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JP2005265194A - 転がり軸受及びスピンドル装置 - Google Patents

転がり軸受及びスピンドル装置 Download PDF

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JP2005265194A
JP2005265194A JP2005162690A JP2005162690A JP2005265194A JP 2005265194 A JP2005265194 A JP 2005265194A JP 2005162690 A JP2005162690 A JP 2005162690A JP 2005162690 A JP2005162690 A JP 2005162690A JP 2005265194 A JP2005265194 A JP 2005265194A
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Shoji Noguchi
昭治 野口
Katsuhiko Tanaka
克彦 田中
Ikunori Sakatani
郁紀 坂谷
Keisuke Kimura
啓亮 木村
Kazuhiro Kamimura
和宏 上村
Hiroshi Nakajima
中島  宏
Toru Takamizawa
徹 高見沢
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NSK Ltd
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NSK Ltd
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Abstract

【課題】軌道面や転動体の形状誤差、転動体の寸法相互差を小さく抑えることとは別に、転動体の個数や潤滑剤量を限定することで非回転同期成分をより小さく抑えた転がり軸受及びスピンドル装置を提供することを課題とする。
【解決手段】転動体である玉3の数を、組み込まれる内輪1及び外輪2の軌道面形状誤差の主な低周波山成分を約数として持つ数と等しい個数、例えば12個、16個又は18個に設定する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、回転精度が要求される情報機器、音響・映像機器等に用いられる磁気ディスク装置等のハードディスク装置のスピンドルモータや精密機器などに使用される転がり軸受及びスピンドル装置であって、軸受単体やスピンドル装置全体での回転振れの非回転同期成分(Non Repeatable Run-Out:通称NRRO)を小さく抑えた転がり軸受及びスピンドル装置に関するものであり、特に回転精度が要求される小型の転がり軸受やディスク装置に好適なものである。
一般に、転がり軸受の転動体の数は、主に、軸受に要求される剛性や負荷容量、さらには寿命の向上を中心にその個数が決定され、回転精度との関係においては当該転動体数についてあまり考慮されない。
しかし、情報機器用のスピンドルモータ等,転がり軸受の用途によっては、回転精度が他の性能より優先される場合がある。このような場合、従来においては、内外輪の軌道面や転動体の形状誤差、及び転動体の寸法相互差を小さくするような手段をとることによって、回転精度を向上させるのが一般的である。
また、従来にあっては、情報機器の一つである磁気ディスク装置に使用されるスピンドル装置として、例えば、図15に示すようなものがある。
このスピンドル装置は、ディスク50を搭載するハブ51が軸部材52に対して2個の玉軸受53,54で支持されるものであって、上記各玉軸受53,54の外輪53a,54aは、ハブ51の挿通孔51aにしまりばめで圧入された後に接着されて固着され、また、各玉軸受53,54の内輪53b,54bは、軸部材52にすきまばめで取り付けられた後に接着されていた。なお、53c,54cは転動体である玉を示している。
このような取付けによって、従来のスピンドル装置では、外力が負荷されても軸部材52に対してハブ51の位置が動くことが防止され、輸送の際等に外部振動や外部衝撃が加わっても軸部材52に対してハブ51の中心がずれないようにしている。
これは、従来の磁気ディスク装置では、信号が記録されたトラックに対するヘッドの追従性を確保するため、ハブ51に複数個のディスク50を搭載する場合を例に説明すると、その複数のディスク50の最下面のディスク面にのみヘッドの案内となるサーボ信号が書き込まれているためである。
従って、複数のヘッドの追従性を確保するために、サーボ信号を書き込んだ後は、複数のディスク50の中心がずれることは許されなかった。このため、上述のように従来のスピンドル装置では、玉軸受53,54の内輪53b,54b及び外輪53a,54aの嵌め合い面の両方とも固着させていた。
なお、ディスク装置メーカ等でのスピンドルモータの組み立てを容易とするために、スピンドル装置をユニット化する場合もあるが、その場合の従来のスピンドル装置は、例えば図16に示すように、各軸受53,54の外輪53a,54aがスリーブ55にしまりばめで圧入され接着で固定されていた。また、内輪53b,54bは軸52に接着で固定されていた。そして、そのスリーブ55外周に、ディスク50を搭載したハブ51を取り付けられる。
また、従来、磁気ディスク装置のスピンドルモータに使用される玉軸受にあっては、内外輪間に介装される玉の数は、一般に7〜10個程度であり、その玉の材質としては、高炭素クロム鋼が用いられ、その硬さはロックウェル硬さHRC63〜67(ビッカース硬さでHv772〜900)の玉が採用されている。
そして、軸方向の片側又は両側にシール又はシールド板を有する玉軸受においては、長期の高速回転時のボールの損傷を防止するために、通常、潤滑剤として、玉軸受内の空間体積の10〜15%のグリースが封入されている。
しかしながら、上述の転がり軸受においては、内外輪53a,54aの軌道面、転動体の形状誤差、転動体の寸法相互差を小さくするには限界があり、その限界以上に回転振れの非回転同期成分を低減することは困難であるという問題点がある。
また、近年、情報機器、特に磁気ディスク装置では、高容量化と共に、その記録密度は、ますます高密度化が要求されている。このため、ディスク50の信号を記録するトラックの幅はますます狭くなってきており、トラックに対するヘッドの追従性を確保するために、スピンドル装置全体の非回転同期成分の振れを小さくすることが求められている。
しかし、最近の研究により、スピンドル装置の非回転同期成分を小さくするためには、使用する玉軸受53,54単体の非回転同期成分を小さくするだけでは限界があることが分かってきた。
即ち、2個の玉軸受53,54を組み込む際の互いの取付け誤差の影響により非回転同期成分が大きくなりやすいこと、また、はめあい面に接着剤を均等に塗布することが難しいことから、接着剤で軸部材52等に固着した内輪53b,54bやハブ51内径に固着した外輪53a,54aの真円度がくずれ、例えば軌道面が楕円に変形して非回転同期成分が大きくなりやすいことが判明した。
さらに、圧入で外輪53a,54aを取り付けた場合には、玉軸受53,54の外輪53a,54aが加工精度の良くないハブ51内径面の形状にならい、軌道面の真円度が悪くなることで非回転同期成分が大きくなることも判明した。
一方、最近の情報機器、特に磁気ディスク装置では、データの転送速度を高めるために、スピンドルモータの高速回転化が要求され、そこに使用される軸受の高速耐久性、すなわち高速で長時間使用しても軸受振動や騒音が大きくならないことがとくに重要となってきている。
しかしながら、従来の玉軸受では、個々の玉等の加工精度を上げることで非回転同期成分の振れ等を小さくしているために、高速回転で長時間使用すると玉の損傷が徐々に進行し、その損傷に応じて、軸受振動や騒音が大きくなりやすいという問題があった、
また、高容量の磁気ディスク装置では、搭載するディスク枚数を多くする必要上、スピンドルモータの剛性を大きくすることが要求される場合もある。
本発明は、以上のような問題点に着目してなされたもので、軌道面や転動体の形状誤差、転動体の寸法相互差を小さく抑えることとは別に、転動体の個数などを特定することで軸受単体の非回転同期成分をより小さく抑えた転がり軸受を提供すると共に、非回転同期成分を小さく抑えることが可能なスピンドル装置を提供することを課題としている。
また、高速耐久性に優れ、しかも剛性向上可能なスピンドル装置を提供することも課題としている。
上記課題を解決するために、本発明のうち請求項1に記載の転がり軸受は、内輪と外輪との間に複数の転動体が介挿される転がり軸受において、上記転動体の数を、組み込まれる内輪及び外輪の軌道面形状誤差の主な低周波山成分の山数の少なくとも3つを約数として持つ数と等しい個数に設定することを特徴としている。
また、請求項2に記載の発明は、情報機器に使用される転がり軸受であって、内輪と外輪との間に介装される転動体の数を、12個、16個又は18個に設定したことを特徴とするものである。
また、請求項3に記載の発明はハードディスク用スピンドル装置に使用される玉軸受であって、内輪と外輪との間に介装される転動体の数を、12個、16個又は18個に設定したことを特徴とするものである。
上記構成で回転振れの非回転同期成分の低減が図られる根拠について、次に説明する。
