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JP2005263664A - 光学活性な3−ニトロアルキルマロン酸エステル誘導体の製造方法 - Google Patents

光学活性な3−ニトロアルキルマロン酸エステル誘導体の製造方法 Download PDF

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JP2005263664A
JP2005263664A JP2004076692A JP2004076692A JP2005263664A JP 2005263664 A JP2005263664 A JP 2005263664A JP 2004076692 A JP2004076692 A JP 2004076692A JP 2004076692 A JP2004076692 A JP 2004076692A JP 2005263664 A JP2005263664 A JP 2005263664A
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Keiji Maruoka
啓二 丸岡
Takashi Oi
貴史 大井
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Nagase and Co Ltd
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Nagase and Co Ltd
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Abstract

【課題】 光学活性なγ−アミノ酸およびその誘導体を容易に製造し得る、光学活性な3−ニトロアルキルマロン酸エステル誘導体を、すぐれた光学純度でかつ効率的に製造することのできる方法を提供すること。
【解決手段】 光学活性な3−ニトロアルキルマロン酸エステル誘導体の製造方法が開示されている。本発明によれば、所定構造のニトロ化物とマロン酸エステルとの共役付加に際し、無機塩基の存在下、以下の構造:
【化1】
Figure 2005263664

を有する光学活性な四級アンモニウム塩を相間移動触媒として使用することにより、γ−アミノ酸誘導体への変換が容易な、光学活性な3−ニトロアルキルマロン酸エステル誘導体をより効率的に製造することができる。
【選択図】 なし

Description

本発明は、光学活性な3−ニトロアルキルマロン酸エステル誘導体の製造方法に関し、より詳細には、軸不斉を有する光学活性な4級アンモニウム塩を相間移動触媒として用いる、光学活性な3−ニトロアルキルマロン酸エステル誘導体の製造方法に関する。
アミノ酸は、分子内にアミノ基(−NH)とカルボキシ基(−COOH)とを有する化合物の総称である。特に、アミノ基とカルボキシ基とが同一炭素原子に結合しているものをα−アミノ酸という。他方、カルボキシ基が結合する炭素原子に対し、アミノ基が順次隣接する炭素原子に結合してなるアミノ酸を、アミノ基が結合する炭素原子の順序にしたがってβ−、γ−、δ−アミノ酸という。
上記アミノ酸のうち、カルボキシ基が結合する炭素原子とアミノ基が結合する炭素原子との間に他の1つの炭素原子が存在してなる、代表的なγ−アミノ酸としてはγ−アミノ酪酸(GABA)が知られている。GABAは神経伝達物質として考えられている重要なアミノ酸の1つであり、精神不安または痴呆症を予防するための物質として知られている。さらに、近年では、GABAは、高血圧、高血糖または高脂血症のような疾患に対しても、その予防と改善に有利に機能すると言われている。このように、疾患に対する予防または治療を目的としたγ−アミノ酸およびその誘導体の有用性が注目されつつあり、特に、光学活性なγ−アミノ酸およびその誘導体は、近年、医薬品または医薬品中間体としての利用が特に期待されている。
光学活性なγ−アミノ酸およびその誘導体の有用性が認識される一方で、従来より、光学活性なγ−アミノ酸およびその誘導体を製造するためのいくつかの方法が知られている(例えば、非特許文献1)。具体的には、例えば、一旦γ−アミノ酸のジアステレオマー塩を作製しこれを光学分割する方法(古典的光学分割法);γ−アミノ酸のラセミ体を、一方の鏡像異性体にのみ特異的に反応する酵素で処理する方法(酵素法);光学活性な天然物質から目的のアミノ酸を化学的に合成する方法(天然物質からの合成法);および目的のアミノ酸を不斉合成により製造する方法(不斉合成法);が挙げられる。
しかし、光学活性なγ−アミノ酸およびその誘導体を工業的に製造する場合、上記のような方法はいずれも問題を含んでいる。例えば、上記古典的光学分割法では、目的の鏡像異性体を取り除いた後の他方の異性体は不要のため、廃棄せざるを得ないここと;上記酵素法は、使用する酵素の選択性が必ずしも高いとは言えず、収率を高めることが困難であること;天然物質からの合成法では、目的のアミノ酸を得るまでに多くの反応工程を要すること;および不斉合成法では、その方法を行うには、例えば、−68℃付近の低温を必要とし、かつ合成可能な対象が限られているため、種々の置換基を有するγ−アミノ酸合成に応用することができないこと;という問題が挙げられる。そのため、光学活性なγ−アミノ酸およびその誘導体では、その有用性が注目される一方で、より効率的な製造方法の開発が所望されている。
Marvin S. Hoekstraら、「Organic Process Research & Development」,1997年,第1巻,第1号,p.26−38
本発明は、上記問題の解決を課題とするものであり、その目的とするところは、所望の光学活性なγ−アミノ酸およびその誘導体を容易に製造し得る、光学活性な3−ニトロアルキルマロン酸エステル誘導体を、すぐれた光学純度でかつ効率的に製造することのできる方法を提供することにある。
本発明は、以下の式(I)で表される、光学活性な3−ニトロアルキルマロン酸エステル誘導体:
Figure 2005263664
(ここで、RおよびRは、それぞれ独立して、
水素原子;
分岐または環を形成していてもよく、および/または分岐または環を形成していてもよいC〜Cのアルコキシ基で置換されていてもよい、C〜Cのアルキル基;
分岐または環を形成していてもよく、および/または分岐または環を形成していてもよいC〜Cのアルコキシ基で置換されていてもよい、C〜Cのアルケニル基;
分岐または環を形成していてもよく、および/または分岐または環を形成していてもよいC〜Cのアルコキシ基で置換されていてもよい、C〜Cのアルキニル基;
分岐していてもよいC〜Cアルキル基か、分岐していてもよいC〜Cアルコキシ基か、シアノ基か、ハロゲン原子か、ニトロ基か、分岐または環を形成していてもよいC〜Cアルキル基で置換されていてもよいアミノ基か、あるいはC〜Cを有する環状アミノ基か、で置換されていてもよい、アリール基;
分岐していてもよいC〜Cアルキル基か、分岐していてもよいC〜Cアルコキシ基か、シアノ基か、ハロゲン原子か、ニトロ基か、分岐または環を形成していてもよいC〜Cアルキル基で置換されていてもよいアミノ基か、あるいはC〜Cを有する環状アミノ基か、で置換されていてもよい、アリール部分を有する、アラルキル基;
分岐していてもよいC〜Cアルキル基か、分岐していてもよいC〜Cアルコキシ基か、シアノ基か、ハロゲン原子か、ニトロ基か、分岐または環を形成していてもよいC〜Cアルキル基で置換されていてもよいアミノ基か、あるいはC〜Cを有する環状アミノ基か、で置換されていてもよい、ヘテロアリール基;もしくは
分岐していてもよいC〜Cアルキル基か、分岐していてもよいC〜Cアルコキシ基か、シアノ基か、ハロゲン原子か、ニトロ基か、分岐または環を形成していてもよいC〜Cアルキル基で置換されていてもよいアミノ基か、あるいはC〜Cを有する環状アミノ基か、で置換されていてもよい、ヘテロアリール部分を有する、ヘテロアラルキル基;
であり、そして
およびRは、それぞれ独立して、
水素原子;
分岐または環を形成していてもよい、C〜Cのアルキル基;
アリル基;または
分岐していてもよいC〜Cアルキル基および分岐していてもよいC〜Cアルコキシ基からなる群より選択される少なくとも1つの基で置換されていてもよい、アリール部分を有する、アラルキル基;
である)の製造方法であって、
以下の式(II)で表されるニトロ化物:
Figure 2005263664
(ここで、Rは、
水素原子;
分岐または環を形成していてもよく、および/または分岐または環を形成していてもよいC〜Cのアルコキシ基で置換されていてもよい、C〜Cのアルキル基;
分岐または環を形成していてもよく、および/または分岐または環を形成していてもよいC〜Cのアルコキシ基で置換されていてもよい、C〜Cのアルケニル基;
分岐または環を形成していてもよく、および/または分岐または環を形成していてもよいC〜Cのアルコキシ基で置換されていてもよい、C〜Cのアルキニル基;
分岐していてもよいC〜Cアルキル基か、分岐していてもよいC〜Cアルコキシ基か、シアノ基か、ハロゲン原子か、ニトロ基か、分岐または環を形成していてもよいC〜Cアルキル基で置換されていてもよいアミノ基か、あるいはC〜Cを有する環状アミノ基か、で置換されていてもよい、アリール基;
分岐していてもよいC〜Cアルキル基か、分岐していてもよいC〜Cアルコキシ基か、シアノ基か、ハロゲン原子か、ニトロ基か、分岐または環を形成していてもよいC〜Cアルキル基で置換されていてもよいアミノ基か、あるいはC〜Cを有する環状アミノ基か、で置換されていてもよい、アリール部分を有する、アラルキル基;
分岐していてもよいC〜Cアルキル基か、分岐していてもよいC〜Cアルコキシ基か、シアノ基か、ハロゲン原子か、ニトロ基か、分岐または環を形成していてもよいC〜Cアルキル基で置換されていてもよいアミノ基か、あるいはC〜Cを有する環状アミノ基か、で置換されていてもよい、ヘテロアリール基;もしくは
分岐していてもよいC〜Cアルキル基か、分岐していてもよいC〜Cアルコキシ基か、シアノ基か、ハロゲン原子か、ニトロ基か、分岐または環を形成していてもよいC〜Cアルキル基で置換されていてもよいアミノ基か、あるいはC〜Cを有する環状アミノ基か、で置換されていてもよい、ヘテロアリール部分を有する、ヘテロアラルキル基;
である)と、
以下の式(III)で表されるマロン酸エステル:
Figure 2005263664
(ここで、Rは、
水素原子;
分岐または環を形成していてもよく、および/または分岐または環を形成していてもよいC〜Cのアルコキシ基で置換されていてもよい、C〜Cのアルキル基;
