JP2005242178A - 画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】転写体のクリーニング手段として、転写部に現像剤と逆極性のクリーニングバイアスを印加する手段を実施する画像形成装置において、現像剤の帯電量が高い場合、クリーニングする現像剤量が多い場合、又は低温低湿環境下においても、良好なクリーニング性を発揮する、低コスト、且つ、像担持体や転写体を破損しない転写体クリーニング手段を備えた画像形成装置を提供する。
【解決手段】所定条件に基づいてクリーニング時間を可変にする。
【選択図】図1
【解決手段】所定条件に基づいてクリーニング時間を可変にする。
【選択図】図1
Description
本発明は、像担持体上にトナー像が形成され、トナー像が転写材に転写されることによって、転写材上に画像を形成し、中間転写体若しくは転写材担持体上に付着した現像剤を像担持体に逆転写することによってクリーニングする画像形成装置に関するものである。
従来、電子写真方式又は静電記録方式にて転写材に画像を形成する、複写機、プリンタ、ファクシミリ等の画像形成装置においては、像担持体上に現像剤像(トナー像)を形成し、それを転写材に転写する工程を経て画像形成がなされるが、この転写工程に際して、第2の像担持体としての中間転写体としてか、若しくは、第2の像担持体としての転写材を担持する転写材担持体として、ベルト状部材等の転写体を用いることが多い。そして、この転写体に残留した不要なトナーを、像担持体上に静電的に逆転写させて、クリーニングを行う画像形成装置がある。特に、クリーニング時に一定のバイアスを印加して、クリーニングを行うものが開示されている(例えば、特許文献1参照。)。
こうした画像形成装置の従来例として、第2の像担持体である転写材を担持するベルト状部材である転写体上に残留した不要なトナーを静電的にクリーニングする画像形成装置の動作について説明する。
図13に、それぞれに像担持体を備えた画像形成部であるプロセスステーション2(2a、2b、2c、2d)を4個並べて配置した4色フルカラーの電子写真方式を用いた画像形成装置の一例で、いわゆるインライン方式の画像形成装置Dの構成を示す。
プロセスステーション2(2a、2b、2c、2d)は、それぞれ像担持体として感光ドラム21(21a、21b、21c、21d)を有しており、各プロセスステーション2にて、感光ドラム21の表面は、不図示の一次帯電器によって一様に帯電された後、例えばLED、レーザなどの露光装置(不図示)による画像情報に基づく露光を受けて静電潜像が形成される。この静電潜像は、現像装置(不図示)によって、それぞれプロセスステーション2毎に定められた各色の現像剤(トナー)が付着され、現像剤像(トナー像)として現像される。
各プロセスステーション2は、プロセスカートリッジPCとして、画像形成装置D本体(不図示)に対して着脱可能になっている。各プロセスカートリッジPCは、感光ドラム21、一次帯電器、現像装置、クリーニング手段(不図示)が一体にまとめられた構成になっている。
図13を参照すると、画像形成装置Dの場合、転写材Pは、給紙カセット18から給紙ローラ14によって画像形成装置D内に送り出され、レジストローラ13、レジスト対向ローラ10に搬送され、次いで、吸着バイアス電源12より正極性の吸着バイアスが印加される吸着ローラ15によって転写材担持体の転写ベルト1と静電的に吸着されて担持搬送される。
画像形成装置Dにおいて、転写ベルト1は、駆動ローラ7、吸着対向ローラ6、テンションローラ8、9の4本のローラに巻架されており、転写ベルト1の移動方向(矢印R1方向)に沿って上流から順に、ブラック、マゼンタ、シアン、イエローの各色のプロセスステーション2a、2b、2c、2d、が直列に配置されている。
転写ベルト1に吸着された転写材Pは各色のプロセスステーション2a〜2dを順次通過し感光ドラム21上の各色のトナー像が静電的に順次転写される。その後これらトナー像は定着装置16にて加熱及び加圧されることにより転写材P上に定着されて永久画像が形成される。
