JP2005276978A - オーミック電極構造体の製造方法、オーミック電極構造体、半導体装置の製造方法および半導体装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】微細化に有利で、レジスト汚染を防止する。
【解決手段】SiC基板1の表面に選択的に形成された高濃度不純物領域2と、SiC基板1の上に載置された厚い絶縁膜3と、厚い絶縁膜3中に高濃度不純物領域2の表面を露出するように開口されたコンタクト窓4と、コンタクト窓4内底に自己整合的に配設された加熱反応層5と、コンタクト窓4内部において加熱反応層5の表面に接し、かつ厚い絶縁膜3の上部にまで伸延された配線導体6とを有するオーミック電極構造体。
【選択図】 図1
【解決手段】SiC基板1の表面に選択的に形成された高濃度不純物領域2と、SiC基板1の上に載置された厚い絶縁膜3と、厚い絶縁膜3中に高濃度不純物領域2の表面を露出するように開口されたコンタクト窓4と、コンタクト窓4内底に自己整合的に配設された加熱反応層5と、コンタクト窓4内部において加熱反応層5の表面に接し、かつ厚い絶縁膜3の上部にまで伸延された配線導体6とを有するオーミック電極構造体。
【選択図】 図1
Description
本発明は、オーミック電極構造体の製造方法、オーミック電極構造体、半導体装置の製造方法および半導体装置に関する。
炭化珪素(SiC)は、pn接合の形成が可能で、珪素(Si)や砒化ガリウム(GaAs)等の他の半導体材料に比べて禁制帯幅Egが広く、3C−SiCで2.23eV、6H−SiCで2.93eV、4H−SiCで3.26eV程度の値が報告されている。また、SiCは、熱的、化学的、機械的に安定で、耐放射線性にも優れているので、発光素子や高周波デバイスはもちろんのこと、高温、大電力、放射線照射等の過酷な条件で、高い信頼性と安定性を示す電力用半導体装置(パワーデバイス)として様々な産業分野での適用が期待されている。
特に、SiCを用いた高耐圧のMOSFET(金属−酸化物−半導体構造電界効果トランジスタ)は、Siを用いたMOSFETよりもオン抵抗が原理的に低くなることが報告されている。また、SiCを用いた高耐圧ショットキーダイオードの順方向降下電圧がSiより低くなることが報告されている。良く知られているように、パワーデバイスのオン抵抗とスイッチング速度とは、トレード・オフ関係にある。しかし、SiCを用いたパワーデバイスによれば、低オン抵抗化と高速スイッチング速度化が同時に達成できる可能性がある。
このSiCを用いたパワーデバイスの低オン抵抗化には、オーミック・コンタクトのコンタクト抵抗ρcの低減が重要な要素である。特に、低オン抵抗化のためには、パワーデバイスの主電極領域を細分化し、高密度にSiC基板上に配列する方法も採用される。このような微細寸法化されたパワーデバイスの低オン抵抗化には、微細な開口部(コンタクト・ウィンドウ)の内部において、低いコンタクト抵抗ρcを得ることが極めて重要となってくる。
このような低抵抗のn型SiCオーミック電極構造体の一例が下記特許文献1に記載されている。このオーミック電極構造体は、それ以前の従来技術に比べるとパワーデバイスや高周波デバイスなどの構造やその製造プロセスに格段に高い適合性を有していているのが特徴であって、実際、この構造体を利用したパワMOSFETや高周波MESFET(金属−半導体構造電界効果トランジスタ)がいくつか報告されている(例えば下記非特許文献1を参照することができる)。
このオーミック電極構造体は、SiC基板の表面に選択的に形成されたn型SiC領域、該SiC基板の上に載置されたフィールド絶縁膜(あるいは層間絶縁膜など)、該フィールド絶縁膜中にn型SiC領域の表面を露出するように開口された開口部(コンタクト窓)の内部において、フィールド絶縁膜から一定の間隙(側壁ギャップ)を隔てて配置された電極膜、フィールド絶縁膜の開口部の内部において、フィールド絶縁膜から側壁ギャップを隔て、かつ電極膜とn型SiC領域の間に配置された加熱反応層、フィールド絶縁膜の開口部の内部において、電極膜の表面に接し、かつ、フィールド絶縁膜の上部にまで伸延された配線導体素片とから構成されている。フィールド絶縁膜は、SiC基板の薄い(厚さ5〜40nm)熱酸化膜と、この熱酸化膜とは組成若しくは密度の異なる絶縁膜からなる上部絶縁膜との積層絶縁膜からなっている。電極膜の母材である第1の導体膜はNi、Coのほかチタン(Ti)、クロム(Cr)、タンタル(Ta)、タングステン(W)、モリブデン(Mo)などの1、または1以上の金属から選ばれた、金属膜、合金膜、化合物膜、あるいはこれらの複合膜や積層膜から構成されている。電極膜とn型SiC領域との間に埋設されている加熱反応層は、n型SiC領域と電極膜の母材である第1の導体膜との加熱反応によって形成された層である。側壁ギャップを構成している一定の間隙は、フィールド絶縁膜の厚みより小さい値に制御されている。
次に、上記従来のオーミック電極構造体の製造工程を説明すると、
(イ)まず、厚さ約1.5μmのSiO2膜を、CVD法で4H−SiC基板の表面全面に堆積し、その上にフォトレジストをスピンコートする。そして、n型SiC領域形成予定領域の上に堆積したSiO2膜を周知のフォトリソグラフィ法とウェット・エッチング技術で選択的に除去し、イオン注入マスク膜を形成する。
(イ)まず、厚さ約1.5μmのSiO2膜を、CVD法で4H−SiC基板の表面全面に堆積し、その上にフォトレジストをスピンコートする。そして、n型SiC領域形成予定領域の上に堆積したSiO2膜を周知のフォトリソグラフィ法とウェット・エッチング技術で選択的に除去し、イオン注入マスク膜を形成する。
(ロ)そして、イオン注入マスク膜の上に、再びCVD法で薄いSiO2膜からなるイオン注入スルー膜を全面に堆積する。イオン注入スルー膜は、後述のイオン注入時の射影飛程(深さ)Rpを調節するための膜である。後述の31P+(りんイオン)の注入条件では、イオン注入スルー膜の厚みは20〜25nmである。イオン注入スルー膜を堆積した後、SiC基板全面に31P+、14N+(窒素イオン)や75As+(ヒ素イオン)などのn型不純物イオンを、少なくともSiC基板の表面の不純物密度が1×1020/cm3以上になり、かつ、SiC基板の結晶性を損なわないようにイオン注入する。このn型不純物イオンの注入は、500℃に加熱したSiC基板に、ドーズ量Φ/加速エネルギーEACを変えながら多段に注入することが好ましい。例えば、31P+を、SiC基板に多段イオン注入する場合のドーズ量Φ/加速エネルギーEAC条件は、以下の通りである:
第1イオン注入Φ=5×1014cm−2/EAC=40keV;
第2イオン注入Φ=5×1014cm−2/EAC=70keV;
第3イオン注入Φ=1×1015cm−2/EAC=100keV;
第4イオン注入Φ=1×1015cm−2/EAC=150keV;
第5イオン注入Φ=2×1015cm−2/EAC=200keV;
第6イオン注入Φ=2×1015cm−2/EAC=250keV。
第1イオン注入Φ=5×1014cm−2/EAC=40keV;
第2イオン注入Φ=5×1014cm−2/EAC=70keV;
第3イオン注入Φ=1×1015cm−2/EAC=100keV;
第4イオン注入Φ=1×1015cm−2/EAC=150keV;
第5イオン注入Φ=2×1015cm−2/EAC=200keV;
第6イオン注入Φ=2×1015cm−2/EAC=250keV。
(ハ)6段の多段イオン注入が終了したところで、イオン注入マスク膜とイオン注入スルー膜をフッ酸(HF)で全面除去する。そして、常圧Ar雰囲気で1700℃、1分間の急速加熱処理を行うと、イオン注入された31P+が活性化されて、高不純物密度を有するn型SiC領域が選択的に形成される。上記イオン注入条件と活性化熱処理条件で生成されるn型SiC領域の拡散深さはおよそ350nmである。
(ニ)そして、シリコン(Si)プロセスで周知のRCA洗浄法等の所定の洗浄法を用いて、SiC基板を十分清浄化する。RCA洗浄法は、H2O2+NH4OH混合液(SC−1)とH2O2+HCl混合液(SC−2)による浸漬処理を組み合わせて行う伝統的な半導体Si基板の洗浄法である。そして、十分清浄化されたSiC基板の表面を、1000℃から1150℃において乾燥酸素雰囲気で熱酸化し、表面に厚さ5〜40nmの熱酸化膜を成長する。なお、乾燥酸素雰囲気の代わりに、水蒸気や窒素酸化ガスを含む雰囲気を用いてもかまわない。乾燥酸素中、熱処理温度1150℃で3時間熱酸化すれば、35〜40nmの熱酸化膜3が得られる。水蒸気を用いたウェット雰囲気中、1150℃で2時間熱酸化すれば、30〜35nmの熱酸化膜3が得られる。水蒸気を用いたウェット雰囲気の熱酸化の場合は、その後、アルゴン(Ar)中で1150℃、30分間程度アニールすることが好ましい。熱酸化膜3の膜厚を20nm以下にするためには、酸化温度を下げるか、若しくは、酸化時間を短縮すれば良い。
(ホ)次に、熱酸化膜の上に、常圧CVD法で400nmの珪酸ガラス(SiO2やPSGなど)からなる上部絶縁膜を堆積し、2層構造からなるフィールド絶縁膜を形成する。熱酸化膜の厚さと上部絶縁膜の厚さとを合計したフィールド絶縁膜の総厚を、少なくとも100nm以上にすることが望ましい。
(ヘ)次に、フィールド酸絶縁膜の表面に、「マスク材」として、厚さ1〜2μmのフォトレジストをスピンナーを用いて塗布する。そして、所定のフォトマスク(レティクル)を用い、マスク材(フォトレジスト)を選択的に露光し、現像することによって開口部に対応する部分のフォトレジストを除去し、窓部を形成する。続いて、このフォトレジストのマスクパターンをエッチングマスクとして用い、SiC基板をBHF溶液に浸漬し、ウェット・エッチングすることで、フィールド絶縁膜に開口部を形成する。微細な開口部を形成するときは、ガスプラズマを用いたドライ・エッチングが好ましい。例えば、CHF3やC2F6などをエッチャントとした反応性イオンエッチング(RIE)法や電子サイクロトロン共鳴イオンエッチング(ECRイオンエッチング)等の種々のドライ・エッチングを使用することができる。この場合、最初にドライ・エッチングを行い、フィールド絶縁膜を膜厚数10nm残したところで、ウェット・エッチングに切り換えるようにする。ウェットエッチング単独で開口する場合でも、ドライエッチングとウェットエッチングの組み合わせで開口する場合でも、両者に共通し、極めて重要な形成上のポイントはウェット・エッチングまたはドライ・エッチングをやや過剰に行い(オーバーエッチングを行い)、フィールド絶縁膜の開口部がフォトレジストの開口部より大きくなり、アンダーカット部が生じるようにするということである。例えば、エッチングモニタ部の目視により(色の変化により)、n型SiC領域の表面の露出が確認された後、さらに所定の時間オーバーエッチングを追加すればよい。さらに、精密なアンダーカット部の深さを制御するためには、気相反応を利用したエッチング(ガスエッチング)を用いても良い。
(ト)その後、エッチングマスクとしてのフォトレジストを残存した状態で、BHF溶液を超純水で完全に濯ぎ落とした(リンスした)後、乾燥する。そして、レジストマスクが被着した状態のSiC基板を、真空蒸着装置のチャンバー中に速やかに据え付け、直ちに真空排気し、SiC基板の表面に第1の導体膜を蒸着する。第1の導体膜としては、例えば、Ni膜を電子ビーム(EB)蒸着すれば良い。このとき、上述のように、フィールド絶縁膜の開口部はフォトレジスト・マスクの開口部より大きくなるように形成されているため、開口部の底部に蒸着される第1の導体膜の素片(以下において「第1の導体素片」という。)はこの若干小さいフォトレジスト・マスクの開口部の形状に正確に転写される。こうして、第1の導体素片の周縁部とフィールド絶縁膜の開口部の側壁との間には、距離が一定で、かつ微細寸法の蒸着制限領域が形成される。この微細な蒸着制限領域は、上述したアンダーカット部の深さで決定されるので、開口エッチングのオーバーエッチング時間で精密にコントロールできる。第1の導体膜の厚みはその下部にあるn型SiC領域の拡散深さの1/2より薄く設定する。
(チ)第1の導体膜(Ni膜)の真空蒸着後、SiC基板を真空蒸着装置のチャンバーから取り出す。続いて、リフトオフ法を用いて、開口部の内部のみに第1の導体素片が選択的に埋設された基板構造を得る。すなわち、SiC基板をアセトンなどの有機溶剤あるいは専用のフォトレジスト剥離液に浸漬させ、SiC基板表面に残されているフォトレジストを完全に除去すると、フォトレジストの上に被着した第1の導体膜(Ni膜)もフォトレジストと共に除かれるので、開口部の内部のみに第1の導体素片が選択的に残存する。この結果、第1の導体素片の周縁部とフィールド絶縁膜の開口部側壁との間には、蒸着制限領域に対応した微細寸法の側壁ギャップが自己整合的に形成される。
(リ)しかる後、SiC基板を700℃〜1050℃の非酸化性雰囲気で短時間(数分間程度)の熱処理を施すと、第1の導体素片とSiC基板が相互に反応して、両者の界面領域に加熱反応層が生成され、加熱反応層とn型SiC領域との間で優れたオーミック特性が実現される。数分間程度の短時間の熱処理を行うためには、赤外線(IR)ランプ加熱を用いれば良い。ここで「非酸化性雰囲気」とは酸素(O2)や水(H2O)等の酸素を含む化合物の気体を含まない雰囲気のことである。具体的には、超高純度アルゴン(Ar)や超高純度窒素(N2)などの超高純度不活性ガス雰囲気、あるいは、高真空等が、「非酸化性雰囲気」として好適である。これら熱処理雰囲気に酸素が僅かでも含まれると、熱処理で表面に金属の酸化物(=絶縁物)が生じたり、加熱反応層の形成が阻害されたりするので、酸素および水の分圧の制御に関しては、厳重なる管理が必要である。具体的には、熱処理雰囲気に含まれる酸素および水の分圧は少なくとも、1×10−3Pa〜1×10−10Pa程度、望ましくは、1.0×10−5Pa〜1×10−10Pa程度であることが望ましい。超高純度不活性ガス雰囲気中で熱処理する場合は、ガス配管のベーキングやリークの点検の他に、脱酸素装置やガス純化装置の採用等の厳重なる管理が必要である。また、高真空中で熱処理する場合は、厳密には1×10−8Pa程度の真空中でも金属の表面が酸化するので、クライオパネル等を併用して、酸素および水の分圧を1×10−8Pa〜1×10−10Pa程度に制御して、超高真空下で熱処理をすることが好ましい。例えば、第1の導体膜としてNi膜を用いた場合は、熱処理により、ニッケルシリサイド(NiSi1−X、NiSi2)とカーボン(C)等からなる加熱反応層が、第1の導体素片の底部(下部)に生成される。加熱反応層にならなかった上部の未反応の第1の導体素片は電極膜になる。現実には、電極膜は、未反応のNiにニッケルシリサイド(Ni2Si)が拡散した状態になる。第1の導体膜を蒸着する工程で第1の導体膜の厚みをその下部にあるn型SiC領域の厚みの1/2より薄く設定したのは、第1の導体素片が加熱処理で完全に加熱反応層に転化した場合であっても、n型SiC領域が下部に残されるよう保証するためである。高不純物密度n型SiC領域が完全に消失すると、コンタクト抵抗が急増する深刻な事態となる。第1の導体膜の厚みの条件はこの事態を回避するために規定されている。
(ヌ)加熱反応層の形成後に、SiC基板全面にAl等の第2の導体膜を蒸着する。そして、フォトリソグラフィ法とRIE等のエッチング技術でパターニングして、配線導体素片を形成すれば、オーミック電極構造体が完成する。なお、パターニングの際のエッチャント(=エッチング液あるいはエッチングガス)がNi系電極膜を侵すときは、第2の導体膜は必ずNi系電極膜を覆うように配設する構成とすれば良い。
しかしながら、前述の従来技術によるn型SiC領域に対するオーミック電極構造体にあっては、その構造が、加熱反応層とコンタクト窓との間に一定の側壁ギャップを必ず設ける構成になっていたので、このギャップ相当分だけトランジスタのユニットセルが大きくなるという問題があった。ユニットセルを数千〜数万個も並列配置して1つのデバイスを構成するようなパワーデバイスにおいては、ユニットセル内のこのような僅かなスペースであっても、全体では大きな無駄な面積となる。また、同従来技術の構造にあっては、加熱反応層の上部に、高温熱処理で劣化した未反応の電極膜(=未反応の第1の導体素片)を残す構成となっていた。この未反応の電極膜は1000℃付近の高温の急速加熱にさらされた結果、劣化して疎な膜となり、抵抗が増大する。すなわち、前記従来技術は、劣化によって抵抗が高くなった残留電極母材がコンタクトの正味の抵抗を押し上げるという問題があった。
さらには、前記従来技術に基づくオーミック電極構造体の製造工程においては、第1の導体膜素片をフィールド絶縁膜の開口部の底部に自己整合的に配設するのにフォトレジスト等を用いたリフト・オフ法を用いる構成であったため、
(1)コンタクトの微細化が進み、開口部の面積が小さくなってくると、基板洗浄が次第に困難になり、コンタクト不良が生じたり、洗浄費用がかさむ、
(2)フォトレジスト付き基板の導入を禁止するSi集積回路プロセス用の蒸着装置を共用することができず、同工程専用の蒸着装置およびそれを設置する専用のクリーンルーム・スペースを用意しなければならない、
という問題があった。
(1)コンタクトの微細化が進み、開口部の面積が小さくなってくると、基板洗浄が次第に困難になり、コンタクト不良が生じたり、洗浄費用がかさむ、
(2)フォトレジスト付き基板の導入を禁止するSi集積回路プロセス用の蒸着装置を共用することができず、同工程専用の蒸着装置およびそれを設置する専用のクリーンルーム・スペースを用意しなければならない、
という問題があった。
ここで、洗浄が難しくなる理由をもう少し詳しく説明すると、前記工程(チ)において、フォトレジストの上部に成膜された不要な第1の導体膜をリフト・オフで除去するとき、除去された導体膜の一部が小さく粉砕されて、開口部の底に付着する。エッチングを伴う化学洗浄は、第1の導体膜素片をも同時に除去する結果となるので、この底部の有害な付着導体膜片を除去するために超音波振動やスクラブなどの物理洗浄が選ばざるを得ない。しかし、フィールド絶縁膜の開口部の口径が小さくなると、物理衝撃が開口部底部に及びにくくなり、底部に付着した金属粉を除く効果が大きく低下してしまうのである。
本発明はこのような従来のオーミック電極構造体、半導体装置、およびこれらの製造方法の問題点を解決するためになされたものであり、その目的は微細化に有利で、レジスト汚染を防止できるオーミック電極構造体の製造方法、オーミック電極構造体、半導体装置の製造方法および半導体装置を提供することにある。