現在、転がり軸受の内輪及び外輪軌道面の形状誤差や転動体数等をパラメータとして、内部の力の釣り合いから軸受の回転角度に伴う軸心の運動を理論的に計算できることが知られている(小野京右ほか,THEORETICAL ANALYSIS OF SHAFT VIBRATION SUPPORTED BY A BALL BEARING WITH SMALL SINUSOIDAL
WAVINESS.IEEE TRANSACTION ON MAGNETICS. Vol.32, No.3 MAY 1996
pp.1709-1714を参照)。
そして、この理論計算式に基づき、本願発明者は、内外輪軌道面形状誤差、転動体形状誤差、転動体寸法差等を同時に入力パラメータにできるような解析プログラムを新たに開発し、その解析プログラムを使用して外輪形状誤差山成分(2〜10山)及び転動体数(7〜20個) を変えて振れの非同期回転成分の最大値(1周当たり256点で50周分,形状誤差の全振幅は2μm,転動体の形状誤差及び寸法差はなしで計算) について求めたところ、表1のような結果が得られた。
ここで、計算においては小数点以下の値をいくらでも出すことができるが、実際の振れ測定に使用されるセンサの分解能は0.001μmが限界である。このため、表1においては、計算値の検証を考慮して0.001μm未満は0としてある。また、内輪に対し形状誤差を与えた場合も表1と同様な結果を得ることができる。
また、上記外輪軌道面に与えた形状誤差は、A・sin Bθ(Aが形状誤差の片振幅、Bが誤差山数、θは角度) で表される理想的なサイン波とした。
Figure 2005265194
この表1から、内外輪軌道面の形状誤差山数と転動体数の関係については、転動体数が対象とする形状誤差山数の倍数になっているとき、即ち、組み込まれる内外輪の軌道面形状誤差の低周波山成分がもつ形状誤差山数を約数にもつように転動体数を設定した場合に、振れの非回転同期成分は現れないことが分かる。
即ち、この解析結果から、対象とする外輪軌道面形状誤差の低周波山成分がもつ形状誤差山数を約数に持つ数と等しい個数に転動体数が設定されれば、その外輪及び内輪を使用した転がり軸受、さらにはその転がり軸受けを組み込んだスピンドルモータ等の非回転同期成分が低減されることになる。
以上のような根拠から、転動体の数を、組み込まれる内輪及び外輪の軌道面形状誤差の主な低周波山成分を約数として持つ数と等しい個数とすることで、転がり軸受の非回転同期成分が低減可能となる。
なお、組み込まれる内輪及び外輪の軌道面形状誤差の主な低周波山成分の形状誤差山数は一つとは限らず、内外輪とも2以上の場合の方が多い。2以上の場合には、その全ての形状誤差山数を約数として持つ数とするのが望ましい。
ここで、実際の内外輪の軌道面の形状誤差山数は、必ずしも一定ではないが、軌道面形状誤差の主な低周波山成分の種々の形状誤差山数を多く約数に持つ数に転動体数を設定するほど、同一の転動体数で、軌道面の形状誤差に起因する転がり軸受単体の振れの非同期周波成分を小さくすることができる可能性が増大する。
もう一度、表1を参照すると、上記の他に次のようなことが分かる。
(1)転動体数が7,9,11や13といった奇数で約数が少ない場合には、約数となる誤差山数以外の誤差山数で振れの非回転同期成分が大きく現れる。
(2)転動体数が12,18の場合つまり約数を多く持つ数に等しい個数の場合には,10山までにおいて振れの非回転同期成分は現れていない。
即ち、約数を多くもつほど、約数でない誤差山数であっても振れの非回転同期成分は現れない場合が多い。
逆に、形状誤差山数からみた転動体数を検討した場合には、次のようなことが分かる。
形状誤差山数をY、転動体数をZとした場合に、
(1)Z=nY(n:自然数)で振れの非回転同期成分は現れていない。
(2)Z=Y±1の場合に最も大きく非回転同期成分が現れる。
(3)Z=(2Y±1)/n,Z=(3Y±1)/n(n:自然数)の場合にも振れの非回転同期成分が現れている。
一方、調和解析(ハーモニック解析)によって、真円度測定データから形状誤差山数に対応する誤差振幅を知ることができる。実際に、ハードディスクスピンドルモータ用の玉軸受の内外輪軌道面の真円度を測定して得られた形状誤差データに対して調和解析(ハーモニック解析)を行うと、図4に示すような結果が得られた。これは内外輪合計10個を測定して、形状誤差山数毎に誤差振幅を分析したものである。
この図4から分かるように、ハードディスクスピンドルモータ用玉軸受の内外輪軌道面の形状誤差は、一般的には、2〜10山までの形状誤差山成分が主体であることがわかる。即ち、2〜10山までを考慮すれば十分であることが分かる。
ここで、これらの現象は、ハードディスクスピンドルモータ用の玉軸受に限定されるものではなく、他の情報機器の回転部材を高速で回転支持する転がり軸受であっても同様であるが、ハードディスクスピンドルモータ用玉軸受を代表して提示したものである。
以上のことからは、2〜10までの整数を約数として多く持つ数に等しい転動体数を設定すればよいことが分かる。
そして、表1から、
転動体数を12,及び18に設定すれば、2〜10山の間でどの形状誤差山数を持つ外輪・内輪であっても形状誤差による非回転同期成分は0であり、12及び18は2〜10迄の約数を共に4個持っている。即ち、転動体数12では2〜10までの約数として2,3,4,6の4個、転動体数18では、2,3,6,9の4個を持っている。
このことから、内輪及び外輪の軌道面形状誤差の主な低周波山成分の約数を4個以上持っていれば、外輪の軌道面の形状誤差の主な低周波山成分に多少の加工上の誤差があっても、振れの非回転数成分を小さくする上で有効であることが分かる。
このように、形状誤差振幅の大きな主な形状誤差山成分は10山までの場合であるので、約数を多くつまり2〜10までの約数を4個もっている12又は18個に転動体数を設定することで、つまり請求項2や請求項3に記載の発明に合致した転がり軸受とすることで、当該軸受を組み込んだ情報機器やハードディスク装置に使用されるスピンドルモータ等を支持するための軸受の振れの非回転数成分を小さくする上で有効である。
このことは、例えば、上記ハードディスク装置に使用されるスピンドルモータ用の玉軸受を使用することで、当該ハードディスク用スピンドルモータの回転精度を向上させることが可能になることが分かる。他の情報機器に組み込んだ場合についても同様なことが言える。
ここで、上記ハードディスク用スピンドルモータの回転体は、通常,二つの軸受で支持されるので、その二つの軸受の両方を本願発明に基づく玉軸受を使用することで、又はその一方を本願発明に基づく玉軸受を使用(他の軸受には例えば動圧軸受を使用)することで、スピンドルモータの回転精度が向上する。他の情報機器に組み込んだ場合についても同様である。
また、表1から分かるように、2〜10までの約数を3個持つ16を転動体数とする場合でも5山以外は最大非回転同期成分値は0であり、有効に振れの非回転数成分を小さくできる。即ち、転動体数16の場合は、2〜10までの約数として2,4,8の3個を持っている。
つまり、2〜10までの約数を3個以上もっている場合にも有効であることが分かる。
以上のような見地から、請求項1に記載した発明では、主な低周波山成分の山数の少なくとも3つを約数として持つ数と等しい個数と規定し、また、請求項2及び請求項3に記載した各発明では、さらに転動体の個数を明確にすべく、転動体の数を12,16,又は18個に限定している。
ここで、約数を3個以上もっていれば多いほど良く、軸受への実装が可能であれば、転動体数が24,36,48等の個数でも有効と考えられる。
なお、実際には、内外輪軌道面を加工するための加工装置等の個別的な特性によって、低周波山成分の誤差山数は11以上の山数が主体となる場合があり、そのような場合には、その実際の主体となる誤差山数を約数に含むような数に設定する。
また、情報機器用、特にハードディスク装置のスピンドルモータ用の玉軸受について考察した場合、軸受の外径寸法が同じであるならば、転動体(玉)を多く実装するためには転動体直径を小さくする必要があるが、球径を小さくすれば、その分,内輪及び外輪を厚く設計することができ、内輪・外輪を厚くできれば、加工の高精度化や変形に対しても強くなり、より一層の高回転精度化を実現できるようになる。
即ち、球径を小さくすることは非回転同期成分の低減と併せて、剛性増加の見地からも小型の軸受の回転精度の向上に有効である。この見地からすると、ハードディスク装置などのスピンドルモータ用の玉軸受の転動体の玉径は2mmφ以下のものに本願発明の構成を用いると更に顕著な効果が得られる。もっとも、本願発明は、玉径は2mmφ以下に限定されるものではない。
また、上記と逆な考え方として、転動体(玉)の加工精度向上の容易な球径の大きな転動体を組み込めるようにするために、内輪内径寸法は同じでも外輪外径寸法を従来よりも大きく設計する手段もある。
次に、請求項4に記載の発明である転がり軸受は、内輪と外輪との間に複数の転動体が介挿されると共に潤滑剤が封入される転がり軸受において、上記転動体の数を12個以上に設定すると共に、上記封入される潤滑剤を、軸受内の空間体積の10%未満に抑えたことを特徴とするものである。
ここで、上記軸受内の空間体積とは、シール又はシールド板を付けた場合の2枚のシール又はシールド板の内側の内輪の外径面と外輪の内径面との間にある空間の体積から、介装されている全転動体の体積及び保持器の体積を差し引いた体積である。
