JP2005252185A - 素子基板間介装用シートおよび素子基板間介装用シートを用いた回路製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 素子の回路基板への取り付け、回路基板からの取り外し等の配線作業の際に素子自体の温度上昇を抑制して、素子内部の半田も再溶融させるようにする。
【解決手段】 底面に端子が設けられた回路素子と回路基板との間に介装されて、前記端子と回路基板とを接続するための素子基板間介装用シート(1)であって、絶縁特性を有し、熱を供給することにより半田を溶融可能にする導熱性を有する導熱絶縁層(11)と、該導熱絶縁層(11)の上層に該導熱絶縁層(11)の外周部(11A)を残して積層され、絶縁特性を有し該導熱絶縁層(11)に加えられた熱を断熱しうる断熱絶縁層(12)と、をそなえるとともに、該断熱絶縁層(12)の上面側に設けられる前記回路素子の端子を収容して、該端子を、該導熱絶縁層(11)の下面側に設けられる回路基板に導通させる導通孔(13)を設けるように構成する。
【選択図】 図1
【解決手段】 底面に端子が設けられた回路素子と回路基板との間に介装されて、前記端子と回路基板とを接続するための素子基板間介装用シート(1)であって、絶縁特性を有し、熱を供給することにより半田を溶融可能にする導熱性を有する導熱絶縁層(11)と、該導熱絶縁層(11)の上層に該導熱絶縁層(11)の外周部(11A)を残して積層され、絶縁特性を有し該導熱絶縁層(11)に加えられた熱を断熱しうる断熱絶縁層(12)と、をそなえるとともに、該断熱絶縁層(12)の上面側に設けられる前記回路素子の端子を収容して、該端子を、該導熱絶縁層(11)の下面側に設けられる回路基板に導通させる導通孔(13)を設けるように構成する。
【選択図】 図1
Description
本発明は、底面に端子が設けられた回路素子を、端子を通じて回路基板に接続することにより搭載して回路製造する際、特にBGA(Ball Grid Array:ボールグリッドアレイ)タイプの集積回路を回路基板に搭載して回路製造する際に用いて好適の、素子基板間介装用シートおよび素子基板間介装用シートを用いた回路製造方法に関するものである。
集積回路部品の高密度化に伴い、QFP(Quard Flat Package:四方端子フラットパッケージ)の集積回路素子から、端子密度の高いBGAタイプの集積回路素子(以下、単にBGA素子という)のように、パッケージ底面にボール状の半田接合面をもつ部品が急速に使用されるようになっている。しかし、BGA素子は、半田接合部がパッケージ底面にあるため、半田接合部を確認することが難しく、接合面の接続保証はBST(Boundary Scan Test)手法によるオープンショート試験/又はTP(Test Program)等の機能試験で保証しているのが一般的である。
機能試験において、不良が発生した場合、BGA素子そのものの不具合か、BGA素子の半田接続部においての不具合かを判断する手段が無いため、BGA素子そのものをリペア(修繕)して交換することが一般的である。その際、基板全面や周辺部品への熱の輻射による影響を与えないような手法として、以下に示す技術がある。
第1の手法としては、図9に示すように、回路基板101にBGA素子102を装着又は取り外す際に、BGA素子102を治具103で覆い、BGA素子102全体(素子本体部102Aおよび基板101と接合される端子としての半田接合部102B)に対し半田融解温度以上の熱風又は加圧されたガスを吹き付けて半田を溶融させることにより、基板101の変形を防ぎながらBGA素子102を装着又は取り外すことができるようにしたものである。この手法をベースとした技術に関しては、例えば以下に示す特許文献1に記載されたものがある。
第1の手法としては、図9に示すように、回路基板101にBGA素子102を装着又は取り外す際に、BGA素子102を治具103で覆い、BGA素子102全体(素子本体部102Aおよび基板101と接合される端子としての半田接合部102B)に対し半田融解温度以上の熱風又は加圧されたガスを吹き付けて半田を溶融させることにより、基板101の変形を防ぎながらBGA素子102を装着又は取り外すことができるようにしたものである。この手法をベースとした技術に関しては、例えば以下に示す特許文献1に記載されたものがある。
また、第2の手法として、図10に示すように、BGA素子102とBGA素子102が実装されている基板101との隙間に、BGA素子102の半田接合部102Bとピッチが同じ櫛歯状ヒータ104を挿入し、櫛歯状ヒータ104を加熱して半田接合部を融解し、BGA素子102を基板101から取り付けたり取り外したりする技術もある。これと同様の技術は、例えば以下に示す特許文献2にも記載されている。
なお、以下の特許文献3には、上述のBGA素子の基板への取り付けまたは取り外しに関し、リペア作業性を向上させる構造として、プリント基板上面と表面実装部品底面との間に介在する透明な絶縁シートに、プリント基板上のパッドと表面実装部品のボディ底面に形成された突起状電極とを一対一で対応した位置関係にある貫通穴が貫通形成され、更に各貫通穴内に予め半田が充填された構造について記載されている。
一方、BGA素子102の基板101に対する配線設定の変更(設計変更)が生じた場合には、一般的には図11に示すように、経路変更する基板101上の配線を切り離し、該当するBGA素子102の半田接合部102Bに布線107を半田にて接続することで修復することが行なわれる。このとき、半田接合部102Bがパッケージ底面にあるため、前述した手法で部品を取り外した後に、該当する配線を切断し布線107にて回路基板101の所定ポイント106とBGA素子102の半田接合部102Bとを接続することで経路変更を実施する。
さらに、回路動作の高速化要求や低電圧化要求に対し、素子の雑音マージンは著しく減少している。即ち、素子に求められる雑音許容度がいっそう厳格となっているなかで、BGA素子内部の素子(雑音源)に、より近い箇所で容量付加等による雑音低減処置が必要になっている。雑音低減処置を行なうためのチップが、雑音源により近くに設置できれば、配線距離も短くなるので、雑音除去効率をより高めることができる。
これに伴い、近年においては、このような容量性の雑音低減チップ108を、接続端子からより近い距離で配線109を介して接続する工夫がなされている。例えば、図12(a)に示すように該当BGA素子102に隣接する同一基板101面上に配置したり、図12(b)に示すように該当BGA素子102が設置されている基板102の裏面上に雑音低減チップ108を配置して、雑音低減チップ108の搭載位置を図12(a)の場合よりもBGA素子102に近い位置に搭載したり、更に、図12(c)に示すように該当BGA素子102が設置されている基板102の内部に雑音低減チップ108を内蔵して、雑音低減チップ108の搭載位置を図12(b)の場合よりもBGA素子102に近い位置に搭載したりすることが考えられている。
特開平11−26929号公報
特開2002−9432号公報
特開2003−17843号公報
しかしながら、上述の図9に記載された技術においては、該当部品(BGA素子102全体に対し半田融解温度以上の熱風又は加圧されたガスを当該BGA素子102とその基板101間の接合部102B全体に吹き付けるようになっている。この熱風又は加圧されたガスは、BGA素子102を囲むような閉じた空間内で吹き付けられるので、BGA素子102自体の温度も上昇して、BGA素子102内部の回路デバイス間を接続する半田についても再溶融されることが起こりうるという課題がある。即ち、当該BGA素子102の推奨温度/時間にて取り外し作業を実施したとしても、部品素子内部に熱が加わるため、取り外し作業自体によってBGA素子102の機能に支障を来たす原因をつくっているとも考えられる。
さらに、回路基板101に対して、上述の半田溶融のための熱が伝わるため、回路基板101に対する熱ストレスも考慮する必要がある。例えば、製造される回路デバイスの品質を保持するため、製造の際に、加熱履歴即ちリペア回数(取り外しおよび装着作業の回数)の上限を予め設定して、その回数を超えた回路基板101については使用を制限することが必要であった。
これに対し、図10に記載された技術においては、櫛歯状ヒータ104を用いて直接半田に対して熱を加えているので、BGA素子102内部の半田を溶融させることは回避できると考えられるものの、実際には、このような櫛歯状ヒータ104を入れるためには、周辺部品が無い面を少なくとも1面は設けなければならず、回路基板上の部品配置に制約を来たすことになる。図10の場合においては、基板101上の領域105を用いて櫛歯ヒータ104を挿入することができないので、回路基板上の部品配置に制約を来たしているのである。