本発明はこのような従来のオーミック電極構造体、半導体装置、およびこれらの製造方法の問題点を解決するためになされたものであり、その目的は微細化に有利で、レジスト汚染を防止できるオーミック電極構造体の製造方法、オーミック電極構造体、半導体装置の製造方法および半導体装置を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明は、炭化珪素基板表面の高濃度不純物領域に電極母材を接触させる工程と、該炭化珪素基板を熱処理して、電極母材と高濃度不純物領域を含む前記炭化珪素基板との間に加熱反応層前駆体層を形成する第1の熱処理工程と、該加熱反応層前駆体層上部に残された未反応の前記電極母材を除去する工程と、該工程後の炭化珪素基板を熱処理してコンタクト窓内底の前記加熱反応層前駆体層を前記加熱反応層に転化させる第2の熱処理工程と、該第2の熱処理工程後の加熱反応層前駆体層上部に配線導体を配設する工程とを含む構成を有する。
本発明によれば、微細化に有利で、レジスト汚染を防止することができる。
以下、図面を参照して、本発明の第1乃至第5の実施の形態を説明する。以下の図面の記載において、同一または類似の部分には同一または類似の符号を付している。但し、図面は模式的なものであり、厚みと平面寸法との関係、各層の厚みの比率等は現実のものとは異なることに留意すべきである。したがって、具体的な厚みや寸法は、以下の説明を参酌して判断すべきものである。また、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることはもちろんである。
(第1の実施の形態)
《オーミック電極構造体》
図1〜図3に示すように、本発明の第1の実施の形態に係るオーミック電極構造体は、SiC基板(例えば4H−SiC)1と、SiC基板1の表面に選択的に形成されたn型またはp型の高濃度不純物領域2、SiC基板1の上に載置された厚い絶縁膜3、厚い絶縁膜3に高濃度不純物領域2の表面を露出するように開口されたコンタクト窓4、同コンタクト窓4の底部に配置された加熱反応層5、厚い絶縁膜3のコンタクト窓4の内部において、加熱反応層5の表面に接し、かつ厚い絶縁膜3の上部にまで伸延された配線導体6とから構成されている。
SiC基板1の導電型は本オーミック電極構造体を適用する半導体装置によって任意に選ぶことができる。また、同基板の晶系は4H−SiCに限られるものではなく、6H−SiCや3C−SiCでもその他の晶系でもよい。
(第1の実施の形態)
《オーミック電極構造体》
図1〜図3に示すように、本発明の第1の実施の形態に係るオーミック電極構造体は、SiC基板(例えば4H−SiC)1と、SiC基板1の表面に選択的に形成されたn型またはp型の高濃度不純物領域2、SiC基板1の上に載置された厚い絶縁膜3、厚い絶縁膜3に高濃度不純物領域2の表面を露出するように開口されたコンタクト窓4、同コンタクト窓4の底部に配置された加熱反応層5、厚い絶縁膜3のコンタクト窓4の内部において、加熱反応層5の表面に接し、かつ厚い絶縁膜3の上部にまで伸延された配線導体6とから構成されている。
SiC基板1の導電型は本オーミック電極構造体を適用する半導体装置によって任意に選ぶことができる。また、同基板の晶系は4H−SiCに限られるものではなく、6H−SiCや3C−SiCでもその他の晶系でもよい。
選択的に形成された高濃度不純物領域2の不純物濃度は、加熱反応層5との接触点において、少なくとも1×1018/cm3〜2×1021/cm3、好ましくは1×1019/cm3〜8×1020/cm3に設定されている。ドーピングの手段はイオン注入/活性化法でも、高不純物濃度エピタキシャル成長法でも、あるいはその他の方法でもよい。ドーピングされる不純物は、n型の場合にはP(リン)やN(窒素)、p型の場合はAl(アルミニウム)やB(ホウ素)などであるが、本発明はもちろんこれらに限定されるものではない。高濃度不純物領域2の面位置は周辺のSiC基板1に対し、図1のように水平になるように配置してもよいし、図2のように凸状あるいは、図3のように凹状になるように配置することもできる。
厚い絶縁膜3は、この絶縁膜3の上に配設される配線導体6が下部のSiC基板1表面に形成されているデバイスの特性に悪影響を与えないような厚みと絶縁性を有する誘電体膜のことで、実デバイスにおいてはフィールド絶縁膜や層間絶縁膜と呼ばれるものである。この目的に適した膜としては、SiCの熱酸化膜やNSG(無添加珪酸ガラス=SiO2)、PSG(りん珪酸ガラス)膜、BSG(硼珪酸ガラス)、BPSG(硼りん珪酸ガラス)あるいはSi以外の元素を有する絶縁膜等、また、これらの積層膜、混合膜を用いることができる。コンタクト抵抗を極力低くしたい場合には、従来例の前記特許文献1に記載してあるように、厚み数10nmの薄いSiC熱酸化膜の上に、CVD法で厚み数100nmのNSG膜などを積層した構造にするとよい結果が得られる。この厚い絶縁膜3の特筆すべき特徴は、その表面に一旦電極母材を被着され、比較的低い温度で熱処理され、その後、除去されるという履歴(詳細は製造工程の説明の項で後述する)を辿って形成されている点である。この点は、従来例の前記特許文献1に記載されている厚い絶縁膜(フィールド絶縁膜)と大きく異なっている。厚い絶縁膜3の厚さは、100nm〜3μmであることが望ましい。特に、300nm以上であることが望ましい。また、高耐圧の電力用半導体装置であれば、800nm以上にすると良い。但し、厚い絶縁膜3があまり厚くなると、クラック等が発生するので、3μm以上は好ましくない。特に、微細寸法化を目指す場合には、1.5μm程度が、厚い絶縁膜3の厚さの実用的な上限である。
加熱反応層5は、後に詳述するように、高濃度不純物領域2(あるいはSiC基板1)と電極母材とを比較的低温で加熱固相反応(第1の熱処理)させて生成した加熱反応層前駆体をより高い温度で再加熱(第2の熱処理)して形成した反応電極層であり、その主成分は電極母材の導電性炭化物あるいは珪化物、炭化珪化物で構成されている。電極母材としては、1200℃以下の温度でSiCと反応して導電性の珪化物あるいは炭化物を生成する元素を含む金属膜、合金膜、化合物膜、あるいはこれらの複合膜や積層膜を用いることができる。例えばNiやCoのほか、チタン(Ti)、クロム(Cr)、タンタル(Ta)、ニオブ(Nb)、タングステン(W)、モリブデン(Mo)、Alなどの1、または1以上の金属を含む、金属膜、合金膜、化合物膜、あるいはこれらの複合膜や積層膜などである。加熱反応層5はコンタクト窓4の底部のSiC露出領域全面に敷き詰められていて、従来例の前記特許文献1に示されたようなコンタクト窓側壁ギャップを必ずしも必要としない(本発明の構造の前記特許文献1の従来例と異なる第2の相違点)。これは、側壁ギャップのスペースを省略し、その分、コンタクト構造の微細化を促進することができることを意味する。かくして、本発明によるオーミック電極構造体の構造は、側壁ギャップの存在がコンタクトの微細化の妨げの要因になっていた、という従来技術の問題を解決しているといえる。当然のことではあるが、加熱反応層5とSiC基板1との接触面が高濃度不純物領域2の深さよりも浅くなるように加熱反応層5を配置する。
配線導体6は、前記未反応の電極母材よりも比抵抗の小さい導電性の材料であり、例えば、アルミニウム(Al)、アルミニウム・シリコン(Al−Si)共晶、アルミニウム・銅・シリコン(Al−Cu−Si)共晶、銅(Cu)、チタン・タングステン(Ti−W)合金などを用いることができる。配線導体6は、図1〜図3に示すオーミック・コンタクトと他の部位と結線する配線部材であり、半導体装置の主電極配線として機能する。信頼性を確保する目的から、コンタクト窓4を被覆するように配置する構造が望ましい。パワーデバイスにおいては、櫛歯状あるいは六角形、方形、円形のユニットセルを多数SiC基板1の上に配置し、同配線導体6で並列接続して電流容量を確保している。
本発明のオーミック構造体の構造が前記特許文献1の従来例のそれと異なる第3の相違点は、高抵抗の未反応の電極母材が加熱反応層5の上部になく、配線導体6と直接接して低抵抗化を実現している点である。つまり、本発明のオーミック電極構造体の構造は、従来例の前記特許文献1において、比抵抗の高い未反応の電極母材(従来技術でいう電極膜)がコンタクトの正味のコンタクト抵抗を押し上げる要因となっていた、という問題を解決している。
本発明のオーミック構造体の構造が前記特許文献1の従来例のそれと異なる第3の相違点は、高抵抗の未反応の電極母材が加熱反応層5の上部になく、配線導体6と直接接して低抵抗化を実現している点である。つまり、本発明のオーミック電極構造体の構造は、従来例の前記特許文献1において、比抵抗の高い未反応の電極母材(従来技術でいう電極膜)がコンタクトの正味のコンタクト抵抗を押し上げる要因となっていた、という問題を解決している。
《オーミック電極構造体の製造方法》
次に、図4(a)〜図6(k)に示す工程断面図を参照しながら本発明の第1の実施の形態に係る図1のオーミック電極構造体の製造工程を説明する。
(イ)まず、厚さ約1.5μmのSiO2膜を、CVD法でSiC基板1の表面全面に堆積し、高濃度不純物領域の形成予定領域の上に堆積したSiO2膜を周知のフォトリソグラフィ法とドライ・エッチング技術で選択的に除去し、図4(a)に示すようなイオン注入マスク膜33を形成する。
(ロ)そして、図4(b)に示すように、イオン注入マスク膜33の上に、再びCVD法で薄いSiO2膜からなるイオン注入スルー膜34を全面に堆積し、不純物イオン35の注入を行う。イオン注入スルー膜34は、後述のイオン注入時の射影飛程(深さ)Rpを調節するための膜である。例えば、n型の高濃度不純物領域を形成するためのP+(りんイオン)の注入条件では、イオン注入スルー膜34の厚みは20〜25nmである。p型の高濃度不純物領域Al+(アルミニウムイオン)の注入条件では15〜30nmである。
次に、図4(a)〜図6(k)に示す工程断面図を参照しながら本発明の第1の実施の形態に係る図1のオーミック電極構造体の製造工程を説明する。
(イ)まず、厚さ約1.5μmのSiO2膜を、CVD法でSiC基板1の表面全面に堆積し、高濃度不純物領域の形成予定領域の上に堆積したSiO2膜を周知のフォトリソグラフィ法とドライ・エッチング技術で選択的に除去し、図4(a)に示すようなイオン注入マスク膜33を形成する。
(ロ)そして、図4(b)に示すように、イオン注入マスク膜33の上に、再びCVD法で薄いSiO2膜からなるイオン注入スルー膜34を全面に堆積し、不純物イオン35の注入を行う。イオン注入スルー膜34は、後述のイオン注入時の射影飛程(深さ)Rpを調節するための膜である。例えば、n型の高濃度不純物領域を形成するためのP+(りんイオン)の注入条件では、イオン注入スルー膜34の厚みは20〜25nmである。p型の高濃度不純物領域Al+(アルミニウムイオン)の注入条件では15〜30nmである。
イオン注入は、SiC基板1の不純物濃度が1×1020/cm3以上になり、かつ、SiC基板1の結晶性を損なわないように行う。例えば、P(りん)でn型の高濃度不純物領域を形成する場合には、500℃に加熱したSiC基板1に、ドーズ量Φ/加速エネルギーEACを変えながら多段に注入することが好ましい。31P+を、SiC基板1に多段イオン注入する場合のドーズ量Φ/加速エネルギーEAC条件の一例をあげると、以下の通りである。
第1イオン注入Φ=5×1014cm−2/EAC= 40keV
第2イオン注入Φ=5×1014cm−2/EAC= 70keV
第3イオン注入Φ=1×1015cm−2/EAC=100keV
第4イオン注入Φ=1×1015cm−2/EAC=150keV
第5イオン注入Φ=2×1015cm−2/EAC=200keV
第6イオン注入Φ=2×1015cm−2/EAC=250keV
(ハ)このようなイオン注入が終了したところで、イオン注入マスク膜33とイオン注入スルー膜34をフッ酸(HF)で全面除去する。そして、常圧Ar雰囲気で1700℃、1分間の急速加熱処理を行うと、イオン注入された不純物(上記例では31P+)が活性化されて、図4(c)に示すように、高不純物密度を有する高濃度不純物領域2が選択的に形成される。上記イオン注入条件と活性化熱処理条件で生成されるn型の高濃度不純物領域2の拡散深さはおよそ350nmである。
第1イオン注入Φ=5×1014cm−2/EAC= 40keV
第2イオン注入Φ=5×1014cm−2/EAC= 70keV
第3イオン注入Φ=1×1015cm−2/EAC=100keV
第4イオン注入Φ=1×1015cm−2/EAC=150keV
第5イオン注入Φ=2×1015cm−2/EAC=200keV
第6イオン注入Φ=2×1015cm−2/EAC=250keV
(ハ)このようなイオン注入が終了したところで、イオン注入マスク膜33とイオン注入スルー膜34をフッ酸(HF)で全面除去する。そして、常圧Ar雰囲気で1700℃、1分間の急速加熱処理を行うと、イオン注入された不純物(上記例では31P+)が活性化されて、図4(c)に示すように、高不純物密度を有する高濃度不純物領域2が選択的に形成される。上記イオン注入条件と活性化熱処理条件で生成されるn型の高濃度不純物領域2の拡散深さはおよそ350nmである。
図4(c)のような構造の高濃度不純物領域2の形成は、SiC基板1の所定領域をトレンチエッチングした後、同領域を含む基板全面に高濃度SiCのエピタキシャル成長を行い、基板表面を全面研磨して、表面のエピタキシャル層を除去する(トレンチ部分だけ残す)方法でも形成することが可能であり、この方法を選択してもよい。
(ニ)そして、シリコン(Si)プロセスで周知のRCA洗浄法等の所定の洗浄法を用いて、SiC基板1を十分清浄化する。RCA洗浄法は、H2O2+NH4OH混合液(SC−1)とH2O2+HCl混合液(SC−2)による浸漬処理を組み合わせて行う伝統的な半導体Si基板の洗浄法である。そして、十分清浄化されたSiC基板1の表面に厚い絶縁膜3を形成する。ここでは、低抵抗のコンタクトを形成するのに適した、薄い熱酸化膜と厚いCVD酸化膜との積層からなる厚い絶縁膜の例を挙げて説明するが、本発明はこのような厚い絶縁膜の構成に限定されるものではない。まず、1000℃から1150℃の乾燥酸素雰囲気でSiC基板1を熱酸化し、図4(d)に示すように、表面に厚さ5〜40nmの熱酸化膜31を成長する。乾燥酸素雰囲気の代わりに、水蒸気を含む雰囲気を用いてもかまわない。乾燥酸素中では、熱処理温度1150℃で3時間熱酸化すれば、厚さ35〜40nmの熱酸化膜3が得られる。水蒸気を用いたウェット雰囲気中、1150℃で2時間熱酸化すれば、30〜35nmの熱酸化膜3が得られる。水蒸気を用いたウェット雰囲気の熱酸化の場合は、その後、アルゴン(Ar)中で1150℃、30分間程度アニールすることが好ましい。熱酸化膜3を厚さ20nm以下にするためには、酸化温度を下げるか、若しくは、酸化時間を短縮すれば良い。
(ニ)そして、シリコン(Si)プロセスで周知のRCA洗浄法等の所定の洗浄法を用いて、SiC基板1を十分清浄化する。RCA洗浄法は、H2O2+NH4OH混合液(SC−1)とH2O2+HCl混合液(SC−2)による浸漬処理を組み合わせて行う伝統的な半導体Si基板の洗浄法である。そして、十分清浄化されたSiC基板1の表面に厚い絶縁膜3を形成する。ここでは、低抵抗のコンタクトを形成するのに適した、薄い熱酸化膜と厚いCVD酸化膜との積層からなる厚い絶縁膜の例を挙げて説明するが、本発明はこのような厚い絶縁膜の構成に限定されるものではない。まず、1000℃から1150℃の乾燥酸素雰囲気でSiC基板1を熱酸化し、図4(d)に示すように、表面に厚さ5〜40nmの熱酸化膜31を成長する。乾燥酸素雰囲気の代わりに、水蒸気を含む雰囲気を用いてもかまわない。乾燥酸素中では、熱処理温度1150℃で3時間熱酸化すれば、厚さ35〜40nmの熱酸化膜3が得られる。水蒸気を用いたウェット雰囲気中、1150℃で2時間熱酸化すれば、30〜35nmの熱酸化膜3が得られる。水蒸気を用いたウェット雰囲気の熱酸化の場合は、その後、アルゴン(Ar)中で1150℃、30分間程度アニールすることが好ましい。熱酸化膜3を厚さ20nm以下にするためには、酸化温度を下げるか、若しくは、酸化時間を短縮すれば良い。
(ホ)次に、図5(e)に示すように、熱酸化膜31の上に、常圧CVD法で例えば厚さ400nmのCVD酸化膜32を堆積し、2層構造からなる厚い絶縁膜3を形成する。
(ヘ)次に、周知のフォトリソグラフィ法とドライ・エッチング技術を用いて、厚い絶縁膜3の所定の領域に、図5(f)のように、コンタクト窓4を形成する。ドライエッチングとしては、例えば、CHF3やC2F6などをエッチャントとした反応性イオンエッチング(RIE)法や電子サイクロトロン共鳴イオンエッチング(ECRイオンエッチング)等の種々の手段を使用することができる。超低抵抗のコンタクトを形成する場合には、最初にドライ・エッチングを行い、フィールド絶縁膜3を厚さ数10nm残したところで、緩衝フッ酸溶液を用いたウェット・エッチングに切り換えるようにすると好ましい結果が得られる。このウエットエッチング液に界面活性剤等を加えても良い。
(ト)その後、フォトレジストの残渣などで汚れた基板1表面を、前述のRCA洗浄で清浄化し、短時間で乾燥する。乾燥したら、SiC基板1を、スパッタリング装置のチャンバー中に速やかに据え付け、直ちに真空排気する。コンタクト・ウィンドウ開口エッチングから真空排気までの大気中放置時間は、コンタクト抵抗ρcの大小を決定する極めて重要な因子である。大気中放置時間が長いと、開口部のSiC基板1の表面に自然酸化膜が生成されたり、望まぬ異物が付着する。このため、後述の加熱反応層の均一生成に大きな障害となり、ひいてはコンタクト抵抗ρcを劇的に増加させるので、5分以内の短時間で行う。装置内のベース圧力が1.3×10−5Pa未満になったら、Arガスを導入し、図5(g)に示すように、SiC基板1の表面全面に所定の電極母材17を成膜する。n型の領域に低抵抗のコンタクトを形成する場合には、20nm〜100nmの厚みのNiあるいはCoを蒸着するとよい。また、p型領域に低抵抗のコンタクトを形成する場合には、Ti−Alの合金膜を用いると望ましい結果が得られる。電極母材17を成膜するのに電子ビーム蒸着のような真空蒸着やCVDの化学的成膜手段を用いてもよい。
