[go: up one dir, main page]

JP2005255610A - 光学活性な3−アミノアスパラギン酸誘導体の製造方法 - Google Patents

光学活性な3−アミノアスパラギン酸誘導体の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2005255610A
JP2005255610A JP2004068812A JP2004068812A JP2005255610A JP 2005255610 A JP2005255610 A JP 2005255610A JP 2004068812 A JP2004068812 A JP 2004068812A JP 2004068812 A JP2004068812 A JP 2004068812A JP 2005255610 A JP2005255610 A JP 2005255610A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
branched
substituted
optionally
cyclic
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2004068812A
Other languages
English (en)
Inventor
Keiji Maruoka
啓二 丸岡
Takashi Oi
貴史 大井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nagase and Co Ltd
Original Assignee
Nagase and Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nagase and Co Ltd filed Critical Nagase and Co Ltd
Priority to JP2004068812A priority Critical patent/JP2005255610A/ja
Publication of JP2005255610A publication Critical patent/JP2005255610A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
  • Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)

Abstract

【課題】 特殊な反応条件を用いることなく、光学活性な3−アミノアスパラギン酸誘導体を優れた光学純度でかつ効率的に製造することのできる方法を提供すること。
【解決手段】 光学活性な3−アミノアスパラギン酸誘導体の製造方法が開示されている。本発明によれば、所定構造のグリシネートのシッフ塩基とα−イミノエステルとの反応において、以下の構造:
【化1】
Figure 2005255610

を有する光学活性な四級アンモニウム塩を相関移動触媒として使用する。これにより、光学活性な3−アミノアスパラギン酸誘導体をより効率的に製造することができる。当該誘導体はまた、抗癌剤または抗生物質として利用可能なストレプトリジンラクタムの前駆体の製造において有用である。
【選択図】 なし

Description

本発明は、光学活性な3−アミノアスパラギン酸誘導体の製造方法に関し、より詳細には、軸不斉を有する光学活性な4級アンモニウム塩を相間移動触媒として用いる、光学活性な3−アミノアスパラギン酸誘導体の製造方法に関する。
従来より、アスパラギン酸およびその誘導体が種々の工業用途を有している点から注目されている。特に、光学活性な3−アミノアスパラギン酸誘導体は、不斉触媒のような触媒化学的用途、ならびに抗癌剤または抗生物質のような薬学的用途に応用可能な物質として期待されている。
このような光学活性な3−アミノアスパラギン酸誘導体を製造するためのいくつかの方法が従来より知られている。
例えば、光学活性なアスパラギン酸誘導体そのものを原料として用い、これを単にアミノ化する方法である(非特許文献1)。あるいは、光学活性なエステル部分を有するグリシンのシッフ塩基を、酸化的に二量化することにより、光学活性な3−アミノアスパラギン酸誘導体を得る方法も知られている(非特許文献2)。
しかし、これらの方法はいずれも、基質に対し、アミノ基の保護基として特殊な置換基を使用する必要がある。このような特殊な保護基の使用は、製造コストを高めることとなり、必ずしも工業的に優れた方法ということができない。さらに、これらの方法は、−78℃という超低温下での反応条件を必要とする点(前者の方法);ならびにアミノ化にむけて強い塩基が必要であり、かつ得られる目的物の立体選択性が低い点;(前者および後者の方法)でも工業的に充分な方法とはいえない。
また、近年では、不斉有機金属触媒の存在下、グリシンのシッフ塩基を用いてマンニッヒ反応を行い、目的物を得る方法が知られている(非特許文献3)。しかし、この方法によっても未だ目的物の立体選択性は低く、かつ使用する不斉有機金属触媒を構成する金属は、Cuのような重金属である点から、上述したような薬学的用途に使用される光学活性な3−アミノアスパラギン酸誘導体の製造に応用することは充分とは言い難い。
Eduaro F. Megiaら、J.Org.Chem.,1994年,第59号,p.7643−7652 Carlos A. Ibarraら、J.Org.Chem.,1997年,第62号,p.2478−2482 Luca Bernardiら、J.Org.Chem.,2003年,第68号,p.2583−2591
本発明は、上記問題の解決を課題とするものであり、その目的とするところは、特殊な反応条件を用いることなく、光学活性な3−アミノアスパラギン酸誘導体を優れた光学純度でかつ効率的に製造することのできる方法を提供することにある。
本発明は、以下の式(I)で表される、光学活性な3−アミノアスパラギン酸誘導体:
Figure 2005255610
(ここで、RおよびRは、それぞれ独立して、
水素原子;
分岐または環を形成していてもよく、および/または分岐または環を形成していてもよいC〜Cのアルコキシ基で置換されていてもよい、C〜Cのアルキル基;
分岐または環を形成していてもよく、および/または分岐または環を形成していてもよいC〜Cのアルコキシ基で置換されていてもよい、C〜Cのアルケニル基;
分岐または環を形成していてもよく、および/または分岐または環を形成していてもよいC〜Cのアルコキシ基で置換されていてもよい、C〜Cのアルキニル基;
分岐していてもよいC〜Cアルキル基か、分岐していてもよいC〜Cアルコキシ基か、シアノ基か、ハロゲン原子か、ニトロ基か、分岐または環を形成していてもよいC〜Cアルキル基で置換されていてもよいアミノ基か、あるいはC〜Cを有する環状アミノ基か、で置換されていてもよい、アリール基;もしくは
分岐していてもよいC〜Cアルキル基か、分岐していてもよいC〜Cアルコキシ基か、シアノ基か、ハロゲン原子か、ニトロ基か、分岐または環を形成していてもよいC〜Cアルキル基で置換されていてもよいアミノ基か、あるいはC〜Cを有する環状アミノ基か、で置換されていてもよい、アリール部分を有する、アラルキル基;
分岐していてもよいC〜Cアルキル基か、分岐していてもよいC〜Cアルコキシ基か、シアノ基か、ハロゲン原子か、ニトロ基か、分岐または環を形成していてもよいC〜Cアルキル基で置換されていてもよいアミノ基か、あるいはC〜Cを有する環状アミノ基か、で置換されていてもよい、ヘテロアリール基;もしくは
分岐していてもよいC〜Cアルキル基か、分岐していてもよいC〜Cアルコキシ基か、シアノ基か、ハロゲン原子か、ニトロ基か、分岐または環を形成していてもよいC〜Cアルキル基で置換されていてもよいアミノ基か、あるいはC〜Cを有する環状アミノ基か、で置換されていてもよい、ヘテロアリール部分を有する、ヘテロアラルキル基;
であり、そして
は、
水素原子;
分岐または環を形成していてもよく、および/または分岐または環を形成していてもよいC〜Cのアルコキシ基で置換されていてもよい、C〜Cのアルキル基;
分岐または環を形成していてもよく、および/または分岐または環を形成していてもよいC〜Cのアルコキシ基で置換されていてもよい、C〜Cのアルケニル基;
分岐または環を形成していてもよく、および/または分岐または環を形成していてもよいC〜Cのアルコキシ基で置換されていてもよい、C〜Cのアルキニル基;
分岐していてもよいC〜Cアルキル基か、分岐していてもよいC〜Cアルコキシ基か、シアノ基か、ハロゲン原子か、ニトロ基か、分岐または環を形成していてもよいC〜Cアルキル基で置換されていてもよいアミノ基か、あるいはC〜Cを有する環状アミノ基か、で置換されていてもよい、アリール基;
分岐していてもよいC〜Cアルキル基か、分岐していてもよいC〜Cアルコキシ基か、シアノ基か、ハロゲン原子か、ニトロ基か、分岐または環を形成していてもよいC〜Cアルキル基で置換されていてもよいアミノ基か、あるいはC〜Cを有する環状アミノ基か、で置換されていてもよい、アリール部分を有する、アラルキル基;
分岐していてもよいC〜Cアルキル基か、分岐していてもよいC〜Cアルコキシ基か、シアノ基か、ハロゲン原子か、ニトロ基か、分岐または環を形成していてもよいC〜Cアルキル基で置換されていてもよいアミノ基か、あるいはC〜Cを有する環状アミノ基か、で置換されていてもよい、ヘテロアリール基;もしくは
分岐していてもよいC〜Cアルキル基か、分岐していてもよいC〜Cアルコキシ基か、シアノ基か、ハロゲン原子か、ニトロ基か、分岐または環を形成していてもよいC〜Cアルキル基で置換されていてもよいアミノ基か、あるいはC〜Cを有する環状アミノ基か、で置換されていてもよい、ヘテロアリール部分を有する、ヘテロアラルキル基;
である)の製造方法であって、
以下の式(II)で表されるグリシネートのシッフ塩基:
Figure 2005255610
(ここで、Rは、
水素原子;
分岐または環を形成していてもよく、および/または分岐または環を形成していてもよいC〜Cのアルコキシ基で置換されていてもよい、C〜Cのアルキル基;
分岐または環を形成していてもよく、および/または分岐または環を形成していてもよいC〜Cのアルコキシ基で置換されていてもよい、C〜Cのアルケニル基;
分岐または環を形成していてもよく、および/または分岐または環を形成していてもよいC〜Cのアルコキシ基で置換されていてもよい、C〜Cのアルキニル基;
分岐していてもよいC〜Cアルキル基か、分岐していてもよいC〜Cアルコキシ基か、シアノ基か、ハロゲン原子か、ニトロ基か、分岐または環を形成していてもよいC〜Cアルキル基で置換されていてもよいアミノ基か、あるいはC〜Cを有する環状アミノ基か、で置換されていてもよい、アリール基;もしくは
分岐していてもよいC〜Cアルキル基か、分岐していてもよいC〜Cアルコキシ基か、シアノ基か、ハロゲン原子か、ニトロ基か、分岐または環を形成していてもよいC〜Cアルキル基で置換されていてもよいアミノ基か、あるいはC〜Cを有する環状アミノ基か、で置換されていてもよい、アリール部分を有する、アラルキル基;
分岐していてもよいC〜Cアルキル基か、分岐していてもよいC〜Cアルコキシ基か、シアノ基か、ハロゲン原子か、ニトロ基か、分岐または環を形成していてもよいC〜Cアルキル基で置換されていてもよいアミノ基か、あるいはC〜Cを有する環状アミノ基か、で置換されていてもよい、ヘテロアリール基;もしくは
分岐していてもよいC〜Cアルキル基か、分岐していてもよいC〜Cアルコキシ基か、シアノ基か、ハロゲン原子か、ニトロ基か、分岐または環を形成していてもよいC〜Cアルキル基で置換されていてもよいアミノ基か、あるいはC〜Cを有する環状アミノ基か、で置換されていてもよい、ヘテロアリール部分を有する、ヘテロアラルキル基;
である)と、
以下の式(III)で表されるα−イミノエステル:
Figure 2005255610
(ここで、Rは、
水素原子;
分岐または環を形成していてもよく、および/または分岐または環を形成していてもよいC〜Cのアルコキシ基で置換されていてもよい、C〜Cのアルキル基;
分岐または環を形成していてもよく、および/または分岐または環を形成していてもよいC〜Cのアルコキシ基で置換されていてもよい、C〜Cのアルケニル基;
分岐または環を形成していてもよく、および/または分岐または環を形成していてもよいC〜Cのアルコキシ基で置換されていてもよい、C〜Cのアルキニル基;
分岐していてもよいC〜Cアルキル基か、分岐していてもよいC〜Cアルコキシ基か、シアノ基か、ハロゲン原子か、ニトロ基か、分岐または環を形成していてもよいC〜Cアルキル基で置換されていてもよいアミノ基か、あるいはC〜Cを有する環状アミノ基か、で置換されていてもよい、アリール基;
分岐していてもよいC〜Cアルキル基か、分岐していてもよいC〜Cアルコキシ基か、シアノ基か、ハロゲン原子か、ニトロ基か、分岐または環を形成していてもよいC〜Cアルキル基で置換されていてもよいアミノ基か、あるいはC〜Cを有する環状アミノ基か、で置換されていてもよい、アリール部分を有する、アラルキル基;