一般のスピンドルモータで使用されるような玉軸受では、転動体の数は7〜10個であるが、前述の表1から分かるように、転動体数が7〜10個よりも多い12個以上、特に偶数個である12個,14個,16個,18個等に設定すると、従来よりも内外輪の軌道面のうねりの影響を受けにくいことが分かる。
このことから、本願発明では、転動体の数を12個以上に特定することで、非回転同期成分の振れを小さくする。
特に、上記説明したように、12個,16個,又は18個に限定すると一層有効である。
ここで、同一径の内輪及び外輪の軸受に対して、組み込む玉数を多くすると、設計上,玉径も小さくしなければならないが、この場合、内外輪の軌道がピッチ円に近づき玉軸受内の空間体積が少なくなるため、軸受内に封入するグリース量の絶対量が少なくなる。この場合(潤滑剤が少ない場合)に、従来のように回転精度を玉や軌道面の個々の加工精度にのみ依存する場合には、高速回転で長時間使用することによる玉の表面劣化により軸受振動が大きくなり易い。
これに対して、本願発明(請求項1〜請求項3の発明、及び請求項5の発明も含む)では、転動体数の特定によって非回転同期成分の振れを小さくするので、高速回転で長時間使用することによる玉の表面劣化が進行しても、軸受振動が従来よりも抑えられる。このため、本願では潤滑剤を回転精度を保持しつつ潤滑剤を減少することができる。
さらに、発明者らは、従来のように、軸受内の空間体積の10〜15%の量だけグリースを封入すると、グリース量の絶対量が多すぎることで、該グリースの攪拌抵抗によって非回転同期成分が大きくなると共にばらつきも大きくなることを見いだし、非回転同期成分を小さく、その変動も少なくするには、潤滑剤の量を極力減らすことが有効であることが分かった。
このため、請求項4の発明では、封入される潤滑剤の量を、軸受内の空間体積の10%未満に抑えることで、非回転同期成分を小さく且つその変動も少ない転がり軸受を提供する。
上記空間体積の10%未満とは、次のことから決定した。
すなわち、12個の玉数をもった同一の軸受について、封入する潤滑剤の量を変えて、その非回転同期成分の最大値を求めたところ図19に示すようになった。
この図19から分かるように、玉数が等しい場合には、封入する潤滑剤の量の減少に比例して非回転同期成分の最大値が小さくなっているのが分かり、10%未満で有効に低NRRO化が図られている。このため空間体積の10%未満とした。もっとも、8%以下で低NRRO化の効果が明確に現れ、さらに好ましくは6%以下にすると、その効果がより一層顕著であることが分かる。
ここで、図19中の油とは、内輪及び外輪の軌道面に油を注入塗布した油潤滑の場合で、潤滑剤の封入量が軸受内の空間体積の0%に近い状態で、潤滑剤を封入する限界の状態である。
また、玉の材質としてセラミックを使用すると、潤滑剤の封入量が少ない枯渇潤滑下での回転に伴う玉表面の劣化が防止できる。この結果、潤滑剤の封入量を、空間体積の4%以下にしたり、0%に近い油潤滑にしても高速耐久性に優れる軸受となって、低NRRO化と高速耐久性の両方を同時に向上させることができる。
次に、請求項5に記載の転がり軸受は、内輪と外輪との間に複数の転動体が介挿されると共に潤滑剤が封入される転がり軸受において、上記転動体の数を12個以上に設定すると共に、上記各転動体の表面硬さはHv900を超えることを特徴とするものである。
本発明においては、上記請求項4の発明と同様な理由から、転動体の数を12個以上に特定することで、内外輪の軌道面のうねりの影響を受けにくくして、非回転同期成分の振れを小さくする。特に、上述のように、12個以上で且つ偶数個、更には12個,16個,又は18個に限定すると一層有効である。
上記転動体数の特定に加えて、転動体の表面硬さをHv900を超える硬さとすることで、例えば枯渇潤滑下でも、ボール表面の劣化が少なくなり、しかも輸送時や使用時のフレッチングが生じにくくなって、使用時、特に長時間使用時の軸受に起因する騒音上昇が抑制される。
ここで、転動体の表面硬さをHv900を超える硬さとするには、転動体の素材として,例えばセラミックや超硬合金等を使用することで実現される。
ここで、セラミックは、表面硬さがHv1400〜2200であるが、価格が高いという問題がある。一方、超硬合金のような硬さHv950〜1800の金属ボールを使用すると、表面硬さも本願の要求を満足し、且つコストも安いという長所がある。また、導電性が必要な場合には、セラミックよりも金属ボールの適用が好ましいという長所がある。勿論、セラミックや超硬合金のような硬さまでは硬さを確保することは困難であるが、従来の軸受鋼を使用し、焼入れ温度を1200℃以上にして従来よりも転動体の表面硬さを向上させて、本願を満足するHv900を超える硬さとしてもよい。
ここで、請求項4に記載のように封入する潤滑剤を少なく、つまり、封入される潤滑剤の量を、軸受内の空間体積の10%未満、好ましくは8%以下、より望ましくは6%以下に抑えることで、さらに、非回転同期成分を小さく且つその変動も少ない転がり軸受としてもよい。
次に、請求項6に記載のスピンドル装置は、ディスクを搭載する回転体が、固定部材に2個以上の支持軸受を介して回転自在に支持され、且つ、上記支持軸受の少なくとも一つは玉軸受であるスピンドル装置において、
上記玉軸受を構成する外輪及び内輪の少なくとも一方はすきまばめで、回転体又は固定部材に取り付けられていることを特徴とするものである。
本発明においては、支持軸受を構成する各玉軸受の外輪及び内輪の少なくとも一方をすきまばめで取り付けることで、玉軸受の取付け誤差、軌道輪の圧入や接着変形による真円度のくずれに基づく非回転同期成分の増加が回避され、結果として、スピンドル装置の非回転同期成分の低減化が図られる。
このとき、各玉軸受に組み込む転動体である玉の数を12個、16個、又は18個にするとよい。このように玉数を限定すると、上述のような作用で、外輪及び内輪の軌道面の形状の崩れによる非回転同期成分の影響が小さくなり、玉軸受単体の非回転同期成分自体も小さくなる。この結果、さらにスピンドル装置全体の非回転同期成分を小さくすることができる。
さらに、軸受内に封入する潤滑剤の量を軸受内の空間体積の10%未満、好ましくは8%以下、より望ましくは6%以下にするとよい。このように潤滑剤の封入量を限定すると、上述のような作用で、潤滑剤に基づく非回転同期成分の影響が小さくなり玉軸受単体の非回転同期成分自体も小さくなる。この結果、さらにスピンドル装置全体の非回転同期成分を小さくすることができる。
また、玉軸受の外輪及び内輪の少なくとも一方をすきまばめで取り付けると、回転体に搭載されるディスクの位置が多少ずれるおそれがある。このため、回転体に複数個のディスクを搭載する場合には、ディスク毎にサーボ信号を記録しておけばよい。このように、ディスク毎にサーボ信号を記録しておくことで、輸送の際等に負荷された外部振動や外部衝撃によって各ディスクの中心が多少ずれることが許容され、複数のディスクを搭載する場合であっても、玉軸受の内輪や外輪の嵌め合い面の両方を必ずしも固着する必要がなくなる。
またこのとき、上記玉軸受の外輪側、つまり外輪を回転体又は固定部材にすきまばめで取り付け、その外輪外周と回転体又は固定部材との間(すきまばめ部分)に緩衝手段を設けるとよい。
緩衝手段を設けると、外輪は回転体又は固定部材にダンパ支持された状態となる。例えば、外輪を回転体に取り付ける場合には、玉軸受の外輪を介して回転体さらにはディスクに伝達される振動が遮断若しくは低減する。この結果、玉軸受に起因する又は玉軸受の取付けに起因する振動の影響が低減して、スピンドル装置、さらには搭載されるディスクの非回転同期成分の振動がより小さくなる。
上記緩衝手段としては、すきまばめ部分に空気膜や油膜を設けることで実現できる。油膜は、油やグリース等の潤滑剤を上記すきまばめ部分に充填することで実現される。
ここで、上記すきまばめ部分に使用する流体として空気、油、及びグリースを考えた場合、これらの3種類に優劣はないと考えられ、適材適所で使い分ければ良いと考えられる。
上記流体のうち空気が一番使いやすいと考えられ、ダンピング効果は期待できないものの軸受部の振動の遮断にはかなりの効果がある。
また、油としては、例えば、軸受に塗布する防錆油(蒸発しずらい油を選定する必要がある)又は微量油潤滑で使用する油(オイルプレーティングで塗布)をそのまま使用することができる。これらの油を使用すると、軸受の防錆油又は微量潤滑油は拭き取る作業が不要であり、組立が容易となる。
なお、上記油は、粘度が3mm2 /sec〜5万mm2 /secのものが使用できると考えられ、最適なダンピング効果を得るためには、すきまばめ部分の隙間に合わせて油の粘度を選択すればよい。
また、グリースとしては、石鹸系(リチウム、ナトリウム、カルシウム、バリウム、及びそれらの複合石鹸及び混合石鹸等)及び非石鹸系(ウレア系、ベントナイト系、PTFE、カーボンブラック等)のグリースが使用できる。
このとき、外輪が回転する場合(回転体に取り付けられる場合)には、油よりもグリースを使用する方が潤滑剤の飛散が少ないため、好ましい。また、使用するグリースの稠度としては、2以上,好ましくは4以上とすることで、遠心力によるグリースの飛散が少ないため、より好ましい。
さらに、上記すきまばめで取り付けた外輪に軸方向に向かう予圧を付与しておくとよい。予圧を付与しておくことで、軸受自体のがたつきが除去されると共に、すきまばめで外輪を取り付けても、当該外輪が回転体又は固定部材に固定される。このとき、軸方向に予圧を付与するので、予圧を付与しても、外輪の軌道面の真円度に悪影響を与えることがない。
