JP2005220034A - X線検査用造影剤の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】
リポソームの安定化とヨウド化合物の保持安定性を図るとともに造影化合物の血中滞留性を高め、造影剤の効率的送達および良好なターゲティングを達成する、安全性の高いX線検査用造影剤を製造する方法を提供することを目的とする。
【解決手段】
本発明によるX線造影剤の製造方法は、リン脂質および脂質膜安定化物質を含有する超臨界二酸化炭素と、非イオン系ヨウド化合物および製剤助剤を含有する水溶液とを混合することにより形成したリポソームの懸濁液を、さらに0.1〜0.4μmの孔径を有する濾過膜
を透過させることを特徴としている。このような方法により製造されるX線検査用造影剤は、超臨界二酸化炭素法により作製されるリポソームの脂質膜中に、好ましくはステロール類、および/またはカチオン性リン脂質、および/またはグリコール類を含有させ、その水相中には水溶性ヨウド系化合物を内包させている。
【選択図】なし
リポソームの安定化とヨウド化合物の保持安定性を図るとともに造影化合物の血中滞留性を高め、造影剤の効率的送達および良好なターゲティングを達成する、安全性の高いX線検査用造影剤を製造する方法を提供することを目的とする。
【解決手段】
本発明によるX線造影剤の製造方法は、リン脂質および脂質膜安定化物質を含有する超臨界二酸化炭素と、非イオン系ヨウド化合物および製剤助剤を含有する水溶液とを混合することにより形成したリポソームの懸濁液を、さらに0.1〜0.4μmの孔径を有する濾過膜
を透過させることを特徴としている。このような方法により製造されるX線検査用造影剤は、超臨界二酸化炭素法により作製されるリポソームの脂質膜中に、好ましくはステロール類、および/またはカチオン性リン脂質、および/またはグリコール類を含有させ、その水相中には水溶性ヨウド系化合物を内包させている。
【選択図】なし
Description
本発明は、X線検査用造影剤の製造方法に関し、詳しくは内部に造影物質を内包したリポソームを含むX線検査用造影剤の製造方法に関する。
X線を用いる単純撮影やCT撮影法(コンピュータ断層撮影法)は、今日の画像診断の中核をなしている。骨、歯などのいわゆる硬組織はX線を良好に吸収するために容易に高コントラスト像を得ることができる。これに対し、軟組織間ではX線吸収の差が小さいため高いコントラスト像を得ることは困難である。このような場合、コントラストの高い像を得るために造影剤を使用することが一般に行なわれている。
現在実用化されているX線造影剤の大部分は、トリヨードフェニル基を含有し水溶性化した化合物を造影物質とするものである。これらの造影剤は、血管、尿管、輸卵管などの管腔部位に投与され、管腔の形状、狭窄などの診断に使用されている。しかしながら、これらの化合物は組織や疾患部位と相互作用をすることなく管腔部位から速やかに排出されるために、組織や疾患部位、特に癌組織をより詳細に診断する目的には役立たない。このため目標とする組織もしくは疾患部位に選択的に集積し、その周囲またはその他の部位と明瞭なコントラストで区別できる画像を提供するX線造影剤が望まれている。そのようなX線検査用造影剤であれば、微細な癌組織であっても精度良く検出することも可能となる。
国際公開WO98/46275、同WO95/31181、同WO94/19025、同WO96/28414、同WO96/00089、米国特許4873075号、同4567034号などには、疎水性ヨウド化合物を界面活性剤や油脂の存在下で水中に分散させ、腫瘍、肝臓、脾像、副腎皮質、動脈硬化巣、血管プール、リンパ系などを造影する方法が開示されている。これらの方法では、造影剤を微粒子化することにより体内での滞留時間を長くして疾患部位を選択的に造影しようとするものである。しかしながら、その目的のために提案された製剤方法は、造影の効率および選択性とも充分でない。さらに使用するヨウド化合物が造影後に体外へ排出される速度が遅く、患者への負担が大きいという問題点もある。
一方、造影剤を微粒子状にする方法として、生体膜類似の脂質から構成され、低い抗原性ゆえに安全性が高いとされているリポソームに造影性化合物を内包させる手法も検討されている。たとえば国際公開WO88/09165、同WO89/00988、同WO90/07491、特開平07-316079、特開2003-5596では、イオン性または非イオン性の造影剤を含有するリポソームが提案されている。これらの方法では、素材としての安全性が高く、生体内で適度な分解性を有するリポソームを用いるにもかかわらず、製造過程においてリポソーム膜を構成するリン脂質の溶剤として、有機溶媒、特にクロロホルム、ジクロロメタンといったクロル系溶剤を使用する。したがって、どうしても残存する溶剤の毒性があるという理由で実用化に至っていない(たとえば、特許文献1参照)。
他方、脂質可溶性の薬剤は容易にリポソーム中に封入されるが、その封入量は他の要因にも左右されることから必ずしもそれほど多くはない。また水溶性電解質である薬剤は、その薬剤の電荷と荷電した脂質の電荷との相互作用を通じてリポソーム内部の水相に封入できるが、薬剤が水溶性の非電解質である場合には、そうした手段を採ることはできない。X線造影剤についても、一般にイオン性造影化合物よりも、実質的に毒性の低い非イオン性ヨウド化合物をリポソーム内に封入することが望まれるが、上記の理由から容易ではない。さらに形成されたリポソームは多重層になりやすく、ヨウド化合物の内包率も低い
ために効率が悪くなる。このような水溶性の非電解質を効率的にリポソーム中に封入する手段として、逆相蒸発法、エーテル注入法が挙げられるが、有機溶剤を使用するためにやはり安全性の問題が残る。
ために効率が悪くなる。このような水溶性の非電解質を効率的にリポソーム中に封入する手段として、逆相蒸発法、エーテル注入法が挙げられるが、有機溶剤を使用するためにやはり安全性の問題が残る。
特開2003-119120(特許文献2)では、リポソームを含有する化粧料、皮膚外用剤を、
超臨界二酸化炭素を用いて製造する方法が開示されており、親水性薬効成分や親油性薬効成分をリポソームに内包する皮膚外用剤の製造例が示されている。しかし、親水性薬効成分として、水溶性電解質の例は示されているが、同法により水溶性非電解質をリポソームに効率よく内包できるか不明であった。したがって、有機溶剤を使用せずに、リポソーム内に良好に保持された造影物質が標的部位へ効率よく送達される造影剤を製造する方法が必要とされている。
特開平7-316079号公報
特開2003-119120号公報
超臨界二酸化炭素を用いて製造する方法が開示されており、親水性薬効成分や親油性薬効成分をリポソームに内包する皮膚外用剤の製造例が示されている。しかし、親水性薬効成分として、水溶性電解質の例は示されているが、同法により水溶性非電解質をリポソームに効率よく内包できるか不明であった。したがって、有機溶剤を使用せずに、リポソーム内に良好に保持された造影物質が標的部位へ効率よく送達される造影剤を製造する方法が必要とされている。
本発明は、造影物質のマイクロキャリヤーとしてリポソームを使用することにより、造影の効率および選択性に優れ、しかも安全性の高いX線検査用造影剤の製造方法を提供することを目的とする。具体的には毒性のある有機溶媒を使用せずに、狭い粒径範囲のリポソーム内に水溶性ヨウド系化合物を効率良く封入するX線造影剤の製造方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決する本発明は、以下の構成を有する。
本発明によるX線検査用造影剤の製造方法は、リン脂質および脂質膜安定化物質を含有する超臨界二酸化炭素と、非イオン系ヨウド化合物および製剤助剤を含有する水溶液とを混合することにより形成したリポソームの懸濁液を、さらに0.1〜0.4μmの孔径を有する
濾過膜を透過させることを特徴としている。
濾過膜を透過させることを特徴としている。
前記超臨界二酸化炭素は、90〜150kg/cm2の圧力のもとに生成されることが好ましい。
また前記リン脂質には、転移温度を有するリン脂質が少なくとも含まれることが好ましい。
また前記リン脂質には、転移温度を有するリン脂質が少なくとも含まれることが好ましい。
さらに前記リポソームの脂質膜には、カチオン性物質をリン脂質量に対し0.1〜5質量%の割合で含めてもよい。
前記脂質膜安定化物質は、好ましくはステロール類および/またはグリコール類である。前記ステロール類は、リン脂質1重量部に対し、0.05〜1.5重量部の割合で含まれることが望ましい。また、前記グリコール類は、リン脂質量に対し0.5〜20質量%の割合で含ま
れることが望ましい。
れることが望ましい。
前記濾過膜の透過は、好ましくはエクストルーダーを使用して行われる。エクストルーダーによる処理は、転移温度を有するリン脂質の転移温度以上の温度で行われることが望ましい。
上記X線検査用造影剤の製造方法は、リン脂質および脂質膜安定化物質を含有する超臨界二酸化炭素と、非イオン系ヨウド化合物および製剤助剤を含有する水溶液とを2回以上に分けて混合するか、あるいは少量ずつ連続的に添加して混合することにより形成したリポソームが、全ヨウド化合物の5〜35質量%のヨウド化合物を内包することが望ましい。
本発明によるX線検査用造影剤の製造方法は、リン脂質などを超臨界二酸化炭素に混合してリポソームを作製する方法を採用するため、有毒な溶媒、特に毒性の高いクロル系溶媒を使用する必要がない。さらにリポソームに封入するヨウド化合物の内包効率も高めている。本発明方法によるX線造影剤は、これによりリポソーム構造の安定化および封入物質の保持安定性を改善させている。
〔発明の具体的説明〕
本発明によるX線検査用造影剤の製造方法は、リン脂質および脂質膜安定化物質を含有する超臨界二酸化炭素と、非イオン系ヨウド化合物および製剤助剤を含有する水溶液とを混合することにより形成したリポソームの懸濁液を、さらに0.1〜0.4μmの孔径を有する
濾過膜を透過させることを特徴としている。該リポソームの脂質膜中に、好ましくはステロール類、および/またはカチオン性リン脂質、および/またはグリコール類を含有させている。以下、本発明を、造影剤の製造に使用する造影化合物、リポソームの素材と設計、X線検査用造影剤の製造方法の順に詳細に説明する。
本発明に使用する造影化合物
水溶性の非イオン性ヨウド系化合物として、ヨウ化フェニルを含み、たとえば2,4,6−
トリヨードフェニル基を少なくとも1個有する非イオン性ヨウド化合物が好適である。
〔発明の具体的説明〕
本発明によるX線検査用造影剤の製造方法は、リン脂質および脂質膜安定化物質を含有する超臨界二酸化炭素と、非イオン系ヨウド化合物および製剤助剤を含有する水溶液とを混合することにより形成したリポソームの懸濁液を、さらに0.1〜0.4μmの孔径を有する
濾過膜を透過させることを特徴としている。該リポソームの脂質膜中に、好ましくはステロール類、および/またはカチオン性リン脂質、および/またはグリコール類を含有させている。以下、本発明を、造影剤の製造に使用する造影化合物、リポソームの素材と設計、X線検査用造影剤の製造方法の順に詳細に説明する。