なお、特許文献3に記載された技術においても、BGA素子をプリント基板に装着する際にはやはり熱風等で加熱することで半田を溶融させるようにしているが、半田を溶融させるための熱風に対してBGA素子内部を保護するための手法については特に記載されていない。
また、BGA素子102の基板101に対する配線設定の変更(設計変更)が生じた場合においては、半田接合面が部品(BGA素子112)の底面に存在するため、端子内部において布線を実施するとBGA半田接合面に干渉することが容易に考えられる。そのため通常布線可能な端子は素子外周に設けられている端子に限られてしまうことになり、すべての配線経路変更に対応することが困難であるという課題がある。
また、BGA素子102の基板101に対する配線設定の変更(設計変更)が生じた場合においては、半田接合面が部品(BGA素子112)の底面に存在するため、端子内部において布線を実施するとBGA半田接合面に干渉することが容易に考えられる。そのため通常布線可能な端子は素子外周に設けられている端子に限られてしまうことになり、すべての配線経路変更に対応することが困難であるという課題がある。
さらに、高速雑音除去として、BGA素子102により近い場所にチップ部品(例えば、チップセラコン,チップ抵抗)等を搭載するために、チップ108を基板101に内蔵する〔図12(c)参照〕場合においては、チップ内蔵位置についての位置精度を確保することが難しく、又、製造コストが高額になるがゆえなかなか普及していない。
本発明は、このような課題に鑑み創案されたもので、素子の回路基板への取り付け、回路基板からの取り外し等の配線作業の際に素子自体の温度上昇を抑制して、素子内部の半田も再溶融させるようにした、素子基板間介装用シートおよび素子基板間介装用シートを用いた回路製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、このような課題に鑑み創案されたもので、素子の回路基板への取り付け、回路基板からの取り外し等の配線作業の際に素子自体の温度上昇を抑制して、素子内部の半田も再溶融させるようにした、素子基板間介装用シートおよび素子基板間介装用シートを用いた回路製造方法を提供することを目的とする。
また、素子の取り付け、取り外し等の配線作業の際に素子自体の温度上昇を抑制しつつ、素子に設けられている端子位置に依存せずに、経路変更作業を容易に行なうことができるようにした、素子基板間介装用シートを用いた回路製造方法を提供することを目的とする。
さらに、素子の取り付け、取り外し等の配線作業の際に素子自体の温度上昇を抑制しつつ、素子の接続端子に外部チップを接続する際に、配線距離を最小限として外部チップを接続できるようにした、素子基板間介装用シートを用いた回路製造方法を提供することを目的とする。
さらに、素子の取り付け、取り外し等の配線作業の際に素子自体の温度上昇を抑制しつつ、素子の接続端子に外部チップを接続する際に、配線距離を最小限として外部チップを接続できるようにした、素子基板間介装用シートを用いた回路製造方法を提供することを目的とする。
このため、本発明の素子基板間介装用シートは、底面に端子が設けられた回路素子と回路基板との間に介装されて、前記端子と回路基板とを接続するための素子基板間介装用シートであって、絶縁特性を有し、熱を供給することにより半田を溶融可能にする導熱性を有する導熱絶縁層と、該導熱絶縁層の上層に該導熱絶縁層の外周部を残して積層され、絶縁特性を有し該導熱絶縁層に加えられた熱を断熱しうる断熱絶縁層と、をそなえるとともに、該断熱絶縁層の上面側に設けられる前記回路素子の端子を収容して、該端子を、該導熱絶縁層の下面側に設けられる回路基板に導通させる導通孔が設けられたことを特徴としている。
さらに、本発明の素子基板間介装用シートを用いた回路製造方法は、底面に端子が設けられた回路素子と回路基板とを接続する際に、絶縁特性を有するとともに熱を供給することにより半田を溶融可能にする導熱性を有する導熱絶縁層と、該導熱絶縁層の上層に該導熱絶縁層の外周部を残して積層され絶縁特性を有するとともに該導熱絶縁層に加えられた熱を断熱しうる断熱絶縁層とをそなえるとともに、該断熱絶縁層の上面側に設けられる前記回路素子の端子を収容して該端子を該導熱絶縁層の下面側に設けられる回路基板に導通させる導通孔が設けられた素子基板間介装用シートであって、該導通孔の該導熱絶縁層の下面側の開口部に該半田が付着された素子基板間介装用シートについて、該回路基板上の所定位置への位置決めとともに、該回路素子の端子についての該導通孔への収容を行なう設置ステップと、該素子基板間介装用シートにおける該導熱絶縁層の外周部を加熱することにより、該半田に熱変形を生じさせ、該設置ステップで該回路基板上の所定位置に設置された該回路素子を、該導通孔に収容された端子を通じて該回路基板に結線させる結線ステップと、をそなえて構成されたことを特徴としている。
また、本発明の素子基板間介装用シートを用いた回路製造方法は、底面に端子が設けられた回路素子と回路基板とを接続する際に、絶縁特性を有するとともに熱を供給することにより半田を溶融可能にする導熱性を有する導熱絶縁層と、該導熱絶縁層の上層に該導熱絶縁層の外周部を残して積層され絶縁特性を有するとともに該導熱絶縁層に加えられた熱を断熱しうる断熱絶縁層とをそなえるとともに、該断熱絶縁層の上面側より前記回路素子の第1端子を収容して該第1端子を該導熱絶縁層の下面側に設けられる回路基板に導通させる導通孔が設けられ、かつ、該断熱絶縁層の上面側より前記回路素子の第2端子を収容するが該導熱絶縁層側に設けられる回路基板への導通を遮断する導通遮断端子収容部をそなえるとともに、該導通遮断端子収容部に収容される端子と特定の導通孔に収容される端子とを横断導通させるための横断導通部が、該導熱絶縁層にそなえて構成された素子基板間介装用シートであって、該導通孔における該導熱絶縁層下面側の開口部に該半田が付着された素子基板間介装用シートについて、該回路基板上の所定位置への位置決めとともに、該回路素子の端子についての該導通孔への収容を行なう設置ステップと、該素子基板間介装用シートにおける該導熱絶縁層の外周部を加熱することにより、該半田に熱変形を生じさせ、該設置ステップで該回路基板上の所定位置に設置された該回路素子を、該導通孔に収容された端子を通じて該回路基板に結線させる結線ステップと、をそなえ、該設置ステップで該導通遮断端子収容部に収容された端子が、該横断導通部および該特定の導通孔を介して、該回路基板に結線されることを特徴としている。
さらに、本発明の素子基板間介装用シートを用いた回路製造方法は、底面に複数の端子が設けられた回路素子と回路基板とを接続する際に、絶縁特性を有するとともに熱を供給することにより前記端子を溶融可能にする導熱性を有する導熱絶縁層と、該導熱絶縁層の上層に該導熱絶縁層の外周部を残して積層され絶縁特性を有するとともに該導熱絶縁層に加えられた熱を断熱しうる断熱絶縁層とをそなえるとともに、該断熱絶縁層の上面側に設けられる前記回路素子の複数の端子をそれぞれ収容して各端子を該導熱絶縁層の下面側に設けられる回路基板に導通させる複数の導通孔が設けられ、かつ、前記の回路素子の端子に接続されるチップ回路が埋め込まれた素子基板間介装用シートであって、該導通孔の該導熱絶縁層下面側の開口部に半田が付着された素子基板間介装用シートについて、該回路基板上の所定位置への位置決めとともに、該回路素子の端子についての該導通孔への収容を行なう設置ステップと、該素子基板間介装用シートにおける該導熱絶縁層の外周部を加熱することにより、該半田に熱変形を生じさせ、該設置ステップで該回路基板上の所定位置に設置された該回路素子を、該導通孔に収容され溶融された端子を通じて該回路基板に結線させる結線ステップと、をそなえて構成されたことを特徴としている。
また、上述の製造方法においては、該結線ステップで前記の回路素子と回路基板とが結線された後、該素子基板間介装用シートにおける該導熱絶縁層の外周部を加熱して、該半田を溶融させることにより、該回路素子を該回路基板から取り外す取り外しステップをそなえることとしてもよい。
このように、本発明によれば、導熱絶縁層,断熱絶縁層および導通孔をそなえた素子基板間介装用シートを用い、設置ステップおよび結線ステップにより、で導熱絶縁層を回路基板側に対面させ、断熱絶縁層を回路素子に対面するようにして回路基板に対する回路素子の位置を位置決めして、導熱絶縁層の加熱により回路素子を回路基板に取り付けることができるので、導熱絶縁層に加えられた熱が回路素子をなす回路本体側に伝搬されることを抑制させ、回路素子の回路基板への装着を行なっても、導熱絶縁層に加えられた熱で回路本体Bが半田溶融温度となることはなくなるため、回路本体内の半田を溶融させることがなくなり、回路素子の品質を維持させることができる。
さらに、回路素子が占める領域に加えて、熱伝導用端子分の領域のわずかな領域を回路基板上に確保しておくのみで、回路の組立/リペアが行なうことができるので、従来の手法において必要であった領域に比べ小さい領域で対応することができ、回路設計の自由度を向上させることができる利点もある。