分岐していてもよいC〜Cアルキル基か、分岐していてもよいC〜Cアルコキシ基か、シアノ基か、ハロゲン原子か、ニトロ基か、分岐または環を形成していてもよいC〜Cアルキル基で置換されていてもよいアミノ基か、あるいはC〜Cを有する環状アミノ基か、で置換されていてもよい、ヘテロアリール基;もしくは
分岐していてもよいC〜Cアルキル基か、分岐していてもよいC〜Cアルコキシ基か、シアノ基か、ハロゲン原子か、ニトロ基か、分岐または環を形成していてもよいC〜Cアルキル基で置換されていてもよいアミノ基か、あるいはC〜Cを有する環状アミノ基か、で置換されていてもよい、ヘテロアリール部分を有する、ヘテロアラルキル基;
であり、そして
は、
水素原子;
分岐または環を形成していてもよく、および/または分岐または環を形成していてもよいC〜Cのアルコキシ基で置換されていてもよい、C〜Cのアルキル基;
分岐または環を形成していてもよく、および/または分岐または環を形成していてもよいC〜Cのアルコキシ基で置換されていてもよい、C〜Cのアルケニル基;
分岐または環を形成していてもよく、および/または分岐または環を形成していてもよいC〜Cのアルコキシ基で置換されていてもよい、C〜Cのアルキニル基;
分岐していてもよいC〜Cアルキル基か、分岐していてもよいC〜Cアルコキシ基か、シアノ基か、ハロゲン原子か、ニトロ基か、分岐または環を形成していてもよいC〜Cアルキル基で置換されていてもよいアミノ基か、あるいはC〜Cを有する環状アミノ基か、で置換されていてもよい、アリール基;もしくは
分岐していてもよいC〜Cアルキル基か、分岐していてもよいC〜Cアルコキシ基か、シアノ基か、ハロゲン原子か、ニトロ基か、分岐または環を形成していてもよいC〜Cアルキル基で置換されていてもよいアミノ基か、あるいはC〜Cを有する環状アミノ基か、で置換されていてもよい、アリール部分を有する、アラルキル基;
分岐していてもよいC〜Cアルキル基か、分岐していてもよいC〜Cアルコキシ基か、シアノ基か、ハロゲン原子か、ニトロ基か、分岐または環を形成していてもよいC〜Cアルキル基で置換されていてもよいアミノ基か、あるいはC〜Cを有する環状アミノ基か、で置換されていてもよい、ヘテロアリール基;もしくは
分岐していてもよいC〜Cアルキル基か、分岐していてもよいC〜Cアルコキシ基か、シアノ基か、ハロゲン原子か、ニトロ基か、分岐または環を形成していてもよいC〜Cアルキル基で置換されていてもよいアミノ基か、あるいはC〜Cを有する環状アミノ基か、で置換されていてもよい、ヘテロアリール部分を有する、ヘテロアラルキル基;
である)
とを、溶媒中、
以下の式(IV)で表される光学活性な四級アンモニウム塩:
Figure 2005255610
(ここで、RおよびRは、それぞれ独立して、
水素原子;
分岐または環を形成していてもよく、および/またはハロゲン原子で置換されていてもよい、C〜Cのアルキル基;
分岐または環を形成していてもよく、および/またはハロゲン原子で置換されていてもよい、C〜Cのアルケニル基;
分岐または環を形成していてもよく、および/またはハロゲン原子で置換されていてもよい、C〜Cのアルキニル基;
ハロゲン原子で置換されていてもよいC〜Cアルキル基か、ハロゲン原子で置換されていてもよいC〜Cアルコキシ基か、ハロゲン原子で置換されていてもよいC〜Cのアルキル基で置換されていてもよいアリール基か、シアノ基か、ハロゲン原子か、ニトロ基か、分岐または環を形成していてもよいC〜Cアルキル基で置換されていてもよいアミノ基か、あるいはC〜Cを有する環状アミノ基か、で置換されていてもよい、アリール基;
ハロゲン原子で置換されていてもよいC〜Cアルキル基か、ハロゲン原子で置換されていてもよいC〜Cアルコシキ基か、シアノ基か、ハロゲン原子か、ニトロ基か、分岐または環を形成していてもよいC〜Cアルキル基で置換されていてもよいアミノ基か、あるいはC〜Cを有する環状アミノ基か、で置換されていてもよい、ヘテロアリール基;
ハロゲン原子で置換されていてもよいC〜Cアルキル基か、ハロゲン原子で置換されていてもよいC〜Cアルコキシ基か、シアノ基か、ハロゲン原子か、ニトロ基か、分岐または環を形成していてもよいC〜Cアルキル基で置換されていてもよいアミノ基か、あるいはC〜Cを有する環状アミノ基か、で置換されていてもよい、アリール部分を有する、アラルキル基;
ハロゲン原子で置換されていてもよいC〜Cアルキル基か、ハロゲン原子で置換されていてもよいC〜Cアルコキシ基か、シアノ基か、ハロゲン原子か、ニトロ基か、分岐または環を形成していてもよいC〜Cアルキル基で置換されていてもよいアミノ基か、あるいはC〜Cを有する環状アミノ基か、で置換されていてもよい、ヘテロアリール部分を有する、ヘテロアラルキル基;
(C〜Cアルコキシ)カルボニル基;
カルバモイル基;
N−(C〜Cアルキル)カルバモイル基;ならびに
N,N−ジ(C〜Cアルキル)カルバモイル基(ここで、C〜Cアルキル基は、互いに同じでも異なっていてもよい)からなる群より選択される基であり、
YおよびZは、それぞれ独立して水素原子または一価の有機基であるか、あるいは一緒になって、二価の有機基を表し、そして
はハロゲン化物アニオンである)
の存在下にて、反応させる工程、を包含する、方法である。
好ましい実施形態では、上記四級アンモニウム塩のYおよびZが一緒になって、以下の二価の有機基:
Figure 2005255610
(ここで、R、R、R、R10、R11、およびR12はそれぞれ独立して、
水素原子;
分岐または環を形成していてもよく、および/またはハロゲン原子で置換されていてもよい、C〜Cのアルキル基;
分岐または環を形成していてもよく、および/またはハロゲン原子で置換されていてもよい、C〜Cのアルケニル基;
分岐または環を形成していてもよく、および/またはハロゲン原子で置換されていてもよい、C〜Cのアルキニル基;
ハロゲン原子で置換されていてもよいC〜Cアルキル基か、ハロゲン原子で置換されていてもよいC〜Cアルコキシ基か、ハロゲン原子で置換されていてもよいC〜Cのアルキル基で置換されていてもよいアリール基か、シアノ基か、ハロゲン原子か、ニトロ基か、分岐または環を形成していてもよいC〜Cアルキル基で置換されていてもよいアミノ基か、あるいはC〜Cを有する環状アミノ基か、で置換されていてもよい、アリール基;
ハロゲン原子で置換されていてもよいC〜Cアルキル基か、ハロゲン原子で置換されていてもよいC〜Cアルコシキ基か、シアノ基か、ハロゲン原子か、ニトロ基か、分岐または環を形成していてもよいC〜Cアルキル基で置換されていてもよいアミノ基か、あるいはC〜Cを有する環状アミノ基か、で置換されていてもよい、ヘテロアリール基;
ハロゲン原子で置換されていてもよいC〜Cアルキル基か、ハロゲン原子で置換されていてもよいC〜Cアルコキシ基か、シアノ基か、ハロゲン原子か、ニトロ基か、分岐または環を形成していてもよいC〜Cアルキル基で置換されていてもよいアミノ基か、あるいはC〜Cを有する環状アミノ基か、で置換されていてもよい、アリール部分を有する、アラルキル基;
ハロゲン原子で置換されていてもよいC〜Cアルキル基か、ハロゲン原子で置換されていてもよいC〜Cアルコキシ基か、シアノ基か、ハロゲン原子か、ニトロ基か、分岐または環を形成していてもよいC〜Cアルキル基で置換されていてもよいアミノ基か、あるいはC〜Cを有する環状アミノ基か、で置換されていてもよい、ヘテロアリール部分を有する、ヘテロアラルキル基;
(C〜Cアルコキシ)カルボニル基;
カルバモイル基;
N−(C〜Cアルキル)カルバモイル基;ならびに
N,N−ジ(C〜Cアルキル)カルバモイル基(ここで、C〜Cアルキル基は、互いに同じでも異なっていてもよい)からなる群より選択される基である)を表す。
さらに好ましい実施形態では、上記四級アンモニウム塩は、以下の式(IVa):
Figure 2005255610
(ここで、ArおよびArは、それぞれ独立して、ハロゲン原子で置換されていてもよいC〜Cアルキル基;ハロゲン原子で置換されていてもよいC〜Cアルコキシ基;ハロゲン原子で置換されていてもよいC〜Cのアルキル基で置換されていてもよいアリール基;またはハロゲン原子;で置換されていてもよいアリール基である)で表される化合物である。
本発明によれば、光学活性な3−アミノアスパラギン酸誘導体を優れた光学純度で効率的に製造することができる。また、この光学活性な3−アミノアスパラギン酸誘導体の製造にあたっては、超低温下などの特殊な反応条件に設定する必要もなく、比較的温和な反応条件を用いることができる。
以下、本明細書中で用いられる用語を定義する。
用語「分岐または環を形成していてもよい、C〜Cのアルキル基」(ここでnは整数)は、炭素数1〜nの任意の直鎖アルキル基、炭素数3〜nの任意の分岐鎖アルキル基、および炭素数3〜nの任意の環状アルキル基を包含する。例えば、炭素数1〜8の任意の直鎖アルキル基としては、メチル、エチル、n−プロピル、n−ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチルおよびオクチルが挙げられる。炭素数3〜8の任意の分岐鎖アルキル基としては、1つまたはそれ以上の分岐鎖を有するアルキル基が包含され、例えば、イソプロピル、イソブチル、tert−ブチル、イソペンチルなどが挙げられる。炭素数3〜8の任意の環状アルキル基としては、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシルなどが挙げられる。さらに、例えば、用語「分岐または環を形成していてもよく、および/またはハロゲン原子で置換されていてもよい、C〜Cのアルキル基」という場合は、炭素数1〜8の直鎖アルキル基、炭素数3〜8の任意の分岐鎖アルキル基、および炭素数3〜8の任意の環状アルキル基を包含し、これらの任意の位置に存在する水素原子がハロゲン原子で置換されていてもよい。このようなアルキル基としては、n−ヘプチル、イソヘプチル、n−オクチルなどが挙げられる。またさらに、用語「分岐または環を形成していてもよく、および/または分岐または環を形成していてもよいC〜Cのアルコキシ基で置換されていてもよい、C〜Cのアルキル基」は、上記「分岐または環を形成してもよい、C〜Cのアルキル基」そのもの、ならびに当該アルキル基を構成する少なくとも1個の水素原子が、分岐または環を形成していてもよいC〜Cのアルコキシ基(すなわち、炭素数1〜8の直鎖アルコキシ基、炭素数3〜8の分岐鎖アルコキシ基、または炭素数3〜8の環状アルコキシ基)で置換されているアルキル基を包含していう。
なお、N−(C〜Cアルキル)カルバモイル基およびN,N−ジ(C〜Cアルキル)カルバモイルにおいて、「C〜Cアルキル」は、C〜Cの直鎖アルキル基またはC〜Cの分岐鎖アルキル基を意味する。
用語「分岐または環を形成していてもよい、C〜Cのアルケニル基」(ここでnは整数)は、炭素数2〜nの任意の直鎖アルケニル基、炭素数3〜nの任意の分岐鎖アルケニル基、および炭素数3〜nの任意の環状アルケニル基を包含する。例えば、炭素数2〜8の任意の直鎖アルケニル基としては、エテニル、1−プロペニル、2−プロペニル、1−ブテニル、2−ブテニル、1−ペンテニル、2−ペンテニル、3−ペンテニル、4−ペンテニル、1−ヘキセニルなどが挙げられる。炭素数3〜8の任意の分岐鎖アルケニル基としては、1つまたはそれ以上の分岐鎖を有するアルケニル基が包含され、例えば、イソプロペニル、1−メチル−1−プロペニル、1−メチル−2−プロペニル、2−メチル−1−プロペニル、2−メチル−2−プロペニル、1−メチル−2−ブテニルなどが挙げられる。炭素数3〜8の任意の環状アルケニル基としては、シクロブテニル、シクロペンテニル、シクロヘキセニルなどが挙げられる。さらに、例えば、用語「分岐または環を形成していてもよく、および/またはハロゲン原子で置換されていてもよい、C〜Cのアルケニル基」という場合は、炭素数2〜8の直鎖アルケニル基、炭素数3〜8の任意の分岐鎖アルケニル基、および炭素数3〜8の任意の環状アルケニル基を包含し、これらの任意の位置に存在する水素原子がハロゲン原子で置換されていてもよい。このようなアルケニル基としては、1−ヘプテニル、2−ヘプテニル、1−オクテニルなどが挙げられる。またさらに、用語「分岐または環を形成していてもよく、および/または分岐または環を形成していてもよいC〜Cのアルコキシ基で置換されていてもよい、C〜Cのアルケニル基」は、上記「分岐または環を形成してもよい、C〜Cのアルケニル基」そのもの、ならびに当該アルケニル基を構成する少なくとも1個の水素原子が、分岐または環を形成していてもよいC〜Cのアルコキシ基(すなわち、炭素数1〜8の直鎖アルコキシ基、炭素数3〜8の分岐鎖アルコキシ基、または炭素数3〜8の環状アルコキシ基)で置換されているアルケニル基を包含していう。
