[go: up one dir, main page]

JP2005248198A - ニッケル粉末、並びにそれを用いた導電ペースト及び積層セラミックコンデンサ - Google Patents

ニッケル粉末、並びにそれを用いた導電ペースト及び積層セラミックコンデンサ Download PDF

Info

Publication number
JP2005248198A
JP2005248198A JP2004056074A JP2004056074A JP2005248198A JP 2005248198 A JP2005248198 A JP 2005248198A JP 2004056074 A JP2004056074 A JP 2004056074A JP 2004056074 A JP2004056074 A JP 2004056074A JP 2005248198 A JP2005248198 A JP 2005248198A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
nickel
nickel powder
gas
powder
particle size
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2004056074A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4540364B2 (ja
Inventor
Takashi Fujii
隆 藤井
Takayuki Ito
孝之 伊藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toho Titanium Co Ltd
Original Assignee
Toho Titanium Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toho Titanium Co Ltd filed Critical Toho Titanium Co Ltd
Priority to JP2004056074A priority Critical patent/JP4540364B2/ja
Publication of JP2005248198A publication Critical patent/JP2005248198A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4540364B2 publication Critical patent/JP4540364B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Manufacture Of Metal Powder And Suspensions Thereof (AREA)
  • Powder Metallurgy (AREA)
  • Ceramic Capacitors (AREA)

Abstract

【課題】CV値とタップ密度とを増加させることにより、焼結挙動の改善、膜密度の向上及び耐酸化性の改善に伴う、各種欠陥の発生を防止したニッケル粉末を提供する。
【解決手段】粒度分布が(d10+d90)/d50で、3.0〜6.0であり、比表面積が1.0〜1.6m/gである。
【選択図】 図1

