である。
本発明の架橋性樹脂組成物は、プロトン性極性基を有する環状オレフィン系重合体、架橋剤及び溶媒を含有してなる感放射線組成物であって、溶媒として特定の2種の溶媒を特定の比率で含有してなる混合溶媒を用いることを特徴とする。
本発明に使用されるプロトン性極性基を含有する環状オレフィン系重合体において、プロトン性極性基は、ヘテロ原子、好ましくは、周期律表第15族及び第16族の原子、更に好ましくは周期律表第15族及び第16族第1及び第2周期の原子、特に好ましくは酸素原子に水素原子が直接結合した原子団である。
プロトン性極性基の具体例としては、カルボキシル基(ヒドロキシカルボニル基)、スルホン酸基、リン酸基、ヒドロキシル基等の酸素原子を有する極性基;第一級アミノ基、第二級アミノ基、第一級アミド基、第二級アミド基(イミド基)等の窒素原子を有する極性基;チオール基等のイオウ原子を有する極性基;等が挙げられる。これらの中でも、酸素原子を有するものが好ましく、より好ましくはカルボキシル基である。
本発明において、プロトン性極性基を含有する環状オレフィン系重合体に含まれるプロトン性極性基は、その数に特に限定はなく、また、種類が異なるプロトン性極性基が含まれていてもよい。
本発明において、プロトン性極性基を含有する環状オレフィン系重合体に含まれるプロトン性極性基は、環状オレフィン単量体単位に結合していても、環状オレフィン単量体以外の単量体単位に結合していてもよいが、環状オレフィン単量体単位に結合していることが望ましい。
本発明において、プロトン性極性基を含有する環状オレフィン系重合体のプロトン性極性基以外の部分(以下、「基体部分」ということがある。)を構成する環状オレフィン系重合体は、環状オレフィンの単独重合体及び共重合体、環状オレフィンと他の単量体との共重合体のいずれであってもよく、また、これらの水素添加物であってもよい。
これらのプロトン性極性基を含有する環状オレフィン系重合体は、組成等の異なるものを、それぞれ単独で又は2種類以上組合せて用いることができる。
本発明において使用するプロトン性極性基を含有する環状オレフィン系重合体は、プロトン性極性基を含有する環状オレフィン単量体(a)から誘導される単量体単位のみからなる重合体であっても、プロトン性極性基を含有する環状オレフィン単量体(a)から誘導される単量体単位とプロトン性極性基を含有する環状オレフィン単量体(a)と共重合可能な他の単量体から誘導される単量体単位とからなる共重合体であってもよい。
本発明で使用するプロトン性極性基を含有する環状オレフィン系重合体において、プロトン性極性基を含有する単量体単位とこれ以外の単量体単位との比率(プロトン性極性基を含有する単量体単位/これ以外の単量体単位)は、重量比で、通常、100/0〜10/90、好ましくは90/10〜20/80、より好ましくは80/20〜30/70の範囲になるように選択される。
プロトン性極性基を含有する環状オレフィン単量体(a)の具体例としては、5−ヒドロキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−メチル−5−ヒドロキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−カルボキシメチル−5−ヒドロキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−エキソ−6−エンド−ジヒドロキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、8−ヒドロキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、8−メチル−8−ヒドロキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、8−エキソ−9−エンド−ジヒドロキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン等のカルボキシル基含有環状オレフィン;5−(4−ヒドロキシフェニル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−メチル−5−(4−ヒドロキシフェニル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、8−(4−ヒドロキシフェニル)テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、8−メチル−8−(4−ヒドロキシフェニル)テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン等のヒドロキシ基含有環状オレフィン等が挙げられ、これらの中でもカルボキシル基含有環状オレフィンが好ましい。これらのプロトン性極性基含有環状オレフィンは、それぞれ単独で用いてもよく、2種以上を組合せて用いてもよい。
プロトン性極性基を含有する環状オレフィン単量体(a)と共重合可能な単量体としては、プロトン性極性基以外の極性基を有する環状オレフィン単量体(b)、極性基を一切持たない環状オレフィン単量体(「極性基非含有環状オレフィン単量体」ということがある。)(c)、及び環状オレフィン以外の単量体(d)がある。
これらのうち、好ましくはプロトン性極性基以外の極性基を含有する環状オレフィン単量体(b)及び極性基非含有環状オレフィン単量体(c)であり、より好ましくはプロトン性極性基以外の極性基を含有する環状オレフィン単量体(b)である。
プロトン性極性基以外の極性基の具体例としては、エステル基(アルコキシカルボニル基及びアリーロキシカルボニル基を総称していう。)、N−置換イミド基、エポキシ基、ハロゲン原子、シアノ基、カルボニルオキシカルボニル基(ジカルボン酸の酸無水物残基)、アルコキシ基、カルボニル基、第三級アミノ基、スルホン基、ハロゲン原子、アクリロイル基等を有するものが示される。
これらのうち、好ましくはエステル基、N−置換イミド基及びシアノ基であり、より好ましくはエステル基及びN−置換イミド基である。特に、N−置換イミド基が好ましい。
エステル基含有環状オレフィンとしては、例えば、5−アセトキシビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−メトキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−メチル−5−メトキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、8−アセトキシテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、8−メトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、8−エトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、8−n−プロポキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、8−イソプロポキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、8−n−ブトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