用語「分岐または環を形成していてもよい、C〜Cのアルキニル基」(ここでnは整数)は、炭素数2〜nの任意の直鎖アルキニル基、炭素数3〜nの任意の分岐鎖アルキニル基、および炭素数3〜nの任意の環状アルキニル基を包含する。例えば、炭素数2〜8の任意の直鎖アルキニル基としては、1つまたはそれ以上の分岐鎖を有するアルキニル基が包含され、例えば、エチニル、1−プロピニル、2−プロピニル、1−ブチニル、2−ブチニル、1−ペンチニル、1−ヘキシニルなどが挙げられる。炭素数3〜8の任意の分岐鎖アルキニル基としては、1−メチル−2−プロピニルなどが挙げられ、そして炭素数3〜8の任意の環状アルキニル基としては、シクロプロピルエチニル、シクロブチルエチニルなどが挙げられる。さらに、例えば、用語「分岐または環を形成していてもよく、および/またはハロゲン原子で置換されていてもよい、C〜Cのアルキニル基」という場合は、炭素数2〜8の直鎖アルキニル基、炭素数3〜8の任意の分岐鎖アルキニル基、および炭素数3〜8の任意の環状アルキニル基を包含し、これらの任意の位置に存在する水素原子がハロゲン原子で置換されていてもよい。このようなアルキニル基としては、1−ヘプチニル、1−オクチニルなどが挙げられる。またさらに、用語「分岐または環を形成していてもよく、および/または分岐または環を形成していてもよいC〜Cのアルコキシ基で置換されていてもよい、C〜Cのアルキニル基」は、上記「分岐または環を形成してもよい、C〜Cのアルキニル基」そのもの、ならびに当該アルキニル基を構成する少なくとも1個の水素原子が、分岐または環を形成していてもよいC〜Cのアルコキシ基(すなわち、炭素数1〜8の直鎖アルコキシ基、炭素数3〜8の分岐鎖アルコキシ基、または炭素数3〜8の環状アルコキシ基)で置換されているアルキニル基を包含していう。
用語「分岐していてもよいC〜Cのアルコキシ基」(ここでnは整数)は、炭素数1〜nを有する任意の、直鎖状の飽和または不飽和炭化水素部分を有するアルコキシ基、および炭素数3〜nを有する任意の、分岐鎖状の飽和または不飽和炭化水素部分を有するアルコキシ基を包含する。例えば、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシ、tert−ブトキシなどが挙げられる。さらに、用語「分岐または環を形成していてもよいC〜Cのアルコキシ基」(ここでnは整数)は、炭素数1〜nを有する任意の、直鎖状の飽和または不飽和炭化水素部分を有するアルコキシ基;炭素数3〜nを有する任意の、分岐鎖状の飽和または不飽和炭化水素部分を有するアルコキシ基;ならびに炭素数3〜nを有する任意の、環状の飽和または不飽和炭化水素部分を有するアルコキシ基;を包含する。例えば、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシ、tert−ブトキシ、ベンジルオキシ、アリルオキシなどが挙げられる。
用語「分岐または環を形成していてもよいC〜Cアルキル基で置換されていてもよいアミノ基」は、未置換のアミノ基(−NH)、ならびに当該未置換のアミノ基を構成する少なくとも1つの水素原子が、炭素数1〜6の任意の直鎖アルキル基、炭素数3〜6の任意の分岐鎖アルキル基、および/または炭素数3〜6の任意の環状アルキル基で置換されているアミノ基を包含していう。他方、用語「C〜Cを有する環状アミノ基」は、当該アミノ基を構成する窒素原子が2個〜6個の炭素原子と一緒になって、飽和または不飽和の複素環を形成してなるアミノ基を包含していう。
用語「アラルキル基」の例としては、ベンジル、フェネチル、およびナフチルメチルが挙げられる。
用語「ヘテロアラルキル基」の例としては、ピリジルメチル、インドリルメチル、フリルメチル、チエニルメチル、およびピロリルメチルが挙げられる。
用語「アリール基」の例としては、フェニル、ナフチル、アントリル、フェナントリルなどが挙げられる。
用語「ヘテロアリール基」の例としては、ピリジル、ピロリル、イミダゾリル、フリル、インドリル、チエニル、オキサゾリル、チアゾリル、およびテトラゾリルが挙げられる。
用語「ハロゲン原子」の例としては、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子およびフッ素原子が挙げられる。なお、本発明において、用語「ハロゲン化物アニオン」とは、ハロゲンイオンのことを意味し、塩化物イオン、臭化物イオン、ヨウ化物イオン、およびフッ化物イオンが挙げられる。
以下、本発明について詳述する。
本発明において、光学活性な3−アミノアスパラギン酸誘導体は、グリシネートのシッフ塩基とα−イミノエステルとを反応させることにより製造される。
本発明に用いられるグリシネートのシッフ塩基は、以下の式(II):
Figure 2005255610
(ここで、Rは、
水素原子;
分岐または環を形成していてもよく、および/または分岐または環を形成していてもよいC〜Cのアルコキシ基で置換されていてもよい、C〜Cのアルキル基;
分岐または環を形成していてもよく、および/または分岐または環を形成していてもよいC〜Cのアルコキシ基で置換されていてもよい、C〜Cのアルケニル基;
分岐または環を形成していてもよく、および/または分岐または環を形成していてもよいC〜Cのアルコキシ基で置換されていてもよい、C〜Cのアルキニル基;
分岐していてもよいC〜Cアルキル基か、分岐していてもよいC〜Cアルコキシ基か、シアノ基か、ハロゲン原子か、ニトロ基か、分岐または環を形成していてもよいC〜Cアルキル基で置換されていてもよいアミノ基か、あるいはC〜Cを有する環状アミノ基か、で置換されていてもよい、アリール基;もしくは
分岐していてもよいC〜Cアルキル基か、分岐していてもよいC〜Cアルコキシ基か、シアノ基か、ハロゲン原子か、ニトロ基か、分岐または環を形成していてもよいC〜Cアルキル基で置換されていてもよいアミノ基か、あるいはC〜Cを有する環状アミノ基か、で置換されていてもよい、アリール部分を有する、アラルキル基;
分岐していてもよいC〜Cアルキル基か、分岐していてもよいC〜Cアルコキシ基か、シアノ基か、ハロゲン原子か、ニトロ基か、分岐または環を形成していてもよいC〜Cアルキル基で置換されていてもよいアミノ基か、あるいはC〜Cを有する環状アミノ基か、で置換されていてもよい、ヘテロアリール基;もしくは
分岐していてもよいC〜Cアルキル基か、分岐していてもよいC〜Cアルコキシ基か、シアノ基か、ハロゲン原子か、ニトロ基か、分岐または環を形成していてもよいC〜Cアルキル基で置換されていてもよいアミノ基か、あるいはC〜Cを有する環状アミノ基か、で置換されていてもよい、ヘテロアリール部分を有する、ヘテロアラルキル基;
である)で表される化合物である。上記式(II)で表されるグリシネートのシッフ塩基を構成するRは、好ましくは、分岐または環を形成していてもよく、および/または分岐または環を形成していてもよいC〜Cのアルコキシ基で置換されていてもよい、C〜Cのアルキル基;であり、より好ましくは、未置換のC〜Cのアルキル基であり、さらにより好ましくはt−ブチル基である。
本発明に用いられるα−イミノエステルは、以下の式(III):
Figure 2005255610
(ここで、Rは、
水素原子;
分岐または環を形成していてもよく、および/または分岐または環を形成していてもよいC〜Cのアルコキシ基で置換されていてもよい、C〜Cのアルキル基;
分岐または環を形成していてもよく、および/または分岐または環を形成していてもよいC〜Cのアルコキシ基で置換されていてもよい、C〜Cのアルケニル基;
分岐または環を形成していてもよく、および/または分岐または環を形成していてもよいC〜Cのアルコキシ基で置換されていてもよい、C〜Cのアルキニル基;
分岐していてもよいC〜Cアルキル基か、分岐していてもよいC〜Cアルコキシ基か、シアノ基か、ハロゲン原子か、ニトロ基か、分岐または環を形成していてもよいC〜Cアルキル基で置換されていてもよいアミノ基か、あるいはC〜Cを有する環状アミノ基か、で置換されていてもよい、アリール基;
分岐していてもよいC〜Cアルキル基か、分岐していてもよいC〜Cアルコキシ基か、シアノ基か、ハロゲン原子か、ニトロ基か、分岐または環を形成していてもよいC〜Cアルキル基で置換されていてもよいアミノ基か、あるいはC〜Cを有する環状アミノ基か、で置換されていてもよい、アリール部分を有する、アラルキル基;
分岐していてもよいC〜Cアルキル基か、分岐していてもよいC〜Cアルコキシ基か、シアノ基か、ハロゲン原子か、ニトロ基か、分岐または環を形成していてもよいC〜Cアルキル基で置換されていてもよいアミノ基か、あるいはC〜Cを有する環状アミノ基か、で置換されていてもよい、ヘテロアリール基;もしくは
分岐していてもよいC〜Cアルキル基か、分岐していてもよいC〜Cアルコキシ基か、シアノ基か、ハロゲン原子か、ニトロ基か、分岐または環を形成していてもよいC〜Cアルキル基で置換されていてもよいアミノ基か、あるいはC〜Cを有する環状アミノ基か、で置換されていてもよい、ヘテロアリール部分を有する、ヘテロアラルキル基;
であり、そして
は、
水素原子;
分岐または環を形成していてもよく、および/または分岐または環を形成していてもよいC〜Cのアルコキシ基で置換されていてもよい、C〜Cのアルキル基;
分岐または環を形成していてもよく、および/または分岐または環を形成していてもよいC〜Cのアルコキシ基で置換されていてもよい、C〜Cのアルケニル基;
分岐または環を形成していてもよく、および/または分岐または環を形成していてもよいC〜Cのアルコキシ基で置換されていてもよい、C〜Cのアルキニル基;
分岐していてもよいC〜Cアルキル基か、分岐していてもよいC〜Cアルコキシ基か、シアノ基か、ハロゲン原子か、ニトロ基か、分岐または環を形成していてもよいC〜Cアルキル基で置換されていてもよいアミノ基か、あるいはC〜Cを有する環状アミノ基か、で置換されていてもよい、アリール基;もしくは
分岐していてもよいC〜Cアルキル基か、分岐していてもよいC〜Cアルコキシ基か、シアノ基か、ハロゲン原子か、ニトロ基か、分岐または環を形成していてもよいC〜Cアルキル基で置換されていてもよいアミノ基か、あるいはC〜Cを有する環状アミノ基か、で置換されていてもよい、アリール部分を有する、アラルキル基;
分岐していてもよいC〜Cアルキル基か、分岐していてもよいC〜Cアルコキシ基か、シアノ基か、ハロゲン原子か、ニトロ基か、分岐または環を形成していてもよいC〜Cアルキル基で置換されていてもよいアミノ基か、あるいはC〜Cを有する環状アミノ基か、で置換されていてもよい、ヘテロアリール基;もしくは
分岐していてもよいC〜Cアルキル基か、分岐していてもよいC〜Cアルコキシ基か、シアノ基か、ハロゲン原子か、ニトロ基か、分岐または環を形成していてもよいC〜Cアルキル基で置換されていてもよいアミノ基か、あるいはC〜Cを有する環状アミノ基か、で置換されていてもよい、ヘテロアリール部分を有する、ヘテロアラルキル基;
である)で表される化合物である。上記式(III)で表されるα−イミノエステルを構成するRは、好ましくは、分岐していてもよいC〜Cアルキル基か、分岐していてもよいC〜Cアルコキシ基か、シアノ基か、ハロゲン原子か、ニトロ基か、分岐または環を形成していてもよいC〜Cアルキル基で置換されていてもよいアミノ基か、あるいはC〜Cを有する環状アミノ基か、で置換されていてもよい、アリール基;または分岐していてもよいC〜Cアルキル基か、分岐していてもよいC〜Cアルコキシ基か、で置換されていてもよい、アリール部分を有する、アラルキル基;であり、より好ましくは、直鎖のC〜Cアルコキシ基で置換されていてもよいアリール基であり、さらにより好ましくはメトキシキ基で置換されていてもよいフェニル基である。式(III)で表されるα−イミノエステルを構成するRのより具体的な例としては、4−メトキシフェニル基、ベンジル基が挙げられる。
上記グリシネートのシッフ塩基とα−イミノエステルとの反応において、式(III)のα−イミノエステルは、式(II)のグリシネートのシッフ塩基に対して好ましくは0.1当量〜10当量、より好ましくは0.5当量〜5当量の割合で用いられる。α−イミノエステルの使用量が式(II)のシッフ塩基に対して1当量を下回ると、反応自体が充分進行せず、所望の光学活性な3−アミノアスパラギン酸誘導体を良好な収率で得ることができない恐れがある。また、α−イミノエステルの使用量が式(II)のシッフ塩基に対して10当量を上回っても、得られる光学活性な3−アミノアスパラギン酸誘導体の収率がそれ以上変化せず、むしろ生産性の向上には寄与しない恐れがある。
本発明の方法において、上記グリシネートのシッフ塩基とα−イミノエステルとの反応は、溶媒中、光学活性な四級アンモニウム塩の存在下にて行われる。