Description

本発明は、ニッケル粉末、並びにそれを用いた導電ペースト及び積層セラミックコンデンサに係り、特に、CV値とタップ密度とを増加させることにより、焼結挙動の改善、膜密度の向上及び耐酸化性の改善に伴う、各種欠陥の発生を防止したニッケル粉末の開発技術に関する。
ニッケル、銅、銀、白金等の金属粉末は、電子回路の導体形成に広く使用されており、特に積層セラミックコンデンサの内部電極形成に有用である。積層セラミックコンデンサは、チタン酸バリウム、チタン酸ストロンチウム等のセラミックスのペーストと、導電性を有する金属粉末のペーストとを積層した後に焼結することで、セラミックスの誘電体層と金属微粉末の内部電極層とを交互に形成したものである。前述のニッケル、銅、銀、白金等の導電性を有する金属粉末の中でも、ニッケル粉末は安価であること、及び還元性雰囲気での焼結が可能であること等から、このような用途においてとりわけ注目されている。
上記積層セラミックコンデンサは、一般には、以下のような方法で製造される。すなわち、チタン酸バリウム等の誘電体粉末を有機バインダと混合して懸濁させ、これをドクターブレード法によりシート状に形成して誘電体グリーンシートを作製する。一方、内部電極用のニッケル粉末を有機溶剤、可塑剤、有機バインダ、ペースト形成用分散剤等と混合、分散してニッケル粉末ペーストを形成する。その後、ニッケル粉末ペーストを上記グリーンシート上にスクリーン印刷法で印刷する。次いで、乾燥、積層及び圧着を施し、加熱処理を行って有機成分を除去した後、1300℃前後、又はそれ以上の温度で焼成し、その後誘電体セラミック層の両端に外部電極を焼き付けて積層セラミックコンデンサを得る。
上記積層セラミックコンデンサの製造方法において、誘電体グリーンシート上にニッケル粉末ペーストを印刷し、乾燥、積層及び圧着した後、加熱処理して有機成分を除去するが、この加熱処理は通常大気圧雰囲気中の250〜400℃で行われる。このように、酸化雰囲気中で加熱処理を行うため、ニッケル粉末は酸化し体積の増加が生じる。
この有機成分除去のための加熱処理の後、更に高温に加熱して焼結する。この焼結は水素ガス雰囲気等の還元雰囲気中で行う。このため、一旦酸化されたニッケル粉末は還元され体積の減少が生じる。このように、積層セラミックコンデンサを製造する工程においては、ニッケル粉末は上記の酸化還元による膨張、収縮により体積が変化する。一方、誘電体も焼結により体積が変化するが、誘電体とニッケル粉末という異なる物質を同時に焼結するため、焼結過程における誘電体とニッケル粉末とのそれぞれの膨張収縮挙動等の焼結挙動に差異が生じる。このため、ニッケルペースト層に歪が生じ、クラック、剥離等の構造欠陥が生じるという問題があった。具体的には、例えばチタン酸バリウムを主成分とする誘電体は、1000℃以上、通常1200〜1300℃で焼結が始まるのに対し、ニッケル粉末の場合、通常400〜500℃で焼結が始まる。このような焼結挙動として焼結開始温度の違いがクラック、剥離等の構造欠陥の発生の大きな要因となっている。
また、ペーストにした際のニッケル粉末の分散性が低い場合には、グリーンシート上に印刷した際の膜密度が低下し、焼成後の電極膜厚が不均一となるため、ショートの原因となるだけでなく、さらにクラックや剥離等の構造欠陥も発生し易くなるという問題があった。
このような問題を解決するため、種々のニッケル超微粉末が提案されている。例えば、平均粒径が0.1〜1.0μmで、タップ密度≧−2.5×(平均粒径)+7.0×(平均粒径)+0.6で表される条件を満足する積層セラミックコンデンサ用ニッケル超微粉が開示されている(特許文献1参照)。また、平均粒径が0.2〜0.5μmで、平均粒径の2倍以上の粗粒子の存在率が個数基準で0.1%以下であるニッケル超微粉が開示されている(特許文献2参照)。上記特許文献1に開示されたニッケル超微粉は、積層セラミックコンデンサの内部電極として使用した際のクラック、剥離等の内部欠陥の発生の抑制を目的とするものである。また、上記特許文献2に開示されたニッケル超微粉も、積層セラミックコンデンサの内部電極のショートの発生や、クラック、剥離を抑制することを課題とするものである。
特開平8−246001号公報(特許請求の範囲) 特開2002−252139号公報(特許請求の範囲)
しかしながら、特許文献2に記載されたニッケル超微粉においては、ショートの発生率を低下できることは開示されているが、クラック、剥離等の構造欠陥の抑制効果については報告されていない。また、上記特許文献1,2に記載されたニッケル超微粉は、積層セラミックコンデンサの薄層化、小型化に対応するため平均粒径が0.1〜1.0μmと非常に微細なものである。このため、非常に焼結され易く、誘電体との焼結挙動の違いがあるため、この点において改善の余地が残されている。更に、平均粒径の小さい超微粉であるため比表面積が大きく、このため非常に酸化され易いものである。このように、特許文献1,2に開示されたニッケル超微粉は、積層セラミックコンデンサのショート、又はクラック、剥離等の構造欠陥抑制に関する改善がなされているものの、かかる改善は必ずしも充分なものではなく、更なる改善が要請されている。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、特に、
(1)積層セラミックコンデンサを製造する工程において、焼結等によって酸化還元による膨張、収縮により体積が変化しても、その焼結挙動を誘電体の焼結挙動とほぼ同一とする
(2)ニッケル粉末の分散性を高めることで、グリーンシート上に印刷した際の膜密度を向上させて、焼成後の電極膜厚を均一とする
(3)ニッケル粉末の耐酸化性を向上させる
という、上記(1)〜(3)の目的を達成することで、結果的にニッケルペースト層に歪が発生せず、クラック、剥離等の構造欠陥が生じないニッケル粉末、並びにそれを用いた導電ペースト及び積層セラミックコンデンサを提供することを目的としている。
近年、積層セラミックコンデンサは小型化され、内部電極も薄層化されてきている。これに伴い、ニッケル粉末等の内部電極用に使用される金属粉末も平均粒径を微細化し、粒度分布をよりシャープにする取り組みがなされてきている。しかしながら、積層セラミックコンデンサが高電圧を印加する用途に使用される場合、内部電極はある程度の厚みを有している必要がある。また、用途によっては高積層化する必要のない場合もあり、これらに使用するニッケル粉末は、積層セラミックコンデンサの製造工程において加熱処理した際の酸化還元反応による体積変化が少ないこと、焼結挙動が誘電体層により近似すること等の特性が要求される。しかしながら、より高価な超微粉である必要はない。また、このように平均粒径が小さく、粒度分布のよりシャープなニッケル超微粉は焼結され易く、また比表面積が大きくなるため、耐酸化性も低いものとなる。
