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JP2005272350A - 癌転移阻害剤 - Google Patents

癌転移阻害剤 Download PDF

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JP2005272350A JP2004087879A JP2004087879A JP2005272350A JP 2005272350 A JP2005272350 A JP 2005272350A JP 2004087879 A JP2004087879 A JP 2004087879A JP 2004087879 A JP2004087879 A JP 2004087879A JP 2005272350 A JP2005272350 A JP 2005272350A
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Nobuhiko Miwa
信比古 三羽
Shinobu Ito
忍 伊東
Kenji Matsubayashi
賢司 松林
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Vitamin C60 Bio Research Corp
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VITAMIN C60 BIORES KK
Vitamin C60 Bio Research Corp
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Abstract

【課題】 癌転移阻害活性が高く、副作用を抑えて安全性の高い癌転移阻害活性を提供する。
【解決手段】 フラーレン類を有効成分として癌転移阻害剤とする。
【選択図】 図1

Description

この出願の発明はフラーレン類を有効成分とする癌転移阻害剤に関するものである。
従来より多くの癌転移阻害剤が提案されている(たとえば特許文献1−7)。しかしながら、これまでのものは副作用が強く、また十分な転移阻害作用が発揮されていないという問題があった。
特開昭54−4401 特開平2−308799 特開平4−312531 特開平6−72871 特開平6−107693 特開平8−291075 特開平10−330261
そこで、この出願の発明は、以上のとおりの背景から、癌転移阻害活性が高く、副作用を抑えて安全性の高いものとした、新しい癌転移阻害剤を提供することを課題としている。
この出願の発明者らは、上記の課題を解決すべく鋭意検討を進め、その過程において、フラーレン類が注目すべき癌転移阻害活性を有しており、さらには、安定性が高く、細胞吸収性も良好な活性安定型のフラーレン類に極めて高い癌転移阻害効果のあること見いだしこの出願の発明を完成した。また、フラーレン類を有効成分とする癌転移阻害剤は副作用が極めて少ないばかりか既存の抗悪性腫瘍剤との併用によりさらに癌転移阻害活性が高められることも見出している。
すなわち、この出願は、上記の課題を解決するものとして以下の発明を提供する。
〔1〕フラーレン類のうちの1種以上を有効成分とする癌転移阻害剤。
〔2〕フラーレン類は、フラーレン、フラーレン誘導体のあるいは有機化合物により修飾もしくは包接されたフラーレンまたはフラーレン誘導体の複合体のうちの1種以上である癌転移阻害剤。
〔3〕フラーレン誘導体は、含酸素基、含窒素基および置換基を有していてもよい炭化水素基のうちの1種以上を結合するフラーレンである癌転移阻害剤。
〔4〕フラーレン類は、金属との塩類のうちの1種以上である癌転移阻害剤。
〔5〕フラーレン類の塩類は、Na、K、Mg、CaおよびAlの塩のうち1種以上である癌転移阻害剤。
〔6〕フラーレン類は、水酸化フラーレン類とそのエステル類のうちの1種以上である癌転移阻害剤。
〔7〕水または結晶水との付加物を有効成分とする上記の癌転移阻害剤。
〔8〕フラーレン類は、フラーレンおよびフラーレン誘導体のうちの1種以上と有機オリゴマー、有機ポリマー、シクロデキストリンおよびクラウンエーテルとそれらの類緑化合物のうちの1種以上との複合体である癌転移阻害剤。
〔9〕フラーレンおよびフラーレン誘導体のうちの1種以上とポリビニルピロリドン(PVP)との複合体である請求項8の癌転移阻害剤。
〔10〕上記の癌転移阻害剤とともに、抗悪性腫瘍剤とを含有する癌転移阻害剤。