本発明に使用する造影化合物
水溶性の非イオン性ヨウド系化合物として、ヨウ化フェニルを含み、たとえば2,4,6−
トリヨードフェニル基を少なくとも1個有する非イオン性ヨウド化合物が好適である。
具体的には、そのような非イオン性ヨウド化合物として、イオヘキソール、イオペントール、イオジキサノール、イオプロミド、イオトロラン、イオメプロール、N,N′−ビス
〔2−ヒドロキシ−1−(ヒドロキシメチル)−エチル〕−5−〔〔(2−ヒドロキシ−1−オキソプピル)−アミノ〕−2,4,6−トリヨード−1,3−ベンゼン−ジカルボキシアミド(イオパミドール);メトリザミドなどが挙げられる。
〔2−ヒドロキシ−1−(ヒドロキシメチル)−エチル〕−5−〔〔(2−ヒドロキシ−1−オキソプピル)−アミノ〕−2,4,6−トリヨード−1,3−ベンゼン−ジカルボキシアミド(イオパミドール);メトリザミドなどが挙げられる。
これらの化合物は単独で用いてもよく、あるいは2種以上を組み合わせて用いてもよい。またその例示に限定されるものではない。なお本明細書において、化合物は遊離形態の他に、その塩、水和物なども含めて言及することがある。
本発明のX線検査用造影剤に好適なヨウド系化合物として、高度に親水性であり、かつ高濃度でも浸透圧が高くならないイオメプロール、イオパミドール、イオトロラン、イオジキサノールなどが挙げられる。特にイオトラン、イオジキサノールといった二量体非イオン性ヨウド化合物では、同一ヨウド濃度の造影剤を調製しても全体のモル数が低いために浸透圧をさらに低下させる利点がある。
本発明の造影剤における水溶性ヨウド系化合物の濃度は、該造影化合物の性質、意図する製剤の投与経路および臨床上の指標といった要因に基づき任意に設定することができる。リポソーム内に封入されたヨウド系化合物の量は、典型的にはX線造影剤における全ヨウド化合物の5〜40質量%、好ましくは5〜35質量%、より好ましくは10〜25質量%であることが望ましい。この内包率はリポソーム粒子の細密充填の限界を下回るため、リポソームにおける造影物質の保持安定性は損なわれない。
リポソームの素材および設計
本発明によるX線検査用造影剤の製造方法は、上記造影化合物を目標とする臓器、組織などといった標的部位へ選択的に送達する目的のために、マイクロキャリヤーであるリポソーム内に封入する工程を含む。このようにして製造された造影剤は、上記リポソーム内に非イオン性ヨウド系化合物を封入した形態で使用される。優れた腫瘍描出性を獲得するために有効とされるEPR(Enhanced permeability and retention、透過性の亢進およ
び滞留)効果を生じさせるためには、リポソーム構造の安定化および封入物質の内包率改善という保持効率を改善させた上で、血中安定性、血中滞留性といった特性を有することが造影剤に求められる。本造影剤では、経時安定性ならびに血中安定性が改善されたリポ
ソームを用いることにより血中滞留性を向上させて、効率的な薬物送達ならびにターゲティングの実現を図っている。
リポソームの素材および設計
本発明によるX線検査用造影剤の製造方法は、上記造影化合物を目標とする臓器、組織などといった標的部位へ選択的に送達する目的のために、マイクロキャリヤーであるリポソーム内に封入する工程を含む。このようにして製造された造影剤は、上記リポソーム内に非イオン性ヨウド系化合物を封入した形態で使用される。優れた腫瘍描出性を獲得するために有効とされるEPR(Enhanced permeability and retention、透過性の亢進およ
び滞留)効果を生じさせるためには、リポソーム構造の安定化および封入物質の内包率改善という保持効率を改善させた上で、血中安定性、血中滞留性といった特性を有することが造影剤に求められる。本造影剤では、経時安定性ならびに血中安定性が改善されたリポ
ソームを用いることにより血中滞留性を向上させて、効率的な薬物送達ならびにターゲティングの実現を図っている。
本発明の製造方法において、製造されるX線造影剤がターゲティング機能を実現することができるように、造影化合物を内包するリポソームの粒径およびその二分子膜を設計される。受動的ターゲティングおよび能動的ターゲティングいずれも考慮される。前者は、リポソームの粒径、脂質組成、荷電などの調整を通じてその生体内挙動を制御することができる。リポソーム粒径を狭い範囲に揃える調整は、後述する方法に基づき容易に行われる。さらにリポソーム膜表面の設計において、後述するようにリン脂質の種類と組成、共存物質を変えることにより、内包物質の保持効率の向上、リポソームの安定化という要件をも満たすことができる。
造影剤のより高度な送達性と選択性を可能とする能動的ターゲティングの採用もまた検討されるべきである。たとえばリポソーム表面にポリアルキレンオキシド高分子鎖またはポリエチレングリコール(PEG)を導入することは、標的部位までの誘導過程を制御し得るため、極めて有益な手法である。癌組織、疾患部位などに到達しなかったX線造影剤は、正常部位に集積することなく、副作用が発現する前にリポソームが分解されて体外に排泄される。このことはリポソームを設計する際にその安定性を体外排出時間との関係で適度にコントロールすることにより可能である。造影物質は、水溶性ヨウド系化合物を使用するため、腎臓を経由して速やかに尿中に排泄される。したがって徒に体内に留まることによる弊害、遅発性の副作用などを防止できる。
本X線造影剤の送達システムに使用されるリポソームの設計、製造方法について、以下に詳述する。
リポソームは、二分子膜小胞体であり、一般には脂質二重膜で構成される。本発明の製造方法に用いられるリポソーム膜構成物質は、膜構成物質として一般に使用されるものであれば特に限定されない。通常は、リポソーム用脂質であるリポソーム形成能を有するリン脂質および/または糖脂質を必須の主要成分とし、それ以外に任意成分として共存させる物質がある。任意成分には、脂質膜安定化剤としてのステロール類などのほか、荷電物質としての脂肪酸またはその塩、脂質混合乳化物など、従来から小胞体の形成成分として用いられているものも含まれる。
本発明において使用するリン脂質は、ホスファチジルコリン、ホスファチジルセリン、ホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジルグリセロール、ホスファチジルイノシトール、ホスファチジン酸、カルジオリピン、スフィンゴミエリンなどで代表されるリン脂質である。卵黄、大豆その他の動植物材料に由来するリン脂質、それらの水素添加物、水酸化物の誘導体といった半合成のリン脂質、または合成加工品など、限定されることなく用いられる。リン脂質の構成脂肪酸も特に限定されることはなく、飽和脂肪酸、不飽和脂肪酸のどちらでもよい。
具体的な中性リン脂質の例として、ジパルミトイルホスファチジルコリン(DPPC)、ジステアロイルホスファチジルコリン(DSPC)、ジミリストリルホスファチジルコリン(DMPC)、ジオレイルホスファチジルコリン(DOPC)、ジミリストイルホスファチジルエタノールアミン、ジパルミトイルホスファチジルエタノールアミン、ジステアロイルホスファチジルエタノールアミンなどが挙げられる。
上記中性リン脂質のほかに、アニオン性リン脂質、カチオン性リン脂質といった荷電リン脂質、さらには重合性リン脂質、ならびにカチオン性(正荷電)脂質を含んでもよい。
負に荷電したリン脂質として、ジパルミトイルホスファチジルグリセロール(DPPG)、ジミリストイルホスファチジルグリセロール、ジステアロイルホスファチジルグリセロール(DSPG)、ジパルミトイルホスファチジルセリン(DPPS)、ジステアロイルホスファ
チジルセリン(DSPS)、ジパルミトイルホスファチジルイノシトール(DPPI)、ジステアロイルホスファチジルイノシトール(DSPI)、ジステアロイルホスファチジン酸(DSPA)、ジパルミトイルホスファチジン酸(DPPA)、ジミリストイルホスファチジン酸などを挙げることができる。
チジルセリン(DSPS)、ジパルミトイルホスファチジルイノシトール(DPPI)、ジステアロイルホスファチジルイノシトール(DSPI)、ジステアロイルホスファチジン酸(DSPA)、ジパルミトイルホスファチジン酸(DPPA)、ジミリストイルホスファチジン酸などを挙げることができる。
本発明の製造方法におけるリポソーム用脂質は、転移温度を有するリン脂質を少なくとも含むことが望ましい。相転移点を有するリン脂質として、ジミリストイルホスファチジルコリン(転移温度、以下同じ、23〜24℃)、ジパルミトイルホスファチジルコリン(41.0〜41.5℃)、水素添加大豆レシチン(53℃)、水素添加大豆ホスファチジルコリン(54℃)、ジステアロイルホスファチジルコリン(54.1〜58.0℃)などが例示される。リン脂質の「(相)転移温度」とは、リン脂質がとり得るゲルと液晶との両状態間の相転移を生じる温度である。その測定は、示差走査熱量計(DSC)を使用する示差熱分析による。
カチオン性リン脂質として、ホスファチジン酸とアミノアルコールとのエステル、たとえばジパルミトイルホスファチジン酸(DPPA)もしくはジステアロイルホスファチジン酸(DSPA)とヒドロキシエチレンジアミンとのエステルなどが挙げられる。
これらのリン脂質は通常、単独で使用されるが、2種以上併用してもよい。ただし2種以上の荷電リン脂質を使用する場合には、負電荷のリン脂質同士または正電荷のリン脂質同士で使用することが、リポソームの凝集防止の観点から望ましい。中性リン脂質と荷電リン脂質を併用する場合、重量比として通常、200:1〜3:1、好ましくは100:1〜4:1、より好ましくは40:1〜5:1である。さらに、カチオン性リン脂質、カチオン性脂質などを含むカチオン性物質がリポソームの膜構成成分として存在すると、水溶性ヨウド化合物のリポソームへの保持効率もまた向上することが我々の研究から判明した。おそらく、リポソーム膜を形成するために構成分子のリン脂質分子が集合する際に、カチオン性物質は電荷間の吸引と反発に基づくリン脂質分子の再配置を脂質膜内において促がし、結果的に膜構造が強化され、ひいてはリポソーム構造全体も安定化される。これにより造影物質の取り込みの効率が上昇するとともに、逆にリポソームからのその逸失も減少する結果と考えられる。
これらのカチオン性物質は、リン脂質量に対し0.1〜5質量%、好ましくはリン脂質量に対し0.3〜3質量%、より好ましくはリン脂質量に対し0.5〜1質量%の割合で含有するように添加すればよい。
カチオン性脂質の例としては、1、2−ジオレオイルオキシ−3−(トリメチルアンモニウム)プロパン(DOTAP)、N、N−ジオクタデシルアミドグリシルスペルミン(DOGS
)、ジメチルジオクタデシルアンモニウムブロミド(DDAB)、N−[1−(2、3−ジオレイルオキシ)プロピル]−N、N、N−トリメチルアンモニウムクロリド(DOTMA)、
2、3−ジオレイルオキシ−N−[2(スペルミン−カルボキサミド)エチル]−N、N−ジメチル−1−プロパンアミニウムトリフルオロアセテート(DOSPA)およびN−[1
−(2、3−ジミリスチルオキシ)プロピル]−N、N−ジメチル−N−(2−ヒドロキシエチル)アンモニウムブロミド(DMRIE)などが挙げられる。