また、上記玉軸受の内輪の軌道面を、直接、当該内輪を取り付ける軸部材(回転体又は固定部材)に設けるとよい。このようにすると、玉数を12個以上としても、転動体である玉の径が大きく設計できるようになり、当該玉の加工及び玉軸受の組み立てが容易となる。
さらに、転動体としてセラミック玉を用いると、転動体の質量が少ないために高速回転時のスピン摩擦が少なく軸受の発熱が小さく使用グリースの劣化が少ない。しかも、転動体自体の硬さが高いので、長時間使用しても玉の損傷が少ない。
しかも、転動体としてセラミック玉を用いると、硬さが極めて高いのでわずかな潤滑剤で潤滑しても玉が損傷しにくい。したがって、軌道に薄く油を塗っておくだけでも高速回転に耐えることができる。このように微量油潤滑にすると、グリース潤滑のように軌道と玉との間にグリースの巻き込みによる回転精度の変化が少なく非回転同期成分の振れが向上する。
また、剛性を高めるために、深みぞ玉軸受の代わりにアンギュラ玉軸受として、転動体直径の大きい玉をなるべく多く組み込むようにしてもよい。
以上説明してきたように、本発明の転がり軸受を採用すると、軌道面や転動体表面の加工精度を向上させることとは別に、つまり形状精度の向上とは別に転動体数や潤滑剤の量を限定することで軌道面の形状誤差に起因する転がり軸受の振れの非回転同期成分を更に小さくすることができるという効果がある。
特に、情報機器や情報機器の一つであるハードディスクスピンドルモータに組み込まれる転がり軸受として請求項2や請求項3に記載のように転動体数を12、16又は18個とすることで、当該スピンドルモータなど、本願転がり軸受に支持される情報機器用の回転部材の回転精度を、従来よりも向上させることができる。
さらに、請求項4に記載のように潤滑剤量を特定することで、潤滑剤に基づく非回転同期成分も小さくしたり、その変動が抑えられるという効果がある。
また、請求項5に記載のように転動体の硬さを特定することで、非回転同期成分を小さくしつつ、騒音上昇の抑制効果を大きくし、且つフレッチング損傷が防止できて、非回転同期成分が小さい状態の寿命を向上させることができるという効果がある。
また、セラミック玉と組み合わせると、非回転同期成分の振れを小さくでき、高速耐久性に優れ、振動・騒音の上昇が少ない。さらには、アンギュラ玉軸受と組み合わせると、玉の直径が大きくできるので、非回転同期成分の振れが小さく、しかも高剛性が要求される磁気ディスク装置に最適である。
もちろん、転動体数を12個で、玉材質をセラミックとし、しかも油潤滑のアンギュラ玉軸受とすると、情報機器用の転がり軸受としてもっとも好ましい。
これによって、磁気ディスク装置や光ディスク装置等のハードディスク装置での高記録密度化や高回転精度化がさらに実現可能となる。
また、請求項6に記載のスピンドル装置を使用することによっても、スピンドル装置、更にはそのスピンドル装置を組み込んだスピンドルモータや情報機器等の非回転同期成分が低減される。特に、本スピンドル装置を使用したディスク装置での高記録密度化や高回転精度化が実現可能となる。
ここで、この請求項6の発明に上記請求項1〜請求項5の発明を組み合わせることで、更に非回転同期成分が低減されて本スピンドル装置を使用したディスク装置での高記録密度化や情報機器等での高回転精度化がさらに実現される。
次に、上記発明の実施の形態を、図面を参照しつつ説明する。
本実施形態の転がり軸受は、玉軸受を例に説明するが、ころ軸受など他の転がり軸受にも適用可能である。
本実施形態の転がり軸受は、図1に示すように、同軸に配設された内輪1及び外輪2の対向する軌道面間に複数の転動体である玉3が配設されて構成されている。
本実施の形態の玉数は12個に設定されている。
また、内輪1及び外輪2の軌道面及び玉3の形状誤差,玉3の寸法相互差は、できるだけ小さくなるように当該内輪1,外輪2,及び玉3が加工されている。 そして、上記構成の転がり軸受である玉軸受を使用すると、従来のように内輪1,外輪2,及び玉3の加工精度を高く設定することで軸受の回転精度が向上すると共に、本実施形態では、形状精度の向上とは別に玉数を12個に限定することで、少なくとも通常の内輪1及び外輪2の軌道面形状誤差の主な低周波山成分である、軌道面の形状誤差山成分が2〜10山までの形状誤差の影響を回避できる。この結果、さらに軸受の回転精度が向上する。
なお、上記実施の形態では、玉数が12個の場合を例示したが、上述の表1から分かるように2〜10の整数の約数を12と同様に4つ持つ18個、又は約数を3個もつ16個、さらには、約数を5個以上もつ24個,36個、48個等に個数を限定してもよい。
即ち、回転精度の他の性能である、軸受の剛性や負荷容量等の観点から上記個数のうちから適当な数を選択すればよい。
また、予め、加工装置で加工される内外輪1,2の軌道面形状誤差を測定して、本加工装置において主体となる形状誤差の山数の範囲を求め、例えば、その値が4と16であれば、その数を少なくとも約数に持つ16及び16の倍数となる32等の個数の玉数に設定すればよい。
また、高速耐久性と高速回転時の非回転同期成分の振れを小さくするためには、セラミック等のHvが900を超える表面硬さの玉を用い、且つ転動体数を12個または18個とした玉軸受が好ましい。
さらには、潤滑剤として微量油潤滑と組み合わせるのが好ましい。
グリース潤滑の場合は、潤滑剤の封入量を、軸受内の空間体積の10%未満、好ましくは8%以下、さらに望ましくは6%以下とするとよい。
このように封入する潤滑剤の量を規定することで、過剰な潤滑剤に基づく攪拌抵抗が抑えられて、さらに非回転同期成分が小さくかつその変動が少なくなる。この場合には、潤滑剤量の特定により非回転同期成分の低減が図られるために、玉数の限定は上述よりも緩和して、玉数を12個以上、特に12個以上でかつ偶数個であれば、有効に非回転同期成分の低減が図られる。
また、転動体数を12個や18個と多くしてもなるべく大きな玉を組み込めるように、アンギュラ玉軸受としてもよい。
また、転動体(玉)の加工精度向上の容易な球径の大きな転動体を組み込めるようにするために、内輪内径寸法は同じでも外輪外径寸法を従来よりも大きく設計した玉軸受としてもよい。
ここで、本願発明を、情報機器の一つである磁気ディスク装置のスピンドルモータなどに使用される玉軸受として、内径が3〜6mmφの玉軸受について適用してみたところ、玉(転動体)の径相互差が70nm以下(0.07μm以下)の鋼球を玉として採用したときに、非回転同期成分低減の効果が著しいことを確認した。更には、上記玉の径相互差が50nmさらには40nm以下に設定すると更に非回転同期成分の振れ低減の効果がさらに向上したことも確認した。
また、極限の非回転数同期成分の振れ低減を図るには、玉の径相互差30nm以下とすることが必要であることが分かった。
図17は、本願発明に基づきハードディスクのスピンドルモータ用の玉軸受(内径5mm、外径l3mm、幅3mm)の軸受について玉数を12個にした場合における非回転同期成分の振れ(NRRO)の程度を示す測定例であり、図18は、比較のために従来と同様に玉数8個とした場合の測定例であり、本願発明を採用することで従来に比べて非回転同期成分の振れ(NRRO)がどの程度改善されるかを確認した測定例である。
なお、図中Faとは、アキシアル荷重を意味する。
この図17及び図18の結果を見てわかるように、従来の8個玉のNRROが50から100nm(ナノメータ)であるのに対して、12個玉は50nm以下に改善されている。
また、軸受の外径寸法が同じであるならば、転動体を多く実装するためには転動体直径を小さくする必要がある。さらに、上記のように球径を小さくすれば、その分,内輪及び外輪を厚く設定することができ、内輪・外輪を厚くできれば、加工の高精度化や変形に対しても強くなり、より一層の高回転精度化を実現できるようになる。即ち、球径を小さくすることは非回転同期成分低減と併せて、内輪及び外輪の剛性増加の見地からも小型の軸受の回転精度の向上に有効である。
次に、転動体の数を、組み込まれる内輪1及び外輪2の軌道面形状誤差の主な低周波山成分を約数として多く持つ数と等しい個数に設定した転がり軸受を、ハードディスク装置のスピンドルモータに適用した第1の実施例について説明する。
図2は、そのスピンドルモータを表した断面図であり、ディスク5と一体となった回転体である円筒状のハブ6が、二つの転がり軸受A,Bを介して軸部材7に回転自在に支持されている。軸部材7は、軸を上下に向けてベース8に固定されて固定側部材を構成する。なお、スピンドルモータの使用は、上記軸が上下方向に向くことに限定されず、横向きで使用される場合もある。本例は、軸固定について説明しているが、軸回転でも良い。
上記二つの転がり軸受A,Bは、共に玉軸受であって軸部材7の軸方向に所定間隔を開けて並列し、それぞれ外輪2側がハブ6の内周面にすきまばめ等で固定され、且つ内輪1側が軸部材7にすきまばめ等で固定されている。すきまばめを採用すると、転動体(玉3)通過による玉軸受の振動が遮断されるので、スピンドルモータとしての非回転同期成分低減化が向上する。また、必要に応じて、外輪2及び内輪1は、圧入、接着、溶着等を併用してハブ6、軸部材7に固定してもよい。
上記各内輪1や外輪2の軌道面1a,2a、及び転動体である玉3は、公知の方法によって、回転精度を向上させるために、できるだけ形状誤差や寸法相互差が小さくなるように加工されている。