本発明者等は、ニッケル粉末の上記焼結挙動の改善、膜密度の向上及び耐酸化性の改善を基に、クラック、剥離等の欠陥の発生を防止し得るニッケル粉末について鋭意研究を重ねた。その結果、CV値及びタップ密度を増加させれば、上記欠陥の発生を防止することができるとの知見を得た。そこで、発明者等は、CV値及びタップ密度を増加させる具体的手段について種々の実験を行なった。その結果、ニッケル粉末の粒度分布、比表面積、平均粒径及び酸素含有量を特定の範囲に限定した場合には、CV値及びタップ密度が増加するとの知見を更に得た。粒度分布及び比表面積がCV値及びタップ密度の増加に大きく寄与するとの知見を得、本発明を完成するに至った。
即ち、粒度分布にある程度の幅を持たせるとともに、ニッケル粉末の比表面積の適正化を図ることにより、CV値及びタップ密度を増加させることができ、これにより、積層セラミックコンデンサを製造する工程において、焼結等によって酸化還元による膨張、収縮により体積が変化しても、その焼結挙動を誘電体の焼結挙動に近づけることができるとともに、ニッケル粉末の分散性を高めることで、グリーンシート上に印刷した際の膜密度を向上させて、焼成後の電極膜厚を均一とすることができ、しかも、平均粒径の小さく、比表面積が大きい超微粉であっても、酸化され難いものとすることができるため、結果的にニッケルペースト層に歪が発生せず、クラック、剥離等の構造欠陥が生じないニッケル粉末がえら得る。
本発明のニッケル粉末は、粒度分布が(d10+d90)/d50で、3.0〜6.0であり、比表面積が1.0〜1.6m/gであることを特徴としている。ここで、d10、d50、d90は積算粒度分布における積算値が10%、50%、90%の粒子径を示す。また、(d10+d90)/d50は粒度分布を示す指標である。
このようなニッケル粉末においては、平均粒径が0.5〜2.5μmであることや、酸素含有量が0.1〜0.8質量%であることや、上記ニッケル粉末が、塩化ニッケルガスを水素ガスと接触反応させる気相還元法により得られたものであることが望ましい。なお、本発明のニッケル粉末は、導電ペーストや、積層セラミックコンデンサの内部電極に用いて好適である。
本発明によれば、ニッケル粉末の粒度分布、比表面積、平均粒径及び酸素含有量の好適化を図ることにより、CV値及びタップ密度を増加させることができ、これにより、ニッケルペースト層に歪が発生せず、クラック、剥離等の構造欠陥が生じないニッケル粉末得ることができる。
本発明のニッケル粉末は気相法や液相法など公知の方法により製造することができる。中でも、塩化ニッケルガスと還元性ガスとを接触させることにより金属ニッケル粉末を生成させる気相還元法や、熱分解性のニッケル化合物を噴霧して熱分解する噴霧熱分解法を使用した場合には、生成する金属ニッケル粉末の粒子径を容易に制御することができ、しかも球状の粒子が効率よく製造できる。
上記の気相還元法は、気化させた塩化ニッケルのガスと水素等の還元性ガスとを反応させるものであるが、固体の塩化ニッケルを加熱し蒸発させて塩化ニッケルガスを生成させてもよい。しかしながら、塩化ニッケルの酸化又は吸湿防止やエネルギー効率を考慮すると、金属ニッケルに塩素ガスを接触させて塩化ニッケルガスを連続的に発生させ、この塩化ニッケルガスを還元工程に直接供給し、次いで還元性ガスと接触させ、塩化ニッケルガスを連続的に還元してニッケル粉末を製造する方法が有利である。
このような気相還元反応によるニッケル粉末の製造過程では、塩化ニッケルガスと還元性ガスとが接触した瞬間にニッケル原子が生成し、ニッケル原子同士が衝突・凝集することによって超微粒子が生成し、成長する。そして、還元工程での塩化ニッケルガスの分圧や温度等の条件によって生成されるニッケル粉末の粒径が決定される。上記のようなニッケル粉末の製造方法によれば、塩素ガスの供給量に応じた量の塩化ニッケルガスが発生することから、塩素ガスの供給量を制御することで還元工程へ供給する塩化ニッケルガスの量を調整することができ、これによって生成するニッケル粉末の粒径を制御することができる。さらに、塩化ニッケルガスは、塩素ガスと金属ニッケルとの反応で発生するため、固体塩化ニッケルの加熱蒸発により塩化ニッケルガスを発生させる方法とは異なり、キャリアガスの使用を少なくすることができるばかりでなく、製造条件によっては使用しないことも可能である。従って、気相還元反応を使用した場合には、特に、キャリアガスの使用量低減とそれに伴う加熱エネルギーの低減により、製造コストの低減を図ることができる。
また、塩化工程で発生した塩化ニッケルガスに不活性ガスを混合することにより、還元工程における塩化ニッケルガスの分圧を制御することができる。このように、塩素ガスの供給量又は還元工程で供給する塩化ニッケルガスの分圧を制御することにより、ニッケル粉末の粒径を制御することができ、これによりニッケル粉末の粒径を安定させることができるとともに、粒径を任意に設定することができる。
上記のような気相還元法によるニッケル粉末の製造条件は、平均粒径が0.5〜2.5μmとなるように任意に設定するが、例えば、出発原料である金属ニッケルの粒径は約5〜20mmの粒状、塊状、板状等が好ましく、また、その純度は概して99.5%以上が好ましい。この金属ニッケルを、まず塩素ガスと反応させて塩化ニッケルガスを生成させる。その際の温度は、反応を十分進めるために800℃以上とし、且つニッケルの融点である1453℃以下とする。この温度は、反応速度と塩化炉の耐久性を考慮すると、実用的には900℃〜1100℃の範囲が好ましい。
次いで、この塩化ニッケルガスを還元工程に直接供給し、水素ガス等の還元性ガスと接触反応させる。この際、窒素やアルゴン等の不活性ガスを、塩化ニッケルガスに対し1〜30モル%混合し、この混合ガスを還元工程に導入してもよい。また、塩化ニッケルガスと共に又は独立に塩素ガスを還元工程に供給することもできる。このように塩素ガスを還元工程に供給することによって、塩化ニッケルガスの分圧が調整でき、生成するニッケル粉末の粒径を制御することが可能となる。還元反応の温度は反応完結に十分な温度以上であればよいが、固体状のニッケル粉末を生成する方が、取扱いが容易であるので、ニッケルの融点以下が好ましく、経済性を考慮すると900〜1100℃が実用的である。
このように還元反応を行いニッケル粉末を生成させた後、生成ニッケル粉末を冷却する。冷却の際、生成したニッケルの一次粒子同士の凝集による二次粒子の生成を防止して所望の粒径のニッケル粉末を得るために、還元反応を終えた1000℃付近のガス流を400〜800℃程度まで窒素ガス等の不活性ガスを吹き込むことにより急速冷却させることが望ましい。この際、冷却温度や冷却速度を調整することによって、ニッケル粉末の粒径を制御することができる。