分岐または環を形成していてもよく、および/または分岐または環を形成していてもよいC〜Cのアルコキシ基で置換されていてもよい、C〜Cのアルケニル基;
分岐または環を形成していてもよく、および/または分岐または環を形成していてもよいC〜Cのアルコキシ基で置換されていてもよい、C〜Cのアルキニル基;
分岐していてもよいC〜Cアルキル基か、分岐していてもよいC〜Cアルコキシ基か、シアノ基か、ハロゲン原子か、ニトロ基か、分岐または環を形成していてもよいC〜Cアルキル基で置換されていてもよいアミノ基か、あるいはC〜Cを有する環状アミノ基か、で置換されていてもよい、アリール基;
分岐していてもよいC〜Cアルキル基か、分岐していてもよいC〜Cアルコキシ基か、シアノ基か、ハロゲン原子か、ニトロ基か、分岐または環を形成していてもよいC〜Cアルキル基で置換されていてもよいアミノ基か、あるいはC〜Cを有する環状アミノ基か、で置換されていてもよい、アリール部分を有する、アラルキル基;
分岐していてもよいC〜Cアルキル基か、分岐していてもよいC〜Cアルコキシ基か、シアノ基か、ハロゲン原子か、ニトロ基か、分岐または環を形成していてもよいC〜Cアルキル基で置換されていてもよいアミノ基か、あるいはC〜Cを有する環状アミノ基か、で置換されていてもよい、ヘテロアリール基;もしくは
分岐していてもよいC〜Cアルキル基か、分岐していてもよいC〜Cアルコキシ基か、シアノ基か、ハロゲン原子か、ニトロ基か、分岐または環を形成していてもよいC〜Cアルキル基で置換されていてもよいアミノ基か、あるいはC〜Cを有する環状アミノ基か、で置換されていてもよい、ヘテロアリール部分を有する、ヘテロアラルキル基;
であり、そして
およびRは、それぞれ独立して、
水素原子;
分岐または環を形成していてもよい、C〜Cのアルキル基;
アリル基;または
分岐していてもよいC〜Cアルキル基および分岐していてもよいC〜Cアルコキシ基からなる群より選択される少なくとも1つの基で置換されていてもよい、アリール部分を有する、アラルキル基;
である)
とを、無機塩基を含有する溶媒中、
以下の式(IV)で表される光学活性な四級アンモニウム塩:
Figure 2005263664
(ここで、RおよびRは、それぞれ独立して、
水素原子;
分岐または環を形成していてもよく、および/またはハロゲン原子で置換されていてもよい、C〜Cのアルキル基;
分岐または環を形成していてもよく、および/またはハロゲン原子で置換されていてもよい、C〜Cのアルケニル基;
分岐または環を形成していてもよく、および/またはハロゲン原子で置換されていてもよい、C〜Cのアルキニル基;
ハロゲン原子で置換されていてもよいC〜Cアルキル基か、ハロゲン原子で置換されていてもよいC〜Cアルコキシ基か、ハロゲン原子で置換されていてもよいC〜Cのアルキル基で置換されていてもよいアリール基か、シアノ基か、ハロゲン原子か、ニトロ基か、分岐または環を形成していてもよいC〜Cアルキル基で置換されていてもよいアミノ基か、あるいはC〜Cを有する環状アミノ基か、で置換されていてもよい、アリール基;
ハロゲン原子で置換されていてもよいC〜Cアルキル基か、ハロゲン原子で置換されていてもよいC〜Cアルコシキ基か、シアノ基か、ハロゲン原子か、ニトロ基か、分岐または環を形成していてもよいC〜Cアルキル基で置換されていてもよいアミノ基か、あるいはC〜Cを有する環状アミノ基か、で置換されていてもよい、ヘテロアリール基;
ハロゲン原子で置換されていてもよいC〜Cアルキル基か、ハロゲン原子で置換されていてもよいC〜Cアルコキシ基か、シアノ基か、ハロゲン原子か、ニトロ基か、分岐または環を形成していてもよいC〜Cアルキル基で置換されていてもよいアミノ基か、あるいはC〜Cを有する環状アミノ基か、で置換されていてもよい、アリール部分を有する、アラルキル基;
ハロゲン原子で置換されていてもよいC〜Cアルキル基か、ハロゲン原子で置換されていてもよいC〜Cアルコキシ基か、シアノ基か、ハロゲン原子か、ニトロ基か、分岐または環を形成していてもよいC〜Cアルキル基で置換されていてもよいアミノ基か、あるいはC〜Cを有する環状アミノ基か、で置換されていてもよい、ヘテロアリール部分を有する、ヘテロアラルキル基;
(C〜Cアルコキシ)カルボニル基;
カルバモイル基;
N−(C〜Cアルキル)カルバモイル基;ならびに
N,N−ジ(C〜Cアルキル)カルバモイル基(ここで、C〜Cアルキル基は、互いに同じでも異なっていてもよい)からなる群より選択される基であり、
YおよびZは、それぞれ独立して水素原子または一価の有機基であるか、あるいは一緒になって、二価の有機基を表し、そして
はハロゲン化物アニオンである)
の存在下にて、反応させる工程、を包含する、方法である。
好ましい実施形態では、上記四級アンモニウム塩のYおよびZが一緒になって、以下の二価の有機基:
Figure 2005263664
(ここで、R、R、R、R10、R11、およびR12はそれぞれ独立して、
水素原子;
分岐または環を形成していてもよく、および/またはハロゲン原子で置換されていてもよい、C〜Cのアルキル基;
分岐または環を形成していてもよく、および/またはハロゲン原子で置換されていてもよい、C〜Cのアルケニル基;
分岐または環を形成していてもよく、および/またはハロゲン原子で置換されていてもよい、C〜Cのアルキニル基;
ハロゲン原子で置換されていてもよいC〜Cアルキル基か、ハロゲン原子で置換されていてもよいC〜Cアルコキシ基か、ハロゲン原子で置換されていてもよいC〜Cのアルキル基で置換されていてもよいアリール基か、シアノ基か、ハロゲン原子か、ニトロ基か、分岐または環を形成していてもよいC〜Cアルキル基で置換されていてもよいアミノ基か、あるいはC〜Cを有する環状アミノ基か、で置換されていてもよい、アリール基;
ハロゲン原子で置換されていてもよいC〜Cアルキル基か、ハロゲン原子で置換されていてもよいC〜Cアルコシキ基か、シアノ基か、ハロゲン原子か、ニトロ基か、分岐または環を形成していてもよいC〜Cアルキル基で置換されていてもよいアミノ基か、あるいはC〜Cを有する環状アミノ基か、で置換されていてもよい、ヘテロアリール基;
ハロゲン原子で置換されていてもよいC〜Cアルキル基か、ハロゲン原子で置換されていてもよいC〜Cアルコキシ基か、シアノ基か、ハロゲン原子か、ニトロ基か、分岐または環を形成していてもよいC〜Cアルキル基で置換されていてもよいアミノ基か、あるいはC〜Cを有する環状アミノ基か、で置換されていてもよい、アリール部分を有する、アラルキル基;
ハロゲン原子で置換されていてもよいC〜Cアルキル基か、ハロゲン原子で置換されていてもよいC〜Cアルコキシ基か、シアノ基か、ハロゲン原子か、ニトロ基か、分岐または環を形成していてもよいC〜Cアルキル基で置換されていてもよいアミノ基か、あるいはC〜Cを有する環状アミノ基か、で置換されていてもよい、ヘテロアリール部分を有する、ヘテロアラルキル基;
(C〜Cアルコキシ)カルボニル基;
カルバモイル基;
N−(C〜Cアルキル)カルバモイル基;ならびに
N,N−ジ(C〜Cアルキル)カルバモイル基(ここで、C〜Cアルキル基は、互いに同じでも異なっていてもよい)からなる群より選択される基である)を表す。
さらに好ましい実施形態では、上記四級アンモニウム塩は、以下の式(IVa):
Figure 2005263664
(ここで、ArおよびArは、それぞれ独立して、ハロゲン原子で置換されていてもよいC〜Cアルキル基;ハロゲン原子で置換されていてもよいC〜Cアルコキシ基;ハロゲン原子で置換されていてもよいC〜Cのアルキル基で置換されていてもよいアリール基;またはハロゲン原子;で置換されていてもよいアリール基である)で表される化合物である。
本発明によれば、3−ニトロアルキルマロン酸エステル誘導体を優れた光学純度で効率的に製造することができる。本発明の方法により製造された3−ニトロアルキルマロン酸エステルは、従来より公知の工程に付すことにより、光学活性なγ−アミノ酸およびその誘導体を容易に製造することができる。
以下、本明細書中で用いられる用語を定義する。
用語「分岐または環を形成していてもよい、C〜Cのアルキル基」(ここでnは整数)は、炭素数1〜nの任意の直鎖アルキル基、炭素数3〜nの任意の分岐鎖アルキル基、および炭素数3〜nの任意の環状アルキル基を包含する。例えば、炭素数1〜8の任意の直鎖アルキル基としては、メチル、エチル、n−プロピル、n−ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチルおよびオクチルが挙げられる。炭素数3〜8の任意の分岐鎖アルキル基としては、1つまたはそれ以上の分岐鎖を有するアルキル基が包含され、例えば、イソプロピル、イソブチル、tert−ブチル、イソペンチルなどが挙げられる。炭素数3〜8の任意の環状アルキル基としては、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシルなどが挙げられる。さらに、例えば、用語「分岐または環を形成していてもよく、および/またはハロゲン原子で置換されていてもよい、C〜Cのアルキル基」という場合は、炭素数1〜8の直鎖アルキル基、炭素数3〜8の任意の分岐鎖アルキル基、および炭素数3〜8の任意の環状アルキル基を包含し、これらの任意の位置に存在する水素原子がハロゲン原子で置換されていてもよい。このようなアルキル基としては、n−ヘプチル、イソヘプチル、n−オクチルなどが挙げられる。またさらに、用語「分岐または環を形成していてもよく、および/または分岐または環を形成していてもよいC〜Cのアルコキシ基で置換されていてもよい、C〜Cのアルキル基」は、上記「分岐または環を形成してもよい、C〜Cのアルキル基」そのもの、ならびに当該アルキル基を構成する少なくとも1個の水素原子が、分岐または環を形成していてもよいC〜Cのアルコキシ基(すなわち、炭素数1〜8の直鎖アルコキシ基、炭素数3〜8の分岐鎖アルコキシ基、または炭素数3〜8の環状アルコキシ基)で置換されているアルキル基を包含していう。
なお、N−(C〜Cアルキル)カルバモイル基およびN,N−ジ(C〜Cアルキル)カルバモイルにおいて、「C〜Cアルキル」は、C〜Cの直鎖アルキル基またはC〜Cの分岐鎖アルキル基を意味する。