(ヘ)次に、周知のフォトリソグラフィ法とドライ・エッチング技術を用いて、厚い絶縁膜3の所定の領域に、図5(f)のように、コンタクト窓4を形成する。ドライエッチングとしては、例えば、CHF3やC2F6などをエッチャントとした反応性イオンエッチング(RIE)法や電子サイクロトロン共鳴イオンエッチング(ECRイオンエッチング)等の種々の手段を使用することができる。超低抵抗のコンタクトを形成する場合には、最初にドライ・エッチングを行い、フィールド絶縁膜3を厚さ数10nm残したところで、緩衝フッ酸溶液を用いたウェット・エッチングに切り換えるようにすると好ましい結果が得られる。このウエットエッチング液に界面活性剤等を加えても良い。
(ト)その後、フォトレジストの残渣などで汚れた基板1表面を、前述のRCA洗浄で清浄化し、短時間で乾燥する。乾燥したら、SiC基板1を、スパッタリング装置のチャンバー中に速やかに据え付け、直ちに真空排気する。コンタクト・ウィンドウ開口エッチングから真空排気までの大気中放置時間は、コンタクト抵抗ρcの大小を決定する極めて重要な因子である。大気中放置時間が長いと、開口部のSiC基板1の表面に自然酸化膜が生成されたり、望まぬ異物が付着する。このため、後述の加熱反応層の均一生成に大きな障害となり、ひいてはコンタクト抵抗ρcを劇的に増加させるので、5分以内の短時間で行う。装置内のベース圧力が1.3×10−5Pa未満になったら、Arガスを導入し、図5(g)に示すように、SiC基板1の表面全面に所定の電極母材17を成膜する。n型の領域に低抵抗のコンタクトを形成する場合には、20nm〜100nmの厚みのNiあるいはCoを蒸着するとよい。また、p型領域に低抵抗のコンタクトを形成する場合には、Ti−Alの合金膜を用いると望ましい結果が得られる。電極母材17を成膜するのに電子ビーム蒸着のような真空蒸着やCVDの化学的成膜手段を用いてもよい。
(チ)つづいて、電極母材17を全面成膜したSiC基板1を高純度のArやN2のような不活性ガス雰囲気において「比較的穏やかな熱処理(第1の熱処理)」を行い、電極母材17とSiC基板1との間に加熱反応層前駆体層18(図5(h))を形成する。ここで言う加熱反応層前駆体層18とは、金属の組成比が高い低級の金属珪化物あるいは金属炭化物や金属炭化珪化物を指している。電極母材17としてNiを選んだ場合には、Ni3Si、Ni2Si、Ni31Si12、NiSi等のNi珪化物がこれに該当する。また、「比較的穏やかな熱処理」とは、電極母材17とSiC基板1との間部には有効な加熱反応層前駆体層18を発生させる一方で、電極母材17と厚い絶縁膜3との間では有害な固相反応を生ぜしめないような熱処理を指している。このような2つの要件を満足する第1の熱処理の温度と時間は電極母材17の種類とその成膜条件に依存するので、一概には規定できないが、発明者等のこれまで実施した実験によれは、概ね温度は350℃〜850℃の範囲、時間は5分間〜12時間の範囲に収まっている。電極母材17として、DCマグネトロンスパッタ装置で成膜した50nmのNiの適正な熱処理条件を具体例として挙げると、熱処理温度は600℃、熱処理時間は3時間であった。加熱反応層前駆体層18はSiC基板1と接していることろだけで起こる固相反応から生成されるから、同前駆体層18はコンタクト窓4の底部に自動的に整合して配設される。
(リ)第1の熱処理が終了したところで、電極母材17だけを溶かす所定のエッチング溶液にSiC基板1を浸漬すると、SiC基板1の基板表面から未反応の電極母材17が一掃され、コンタクト窓4の底部に前記加熱反応層前駆体層18だけが残された図6(i)のような構造ができ上がる。ここで使用されるエッチング溶液は電極母材17の化学的性質に合せて適宜選択できるが、適当なエッチャントが見つからない場合には、硫酸と過酸化水素水を容積比で4:1で混合したエッチャントを用いると便利である。100℃に保持したこのエッチャントは大抵の電極母材をよく溶かし、金属珪化物や金属炭化物は殆ど溶かさないからである。加熱反応層前駆体層18や厚い絶縁膜に対する電極母材17の選択性が十分確保できるなら、ドイライエッチングを用いて未反応の電極母材17を除去してもよい。
(ヌ)未反応の電極母材17を完全に除去したあと、第1の熱処理の温度よりも高い温度でSiC基板1を再度熱処理して、全工程でできた加熱反応層前駆体層18とSiC基板1の固相反応を促進させることで、図6(j)に示すように加熱反応層前駆体層18を熱力学的な安定な相を主成分とする加熱反応層5に転化させる(第2の熱処理)。熱処理の雰囲気は第1の熱処理と同様の高純度不活性雰囲気である。第2の熱処理の温度および時間はそれそれ700℃〜1200℃、30秒〜100分の範囲に設定される。前出のNi電極系の前駆体の場合には、温度を950℃〜1050℃、時間を30秒〜2分にすると非常に良好な結果を与える。このような条件で熱処理を行うと、Ni3Si、Ni2Si、Ni31Si12、NiSi等の低級の珪化物前駆体がSiC基板1のSi元素を取り込んで、化学的に最も安定でかつ低抵抗コンタクトが得られるNiSi2を主成分とする加熱反応層に変化する。
(ル)加熱反応層5の形成が終了すると、SiC基板1全面にAl等の配線導体膜をマグネトロンスパッタリングで形成する。そして、フォトリソグラフィ法とRIE等のエッチング技術でパターニングして、図1に示すような配線導体6を形成すれば、第1の実施の形態に係るオーミック電極構造体が完成する。
(ル)加熱反応層5の形成が終了すると、SiC基板1全面にAl等の配線導体膜をマグネトロンスパッタリングで形成する。そして、フォトリソグラフィ法とRIE等のエッチング技術でパターニングして、図1に示すような配線導体6を形成すれば、第1の実施の形態に係るオーミック電極構造体が完成する。
以上の詳細な説明から明らかなように、本発明のオーミック電極構造体の製造方法は、コンタクト窓の底部に加熱反応層5を配設するのにフォトレジストを一切使用しない新しい自己整合プロセス(図5(g)〜図6(j))を使用している。したがって、本発明のオーミック電極構造体の製造方法は、フォトレジスト等を用いたリフト・オフ法に起因して発生した前記特許文献1の従来技術の問題点である、(1)コンタクトの微細化が進み、開口部の面積が小さくなってくると、基板洗浄が次第に困難になり、コンタクト不良が生じたり、洗浄費用がかさむ、(2)レジスト汚染を嫌う、Si集積回路プロセス用の蒸着装置を共用することができず、同工程専用の蒸着装置およびそれを設置する専用のクリーンルーム・スペースを用意しなければならない、という問題を根本的に解決していると言うことができる。
次に、図2に示した本発明のオーミック電極構造体の製造方法を図7(a)〜(c)に示す工程断面図を参照しながら説明する。
(イ’)まず、図7(a)に示すように、SiC基板1の表面全面に、周知の常圧CVDエピタキシャル成長法で高濃度に不純物(ドーパンド)を添加した所定の厚さの高濃度不純物エピタキシャル層41を成長する。不純物の種類はn型ならN(窒素)またはP(りん)、p型ならAl(アルミニウム)またはB(ホウ素)が適しているが、この他の不純物元素でもよい。この高濃度不純物層、ここでは高濃度不純物エピタキシャル層41の不純物濃度は、結晶性を損なわない限り、できるだけ高くする。少なくとも1×1019/cm3以上、好ましくは1×1020/cm3が望ましい。また、エピタキシャル成長で高濃度の不純物層を設ける替わりに、SiC基板1の表面全面に不純物イオンを加速電圧を変えた多段エネルギーで高濃度に打ち込み、その後に不純物を活性化させて、エピタキシャル層と同等の高濃度不純物層を形成する方式をとってもよい。
(イ’)まず、図7(a)に示すように、SiC基板1の表面全面に、周知の常圧CVDエピタキシャル成長法で高濃度に不純物(ドーパンド)を添加した所定の厚さの高濃度不純物エピタキシャル層41を成長する。不純物の種類はn型ならN(窒素)またはP(りん)、p型ならAl(アルミニウム)またはB(ホウ素)が適しているが、この他の不純物元素でもよい。この高濃度不純物層、ここでは高濃度不純物エピタキシャル層41の不純物濃度は、結晶性を損なわない限り、できるだけ高くする。少なくとも1×1019/cm3以上、好ましくは1×1020/cm3が望ましい。また、エピタキシャル成長で高濃度の不純物層を設ける替わりに、SiC基板1の表面全面に不純物イオンを加速電圧を変えた多段エネルギーで高濃度に打ち込み、その後に不純物を活性化させて、エピタキシャル層と同等の高濃度不純物層を形成する方式をとってもよい。
(ロ’)つづいて、厚さ約2μmのSiO2膜を、CVD法でSiC基板1の表面全面に堆積し、高濃度不純物領域の形成予定領域の上にあるSiO2膜を残すように周知のフォトリソグラフィ法とドライ・エッチング技術で選択的に除去し、図7(b)に示すようなメサエッチングマスク膜42を形成する。
(ハ’)そして、このメサエッチングマスク42を用いて周知のICP(Inductively Coupled-Plasma)エッチングでエピタキシャル層(=SiC)41の表面が露出している部分を除去し、さらに、使用済みのメサエッチングマスク42を緩衝フッ酸溶液で除去すると、図7(c)に示すような、凸状の高濃度不純物領域2が形成される。
高濃度不純物領域2を形成した後の完成(図2)に至るまでの製造工程は上記(ニ)〜(ヌ)で詳細に説明した工程と異なるところがないので説明を省略する。
(ハ’)そして、このメサエッチングマスク42を用いて周知のICP(Inductively Coupled-Plasma)エッチングでエピタキシャル層(=SiC)41の表面が露出している部分を除去し、さらに、使用済みのメサエッチングマスク42を緩衝フッ酸溶液で除去すると、図7(c)に示すような、凸状の高濃度不純物領域2が形成される。
高濃度不純物領域2を形成した後の完成(図2)に至るまでの製造工程は上記(ニ)〜(ヌ)で詳細に説明した工程と異なるところがないので説明を省略する。
次に、図3に示した本発明のオーミック電極構造体の製造方法を図8(a)〜(c)に示す工程断面図を参照しながら説明する。
(イ”)まず、SiC基板1の表面に厚さ約2μmのSiO2膜を、CVD法で全面堆積し、高濃度不純物領域の形成予定領域の上にあるSiO2膜を除くように、周知のフォトリソグラフィ法とドライ・エッチング技術で選択的に除去し、トレンチエッチングマスク膜45を形成する。つづいて、トレンチエッチングマスク膜45をマスクにしてSiC基板1の表面を所定の深さまでトレンチエッチングすると、図8(a)のような凹状の高濃度不純物領域予定領域46が形成される。トレンチエッチングの手段として周知のICPやRIE(反応性イオンエッチング)などのドライエッチングが最も適している。
(イ”)まず、SiC基板1の表面に厚さ約2μmのSiO2膜を、CVD法で全面堆積し、高濃度不純物領域の形成予定領域の上にあるSiO2膜を除くように、周知のフォトリソグラフィ法とドライ・エッチング技術で選択的に除去し、トレンチエッチングマスク膜45を形成する。つづいて、トレンチエッチングマスク膜45をマスクにしてSiC基板1の表面を所定の深さまでトレンチエッチングすると、図8(a)のような凹状の高濃度不純物領域予定領域46が形成される。トレンチエッチングの手段として周知のICPやRIE(反応性イオンエッチング)などのドライエッチングが最も適している。
(ロ”)トレンチエッチングが終わって、使用済みのトレンチエッチングマスク膜45を緩衝フッ酸溶液で除去し、SiC基板1をRCA洗浄を用いて十分洗浄したところで、SiC基板1全面に、高濃度に不純物(ドーパンド)を添加した所定の厚さの高濃度不純物層47を周知の常圧CVDエピタキシャル成長法で成長する(図8(b))。不純物の種類は、n型ならN(窒素)またはP(りん)、p型ならAl(アルミニウム)またはB(ホウ素)が適しているが、この他の不純物元素でもよい。この高濃度不純物層47の不純物濃度は少なくとも1×1019/cm3以上、好ましくは1×1020/cm3が望ましい。あるいは、エピタキシャル成長で高濃度不純物層47を設ける替わりに、SiC基板1の表面全面に不純物イオンを多段エネルギーで高濃度に打ち込み、その後に不純物を活性化させて、エピタキシャル層と同等の高濃度不純物層47を形成する方式をとってもよい。
(ハ”)そして、SiC基板1の表面を平行に化学的機械研磨(CMP)して、上記凹部以外に堆積した高濃度不純物層47を除去し、元のSiC基板1の表面が露出したところで研磨を停止すると、図8(c)に示すように、SiC基板1の凹部に高濃度不純物領域2が選択的に形成される。その後、SiC基板1を前述のRCA洗浄で十分清浄化する。
この後の製造工程は上記(ニ)〜(ヌ)で詳細に説明した工程とまったく同じなので説明を省略する。
この後の製造工程は上記(ニ)〜(ヌ)で詳細に説明した工程とまったく同じなので説明を省略する。
以上の製造工程の説明から明らかなように、図2と図3の本発明のオーミック電極構造体の製造方法は、コンタクト窓4の底部に加熱反応層5を配設するのにフォトレジストを一切使用しない新規な自己整合プロセス(図5(g)〜図6(j))を使用しているので、図1の構造の製造方法と同様に、フォトレジスト等を用いたリフト・オフ法に起因して発生した前記特許文献1の従来技術の問題点である、(1)コンタクトの微細化が進み、開口部の面積が小さくなってくると、基板洗浄が次第に困難になり、コンタクト不良が生じたり、洗浄費用がかさむ、(2)レジスト汚染を嫌う、Si集積回路プロセス用の蒸着装置を共用することができず、同工程専用の蒸着装置およびそれを設置する専用のクリーンルーム・スペースを用意しなければならない、という問題を根本的に解決していると言うことができる。
このような構成で作製したオーミック電極構造体は、実用的な極めて低いコンタクト抵抗を呈する。これを示すために、電極母材17に厚み50nmのNi電極を用いた図2の構造のn型領域に対するコンタクトの評価の結果を紹介する。SiC基板1はp型の4H−SiCである。高濃度不純物領域2はN(窒素)を1.5×1019/cm3添加した厚み800nmのエピタキシャル成長層である。厚い絶縁膜3は1100℃で形成した厚み20nmのドライ熱酸化膜と常圧CVD法で成膜した400nmのPSG膜の積層膜である。第1および第2の熱処理の温度と時間はそれぞれ、550℃、2時間と1000℃、2分である。配線導体6には厚み350nmのAlを用いている。
コンタクト抵抗等を精密に測定するために線型伝送線路モデルに基づく直線TLMコンタクト群を作製した。このコンタクト群のn型SiC領域の短辺の長さは、208μmである。すなわち、長方形のn型SiC領域の長辺方向に沿って、この長方形とは長辺方向が直交する小さな長方形からなる複数の電極パターンを1次元配列したコンタクト群のパターンを用意した。この小さな長方形の長辺の長さ(オーミック・コンタクト幅)は200μmで、短辺の長さは、100μmである。ここで、コンタクト群のパターンは、小さな長方形パターンからなるコンタクト(金属・半導体接合)の相互の間隔(コンタクト間隔)を順に変化させながら、n型SiC領域の長辺方向に沿って横一列に配列されている。コンタクト間隔LはL=6、10、15、20、25、30μmである。このコンタクト群の隣接する2つのコンタクト間の電流−電圧特性から抵抗を求め、抵抗をコンタクト間隔の関数として整理し、これを直線近似して解析を行うと、精密なコンタクト抵抗ρcと伝送線長LTを求めることができる。
全てコンタクト間で計測した電流−電圧特性はすべて原点を通る直線であった。これはすべてのコンタクトの加熱反応層5と高濃度不純物領域2との間で良好なオーミック・コンタクトが得られていることを示している。電流−電圧特性の傾きから求めたオーミック・コンタクト電極間の抵抗と距離の関係をプロットすると図9(TLMプロット)のようになる。データはバラツキが少なく、1直線上にプロットされている。この直線近似を元にTLM解析を行うと、コンタクト抵抗ρc=5.13×10−7Ωcm2と非常に小さい優れた値が得られた。この値は、同時に作製した前記特許文献1記載の従来技術に基づく構造体の試料のコンタクト抵抗ρc=5.35×10−7Ωcm2と比べると何ら遜色のない値であることがわかる。
他の条件を同じにして、電極母材として、Niの替わりに厚み100nmのチタン(Ti)を用いた場合にはρc=4.2×10−6Ωcm2のコンタクト抵抗が得られる。第1の導体膜として、厚み150nmのタングステン(W)を用いた場合には6.7×10−6Ωcm2のコンタクト抵抗が得られる。
他の従来技術のひとつ特開平8−64801号公報は、図5(g)のような構造にして、コンタクト窓とSiO2のようなシリコン酸化膜の上部にNi電極膜を成膜して、1000℃〜1200℃で高温熱処理すると、(1)シリコン酸化膜との接触部分では、シリコン酸化膜が還元され浸食され、シリコン酸化膜の厚さが減少する。シリコン酸化膜の厚さがもともと薄い場合には、シリコン酸化膜を貫通し、絶縁性が失われてしまうことがある、(2)さらに両部分の境界部分(コンタクト窓の側壁とSiC基板表面が交わるところ)では、n型領域、シリコン酸化膜、Ni膜の三元系の間で、詳細は不明であるが通常と異なる反応が起こるものと考えられ、実際にはショットキー接合となって、電流が流せなくなってしまう、という深刻な問題が起こることを指摘している。しかしながら、本発明オーミック電極構造体(図1〜図3および後述の構造体の構造も含めて)の製造方法ではこのような問題は起こらない。なぜなら、図5(g)を形成して、図5(h)の構造を得るときの第1の熱処理はこのような反応が起こらない十分低い温度(350℃〜850℃)であり、かつ(問題を起す可能性のある)1000℃を超える第2の熱処理工程を行うときには、図5の(i)と(j)の構造から明白なとおり、シリコン酸化膜の上にはNi膜が(除去されて)存在しない、構成であるからである。すなわち、本発明オーミック電極の構造体およびその製造方法は、前記特開平8−64801号公報で指摘された上記問題(1)と(2)をも解決していると言うことができる。実際、図9を用いて説明したNiを用いたオーミック電極構造体の電気特性の結果はこれを如実に示している。
以上説明したように、本第1の実施の形態のオーミック電極構造体の製造方法は、SiC(炭化珪素)基板1表面の高濃度不純物領域22に電極母材17を接触させる工程と、電極母材17を接触させたSiC基板1を熱処理して、電極母材17と高濃度不純物領域2を含むSiC基板1との間に加熱反応層前駆体層18を形成する第1の熱処理工程と、加熱反応層前駆体層18上部に残された未反応の電極母材17を除去する工程と、未反応の電極母材17を除去した後のSiC基板1を熱処理してコンタクト窓4内底の加熱反応層前駆体層18を加熱反応層5に転化させる第2の熱処理工程と、未反応の電極母材17を除去した後の加熱反応層前駆体層18上部に電極母材17より抵抗率の低い配線導体6を配設する工程とを含んでなる。なお、第2の熱処理工程は、第1の熱処理工程の温度と同じかそれよりも高い温度で熱処理する。