〔11〕抗悪性腫瘍剤が、ナイトロミン(R)、シクロホスファミド、メルファラン、チオテパ、カルボコン、プロテクトン(R)、ブスルファン、塩酸ニムスチン、ミトプルニトール、イホスファミド、メルカプトプリン、チオイノシン、シタラビン、ダガルバジン、フルオロウラシル、テガフール、塩酸アンシタビン、メトトレキサート、カルモフール、UFT(R)、エノシタビン、硫酸ビンプラスチン、硫酸ビンクリスチン、硫酸ビンデシン、アクチノマイシン(D)、マイトマイシンC、クロモマイシンA3、塩酸プレオマイシン、硫酸プレオマイシン、塩酸ダウノルビシン、塩酸ドキソルビシン、ネオカルチノスタチン、硫酸ペプチブロマイシン、塩酸アクラルビシン、メピチオスタン、エピチオスタノール、クエン酸タモキシフェン、ホンパン、ビシパンニール(R)、クレスチン、レンチナン、L−アスパラギナーゼ、アセグラトン、塩酸プロカルバジン、プロクスウリジン、MDSコーワ3000(R)、シスブラチン、エストラサイト(R)、シゾフィラン、プロタミン、ヘパリン共存下でのアンギオスタチックステロイド、抗癌ポリサッカライド、ラミニンペプチド、Arg−Gly−Asp−(RGD)配列を含む抗癌ポリペプチド、および抗癌血小板因子のうちの1種以上である上記の癌転移阻害剤。
〔12〕上記の転移阻害されるべき癌が、腫瘍、良性腫瘍、または悪性腫瘍である癌転移阻害剤。
〔13〕転移阻害されるべき癌が、悪性黒色腫、悪性リンパ腫、消化器癌、肺ガン、食道癌、胃癌、大腸癌、直腸癌、結腸癌、尿管腫瘍、胆嚢癌、胆管癌、胆道癌、乳癌、肝臓癌、膵臓癌、睾丸腫瘍、上顎癌、舌癌、口唇癌、口腔癌、咽頭癌、喉頭癌、卵巣癌、子宮癌、前立腺癌、甲状腺癌、脳腫瘍、カボジ肉腫、血管腫、白血病、真性多血症、神経芽腫、網膜芽腫、骨髄腫、膀胱腫、肉腫、骨肉腫または筋肉腫である上記の癌転移阻害剤。
〔14〕転移阻害されるべき癌が、皮膚癌、基底細胞癌、皮膚付属器癌、皮膚転移癌、または皮膚黒色腫である上記の癌転移阻害剤。
以上のとおりのこの出願の発明によれば、癌転移阻害活性が高く、副作用を抑えて安全性の良好なものとした、癌転移阻害剤が提供される。抗悪性腫瘍剤との併用によりその優れた特長はさらに増大されることになる。
この出願の発明は上記のとおりの特徴をもつものであるが、以下にその実施の形態について説明する。
この出願の発明の癌転移阻害剤における有効成分はフラーレン類の1種以上のものである。ここでフラーレン類とは、フラーレン、フラーレン誘導体、あるいは有機化合物により修飾もしくは包接されたフラーレンまたはフラーレン誘導体の複合体であってよく、このうちのフラーレンは、Cn(nは60以上の整数)として表わされるもので、C60フラーレン、C70フラーレン等をはじめ、さらにはカーボンチューブフラーレン等の球面状、チューブ等の炭素骨格構造を有する、従来公知のものをはじめとする各種のものが例として挙げられる。
そして、この出願の発明のフラーレン類には、このような炭素骨格構造に各種の置換基、たとえば置換基を有していてもよい炭化水素基、酸素架橋基、水酸基、アシル基、エーテル基、カルボキシル基等の含酸素基、アミノ基、シアノ基の含窒素基等を有しているフラーレン誘導体も含まれる。
そしてまた、たとえばこの出願の発明のフラーレンには、メチレン鎖等のアルキレン鎖を介して複数のフラーレンが結合したものや、アルキレン60の誘導体としては、フラーレン分子一個に対して修飾基が1個から40個結合していればよく、たとえばフラーレン70の誘導体としては、フラーレン分子一個に対して修飾基が1個から50個結合していればよく、この修飾基は、各々独立に水酸基またはその水酸基と無機もしくは有機酸とのエステル基または糖との配糖体基、もしくは水酸基とケトンとのケタール基もしくはアルデヒドとのアセタール基であればよく、このフラーレン修飾化合物またはその塩及びそこから選択される少なくとも一種であればよい。さらにこの出願の発明のフラーレンは、C60フラーレン、C70フラーレン又はナノチューブフラーレンでもよく、それらから選択させる一種以上の混合物でもよい。また、フラーレンの未生成物であるカーボンブラック(フラーレン類を含むすす)が残存したフラーレンでもよく、フラーレン中のカーボンブラックの濃度が0〜98%重量のものであればよい。
また、フラーレン含酸素誘導体については、フラーレン骨格の炭素原子に直接的に、あるいはアルキレン鎖等の炭素鎖を介して酸素原子が結合するものが考慮される。たとえば水酸化率が50/モル・フラーレン程度までの−OH基が直接結合した水酸化フラーレン等が例示される。
たとえば以上のようなフラーレンまたはフラーレン導体を修飾もしくは包接する有機化合物としては、有機オリゴマー、有機ポリマーおよび包接化合物または包接錯体が形成可能なシクロデキストリン(CD)やクラウンエーテルもしくはそれらの類縁化合物の1種または2種以上のものが好適なものとして例示される。