さらに、本実施例では、その内輪1や外輪2の軌道面1a,2aの形状誤差の主な低周波成分の誤差山数を約数に多くもつ数と等しい個数に玉数を限定している。
また、ハブ6の下端部内周面には円環状のロータ9が同軸に固定され、また、ロータ9よりも内径側に、ステータ10が所定間隙をあけて当該ロータ9と同心に配設されてモータ部が構成される。そして、そのステータ10はベース8に固定される。
なお、ロータ9側がステータ10の内周側に配される場合もある。
このようなスピンドルモータをもったハードディスク装置では、内輪1や外輪2の軌道面1a,2a、及び玉3は、できるだけ形状誤差や寸法相互差が小さくなるように形状精度を高くして加工されることで、軸受に起因するディスク5の振れの非回転同期成分が小さくなっていると共に、上述のように玉数を限定することで軸受A,B自体に起因する振れの非回転同期成分が更に小さくなって、その分だけハードディスク5の回転速度を高速化しても読み取り時のヘッドに対する振れが小さく抑えられて、高速・高密度化により対応可能となる。
ここで、3.5インチ又は2.5インチの磁気ディスク装置のスピンドルモータ用玉軸受に本発明を適用することを考えると、一般に内径φ6〜φ4mm、外径φ15〜φ8mmの玉軸受が多く用いられており、スペースの関係から玉数を18個以上入れるのは難しい。従って、玉数を12個に限定した玉軸受が実用上最適である。もっとも、球径を更に小さくすることなどにより、球数を16個や18個に設定することも十分実現可能な範囲である。
なお、従来、この種のスピンドルモータに使用される玉軸受では、組み込まれる玉数は6〜10個つまり10個以下であった。
即ち、スピンドルモータに使用される従来の玉軸受は、幅系列として通常
ISO 69X,68Xをベースに設計され、この幅系列における設計の標準は次のようになっている。
(1)転動体のP.C.D は、軸受断面の中央{(外径寸法+内径寸法)/2}近辺とする。
(2)転動体の寸法(直径)は、軸受断面幅{(外径寸法−内径寸法)/2}の45〜65%とする。
(3)転動体数は、軸受組立時の変形を考慮して、転動体P.C.D において転動体を円周上に並べた時の転動体中心間の長さがP.C.D 円周の50%付近となる個数を最大とする。
上記設計標準に基づく具体的な例として、スピンドルモータ用玉軸受として多く用いられている695では、外径13mm、内径5mmに対して、
・P.C.D =9mm {(13+5)÷2=9で軸受断面の中央となる}
・転動体直径:2mm
{(13−5)÷2=4で、転動体直径を2mmとすることで、軸受断面幅の50%(2/4=0.5)となる}
・転動体数:8個
{転動体P.C.D 円周長さ:9×π=28.274mm、転動体数の直径が2mmであるから8個並べたときの中心間距離:2×7=14、14/28.274=0.495(:49.5%)}
とすることで、上記従来の標準設計のすべてを満たしている。このように、これらの標準設計法からは、転動体直径を小さくして転動体数を12個等の10個を越える設計にする根拠はなく、非回転同期成分低減の対策として転動体数を12個等とすることは本願発明に基づく独自の設計と考えられる。
また、転動体(玉)の加工精度向上の容易な球径の大きな転動体を組み込めるようにするために、内輪内径寸法は同じでも外輪外径寸法を従来よりも大きく設計した玉軸受とすることもできる。
このように大きな寸法の玉を組み込めるように設計すると、小さな玉では玉自体の高精度加工がむずかしく、しかも搬送が困難となり組み立て上の取り扱いがむずかしくなるので、実用上の効果が大きい。とくに同一内輪内径寸法で、外輪外径を特寸に設計することは、アンギュラ玉軸受と違って従来の加工設備をそのまま用いることができ、しかも玉数を12個に増やすことが容易なため、非回転同期成分の振れ向上対策としてよりコスト低減の面からも一層優れている。
さらに付随効果として軌道輪が厚くなるので、組み込み時の変形も少なくなるなどの実用上の効果に優れる。例えば、従来のハードディスクスピンドルモータ用として多く使われている玉軸受695は内径φ5mm、外径φ13mm、幅4mmであり、玉数10個の場合では、玉径1/16インチ(φ1.588mm)が用いられているが、このままの内外径寸法で12個の転動体(玉)を入れようとすると、量産されている球径としてはφ1.2mmの玉しか入らない。したがって、例えば外輪外径寸法を特寸の14mmか15mmに設計すれば、現在量産されている1/16インチの玉がそのまま使用できる利点がある。
また、内輪内径寸法及び外輪外径寸法に制約を受け、外輪に特寸を適用するのが難しい場合には、玉径を現在量産されていないφ1.3あるいはφ1.4mmのような特寸の転動体(玉)を用い、12個の転動体を組み込んだ玉軸受とすることもできる。
このように、本願発明に基づき玉数を12個、16個、又は18個に設定することは、従来、上記用途の玉軸受に実施されていないので、従来のハードディスクスピンドル用の玉軸受に比べて振れの非回転同期成分がより低減することは明白である。
ここで、転動体数を12個等にする際、軸受組立時の変形を少なくするために上記従来の標準設計の(3)は必ず満足させなければならない。また、スピンドルモータの組立時における軸受軌道の変形強度や軌道面加工精度の向上を考えると内外輪は厚い方が良く、転動体P.C.D を軸受断面中央付近にして、転動体直径を小さくした方が好ましい。
次に、第2の実施例を図面を参照しつつ説明する。これは、ハードディスク装置のハイブリッド型動圧スピンドルモータに適用した場合である。なお、上記第1の実施例と同様な部品には同一番号を付して説明する。
図3は、そのスピンドルモータを表した断面図であり、基本構成は、上記第1の実施例と同様であるが、一方の玉軸受(図2中上側のAの玉軸受)の代わりに動圧軸受を採用したハイブリッド型スピンドルモータである。
即ち、ディスク5と一体となった回転体である円筒状のハブ6が、転がり軸受B及び動圧軸受Cを介して軸部材7に回転自在に支持されている。軸部材7は、軸を上下に向けてベース8に固定されて固定側部材を構成する。
上記転がり軸受Bは、玉軸受であって軸部材7の軸方向に所定間隔を開けて並列し、外輪2側がハブ6の内周面にすきまばめ等で固定され、且つ内輪1側が軸部材7にすきまばめ等で固定されている。すきまばめとすると、転動体(玉3)通過による玉軸受の振動が遮断されるので、スピンドルモータとしての非回転同期成分が向上する。また、必要に応じて、外輪2及び内輪1は、圧入、接着、溶着等を併用してハブ6、軸部材7に固定してもよい。
上記各内輪1や外輪2の軌道面1a,2a、及び転動体である玉3は、公知の方法によって、回転精度を向上させるために、できるだけ形状誤差や寸法相互差が小さくなるように加工されている。
さらに、本実施例では、その内輪1や外輪2の軌道面1a,2aの形状誤差の主な低周波成分の誤差山数を約数に多くもつ数と等しい個数に玉数を限定しており、非回転同期成分のフレキシブルのさらなる低減を図っている。
また、図3中軸部材7の上側を支承する軸受は、動圧軸受であり、動圧軸受部品としてのスリーブ21がハブ6の内周面にやきばめ等によって同軸に固定されると共に、そのスリーブ21の内周面に動圧発生用の溝20が形成されている。 図3では、スリーブ21の内周面に動圧発生用の溝20を設けた場合を例示しているが、スリーブ21の内周面に所定の間隙を持って対向する軸部材7の外周面に設けてもよい。また、軸回転の構造でも良い。
このように、軸部材7を支承する二つの軸受の一方を本願発明に基づく玉軸受を適用した場合においても、スピンドルモータの回転精度が向上したことを確認した。
他の構成及び作用効果については、上記第1の実施例と同様である。
なお、第2の実施例では、ベース8に近い側を本発明に基づく玉軸受とし、遠い側を動圧軸受としているが、ベース8に遠い側を本発明に基づく玉軸受とし、近い側を動圧軸受としても良い。
次に、スピンドル装置に適用した実施例について図面を参照しつつ説明する。なお、上記実施例と同様な部品には同一の符号を付して説明する。
本実施例のスピンドル装置は、図13に示すように、軸部材7にスリーブ35が2個の玉軸受A,Bを介して回転自在に支持されて構成される。ここで、軸部材7が固定部材又は回転体を構成し、且つスリーブ35が回転体又は固定部材を構成する。
上記軸部材7外周には、2個の軸受に対応した2条の軌道33が設けられ、その軌道33の外径側且つ同軸に各軸受の外輪2が配置されて、軸部材7の軌道33と外輪2との間にそれぞれ12個の玉3(転動体)が介挿されている。なお、各軸受A,Bに組み込む玉数は16個や18個でもよい。
上記2個の外輪2は、スリーブ35に圧入又はすきまばめで取り付けられると共に、接着や溶接によって当該スリーブ35に固着している。
上記構成のスピンドル装置では、各軸受A,Bに組み込む玉数を12個等に限定することで、上述のように、軸受A,Bの軌道面の加工誤差に起因する非回転同期成分を小さく抑えられ、もってスピンドル装置の非回転同期成分が小さくなる。
また、内輪1がないので、転動体を12個としても外輪2の肉厚を厚く設計でき、外輪2の研削時の加工が容易となる。
次に、スピンドル装置に適用した別の実施例を図面を参照しつつ説明する。なお、上記実施例と同様な部品には同一の符号を付して説明する。
本実施例のスピンドル装置は磁気ディスク用スピンドルモータに適用した例である。なお、上記実施例と同様な部品には同一の符号を付して説明する。