また、噴霧熱分解法によるニッケル粉末の製造方法では、熱分解性のニッケル化合物を原料とする。具体的には、ニッケルの硝酸塩、硫酸塩、オキシ硝酸塩、オキシ硫酸塩、塩化物、アンモニウム錯体、リン酸塩、カルボン酸塩、アルコキシ化合物などの1種又は2種以上が原料として好適である。このニッケル化合物を含む溶液を噴霧し、微細な液滴を作製する。この際、溶媒としては、水、アルコール、アセトン、エーテル等を使用することができる。また、噴霧の方法は、超音波又は二重ジェットノズル等の噴霧方法により行うことができる。このようにして微細な液滴とし、高温で加熱し金属化合物を熱分解して、ニッケル粉末を生成させる。このときの加熱温度は、使用される特定の金属化合物が熱分解する温度以上であり、好ましくは金属の融点付近である。
次に、このようにして得られたニッケル粉末を分級、回収する。分級手段としては、篩別、湿式分級、乾式分級等を使用することができる。湿式分級、乾式分級としては、
(1)分級機内の回転運動を利用して粒子に作用する遠心力を利用した強制回転方式、あるいはサイクロン等の非強制回転方式の分級機、
(2)気流と粒子の供給方向を相反させたり、あるいは含塵気流に急激な方向変化を与えるなど慣性力を利用した分級機、
(3)容器の一方向から粉末、あるいはスラリーを水平流に供給し、容器内における粒子の沈降速度の差を利用して特定粒子径以上の粗粒子を底部に沈殿させ、細粒だけを通過させる沈降相形式の分級機
等を使用することができる。
具体的には、気流分級機、湿式分級機、液体サイクロン等を使用することが好ましい。これら分級機の中では、本発明のニッケル粉末の平均粒径や比表面積を制御し、ひいてはCV値等を調整する観点から、細粒、細粒よりも微細な微細粒、粗粒に分級できる分級機を使用することが好ましい。
本発明のニッケル粉末は、分級機を使用して分級する際、以下の(1),(2)のいずれかにしたがって行うことが好ましい。
(1)微細粒、細粒、粗粒として分級されたニッケル粉末のうち、細粒、粗粒として排出されたニッケル粉を更に分級し、特定の粒径以上の粗粉を除去する。
(2)微細粒、細粒、粗粒として分級されたニッケル粉のうち、微細粒および細粒として排出されたニッケル粉を混合する。
以下に、金属ニッケルに塩素ガスを接触させて塩化ニッケルガスを連続的に発生させ、この塩化ニッケルガスを還元性ガスと接触させることで還元し、ニッケル粉末を製造する方法を、図面を参照して、より詳細に説明する。
A.塩化工程
図1は、本発明に使用するニッケル粉末を製造するための装置を示す概念図である。塩化工程は、同図に示すような塩化炉10によって行うと好適である。塩化炉10の上端面には原料金属ニッケル(M)を供給するための供給管11が設置されている。また、塩化炉10の一の上側部には塩素ガス供給管12が接続され、その下側部には不活性ガス供給管13が接続されている。塩化炉10の周囲には加熱手段14が配置され、塩化炉10の他の上側部には、移送管兼ノズル15が接続されている。塩化炉10は、縦型、横型を問わないが、固体−ガス接触反応を均一に行うためには縦型が好ましい。塩素ガスは、流量計測して連続的に塩素ガス供給管12から導入される。移送管兼ノズル15は、後述する還元炉20上端面に接続され、塩化炉10で発生する塩化ニッケルガス等を還元炉20へ移送する機能を有する。また、移送管兼ノズル15の下端部は、還元炉20内に突出して塩化ニッケル噴出ノズルとして機能する。出発原料である金属ニッケル(M)の形態は問わないが、接触効率、圧力損失上昇防止の観点から、粒径約5mm〜20mmの粒状、粗状、板状などが好ましく、またその純度は概して99.5%以上が好ましい。塩化炉10内の金属ニッケル(M)の充填層高は、塩素ガス供給速度、塩化炉内温度、連続運転時間、金属ニッケル(M)の形状などをもとに、供給塩素ガスが塩化ニッケルガスに変換されるに十分な範囲に適宜設定すればよい。塩化炉10内の温度は、反応を十分進めるために800℃以上とし、ニッケルの融点である1483℃以下とする。反応速度及び塩化炉10の耐久性を考慮すると、実用的には900℃〜1100℃の範囲が好ましい。
本発明のニッケル粉末の製造方法においては、金属ニッケル(M)が充填された塩化炉10への塩素ガスの連続供給は、塩化ニッケルガスの連続発生をもたらす。そして、塩素ガス供給量が塩化ニッケルガスの発生量を支配するから、後述する還元反応を支配し、その結果、目的とする製品ニッケル粉末が生産可能になる。なお、塩素ガス供給については以下の還元工程において具体的に説明する。
塩化工程で発生した塩化ニッケルガスは、そのまま移送管兼ノズル15により還元炉20に移送するか、場合によっては不活性ガス供給管13から窒素やアルゴンなどの不活性ガスを、塩化ニッケルガスに対し1mol%〜30mol%混合し、この混合ガスを還元炉20に移送する。移送管兼ノズル15を通過する混合ガス中の好ましい塩化ニッケルガス分圧は、全圧を1.0としたときに0.5〜1.0の範囲が好適である。
B.還元工程
塩化工程で発生した塩化ニッケルガスは、連続的に還元炉20に移送される。還元工程は、図1に示すような還元炉20を用いて行うことが望ましい。同図に示した還元炉20は、円筒状をなし、その上半部で還元を行い、その下半部で冷却を行う。還元炉20の上端部には、上述した移送管兼ノズル15のノズル(以下、単に「ノズル15」と称する)が下方へ突出させられている。また、還元炉20の上端面には、還元性ガス供給管(水素ガス供給管)21が接続されている。また、還元炉20の周囲には加熱手段22が配置されている。ノズル15は、塩化炉10から還元炉20内へ塩化ニッケルガス(不活性ガスを含む場合がある)を、好ましい流速で噴出する機能を有する。
塩化ニッケルガスと水素ガスとによる還元反応が進行する際には、ノズル15の先端部からは、LPGなどの気体燃料の燃焼炎に似た下方に延びた輝炎Fが形成される。還元炉20への水素ガス供給量は、塩化ニッケルガスの化学当量、すなわち、塩化炉10へ供給する塩素ガスの化学当量の1.0〜3.0倍程度、好ましくは1.1〜2.5倍程度であるが、これに限定するものではない。また、還元反応の温度は反応完結に十分な温度以上であればよいが、固体状のニッケル粉末を生成する方が取扱いが容易であるので、ニッケルの融点以下が好ましい。また、上記温度は反応速度、還元炉20の耐久性、経済性を考慮すると900℃〜1100℃が実用的であるが、特にこれに限るものではない。
上述のとおり、塩化炉10に導入された塩素ガスは、実質的に同モル量の塩化ニッケルガスとなり、これが還元原料とされる。塩化ニッケルガス又は塩化ニッケルと不活性ガスとの混合ガスのノズル15先端から噴出されるガス流の線速度を調整することにより、得られるニッケル粉末Pの粒径を好適化することができる。すなわち、ノズル径が一定であれば、塩化工程への塩素供給量と不活性ガス供給量とを調整することによって、還元炉20で生成されるニッケル粉末Pの粒径を目的の範囲に調整することができる。