また、本発明によれば、導熱絶縁層,断熱絶縁層および導通孔をそなえるとともに、導通遮断端子収容部および横断導通部をそなえた素子基板間介装用シートを用いて、設置ステップおよび結線ステップにより、回路素子の回路基板に対する配線設定の変更(設計変更)が生じた場合において、同一の回路素子を、介装されるシートを変更して回路基板に再取り付けを行なうことができ、端子内部において布線を実施することは不要となり、半田接合面の干渉を防止することができる。更には、回路素子に設けられるすべての端子についての配線経路変更に対応することが容易となる利点もある。
また、本発明によれば、導熱絶縁層,断熱絶縁層および導通孔をそなえるとともに、導通遮断端子収容部および横断導通部をそなえた素子基板間介装用シートを用いて、設置ステップおよび結線ステップにより、回路素子の回路基板に対する配線設定の変更(設計変更)が生じた場合において、同一の回路素子を、介装されるシートを変更して回路基板に再取り付けを行なうことができ、端子内部において布線を実施することは不要となり、半田接合面の干渉を防止することができる。更には、回路素子に設けられるすべての端子についての配線経路変更に対応することが容易となる利点もある。
また、本発明によれば、チップ回路が埋め込まれた素子基板間介装用シートを用いて、設置ステップおよび結線ステップにより、端子の最短距離である直線距離上に雑音除去用のチップ回路を高い位置精度で搭載することができるので、製造コストを抑えながら、回路性能を向上させることができる利点がある。
以下、図面を参照することにより、本発明の実施の形態について説明する。
〔A〕第1実施形態の説明
図1(a)は本発明の第1実施形態にかかる素子基板間介装用シート1を示す上視図であり、図1(b)は図1(a)に示す素子基板間介装用シート1のAA断面図である。この図1(a),図1(b)に示す素子基板間介装用シート1は、例えば図2に示すように、底面に端子2Aが設けられた回路素子2と回路基板3との間に介装されて、端子2Aと当該端子2Aに対応して回路基板3上の接点として設けられるランド3Aとを接続するためのものである。この回路素子2としては、図2に示すように、底面に複数の端子2Aが回路素子本体2Bの底面2aにアレイ状に設けられたBGA素子2を用いることができる。
〔A〕第1実施形態の説明
図1(a)は本発明の第1実施形態にかかる素子基板間介装用シート1を示す上視図であり、図1(b)は図1(a)に示す素子基板間介装用シート1のAA断面図である。この図1(a),図1(b)に示す素子基板間介装用シート1は、例えば図2に示すように、底面に端子2Aが設けられた回路素子2と回路基板3との間に介装されて、端子2Aと当該端子2Aに対応して回路基板3上の接点として設けられるランド3Aとを接続するためのものである。この回路素子2としては、図2に示すように、底面に複数の端子2Aが回路素子本体2Bの底面2aにアレイ状に設けられたBGA素子2を用いることができる。
また、この図1(a),図1(b)に示すように、素子基板間介装用シート1は、図2に示す回路素子導熱絶縁層11と断熱絶縁層12とをそなえるともにこれらの導熱絶縁層11と断熱絶縁層12とを貫通する導通孔13が設けられている。
ここで、導熱絶縁層11は、絶縁特性を有し、熱を供給することにより半田を溶融可能にする導熱性を有するものであって、例えば、絶縁特性が比較的高く、熱伝導性の比較的高いセラミック材等により構成することができる。又、断熱絶縁層12は、導熱絶縁層11の上層に導熱絶縁層11の外周部11Aを残して積層され、絶縁特性を有し導熱絶縁層11に加えられた熱を断熱しうるものであって、例えば、絶縁特性が比較的高く、断熱性が比較的高いエポキシ系樹脂により構成することができる。
ここで、導熱絶縁層11は、絶縁特性を有し、熱を供給することにより半田を溶融可能にする導熱性を有するものであって、例えば、絶縁特性が比較的高く、熱伝導性の比較的高いセラミック材等により構成することができる。又、断熱絶縁層12は、導熱絶縁層11の上層に導熱絶縁層11の外周部11Aを残して積層され、絶縁特性を有し導熱絶縁層11に加えられた熱を断熱しうるものであって、例えば、絶縁特性が比較的高く、断熱性が比較的高いエポキシ系樹脂により構成することができる。
さらに、上述の導通孔13は、断熱絶縁層12の上面側よりBGA素子2の端子2Aを収容して、端子2Aを、導熱絶縁層11の下面側において回路基板3に導通させることができるようになっている。本実施形態においては、導通孔13は、図2に示すように複数の端子2Aがアレイ状に設けられているBGA素子2の端子2Aの配置に対応して設けられている。
図3は第1実施形態にかかる素子基板間介装用シート1の製造工程を、前述の図1(b)の断面に相当する図で示すものである。素子基板間介装用シート1を製造するにあたっては、第1に、図3の(a)に示すように、適当な大きさにカットされた例えば厚さ1mm程度のセラミック基板を準備し、これを導熱絶縁層11とする。次いで、図3の(b)に示すように、この導熱絶縁層11の上面の中央箇所、即ち外周部を残しながらエポキシ樹脂を例えば厚さ20μm程度でコーティングし、これを断熱絶縁層12とする。
そして、図3の(c)に示すように、ドリル等を用いることにより、接続すべきBGA素子2の端子2Aの位置,回路基板3側の接点となるランド3Aの位置に合致させた位置に導通孔13を穿孔する。尚、この図3の(c)においては穿孔される導通孔13として、3つの導通孔13を穿孔する場合について図示している。又、導通孔13の径については端子2Aの径(ボール直径)に応じて適宜決定される。
上述のごとき導通孔13が空けられると、図3の(d)に示すように、必要に応じて導熱絶縁層11であるセラミック基板の表面(図中下側の面)を研磨して、素子基板間介装用シート1の厚みを、搭載される回路素子2の端子2Aの径にマッチングするように適宜調整することができる。
なお、各導通孔13における導熱絶縁層11の下面側(即ち、設置の際にシート1が回路基板3面に対面する面側)の開口部には、BGA素子2の回路基板3への取り付けに先立って、半田(半田ペースト)を付着させておく。この半田は、後述の導熱絶縁層11を加熱する際に溶融されて、当該導通孔13に収容された端子2Aと回路基板3のランド3Aとを接続させるためのものである。
なお、各導通孔13における導熱絶縁層11の下面側(即ち、設置の際にシート1が回路基板3面に対面する面側)の開口部には、BGA素子2の回路基板3への取り付けに先立って、半田(半田ペースト)を付着させておく。この半田は、後述の導熱絶縁層11を加熱する際に溶融されて、当該導通孔13に収容された端子2Aと回路基板3のランド3Aとを接続させるためのものである。
また、半田の付着態様としては、各導通孔13の導熱絶縁層11側開口部を充填するように付着するが、必ずしも完全に開口部を密封するように付着する必要はない。又、導通孔13内の半田の嵩については、少なくとも端子2Aとランド3Aとを接続可能としながら、端子2Aが導通孔13に収まるのに支障が生じない範囲としておく。
上述の構成により、本発明の第1実施形態にかかる素子基板間介装用シート1を介装してBGA素子2を回路基板3に取り付ける(BGA素子2と回路基板3とを接続する)際には、まず、上述のごとく導通孔13における導熱絶縁層11の下面側の開口部に半田が付着された素子基板間介装用シート1について、回路基板3上の所定位置への位置決めとともに、BGA素子2の端子2Aについての導通孔13への収容を行なう(設置ステップ)。
上述の構成により、本発明の第1実施形態にかかる素子基板間介装用シート1を介装してBGA素子2を回路基板3に取り付ける(BGA素子2と回路基板3とを接続する)際には、まず、上述のごとく導通孔13における導熱絶縁層11の下面側の開口部に半田が付着された素子基板間介装用シート1について、回路基板3上の所定位置への位置決めとともに、BGA素子2の端子2Aについての導通孔13への収容を行なう(設置ステップ)。
すなわち、回路基板3上において、BGA素子2の搭載前に回路基板3上の接続配線にあわせて(各導通孔13が所定のランド3Aの位置に合致するように)位置決めする。そして、BGA素子2の端子2Aを上述の位置決めがなされたシート1の所定位置の導通孔13にはめ込むことにより、BGA素子2の端子2Aについて導通孔13へ収容させる。
このとき、断熱絶縁層12上面側における導通孔13に、BGA素子2の底面に設けられた端子2Aを収納する。このように、導熱絶縁層11の各導通孔13を回路基板3における対応するランド3A位置に合致するように予め位置決めしておき、次いで上述のごとく位置決めされた素子基板間介装用シート1にBGA素子2を収容させるようにすれば、BGA素子2の装着作業はより容易なものとなる。