本スピンドル装置は、図14に示すように、軸部材7とスリーブ35とが同軸に配置され、軸部材7の外周面に内径側の2条の軌道33を直接,設け、且つスリーブ35内周面に外径側の2条の軌道38を直接,設けて、その軸部材7とスリーブ35との間に転動体としての玉3をそれぞれ配置したものである。
即ち、2個の軸受の各内輪1及び外輪2を省略して、直接軸部材7とスリーブ35との間にそれぞれ玉3(転動体)を介挿させたものである。
このスピンドル装置では、外輪2が無い分だけ径の大きな転動体(玉3)が使用することができる。また、玉3の径を変更しない場合には、スリーブ35の外径即ちスピンドル装置の外径寸法を小さく設計できる。また、玉3の径及びスリーブ35の径を変更しない場合には、軸部材7の軸径を太く設計できスピンドル装置の曲げ剛性を高く設定できるようになる。
ここで、本実施例では、軸部材7に設ける二つの軌道33間の軸方向間隔と、スリーブ35に設けた二つの軌道38間の軸方向間隔とをわずかに違えておくことで、二つの玉軸受A,Bの各玉3に予圧を付与して軸受のがたつきを防止している。
さらに、上記各対向する2条の軌道面33,38間に配置する玉数、つまり各軸受に組み込む玉数は、12個,16個又は18個に特定することで、軸部材7及びスリーブ35に設けた各軌道33,38の加工誤差に起因する非回転同期成分が小さく抑えられる。これによってスピンドル装置の非回転同期周期成分の振れが小さくなる。
そして、上記図14に示すように、軸部材7を、ステータ10が固定されているベース8に取り付け、また、スリーブ35外周に、ロータ9が固定されていると共にディスク(不図示)を搭載するハブ6を取り付けることでスピンドルモータが組み立てられる。
上記ハブ6は、上記スリーブ35外径よりも大径の挿通孔25を有し、その挿通孔25の軸方向途中位置に周方向に沿った円環状の突起部39が形成されていて、その突起部39に上記スリーブ35外周を固着する。固着は、突起部39内径面とスリーブ35とをすきばまめ又は圧入で取り付け、接着又は溶接で固定することで行う。
このとき、上記突起部39に固着するスリーブ35の軸方向位置として、上記転動体位置(軌道を設けた位置)を避けることで、スリーブ35にハブ6を組み付ける際の軌道の変形を防止している。
なお、スリーブ35をハブ6に取り付けるための突起部39は一つである必要はなく複数個設けてもよいし、スリーブ35側に設けてもよい。
このスピンドル装置を使用すると、スピンドルモータの組み立ては、軸部材7にベース8を、スリーブ35外周にハブ6を取り付けるだけでいいので、モータの組み立てが簡単になる。
また、軸部材7に直接,内径側の軌道を設けてあるので、玉3(転動体)のピッチ円を小さく設計できてトルクが小さくなり、また、玉数を特定することで、軌道の加工誤差に起因するうねりの影響を受けにくくなり、磁気ヘッドの高精度位置決めが容易となる。
次に、スピンドル装置についての第1の実施例を図面を参照しつつ説明する。なお、上記各実施例と同様な部品には同一の符号を付して説明する。
図5はスピンドル装置を表した断面図であり、回転体であるハブ6の中心に円筒状の挿通孔25が形成され、その挿通孔25に相対的に固定部材である軸部材7が挿入されている。そして、挿通孔25と軸部材7外周との間に二つの支持軸受A,Bが介挿されることで、上記ハブ6は軸部材7に回転自在に支持されている。また、軸部材7の一端部はベース8に固定されている。なお、本スピンドル装置には、モータ部(ロータ9やステータ10)が取り付けられる。
さらに、上記ハブ6に複数個のディスク5が搭載されている。このディスク5には、本実施例では、ディスク単位にサーボ信号が個々に書き込まれている。
上記二つの支持軸受A,Bは、ともに玉軸受であって互いに軸部材7の軸方向に所定間隔を開けて並列し、それぞれ外輪2側がハブ6の内周面に取り付けられ且つ内輪1側が軸部材7に取り付けられている。
内輪1は、軸部材7外周に対して、しまりばめによる圧入で取り付けられ、さらに、輸送の際等に付与される外部衝撃で予圧抜けにならないように圧着後に接着されている。即ち、玉軸受に予圧を掛けるために、内輪1は軸部材7に固着させている。
一方、二つの外輪2は、ハブ6の挿通孔25に対して、すきまばめで取り付けられる。このとき、上記ハブ6挿通孔25には周方向に沿った環状の突起部26が設けられて段差が形成され、上記二つの外輪2の各端面がこの段差に当接することで両外輪2の位置決めがされると共に軸受A,Bに予圧が付与され、軸受A,Bのがたつきが除去されている。
ここで、外輪2をすきまばめで取り付け、且つ内輪1をしまりばめで取り付けているのは、ハブ6は、軽量化等のためにアルミ合金製であり、切削により加工されて加工精度が多少劣るのに対して、軸部材7外周面は研削仕上で精度良く加工されているので、内輪1側を固着させた方が軌道の変形の影響が少ないためである。
また、上記各玉軸受A,Bは、その内輪1と外輪2との間に介挿される玉3(転動体)の数が、12,16,又は18個のいずれかの軸受を使用するのが好ましい。このように玉数を特定した玉軸受A,Bを使用することで、上述のように玉軸受A,Bの内輪1及び外輪2の軌道面形状誤差による非回転同期成分の影響を小さくすることができ、各玉軸受単体の非回転同期成分が小さくなって、これにより、さらにスピンドル装置全体の非回転同期成分を小さくすることができる。
ここで、上記各内輪1や外輪2の軌道面、及び転動体である玉3は、公知の方法によって、回転精度を向上させるために、できるだけ形状誤差や寸法相互差が小さくなるように加工されている。
すきまばめ部分Dには、空気、油、グリース等の流体又は潤滑材が充填されている。
なお、外輪2とハブ6の挿通孔25との間のすきまばめ部分Dに、緩衝手段を構成する油等の潤滑剤を充填しておくと、玉軸受A,Bの外輪2を経由してハブ6さらにはハブ6に搭載されたディスク5に伝達する振動が潤滑剤によって減衰され、外輪2をハブ6にすきまばめで取り付けても、ハブ6(ディスク5)回転時の当該ハブ6の非回転同期成分を更に低減することができる。さらにまた、このように、すきまばめ部分Dに潤滑剤を充填することは、すきまばめ部分Dにスクイズフィルムダンパを介装したのと同様な作用をするので、輸送時等に外部から衝撃荷重が作用しても、軸部材7に対してハブ6の中心がずれにくくなるという効果もある。ここで、緩衝手段を構成する流体は油等の潤滑剤に限定されず空気であってもよい。空気、油、グリース等を適宜,選択して使い分ける。
なお、ハブ6が回転体として外輪2が回転する装置構成であるので、上記潤滑剤としては、油よりも粘性の高いグリースを採用した方がスピンドル作動時に潤滑剤の飛散が少なくなり、当該潤滑剤によるダンパ効果の寿命が長くなる。
このとき、使用するグリースとしては、稠度が2以上好ましくは4以上のグリースを使用すると、遠心力によるグリースの飛散が低減して、より好ましい。
もっとも、ハブ6が固定部材となり、且つ軸部材7が回転体となって該軸部材7にディスク5が搭載される構成のスピンドル装置の場合には、外輪2は回転しないので、潤滑剤の遠心力による飛散について考慮する必要はない。
また、上記実施例では、内輪1をしまりばめで圧入して軸部材7に取り付け且つ接着しているが、内輪1を軸部材7に対して圧入又はすきまばめで取り付けた後に、レーザを使用したスポット溶接にて固着してもよい。
このとき、内輪1を軸受に対してすきまばめで取り付け且つスポット溶接した場合には、内輪1軌道面の圧入による変形が避けられるため、取り付けによる軸受の非回転同期成分を低減することができる。
また、上述のように内輪1を接着で固着する代わりにレーザによるスポット溶接で固着した場合には、不均一な接着による軸受の軌道輪の変形が防止されると共にアウトガスの発生がない等の利点が得られる。
また、接着による場合には硬化に要する時間が必要となるが、溶接による固着の場合にはそのような時間が不要であるので、固着作業に要する時間が短くなる。さらに、接着による場合に比べて固着後の経時変化が小さいのでスピンドルの高寿命化に繋がる。
また、ハブ6の下端部内周面には円環状のロータ9が同軸に固定され、また、ロータ9よりも内径側に、ステータ10が所定間隙をあけて当該ロータ9と同心に配設される。そして、そのステータ10はベース8に固定される。
このようなスピンドル装置を使用した磁気ディスク装置では、内輪1や外輪2の軌道面、及び玉3は、できるだけ形状誤差や寸法相互差が小さくなるように形状精度を高くして加工されることで、軸受A,Bに起因するディスク5の振れの非回転同期成分が小さくなっていると共に、上述のように玉数を限定することで軸受自体に起因する振れの非回転同期成分が更に小さくなり、さらに、軸受組み付けに起因するスピンドル装置自体の非回転同期成分も抑えられるので、その分だけディスク5の回転速度を高速化しても読み取り時のヘッドに対する振れが小さく抑えられて、高速・高密度化により対応可能となる。
また、本実施例のスピンドル装置のハブ6には、複数のディスク5が搭載されるが、各ディスク5毎にサーボ信号を記録してあるので、スピンドル装置の搬送等に付与される衝撃で各ディスク5の中心が若干ずれるようなことがあっても、確実に各ディスク5へのアクセスが可能となっている。
ここで、搭載されるディスク枚数等によってスピンドル装置を組み込む機種毎にハブ6外周のディスク取付け部の形状やモータのロータ9等の形状等が異なる場合には、図6に示すような構成に、スピンドル装置をユニット化しておくことも出来る。