用語「分岐または環を形成していてもよい、C〜Cのアルケニル基」(ここでnは整数)は、炭素数2〜nの任意の直鎖アルケニル基、炭素数3〜nの任意の分岐鎖アルケニル基、および炭素数3〜nの任意の環状アルケニル基を包含する。例えば、炭素数2〜8の任意の直鎖アルケニル基としては、エテニル、1−プロペニル、2−プロペニル、1−ブテニル、2−ブテニル、1−ペンテニル、2−ペンテニル、3−ペンテニル、4−ペンテニル、1−ヘキセニルなどが挙げられる。炭素数3〜8の任意の分岐鎖アルケニル基としては、1つまたはそれ以上の分岐鎖を有するアルケニル基が包含され、例えば、イソプロペニル、1−メチル−1−プロペニル、1−メチル−2−プロペニル、2−メチル−1−プロペニル、2−メチル−2−プロペニル、1−メチル−2−ブテニルなどが挙げられる。炭素数3〜8の任意の環状アルケニル基としては、シクロブテニル、シクロペンテニル、シクロヘキセニルなどが挙げられる。さらに、例えば、用語「分岐または環を形成していてもよく、および/またはハロゲン原子で置換されていてもよい、C〜Cのアルケニル基」という場合は、炭素数2〜8の直鎖アルケニル基、炭素数3〜8の任意の分岐鎖アルケニル基、および炭素数3〜8の任意の環状アルケニル基を包含し、これらの任意の位置に存在する水素原子がハロゲン原子で置換されていてもよい。このようなアルケニル基としては、1−ヘプテニル、2−ヘプテニル、1−オクテニルなどが挙げられる。またさらに、用語「分岐または環を形成していてもよく、および/または分岐または環を形成していてもよいC〜Cのアルコキシ基で置換されていてもよい、C〜Cのアルケニル基」は、上記「分岐または環を形成してもよい、C〜Cのアルケニル基」そのもの、ならびに当該アルケニル基を構成する少なくとも1個の水素原子が、分岐または環を形成していてもよいC〜Cのアルコキシ基(すなわち、炭素数1〜8の直鎖アルコキシ基、炭素数3〜8の分岐鎖アルコキシ基、または炭素数3〜8の環状アルコキシ基)で置換されているアルケニル基を包含していう。
用語「分岐または環を形成していてもよい、C〜Cのアルキニル基」(ここでnは整数)は、炭素数2〜nの任意の直鎖アルキニル基、炭素数3〜nの任意の分岐鎖アルキニル基、および炭素数3〜nの任意の環状アルキニル基を包含する。例えば、炭素数2〜8の任意の直鎖アルキニル基としては、1つまたはそれ以上の分岐鎖を有するアルキニル基が包含され、例えば、エチニル、1−プロピニル、2−プロピニル、1−ブチニル、2−ブチニル、1−ペンチニル、1−ヘキシニルなどが挙げられる。炭素数3〜8の任意の分岐鎖アルキニル基としては、1−メチル−2−プロピニルなどが挙げられ、そして炭素数3〜8の任意の環状アルキニル基としては、シクロプロピルエチニル、シクロブチルエチニルなどが挙げられる。さらに、例えば、用語「分岐または環を形成していてもよく、および/またはハロゲン原子で置換されていてもよい、C〜Cのアルキニル基」という場合は、炭素数2〜8の直鎖アルキニル基、炭素数3〜8の任意の分岐鎖アルキニル基、および炭素数3〜8の任意の環状アルキニル基を包含し、これらの任意の位置に存在する水素原子がハロゲン原子で置換されていてもよい。このようなアルキニル基としては、1−ヘプチニル、1−オクチニルなどが挙げられる。またさらに、用語「分岐または環を形成していてもよく、および/または分岐または環を形成していてもよいC〜Cのアルコキシ基で置換されていてもよい、C〜Cのアルキニル基」は、上記「分岐または環を形成してもよい、C〜Cのアルキニル基」そのもの、ならびに当該アルキニル基を構成する少なくとも1個の水素原子が、分岐または環を形成していてもよいC〜Cのアルコキシ基(すなわち、炭素数1〜8の直鎖アルコキシ基、炭素数3〜8の分岐鎖アルコキシ基、または炭素数3〜8の環状アルコキシ基)で置換されているアルキニル基を包含していう。
用語「分岐していてもよいC〜Cのアルコキシ基」(ここでnは整数)は、炭素数1〜nを有する任意の、直鎖状の飽和または不飽和炭化水素部分を有するアルコキシ基、および炭素数3〜nを有する任意の、分岐鎖状の飽和または不飽和炭化水素部分を有するアルコキシ基を包含する。例えば、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシ、tert−ブトキシなどが挙げられる。さらに、用語「分岐または環を形成していてもよいC〜Cのアルコキシ基」(ここでnは整数)は、炭素数1〜nを有する任意の、直鎖状の飽和または不飽和炭化水素部分を有するアルコキシ基;炭素数3〜nを有する任意の、分岐鎖状の飽和または不飽和炭化水素部分を有するアルコキシ基;ならびに炭素数3〜nを有する任意の、環状の飽和または不飽和炭化水素部分を有するアルコキシ基;を包含する。例えば、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシ、tert−ブトキシ、ベンジルオキシ、アリルオキシなどが挙げられる。
用語「分岐または環を形成していてもよいC〜Cアルキル基で置換されていてもよいアミノ基」は、未置換のアミノ基(−NH)、ならびに当該未置換のアミノ基を構成する少なくとも1つの水素原子が、炭素数1〜6の任意の直鎖アルキル基、炭素数3〜6の任意の分岐鎖アルキル基、および/または炭素数3〜6の任意の環状アルキル基で置換されているアミノ基を包含していう。他方、用語「C〜Cを有する環状アミノ基」は、当該アミノ基を構成する窒素原子が2個〜6個の炭素原子と一緒になって、飽和または不飽和の複素環を形成してなるアミノ基を包含していう。
用語「アラルキル基」の例としては、ベンジル、フェネチル、およびナフチルメチルが挙げられる。
用語「ヘテロアラルキル基」の例としては、ピリジルメチル、インドリルメチル、フリルメチル、チエニルメチル、およびピロリルメチルが挙げられる。
用語「アリール基」の例としては、フェニル、ナフチル、アントリル、フェナントリルなどが挙げられる。
用語「ヘテロアリール基」の例としては、ピリジル、ピロリル、イミダゾリル、フリル、インドリル、チエニル、オキサゾリル、チアゾリル、およびテトラゾリルが挙げられる。
用語「ハロゲン原子」の例としては、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子およびフッ素原子が挙げられる。なお、本発明において、用語「ハロゲン化物アニオン」とは、ハロゲンイオンのことを意味し、塩化物イオン、臭化物イオン、ヨウ化物イオン、およびフッ化物イオンが挙げられる。
以下、本発明について詳述する。
本発明において、光学活性な3−ニトロアルキルマロン酸エステル誘導体は、ニトロ化物とマロン酸エステルとを反応させることにより製造される。
本発明に用いられるニトロ化物は、以下の式(II):
Figure 2005263664
(ここで、Rは、
水素原子;
分岐または環を形成していてもよく、および/または分岐または環を形成していてもよいC〜Cのアルコキシ基で置換されていてもよい、C〜Cのアルキル基;
分岐または環を形成していてもよく、および/または分岐または環を形成していてもよいC〜Cのアルコキシ基で置換されていてもよいよい、C〜Cのアルケニル基;
分岐または環を形成していてもよく、および/または分岐または環を形成していてもよいC〜Cのアルコキシ基で置換されていてもよい、C〜Cのアルキニル基;
分岐していてもよいC〜Cアルキル基か、分岐していてもよいC〜Cアルコキシ基か、シアノ基か、ハロゲン原子か、ニトロ基か、分岐または環を形成していてもよいC〜Cアルキル基で置換されていてもよいアミノ基か、あるいはC〜Cを有する環状アミノ基か、で置換されていてもよい、アリール基;
分岐していてもよいC〜Cアルキル基か、分岐していてもよいC〜Cアルコキシ基か、シアノ基か、ハロゲン原子か、ニトロ基か、分岐または環を形成していてもよいC〜Cアルキル基で置換されていてもよいアミノ基か、あるいはC〜Cを有する環状アミノ基か、で置換されていてもよい、アリール部分を有する、アラルキル基;
分岐していてもよいC〜Cアルキル基か、分岐していてもよいC〜Cアルコキシ基か、シアノ基か、ハロゲン原子か、ニトロ基か、分岐または環を形成していてもよいC〜Cアルキル基で置換されていてもよいアミノ基か、あるいはC〜Cを有する環状アミノ基か、で置換されていてもよい、ヘテロアリール基;もしくは
分岐していてもよいC〜Cアルキル基か、分岐していてもよいC〜Cアルコキシ基か、シアノ基か、ハロゲン原子か、ニトロ基か、分岐または環を形成していてもよいC〜Cアルキル基で置換されていてもよいアミノ基か、あるいはC〜Cを有する環状アミノ基か、で置換されていてもよい、ヘテロアリール部分を有する、ヘテロアラルキル基;
である)で表される化合物である。本発明に用いられる上記式(II)のニトロ化物の例としては、ニトロメタン、ニトロエタン、1−ニトロプロパン、2−ニトロプロパン、ニトロイソブタン、3−ベンジルオキシ−1−ニトロプロパンが挙げられる。
本発明に用いられるマロン酸エステルは、以下の式(III):
Figure 2005263664
(ここで、Rは、
水素原子;
分岐または環を形成していてもよく、および/または分岐または環を形成していてもよいC〜Cのアルコキシ基で置換されていてもよい、C〜Cのアルキル基;
分岐または環を形成していてもよく、および/または分岐または環を形成していてもよいC〜Cのアルコキシ基で置換されていてもよい、C〜Cのアルケニル基;
分岐または環を形成していてもよく、および/または分岐または環を形成していてもよいC〜Cのアルコキシ基で置換されていてもよい、C〜Cのアルキニル基;
分岐していてもよいC〜Cアルキル基か、分岐していてもよいC〜Cアルコキシ基か、シアノ基か、ハロゲン原子か、ニトロ基か、分岐または環を形成していてもよいC〜Cアルキル基で置換されていてもよいアミノ基か、あるいはC〜Cを有する環状アミノ基か、で置換されていてもよい、アリール基;
分岐していてもよいC〜Cアルキル基か、分岐していてもよいC〜Cアルコキシ基か、シアノ基か、ハロゲン原子か、ニトロ基か、分岐または環を形成していてもよいC〜Cアルキル基で置換されていてもよいアミノ基か、あるいはC〜Cを有する環状アミノ基か、で置換されていてもよい、アリール部分を有する、アラルキル基;
分岐していてもよいC〜Cアルキル基か、分岐していてもよいC〜Cアルコキシ基か、シアノ基か、ハロゲン原子か、ニトロ基か、分岐または環を形成していてもよいC〜Cアルキル基で置換されていてもよいアミノ基か、あるいはC〜Cを有する環状アミノ基か、で置換されていてもよい、ヘテロアリール基;もしくは
分岐していてもよいC〜Cアルキル基か、分岐していてもよいC〜Cアルコキシ基か、シアノ基か、ハロゲン原子か、ニトロ基か、分岐または環を形成していてもよいC〜Cアルキル基で置換されていてもよいアミノ基か、あるいはC〜Cを有する環状アミノ基か、で置換されていてもよい、ヘテロアリール部分を有する、ヘテロアラルキル基;
であり、そして
およびRは、それぞれ独立して、
水素原子;
分岐または環を形成していてもよい、C〜Cのアルキル基;
アリル基;または