本発明に用いられる溶媒としては、例えば、メシチレン、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルエーテル、イソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサンなどの有機溶媒と塩基性水溶液との混合物である。塩基性水溶液の例としては、水酸化ナトリウム水溶液、水酸化カリウム水溶液、および水酸化セシウム水溶液が挙げられる。有機溶媒と塩基性水溶液の混合割合は特に限定されず、当業者によって適切な割合に選択され得る。本発明において使用される溶媒の量は、式(II)のグリシネートのシッフ塩基に対し、容積(mL)/重量(g)比で好ましくは2倍〜30倍、より好ましくは4倍〜25倍である。
本発明に用いられる光学活性な四級アンモニウム塩は、以下の式(IV):
Figure 2005255610
(ここで、RおよびRは、それぞれ独立して、
水素原子;
分岐または環を形成していてもよく、および/またはハロゲン原子で置換されていてもよい、C〜Cのアルキル基;
分岐または環を形成していてもよく、および/またはハロゲン原子で置換されていてもよい、C〜Cのアルケニル基;
分岐または環を形成していてもよく、および/またはハロゲン原子で置換されていてもよい、C〜Cのアルキニル基;
ハロゲン原子で置換されていてもよいC〜Cアルキル基か、ハロゲン原子で置換されていてもよいC〜Cアルコキシ基か、ハロゲン原子で置換されていてもよいC〜Cのアルキル基で置換されていてもよいアリール基か、シアノ基か、ハロゲン原子か、ニトロ基か、分岐または環を形成していてもよいC〜Cアルキル基で置換されていてもよいアミノ基か、あるいはC〜Cを有する環状アミノ基か、で置換されていてもよい、アリール基;
ハロゲン原子で置換されていてもよいC〜Cアルキル基か、ハロゲン原子で置換されていてもよいC〜Cアルコシキ基か、シアノ基か、ハロゲン原子か、ニトロ基か、分岐または環を形成していてもよいC〜Cアルキル基で置換されていてもよいアミノ基か、あるいはC〜Cを有する環状アミノ基か、で置換されていてもよい、ヘテロアリール基;
ハロゲン原子で置換されていてもよいC〜Cアルキル基か、ハロゲン原子で置換されていてもよいC〜Cアルコキシ基か、シアノ基か、ハロゲン原子か、ニトロ基か、分岐または環を形成していてもよいC〜Cアルキル基で置換されていてもよいアミノ基か、あるいはC〜Cを有する環状アミノ基か、で置換されていてもよい、アリール部分を有する、アラルキル基;
ハロゲン原子で置換されていてもよいC〜Cアルキル基か、ハロゲン原子で置換されていてもよいC〜Cアルコキシ基か、シアノ基か、ハロゲン原子か、ニトロ基か、分岐または環を形成していてもよいC〜Cアルキル基で置換されていてもよいアミノ基か、あるいはC〜Cを有する環状アミノ基か、で置換されていてもよい、ヘテロアリール部分を有する、ヘテロアラルキル基;
(C〜Cアルコキシ)カルボニル基;
カルバモイル基;
N−(C〜Cアルキル)カルバモイル基;ならびに
N,N−ジ(C〜Cアルキル)カルバモイル基(ここで、C〜Cアルキル基は、互いに同じでも異なっていてもよい)からなる群より選択される基であり、
YおよびZは、それぞれ独立して水素原子または一価の有機基であるか、あるいは一緒になって、二価の有機基を表し、そして
はハロゲン化物アニオンである)で表される化合物である。
本発明に用いられる光学活性な四級アンモニウム塩は、上記グリシネートのシッフ塩基とα−イミノエステルとの反応において相間移動触媒として機能し、当該シッフ塩基とα−イミノエステルとのマンニッヒ反応を直接的に達成し得る。すなわち、この反応においては、光学活性な四級アンモニウム塩は、以下の式(V):
Figure 2005255610
(ここで、RおよびRはそれぞれ上記定義と同様である)に示されるようなアゼピン骨格を有する二価の有機基が窒素原子と結合していることが重要である。このようなアゼピン骨格を有する二価の有機基を含むことによって、本発明に用いられる光学活性な四級アンモニウム塩は相関移動触媒として有効に機能し、上記マンニッヒ反応を達成することができる。
本発明に用いられる、上記式(IV)で表される光学活性な4級アンモニウム塩のうち、YおよびZがそれぞれ独立して一価の有機基である場合、このような塩を構成し得る一価の有機基の例としては、分岐または環を形成していてもよい、C〜C12のアルキル基が挙げられる。当該一価の有機基のより具体的な例としては、メチル基、エチル基、n−ブチル基、イソブチル基、n−デシル基、およびシクロヘキシル基が挙げられる。あるいは、上記式(IV)で表される光学活性な四級アンモニウム塩のうち、YおよびZが一緒になって二価の有機基を構成する場合、このような塩を構成し得る二価の有機基の例としては、−(CH−(ここで、mは2から8の整数である)、
Figure 2005255610
(ここで、R、R、R、R10、R11、およびR12はそれぞれ独立して、
水素原子;
分岐または環を形成していてもよく、および/またはハロゲン原子で置換されていてもよい、C〜Cのアルキル基;
分岐または環を形成していてもよく、および/またはハロゲン原子で置換されていてもよい、C〜Cのアルケニル基;
分岐または環を形成していてもよく、および/またはハロゲン原子で置換されていてもよい、C〜Cのアルキニル基;
ハロゲン原子で置換されていてもよいC〜Cアルキル基か、ハロゲン原子で置換されていてもよいC〜Cアルコキシ基か、ハロゲン原子で置換されていてもよいC〜Cのアルキル基で置換されていてもよいアリール基か、シアノ基か、ハロゲン原子か、ニトロ基か、分岐または環を形成していてもよいC〜Cアルキル基で置換されていてもよいアミノ基か、あるいはC〜Cを有する環状アミノ基か、で置換されていてもよい、アリール基;
ハロゲン原子で置換されていてもよいC〜Cアルキル基か、ハロゲン原子で置換されていてもよいC〜Cアルコシキ基か、シアノ基か、ハロゲン原子か、ニトロ基か、分岐または環を形成していてもよいC〜Cアルキル基で置換されていてもよいアミノ基か、あるいはC〜Cを有する環状アミノ基か、で置換されていてもよい、ヘテロアリール基;
ハロゲン原子で置換されていてもよいC〜Cアルキル基か、ハロゲン原子で置換されていてもよいC〜Cアルコキシ基か、シアノ基か、ハロゲン原子か、ニトロ基か、分岐または環を形成していてもよいC〜Cアルキル基で置換されていてもよいアミノ基か、あるいはC〜Cを有する環状アミノ基か、で置換されていてもよい、アリール部分を有する、アラルキル基;
ハロゲン原子で置換されていてもよいC〜Cアルキル基か、ハロゲン原子で置換されていてもよいC〜Cアルコキシ基か、シアノ基か、ハロゲン原子か、ニトロ基か、分岐または環を形成していてもよいC〜Cアルキル基で置換されていてもよいアミノ基か、あるいはC〜Cを有する環状アミノ基か、で置換されていてもよい、ヘテロアリール部分を有する、ヘテロアラルキル基;
(C〜Cアルコキシ)カルボニル基;
カルバモイル基;
N−(C〜Cアルキル)カルバモイル基;ならびに
N,N−ジ(C〜Cアルキル)カルバモイル基(ここで、C〜Cアルキル基は、互いに同じでも異なっていてもよい)からなる群より選択される基である)が挙げられる。
すなわち、本発明に用いられる光学活性な四級アンモニウム塩には、式(IV−A)または式(IV−B):
Figure 2005255610
(ここで、RおよびRは、それぞれ独立して、
水素原子;
分岐または環を形成していてもよく、および/またはハロゲン原子で置換されていてもよい、C〜Cのアルキル基;
分岐または環を形成していてもよく、および/またはハロゲン原子で置換されていてもよい、C〜Cのアルケニル基;
分岐または環を形成していてもよく、および/またはハロゲン原子で置換されていてもよい、C〜Cのアルキニル基;
ハロゲン原子で置換されていてもよいC〜Cアルキル基か、ハロゲン原子で置換されていてもよいC〜Cアルコキシ基か、ハロゲン原子で置換されていてもよいC〜Cのアルキル基で置換されていてもよいアリール基か、シアノ基か、ハロゲン原子か、ニトロ基か、分岐または環を形成していてもよいC〜Cアルキル基で置換されていてもよいアミノ基か、あるいはC〜Cを有する環状アミノ基か、で置換されていてもよい、アリール基;
ハロゲン原子で置換されていてもよいC〜Cアルキル基か、ハロゲン原子で置換されていてもよいC〜Cアルコシキ基か、シアノ基か、ハロゲン原子か、ニトロ基か、分岐または環を形成していてもよいC〜Cアルキル基で置換されていてもよいアミノ基か、あるいはC〜Cを有する環状アミノ基か、で置換されていてもよい、ヘテロアリール基;
ハロゲン原子で置換されていてもよいC〜Cアルキル基か、ハロゲン原子で置換されていてもよいC〜Cアルコキシ基か、シアノ基か、ハロゲン原子か、ニトロ基か、分岐または環を形成していてもよいC〜Cアルキル基で置換されていてもよいアミノ基か、あるいはC〜Cを有する環状アミノ基か、で置換されていてもよい、アリール部分を有する、アラルキル基;
ハロゲン原子で置換されていてもよいC〜Cアルキル基か、ハロゲン原子で置換されていてもよいC〜Cアルコキシ基か、シアノ基か、ハロゲン原子か、ニトロ基か、分岐または環を形成していてもよいC〜Cアルキル基で置換されていてもよいアミノ基か、あるいはC〜Cを有する環状アミノ基か、で置換されていてもよい、ヘテロアリール部分を有する、ヘテロアラルキル基;
(C〜Cアルコキシ)カルボニル基;
カルバモイル基;
N−(C〜Cアルキル)カルバモイル基;ならびに
N,N−ジ(C〜Cアルキル)カルバモイル基(ここで、C〜Cアルキル基は、互いに同じでも異なっていてもよい)からなる群より選択される基であり、
、R、R、R10、R11、およびR12はそれぞれ独立して、
水素原子;
分岐または環を形成していてもよく、および/またはハロゲン原子で置換されていてもよい、C〜Cのアルキル基;
分岐または環を形成していてもよく、および/またはハロゲン原子で置換されていてもよい、C〜Cのアルケニル基;
分岐または環を形成していてもよく、および/またはハロゲン原子で置換されていてもよい、C〜Cのアルキニル基;
ハロゲン原子で置換されていてもよいC〜Cアルキル基か、ハロゲン原子で置換されていてもよいC〜Cアルコキシ基か、ハロゲン原子で置換されていてもよいC〜Cのアルキル基で置換されていてもよいアリール基か、シアノ基か、ハロゲン原子か、ニトロ基か、分岐または環を形成していてもよいC〜Cアルキル基で置換されていてもよいアミノ基か、あるいはC〜Cを有する環状アミノ基か、で置換されていてもよい、アリール基;
ハロゲン原子で置換されていてもよいC〜Cアルキル基か、ハロゲン原子で置換されていてもよいC〜Cアルコシキ基か、シアノ基か、ハロゲン原子か、ニトロ基か、分岐または環を形成していてもよいC〜Cアルキル基で置換されていてもよいアミノ基か、あるいはC〜Cを有する環状アミノ基か、で置換されていてもよい、ヘテロアリール基;
ハロゲン原子で置換されていてもよいC〜Cアルキル基か、ハロゲン原子で置換されていてもよいC〜Cアルコキシ基か、シアノ基か、ハロゲン原子か、ニトロ基か、分岐または環を形成していてもよいC〜Cアルキル基で置換されていてもよいアミノ基か、あるいはC〜Cを有する環状アミノ基か、で置換されていてもよい、アリール部分を有する、アラルキル基;
ハロゲン原子で置換されていてもよいC〜Cアルキル基か、ハロゲン原子で置換されていてもよいC〜Cアルコキシ基か、シアノ基か、ハロゲン原子か、ニトロ基か、分岐または環を形成していてもよいC〜Cアルキル基で置換されていてもよいアミノ基か、あるいはC〜Cを有する環状アミノ基か、で置換されていてもよい、ヘテロアリール部分を有する、ヘテロアラルキル基;
(C〜Cアルコキシ)カルボニル基;
カルバモイル基;
N−(C〜Cアルキル)カルバモイル基;ならびに
N,N−ジ(C〜Cアルキル)カルバモイル基(ここで、C〜Cアルキル基は、互いに同じでも異なっていてもよい)からなる群より選択される基であり、そして
はハロゲン化物アニオンである)で表される化合物が包含される。さらに、本発明に用いられる光学活性な四級アンモニウム塩は、上記式(IV−A)または式(IV−B)で表される化合物のうち、式(IV−A)で表される化合物がさらに好ましく、特に、以下の式(IVa):
Figure 2005255610
(ここで、ArおよびArは、それぞれ独立して、ハロゲン原子で置換されていてもよいC〜Cアルキル基;ハロゲン原子で置換されていてもよいC〜Cアルコキシ基;ハロゲン原子で置換されていてもよいC〜Cのアルキル基で置換されていてもよいアリール基;またはハロゲン原子;で置換されていてもよいアリール基である)で表される化合物であることが最も好ましい。
上記四級アンモニウム塩の絶対配置は、本発明の方法を用いて得ようとする、所望の3−アミノアスパラギン酸誘導体の立体配置に応じて当業者により適切に選択され得る。例えば、上記式(IV−A)で表される四級アンモニウム塩において(S,S)、(R,R)、(S,R)、または(R,S)のいずれかの絶対配置を有する四級アンモニウム塩が選択され得る。さらに、本発明に用いられる四級アンモニウム塩は、軸不斉に関して純粋な形態で使用されることが好ましい。ここで、「軸不斉に関して純粋」とは、軸不斉に基づいて考えられる各種立体異性体のうち、1つの特定の異性体の存在率が、他の異性体より多いことをいう。好ましくは、当該1つの特定の異性体の存在率は、90%以上、より好ましくは95%以上、さらにより好ましくは98%以上である。