有機オリゴマーや有機ポリマーとしては、たとえば、カルボン酸エステル類、アルコール類、糖類、多糖類、多価アルコール類、ポリエチレングリコール、ブチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリビニルアルコール、等のポリアルキレングリコール又は多価アルコール類の重合体、デキストラン、プルラン、デンプン、ヒドロキシエチルデンプン及びヒドロキシプロピルデンプンのようなデンプン誘導体を含む非イオン性水溶性高分子、アルギン酸、ヒアルロン酸、キトサン、キチン誘導体、並びにこれらの高分子のアニオン性又はカチオン性誘導体及びこれらの高分子グリセリン及び脂肪酸類、油類、炭酸プロピレン、ラウリルアルコール、エトキシル化ひまし油、ポリソルベート類、及びこれらのエステル類又はエーテル類、及びこれらの重合体、及びこれらのポリエステル重合体類、ポリビニルピロリドン等のピロリドン重合体類、不飽和アルコール重合体類のエステル類またはエーテル類およびポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロック共重合体等のものがフラーレン又はその誘導体に結合したものが好ましく、それらの一種以上の混合物であってもよい。なかでも、ポリエチレングリコール(PEG)等のポリアルキレングリコール、ポリビニルピロリドン(PVP)、等の各種のものが好ましいものとして例示される。PEG、PVP等のポリマーの場合には、その平均分子量については、一般的には、2000〜100,000程度が好ましい、フラーレンまたはフラーレン含酸素誘導体との比率としては、モル比として10/1以下程度とすることが考慮される。この出願の発明において好適なフラーレン類としては、水酸化フラーレン、水酸化フラーレンのエステル類、たとえば、モノエステル類、ジエステル類、トリエステル類、ポリエステル類やそれらの塩類より選択される一種または二種以上の混合物も例示される。
これらフラーレン類は物質としては既に公知であり化粧品原料、飼料原料等に公知の用途がある。
この出願の発明のフラーレン類の塩類とは、たとえば水酸化フラーレン類や、フラーレンエステル類の塩類、ポリ水酸化フラーレン類、フラーレンジエステル、フラーレントリエステル、フラーレンポリエステル等の塩類から選択されてよく、その塩類は生理学的に受容される塩を形成していればよい。これら塩の例としては、無機塩や有機塩が挙げられる。
これらの塩としては、アルカリ金属(例、ナトリウム、カリウムなど)、アルカリ土類金属(例、カルシウム、マグネシウムなど)などの金属の塩であってもよく、あるいは、トリメチルアミン、トリエチルアミン、ピリジン、ピコリン、N,N−ジベンジルエチレンジアミン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリスヒドロキシメチルアミノメタン、ジシクロヘキシルアミン等の有機塩基との塩であってもよい。安全性の高さ、経済性等の観点から、水酸化フラーレン類およびフラーレンモノエステル類の塩類として、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム、アルミニウムから選択される一種または二種以上の金属塩が適している。
フラーレン類として水溶性のあるフラーレン誘導体や有機化合物による修飾体あるいは包接体、そしてフラーレン類の塩類は安定性が高く、水に溶けやすく、またpHが調整可能なため、細胞毒性が低く生体適合性が高いので、この出願の発明に使用するのにより適している。たとえばフラーレンと高分子ポリマーとしてのPEG(ポリエチレングリコール)、PVP(ポロビニルピロリドン)や、CD(シクロデキストリン)による修飾あるいは包接体、そして1価の塩類が2価の塩類よりも水に対する溶解性が高いことから好ましい。特に、フラーレン−PVPや、水酸化フラーレン類やフラーレンエステル類のナトリウム、水酸化フラーレン類やフラーレンモノエステル類のカリウムが適している。
これらを用いた癌転移阻害剤は、その製造コストが安価なため、動物用などの安価な癌転移阻害剤にも適してもいる。
たとえば、注目されるものの一つとして水溶性のPVP−フラーレン複合体がある。PVP(ポリビニルピロリドン)は、次式
Figure 2005272350
で表わされるものであって、この出願の発明においては、その重量平均分子量(Mw)が3,000〜3,000,000程度の範囲のもの、さらには、6,000〜1,500,000程度のものが好適なものとして考慮される。PVPは、合成したものでもよいし、市販品であってもよい。この場合のフラーレンは上記のとおりのフラーレン誘導体であってもよい。
そして、この出願の発明のフラーレン類を有効成分とする癌転移阻害剤は注射薬や経口投与剤として用いられることがあるため水に対する溶解性の高い物が含まれる。
またフラーレン類の水分付加物または結晶水付加物はその無水物よりも水に対する溶解性が高いことから有用である。
この出願の発明のフラーレン類の水分付加物または結晶水付加物の水分または結晶水の含量は特に限定されないが、より良好な溶解性を保持するためには水分含量が1%から50重量%、より好ましくは5%から20重量%、結晶水の場合は1から20水塩、より好ましくは1から10水塩の範囲の水分子を保持するフラーレン類の水分付加物または結晶水付加物が望ましい。
この出願の発明の癌転移阻害剤は低毒性であり、ヒトを含む哺乳動物に経口的または非経口的に投与することができる。
この出願の発明の癌転移阻害剤の剤形は、特に限定されず経口投与剤、錠剤、粉剤、液剤坐薬、外用剤、軟膏、貼布剤、点眼剤、静脈注射液、散剤、顆粒剤、錠剤、糖衣錠、カプセル剤、ピル、懸濁剤、液剤、アンプル、注射液、等張液などが挙げられあらゆる医薬品の製剤が可能である。