、8−メチル−8−メトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、8−メチル−8−エトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、8−メチル−8−n−プロポキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、8−メチル−8−イソプロポキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、8−メチル−8−n−ブトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、8−(2,2,2−トリフルオロエトキシカルボニル)テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、8−メチル−8−(2,2,2−トリフルオロエトキシカルボニル)テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン等が挙げられる。
N−置換イミド基含有環状オレフィンとしては、例えば、N−(4−フェニル)−(5−ノルボルネン−2,3−ジカルボキシイミド)等が挙げられる。
シアノ基含有環状オレフィンとしては、例えば、8−シアノテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、8−メチル−8−シアノテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、5−シアノビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン等が挙げられる。
ハロゲン原子含有環状オレフィンとしては、例えば、8−クロロテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、8−メチル−8−クロロテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン等が挙げられる。
これらのプロトン性極性基以外の極性基を有する環状オレフィンは、それぞれ単独で用いてもよく、2種以上を組合せて用いてもよい。
極性基非含有環状オレフィン単量体(c)の具体例としては、ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン(慣用名:ノルボルネン)、5−エチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−ブチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−エチリデン−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−メチリデン−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−ビニル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、トリシクロ[4.3.0.12,5]デカ−3,7−ジエン(慣用名:ジシクロペンタジエン)、テトラシクロ[8.4.0.111,14.03,7]ペンタデカ−3,5,7,12,11−ペンタエン、テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]デカ−3−エン(慣用名:テトラシクロドデセン)、8−メチル−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、8−エチル−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、8−メチリデン−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、8−エチリデン−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、8−ビニル−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、8−プロペニル−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、ペンタシクロ[6.5.1.13,6.02,7.09,13]ペンタデカ−3,10−ジエン、シクロペンテン、シクロペンタジエン、1,4−メタノ−1,4,4a,5,10,10a−ヘキサヒドロアントラセン、8−フェニル−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、テトラシクロ[9.2.1.02,10.03,8]テトラデカ−3,5,7,12−テトラエン(1,4−メタノ−1,4,4a,9a−テトラヒドロ−9H−フルオレンともいう)、ペンタシクロ[7.4.0.13,6.110,13.02,7]ペンタデカ−4,11−ジエン、ペンタシクロ[9.2.1.14,7.02,10.03,8]ペンタデカ−5,12−ジエン等が挙げられる。これらの極性基非含有環状オレフィン単量体(c)は、それぞれ単独で又は2種以上を組合せて用いることができる。
環状オレフィン以外の単量体(d)の代表例として鎖状オレフィンが挙げられる。鎖状オレフィンとしては、例えば、エチレン;プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、3−メチル−1−ブテン、3−メチル−1−ペンテン、3−エチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ヘキセン、4,4−ジメチル−1−ヘキセン、4,4−ジメチル−1−ペンテン、4−エチル−1−ヘキセン、3−エチル−1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン、1−テトラデセン、1−ヘキサデセン、1−オクタデセン、1−エイコセン等の炭素数2〜20のα−オレフィン;1,4−ヘキサジエン、4−メチル−1,4−ヘキサジエン、5−メチル−1,4−ヘキサジエン、1,7−オクタジエン等の非共役ジエン等が挙げられる。これらの単量体は、それぞれ単独で又は2種以上を組合せて用いることができる。
本発明において使用するプロトン性極性基を含有する環状オレフィン系重合体の好ましい製造方法として、プロトン性極性基を含有する環状オレフィン単量体(a)を重合し、必要に応じて水素添加を行う方法、を挙げることができる。
プロトン性極性基を含有する環状オレフィン単量体(a)は、必要に応じて、これと共重合可能な単量体(上述の単量体(b)、(c)又は(d))と共重合することができる。
また、本発明において使用するプロトン性極性基含有環状オレフィン系重合体は、プロトン性極性基を含有しない環状オレフィン系重合体に、公知の方法により、プロトン性極性基を導入した後、必要に応じて水素添加を行う方法によっても得ることができる。水素添加は、プロトン性極性基導入前の重合体について行ってもよい。
上記プロトン性極性基含有環状オレフィン系重合体の製法において、プロトン性極性基はその前駆体であってもよく、この前駆体を光や熱による分解、加水分解等の化学反応によって、プロトン性極性基に変換すればよい。例えば、プロトン性極性基がカルボキシル基である場合に、プロトン性極性基に代えてエステル基を使用してもよい。