さらに詳細に述べると、SiC基板1の表面に高濃度不純物領域2を選択的に形成する工程と、高濃度不純物領域2を含むSiC基板1の表面に厚い絶縁膜3を成膜する工程と、高濃度不純物領域2の表面を露出するように厚い絶縁膜3にコンタクト窓4を開口する工程と、コンタクト窓4を開口したSiC基板1全面に所定の電極母材17を成膜する工程と、電極母材17を成膜したSiC基板1を熱処理して電極母材17と高濃度不純物領域2を含むSiC基板1との間に加熱反応層前駆体層18を形成する第1の熱処理工程と、厚い絶縁膜3上部ならびに加熱反応層前駆体層18上部に残された未反応の電極母材17を化学的手段で除去する工程と、未反応の電極母材17を除去したSiC基板1を、第1の熱処理工程の温度と同じかそれよりも高い温度で熱処理し、コンタクト窓4内底の加熱反応層前駆体層18を加熱反応層5に転化させる第2の熱処理工程と、コンタクト窓4内底の加熱反応層5の表面に接し、かつ厚い絶縁膜3の上部にまで伸延された配線導体6を形成する工程とを含んでなる。
また、本第1の実施の形態のオーミック電極構造体は、SiC基板1と、SiC基板1の表面に選択的に形成された高濃度不純物領域2と、SiC基板1の上に載置された厚い絶縁膜3と、厚い絶縁膜3中に高濃度不純物領域2の表面を露出するように開口されたコンタクト窓4と、コンタクト窓4内底に自己整合的に配設された加熱反応層5と、コンタクト窓4内部において加熱反応層5の表面に接し、かつ厚い絶縁膜3の上部にまで伸延された配線導体6とを含んでなる。
また、加熱反応層5は金属珪化物、金属炭化物の少なくとも1つを主成分とする材料で構成される。また、加熱反応層5の少なくとも最下端は電極母材17とSiC基板1との固相熱反応で形成されたものであり、かつ、上部に残存する未反応の電極母材17を除去して形成される履歴を有する。また、厚い絶縁膜3は、請求項8記載の電極母材17が一旦載置された後、低い温度で熱処理され、その後、除去された履歴を有する絶縁膜である。
また、加熱反応層5は金属珪化物、金属炭化物の少なくとも1つを主成分とする材料で構成される。また、加熱反応層5の少なくとも最下端は電極母材17とSiC基板1との固相熱反応で形成されたものであり、かつ、上部に残存する未反応の電極母材17を除去して形成される履歴を有する。また、厚い絶縁膜3は、請求項8記載の電極母材17が一旦載置された後、低い温度で熱処理され、その後、除去された履歴を有する絶縁膜である。
上記還元や侵食を伴うような化学反応以外に、NSGやPSGなどのSiO2系絶縁物の上に金属や半導体などの電極母材を載せて、熱処理を行うとき、考慮しなければならない他の重要なポイントがまだある。母材元素の拡散である。この拡散は第1の熱処理のときと、第1の熱処理で下部の絶縁膜に一旦取り込まれた母材元素がその後の熱工程で再拡散するときに起こる。図5(g)〜(h)で説明した本発明の製造工程の第1の熱処理はたいていの場合、それは無視できるレベルで問題とはならず、したがって、その後の熱工程による再拡散も問題となることはない。しかし、ある技術的意図をもって、オーミック電極構造体の電極母材として比較的拡散しやすい電極母材を敢えて選択しなければならないときや、その構造体を使用するデバイスが極めて僅かな拡散不純物にも敏感に影響される場合、あるいは、その構造体を使用するデバイスが高温で長期に使用される特殊な用途の場合には、ときに問題となる可能性がある。本発明のオーミック電極構造体の製造方法およびそれによって製造されるオーミック電極構造体は、このような極めて特殊な場合にも対応できる2つ手段、すなわち、第2の実施の形態と第3の実施の形態を擁している。以下にこれらを順に説明する。
(第2の実施の形態)
第1の手段は母材元素の拡散を構造的に解決する方法である。図10〜図12の構造は本発明のオーミック電極構造体の第2の実施の形態を示している。なお、これらの図において、前出の図1〜図3と同じ番号を付された要素は同じ物であり、記述が冗長になるのを排するために、重なる説明は省略することにする。
第1の手段は母材元素の拡散を構造的に解決する方法である。図10〜図12の構造は本発明のオーミック電極構造体の第2の実施の形態を示している。なお、これらの図において、前出の図1〜図3と同じ番号を付された要素は同じ物であり、記述が冗長になるのを排するために、重なる説明は省略することにする。
図10〜図12の符号7は、電極母材元素の拡散をストップする機能を有する拡散阻止絶縁膜であり、厚い絶縁膜3の一部としてその上部(図10)あるいは内部(図11)、下部(12)に層状に組み込まれている。拡散阻止絶縁膜7を除く、厚い絶縁膜3の他の部分は図1〜図3の厚い絶縁膜と同じ(材質、厚み、形成方法などが)である。ここで言う「拡散阻止」とは厚い絶縁膜の他の部分に比べて、拡散係数が十分小さい、という意味である。この性質を有する絶縁膜としてはLPCVD法やスパッタリング法で形成したSi3N4膜やAl2O3膜、無添加SiC膜あるいはこれらの積層膜、複合膜を挙げることができるが、これに限定されるものではない。厚みは10nm〜150nmが適しているが、これより厚くてもよい。
次に、本発明のオーミーック電極構造体の第2の実施の形態である図10の製造方法を図13(e2)〜(h2)の断面工程図を用いて説明する。
(ホ2)まず、前記図4(a)〜(c)と全く同じの工程を踏んでSiC基板1に高濃度不純物領域2を選択的に形成する。高濃度不純物領域2ができ上がったら、前記図4(d)〜図5(e)と同様の工程でSiO2系の材料を主とする、厚い絶縁膜3の前段構造を形成する。つづいてこの前段構造の上に拡散阻止絶縁膜7を堆積すると完全な厚い絶縁膜3が形成され、図13(e2)に示した断面構造になる。拡散阻止絶縁膜7として、例えば、ジクロルシランとアンモニアを原料としたLPCVD法で100nmのSi3N4(窒化シリコン)膜を用いることができる。ここでは、拡散阻止絶縁膜7を除く厚い絶縁膜3部分に薄い熱酸化膜31とCVD酸化膜32の積層構造(この低抵抗コンタクトを形成するのに適している)を用いているが、これは第1の実施の形態・製造工程の説明との連続性を考慮した措置であって、本第2の実施の形態はこのような積層構造に限定されるものでないことはもちろんである。
(ホ2)まず、前記図4(a)〜(c)と全く同じの工程を踏んでSiC基板1に高濃度不純物領域2を選択的に形成する。高濃度不純物領域2ができ上がったら、前記図4(d)〜図5(e)と同様の工程でSiO2系の材料を主とする、厚い絶縁膜3の前段構造を形成する。つづいてこの前段構造の上に拡散阻止絶縁膜7を堆積すると完全な厚い絶縁膜3が形成され、図13(e2)に示した断面構造になる。拡散阻止絶縁膜7として、例えば、ジクロルシランとアンモニアを原料としたLPCVD法で100nmのSi3N4(窒化シリコン)膜を用いることができる。ここでは、拡散阻止絶縁膜7を除く厚い絶縁膜3部分に薄い熱酸化膜31とCVD酸化膜32の積層構造(この低抵抗コンタクトを形成するのに適している)を用いているが、これは第1の実施の形態・製造工程の説明との連続性を考慮した措置であって、本第2の実施の形態はこのような積層構造に限定されるものでないことはもちろんである。
(ヘ2)次に、図13(f2)のように、周知のフォトリソグラフィ法とドライ・エッチング技術を用いて、厚い絶縁膜3の所定の領域に、コンタクト窓4を形成する。ドライエッチングとしては、例えば、CHF3やC2F6などをエッチャントとした反応性イオンエッチング(RIE)法や電子サイクロトロン共鳴イオンエッチング(ECRイオンエッチング)等の種々の手段を使用することができる。この注意すべきことは拡散阻止絶縁体7とその他厚い絶縁膜部分のエッチングレートや適正なエッチング手段が異なる場合である。前者のケースはそれを考慮して、慎重にドライエッチングを進める必要がある。後者の場合は、手間であっても、拡散阻止絶縁体をエッチングするときはこれに適したエッチング手段(ドライエッチング方法やエッチャントガス)を選択するようにする。なお、超低抵抗のコンタクトを形成する場合には、最初にドライ・エッチングを行い、フィールド絶縁膜3を厚さ数10nm残したところで、緩衝フッ酸溶液を用いたウェット・エッチングに切り換えるようにすると好ましい結果が得られるのは第1の実施の形態と同様である。
(ト2)その後、図5(g)と同様にして、SiC基板1の表面全面に所定の電極母材17を成膜する。図13(g2)はこのときのオーミック電極構造体の断面構造を示している。
(チ2)つづいて、電極母材17を全面成膜したSiC基板1を高純度のArやN2のような不活性ガス雰囲気において既述の第1の熱処理を行い、図13(h2)のように、電極母材17とSiC基板1との間に加熱反応層前駆体層18を形成する。第1の熱処理の温度と時間は、電極母材の種類とその成膜条件に依存するので、一律には規定できないが、発明者等のこれまで実施した実験によれは、概ね温度は350℃〜850℃の範囲、時間は5分間〜12時間の範囲である。加熱反応層前駆体層18はSiC基板1と接していることろだけで起こる固相反応から生成されるから、同前駆体層18はコンタクト窓4の底部に自動的に整合して配設される。
第1の熱処理が終了して以降の製造工程は、図6(i)〜図6(k)と変るところがないので、説明を省略する。
(チ2)つづいて、電極母材17を全面成膜したSiC基板1を高純度のArやN2のような不活性ガス雰囲気において既述の第1の熱処理を行い、図13(h2)のように、電極母材17とSiC基板1との間に加熱反応層前駆体層18を形成する。第1の熱処理の温度と時間は、電極母材の種類とその成膜条件に依存するので、一律には規定できないが、発明者等のこれまで実施した実験によれは、概ね温度は350℃〜850℃の範囲、時間は5分間〜12時間の範囲である。加熱反応層前駆体層18はSiC基板1と接していることろだけで起こる固相反応から生成されるから、同前駆体層18はコンタクト窓4の底部に自動的に整合して配設される。
第1の熱処理が終了して以降の製造工程は、図6(i)〜図6(k)と変るところがないので、説明を省略する。
以上説明したように、本第2の実施の形態のオーミック電極構造体の製造方法は、高濃度不純物領域2を含むSiC基板1の表面に厚い絶縁膜3を成膜する工程は、電極母材17の拡散を阻止する拡散阻止絶縁膜7を形成する工程を含む。
また、本第2の実施の形態のオーミック電極構造体は、厚い絶縁膜3の上部、下部あるいは内部に電極母材17の拡散を阻止する拡散阻止絶縁膜7を具有する。
また、本第2の実施の形態のオーミック電極構造体は、厚い絶縁膜3の上部、下部あるいは内部に電極母材17の拡散を阻止する拡散阻止絶縁膜7を具有する。
本第2の実施の形態においては、厚い絶縁膜の上部に、その一部として配設された拡散阻止絶縁膜7が第1の熱処理工程(図13(h2))にあって、上部電極母材17の拡散をストップするので、同工程およびその後の熱工程で電極母材元素が下方に拡散して、デバイスの特性に影響を与えるという問題を解決することができる。本発明第2の実施の形態に基づいて、前記第1の実施の形態で説明したものと同じ仕様のNi系のTLMコンタクトを作製して、コンタクト抵抗を評価したところ、10−7Ωcm2台前半のコンタクト抵抗が得られた。
図11と図12に示した他の第2の実施態様の構造は、拡散阻止絶縁膜7の位置が厚い絶縁膜3の内部(図11)と下部(図12)にある点だけが、図10の構造とは異なっている。しかし、これは拡散を阻止する位置が厚い絶縁膜の上部か、内部か、下部か、だけの違いであって、電極母材元素の拡散を阻止する機能とそれによってもたらされる効果は明らかに同じなので、構造の詳細な説明は省略する。また、製造工程についても、拡散阻止絶縁膜7を、厚い絶縁膜3のその他の部分の最後に成膜するか(図12)、途中に成膜するか(図11)、最初に成膜するか(図10)だけが異なっていて、他の工程は同じであるから、説明は省略することにする。
(第3の実施の形態)
母材元素の拡散の影響を除去する第2の手段は、製造方法の工夫で解決する方法である。この方法は第1の熱処理工程で起こる電極母材元素の直接拡散が厚い絶縁膜3の表層で収まる場合に、とりわけ有効である。
本発明オーミック電極構造体・第3の実施の形態の構造は前出の図1あるいは図2、図3と同じであるから、構造の説明は省く。
母材元素の拡散の影響を除去する第2の手段は、製造方法の工夫で解決する方法である。この方法は第1の熱処理工程で起こる電極母材元素の直接拡散が厚い絶縁膜3の表層で収まる場合に、とりわけ有効である。
本発明オーミック電極構造体・第3の実施の形態の構造は前出の図1あるいは図2、図3と同じであるから、構造の説明は省く。
次に、本発明のオーミーック電極構造体の第3の実施の形態の製造方法を図14(g3)〜(i32)の断面工程図を用いて説明する。
(ト3)まず、第1の実施の形態で説明した製造工程の図4(a)〜図5(g)と同様のプロセスを経由して、厚い絶縁膜3にコンタクト窓4を開口したSiC基板1の表面全面に所定の電極母材17を成膜する。ただし、一点だけ小さな相違点がある。それは、図14(g3)に示すように、厚い絶縁膜3を成膜したときの厚みを最終的に必要な厚みよりも若干、厚く形成する点である。この最終の厚みよりも厚くした分のことをここでは「犠牲層8」と呼ぶことにする。犠牲層8の厚みは次の第1の熱処理で起こる母材電極元素の熱拡散の及ぶ距離よりも大きくなるように決定される。
(チ3)電極母材17に全面成膜につづいて、SiC基板1を高純度のArやN2のような不活性ガス雰囲気において既述のごとき穏やかな第1の熱処理を行う。この熱処理によって、図14(h3)のように、電極母材17とSiC基板1の間に加熱反応層前駆体層18が自己整合的に形成される。このとき、厚い絶縁膜3の犠牲層8部分に電極母材元素が熱拡散で侵入する。第1の熱処理の温度と時間は、電極母材の種類とその成膜条件に依存するので、一律には規定できないが、概ね温度は350℃〜850℃の範囲、時間は5分間〜12時間の範囲である。
(リ31)第1の熱処理が終了したところで、電極母材だけを溶かす所定のエッチング溶液にSiC基板1を浸漬すると、基板表面から未反応の電極母材が一掃され、コンタクト窓4の底部に前記加熱反応層前駆体層18だけが残された図14(i31)のような構造ができ上がる。ここで使用されるエッチング溶液は電極母材の化学的性質に合せて適宜選択できるが、適当なエッチャントが見つからない場合には、硫酸と過酸化水素水を容積比で4:1で混合したエッチャントを使うことができる。100℃に保持したこのエッチャントは大抵の電極母材をよく溶かし、金属珪化物や金属炭化物は殆ど溶かさない。加熱反応層前駆体層18や厚い絶縁膜に対する電極母材17の選択性が十分確保できるなら、ドイライエッチングを用いて未反応の電極母材を除去してもよい。
(リ32)次に、電極母材17を除去したSiC基板を稀フッ酸または緩衝フッ酸溶液に一定時間浸漬し、すすぎ、乾燥すると、SiC基板の犠牲層8が除去されて図14(i31)のような構造ができる。犠牲層8を溶解させ、加熱反応前駆体層18を溶かさない性質のエッチャントが他にあるなら、それを用いてもよい。また、ウェットエッチではなくドライエッチングで犠牲層8を除去してもよい。
(ヌ3)第1の熱処理が終了して以降の製造工程は、図6(i)〜図6(k)と全く同じなので、説明を省略する。
(ヌ3)第1の熱処理が終了して以降の製造工程は、図6(i)〜図6(k)と全く同じなので、説明を省略する。
以上説明したように、本第3の実施の形態のオーミック電極構造体の製造方法は、高濃度不純物領域2を含むSiC基板1の表面に厚い絶縁膜3を成膜する工程には、一過性の犠牲層8を形成する工程を含み、かつ、後続の厚い絶縁膜3上部ならびに加熱反応層前駆体層18上部に残された未反応の電極母材17を化学的手段で除去する工程と、続く前記第2の熱処理工程との間に、該一過性の犠牲層8を除去する工程を付加したものである。
また、本第3の実施の形態のオーミック電極構造体は、成膜後からオーミック電極構造体が完成するまでの期間に厚い絶縁膜3は、上層部に、一過性の犠牲層8を具有する履歴を有する。また、厚い絶縁膜3上層部の犠牲層8は、絶縁体または半導体、あるいはこれらの複合物、混合物、積層物で構成される。さらに、厚い絶縁膜3上層部の犠牲層8は、拡散阻止機能を具有する。
また、本第3の実施の形態のオーミック電極構造体は、成膜後からオーミック電極構造体が完成するまでの期間に厚い絶縁膜3は、上層部に、一過性の犠牲層8を具有する履歴を有する。また、厚い絶縁膜3上層部の犠牲層8は、絶縁体または半導体、あるいはこれらの複合物、混合物、積層物で構成される。さらに、厚い絶縁膜3上層部の犠牲層8は、拡散阻止機能を具有する。
上記説明から明らかなように、本発明第3の実施の形態では、厚い絶縁膜の上部にその一部として配設された犠牲層8に、第1の熱処理工程で発生する電極母材17の元素の拡散を吸収させるとともに、次の高温熱処理、すなわち第2の熱処理で再拡散する前に、同犠牲層8を完全に除去する構成をしているため、第1の熱処理およびその後の熱工程で電極母材元素が下方に拡散して、デバイスの特性に影響を与えるという問題を解決することができる。本発明の第3の実施の形態に基づいて、前記第1の実施の形態で説明したものと同じ仕様のNi系のTLMコンタクトを作製して、コンタクト抵抗を評価したところ、10−7Ωcm2台前半のコンタクト抵抗が得られた。
上記本第3の実施の形態の説明では、図1の如き平坦な高濃度不純物領域2を持つオーミック電極構造体に適用した例を用いて説明したが、図2や図3のような凸状あるいは凹状の高濃度不純物領域2を持つ構造体にも、本の実施の形態を適用でできることはもちろんである。
また、本第3の実施の形態では、犠牲層8を厚い絶縁膜3の他の部分と同じ材料で構成していたが、実際には同犠牲層8はこのような制約をなんら受けるものではない。同様の機能を有するものならば、他の絶縁材料、半導体材料でもよい。
さらに、第2の実施の形態における拡散阻止絶縁膜7を犠牲層8として利用する構成としてもよい。この場合、もちろん、拡散阻止絶縁膜7は第2の熱処理が実施される前までに除去されることになる。
本発明のオーミック電極構造体の実施の形態の説明が済んだところで、以下に、同構造体を実際のデバイスに適用した2つの「実施の形態」の説明をする。