この画像形成工程における一連の動作を完了した後、感光ドラム21はプロセスステーション2内でクリーニング手段によりクリーニングされ、転写ベルト1は除電帯電器11にて除電されて、次の画像形成プロセスに備える。
上述の転写ベルト1は、通常は表面にトナー像を直接担持することはないので、トナーによって汚染されることは少ない。しかし、ジャム時や非画像部への地カブリトナーが付着する時、転写ベルト1上に直接レジストマークや濃度検出パターンを形成して、これを検出するようなシステム使用時等の場合は転写ベルト1上にトナーが直接付着する。
これを除去するために別途クリーニング装置17を設けることもできるが、ここでは、転写手段を構成する転写ブレード3(3a、3b、3c、3d)にクリーニングバイアスを印加する方法について説明する。
転写工程においては、感光ドラム21から転写材Pには、それらと対向して転写ベルト1を挟んで設けられている転写手段である転写ブレード3(3a、3b、3c、3d)によって、トナー像が転写されている。転写ブレード3は、材料として低抵抗の樹脂フィルムが一般的に用いられ、各プロセスステーション2内の感光ドラム21と転写ベルト1を介して当接しており、転写材にトナー像を転写する時には、転写バイアス電源4a、4b、4c、4dより転写バイアスが印加される。
従来電子写真方式の画像形成装置においては、例えば感光ドラム21として負極性の有機感光体、現像剤として負極性のトナーを含む現像装置が使用されている。従って、転写ブレード3は、転写時には、転写バイアス電源4によって正極性の転写バイアスが印加される。
転写ブレード3は、上記のように転写手段の一部として働いているが、転写ベルト1のクリーニング手段としての働きもする。画像形成装置Dの場合、転写ベルト1のクリーニング時には、4つの転写ブレード3のうち転写ベルト1移動方向で1番目と3番目に配置される転写ブレード3aと3cに印加されるバイアスが、バイアス切り替えスイッチ5a、5cによって、正から負に切り替わる。つまり、バイアス切り替えスイッチ5a、5cによって、転写ブレード3a、3cの接続されている電源が、正極性バイアスを印加する電源4a、4cから負極性バイアスを印加する電源4A、4Cに切り替わる。そして、各転写ブレード3a、3b、3c、3dには、クリーニングバイアスとしては、例えば上流ステーションから負、正、負、正の順に印加して、転写ベルト1上に付着したトナーを感光ドラム21に効率よく逆転写することで転写ベルト1の残留トナーを除去するという提案が既になされている。
詳しく説明すると、例えば、転写ブレード3のうち転写ブレード3aと3cに、転写時と逆電界を形成するクリーニングバイアス(主クリーニングバイアス)を電源4A、4Cから印加し、正規極性のトナーを感光ドラム21に逆転写させ、又、転写ブレード3bと3dに転写時と同極性のクリーニングバイアス(副クリーニングバイアス)を転写時と同一の電源4b、4dから印加し、反転極性のトナーを感光ドラム21に逆転写させ、転写ベルト1に付着したトナーを各ステーションの感光ドラムへ除去する。
しかしながら、上記のようなクリーニング手段の場合、帯電量が比較的低いトナー(例えば−5〜−30μC/g)の場合は効果的なクリーニング性能を維持できるが、クリーニングするトナー量が多かったり、クリーニングするトナーの帯電量が高かったりする場合は、必ずしも十分な効果が得られない場合がある。そのため、クリーニング時間を多くとることが必要な場合もあり、画像形成部材の劣化等の弊害が発生する懸念がある。
他に、クリーニングし難い要因として、装置が置かれている雰囲気の環境要因がある。例えば、低温低湿環境では、常温常湿や高温多湿環境と比べてクリーニングし難い。これは、低温低湿環境では、前述したようにトナーの帯電量が高くなる傾向があることと、クリーニングバイアスを印加する部分の抵抗が上昇するために、クリーニングに必要な電流が流れ難くなるからである。
又、上記のようなクリーニングバイアス印加だけでは除去しきれない高い帯電量(例えば−40〜−80μC/g)のトナーに対して、転写ベルト1の周速度を感光ドラム21より速く設定することで、更に効率よく転写ベルト1のクリーニングを行うことが提案されている。
