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JP2005255588A - リポソーム含有x線造影剤 - Google Patents

リポソーム含有x線造影剤 Download PDF

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JP2005255588A
JP2005255588A JP2004067557A JP2004067557A JP2005255588A JP 2005255588 A JP2005255588 A JP 2005255588A JP 2004067557 A JP2004067557 A JP 2004067557A JP 2004067557 A JP2004067557 A JP 2004067557A JP 2005255588 A JP2005255588 A JP 2005255588A
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JP2004067557A
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Chiaki Nagaike
千秋 長池
Eiichi Ueda
栄一 上田
Akihisa Nakajima
彰久 中島
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Konica Minolta Medical and Graphic Inc
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Abstract

【課題】
リポソームの安定化とヨウド化合物の保持安定性を図るとともに造影化合物の血中滞留性を高め、造影剤の効率的送達および良好なターゲティングを達成する、安全性が高いX線造影剤を提供することを目的とする。
【解決手段】
本発明のX線検査用造影剤は、非イオン系ヨウド系化合物および製剤助剤を含有する水溶液と溶媒に溶解したリポソーム膜構成物質とを混合することにより、該ヨウド化合物を内包して形成されたリポソームの懸濁液をさらに濾過膜に透過させて得られる製剤1mL
当り、粒子径が10μ以上の粗大粒子が、5個以下で存在することを特徴とする。この構成によりリポソームの経時安定化とヨウド化合物の保持安定性が図られている。
【選択図】なし

Description

本発明は、X線検査用造影剤に関し、詳しくは内部に造影物質を内包したリポソームを含むX線検査用造影剤に関する。
X線を用いる単純撮影やCT撮影法(コンピュータ断層撮影法)は、今日の画像診断の中核を占めている。臓器、管腔などの軟組織間ではX線吸収の差が小さいため高いコントラスト像を得ることは困難である。したがって、コントラストの高い画像を得るために、一般的には造影剤が使用される。現在実用化されているX線造影剤の大部分は、トリヨードフェニル基を含有し水溶性化した化合物を造影物質とするものである。これらの造影剤は、血管、尿管、輸卵管などの管腔部位に投与され、管腔の形状、狭窄などの診断に使用されている。しかしながら、これらの化合物は組織や疾患部位と相互作用をすることなく管腔部位から速やかに排出されるために、組織や疾患部位、特に癌組織をより詳細に診断する目的には役立たない。このため目標とする組織もしくは疾患部位に選択的に集積し、その周囲またはその他の部位と明瞭なコントラストで区別できる画像を提供するX線造影剤もまた望まれている。そのようなX線検査用造影剤であれば、微細な癌組織であっても精度良く検出することも可能となるからである。
薬物投与の最適化を実現する基本的概念として薬物送達システムが導入されている。実用薬物の副作用、毒性を減らす努力も引き続き求められている。これらはX線造影剤についても例外ではない。国際公開WO98/46275、同WO95/31181、同WO94/19025、同WO96/28414、同WO96/00089、米国特許4873075号、同4567034号などには、疎水性ヨウド化合物を界面活性剤や油脂の存在下で水中に分散させたものを投与して、肝臓、脾像、副腎皮質、腫瘍、動脈硬化巣、血液プール、リンパ系などを造影する方法が開示されている。
これらの方法は、造影剤を微粒子化することにより体内での滞留時間を長くして疾患部位を選択的に造影しようとするものである。その目的のために提案された製剤方法は、造影の効率および選択性とも充分でない。さらに使用するヨウド化合物が疎水性であるために、造影後、体外へ排出する速度が遅く、患者への負担が大きいという問題点もあった。
一方、造影剤を微粒子状にする別の方法として、生体膜類似の脂質から構成され、低い抗原性ゆえに安全性が高いとされているリポソームに造影化合物を内包させる手法も検討されてきた。たとえば国際公開WO88/09165、同WO89/00988、同WO90/07491、特開平07-316079、特開2003-5596では、イオン性または非イオン性の造影剤を含有するリポソームが提案されている。これらの方法では、素材としての安全性が高く、生体内で適度な分解性を有するリポソームを使用するにもかかわらず、実用化に至っていない(たとえば、特許文献1参照)。製造過程においてリポソーム膜を構成するリン脂質の溶剤として、有機溶媒、特にクロロホルム、ジクロロメタンといったクロル系溶剤を使用することから、どうしても残存する溶剤の毒性が懸念されるためである。
他方、脂質可溶性の薬剤は容易にリポソーム中に封入されるが、その封入量は他の要因にも左右されることから必ずしもそれほど多くはない。また水溶性電解質である薬剤は、その薬剤の電荷と荷電した脂質の電荷との相互作用を通じてリポソーム内部の水相に封入できるが、薬剤が水溶性の非電解質である場合には、そうした手段を採ることはできない。X線造影剤についても、一般にイオン性造影化合物よりも実質的に毒性の低い非イオン性ヨウド化合物をリポソーム内に封入することが望まれるが、上記の理由から容易ではない。さらに形成されたリポソームは多重層になりやすく、ヨウド化合物の内包率も低いた
めに効率が悪くなる。このような水溶性の非電解質を効率的にリポソーム中に封入する手段として、逆相蒸発法、エーテル注入法が挙げられるが、有機溶剤を使用するためにやはり安全性の問題が残る。
特開2003-119120(特許文献2)では、リポソームを含有する化粧料、皮膚外用剤を、
超臨界二酸化炭素を用いて製造する方法が開示されており、親水性薬効成分や親油性薬効成分をリポソームに内包する皮膚外用剤の製造例が示されている。しかし、親水性薬効成分として、水溶性電解質の例は示されているが、同法により水溶性非電解質をリポソームに効率よく内包できるか不明であった。