即ち、スピンドルモータのハブ6が、玉軸受を組み付けるためのスリーブ27と、そのスリーブ27の外周に取り付けられてディスク5を搭載するハブ本体28とから構成される。上記スリーブ27の内周面には、その軸方向中央部に軸受外輪2を当接する内向きフランジ27aが設けられていると共に、当該スリーブ27の外周面には上記ハブ本体28を取り付けるための外向きフランジ27bが設けられている。なお、この場合には、スリーブ27が回転体を構成する。
また、固定部材を構成する軸部材7の一端部に取り付けられるベース8もモータの種類に応じて適宜変更する。
このようにスピンドル装置を構成すると、軸受周りであるスピンドル装置が統一されるので、種々のディスク装置に対して非回転同期成分が小さいスピンドル装置の共用ができたり、軸受製造者などで一貫してスピンドル装置まで製造することができる。
このため、量産性に優れ、且つスピンドルモータの主要部であるスピンドル装置が、ユニットとして軸受の製造及びその軸受の組み付けが行われることで、当該スピンドル装置のユニットとしての非回転同期成分の精度保証ができるという利点がある。
さらに、モータ組み立て時には従来のような接着工程がなくなるので、モータメーカ(電気メーカ)での組み立てが極めて容易となる。
ここで、本実施例のスピンドル装置においては、スリーブ27に対するハブ本体28の取り付けは、スリーブ27の外周にハブ本体28をすきまばめで取り付け、且つスリーブ27外周の外向きフランジにねじ接合することで固定することで、ハブ本体28取り付けによる玉軸受A,Bの外輪2等の変形を回避している。
以上のようなスピンドル装置を備えたスピンドルモータを、MR(磁気抵抗)及びGMR(巨大磁気抵抗)のヘッドを使用した磁気ディスク5に使用すると、トラックピッチを数μm以下の極限まで狭くすることに対応できるので、磁気ディスク装置の記録面密度を著しく高めることができる。
ここで、上記図6に示す実施例では、内輪1を軸部材7に直接固着する代わりに、内輪1に予圧をかけた状態で軸方向に固定するために、両内輪1の端面に対して軸方向からそれぞれブッシュ29を当接し、そのブッシュ29と軸部材7とをレーザ溶接又は接着により固着することで間接的に内輪1を軸部材7に固定させている。
このようにすると、外輪2をすきまばめでスリーブ27に取り付けられると共に内輪1も軸部材7にすきまばめで取り付けることができ、嵌合による軸受の内外輪2,1の変形が避けられ、スピンドル装置の非回転同期成分低減がより向上する。
また、ブッシュ29を軸部材7に固着することで内輪1を軸部材7に固定しているので、内輪1を軸部材7に直接固着することによる内輪1の軌道面の変形が避けられる利点もある。なお、ブッシュ29は、軸方向から内輪1の端面に当接するので当該ブッシュ29の当接によって内輪1の軌道面が変形することがない。
この場合も、接着剤で接着する代わりに溶接を用いると、スピンドル装置の組み立て時間が短時間で完了すると共に、アウトガスの心配がないので作業雰囲気の改善に繋がる等の利点がある。
なお、ブッシュ29を溶接する代わりに、低融点の金属を用いて内輪1と軸部材7とを蝋付けするようにしてもよい。
また、ブッシュ29と内輪1との間にOリングやバネ部材等の弾性体を介挿して軸方向の振動を吸収させるようにしてもよい。
ここで、上記説明したような、各固着方法や、すきまばめ部分に潤滑剤を充填して軸受A,Bからハブ6に伝達される振動等を減衰すること等は、下記に説明する各スピンドル装置にも適宜適用でき、上記と同様な作用・効果を得ることができる。
次に、スピンドル装置についての第2の実施例について図面を参照しつつ説明する。なお、上記実施例と同様な部品には同一の符号を付して説明する。
スピンドル装置の基本的な構成は、図7に示すように、上記第1の実施例と同様であるが、一方の支持軸受としてラジアル動圧軸受Cが使用されている点が異なる。
即ち、本実施例の玉軸受Bは、第1の実施例の玉軸受と同じ構成であって、玉数が12個,16個,又は18個の玉軸受である。但し、外輪2をハブ6にすきまばめで取り付けると共に内輪1も軸部材7に対してすきまばめで取り付けられている。このとき、内輪1の一方の端面はベース8に設けた段差部8aに当接させ、外輪2の一方の端面を挿通孔25に設けた環状の突起部26に当接させることで玉軸受Bに予圧を付与して玉軸受のがたつきを取り除いている。
また、一方のラジアル動圧軸受Cは、スリーブ21の内周面に動圧発生用の溝20が設けられたもので、軸部材7の他端部側に潤滑剤飛散防止用の蓋板29がハブ6の挿通孔25に取り付けられている。なお、動圧発生用の溝は軸外周面に設けてもよい。
その他の基本構成は、上記第1の実施例と同様である。
このスピンドル装置では、玉数を特定することで、玉軸受単体の非回転同期成分が小さく抑えられる。さらに、玉軸受Bの使用が1個だけであり、他方の支持軸受Aが非回転同期成分をほとんど受けない動圧軸受Cであるので、二つの玉軸受で支持する場合のような軸受相互の組み付け誤差による悪影響が回避されるのに加えて、内輪1及び外輪2ともすきまばめで取り付けられるため、接着による軌道輪変形の悪影響もないので、非回転同期成分が極めて小さいスピンドル装置が得られる。
さらに、ディスク5の重心(中心)の位置を動圧軸受Cの配設位置に設計しているので、ディスク5は玉軸受の振動の影響が小さく抑えられて、スピンドル装置のハブ6に搭載するディスク5部分の非回転同期成分は、動圧軸受なみの性能を得ることができる。
その他の構成及び作用・効果は上記第1の実施例と同様である。
次に、スピンドル装置についての第3の実施例について図面を参照しつつ説明する。なお、上記実施例と同様な部品には同一の符号を付して説明する。
本実施例は、図8に示すように、上記第1の実施例と同様に、図外の複数個のディスク5を搭載するハブ6が、二つの玉軸受A,Bを介して固定部材である軸部材7に回転自在に支持されている。
その二つの玉軸受A,Bの各内輪1は、それぞれ軸部材7外周に接着で固定されている。一方、外輪2は、ハブ6の挿通孔25にすきまばめで取り付けられる。
このとき、ハブ6に設けた挿通孔25のベース8側端部には内向きフランジ31が設けられ、この内向きフランジ31によって段差が形成されて、この段差に一方の軸受Bの外輪2の一方の端面を当接させることで当該軸受Bに予圧を与えている。さらに、他方の軸受Aの外輪2に予圧をかけた状態で挿通孔25の他方の開口部からリング状の押え部材32を取り付けて両軸受A,Bに予圧を与えている。
この予圧を与えることで、すきまばめで外輪2をハブ6に取り付けても、当該すきまばめによって固定される外輪2のハブ6に対する揺動を抑えることができる。また、軸方向から予圧をかけているので、この予圧の付与によっては外輪2の軌道面を変形させることはない。
なお、2個の内輪1の位置決めのために、両内輪1の間に間座を介挿させてもよい。又は、間座の代わりの突出部を軸部材7に設けておいてもよい。
その他の構成・作用等は、上記各実施例と同様である。
ここで、上記玉軸受A,Bの玉数は、12,16,又は18個とする方が、軌道輪の加工誤差によるうねりの影響を受けにくく、その分,スピンドル装置の非回転同期成分を低減することができるが、本実施例のスピンドル装置に設ける軸受A,Bの玉数は上記個数に必ずしも限定されない。上記のように軸受を組み付けるだけでもスピンドル装置の非回転同期成分の低減効果はある。
次に、スピンドル装置についての第4の実施例について図面を参照しつつ説明する。なお、上記実施例と同様な部品には同一の符号を付して説明する。
本実施例のスピンドル装置の基本構成は、図9に示すように、上記第3の実施例のスピンドル装置と同様な構成である。但し、内輪1を設けることなく、軸部材7外周に直接,対応する2条の軌道面33を設けたものである。
他の構成及び作用・効果は上記第3の実施例のスピンドル装置と同様である。 ここで、この実施例のスピンドル装置では、軸受とハブ6、さらにはモータ部までを含めたスピンドル装置を、軸受製造メーカ等の一つの場所で組み立てユニット化することを想定した例である。このようにすることで、軸受周りが統一できるため、軸受製造メーカ等で上記構造のスピンドル装置まで製造することが可能となり、このように一つの場所で製造できるということは、量産性に優れ、かつ、ユニットとしての非回転同期成分の精度保証ができるという利点がある。
また、モータ組み立ての際に、従来のような軸受部分の接着工程が不要となるると共に上記構成のスピンドル装置までの組み立てが完了しているので、ディスク装置メーカでの組み立てが極めて容易となる。
また、この例のスピンドル装置では、内輪1がなく、且つ軸部材7に直接軌道33を設けているために、内径側の軌道33を高精度に加工できると共に、スピンドル装置の部品点数が減少してコストが安くなる。
また、軸部材7に直接,内径側の軌道33を設けるので、玉軸受の玉3(転動体)のピッチ円が小さくなり、軸受のトルクが小さくなると共に、同径の玉3を同じ個数だけ組み込んだ軸受を使用することを想定した場合であっても、内輪1が無い分だけスピンドル装置の外径寸法を小型化できる。
次に、スピンドル装置についての第5の実施例について図面を参照しつつ説明する。なお、上記実施例と同様な部品には同一の符号を付して説明する。
本実施例のスピンドル装置の基本構成は、図10に示すように、上記各実施例のスピンドル装置と同様であり、軸部材7に対し二つの玉軸受A,Bを介してハブ6が支持される。
本実施例のベース8は、軸部材7を取り付ける穴の端部(図10中上側)に、軸受側に向かう円環状の段差部8aを設けておき、一方の軸受Bの内輪1の端部を当接させて位置決めするようにしている。そして、二つの玉軸受A,Bの各内輪1は、軸部材7に対して、圧入又はすきまばめで取り付けた後に、接着や溶接で固着されている。