しかしながら、この場合は転写ベルト1を感光ドラム21a〜21dと別の駆動源で駆動させる必要性があり、コストアップにつながる。又、転写ベルト1と感光ドラム21の速度を大きくとることでの摺擦による磨耗劣化が発生するために感光ドラム21の寿命の短縮を招く場合がある。
特開2002−23512号公報
特開平2−123385号公報
本発明の目的は、像担持体から現像剤像が転写される第2の像担持体若しくは第2の像担持体を搬送する転写材担持体である転写体のクリーニング手段として、転写部に現像剤と逆極性のクリーニングバイアスを印加する手段を実施する画像形成装置において、現像剤の帯電量が高い場合、クリーニングする現像剤量が多い場合、又は低温低湿環境下においても、良好なクリーニング性を発揮する、低コスト且つ像担持体や転写体を破損しない転写体クリーニング手段を備えた画像形成装置を提供することである。
上記目的は本発明に係る画像形成装置にて達成される。要約すれば、本発明は、表面にトナー像が形成される像担持体と、該像担持体に対向して表面が移動する転写体と、前記像担持体と前記転写体との間に転写バイアスを印加する転写手段と、を有し、前記転写手段に、前記転写体に付着した現像剤を前記像担持体上に逆転写させるクリーニングバイアスを印加することによって、前記転写体のクリーニングを行う画像形成装置において、
所定条件に基づいて前記クリーニング時間を可変にすることを特徴とする画像形成装置を提供する。
所定条件に基づいて前記クリーニング時間を可変にすることを特徴とする画像形成装置を提供する。
本発明の一実施態様によると、更に、装置が設置されている環境を検出する環境検出手段を有し、該環境検出手段の検出結果に基づいて、前記クリーニング時間を可変にし、その時、前記環境は、装置内の温度であり、前記環境検出手段の温度検出結果より、装置内の温度が所定温度より低い時に前記クリーニング時間を、前記所定温度より高い時よりも長くすることが多い。
本発明の他の実施態様によると、更に、装置の使用履歴を記憶する使用履歴記憶手段を有し、該使用履歴記憶手段の情報に基づいて、前記クリーニング動作時間を可変にし、その時、実行した画像形成回数が所定数より多い時に、前記所定数より少ない時よりも前記クリーニング時間を長くすることが多い。
本発明の他の実施態様によると、更に、前記転写バイアスが印加される転写部におけるインピーダンスを検出するインピーダンス検出手段を有し、該インピーダンス検出手段の検出結果に基づいて、前記クリーニング時間を可変にし、その時、前記転写部におけるインピーダンスが所定より大きい時に、それより小さい時よりも前記クリーニング時間を長くすることが多い。
本発明の他の実施態様によると、前記所定条件に基づいて、前記クリーニングバイアスが可変である。
本発明の他の実施態様によると、前記転写体とは前記像担持体との対向部に転写材を搬送する転写材担持体であり、該転写剤担持体が搬送する前記転写材に前記トナー像が転写されるか、又は、前記転写体とは前記像担持体から前記トナー像が転写される中間転写体であり、該中間転写体に転写された前記トナー像が転写材に転写される。
本発明の画像形成装置は、表面にトナー像が形成される像担持体と、像担持体に対向して表面が移動する転写体と、像担持体と転写体との間に転写バイアスを印加する転写手段と、を有し、転写手段に、転写体に付着した現像剤を像担持体上に逆転写させるクリーニングバイアスを印加することによって、転写体のクリーニングを行う画像形成装置において、所定条件に基づいてクリーニング時間を可変にするので、装置のクリーニング時間を任意に変更でき、最適なクリーニング時間を選択し、クリーニング性の良好な条件においては、少ないクリーニング時間でクリーニングでき、且つ、画像形成部材の劣化等の弊害も防ぐことができる。
以下、本発明に係る画像形成装置を図面に則して更に詳しく説明する。
実施例1
図1の概略構成図にて示される画像形成装置Aは、それぞれ異なる色のトナー像を形成する4個の画像形成部であるプロセスステーション2a〜2dを有するいわゆるインライン方式の4色フルカラーの画像形成装置である。
図1の概略構成図にて示される画像形成装置Aは、それぞれ異なる色のトナー像を形成する4個の画像形成部であるプロセスステーション2a〜2dを有するいわゆるインライン方式の4色フルカラーの画像形成装置である。