さらに首尾良く造影物質をリポソーム内部に内包させても、時間経過とともに外部へ漏出する問題、あるいはリポソームそのものが、加工処理時または保存中に不安定になる事態も考慮されねばならない。さらにリポソームを生体内へ投与しても、その多くが肝臓、脾臓などの網内系組織で捕捉されるため、所期の効果が得られないことも指摘されている(Cancer Res., 43, 5328(1983))。
特開平7-316079号公報 特開2003-119120号公報
本発明は、造影物質をリポソーム内に良好に保持させるとともに、粗大粒子が極めて僅少であり安全性の高いX線検査用造影剤を提供することを目的とする。すなわち水溶性ヨウド系化合物の送達効率が向上し、造影力にも優れたX線造影剤を提供することを目的とする。
上記課題を解決する本発明は、以下の構成を有する。
本発明のX線造影剤は、非イオン系ヨウド系化合物および製剤助剤を含有する水溶液と、溶媒に溶解したリポソーム膜構成物質とを混合することにより、該ヨウド化合物を内包して形成されたリポソームの懸濁液をさらに濾過膜に透過させて得られるX線造影剤の1mLにつき、粒子径が10μ以上である粗大粒子が、5個以下で存在することを特徴としている。
リポソーム膜構成物質であって転移温度を有するリン脂質の転移温度以下で、前記のリポソームの懸濁液を濾過膜に透過させることが好ましい。
また前記X線造影剤は、好ましくは非イオン系ヨウド化合物および製剤助剤を含有する水溶液1リットルに対し、脂質総量として5〜40mmolesの比率でリポソーム膜構成物質を含む溶媒を使用して形成されたリポソームを含むことを特徴としている。
前記リポソーム膜構成物質の溶媒は、超臨界二酸化炭素であることが望ましい。
前記リポソームが、全ヨウド化合物の5〜35質量%のヨウド化合物を内包することが好
ましい。
前記製剤助剤は、緩衝剤、キレート化剤から選ばれる少なくとも1つ以上であることを特徴としている。
前記X線造影剤は、好ましくは遊離ヨウ素イオン量が製剤1リットル当り、0.001mole
以下である。
前記リポソーム膜構成物質を超臨界二酸化炭素に溶解する際に、さらに溶解助剤を添加して混合することが好ましい。
本発明のX線造影剤に含まれるリポソームは、粒径分布および構造安定性が改善されている。そのリポソームに安定的に内包される造影物質は血中滞留性が良好であり、EPR効果が発揮されて目的とする疾患部位または組織、とりわけ癌組織に選択的に集中し蓄積する。造影後は、該ヨウド化合物が水溶性であるため、体外へ速やかに排泄される。よって、本発明に係るX線造影剤は、有毒な溶媒、特に毒性の高いクロル系溶媒を使用せず、また製剤1mL当り、粒子径が10μ以上の粗大粒子が5個以下と僅少であるため、毒性、
副作用がはるかに軽減されている。
〔発明の具体的説明〕
本発明のX線検査用造影剤は、非イオン系ヨウド系化合物および製剤助剤を含有する水溶液と、溶媒、好ましくは超臨界二酸化炭素に溶解したリポソーム膜構成物質とを混合することにより、該ヨウド化合物を内包して形成されたリポソームの懸濁液をさらに濾過膜に透過させて得られる製剤1mL当り、粒子径が10μ以上の粗大粒子が5個以下で存在す
ることを特徴とする造影剤である。この構成によりリポソームの経時安定化とヨウド化合物の保持安定性が図られている。
造影化合物
本発明のX線造影剤の造影化合物として水溶性の非イオン性ヨウド系化合物が好ましく用いられる。これにはヨウ化フェニル基、たとえば2,4,6−トリヨードフェニル基を少な
くとも1個有する非イオン性ヨウド化合物が好適である。
そのような非イオン性ヨウド化合物として、具体的にはイオヘキソール、イオペントール、イオジキサノール、イオプロミド、イオトロラン、イオメプロール、N,N′−ビス〔
2−ヒドロキシ−1−(ヒドロキシメチル)−エチル〕−5−〔〔(2−ヒドロキシ−1−オキソプピル)−アミノ〕−2,4,6−トリヨード−1,3−ベンゼン−ジカルボキシアミド(イオパミドール);メトリザミドなどが挙げられる。
造影化合物はこれらの例示に限定されるものではない。また、造影化合物は単独で用いてもよく、あるいは2種以上を組み合わせて用いてもよい。なお本明細書において、化合物は遊離形態の他に、その塩、水和物なども含めて言及することがある。
本発明造影剤に特に好適なヨウド系化合物として、高度に親水性であり、かつ高濃度でも浸透圧が高くならないイオメプロール、イオパミドール、イオトロラン、イオジキサノールなどが挙げられる。とりわけイオトラン、イオジキサノールといった二量体非イオン性ヨウド化合物では、同一ヨウド濃度の造影剤を調製しても全体のモル数が低いために浸透圧をさらに低下させる利点がある。
本発明の造影剤における水溶性ヨウド系化合物の濃度は、該造影化合物の性質、意図する製剤の投与経路および臨床上の指標といった要因に基づき任意に設定することができる。リポソーム内に封入されたヨウド系化合物の量は、典型的にはX線造影剤における全ヨウド化合物の5〜40質量%、好ましくは5〜35質量%、より好ましくは10〜25質量%である。この内包率はリポソーム粒子の細密充填の限界を下回るために、リポソームにおける造影物質の保持安定性は損なわれない。
リポソーム
本発明のX線検査用造影剤は、上記造影化合物を標的部位へ効率よく送達するために、マイクロキャリヤーであるリポソーム内部に封入した形態で使用される。優れた腫瘍描出性へ導くEPR(Enhanced permeability and retention、透過性の亢進および滞留)効
果を生じさせるために、リポソーム構造の安定性、封入物質の内包化の割合および保持性を改善させるとともに、血中安定性、血中滞留性といった特性を有することが造影剤には求められる。そこで本発明の造影剤は、経時安定性ならびに血中安定性が改善されたリポ
ソームを用いることにより血中滞留性を向上させて、効率的な薬物送達ならびにターゲティングの実現を図っている。
本発明のX線造影剤では、造影化合物を内包するリポソームの粒子径およびその二分子膜を適切に設計することによりターゲティング機能を実現することができる。受動的ターゲティングおよび能動的ターゲティングいずれも考慮される。受動的ターゲティングでは、リポソームの粒子径、脂質組成、荷電などの調整を通じてその生体内挙動を制御することができる。リポソーム粒子径を狭い範囲に揃える調整は、後述する方法に基づき容易に行われる。さらにリポソーム膜表面の設計において、リン脂質の種類と組成、共存物質を変えることにより、内包物質の保持効率の向上、リポソームの安定化という要求をも満たすことができる。
造影剤のより高度な選択性と集積性を可能とする能動的ターゲティングの採用ならびに造影剤の安全性もまた検討されるべきである。たとえばリポソーム表面にポリアルキレンオキシド高分子鎖またはポリエチレングリコール(PEG)を導入することは、標的部位までの誘導過程を制御し得るため、極めて有益な手法である。癌組織、疾患部位などに到達しなかったX線造影剤は、正常部位に集積することなく、副作用が発現する前にリポソームが分解されて体外に排泄される。このことはリポソームを設計する際にその安定性を体外排出時間との関係で適切にコントロールすることにより可能となる。造影物質として水溶性ヨウド系化合物を使用するため、腎臓を経由して速やかに尿中に排泄される。したがって徒に体内に留まることによる弊害、遅発性の副作用などを防止できる。