このとき、断熱絶縁層12上面側における導通孔13に、BGA素子2の底面に設けられた端子2Aを収納する。このように、導熱絶縁層11の各導通孔13を回路基板3における対応するランド3A位置に合致するように予め位置決めしておき、次いで上述のごとく位置決めされた素子基板間介装用シート1にBGA素子2を収容させるようにすれば、BGA素子2の装着作業はより容易なものとなる。
そして、素子基板間介装用シート1における導熱絶縁層11の外周部の例えば四方の4点11a〜11d[図1(a)参照]を加熱端子とし、この加熱端子11a〜11dに対して図示しないヒータ端子等を通じて熱を加えることにより、導通孔13の開口部に付着された上述の半田に熱変形を生じさせ、設置ステップで回路基板3上の所定位置に設置されたBGA素子2を、導通孔13に収容された端子2Aを通じて回路基板3に結線させる(結線ステップ)。
すなわち、素子基板間介装用シート1における熱伝導性の良いシート面となる導熱絶縁層11を基板側に対面させて位置決めすることにより、半田を効率的に溶融させることができるほか、断熱性の良いシート面となる断熱絶縁層12をBGA素子2に対面するようにしているので、導熱絶縁層11に加えられた熱がBGA素子2をなす回路素子本体2B側に伝搬されることを抑制させる。これにより、BGA素子2の回路基板3への装着を行なっても、導熱絶縁層11に加えられた熱で回路素子本体2Bが半田溶融温度となることはなくなるため、回路素子本体2B内の半田を溶融させることがなくなり、BGA素子2の品質を維持させることができる。
また、BGA素子等の回路素子2の熱膨張係数と回路基板3の熱膨張係数とが大きく異なる場合においても、回路素子本体2Bの部分が加熱されることなく、半田が付着している部分のみを局所的に加熱させることができるので、両者の熱膨張係数の相違によるせん断応力の発生を防止し、クラックの発生を抑えることができる。
なお、上述のごとく取り付けられたBGA素子2を回路基板3から取り外す際においては、上述した取り付け処理における逆の手順の作業を行なうことで、BGA素子2の品質に影響を与えることなく取り外し作業を容易に行なうことができる。具体的には、結線ステップでBGA素子2と回路基板3とが結線された後、素子基板間介装用シート1における導熱絶縁層11の外周部の加熱端子11a〜11dを加熱して、導通孔13の導熱絶縁層11側開口部に付着している半田を溶融させることにより、BGA素子2を回路基板3から取り外すことができる(取り外しステップ)。
なお、上述のごとく取り付けられたBGA素子2を回路基板3から取り外す際においては、上述した取り付け処理における逆の手順の作業を行なうことで、BGA素子2の品質に影響を与えることなく取り外し作業を容易に行なうことができる。具体的には、結線ステップでBGA素子2と回路基板3とが結線された後、素子基板間介装用シート1における導熱絶縁層11の外周部の加熱端子11a〜11dを加熱して、導通孔13の導熱絶縁層11側開口部に付着している半田を溶融させることにより、BGA素子2を回路基板3から取り外すことができる(取り外しステップ)。
図4は上述のごとき導熱絶縁層11外周部の4方の端子11a〜11dを通じて熱を加えることで、加熱される貫通孔13群の温度変化の一例(A)を、前述の図9に示す手法による場合の温度変化(B)と対比して示す図である。外周部の端子11a〜11dからシート面中央部に近くなるにしたがって熱伝導特性は低下するが、4方の端子11a〜11dを加熱端子とすることで、この図4の(A)に示すように、問題なく半田融解温度に達する。さらに、融解温度到達までの時間に関しても、前述の図9に示す熱/加圧ガスによるリフロー加熱を行なう手法の場合に要する時間(B)に比べ短時間で足りるため、基板3への熱的影響をより少なくすることができる。
このように、本発明の第1実施形態にかかる素子基板間介装用シート1によれば、導熱絶縁層11,断熱絶縁層12および導通孔13をそなえ、導熱絶縁層11を回路基板3側に対面させ、断熱絶縁層12をBGA素子2に対面するようにして回路基板3に対するBGA素子2の位置を位置決めして、導熱絶縁層11の加熱によりBGA素子2を回路基板3に取り付けることができるので、導熱絶縁層11に加えられた熱がBGA素子2をなす回路素子本体2B側に伝搬されることを抑制させ、BGA素子2の回路基板3への装着を行なっても、導熱絶縁層11に加えられた熱で回路素子本体2Bが半田溶融温度となることはなくなるため、回路素子本体2B内の半田を溶融させることがなくなり、BGA素子2の品質を維持させることができる。
さらには、通常、BGA素子2等が回路基板3に取り付けられて製造された回路デバイスを動作させた場合に回路動作に不具合が生じた場合には、回路基板3に取り付けられているBGA素子2等の回路部品を取り外して、取り外した各部品について解析を行なうが、その際の取り外し作業自体についてはBGA素子2の品質を維持させることができるので、回路動作に不具合が発生した時の状態により近い形で、部品解析を行なうことができ、不具合発生時における原因追求の効率性が著しく改善される。
また、図9に示す手法に比して、短時間で半田溶融点に到達するため、回路基板3側への熱ストレスが少なくすみ、回数を制限していた回路基板3についてのリペア回数についても大幅に改善させることができ、その結果、高額部品が搭載された回路基板3全体を廃却する回数も減る事から、製造コストの大幅な改善を図ることができる。
さらに、BGA素子2が占める領域に加えて、熱伝導用端子分の領域のわずかな領域を回路基板3上に確保しておくのみで、回路の組立/リペアが行なうことができるので、図9の手法において(ノズル等のため)必要であった領域に比べ小さい領域で対応することができ、回路設計の際の自由度を向上させることができる。
さらに、BGA素子2が占める領域に加えて、熱伝導用端子分の領域のわずかな領域を回路基板3上に確保しておくのみで、回路の組立/リペアが行なうことができるので、図9の手法において(ノズル等のため)必要であった領域に比べ小さい領域で対応することができ、回路設計の際の自由度を向上させることができる。
〔B〕第2実施形態の説明
図5(a)は本発明の第2実施形態にかかる素子基板間介装用シート1Aを示す上視図であり、図5(b)は図5(a)に示す素子基板間介装用シート1AのBB断面について、BGA素子2を回路基板3へ取り付ける場合に着目して示す図である。
第2実施形態にかかる素子基板間介装用シート1Aは、例えば前述の素子基板間介装用シート1を用いてBGA素子2を回路基板3に取り付けた結果、特定の端子2Aについての回路基板3上の接続ポイントを変更(配線変更)する必要が生じた場合において用いることができるものである。
図5(a)は本発明の第2実施形態にかかる素子基板間介装用シート1Aを示す上視図であり、図5(b)は図5(a)に示す素子基板間介装用シート1AのBB断面について、BGA素子2を回路基板3へ取り付ける場合に着目して示す図である。
第2実施形態にかかる素子基板間介装用シート1Aは、例えば前述の素子基板間介装用シート1を用いてBGA素子2を回路基板3に取り付けた結果、特定の端子2Aについての回路基板3上の接続ポイントを変更(配線変更)する必要が生じた場合において用いることができるものである。
また、第2実施形態にかかる素子基板間介装用シート1Aは、前述の第1実施形態におけるもの(符号1参照)に比して、導通遮断端子収容部14をそなえるとともに、この導通遮断端子収容部14と特定の導通孔13−1とを横断導通させる横断導通部15をそなえている点が異なっているが、それ以外の構成については前述の第1実施形態の場合と基本的に同様である。尚、図5(a),図5(b)中、図1(a),図1(b)と同一の符号は、ほぼ同様の部分を示している。
ここで、導通遮断端子収容部14は、断熱絶縁層12側よりBGA素子2の端子2Aを収容して、導熱絶縁層11側に設けられる回路基板3への導通を遮断する構造をもつものであって、例えば、図5(b)に示すように、導通孔13を設ける際には断熱絶縁層12および導熱絶縁層11を貫通するように孔を空ける一方、貫通された導通孔13のうちで導通遮断端子収容部14とすべき箇所の孔を例えば絶縁性の高温耐圧シート14aを貼り付けて塞ぐようにする。
なお、この高温耐圧シート14aの寸法としては、導通遮断端子収容部14とすべき箇所を塞ぐために要する寸法があれば足りるが、例えば導熱絶縁層11とほぼ同一の寸法を有するとともに、導通孔13とすべき部分と重なる箇所には孔が設けられ、導通遮断端子収容部14とすべき箇所と重なる部分は孔を塞ぐように構成することもできる。
また、上述のごとき高温耐圧シート14aを貼り付ける手法のほか、導通孔13を空ける際に、導通遮断端子収容部14を設ける箇所について、導熱絶縁層11を貫通させずに、導熱絶縁層11の一部を残存させるように孔を空けるようにしてもよい。