)、ジメチルジオクタデシルアンモニウムブロミド(DDAB)、N−[1−(2、3−ジオレイルオキシ)プロピル]−N、N、N−トリメチルアンモニウムクロリド(DOTMA)、
2、3−ジオレイルオキシ−N−[2(スペルミン−カルボキサミド)エチル]−N、N−ジメチル−1−プロパンアミニウムトリフルオロアセテート(DOSPA)およびN−[1
−(2、3−ジミリスチルオキシ)プロピル]−N、N−ジメチル−N−(2−ヒドロキシエチル)アンモニウムブロミド(DMRIE)などが挙げられる。
糖脂質としては、ジガラクトシルジグリセリド、ガラクトシルジグリセリド硫酸エステルなどのグリセロ脂質、ガラクトシルセラミド、ガラクトシルセラミド硫酸エステル、ラクトシルセラミド、ガングリオシドG7、ガングリオシドG6、ガングリオシドG4などのスフィンゴ糖脂質などを挙げることができる。
上記脂質の他にリポソームの膜構成成分として、必要に応じ他の物質を加えることもできる。たとえば、脂質膜安定化物質として作用するコレステロール、ジヒドロコレステロール、コレステロールエステル、フィトステロール、シトステロール、スチグマステロール、カンペステロール、コレスタノール、ラノステロールまたは2,4−ジヒドロラノステロールなどのステロール類などが挙げられる。また1−O−ステロールグルコシド,1−O−ステロールマルトシドまたは1−O−ステロールガラクトシドといったステロール誘導体にもリポソームの安定化に効果があることが示されている(特開平5-245357号公報)これらのうち、コレステロールが特に好ましい。さらに、ステロール類がリポソームの膜構成成分として存在すると、水溶性ヨウド化合物のリポソーム内での保持効率もまた向上する。リポソーム膜を構成する分子どうしの結合がステロール類により強化されてリポソーム構造全体も安定化されるために、造影物質の取り込みの効率が上昇し、同時にリポソームからの逸失も減少することによると考えられる。
リポソーム膜中のコレステロールは、またポリアルキレンオキシド導入用のアンカーにもなり得る。具体的にはリポソーム膜構成成分として膜中に含めるコレステロールには、必要に応じリンカーを介してその先にポリアルキレンオキシド基を結合させてもよい。リンカーには、短鎖のアルキレン基、オキシアルキレン基などを用いる。特開平09−3093号公報には、ポリオキシアルキレン鎖の先端に、効率よく種々の機能性物質を共有結合により固定化することができ、かつリポソームの形成成分として利用することができる新規なコレステロール誘導体が開示されている。
本発明の造影剤におけるステロール類の使用量として、リン脂質1重量部に対して0.05〜1.5重量部、好ましくは0.2〜1重量部、より好ましくは0.3〜0.8重量部の割合が望まし
い。0.05重量部より少ないと混合脂質の分散性を向上させるステロール類による安定化が発揮されず、2重量部より多すぎるとリポソームの形成が阻害されるか、形成されても不
安定となる。
い。0.05重量部より少ないと混合脂質の分散性を向上させるステロール類による安定化が発揮されず、2重量部より多すぎるとリポソームの形成が阻害されるか、形成されても不
安定となる。
上記ステロール類の他にリポソームの脂質膜安定化物質として、グリコール類を加えてもよい。リポソームを作製する際に、リン脂質などともにグリコール類を添加すると、リポソーム内での水溶性ヨウド系化合物の保持効率が上昇する。これは、ステロール類による保持効率の向上作用に類似して、リポソーム構造の安定化によるものと考えられる。すなわち、グリコール類はその親水性に基づいてリポソームを取り巻く水性媒体との相互作用を担うとともに、リポソーム脂質膜内においてリン脂質などの分子の再配置を促がし、膜構造の分子間結合を強化すると思われる。
グリコール類として、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリメチレングリコール、1,4-ブタンジオール、1,5-ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6-ヘキサンジオール、1,7-ヘプタンジオール、1,8-オクタンジオール、1,9-ノナンジオール、1,10-デカ
ンジオール、ピナコール、ヒドロベンゾイン、ベンゾピナコール、シクロペンタン-1,2-
ジオール、シクロヘキサン-1,2-ジオール、シクロヘキサン-1,4-ジオールなどが挙げられる。
ンジオール、ピナコール、ヒドロベンゾイン、ベンゾピナコール、シクロペンタン-1,2-
ジオール、シクロヘキサン-1,2-ジオール、シクロヘキサン-1,4-ジオールなどが挙げられる。
本発明の造影剤におけるグリコール類の使用量として、リン脂質量に対して0.5〜20質
量%、好ましくは2〜10質量%の割合が望ましい。0.5質量%より少ないと混合脂質の分散性を向上させるグリコール類による安定化が発揮されず、20質量%より多すぎるとリポソームの形成が阻害されるか、形成されても不安定となる。
量%、好ましくは2〜10質量%の割合が望ましい。0.5質量%より少ないと混合脂質の分散性を向上させるグリコール類による安定化が発揮されず、20質量%より多すぎるとリポソームの形成が阻害されるか、形成されても不安定となる。
上記のカチオン性リン脂質、ステロール類、グリコール類などの化合物は単独で用いて
もよく、あるいは2種以上を組み合わせて用いてもよい。すなわち、リポソームを作製する際に、リン脂質などともに、ステロール類、グリコール類をそれぞれ独立に添加してもよく、ステロール類およびグリコール類を一緒に使用してもよい。さらに上記いずれの場合においても、リン脂質としては中性リン脂質のほかに、上記カチオン性リン脂質を含めてもよく、あるいは含めなくともよい。これらの物質を併用する場合にそれぞれの添加量は、それぞれ単独で使用する場合と同様である。
もよく、あるいは2種以上を組み合わせて用いてもよい。すなわち、リポソームを作製する際に、リン脂質などともに、ステロール類、グリコール類をそれぞれ独立に添加してもよく、ステロール類およびグリコール類を一緒に使用してもよい。さらに上記いずれの場合においても、リン脂質としては中性リン脂質のほかに、上記カチオン性リン脂質を含めてもよく、あるいは含めなくともよい。これらの物質を併用する場合にそれぞれの添加量は、それぞれ単独で使用する場合と同様である。
脂質膜安定化物質としてこれらの物質を使用することにより、リポソーム膜構造が安定的に形成され、水溶性ヨウド化合物のリポソーム内への内包化も良好となり、その保持効率も向上する。他に添加できる化合物として、負荷電物質であるジセチルホスフェートといったリン酸ジアルキルエステルなど、正電荷を与える化合物としてステアリルアミン、DOTAPなどの脂肪族アミンが例示される。
本発明のX線造影剤では、リポソーム内における造影化合物の保持効率を向上させるために、以下の方法も考慮される。そのような意図する目的のためにポリアルキレンオキシド(PAO)基または類似の基を有するリン脂質または化合物をリポソーム膜の一成分として使用してもよい。細網内皮系細胞で捕捉されてしまう問題ならびに崩壊、凝集などといったリポソーム自体の不安定性に関する問題を解決する方法として、これまでもリポソームの表面に高分子鎖であるポリエチレングリコール(PEG)鎖、すなわち−(CH2
CH2O)n−Hを導入することが試みられている(たとえば、特開平1−249717号公報、FEBS letters, 268, 235(1990))。
CH2O)n−Hを導入することが試みられている(たとえば、特開平1−249717号公報、FEBS letters, 268, 235(1990))。
ポリアルキレンオキシド鎖(ポリオキシアルキレン鎖)またはPEG鎖をリポソーム表面に付けることにより、新たな機能をリポソームに付与することができる。たとえば、PEG化リポソームには免疫系から認識されにくくなる(いわゆる「ステルス化」された状態である)効果が期待できる。あるいはリポソームが親水的傾向を有することにより血中安定性を増して、長時間にわたり血液中の濃度を維持できることが明らかになっている(Biochim. Biophys. Acta., 1066, 29-36(1991))。また、リポソームの血中滞留性を向上させるために、ポリアルキレンオキシド修飾リン脂質をリポソーム脂質膜に含有させる手法が開示された(特開2002-37883号公報)。そのようなリポソームでは経時安
定性も改善されていることが示されている。
定性も改善されていることが示されている。
これらの性質を利用してX線造影剤に臓器特異性を与えることもできる。具体的には脂質成分は肝臓に貯まりやすいことから肝臓の選択的な造影を目的とする場合には、PEGを使用しないか、あるいはPEG含有量の少ないリポソームを用いるのが望ましい。また粒径を200nm以上に大きくすると、肝臓Kupffer細胞の食作用により速やかに取り込まれる可能性が高くなり、肝臓の該部位に集積する。肝臓癌の撮像においては、その癌組織には正常組織に比べてKupffer細胞が少ないために、造影剤リポソームの取込み量は、相対的
に少なくなりコントラストが鮮明となる。脾臓においても同様である。
に少なくなりコントラストが鮮明となる。脾臓においても同様である。
反対に他臓器の造影の場合、PEGを導入すればリポソームをステルス化して肝臓などに集まりにくくすることができるため、PEG化リポソームの使用が推奨される。PEGの導入により水和層が形成されるため、リポソームは安定化し、血中滞留性も向上する。PEGのオキシエチレン単位の長さと導入する割合を適宜変えることにより、その機能を調節することができる。PEGとして、オキシエチレン単位が10〜3500のポリエチレングリコールが好適である。またPEGを使用する場合の使用量は、該リポソームを構成する脂質に対して0.1〜30質量%、好ましくは1〜15質量%程度含むのがよい。
リポソームのPEG化は、公知の技術を利用することができる。PEGが結合するアンカー(たとえばコレステロールなど)を膜構成成分であるリン脂質と混ぜてリポソームを
作製し、そのアンカーに活性化PEGを結合させてもよい。なお、リポソーム表面に導入されたポリエチレングリコール基は、後記「機能性物質」と反応しないため、そうしたリポソーム表面上に「機能性物質」を固定化することは困難である。代わりに、PEG先端に何らかの修飾をさらに施したPEGをリン脂質に結合させ、これをリポソーム構成成分として含めてリポソームを作製することもできる。
作製し、そのアンカーに活性化PEGを結合させてもよい。なお、リポソーム表面に導入されたポリエチレングリコール基は、後記「機能性物質」と反応しないため、そうしたリポソーム表面上に「機能性物質」を固定化することは困難である。代わりに、PEG先端に何らかの修飾をさらに施したPEGをリン脂質に結合させ、これをリポソーム構成成分として含めてリポソームを作製することもできる。
上記PEGに代わり、公知の各種ポリアルキレンオキシド基、−(AO)n−Yをリポ
ソーム表面に導入してもよい。ここでAOは炭素数2〜4のオキシアルキレン基を表し、nはオキシアルキレン基の平均付加モル数で、1〜2000の正数である。また、Yは、水素