医薬上許容される不活性な担体または希釈済およびまたは他の薬理作用物質との混合物として組成することもできるし、また投薬量単位形に組成してもよい。
また公知の製剤学的製造法に準じ複合体として製剤化されたものでもよい。たとえば水に対する溶解度を高めて吸収を促進し、薬理活性を高める目的でこの出願の発明の主成分をシクロデキストリンあるいはマルトシルーシクロデキストリンとの複合体として使用してもよい。
この出願の発明の癌転移抑制剤は、通常、これらの有効成分を薬理学的に許容される担体もしくは賦形剤と混合してなる医薬組成物として経口または非経口的に用いられる。
たとえば、各有効成分をあらかじめ水溶液としたもの、各有効成分を凍結乾燥することによって固形状の混合物としたもの、各有効成分の水溶液としたものを凍結乾燥することによってそれぞれ固形状としたもの、有効成分のいずれかが水溶液で別の有効成分が凍結乾燥することにより固型状としたもの、各有効成分を別個に製剤としたキットなどの形状が挙げられる。
この出願の発明は、これらの有効成分を、公知の製剤学的製造法に準じ、所望により製剤学的に許容され得る第十二改正日本薬局方平成三年(廣皮書店)等に収載された希釈剤、賦形剤などを用い、混合して一剤としても投与できる。
また、それぞれの有効成分を別途、所望により製剤学的に許容され得る希釈剤、賦形剤などを用い、製剤化し、用事希釈剤等をもちいて一剤として投与することもできる。さらに、前記したようにそれぞれ別途製剤化したものをキットとしておき、これらを別個に、同時に、または時間差をおいて、同一対象に対して同一経路または異なった経路で投与する剤形とすることもできる。
この出願の発明の製剤が溶液である場合は、水溶性剤(たとえば、蒸留水等)、水溶性製剤(たとえば、生理的食塩水、リンゲル液等)、油性熔剤(たとえば、ゴマ油、トウモロコシ油、オリーブ油等)等の溶剤を用いて、常套手段により調整することもできる。この際、所望により溶解補助剤(たとえば、サリチル酸ナトリウム、酢酸ナトリウム等)、緩衝剤(たとえばクエン酸ナトリウム、グリセリン等)、等張化剤(たとえば、ブドウ糖等)、安定剤(たとえばヒト血清アルブミン、ポリエチレングリコール等)、保存剤(たとえばベンジルアルコール、フェノール等)、無痛化剤(たとえば、塩化ベンザルコニウム、塩酸プロカイン等)等の添加剤を用いることもできる。
所望により薬理学的、製剤学的に許容され得る添加剤(たとえば、希釈剤、賦形剤、結合剤、崩壊剤、着色剤、安定剤、増量剤、湿潤化剤、界面活性剤、滑沢剤、分散剤、緩衝剤、矯味剤、矯臭剤、香料、保存剤、溶解補助剤、溶剤、被覆剤、糖衣剤など)を混合またはこれらを用いて製剤化したものを使用することもできる。
この出願の発明の癌転移阻害剤の調整に用いられる希釈剤は、製薬上許容しうるものであるが、この出願の発明化合物以外の素材を意味し、固体、半固体、液体あるいは摂取しうるカプセルであってもよく、種々のものがあげられる。
たとえばこの出願の発明によって得られる癌転移阻害剤は、既知のいかなる方法で製造してもよく、たとえば活性成分を希釈剤と混合して、たとえば顆粒とし、次いでその組成物を成形して、たとえば錠剤とすることもできる。
非経口投与剤は無菌とすべきであり、又必要により、血液と等張とすべきである。非経口的投与としては、注射(たとえば、筋肉静脈注射点滴を含む)、経肛門(坐剤)による投与を包含する。
この出願の発明化合物はそれ自体癌転移阻害剤となりうるので、製剤および組成物中に活性成分であるフラーレン類またはその塩類は一般に0.001〜100重量%含まれることが望ましい。
経口投与のための組成物としてはさらに、錠剤、丸剤、顆粒剤、散剤、カプセル剤、シロップ剤、乳剤、縣濁剤、噴霧剤などがあげられる。かかる組成物は自体公知の方法によって製造され、担体もしくは賦形剤として、乳糖、でんぷん、ショ糖、ステアモノエステルマグネシウムなどが用いられる。
非経口投与のためには、たとえば注射剤、坐薬、貼布剤、点眼剤、外用剤などとすることができ、注射剤としてはたとえば、静脈注均剤、皮下注射剤、筋肉内注射剤、点滴注射剤などとして用いられる。注射剤は通常適当なアンプルに充填され提供される。剤形剤としてはたとえば、直腸坐薬、膣坐薬等が挙げられ、外用剤としてはたとえば軟膏、経鼻投与剤、経皮製剤等が挙げられる。
たとえば外用剤とするには、自体公知の方法に従い、この出願の発明の組成物を固状、半固状または液状の外用剤とすることができる。たとえば、上記固状のものとしては、この出願の発明の組成をそのままあるいは賦形剤(例、グリコール、マンニトール、デンプン、微結晶、セルロースなど)、増粘剤(例、天然ガム類、セルロース誘導体、アクリル重合体など)などを添加混合して粉状の組成物とする。
上記液状のものとしては、注射剤の場合とほとんど同様で、油性あるいは水性縣濁剤とする。半固体の場合は、水性または油性のゲル剤、あるいは軟膏状のものがよい。