また、上述のごとき高温耐圧シート14aを貼り付ける手法のほか、導通孔13を空ける際に、導通遮断端子収容部14を設ける箇所について、導熱絶縁層11を貫通させずに、導熱絶縁層11の一部を残存させるように孔を空けるようにしてもよい。
また、横断導通部15は、図5(b)に示すように、導熱絶縁層11にそなえられ、導通遮断端子収容部14に収容される端子2A−1と特定の導通孔(この場合においては導通遮断端子収容部14に隣接する導通孔13−1)に収容される端子2A−2とを横断導通させるためのものである。この横断導通部15としては、例えばこの図5(b)に示すように、溝部15aと溝部15aに充填される半田15bとにより構成することができる。
換言すれば、この溝部15aは、導通遮断端子収容部14と特定の導通孔(例えば、導通遮断端子収容部14に隣接する導通孔)13−1とを横断接続する連絡溝として機能し、この溝部15aに充填された半田15bにより、溝部15aに設けられた導電ラインとして機能している。尚、上述の横断導通部15の構成としては、少なくとも端子2A−1および2A−2間を接続させることができれば、ワイヤ等を、導熱絶縁層11内を横断配線することにより構成することとしてもよい。
図6は第2実施形態にかかる素子基板間介装用シート1Aの製造工程について示す図である。ここで、図6の(a)〜(c),(e)は、素子基板間介装用シート1Aの製造工程を、前述の図5(b)の断面に相当する図で示すものであり、(d)は、素子基板間介装用シート1Aの横断導通部15の形成部分に着目した上視図である。
この図6の(a)および(b)に示すように、導熱絶縁層11としてのセラミック基板上に断熱絶縁層12としてのエポキシ樹脂をコーティングする工程までは、前述の第1実施形態における素子基板間介装用シート1の場合と同様である。そして、ドリル等を使用することにより、図6の(c)に示すように、導通孔13とともに導通遮断端子収容部14を穿孔する。尚、この図6の(c)の場合においては、該当箇所について導熱絶縁層11を貫通させずに、導熱絶縁層11の一部を残存させるようにして、導通遮断端子収容部14を形成している。
この図6の(a)および(b)に示すように、導熱絶縁層11としてのセラミック基板上に断熱絶縁層12としてのエポキシ樹脂をコーティングする工程までは、前述の第1実施形態における素子基板間介装用シート1の場合と同様である。そして、ドリル等を使用することにより、図6の(c)に示すように、導通孔13とともに導通遮断端子収容部14を穿孔する。尚、この図6の(c)の場合においては、該当箇所について導熱絶縁層11を貫通させずに、導熱絶縁層11の一部を残存させるようにして、導通遮断端子収容部14を形成している。
ついで、図6の(d)に示すように、レーザ加工等により、配線経路変更用の溝部15aを形成して、形成された溝部15aを半田15bで充填しておく。又、各導通孔13における導熱絶縁層11の下面側の開口部とともに、導通遮断端子収容部14の底にも、半田(半田ペースト)を付着させておく。
換言すれば、溝部15aに充填された半田15bと、導通遮断端子収容部14の底に付着した半田と、溝部15aで導通遮断端子収容部14と横断接続される導通孔13の下面側開口部に付着した半田と、が加熱により溶融されて一体に固着することとなるので、導通遮断端子収容部14に収容された端子2Aの回路基板3側の接続点を変更、即ち配線変更することができるのである。
換言すれば、溝部15aに充填された半田15bと、導通遮断端子収容部14の底に付着した半田と、溝部15aで導通遮断端子収容部14と横断接続される導通孔13の下面側開口部に付着した半田と、が加熱により溶融されて一体に固着することとなるので、導通遮断端子収容部14に収容された端子2Aの回路基板3側の接続点を変更、即ち配線変更することができるのである。
なお、上述のごとき導通孔13および導通遮断端子収容部14が設けられると、前述の第1実施形態の場合と同様、必要に応じて導熱絶縁層11であるセラミック基板の表面(図中下側の面)を研磨して、素子基板間介装用シート1の厚みを、搭載される回路素子2の端子2Aの径にマッチングするように適宜調整しておくことができる[図6の(e)参照]。
上述の構成により、本発明の第2実施形態にかかる素子基板間介装用シート1Aについては、前述の第1実施形態にかかる素子基板間介装用シート1を用いて配線を行なったものについて回路の不具合等、配線変更を行なう必要が生じた場合に、以下に示すように利用することにより、BGA素子2や回路基板3の配線はそのままに、配線経路を変更することができる。
このとき、上述の素子基板間介装用シート1Aとしては、図5(b)に示すように、配線変更の対象となる端子2A−1が収容される孔を導通遮断端子収容部14とされ、配線変更の対象となる端子2A−1の接続先を、ランド3A−1からランド3A−2とすることができるような横断導通部15をそなえたものを形成しておく。
そして、上述のごとく形成された素子基板間介装用シート1Aを用いて、底面に端子2A(2A−1,2A−2)が設けられたBGA素子2と回路基板3とを接続する際に、本実施形態にかかる素子基板間介装用シート1Aについて、回路基板3上の所定位置への位置決めとともに、BGA素子2の端子2A(2A−1,2A−2)についての導通孔13(13−1)および導通遮断端子収容部14への収容を行なう(設置ステップ)。
そして、上述のごとく形成された素子基板間介装用シート1Aを用いて、底面に端子2A(2A−1,2A−2)が設けられたBGA素子2と回路基板3とを接続する際に、本実施形態にかかる素子基板間介装用シート1Aについて、回路基板3上の所定位置への位置決めとともに、BGA素子2の端子2A(2A−1,2A−2)についての導通孔13(13−1)および導通遮断端子収容部14への収容を行なう(設置ステップ)。
そして、素子基板間介装用シート1Aにおける導熱絶縁層11の外周部の4点11a〜11dを図示しないヒータ等を用いて加熱することにより、導通遮断端子収容部14,横断導通部15および導通孔13(13−1)の半田に熱変形を生じさせ、設置ステップで回路基板3上の所定位置に設置されたBGA素子2を、導通孔13(13−1)に収容された端子2A−2を通じて回路基板3に結線させる(結線ステップ)。
このとき、図5(b)に示すように、配線変更の対象となる端子2A−1は、導通遮断端子収容部14に収容されているのでランド3A−1への導通を遮断させる一方、横断導通部15により、端子2A−1を端子2A−2を通じてランド3A−2へ導通させるようにすることができる。換言すれば、導通遮断端子収容部14に収容された端子2A−1を、横断導通部15および導通遮断端子収容部14に隣接する導通孔13−1を介して、回路基板3に結線させることができるのである。
このように、本発明の第2実施形態にかかる素子基板間介装用シート1Aによれば、導熱絶縁層11,断熱絶縁層12および導通孔13をそなえるとともに、導通遮断端子収容部14および横断導通部15をそなえているので、前述の第1実施形態の場合と同様の利点があるほか、BGA素子2の回路基板3に対する配線設定の変更(設計変更)が生じた場合において、同一のBGA素子2を、介装されるシートを変更して回路基板3に再取り付けを行なうことができ、端子内部において布線を実施することは不要となり、BGA半田接合面の干渉を防止することができる。更には、BGA素子2に設けられるすべての端子2Aについての配線経路変更に対応することが容易となる利点もある。
〔C〕第3実施形態の説明
図7(a)は本発明の第3実施形態にかかる素子基板間介装用シート1Bを示す上視図であり、図7(b)は図7(a)に示す素子基板間介装用シート1BのCC断面について、BGA素子2を回路基板3へ取り付ける場合に着目して示す図である。
第3実施形態にかかる素子基板間介装用シート1Bは、前述の第1,第2実施形態におけるもの(符号1,1A参照)に比して、取り付けられるBGA素子2についての隣接する端子2A−1,2A−2(2A)間を、チップ部品16を介して接続するための構造をそなえている点が異なっているが、それ以外の構成については基本的に同様である。尚、図7(a),図7(b)中、図1(a),図1(b)と同一の符号は、ほぼ同様の部分を示している。
図7(a)は本発明の第3実施形態にかかる素子基板間介装用シート1Bを示す上視図であり、図7(b)は図7(a)に示す素子基板間介装用シート1BのCC断面について、BGA素子2を回路基板3へ取り付ける場合に着目して示す図である。
第3実施形態にかかる素子基板間介装用シート1Bは、前述の第1,第2実施形態におけるもの(符号1,1A参照)に比して、取り付けられるBGA素子2についての隣接する端子2A−1,2A−2(2A)間を、チップ部品16を介して接続するための構造をそなえている点が異なっているが、それ以外の構成については基本的に同様である。尚、図7(a),図7(b)中、図1(a),図1(b)と同一の符号は、ほぼ同様の部分を示している。