また、本第3の実施の形態では、犠牲層8を厚い絶縁膜3の他の部分と同じ材料で構成していたが、実際には同犠牲層8はこのような制約をなんら受けるものではない。同様の機能を有するものならば、他の絶縁材料、半導体材料でもよい。
さらに、第2の実施の形態における拡散阻止絶縁膜7を犠牲層8として利用する構成としてもよい。この場合、もちろん、拡散阻止絶縁膜7は第2の熱処理が実施される前までに除去されることになる。
本発明のオーミック電極構造体の実施の形態の説明が済んだところで、以下に、同構造体を実際のデバイスに適用した2つの「実施の形態」の説明をする。
(第4の実施の形態)
本発明のオーミック電極構造体およびその製造方法に関する第1の実施の形態を、高周波などの増幅に使用されるSiC−MESFET(SiC金属−半導体構造電界効果トランジスタ)に適用した例である。
本発明のオーミック電極構造体およびその製造方法に関する第1の実施の形態を、高周波などの増幅に使用されるSiC−MESFET(SiC金属−半導体構造電界効果トランジスタ)に適用した例である。
以下、図面を参照して本発明の第4の実施の形態を説明するが、図面は模式的なものであり、厚みと平面寸法との関係、各層の厚みの比率等は現実のものとは異なることに留意すべきである。したがって、具体的な厚みや寸法は以下の説明を参酌して判断すべきものである。また、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることはもちろんである。
図15は本発明に基づくSiC基板を用いたMESFETの要部断面図である。
51は半絶縁性またはn型の単結晶SiCバルク基板(以下、簡単に基板と称する)である。例えば窒素(ドナー)を濃度ND=1×10+19cm−3にドープした(0001)Si面8°オフカット4H−SiC基板を挙げることができるが、良質なエピタキシャル成長が可能であれば、(0001)Si面でなく他の面でもよいし、結晶多形も4Hでなく、6Hや3C、15Rなどでもよい。基板51の上にはp型の第1のエピタキシャル層52とチャネルとなるn型の第2のエピタキシャル層53が積層されている。第1のエピタキシャル層52の厚みは少なくともtA1=1μm以上、アクセプタ濃度は少なくともNA1=5×10+16cm−3以下が望ましい。第2のエピタキシャル層53の厚みtD2とドナー濃度ND2は製作するMESFETの動作仕様に合わせて適宜選択されるが、通常それぞれ0.2μm<tD2<0.8μm、5×10+16cm−3<ND2<5×10+18cm−3の範囲の値である。51として半絶縁性基板を用いる場合には第1のエピタキシャル層2を省略することができる。
54は第2のエピタキシャル層53を孤立(素子分離)させて形成した素子領域である。MESFETはこの領域に形成する。素子分離は図15のように素子領域54の周辺にあるn型の第2エピタキシャル層53をメサエッチングすることで実現してもよいし、イオン注入技術を用いて素子領域54周辺に第1のエピタキシャル層52まで達するp型領域を形成し、素子領域54を取り囲むことで実現してもよい。基板51にn型の基板を用いるときにはメサエッチングは第1のp型エピタキシャル層2を貫通しないようにする。この理由は、後続のフィールド絶縁膜工程で成長する熱酸化膜がp型領域では正の電荷を強く帯びた膜となりやすく、この電荷が原因となってメサエッチング側壁のp型断面領域に反転層が形成され、n型のバルク基板とチャネル領域58aが導通し、素子分離が損なわれる危険があるからである。
56、57は素子領域54に設けられたn+型のソース領域とドレイン領域である。ソース領域56、ドレイン領域57のドナー濃度は最表面において少なくともND>5×10+19cm−3、好ましくはND>1×10+20cm−3であることが望ましい。ソース領域56とドレイン領域55に挟まれたn型領域(=第2のエピタキシャル層3の一部)がチャネル領域58aである。チャネル領域58aは金属汚染や微細な起伏、結晶不整層の少ない表面および表層を有している。
メサ構造およびソース55、ドレイン領域57が形成された基板表面には厚い絶縁膜58が形成されている。厚い絶縁膜58はSiC基板表面を熱酸化して成長した薄い熱酸化膜59と熱酸化以外の方法(常圧CVDなど)で堆積した上部絶縁膜60、例えば、PSG(りん珪酸ガラス)膜あるいはSiO2膜、の積層膜で構成されている。熱酸化膜9の厚みは50nm未満、好ましくは5〜20nmの範囲であることが望ましく、また、厚い絶縁膜5の総厚は100nm〜3μm、好ましくは、300nm以上が望ましい。熱酸化膜59のうち、特にチェネル上部に位置する部分は上述の金属汚染や微細な起伏、結晶不整層の少ないチャネル表層を熱酸化して形成したものであるから、欠陥の取り込みの少ない高品質の酸化膜となっている。
ソース領域56とドレイン領域57、チャネル領域58aの上部の熱い絶縁膜58には、それぞれ、ソース窓61、ドレイン窓62、ゲート窓63が開口されている。ソース窓/ドレイン窓の底には加熱反応層64、65が選択的にかつ窓の底を密封するように配設され、ソースコンタクト(=オーミック)とドレインコンタクト(=オーミック)を形成している。一方、ゲート窓63の底ではゲート電極66とチャネル領域58aが接触し、ゲート(ショットキー)コンタクトを形成している。なお、ゲート電極66とSiC基板51との界面は階段型の急峻な接合となっている。ゲート電極の材料としては例えばTiとTiNの積層膜(Tiが基板51と接触)を挙げることができるが、他の材料でもよい。TiとTiNの厚みは例えば50nmと150nmである。
67と68、69はそれぞれソースコンタクトとドレインコンタクト、ゲートコンタクトの配線導体(パッド)で、厚い絶縁膜55上に配設され、厚いAlなどで構成される。配線導体67、68とソース/ドレインの加熱反応層64と65との間には、両導体の付着力や接触抵抗、耐熱性を改善するため、TiやTiN、TaNなどの導電体を挿入することもできる。ゲート接触(=電極)の引き出し配線は、図15のようにチャネル領域58a上部でゲート電極66と接触する構造とはせずに、チャネル領域58aの外の領域で接触する構造とすることもできる。
以上の説明から明らかなとおり、本発明に基づくSiC基板の一主面にソース/ドレインオーミック構造体を有するMESFETは配線導体67、68と加熱反応層64、65との間に未反応の抵抗の高い電極母材を介在させない構成をしているので、同未反応電極母材を介在させる従来のコンタクト技術よりもソース/ドレイン・コンタクトのコンタクト抵抗を低減できる、ひいては、トランジスタのソース−ドレイン間抵抗を削減できる、という効果を有する。また、本発明に基づくソース/ドレインオーミック電極構造体を有するMESFETでは、加熱反応層64、65とソース窓(接触窓)/ドレイン窓(接触窓)56a、57aの側壁との間のギャップを削除できるので、その分、ソース/ドレイン・コンタクトの寸法を小さくでき、ひいてはMESFETのサイズを低減できるという効果が得られる。
次に、上記図15に示したMESFETの製造方法を図16〜図17を参照しながら説明する。ここでは理解を容易にするために、できるだけ具体的な製造条件を挙げて説明するが、これは本発明がこの条件に限定されることを意味するものではない。
(A)はじめに、窒素(ドナー)を濃度ND=1×10+19cm−3にドープした(0001)Si面8°オフカット4H−SiC基板51を前出のRCA洗浄などで充分洗浄した後、周知のシランとプロパンを原料とした高温CVD法(成長温度1500℃)で基板51表面にp型の第1エピタキシャル層52(tA1=4.5μm、NA1=5×10+15cm−3)とn型の第2エピタキシャル層53(tD2=0.4μm、1.5×10+17cm−3)を成長する。p型のドーパンド材はトリメチルアルミニウム、n型のドーパンド材は窒素である。基板51の裏面には低品質のエピタキシャル層が付着しているので、シランと酸素を用いたCVDで基板51の表面に厚いSiO2膜を堆積し保護してから、裏面のエピタキシャル層を機械的研磨で除去し、終了後保護膜を除くと、図16(a)のような構造になる
(B)次に、酸化膜マスクを用いて基板51表面を反応性イオンエッチング(RIE)し、メサ構造による素子領域54を形成する。本実施例ではn型の基板51を用いているので、メサエッチングにあたっては第1エピタキシャル層52を貫通しないように留意する。エッチングに使用する酸化膜マスク(図示せず)は2μm厚のCVD−SiO2を成膜し、これをフォトリソグラフィとRIEでパタニングすることで形成する。メサエッチングが終了したら、図16(b)に示すように、使用した酸化膜マスクを緩衝フッ酸溶液(BHF)で除去する。
(C)次に、高濃度不純物領域としてのソース領域56、ドレイン領域57の予定領域に選択的にイオン注入するための酸化膜マスク(CVD−SiO2、2μm厚。図示せず)を形成する。フォトリソグラフィとRIEで酸化膜マスクのパタニング(すなわち、ソース/ドレイン領域を開口する)を終えたら、レジストを除去し、RCA洗浄などで充分洗浄した基板1表面にイオン注入の深さを調節するための25nm厚のスルー膜(CVD−SiO2。図示せず)を成膜し、基板表面に向けて燐イオン500℃で注入する。多段の加速電圧とドーズ量の一例は次のとおりである。
(B)次に、酸化膜マスクを用いて基板51表面を反応性イオンエッチング(RIE)し、メサ構造による素子領域54を形成する。本実施例ではn型の基板51を用いているので、メサエッチングにあたっては第1エピタキシャル層52を貫通しないように留意する。エッチングに使用する酸化膜マスク(図示せず)は2μm厚のCVD−SiO2を成膜し、これをフォトリソグラフィとRIEでパタニングすることで形成する。メサエッチングが終了したら、図16(b)に示すように、使用した酸化膜マスクを緩衝フッ酸溶液(BHF)で除去する。
(C)次に、高濃度不純物領域としてのソース領域56、ドレイン領域57の予定領域に選択的にイオン注入するための酸化膜マスク(CVD−SiO2、2μm厚。図示せず)を形成する。フォトリソグラフィとRIEで酸化膜マスクのパタニング(すなわち、ソース/ドレイン領域を開口する)を終えたら、レジストを除去し、RCA洗浄などで充分洗浄した基板1表面にイオン注入の深さを調節するための25nm厚のスルー膜(CVD−SiO2。図示せず)を成膜し、基板表面に向けて燐イオン500℃で注入する。多段の加速電圧とドーズ量の一例は次のとおりである。
30keV、5.0×1014cm−2
50keV、6.0×1014cm−2
70keV、6.0×1014cm−2
100keV、9.0×1014cm−2
130keV、2.4×1015cm−2
この条件で注入を行うとソース領域56/ドレイン領域57において、ほぼ基板51表面から深さ方向に一様なドナー分布(不純物濃度が3.0×1020cm−3)が実現される。燐のイオン注入が終了したら、BHFで酸化膜マスクとスルー膜を完全に除去し、基板表面をRCA洗浄する。表面の清浄化が済んだら、基板1を高純度Ar雰囲気で1700℃、1分間の熱処理にかけ、ソース領域56/ドレイン領域57に注入した燐イオンを活性化する(図16(c))。このような条件で熱処理した燐イオンは95%以上活性化していることがホール効果の測定で確認されている。
50keV、6.0×1014cm−2
70keV、6.0×1014cm−2
100keV、9.0×1014cm−2
130keV、2.4×1015cm−2
この条件で注入を行うとソース領域56/ドレイン領域57において、ほぼ基板51表面から深さ方向に一様なドナー分布(不純物濃度が3.0×1020cm−3)が実現される。燐のイオン注入が終了したら、BHFで酸化膜マスクとスルー膜を完全に除去し、基板表面をRCA洗浄する。表面の清浄化が済んだら、基板1を高純度Ar雰囲気で1700℃、1分間の熱処理にかけ、ソース領域56/ドレイン領域57に注入した燐イオンを活性化する(図16(c))。このような条件で熱処理した燐イオンは95%以上活性化していることがホール効果の測定で確認されている。
次は、本発明を最も特徴付けるオーミック電極構造体を形成する工程であるから、もう少し詳しく説明する。
(D)ソース領域56/ドレイン領域57の形成が終了したら、RCA洗浄で清浄化した基板表面に約20〜40nmの一過性の酸化膜(1100℃、ドライ酸化)を成長させ、成長した酸化膜を希釈フッ酸溶液(DHF)で直ちに取り除く。この工程によって、イオン注入と活性化熱処理でSiC基板1表面に生じた結晶不整層、注入損傷層、各種汚染層、炭化層を効果的に除去することができる。一過性の熱酸化膜をDHFで除去したら基板51を充分洗浄し、図17(d)に示すように、基板51表面に再び約20nm厚の熱酸化膜(1100℃、WET酸化)59を成長し、さらにその上に常圧CVDで800nmの酸化膜からなる上部絶縁膜60を堆積する。こうして熱酸化膜59と上部絶縁膜60とで構成される厚い絶縁膜58が形成される。
(E)次に、厚い絶縁膜58の表面に厚み1〜2μmのフォトレジストを塗布し、露光し、現像することによってソース窓56aとドレイン窓57aに対応する領域のフォトレジストを除去し、つづいてCHF3ガスプラズマなどを用いた、厚い絶縁膜58の反応性イオンエッチング(RIE)を行う。可能な限り低いコンタクト抵抗を求めるのなら、厚い絶縁膜58を数100nm残したところでRIEをやめ、BHFを用いたウエット・エッチングに切り換えるようにする。エッチングを終えたら、レジストを除去し、RCA洗浄などでSiC基板51を充分洗浄すると図17(e)の構造ができる。
(F)ソース窓56aとドレイン窓57aが開口したら、本発明の第1の実施の形態の製造工程(ト)〜(チ)と同様にして、SiC基板51の表面全面に母材電極70を成膜した後、第1の熱処理を加えて、電極母材70とソース領域56、ドレイン領域57との間にそれぞれ加熱反応層前駆体層71と72を生成する。電極母材として、電子ビーク蒸着で成膜した厚み50nmの場合のNiの適正な熱処理条件を具体例として挙げると、熱処理温度は600℃、熱処理時間は2時間である。加熱反応層前駆体層71、72はSiC基板51と直に接しているところで起こる固相反応であるから、同前駆体は結果として図17(f)のようにソース領域56、ドレイン領域57の接触面に自動的に整合して選択的に配設される。
(G)次に、第1の熱処理工程で未反応の電極母材79を第1実施の形態に記載の酸系のエッチャントで完全に除去したあと、SiC基板51を洗浄し、その後、第1の熱処理の温度よりも高い温度でSiC基板を熱処理(第2の熱処理)して、加熱反応層前駆体層71、72とSiC基板51の固相反応を促進させることで、加熱反応層前駆体層71、72を熱力学的な安定な相を主成分とする加熱反応層64、65に転化させる。熱処理の雰囲気は第1の熱処理と同様の高純度不活性雰囲気である。この段階での構造を図示したのが図18(g)である。第2の熱処理の温度および時間はそれそれ700℃〜1200℃、30秒間〜100分間の範囲に設定される。前出のNi電極系の前駆体の場合には、温度を950℃〜1050℃、時間を30秒間〜2分間にすると非常に良好な結果を与える。このような条件で熱処理を行うと、Ni3Si、Ni2Si、Ni31Si12、NiSi等の低級の珪化物前駆体がSiC基板1のSi元素を取り込んで、化学的に最も安定でかつ低抵抗コンタクトが得られるNiSi2を主成分とする加熱反応層になる。
(H)加熱反応層64、65が形成されたところで、周知のフォトリソグラフィーとウエットエッチングまたはドライエッチング(RIEなどの)を用いて、図18(h)に示すように、厚い絶縁膜58にゲート窓63を開口する。ドライエッチングで開口するときには、ウエットエッチングを併用すると良好なトランジスタ特性が得られる。すなわち、最初にドライエッチングを行い、厚い絶縁膜58を数10nm残したところで、ウエットエッチングに切り換えるようにする。ゲート窓63をドライエッチングで貫通させると、チャネル表面に加速プラズマダメージを与え、ゲート・ショットキー接触の逆方向バイアス漏れ電流を増大させるという問題を引き起こす。ウエットエッチングを併用するのが困難な程微細なゲート窓63を形成する必要がある場合はECR(電子サイクロトロン共鳴)プラスマエッチングのようなプラズマダメージの少ないドライエッチング手段を用いるのが肝要である。
エッチングに使用したフォトレジストを除去し、SiC基板51を十分洗浄して、乾燥する。特殊な例外を除いて一般に、洗浄には洗浄効果の高いRCA洗浄のような洗浄法を用いることができる。加熱反応層64、65が酸・アルカリ系洗浄液に対して強い耐性を示すからである。このようにしてできた構造が図18(h)である
(I)洗浄が済んだところで、SiC基板51の表面全面に所定の厚みの(ショットキー)ゲート電極材と配線導体材を電子ビーム蒸着あるいはDCマグネトロンスパッタリングなどの手段を用いて成膜する。なお、ゲート電極材と配線導体材の成膜は連続で行うことが望ましい。代表的なゲート電極材としてTi、配線導体材としてAlを挙げることができるが、もちろんこれに限定されるものではない。MESFETが高温で使用される場合には、ゲート電極材と配線導体材との間に相互拡散を防止するバリヤメタルを配設して耐熱性を向上させることができる。この目的に適合するバリヤメタルとして例えば、TiNやTaNがある。
ゲート窓開口エッチングとゲート電極材の蒸着との間の放置時間と雰囲気はトランジスタ特性の良否を左右する極めて重要な決定因子である。この時間が長いと、ゲート窓63の底部に自然酸化膜が生成したり、ハイドロ・カーボンが再付着したりして、ゲート電極66のショットキー特性が劣化し、これがトランジスタ特性の低下を招く。このため、ゲート窓63の開口後は可能な限り早くゲート電極材を被着させる必要がある。
この後、周知のフォトリソグラフィーとウエットエッチングまたはドライエッチング(RIEなど)を用いて、ゲート電極材と配線導体材とを同時にパタニングすると、図18(i)のように、ゲート電極66とソースおよびドレイン、ゲートの各配線導体67、68、69が形成され、本発明のSiC半導体装置に基づくSiC MESFETが完成する。
エッチングに使用したフォトレジストを除去し、SiC基板51を十分洗浄して、乾燥する。特殊な例外を除いて一般に、洗浄には洗浄効果の高いRCA洗浄のような洗浄法を用いることができる。加熱反応層64、65が酸・アルカリ系洗浄液に対して強い耐性を示すからである。このようにしてできた構造が図18(h)である