分岐していてもよいC〜Cアルキル基および分岐していてもよいC〜Cアルコキシ基からなる群より選択される少なくとも1つの基で置換されていてもよい、アリール部分を有する、アラルキル基;である)で表される化合物である。
式(III)の化合物を構成するRの好ましい例としては、分岐または環を形成していてもよく、および/または分岐または環を形成していてもよいC〜Cのアルコキシ基で置換されていてもよい、C〜Cのアルキル基;ならびに分岐していてもよいC〜Cアルキル基か、分岐していてもよいC〜Cアルコキシ基か、シアノ基か、ハロゲン原子か、ニトロ基か、分岐または環を形成していてもよいC〜Cアルキル基で置換されていてもよいアミノ基か、あるいはC〜Cを有する環状アミノ基か、で置換されていてもよい、アリール基;が挙げられ、より具体的な例としては、フェニル基、p−クロロフェニル基、p−メトキシフェニル基、シクロヘキシル基、およびイソブチル基が挙げられる。他方、式(III)の化合物を構成するRおよびRの好ましい例としては、それぞれ独立して、分岐または環を形成していてもよい、C〜Cのアルキル基;が挙げられ、より具体的な例としては、エチル基、イソプロピル基、t−ブチル基が挙げられる。
上記ニトロ化物とマロン酸エステルとの反応において、式(II)のニトロ化物は、式(III)のマロン酸エステルに対して好ましくは1当量〜10当量、より好ましくは2当量〜5当量の割合で用いられる。式(II)のニトロ化物の使用量が当該マロン酸エステルに対して1当量を下回ると、反応自体が充分進行せず、所望の光学活性な3−ニトロアルキルマロン酸エステル誘導体を良好な収率で得ることができない恐れがある。また、式(II)のニトロ化物の使用量が当該マロン酸エステルに対して10当量を上回っても、得られる光学活性な3−ニトロアルキルマロン酸エステル誘導体の収率がそれ以上変化せず、むしろ生産性の向上には寄与しない恐れがある。
本発明の方法において、上記ニトロ化物とマロン酸エステルとの反応は、無機塩基を含有する溶媒中、光学活性な四級アンモニウム塩の存在下にて行われる。
本発明に用いられる溶媒としては、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルエーテル、イソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサンなどの有機溶媒が挙げられる。あるいは、本発明に用いられる溶媒には、これらの有機溶媒のうち、水に対して非混和性を示すものと水との二相系媒体が用いられてもよい。使用される溶媒の量は、式(II)のニトロ化物に対し、容積(mL)/重量(g)比で好ましくは2倍〜30倍、より好ましくは4倍〜25倍である。
本発明に用いられる無機塩基の例は、アルカリ金属炭酸塩が挙げられ、より具体的な例としては、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、および炭酸セシウムが挙げられる。無機塩基は、式(II)のニトロ化物に対して好ましくは1当量〜10当量の割合で使用され得る。無機塩基は、10w/v%〜60w/v%のアルカリ水溶液の形態で使用されてもよく、その場合の容量は、式(II)のニトロ化物に対して容積(mL)/重量(g)比で好ましくは4倍〜20倍、より好ましくは8倍〜15倍であり得る。
本発明に用いられる光学活性な四級アンモニウム塩は、以下の式(IV):
Figure 2005263664
(ここで、RおよびRは、それぞれ独立して、
水素原子;
分岐または環を形成していてもよく、および/またはハロゲン原子で置換されていてもよい、C〜Cのアルキル基;
分岐または環を形成していてもよく、および/またはハロゲン原子で置換されていてもよい、C〜Cのアルケニル基;
分岐または環を形成していてもよく、および/またはハロゲン原子で置換されていてもよい、C〜Cのアルキニル基;
ハロゲン原子で置換されていてもよいC〜Cアルキル基か、ハロゲン原子で置換されていてもよいC〜Cアルコキシ基か、ハロゲン原子で置換されていてもよいC〜Cのアルキル基で置換されていてもよいアリール基か、シアノ基か、ハロゲン原子か、ニトロ基か、分岐または環を形成していてもよいC〜Cアルキル基で置換されていてもよいアミノ基か、あるいはC〜Cを有する環状アミノ基か、で置換されていてもよい、アリール基;
ハロゲン原子で置換されていてもよいC〜Cアルキル基か、ハロゲン原子で置換されていてもよいC〜Cアルコシキ基か、シアノ基か、ハロゲン原子か、ニトロ基か、分岐または環を形成していてもよいC〜Cアルキル基で置換されていてもよいアミノ基か、あるいはC〜Cを有する環状アミノ基か、で置換されていてもよい、ヘテロアリール基;
ハロゲン原子で置換されていてもよいC〜Cアルキル基か、ハロゲン原子で置換されていてもよいC〜Cアルコキシ基か、シアノ基か、ハロゲン原子か、ニトロ基か、分岐または環を形成していてもよいC〜Cアルキル基で置換されていてもよいアミノ基か、あるいはC〜Cを有する環状アミノ基か、で置換されていてもよい、アリール部分を有する、アラルキル基;
ハロゲン原子で置換されていてもよいC〜Cアルキル基か、ハロゲン原子で置換されていてもよいC〜Cアルコキシ基か、シアノ基か、ハロゲン原子か、ニトロ基か、分岐または環を形成していてもよいC〜Cアルキル基で置換されていてもよいアミノ基か、あるいはC〜Cを有する環状アミノ基か、で置換されていてもよい、ヘテロアリール部分を有する、ヘテロアラルキル基;
(C〜Cアルコキシ)カルボニル基;
カルバモイル基;
N−(C〜Cアルキル)カルバモイル基;ならびに
N,N−ジ(C〜Cアルキル)カルバモイル基(ここで、C〜Cアルキル基は、互いに同じでも異なっていてもよい)からなる群より選択される基であり、
YおよびZは、それぞれ独立して水素原子または一価の有機基であるか、あるいは一緒になって、二価の有機基を表し、そして
はハロゲン化物アニオンである)で表される化合物である。
本発明に用いられる光学活性な四級アンモニウム塩は、上記ニトロ化物とマロン酸エステル(アルキリデンマロネート)との反応において相間移動触媒として機能し、当該ニトロ化物とアルキリデンマロネートとのエナンチオ選択的な共役付加を達成し得る。すなわち、この共役付加においては、光学活性な四級アンモニウム塩は、以下の式(V):
Figure 2005263664
(ここで、RおよびRはそれぞれ上記定義と同様である)に示されるようなアゼピン骨格を有する二価の有機基が窒素原子と結合していることが重要である。このようなアゼピン骨格を有する二価の有機基を含むことによって、本発明に用いられる光学活性な四級アンモニウム塩は相間移動触媒として有効に機能し、上記共役付加を達成することができる。
本発明に用いられる、上記式(IV)で表される光学活性な4級アンモニウム塩のうち、YおよびZがそれぞれ独立して一価の有機基である場合、このような塩を構成し得る一価の有機基の例としては、分岐または環を形成していてもよい、C〜C12のアルキル基が挙げられる。当該一価の有機基のより具体的な例としては、メチル基、エチル基、n−ブチル基、イソブチル基、n−デシル基、およびシクロヘキシル基が挙げられる。あるいは、上記式(IV)で表される光学活性な四級アンモニウム塩のうち、YおよびZが一緒になって二価の有機基を構成する場合、このような塩を構成し得る二価の有機基の例としては、−(CH−(ここで、mは2から8の整数である)、
Figure 2005263664
(ここで、R、R、R、R10、R11、およびR12はそれぞれ独立して、
水素原子;
分岐または環を形成していてもよく、および/またはハロゲン原子で置換されていてもよい、C〜Cのアルキル基;
分岐または環を形成していてもよく、および/またはハロゲン原子で置換されていてもよい、C〜Cのアルケニル基;
分岐または環を形成していてもよく、および/またはハロゲン原子で置換されていてもよい、C〜Cのアルキニル基;
ハロゲン原子で置換されていてもよいC〜Cアルキル基か、ハロゲン原子で置換されていてもよいC〜Cアルコキシ基か、ハロゲン原子で置換されていてもよいC〜Cのアルキル基で置換されていてもよいアリール基か、シアノ基か、ハロゲン原子か、ニトロ基か、分岐または環を形成していてもよいC〜Cアルキル基で置換されていてもよいアミノ基か、あるいはC〜Cを有する環状アミノ基か、で置換されていてもよい、アリール基;
ハロゲン原子で置換されていてもよいC〜Cアルキル基か、ハロゲン原子で置換されていてもよいC〜Cアルコシキ基か、シアノ基か、ハロゲン原子か、ニトロ基か、分岐または環を形成していてもよいC〜Cアルキル基で置換されていてもよいアミノ基か、あるいはC〜Cを有する環状アミノ基か、で置換されていてもよい、ヘテロアリール基;
ハロゲン原子で置換されていてもよいC〜Cアルキル基か、ハロゲン原子で置換されていてもよいC〜Cアルコキシ基か、シアノ基か、ハロゲン原子か、ニトロ基か、分岐または環を形成していてもよいC〜Cアルキル基で置換されていてもよいアミノ基か、あるいはC〜Cを有する環状アミノ基か、で置換されていてもよい、アリール部分を有する、アラルキル基;
ハロゲン原子で置換されていてもよいC〜Cアルキル基か、ハロゲン原子で置換されていてもよいC〜Cアルコキシ基か、シアノ基か、ハロゲン原子か、ニトロ基か、分岐または環を形成していてもよいC〜Cアルキル基で置換されていてもよいアミノ基か、あるいはC〜Cを有する環状アミノ基か、で置換されていてもよい、ヘテロアリール部分を有する、ヘテロアラルキル基;
(C〜Cアルコキシ)カルボニル基;
カルバモイル基;
N−(C〜Cアルキル)カルバモイル基;ならびに
N,N−ジ(C〜Cアルキル)カルバモイル基(ここで、C〜Cアルキル基は、互いに同じでも異なっていてもよい)からなる群より選択される基である)が挙げられる。
すなわち、本発明に用いられる光学活性な四級アンモニウム塩には、式(IV−A)または式(IV−B):
Figure 2005263664
(ここで、RおよびRは、それぞれ独立して、
水素原子;
分岐または環を形成していてもよく、および/またはハロゲン原子で置換されていてもよい、C〜Cのアルキル基;
分岐または環を形成していてもよく、および/またはハロゲン原子で置換されていてもよい、C〜Cのアルケニル基;
分岐または環を形成していてもよく、および/またはハロゲン原子で置換されていてもよい、C〜Cのアルキニル基;
ハロゲン原子で置換されていてもよいC〜Cアルキル基か、ハロゲン原子で置換されていてもよいC〜Cアルコキシ基か、ハロゲン原子で置換されていてもよいC〜Cのアルキル基で置換されていてもよいアリール基か、シアノ基か、ハロゲン原子か、ニトロ基か、分岐または環を形成していてもよいC〜Cアルキル基で置換されていてもよいアミノ基か、あるいはC〜Cを有する環状アミノ基か、で置換されていてもよい、アリール基;