プロトン性極性基を含有しない環状オレフィン系重合体は、前記単量体(b)〜(d)を使用して得ることができる。この際、プロトン性極性基を含有する単量体を併用しても勿論構わない。
プロトン性極性基を導入するための変性剤としては、通常、一分子内にプロトン性極性基と反応性の炭素−炭素不飽和結合を有する化合物が用いられる。このような化合物の具体例としては、アクリル酸、メタクリル酸、アンゲリカ酸、チグリン酸、オレイン酸、エライジン酸、エルカ酸、ブラシジン酸、マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、メサコン酸、イタコン酸、アトロパ酸、ケイ皮酸等の等の不飽和カルボン酸;アリルアルコール、メチルビニルメタノール、クロチルアルコール、メタリルアルコール、1−フェニルエテン−1−オール、2−プロペン−1−オール、3−ブテン−1−オール、3−ブテン−2−オール、3−メチル−3−ブテン−1−オール、3−メチル−2−ブテン−1−オール、2−メチル−3−ブテン−2−オール、2−メチル−3−ブテン−1−オール、4−ペンテン−1−オール、4−メチル−4−ぺンテン−1−オール、2−ヘキセン−1−オール等の不飽和アルコール;等を挙げることができる。変性反応は、常法に従えばよく、通常、ラジカル発生剤の存在下で行われる。
上記各単量体の重合方法は、常法に従えばよく、例えば、開環重合法や付加重合法が採用される。
重合触媒としては、例えば、モリブデン、ルテニウム、オスミウム等の金属錯体が好適に用いられる。これらの重合触媒は、それぞれ単独で又は2種以上を組合せて用いることができる。重合触媒の量は、重合触媒中の金属化合物:環状オレフィンのモル比で、通常、1:100〜1:2,000,000、好ましくは1:500〜1:1,000,000、より好ましくは1:1,000〜1:500,000の範囲である。
上記重合体の水素添加は、通常、水素添加触媒を用いて行われる。
水素添加触媒としては、例えば、オレフィン化合物の水素添加に際して一般的に使用されているものを用いることができる。具体的には、チーグラータイプの均一系触媒、貴金属錯体触媒、及び担持型貴金属系触媒等が利用できる。これらの水素添加触媒のうち、官能基が変性する等の副反応が起きず、重合体中の炭素−炭素不飽和結合を選択的に水素添加できる点から、ロジウム、ルテニウム等の貴金属錯体触媒が好ましく、電子供与性の高い含窒素複素環式カルベン化合物又はホスフィン類が配位したルテニウム触媒が特に好ましい。
本発明で使用されるプロトン性極性基を含有する環状オレフィン系重合体の重量平均分子量(Mw)は、通常、1,000〜1,000,000、好ましくは1,500〜100,000、より好ましくは2,000〜10,000の範囲である。
本発明で使用されるプロトン性極性基を含有する環状オレフィン系重合体の分子量分布は、重量平均分子量/数平均分子量(Mw/Mn)比で、通常、4以下、好ましくは3以下、より好ましくは2.5以下である。
本発明で使用されるプロトン性極性基を含有する環状オレフィン系重合体のヨウ素価は、通常、200以下、好ましくは50以下、より好ましくは10以下である。プロトン性極性基を含有する環状オレフィン系重合体のヨウ素価がこの範囲にある時に特に耐熱性に優れ好適である。
本発明において、架橋剤としては、プロトン性極性基を含有する環状オレフィン系重合体のプロトン性極性基と反応し得る官能基を分子内に2個以上、好ましくは3個以上有するものが用いられる。プロトン性極性基と反応し得る官能基としては、例えば、アミノ基、カルボキシル基、ヒドロキシル基、エポキシ基、イソシアネート基等が挙げられ、好ましくはアミノ基、エポキシ基、イソシアネート基であり、更に好ましくはエポキシ基である。
このような架橋剤の具体例としては、ヘキサメチレンジアミン等の脂肪族ポリアミン類;4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、ジアミノジフェニルスルフォン等の芳香族ポリアミン類;2,6−ビス(4’−アジドベンザル)シクロヘキサノン、4,4’−ジアジドジフェニルスルフォン等のアジド類;ナイロン、ポリヘキサメチレンジアミンテレレフタルアミド、ポリヘキサメチレンイソフタルアミド等のポリアミド類;N,N,N’,N’,N”,N”−(ヘキサアルコキシメチル)メラミン等のメラミン類;N,N’,N”,N”’−(テトラアルコキシメチル)グリコールウリル等のグリコールウリル類;エチレングリコールジ(メタ)アクリレート等のアクリレート化合物;ヘキサメチレンジイソシアネート系ポリイソシアネート、イソホロンジイソシアネート系ポリイソシアネート、トリレンジイソシアネート系ポリイソシアネート、水添ジフェニルメタンジイソシアネート等のイソシアネート系化合物;1,4−ジ−(ヒドロキシメチル)シクロヘキサン、1,4−ジ−(ヒドロキシメチル)ノルボルナン;1,3,4−トリヒドロキシシクロヘキサン;各種の多官能エポキシ化合物;等が挙げられる。
これらの架橋剤は、それぞれ単独で又は2種以上を組合せて用いることができ、その使用量は、使用目的に応じて適宜選択されるが、プロトン性極性基を有する環状オレフィン系重合体100重量部に対し、通常、1〜1,000重量部、好ましくは5〜500重量部、より好ましくは10〜100重量部である。使用量がこの範囲にあるときに、形成される樹脂膜の膜厚均一性、凹凸部平坦化性及び耐熱形状保持性が高度に改善され好適である。
本発明で使用する架橋剤の分子量の分子量は、特に限定されないが、通常、100〜100,000、好ましくは500〜50,000、より好ましくは1,000〜10,000である。この範囲の分子量であると、加熱時の安定性やゲル化の効率の点から好適である。
本発明においては、架橋剤として、2個以上のエポキシ基を有する多官能エポキシ化合物が好ましく、特に、塗膜形成性の良いことから、エポキシ基を3個以上有する多官能エポキシ化合物がより好ましい。
エポキシ化合物としては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ポリフェノール型エポキシ樹脂、環状脂肪族エポキシ樹脂、脂肪族グリシジルエーテル、エポキシアクリレート重合体等を挙げることができる。
このようなエポキシ化合物の具体例としては、ジシクロペンタジエンを骨格とする3官能性のエポキシ化合物(商品名「XD−1000」。日本化薬社製)、[2,2−ビス(ヒドロキシメチル)1−ブタノールの1,2−エポキシ−4−(2−オキシラニル)シクロヘキサン付加物(シクロヘキサン骨格及び末端エポキシ基を有する15官能性の脂環式エポキシ樹脂。商品名「EHPE3150」。ダイセル化学工業社製)、エポキシ化3−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸ビス(3−シクロヘキセニルメチル)修飾ε−カプロラクトン(脂肪族環状3官能性のエポキシ樹脂。商品名「エポリードGT301」。ダイセル化学工業社製)、エポキシ化ブタンテトラカルボン酸テトラキス(3−シクロヘキセニルメチル)修飾ε−カプロラクトン(脂肪族環状4官能性のエポキシ樹脂。商品名「エポリードGT401」。ダイセル化学工業社製)を挙げることができる。
