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JP2005283477A - 磁気センサ - Google Patents

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JP2005283477A
JP2005283477A JP2004100837A JP2004100837A JP2005283477A JP 2005283477 A JP2005283477 A JP 2005283477A JP 2004100837 A JP2004100837 A JP 2004100837A JP 2004100837 A JP2004100837 A JP 2004100837A JP 2005283477 A JP2005283477 A JP 2005283477A
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Yoichi Okui
陽一 奥井
Susumu Azeyanagi
進 畔柳
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Denso Corp
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Abstract

【課題】バイアス磁石に対するセンサチップの配設精度を容易に確保することができ、しかもより高いセンサ感度を安定して得ることのできる磁気センサを提供する。
【解決手段】磁気センサは、磁気抵抗素子を備えるセンサチップ3と、長さ方向に矩形溝が設けられて断面略U字形状に形成されたバイアス磁石2とを有して構成される。特に、センサチップ3は、モールド成形せずに、バイアス磁石2の矩形溝の底面21に傾斜した状態で配設される。
【選択図】 図1

Description

本発明は、磁界変化に応じて抵抗値が変化する磁気抵抗素子(MRE)を利用して、磁性体からなる検出対象の移動、回転等の運動を検出する磁気センサに関する。
磁気抵抗素子(MRE)を利用した磁気センサは、ロータ等の検出対象の運動を検出するために広く利用されている。この種の磁気センサは、検出対象に向けてバイアス磁界を発生するバイアス磁石と検出対象との間に、磁気抵抗素子を備えるセンサチップが配設され、磁気抵抗素子の抵抗変化として、検出対象の運動態様を検出している。また、磁気センサとしては、その感度が磁気抵抗素子とバイアス磁石との位置関係によって大きく左右される。
図9に、こうした磁気センサを回転検出装置に適用した一例についてその概要を示す(例えば特許文献1参照)。
同図9に示すように、磁気センサ201は、検出対象として多数の歯207を持つロータ208と対向するように配設される。また、この磁気センサ201は、永久磁石からなるバイアス磁石202とセンサチップ204とを有して構成されている。このセンサチップ204は、一対の磁気抵抗素子203を有しており、モールド成形によりリードフレーム等と一体に樹脂モールドされてモールドIC205を構成している。一方、バイアス磁石202は、円柱形状をなし、その中央部に断面矩形形状の貫通孔が設けられている。そして、この貫通孔に上記モールドIC205が挿入されて所定の位置で固定されている。なお、モールドIC205の端部(図示右端部)からはリードフレームの一部であるセンサ端子(給電端子及び出力端子)206が導出されている。
図10は、上述した磁気センサ201を用いて実測した磁気抵抗素子203とバイアス磁石202との間の距離(M−M距離)と磁気抵抗素子203の抵抗変化率(感度)との関係を一例として示している。
同図10に示すように、このような磁気センサ201にあっては、バイアス磁石202に対する磁気抵抗素子203の配設位置がその抵抗変化率に大きく影響し、また磁気抵抗素子203がバイアス磁石202の内部に納まる位置においてその抵抗変化率が最大になる。
特許第3102268号公報
このように、バイアス磁石202を中空構造とし、その中空部にセンサチップ204を挿入することで、磁気センサ201としての感度が高められるとともに、磁気センサ201自体をよりコンパクトに形成することもできる。