画像形成装置Aは転写材担持体である搬送ベルト1(転写ベルト)を備えている。転写材Pが給紙されてから転写、定着後排紙されるまでの工程は図13の従来の画像形成装置と同様なので省略し、転写ベルト1のクリーニングの工程について述べる。
上述のベルト1上に付着したトナーの回収法として、本実施例では、従来例と同様の転写手段を構成する転写ローラ3のうち例えば転写ローラ3bと3dにおいて、バイアス切り替えスイッチ5b、5dで、転写ローラ3bと3dにバイアスを印加する電源を、転写時にて正極性バイアスを印加する電源(転写バイアス電源)4b、4dから、逆極性バイアスを印加する電源(主クリーニングバイアス電源)4B、4Dに切り替えて、転写時と逆電界を形成するクリーニングバイアス(主クリーニングバイアス)として、例えば−2.5kvを印加し、正規極性のトナーを感光ドラム21bと21dに逆転写させる。
又、転写ローラ3a、3cに転写時の電源4a、4cから同極性のクリーニングバイアス(副クリーニングバイアス)として例えば+1kvを印加し、反転極性のトナーを感光ドラム21a、21cに逆転写させる。
そして、これら感光ドラム21に逆転写されたトナーを廃トナーとして、画像形成部であるプロセスステーション2内の像担持体クリーニング手段を構成する廃トナー容器26(26a、26b、26c、26d)に回収するようにしている。
以上のような働きで転写ベルト1のクリーニングを行うが、クリーニングモードを設けた場合、転写ベルト1を1周回転から転写ローラ3a〜3dが設置された距離、つまりベルト1の移動方向最上流と最下流に設置された転写ローラ3との間の距離を足した回転距離以上、回転させることで、転写ベルト1の表面全転写領域に、主クリーニングバイアスと副クリーニングバイアスを印加することができるので、転写ベルト1上の全ての不要なトナー、つまり正規極性のトナー及び反対極性のトナーを、感光ドラム21に逆転写させ、プロセスステーション2内のクリーニング手段26によって回収することができる。
本発明においては、転写ベルト1のクリーニングを最小の時間で充分に行うことが可能である。
本実施例では、画像形成装置内に、装置が設置されている雰囲気を検出する環境検出手段(環境検出センサ)(不図示)が搭載されていて、クリーニングモードを実行するときには、環境検出センサの検出結果に基づいて、最適なクリーニング時間を求め、クリーニング動作を実行するものである。
ここで、本画像形成装置においては、転写ベルト1と感光ドラム21の回転速度は同じ速度でクリーニング時は常に一定とする。なぜなら、従来は、両者の回転速度を異なるものにすることで、クリーニング効果を上げる方法も実施されていたが、両者の摺擦による破損等の問題が生じていたからである。
従って、クリーニング時間を、ベルト1の一定領域に対するクリーニングバイアスを印加する時間とすると、クリーニング時間を長くする方法としては、ベルト1の回転を遅くしてベルト1の1回転におけるクリーニング時間を長くする方法はとられず、ベルト1を多く回転させて、その間の時間クリーニングバイアスをかけ続けることで、ベルトを複数回クリーニングして、合計のクリーニング時間を長くする方法がとられる。
即ち、クリーニング時間とは、クリーニングバイアス印加時でのベルト回転数となる。
そして、クリーニングバイアスの周回数が1回の時間とは、ベルト1が1回転とベルト回転方向で最上流と最下流に設置された転写ローラ3aと3dとの間の距離を進む時間のことをいう。そして、クリーニング時間は、最低でもベルト1回転と転写ローラ3aと3d間距離を回転する時間(1周回転)より長く設定する。
このようにすれば、ベルトn回転の時間において、ベルト1上の全ての位置にあったトナーが、クリーニングが行われるプロセスステーション2a〜2dをn回通過することができるので、最も短い時間で最大のクリーニング効果を得ることができる。
つまり、ベルトn周の時間とは、(ベルト1回転と転写ローラ3a〜3d間距離進む時間)×nの時間のことである。
こうしたクリーニング時間を環境によって選択した、本実施例におけるクリーニングモードにおけるクリーニング動作の概略を図2を用いて説明する。