ノズル15の先端における好ましいガス流の線速度(塩化ニッケルガス及び不活性ガスの合計(還元温度でのガス供給量に換算した計算値))は、900℃〜1100℃の還元温度において約1〜30m/秒に設定される。水素ガスの還元炉20内での軸方向の線速度は、塩化ニッケルガスの噴出速度〈線速度)の1/50〜1/300程度が好ましく、1/80〜1/250とすることがさらに好ましい。したがって、実質的には静的水素雰囲気中へ塩化ニッケルガスがノズル15から噴射されることとなる。
なお、還元性ガス供給管21の出口の方向は、輝炎F側へ向けないことが好ましい。また、ニッケル粉末を生成する際に用いる還元性ガスとしては、以上に示した水素ガスの他に硫化水素ガス等を用いることができるが、生成したニッケル粉末への影響を考慮すると、水素ガスが好適である。さらに、ニッケル粉末を製造する場合における金属塩化物ガスと還元性ガスとを接触、反応させる還元反応温度領域は、通常900〜1200℃とするものであるが、950〜1100℃とするのが好ましく、980〜1050℃とするのがさらに好ましい。
C.冷却工程
還元工程で生成したニッケル粉末は、図1に示すように、還元炉20内のノズル15と反対側の空間部分(下方部分)において冷却される。冷却を行うための好ましい例として、当実施形態では、輝炎F先端から下方の空間部分に冷却ガス供給管23から冷却用不活性ガスを吹き込むように構成されている。なお、本発明でいう冷却とは、還元反応で生成したガス流(塩酸ガスを含む)におけるニッケル粒子の成長を停止又は抑制するために行う操作であり、具体的には還元反応を終えた1000℃付近のガス流を400℃〜800℃程度まで急速冷却させる操作を意味する。もちろんこれ以下の温度まで冷却を行うこともできる。
生成したニッケル粉末を冷却するための不活性ガスとしては、生成したニッケル粉末に影響の無いものであれば特に限定されないが、窒素ガス、アルゴンガス等を用いることが好ましい。この中でも、窒素ガスが安価であるため特に好適である。さらに、冷却用不活性ガスの供給量は、通常生成されるニッケル粉末1g当り、5Nl/分以上、好ましくは10〜50Nl/分である。なお、供給する不活性ガスの温度は、通常0〜100℃であるが、0〜80℃とした場合にはより効果的である。
D.回収工程
塩化、還元及び冷却の各工程を順次に経たニッケル粉末Pと塩酸ガス及び不活性ガスの混合ガスは、図1のノズル24を経て、回収炉(図示せず)に移送され、そこで混合ガスからニッケル粉末Pが分離回収される。分離回収には、例えば、バグフィルタ、水中捕集分離手段、油中捕集分離手段及び磁気分離手段の1種又は2種以上の組合せが好適であるが、これに限定されるものではない。
また、分離回収前又は後に、必要に応じて生成したニッケル粉末を水、炭素数1〜4の1価アルコール等の溶媒で洗浄することもできる。さらには、必要に応じて生成したニッケル粉末を、水素ガス又は不活性ガスで希釈された水素ガスの還元性雰囲気下にて水素還元処理し、ニッケル粉末中の酸素含有量を微調整することもできる。この水素還元処理温度は220〜300℃であることが好ましく、250〜300℃であれはさらに好ましい。なお、水素還元処理時間は5〜60分とすることができる。
E.分級工程
回収、洗浄工程を経て回収されたニッケルスラリー、またはニッケル粉末は、気流分級機、湿式分級機、液体サイクロン等に供給されて分級される。平均粒径が微細なニッケル微粉末は、ニッケル粉末同士が凝集し易く、また焼結し易い。さらに、粒度分布及び比表面積が特定の範囲外であると、耐酸化性の劣化、焼結開始温度の低温化、収縮度の増加等が生じる。このため、平均粒径が0.5〜2.5μmであり、CV値が3.0〜6.0、比表面積が1.0〜1.6の範囲のニッケル粉末が得られるように分級する。
分級工程は、以下の(1),(2)のいずれかにしたがって行うことができる。
(1)微細粒、細粒、粗粒として分級されたニッケル粉末のうち、細粒、粗粒として排出されたニッケル粉を更に分級し、特定の粒径以上の粗粉を除去する。
(2)微細粒、細粒、粗粒として分級されたニッケル粉のうち、微細粒および細粒として排出されたニッケル粉を混合する。
しかしながら、より好適な粒度分布のニッケル粉末を少ない工程で得られることから、(2)の工程で分級することが好ましい。
本発明のニッケル粉末を得る場合には、上記のような方法で得られたニッケル粉末を炭酸水溶液中でさらに処理することもできる。炭酸水溶液で処理することによって、ニッケル粉末表面に付着又は吸着した水酸化物を除去することができ、乾燥処理後のニッケル粉末表面に均一な酸化皮膜を生成させることができる。このため、焼結開始温度をより高温側に移行させることができる。炭酸水溶液処理は、金属ニッケル粉末スラリー中に炭酸ガスを吹き込んでpH5.5〜6.5とし、炭酸水溶液として常温で60分処理を行う。なお、炭酸処理後、乾燥して得られたニッケル粉末には、必要に応じて水素雰囲気又は不活性ガスで希釈された水素ガス雰囲気中で水素還元処理を施し、ニッケル粉末中の酸素含有量を微調整することもできる。
F.導電ペーストの作製
上記のようにして得られたニッケル粉末は、導電ペースト又は電極形成用ペーストに好適である。このようなニッケル粉末は、有機溶媒及びバインダと混錬してペーストを形成する。有機溶媒(有機ビヒクル)としては、従来の導体ペーストに用いられているものを使用すれば足り、例えば、エチルセルロース、エチレングリコール、トルエン、キシレン、ミネラルオイル、ブチルカルビトール、ターピネオール等の高沸点有機溶媒を用いることができる。バインダとしては有機又は無機バインダが用いられるが、エチルセルロースなどの高分子バインダを用いることが好ましい。
また、必要に応じて鉛系ガラス、亜鉛系ガラス又はケイ酸系ガラスなどのガラスフリットや、酸化マンガン、酸化マグネシウム、酸化ビスマなどの金属酸化物フィラーなどを、ペーストを形成する際に混合してもよい。これらの添加物を混合することによって、セラミックスなどの基材に塗布、焼結して電極を形成した際、基材との密着性に優れ伝導性の高い電極を形成することができ、また半田との濡れ性を向上させる。その他、フタル酸エステルやステアリン酸などの可塑剤や、分散剤などをペーストに添加することができる。
以上のような工程を経ることにより、ニッケル粉末の粒度分布、比表面積、平均粒径及び酸素含有量の好適化を図ることで、CV値及びタップ密度を増加させることができる。このため、積層セラミックコンデンサを製造する工程において、焼結等によって酸化還元による膨張、収縮により体積が変化しても、その焼結挙動を誘電体の焼結挙動とほぼ同一とすることができるとともに、ニッケル粉末の分散性を高めることで、グリーンシート上に印刷した際の膜密度を向上させて、焼成後の電極膜厚を均一とすることができ、しかも平均粒径の小さく、比表面積が大きい超微粉であっても、酸化され難いものとすることができる。したがって、ニッケルペースト層に歪が発生せず、クラック、剥離等の構造欠陥が生じないニッケル粉末得ることができる。
以下、本発明を実施例により、さらに詳細に説明し、その効果を明らかにする。
[本発明例]