ところが、上記のような構成では、センサチップ204がモールド成形されているため、モールド成形時のセンサチップ204の位置合わせ精度を厳しく管理する必要がある。
また、モールドIC205をバイアス磁石202の中空部に挿入してこれらモールドIC205とバイアス磁石202とを組み付ける際にも、十分に高い組み付け精度が要求されることとなる。
しかも、上記導出されているセンサ端子206は専用コネクタとの接続が必要であり、こうした接合個所の増加が、信頼性の面でのリスク増加にもつながっている。
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、バイアス磁石に対するセンサチップの配設精度を容易に確保することができ、しかもより高いセンサ感度を安定して得ることのできる磁気センサを提供することを目的とする。
こうした目的を達成するため、請求項1に記載の磁気センサでは、磁気抵抗素子を備えるセンサチップと前記磁気抵抗素子にバイアス磁界を付与するバイアス磁石とを有し、検出対象とする磁性体が運動するときに前記バイアス磁界と協働して生じる磁気ベクトルの変化を前記磁気抵抗素子の抵抗値の変化として感知して前記検出対象とする磁性体の運動態様を検出する磁気センサとして、前記センサチップは、前記バイアス磁石に傾斜した状態で固定されてなるものとして構成する。
磁界の変化に応じて抵抗値が変化する磁気抵抗素子を用いる磁気センサとして安定した出力を得るためには、飽和磁界が必要であり、通常は上記バイアス磁石によってこの磁気抵抗素子を飽和磁界下におく必要がある。そして、こうした磁気抵抗素子を備える上記センサチップを直接、上記バイアス磁石上に配設することとすれば、同センサチップの配設精度も容易に確保することができるようになる。ただし、磁気センサとしてこのような構造をとる場合、バイアス磁石の上記センサチップ配設面に対しておよそ垂直方向を向く磁気の向きの変化を捉えることとなるが、このようにセンサチップをバイアス磁石上に配設した場合には、こうした磁気の向きの変化をセンサチップ上で十分に捉えることが難しくなる。またこの場合、バイアス磁石周辺で上記飽和磁界を確保することのできない領域が存在するようにもなる。そこで、この発明では、上述のように、センサチップをバイアス磁石に固定するに際し、同センサチップをバイアス磁石に対して傾斜した状態で固定するようにしている。これにより、上記磁気の向きの変化に対しても、センサチップ上の磁気抵抗素子にてこれを好適に捉えることが可能となり、バイアス磁石に対するセンサチップの配設精度とセンサ感度の向上との好適な両立が図られるようになる。
また、こうしてセンサチップをバイアス磁石に対して傾斜した状態で固定する場合、その傾斜角は、請求項2に記載の発明のように、バイアス磁石から発せられる磁束の向きに応じて設定することがより望ましい。これにより、磁気抵抗素子の動作環境としての飽和磁界を容易に確保できるようになり、磁気の変化に応じて安定した磁気抵抗素子の抵抗変化が得られるようになる。
また、バイアス磁石に対して傾斜した状態でセンサチップを固定する際、その固定方法としては、例えば請求項3に記載の発明のように、
(イ)バイアス磁石の磁石面の一部に傾斜面を有する非磁性部材を設け、該非磁性部材の傾斜面にセンサチップを固定する。
あるいは請求項4に記載の発明のように、
(ロ)バイアス磁石の磁石面に対し傾斜面を有して配設されるハウジングを備え、このハウジングの傾斜面にセンサチップを固定する。
といった方法が有効であり、且つ実現も容易である。
また、請求項5に記載の発明では、請求項1〜4のいずれか一項に記載の発明の構成において、前記バイアス磁石は、信号伝達用端子を備えるものとして構成する。
このような構成により、前述した専用コネクタの使用を省略することができるようになる。
また、請求項6に記載の発明では、請求項5に記載の発明の構成において、前記信号伝達用端子は、前記バイアス磁石にインサート成形されてなるものとして構成する。
このような構成により、信号伝達用端子を容易に形成することができるようになる。