ハロゲン原子で置換されていてもよいC〜Cアルキル基か、ハロゲン原子で置換されていてもよいC〜Cアルコシキ基か、シアノ基か、ハロゲン原子か、ニトロ基か、分岐または環を形成していてもよいC〜Cアルキル基で置換されていてもよいアミノ基か、あるいはC〜Cを有する環状アミノ基か、で置換されていてもよい、ヘテロアリール基;
ハロゲン原子で置換されていてもよいC〜Cアルキル基か、ハロゲン原子で置換されていてもよいC〜Cアルコキシ基か、シアノ基か、ハロゲン原子か、ニトロ基か、分岐または環を形成していてもよいC〜Cアルキル基で置換されていてもよいアミノ基か、あるいはC〜Cを有する環状アミノ基か、で置換されていてもよい、アリール部分を有する、アラルキル基;
ハロゲン原子で置換されていてもよいC〜Cアルキル基か、ハロゲン原子で置換されていてもよいC〜Cアルコキシ基か、シアノ基か、ハロゲン原子か、ニトロ基か、分岐または環を形成していてもよいC〜Cアルキル基で置換されていてもよいアミノ基か、あるいはC〜Cを有する環状アミノ基か、で置換されていてもよい、ヘテロアリール部分を有する、ヘテロアラルキル基;
(C〜Cアルコキシ)カルボニル基;
カルバモイル基;
N−(C〜Cアルキル)カルバモイル基;ならびに
N,N−ジ(C〜Cアルキル)カルバモイル基(ここで、C〜Cアルキル基は、互いに同じでも異なっていてもよい)からなる群より選択される基であり、
、R、R、R10、R11、およびR12はそれぞれ独立して、
水素原子;
分岐または環を形成していてもよく、および/またはハロゲン原子で置換されていてもよい、C〜Cのアルキル基;
分岐または環を形成していてもよく、および/またはハロゲン原子で置換されていてもよい、C〜Cのアルケニル基;
分岐または環を形成していてもよく、および/またはハロゲン原子で置換されていてもよい、C〜Cのアルキニル基;
ハロゲン原子で置換されていてもよいC〜Cアルキル基か、ハロゲン原子で置換されていてもよいC〜Cアルコキシ基か、ハロゲン原子で置換されていてもよいC〜Cのアルキル基で置換されていてもよいアリール基か、シアノ基か、ハロゲン原子か、ニトロ基か、分岐または環を形成していてもよいC〜Cアルキル基で置換されていてもよいアミノ基か、あるいはC〜Cを有する環状アミノ基か、で置換されていてもよい、アリール基;
ハロゲン原子で置換されていてもよいC〜Cアルキル基か、ハロゲン原子で置換されていてもよいC〜Cアルコシキ基か、シアノ基か、ハロゲン原子か、ニトロ基か、分岐または環を形成していてもよいC〜Cアルキル基で置換されていてもよいアミノ基か、あるいはC〜Cを有する環状アミノ基か、で置換されていてもよい、ヘテロアリール基;
ハロゲン原子で置換されていてもよいC〜Cアルキル基か、ハロゲン原子で置換されていてもよいC〜Cアルコキシ基か、シアノ基か、ハロゲン原子か、ニトロ基か、分岐または環を形成していてもよいC〜Cアルキル基で置換されていてもよいアミノ基か、あるいはC〜Cを有する環状アミノ基か、で置換されていてもよい、アリール部分を有する、アラルキル基;
ハロゲン原子で置換されていてもよいC〜Cアルキル基か、ハロゲン原子で置換されていてもよいC〜Cアルコキシ基か、シアノ基か、ハロゲン原子か、ニトロ基か、分岐または環を形成していてもよいC〜Cアルキル基で置換されていてもよいアミノ基か、あるいはC〜Cを有する環状アミノ基か、で置換されていてもよい、ヘテロアリール部分を有する、ヘテロアラルキル基;
(C〜Cアルコキシ)カルボニル基;
カルバモイル基;
N−(C〜Cアルキル)カルバモイル基;ならびに
N,N−ジ(C〜Cアルキル)カルバモイル基(ここで、C〜Cアルキル基は、互いに同じでも異なっていてもよい)からなる群より選択される基であり、そして
はハロゲン化物アニオンである)で表される化合物が包含される。さらに、本発明に用いられる光学活性な四級アンモニウム塩は、上記式(IV−A)または式(IV−B)で表される化合物のうち、式(IV−A)で表される化合物がさらに好ましく、特に、以下の式(IVa):
Figure 2005263664
(ここで、ArおよびArは、それぞれ独立して、ハロゲン原子で置換されていてもよいC〜Cアルキル基;ハロゲン原子で置換されていてもよいC〜Cアルコキシ基;ハロゲン原子で置換されていてもよいC〜Cのアルキル基で置換されていてもよいアリール基;またはハロゲン原子;で置換されていてもよいアリール基である)で表される化合物であることが最も好ましい。
上記四級アンモニウム塩の絶対配置は、本発明の方法を用いて得ようとする、所望の3−ニトロアルキルマロン酸エステル誘導体の立体配置に応じて当業者により適切に選択され得る。例えば、上記式(IV−A)で表される四級アンモニウム塩において(S,S)、(R,R)、(S,R)、または(R,S)のいずれかの絶対配置を有する四級アンモニウム塩が選択され得る。さらに、本発明に用いられる四級アンモニウム塩は、軸不斉に関して純粋な形態で使用されることが好ましい。ここで、「軸不斉に関して純粋」とは、軸不斉に基づいて考えられる各種立体異性体のうち、1つの特定の異性体の存在率が、他の異性体より多いことをいう。好ましくは、当該1つの特定の異性体の存在率は、90%以上、より好ましくは95%以上、さらにより好ましくは98%以上である。
このような光学活性な四級アンモニウム塩は、例えば、特開2001−048866号公報または特開2002−326992号公報に記載の方法にしたがって、当業者が化学的に合成することが可能である。あるいは、上記構造に包含される光学活性な四級アンモニウム塩のいくつかは、例えば、アルドリッチ社および和光純薬(株)より市販されている。
本発明における、上記光学活性な4級アンモニウム塩の使用量は、上記式(II)のニトロ化物に対して、好ましくは0.0005当量〜0.20当量、より好ましくは0.005当量〜0.10当量に設定される。上記反応工程は、−30℃から40℃までの間の適切な温度、好ましくは−20℃〜30℃で、空気中あるいはアルゴン雰囲気下のいずれで行われてもよく、好ましくはアルゴン雰囲気下にて行われる。この工程は、上記ニトロ化物とマロン酸エステルとの共役付加が充分に進行するまで適切な時間にわたって、攪拌しながら行われ得る。反応時間は、好ましくは30分〜48時間、より好ましくは1時間〜24時間である。
このようにして、以下の式(I):
Figure 2005263664
(ここで、RおよびRは、それぞれ独立して、
水素原子;
分岐または環を形成していてもよく、および/または分岐または環を形成していてもよいC〜Cのアルコキシ基で置換されていてもよい、C〜Cのアルキル基;
分岐または環を形成していてもよく、および/または分岐または環を形成していてもよいC〜Cのアルコキシ基で置換されていてもよい、C〜Cのアルケニル基;
分岐または環を形成していてもよく、および/または分岐または環を形成していてもよいC〜Cのアルコキシ基で置換されていてもよい、C〜Cのアルキニル基;
分岐していてもよいC〜Cアルキル基か、分岐していてもよいC〜Cアルコキシ基か、シアノ基か、ハロゲン原子か、ニトロ基か、分岐または環を形成していてもよいC〜Cアルキル基で置換されていてもよいアミノ基か、あるいはC〜Cを有する環状アミノ基か、で置換されていてもよい、アリール基;
分岐していてもよいC〜Cアルキル基か、分岐していてもよいC〜Cアルコキシ基か、シアノ基か、ハロゲン原子か、ニトロ基か、分岐または環を形成していてもよいC〜Cアルキル基で置換されていてもよいアミノ基か、あるいはC〜Cを有する環状アミノ基か、で置換されていてもよい、アリール部分を有する、アラルキル基;
分岐していてもよいC〜Cアルキル基か、分岐していてもよいC〜Cアルコキシ基か、シアノ基か、ハロゲン原子か、ニトロ基か、分岐または環を形成していてもよいC〜Cアルキル基で置換されていてもよいアミノ基か、あるいはC〜Cを有する環状アミノ基か、で置換されていてもよい、ヘテロアリール基;もしくは
分岐していてもよいC〜Cアルキル基か、分岐していてもよいC〜Cアルコキシ基か、シアノ基か、ハロゲン原子か、ニトロ基か、分岐または環を形成していてもよいC〜Cアルキル基で置換されていてもよいアミノ基か、あるいはC〜Cを有する環状アミノ基か、で置換されていてもよい、ヘテロアリール部分を有する、ヘテロアラルキル基;
であり、そして
およびRは、それぞれ独立して、
水素原子;
分岐または環を形成していてもよい、C〜Cのアルキル基;
アリル基;または
分岐していてもよいC〜Cアルキル基および分岐していてもよいC〜Cアルコキシ基からなる群より選択される少なくとも1つの基で置換されていてもよい、アリール部分を有する、アラルキル基;
である)で表される、光学活性な3−ニトロアルキルマロン酸エステル誘導体を、高収率かつ高光学純度で得ることができる。ここで、高光学純度とは、好ましくは85%ee以上、より好ましくは90%ee以上、さらに好ましくは95%ee以上の光学純度であることをいう。
その後、得られた式(I)の3−ニトロアルキルマロン酸エステル誘導体は、例えば、以下の手順で光学活性なγ−アミノ酸誘導体に変換される。
まず、本発明の方法により得られた式(I)で表される光学活性な3−ニトロアルキルマロン酸エステル誘導体のうち、当該分子内に存在するニトロ基が当業者に周知の方法によってアミノ基に還元される。次いで、分子中に残存する2つのエステル基(−COおよび−CO)が、例えば、次のいずれかの方法:第一の方法として、以下のスキーム1に示されるように、還元されたマロン酸エステル(I’)を、脱アルコキシカルボニル化して式(I’−1)または式(I’−2)の化合物を得、その後けん化して、目的のγ―アミノ酸誘導体(V)を得る方法:


Figure 2005263664
あるいは第二の方法として、以下のスキーム2に示されるように、還元されたマロン酸エステル(I’)を、まずけん化してジカルボン酸(I’−3)とし、その後に脱炭酸の処理を行って、目的のγ−アミノ酸誘導体(V)を得る方法:
Figure 2005263664
を用いて脱炭酸される。このような3−ニトロアルキルマロン酸エステル誘導体から、γ−アミノ酸誘導体を得る方法は、当業者に周知であり、例えば、Marvin S. Hoekstraら、Organic Process Research & Development,1997年,第1巻,第1号,p.26−38に記載の方法を用いて当業者は当該γ−アミノ酸誘導体を得ることができる。
上記のようにして、本発明を用いて得られた光学活性な3−ニトロアルキルマロン酸エステル誘導体から、式(V)で表される光学活性なγ−アミノ酸誘導体:
Figure 2005263664
(ここで、RおよびRは、それぞれ独立して、
水素原子;
分岐または環を形成していてもよく、および/または分岐または環を形成していてもよいC〜Cのアルコキシ基で置換されていてもよい、C〜Cのアルキル基;
分岐または環を形成していてもよく、および/または分岐または環を形成していてもよいC〜Cのアルコキシ基で置換されていてもよい、C〜Cのアルケニル基;
分岐または環を形成していてもよく、および/または分岐または環を形成していてもよいC〜Cのアルコキシ基で置換されていてもよい、C〜Cのアルキニル基;
分岐していてもよいC〜Cアルキル基か、分岐していてもよいC〜Cアルコキシ基か、シアノ基か、ハロゲン原子か、ニトロ基か、分岐または環を形成していてもよいC〜Cアルキル基で置換されていてもよいアミノ基か、あるいはC〜Cを有する環状アミノ基か、で置換されていてもよい、アリール基;
分岐していてもよいC〜Cアルキル基か、分岐していてもよいC〜Cアルコキシ基か、シアノ基か、ハロゲン原子か、ニトロ基か、分岐または環を形成していてもよいC〜Cアルキル基で置換されていてもよいアミノ基か、あるいはC〜Cを有する環状アミノ基か、で置換されていてもよい、アリール部分を有する、アラルキル基;
分岐していてもよいC〜Cアルキル基か、分岐していてもよいC〜Cアルコキシ基か、シアノ基か、ハロゲン原子か、ニトロ基か、分岐または環を形成していてもよいC〜Cアルキル基で置換されていてもよいアミノ基か、あるいはC〜Cを有する環状アミノ基か、で置換されていてもよい、ヘテロアリール基;もしくは
分岐していてもよいC〜Cアルキル基か、分岐していてもよいC〜Cアルコキシ基か、シアノ基か、ハロゲン原子か、ニトロ基か、分岐または環を形成していてもよいC〜Cアルキル基で置換されていてもよいアミノ基か、あるいはC〜Cを有する環状アミノ基か、で置換されていてもよい、ヘテロアリール部分を有する、ヘテロアラルキル基;
である)を高収率かつ高光学純度で得ることができる。
以下、本発明を実施例によって具体的に記述する。しかし、これらによって本発明は制限されるものではない。
<参考例1:光学活性な四級アンモニウム塩を合成するための準備(a)>
Figure 2005263664
300mLの反応容器に、化合物(1)(9.2g、30mmol)と化合物(2))18.2g、70mmol)、PPh( 866mg、3.3mmol)、KPO・nHO(25g、90mmol)を秤りとり、DMF(100mL、0.3M)を加えた後、減圧下にて脱気し、反応容器内をアルゴン雰囲気にした。
次いで、この反応容器に、Pd(OCOCH(336mg、1.5mmol)を添加し、再び容器内をアルゴン雰囲気とした後、混合液を100℃までまで昇温し、一昼夜、加熱下にて撹拌した。TLCで反応の終結を確認した後、反応溶液を室温まで冷却し、反応溶液中に飽和塩化アンモニウム水溶液を加えた。これをエーテルで2回抽出し、集めた有機層を飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。エバポレーターで溶媒を除去した後、カラムクロマトグラフィー(溶出液:ヘキサンのみ)精製して、化合物(3)を70%の単離収率で得た。
得られた化合物(3)のNMRスペクトルを表1に示す。
Figure 2005263664
<参考例2:光学活性な四級アンモニウム塩を合成するための準備(b)>
Figure 2005263664
200mLの反応容器に、参考例1で得られた化合物(3)(1.7g、30mmol)のCHCl(10mL)溶液を添加し、さらに酢酸(60mL、0.5M)を添加した後、NCS(8.0g、60mmol)およびNaI(8.9g、60mmol)を順次添加した。反応混合物を攪拌しながら100℃で9時間加熱した後、飽和亜硫酸ナトリウム水溶液を、反応溶液の色が薄い黄色になるまで加え、エーテルで2回抽出し、集めた有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を用いて中和した。再びエーテルで抽出された有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、その後溶媒を除去し、ヘキサンから再結晶することにより、化合物(4)を77%の収率で得た。
得られた化合物(4)のNMRスペクトルを表2に示す。
Figure 2005263664
<参考例3:光学活性な四級アンモニウム塩を合成するための準備(c)>
Figure 2005263664
よく乾燥した100mLの枝付き反応容器に、参考例2で得られた化合物(4)(14.6g,23mmol)のTHF(30mL)溶液を加え、−78℃に冷却した後、i−PrMgBr(0.83M THF溶液、33mL、27.6mmol)を加え、0℃まで昇温し、0.5時間攪拌した。
他方、別のよく乾燥した200mLの三つ口反応容器に、B(OH(4.0mL、35mmol)とTHF(45mL)とを加え、これを−78℃に冷却し、よく攪拌しているところに、同じく−78℃までに冷却した上記化合物(4)とi−PrMgBrとのTHF溶液をカニュラを用いて移し入れた。その後、徐々に反応溶液の温度を昇温させ、室温で一晩攪拌した後、1NのHClを加え、さらに6時間激しく攪拌した。反応溶液を酢酸エチルで2回抽出し、集めた有機層を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。次いで、溶媒を除去し、カラムクロマトグラフィー(溶出液:酢酸エチル/ヘキサン =1/2(容量比))で精製することにより、化合物(5)を82%の収率で得た(モノマーとトリマーとの比は、1:0.3であった)。
得られた化合物(5)のNMRスペクトルを表3に示す。
Figure 2005263664
<参考例4:光学活性な四級アンモニウム塩を合成するための準備(d)>
Figure 2005263664
20mLの反応容器に、参考例3で得られた化合物(5)(541mg、1mmol)と、化合物(6)(市販(住金エア・ウォーター・ケミカル社製)の(S)−1,1’−ビ−2−ナフトールを用い、当業者に周知の手法により製造した)(263mg、0.45mmol)、PPh(13mg、0.05mmol)、およびKPO・nHO(387mg、1.3mmol)を秤りとり、ジオキサン(5mL、0.2M) を加えた後、減圧下にて脱気して反応容器内をアルゴン雰囲気にした。次いで、この反応容器に、Pd(OCOCH(5mg、0.02mmol)を加え、再び容器内をアルゴン雰囲気とした後、混合液の温度を80℃まで昇温し、一昼夜かけて加熱撹拌した。TLCで反応の終結を確認した後、反応溶液を室温まで冷却し、反応溶液中に飽和塩化アンモニウム水溶液を加えた。これをエーテルで2回抽出し、集めた有機層を飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。エバポレーターで溶媒を除去した後、カラムクロマトグラフィー(溶出液:ヘキサンのみ)で精製することにより、化合物(7)を94%の単離収率で得た。
得られた化合物(7)のNMRスペクトルを表4に示す。
Figure 2005263664
<参考例5:光学活性な四級アンモニウム塩を合成するための準備(e)>
Figure 2005263664
20mLの反応容器に、参考例4で得られた化合物(7)(654mg、0.51mmol)、NBS(236mg、1.3mmol)、AIBN(8mg、0.05mmol)、およびベンゼン(5mL)を加え、還流温度まで加熱してアルゴン雰囲気下で1時間反応させた。反応が完結していることを確認した後、反応溶液を飽和亜硫酸水溶液中に加え、0.5時間攪拌し、反応混合溶液をエーテルで2回抽出した。集めた有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後溶媒を除去し、カラムクロマトグラフィー(溶出液:エーテル/ヘキサン =1/10(容量比))を用いて精製することにより、化合物(8)を単離収率91%で得た。
得られた化合物(8)のNMRスペクトルを表5に示す。
Figure 2005263664
<参考例6:光学活性な四級アンモニウム塩の合成>
Figure 2005263664
20mLの反応容器に、化合物(9)(市販(住金エア・ウォーター・ケミカル社製)の(S)−1,1’−ビ−2−ナフトールを用い、当業者に周知の手法により製造した)(131mg、0.44mmol)、炭酸カリウム(92mg、0.66mmol)、およびアセトニトリル(5mL、0.1M)を加え、室温で0.5時間攪拌した。その後、この反応容器に、参考例5で得られた化合物(8)(672mg、0.47mmol)を加え、溶媒が還流する温度まで昇温し、攪拌しながら4時間加熱した。TLCで化合物(9)の消失を確認した後、蒸留水を加えCHClで2回抽出し、集めた有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を除去した後、カラムクロマトグラフィで精製することにより化合物(10)(S,S体)を単離収率78%で得た。
得られた化合物(10)のNMRスペクトルを表6に示す。
Figure 2005263664
<参考例7:光学活性な四級アンモニウム塩の合成>
参考例2において、化合物(3)の代わりに3,5−ジトリフルオロメチルフェニルトリメチルシランを用いたこと以外は、参考例2と同様にして反応を行い、そしてこれにより得られた化合物を用いて、参考例3〜6までと同様の一連の反応を行って、以下の化合物(11):
Figure 2005263664
で表される、C軸不斉四級アンモニウムブロミド(S,S体)を得た。
<参考例8:光学活性な四級アンモニウム塩の合成>
参考例2において、化合物(3)の代わりに3,5−ジ−t−ブチルフェニルトリメチルシランを用いたこと以外は、参考例2と同様にして反応を行い、そしてこれにより得られた化合物を用いて、参考例3〜6までと同様の一連の反応を行って、以下の化合物(12):
Figure 2005263664
で表される、C軸不斉四級アンモニウムブロミド(S,S体)を得た。
<実施例1:ニトロプロパンとベンジリデンマロネートとの共役付加>
Figure 2005263664