原子、アルキル基または機能性官能基を表す。
ソーム表面に導入してもよい。ここでAOは炭素数2〜4のオキシアルキレン基を表し、nはオキシアルキレン基の平均付加モル数で、1〜2000の正数である。また、Yは、水素
原子、アルキル基または機能性官能基を表す。
炭素数2〜4のオキシアルキレン基(AOで表される)として、たとえばオキシエチレン基、オキシプロピレン基、オキシトリメチレン基、オキシテトラメチレン基、オキシ−1−エチルエチレン基、オキシ−1,2−ジメチルエチレン基などが挙げられる。これらのオキシアルキレン基は、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、オキセタン、1−ブテンオキシド、2−ブテンオキシド、テトラヒドロフランなどのアルキレンオキシドを付加重合させた基である。
nは1〜2000、好ましくは10〜500、さらに好ましくは20〜200の正数である。
nが2以上の場合、オキシアルキレン基の種類は、同一のものでも異なるものでもよい。後者の場合、ランダム状に付加していても、ブロック状に付加していてもよい。ポリアルキレンオキシド鎖に親水性を付与する場合、AOとしてはエチレンオキシドが単独で付加したものが好ましく、この場合、nが10以上のものが好ましい。また種類の異なるアルキレンオキシドを付加する場合、エチレンオキシドが20モル%以上、好ましくは50モル%以上付加しているのが望ましい。ポリアルキレンオキシド鎖に親油性を付与する場合はエチレンオキシド以外の付加モル数を多くする。たとえばポリエチレンオキシドとポリプロピレンオキシドとのブロック共重合物を含有するリポソームが好ましい。
Yは、水素原子、アルキル基または機能性官能基である。アルキル基として、炭素数1〜5の、分岐していてもよい脂肪族炭化水素基が挙げられる。機能性官能基は、ポリアルキレンオキシド鎖の先端に糖、糖タンパク質、抗体、レクチン、細胞接着因子といった「機能性物質」を付するためのもので、たとえばアミノ基、オキシカルボニルイミダゾール基、N-ヒドロキシコハク酸イミド基といった反応性に富む官能基が挙げられる。
先端に「機能性物質」を結合しているポリアルキレンオキシド鎖が固定化されたリポソームは、ポリアルキレンオキシド鎖導入の効果に加えて、ポリアルキレンオキシド鎖に邪魔されることなく「機能性物質」の機能、たとえば「認識素子」として特定臓器指向性、癌組織指向性などの作用が充分に発揮される。
ポリアルキレンオキシド基を有するリン脂質または化合物は、一種類を単独で使用することができ、あるいは二種以上のものを組み合わせて使用することもできる。その含有量は、リポソーム膜形成成分の合計量に対し、0.001〜50モル%、好ましくは0.01〜25モル
%、より好ましくは0.1〜10モル%である。0.001モル%未満では期待される効果が小さくなる。
%、より好ましくは0.1〜10モル%である。0.001モル%未満では期待される効果が小さくなる。
リポソームへのポリアルキレンオキシド鎖の導入は、公知の技術を利用することができる。ポリアルキレンオキシドが結合するアンカー(たとえばコレステロールなど)を膜構成成分であるリン脂質と混ぜてリポソームを作製し、そのアンカーに活性化ポリアルキレ
ンオキシドを結合させてもよい。このような方法では、リポソーム調製後にリポソーム膜表面上で多段階の化学反応を行なう必要があり、このため目的とする前記「機能性物質」の導入量が低く制限され、また反応による副生成物や不純物が混入し、リポソーム膜へのダメージが大きいなどの問題点がある。
ンオキシドを結合させてもよい。このような方法では、リポソーム調製後にリポソーム膜表面上で多段階の化学反応を行なう必要があり、このため目的とする前記「機能性物質」の導入量が低く制限され、また反応による副生成物や不純物が混入し、リポソーム膜へのダメージが大きいなどの問題点がある。
これに代わる好ましい製造方法として、原料のリン脂質類の中に、予めリン脂質ポリアルキレンオキシド(PEO)誘導体などを含めてリポソームを作製するのがよい。これには、ホスファチジルエタノールアミンなどのポリエチレンオキシド(PEO)誘導体、たとえばジステアロイルホスファチルジルエタノールアミンポリエチレンオキシド(DSPE−PEO)などといった修飾リン脂質が提案された(特開平7−165770号公報)。さらに特開2002−37883号公報には、血中滞留性を高めた水溶性高分子修飾リポソームを作製するための高純度ポリアルキレンオキシド修飾リン脂質が開示されている。そうしたリポソームを作製する際にモノアシル体含量が低いポリアルキレンオキシド修飾リン脂質を使用すると、リポソーム分散液の経時安定性が良好であったことが記載されている。
X線検査用造影剤の製造方法
・リポソームの作製
リポソームを作製する方法として、これまでに種々の方法が提案されている。作製方法が異なると、最終的に出来上がったリポソームの形態および特性もまた著しく異なることが多い(特開平6-80560号公報)。そのため所望するリポソームの形態、特性に応
じてその製造方法を適宜選択することが行なわれている。
X線検査用造影剤の製造方法
・リポソームの作製
リポソームを作製する方法として、これまでに種々の方法が提案されている。作製方法が異なると、最終的に出来上がったリポソームの形態および特性もまた著しく異なることが多い(特開平6-80560号公報)。そのため所望するリポソームの形態、特性に応
じてその製造方法を適宜選択することが行なわれている。
従来技術においてリポソームは、リン脂質、ステロール、レシチンといった脂質成分を、ほとんど例外なくまず有機溶媒、たとえばクロロホルム、ジクロロメタン、エチルエーテル、四塩化炭素、酢酸エチル、ジオキサン、THFなどとともに容器中で溶解、混合する
ことにより調製されている。揮発性物質を減圧下で蒸発せしめた後、脂質混合物を、所定量の封入物質を含有する緩衝液中に分散させる。次いで全体を数時間撹拌し、そうして生成したリポソーム小胞内にその分散液の一部(封入物質を含む)を封入する。次に分散液を超音波処理によるか、界面活性化剤の使用による方法あるいはその他の方法により、それらリポソームのサイズおよび分散液の粘度を減少させる。残存するこれらの有機溶媒を除去するために、多段階の工程および長時間の処理を要しているのが現状である。そうした残留する有機溶媒、特にクロル系有機溶媒は、完全に除去することが困難であり、生体に及ぼす悪影響、たとえば副作用が懸念される。
ことにより調製されている。揮発性物質を減圧下で蒸発せしめた後、脂質混合物を、所定量の封入物質を含有する緩衝液中に分散させる。次いで全体を数時間撹拌し、そうして生成したリポソーム小胞内にその分散液の一部(封入物質を含む)を封入する。次に分散液を超音波処理によるか、界面活性化剤の使用による方法あるいはその他の方法により、それらリポソームのサイズおよび分散液の粘度を減少させる。残存するこれらの有機溶媒を除去するために、多段階の工程および長時間の処理を要しているのが現状である。そうした残留する有機溶媒、特にクロル系有機溶媒は、完全に除去することが困難であり、生体に及ぼす悪影響、たとえば副作用が懸念される。
本発明の製造方法は、リン脂質および脂質膜安定化物質を溶解・分散した溶媒(好ましくは超臨界二酸化炭素)とヨウド系化合物および必要に応じて製剤助剤を含有する水溶液とを混合することにより形成したリポソームの懸濁液を、さらに一定サイズ(たとえば0.1〜0.4μm)の孔径を有する濾過膜を透過させることを特徴としている。
本発明に使用するリポソームを調製するには、上記の問題点を回避できる超臨界もしくは亜臨界二酸化炭素を使用するリポソーム調製法を利用する。二酸化炭素の臨界温度が31.1℃、臨界圧力が75.3 kg/cm2と比較的扱いやすく、不活性なガスゆえ残存しても人体に
無害であり、高純度流体が安価で容易に入手できるなどといった理由により好適である。本発明の製造方法で使用する超臨界状態(亜臨界状態を含む)の二酸化炭素の温度は、通常32〜100℃、好ましくは32〜80℃である。かかる温度範囲の中でも特に好適な温度は、
使用するリン脂質の相転移温度またはそれより上である。圧力は、通常50〜500 kg/cm2好ましくは90〜150 kg/cm2、特に好ましくは100〜120 kg/cm2範囲である。また、高熱をか
けて脂質類を水中で強制的に融和させる方法でないために、高熱による脂質類の変性、たとえばリン脂質が加水分解してリゾ体を生じたり、不飽和成分の過酸化が起きるといった問題もない。
無害であり、高純度流体が安価で容易に入手できるなどといった理由により好適である。本発明の製造方法で使用する超臨界状態(亜臨界状態を含む)の二酸化炭素の温度は、通常32〜100℃、好ましくは32〜80℃である。かかる温度範囲の中でも特に好適な温度は、
使用するリン脂質の相転移温度またはそれより上である。圧力は、通常50〜500 kg/cm2好ましくは90〜150 kg/cm2、特に好ましくは100〜120 kg/cm2範囲である。また、高熱をか
けて脂質類を水中で強制的に融和させる方法でないために、高熱による脂質類の変性、たとえばリン脂質が加水分解してリゾ体を生じたり、不飽和成分の過酸化が起きるといった問題もない。
本発明のX線造影剤に使用するリポソームの好適な調製方法は、具体的には以下のように行なわれる。圧力容器に液体二酸化炭素を加え、上記の好適な圧力および温度のもとにある超臨界状態もしくは亜臨界状態にする。超臨界(もしくは亜臨界)状態の二酸化炭素にリポソーム膜成分としてリン脂質および脂質膜安定化物質を溶解または分散する。膜脂質成分として上記リン脂質を、好ましくはカチオン性リン脂質、ポリアルキレンオキシド修飾リン脂質、ポリアルキレンオキシド基を有する化合物、ポリエチレングリコール基を有する化合物、ステロール類、グリコール類から少なくとも1種選ばれた化合物とともに
混合して溶解する。あるいは予めこれらの化合物を加えた圧力容器に液体二酸化炭素を加え、次いで温度、圧力を調整して超臨界状態にして混合する。引き続き生成したリン脂質および脂質膜安定化物質を含有する超臨界二酸化炭素中に、非イオン系ヨウド化合物、必要に応じて後述の製剤助剤を含む水溶液を2回以上に分けて添加し、あるいは少量ずつ連続的に添加して混合する。具体的には該水溶液を、1分間当り該超臨界二酸化炭素容量の1/1000〜1/5容量、好ましくは1/500〜1/10容量、より好ましくは1/200〜1/20容量の割合で添加することがよい。なお、添加する側と加えられる側を逆にしてもよい。
混合して溶解する。あるいは予めこれらの化合物を加えた圧力容器に液体二酸化炭素を加え、次いで温度、圧力を調整して超臨界状態にして混合する。引き続き生成したリン脂質および脂質膜安定化物質を含有する超臨界二酸化炭素中に、非イオン系ヨウド化合物、必要に応じて後述の製剤助剤を含む水溶液を2回以上に分けて添加し、あるいは少量ずつ連続的に添加して混合する。具体的には該水溶液を、1分間当り該超臨界二酸化炭素容量の1/1000〜1/5容量、好ましくは1/500〜1/10容量、より好ましくは1/200〜1/20容量の割合で添加することがよい。なお、添加する側と加えられる側を逆にしてもよい。