また、これらはいずれも、pH調節剤(例、炭酸、モノエステル、クエン酸、塩酸、水酸化ナトリウムなど)、防腐剤(例、パラオキシ安息香酸エステル類、クロロブタノール、塩化ベンザルコニウムなど)などを加えてもよい。坐剤とするには、自体公知の方法にしたがい、この出願の発明の組物を油性または水性の固状、半固状あるいは液状の坐剤とすることができる。
この出願の発明のフラーレン類の投与量は症状、年齢、性別、体重、剤形、投与形態により異なるが経口的投与、坐剤投与、外用剤等の場合、通常成人1日当たり1kg当たり0.001〜8500mg。好ましくは1〜100mgの範囲。又静脈注射、点滴の場合、通常成人1日当たり体重1kg当たり0.025〜200mg好ましくは0.25〜100mgを1回または数回に分けて投与することができる。
この出願の発明の癌転移阻害剤は腫瘍を保持するほ乳動物(たとえば、マウス、ラット、ブタ、タヌキ、キツネ、ネコ、家兎、イヌ、ウシ、ウマ、ヤギ、サル、ヒト)の治療に有用であり、これら担癌動物の延命および癌転移抑制に著効を有する。
この出願の発明の癌転移抑制剤の対象疾患としては各種悪性および良性腫瘍、たとえば、悪性黒色腫、悪性リンパ腫、消化器癌、肺ガン、食道癌、胃癌、大腸癌、直腸癌、結腸癌、尿管腫瘍、胆嚢癌、胆管癌、胆道癌、乳癌、肝臓癌、膵臓癌、睾丸腫瘍、上顎癌、舌癌、口唇癌、口腔癌、咽頭癌、卵巣癌、子宮癌、前立腺癌、甲状腺癌、脳腫瘍、カポジ肉腫、血管腫、白血病、真性多血症、神経芽腫、網膜芽腫、骨髄種、膀胱腫、肉腫、骨肉腫、筋肉腫、皮膚癌、基底細胞癌、皮膚付属器癌、皮膚転移癌、皮膚黒色腫などが挙げられる。特にこの出願の発明の癌転移阻害剤を病巣部に比較的容易に直接接触させることが可能な悪性黒色腫、消化器癌、肺ガン、食道癌、胃癌、大腸癌、直腸癌、結腸癌、乳癌、上顎癌、舌癌、口唇癌、口腔癌、咽頭癌、喉頭癌、子宮癌、カポジ肉腫、血管腫、網膜芽腫、筋肉腫、皮膚癌、基底細胞癌、皮膚付属器癌、皮膚転移癌、皮膚黒色腫に有用である。
この出願の発明の癌転移阻害剤の有効成分であるフラーレン類およびその塩類は特定の既知の抗腫瘍剤と併用することにより癌転移抑制の効果を高めることができる。これらの相乗効果を示す既知の抗腫瘍剤としては、ナイトロミン(R)、シクロホスファミド、メルファラン、チオテパ、カルボコン、プロテクトン(R)、ブスルファン、塩酸ニムスチン、ミトプルニトール、イホスファミド、カルカプトプリン、チオイノシン、シタラビン、ダカルバジン、フルオロウラシル、デガフール、塩酸アンシタビン、メトトレキサート、カルモフール、UFT(R)、エノシタビン、硫酸ビンプラスチン、硫酸ビンクリスチン、硫酸ビンデシン、アクチノマイシン(D)、マイトマイシンC、クロモマイシンA3、塩酸プレオマイシン、硫酸プレオマイシン、塩酸ダウノルビシン、塩酸ドキソルビシン、ネオカルチノスタチン、硫酸ペブロマイシン、塩酸アクラルビシン、メピチオスタン、エピチオスタノール、クエン酸タモキシフェン、ホンパン、ビシパンニール(R)、クレスチン、レンチナン、L−アスパラギナーゼ、アセグラトン、塩酸プロカルバジン、プロクスウリジン、MDSコーワ3000(R)、シスブラチン、エストラサイト(R)、シゾフィラン、アドリアマイシン、マイトマイシン、シスプラチン、カルボプラチン、ビンデシン、ビンクリスチン、サイクロフォスファミド、イフォマファミド、プレオマイシン、ペプレオマイシン、エトポシド、フルツロンから選択される一種または二種以上の混合物から選択される抗悪性腫瘍剤が挙げられる。
また、最近報告されている抗腫瘍剤、プロタミン、ヘパリン共存下でのアンギオスタチックステロイド(Angiostatic steroids)、ベプチドグリカン複合体等のポリサッカライド、Cys−Asp−Pro−Gly−Tyr−Ile−Gly−Ser−Arg−NH2(CDPGYIGSR-NH2) 等のラミニン・ペプチド(laminin peptide) 、Arg−Gly−Asp−(R GD)配列を含むペプチド、血小板因子−4(Platelet factor−4) および天然型もしくは遺伝子工学的手法で得られるインターフェロン等の制癌剤とこの出願の発明の有効成分を併用する場合においても癌転移抑制効果を高めることができる。
さらにまた上記の既存の癌転移阻害剤を生体に投与すると、ヒトの場合白血球減少、血小板減少、出血、貧血、食欲不振、悪心、嘔吐、口内炎、下痢、発疹、脱毛、皮膚の色素沈着、発熱、倦怠感、頭痛、肝機能障害、蛋白尿、浮腫、過敏症等の副作用が見られることがあるがこの出願の発明の有効成分である、フラーレン類を併用するとこれらの副作用が軽減される。
この出願の発明の癌転移阻害剤の有効成分であるフラーレン類はアスコルビン酸の酸化分解を阻害し安定化するため製剤の製造時、保存期間、消化管における経時的分解がほとんどない。
また、通常のアスコルビン酸は生体内に取り込まれると生体中、特に消化管中の食物等に含有されるラジカルにより分解され標的細胞に到達する前に加水分解され失活するが、この出願の発明の有効成分であるフラーレン類は安定であるため失活しないで栄養吸収細胞等より体内に吸収される。