図1に示す金属ニッケル微粉末製造装置の塩化炉10内に、出発原料である平均粒径5mmの金属ニッケル粉末を原料供給管11から充填するとともに、加熱手段14により炉内雰囲気温度を1100℃とした。次いで、塩素ガス供給管12から塩素ガスを塩化炉10内に供給し、金属ニッケルを塩化して塩化ニッケルガスを発生させた。この塩化ニッケルガスに、塩化炉10の下側部に設けられた不活性ガス導入管13から塩素ガス供給量の10%(モル比)の窒素ガスを供給して混合した。そして、塩化ニッケルガスと窒素ガスとの混合ガスをノズル15を介して還元炉20に導入した。
次いで、還元工程として、塩化ニッケルと窒素ガスとの混合ガスを、加熱手段22により1000℃の炉内雰囲気温度とされた還元炉20に、ノズル15から流速2.3m/秒(1000℃換算)で導入した。同時に還元炉20の上端部に設けられた還元性ガス導入管41から水素ガスを流速0.02m/秒で還元炉20内に供給して塩化ニッケルガスを還元し、ニッケル粉末Pを得た。
そして、還元工程で生成したニッケル粉末を含む生成ガスに、冷却工程で窒素ガスを吹き付けて冷却した。次いで、回収炉に導かれたニッケル粉末、窒素ガス、塩酸蒸気からなる混合ガスをバグフィルタにより導き、ニッケル粉末を分離、回収した。その後、回収したニッケル粉末を湯洗洗浄した。
こうして回収、洗浄されたニッケルスラリーを湿式分級機に供給して分級し、平均粒径0.4μm、CV値28のニッケル微細粉末と、平均粒径2.5μm以上の粗紛を排出した。さらに、平均粒径1.0μmの上記微細粒と粗粒の中間の粒径を有する粒を排出した。最後に、平均粒径0.4μmのニッケル微細粒と、平均粒径1.0μmのニッケル粉末とを混合した後、乾燥して本発明例のニッケル粉末を得た。
[比較例1,2]
本発明例にて生成したニッケル粉末のうち、平均粒径0.4μmのニッケル微細粒を乾燥させたものを比較例1、同じく平均粒径1.0μmのニッケル粉末を乾燥させたものを比較例2とした。すなわち、本発明例のニッケル粉末は、比較例1のニッケル粉末と比較例2のニッケル粉末とを混合したものである。
以上に示した、本発明例のニッケル粉末及び比較例のニッケル粉末について、ニッケル粉末の粒度分布、比表面積、平均粒径、酸素含有量、CV値、タップ密度、焼結開始温度、収縮率、酸化挙動、及び調整した導電ペーストの膜密度は以下の方法で測定した。
(ニッケル粉末の粒度分布)
粒度測定器LS230(コールター社製)を用い、試料をエキネン(イソプロピルアルコール10%、エタノール90%)に懸濁させ、ホモジナイザーにて3分間分散させて測定し、積算粒度分布において積算値が50体積%となる粒子径(d10、d50、及びd90)を求め、(d10+d90)/d50を算出して粒度分布とした。
(ニッケル粉末の比表面積)
BET法により測定した。測定は、加熱した窒素、ヘリウム混合ガスをサンプルに吹き付けた後、脱気温度300℃で脱気し、放出ガス量を測定した。
(ニッケル粉末の平均粒径)
電子顕微鏡によりニッケル粉末の写真を撮影し、その写真からニッケル粉末粒子200個の粒径を測定してその平均値を算出した。粒径は粒子を包み込む最小円の直径とした。
(ニッケル粉末の酸素含有量)
金属ニッケル微粉末をニッケル製のカプセルに充填し、これを黒鉛ルツボに入れ、アルゴン雰囲気下で500℃に加熱し、このとき発生した一酸化炭素をIRにより定量し、金属ニッケル微粉末中の酸素濃度を求めた。
(ニッケル粉末のCV値)
電子顕微鏡によりニッケル粉末の写真を撮影し、その写真からニッケル粉末粒子200個の粒径を測定した際の標準偏差を平均粒径で割って算出した。
(ニッケル粉末のタップ密度)
ホソカワミクロン社製パウダーテスター(タイプPT−E)を使用し、3分間タップを行って測定した。
(ニッケル粉末の焼結開始温度)
金属ニッケル微粉末1g、樟脳3質量%、及びアセトン3質量%を混合し、内径5mm、高さ10mmの円柱状金属に充填し、面圧1トンの荷重をかけて試験ピースを作製した。この試験ピースの焼結開始温度の測定を、熱膨張収縮挙動測定装置(TMA−8310:株式会社リガク社製)を用いて、弱酸性雰囲気(1.5%水素−98.5%窒素混合ガス)雰囲気の下、昇温速度5℃/分の条件で行った。上記測定で得られた収縮率曲線にて、5%収縮した時点における温度をもって焼結開始温度とした。
(ニッケル粉末の収縮率)
上記の焼結開始温度測定で得た収縮率曲線において、500℃まで昇温した時点における質量減少率をもって収縮率とした。
(ニッケル粉末の酸化挙動)
TG−DTA測定装置にて、5℃/分の昇温速度で1000℃まで加熱し、その際の400℃での質量増加率(%)を確認した。400℃における質量増加率が低い程、耐酸化性に優れるとする。
(ニッケル粉末を分散させたペーストの膜密度)
α−テレピネオールを分散媒としたニッケル粉末を55質量%含有したニッケル粉末分散体、又は乾燥ニッケル粉末をテルピオネールに添加、形成した分散体に、エチルセルロースを10質量%添加、混練してペーストを作成した。一方、表面が平滑なガラス板上に離形フィルムを貼り、その両端を中央に離形フィルムの面が残るように貼って固定した。この離形フィルム上に上記ペーストを表面が均一になるようにフィルムアプリケーターで印刷し、膜を形成した。その後80〜200℃で乾燥し、その後乾燥した膜から離形フィルムを剥がし、膜を円形の型で打ち抜いた。打ち抜いた膜の質量及び体積を測定して膜密度を算出した。膜の体積は、円の面積を測定するとともに、厚さをマイクロメータで数ヶ所測定して平均を求め、これらを基に算出した。
以上に示したニッケル粉末の粒度分布、比表面積、平均粒径、及び酸素含有量を表1に示すとともに、CV値、タップ密度、焼結開始温度、収縮率、酸化挙動(質量増加率)、及び調整した導電ペーストの膜密度の測定結果を表2に示す。
Figure 2005248198
Figure 2005248198
表1、2によれば、本発明例のニッケル粉末は、比較例1,2のニッケル粉末に比して、焼結開始温度が高く、収縮率が小さいものである。また、TG−DTA測定での400℃における質量増加率も小さく、膜密度も高い。すなわち、平均粒径の異なる2種類のニッケル粉末を混合すると、焼結挙動の改善、膜密度の向上、及び耐酸化性の改善に伴う、各種欠陥の発生を防止したニッケル粉末が得られることが実証された。
本発明のニッケル粉末は、過酷な環境で使用が予定され、従来の積層セラミックコンデンサでは各種欠陥の発生が懸念される積層セラミックコンデンサに使用することが好適である。
本発明に使用するニッケル粉末を製造するための装置を示す概念図である。
符号の説明
10…塩化炉
11…原料金属ニッケル(M)供給管
12…塩素ガス供給管
13…不活性ガス供給管
14…加熱手段
15…移送管兼ノズル
20…還元路
21…還元性ガス供給管
22…加熱手段
23…冷却ガス供給管
24…ノズル
M…原料金属ニッケル
F…輝炎
P…ニッケル微粉末