また、請求項5または6に記載の発明の構成において、請求項7に記載の発明のように、前記センサチップが、前記信号伝達用端子に接続配設される構成とすることで、電気的な接続にかかる信頼性の面でのリスクも大幅に軽減されるようになる。
さらに、請求項5〜7のいずれか一項に記載の発明の構成において、請求項8に記載の発明のように、前記信号伝達用端子間に例えばコンデンサ等の電子部品を接続配設する構成とすることもできる。これにより、電気的な特性はもとより、スペース的な改善を図ることも可能となる。
また、請求項9に記載の発明では、請求項1〜8のいずれか一項に記載の発明の構成において、前記バイアス磁石は、長さ方向に矩形溝が設けられた断面略U字形状に形成されてなり、前記センサチップは、同バイアス磁石の溝底面に固定されてなるものとして構成する。
このような構成によれば、バイアス磁石は長さ方向に矩形溝が設けられた断面略U字形状に形成され、その溝底面にセンサチップが配設される。このため、センサチップの配設が容易であるとともに、当該センサとしてのさらなる感度の向上が期待できるようにもなる。
また、これら請求項1〜9のいずれか一項に記載の発明の構成は、請求項10に記載の発明のように、前記検出対象とする磁性体が適宜の回転軸に設けられたロータであるとして、当該磁気センサを、前記センサチップの近傍にてロータが回転するときに前記バイアス磁界と協働して生じる磁気ベクトルの変化を前記磁気抵抗素子の抵抗値変化として感知して前記ロータの回転態様を検出する回転センサとして構成することが特に有効である。
(第1の実施の形態)
以下、本発明にかかる磁気センサを回転センサ(回転検出装置)に適用した第1の実施の形態について図1〜図7に基づき説明する。
図1は、本実施の形態にかかる磁気センサの斜視構造についてその概略を示す斜視図である。同図1に示すように、この磁気センサは、長さ方向に矩形溝が設けられて断面略U字状に形成されたバイアス磁石2と、このバイアス磁石2の矩形溝の底面21に傾斜して配設されたセンサチップ3とを備えて構成されている。そして、バイアス磁石2からは、センサチップ3を介して、磁性体からなるロータなどの図示しない検出対象に向けてバイアス磁界が発せられており、同ロータなどの回転運動に応じて変化する磁気ベクトルの変化が、上記センサチップによって検出されるようになる。なお、このセンサチップ3も、前述した磁気抵抗素子を備えて構成されている。
また、図2(a)、(b)及び(c)は、こうした磁気センサについて、それぞれその平面構造、正面構造及び一部透視した模式的な側面構造を示したものである。これらの図、特に図2(c)に示されるように、同磁気センサにあって、上記センサチップ3は、バイアス磁石2から発せられる磁気ベクトルHの向きに沿うように配設されている。また、このようにセンサチップ3を配設した場合の磁気ベクトルHの合成ベクトルは図2(d)に示されるようになる。すなわち、同図2(d)に示されるように、センサチップ3をその配設箇所における磁気ベクトルの向きに略沿うように配設することで、磁気ベクトルHの大部分はセンサチップ3と平行な磁気ベクトル成分Hxyzとなり、飽和磁界を確保することのできない領域の存在等も回避されるようになる。換言すれば、このような磁気ベクトルH(Hxyz)は飽和磁界の形成に最大限に利用されることとなり、磁気ベクトルの変化も上記センサチップを通じてより容易に検出することができるようになる。
なお、センサチップ3は、上記磁気ベクトルHの向きと完全に一致せずとも、バイアス磁石2の矩形溝の底面21に対して傾斜した状態で配設するようにすれば、その傾斜角度に応じて、センサチップ3の平面と平行な磁気ベクトル成分Hxyzは増える傾向にある。そしてその増えた磁気ベクトル成分Hxyzにより、同センサチップ3に設けられている磁気抵抗素子の動作環境となる飽和磁界が確保されやすくなる。
このように、センサチップ3をバイアス磁石に傾斜した状態で配設することで、飽和磁界を容易に確保することができるようになり、バイアス磁石2の周辺であればその配設領域の制限もなくなる。
次に、図3を参照して、本実施の形態の磁気センサのより具体的な構成について詳述する。なお、この図3において、図3(a)は、同磁気センサの平面構造を、また図3(b)及び(c)は、それぞれ図3(a)のB−B'断面構造及びC−C'断面構造を示している。