また、脂環構造を有さないエポキシ基が3個以上のエポキシ化合物としては、芳香族アミン型多官能エポキシ化合物(商品名「H−434」、東都化成工業社製)、クレゾールノボラック型多官能エポキシ化合物(商品名「EOCN−1020」、日本化薬社製)、フェノールノボラック型多官能エポキシ化合物(エピコート152、154、ジャパンエポキシレジン社製)、ナフタレン骨格を有する多官能エポキシ化合物(商品名EXA−4700、大日本インキ化学株式会社製)、鎖状アルキル多官能エポキシ化合物(商品名「SR−TMP」、坂本薬品工業社製)、多官能エポキシポリブタジエン(商品名「エポリードPB3600」、ダイセル化学工業社製)等を挙げることができる。
本発明の架橋性樹脂組成物に、感放射線化合物を含有させると、形成される樹脂膜のパターニングが容易になり好ましい。感放射線化合物は、紫外線や電子線等の放射線を吸収し、化学反応を引き起こすことのできる化合物であるが、本発明に使用するプロトン性極性基を有する環状オレフィン系重合体のアルカリ溶解性を制御できるものが好ましい。
このような感放射線化合物としては、例えば、アセトフェノン化合物、トリアリールスルホニウム塩、キノンジアジド化合物等のアジド化合物等が挙げられるが、好ましくはアジド化合物、特に好ましくはキノンジアジド化合物である。
キノンジアジド化合物としては、例えば、キノンジアジドスルホン酸ハライドとフェノール性水酸基を有する化合物とのエステル化合物を用いることができる。
キノンジアジドスルホン酸ハライドとしては、1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸クロライド、1,2−ナフトキノンジアジド−4−スルホン酸クロライド、1,2−ベンゾキノンジアジド−5−スルホン酸クロライド等が挙げられる。
フェノール性水酸基を有する化合物の代表例としては、1,1,3−トリス(2,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)−3−フェニルプロパン、4,4’−[1−[4−[1−[4−ヒドロキシフェニル]−1−メチルエチル]フェニル]エチリデン]ビスフェノール等が挙げられる。
これ以外のフェノール性水酸基を有する化合物としては、2,3,4−トリヒドロキシベンゾフェノン、2,3,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、トリス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1,1−トリス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)エタン、1,1,2,2 −テトラキス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、ノボラック樹脂のオリゴマー、フェノール性水酸基を1つ以上有する化合物とジシクロペンタジエンとを共重合して得られるオリゴマー等が挙げられる。
これらの感放射線化合物は、それぞれ単独で又は2種以上を組合せて用いることができる。
感放射線化合物の使用量は、プロトン性極性基を含有する環状オレフィン系重合体100重量部に対して、通常、1〜100重量部、好ましくは5〜50重量部、より好ましくは10〜40重量部の範囲である。感放射線化合物の使用量がこの範囲にあるときに、基板上に形成させた樹脂膜をパターニングする際に、放射線照射部と放射線未照射部との溶解度差が大きくなり、現像によるパターニングが容易で、且つ、放射線感度も高くなるので好適である。
本発明の架橋性樹脂組成物においては、溶媒として、モノアルキレングリコール化合物とオリゴアルキレングリコール化合物との混合溶媒を含んでなる溶媒を用いることを特徴とする。
本発明に使用されるモノアルキレングリコール化合物は、分子内にアルキレングリコール鎖をただ1つ有する化合物であれば格別な限定はないが、末端水酸基の少なくとも一方がエステル化又はエーテル化されているものが好ましく、両末端水酸基がエステル化又はエーテル化されているものがより好ましく、両末端水酸基がエーテル化されているものが特に好ましい。
モノアルキレングリコール化合物としては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール等の両末端が水酸基のモノアルキレングリコール類;エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノt−ブチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル等の両末端水酸基の一方がエーテル化されたモノアルキレングリコールモノエーテル類;エチレングリコールアセテート、プロピレングリコールアセテート等の両末端水酸基の一方がエステル化されたモノアルキレングリコールモノエステル類;エチレングリコールジエチルエーテル、プロピレングリコールジメチルエーテル等の両末端水酸基のいずれもがエーテル化されたモノアルキレングリコールジエーテル類;プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノn−プロピルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノi−プロピルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノn−ブチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノi−ブチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノsec−ブチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノt−ブチルエーテルアセテート等の末端水酸基の一方がエーテル化され他方がエステル化されたモノアルキレングリコールモノエーテルエステル類;エチレングリコールジアセテート、プロピレングリコールジアセテート等のモノアルキレングリコールジエステル類;等が挙げられる。
これらのモノアルキレングリコール化合物は、それぞれ単独であるいは2種以上を組合せて用いることができる。
本発明で使用するオリゴアルキレングリコール化合物は、分子内にアルキレングリコール鎖を2個以上有するものであれば格別な限定はないが、アルキレングリコール鎖の数は、通常、2〜10、好ましくは2〜5、より好ましくは2である。入手容易性と操作性の観点から、単一のアルキレングリコール鎖の炭素数が2〜3のものが好ましく、特に2のものが好ましい。また、オリゴアルキレングリコール化合物は、末端水酸基の少なくとも一方がエステル化又はエーテル化されているものが好ましく、両末端水酸基がエステル化又はエーテル化されているものがより好ましく、両末端水酸基がエーテル化されているものが特に好ましい。
オリゴアルキレングリコール化合物としては、例えば、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリエチレングリコール、トリプロピレングリコール等の両末端が水酸基であるオリゴアルキレングリコール類;ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、トリプロピレングリコールモノエチルエーテル等の両末端水酸基の一方がエーテル化されたオリゴアルキレングリコールモノエーテル類;