すなわち、第3実施形態にかかる素子基板間介装用シート1Bにおいては、導通孔13は複数設けられ、これら導通孔13のうち一の導通孔13−1に収容される端子2A−1[図7(b)参照]と、この導通孔13−1に隣接する導通孔13−2に収容される端子2A−2との間を接続するチップ回路16が、上述の導通孔13−1および導通孔13−2の間に設けられている。この場合においては、チップ回路16としては、例えば雑音除去用の容量性のチップ回路とすることができる。
ここで、導通孔13−1,13−2間は、断熱絶縁層12および導熱絶縁層11に渡る深さを持つ溝部17aにより連絡され、この溝部17aには、その中間位置にチップ回路16が設けられるとともに、チップ回路16の両端部をそれぞれの端子2A−1,2A−2が接続されるように半田17bが充填されている。換言すれば、端子2A−1,2A−2間を接続するチップ回路16は、素子基板間介装用シート1Bに埋め込まれている。尚、上述のチップ回路16の両端部と端子2A−1,2A−2とは、図7(b)に示すような半田17bによって接続する態様のほかに、ワイヤを用いて接続することもできる。
なお、上述のチップ回路16の端子2Aに対する接続態様は、上述の図7(b)に示すものに限定されるものでなく、回路設計に従って種々の接続態様を持たせることができる。例えば、一つの端子のみに接続する態様としてもよいし、前述の第2実施形態の場合と同様の導通遮断端子収容部14を隣接した位置に2つ設けて、これら収容部14に収容された端子2A間を接続するようにしてもよい。
図8は第3実施形態にかかる素子基板間介装用シート1Bの製造工程について示す図である。ここで、図8の(a)〜(c),(e)は、素子基板間介装用シート1Bの製造工程を、前述の図7(b)の断面に相当する図で示すものであり、(d)は、素子基板間介装用シート1Bにおけるチップ回路16の端子2A−1,2A−2への接続箇所に着目した上視図である。
この図8の(a)および(b)に示すように、導熱絶縁層11としてのセラミック基板上に断熱絶縁層12としてのエポキシ樹脂をコーティングする工程までは、前述の第1,第2実施形態の場合と同様である。そして、ドリル等を使用することにより、図8の(c)に示すように、導通孔13を穿孔する。
この図8の(a)および(b)に示すように、導熱絶縁層11としてのセラミック基板上に断熱絶縁層12としてのエポキシ樹脂をコーティングする工程までは、前述の第1,第2実施形態の場合と同様である。そして、ドリル等を使用することにより、図8の(c)に示すように、導通孔13を穿孔する。
ついで、図8の(d)に示すように、レーザ加工等により、配線経路変更用の溝部17aを形成する。この溝部17aは、チップ回路16を埋め込むことができるような大きさとなるように形成しておく。そして、このように形成された溝部17aの中間位置にチップ回路16を埋め込むとともに、収容される端子2A−1,2A−2間がチップ回路16で介装接続されるように半田17bを充填する。
なお、上述のごとき導通孔13が設けられると、前述の第1実施形態の場合と同様、必要に応じて導熱絶縁層11であるセラミック基板の表面(図中下側の面)を研磨して、素子基板間介装用シート1の厚みを、搭載されるBGA素子2の端子2Aの径にマッチングするように適宜調整することができる[図8の(e)参照]。又、前述の第1実施形態の場合と同様、各導通孔13における導熱絶縁層11の下面側の開口部にも、半田(半田ペースト)を付着させておく。
上述の構成により、本発明の第3実施形態にかかる素子基板間介装用シート1Bを用いて、BGA素子2を回路基板3に取り付ける場合には、前述の第1実施形態の場合と同様の手法によって行なうことができる。
すなわち、BGA素子2と回路基板3とを接続する際に、上述のごとく構成された素子基板間介装用シート1Bについて、回路基板3上の所定位置への位置決めとともに、BGA素子2の端子2Aについての導通孔13への収容を行なう(設置ステップ)。
すなわち、BGA素子2と回路基板3とを接続する際に、上述のごとく構成された素子基板間介装用シート1Bについて、回路基板3上の所定位置への位置決めとともに、BGA素子2の端子2Aについての導通孔13への収容を行なう(設置ステップ)。
そして、素子基板間介装用シート1Bにおける導熱絶縁層11の外周部の4点11a〜11dを図示しないヒータを用いて加熱することにより、導通孔13および溝部17aに充填されている半田に熱変形を生じさせ、設置ステップで該回路基板上の所定位置に設置されたBGA素子2の端子2A−1,2A−2(2A)を、それぞれ導通孔13−1,13−2に収容され溶融された半田を通じて回路基板3におけるランド3に結線させる(結線ステップ)。
このとき、溝部17aに充填されている半田17bについても、溶融されることにより、チップ回路16は、導通孔13−1,13−2に収容された端子2A−1,2A−2と接続されるので、これらの端子2A−1,2A−2を、チップ回路16を介して電気的に接続することができる。
したがって、雑音除去用のチップ回路16は、端子2A−1,2A−2間の最短距離である直線距離上に介装することができるので、チップ回路16に関しての配線を最大限効率化させることができる。
したがって、雑音除去用のチップ回路16は、端子2A−1,2A−2間の最短距離である直線距離上に介装することができるので、チップ回路16に関しての配線を最大限効率化させることができる。
このように、本発明の第3実施形態によれば、素子基板間介装用シート1Bにチップ回路16が埋め込まれているので、導通孔13−1,13−2にそれぞれ収容される端子2A−1,2A−2間の最短距離である直線距離上に雑音除去用のチップ回路を介装することができ、簡素な手法で、BGA素子2の端子間で最短距離にチップ部品を高い位置精度で搭載することができるので、製造コストを抑えながら、回路性能を向上させることができる利点がある。
〔D〕その他
なお、上述の本実施形態のほか、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。
〔E〕付記
(付記1) 底面に端子が設けられた回路素子と回路基板との間に介装されて、前記端子と回路基板とを接続するための素子基板間介装用シートであって、
絶縁特性を有し、熱を供給することにより半田を溶融可能にする導熱性を有する導熱絶縁層と、
該導熱絶縁層の上層に該導熱絶縁層の外周部を残して積層され、絶縁特性を有し該導熱絶縁層に加えられた熱を断熱しうる断熱絶縁層と、をそなえるとともに、
該断熱絶縁層の上面側に設けられる前記回路素子の端子を収容して、該端子を、該導熱絶縁層の下面側に設けられる回路基板に導通させる導通孔が設けられたことを特徴とする、素子基板間介装用シート。
なお、上述の本実施形態のほか、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。
〔E〕付記
(付記1) 底面に端子が設けられた回路素子と回路基板との間に介装されて、前記端子と回路基板とを接続するための素子基板間介装用シートであって、
絶縁特性を有し、熱を供給することにより半田を溶融可能にする導熱性を有する導熱絶縁層と、
該導熱絶縁層の上層に該導熱絶縁層の外周部を残して積層され、絶縁特性を有し該導熱絶縁層に加えられた熱を断熱しうる断熱絶縁層と、をそなえるとともに、
該断熱絶縁層の上面側に設けられる前記回路素子の端子を収容して、該端子を、該導熱絶縁層の下面側に設けられる回路基板に導通させる導通孔が設けられたことを特徴とする、素子基板間介装用シート。
(付記2) 前記回路素子の底面に複数設けられた各端子の箇所に対応して、該各端子を導通させる導通孔が複数設けられたことを特徴とする、付記1記載の素子基板間介装用シート。
(付記3) 該導通孔の該導熱絶縁層の下面側の開口部に付着された半田をそなえて構成されたことを特徴とする、付記1又は2記載の素子基板間介装用シート。
(付記3) 該導通孔の該導熱絶縁層の下面側の開口部に付着された半田をそなえて構成されたことを特徴とする、付記1又は2記載の素子基板間介装用シート。
(付記4) 該断熱絶縁層側に設けられる前記回路素子の端子を収容して、該導熱絶縁層側に設けられる回路基板への導通を遮断する導通遮断端子収容部をそなえるとともに、
該導通遮断端子収容部に収容される端子と特定の導通孔に収容される端子とを横断導通させるための横断導通部が、該導熱絶縁層にそなえて構成されたことを特徴とする、付記1記載の素子基板間介装用シート。
該導通遮断端子収容部に収容される端子と特定の導通孔に収容される端子とを横断導通させるための横断導通部が、該導熱絶縁層にそなえて構成されたことを特徴とする、付記1記載の素子基板間介装用シート。
(付記5) 該横断導通部が、該導熱絶縁層上において該導通遮断端子収容部および該特定の導通孔を横断接続する連絡溝と、該連絡溝に設けられた導電ラインと、をそなえて構成されたことを特徴とする、付記4記載の素子基板間介装用シート。