また、二つの玉軸受A,Bの各外輪2は、それぞれ挿通孔25にすきまばめで取り付けられる。
ハブ6の挿通孔25の軸方向途中位置には一方の玉軸受Bの外輪2に当接させる円環状の突起部26を設けられ、一方の玉軸受Bの外輪2の位置決めを行うと共に当該玉軸受に予圧を付与する。
上記挿通孔25に設けた突起部26と他方の玉軸受Aの外輪2との間には、皿ばね等からなるばね部材34が介挿されている。これによって、他方の玉軸受Aに対して一方の玉軸受Bとは反対方向に予圧が付与されている。なお、上記ばね部材34としては、皿ばね以外に、コイルばね等が使用できる。
この予圧によって、両玉軸受A,Bのがたつきを取ると共に、すきまばめによる外輪2とハブ6との間のがたつきを抑えている。
なお、二つの軸受A,Bの内輪1間に間座を設けて2個の内輪1、特に図10中上側の軸受Aの内輪1の位置決めを行い、位置決め精度を向上させてもよい。 他の構成及び作用・効果は、上述の各スピンドル装置と同様である。
次に、スピンドル装置についての第6の実施例について図面を参照しつつ説明する。なお、上記実施例と同様な部品には同一の符号を付して説明する。
本実施例のスピンドル装置の基本構成は、図11に示すように、上記第5の実施例のスピンドル装置と同様である。但し、各軸受の内輪1を省略し、代わりに軸部材7に2条の軌道33を設けたものである。
他の構成及び作用は上記第6の実施例のスピンドル装置と同様である。
ここで、この実施例のスピンドル装置は、軸受とハブ6、さらにはモータ部品までを含めたスピンドル装置を、軸受メーカ等の一つの場所で組み立てユニット化することを想定した例である。このようにすることで、軸受周りが統一できるため、軸受製造メーカ等の一か所で上記スピンドル装置の構成まで製造することが可能となり、このように一つの場所で製造できるということは、量産性に優れ、かつ、ユニットとしての非回転同期成分の精度保証ができるという利点がある。
また、モータ組み立ての際に、従来のような軸受部分の接着工程が不要となるると共に上記構成のスピンドル装置までが組み立てが完了しているので、ディスク装置メーカ等での組み立てが極めて容易となる。
また、この例のスピンドル装置では、内輪1がなく、且つ軸部材7に直接軌道を設けているために、軌道33を高精度に加工できると共に、スピンドル装置の部品点数が減少してコストが安くなる。
また、玉軸受A,Bの玉3(転動体)のピッチ円が小さくなるために、軸受のトルクが小さくなると共に、軸受外径が小さくなり、当該スピンドル装置さらにはディスク装置の小型化が図られる。即ち、小型のディスク装置に好適なスピンドル装置である。
なお、非回転同期成分がそれほど重要でない場合には、外輪2をハブ6に接着して固定してもよい。
次に、スピンドル装置についての第7の実施例について図面を参照しつつ説明する。なお、上記実施例と同様な部品には同一の符号を付して説明する。
本実施例のスピンドル装置は、図12に示すように、上記第6の実施例のスピンドル装置に基づきユニット化した例である。そして、ユニット化をするために軸受外輪2とハブ6との間に、回転体を構成するスリーブ35を設け、このスリーブ35に各軸受の外輪2を取り付けている。
そのスリーブ35内周面には、上記円環状の突起部26に代わりに、当該スリーブ35内周面の周方向に沿った環状の溝部が設けられ、その溝部にスナップリング36が取り付けられることで段差部が形成され、その段差部で上述のようにして各外輪2に予圧を付与すると共に、各外輪2をすきまばめで上記スリーブ35内周面に取り付けても外輪2とスリーブ35との間のがたつきを防止している。
そして、このユニット化したスピンドル装置を、ディスクを搭載するハブ6に取り付ける場合には、スリーブ35を、ハブ6の挿通孔25に圧入又はすきまばめで取り付け接着やスポット溶接で固着する。
このようにスピンドル装置をユニット化すると、軸受製造メーカで、スピンドル装置のユニットが製造でき、当該軸受製造メーカで軸受の精度を保証したスピンドル装置のユニットを提供可能となる。また、簡単な構成でスピンドル装置のユニット化が図られている。
そして、モータ組み立て時は、上述のようにユニットをハブ6に取り付けるだけで組み立てが完了する。
なお、ハブ6側が回転して軸部材7を固定部材として説明しているが、軸部材7が回転体とするスピンドル装置であってもよい。また、スピンドルモータのモータ構造は、周対向モータに限定されず、平面対向モータであってもよい。
なお、本発明に基づくスピンドル装置は、ディスク装置のスピンドルモータに使用するばかりでなく、VTR用軸受ユニット等の他の情報機器にも使用することもできる。
また、転動体数として12個または18個の玉を用いると軌道輪の変形の影響を受け難いので非回転同期成分の振れが小さい。しかも、玉材質にセラミックを用いると、質量が軽いため高速回転でのスピン摩擦が小さいので摩擦トルクが小さいうえ、しかも玉の硬さが高いので高速での長時間の回転でも損傷が少なく、振動や騒音の上昇がほとんどない。
また、軸回転の構造でもよい。また、モータ構造は平面対向モータでもよい。
さらに、アンギュラ玉軸受にすると、転動体数を12個または18個にしても、大きな直径の玉を用いることができ、スピンドルの剛性を高められる。また、直径の大きな玉は精度の向上が容易なため、実用上の効果が大きい。
さらにまた、各軸受内に封入する潤滑剤の量を、軸受内の空間体積の10%未満、好ましくは8%以下、より望ましくは6%以下とすることで、さらに非回転同期成分の低減及び変動の低減を図ることができる。
なお、上記のハードディスク用スピンドルモータに転動体を12個、16個又はl8個の玉軸受を適用するにあたっては、当然のことながら、支持軸受の外輪及び内輪の一方をすきまばめとすることに限定する必要はない。すなわち、従来同様外輪、内輪とも接着あるいは圧入などの手段により固着しても、従来のスピンドルモータに比べて非回転同期成分の振れが向上する。
また、上記全実施例で使用される転動体について、セラミック等を使用することで表面硬さがHv900を超えるものを使用することで、枯渇潤滑下でも転動体表面の劣化が少なくなり、しかも輸送時や軸受使用時の際のフレッチングが生じにくくなり、長時間使用した際に、軸受に起因する騒音上昇を抑制できる。
本発明の実施の形態に係る転がり軸受を説明するための図である。 本発明に係る軸受を組み込んだハードディスク装置のスピンドルモータの一例を示す断面図である。 本発明に係る軸受を組み込んだハードディスク装置のスピンドルモータの別の例を示す断面図である。 内外輪軌道面の誤差振幅を山数毎に分析した図である。 本発明の実施例に係るスピンドル装置を示す図である。 本発明の実施例に係るスピンドル装置を示す図である。 本発明の実施例に係るスピンドル装置を示す図である。 本発明の実施例に係るスピンドル装置を示す図である。 本発明の実施例に係るスピンドル装置を示す図である。 本発明の実施例に係るスピンドル装置を示す図である。 本発明の実施例に係るスピンドル装置を示す図である。 本発明の実施例に係るスピンドル装置を示す図である。 本発明の実施例に係るスピンドル装置を示す図である。 本発明の実施例に係るスピンドル装置を示す図である。 従来のスピンドル装置を説明するための図である。 従来のスピンドル装置をユニット化した場合の例を説明するための図である。 本願発明に基づく非回転同期成分の振れの改善程度を示す図である。 従来の場合における非回転同期成分の振れの程度を示す図である。 非回転同期成分と潤滑剤の量との関係を示す図である。
符号の説明
1 内輪
1a 軌道面
2 外輪
2a 軌道面
3 玉(転動体)
5 ディスク
6 ハブ
7 軸部材
A,B 玉軸受
C 動圧軸受

Claims (6)

  1. 内輪と外輪との間に複数の転動体が介挿される転がり軸受において、上記転動体の数を、組み込まれる内輪及び外輪の軌道面形状誤差の主な低周波山成分の山数の少なくとも3つを約数として持つ数と等しい個数に設定することを特徴とする転がり軸受。
  2. 情報機器に使用される転がり軸受であって、内輪と外輪との間に介装される転動体の数を、12個、16個又は18個に設定したことを特徴とする転がり軸受。
  3. ハードディスク用スピンドル装置に使用される玉軸受であって、内輪と外輪との間に介装される転動体の数を、12個、16個又は18個に設定したことを特徴とする転がり軸受。
  4. 内輪と外輪との間に複数の転動体が介挿されると共に潤滑剤が封入される転がり軸受において、上記転動体の数を12個以上に設定すると共に、上記封入される潤滑剤を、軸受内の空間体積の10%未満に抑えたことを特徴とする転がり軸受。
  5. 内輪と外輪との間に複数の転動体が介挿されると共に潤滑剤が封入される転がり軸受において、上記転動体の数を12個以上に設定すると共に、上記各転動体の表面硬さはHv900を超えることを特徴とする転がり軸受。
  6. ディスクを搭載する回転体が、固定部材に2個以上の支持軸受を介して回転自在に支持され、且つ、上記支持軸受の少なくとも一つは玉軸受であるスピンドル装置において、
    上記玉軸受を構成する外輪及び内輪の少なくとも一方はすきまばめで、回転体又は固定部材に取り付けられることを特徴とするスピンドル装置。
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