このような光学活性な四級アンモニウム塩は、例えば、特開2001−048866号公報または特開2002−326992号公報に記載の方法にしたがって、当業者が化学的に合成することが可能である。あるいは、上記構造に包含される光学活性な四級アンモニウム塩のいくつかは、例えば、アルドリッチ社および和光純薬(株)より市販されている。
本発明における、上記光学活性な4級アンモニウム塩の使用量は、上記式(II)のグリシネートのシッフ塩基に対して、好ましくは0.0005当量〜0.2当量、より好ましくは0.001当量〜0.1当量に設定される。上記反応工程は、−50℃から室温までの間の適切な温度、好ましくは−40℃〜0℃で、空気中あるいはアルゴン雰囲気下のいずれで行われてもよく、好ましくはアルゴン雰囲気下にて行われる。この工程は、上記グリシネートのシッフ塩基とα−イミノエステルとの反応が充分に進行するまで適切な時間にわたって、攪拌しながら行われ得る。反応時間は、好ましくは30分〜48時間、より好ましくは1時間〜24時間である。
このようにして、以下の式(I):
Figure 2005255610
(ここで、RおよびRは、それぞれ独立して、
水素原子;
分岐または環を形成していてもよく、および/または分岐または環を形成していてもよいC〜Cのアルコキシ基で置換されていてもよい、C〜Cのアルキル基;
分岐または環を形成していてもよく、および/または分岐または環を形成していてもよいC〜Cのアルコキシ基で置換されていてもよい、C〜Cのアルケニル基;
分岐または環を形成していてもよく、および/または分岐または環を形成していてもよいC〜Cのアルコキシ基で置換されていてもよい、C〜Cのアルキニル基;
分岐していてもよいC〜Cアルキル基か、分岐していてもよいC〜Cアルコキシ基か、シアノ基か、ハロゲン原子か、ニトロ基か、分岐または環を形成していてもよいC〜Cアルキル基で置換されていてもよいアミノ基か、あるいはC〜Cを有する環状アミノ基か、で置換されていてもよい、アリール基;もしくは
分岐していてもよいC〜Cアルキル基か、分岐していてもよいC〜Cアルコキシ基か、シアノ基か、ハロゲン原子か、ニトロ基か、分岐または環を形成していてもよいC〜Cアルキル基で置換されていてもよいアミノ基か、あるいはC〜Cを有する環状アミノ基か、で置換されていてもよい、アリール部分を有する、アラルキル基;
分岐していてもよいC〜Cアルキル基か、分岐していてもよいC〜Cアルコキシ基か、シアノ基か、ハロゲン原子か、ニトロ基か、分岐または環を形成していてもよいC〜Cアルキル基で置換されていてもよいアミノ基か、あるいはC〜Cを有する環状アミノ基か、で置換されていてもよい、ヘテロアリール基;もしくは
分岐していてもよいC〜Cアルキル基か、分岐していてもよいC〜Cアルコキシ基か、シアノ基か、ハロゲン原子か、ニトロ基か、分岐または環を形成していてもよいC〜Cアルキル基で置換されていてもよいアミノ基か、あるいはC〜Cを有する環状アミノ基か、で置換されていてもよい、ヘテロアリール部分を有する、ヘテロアラルキル基;
であり、そして
は、
水素原子;
分岐または環を形成していてもよく、および/または分岐または環を形成していてもよいC〜Cのアルコキシ基で置換されていてもよい、C〜Cのアルキル基;
分岐または環を形成していてもよく、および/または分岐または環を形成していてもよいC〜Cのアルコキシ基で置換されていてもよい、C〜Cのアルケニル基;
分岐または環を形成していてもよく、および/または分岐または環を形成していてもよいC〜Cのアルコキシ基で置換されていてもよい、C〜Cのアルキニル基;
分岐していてもよいC〜Cアルキル基か、分岐していてもよいC〜Cアルコキシ基か、シアノ基か、ハロゲン原子か、ニトロ基か、分岐または環を形成していてもよいC〜Cアルキル基で置換されていてもよいアミノ基か、あるいはC〜Cを有する環状アミノ基か、で置換されていてもよい、アリール基;
分岐していてもよいC〜Cアルキル基か、分岐していてもよいC〜Cアルコキシ基か、シアノ基か、ハロゲン原子か、ニトロ基か、分岐または環を形成していてもよいC〜Cアルキル基で置換されていてもよいアミノ基か、あるいはC〜Cを有する環状アミノ基か、で置換されていてもよい、アリール部分を有する、アラルキル基;
分岐していてもよいC〜Cアルキル基か、分岐していてもよいC〜Cアルコキシ基か、シアノ基か、ハロゲン原子か、ニトロ基か、分岐または環を形成していてもよいC〜Cアルキル基で置換されていてもよいアミノ基か、あるいはC〜Cを有する環状アミノ基か、で置換されていてもよい、ヘテロアリール基;もしくは
分岐していてもよいC〜Cアルキル基か、分岐していてもよいC〜Cアルコキシ基か、シアノ基か、ハロゲン原子か、ニトロ基か、分岐または環を形成していてもよいC〜Cアルキル基で置換されていてもよいアミノ基か、あるいはC〜Cを有する環状アミノ基か、で置換されていてもよい、ヘテロアリール部分を有する、ヘテロアラルキル基;
である)で表される、光学活性な3−アミノアスパラギン酸誘導体を、高収率かつ高光学純度で得ることができる。ここで、高光学純度とは、好ましくは85%ee以上、より好ましくは90%ee以上、さらに好ましくは95%ee以上の光学純度であることをいう。
このように本発明においては、光学活性な3−アミノアスパラギン酸誘導体を、超低温下などの特殊な反応条件に設定する必要もなく、比較的温和な反応条件を用いて製造することができる。特に、光学活性な3−アミノアスパラギン酸誘導体は、不斉触媒のような触媒化学的用途、ならびに抗癌剤または抗生物質のような薬学的用途に応用可能な物質として期待されている。本発明によって製造される式(I)の光学活性な3−アミノアスパラギン酸誘導体は、例えば、以下の工程<a>〜<c>および工程<d>〜<f>を通じて、あるいは工程<a>〜<c>および工程<g>〜<j>を通じて:
Figure 2005255610
Figure 2005255610
Figure 2005255610
抗癌剤または抗生物質として利用可能なストレプトリジンラクタムの前駆体[6]を製造することができる。
以下、本発明を実施例によって具体的に記述する。しかし、これらによって本発明は制限されるものではない。
なお、以下の実施例においては、赤外(IR)スペクトルを、Shimadzu FT−IR 8200Aスペクトロメータで記録した。H NMRスペクトルを、JEOL JNM−FX400(400MHz)スペクトロメータ、およびJMTC−400/54/SS(400MHz)スペクトロメータで測定した。反応生成物の光学純度については、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)を、4.6mm×25cm Daicel Chiralcel AD−Hを用いて、Shimadzu 10A装置で測定した。旋光性については、JASCO DIP−1000デジタル旋光計で測定した。反応の進行については、薄層クロマトグラフィー(TLC)分析による、Merck precoated TLCプレート(シリカゲル60 GF254,0.25mm)を用いてモニタリングした。生成物は、シリカゲルを用いた分取カラムクロマトグラフィーにより精製した。さらに、高分解能質量分析(HRMS)を、Applied Biosystems Mariner API−TOFワークステーションおよびJEOL LMS−HX100を用いて行った。
乾燥溶媒を必要とする実験においては、エーテルおよびテトラヒドロフラン(THF)を、関東化学(株)より脱水物として購入した。ベンゼンおよびトルエンについては、金属ナトリウム中で乾燥したものを使用した。ジクロロメタンについては、4Aモレキュラーシーブを用いて保管していたものを使用した。トリエチルアミン(EtN)については、水酸化カリウムペレットを用いて保管していたものを使用した。
<参考例1:光学活性な4級アンモニウム塩の製造>
特開2001−048866号公報または特開2002−173492号公報に記載の手法に基づいて、(R,R)体でなる以下の光学活性な4級アンモニウム塩(R,R)−2A、(R,R)−2B、(R,R)−2C)をそれぞれ製造した。

Figure 2005255610
<実施例1:光学活性な3−アミノアスパラギン酸誘導体の製造>
Figure 2005255610
メシチレン(50mL)および17%水酸化ナトリウム水溶液(15mL)を含む溶媒中、t−ブチルグリシネートベンゾフェノンシッフ塩基[3](1.48g、5.0mmol)および参考例1より得られた光学活性な4級アンモニウム塩(相間移動触媒:(R,R)−2A)(91.5mg,2モル%)の混合物に、アルゴン雰囲気下、−20℃にて、エチルN−(4−メトキシフェニルイミノ)アセテート[4](2.07g、10.0mmol)を滴下した。反応混合物を同様の温度で6時間激しく撹拌した。次いで、この反応物を飽和NHCl水溶液中に注ぎ、エーテルで抽出した。有機抽出物を食塩水で洗浄し、そしてNaSOで乾燥した。溶媒を除去した後、残渣のオイルをTHF(30mL)中に溶解し、0℃にて2時間、1NのHCl(15mL)で処理した。THFを減圧下で除去し、水層をエーテルで2回洗浄し、次いで、NaHCOで中和した。さらに、この混合物をCHClで3回抽出した。合わせた抽出物をNaSOで乾燥し、濃縮した。残渣を、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出液として、エーテル/CHCl/ヘキサン=1:8:4(容量比)、次いで酢酸エチル/ヘキサン=1:1(容量比)を使用)で精製して、(2S,3S)−1−t−ブチル4−エチル3−N−(4−メトキシフェニル)アミノアスパラギン酸エステル[5]をジアステレオマーの混合物として得た(1.48g、4.38mmol、収率88%、シン/アンチ=4.5:1、91%ee(シン異性体)、64%ee(アンチ異性体))。ジアステレオ比をH NMR分析により測定した。鏡像体過剰率を、キラルカラムを用いるHPLC分析(DAICEL Chiralpak AD−H、ヘキサン/2−プロパノール=10:1(容量比)、流速=0.5mL/分、保持時間;アンチ異性体:36.7分(2S,2R)および41.1分(2R,3S)、シン異性体:45.9分(2S,3S)および60.6分(2R,3R))により測定した。相対立体配置については、後述の実施例7に記載の化合物[トランス−7]への変換後、H NMR分析により決定し、シン異性体の絶対配置については、Mosher法およびH NOE測定により、後述の実施例13に記載の化合物[6]の調製後に決定した。アンチ異性体の絶対配置は確認しなかった。得られた(2S,3S)−1−t−ブチル4−エチル3−N−(4−メトキシフェニル)アミノアスパラギン酸エステル[5]の分析結果を表1および表2に示す。
Figure 2005255610
<実施例2:光学活性な3−アミノアスパラギン酸誘導体の製造>
実施例1で使用した光学活性な4級アンモニウム塩(R,R)−2Aの代わりに、参考例1で得られた他の光学活性な4級アンモニウム塩(R,R)−2B)(2モル%)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして(2S,3S)−1−t−ブチル4−エチル3−N−(4−メトキシフェニル)アミノアスパラギン酸エステル[5]を得た。本実施例で得られた(2S,3S)−1−t−ブチル4−エチル3−N−(4−メトキシフェニル)アミノアスパラギン酸エステル[5]の分析結果を表2に示す。
<実施例3:光学活性な3−アミノアスパラギン酸誘導体の製造>
実施例1で使用したメシチレンと水酸化ナトリウム水溶液との混合溶媒の代わりに、トルエン(50mL)と17%水酸化ナトリウム水溶液(15mL)との混合溶媒を用いたこと以外は、実施例1と同様にして(2S,3S)−1−t−ブチル4−エチル3−N−(4−メトキシフェニル)アミノアスパラギン酸エステル[5]を得た。本実施例で得られた(2S,3S)−1−t−ブチル4−エチル3−N−(4−メトキシフェニル)アミノアスパラギン酸エステル[5]の分析結果を表2に示す。
<実施例4:光学活性な3−アミノアスパラギン酸誘導体の製造>
実施例1で使用したメシチレンと水酸化ナトリウム水溶液との混合溶媒の代わりに、トルエン(50mL)と17%水酸化ナトリウム水溶液(15mL)との混合溶媒を用い、かつ実施例1で使用した光学活性な4級アンモニウム塩(R,R)−2Aの代わりに、参考例1で得られた他の光学活性な4級アンモニウム塩(R,R)−2C)(2モル%)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして(2S,3S)−1−t−ブチル4−エチル3−N−(4−メトキシフェニル)アミノアスパラギン酸エステル[5]を得た。本実施例で得られた(2S,3S)−1−t−ブチル4−エチル3−N−(4−メトキシフェニル)アミノアスパラギン酸エステル[5]の分析結果を表2に示す。