(I)洗浄が済んだところで、SiC基板51の表面全面に所定の厚みの(ショットキー)ゲート電極材と配線導体材を電子ビーム蒸着あるいはDCマグネトロンスパッタリングなどの手段を用いて成膜する。なお、ゲート電極材と配線導体材の成膜は連続で行うことが望ましい。代表的なゲート電極材としてTi、配線導体材としてAlを挙げることができるが、もちろんこれに限定されるものではない。MESFETが高温で使用される場合には、ゲート電極材と配線導体材との間に相互拡散を防止するバリヤメタルを配設して耐熱性を向上させることができる。この目的に適合するバリヤメタルとして例えば、TiNやTaNがある。
ゲート窓開口エッチングとゲート電極材の蒸着との間の放置時間と雰囲気はトランジスタ特性の良否を左右する極めて重要な決定因子である。この時間が長いと、ゲート窓63の底部に自然酸化膜が生成したり、ハイドロ・カーボンが再付着したりして、ゲート電極66のショットキー特性が劣化し、これがトランジスタ特性の低下を招く。このため、ゲート窓63の開口後は可能な限り早くゲート電極材を被着させる必要がある。
この後、周知のフォトリソグラフィーとウエットエッチングまたはドライエッチング(RIEなど)を用いて、ゲート電極材と配線導体材とを同時にパタニングすると、図18(i)のように、ゲート電極66とソースおよびドレイン、ゲートの各配線導体67、68、69が形成され、本発明のSiC半導体装置に基づくSiC MESFETが完成する。
以上説明したように、本第4の実施の形態の半導体装置の製造方法は、SiC基板51の表面に高濃度不純物領域としてソース領域56、ドレイン領域57を選択的に形成する工程と、ソース領域56、ドレイン領域57を含むSiC基板51の表面に厚い絶縁膜58を成膜する工程と、ソース領域56、ドレイン領域57の表面を露出するように厚い絶縁膜58にオーミック・コンタクト窓としてソース窓56a、ドレイン窓57aを開口する工程と、ソース窓56a、ドレイン窓57aを開口したSiC基板51全面に所定の電極母材70を成膜する工程と、電極母材70を成膜したSiC基板51を熱処理して電極母材70とソース領域56、ドレイン領域57を含むSiC基板51との間に加熱反応層前駆体層71、72を形成する第1の熱処理工程と、厚い絶縁膜58上部ならびに加熱反応層前駆体層71、72上部に残された未反応の電極母材70を化学的手段で除去する工程と、未反応の電極母材70を除去したSiC基板51を、第1の熱処理工程の温度と同じかそれよりも高い温度で熱処理し、ソース窓56a、ドレイン窓57a内底の加熱反応層前駆体層71、72を加熱反応層64、65に転化させる第2の熱処理工程と、該第2の熱処理工程が済んだSiC基板51のショットキー・コンタクト窓としてゲート窓63を開口する工程と、少なくともゲート窓63の底部にショットキー電極材からなる電極材としてゲート電極66を配設する工程と、または該加熱反応層64、65の表面上に設けたゲート電極66と同時に設けた電極材の表面(なお、ソース窓56a、ドレイン窓57aに該電極材を設けない場合は、ソース窓56a、ドレイン窓57a内底の加熱反応層64、65の表面)、およびゲート窓63の底部に設けたゲート電極66の表面に接し、かつ厚い絶縁膜58の上部にまで伸延された配線導体67、68、69を形成する工程とを含んでなる。
さらに詳細に述べると、SiC基板51の表面に導電不純物を高濃度に添加したソース領域56、ドレイン領域57を選択的に形成する工程と、ソース領域56、ドレイン領域57を含むSiC基板51の表面に厚い絶縁膜58を成膜する工程と、ソース領域56、ドレイン領域57の表面を露出するように厚い絶縁膜58にソース窓56a、ドレイン窓57aを開口する工程と、ソース窓56a、ドレイン窓57aを開口したSiC基板51全面に所定の電極母材70を成膜する工程と、電極母材70を成膜したSiC基板51を熱処理して電極母材70とソース領域56、ドレイン領域57を含むSiC基板51との間に加熱反応層前駆体層71、72を形成する第1の熱処理工程と、厚い絶縁膜58上部ならびに加熱反応層前駆体層71、72上部に残された未反応の前記電極母材70を化学的手段で除去する工程と、前記未反応の電極母材70を除去したSiC基板51を、前記第1の熱処理工程の温度と同じかそれよりも高い温度で再び熱処理し、ソース窓56a、ドレイン窓57a内底の加熱反応層前駆体層71、72を加熱反応層64、65に転化させる第2の熱処理工程と、第2の熱処理工程が済んだSiC基板51のゲート窓63を開口する工程と、少なくともゲート窓63の底部にショットキー電極材からなる電極材を配設する工程と、ソース窓56a、ドレイン窓57a内底の加熱反応層64、65の表面または該加熱反応層64、65の表面上に設けた前記電極材の表面、およびゲート窓63の底部に設けた前記電極材の表面に接し、かつ厚い絶縁膜58の上部にまで伸延された配線導体67、68、69を形成する工程とを含んでなる。
また、本第4の実施の形態の半導体装置は、SiC基板51の一主面にショットキー電極構造体とオーミック電極構造体とを具有する炭化珪素半導体装置であって、該オーミック電極構造体が前記第1の実施の形態のオーミック電極構造体で構成されている。また、SiC基板51の一主面に形成した炭化珪素・金属−半導体電界効果半導体装置であって、ソースコンタクトまたはドレインコンタトの少なくとも一方が前記第1の実施の形態のオーミック電極構造体で構成されている。さらに、炭化珪素・金属−半導体電界効果半導体装置であって、ソースコンタクトまたはドレインコンタトの加熱反応層64、65と、同コンタクトの配線導体67、68の間に、ゲート・ショットキーコンタクトと同一かつ同時に形成された電極材が挟持されている。
以上の詳細な説明から明らかなように、本発明に基づくSiC半導体装置(MESFET)の製造方法は、ソース窓、ドレイン窓の底部に加熱反応層を配設するのにフォトレジストを一切使用しない新しい自己整合プロセス(図17(e)〜図18(h)を使用しているので、同工程においてフォトレジスト等を用いたリフト・オフ法に起因して発生した前記特許文献1の従来技術の問題点、(1)コンタクト不良が生じたり、洗浄費用がかさむ、(2)レジスト汚染を嫌う、Si集積回路プロセス用の蒸着装置を共用することができない、同工程専用の蒸着装置およびそれを設置する専用のクリーンルーム・スペースを用意しなければならない、という問題を同時に解決している、と言うことができる。
また、本第4の実施の形態においては、本発明全体に共通する上記効果の外に、次に述べるような、本実施の形態固有の効果もある。
SiC−MESFETのゲート電極構造体の製造プロセスとして広く用いられている方法は、文献「S. Sriram, R. R. Siergiej, R. C. Clarke, A. K. Agarwal, C. D. Brandt, physica status solidi (a), Vol. 162 p441 (1997)」に記載されているような、フォトレジスト(あるいは電子ビーム露光レジスト)を用いた電極リフト・オフ法である。加えて、SiC−MESFETのゲート長はサブミクロン規模と非常に微細である。すなわち、従来のSiC−MESFETのゲート電極構造体においても、ソース、ドレインオーミック電極構造体の製造方法と同様な問題(1)と(2)が発生していた。しかしながら、上記図18(g)〜(i)の説明から明らかなとおり、本発明のMESFETの製造方法においては、ゲート電極の形成工程においてもリフトオフ法を用いない構成をとっているので、(1)コンタクト不良が生じたり、洗浄費用がかさむ、(2)Si集積回路プロセス用の蒸着装置を共用することができない、同工程専用の蒸着装置およびそれを設置する専用のクリーンルーム・スペースを用意しなければならない、という問題をも同時に解決することができる。
また、本第4の実施の形態ではゲート電極66形成用の導体膜を、ソース/ドレインの配線導体67、68とソース/ドレインの加熱反応層64、65との間の接着補強膜あるいはバリヤ膜としても兼用する構造であり、かつ、ゲート電極66といっしょに作製する構成であるため、無駄がなく、導体材料と製造時間を節約できるという効果もある。
SiC−MESFETのゲート電極構造体の製造プロセスとして広く用いられている方法は、文献「S. Sriram, R. R. Siergiej, R. C. Clarke, A. K. Agarwal, C. D. Brandt, physica status solidi (a), Vol. 162 p441 (1997)」に記載されているような、フォトレジスト(あるいは電子ビーム露光レジスト)を用いた電極リフト・オフ法である。加えて、SiC−MESFETのゲート長はサブミクロン規模と非常に微細である。すなわち、従来のSiC−MESFETのゲート電極構造体においても、ソース、ドレインオーミック電極構造体の製造方法と同様な問題(1)と(2)が発生していた。しかしながら、上記図18(g)〜(i)の説明から明らかなとおり、本発明のMESFETの製造方法においては、ゲート電極の形成工程においてもリフトオフ法を用いない構成をとっているので、(1)コンタクト不良が生じたり、洗浄費用がかさむ、(2)Si集積回路プロセス用の蒸着装置を共用することができない、同工程専用の蒸着装置およびそれを設置する専用のクリーンルーム・スペースを用意しなければならない、という問題をも同時に解決することができる。
また、本第4の実施の形態ではゲート電極66形成用の導体膜を、ソース/ドレインの配線導体67、68とソース/ドレインの加熱反応層64、65との間の接着補強膜あるいはバリヤ膜としても兼用する構造であり、かつ、ゲート電極66といっしょに作製する構成であるため、無駄がなく、導体材料と製造時間を節約できるという効果もある。
実例として、ソース/ドレイン加熱反応層64、65の電極母材70として厚み50nmのNi、ゲート電極66としてTi/TiN(TiがSiC基板51に接する)を用いた図15記載のMESFET(ゲート長3μm)の結果を紹介する。第1と第2のエピタキシャル層の形成条件、イオン注入や不純物活性化の条件は上記製造工程で例示したとおりである。
図19はソース/ドレイン領域のコンタクト抵抗を決定するときのTLMプロットを示す図である。プロットが一直線に乗ることから、コンタクト抵抗とソース/ドレイン領域(高濃度不純物領域)のシート抵抗が一様であることがわかる。TLM解析からソース/ドレインのコンタクト抵抗はρC=1.7×10−6Ωcm2と非常に低い値であることがわかった。図20はこのMESFETのドレイン電流−ドレイン電圧(Id−Vds)特性を示す図である。パラメータはゲート電圧Vgである。Id−Vdsが原点から直線状に延びていることはソース/ドレインに良好なオーミックコンタクトが得られていることを示唆している。典型的なトランジスタの静特性が得られていることから、ソース/ドレインのオーミックコンタクトとともに、ゲート電極でも良質のショットキーコンタクトが形成されていることが確認される。
(第5の実施の形態)
本発明のオーミック電極構造体およびその製造方法に関する第5の実施の形態は、ソースとドレインがSiC基板のそれぞれ表と裏にある縦型MOSFET(金属−酸化物−半導体構造電界効果トランジスタ)に適用した例である。
以下、図面を参照して本発明の第5の実施の形態を説明するが、図面は模式的なものであり、厚みと平面寸法との関係、各層の厚みの比率等は現実のものとは異なることに留意すべきである。したがって、具体的な厚みや寸法は以下の説明を参酌して判断すべきものである。また、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることはもちろんである。
本発明のオーミック電極構造体およびその製造方法に関する第5の実施の形態は、ソースとドレインがSiC基板のそれぞれ表と裏にある縦型MOSFET(金属−酸化物−半導体構造電界効果トランジスタ)に適用した例である。
以下、図面を参照して本発明の第5の実施の形態を説明するが、図面は模式的なものであり、厚みと平面寸法との関係、各層の厚みの比率等は現実のものとは異なることに留意すべきである。したがって、具体的な厚みや寸法は以下の説明を参酌して判断すべきものである。また、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることはもちろんである。
図21は本発明に基づくSiC基板を用いたMOSFETのユニットセル170の要部断面を示している。ユニットセルとは素子領域の最小単位のことで、パワー素子ではこのユニットセルを縦横に多数並列配置して大電流化を図っている。なお、以下の説明では170は素子領域とユニットセルの両方の意味で用いることにする。
171は高濃度に不純物添加したn(n+)型単結晶SiC基板であり、表面(図中上面側主面)には厚み10μm、窒素を1×1016/cm3添加したn型エピタキシャル層173をホモエピタキシャル成長させている。4H、6H、3C、15Rなど全ての晶系(Hは六方晶、Cは立方晶、Rは菱面体晶を意味する)のSiC基板を用いることができる。n型エピタキシャル層173表層の所定領域には、p型不純物をn型エピタキシャル層173の不純物濃度とりも高く添加したp型ベース層73aおよび73bが離間して形成されている。
p型ベース領域73a、73bの表層所定領域には、p型ベース領域73a、73bよりも浅く高濃度の不純物を添加したn型ソース領域(=高濃度不純物領域に対応)74a、74bが形成されている。p型ベース領域73a、73bの一部であって、かつ、n型ソース領域74aと74bの外部表層には、p型の不純物を高濃度に添加したp+型ベース領域75a、75bが配設されている。n型エピタキシャル層173、p型ベース領域(73a、73b)、n型ソース領域(74a、74b)の不純物濃度はこの順序で大きくなるように設定されている。
171は高濃度に不純物添加したn(n+)型単結晶SiC基板であり、表面(図中上面側主面)には厚み10μm、窒素を1×1016/cm3添加したn型エピタキシャル層173をホモエピタキシャル成長させている。4H、6H、3C、15Rなど全ての晶系(Hは六方晶、Cは立方晶、Rは菱面体晶を意味する)のSiC基板を用いることができる。n型エピタキシャル層173表層の所定領域には、p型不純物をn型エピタキシャル層173の不純物濃度とりも高く添加したp型ベース層73aおよび73bが離間して形成されている。
p型ベース領域73a、73bの表層所定領域には、p型ベース領域73a、73bよりも浅く高濃度の不純物を添加したn型ソース領域(=高濃度不純物領域に対応)74a、74bが形成されている。p型ベース領域73a、73bの一部であって、かつ、n型ソース領域74aと74bの外部表層には、p型の不純物を高濃度に添加したp+型ベース領域75a、75bが配設されている。n型エピタキシャル層173、p型ベース領域(73a、73b)、n型ソース領域(74a、74b)の不純物濃度はこの順序で大きくなるように設定されている。
上記各不純物領域を形成したSiC基板171の表面にはゲート酸化膜75が設けられている。ゲート酸化膜75の上には、導電性の多結晶シリコンのゲート電極76が設けられている。このゲート電極76の側面および上面には、多結晶シリコン酸化膜77が配設されている。ゲート酸化膜75および多結晶シリコン酸化膜77の上には層間絶縁膜78が成膜されている。
79a、79bは層間絶縁膜78に開口され、SiC基板171表面のn型ソース領域74a、74bとp型ベース領域73a、73bにまたがって貫通するソース窓である。このソース窓79a、79bの底には導電性の加熱反応層80a、80bが置かれている。加熱反応層80a、80bはNiなどの電極母材を2段加熱し、SiCと固相反応させて生成する。この加熱反応層80a、80bはn型ソース領域74a、74bとp型ベース領域73a、73bの両極性に同時にオーミックコンタクトを与える機能を備えており、これは前記第1の実施の形態〜第4の実施の形態のオーミック電極構造体にない機能である。SiC基板171の裏面の81はMOSFETのドレインにオーミックコンタクトを付与する役割を果たすもうひとつの加熱反応層である。
82はn型ソース領域74a、74bやp型ベース領域73a、73bを、外部回路や同一基板上の他の回路要素に結線するための配線導体である。配線導体82とソース/ドレインの加熱反応層80a、80bとの間には、両導体の付着力や接触抵抗、耐熱性を改善する機能を有するTiやTiN、TaNなどの導電体を挿入することもできる。
79a、79bは層間絶縁膜78に開口され、SiC基板171表面のn型ソース領域74a、74bとp型ベース領域73a、73bにまたがって貫通するソース窓である。このソース窓79a、79bの底には導電性の加熱反応層80a、80bが置かれている。加熱反応層80a、80bはNiなどの電極母材を2段加熱し、SiCと固相反応させて生成する。この加熱反応層80a、80bはn型ソース領域74a、74bとp型ベース領域73a、73bの両極性に同時にオーミックコンタクトを与える機能を備えており、これは前記第1の実施の形態〜第4の実施の形態のオーミック電極構造体にない機能である。SiC基板171の裏面の81はMOSFETのドレインにオーミックコンタクトを付与する役割を果たすもうひとつの加熱反応層である。
82はn型ソース領域74a、74bやp型ベース領域73a、73bを、外部回路や同一基板上の他の回路要素に結線するための配線導体である。配線導体82とソース/ドレインの加熱反応層80a、80bとの間には、両導体の付着力や接触抵抗、耐熱性を改善する機能を有するTiやTiN、TaNなどの導電体を挿入することもできる。