ヨウド化合物のリポソーム内への内包化の効率は、リポソーム用脂質の脂質総量とヨウド化合物などを含む水溶液との比率によっても左右される。ここでいう脂質総量とは、リポソーム膜を構成するリン脂質類、ステロール類、その他の添加した脂質類すべてを対象とした総和の質量である。上記水溶液1リットル(L)に対し脂質総量が15〜150mmoles
、好ましくは30〜120mmolesの範囲、より好ましくは50〜100mmolesの範囲の割合で混
合すると、水溶性ヨウド化合物のリポソーム内への内包化が良好に進行し、結果的にそのヨウド化合物の保持効率も向上する。脂質量が15mmoles未満であると、相対的に媒体で
ある水の割合が多すぎて、リポソームの形成が遅くなり、その中への水溶性の非イオン性ヨウド化合物の内包が効率よく起こらない。逆に脂質量が150mmolesを超えると、水溶液との混合が不充分となり、しかも脂質どうしの凝集などが生じたりして脂質の分散に時間がかかり、ヨウド化合物の内包も起きにくい。
、好ましくは30〜120mmolesの範囲、より好ましくは50〜100mmolesの範囲の割合で混
合すると、水溶性ヨウド化合物のリポソーム内への内包化が良好に進行し、結果的にそのヨウド化合物の保持効率も向上する。脂質量が15mmoles未満であると、相対的に媒体で
ある水の割合が多すぎて、リポソームの形成が遅くなり、その中への水溶性の非イオン性ヨウド化合物の内包が効率よく起こらない。逆に脂質量が150mmolesを超えると、水溶液との混合が不充分となり、しかも脂質どうしの凝集などが生じたりして脂質の分散に時間がかかり、ヨウド化合物の内包も起きにくい。
系内を減圧して二酸化炭素を排出すると、ヨウド系化合物を内包するリポソームが分散している水性分散液が生成する。次いで、該リポソームを0.1〜0.4μmの孔径を有する濾
過膜を通す。
過膜を通す。
超臨界もしくは亜臨界二酸化炭素を使用するリポソーム調製法は、従来法に比べてリポソームの生成率、封入する物質の内包率、封入物質のリポソーム内の保持率が高いことが示されている(上記特許文献2参照)。さらに工業的スケールでの応用も可能であり、有機溶剤を使用せずに非イオン性かつ水溶性の物質を効率よくリポソームに封入することができる本法は、本発明のX線造影剤の製造には有用な方法である。
本発明におけるリポソームの多くは、通常、多重層膜リポソームとして存在するが、一枚膜リポソームもまた混在していてもよい。ここにいう一枚膜リポソームとは、リン脂質二重層が実質的に1つの層としてなる膜(unilamellar vesicle)で構成されるリポソームである。ここで「実質的に」とは、以下の凍結かつ断(Freeze fracture )レプリカ法による透過型電子顕微鏡(TEM)観察において、レプリカが概ね1つの層として認められ
るリン脂質二重層によりリポソームが構成されていることをいう。すなわち、観察したカーボン膜に残された粒子の跡について段差がないものを一枚膜と判定し、2つ以上の段差が認められるものを「多重層膜」と判定している。多重層膜からなるリポソーム(multilamellar vesicles; MLV)は、リポソーム膜の二分子膜を剥がしてその多重層をなるべく薄くすることが望ましい。そのためには、作製後に超音波の適切な適用、または一定孔サイズのフィルターに通すなどの操作をさらに行なう。あるいは一枚膜リポソームの比率を高めることも望ましい。一枚膜リポソーム、特に大きい一枚膜リポソームであるLUV
(Large unilamellar veislcles)は、多重層膜リポソームに比べて、大きい封入容量を
提供し、リポソームの投与量、換言すると投与脂質量が大きくならないという利点もあるためである。
るリン脂質二重層によりリポソームが構成されていることをいう。すなわち、観察したカーボン膜に残された粒子の跡について段差がないものを一枚膜と判定し、2つ以上の段差が認められるものを「多重層膜」と判定している。多重層膜からなるリポソーム(multilamellar vesicles; MLV)は、リポソーム膜の二分子膜を剥がしてその多重層をなるべく薄くすることが望ましい。そのためには、作製後に超音波の適切な適用、または一定孔サイズのフィルターに通すなどの操作をさらに行なう。あるいは一枚膜リポソームの比率を高めることも望ましい。一枚膜リポソーム、特に大きい一枚膜リポソームであるLUV
(Large unilamellar veislcles)は、多重層膜リポソームに比べて、大きい封入容量を
提供し、リポソームの投与量、換言すると投与脂質量が大きくならないという利点もあるためである。
内包するヨウド化合物の重量が相対的に多過ぎるとリポソームの安定性は低下する。特にイオン強度の急激な変化には弱い傾向が観察されていた。本発明造影剤のリポソームは、比較的小さい粒子径に調整し、リポソーム膜にステロール類および/またはグリコール
類を含有させ、あるいはカチオン性リン脂質、ポリアルキレンオキシド基を有するリン脂質または化合物を含有させて、脂質膜の安定化を図っている。その結果、そうしたリポソームは、たとえば塩ショックに対しても安定的であることが判明した。
類を含有させ、あるいはカチオン性リン脂質、ポリアルキレンオキシド基を有するリン脂質または化合物を含有させて、脂質膜の安定化を図っている。その結果、そうしたリポソームは、たとえば塩ショックに対しても安定的であることが判明した。
リポソーム粒子のサイズおよびその分布は、本発明の方法により製造されるX線造影剤が目指す、高い血中滞留性、ターゲティング性、送達効率と密接に関わっている。ここで「中心粒径」とは、粒子分布で最も出現頻度の高い粒子径を指している。粒径の調整は、処方またはプロセス条件で行なうことができる。たとえば、上記の超臨界の圧力を大きくすると形成されるリポソーム粒径は小さくなる。リポソームによる造影物質の保持安定性を向上させ、かつリポソームの粒子径の分布をより狭い範囲に揃えるには、作製されるリポソームの懸濁液を一定サイズの孔径を有する濾過膜、好ましくはポリカーボネート膜などに強制的に透過させてもよい。この場合、濾過膜として0.1〜0.4μm、好ましくは0.15
〜0.2μmの孔径のフィルターを装着した静圧式押出し装置に通すことにより、リポソーム多重層膜の脂質膜枚数が減って、中心粒径として 100〜300nmの最適寸法を有する均一な
リポソームを効率よく調製することができる。具体的には、各種の静圧式押出し装置、たとえば「エクストルーダー」(商品名、日油リポソーム製)、「リポナイザー」(商品名、野村マイクロサイエンス製)などを使用して、フィルターを強制的に透過させる。フィルターは、ポリカーボネート系、セルロース系などのタイプを適宜使用することができる。これにより脂質分子の配向が均一であり、水分散性が良好なリポソーム用脂質が得られる。押出し濾過法については、たとえばBiochim. Biophys.Acta 557巻,9ページ(1979)に
記載されている。
〜0.2μmの孔径のフィルターを装着した静圧式押出し装置に通すことにより、リポソーム多重層膜の脂質膜枚数が減って、中心粒径として 100〜300nmの最適寸法を有する均一な
リポソームを効率よく調製することができる。具体的には、各種の静圧式押出し装置、たとえば「エクストルーダー」(商品名、日油リポソーム製)、「リポナイザー」(商品名、野村マイクロサイエンス製)などを使用して、フィルターを強制的に透過させる。フィルターは、ポリカーボネート系、セルロース系などのタイプを適宜使用することができる。これにより脂質分子の配向が均一であり、水分散性が良好なリポソーム用脂質が得られる。押出し濾過法については、たとえばBiochim. Biophys.Acta 557巻,9ページ(1979)に
記載されている。
本発明の望ましい態様として、前記押出し濾過は、水性懸濁液を転移温度を有するリン脂質の転移温度以上、好ましくは“転移温度+10”℃以上に加温し、その後、細孔のある膜を通すことが好ましい。この“転移温度+10”℃以上とは、用いるリン脂質の種類と組成にもよるが、大体35℃から65℃である。加圧押出し濾過の操作では、このようにリン脂質の転移温度以上に加温すると、転移温度を有するリン脂質は液晶状態であり、流動性が高まる。本発明の製造方法によるリポソーム用脂質は、規則正しい配向を有する均一な脂質膜の構成であるため、水溶性薬剤を封入した粘度の高いリポソーム懸濁液であっても、フィルターの目詰まりを起こすことなく粒径の揃ったリポソームを作製することができる。
このような「押出し」操作工程を取り入れることにより、上記サイジングに加えて、リポソーム分散液の交換、望ましくない物質の除去、濾過滅菌も併せて可能になるという利点もある。引き続きリポソームを、遠心分離、限外濾過、ゲル濾過などの方法により未保持の薬剤を除去して精製してもよい。濃縮、希釈、凍結乾燥などの操作を任意に行ってもよい。次いで、滅菌処理、パッケージングなどの製剤過程を経て、本発明のX線検査用造影剤が調製される。
上記のように受動的ターゲティング能力をリポソームに持たせるには、その粒子径のサイジングが重要である。特許2619037号公報には、粒径3000nm以上のリポソームを排除することにより、肺の毛細血管における不都合な保持が回避されると記載されている。しかし、150〜3000nmの粒径範囲のリポソームは、必ずしも向腫瘍性とはならない。
本発明の造影剤リポソームの中心粒径は、通常50〜300nm、好ましくは50〜200nm、より好ましくは50〜130nmである。X線撮像の目的に応じて、粒径を適切に設定することがで
きる。たとえば腫瘍部分の選択的撮像目的の場合には、特に110〜130nmが好ましい。リポソームの粒径を100〜200nm、より好ましくは110〜130nmの範囲に揃えることにより癌組織へ選択的にX線造影剤を集中させることが可能となる。これは「EPR効果」として知られている。固形癌組織にある新生血管壁の孔は、正常組織の毛細血管壁窓(fenestra)の孔サイズ、30〜80nm未満に比べて異常に大きく、約100nm〜約200nmの大きさの分子でも血管壁から漏れ出る。すなわちEPR効果は、癌組織にある新生血管壁では、正常組織の微小血管壁より透過性が高いことによるものである。
きる。たとえば腫瘍部分の選択的撮像目的の場合には、特に110〜130nmが好ましい。リポソームの粒径を100〜200nm、より好ましくは110〜130nmの範囲に揃えることにより癌組織へ選択的にX線造影剤を集中させることが可能となる。これは「EPR効果」として知られている。固形癌組織にある新生血管壁の孔は、正常組織の毛細血管壁窓(fenestra)の孔サイズ、30〜80nm未満に比べて異常に大きく、約100nm〜約200nmの大きさの分子でも血管壁から漏れ出る。すなわちEPR効果は、癌組織にある新生血管壁では、正常組織の微小血管壁より透過性が高いことによるものである。