<実施例5:光学活性な3−アミノアスパラギン酸誘導体の製造>
実施例1で使用したメシチレンと水酸化ナトリウム水溶液との混合溶媒の代わりに、トルエン(50mL)と17%水酸化ナトリウム水溶液(15mL)との混合溶媒を用い、かつ実施例1で使用した光学活性な4級アンモニウム塩(R,R)−2Aの代わりに、参考例1で得られた他の光学活性な4級アンモニウム塩(R,R)−2B)(2モル%)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして(2S,3S)−1−t−ブチル4−エチル3−N−(4−メトキシフェニル)アミノアスパラギン酸エステル[5]を得た。本実施例で得られた(2S,3S)−1−t−ブチル4−エチル3−N−(4−メトキシフェニル)アミノアスパラギン酸エステル[5]の分析結果を表2に示す。
<実施例6:光学活性な3−アミノアスパラギン酸誘導体の製造>
実施例1で使用したメシチレンと水酸化ナトリウム水溶液との混合溶媒の代わりに、トルエン(50mL)と17%水酸化ナトリウム水溶液(15mL)との混合溶媒を用い、実施例1で使用した光学活性な4級アンモニウム塩(R,R)−2Aの代わりに、参考例1で得られた他の光学活性な4級アンモニウム塩(R,R)−2B)(2モル%)を用い、そしてエチルN−(4−メトキシフェニルイミノ)アセテート[4]の滴下を−20℃の代わりに0℃で行ったこと以外は、実施例1と同様にして(2S,3S)−1−t−ブチル4−エチル3−N−(4−メトキシフェニル)アミノアスパラギン酸エステル[5]を得た。本実施例で得られた(2S,3S)−1−t−ブチル4−エチル3−N−(4−メトキシフェニル)アミノアスパラギン酸エステル[5]の分析結果を表2に示す。
Figure 2005255610
表2に示されるように、本発明の方法によって光学活性な3−アミノアスパラギン酸誘導体を優れた収率および光学純度で得ることができる。特に、実施例1の結果に代表されるように、相間移動触媒として上記(R,R)−2Aの構造を有するものを使用し、かつメシチレンと水酸化ナトリウムとの混合溶媒を使用することにより、得られる光学活性な3−アミノアスパラギン酸誘導体の収率および光学純度がさらに向上することがわかる。
<実施例7:(4S,5S)−1−(4−メトキシフェニル)−2−オキソイミダゾリジン−4−t−ブチル5−エチルジカルボン酸エステル[トランス−7]の製造>
Figure 2005255610
実施例1で得られた(2S,3S)−1−t−ブチル4−エチル3−N−(4−メトキシフェニル)アミノアスパラギン酸エステル[5](1.48g、4.38mmol、ジアステレオマーの混合物)とトリエチルアミン(1.36mL、9.64mmol)とのCHCl(45mL)溶液に、アルゴン雰囲気下、0℃にてトリホスゲン(1.36g、4.60mmol)を添加した。この混合物を同様の温度で1時間撹拌し、次いで、飽和NaHCO水溶液中に注いだ。有機相を分離し、そして水相をCHClで抽出した。合わせた有機抽出物をNaSOで乾燥し、濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出液として、酢酸エチル/ヘキサン=1:1.2(容量比)を使用)で精製することにより、標題化合物[トランス−7](1.32g、3.63mmol、収率79%、91%ee)と当該化合物に対応するシス体[シス−7](255mg、0.70mmol、収率16%、鏡像体過剰率は測定せず)。相対配置を1H NMRで測定し、その後、CHClとヘキサンの混合溶媒から再結晶することにより、光学的に純粋な標題化合物[トランス−7](1.04g、2.85mmol、収率65%(使用した上記化合物[5]の重量に対して)、99%ee)を得た。鏡像体過剰率については、キラルカラムを用いるHPLC分析(DAICEL Chiralcel AD−H、ヘキサン/2−プロパノール=2:1(容量比)、流速=0.5mL/分、保持時間;24.6分(4S,5S),44.2分(4R,5R))により測定した。得られた化合物の分析結果を表3に示す。
Figure 2005255610
<実施例8:(4S,5S,1’S)−5−(1’−シアノヒドロキシメチル)−1−(4−メトキシフェニル)−2−オキソイミダゾリジン−4−t−ブチルカルボン酸エステル[8]の製造>
Figure 2005255610
実施例7で得られた化合物[トランス−7](547mg、1.50mmol)のCHCl(4mL)およびエーテル(12mL)溶液に、アルゴン雰囲気下で−78℃にてDIBAH(水素化ジイソブチルアルミニウム;2.25mL、4.50mmol)の2.0Mトルエン溶液を徐々に滴下した。この混合物を同様の温度で1時間撹拌した後、トリメチルシリルシアニド(600μL、4.50mmol)を添加し、撹拌をさらに1時間継続した。次いで、この混合物を0℃まで加温し、その状態で6時間撹拌した。10%のクエン酸水溶液を添加することにより、反応をクエンチし、混合物を酢酸エチルで抽出した。有機抽出物を食塩水で洗浄し、NaSOで乾燥し、そして濃縮した。残渣を、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出液として、酢酸エチル/ヘキサン=1.4:1(容量比)を使用)で精製して、標題化合物[8](167mg、0.48mmol、収率32%)および当該化合物[8]に対応する(4S,5S,1’R)異性体[エピ−8](250mg、0.72mmol、収率48%)を得た。得られた化合物の分析結果を表4に示す。
Figure 2005255610
<実施例9:(4S,5S,1’R)−5−(2’−N−(4−メトキシベンジル)アミノ−1’−ヒドロキシエチル)−1−(4−メトキシフェニル)−2−オキソイミダゾリジン−4−t−ブチルカルボン酸エステル[10]の製造>
Figure 2005255610
実施例8で得られた化合物[8](167mg、0.48mmol)の酢酸(5mL)溶液に、アルゴン雰囲気下、室温にて触媒として酸化白金(41.8mg、25重量%)を添加した。次いで、アルゴンをHガスに置き換え、反応混合物を2時間撹拌した。得られた混合物を濾過して触媒を取り除き、ろ液を濃縮した。残渣を水に溶解し、酢酸エチルで2回洗浄した。水層をNaHCOで中和し、そしてNaClで飽和させ、次いでCHClで6回抽出した。有機抽出物をNaSOで乾燥し、そして濃縮して、粗製の(4S,5S,1’R)−5−(2’−アミノ−1’−ヒドロキシエチル)−1−(4−メトキシフェニル)−2−オキソイミダゾリジン−4−t−ブチルカルボン酸エステル[9](152mg、0.43mmol、収率90%)を得た。得られた化合物[9]の分析結果を表5に示す。
Figure 2005255610
これを精製することなく、次の反応にそのまま使用した。
CHCl(3mL)中の粗生成物である化合物[9](152mg、0.43mmol)およびNa2SO4(4.3g)の混合物に、アルゴン雰囲気下、0℃にてp−アニスアルデヒド(62.8μL、0.52mmol)を添加した。この混合物を室温まで加温し、そして8時間撹拌した。得られた混合物を濾過し、そしてろ液を濃縮した。残渣をエタノール(2mL)に溶解し、水素化ホウ素ナトリウム(18.1mg、0.43mmol)を、この溶液に0℃で添加した。この混合物を同様の温度で1時間撹拌し、水に注ぎ、次いで酢酸エチルで抽出した。有機抽出物を食塩水で洗浄し、NaSOで乾燥した。溶媒を除去し、そしてシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出液としてメタノール/CHCl=1:10(容量比)を使用)により残渣を精製して、標題化合物[10](144mg、0.31mmol、収率71%)を得た。得られた化合物[10]の分析結果を表6に示す。
Figure 2005255610
<実施例10:(4S,5S,1’S)−5−(2’−アミノ−1’−ヒドロキシエチル)−1−(4−メトキシフェニル)−2−オキソイミダゾリジン−4−t−ブチルカルボン酸エステル[エピ−9]の製造>
Figure 2005255610
化合物[8]の代わりに、実施例8で得られた化合物[エピ−8](167mg、0.48mmol)を用いたこと以外は、実施例9と同様にして標題化合物[エピ−9]を得た。得られた化合物[エピ−9]の分析結果を表7に示す。
Figure 2005255610
これを精製することなく、次の反応にそのまま使用した。
<実施例11:(4S,5S,1’S)−5−(2’−N−(4−メトキシベンジル)アミノ−1’−ヒドロキシエチル)−1−(4−メトキシフェニル)−2−オキソイミダゾリジン−4−t−ブチルカルボン酸エステル[エピ−10]の製造>
Figure 2005255610
化合物[9]の代わりに、実施例10で得られた粗生成物である化合物[エピ−9](152mg、0.43mmol)を用いたこと以外は、実施例9と同様にして標題化合物[エピ−10]を得た。得られた化合物[エピ−10]の分析結果を表8に示す。
Figure 2005255610
<実施例12:(4S,5S,1’R)−5−(2’−N−(t−ブトキシカルボニル)−N−(4−メトキシベンジル)アミノ−1’−ヒドロキシエチル)−1−(4−メトキシフェニル)−2−オキソイミダゾリジン−4−t−ブチルカルボン酸エステル[11]の製造>
Figure 2005255610
実施例11で得られた化合物[エピ−10](75.4mg、0.16mmol)のCHCl(2mL)溶液に、0℃にてトリエチルアミン(29.3μL、0.21mmol)と(Boc)O(二炭酸ジt−ブチル)(45.5μL、0.19mmol)を添加した。混合物を同様の温度で5時間撹拌し、次いで、水に注いだ。有機層を分離し、そして水層をCHClで抽出した。有機抽出物を食塩水で洗浄し、NaSOで乾燥した。溶媒を除去した後、残渣の粗製生物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出液として酢酸エチル/ヘキサン=3:1(容量比)を使用)により精製して、(4S,5S,1’R)−5−(2’−N−(t−ブトキシカルボニル)−N−(4−メトキシベンジル)アミノ−1’−ヒドロキシエチル)−1−(4−メトキシフェニル)−2−オキソイミダゾリジン−4−t−ブチルカルボン酸エステル[エピ−11]を得た(89.6mg、0.16mmol、収率98%)。得られた化合物[エピ−11]の分析結果を表9に示す。
Figure 2005255610
オキサリルクロライド(29.4μL、0.32mmol)のCHCl(1mL)溶液に、アルゴン雰囲気下にて−78℃でDMSO(45.4μL、0.64mmol)を滴下した。15分間撹拌した後、上記化合物[エピ−11](89.6mg、0.16mmol)のCHCl(1mL)溶液を滴下した。混合物を1時間撹拌し、次いで、同様の温度にてN,N−ジイソプロピルエチルアミン(287μL、1.6mmol)で処理した。反応混合物を3時間撹拌し、水を添加してクエンチした。CHClを用いて抽出操作を行い、合わせた有機抽出物を食塩水で洗浄し、次いでNaSOで乾燥した。溶媒を除去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出液として、酢酸エチル/ヘキサン=2:1(容量比)を使用)により精製して、(4S,5S)−5−(2’−N−(t−ブトキシカルボニル)−N−(4−メトキシベンジル)アミノアセチル)−1−(4−メトキシフェニル)−2−オキソイミダゾリジン−4−t−ブチルカルボン酸エステル(化合物[12])(87.5mg、0.15mmol、収率97%)を得た。得られた化合物[12]の分析結果を表10に示す。
Figure 2005255610
上記化合物[12](87.5mg、0.15mmol)のTHF(0.4mL)およびトルエン(1.6mL)溶液に、アルゴン雰囲気下、−78℃にて新たに調製したZn(BH(900μL、0.45mmol)の0.5Mエーテル溶液を添加した。混合物を同様の温度で6時間撹拌し、次いで、10%クエン酸でクエンチした。水相を酢酸エチルで抽出した。有機抽出物を食塩水で洗浄し、NaSOで乾燥し、そして濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出液として、酢酸エチル/ヘキサン=3:1(容量比)を使用)により精製して、(4S,5S,1’R)−5−(2’−N−(t−ブトキシカルボニル)−N−(4−メトキシベンジル)アミノ−1’−ヒドロキシエチル)−1−(4−メトキシフェニル)−2−オキソイミダゾリジン−4−t−ブチルカルボン酸エステル(標題化合物[11])(45.8mg、0.080mmol、収率53%)およびそのエピマーである化合物[エピ−11](37.7mg、0.066mmol、収率44%)を得た。得られた化合物の分析結果を表11に示す。
Figure 2005255610