リポソームは、通常、脂質二重膜から形成されている。その脂質膜の成分として、一般にリン脂質および/または糖脂質が好ましく使用される。
本発明において使用するリン脂質は、ホスファチジルコリン、ホスファチジルセリン、ホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジルグリセロール、ホスファチジルイノシトール、ホスファチジン酸、カルジオリピン、スフィンゴミエリンなどで代表されるリン脂質である。卵黄、大豆その他の動植物材料に由来するリン脂質、それらの水素添加物、水酸化物の誘導体といった半合成のリン脂質、または合成加工品など、限定されることなく用いられる。リン脂質の構成脂肪酸も特に限定されることはなく、飽和脂肪酸、不飽和脂肪酸のどちらでもよい。
具体的な中性リン脂質の例として、ジパルミトイルホスファチジルコリン(DPPC)、ジステアロイルホスファチジルコリン(DSPC)、ジミリストリルホスファチジルコリン(DMPC)、ジオレイルホスファチジルコリン(DOPC)、ジミリストイルホスファチジルエタノールアミン、ジパルミトイルホスファチジルエタノールアミン、ジステアロイルホスファチジルエタノールアミンなどが挙げられる。
上記中性リン脂質のほかに、アニオン性リン脂質、カチオン性リン脂質といった荷電リン脂質、さらには重合性リン脂質、ならびにカチオン性(正荷電)脂質を含んでもよい。
負に荷電したリン脂質には、ジパルミトイルホスファチジルグリセロール(DPPG)、ジミリストイルホスファチジルグリセロール(DMPG)、ジステアロイルホスファチジルグリセロール(DSPG)、ジパルミトイルホスファチジルセリン(DPPS)、ジステアロイルホ
スファチジルセリン(DSPS)、ジパルミトイルホスファチジルイノシトール(DPPI)、ジステアロイルホスファチジルイノシトール(DSPI)、ジステアロイルホスファチジン酸(DSPA)、ジパルミトイルホスファチジン酸(DPPA)、ジミリストイルホスファチジン酸(DMPA)などが挙げられる。
本発明の造影剤におけるリポソーム用脂質は、転移温度を有するリン脂質を少なくとも含むことが望ましい。相転移点を有するリン脂質として、ジミリストイルホスファチジル
コリン(転移温度、以下同じ、23〜24℃)、ジパルミトイルホスファチジルコリン(41.0〜41.5℃)、水素添加大豆レシチン(53℃)、水素添加大豆ホスファチジルコリン(54℃)、ジステアロイルホスファチジルコリン(54.1〜58.0℃)などが例示される。リン脂質の「(相)転移温度」とは、リン脂質がとり得るゲルと液晶との両状態間の相転移を生じる温度である。その測定は、示差走査熱量計(DSC)を使用する示差熱分析による。
カチオン性リン脂質として、ホスファチジン酸とアミノアルコールとのエステル、たとえばジパルミトイルホスファチジン酸(DPPA)もしくはジステアロイルホスファチジン酸(DSPA)とヒドロキシエチレンジアミンとのエステルなどが挙げられる。
これらのリン脂質は単独で使用してもよく、2種以上併用してもよい。ただし2種以上の荷電リン脂質を使用する場合には、負電荷のリン脂質同士または正電荷のリン脂質同士で使用することが、リポソームの凝集防止の観点から望ましい。中性リン脂質と荷電リン脂質を併用する場合、重量比として通常、200:1〜3:1、好ましくは100:1〜4:1、より好ましくは40:1〜5:1である。さらに、カチオン性リン脂質類がリポソームの膜構成成分として存在すると、水溶性ヨウド化合物のリポソーム内での保持効率もまた向上する。おそらくリン脂質分子の再配置を脂質膜内において促がし、膜構造が強化され、リポソーム構造全体も安定化されるためであろう。これにより造影物質の取り込みの効率が上昇するとともに、逆にリポソームからのその逸失も減少することとなる。
糖脂質としては、ジガラクトシルジグリセリド、ガラクトシルジグリセリド硫酸エステルなどのグリセロ脂質、ガラクトシルセラミド、ガラクトシルセラミド硫酸エステル、ラクトシルセラミド、ガングリオシドG7、ガングリオシドG6、ガングリオシドG4などのスフィンゴ糖脂質などを挙げることができる。
上記脂質の他にリポソームの膜構成成分として、必要に応じ他の物質を加えることもできる。たとえば、膜安定化剤として作用するコレステロール、ジヒドロコレステロール、コレステロールエステル、フィトステロール、シトステロール、スチグマステロール、カンペステロール、コレスタノール、ラノステロールまたは2,4−ジヒドロラノステロールなどのステロール類などが挙げられる。また1−O−ステロールグルコシド,1−O−ステロールマルトシドまたは1−O−ステロールガラクトシドといったステロール誘導体にもリポソームの安定化に効果があることが示されている(特開平5-245357号公報)これらのうち、コレステロールが特に好ましい。さらに、ステロール類がリポソームの膜構成成分として存在すると、水溶性ヨウド化合物のリポソーム内での保持効率もまた向上する。リポソーム膜中のコレステロールは、ポリアルキレンオキシド導入用のアンカーにもなり得る。リポソーム膜構成成分として膜中に含めるコレステロールには、必要に応じリンカーを介してその先にポリアルキレンオキシド基を結合させてもよい。リンカーには、短鎖のアルキレン基、オキシアルキレン基などを用いる。特開平9−3093号公報には、ポリ
オキシアルキレン鎖の先端に、効率よく種々の機能性物質を共有結合により固定化することができ、かつ、リポソームの形成成分として利用することができる新規なコレステロール誘導体が開示されている。
本発明の造影剤におけるステロール類の使用量として、リン脂質1重量部に対して0.05〜1.5重量部、好ましくは0.2〜1重量部、より好ましくは0.3〜0.8重量部の割合が望まし
い。0.05重量部より少ないと混合脂質の分散性を向上させるステロール類による安定化作用が発揮されず、2重量部より多すぎるとリポソームの形成が阻害されるか、形成されて
も不安定となる。
上記ステロール類の他にリポソームの膜構成成分として、グリコール類を加えてもよい。リポソームを作製する際に、リン脂質などともにグリコール類を添加すると、リポソー
ム内での水溶性ヨウド系化合物の保持効率が上昇する。これは、ステロール類による保持効率の向上作用に類似して、リポソーム構造の安定化によるものと考えられる。
グリコール類として、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリメチレングリコール、1,4-ブタンジオール、1,5-ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6-ヘキサンジオール、1,7-ヘプタンジオール、1,8-オクタンジオール、1,9-ノナンジオール、1,10-デカ