Claims (6)

  1. 粒度分布が(d10+d90)/d50で、3.0〜6.0であり、比表面積が1.0〜1.6m/gであることを特徴とするニッケル粉末。
  2. 平均粒径が0.5〜2.5μmであることを特徴とする請求項1に記載のニッケル粉末。
  3. 酸素含有量が0.1〜0.8質量%であることを特徴とする請求項1又は2に記載のニッケル粉末。
  4. 前記ニッケル粉末が、塩化ニッケルガスを水素ガスと接触反応させる気相還元法により得られたものであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のニッケル粉末。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載のニッケル粉末からなる導電ペースト。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載のニッケル粉末を内部電極に用いてなる積層セラミックコンデンサ。
JP2004056074A 2004-03-01 2004-03-01 ニッケル粉末、並びにそれを用いた導電ペースト及び積層セラミックコンデンサ Expired - Lifetime JP4540364B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004056074A JP4540364B2 (ja) 2004-03-01 2004-03-01 ニッケル粉末、並びにそれを用いた導電ペースト及び積層セラミックコンデンサ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004056074A JP4540364B2 (ja) 2004-03-01 2004-03-01 ニッケル粉末、並びにそれを用いた導電ペースト及び積層セラミックコンデンサ

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2005248198A true JP2005248198A (ja) 2005-09-15
JP4540364B2 JP4540364B2 (ja) 2010-09-08

Family

ID=35028969

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004056074A Expired - Lifetime JP4540364B2 (ja) 2004-03-01 2004-03-01 ニッケル粉末、並びにそれを用いた導電ペースト及び積層セラミックコンデンサ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4540364B2 (ja)

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010084199A (ja) * 2008-09-30 2010-04-15 Nisshin Seifun Group Inc Ni−W系合金微粒子の製造方法並びにNi−W合金微粒子の製造方法
JP2015158000A (ja) * 2014-02-25 2015-09-03 住友金属鉱山株式会社 ニッケル粉末の製造方法
WO2019188149A1 (ja) * 2018-03-29 2019-10-03 東邦チタニウム株式会社 金属粉体の製造方法
WO2019189411A1 (ja) * 2018-03-30 2019-10-03 東邦チタニウム株式会社 金属塩化物生成装置、および金属粉体の製造方法
CN111201578A (zh) * 2017-10-10 2020-05-26 株式会社则武 导电性糊剂
US10953469B2 (en) 2016-04-21 2021-03-23 Tokuyama Corporation Method of producing metal powder
WO2024150641A1 (ja) * 2023-01-12 2024-07-18 株式会社神戸製鋼所 ニッケル粉末、塗料、部材、樹脂組成物及び樹脂成形品