<実施例13:ストレプトリジンラクタムの前駆体[6]の製造>
Figure 2005255610
実施例9で得られた化合物[10]および実施例12で得られた化合物[11]をそれぞれ用い、以下の2つのルートから標題化合物[6]を製造した。
「ルートA」: 実施例9で得られた化合物[10](144mg、0.31mmol)のギ酸(1.5mL)溶液を60℃まで加熱し、そしてアルゴン雰囲気下にて8時間撹拌した。溶媒を減圧下にて除去し、残渣を、トルエンを用いて2回エバポレートして、残存するギ酸を完全に除去した。得られた固体をDMF(3mL)およびトリエチルアミン(109μL、0.78mmol)中に溶解し、そしてDPPA(ジフェニルフォスフォリルアジド、87.7μL、0.40mmol)をアルゴン雰囲気下、0℃にて添加した。混合物を室温まで加温し、20時間撹拌した。得られた溶液を水に注ぎ、酢酸エチルで抽出した。有機抽出物を食塩水で洗浄し、NaSOで乾燥した。溶媒を除去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出液として、酢酸エチル/ヘキサン=6:1(容量比)を使用)により精製して、標題化合物[6](80.1mg、0.20mmol、収率65%)を得た。
「ルートB」: 化合物[10]の変わりに、実施例12で得られた化合物[11](0.31mmol)を用いたこと以外は、上記ルートAと同様の操作を行い、標題化合物[6]を収率61%で得た。
得られた化合物[6]の分析結果を表12に示す。
Figure 2005255610
次いで、得られた化合物[6]について、ヒドロキシル基部分((R)−および(S)−MTPA−Cl(α−メトキシ−α−トリフルオロメチルフェニルアセチルクロリド)、トリエチルアミン、DMAP(4−ジメチルアミノピリジン)、CHCl)の保護の後、Mosher法(J.Org.Chem.,1969年,第34号,p.2543)により絶対配置を測定した。また、相対配置を、以下に示されるように、H NOE測定により決定した。
Figure 2005255610
Figure 2005255610
上記のように、本発明の方法により得られた光学活性な3−アミノアスパラギン酸誘導体を用いて、例えば、抗癌剤または抗生物質として利用可能なストレプトリジンラクタムの前駆体(化合物[6])を容易に製造することがわかる。
本発明によれば、優れた光学純度を有する3−アミノアスパラギン酸誘導体をより効率的に製造することができる。
本発明によって、得られた光学活性な3−アミノアスパラギン酸誘導体は、例えば、抗癌剤または抗生物質として利用可能なストレプトリジンラクタムの前駆体に容易に製造することができる。このように、本発明の方法を用いて得られる光学活性な3−アミノアスパラギン酸誘導体は、例えば、医薬品製造分野において有用に用いられ得る。

Claims (3)

  1. 以下の式(I)で表される、光学活性な3−アミノアスパラギン酸誘導体:
    Figure 2005255610
    (ここで、RおよびRは、それぞれ独立して、
    水素原子;
    分岐または環を形成していてもよく、および/または分岐または環を形成していてもよいC〜Cのアルコキシ基で置換されていてもよい、C〜Cのアルキル基;
    分岐または環を形成していてもよく、および/または分岐または環を形成していてもよいC〜Cのアルコキシ基で置換されていてもよい、C〜Cのアルケニル基;
    分岐または環を形成していてもよく、および/または分岐または環を形成していてもよいC〜Cのアルコキシ基で置換されていてもよい、C〜Cのアルキニル基;
    分岐していてもよいC〜Cアルキル基か、分岐していてもよいC〜Cアルコキシ基か、シアノ基か、ハロゲン原子か、ニトロ基か、分岐または環を形成していてもよいC〜Cアルキル基で置換されていてもよいアミノ基か、あるいはC〜Cを有する環状アミノ基か、で置換されていてもよい、アリール基;もしくは
    分岐していてもよいC〜Cアルキル基か、分岐していてもよいC〜Cアルコキシ基か、シアノ基か、ハロゲン原子か、ニトロ基か、分岐または環を形成していてもよいC〜Cアルキル基で置換されていてもよいアミノ基か、あるいはC〜Cを有する環状アミノ基か、で置換されていてもよい、アリール部分を有する、アラルキル基;
    分岐していてもよいC〜Cアルキル基か、分岐していてもよいC〜Cアルコキシ基か、シアノ基か、ハロゲン原子か、ニトロ基か、分岐または環を形成していてもよいC〜Cアルキル基で置換されていてもよいアミノ基か、あるいはC〜Cを有する環状アミノ基か、で置換されていてもよい、ヘテロアリール基;もしくは
    分岐していてもよいC〜Cアルキル基か、分岐していてもよいC〜Cアルコキシ基か、シアノ基か、ハロゲン原子か、ニトロ基か、分岐または環を形成していてもよいC〜Cアルキル基で置換されていてもよいアミノ基か、あるいはC〜Cを有する環状アミノ基か、で置換されていてもよい、ヘテロアリール部分を有する、ヘテロアラルキル基;
    であり、そして
    は、
    水素原子;
    分岐または環を形成していてもよく、および/または分岐または環を形成していてもよいC〜Cのアルコキシ基で置換されていてもよい、C〜Cのアルキル基;
    分岐または環を形成していてもよく、および/または分岐または環を形成していてもよいC〜Cのアルコキシ基で置換されていてもよい、C〜Cのアルケニル基;
    分岐または環を形成していてもよく、および/または分岐または環を形成していてもよいC〜Cのアルコキシ基で置換されていてもよい、C〜Cのアルキニル基;
    分岐していてもよいC〜Cアルキル基か、分岐していてもよいC〜Cアルコキシ基か、シアノ基か、ハロゲン原子か、ニトロ基か、分岐または環を形成していてもよいC〜Cアルキル基で置換されていてもよいアミノ基か、あるいはC〜Cを有する環状アミノ基か、で置換されていてもよい、アリール基;
    分岐していてもよいC〜Cアルキル基か、分岐していてもよいC〜Cアルコキシ基か、シアノ基か、ハロゲン原子か、ニトロ基か、分岐または環を形成していてもよいC〜Cアルキル基で置換されていてもよいアミノ基か、あるいはC〜Cを有する環状アミノ基か、で置換されていてもよい、アリール部分を有する、アラルキル基;
    分岐していてもよいC〜Cアルキル基か、分岐していてもよいC〜Cアルコキシ基か、シアノ基か、ハロゲン原子か、ニトロ基か、分岐または環を形成していてもよいC〜Cアルキル基で置換されていてもよいアミノ基か、あるいはC〜Cを有する環状アミノ基か、で置換されていてもよい、ヘテロアリール基;もしくは
    分岐していてもよいC〜Cアルキル基か、分岐していてもよいC〜Cアルコキシ基か、シアノ基か、ハロゲン原子か、ニトロ基か、分岐または環を形成していてもよいC〜Cアルキル基で置換されていてもよいアミノ基か、あるいはC〜Cを有する環状アミノ基か、で置換されていてもよい、ヘテロアリール部分を有する、ヘテロアラルキル基;
    である)の製造方法であって、
    以下の式(II)で表されるグリシネートのシッフ塩基:
    Figure 2005255610
    (ここで、Rは、
    水素原子;
    分岐または環を形成していてもよく、および/または分岐または環を形成していてもよいC〜Cのアルコキシ基で置換されていてもよい、C〜Cのアルキル基;
    分岐または環を形成していてもよく、および/または分岐または環を形成していてもよいC〜Cのアルコキシ基で置換されていてもよい、C〜Cのアルケニル基;
    分岐または環を形成していてもよく、および/または分岐または環を形成していてもよいC〜Cのアルコキシ基で置換されていてもよい、C〜Cのアルキニル基;
    分岐していてもよいC〜Cアルキル基か、分岐していてもよいC〜Cアルコキシ基か、シアノ基か、ハロゲン原子か、ニトロ基か、分岐または環を形成していてもよいC〜Cアルキル基で置換されていてもよいアミノ基か、あるいはC〜Cを有する環状アミノ基か、で置換されていてもよい、アリール基;もしくは
    分岐していてもよいC〜Cアルキル基か、分岐していてもよいC〜Cアルコキシ基か、シアノ基か、ハロゲン原子か、ニトロ基か、分岐または環を形成していてもよいC〜Cアルキル基で置換されていてもよいアミノ基か、あるいはC〜Cを有する環状アミノ基か、で置換されていてもよい、アリール部分を有する、アラルキル基;
    分岐していてもよいC〜Cアルキル基か、分岐していてもよいC〜Cアルコキシ基か、シアノ基か、ハロゲン原子か、ニトロ基か、分岐または環を形成していてもよいC〜Cアルキル基で置換されていてもよいアミノ基か、あるいはC〜Cを有する環状アミノ基か、で置換されていてもよい、ヘテロアリール基;もしくは
    分岐していてもよいC〜Cアルキル基か、分岐していてもよいC〜Cアルコキシ基か、シアノ基か、ハロゲン原子か、ニトロ基か、分岐または環を形成していてもよいC〜Cアルキル基で置換されていてもよいアミノ基か、あるいはC〜Cを有する環状アミノ基か、で置換されていてもよい、ヘテロアリール部分を有する、ヘテロアラルキル基;
    である)と、
    以下の式(III)で表されるα−イミノエステル:
    Figure 2005255610
    (ここで、Rは、
    水素原子;
    分岐または環を形成していてもよく、および/または分岐または環を形成していてもよいC〜Cのアルコキシ基で置換されていてもよい、C〜Cのアルキル基;
    分岐または環を形成していてもよく、および/または分岐または環を形成していてもよいC〜Cのアルコキシ基で置換されていてもよい、C〜Cのアルケニル基;
    分岐または環を形成していてもよく、および/または分岐または環を形成していてもよいC〜Cのアルコキシ基で置換されていてもよい、C〜Cのアルキニル基;
    分岐していてもよいC〜Cアルキル基か、分岐していてもよいC〜Cアルコキシ基か、シアノ基か、ハロゲン原子か、ニトロ基か、分岐または環を形成していてもよいC〜Cアルキル基で置換されていてもよいアミノ基か、あるいはC〜Cを有する環状アミノ基か、で置換されていてもよい、アリール基;
    分岐していてもよいC〜Cアルキル基か、分岐していてもよいC〜Cアルコキシ基か、シアノ基か、ハロゲン原子か、ニトロ基か、分岐または環を形成していてもよいC〜Cアルキル基で置換されていてもよいアミノ基か、あるいはC〜Cを有する環状アミノ基か、で置換されていてもよい、アリール部分を有する、アラルキル基;
    分岐していてもよいC〜Cアルキル基か、分岐していてもよいC〜Cアルコキシ基か、シアノ基か、ハロゲン原子か、ニトロ基か、分岐または環を形成していてもよいC〜Cアルキル基で置換されていてもよいアミノ基か、あるいはC〜Cを有する環状アミノ基か、で置換されていてもよい、ヘテロアリール基;もしくは
    分岐していてもよいC〜Cアルキル基か、分岐していてもよいC〜Cアルコキシ基か、シアノ基か、ハロゲン原子か、ニトロ基か、分岐または環を形成していてもよいC〜Cアルキル基で置換されていてもよいアミノ基か、あるいはC〜Cを有する環状アミノ基か、で置換されていてもよい、ヘテロアリール部分を有する、ヘテロアラルキル基;
    であり、そして
    は、
    水素原子;
    分岐または環を形成していてもよく、および/または分岐または環を形成していてもよいC〜Cのアルコキシ基で置換されていてもよい、C〜Cのアルキル基;
    分岐または環を形成していてもよく、および/または分岐または環を形成していてもよいC〜Cのアルコキシ基で置換されていてもよい、C〜Cのアルケニル基;
    分岐または環を形成していてもよく、および/または分岐または環を形成していてもよいC〜Cのアルコキシ基で置換されていてもよい、C〜Cのアルキニル基;
    分岐していてもよいC〜Cアルキル基か、分岐していてもよいC〜Cアルコキシ基か、シアノ基か、ハロゲン原子か、ニトロ基か、分岐または環を形成していてもよいC〜Cアルキル基で置換されていてもよいアミノ基か、あるいはC〜Cを有する環状アミノ基か、で置換されていてもよい、アリール基;もしくは
    分岐していてもよいC〜Cアルキル基か、分岐していてもよいC〜Cアルコキシ基か、シアノ基か、ハロゲン原子か、ニトロ基か、分岐または環を形成していてもよいC〜Cアルキル基で置換されていてもよいアミノ基か、あるいはC〜Cを有する環状アミノ基か、で置換されていてもよい、アリール部分を有する、アラルキル基;
    分岐していてもよいC〜Cアルキル基か、分岐していてもよいC〜Cアルコキシ基か、シアノ基か、ハロゲン原子か、ニトロ基か、分岐または環を形成していてもよいC〜Cアルキル基で置換されていてもよいアミノ基か、あるいはC〜Cを有する環状アミノ基か、で置換されていてもよい、ヘテロアリール基;もしくは