図3に示すように、上記センサチップ3は、絶縁基板上に例えばハ字状に形成された2対の磁気抵抗素子(MRE)31、32及び33、34を備えている。これらの磁気抵抗素子31〜34は、バイアス磁石2から発せられるバイアス磁界の磁気ベクトルの変化を抵抗値の変化として検知して、検出対象であるロータの回転などの運動態様を検出する。
ここで、センサチップ3を構成する上記2対の磁気抵抗素子31、32及び33、34は、バイアス磁石2の中心軸(バイアス磁界の磁気的中心)に対して対称に配設され、各々の磁気抵抗素子31〜34は、バイアス磁石2の中心軸と略45度または−45度の角度をなすようにパターニングされている。これにより、磁気抵抗素子31〜34からの出力の波形割れが効果的に防止される。なお、上記2対の磁気抵抗素子31,32及び33,34を使用してセンサチップ3を構成することによって、差動動作が可能となるが、差動動作をさせない場合は、1対の磁気抵抗素子を配設するようにしてもよい。
また、図3に示すように、バイアス磁石2の磁石面となる矩形溝の底面21の一部に、樹脂等の非磁性部材からなる支持台7が接着剤等により固定されている。この支持台7は、バイアス磁石2の底面21に対して所定の角度をなす傾斜面を備え、その傾斜面に凹部8が形成されている。そしてこの凹部8に、センサチップ3が接着剤等による接着によって配設固定されている。このように、センサチップ3は、バイアス磁石2の底面21に対して所定の角度をなして配設されることとなる。なお、この配設角度、すなわち支持台7の傾斜角度は、磁気シミュレーションによって推定したセンサチップ3の配設位置における磁気ベクトルの向きに沿うように設定されている。
また、図3に示すように、バイアス磁石2の矩形溝の底面21には端子4a、4b及び4cがインサート成形されている。そして、これらの端子4a〜4cはワイヤボンディングによりセンサチップ3の電極と電気的に接続されている。また、端子4a及び4b間には保護用コンデンサ6aが、同じく端子4b及び4c間には保護用コンデンサ6bがそれぞれ導電性接着剤等によって電気的に接続固定されている。
本実施の形態にあってはこのように、センサチップ3をモールド成形せずに、断面略U字状に形成されたバイアス磁石2の底面21に直接配設するようにしている。これによって、センサチップ3の配設が容易になるとともに、その位置精度も大幅に向上されるようになる。
以下、便宜上、バイアス磁石2の底面21に対してセンサチップ3が平行に配設される場合のデータに基づいて、センサチップ3の配設精度の向上により、磁気センサとしての感度がどのように向上されるかについて説明する。
まず、センサチップ3の配設位置の精度がどのように磁気センサの感度に影響するかについて、磁気シミュレーションの結果に基づき説明する。
図4は、センサチップ3とバイアス磁石2との左右方向の相対的な位置ずれをパラメータに、ロータ回転角度と磁気センサのセンサ感度との関係を示す図である。同図4において、縦軸のセンサ感度はバイアス磁石2から発せられる磁気の振れ角に対応して表されている。ここで、センサ感度「0.0」は、上記磁気振れ角のしきい値に対応している。同図4に示すように、左右に配設されている2対の磁気抵抗素子の中心軸(バイアス磁石2の磁気的中心)を基準として、センサチップ3の配設位置が左右方向にずれるにつれて、ロータ回転角度のずれも大きくなる。例えば、ロータ−センサ間距離が「0.5mm」の場合において、センサチップ3が中心位置に対して左右方向に「0.05mm」ずれた場合は、ロータの回転角度のずれが約「0.2」度となり、左右方向に「0.1mm」ずれた場合には、ロータの回転角度のずれが約「0.4」度となる。
また図5は、センサチップ3とバイアス磁石2との前後方向(バイアス磁石2の磁気方向)の相対的な位置ずれをパラメータに、ロータ回転角度と磁気センサのセンサ感度との関係を示す図である。同図5に示すように、2対の磁気抵抗素子の前後方向の中点を基準として、センサチップ3の配設位置が前後方向にずれるにつれて、ロータの回転角度のずれも大きくなる。この点は、図4に示された傾向と同様である。例えば、ロータセンサ間距離が「1.5mm」の場合において、センサチップ3が基準位置に対して「0.05mm」ずれた場合は、ロータの回転角度のずれは約「0.38」度となり、また「0.1mm」ずれた場合は、ロータの回転角度のずれは約「0.75」度となる。