ンジオール、ピナコール、ヒドロベンゾイン、ベンゾピナコール、シクロペンタン-1,2-
ジオール、シクロヘキサン-1,2-ジオール、シクロヘキサン-1,4-ジオールなどが挙げられる。
本発明の造影剤におけるグリコール類の使用量として、脂質全質量に対して0.01〜20質量%、好ましくは0.5〜10質量%の割合が望ましい。
上記のカチオン性リン脂質、ステロール類、グリコール類などの化合物は単独で用いてもよく、あるいは2種以上を組み合わせて用いてもよい。すなわち、リポソームを作製する際に、リン脂質などともに、ステロール類、グリコール類をそれぞれ独立に添加してもよく、ステロール類およびグリコール類を一緒に使用してもよい。さらに上記いずれの場合においても、リン脂質としては中性リン脂質のほかに、上記カチオン性リン脂質を含めてもよく、あるいは含めなくともよい。これらの物質を併用する場合にそれぞれの添加量は、それぞれ単独で使用する場合と同様であってもよい。
上記物質の使用により、超臨界二酸化炭素中へのリン脂質類の溶解・分散も促進されることから、リポソーム膜構造が効率的に形成され、水溶性ヨウド化合物のリポソーム内への内包化も良好となる。さらにリポソーム膜構造が安定的なものであれば、その保持効率も向上する。
他に添加できる化合物として、負荷電物質であるジセチルホスフェートといったリン酸ジアルキルエステルなど、正電荷を与える化合物としてステアリルアミンなどの脂肪族アミンが例示される。
本発明のX線造影剤において、リポソーム内における造影化合物の保持効率を向上させるために、高分子鎖であるポリアルキレンオキシド(PAO)基またはまたはポリエチレングリコール(PEG)基を有するリン脂質または化合物をリポソーム膜の一成分として使用してもよい。またこれにより新たな機能をリポソームに付与することができる。たとえば、PEG化リポソームには免疫系から認識されにくくなる(いわゆる「ステルス化」された状態である)効果が期待できる。あるいはPEGの導入により水和層が形成され、リポソームが親水的傾向を持つことで血中安定性を増し、血中滞留性も向上する、すなわち長時間にわたり血液中の濃度を維持できることが明らかになっている(Biochim. Biophys. Acta., 1066, 29-36(1991))。また、リポソームの血中滞留性を向上させるために、ポリアルキレンオキシド修飾リン脂質をリポソーム脂質膜に含有させる手法が開示された(特開平2002−37833号公報)。そのようなリポソームでは経時安定性も改善されている
ことが示されている。
これらの性質を利用してX線造影剤に特定臓器への指向性を与えることもできる。具体的には脂質成分は肝臓に貯まりやすいことから肝臓の選択的な造影を目的とする場合には、PEG、すなわち−(CH2CH2O)n−Hを使用しないか、あるいはPEG含有量の
少ないリポソームを用いるのが望ましい。また粒径を200nm以上に大きくすると、肝臓Kupffer細胞の食作用により速やかに取り込まれる可能性が高くなり、肝臓の該部位に集積する。肝臓癌の撮像においては、その癌組織には正常組織に比べてKupffer細胞が少ないた
めに、造影剤リポソームの取込み量は、相対的に少なくなりコントラストが鮮明となる。
脾臓においても同様である。反対に他臓器の造影の場合、PEGを導入すればリポソームをステルス化して肝臓などに集まりにくくすることができるため、PEG化リポソームの使用が推奨される。リポソームのPEG化は、公知の技術を利用することができる。
PEGのオキシエチレン単位の長さと導入する割合を適宜変えることにより、その機能を調節することができる。PEGとして、オキシエチレン単位が10〜3500のポリエチレングリコールが好適である。またPEGを使用する場合の使用量は、該リポソームを構成する脂質に対して0.1〜30質量%、好ましくは1〜15質量%程度含むのがよい。
上記PEGに代わり公知の各種ポリアルキレンオキシド基、−(AO)n−Y(AOは
炭素数2〜4のオキシアルキレン基、nはオキシアルキレン基の平均付加モル数、Yは水素原子、アルキル基または機能性官能基を表す。)をリポソーム表面に導入してもよい。炭素数2〜4のオキシアルキレン基として、オキシエチレン基、オキシプロピレン基、オキシトリメチレン基、オキシテトラメチレン基、オキシ−1−エチルエチレン基、オキシ−1,2−ジメチルエチレン基などが挙げられる。これらのオキシアルキレン基は、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、オキセタン、1−ブテンオキシド、2−ブテンオキシド、テトラヒドロフランなどのアルキレンオキシドを付加重合させた基である。
nは1〜2000、好ましくは10〜500、さらに好ましくは20〜200の正数である。
nが2以上の場合、オキシアルキレン基の種類は、同一のものでも異なるものでもよい。後者の場合、ランダム状に付加していても、ブロック状に付加していてもよい。ポリアルキレンオキシド鎖に親水性を付与する場合、AOとしてはエチレンオキシドが単独で付加したものが好ましく、この場合、nが10以上のものが好ましい。また種類の異なるアルキレンオキシドを付加する場合、エチレンオキシドが20モル%以上、好ましくは50モル%以上付加しているのが望ましい。ポリアルキレンオキシド鎖に親油性を付与する場合はエチレンオキシド以外の付加モル数を多くする。たとえばポリエチレンオキシドとポリプロピレンオキシドとのブロック共重合物を含有するリポソームが好ましい。
Yは、水素原子、アルキル基または機能性官能基である。アルキル基として、炭素数1〜5の、分岐していてもよい脂肪族炭化水素基が挙げられる。機能性官能基は、ポリアルキレンオキシド鎖の先端に糖、糖タンパク質、抗体、レクチン、細胞接着因子といった「機能性物質」を付するためのもので、たとえばアミノ基、オキシカルボニルイミダゾール基、N-ヒドロキシコハク酸イミド基といった反応性に富む官能基が挙げられる。「機能
性物質」の機能は、「認識素子」として特定臓器指向性、癌組織指向性などを発揮する作用が例示される。
ポリアルキレンオキシド基を有するリン脂質または化合物は、一種類を単独で使用することができ、あるいは二種以上のものを組み合わせて使用することもできる。その含有量は、リポソーム膜形成成分の合計量に対し、0.001〜50モル%、好ましくは0.01〜25モル
%、より好ましくは0.1〜10モル%である。
リポソームへのポリアルキレンオキシド鎖の導入は、公知の技術を利用することができる。たとえば、特開2002−37883号公報には、血中滞留性を高めた水溶性高分子修飾リポ
ソームを作製するための高純度ポリアルキレンオキシド修飾リン脂質が開示されている。そうしたリポソームを作製する際にモノアシル体含量が低いポリアルキレンオキシド修飾リン脂質を使用すると、リポソーム分散液の経時安定性が良好であったことが記載されている。
・リポソームの作製
リポソームを作製する方法として、これまでに様々の方法が提案されている。作製方法