トルエン6mL中のジイソプロピルベンジリデンマロネート(化合物(22))(82.9mg,0.30mmol)、参考例6で得られた相間移動触媒(化合物(10)/5.0mg,0.003mmol,1モル%)、および炭酸セシウム(97.7mg,0.30mmol,1当量)の混合物に、ニトロプロパン(21)(133.9μL,1.50mmol,5当量)を0℃で添加した。この反応混合物を、同温で2時間かけて激しく攪拌した。反応混合物を水で希釈し、ジエチルエーテルで抽出し、そして合わせた抽出物を水および食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させた。その後、溶媒をエバポレートし、残渣の粗製物を、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出液/ヘキサン:ジエチルエーテル=4:1)にかけ、無色のオイルでなる生成物(23)を得た(109.2mg,0.30mmol,収率99%)。
得られた生成物(23)のNMRスペクトルを表7に示す。
Figure 2005263664
さらに、得られた生成物(23)の光学純度を、HPLCにて分析した[DAICEL Chiralpak AD−H;溶離液/ヘキサン:2−プロパノール=40:1、1.0mL/分,λ=210nm,保持時間;11.7分,25.5分(メジャー異性体);14.9分,16.9分(マイナー異性体)]。結果を表8に示す。
<実施例2:ニトロプロパンとベンジリデンマロネートとの共役付加>
ジイソプロピルベンジリデンマロネートの代わりに、ジエチルベンジリデンマロネートを用い、かつ反応時間を2時間としたこと以外は実施例1と同様にして反応を行い、生成物(23)を収率99%で得た。得られた生成物の分析結果を表8に示す。
<実施例3:ニトロプロパンとベンジリデンマロネートとの共役付加>
相間移動触媒として、化合物(10)の代わりに参考例7で得られた化合物(11)1モル%を用い、かつ反応時間を10時間としたこと以外は実施例1と同様にして反応を行い、生成物(23)を収率98%で得た。得られた生成物の分析結果を表8に示す。
<実施例4:ニトロプロパンとベンジリデンマロネートとの共役付加>
相間移動触媒として、化合物(10)の代わりに参考例8で得られた化合物(12)1モル%を用い、かつ反応時間を10時間としたこと以外は実施例1と同様にして反応を行い、生成物(23)を収率91%で得た。得られた生成物の分析結果を表8に示す。
<実施例5:ニトロプロパンとベンジリデンマロネートとの共役付加>
相間移動触媒として化合物(10)の代わりに参考例8で得られた化合物(12)1モル%を用い、無機塩基として炭酸セシウムの代わりに炭酸カリウム(1当量)を用い、かつ反応時間を20時間としたこと以外は実施例1と同様にして反応を行い、生成物(23)を収率49%で得た。得られた生成物の分析結果を表8に示す。
Figure 2005263664
表8に示されるように、実施例1〜実施例5のいずれの方法においても光学活性な3−ニトロアルキルマロン酸エステル誘導体(生成物(23))を得ることができる。特に無機塩基として炭酸セシウムを用いた場合(実施例1〜実施例4)、比較的短時間で反応を終えることができ、かつ生成物の収率が飛躍的に向上していることがわかる。また、相間移動触媒として、参考例6で得られた化合物(10)を用いた場合、生成物の収率およびアンチ体/シン体の光学純度を高めることができることもわかる。
<実施例6:ニトロアルカンとジイソプロピルアルキリデンマロネートとの共役付加>
Figure 2005263664
トルエン6mL中のジイソプロピルp−クロロベンジリデンマロネート(化合物(25))(0.30mmol)、参考例6で得られた相間移動触媒(化合物(10)、1モル%)、および炭酸セシウム(1当量)の混合物に、ニトロプロパン(24)(5当量)を0℃で添加した。この反応混合物を、同温で1時間かけて激しく攪拌した。反応混合物を水で希釈し、ジエチルエーテルで抽出し、そして合わせた抽出物を水および食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させた。その後、溶媒をエバポレートし、残渣の粗製物を、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにかけ、生成物(26)を収率99%で得た。
さらに、得られた生成物(26)の光学純度を、HPLCにて分析した[DAICEL Chiralcel OD]。結果を表9に示す。
<実施例7:ニトロアルカンとジイソプロピルアルキリデンマロネートとの共役付加>
ジイソプロピルp−クロロベンジリデンマロネートの代わりに、ジイソプロピルp−メトキシベンジリデンマロネート(0.30mmol)を用い、かつ反応時間を3時間としたこと以外は実施例6と同様にして反応を行い、生成物(26)を収率97%で得た。得られた生成物の分析結果を表9に示す。
<実施例8:ニトロアルカンとジイソプロピルアルキリデンマロネートとの共役付加>
ジイソプロピルp−クロロベンジリデンマロネートの代わりに、ジイソプロピルイソペンチルアセチリデンマロネート(0.30mmol)を用い、ニトロプロパンの代わりに3−ベンゾイルオキシ−1−ニトロプロパン(2当量)を使用し、かつ反応時間を4時間としたこと以外は実施例6と同様にして反応を行い、生成物(26)を収率99%で得た。得られた生成物の分析結果を表9に示す。
<実施例9:ニトロアルカンとジイソプロピルアルキリデンマロネートとの共役付加>
ジイソプロピルp−クロロベンジリデンマロネートの代わりに、ジイソプロピルベンジリデンマロネート(0.30mmol)を用い、ニトロプロパンの代わりにニトロエタン(5当量)を使用し、かつ反応時間を2.5時間としたこと以外は実施例6と同様にして反応を行い、生成物(26)を収率99%で得た。得られた生成物の分析結果を表9に示す。
<実施例10:ニトロアルカンとジイソプロピルアルキリデンマロネートとの共役付加>
ジイソプロピルp−クロロベンジリデンマロネートの代わりに、ジイソプロピルベンジリデンマロネート(0.30mmol)を用い、ニトロプロパンの代わりにニトロイソブタン(5当量)を使用し、かつ反応時間を5時間としたこと以外は実施例6と同様にして反応を行い、生成物(26)を収率99%で得た。得られた生成物の分析結果を表9に示す。
<実施例11:ニトロアルカンとジイソプロピルアルキリデンマロネートとの共役付加>
ジイソプロピルp−クロロベンジリデンマロネートの代わりに、ジイソプロピルベンジリデンマロネート(0.30mmol)を用い、ニトロプロパンの代わりに3−ベンゾイルオキシ−1−ニトロプロパン(2当量)を使用し、かつ反応時間を2時間としたこと以外は実施例6と同様にして反応を行い、生成物(26)を収率99%で得た。得られた生成物の分析結果を表9に示す。
<実施例12:ニトロアルカンとジイソプロピルアルキリデンマロネートとの共役付加>
ジイソプロピルp−クロロベンジリデンマロネートの代わりに、ベンジリデンジイソプロピルマロネート(0.30mmol)を用い、ニトロプロパンの代わりにニトロメタン(5当量)を使用し、かつ反応時間を5時間としたこと以外は実施例6と同様にして反応を行い、生成物(26)を収率99%で得た。得られた生成物の分析結果を表9に示す。
Figure 2005263664
表9に示されるように、実施例6〜実施例12のいずれの方法においても光学活性な3−ニトロアルキルマロン酸エステル誘導体(生成物(26))を得ることができる。特にニトロ化物を構成するR基が炭素を含有する置換基で構成されている場合、得られる生成物の光学純度がより向上していることがわかる。
本発明によれば、優れた光学純度を有する3−ニトロアルキルマロン酸エステル誘導体を従来よりもより少ない工程で製造することができる。本発明によって、得られた光学活性な3−ニトロアルキルマロン酸エステルは、当業者に周知の方法を用いてγ−アミノ酸誘導体に容易に変換され得る。その結果、医薬品および医薬品中間体としての応用が所望される光学活性なγ−アミノ酸誘導体を効率よく製造することができる。

Claims (3)

  1. 以下の式(I)で表される、光学活性な3−ニトロアルキルマロン酸エステル誘導体:
    Figure 2005263664
    (ここで、RおよびRは、それぞれ独立して、
    水素原子;
    分岐または環を形成していてもよく、および/または分岐または環を形成していてもよいC〜Cのアルコキシ基で置換されていてもよい、C〜Cのアルキル基;
    分岐または環を形成していてもよく、および/または分岐または環を形成していてもよいC〜Cのアルコキシ基で置換されていてもよい、C〜Cのアルケニル基;
    分岐または環を形成していてもよく、および/または分岐または環を形成していてもよいC〜Cのアルコキシ基で置換されていてもよい、C〜Cのアルキニル基;
    分岐していてもよいC〜Cアルキル基か、分岐していてもよいC〜Cアルコキシ基か、シアノ基か、ハロゲン原子か、ニトロ基か、分岐または環を形成していてもよいC〜Cアルキル基で置換されていてもよいアミノ基か、あるいはC〜Cを有する環状アミノ基か、で置換されていてもよい、アリール基;
    分岐していてもよいC〜Cアルキル基か、分岐していてもよいC〜Cアルコキシ基か、シアノ基か、ハロゲン原子か、ニトロ基か、分岐または環を形成していてもよいC〜Cアルキル基で置換されていてもよいアミノ基か、あるいはC〜Cを有する環状アミノ基か、で置換されていてもよい、アリール部分を有する、アラルキル基;
    分岐していてもよいC〜Cアルキル基か、分岐していてもよいC〜Cアルコキシ基か、シアノ基か、ハロゲン原子か、ニトロ基か、分岐または環を形成していてもよいC〜Cアルキル基で置換されていてもよいアミノ基か、あるいはC〜Cを有する環状アミノ基か、で置換されていてもよい、ヘテロアリール基;もしくは
    分岐していてもよいC〜Cアルキル基か、分岐していてもよいC〜Cアルコキシ基か、シアノ基か、ハロゲン原子か、ニトロ基か、分岐または環を形成していてもよいC〜Cアルキル基で置換されていてもよいアミノ基か、あるいはC〜Cを有する環状アミノ基か、で置換されていてもよい、ヘテロアリール部分を有する、ヘテロアラルキル基;
    であり、そして
    およびRは、それぞれ独立して、
    水素原子;
    分岐または環を形成していてもよい、C〜Cのアルキル基;
    アリル基;または
    分岐していてもよいC〜Cアルキル基および分岐していてもよいC〜Cアルコキシ基からなる群より選択される少なくとも1つの基で置換されていてもよい、アリール部分を有する、アラルキル基;
    である)の製造方法であって、
    以下の式(II)で表されるニトロ化物:
    Figure 2005263664
    (ここで、Rは、
    水素原子;
    分岐または環を形成していてもよく、および/または分岐または環を形成していてもよいC〜Cのアルコキシ基で置換されていてもよい、C〜Cのアルキル基;