    分岐していてもよいC〜Cアルキル基か、分岐していてもよいC〜Cアルコキシ基か、シアノ基か、ハロゲン原子か、ニトロ基か、分岐または環を形成していてもよいC〜Cアルキル基で置換されていてもよいアミノ基か、あるいはC〜Cを有する環状アミノ基か、で置換されていてもよい、ヘテロアリール部分を有する、ヘテロアラルキル基;
    である)
    とを、溶媒中、
    以下の式(IV)で表される光学活性な四級アンモニウム塩:
    Figure 2005255610
    (ここで、RおよびRは、それぞれ独立して、
    水素原子;
    分岐または環を形成していてもよく、および/またはハロゲン原子で置換されていてもよい、C〜Cのアルキル基;
    分岐または環を形成していてもよく、および/またはハロゲン原子で置換されていてもよい、C〜Cのアルケニル基;
    分岐または環を形成していてもよく、および/またはハロゲン原子で置換されていてもよい、C〜Cのアルキニル基;
    ハロゲン原子で置換されていてもよいC〜Cアルキル基か、ハロゲン原子で置換されていてもよいC〜Cアルコキシ基か、ハロゲン原子で置換されていてもよいC〜Cのアルキル基で置換されていてもよいアリール基か、シアノ基か、ハロゲン原子か、ニトロ基か、分岐または環を形成していてもよいC〜Cアルキル基で置換されていてもよいアミノ基か、あるいはC〜Cを有する環状アミノ基か、で置換されていてもよい、アリール基;
    ハロゲン原子で置換されていてもよいC〜Cアルキル基か、ハロゲン原子で置換されていてもよいC〜Cアルコシキ基か、シアノ基か、ハロゲン原子か、ニトロ基か、分岐または環を形成していてもよいC〜Cアルキル基で置換されていてもよいアミノ基か、あるいはC〜Cを有する環状アミノ基か、で置換されていてもよい、ヘテロアリール基;
    ハロゲン原子で置換されていてもよいC〜Cアルキル基か、ハロゲン原子で置換されていてもよいC〜Cアルコキシ基か、シアノ基か、ハロゲン原子か、ニトロ基か、分岐または環を形成していてもよいC〜Cアルキル基で置換されていてもよいアミノ基か、あるいはC〜Cを有する環状アミノ基か、で置換されていてもよい、アリール部分を有する、アラルキル基;
    ハロゲン原子で置換されていてもよいC〜Cアルキル基か、ハロゲン原子で置換されていてもよいC〜Cアルコキシ基か、シアノ基か、ハロゲン原子か、ニトロ基か、分岐または環を形成していてもよいC〜Cアルキル基で置換されていてもよいアミノ基か、あるいはC〜Cを有する環状アミノ基か、で置換されていてもよい、ヘテロアリール部分を有する、ヘテロアラルキル基;
    (C〜Cアルコキシ)カルボニル基;
    カルバモイル基;
    N−(C〜Cアルキル)カルバモイル基;ならびに
    N,N−ジ(C〜Cアルキル)カルバモイル基(ここで、C〜Cアルキル基は、互いに同じでも異なっていてもよい)からなる群より選択される基であり、
    YおよびZは、それぞれ独立して水素原子または一価の有機基であるか、あるいは一緒になって、二価の有機基を表し、そして
    はハロゲン化物アニオンである)
    の存在下にて、反応させる工程、を包含する、方法。
  2. 前記四級アンモニウム塩のYおよびZが一緒になって、以下の二価の有機基:
    Figure 2005255610
    (ここで、R、R、R、R10、R11、およびR12はそれぞれ独立して、
    水素原子;
    分岐または環を形成していてもよく、および/またはハロゲン原子で置換されていてもよい、C〜Cのアルキル基;
    分岐または環を形成していてもよく、および/またはハロゲン原子で置換されていてもよい、C〜Cのアルケニル基;
    分岐または環を形成していてもよく、および/またはハロゲン原子で置換されていてもよい、C〜Cのアルキニル基;
    ハロゲン原子で置換されていてもよいC〜Cアルキル基か、ハロゲン原子で置換されていてもよいC〜Cアルコキシ基か、ハロゲン原子で置換されていてもよいC〜Cのアルキル基で置換されていてもよいアリール基か、シアノ基か、ハロゲン原子か、ニトロ基か、分岐または環を形成していてもよいC〜Cアルキル基で置換されていてもよいアミノ基か、あるいはC〜Cを有する環状アミノ基か、で置換されていてもよい、アリール基;
    ハロゲン原子で置換されていてもよいC〜Cアルキル基か、ハロゲン原子で置換されていてもよいC〜Cアルコシキ基か、シアノ基か、ハロゲン原子か、ニトロ基か、分岐または環を形成していてもよいC〜Cアルキル基で置換されていてもよいアミノ基か、あるいはC〜Cを有する環状アミノ基か、で置換されていてもよい、ヘテロアリール基;
    ハロゲン原子で置換されていてもよいC〜Cアルキル基か、ハロゲン原子で置換されていてもよいC〜Cアルコキシ基か、シアノ基か、ハロゲン原子か、ニトロ基か、分岐または環を形成していてもよいC〜Cアルキル基で置換されていてもよいアミノ基か、あるいはC〜Cを有する環状アミノ基か、で置換されていてもよい、アリール部分を有する、アラルキル基;
    ハロゲン原子で置換されていてもよいC〜Cアルキル基か、ハロゲン原子で置換されていてもよいC〜Cアルコキシ基か、シアノ基か、ハロゲン原子か、ニトロ基か、分岐または環を形成していてもよいC〜Cアルキル基で置換されていてもよいアミノ基か、あるいはC〜Cを有する環状アミノ基か、で置換されていてもよい、ヘテロアリール部分を有する、ヘテロアラルキル基;
    (C〜Cアルコキシ)カルボニル基;
    カルバモイル基;
    N−(C〜Cアルキル)カルバモイル基;ならびに
    N,N−ジ(C〜Cアルキル)カルバモイル基(ここで、C〜Cアルキル基は、互いに同じでも異なっていてもよい)からなる群より選択される基である)を表す、請求項1に記載の方法。
  3. 前記四級アンモニウム塩が、以下の式(IVa):
    Figure 2005255610
    (ここで、ArおよびArは、それぞれ独立して、ハロゲン原子で置換されていてもよいC〜Cアルキル基;ハロゲン原子で置換されていてもよいC〜Cアルコキシ基;ハロゲン原子で置換されていてもよいC〜Cのアルキル基で置換されていてもよいアリール基;またはハロゲン原子;で置換されていてもよいアリール基である)で表される化合物である、請求項2に記載の方法。
JP2004068812A 2004-03-11 2004-03-11 光学活性な3−アミノアスパラギン酸誘導体の製造方法 Pending JP2005255610A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004068812A JP2005255610A (ja) 2004-03-11 2004-03-11 光学活性な3−アミノアスパラギン酸誘導体の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004068812A JP2005255610A (ja) 2004-03-11 2004-03-11 光学活性な3−アミノアスパラギン酸誘導体の製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2005255610A true JP2005255610A (ja) 2005-09-22

Family

ID=35081695

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004068812A Pending JP2005255610A (ja) 2004-03-11 2004-03-11 光学活性な3−アミノアスパラギン酸誘導体の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2005255610A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013063942A (ja) * 2011-08-29 2013-04-11 Nippon Soda Co Ltd 光学活性4級アンモニウム塩、および光学活性化合物の製造方法

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013063942A (ja) * 2011-08-29 2013-04-11 Nippon Soda Co Ltd 光学活性4級アンモニウム塩、および光学活性化合物の製造方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4915019B2 (ja) ビナフトール誘導体並びに光学分割及び変換方法
KR20180012788A (ko) 브리바라세탐의 제조 방법
JP2010540614A (ja) モナチン鏡像異性体の生成
MXPA04010771A (es) Procedimiento para preparar (-butirolactamas y (-amino acidos muy funcionalizados.
Wang et al. L-Pipecolinic acid derived Lewis base organocatalyst for asymmetric reduction of N-aryl imines by trichlorosilane: Effects of the side amide group on catalytic performances
EP2172443B1 (en) Method for producing optically active amine
Lu et al. Dipeptide-derived multifunctional phosphonium salt as a catalyst to synthesize highly functionalized chiral cyclopentanes
Sanière et al. Iminoiodane mediated aziridination of α-allylglycine: access to a novel rigid arginine derivative and to the natural amino acid enduracididine
JP2009518335A (ja) 3−カルボキシ−2−オキソ−1−ピロリジン誘導体及びそれらの使用
Martins et al. Design and preparation of a novel prolinamide-based organocatalyst for the solvent-free asymmetric aldol reaction
CN102718768B (zh) 一种手性五元二环胍化合物及其制备方法和应用
Cabrera et al. Homochiral l-prolinamido-sulfonamides and their use as organocatalysts in aldol reactions
Puglisi et al. Stereoselective nucleophilic addition to imines catalyzed by chiral bifunctional thiourea organocatalysts
JP5344523B2 (ja) 立体選択的にストレッカー反応を進行させ得る触媒、およびそれを用いたα−アミノニトリル誘導体を立体選択的に製造するための方法
JP2005255610A (ja) 光学活性な3−アミノアスパラギン酸誘導体の製造方法
Vakarov et al. Kinetic resolution of racemic 3-tert-butyl-3, 4-dihydro-2 H-[1, 4] benzoxazine via acylation with chiral acyl chlorides
JP4822844B2 (ja) エナンチオ選択的なエナミドのカルボニル基への求核付加反応方法と光学活性α−ヒドロキシ−γ−ケト酸エステル、ヒドロキシジケトンの合成方法
Matsuyama et al. Conjugate addition of 6-membered hydrazine to chiral tert-butyl (E)-2-(p-tolylsulfinyl) cinnamates. Synthesis of (S)-celacinnine
JP4427266B2 (ja) β−アラニン誘導体およびその製造方法
CN116120229B (zh) 一种多取代的1,2,3,4-四氢喹啉的制备方法
CN113121413B (zh) 一种jak3酶抑制剂关键中间体的制备方法
CN103214394B (zh) 一种炔基亚胺衍生物
JP2005263664A (ja) 光学活性な3−ニトロアルキルマロン酸エステル誘導体の製造方法
JPWO2005070876A1 (ja) エナンチオ選択的なエナミドのイミンへの求核付加反応方法とα−アミノ−γ−ケト酸エステルの合成方法
WO2002022549A1 (fr) Procede d'extraction de nitrobenzenesulfonyle