血管壁の孔から漏れ出た造影剤は、癌細胞の周辺にはリンパ管が充分に発達していないため、血管に再び戻らずその場に長く留まる。EPR効果は、血流を利用する受動的な輸送であることから、それが有効に発現するための要件として、血中滞留性の向上が図られねばならない。つまり造影剤粒子(ヨウド化合物を内包するリポソーム粒子)が、血中に長くとどまって、癌細胞近くの血管を何度も通過することが求められる。本発明のX線造影剤は、特に大きい粒子でもないため、細網系内皮細胞による捕獲の対象になりにくい。またリポソームがいわば赤血球類似の姿と挙動をしていて腎臓を経由して速やかに排出されることはなく、さらにステルス(隠蔽)化されている場合には細網系内皮細胞に貪食されることもなく、血流中に比較的長くとどまる。EPR効果により、必然的に標的の臓器、組織への造影化合物の移行性が高まり、造影剤の癌組織への選択的集中と蓄積が達成される。造影化合物の腫瘍細胞/正常細胞集積比の上昇は、X線造影剤のコントラスト性能を高める。このような腫瘍描出性の改善は、これまで検出困難であった微小転移性癌の発見すらも可能とする。
・X線造影剤の製造
本発明の方法により製造されるX線検査用造影剤は、上記のようにリポソーム自体の安定性が向上しているために、製剤化工程における処理時、貯蔵・保管期間にもリポソーム内に造影物質が経時安定的に保持される。さらに造影剤の血中安定性も上記リポソーム内への内包により図られている。本発明のX線造影剤では、製剤化に際してヨウド化合物を含む水溶液に製剤助剤を含めてもよく、あるいは含めなくともよい。典型的には製剤助剤を加えることが好ましい。「製剤助剤」とは、製剤化に際し、造影物質とともに添加されるものであり、これまでの造影剤製造技術に基づいて各種の物質が適宜使用される。具体的には生理学的に許容される各種の緩衝剤、キレート化剤、さらに必要に応じて、浸透圧調節剤、安定化剤、粘度調節剤、α‐トコフェロールなどの抗酸化剤、パラオキシ安息香酸メチルといった保存剤などが挙げられる。
・X線造影剤の製造
本発明の方法により製造されるX線検査用造影剤は、上記のようにリポソーム自体の安定性が向上しているために、製剤化工程における処理時、貯蔵・保管期間にもリポソーム内に造影物質が経時安定的に保持される。さらに造影剤の血中安定性も上記リポソーム内への内包により図られている。本発明のX線造影剤では、製剤化に際してヨウド化合物を含む水溶液に製剤助剤を含めてもよく、あるいは含めなくともよい。典型的には製剤助剤を加えることが好ましい。「製剤助剤」とは、製剤化に際し、造影物質とともに添加されるものであり、これまでの造影剤製造技術に基づいて各種の物質が適宜使用される。具体的には生理学的に許容される各種の緩衝剤、キレート化剤、さらに必要に応じて、浸透圧調節剤、安定化剤、粘度調節剤、α‐トコフェロールなどの抗酸化剤、パラオキシ安息香酸メチルといった保存剤などが挙げられる。
X線造影のコントラスト性能を規定する標的臓器へのヨウ素の必要な送達量は、明らかにされている(たとえば特許2619037号公報には肝臓の場合)。本発明のようにヨウド系化合物をリポソームというマイクロキャリヤーに封入する場合には、造影物質の保持安定性および送達効率に加えて脂質の用量も考慮されねばならない。脂質量が多くなると造影剤の粘度が大きくなる。本発明の方法により製造されるX線検査用造影剤溶液の粘度は、37℃で、6cPa以下、好ましくは0.9〜3cPaである。リポソーム内へのヨウド
系化合物の封入量として、すなわちリポソーム内に封入された水溶液中に、ヨウド系化合物がリポソーム膜脂質重量に対して、1〜10、好ましくは2〜8、より好ましくは3〜6の重
量比で含有されていることが望ましい。
系化合物の封入量として、すなわちリポソーム内に封入された水溶液中に、ヨウド系化合物がリポソーム膜脂質重量に対して、1〜10、好ましくは2〜8、より好ましくは3〜6の重
量比で含有されていることが望ましい。
リポソーム水相へカプセル化されたヨウド系化合物の重量比が1未満であると、比較的多量の脂質を注入することが必要となり、結果的に造影物質の送達効率が悪くなる。特許2619037号公報の記載によると、当該比が1でも当時の技術水準からは高い値とされていた。反対に、リポソーム膜脂質重量に対するヨウド系化合物の封入重量比が10を超
えると、リポソームが構造的にも不安定となり、リポソーム膜外へのヨウド系化合物の拡散、漏出は貯蔵中または生体内に注入された後でも避けられない。またリポソーム懸濁薬剤が製造され、分離した直後は100%の封入が達成されても、浸透圧効果による不安定化
に基づき、早くも短時間に封入成分が減少していくことが記載されている(特表平9−505821号公報)。
えると、リポソームが構造的にも不安定となり、リポソーム膜外へのヨウド系化合物の拡散、漏出は貯蔵中または生体内に注入された後でも避けられない。またリポソーム懸濁薬剤が製造され、分離した直後は100%の封入が達成されても、浸透圧効果による不安定化
に基づき、早くも短時間に封入成分が減少していくことが記載されている(特表平9−505821号公報)。
本発明の方法により製造されるX線検査用造影剤は、ヨウド含有量として、通常、想定される10〜300mlの製剤溶液の投与量では、100〜500mgI/mlであり、好ましくは、150〜300mgI/mlである。X線検査用造影剤中に存在する遊離ヨウ素イオン量は、0.001mole/L造影剤液、好ましくは0.0005mole/L造影剤液以下にすべきである。造影物質として使用するヨウド化合物から遊離するか、あるいは混在しているそうした遊離ヨウ素イオンに対しトラップ剤として機能するキレート化剤を造影剤に加えることが好ましい。キレート化剤として、製剤学的に使用が認められるEDTA、EDTANa2−Ca(エデト酸二ナトリウム
カルシウム)、ヘキサメタリン酸などが挙げられる。
カルシウム)、ヘキサメタリン酸などが挙げられる。
さらに本発明造影剤は、投与後にリポソームが体内に安定に維持されるように、体内の浸透圧に対し、等張の溶液でリポソーム中に封入される。そうした溶液の溶媒として、水、各種の緩衝液などを使用することができる。緩衝剤には、水溶性アミン系緩衝剤、リン酸緩衝液、クエン酸緩衝液などが含まれる。中でも、水溶性アミン系緩衝剤が望ましい。具体的には、トリス、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエチルアミン、モルホリン、トロメタモールなどが例示される。
上記溶液もしくは懸濁液の好ましいpH範囲は、室温で6.5〜8.5、さらに好ましくは6.8〜7.8である。X線造影剤が多ヒドロキシル基を有する水溶性ヨウド系化合物である場合、好ましい緩衝液は、米国特許第4278654号に記載されているような負の温度係数を有す
る緩衝液である。アミン系緩衝液はこのような要求を満たす性質を有しており、特に好ましくはトリス(TRIS)である。このタイプの緩衝液は、オートクレーブ温度で低いpHを有し、このことがオートクレーブ中のX線造影剤の安定性を増し、他方、室温では生理的に許容されるpHに戻る。したがって、注射用無菌造影剤を製造するために、リポソーム調製物をオートクレーブ滅菌できることは極めて便利であり、貯蔵安定性なども確保できる。しかしオートクレーブ滅菌を適用できないリポソームには、濾過滅菌を行なうのがよい。
る緩衝液である。アミン系緩衝液はこのような要求を満たす性質を有しており、特に好ましくはトリス(TRIS)である。このタイプの緩衝液は、オートクレーブ温度で低いpHを有し、このことがオートクレーブ中のX線造影剤の安定性を増し、他方、室温では生理的に許容されるpHに戻る。したがって、注射用無菌造影剤を製造するために、リポソーム調製物をオートクレーブ滅菌できることは極めて便利であり、貯蔵安定性なども確保できる。しかしオートクレーブ滅菌を適用できないリポソームには、濾過滅菌を行なうのがよい。
等張の溶液または懸濁液を得るには、等張液を提供する濃度で、造影剤を媒質中に溶解もしくは懸濁させる。たとえば造影剤化合物の溶解性が低いために造影剤が単独では等張液を提供できない場合、等張の溶液もしくは懸濁液が形成されるように他の非毒性の水溶性物質、たとえば塩化ナトリウムのごとき塩類、マンニトール、グルコース、ショ糖、ソルビトールなどの糖類を水性媒体中に添加してもよい。
本発明の方法により製造されるX線検査用造影剤は、注射剤または点滴注入剤として、非経口的に、具体的には血管内投与、好ましくは静脈内投与により被験者に投与されX線照射により撮像される。その用量は、従来のヨウド系造影剤に準じる。リポソーム内のヨウド総量、またはそれとリポソーム外のヨウド総量の和が、従来の投与量と同程度になるようにしてもよい。
〔実施例〕
以下、本発明を実施例に基づいてさらに具体的に説明する。本発明は、かかる実施例によりなんら限定されるものではない。
〔試験〕
リポソームの形態および粒径
粒径はヨウド化合物を内包するリポソームを含む分散液を凍結し、その後破砕した界面
をカーボン蒸着し、このカーボンを電子顕微鏡で観察すること(凍結破砕TEM法)により測定することができる。ここで「中心粒径」とは、粒子分布で最も出現頻度の高い粒径を指している。具体的には調製した造影剤中のリポソームの粒径および構造を凍結破砕法により透過型電子顕微鏡(TEM)で調べた。すなわち、リポソーム分散液を液体窒素にて急速に凍結し、凍結状態で破砕してリポソームの内部構造を露出させる。破砕面をカーボン蒸着し、形成されたカーボン膜を透過型電子顕微鏡で観察した。
〔実施例〕
以下、本発明を実施例に基づいてさらに具体的に説明する。本発明は、かかる実施例によりなんら限定されるものではない。
〔試験〕
リポソームの形態および粒径
粒径はヨウド化合物を内包するリポソームを含む分散液を凍結し、その後破砕した界面
をカーボン蒸着し、このカーボンを電子顕微鏡で観察すること(凍結破砕TEM法)により測定することができる。ここで「中心粒径」とは、粒子分布で最も出現頻度の高い粒径を指している。具体的には調製した造影剤中のリポソームの粒径および構造を凍結破砕法により透過型電子顕微鏡(TEM)で調べた。すなわち、リポソーム分散液を液体窒素にて急速に凍結し、凍結状態で破砕してリポソームの内部構造を露出させる。破砕面をカーボン蒸着し、形成されたカーボン膜を透過型電子顕微鏡で観察した。
粒径は、観察された造影剤粒子約20個の径の単純平均とした。リポソーム粒子の構造は、観察したカーボン膜に残された粒子の跡について段差がないものを「一枚膜」と判定し、2つ以上の段差が認められるものを「多層膜」と判定した。約20個の粒子を観察し、一枚膜構造のものが8割以上であるものを実質的に一枚膜リポソームと判定した。
ヨウド化合物の内包率の測定
試料(リポソーム分散液)を等張の食塩水で透析し、透析終了後にエタノールを添加してリポソームを破壊し、吸光度の測定によりリポソーム内のヨウド化合物量を求めた。試料中の全ヨウド化合物量に対する比率を内包率(質量%)として表した。
凝集物の発生
加圧濾過前の試料を目視で凝集物の発生状況を調べた。発生したものについて加圧濾過して除去できるかを調べた。除去できるものは、量に応じて、大きな問題ではない“極僅か発生”および“僅かに発生”と定義し、濾過圧力の上昇や目詰まりの発生したものは、量に応じて、 “微量発生”および問題である“少量発生”と定義した。
ヨウド化合物の内包率の測定