この出願の発明者らの検討の結果によると、フラーレン類は極めて高い細胞吸収性を示す。これにより細胞内アスコルビン酸濃度をフラーレンと比較し最大で約30倍、アスコルビン酸と比較し最大で約2倍も高めることができることが確認された。これによりアスコルビン酸では認められない癌転移阻害作用を発揮できるものと推定される。
そして、フラーレン類は今までに報告されていない新しい機構により癌転移阻害作用を発揮することが確認されている。一般に、癌細胞は移動性能を保持しているため癌細胞は病巣から血管に侵入し移動することができ、広範囲の臓器へ転移し増殖する。このため延命期間をめざましく短くする。
一方、この出願の発明のフラーレン類の抗腫瘍作用は特に癌細胞の病巣から血管内皮への移動性能を阻害し結果的に癌の転移を阻害することにより癌転移阻害作用を発揮することが確認されている。この出願の発明のフラーレン類を投与した癌細胞は、血管内皮に対する極めて低い浸潤率を示すことが見いだされた。またこの作用はフラーレン類独自の作用であることが確認されている。
上記のように、この出願の発明の癌転移阻害剤の有効成分であるフラーレン類はアスコルビン酸の酸化分解を阻害し安定化する。またフラーレン類は極めて高い細胞吸収性を示し細胞内アスコルビン酸濃度を効率よく高めることができるため、アスコルビン酸の抗腫瘍作用を最大限に発揮できる。フラーレン類の抗腫瘍作用は特に腫瘍細胞の血管内皮への浸潤を阻害し結果的に癌の転移を阻害することにより抗癌作用を発揮すると考えられる。
以下、実施例、比較例を挙げてこの出願の発明を説明するが、これらにより発明が限定されることはない。
<錠剤>
表1に示す組成のフラーレン類の配合物を使用し、表2に示すこの出願の発明の癌転移阻害剤を製造した。
Figure 2005272350
なお、PVP(ポリビニルピロリドン)修飾複合化フラーレン:PVP−フラーレンはたとえば以下の方法により調製されたものである。
すなわち、まず、トルエン(1.0ml)に溶解した混合フラーレン(C60:C70=3.5:1mol/mol)(0.8mg)の攪拌溶液を、PVP:分子量60,000(100mg)のクロロホルム溶液に室温において添加した。十分に混合した後に、溶媒を減圧下に蒸発させた。残査を2.0mlのMilli−Q水に溶解し、懸濃度を共沸蒸留してトルエンを留去した。
これによってフラーレン.PVP複合体水溶液を得た。また、水を蒸発除去して粉末を得た。
また、表に示したポリ水酸化フラーレンは、24個の水酸基がフラーレン分子に結合しているものとした。そのNa塩化合物は、結合している水酸基の4個にNa置換が生じているものとした。
さらにまた、フラーレンポリエステルについては、水酸化フラーレンの2個の水酸化が酢酸によりエステル化されているものとし、Na、Na−K塩については、2個の水酸基が酢酸によりエステル化され、他の2個の水酸基がNa、あるいはNaとKにより置換されているものとした。
Figure 2005272350
上記表2の処方(重量%)で良く混合した原料を通常の打錠機で常法で打錠しこの出願の発明の癌転移阻害剤の錠剤を製造した。
<粉剤>
表3の処方(重量%)で混合粉砕しこの出願の発明の癌転移阻害剤の粉剤を製造した。
Figure 2005272350
<注射液>
滅菌処理した上記表1記載の化合物(処方番号1から10)各1gを無菌的に注射用5%ブドウ糖液に溶解し100mlとし、0.2μmのメンブランフィルターで濾過し10mlの注射用アンプルにつめ、注射液を得た。
<注射液>
次の表4の処方(重量%)で注射用5%ブドウ糖液に以下のこの出願の発明の有効成分5重量%を溶解した後、0.2μmメンブランフィルターで濾過し常法でパイロンジェン除去後、この出願の発明の癌転移阻害剤の注射液を製造した。
Figure 2005272350
<点滴注射溶液>
滅菌処理した上記表1記載の化合物(処方番号1から10)各5gと点滴用5%ブドウ糖液500mlに溶解したのち0.2μmのメンブランフィルターで濾過し点滴注射溶液を得た。
<カプセル剤>
上記表1記載の化合物(処方番号1から10)各20mg、コーンスターチ70mg,ステアモノエステルマグネシウム5mgを混合して、ゼラチンカプセルにつめカプセル剤を得た。
<散剤>
上記表1記載の化合物(処方番号1から10)各1gと結晶性乳糖10gを混合して散剤を得た。
<フィルム錠>
上記表1記載の化合物(処方番号1から10)各20mg、バレイショデンプン20mg、結晶セルロース30mg、乳糖20mg、無水モノエステル水素カルシウム15mg、しょ糖脂肪酸エステル5mg、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム3mgを打錠したのち、ヒドロキシプロピルメチルセルロース10mgでフィルム錠を得た。
<経口シロップ>
上記表1記載の化合物(処方番号1から10)を経口用シロップ液に縣濁して経口シロップを得た。
<軟膏>
次の表5の処方に従い常法によりこの出願の発明の癌転移阻害剤の外用剤を製造した。
Figure 2005272350
<液剤>
次の表6の処方に従い常法によりこの出願の発明の癌転移阻害剤の液剤を製造した。