ジエチレングリコールモノアセテート、ジプロピレングリコールモノアセテート等の両末端水酸基の一方がエステル化されたオリゴアルキレングリコールモノエステル類;ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールエチルメチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールジエチルエーテル、ジプロピレングリコールエチルメチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールジエチルエーテル、トリエチレングリコールエチルメチルエーテル、トリプロピレングリコールジメチルエーテル、トリプロピレングリコールジエチルエーテル両末端水酸基のいずれもがエーテル化されたオリゴアルキレングリコールジエーテル類;ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等の末端水酸基の一方がエーテル化され他方がエステル化されたオリゴアルキレングリコールモノエーテルエステル類;等が挙げられる。
これらのアルキレングリコール鎖が2個以上のオリゴアルキレングリコール系化合物は、それぞれ単独であるいは2種以上を組合せて用いることができる。
これらの中でも、両末端水酸基のいずれもがエーテル化されたオリゴアルキレングリコールジエーテル類が好ましく、ジアルキレングリコールジエーテル類が特に好ましい。
モノアルキレングリコール化合物とオリゴアルキレングリコール系化合物との割合は、重量比(モノアルキレングリコール化合物:オリゴアルキレングリコール化合物)で10/90〜50/50、好ましくは15/85〜45/55、より好ましくは20/80〜40/60の範囲である。両溶媒の割合がこの範囲である時に、架橋性樹脂組成物の溶解安定性が優れ、且つ形成される樹脂膜の膜厚均一性や凹凸部平坦化性に優れるので好適である。
モノアルキレングリコール化合物とオリゴアルキレングリコール化合物との合計使用量は、使用目的に応じて適宜選択されるが、プロトン性極性基を有する環状オレフィン系重合体100重量部に対して、通常、通常、20〜10,000重量部、好ましくは50〜5,000重量部、より好ましくは100〜1,000重量部の範囲である。
本発明においては、必要に応じてその他の溶媒を使用することができる。その他の溶媒としては、例えば、ヘキサン、ヘプタン、オクタン等の脂肪族炭化水素類:シクロペンタン、シクロヘキサン等の脂環式炭化水素類;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール等のアルコール類;ジブチルエーテル、ジイソアミルエーテル、メチルフェニルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類;ジエチルケトン、メチルプロピルケトン、メチルブチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジプロピルケトン、エチルブチルケトン、メチルアミルケトン、ジイソブチルケトン、メチルヘキシルケトン等の鎖状ケトン類;シクロヘキサノン、シクロペンタノン等の環状ケトン類;酢酸エチル、酢酸ブチル、乳酸エチル、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオン酸メチル、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオン酸エチル、エトキシ酢酸エチル、ヒドロキシ酢酸エチル、2−ヒドロキシ−3−メチルブタン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸メチル、γ−ブチロラクトン等のエステル類;N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチル−2−ピロリドン、N−メチルアセトアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等のアミド類;ジメチルスルホキシド;等が挙げられる。これらのその他の溶媒は、それぞれ単独で又は2種以上組合せて用いることができる。
本発明の架橋性樹脂組成物は、必要に応じて、プロトン性極性基を含有する環状オレフィン系重合体以外の樹脂成分や、その他の配合剤等を含んでいてもよい。
その他の樹脂成分としては、例えば、プロトン性極性基を有さない環状オレフィン系重合体、スチレン系樹脂、塩化ビニル系樹脂、アクリル系樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリアリーレンスルフィド樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリイミド樹脂、ゴム及びエラストマー等を挙げることができる。
その他の配合剤としては、例えば、増感剤、界面活性剤、潜在的酸発生剤、酸化防止剤、光安定剤、接着助剤、帯電防止剤、消泡剤、顔料、染料等を挙げることができる。
増感剤としては、例えば、2H−ピリド−(3,2−b)−1,4−オキサジン−3(4H)−オン類、10H−ピリド−(3,2−b)−1,4−ベンゾチアジン類、ウラゾール類、ヒダントイン類、バルビツール酸類、グリシン無水物類、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール類、アロキサン類、マレイミド類等が好ましく挙げられる。
界面活性剤は、ストリエ−ション(塗布筋あと)の防止、現像性の向上等の目的で使用され、例えば、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル等のポリオキシエチレンアルキルエーテル類;ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル等のポリオキシエチレンアリールエーテル類;ポリオキシエチレンジラウレート、ポリオキシエチレンジステアレート等のポリオキシエチレンジアルキルエステル類等のノニオン系界面活性剤;フッ素系界面活性剤;シリコーン系界面活性剤;(メタ)アクリル酸共重合体系界面活性剤等が挙げられる。
潜在的酸発生剤は、本発明の感放射線組成物の耐熱性及び耐薬品性を向上する目的で使用され、例えば、加熱により酸を発生するカチオン重合触媒であり、スルホニウム塩、ベンゾチアゾリウム塩、アンモニウム塩、ホスホニウム塩等が挙げられる。これらの中でも、スルホニウム塩およびベンゾチアゾリウム塩が好ましい。
酸化防止剤としては、通常の重合体に使用されている、フェノール系酸化防止剤、リン系酸化防止剤、イオウ系酸化防止剤、ラクトン系酸化防止剤等が使用できる。例えば、フェノール類として、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、p−メトキシフェノール、スチレン化フェノール、n−オクタデシル−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、2,2’−メチレン−ビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2−t−ブチル−6−(3’−t−ブチル−5’−メチル−2’−ヒドロキシベンジル)−4−メチルフェニルアクリレート、4,4’−ブチリデン−ビス−(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’−チオ−ビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、アルキル化ビスフェノール等を挙げることができる。リン系酸化防止剤としては、亜リン酸トリフェニル、亜リン酸トリス(ノニルフェニル)、イオウ系としては、チオジプロピオン酸ジラウリル等が挙げられる。これらの中でも、加熱時の黄変の観点から、フェノール系酸化防止剤が好ましく、中でも、ペンタエリスリトールテトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]が好ましい。