が異なると、最終的に出来上がったリポソームの形態および特性もまた著しく異なることが多い(特開平6-80560号公報)。そのため所望するリポソームの形態、特性に応じてそ
の製造方法を適宜選択することが一般に行なわれている。従来リポソームは、リン脂質、ステロール、レシチンといった脂質成分を、ほとんど例外なくまず有機溶媒、たとえばクロロホルム、ジクロロメタン、エチルエーテル、四塩化炭素、酢酸エチル、ジオキサン、THFなどとともに容器中で混合、溶解することにより調製されている。そうしたリポソー
ムの調製品は、必ず有機溶媒を含んでいる。残留する有機溶媒、特にクロル系有機溶媒は完全に除去することが困難であり、生体に及ぼす悪影響が懸念される。
本発明に使用するリポソームを調製するには、上記の問題点を回避できる方法として、超臨界もしくは亜臨界の二酸化炭素を使用するリポソーム調製法を利用する。二酸化炭素の臨界温度が31.1℃、臨界圧力が75.3 kg/cm2と比較的扱いやすく、不活性なガスゆえ残
存しても人体に無害であり、高純度流体が安価で容易に入手できるなどといった理由により好適である。本発明の製造方法で使用する超臨界状態(亜臨界状態を含む)の二酸化炭素の好適な圧力は、50〜500kg/cm2、好ましくは100〜400 kg/cm2、より好ましくは90〜150 kg/cm2である。また好適な臨界状態の二酸化炭素ガスの温度としては、30〜200℃、好
ましくは32〜100℃、さらに好ましくは35〜80℃である。これらの範囲内で、温度および
圧力を適宜選択して組み合わせることにより、超臨界状態(亜臨界状態を含む)とするのがよい。
本発明のX線造影剤に使用するリポソームの調製方法は、具体的に以下のようにして行なわれる。圧力容器に液体二酸化炭素を加え、上記の好適な圧力および温度のもとにある超臨界状態もしくは亜臨界状態にする。超臨界(もしくは亜臨界)状態の二酸化炭素にリポソーム膜構成物質を溶解する。膜脂質成分として上記リン脂質を、好ましくはカチオン性リン脂質、ポリアルキレンオキシド修飾リン脂質、ポリアルキレンオキシド基を有する化合物、ポリエチレングリコール基を有する化合物、ステロール類、グリコール類から少なくとも1種選ばれた化合物とともに混合して溶解する。あるいは予めこれらの化合物を
加えた圧力容器に液体二酸化炭素を加え、次いで温度、圧力を調整して超臨界状態にして溶解してもよい。
その際、溶解助剤を添加すると、膜脂質成分の超臨界二酸化炭素への溶解が短時間で充分に行われるため、形成されるリポソームにおける一枚膜リポソームの比率が高くなる。溶解助剤として、低級アルコール、グリコール、グリコールエーテルなどを1種または2種以上併用することが望ましい。たとえばアルコール類を超臨界二酸化炭素の0.1〜10質量
%、好ましくは、1〜8質量%の割合で助溶媒として使用するのがよい。より好ましい溶解助剤としては、安全性の観点および除去の容易性からエタノールである。
引き続き生成した脂質混合物に、ヨウド系化合物、必要に応じて後述の製剤助剤を含む水溶液を連続的に添加して、水相/二酸化炭素エマルジョンを形成する。次に全体を数分〜数十時間、混合・撹拌する。このエマルジョン系において脂質成分はミセル状となり離合集散をしていると推定される。しばらく撹拌を続行してミセルを含むエマルジョンが充分に安定化した後に、さらに二酸化炭素相と水相とが分離するまで水を連続的に添加する。水相容積の増大とともに、水/炭酸ガスエマルジョン+炭酸ガス/水エマルジョンの2相系となる。系内を減圧して二酸化炭素を排出すると、ヨウド系化合物を内包するリポソームが分散している水性分散液が生成する。
上記ヨウド化合物のリポソーム内への内包化の割合は、リポソーム用脂質の総量とヨウド化合物(必要に応じてさらに製剤助剤)を含む水溶液との比率によっても左右される。リポソームの円滑な形成、ならびにその脂質膜内へのヨウド化合物の効率的な内包化には、使用する脂質総量と内包物質を含有する水溶液との比率もまた検討する必要がある。
この脂質総量とは、リポソーム膜を構成するリン脂質類、ステロール類、その他の添加した脂質類すべてを対象とした総和の質量である。上記水溶液1リットル(L)に対して、脂質総量が5〜50mmolesの範囲、好ましくは5〜40mmolesの範囲、より好ましくは10〜30mmolesの範囲の割合でリポソーム膜構成物質を含む溶媒を混合する。そうした場合、水
溶性ヨウド化合物のリポソーム内への内包化は良好に進行し、結果的にそのヨウド化合物の保持効率も向上する。脂質量が5mmoles未満であると、相対的に分散媒体ある水の割合が多すぎて、リポソームの形成が遅くなり、その中への水溶性の非イオン性ヨウド化合物の内包も効率よく起こらない。逆に脂質量が50mmolesを超えると、水溶液との混和が不
充分で、しかも脂質どうしの凝集などが生じて分散が不均一となり、ヨウド化合物の内包も起きにくい。
超臨界もしくは亜臨界二酸化炭素を使用するリポソーム調製法は、従来法に比べてリポソームの生成率、封入する物質の内包率、リポソーム内の封入物質保持率が高いことが示されている(上記特許文献2参照)。さらに工業的スケールでの応用も可能であり、有機溶剤を使用せずに非イオン性かつ水溶性の物質を効率よくリポソームに封入することができる本法は、本発明のX線造影剤の製造には有用な方法である。
本発明の造影剤におけるリポソームは、通常、多重層膜リポソームとして存在するが、一枚膜リポソームもまた混在していてもよい。ここにいう一枚膜リポソームとは、リン脂質二重層が実質的に1つの層としてなる膜(unilamellar vesicle)で構成されるリポソームである。ここで「実質的に」とは、以下の凍結かつ断(Freeze fracture )レプリカ法による透過型電子顕微鏡(TEM)観察において、レプリカが概ね1つの層として認めら
れるリン脂質二重層によりリポソームが構成されていることをいう。すなわち、観察されたカーボン膜に残された粒子の跡について段差がないものを一枚膜と判定し、2つ以上の段差が認められるものを「多重層膜」と判定している。多重層膜(multilamellar vesicles; MLV)からなる大きいリポソームは、リポソーム膜の二分子膜を剥がしてその多重層をなるべく薄くすることが望ましい。そのためには、作製後に超音波の適切な適用、あるいは一定孔サイズのフィルターに通すなどの操作を引き続き行なう。これに代わって超臨界二酸化炭素にリポソーム膜構成物質を溶解する際、エタノールを溶解助剤として適宜添加することにより、超臨界二酸化炭素にリポソーム膜構成物質を充分に溶解させて、一枚膜リポソームの比率を高めることも好ましい。一枚膜リポソーム、特に大きい一枚膜リポソームであるLUV(Large unilamellar veislcles)は、多重層膜リポソームに比べ
て大きい封入容量を提供し、リポソームの投与量、換言すると投与脂質量が大きくならないという利点もあるためである。