このように、センサチップ3の配設位置は、左右方向であれ前後方向であれ、そのずれが大きくなるに従って、ロータの回転角度のずれも大きくなる。すなわち、センサチップ3の配設精度が磁気センサの感度に対して大きな影響を与えていることになる。
図6は、センサチップ3をバイアス磁石2に直接配設した試作品を対象に、実装精度を左右方向及び前後方向で測定した結果を示すものである。同図6において、横軸はセンサチップ3の配設位置のずれ(図中のチップマウント位置ずれ)で、縦軸は各ずれ量の発生の度数である。また、白抜きの棒グラフは左右方向の位置ずれで、斜線の棒グラフは前後方向の位置ずれを示している。この実測の結果では、左右方向のずれの平均値は「−2.26μm」であり、その3σ(標準偏差)値は「46.5μm」である。また、前後方向のずれの平均値は「14.5μm」であり、その3σ値は「40.5μm」となっている。ここで、左右方向及び前後方向のずれ量の分布が正規分布に従うと見なした場合、左右方向及び前後方向のずれ量が「−50μm〜50μm」の範囲内に入る確率が「99.97%」以上となり、実用上この範囲を越えるずれ量はないと考えてもよい。
このように、センサチップ3を断面略U字形状に形成されたのバイアス磁石2の底面21に直接配設することで、その配設位置の精度が「0.05mm(50μm)」以内となり、従来の構造での配設精度(左右、前後に少なくとも「0.15mm」)に比較し、位置精度が格段に向上されている。
また、前述したように、センサチップ3はモールド成形せずに、直接バイアス磁石2の底面21に配設されているため、磁気抵抗素子とバイアス磁石の側壁間の距離を約「1mm」程度に接近させることもできる。
ちなみに従来は、センサチップを一旦ICモールドに形成し、このICモールドをバイアス磁石に設置するようにしたため、磁気抵抗素子とバイアス磁石の側壁間の距離は、少なくとも「2mm」以上あった。これに対して、本実施の形態では、センサチップ3をモールド成形しないため、2対の磁気抵抗素子31、32及び33、34の中心とバイアス磁石2の側壁間の距離をさらに短くすることができる。これによっても、磁気センサのセンサ感度が向上されるようになる。
図7は、上記磁気抵抗素子対の中心からバイアス磁石2の側壁までの距離Lとセンサ感度との関係を示すものである。同図7に示すように、磁気抵抗素子対の中心とバイアス磁石2の側壁との間の距離を「2mm」から「1mm」に短くすることで、センサ感度が大幅に高められるようになる。
以上説明したように、本実施の形態によれば、以下のような効果が得られるようになる。
(1)本実施の形態では、バイアス磁石2に傾斜した状態でセンサチップ3を配設することとした。このため、磁気抵抗素子31〜34の安定した動作に必要な飽和磁界を容易に確保できるようになり、磁気ベクトルの変化をより的確に検出することができるようになる。特に磁気シミュレーションなどによって推定した磁気ベクトルの向きに沿うようにセンサチップを配設すれば、その効果がより顕著なものとなる。
(2)また、センサチップ3をバイアス磁石2に傾斜した状態で設置するために、バイアス磁石2の矩形溝部に支持台7を設け、この支持台7の傾斜面にセンサチップ3を配設するようにした。このため、磁気センサ全体としての寸法を増大させることなく、センサチップ3を安定して配設することができるようになる。
(3)バイアス磁石2として、断面略U字状のものを用いることとしたため、センサチップ3の配設が容易となるとともに、その配設精度も好適に向上される。またこれにより、磁気センサとしての感度も好適に高められるようになる。
(4)センサチップ3はモールド成形をせずに上記バイアス磁石2の矩形溝の底面21に配設することとしたため、モールド成形を行う場合のように位置あわせ精度を管理する手間がなくなり、センサチップ3の配設精度も容易に確保することができるようになる。これに加え、磁気センサ素子とバイアス磁石2の側壁との間の距離を短くすることもできるため、磁気センサのセンサ感度がさらに向上されるようになる。