試料(リポソーム分散液)を等張の食塩水で透析し、透析終了後にエタノールを添加してリポソームを破壊し、吸光度の測定によりリポソーム内のヨウド化合物量を求めた。試料中の全ヨウド化合物量に対する比率を内包率(質量%)として表した。
凝集物の発生
加圧濾過前の試料を目視で凝集物の発生状況を調べた。発生したものについて加圧濾過して除去できるかを調べた。除去できるものは、量に応じて、大きな問題ではない“極僅か発生”および“僅かに発生”と定義し、濾過圧力の上昇や目詰まりの発生したものは、量に応じて、 “微量発生”および問題である“少量発生”と定義した。
ジパルミトイルホスファチジルコリン(DPPC)86mgと、コレステロール38.4mg、PEG-リン脂質(日本油脂株式会社製、 SUNBRIGHT DSPE-020CN)19.2mgの混合物をステンレス製
の特製オートクレーブに仕込み、オートクレーブ内を60℃に加熱し、次いで液体二酸化炭素13gを加えた。撹拌を行いながら、50kg/cm2であったオートクレーブ内圧力を、オート
クレーブ内の体積を減ずることで120kg/cm2まで上げ、二酸化炭素を超臨界状態にし、撹
拌しながら、脂質類を分散・溶解させた。撹拌しながら、さらに造影剤溶液(日局 イオパミドール306.2mg/mL、ヨウド含有量150mg/mL、トロメタモール1mg/mL、エデト酸カル
シウム2ナトリウム0.1mg/mLを含有し、適量の塩酸および水酸化ナトリウムでpHを7前後に調整)5mLを定量ポンプで連続的に50分かけて注入した。注入終了後、系内を減圧して二酸化炭素を排出し、造影剤溶液を含有するリポソームの分散液を得た。得られた分散液を60℃まで加熱し、アドバンテック社製のセルロース系フィルター、1.0μmで加圧濾過した。得られたリポソーム含有造影剤を試料11とした。
の特製オートクレーブに仕込み、オートクレーブ内を60℃に加熱し、次いで液体二酸化炭素13gを加えた。撹拌を行いながら、50kg/cm2であったオートクレーブ内圧力を、オート
クレーブ内の体積を減ずることで120kg/cm2まで上げ、二酸化炭素を超臨界状態にし、撹
拌しながら、脂質類を分散・溶解させた。撹拌しながら、さらに造影剤溶液(日局 イオパミドール306.2mg/mL、ヨウド含有量150mg/mL、トロメタモール1mg/mL、エデト酸カル
シウム2ナトリウム0.1mg/mLを含有し、適量の塩酸および水酸化ナトリウムでpHを7前後に調整)5mLを定量ポンプで連続的に50分かけて注入した。注入終了後、系内を減圧して二酸化炭素を排出し、造影剤溶液を含有するリポソームの分散液を得た。得られた分散液を60℃まで加熱し、アドバンテック社製のセルロース系フィルター、1.0μmで加圧濾過した。得られたリポソーム含有造影剤を試料11とした。
1.0μmで加圧濾過した後、分散液を60℃に加熱し、0.4μmフィルター、0.2μmフィ
ルター、0.1μmフィルターで加圧濾過した試料を、それぞれ試料No.12、13、14とし
た。また分散液を加熱せずに室温で0.2μmフィルターで加圧濾過した試料を試料No.15とした。さらに60℃で0.4μmのフィルターで自然濾過した試料をNo.16とした。
それぞれの試料の内包率(リポソーム内に内包されているイオパミドールの割合)を、表1に示す。
ルター、0.1μmフィルターで加圧濾過した試料を、それぞれ試料No.12、13、14とし
た。また分散液を加熱せずに室温で0.2μmフィルターで加圧濾過した試料を試料No.15とした。さらに60℃で0.4μmのフィルターで自然濾過した試料をNo.16とした。
それぞれの試料の内包率(リポソーム内に内包されているイオパミドールの割合)を、表1に示す。
表1から明らかなように、フィルターサイズが0.4μm以下にすると、内包率を上げる
ことができる。また自然濾過よりも加圧濾過の方が、内包率の向上効果が大きい。濾過温度は、使用するリン脂質の転移温度(DPPC:およそ41℃)よりも高いと、内包率の向上効果が大きい。
ことができる。また自然濾過よりも加圧濾過の方が、内包率の向上効果が大きい。濾過温度は、使用するリン脂質の転移温度(DPPC:およそ41℃)よりも高いと、内包率の向上効果が大きい。
オートクレーブ内圧力を表2のように変化させた以外は、実施例1の試料13と同様にして試料21〜25を作製し、内包率の測定と凝集物の発生状況を観察した。
表2で明らかなように、内包率は、オートクレーブ内圧力が150kg/cm2以下であると内
包率が高くなり、80 kg/cm2では、僅かに凝集が発生するために、圧力は、150〜90 kg/cm2が好ましい。
包率が高くなり、80 kg/cm2では、僅かに凝集が発生するために、圧力は、150〜90 kg/cm2が好ましい。
ジパルミトイルホスファチジルコリン(DPPC)86mgと、コレステロール38.4mg、PEG-リン脂質(日本油脂株式会社製、 SUNBRIGHT DSPE-020CN)19.2mgの混合物をステンレス製
の特製オートクレーブに仕込み、オートクレーブ内を60℃に加熱し、次いで液体二酸化炭素13gを加えた。撹拌を行いながら、50kg/cm2であったオートクレーブ内圧力を、オート
クレーブ内の体積を減ずることで120kg/cm2まで上げ、二酸化炭素を超臨界状態にし、撹
拌しながら、脂質類を分散・溶解させた。さらに造影剤溶液(日局 イオパミドール306.2mg/mL、ヨウド含有量150mg/mL、トロメタモール1mg/mL、エデト酸カルシウム2ナトリ
ウム0.1mg/mLを含有し、適量の塩酸および水酸化ナトリウムでpHを7前後に調整)5mLをポンプで一気に押し出し注入した。注入終了後、系内を減圧して二酸化炭素を排出し、造影剤溶液を含有するリポソームの分散液を得た。得られた分散液を60℃まで加熱し、アドバンテック社製のセルロース系フィルター、1.0μmで加圧濾過し、さらに分散液を60℃に保って、0.2μmフィルターで加圧濾過した。この試料を試料No.31とした。
の特製オートクレーブに仕込み、オートクレーブ内を60℃に加熱し、次いで液体二酸化炭素13gを加えた。撹拌を行いながら、50kg/cm2であったオートクレーブ内圧力を、オート
クレーブ内の体積を減ずることで120kg/cm2まで上げ、二酸化炭素を超臨界状態にし、撹
拌しながら、脂質類を分散・溶解させた。さらに造影剤溶液(日局 イオパミドール306.2mg/mL、ヨウド含有量150mg/mL、トロメタモール1mg/mL、エデト酸カルシウム2ナトリ
ウム0.1mg/mLを含有し、適量の塩酸および水酸化ナトリウムでpHを7前後に調整)5mLをポンプで一気に押し出し注入した。注入終了後、系内を減圧して二酸化炭素を排出し、造影剤溶液を含有するリポソームの分散液を得た。得られた分散液を60℃まで加熱し、アドバンテック社製のセルロース系フィルター、1.0μmで加圧濾過し、さらに分散液を60℃に保って、0.2μmフィルターで加圧濾過した。この試料を試料No.31とした。
ジパルミトイルホスファチジルコリン(DPPC)86mgと、コレステロール38.4mg、PEG-リン脂質(日本油脂株式会社製、 SUNBRIGHT DSPE-020CN)19.2mgの混合物をステンレス製
の特製オートクレーブに仕込み、オートクレーブ内を60℃に加熱し、次いで液体二酸化炭素13gを加えた。撹拌を行いながら、50kg/cm2であったオートクレーブ内圧力を、オート
クレーブ内の体積を減ずることで120kg/cm2まで上げ、二酸化炭素を超臨界状態にし、撹
拌しながら、脂質類を分散・溶解させた。撹拌をしながら、さらに造影剤溶液(日局 イオパミドール306.2mg/mL、ヨウド含有量150mg/mL、トロメタモール1mg/mL、エデト酸カ
ルシウム2ナトリウム0.1mg/mLを含有し、適量の塩酸および水酸化ナトリウムでpHを7前後に調整)5mLを2.5mLずつ、2回に分けてポンプで一気に押し出し注入した。2回目
の注入終了後、系内を減圧して二酸化炭素を排出し、造影剤溶液を含有するリポソームの分散液を得た。得られた分散液を60℃まで加熱し、アドバンテック社製のセルロース系フィルター、1.0μmを用いて加圧濾過し、さらに分散液を60℃に保って、0.2μmフィルタ
ーで加圧濾過した。この試料を試料No.32とした。
の特製オートクレーブに仕込み、オートクレーブ内を60℃に加熱し、次いで液体二酸化炭素13gを加えた。撹拌を行いながら、50kg/cm2であったオートクレーブ内圧力を、オート
クレーブ内の体積を減ずることで120kg/cm2まで上げ、二酸化炭素を超臨界状態にし、撹
拌しながら、脂質類を分散・溶解させた。撹拌をしながら、さらに造影剤溶液(日局 イオパミドール306.2mg/mL、ヨウド含有量150mg/mL、トロメタモール1mg/mL、エデト酸カ
ルシウム2ナトリウム0.1mg/mLを含有し、適量の塩酸および水酸化ナトリウムでpHを7前後に調整)5mLを2.5mLずつ、2回に分けてポンプで一気に押し出し注入した。2回目
の注入終了後、系内を減圧して二酸化炭素を排出し、造影剤溶液を含有するリポソームの分散液を得た。得られた分散液を60℃まで加熱し、アドバンテック社製のセルロース系フィルター、1.0μmを用いて加圧濾過し、さらに分散液を60℃に保って、0.2μmフィルタ
ーで加圧濾過した。この試料を試料No.32とした。
ジパルミトイルホスファチジルコリン(DPPC)86mgと、コレステロール38.4mg、PEG-リン脂質(日本油脂株式会社製、 SUNBRIGHT DSPE-020CN)19.2mgの混合物をステンレス製
の特製オートクレーブに仕込み、オートクレーブ内を60℃に加熱し、次いで液体二酸化炭素13gを加えた。撹拌を行いながら、50kg/cm2であったオートクレーブ内圧力を、オート
クレーブ内の体積を減ずることで120kg/cm2まで上げ、二酸化炭素を超臨界状態にし、撹
拌しながら、脂質類を分散・溶解させた。撹拌をしながら、さらに造影剤溶液(日局 イオパミドール306.2mg/mL、ヨウド含有量150mg/mL、トロメタモール1mg/mL、エデト酸カ
ルシウム2ナトリウム0.1mg/mLを含有し、適量の塩酸および水酸化ナトリウムでpHを7前後に調整)5mLを1mLずつ5回に分けてポンプで一気に押し出し注入した。5回目の注
入終了後、系内を減圧して二酸化炭素を排出し、造影剤溶液を含有するリポソームの分散液を得た。得られた分散液を60℃まで加熱し、アドバンテック社製のセルロース系フィルター、1.0μmで加圧濾過し、さらに分散液を60℃に保って、0.2μmフィルターで加圧濾
過した。この試料を試料No.33とした。
の特製オートクレーブに仕込み、オートクレーブ内を60℃に加熱し、次いで液体二酸化炭素13gを加えた。撹拌を行いながら、50kg/cm2であったオートクレーブ内圧力を、オート
クレーブ内の体積を減ずることで120kg/cm2まで上げ、二酸化炭素を超臨界状態にし、撹
拌しながら、脂質類を分散・溶解させた。撹拌をしながら、さらに造影剤溶液(日局 イオパミドール306.2mg/mL、ヨウド含有量150mg/mL、トロメタモール1mg/mL、エデト酸カ
ルシウム2ナトリウム0.1mg/mLを含有し、適量の塩酸および水酸化ナトリウムでpHを7前後に調整)5mLを1mLずつ5回に分けてポンプで一気に押し出し注入した。5回目の注