以上説明したように、本第5の実施の形態の半導体装置の製造方法は、SiC基板171の一主面に形成したエピタキシャル層173を成長する工程と、前記エピタキシャル層173の表層部の所定領域に相互に離間して形成した2つのベース領域73a、73bを形成する工程と、前記2つのベース領域73a、73bの表層部の所定領域に位置するように、2つのソース領域74a、74bを形成する工程と、前記2つのベース領域73a、73bの表層部であって、かつ、前記2つのソース領域74a、74bの外縁に隣接し、前記2つのベース層73a、73bより高濃度の不純物を添加された2つの高濃度不純物ベース領域75a、75bを形成する工程と、前記2つのベース領域73a、73bと2つのソース領域74a、74bと2つの高濃度不純物ベース領域75a、75bとを形成したSiC基板171の表面にゲート絶縁膜75を形成する工程と、前記ゲート絶縁膜75上に多結晶シリコンからなるゲート電極76を形成する工程と、前記ゲート電極76の一部を熱酸化して酸化膜77で被覆する工程と、前記ゲート絶縁膜75の上部および前記酸化膜77で被覆されたゲート電極76の上部に層間絶縁膜78を堆積する工程と、前記2つのソース領域74a、74bと前記2つの高濃度不純物ベース領域75a、75bを露出させるように前記層間絶縁膜78と前記ゲート絶縁膜75を貫通する2つのソース窓79a、79bを形成する工程と、前記ソース窓79a、79bの開口したSiC基板171表面全面に電極母材87を成膜する工程と、前記電極母材87を成膜したSiC基板171に第1の熱処理を施し、前記ソース窓79a、79b底部に加熱反応層前駆体88a、88bを形成する工程と、前記第1の熱処理を施した前記SiC基板171の表面から、残存する未反応の前記電極母材87を除去する工程と、前記未反応の電極母材87を除去したSiC基板171の裏面のドレイン領域に第2の電極母材89を成膜する工程と、前記第2の電極母材89を成膜したSiC基板171に、前記第1の熱処理工程の温度と同じかそれよりも高い温度の第2の熱処理を施し、2つのソース窓79a、79b底部および裏面の前記ドレイン領域表面に導電性の加熱反応層80a、80bを同時に生成する工程と、前記層間絶縁膜78上を覆い、前記ソース窓79a、79b底部の2つの加熱反応層80a、80bに接続した配線導体82を設ける工程とを含んでなる。
また、本第5の実施の形態の半導体装置は、SiC基板171の一主面に金属−絶縁膜−半導体構造体とオーミック電極構造体とを具有する炭化珪素半導体装置であって、該オーミック電極構造体が前記第1の実施の形態のオーミック電極構造体で構成される。また、少なくともSiC基板171の表面に金属−絶縁膜−半導体ゲート構造体とオーミック電極構造体とを具有し、他の裏面にオーミック電極構造体を具有する炭化珪素半導体装置であって、前記表面のオーミック電極構造体が前記第1の実施の形態のオーミック電極構造体で構成される。また、金属−絶縁膜−半導体ゲート構造電界効果炭化珪素半導体装置(MOSFET)か、絶縁ゲート型双極型炭化珪素半導体装置(IGBT)である。また、前記表面のオーミック電極構造体の一部である絶縁膜は、MOSゲート構造体のゲート絶縁膜とMOSゲート構造体上部に配設される層間絶縁膜との積層膜からなる。また、SiC基板171と、SiC基板171の一主面に形成したエピタキシャル層173と、エピタキシャル層173の表層部における所定領域に相互に離間して形成した2つのベース領域73a、73bと、2つのベース領域73a、73bの所定領域に設けた2つのソース領域74a、74bと、2つのベース領域73a、73bの表層部であって、2つのソース領域74a、74bの外縁に隣接し、2つのベース層73a、73bより高濃度の不純物を添加された2つ高濃度不純物ベース領域75a、75bと、2つのソース領域74a、74b上および両ソース領域74a、74bの間にあるエピタキシャル層173上の所定領域に設けたゲート絶縁膜75と、ゲート絶縁膜75上に設けた多結晶シリコンからなるゲート電極76と、ゲート電極76の一部を熱酸化して形成したゲート電極酸化膜77と、ゲート電極76およびゲート電極酸化膜77の上に形成した層間絶縁膜78と、2つのソース領域74a、74bと2つの高濃度不純物ベース領域75a、75bを露出させるように層間絶縁膜78とゲート絶縁膜75を貫通して開口された2つのソース窓79a、79bと、ソース窓79a、79bの底部全面を被覆するように設けられた導電性の2つの加熱反応層80a、80bと、層間絶縁膜78上を覆い、2つの加熱反応層80a、80bに接続した配線導体82と、SiC基板171の裏面に設けた第2の加熱反応層81とを備えている。
以上の説明から明らかなとおり、本発明に基づく縦型MOSFETは配線導体82とソースの加熱反応層80a、80bとの間に未反応の抵抗の高い電極母材を介在させない構成をしているので、同未反応電極母材を介在させる従来のコンタクト技術よりもソース・コンタクトのコンタクト抵抗を低減でき、ひいては、トランジスタのソース−ドレイン間抵抗を削減できる、という効果を有する。また、本発明に基づくソース縦型MOSFETでは、加熱反応層80a、80bとソース窓79a、79bの側壁との間のギャップを削除できる構成となっているので、このギャップ相当分、ソース/ドレイン・コンタクトの寸法を小さくでき、ひいてはMOSFETのサイズを低減できるという効果が得られる。
次に、図21の構成の、4H−SiC基板を用いたMOSFETの製造方法を図22(A)〜図24(G)を参照しながら説明する。
(ア)まず、低抵抗のn型の4H−SiC基板171に高抵抗のn型エピタキシャル層173を常圧CVD法で成長したのち、本発明の第1の実施の形態で説明した選択イオン注入と高温活性化アニールによってp型ベース領域(73aと73b)、n型ソース領域(74aと74b)、p+型ベース領域(75aと75b)を形成する。図22(A)はこのようにしてできた基板構造を示している。各領域のイオン注入条件の一例を示すと次のとおりである。
(ア)まず、低抵抗のn型の4H−SiC基板171に高抵抗のn型エピタキシャル層173を常圧CVD法で成長したのち、本発明の第1の実施の形態で説明した選択イオン注入と高温活性化アニールによってp型ベース領域(73aと73b)、n型ソース領域(74aと74b)、p+型ベース領域(75aと75b)を形成する。図22(A)はこのようにしてできた基板構造を示している。各領域のイオン注入条件の一例を示すと次のとおりである。
◎p型ベース領域73a、73bのイオン注入条件
イオン種 Al+
注入温度 750℃
加速条件 360keV、5.0×1013/cm2
◎p+型ベース領域75a、75bのイオン注入条件
イオン種 Al+
注入温度 750℃
加速条件 30keV、1.0×1015/cm2
50keV、1.0×1015/cm2
70keV、2.0×1015/cm2
100keV、3.0×1015/cm2
◎n型ソース領域74a、74bのイオン注入条件
イオン種 P+(リン)
注入温度 500℃
加速条件 40keV、5.0×1014/cm2
70keV、6.0×1014/cm2
100keV、1.0×1015/cm2
160keV、2.0×1015/cm2
なお、以下の説明において、特に断らない場合は、SiC基板171にn型エピタキシャル層173やイオン注入で形成した各領域、絶縁膜や電極が形成されたものをSiC基板、あるいは単に基板と呼んでいる。
イオン種 Al+
注入温度 750℃
加速条件 360keV、5.0×1013/cm2
◎p+型ベース領域75a、75bのイオン注入条件
イオン種 Al+
注入温度 750℃
加速条件 30keV、1.0×1015/cm2
50keV、1.0×1015/cm2
70keV、2.0×1015/cm2
100keV、3.0×1015/cm2
◎n型ソース領域74a、74bのイオン注入条件
イオン種 P+(リン)
注入温度 500℃
加速条件 40keV、5.0×1014/cm2
70keV、6.0×1014/cm2
100keV、1.0×1015/cm2
160keV、2.0×1015/cm2
なお、以下の説明において、特に断らない場合は、SiC基板171にn型エピタキシャル層173やイオン注入で形成した各領域、絶縁膜や電極が形成されたものをSiC基板、あるいは単に基板と呼んでいる。
(イ)次に、RCA洗浄などで十分洗浄した基板をドライ酸素雰囲気で熱酸化して基板表面並びに裏面に熱酸化膜を成長し、緩衝フッ酸溶液を用いて直ちに取り除く。この犠牲酸化膜の厚みは50nm未満、好ましくは5〜20nmが望ましい。犠牲酸化が終了した基板を再び、RCA洗浄などで十分洗浄した後、基板表面に熱酸化やCVDなどの手段を用いて厚い絶縁膜を形成し、周知のフォトリソグラフィとウェットエッチまたはドライエッチングを用いて前記厚い酸化膜が存在するフィールド(図示せず)と厚い酸化膜が除去された素子領域170を形成する(図22(A))。
つづいて、基板171を再び、RCA洗浄などで十分洗浄するとともに、この洗浄の最終段階において、素子領域170の表面に生成した化学的酸化膜(SiO2)を除去するために緩衝フッ酸溶液に5秒間〜10秒間浸し、超純水で緩衝フッ酸溶液を完全にすすぎ落とした後、乾燥し、直ちに熱酸化して、図2(B)に示すように、素子領域170の基板表面に所望の厚み(例えばここでは40nm厚)のゲート酸化膜75を成長させる。ゲート酸化の条件としては、これに限定されるわけではないが、例えば、温度1100℃でのドライ酸化と950℃のウェット酸化を連続して行う方法がよい。ここで重要なポイントは、熱酸化温度は全ての後続工程のどの熱処理温度よりも高く設定するということである。ここでは後に、表側のソース電極と裏面ドレイン電極のオーミック接触を実現するために、温度1000℃の急速加熱処理を実施するので、それより高い1100℃という酸化温度が選ばれた。83はゲート酸化のときに基板裏面に自動的に生成される比較的厚い第2の一過性の熱酸化膜である。
次に、基板の表面および裏面全面にシラン原料を用いた減圧CVD法(成長温度600℃〜700℃)で厚み300〜400nmの多結晶シリコン膜84を成膜し、その後、塩素酸リン(POCl3)と酸素を用いた周知の熱拡散法(処理温度900℃〜950℃)で多結晶シリコン膜にP(リン)を添加し、導電性を付与する。つづいて、基板表面にフォトレジストと塗布して、フォトリソグラフィと、C2F6と酸素をエッチャントとした反応性イオンエッチング(RIE)を用いて、基板表面側の多結晶シリコン膜の不要な部分を取り除き、ゲート電極76を形成すると図22(B)の構造になる。
(ウ)次に、エッチング後の基板171をRCA洗浄して、十分清浄化したところで、900℃のドライ酸素雰囲気で熱酸化させ、ゲート電極76と裏面の多結晶シリコン膜84の表面に多結晶シリコン熱酸化膜77と85を生成する。
次に、図22(C)に示すように、基板171の表面全面に層間絶縁膜78を堆積する。この層間絶縁膜78としては、シランと酸素を原料とした常圧CVDで形成した約1μm厚のSiO2膜(NSG)あるいはさらにリンを添加したリン珪酸ガラス(PSG)、さらにこれにホウ素を添加したホウ素リン珪酸ガラス(BPSG)などが適しているが、これに限定されるものではい。この後、基板を通常の拡散炉に入れ、温度950℃、N2雰囲気で数10分間の穏やかな熱処理を行い、層間絶縁膜78を高密度化する。このときの熱処理温度は、ゲート酸化膜75の形成(熱酸化)温度より低い温度、例えば、900℃〜1000℃の範囲で適宜選ばれる。つづいて、プラズマCVDを用いて、層間絶縁膜78の上部に厚さ200nm程度のSi3N4膜からなる専用の犠牲層86を載置する。このSi3N4膜犠牲層86は一過性の膜ではあるが、後の第1の熱処理工程において、第2の実施の形態で説明した拡散阻止絶縁膜(図12の7参照)としても機能する。
(エ)次に、周知のフォトリソグラフィーとドライ/ウェットエッチング手段を用いて、図23(D)に示すように、基板171表面側の犠牲層86と層間絶縁膜78、ゲート酸化膜75にソース窓79a、79bを開口する。この開口エッチングのときエッチャントが基板171の裏に及ぶ場合には多結晶シリコン酸化膜85も同時に除去される(図23(D)はこの様子を示す)。
エッチングが終了したら、フォトレジストを除去して、基板をRCA洗浄などで十分清浄化し、直ちに、DCスパッタリングなどの成膜手段を用いて基板表面に電極母材87を全面蒸着する。電極母材87としては、例えば、50nm厚のNiあるいはCoなどを用いることができる。
エッチングが終了したら、フォトレジストを除去して、基板をRCA洗浄などで十分清浄化し、直ちに、DCスパッタリングなどの成膜手段を用いて基板表面に電極母材87を全面蒸着する。電極母材87としては、例えば、50nm厚のNiあるいはCoなどを用いることができる。
つづいて、電極母材87を成膜した基板171を、第1の実施の形態における(ト)に記載のように、高純度のArやN2のような不活性ガス雰囲気において第1の熱処理を行い、図23(D)に示すように、電極母材87とSiC基板171との間に加熱反応層前駆体層(88a、88b)を形成する。電極母材17としてNiを選んだ場合にはNi3Si、Ni2Si、Ni31Si12、NiSi等の低級珪化物がこれに該当する。DCマグネトロンスパッタ装置で成膜した厚さ50nmの電極母材Niの適正な熱処理条件を具体例として挙げると、熱処理温度は600℃、熱処理時間は3時間である。加熱反応層前駆体層88a、88bは基板171と接していることろだけで起こる固相反応から生成されるから、この加熱反応層前駆体層88a、88bはソース窓(79a、79b)の底部に自動的に整合して配設される。図23(D)はこの段階の素子領域170の断面構造を示している。
(オ)第1の熱処理が終った基板に残った未反応の電極母材87を第1の実施の形態における(リ)に記載の方法で除去した後、犠牲層86をエッチングで除去すると、図23(E)のような構造になる。犠牲層86のエッチングは、熱リン酸溶液を用いて湿式で行うこともできるし、CH4などを用いたドライエッチングで行ってもよい。前記第1の熱処理工程で層間絶縁膜78に向かって僅かに拡散し、犠牲層86で阻止され留まった電極母材87の構成元素は、この犠牲層86の除去によって、基板171表面から完全に除かれる。
(カ)次に、基板171を十分洗浄して乾燥させた後、表面全面に厚み1μm以上の保護用レジスト材(フォトレジストでよい)を塗布し、CF4とO2を用いたドライ・エッチングを行い、図24(F)に示すように、裏面側の多結晶シリコン膜84を完全に除去する。多結晶シリコン膜84が基板裏面から除去されたら、一過性の熱酸化膜83をBHF溶液で除去し、基板裏面に清浄な結晶面を露出させる。
つづいて、保護用レジスト材を剥離し、基板を十分に洗浄し、乾燥させたところで、速やかに基板171を高真空に維持された蒸着装置の中に据え付け、基板裏面に所望の電極母材89を蒸着する。この裏面電極母材89として、例えば、150nm厚のNi膜を用いることができる。
電極母材89の成膜が終了したら、基板171を直ちに急速加熱処理装置に設置して、第2の熱処理を行う。この熱処理は高純度Ar雰囲気で1000℃、2分間の急速加熱処理(コンタクト・アニール)で実施する。この熱処理によって、図24(F)に示すように、ソース窓79a、79bの加熱反応層前駆体層(88a、88b)は正規の加熱反応層(80a、80b)に転じるとともに、基板171と電極母材89との間にもドレインの加熱反応層81が形成される。
つづいて、保護用レジスト材を剥離し、基板を十分に洗浄し、乾燥させたところで、速やかに基板171を高真空に維持された蒸着装置の中に据え付け、基板裏面に所望の電極母材89を蒸着する。この裏面電極母材89として、例えば、150nm厚のNi膜を用いることができる。
電極母材89の成膜が終了したら、基板171を直ちに急速加熱処理装置に設置して、第2の熱処理を行う。この熱処理は高純度Ar雰囲気で1000℃、2分間の急速加熱処理(コンタクト・アニール)で実施する。この熱処理によって、図24(F)に示すように、ソース窓79a、79bの加熱反応層前駆体層(88a、88b)は正規の加熱反応層(80a、80b)に転じるとともに、基板171と電極母材89との間にもドレインの加熱反応層81が形成される。
(キ)第2の熱処理が終了したところで、基板171を電極母材だけを溶かす所定のエッチング溶液に浸漬すると、未反応の電極母材89が除去され、基板裏面に加熱反応層81が露出した構造ができあがる。ここで使用されるエッチング溶液は電極母材の化学的性質に合せて適宜選択できるが、適当なエッチャントが見つからない場合には、硫酸と過酸化水素水を容積比で4:1で混合したエッチャントを用いると便利である。100℃に保持したこのエッチャントは大抵の電極母材をよく溶かし、金属珪化物や金属炭化物は殆ど溶かさないからである。加熱反応層81に対する電極母材89の選択性が十分確保できるなら、ドライエッチングを用いて未反応の電極母材を除去してもよい。
そして、RCA洗浄などで十分洗浄し、乾燥したSiC基板171の表面全面にDCマグネトロンスパッタリングなどで配線導体82の母材膜、例えばAlを成膜した後、周知のフォトリソグラフィとドライエッチング技術(RIEなど)とでパタニングして、フォトレジストを剥離し、洗浄して乾燥すると、図24(G)のような最終構造ができあがる。
配線導体82とソース/ドレインの加熱反応層80a、80bとの間に、両導体の付着力や接触抵抗、耐熱性を改善する機能を有するTiやTiN、TaNなどの導電体を挿入する場合には、これらの材料を先に成膜してから上記配線導体膜82の母材を成膜するようにする。なお、配線導体膜母材がAlに場合には、たいてい、Alと同じエッチャントガスでこれら材料も連続的にパタニングすることができる。
このようにして、本発明の第5の実施の形態における半導体装置縦型MOSFETの全製造工程が終了する。
そして、RCA洗浄などで十分洗浄し、乾燥したSiC基板171の表面全面にDCマグネトロンスパッタリングなどで配線導体82の母材膜、例えばAlを成膜した後、周知のフォトリソグラフィとドライエッチング技術(RIEなど)とでパタニングして、フォトレジストを剥離し、洗浄して乾燥すると、図24(G)のような最終構造ができあがる。
配線導体82とソース/ドレインの加熱反応層80a、80bとの間に、両導体の付着力や接触抵抗、耐熱性を改善する機能を有するTiやTiN、TaNなどの導電体を挿入する場合には、これらの材料を先に成膜してから上記配線導体膜82の母材を成膜するようにする。なお、配線導体膜母材がAlに場合には、たいてい、Alと同じエッチャントガスでこれら材料も連続的にパタニングすることができる。
このようにして、本発明の第5の実施の形態における半導体装置縦型MOSFETの全製造工程が終了する。
以上の詳細な説明から明らかなように、本発明に基づくSiC半導体装置縦型MOSFETの製造方法は、ソース窓の底部に加熱反応層を配設するのにフォトレジストを一切使用しない新しい自己整合プロセス(図22(C)〜図24(F)を使用しているので、同工程においてフォトレジスト等を用いたリフト・オフ法に起因して発生した従来技術の問題点、(1)素子構造が微細になるとコンタクト不良が生じたり、洗浄費用がかさむ、(2)レジスト汚染を嫌う、Si集積回路プロセス用の蒸着装置を共用することができない、同工程専用の蒸着装置およびそれを設置する専用のクリーンルーム・スペースを用意しなければならない、という問題を同時に解決している、と言うことができる。