内包するヨウド化合物の重量が相対的に多過ぎるとリポソームの安定性は低下する。特にイオン強度の急激な変化には弱い傾向が観察されていた。そこで比較的小さい粒径に調整し、リポソーム膜にステロール類および/またはグリコール類を含有させ、あるいはカ
チオン性リン脂質、ポリアルキレンオキシド基を有するリン脂質または化合物を含有させて、脂質膜の安定化を図ることもできる。実際、そうしたリポソームは、たとえば塩ショックに対しても安定的であることが判明した。
リポソーム粒子のサイズおよびその分布は、本発明のX線造影剤が目指す、高い血中滞留性、ターゲティング性、送達効率と密接に関わっている。ここで「中心粒径」とは、粒子分布で最も出現頻度の高い粒子径を指している。なお、粒子径または粒径は、粒子の直径を意味する。粒径の調整は、処方またはプロセス条件で行なうことができる。たとえば、上記の超臨界の圧力を大きくすると形成されるリポソーム粒径は小さくなる。本発明のX線造影剤は、造影剤1mL当り、粒子径が10μ以上の粗大粒子が5個以下、より好ましくは3個以下で存在することを特徴としている。とりわけ造影剤1mL当り、粒子径が7μ以上の粗大粒子が5個以下、より好ましくは3個以下で存在するのがよい。なお、本明
細書でいう「粗大粒子」とは、リポソームの単独粒子とは限らず、たとえばリポソーム会合体、脂質凝集物なども含まれる。造影剤を保存している間に、10μ以上の粗大粒子が多数存在すると、その存在が他の小さいリポソーム粒子の凝集、崩壊の原因となり、それらの経時安定性を損なう。造影剤を生体内に注射または注入する際に、これらの粗大粒子は目詰まりなどを起こしたりして不都合なことが多く、さらには肺毛細血管に塞栓するなどの副作用を引き起こすおそれがある。
リポソームの粒子径の分布をより狭い範囲に揃えるには、作製されるリポソームの懸濁液を一定サイズの孔径を有する濾過膜、好ましくはポリカーボネート膜などに強制的に透過させてもよい。この場合、濾過膜として0.05〜1.0μ、好ましくは0.1〜0.4μ、さらに
好ましくは0.15〜0.2μの孔径のフィルターを装着した静圧式押出し装置に通すことによ
り、リポソーム多重層膜の脂質膜枚数を減らすとともに、中心粒径として 100〜300nmの
最適寸法を有する均一なリポソームを効率よく調製することができる。具体的には、各種の静圧式押出し装置、たとえば「エクストルーダー」(商品名、日油リポソーム製)、「リポナイザー」(商品名、野村マイクロサイエンス製)などを使用して、フィルターを強制的に透過させる。フィルターは、ポリカーボネート系、セルロース系などのタイプを適宜使用することができる。これにより脂質分子の配向が均一であり、水分散性が良好なリポソーム用脂質が得られる。押出し濾過法については、たとえばBiochim. Biophys.Acta 557巻,9ページ(1979)に記載されている。
前記押出し濾過の好ましい態様は、水性懸濁液を、相転移温度を有するリン脂質の転移温度以下で細孔のある膜を通すことである。この“転移温度以下”とは、用いるリン脂質の種類と組成にもよるが、大体20℃〜50℃である。リン脂質の転移温度以上に加温すると、転移温度を有するリン脂質は液晶状態にあって膜の流動性が高まり、加圧押出し濾過の際、粗大粒子が濾過膜を通過する可能性がある。一枚膜リポソームの割合が多いリポソーム懸濁液は、粘度が高くてもフィルターの目詰まりを起こすことなく、比較的粒径の揃ったリポソームを作製することができる。
このような「押出し」操作工程を取り入れることにより、上記サイジングに加えて、リポソーム分散液の交換、濾過滅菌も併せて可能になるという利点もある。引き続きリポソーム分散液を、遠心分離、限外濾過、ゲル濾過などの方法により未保持の薬剤を除去して精製したり、濃縮、希釈、凍結乾燥などの操作を任意に行ってもよい。滅菌処理、パッケージングなどの製剤過程を経て、本発明のX線検査用造影剤が調製される。
上記のように受動的ターゲティング能力をリポソームに持たせるには、その粒径のサイジングも考慮する必要がある。特許2619037号公報には、粒径3000nm以上のリポソームを
排除することにより、肺毛細血管における不都合な保持が回避されると記載されている。
しかし150〜3000nmの粒径範囲のリポソームは、必ずしも向腫瘍性とはならない。この
ため、X線撮像の目的に応じて、粒径が適切に設定される。本発明の造影剤リポソームの中心粒径は、通常50〜300nm、好ましくは50〜200nm、より好ましくは50〜130nmである。
たとえば腫瘍部分の選択的撮像目的の場合には、特に110〜130nmが好ましい。リポソームの粒径を100〜200nm、より好ましくは110〜130nmの範囲に揃えることにより癌組織へ選択的にX線造影剤を集中させることが可能となる(「EPR効果」)。固形癌組織にある新生血管壁の孔は、正常組織の毛細血管壁窓(fenestra)の孔サイズ、30〜80nm未満に比べて異常に大きく、約100nm〜約200nmの大きさの分子でも血管壁から漏れ出る。EPR効果は、癌組織にある新生血管壁では、正常組織の微小血管壁より透過性が高いことによるものであるため、血中滞留性の向上が図られねばならない。本発明のX線造影剤は、特に大きい粒子を含まないため、細網系内皮細胞による捕獲の対象になりにくい。またリポソ
ームがいわば赤血球類似の姿と挙動をしていて腎臓を経由して速やかに排出されることはなく、さらにステルス(隠蔽)化されている場合には細網系内皮細胞に貪食されることもなく、血流中に比較的長くとどまる。
X線検査用造影剤
本発明のX線検査用造影剤は、上述のようにリポソーム自体の安定性が改善されているために、製剤化工程における処理時、貯蔵・保管期間にもリポソーム内に造影物質が安定的に保持される。さらに造影剤の血中安定性も上記リポソーム内への内包により図られている。X線造影のコントラスト性能を規定する、標的臓器への必要ヨウ素送達量は、明らかにされている(たとえば特許2619037号公報)。本発明のようにヨウド系化合物をリポ
ソームというマイクロキャリヤーに封入する場合には、造影物質の保持安定性および送達効率に加えて脂質の用量も考慮されねばならない。脂質量が多くなると、多分散傾向が強まるとともに、造影剤の粘度が大きくなる。本発明製剤の粘度は、37℃で、6cPa以下、好ましくは0.9〜3cPaである。
リポソーム内へのヨウド系化合物の封入量については、ヨウド系化合物がリポソーム膜脂質重量に対して、1〜10、好ましくは2〜8、より好ましくは3〜6の重量比でリポソーム
内に封入された水溶液中に含有されていることが望ましい。リポソーム水相中にカプセル化されたヨウド系化合物の重量比が1未満であると、比較的多量の脂質を注入することが必要となり、多い脂質による弊害が現れるか、造影物質の送達効率が悪くなる。特許2619037号公報の記載によると、当該比が1でも当時の技術水準からは高い値とされていた。