入終了後、系内を減圧して二酸化炭素を排出し、造影剤溶液を含有するリポソームの分散液を得た。得られた分散液を60℃まで加熱し、アドバンテック社製のセルロース系フィルター、1.0μmで加圧濾過し、さらに分散液を60℃に保って、0.2μmフィルターで加圧濾
過した。この試料を試料No.33とした。
連続混合時間を15分および5分とした以外は、試料13と同様に作製した試料を、それぞ
れ試料No.34、35とした。
れ試料No.34、35とした。
各試料の内包率の測定と凝集物の観察について実施例2の場合と同様に評価し、その結果を表3に示した。
表3から明らかなように、リン脂質および脂質膜安定化物質を含有する二酸化炭素と、非イオン系ヨウド化合物および製剤助剤を含有する水溶液との混合では、2回以上に分けるか、少量ずつ連続的に添加する方法が、凝集物を発生させないことと内包率を上げる点で好ましい。
ジパルミトイルホスファチジルコリン(DPPC)192mgと、コレステロール78mg、PEG-リ
ン脂質(日本油脂株式会社製、 SUNBRIGHT DSPE-020CN)38.4mgの混合物をステンレス製
の特製オートクレーブに仕込み、オートクレーブ内を60℃に加熱し、次いで液体二酸化炭素13gを加えた。撹拌を行いながら、50kg/cm2であったオートクレーブ内圧力を、オート
クレーブ内の体積を減ずることで120kg/cm2まで上げ、二酸化炭素を超臨界状態にし、撹
拌しながら、脂質類を分散・溶解させた。撹拌をしながら、さらに造影剤溶液(日局 イオパミドール306.2mg/mL、ヨウド含有量150mg/mL、トロメタモール1mg/mL、エデト酸カ
ルシウム2ナトリウム0.1mg/mLを含有し、適量の塩酸および水酸化ナトリウムでpHを7前後に調整)5mLを定量ポンプで連続的に注入した。注入終了後、系内を減圧して二酸化炭素を排出し、造影剤溶液を含有するリポソームの分散液を得た。得られた分散液を60℃まで加熱し、アドバンテック社製のセルロース系フィルター、0.2μmで加圧濾過した。得られたリポソーム含有造影剤を試料41とした。
ン脂質(日本油脂株式会社製、 SUNBRIGHT DSPE-020CN)38.4mgの混合物をステンレス製
の特製オートクレーブに仕込み、オートクレーブ内を60℃に加熱し、次いで液体二酸化炭素13gを加えた。撹拌を行いながら、50kg/cm2であったオートクレーブ内圧力を、オート
クレーブ内の体積を減ずることで120kg/cm2まで上げ、二酸化炭素を超臨界状態にし、撹
拌しながら、脂質類を分散・溶解させた。撹拌をしながら、さらに造影剤溶液(日局 イオパミドール306.2mg/mL、ヨウド含有量150mg/mL、トロメタモール1mg/mL、エデト酸カ
ルシウム2ナトリウム0.1mg/mLを含有し、適量の塩酸および水酸化ナトリウムでpHを7前後に調整)5mLを定量ポンプで連続的に注入した。注入終了後、系内を減圧して二酸化炭素を排出し、造影剤溶液を含有するリポソームの分散液を得た。得られた分散液を60℃まで加熱し、アドバンテック社製のセルロース系フィルター、0.2μmで加圧濾過した。得られたリポソーム含有造影剤を試料41とした。
試料41について上記試験を行った結果、その粒径は220nmであり、約7割が一枚膜のリ
ポソームであった。また内包率は、全イオパミドール量の15質量%であった。なお、試料41の脂質総量は95 mmol/Lであり、コレステロールはリン脂質量の0.4重量部である。
ポソームであった。また内包率は、全イオパミドール量の15質量%であった。なお、試料41の脂質総量は95 mmol/Lであり、コレステロールはリン脂質量の0.4重量部である。
脂質総量を表4のように変化させた以外は、試料41と同様にして試料42〜48を作製した。各試料中のリポソームについて、測定結果を表4に示す。
表4で明らかなように、脂質総量が15 mmol/L未満では内包率が低く、本発明の目的と
する送達効率が期待できない。15 mmol/Lを超えると内包率は急に上昇する。15 mmol/L以上では脂質の使用量の増加とともに内包率は向上するが、100 mmol/L以上では、脂質の使用量に対し内包率は上がりにくくなり、150 mmol/Lを超えると凝集物が発生し、フィルター濾過に困難が生じ、実用に適さない。
する送達効率が期待できない。15 mmol/Lを超えると内包率は急に上昇する。15 mmol/L以上では脂質の使用量の増加とともに内包率は向上するが、100 mmol/L以上では、脂質の使用量に対し内包率は上がりにくくなり、150 mmol/Lを超えると凝集物が発生し、フィルター濾過に困難が生じ、実用に適さない。
コレステロール量を表5のように変化させた以外は、実施例4の試料41と同様にして試料51〜58を作製した。各試料中のリポソームについて、内包率などの測定結果を表2に示す。
表5で明らかなように、コレステロール量がリン脂質1重量部に対し、0.05重量部未満
では内包率が比較的低く、0.2重量部を超えると内包率が上昇する。0.3重量部以上では脂質の使用量の増加とともに内包率は向上するが、0.8重量部以上では、脂質の使用量に対
し内包率は上がりにくくなる。1.5重量部を超えるとメカニズムは不明であるが、逆に内
包率は低下する。
では内包率が比較的低く、0.2重量部を超えると内包率が上昇する。0.3重量部以上では脂質の使用量の増加とともに内包率は向上するが、0.8重量部以上では、脂質の使用量に対
し内包率は上がりにくくなる。1.5重量部を超えるとメカニズムは不明であるが、逆に内
包率は低下する。
コレステロールの代わりにカチオン性リン脂質として、DOTAP(1,2−ジオレオイ
ルオキシ−3−(トリメチルアンモニウム)プロパン)を用い、表6のようにその使用量
を変化させた以外は、実施例4の試料41と同様にして試料61〜67を作製した。各試料中のリポソームについて、内包率などの測定結果を表6に示す。
ルオキシ−3−(トリメチルアンモニウム)プロパン)を用い、表6のようにその使用量
を変化させた以外は、実施例4の試料41と同様にして試料61〜67を作製した。各試料中のリポソームについて、内包率などの測定結果を表6に示す。
表6で明らかなように、DOTAP量がリン脂質に対し、0.1質量%未満では内包率が
比較的低く、0.3質量%を超えると内包率が上昇する。0.5質量%以上では脂質の使用量の増加とともに内包率は向上するが、3質量%以上では、脂質の使用量に対し内包率は上が
りにくくなる。5質量%を超えるとメカニズムは不明であるが、逆に内包率は低下する。
比較的低く、0.3質量%を超えると内包率が上昇する。0.5質量%以上では脂質の使用量の増加とともに内包率は向上するが、3質量%以上では、脂質の使用量に対し内包率は上が
りにくくなる。5質量%を超えるとメカニズムは不明であるが、逆に内包率は低下する。
コレステロールの代わりにプロピレングリコールを用い、表7のようにその使用量を変
化させた以外は、実施例4の試料41と同様にして試料71〜78を作製した。各試料中のリポソームについて、内包率などの測定結果を表7に示す。
化させた以外は、実施例4の試料41と同様にして試料71〜78を作製した。各試料中のリポソームについて、内包率などの測定結果を表7に示す。
表7で明らかなように、プロピレングリコール量がリン脂質に対し、0.5質量%未満で
は内包率が比較的低く、0.5質量%を超えると内包率が上昇する。10質量%以上では、脂
質の使用量に対し内包率は上がりにくくなる。20質量%を超えるとメカニズムは不明であるが、逆に内包率は低下する。
は内包率が比較的低く、0.5質量%を超えると内包率が上昇する。10質量%以上では、脂
質の使用量に対し内包率は上がりにくくなる。20質量%を超えるとメカニズムは不明であるが、逆に内包率は低下する。
ジパルミトイルホスファチジルコリン(DPPC)量、コレステロール量、DOTAP量、プロピレングリコール量、PEG-リン脂質(DSPE-020CN)量を、表8のようにその使用量を
変化させた以外は、実施例4の試料41と同様にして試料81〜95を作製した。各試料中のリポソームについて、内包率などの測定結果を表8に示す。
変化させた以外は、実施例4の試料41と同様にして試料81〜95を作製した。各試料中のリポソームについて、内包率などの測定結果を表8に示す。
得られたサンプルを実施例4と同様に評価したほか、サンプルを経時保管(40℃、2週間)し、内包率の変化を調べた。
コレステロールとDOTAPとを併用するとコレステロールがない場合に比べ、内包率の向上が高く、また経時安定性も向上する。DOTAPとプロピレングリコールとを併用すると、それぞれ単独で使用する場合よりも内包率の向上の程度は高く、経時安定性も向上する。コレステロールとDOTAPとプロピレングリコールとを併用すると、使用量が少なくても内包率の向上効果が高く、経時安定性も向上する。
またPEG-リン脂質も内包率の向上効果があり、特にリン脂質に対し、10質量%以上であると、内包率の向上効果が著しい。
Claims (10)
- リン脂質および脂質膜安定化物質を含有する超臨界二酸化炭素と、
非イオン系ヨウド化合物および製剤助剤を含有する水溶液と
を混合することにより形成したリポソームの懸濁液を、
さらに0.1〜0.4μmの孔径を有する濾過膜を透過させることを特徴とするX線検査用造
影剤の製造方法。 - 前記超臨界二酸化炭素は、90〜150kg/cm2の圧力のもとに生成されることを特徴とする
請求項1に記載のX線検査用造影剤の製造方法。 - 前記リン脂質には、転移温度を有するリン脂質が少なくとも含まれることを特徴とする請求項1に記載のX線検査用造影剤の製造方法。
- 前記リポソームの脂質膜には、カチオン性物質がリン脂質量に対し0.1〜5質量%の割合で含まれることを特徴とする請求項1に記載のX線検査用造影剤の製造方法。
- 前記脂質膜安定化物質が、ステロール類および/またはグリコール類であることを特徴とする請求項1に記載のX線検査用造影剤の製造方法。
- 前記ステロール類は、リン脂質1重量部に対し、0.05〜1.5重量部の割合で含まれることを特徴とする請求項5に記載のX線検査用造影剤の製造方法。
- 前記グリコール類は、リン脂質量に対し0.5〜20質量%の割合で含まれることを特徴と
する請求項5に記載のX線検査用造影剤の製造方法。 - 前記濾過膜の透過は、エクストルーダーを使用して行われることを特徴とする請求項1
に記載のX線検査用造影剤の製造方法。 - 前記エクストルーダーによる処理は、転移温度を有するリン脂質の転移温度以上の温度で行われることを特徴とする請求項8に記載のX線検査用造影剤の製造方法。
- リン脂質および脂質膜安定化物質を含有する超臨界二酸化炭素と、非イオン系ヨウド化合物および製剤助剤を含有する水溶液とを2回以上に分けて混合するか、あるいは少量ずつ連続的に添加して混合することにより形成したリポソームが、全ヨウド化合物の5〜35
質量%のヨウド化合物を内包することを特徴とする請求項1に記載のX線検査用造影剤の
製造方法。
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