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0551610A (ja) * 1991-08-20 1993-03-02 Murata Mfg Co Ltd ニツケル微粉末の製造方法
JP2000045002A (ja) * 1998-07-27 2000-02-15 Toho Titanium Co Ltd 金属ニッケル粉末
JP2001214201A (ja) * 1999-11-22 2001-08-07 Mitsui Mining & Smelting Co Ltd ニッケル粉、その製造方法及び電子部品電極形成用ペースト

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0551610A (ja) * 1991-08-20 1993-03-02 Murata Mfg Co Ltd ニツケル微粉末の製造方法
JP2000045002A (ja) * 1998-07-27 2000-02-15 Toho Titanium Co Ltd 金属ニッケル粉末
JP2001214201A (ja) * 1999-11-22 2001-08-07 Mitsui Mining & Smelting Co Ltd ニッケル粉、その製造方法及び電子部品電極形成用ペースト

Cited By (17)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010084199A (ja) * 2008-09-30 2010-04-15 Nisshin Seifun Group Inc Ni−W系合金微粒子の製造方法並びにNi−W合金微粒子の製造方法
JP2015158000A (ja) * 2014-02-25 2015-09-03 住友金属鉱山株式会社 ニッケル粉末の製造方法
US10953469B2 (en) 2016-04-21 2021-03-23 Tokuyama Corporation Method of producing metal powder
KR102554561B1 (ko) 2017-10-10 2023-07-13 가부시키가이샤 노리타케 캄파니 리미티드 도전성 페이스트
CN111201578B (zh) * 2017-10-10 2021-08-24 株式会社则武 导电性糊剂
CN111201578A (zh) * 2017-10-10 2020-05-26 株式会社则武 导电性糊剂
KR20200062309A (ko) * 2017-10-10 2020-06-03 가부시키가이샤 노리타케 캄파니 리미티드 도전성 페이스트
KR102484800B1 (ko) 2018-03-29 2023-01-05 도호 티타늄 가부시키가이샤 금속 분체의 제조 방법
JPWO2019188149A1 (ja) * 2018-03-29 2021-02-12 東邦チタニウム株式会社 金属粉体の製造方法
KR20200113266A (ko) * 2018-03-29 2020-10-06 도호 티타늄 가부시키가이샤 금속 분체의 제조 방법
JP7145932B2 (ja) 2018-03-29 2022-10-03 東邦チタニウム株式会社 金属粉体の製造方法
WO2019188149A1 (ja) * 2018-03-29 2019-10-03 東邦チタニウム株式会社 金属粉体の製造方法
JP6591129B1 (ja) * 2018-03-30 2019-10-16 東邦チタニウム株式会社 金属塩化物生成装置、および金属粉体の製造方法
WO2019189411A1 (ja) * 2018-03-30 2019-10-03 東邦チタニウム株式会社 金属塩化物生成装置、および金属粉体の製造方法
WO2024150641A1 (ja) * 2023-01-12 2024-07-18 株式会社神戸製鋼所 ニッケル粉末、塗料、部材、樹脂組成物及び樹脂成形品
JP2024099157A (ja) * 2023-01-12 2024-07-25 株式会社神戸製鋼所 ニッケル粉末、防カビ剤、塗料、部材、樹脂組成物及び樹脂成形品
JP7543455B2 (ja) 2023-01-12 2024-09-02 株式会社神戸製鋼所 ニッケル粉末、防カビ剤、塗料、部材、樹脂組成物及び樹脂成形品

Also Published As

Publication number Publication date
JP4540364B2 (ja) 2010-09-08

Similar Documents

Publication Publication Date Title
TWI517914B (zh) Nickel powder and its manufacturing method
JP4286220B2 (ja) 金属ニッケル粉末及びその製造方法
KR102589697B1 (ko) 니켈 분말
JP3869209B2 (ja) 積層セラミックコンデンサの内部電極用金属ニッケル粉末の製造方法
US20070254156A1 (en) Nickel Powder and Production Method Therefor
KR102278500B1 (ko) 금속 분말 및 그 제조 방법
KR100414552B1 (ko) 다층세라믹 전자부품
JP2009024197A (ja) ニッケル粉の製造方法
JP5843820B2 (ja) 表面処理された金属粉の製造方法
JP4540364B2 (ja) ニッケル粉末、並びにそれを用いた導電ペースト及び積層セラミックコンデンサ
JP3812359B2 (ja) 金属粉末の製造方法
JP5843819B2 (ja) 表面処理された金属粉の製造方法
TWI419980B (zh) 鎳-錸合金粉末及含有它之導電糊
JP2010043339A (ja) ニッケル粉末とその製造方法
JP4701426B2 (ja) 銅粉および銅粉の製法
KR102361800B1 (ko) 니켈 분말 및 니켈 페이스트
JP5310462B2 (ja) ニッケル粉およびその製造方法
JP4960210B2 (ja) ニッケル粉末およびニッケル粉末の製造方法
JP2004263205A (ja) 金属微粉末およびその製造方法ならびにこの金属微粉末を用いた導電ペースト
JP2020117433A (ja) ガラス粒子、それを用いた導電性組成物及びガラス粒子の製造方法
JP5794426B2 (ja) ニッケル微粒子粉末の製造法
JP2006037195A (ja) ニッケル粉末の製造方法
JP2005076074A (ja) チタン化合物被覆ニッケル粉末およびこれを用いた導電ペースト

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20070116

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20081128

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090105

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20091020

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100120

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20100120

A911 Transfer to examiner for re-examination before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20100225

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20100607

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20100622

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4540364

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130702

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130702

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130702

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130702

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130702

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130702

Year of fee payment: 3

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

EXPY Cancellation because of completion of term