反対にリポソーム膜脂質重量に対するヨウド系化合物の封入重量比が10を超えると、リポソームが構造的にも不安定となり、リポソーム膜外へのヨウド系化合物の拡散、漏出の生起は貯蔵中または生体内に注入された後でも避けられない。またリポソーム懸濁薬剤が製造され、分離した直後は100%の封入が達成されても、浸透圧効果による不安定化に基づ
いて、短時間に封入成分が減少していくことが記載されている(特表平9−505821号公報
)。
本発明のX線造影剤は製剤化に際し、必要に応じてさらに製剤助剤として薬理学的に許容される緩衝剤、安定化剤、α‐トコフェロールなどの抗酸化剤、粘度調節剤なども含めてもよい。好ましくは水溶性アミン系緩衝剤およびキレート化剤である。
本発明の方法により製造されるX線検査用造影剤は、含有するリポソームの脂質膜にもその内部水相にも有機溶媒が含まれていないことを特徴としている。さらにヨウド含有量として、通常、想定される10〜300mlの製剤溶液の投与量では、100〜500mgI/mlであり、好ましくは、150〜300mgI/mlである。またX線検査用造影剤に残存する遊離ヨウ素イオ
ン量は、0.001mole/L造影剤 以下、好ましくは0.0001mole/L造影剤 以下にすべきで
ある。遊離ヨウ素イオンのトラップ剤として機能するキレート化剤を加えることが好ましい。そのようなキレート剤としてEDTANa2−Ca、EDTANa2などが挙げられる。
本発明のX線検査用造影剤は、投与後にリポソームが体内に安定に維持されるように、体内の浸透圧に対し、等張の溶液または懸濁液の形でリポソーム中に封入される。そうした溶液もしくは懸濁液の媒質として、水、緩衝液、たとえばトリス−塩酸緩衝液、リン酸緩衝液、クエン酸緩衝液などを使用することができる。
上記溶液もしくは懸濁液の好ましいpH範囲は、室温で6.5〜8.5、さらに好ましくは6.8〜7.8である。X線造影剤が多ヒドロキシル基を有する水溶性ヨウド系化合物である場合、好ましい緩衝液は、米国特許第4278654号に記載されているような負の温度係数を有す
る緩衝液である。アミン系緩衝液はこのような要求を満たす性質を有しており、特に好ましくはトリス(TRIS)である。このタイプの緩衝液は、オートクレーブ温度で低いpHを有し、このことがオートクレーブ中のX線造影剤の安定性を増し、他方、室温では生理的
に許容されるpHに戻る。したがって、注射用無菌造影剤を製造するために、リポソーム調製物をオートクレーブ滅菌できることは極めて便利であり、貯蔵安定性なども確保できる。オートクレーブ滅菌を適用できないリポソームには、ろ過滅菌を行なうのがよい。
等張の溶液または懸濁液を得るには、等張液を提供する濃度で造影剤を媒質中に溶解もしくは懸濁させる。たとえば造影剤化合物の溶解性が低いために造影剤が単独では等張液を提供できない場合、等張の溶液もしくは懸濁液が形成されるように他の非毒性の水溶性物質、たとえば塩化ナトリウムのごとき塩類、マンニトール、グルコース、ショ糖、ソルビトールなどの糖類を媒質中に添加してもよい。
本発明のX線検査用造影剤は、注射剤または点滴注入剤として、非経口的に、具体的には血管内投与、好ましくは静脈内投与により被験者に投与されX線照射により撮像される。その用量は、従来のヨウド系造影剤に準じる。リポソーム内のヨウド総量、またはそれとリポソーム外のヨウド総量の和が、従来の投与量と同程度になるようにしてもよい。実際の診断的検査においては、本発明のX線検査用造影剤を、コンピュータ断層撮影装置(CT)と組み合わせたX線撮影装置に使用することにより、その造影剤性能をさらに有効に発揮することも期待される。
〔実施例〕
以下、本発明を実施例に基づいてさらに具体的に説明する。本発明は、かかる実施例によりなんら限定されるものではない。
リポソーム試料の作製
<試料1>
ジパルミトイルホスファチジルコリン(DPPC;日本油脂社製)80mgと、コレステロールHP(日本油脂社製)10mg、グリコール脂質としてSUNBRIGHT DSPE-020CN (日本油脂社製
)2mg、グリセロール脂質としてコートソーム MG-6060LS (日本油脂社製)4mgの混合物をステンレス製オートクレーブに仕込み、オートクレーブ内を60℃に加熱し、次いで液体二酸化炭素13gを加えた。オートクレーブ内の圧力を200kg/cm2まで加圧し、オートクレーブ内を撹拌して、超臨界二酸化炭素中にDPPC混合物を溶解させた。この超臨界二酸化炭素を撹拌しながら、イオパミドール溶液306.2mg/mL(ヨウド含有率150mg/mL、添加物として、トロメタモール1mg/mL、エデト酸カルシウム2ナトリウム0.1mg/mL、塩酸および水酸化ナトリウム(pH調整剤)適量を含有)溶液10gを定量ポンプで連続的に注入した。その
後系内を減圧して二酸化炭素を排出し、イオパミドールを含有するリポソームの分散液を得た。得られた分散液を60℃まで加熱し、2分間超音波照射したものを20℃にして孔径1
μmのフィルターで濾過し、試料1とした。
<試料2>
ジパルミトイルホスファチジルコリン(DPPC;日本油脂社製)200mgと、カチオン性脂
質としてリポフェクチンTM 10mg、グリコール脂質としてSUNBRIGHT DSPE-020CN (日本油脂社製)2mg、グリセロール脂質としてコートソーム MG-6060LS (日本油脂社製)40mgの混合物をステンレス製オートクレーブに仕込み、オートクレーブ内を60℃に加熱し、
次いで液体二酸化炭素13gを加えた。オートクレーブ内の圧力を200kg/cm2まで加圧し、オートクレーブ内を撹拌して、超臨界二酸化炭素中にDPPC混合物を溶解させた。この超臨界二酸化炭素を撹拌しながら、イオパミドール溶液306.2mg/mL(ヨウド含有率150mg/mL、添加物として、トロメタモール1mg/mL、エデト酸カルシウム2ナトリウム0.1mg/mL、塩酸および水酸化ナトリウム(pH調整剤)適量を含有)溶液10gを定量ポンプで連続的に注入
した。その後系内を減圧して二酸化炭素を排出し、イオパミドールを含有するリポソームの分散液を得た。得られた分散液を60℃まで加熱し、5分間超音波照射したものを20℃に
して孔径1μmのフィルターで濾過し、試料2とした。
<試料3>
ジパルミトイルホスファチジルコリン(DPPC;日本油脂社製)60mgと、ジミリストイルホスファチジルコリン(DMPC;日本油脂社製)20mg、コレステロールHP(日本油脂社製)80mg、グリコール脂質としてSUNBRIGHT DSPE-020CN (日本油脂社製)38mgの混合物をス
テンレス製オートクレーブに仕込み、オートクレーブ内を60℃に加熱し、次いで液体二酸化炭素13gを加えた。オートクレーブ内の圧力を120kg/cm2まで加圧し、オートクレーブ内を撹拌して、超臨界二酸化炭素中にDPPC混合物を溶解させた。この超臨界二酸化炭素を撹拌しながら、イオパミドール溶液306.2mg/mL(ヨウド含有率150mg/mL、添加物として、トロメタモール1mg/mL、エデト酸カルシウム2ナトリウム0.1mg/mL、塩酸および水酸化ナトリウム(pH調整剤)適量を含有)溶液10gを定量ポンプで連続的に注入した。その後系