(付記6) 前記の回路素子の端子に接続されるチップ回路が埋め込まれたことを特徴とする、付記1記載の素子基板間介装用シート。
(付記6) 前記の回路素子の端子に接続されるチップ回路が埋め込まれたことを特徴とする、付記1記載の素子基板間介装用シート。
(付記7) 該チップ回路が、雑音除去用のチップ回路であることを特徴とする、付記6記載の素子基板間介装用シート。
(付記8) 底面に端子が設けられた回路素子と回路基板とを接続する際に、
絶縁特性を有するとともに熱を供給することにより半田を溶融可能にする導熱性を有する導熱絶縁層と、該導熱絶縁層の上層に該導熱絶縁層の外周部を残して積層され絶縁特性を有するとともに該導熱絶縁層に加えられた熱を断熱しうる断熱絶縁層とをそなえるとともに、該断熱絶縁層の上面側に設けられる前記回路素子の端子を収容して該端子を該導熱絶縁層の下面側に設けられる回路基板に導通させる導通孔が設けられた素子基板間介装用シートであって、該導通孔の該導熱絶縁層の下面側の開口部に該半田が付着された素子基板間介装用シートについて、該回路基板上の所定位置への位置決めとともに、該回路素子の端子についての該導通孔への収容を行なう設置ステップと、
該素子基板間介装用シートにおける該導熱絶縁層の外周部を加熱することにより、該半田に熱変形を生じさせ、該設置ステップで該回路基板上の所定位置に設置された該回路素子を、該導通孔に収容された端子を通じて該回路基板に結線させる結線ステップと、をそなえて構成されたことを特徴とする、素子基板間介装用シートを用いた回路製造方法。
(付記8) 底面に端子が設けられた回路素子と回路基板とを接続する際に、
絶縁特性を有するとともに熱を供給することにより半田を溶融可能にする導熱性を有する導熱絶縁層と、該導熱絶縁層の上層に該導熱絶縁層の外周部を残して積層され絶縁特性を有するとともに該導熱絶縁層に加えられた熱を断熱しうる断熱絶縁層とをそなえるとともに、該断熱絶縁層の上面側に設けられる前記回路素子の端子を収容して該端子を該導熱絶縁層の下面側に設けられる回路基板に導通させる導通孔が設けられた素子基板間介装用シートであって、該導通孔の該導熱絶縁層の下面側の開口部に該半田が付着された素子基板間介装用シートについて、該回路基板上の所定位置への位置決めとともに、該回路素子の端子についての該導通孔への収容を行なう設置ステップと、
該素子基板間介装用シートにおける該導熱絶縁層の外周部を加熱することにより、該半田に熱変形を生じさせ、該設置ステップで該回路基板上の所定位置に設置された該回路素子を、該導通孔に収容された端子を通じて該回路基板に結線させる結線ステップと、をそなえて構成されたことを特徴とする、素子基板間介装用シートを用いた回路製造方法。
(付記9) 底面に端子が設けられた回路素子と回路基板とを接続する際に、
絶縁特性を有するとともに熱を供給することにより半田を溶融可能にする導熱性を有する導熱絶縁層と、該導熱絶縁層の上層に該導熱絶縁層の外周部を残して積層され絶縁特性を有するとともに該導熱絶縁層に加えられた熱を断熱しうる断熱絶縁層とをそなえるとともに、該断熱絶縁層の上面側より前記回路素子の第1端子を収容して該第1端子を該導熱絶縁層の下面側に設けられる回路基板に導通させる導通孔が設けられ、かつ、該断熱絶縁層の上面側より前記回路素子の第2端子を収容するが該導熱絶縁層側に設けられる回路基板への導通を遮断する導通遮断端子収容部をそなえるとともに、該導通遮断端子収容部に収容される端子と特定の導通孔に収容される端子とを横断導通させるための横断導通部が、該導熱絶縁層にそなえて構成された素子基板間介装用シートであって、該導通孔における該導熱絶縁層下面側の開口部に該半田が付着された素子基板間介装用シートについて、該回路基板上の所定位置への位置決めとともに、該回路素子の端子についての該導通孔への収容を行なう設置ステップと、
該素子基板間介装用シートにおける該導熱絶縁層の外周部を加熱することにより、該半田に熱変形を生じさせ、該設置ステップで該回路基板上の所定位置に設置された該回路素子を、該導通孔に収容された端子を通じて該回路基板に結線させる結線ステップと、をそなえ、
該設置ステップで該導通遮断端子収容部に収容された端子が、該横断導通部および該特定の導通孔を介して、該回路基板に結線されることを特徴とする、素子基板間介装用シートを用いた回路製造方法。
絶縁特性を有するとともに熱を供給することにより半田を溶融可能にする導熱性を有する導熱絶縁層と、該導熱絶縁層の上層に該導熱絶縁層の外周部を残して積層され絶縁特性を有するとともに該導熱絶縁層に加えられた熱を断熱しうる断熱絶縁層とをそなえるとともに、該断熱絶縁層の上面側より前記回路素子の第1端子を収容して該第1端子を該導熱絶縁層の下面側に設けられる回路基板に導通させる導通孔が設けられ、かつ、該断熱絶縁層の上面側より前記回路素子の第2端子を収容するが該導熱絶縁層側に設けられる回路基板への導通を遮断する導通遮断端子収容部をそなえるとともに、該導通遮断端子収容部に収容される端子と特定の導通孔に収容される端子とを横断導通させるための横断導通部が、該導熱絶縁層にそなえて構成された素子基板間介装用シートであって、該導通孔における該導熱絶縁層下面側の開口部に該半田が付着された素子基板間介装用シートについて、該回路基板上の所定位置への位置決めとともに、該回路素子の端子についての該導通孔への収容を行なう設置ステップと、
該素子基板間介装用シートにおける該導熱絶縁層の外周部を加熱することにより、該半田に熱変形を生じさせ、該設置ステップで該回路基板上の所定位置に設置された該回路素子を、該導通孔に収容された端子を通じて該回路基板に結線させる結線ステップと、をそなえ、
該設置ステップで該導通遮断端子収容部に収容された端子が、該横断導通部および該特定の導通孔を介して、該回路基板に結線されることを特徴とする、素子基板間介装用シートを用いた回路製造方法。
(付記10) 底面に複数の端子が設けられた回路素子と回路基板とを接続する際に、
絶縁特性を有するとともに熱を供給することにより前記端子を溶融可能にする導熱性を有する導熱絶縁層と、該導熱絶縁層の上層に該導熱絶縁層の外周部を残して積層され絶縁特性を有するとともに該導熱絶縁層に加えられた熱を断熱しうる断熱絶縁層とをそなえるとともに、該断熱絶縁層の上面側に設けられる前記回路素子の複数の端子をそれぞれ収容して各端子を該導熱絶縁層の下面側に設けられる回路基板に導通させる複数の導通孔が設けられ、かつ、前記の回路素子の端子に接続されるチップ回路が埋め込まれた素子基板間介装用シートであって、該導通孔の該導熱絶縁層下面側の開口部に半田が付着された素子基板間介装用シートについて、該回路基板上の所定位置への位置決めとともに、該回路素子の端子についての該導通孔への収容を行なう設置ステップと、
該素子基板間介装用シートにおける該導熱絶縁層の外周部を加熱することにより、該半田に熱変形を生じさせ、該設置ステップで該回路基板上の所定位置に設置された該回路素子を、該導通孔に収容され溶融された端子を通じて該回路基板に結線させる結線ステップと、をそなえて構成されたことを特徴とする、素子基板間介装用シートを用いた回路製造方法。
絶縁特性を有するとともに熱を供給することにより前記端子を溶融可能にする導熱性を有する導熱絶縁層と、該導熱絶縁層の上層に該導熱絶縁層の外周部を残して積層され絶縁特性を有するとともに該導熱絶縁層に加えられた熱を断熱しうる断熱絶縁層とをそなえるとともに、該断熱絶縁層の上面側に設けられる前記回路素子の複数の端子をそれぞれ収容して各端子を該導熱絶縁層の下面側に設けられる回路基板に導通させる複数の導通孔が設けられ、かつ、前記の回路素子の端子に接続されるチップ回路が埋め込まれた素子基板間介装用シートであって、該導通孔の該導熱絶縁層下面側の開口部に半田が付着された素子基板間介装用シートについて、該回路基板上の所定位置への位置決めとともに、該回路素子の端子についての該導通孔への収容を行なう設置ステップと、
該素子基板間介装用シートにおける該導熱絶縁層の外周部を加熱することにより、該半田に熱変形を生じさせ、該設置ステップで該回路基板上の所定位置に設置された該回路素子を、該導通孔に収容され溶融された端子を通じて該回路基板に結線させる結線ステップと、をそなえて構成されたことを特徴とする、素子基板間介装用シートを用いた回路製造方法。
(付記11) 該結線ステップで前記の回路素子と回路基板とが結線された後、該素子基板間介装用シートにおける該導熱絶縁層の外周部を加熱して、該半田を溶融させることにより、該回路素子を該回路基板から取り外す取り外しステップをそなえて構成されたことを特徴とする、付記8〜10のいずれか1項記載の素子基板間介装用シートを用いた回路製造方法。
1,1A,1B 素子基板間介装用シート
2 BGA素子
2A,2A−1,2A−2 端子
2B 回路素子本体
2a 底面
3 回路基板
3A,3A−1,3A−2 ランド
11 導熱絶縁層
11a〜11d 加熱端子