光安定剤は、ベンゾフェノン系、サリチル酸エステル系、ベンゾトリアゾール系、シアノアクリレート系、金属錯塩系等の紫外線吸収剤、ヒンダ−ドアミン系(HALS)等、光により発生するラジカルを捕捉するものなどのいずれでもよい。これらのなかでも、HALSはピペリジン構造を有する化合物で、本発明の組成物に対し着色が少なく、安定性がよいため好ましい。具体的な化合物としては、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル/トリデシル1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート、ビス(1−オクチロキシ−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート等が挙げられる。
接着助剤としては、例えば、官能性シランカップリング剤等が挙げられ、その具体例としては、トリメトキシシリル安息香酸、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、γ−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン等が挙げられる。
本発明の架橋性樹脂組成物は、プロトン性極性基を有する環状オレフィン系重合体、架橋剤及び必要に応じて感放射線化合物やその他の成分を加え、モノアルキレングリコール化合物とオリゴアルキレングリコール化合物とを含有してなる混合溶媒で溶解又は分散させて得ることができる。溶媒中に各成分を溶解又は分散させる方法は、常法に従えばよく、例えば、攪拌子とマグネティックスターラーを使用した攪拌、高速ホモジナイザー、ディスパージョン、遊星攪拌機、二軸攪拌機、ボールミル、三本ロール等を使用して行うことができる。本発明の感放射線組成物は、溶媒に溶解又は分散した後に、例えば孔径が0.5μm程度のフィルター等を用いて濾過した後、使用に供することが好ましい。
本発明の架橋性樹脂組成物の固形分濃度は、通常、1〜70重量%、好ましくは、5〜50重量%、より好ましくは10〜40重量%である。固形分濃度がこの範囲にある時に、基板上への塗布性や形成される樹脂膜の膜厚均一性及び凹凸部平坦化性等に優れる。
本発明の積層体は、基板とその上に本発明の架橋性樹脂組成物を用いて形成した樹脂膜とからなる。
本発明において、基板は、例えば、プリント配線基板、シリコンウエハー基板、ガラス基板、プラスチック基板等を用いることができる。また、ディスプレイ分野において使用される、ガラス基板やプラスチック基板等に薄型トランジスタ型液晶表示素子、カラーフィルター、ブラックマトリックス等が形成されたものも好適に用いられる。
樹脂膜の厚さは、通常、0.1〜100μm、好ましくは0.5〜50μm、より好ましくは0.5〜30μmの範囲である。
本発明の積層体は、本発明の架橋性樹脂組成物を用いて基板上に樹脂膜を形成させた後、樹脂膜を架橋させて得ることができる。樹脂膜はパターン化されていてもよい。
樹脂膜を基板上に形成する方法は、特に限定されず、例えば、塗布法やフィルム積層法等の方法を用いることができる。塗布法は、例えば、架橋性樹脂組成物を基板上に塗布した後、加熱乾燥して溶媒を除去し、次いで必要に応じて、架橋する方法である。架橋性樹脂組成物を基板上に塗布する方法としては、例えば、スプレー法、スピンコート法、ロールコート法、ダイコート法、ドクターブレード法、回転塗布法、バー塗布法、スクリーン印刷法等の各種の方法を採用することができる。加熱乾燥条件は、各成分の種類や配合割合に応じて異なるが、通常、30〜150℃、好ましくは60〜120℃で、通常、0.5〜90分間、好ましくは1〜60分間、より好ましくは1〜30分間で行えばよい。
フィルム積層法は、例えば、架橋性樹脂組成物を樹脂フィルムや金属フィルム等の基材上に塗布した後に加熱乾燥により溶媒を除去してBステージフィルムを得、次いで、このBステージフィルムを基板上に積層する方法である。加熱乾燥条件は、各成分の種類や配合割合に応じて異なるが、通常、30〜150℃、好ましくは60〜120℃で、通常、0.5〜90分間、好ましくは1〜60分間、より好ましくは1〜30分間行えばよい。フィルム積層は、加圧ラミネータ、プレス、真空ラミネータ、真空プレス、ロールラミネータ等の圧着機を用いて行うことができる。
基板上に形成された樹脂膜の架橋は、架橋剤の種類に応じて適宜方法を選択すればよいが、通常、加熱により行う。加熱方法は、例えば、ホットプレート、オーブン等を用いて行うことができる。加熱温度は、通常、180〜250℃であり、加熱時間は、樹脂膜の大きさや厚さ及び使用機器等により適宜選択され、例えばホットプレートを用いる場合は、通常、5〜60分間、オーブンを用いる場合は、通常、30〜90分間の範囲である。加熱は、必要に応じて不活性ガス雰囲気下で行ってもよい。不活性ガスとしては、酸素を含まず且つ樹脂膜を酸化させないものであればよく、例えば、窒素、アルゴン、ヘリウム、ネオン、キセノン、クリプトン等が挙げられる。これらの中でも窒素とアルゴンが好ましく、特に窒素が好ましい。特に、酸素含有量が0.1体積%以下、好ましくは0.01体積%以下の不活性ガス、特に窒素が好適である。これらの不活性ガスは、それぞれ単独で又は2種以上を組合せて用いることができる。
本発明の架橋性樹脂組成物が感放射線化合物を含む場合は、基板上に本発明の架橋性樹脂組成物から樹脂膜を形成した後で樹脂膜を架橋する前に、樹脂膜のパターン化を行うことができる。基板上に形成されたパターン化樹脂膜は、例えば、樹脂膜に活性放射線を照射して潜像パターンを形成し、次いで潜像パターンを有する樹脂膜に現像液を接触させることによりパターンを顕在化させて得ることができる。
本発明の積層体、特に基板上にパターン化樹脂膜を形成した積層体は、種々の電子部品として有用である。
活性放射線としては、感放射線化合物を活性化させ、感放射線化合物を含む架橋性組成物のアルカリ可溶性を変化させることができるものであれば特に限定されない。具体的には、紫外線、g線やi線等の単一波長の紫外線、KrFエキシマレーザー光、ArFエキシマレーザー光等の光線;電子線のような粒子線;等を用いることができる。これらの活性放射線を選択的にパターン状に照射して潜像パターンを形成する方法としては、常法に従えばよく、例えば、縮小投影露光装置等により、紫外線、g線、i線、KrFエキシマレーザー光、ArFエキシマレーザー光等の光線を所望のマスクパターンを介して照射する方法、又は電子線等の粒子線により描画する方法等を用いることができる。活性放射線として光線を用いる場合は、単一波長光であっても、混合波長光であってもよい。照射条件は、使用する活性放射線に応じて適宜選択されるが、例えば、波長200〜450nmの光線を使用する場合、照射量は、通常10〜1,000mJ/cm、好ましくは50〜500mJ/cmの範囲であり、照射時間と照度に応じて決まる。このようにして活性放射線を照射した後、必要に応じ、樹脂膜を60〜130℃程度の温度で1〜2分間程度加熱処理する。