内を減圧して二酸化炭素を排出し、イオパミドールを含有するリポソームの分散液を得た。得られた分散液を60℃まで加熱し、2分間超音波照射したものを20℃にして孔径1μmのフィルターで濾過し、試料3とした。
<試料4>
ジパルミトイルホスファチジルコリン(DPPC;日本油脂社製)200mgと、コレステロー
ルHP(日本油脂社製)80mg、カチオン性脂質としてリポフェクチンTM 5mg、グリコール脂質としてSUNBRIGHT DSPE-020CN (日本油脂社製)4mg、グリセロール脂質としてコートソーム MG-6060LS (日本油脂社製)4mgの混合物をステンレス製オートクレーブに仕込
み、オートクレーブ内を60℃に加熱し、次いで液体二酸化炭素13gを加えた。オートクレ
ーブ内の圧力を120kg/cm2まで加圧し、オートクレーブ内を撹拌して、超臨界二酸化炭素
中にDPPC混合物を溶解させた。この超臨界二酸化炭素を撹拌しながら、イオパミドール溶液306.2mg/mL(ヨウド含有率150mg/mL、添加物として、トロメタモール1mg/mL、エデト酸カルシウム2ナトリウム0.1mg/mL、塩酸および水酸化ナトリウム(pH調整剤)適量を含有)溶液10gを定量ポンプで連続的に注入した。その後系内を減圧して二酸化炭素を排出
し、イオパミドールを含有するリポソームの分散液を得た。得られた分散液を60℃まで加熱し、アドバンテック社製のセルロース系フィルターで、1μm、0.45μm、0.3μm、0.1μmの順に加圧濾過した後、20℃にして孔径1μmのフィルターで濾過した。得られた造影剤
を試料4とした。
<比較試料5>
試料1と同様にリポソーム分散液を調製し、得られた分散液を60℃まで加熱し2分間超
音波照射した後、60℃を保ったまま孔径1μmのフィルターで濾過し、比較試料5とした。<比較試料6>
試料2と同様にリポソーム分散液を調製し、得られた分散液を60℃まで加熱し1分間超
音波照射した後、60℃を保ったまま孔径1μmのフィルターで濾過し、比較試料6とした。<比較試料7>
試料3と同様にリポソーム分散液を調製し、得られた分散液を60℃まで加熱し2分間超
音波照射した後、60℃を保ったまま孔径1μmのフィルターで濾過し、比較試料7とした。<比較試料8>
試料4と同様にリポソーム分散液を調製し、得られた分散液を60℃まで加熱し、孔径1
μmのフィルターで濾過して比較試料8とした。
リポソームの形態および粒径の評価
作製した造影剤中のリポソームの粒径および構造を凍結破砕法により透過型電子顕微鏡(TEM)で調べた。すなわち、リポソーム分散液を液体窒素にて急速に凍結し、凍結状態で破砕してリポソームの内部構造を露出させる。破砕面をカーボン蒸着し、形成されたカーボン膜を透過型電子顕微鏡で観察した。
粒径は、観察された造影剤粒子約20個の径の単純平均とした。リポソーム粒子の構造は、観察したカーボン膜に残された粒子の跡について段差がないものを「一枚膜」と判定し
、2つ以上の段差が認められるものを「多層膜」と判定した。約20個の粒子を観察し、一枚膜構造のものが8割以上であるものを実質的に一枚膜リポソームと判定した。
粗大粒子評価
評価には、光遮蔽型センサーとこれに適合する試料供給装置で構成される光遮蔽型自動微粒子測定装置を用いた。操作法は、塵埃の少ない清浄な設備内または装置内で、微粒子汚染をできるだけ避けるよう注意して行った。試料を清浄な容器に入れ、25ml以上の試験溶液を調製し、適当な時間放置して脱気した。試験溶液を気泡発生および異物汚染を避けて、機械的にまたは手動で穏やかに混ぜ、溶液中の粒子を均一にした。5ml以上の容量の
試験液を3回以上計測した。初めの測定値を除いて平均粒子数を求め、試験液1ml中の
粒子数を求めた。
リポソームに内包された造影剤量比の定量
リポソーム分散液を等張の食塩水で透析し、透析終了後にエタノールを添加してリポソームを破壊し、吸光度の測定によりリポソーム内のヨウド化合物量(内包率)を求めた。生理食塩水安定性
リポソーム分散液を生理食塩水に添加し、3日間放置した。放置後のサンプルを観察し、下記の5段階で評価を行った。
1:脂質が全部分離
2:脂質が一部分離
3:全体に濁りが上昇するが分散液は均一
4:1〜2日間変化なし
5:3日間変化なし
各試料中のリポソームについて、粒径などの測定結果を表1に示す。
Figure 2005255588
実施例1で作製した試料1〜8を等張グルコース液で希釈して、50mgヨウ素/mlの濃度
とした。この液をラットに静脈内注射したところ、試料1、2および4は、特に肝臓に集中して分布することがX線画像で観察された。比較試料5,6および8は、肝臓の造影レベルの増加は見られたが、そのレベルは低かった。
家兎の皮下にVX2カルシノーマの細胞浮遊液を移植した。移植2週間後に、実施例1で得た試料1〜8を家兎に静脈内注射し、注射後にX線画像で観察した。試料3を用いた場合には、家兎の移植部分の造影レベルが高く、造影レベルの低下速度は緩やかであった。比較試料7は、移植部分の造影レベルの増加は見られたが、そのレベルは低かった。

Claims (8)

  1. 非イオン系ヨウド系化合物および製剤助剤を含有する水溶液と、溶媒に溶解したリポソーム膜構成物質とを混合することにより、該ヨウド化合物を内包して形成されたリポソームの懸濁液をさらに濾過膜に透過させて得られるX線造影剤の粘度が、1mLにつき、粒子径が10μ以上である粗大粒子が5個以下で存在することを特徴とするX線造影剤。
  2. リポソーム膜構成物質であって転移温度を有するリン脂質の転移温度以下で、前記のリポソームの懸濁液を濾過膜に透過させることを特徴とする請求項1に記載のX線造影剤。
  3. 非イオン系ヨウド化合物および製剤助剤を含有する水溶液1リットルに対し、脂質総量として5〜40mmolesの比率でリポソーム膜構成物質を含む溶媒を使用して形成されたリポソームを含むことを特徴とする請求項1に記載のX線造影剤。
  4. 前記リポソーム膜構成物質の溶媒が超臨界二酸化炭素であることを特徴とする請求項1
    または3に記載のX線造影剤。
  5. 前記リポソームが、全ヨウド化合物の5〜35質量%のヨウド化合物を内包することを特
    徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のX線造影剤。
  6. 前記製剤助剤は、緩衝剤、キレート化剤および安定化剤から選ばれる少なくとも1つ以上であることを特徴とする請求項1または3に記載のX線造影剤。
  7. 遊離ヨウ素イオン量が製剤1リットル当り、0.001mole以下であることを特徴とする請
    求項1〜6のいずれかに記載のX線造影剤。
  8. 前記リポソーム膜構成物質を超臨界二酸化炭素に溶解する際に、さらに溶解助剤を添加して混合することを特徴とする請求項4に記載のX線造影剤。
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