Figure 2005272350
(試験例1)
<安定性試験>
PVP・フラーレン(PVP分子量60,000)、フラーレンモノエステルとフラーレンモノエステルの塩類との水溶液中での安定性の差異(10日間の室温保存試験)を表7に示した。フラーレン類は種類によらずに安定であるが、アスコルビン酸は経時的に精製水中でも加水分解されやすいことがわかる。
Figure 2005272350
なお、安定性は、上記物質0.1%水溶液(精製水)を室温で10日間放置し残存率をHPLC法で測定することにより評価した。
(試験例2)
<細胞内吸収性(細胞内輸送)試験>
ウシ大動脈血管内皮細胞BAE2を8万個/平方cmに播種して18時間後に、フラーレン、アスコルビン酸、上記表1の処方番号1から13のこの出願の発明のフラーレン類を、それぞれの正常ヒト血中濃度範囲内に該当する50μMの濃度に投与して22時間後に、クーロメトリー/ECD(電気化学的検出)−HPLC(高性能液体クロマトグラフィ)で細胞内のフラーレン類およびアスコルビン酸の存在量を定量した。細胞内含水量は0.598pL/細胞であることを〔14C〕ポリエチレングリコール/ガスクロマトグラフィで計測した。この結果、たとえばPVP・フラーレン(PVP分子量60,000)とアスコルビン酸を投与した場合の各々の細胞内フラーレン濃度は565μM、60μMとなり、細胞外濃度よりも11.3倍、1.2倍の濃度で細胞内濃縮されて蓄積されることが確認された。他のフラーレン類の場合もほぼ同様の結果となった。このように、フラーレン類は、アスコルビン酸に比較し細胞内輸送が格段に優れていることが示された。
(試験例3)
<細胞移動性(細胞走触性)試験>
再構成基底膜であるマトリゲルを上面に塗布し、下面に細胞外マトリックスであるフィブロネクチンを塗布した小孔8μmの多孔膜を含むボイデン・ダブルチャンバーの上室にヒト線維肉腫細胞HT1080を20万個播種し、3.5時間後に、下室に浸潤してくる浸潤癌細胞の数をディフクイック染色してCCDカメラ/マルチバイオスキャナーで計測しこの出願の発明のフラーレン類の癌転移抑制作用を確認した。癌細胞には、予め18時間、アスコルビン酸、また上記表1の処方番号1から13のこの出願の発明のフラーレン類を投与した。その結果、無投与の場合の浸潤癌細胞の数は12400個であるが、投与によもなっていずれの場合も顕著に減少し、たとえば、PVP・フラーレン(PVP分子量60,000)の場合には、300μMおよび400μM投与で、8960個、356個となった。また細胞内のアスコルビン酸濃度をクーロメトリー/ECD−HPLC法により測定した。その結果、アスコルビン酸、および表1の処方番号1から13のこの出願の発明のフラーレンを300μM投与した場合、各々103、2700〜2800μMであった。これらの結果よりこの出願の発明のフラーレン類の投与区が最も癌細胞転移を抑制することが確認され、またこの効果はこの出願の発明のフラーレン類が細胞内フラーレン濃度を最も高めるためであることが示唆された。
(試験例4)
<効果試験>
ラットの自然発生乳癌細胞(SST−2)を自然発症高血圧ラット(SHRラット)(各群5匹)の背部皮下に1×100,000個を移植し、35日後にラットを屠殺して肺重量およびコロニー形成数を測定し、SST−2の肺転移の程度を観察した。上記表1の処方番号1のこの出願の発明の化合物投与群は移植7日前から移植後34日目まで50および100mg/ラットを経口投与および皮下注射し、皮下腫瘍重量、肺重量、および転移のコロニー形成数を無処理対照群と比較した。結果を表8に示した。
この結果よりこの出願の発明の化合物投与区においては肺への転移抑制作用が確認された。
Figure 2005272350
(試験例5)
<効果試験>
ラットの自然発生乳癌細胞(SST−2)を自然発症高血圧ラット(SHRラット)(各群5匹)の背部皮下に1×100,000個を移植し、35日後にラットを屠殺して肺重量およびコロニー形成数を測定し、SST−2の肺転移の程度を観察した。上記表1の処方番号1のこの出願の発明の化合物投与群は担体投与および表9に示した既知の抗ガン剤との併用投与が試験された。移植7日前から移植後34日目までこの出願の発明の化合物50mg/1日/ラット、既知の抗ガン剤については文献記載(医薬品要覧第4版、p1474−1509、薬業時報社、1989)の単独使用濃度の最小量を経口投与し、皮下腫瘍重量、肺重量、および転移のコロニー形成数をこの出願の発明の化合物投与群と比較した。この出願の発明の化合物担体投与区に比較し癌転移抑制効果の認められたものに○印をそうでないものに×印を記入し結果を表9に示した。
この結果よりこの出願の発明の化合物と既知の抗ガン剤との併用区においてはこの出願の発明の単独投与に比較しより高い肺への転移抑制作用が確認された。
Figure 2005272350
上記表1の処方番号1のものを用いて、以下の条件でマウスに投与し、マウスの皮膚癌転移の抑制の効果を評価した。
(マウス)C57BL/6、8週齢♀