(5)しかも、上記バイアス磁石2には、インサート成形により信号伝達用端子4a〜4cを備えることとした。このため、外部に信号を取り出すための専用コネクタが不要となる。また、センサチップ3は信号伝達用端子4a〜4cと直接接続されるため、接合箇所が減り、電気的な信頼性もより高められるようになる。
なお、上記実施の形態では、支持台7として樹脂製のものを用いることとしたが、非磁性体であればよく、他に例えば、銅、アルミニウム、ステンレススチール、あるいは木材等その他の材料も適宜採用可能である。
また、上記実施の形態では、支持台7の傾斜面に凹部8を設けることとしたが、凹部8を設けずに、直接センサチップ3を支持台7の傾斜面に配設するようにしてもよい。
また、上記実施の形態では、支持台7に傾斜面を設けてその傾斜面にセンサチップ3の全体を配設することとしたが、センサチップ3を安定して配設することができれば、例えばセンサチップ3の一端を直接バイアス磁石2の底面21に載置するなどして、センサチップ3の一部を支持するように支持台7を形成するようにしてもよい。
(第2の実施の形態)
以下、本発明に係る磁気センサを具体化した第2の実施の形態について、図8に基づき説明する。なお、本実施の形態は、先の第1の実施の形態において、センサチップ3を支持する支持台7に代えて、バイアス磁石2に設けられるハウジングの一部を利用してセンサチップ3を配設する構造としている。その他の点は、先の第1の実施の形態にかかる磁気センサと同様であり、図8においても、それら同一の要素にはそれぞれ同一の符号を付して示し、それら要素についての重複する説明は割愛する。
図8は、本実施の形態にかかる磁気センサについて、先の図3(b)に対応する側面断面構造を示したものである。前述したように、磁気センサは、バイアス磁石2やセンサチップ3、また保護用コンデンサ6a,6b及びボンディング用のワイヤなど複数の部品から構成されている。そして、これらの部品を一体化するために、また磁気センサを外力などから保護するために、本実施の形態では、同図8に示す態様で、樹脂等からなるハウジング9を設けるようにしている。
ここで、このハウジング9には、上記バイアス磁石2の矩形溝に入り込むように、張り出し部9aが設けられている。そして、この張り出し部9aには、バイアス磁石2の底面21と所定の角度をなす傾斜面が形成されており、この傾斜面に、上記センサチップ3が接着剤等で固定されている。これにより、センサチップ3もバイアス磁石2の底面21に対して傾斜した状態で配設されるようになる。なお、この配設角度、すなわち上記張り出し部9aの傾斜角度も、磁気シミュレーションによって推定したセンサチップ3の配設位置における磁気ベクトルの向きに沿うように設定されている。
以上説明した本実施の形態にかかる磁気センサによっても、先の第1の実施の形態の前記(1)〜(5)の効果と同等もしくはそれらに準じた効果を得ることができる。
なお、上記実施の形態では、センサチップ3を張り出し部9aの傾斜面に直接配設することとしたが、この傾斜面に凹部を設け、この凹部にセンサチップ3を配設するようにしてもよい。
(他の実施の形態)
その他、上記各実施の形態に共通して変更可能な要素としては以下ようなものがある。
・上記各実施の形態では、バイアス磁石2を断面略U字状に形成することとしたが、バイアス磁石2の形状はこれに限らず、磁界を発生させることができる磁性体であれば適宜他の形状に形成してもよい。
・上記各実施の形態では、センサチップが配設される支持台7または張り出し部9aの傾斜面は、磁気ベクトルの向きに沿うようにその傾斜角度が設定されることとしたが、これらの傾斜面の傾斜角度が厳密的に磁気ベクトルの向きに沿う必要はない。それら傾斜角度が磁気ベクトルの向きからずれている場合であれ、バイアス磁石2の底面21に平行にセンサチップ3を配設する場合に比較すれば、磁気抵抗素子31〜34に対する飽和磁界をより容易に確保することができ、ひいてはより容易に感度の向上を図ることができるようになる。