11A 外周部
12 断熱絶縁層
13,13−1,13−2 導通孔
14 導通遮断端子収容部
14a 高温耐圧シート
15 横断導通部
15a,17a 溝部
15b,17b 半田
16 チップ回路
101 回路基板
102 BGA素子
102A 素子本体部
102B 半田接合部
103 治具
104櫛歯状ヒータ
105 領域
106 ポイント
107 布線
108 雑音低減チップ
109 配線
2 BGA素子
2A,2A−1,2A−2 端子
2B 回路素子本体
2a 底面
3 回路基板
3A,3A−1,3A−2 ランド
11 導熱絶縁層
11a〜11d 加熱端子
11A 外周部
12 断熱絶縁層
13,13−1,13−2 導通孔
14 導通遮断端子収容部
14a 高温耐圧シート
15 横断導通部
15a,17a 溝部
15b,17b 半田
16 チップ回路
101 回路基板
102 BGA素子
102A 素子本体部
102B 半田接合部
103 治具
104櫛歯状ヒータ
105 領域
106 ポイント
107 布線
108 雑音低減チップ
109 配線
Claims (5)
- 底面に端子が設けられた回路素子と回路基板との間に介装されて、前記端子と回路基板とを接続するための素子基板間介装用シートであって、
絶縁特性を有し、熱を供給することにより半田を溶融可能にする導熱性を有する導熱絶縁層と、
該導熱絶縁層の上層に該導熱絶縁層の外周部を残して積層され、絶縁特性を有し該導熱絶縁層に加えられた熱を断熱しうる断熱絶縁層と、をそなえるとともに、
該断熱絶縁層の上面側に設けられる前記回路素子の端子を収容して、該端子を、該導熱絶縁層の下面側に設けられる回路基板に導通させる導通孔が設けられたことを特徴とする、素子基板間介装用シート。 - 底面に端子が設けられた回路素子と回路基板とを接続する際に、
絶縁特性を有するとともに熱を供給することにより半田を溶融可能にする導熱性を有する導熱絶縁層と、該導熱絶縁層の上層に該導熱絶縁層の外周部を残して積層され絶縁特性を有するとともに該導熱絶縁層に加えられた熱を断熱しうる断熱絶縁層とをそなえるとともに、該断熱絶縁層の上面側に設けられる前記回路素子の端子を収容して該端子を該導熱絶縁層の下面側に設けられる回路基板に導通させる導通孔が設けられた素子基板間介装用シートであって、該導通孔の該導熱絶縁層の下面側の開口部に該半田が付着された素子基板間介装用シートについて、該回路基板上の所定位置への位置決めとともに、該回路素子の端子についての該導通孔への収容を行なう設置ステップと、
該素子基板間介装用シートにおける該導熱絶縁層の外周部を加熱することにより、該半田に熱変形を生じさせ、該設置ステップで該回路基板上の所定位置に設置された該回路素子を、該導通孔に収容された端子を通じて該回路基板に結線させる結線ステップと、をそなえて構成されたことを特徴とする、素子基板間介装用シートを用いた回路製造方法。 - 底面に端子が設けられた回路素子と回路基板とを接続する際に、
絶縁特性を有するとともに熱を供給することにより半田を溶融可能にする導熱性を有する導熱絶縁層と、該導熱絶縁層の上層に該導熱絶縁層の外周部を残して積層され絶縁特性を有するとともに該導熱絶縁層に加えられた熱を断熱しうる断熱絶縁層とをそなえるとともに、該断熱絶縁層の上面側より前記回路素子の第1端子を収容して該第1端子を該導熱絶縁層の下面側に設けられる回路基板に導通させる導通孔が設けられ、かつ、該断熱絶縁層の上面側より前記回路素子の第2端子を収容するが該導熱絶縁層側に設けられる回路基板への導通を遮断する導通遮断端子収容部をそなえるとともに、該導通遮断端子収容部に収容される端子と特定の導通孔に収容される端子とを横断導通させるための横断導通部が、該導熱絶縁層にそなえて構成された素子基板間介装用シートであって、該導通孔における該導熱絶縁層下面側の開口部に該半田が付着された素子基板間介装用シートについて、該回路基板上の所定位置への位置決めとともに、該回路素子の端子についての該導通孔への収容を行なう設置ステップと、
該素子基板間介装用シートにおける該導熱絶縁層の外周部を加熱することにより、該半田に熱変形を生じさせ、該設置ステップで該回路基板上の所定位置に設置された該回路素子を、該導通孔に収容された端子を通じて該回路基板に結線させる結線ステップと、をそなえ、
該設置ステップで該導通遮断端子収容部に収容された端子が、該横断導通部および該特定の導通孔を介して、該回路基板に結線されることを特徴とする、素子基板間介装用シートを用いた回路製造方法。 - 底面に複数の端子が設けられた回路素子と回路基板とを接続する際に、
絶縁特性を有するとともに熱を供給することにより前記端子を溶融可能にする導熱性を有する導熱絶縁層と、該導熱絶縁層の上層に該導熱絶縁層の外周部を残して積層され絶縁特性を有するとともに該導熱絶縁層に加えられた熱を断熱しうる断熱絶縁層とをそなえるとともに、該断熱絶縁層の上面側に設けられる前記回路素子の複数の端子をそれぞれ収容して各端子を該導熱絶縁層の下面側に設けられる回路基板に導通させる複数の導通孔が設けられ、かつ、前記の回路素子の端子に接続されるチップ回路が埋め込まれた素子基板間介装用シートであって、該導通孔の該導熱絶縁層下面側の開口部に半田が付着された素子基板間介装用シートについて、該回路基板上の所定位置への位置決めとともに、該回路素子の端子についての該導通孔への収容を行なう設置ステップと、
該素子基板間介装用シートにおける該導熱絶縁層の外周部を加熱することにより、該半田に熱変形を生じさせ、該設置ステップで該回路基板上の所定位置に設置された該回路素子を、該導通孔に収容され溶融された端子を通じて該回路基板に結線させる結線ステップと、をそなえて構成されたことを特徴とする、素子基板間介装用シートを用いた回路製造方法。 - 該結線ステップで前記の回路素子と回路基板とが結線された後、該素子基板間介装用シートにおける該導熱絶縁層の外周部を加熱して、該半田を溶融させることにより、該回路素子を該回路基板から取り外す取り外しステップをそなえて構成されたことを特徴とする、請求項2〜4のいずれか1項記載の素子基板間介装用シートを用いた回路製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004064334A JP2005252185A (ja) | 2004-03-08 | 2004-03-08 | 素子基板間介装用シートおよび素子基板間介装用シートを用いた回路製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2004064334A JP2005252185A (ja) | 2004-03-08 | 2004-03-08 | 素子基板間介装用シートおよび素子基板間介装用シートを用いた回路製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2005252185A true JP2005252185A (ja) | 2005-09-15 |
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ID=35032352
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Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2004064334A Withdrawn JP2005252185A (ja) | 2004-03-08 | 2004-03-08 | 素子基板間介装用シートおよび素子基板間介装用シートを用いた回路製造方法 |
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JP (1) | JP2005252185A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2014036192A (ja) * | 2012-08-10 | 2014-02-24 | Toshiba Corp | 不揮発性半導体記憶装置 |
-
2004
- 2004-03-08 JP JP2004064334A patent/JP2005252185A/ja not_active Withdrawn
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2014036192A (ja) * | 2012-08-10 | 2014-02-24 | Toshiba Corp | 不揮発性半導体記憶装置 |
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---|---|---|---|
A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20070605 |