(細胞)B16BL6(10万 cells/0.2ml)
(投与法)尾静脈注射、5連投
(飼育期間)14日間
その結果を図1に示した。PVP・フラーレン複合体は皮膚癌の転移を阻害することが確認された。
上記表1の処方番号1、つまりPVP・フラーレン(PVP分子量60,000)を用いて、試験例3と同様にして浸潤細胞B16BL6(15scells/0.2ml)を用いて、癌湿潤試験を行った。試験では、癌細胞を再構成基底膜に浸潤させる直前にPVP・フラーレンを投与する「同時処理」と、癌細胞を再構成基底膜に浸潤させる1時間前にPVP・フラーレンを投与して1時間、緩慢攪拌培養して細胞接着を防ぎ、その後に浸潤させた「前処理hr」とを行った。なお、マトリゲル(0.12mg/ml)40μlを使用した。非投与の場合、並びにPVP(分子量60,000)のみを投与した場合と比較した。その結果を図2に示した。
PVP・フラーレン癌細胞転移を顕著に抑制することが確認された。
実施例12におけるPVP・フラーレンによる皮膚癌の転移抑制の効果を例示した図である。 実施例13におけるPVP・フラーレンによる癌細胞の転移抑制の効果を例示した図である。

Claims (14)

  1. フラーレン類のうちの1種以上を有効成分とする癌転移阻害剤。
  2. フラーレン類は、フラーレン、フラーレン誘導体、あるいは有機化合物により修飾もしくは包接されたフラーレンまたはフラーレン誘導体の複合体のうちの1種以上である請求項1の癌転移阻害剤。
  3. フラーレン誘導体は、含酸素基、含窒素基および置換基を有していてもよい炭化水素基のうちの1種以上を結合するフラーレンである請求項2の癌転移阻害剤。
  4. フラーレン類は、金属との塩類のうちの1種以上である請求項1から3のうちのいずれかの癌転移阻害剤。
  5. フラーレン類の塩類は、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム、およびアルミニウムの塩のうちの1種以上である請求項4の癌転移阻害剤。
  6. フラーレン類は、水酸化フラーレン類とそのエステル類のうちの1種以上である請求項1から5のうちのいずれかの癌転移阻害剤。
  7. 水または結晶水の付加物を有効成分とする請求項1から6のうちのいずれかの癌転移阻害剤。
  8. フラーレン類は、フラーレンおよびフラーレン誘導体のうちの1種以上と、有機オリゴマー、有機ポリマー、シクロデキストリンおよびクラウンエーテルとそれらの類緑化合物のうちの1種以上との複合体である請求項2から7のうちのいずれかの癌転移阻害剤。
  9. フラーレンおよびフラーレン誘導体のうちの1種以上とポリビニルピロリドン(PVP)との複合体である請求項8の癌転移阻害剤。
  10. 請求項1から9のうちのいずれかの癌転移阻害剤とともに抗悪性腫瘍剤の1種以上を含有する癌転移阻害剤。
  11. 抗悪性腫瘍剤が、ナイトロミン(R)、シクロホスファミド、メルファラン、チオテパ、カルボコン、プロテクトン(R)、ブスルファン、塩酸ニムスチン、ミトプルニトール、イホスファミド、メルカプトプリン、チオイノシン、シタラビン、ダガルバジン、フルオロウラシル、テガフール、塩酸アンシタビン、メトトレキサート、カルモフール、UFT(R)、エノシタビン、硫酸ビンプラスチン、硫酸ビンクリスチン、硫酸ビンデシン、アクチノマイシン(D)、マイトマイシンC、クロモマイシンA3、塩酸プレオマイシン、硫酸プレオマイシン、塩酸ダウノルビシン、塩酸ドキソルビシン、ネオカルチノスタチン、硫酸ペプチブロマイシン、塩酸アクラルビシン、メピチオスタン、エピチオスタノール、クエン酸タモキシフェン、ホンパン、ビシパンニール(R)、クレスチン、レンチナン、L−アスパラギナーゼ、アセグラトン、塩酸プロカルバジン、プロクスウリジン、MDSコーワ3000(R)、シスブラチン、エストラサイト(R)、シゾフィラン、プロタミン、ヘパリン共存下でのアンギオスタチックステロイド、抗癌ポリサッカライド、ラミニンペプチド、Arg−Gly−Asp−(RGD)配列を含む抗癌ポリペプチド、および抗癌血小板因子のうちの1種以上である請求項10の癌転移阻害剤。
  12. 転移阻害されるべき癌が、腫瘍、良性腫瘍、または悪性腫瘍である請求項1から11のうちのいずれかの癌転移阻害剤。
  13. 転移阻害されるべき癌が、悪性黒色腫、悪性リンパ腫、消化器癌、肺ガン、食道癌、胃癌、大腸癌、直腸癌、結腸癌、尿管腫瘍、胆嚢癌、胆管癌、胆道癌、乳癌、肝臓癌、膵臓癌、睾丸腫瘍、上顎癌、舌癌、口唇癌、口腔癌、咽頭癌、喉頭癌、卵巣癌、子宮癌、前立腺癌、甲状腺癌、脳腫瘍、カボジ肉腫、血管腫、白血病、真性多血症、神経芽腫、網膜芽腫、骨髄腫、膀胱腫、肉腫、骨肉腫または筋肉腫である請求項1から11のうちのいずれかの癌転移阻害剤。
  14. 転移阻害されるべき癌が、皮膚癌、基底細胞癌、皮膚付属器癌、皮膚転移癌、または皮膚黒色腫である請求項1から11のうちのいずれかの癌転移阻害剤。
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