実際、上記説明した製造方法にしたがって、ソース/ドレイン加熱反応層80a、80b、81の電極母材87として50nm厚のNiとゲート電極76として350nm厚の多結晶シリコンを用いた図21に示した縦型MOSFET(ゲート長2μm)を製作した。n型エピタキシャル層173の不純物濃度、p型ベース層(73aと73b)、n型ソース領域(74aと74b)、p+型ベース領域(75a、75b)のイオン注入条件は上記製造工程で例示したとおりである。ゲート酸化膜75は1100℃で成長したドライ酸化膜(膜厚約40nm)である。なお、素子領域の外周部部分にブロッキング電圧強化構造を有している。
図25はn型ソース領域(74aと74b)のコンタクトのTLMプロット(コンタクト距離とコンタクト間の全抵抗の関係)を示す図である。プロットが一直線に載ることから、コンタクト抵抗とソース領域((74aと74b)=高濃度不純物領域)のシート抵抗が一様であることがわかる。TLM解析からソースのコンタクト抵抗はρC=3.6×10−6Ωcm2と非常に低い値であることがわかった。p+型ベース領域(75a、75b)でも電流−電圧特性からオーミックコンタクトが得られていることがわかった。図26はp+ベース領域(75a、75b)のTLMプロットを示している。このデータからp+ベース領域(75a、75b)のコンタクト抵抗はρC=2.4×10−3Ωcm2が得られた。このように、本発明の第5の実施の形態においては、少なくともNiを電極母材として用いた場合には、伝導型の異なるn型ソース領域(74aと74b)とp+型ベース領域(75a、75b)に同時にオーミックコンタクトが取れる。
図27はこの縦型MOSFETのドレイン電流−ドレイン電圧(Id−Vds)特性を示す図である。パラメータはゲート電圧Vgである。Id−Vdsが原点から直線状に延びていることはソースおよびドレインに良好なオーミックコンタクトが得られていることを示唆している。このMOSFETのブロッキング電圧は約830Vであることがわかった。このような典型的なトランジスタの静特性が得られているという事実は、本発明に基づく縦型MOSFETの製造方法が実用的な製造方法であることを示すものである。
なお、以上説明した実施の形態は、本発明の理解を容易にするために記載されたものであって、本発明を限定するために記載されたものではない。したがって、上記実施の形態に開示された各要素は、本発明の技術的範囲に属する全ての設計変更や均等物をも含む趣旨である。
なお、以上説明した実施の形態は、本発明の理解を容易にするために記載されたものであって、本発明を限定するために記載されたものではない。したがって、上記実施の形態に開示された各要素は、本発明の技術的範囲に属する全ての設計変更や均等物をも含む趣旨である。
1…SiC基板 2…高濃度不純物領域
3…厚い絶縁膜 4…コンタクト窓
5…加熱反応層 6…配線導体
7…拡散阻止絶縁膜 8…犠牲層
17…電極母材 18…加熱反応層前駆体層
31…熱酸化膜 32…CVD酸化膜
33…イオン注入マスク膜 34…イオン注入スルー膜
35…不純物イオン 41…高濃度不純物エピタキシャル層
42…メサエッチングマスク 45…トレンチエッチングマスク
46…高濃度不純物領域予定領域 47…高濃度不純物層
51…SiC基板 52…第1エピタキシャル層
53…第2エピタキシャル層 54…素子領域
55…ゲート窓 56…ソース領域
56a…ソース窓 57…ドレイン領域
57a…ドレイン窓 58…厚い絶縁膜
58a…チャネル領域 59…熱酸化膜
60…上部絶縁膜 63…ゲート窓
64…加熱反応層 65…加熱反応層
66…ゲート電極 67…配線導体
68…配線導体 69…配線導体
70…電極母材 71…加熱反応層前駆体層
72…加熱反応層前駆体層 73a…p型ベース領域
73b…p型ベース領域 74a…n型ソース領域
74b…n型ソース領域 75…ゲート酸化膜
75a…p+型ベース領域 75b…p+型ベース領域
76…ゲート電極 77…多結晶シリコン酸化膜
78…層間絶縁膜 79a…ソース窓
79b…ソース窓 80a…加熱反応層
80b…加熱反応層 81…加熱反応層
82…配線導体 83…熱酸化膜
84…多結晶シリコン膜 85…多結晶シリコン酸化膜
86…犠牲層 87…電極母材
88a…加熱反応層前駆体層 88b…加熱反応層前駆体層
89…電極母材 170…素子領域
171…SiC基板 173…n型エピタキシャル層
3…厚い絶縁膜 4…コンタクト窓
5…加熱反応層 6…配線導体
7…拡散阻止絶縁膜 8…犠牲層
17…電極母材 18…加熱反応層前駆体層
31…熱酸化膜 32…CVD酸化膜
33…イオン注入マスク膜 34…イオン注入スルー膜
35…不純物イオン 41…高濃度不純物エピタキシャル層
42…メサエッチングマスク 45…トレンチエッチングマスク
46…高濃度不純物領域予定領域 47…高濃度不純物層
51…SiC基板 52…第1エピタキシャル層
53…第2エピタキシャル層 54…素子領域
55…ゲート窓 56…ソース領域
56a…ソース窓 57…ドレイン領域
57a…ドレイン窓 58…厚い絶縁膜
58a…チャネル領域 59…熱酸化膜
60…上部絶縁膜 63…ゲート窓
64…加熱反応層 65…加熱反応層
66…ゲート電極 67…配線導体
68…配線導体 69…配線導体
70…電極母材 71…加熱反応層前駆体層
72…加熱反応層前駆体層 73a…p型ベース領域
73b…p型ベース領域 74a…n型ソース領域
74b…n型ソース領域 75…ゲート酸化膜
75a…p+型ベース領域 75b…p+型ベース領域
76…ゲート電極 77…多結晶シリコン酸化膜
78…層間絶縁膜 79a…ソース窓
79b…ソース窓 80a…加熱反応層
80b…加熱反応層 81…加熱反応層
82…配線導体 83…熱酸化膜
84…多結晶シリコン膜 85…多結晶シリコン酸化膜
86…犠牲層 87…電極母材
88a…加熱反応層前駆体層 88b…加熱反応層前駆体層
89…電極母材 170…素子領域
171…SiC基板 173…n型エピタキシャル層
Claims (24)
- 炭化珪素基板表面の高濃度不純物領域に電極母材を接触させる工程と、
前記電極母材を接触させた前記炭化珪素基板を熱処理して、前記電極母材と前記高濃度不純物領域を含む前記炭化珪素基板との間に加熱反応層前駆体層を形成する第1の熱処理工程と、
前記加熱反応層前駆体層上部に残された未反応の前記電極母材を除去する工程と、
前記未反応の電極母材を除去した後の炭化珪素基板を熱処理してコンタクト窓内底の前記加熱反応層前駆体層を前記加熱反応層に転化させる第2の熱処理工程と、
前記未反応の電極母材を除去した後の前記加熱反応層前駆体層上部に配線導体を配設する工程と、
を含んでなることを特徴とするオーミック電極構造体の製造方法。 - 前記第2の熱処理工程は、前記第1の熱処理工程の温度と同じかそれよりも高い温度で熱処理することを特徴とする請求項1記載のオーミック電極構造体の製造方法。
- 前記炭化珪素基板の表面に前記高濃度不純物領域を選択的に形成する工程と、
前記高濃度不純物領域を含む炭化珪素基板の表面に絶縁膜を成膜する工程と、
前記高濃度不純物領域の表面を露出するように前記絶縁膜に前記コンタクト窓4開口する工程と、
前記コンタクト窓を開口した前記炭化珪素基板全面に所定の前記電極母材を成膜する工程と、
前記電極母材を成膜した炭化珪素基板を熱処理して前記電極母材と前記高濃度不純物領域を含む前記炭化珪素基板との間に前記加熱反応層前駆体層を形成する前記第1の熱処理工程と、
前記絶縁膜上部ならびに前記加熱反応層前駆体層上部に残された未反応の前記電極母材を化学的手段で除去する工程と、
前記未反応の電極母材を除去した炭化珪素基板を、前記第1の熱処理工程の温度と同じかそれよりも高い温度で熱処理し、コンタクト窓内底の前記加熱反応層前駆体層を前記加熱反応層に転化させる第2の熱処理工程と、
前記コンタクト窓内底の加熱反応層の表面に接し、かつ前記絶縁膜の上部にまで伸延された配線導体を形成する工程と、
を含んでなることを特徴とする請求項1記載のオーミック電極構造体の製造方法。 - 前記高濃度不純物領域を含む炭化珪素基板の表面に前記絶縁膜を成膜する工程は、前記電極母材の拡散を阻止する拡散阻止絶縁膜を形成する工程を含むことを特徴とする請求項3記載のオーミック電極構造体の製造方法。
- 前記高濃度不純物領域を含む炭化珪素基板の表面に前記絶縁膜を成膜する工程には、一過性の犠牲層を形成する工程を含み、
かつ、後続の前記絶縁膜上部ならびに前記加熱反応層前駆体層上部に残された前記未反応の電極母材を化学的手段で除去する工程と、
続く前記第2の熱処理工程との間に、該一過性の犠牲層を除去する工程を付加したことを特徴とする請求項3記載のオーミック電極構造体の製造方法。 - 炭化珪素基板と、前記炭化珪素基板の表面に選択的に形成された高濃度不純物領域と、前記炭化珪素基板の上に載置された絶縁膜と、前記絶縁膜中に前記高濃度不純物領域の表面を露出するように開口されたコンタクト窓と、前記コンタクト窓底に自己整合的に配設された加熱反応層と、前記コンタクト窓内部において前記加熱反応層の表面に接し、かつ前記絶縁膜の上部にまで伸延された配線導体とを含んでなることを特徴とするオーミック電極構造体。
- 前記加熱反応層は金属珪化物、金属炭化物の少なくとも1つを主成分とする材料で構成されることを特徴とする請求項6記載のオーミック電極構造体。
- 前記加熱反応層の少なくとも最下端は電極母材と前記炭化珪素基板との固相熱反応で形成されたものであり、かつ、上部に残存する未反応の電極母材を除去して形成される履歴を有することを特徴とする請求項6または7記載のオーミック電極構造体。
- 前記絶縁膜は、前記電極母材が一旦載置された後、低い温度で熱処理され、その後、除去された履歴を有する絶縁膜であることを特徴とする請求項6ないし8のいずれか記載のオーミック電極構造体。
- 前記絶縁膜は、上部、下部あるいは内部に前記電極母材の拡散を阻止する拡散阻止絶縁膜を具有することを特徴とする請求項6ないし9のいずれか記載のオーミック電極構造体。
- 成膜後から前記オーミック電極構造体が完成するまでの期間に前記絶縁膜は、上層部に、一過性の犠牲層を具有する履歴を有することを特徴とする請求項6ないし10のいずれか記載のオーミック電極構造体。
- 前記絶縁膜上層部の犠牲層は、絶縁体または半導体、あるいはこれらの複合物、混合物、積層物で構成されることを特徴とする請求項11記載のオーミック電極構造体。
- 前記絶縁膜上層部の犠牲層は、拡散阻止機能を具有することを特徴とする請求項11または12記載のオーミック電極構造体。
- 炭化珪素基板の表面に高濃度不純物領域を選択的に形成する工程と、
前記高濃度不純物領域を含む炭化珪素基板の表面に絶縁膜を成膜する工程と、
前記高濃度不純物領域の表面を露出するように前記絶縁膜にオーミック・コンタクト窓を開口する工程と、
前記オーミック・コンタクト窓を開口した前記炭化珪素基板全面に所定の電極母材を成膜する工程と、
前記電極母材を成膜した前記炭化珪素基板を熱処理して前記電極母材と前記高濃度不純物領域を含む前記炭化珪素基板との間に加熱反応層前駆体層を形成する第1の熱処理工程と、
前記絶縁膜上部ならびに前記加熱反応層前駆体層上部に残された未反応の前記電極母材を化学的手段で除去する工程と、
前記未反応の電極母材を除去した炭化珪素基板を、前記第1の熱処理工程の温度と同じかそれよりも高い温度で熱処理し、コンタクト窓内底の前記加熱反応層前駆体層を前記加熱反応層に転化させる第2の熱処理工程と、
前記第2の熱処理工程が済んだ炭化珪素基板のショットキー・コンタクト窓を開口する工程と、
少なくとも前記ショットキー・コンタクト窓の底部にショットキー電極材からなる電極材を配設する工程と、
前記オーミック・コンタクト窓内底の加熱反応層の表面または該加熱反応層の表面上に設けた前記電極材の表面、および前記ショットキー・コンタクト窓の底部に設けた前記電極材の表面に接し、かつ前記絶縁膜の上部にまで伸延された配線導体を形成する工程と、
を含んでなることを特徴とする半導体装置の製造方法。 - 前記炭化珪素基板の表面に導電不純物を高濃度に添加した前記ソース、ドレイン領域を選択的に形成する工程と、
前記ソース、ドレイン領域を含む炭化珪素基板の表面に前記絶縁膜を成膜する工程と、
前記ソース、ドレイン領域の表面を露出するように前記絶縁膜にソース窓、ドレイン窓を開口する工程と、
前記ソース窓、ドレイン窓を開口した炭化珪素基板全面に所定の電極母材を成膜する工程と、
前記電極母材を成膜した炭化珪素基板を熱処理して前記電極母材と前記ソース、ドレイン領域を含む炭化珪素基板との間に加熱反応層前駆体層を形成する第1の熱処理工程と、
前記絶縁膜上部ならびに前記加熱反応層前駆体層上部に残された未反応の前記電極母材を化学的手段で除去する工程と、
前記未反応の電極母材を除去した炭化珪素基板を、前記第1の熱処理工程の温度と同じかそれよりも高い温度で再び熱処理し、ソース窓、ドレイン窓内底の前記加熱反応層前駆体層を前記加熱反応層に転化させる第2の熱処理工程と、
前記第2の熱処理工程が済んだ前記炭化珪素基板のゲート窓を開口する工程と、
少なくとも前記ゲート窓の底部にショットキー電極材からなる電極材を配設する工程と、
前記ソース窓、ドレイン窓内底の加熱反応層の表面または該加熱反応層の表面上に設けた前記電極材の表面、および前記ショットキー・コンタクト窓の底部に設けた前記電極材の表面に接し、かつ前記絶縁膜の上部にまで伸延された配線導体を形成する工程と、
を含んでなることを特徴とする請求項14記載の半導体装置の製造方法。 - 炭化珪素基板の一主面にショットキー電極構造体とオーミック電極構造体とを具有する炭化珪素半導体装置であって、
該オーミック電極構造体が請求項6記載のオーミック電極構造体で構成されることを特徴とする半導体装置。 - 炭化珪素基板の一主面に形成した炭化珪素・金属−半導体電界効果半導体装置であって、
ソースコンタクトまたはドレインコンタトの少なくとも一方が請求項6記載のオーミック電極構造体で構成されることを特徴とする半導体装置。 - 炭化珪素・金属−半導体電界効果半導体装置であって、ソースコンタクトまたはドレインコンタトの加熱反応層と、同コンタクトと配線導体との間に、ゲート・ショットキーコンタクトと同一かつ同時に形成された電極材が挟持されることを特徴とする請求項17記載の半導体装置。
- 炭化珪素基板の一主面に形成したエピタキシャル層を成長する工程と、
前記エピタキシャル層の表層部の所定領域に相互に離間して形成した2つのベース領域を形成する工程と、
前記2つのベース領域の表層部の所定領域に位置するように、2つのソース領域を形成する工程と、
前記2つのベース領域の表層部であって、かつ、前記2つのソース領域の外縁に隣接し、前記2つのベース層より高濃度の不純物を添加された2つの高濃度不純物ベース領域を形成する工程と、
前記2つのベース領域と2つのソース領域と2つの高濃度不純物ベース領域とを形成した炭化珪素基板の表面にゲート絶縁膜を形成する工程と、
前記ゲート絶縁膜上に多結晶シリコンからなるゲート電極を形成する工程と、
前記ゲート電極の一部を熱酸化して酸化膜で被覆する工程と、
前記ゲート絶縁膜の上部および前記酸化膜で被覆されたゲート電極の上部に層間絶縁膜を堆積する工程と、
前記2つのソース領域と前記2つの高濃度不純物ベース領域を露出させるように前記層間絶縁膜と前記ゲート絶縁膜を貫通する2つのソース窓を形成する工程と、
前記ソース窓の開口した炭化珪素基板表面全面に電極母材を成膜する工程と、
前記電極母材を成膜した炭化珪素基板に第1の熱処理を施し、前記ソース窓底部に加熱反応層前駆体を形成する工程と、
前記第1の熱処理を施した前記炭化珪素基板の表面から、残存する未反応の前記電極母材を除去する工程と、
前記未反応の電極母材を除去した炭化珪素基板の裏面のドレイン領域に第2の電極母材を成膜する工程と、
前記第2の電極母材を成膜した炭化珪素基板に、前記第1の熱処理工程の温度と同じかそれよりも高い温度の第2の熱処理を施し、2つのソース窓底部および裏面の前記ドレイン領域表面に導電性の加熱反応層を同時に生成する工程と、
前記層間絶縁膜上を覆い、前記ソース窓底部の2つの加熱反応層に接続した配線導体を設ける工程と、
を含んでなることを特徴とする半導体装置の製造方法。 - 炭化珪素基板の一主面に金属−絶縁膜−半導体構造体とオーミック電極構造体とを具有する炭化珪素半導体装置であって、
該オーミック電極構造体が請求項6記載のオーミック電極構造体で構成されることを特徴とする半導体装置。 - 少なくとも炭化珪素基板の表面に金属−絶縁膜−半導体ゲート構造体とオーミック電極構造体とを具有し、他の裏面にオーミック電極構造体を具有する炭化珪素半導体装置であって、
前記表面のオーミック電極構造体が請求項6記載のオーミック電極構造体で構成されることを特徴とする半導体装置。 - 金属−絶縁膜−半導体ゲート構造電界効果炭化珪素半導体装置か、絶縁ゲート型双極型炭化珪素半導体装置であることを特徴とする請求項21記載の半導体装置。
- 前記表面のオーミック電極構造体の一部である絶縁膜は、MOSゲート構造体のゲート絶縁膜とMOSゲート構造体上部に配設される層間絶縁膜との積層膜からなることを特徴とする請求項21記載の半導体装置。
- 炭化珪素基板と、
前記炭化珪素基板の一主面に形成したエピタキシャル層と、
前記エピタキシャル層の表層部における所定領域に相互に離間して形成した2つのベース領域と、
前記2つのベース領域の所定領域に設けた2つのソース領域と、
前記2つのベース領域の表層部であって、前記2つのソース領域の外縁に隣接し、前記2つのベース層より高濃度の不純物を添加された2つ高濃度不純物ベース領域と、
前記2つのソース領域上および両ソース領域の間にある前記エピタキシャル層上の所定領域に設けたゲート絶縁膜と、
前記ゲート絶縁膜上に設けた多結晶シリコンからなるゲート電極と、
前記ゲート電極の一部を熱酸化して形成したゲート電極酸化膜と、
前記ゲート電極およびゲート電極酸化膜の上に形成した層間絶縁膜と、
前記2つのソース領域と前記2つの高濃度不純物ベース領域を露出させるように前記層間絶縁膜と前記ゲート絶縁膜を貫通して開口された2つのソース窓と、
前記ソース窓の底部全面を被覆するように設けられた導電性の2つの加熱反応層と、
前記層間絶縁膜上を覆い、前記2つの加熱反応層に接続した配線導体と、
前記炭化珪素基板の裏面に設けた第2の加熱反応層と、
を備えたことを特徴とする請求項21記載の半導体装置。
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