・上記各実施の形態では、磁気センサを回転センサとしてロータなどの検出対象の回転態様を検出することとしたが、これに限らず、磁性体からなる任意の検出対象の運動態様の検出に用いても有効である。
本発明にかかる磁気センサの第1の実施の形態についてその斜視構造の概要を示す斜視図。 同実施の形態の磁気センサについて、(a)はその平面構造を示す平面図、(b)はその正面構造を示す正面図、(c)は一部透視した模式的な側面構造を示す側面図、(d)そのセンサチップに作用する磁気ベクトルの合成ベクトルを示す略図。 (a)は同実施の形態の磁気センサの平面構造をより詳細に示す平面図。(b)は(a)のB−B'線に沿った断面構造を示す断面図。(c)は(a)のC−C'線に沿った断面構造を示す断面図。 同実施の形態の磁気センサにおいて、センサチップの左右方向の位置ずれとロータ回転角度のずれとの関係を主に示すグラフ。 同実施の形態の磁気センサにおいて、センサチップの前後方向の位置ずれとロータ回転角度のずれとの関係を主に示すグラフ。 同実施の形態の磁気センサにおいて、センサチップの実装精度を比較して示すグラフ。 同実施の形態の磁気センサにおいて、センサチップとバイアス磁石の側壁との間の距離とセンサ感度との関係を主に示すグラフ。 本発明にかかる磁気センサの第2の実施の形態についてその側面断面構造を示す断面図。 (a)は従来の磁気センサの平面構造を示す平面図。(b)は従来の磁気センサの側面構造を示す側面図。 磁気抵抗素子とバイアス磁石との間の距離(M−M距離)と磁気抵抗素子の抵抗変化率との関係を示すグラフ。
符号の説明
1…磁気センサ、2…バイアス磁石、3…センサチップ、4a,4b,4c…信号伝達用端子、5、8…凹部、6a,6b…電子部品としてのコンデンサ、7…支持台、9…ハウジング、9a…張り出し部、31,32,33,34…磁気抵抗素子。

Claims (10)

  1. 磁気抵抗素子を備えるセンサチップと前記磁気抵抗素子にバイアス磁界を付与するバイアス磁石とを有し、検出対象とする磁性体が運動するときに前記バイアス磁界と協働して生じる磁気ベクトルの変化を前記磁気抵抗素子の抵抗値の変化として感知して前記検出対象とする磁性体の運動態様を検出する磁気センサにおいて、
    前記センサチップは、前記バイアス磁石に傾斜した状態で固定されてなる
    ことを特徴とする磁気センサ。
  2. 前記センサチップの傾斜角度は、前記バイアス磁石から発せられる磁束の向きに応じた角度に設定されてなる
    請求項1に記載の磁気センサ。
  3. 前記バイアス磁石はその磁石面の一部に傾斜面を有する非磁性部材を備え、前記センサチップは、該非磁性部材の傾斜面に固定されてなる
    請求項1または2に記載の磁気センサ。
  4. 前記バイアス磁石はその磁石面に対する傾斜面を有して配設されるハウジングを備え、前記センサチップは、このハウジングの前記傾斜面に固定されてなる
    請求項1または2に記載の磁気センサ。
  5. 前記バイアス磁石は、信号伝達用端子を備えてなる
    請求項1〜4のいずれか一項に記載の磁気センサ。
  6. 前記信号伝達用端子は、前記バイアス磁石にインサート成形されてなる
    請求項5に記載の磁気センサ。
  7. 前記センサチップは、前記信号伝達用端子に接続配設されてなる
    請求項5または6に記載の磁気センサ。
  8. 前記信号伝達用端子間に電子部品が接続配設されてなる
    請求項5〜7のいずれか一項に記載の磁気センサ。
  9. 前記バイアス磁石は、長さ方向に矩形溝が設けられた断面略U字形状に形成されてなり、前記センサチップは、同バイアス磁石の溝底面に固定されてなる
    請求項1〜8のいずれか一項に記載の磁気センサ。
  10. 前記検出対象とする磁性体が適宜の回転軸に設けられたロータであり、当該磁気センサは、前記センサチップの近傍にてロータが回転するときに前記バイアス磁界と協働して生じる磁気ベクトルの変化を前記磁気抵抗素子の抵抗値変化として感知して前記ロータの回転態様を検出するものである
    請求項1〜9のいずれか一項に記載の磁気センサ。
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