次に、樹脂膜に形成された潜像パターンを現像して顕在化させる。本発明では、このような工程を「パターン化」といい、パターン化された樹脂膜を「パターン化樹脂膜」という。現像液としては、通常、アルカリ性化合物の水性溶液が用いられる。アルカリ性化合物としては、例えば、アルカリ金属塩、アミン、アンモニウム塩を使用することができる。アルカリ性化合物は、無機化合物であっても有機化合物であってもよい。これらの化合物の具体例としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、ケイ酸ナトリウム、メタケイ酸ナトリウム等のアルカリ金属塩;アンモニア水;エチルアミン、n−プロピルアミン等の第一級アミン;ジエチルアミン、ジ−n−プロピルアミン等の第二級アミン;トリエチルアミン、メチルジエチルアミン等の第三級アミン;テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、テトラブチルアンモニウムヒドロキシド、コリン等の第四級アンモニウム塩;ジメチルエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアルコールアミン;ピロール、ピペリジン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノナ−5−エン、N−メチルピロリドン等の環状アミン類;等が挙げられる。これらアルカリ性化合物は、それぞれ単独で又は2種以上を組合せて用いることができる。
アルカリ水性溶液の水性媒体としては、水;メタノール、エタノール等の水溶性有機溶媒を使用することができる。アルカリ水性溶液は、界面活性剤等を適当量添加したものであってもよい。
潜像パターンを有する樹脂膜に現像液を接触させる方法としては、例えば、パドル法、スプレー法、ディッピング法等の方法が用いられる。現像は、通常、0〜100℃、好ましくは5〜55℃、より好ましくは10〜30℃の範囲で、通常、30〜180秒間の範囲で適宜選択される。
このようにして目的とするパターン化樹脂膜を基板上に形成した後、必要に応じて、基板上、基板裏面及び基板端部の現像残渣を除去するために、基板をリンス液でリンスすることができる。リンス処理の後、残存しているリンス液を圧縮空気や圧縮窒素により除去する。
更に、必要に応じて、感放射線化合物を失活させるために、パターン化樹脂膜を有する基板全面に活性放射線を照射することもできる。活性放射線の照射には、上記潜像パターンの形成に例示した方法を利用できる。照射と同時に又は照射後に樹脂膜を加熱してもよい。加熱方法としては、例えば、基板をホットプレートやオーブン内で加熱する方法が挙げられる。温度は、通常、100〜300℃、好ましくは120〜200℃の範囲である。
以下に合成例、実施例を挙げて本発明を更に具体的に説明する。なお、各例中の部及び%は特に断りのない限り、質量基準である。
なお、各特性は、以下の方法により評価した。
[重合体の重量平均分子量(Mw)及び数平均分子量(Mn)]
ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(東ソー社製HLC−8020)を用いて、ポリイソプレン換算分子量として求める。
[水素化率]
水素化率は、H−NMRスペクトルにより、水素化された炭素−炭素二重結合モル数の水素添加前の炭素−炭素二重結合モル数に対する割合として求める。
[ヨウ素価]
JIS K0070Bに従って測定する。
[溶解安定性]
架橋性樹脂組成物を容器に入れて、スリーワンモーターを使用して150RPMで1時間攪拌する。この後、試料を2分し、それぞれを、20℃及び−5℃で1日静置した後、試料を室温に戻す。このとき、いずれの条件下でも沈殿が生じないものを◎(溶解安定性優)とする。沈殿が生じた架橋性樹脂組成物について、攪拌時間を2時間に変えるほかは、同様の操作を行い、下記基準に従って判定する。
○(良):−20℃及び5℃のどちらの温度で保存した後も沈殿が見られない。
△(可):5℃保存後では沈殿が見られないが、−20℃保存後は沈殿物が見られる。
×(不可):5℃保存後に沈殿物が見られる。
[樹脂膜の膜厚均一性(面内膜厚均一性)]
550×650×0.7mmの低反射Cr膜付きガラス基板上に、架橋性樹脂組成物を50ml滴下しスピンコートした後、ホットプレート上において95℃で2分間乾燥処理をして、膜厚3μmの塗布基板を形成する。光干渉式膜厚測定装置VM−8000J(大日本スクリーン社製)を用い、塗布基板の周囲から10mm内側を測定有効エリアとし縦横各5列にほぼ等間隔に設定した25点の膜厚を測定し、下記式により(面内膜厚変動幅)を計算する。
面内膜厚変動幅=100×(膜厚最大値−膜厚最小値)/(平均膜厚)
この面内膜厚変動幅の数値により、下記の基準で、面内膜厚均一性を判定する。
◎:10未満
○:10以上15未満
△:15以上20未満
×:20以上
[樹脂膜の凹凸部平坦化性]
300×350×0.7mmのガラス基板上にライン幅20μm、スペース300μm、高さ1.5μmの格子状パターンのアルミ配線を形成した基板上に、スピンナー(ミカサ社製)を用いて、架橋性樹脂組成物を塗布し、ホットプレートを用いて95℃、120秒間乾燥し、乾燥後の膜厚(ガラス基板からの距離)が2.5μmになるように成膜する。次に、接触式膜厚計P−10(テンコール社製)を用いて膜厚(ガラス基板からの距離)を測定する。下記式によりアルミ配線のある部分とない部分の膜厚差を求め、下記の基準で判定する。
膜厚差(%)=100×(配線のある部分の膜厚−配線のない部分の膜厚)/配線のない部分の膜厚
◎:膜厚差が5%未満
○:5%以上10未満
△:10%以上15%未満
×:15%以上
[樹脂膜の耐熱形状保持性]
300×350×0.7mmのガラス基板上に1.5μmの段差を有するアルミ膜を形成した基板上に、スピンナー(ミカサ社製)を用いて、架橋性樹脂組成物を塗布し、ホットプレートを用いて95℃、120秒間乾燥し、乾燥後の膜厚が2.5μmになるように成膜する。この膜の全面に、365nmにおける光強度が5mW/cmである紫外線を、空気中で60秒間照射し、次いで、このパターンが形成されたガラス基板をホットプレートを用いて、160℃で2分間、1回目の加熱処理する。得られたパターンの断面を電子顕微鏡で観察して、パターンの下端の幅aを測定する。次に、1回目の加熱処理を施したガラス基板を、クリーンオーブンを用いて、230℃で1時間、2回目の加熱処理を施す。この2回目の加熱処理をしたパターンの断面を電子顕微鏡で観察して、パターンの上端の形状を評価すると共に、パターンの下端幅bを測定する。1回目の加熱処理後のパターンの下端幅aに対する2回目の加熱処理後のパターンの下端幅bの百分比率(b/a)を求めて、下記の基準で判定する。
◎:上端に丸みは認められず、上記比率は110%以下である。
○:上端が丸みを帯びているが、上記比率は120%以下である。
△:上端が丸みを帯び、上記比率は120%を超えている。
×:パターンが完全に溶融し、隣接パターンと融着している。