    分岐または環を形成していてもよく、および/または分岐または環を形成していてもよいC〜Cのアルコキシ基で置換されていてもよい、C〜Cのアルケニル基;
    分岐または環を形成していてもよく、および/または分岐または環を形成していてもよいC〜Cのアルコキシ基で置換されていてもよい、C〜Cのアルキニル基;
    分岐していてもよいC〜Cアルキル基か、分岐していてもよいC〜Cアルコキシ基か、シアノ基か、ハロゲン原子か、ニトロ基か、分岐または環を形成していてもよいC〜Cアルキル基で置換されていてもよいアミノ基か、あるいはC〜Cを有する環状アミノ基か、で置換されていてもよい、アリール基;
    分岐していてもよいC〜Cアルキル基か、分岐していてもよいC〜Cアルコキシ基か、シアノ基か、ハロゲン原子か、ニトロ基か、分岐または環を形成していてもよいC〜Cアルキル基で置換されていてもよいアミノ基か、あるいはC〜Cを有する環状アミノ基か、で置換されていてもよい、アリール部分を有する、アラルキル基;
    分岐していてもよいC〜Cアルキル基か、分岐していてもよいC〜Cアルコキシ基か、シアノ基か、ハロゲン原子か、ニトロ基か、分岐または環を形成していてもよいC〜Cアルキル基で置換されていてもよいアミノ基か、あるいはC〜Cを有する環状アミノ基か、で置換されていてもよい、ヘテロアリール基;もしくは
    分岐していてもよいC〜Cアルキル基か、分岐していてもよいC〜Cアルコキシ基か、シアノ基か、ハロゲン原子か、ニトロ基か、分岐または環を形成していてもよいC〜Cアルキル基で置換されていてもよいアミノ基か、あるいはC〜Cを有する環状アミノ基か、で置換されていてもよい、ヘテロアリール部分を有する、ヘテロアラルキル基;
    である)と、
    以下の式(III)で表されるマロン酸エステル:
    Figure 2005263664
    (ここで、Rは、
    水素原子;
    分岐または環を形成していてもよく、および/または分岐または環を形成していてもよいC〜Cのアルコキシ基で置換されていてもよい、C〜Cのアルキル基;
    分岐または環を形成していてもよく、および/または分岐または環を形成していてもよいC〜Cのアルコキシ基で置換されていてもよい、C〜Cのアルケニル基;
    分岐または環を形成していてもよく、および/または分岐または環を形成していてもよいC〜Cのアルコキシ基で置換されていてもよい、C〜Cのアルキニル基;
    分岐していてもよいC〜Cアルキル基か、分岐していてもよいC〜Cアルコキシ基か、シアノ基か、ハロゲン原子か、ニトロ基か、分岐または環を形成していてもよいC〜Cアルキル基で置換されていてもよいアミノ基か、あるいはC〜Cを有する環状アミノ基か、で置換されていてもよい、アリール基;
    分岐していてもよいC〜Cアルキル基か、分岐していてもよいC〜Cアルコキシ基か、シアノ基か、ハロゲン原子か、ニトロ基か、分岐または環を形成していてもよいC〜Cアルキル基で置換されていてもよいアミノ基か、あるいはC〜Cを有する環状アミノ基か、で置換されていてもよい、アリール部分を有する、アラルキル基;
    分岐していてもよいC〜Cアルキル基か、分岐していてもよいC〜Cアルコキシ基か、シアノ基か、ハロゲン原子か、ニトロ基か、分岐または環を形成していてもよいC〜Cアルキル基で置換されていてもよいアミノ基か、あるいはC〜Cを有する環状アミノ基か、で置換されていてもよい、ヘテロアリール基;もしくは
    分岐していてもよいC〜Cアルキル基か、分岐していてもよいC〜Cアルコキシ基か、シアノ基か、ハロゲン原子か、ニトロ基か、分岐または環を形成していてもよいC〜Cアルキル基で置換されていてもよいアミノ基か、あるいはC〜Cを有する環状アミノ基か、で置換されていてもよい、ヘテロアリール部分を有する、ヘテロアラルキル基;
    であり、そして
    およびRは、それぞれ独立して、
    水素原子;
    分岐または環を形成していてもよい、C〜Cのアルキル基;
    アリル基;または
    分岐していてもよいC〜Cアルキル基および分岐していてもよいC〜Cアルコキシ基からなる群より選択される少なくとも1つの基で置換されていてもよい、アリール部分を有する、アラルキル基;
    である)
    とを、無機塩基を含有する溶媒中、
    以下の式(IV)で表される光学活性な四級アンモニウム塩:
    Figure 2005263664
    (ここで、RおよびRは、それぞれ独立して、
    水素原子;
    分岐または環を形成していてもよく、および/またはハロゲン原子で置換されていてもよい、C〜Cのアルキル基;
    分岐または環を形成していてもよく、および/またはハロゲン原子で置換されていてもよい、C〜Cのアルケニル基;
    分岐または環を形成していてもよく、および/またはハロゲン原子で置換されていてもよい、C〜Cのアルキニル基;
    ハロゲン原子で置換されていてもよいC〜Cアルキル基か、ハロゲン原子で置換されていてもよいC〜Cアルコキシ基か、ハロゲン原子で置換されていてもよいC〜Cのアルキル基で置換されていてもよいアリール基か、シアノ基か、ハロゲン原子か、ニトロ基か、分岐または環を形成していてもよいC〜Cアルキル基で置換されていてもよいアミノ基か、あるいはC〜Cを有する環状アミノ基か、で置換されていてもよい、アリール基;
    ハロゲン原子で置換されていてもよいC〜Cアルキル基か、ハロゲン原子で置換されていてもよいC〜Cアルコシキ基か、シアノ基か、ハロゲン原子か、ニトロ基か、分岐または環を形成していてもよいC〜Cアルキル基で置換されていてもよいアミノ基か、あるいはC〜Cを有する環状アミノ基か、で置換されていてもよい、ヘテロアリール基;
    ハロゲン原子で置換されていてもよいC〜Cアルキル基か、ハロゲン原子で置換されていてもよいC〜Cアルコキシ基か、シアノ基か、ハロゲン原子か、ニトロ基か、分岐または環を形成していてもよいC〜Cアルキル基で置換されていてもよいアミノ基か、あるいはC〜Cを有する環状アミノ基か、で置換されていてもよい、アリール部分を有する、アラルキル基;
    ハロゲン原子で置換されていてもよいC〜Cアルキル基か、ハロゲン原子で置換されていてもよいC〜Cアルコキシ基か、シアノ基か、ハロゲン原子か、ニトロ基か、分岐または環を形成していてもよいC〜Cアルキル基で置換されていてもよいアミノ基か、あるいはC〜Cを有する環状アミノ基か、で置換されていてもよい、ヘテロアリール部分を有する、ヘテロアラルキル基;
    (C〜Cアルコキシ)カルボニル基;
    カルバモイル基;
    N−(C〜Cアルキル)カルバモイル基;ならびに
    N,N−ジ(C〜Cアルキル)カルバモイル基(ここで、C〜Cアルキル基は、互いに同じでも異なっていてもよい)からなる群より選択される基であり、
    YおよびZは、それぞれ独立して水素原子または一価の有機基であるか、あるいは一緒になって、二価の有機基を表し、そして
    はハロゲン化物アニオンである)
    の存在下にて、反応させる工程、を包含する、方法。
  2. 前記四級アンモニウム塩のYおよびZが一緒になって、以下の二価の有機基:
    Figure 2005263664
    (ここで、R、R、R、R10、R11、およびR12はそれぞれ独立して、
    水素原子;
    分岐または環を形成していてもよく、および/またはハロゲン原子で置換されていてもよい、C〜Cのアルキル基;
    分岐または環を形成していてもよく、および/またはハロゲン原子で置換されていてもよい、C〜Cのアルケニル基;
    分岐または環を形成していてもよく、および/またはハロゲン原子で置換されていてもよい、C〜Cのアルキニル基;
    ハロゲン原子で置換されていてもよいC〜Cアルキル基か、ハロゲン原子で置換されていてもよいC〜Cアルコキシ基か、ハロゲン原子で置換されていてもよいC〜Cのアルキル基で置換されていてもよいアリール基か、シアノ基か、ハロゲン原子か、ニトロ基か、分岐または環を形成していてもよいC〜Cアルキル基で置換されていてもよいアミノ基か、あるいはC〜Cを有する環状アミノ基か、で置換されていてもよい、アリール基;
    ハロゲン原子で置換されていてもよいC〜Cアルキル基か、ハロゲン原子で置換されていてもよいC〜Cアルコシキ基か、シアノ基か、ハロゲン原子か、ニトロ基か、分岐または環を形成していてもよいC〜Cアルキル基で置換されていてもよいアミノ基か、あるいはC〜Cを有する環状アミノ基か、で置換されていてもよい、ヘテロアリール基;
    ハロゲン原子で置換されていてもよいC〜Cアルキル基か、ハロゲン原子で置換されていてもよいC〜Cアルコキシ基か、シアノ基か、ハロゲン原子か、ニトロ基か、分岐または環を形成していてもよいC〜Cアルキル基で置換されていてもよいアミノ基か、あるいはC〜Cを有する環状アミノ基か、で置換されていてもよい、アリール部分を有する、アラルキル基;
    ハロゲン原子で置換されていてもよいC〜Cアルキル基か、ハロゲン原子で置換されていてもよいC〜Cアルコキシ基か、シアノ基か、ハロゲン原子か、ニトロ基か、分岐または環を形成していてもよいC〜Cアルキル基で置換されていてもよいアミノ基か、あるいはC〜Cを有する環状アミノ基か、で置換されていてもよい、ヘテロアリール部分を有する、ヘテロアラルキル基;
    (C〜Cアルコキシ)カルボニル基;
    カルバモイル基;
    N−(C〜Cアルキル)カルバモイル基;ならびに
    N,N−ジ(C〜Cアルキル)カルバモイル基(ここで、C〜Cアルキル基は、互いに同じでも異なっていてもよい)からなる群より選択される基である)を表す、請求項1に記載の方法。
  3. 前記四級アンモニウム塩が、以下の式(IVa):
    Figure 2005263664
    (ここで、ArおよびArは、それぞれ独立して、ハロゲン原子で置換されていてもよいC〜Cアルキル基;ハロゲン原子で置換されていてもよいC〜Cアルコキシ基;ハロゲン原子で置換されていてもよいC〜Cのアルキル基で置換されていてもよいアリール基;またはハロゲン原子;で置換されていてもよいアリール基である)で表される化合物である、請求項2に記載の方法。
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JP2011057648A (ja) * 2009-09-14 2011-03-24 Nagoya Univ 光学活性な環状エーテル化合物の製法及びそれに用いる触媒

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