[樹脂膜の誘電特性]
アルミニウム基板上にスピンナー(ミカサ社製)を用いて架橋性樹脂組成物を塗布した後、ホットプレートで95℃、120秒間の乾燥処理を行い、触針式膜厚計P−10(テンコール社製)で測定したときに3μmになるように、成膜する。この膜を露光処理しないで、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド0.3%水溶液に23℃で100秒間浸漬して現像処理を行った後、超純水で1分間リンス処理し、次いで、樹脂膜全面に365nmにおける光強度が5mW/cmである紫外線を照射して、感放射線化合物を失活させる。その後、230℃のホットプレートで1時間加熱を行う。この樹脂膜の上に、0.3μmのアルミニウム膜を形成し、23℃の環境下で1MHzの誘電率を測定する。この誘電率に基づいて、下記の基準で判定する。
○:誘電率が3未満。
×:誘電率が3以上。
[合成例1]
8−ヒドロキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン60部、N−フェニル−(5−ノルボルネン−2,3−ジカルボキシイミド)40部、1−ヘキセン1.3部、1,3−ジメチルイミダゾリジン−2−イリデン(トリシクロヘキシルホスフィン)ベンジリデンルテニウムジクロリド0.05部、及びテトラヒドロフラン400部を、窒素置換したガラス製耐圧反応器に仕込み、攪拌しつつ70℃で2時間反応させて重合体溶液A(固形分濃度:約20%)を得た。
この重合体溶液Aの一部を攪拌機付オートクレーブに移し、150℃で水素を圧力4MPaで溶存させて5時間反応させ、水素化された重合体(水素化率100%)を含む重合体溶液B(固形分濃度:約20%)を得た。
100部の重合体溶液Bに1部の活性炭粉末を添加した耐熱容器をオートクレーブに入れ、攪拌しつつ150℃で水素を4MPaの圧力で3時間溶存させた。次いで、溶液を取り出して孔径0.2μmのフッ素樹脂製フィルターでろ過して活性炭を分離して重合体溶液を得た。ろ過は滞りなく行えた。重合体溶液をエチルアルコール中に注いで凝固させ、生成したクラムを乾燥して重合体を得た。得られた重合体のポリイソプレン換算のMwは5,500であり、Mnは3,200であった。またヨウ素価は1であった。
[実施例1]
合成例1で得た重合体100部、表1に示す総量550部の溶媒、1,2−キノンジアジド化合物として4,4’−[1−[4−[1−[4−ヒドロキシフェニル]−1−メチルエチル]フェニル]エチリデン]ビスフェノール(1モル)と1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸クロリド(2.5モル)との縮合物25重量部、架橋剤として脂環式構造含有多官能エポキシ化合物(分子量2700、エポキシ基数15、ダイセル化学工業社製、EHPE3150)20部、接着助剤としてγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン1部、シリコーン系界面活性剤(信越化学工業社製、KP−341)0.05部、及び酸化防止剤としてペンタエリスリトールテトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート](イルガノックス1010、チバ・スペシャリティーケミカルズ社製)3部を混合し溶解させた後、孔径0.45μmのポリテトラフルオロエチレン製フィルターでろ過して架橋性樹脂組成物を調製した。この架橋性樹脂組成物について、溶解安定性、及び基板上に積層後の樹脂膜の膜厚均一性、凹凸部平坦化性、耐熱形状保持性及び誘電特性を評価した。結果を、表1に示す。
[実施例2〜4、比較例1〜2]
溶媒及び架橋剤を表1に示すように変更した以外は実施例1と同様にして架橋性樹脂組成物を調製し、実施例1と同様にして各特性を評価した。結果を表1に示す。
Figure 2005290093
[表1の脚注]
※1
HPE3150:エポキシ基数15、分子量2700の脂環構造及び分岐構造を有するエポキシ化合物 (ダイセル化学工業社製)
XD−1000:エポキシ基数3、分子量714の脂環構造及び直鎖構造を有するエポキシ化合物(日本化薬社製)
EXA−7015:エポキシ基数2、分子量352の脂環構造及び直鎖構造を有するエポキシ化合物(大日本インキ社製)
※2
EDM:ジエチレングリコールエチルメチルエーテル
PGMEA:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート
※3
溶解安定性が悪く、塗布膜に不溶物が存在した。
表1の結果から、溶媒として、モノアルキレングリコール化合物とオリゴアルキレン化合物との混合溶媒を用いた本発明の実施例では、溶解安定性、面内膜厚均一性、凹凸部平坦化性、耐熱形状保持性及び誘電特性が良好であり、特にモノアルキレングリコール化合物とオリゴアルキレン化合物との比率が15/85〜45/55の範囲内にあるときはこれらの特性が優れたものになることが分かる。これに対して、モノアルキレングリコール化合物とオリゴアルキレン化合物との比率が本発明の範囲を外れる混合溶媒を用いた比較例1及びモノアルキレングリコール化合物を単独で用いた比較例2では、これらの特性がいずれも著しく劣ることが分かる。

Claims (11)

  1. プロトン性極性基を有する環状オレフィン系重合体、架橋剤及び溶媒を含有してなる架橋性樹脂組成物であって、溶媒がモノアルキレングリコール化合物とオリゴアルキレングリコール化合物との混合溶媒を含んでなり、且つモノアルキレングリコール化合物とオリゴアルキレングリコール化合物との重量比(モノアルキレングリコール化合物:オリゴアルキレングリコール化合物)が10:90〜50:50であることを特徴とする架橋性樹脂組成物。
  2. プロトン性極性基を有する環状オレフィン系重合体におけるプロトン性極性基含有環状オレフィン単位の含有量が10〜90重量%である請求項1に記載の架橋性樹脂組成物。
  3. 架橋剤が3個以上のエポキシ基を有する多官能エポキシ化合物を含む請求項1又は2に記載の架橋性樹脂組成物。
  4. 感放射線化合物を更に含んでなる請求項1〜3のいずれかに記載の架橋性樹脂組成物。
  5. 基板と、この上に請求項1〜4のいずれかに記載の架橋性樹脂組成物を用いて形成された樹脂膜と、からなる積層体。
  6. 樹脂膜がパターン化樹脂膜である請求項5に記載の積層体。
  7. 請求項1〜4のいずれかに記載の架橋性樹脂組成物を用いて樹脂膜を基板上に形成することを特徴とする、基板とその上に形成された樹脂膜とからなる積層体の製造方法。
  8. 樹脂膜を基板上に形成した後、樹脂を架橋する請求項7記載の積層体の製造方法。
  9. 請求項4に記載の架橋性樹脂組成物を用いて樹脂膜を基板上に形成し、この樹脂膜に活性放射線を照射して樹脂膜中に潜像パターンを形成し、次いで樹脂膜に現像液を接触させて潜像パターンを顕在化させ、基板上にパターン化樹脂膜を形成することを特徴とする、基板とその上に形成されたパターン化樹脂膜とからなる請求項6の積層体の製造方法。
  10. 基板上にパターン化樹脂膜を形成した後に、樹脂の架橋反応を行う請求項8に記載の積層体の製造方法。
  11. 請求項5又は6に記載の積層体からなる電子部品。
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