step1:クリーニング制御を開始する。
Step2:環境検出センサによって、装置が設置している環境を検出する。
Step3:環境検出センサの検出結果、温度Tが20℃以上であるか否かを判別する。
Step4:Tが20℃以上であった場合は、Step4でクリーニング動作即ちクリーニングバイアスを印加し始めてから、ベルトを1周回転させ、その時間分だけクリーニングバイアスを印加する。
Step5:Tが20℃未満であった場合は、Step5でクリーニング動作即ちクリーニングバイアスを印加し始めてから、ベルトを2周回転させ、その時間分だけクリーングバイアスを印加する。
Step6:Step4又はStep5を行った後に、Step6でクリーニング制御を終了する。
つまり、本実施例では、Step3において、装置の設置環境が低温低湿環境か否かを判断し、低温低湿環境であった場合は、常温常湿環境若しくは高温高湿環境の時よりも、クリーニング時間を長くしている。
図2に示した上記の工程で、環境温度によってクリーニング時間つまりクリーニングバイアスを流している時間におけるベルトの周回転数を変更する効果を説明する。
まず、図3に示したグラフは、各環境温度において、転写ベルト1のクリーニング性を示したものである。
即ち、図3におけるグラフ線HHは32.5℃の環境、グラフ線NNは23℃の環境、グラフ線LLは15℃の環境を示している。そして、この評価は、転写ベルト1上に単色のベタパターンを印字し、転写ローラ3にクリーニングバイアスを印加させながら、ベルト1を回してクリーニングした時の、ベルト1上に残留したトナー量、つまりトナー像の残像の濃度(残濃度)(O.D)をMacbeth社製の濃度計RD918で測定した値をプロットした図である。尚、この値は、全くトナー像が形成されていない状態のベルトに対して検出された濃度との差分で示したものである。
ここで、クリーニングバイアスとしては、第2と第4ステーションの転写ローラ3bと3dには、主クリーニングバイアスの−2.5KVを印加し、第1と第3ステーションの転写ローラ3aと3cには、副クリーニングバイアスの+1.0KVを印加している。
ドラム21上に逆転写されたトナーは、各ドラム21と共にステーション2に具備されている廃トナー容器26に回収される。このようにして、ベルト1上のトナーがクリーニングされている。
図3にあるように、ベルト1の周回数が増え、即ちクリーニングバイアスをかける時間が多くなるに従って、ベルト1上の残濃度が少なくなっている。これは、ベルト1上のトナーがクリーニングバイアスによって、各ステーション2のドラム21に多く逆転写されるからである。
つまり、クリーニング時間を長くすることによって、クリーニング効果が向上することは明白となった。
ここで、環境や、トナー乗り量や、トナーの帯電量によらずベルト1上のクリーニングが可能となるが、それぞれの状況に対する本実施例の効果を説明する。
(1)低温低湿環境:図3に示す結果から、ベルト1上のトナーは、高温環境下でクリーニングしやすく、低温環境化でクリーニングし難いことが分る。この原因として、LLの低温環境下では、トナーの帯電量が高いため、トナーがベルト1に強力に付着していることが挙げられる。更に低温環境下では、クリーニングバイアスを印加する部材である転写ベルト1及び転写ローラ3の抵抗が高くなる為、トナーをドラム21に逆転写させる電流が不足するからである。
この対策として、クリーニングバイアスとして高い電圧を用いれば、ベルト1上のトナーをクリーニングする効果は増大するが、以下の問題が生じる。
即ちドラムメモリの問題である。この問題は、高いクリーニングバイアスを印加すると、ドラム21に多くの電流が流れてしまう為に、ドラム21の電荷発生層と電荷輸送層に影響してしまう問題である。過剰にドラム21に電流が流れることによって、本来画像形成時に、所望の電位に帯電したり、露光時に得る露光電位を得ることができなくなってしまう。そうするとハーフトーン画像等で、画像濃度が均一でなくなってしまう欠陥が生じてしまう。
そのため、本実施例では、ドラムメモリが発生しない範囲の電圧を用いていて、具体的には、主クリーニングバイアスを−2.5KVとし、副クリーニングバイアスを+1.0KVにしていることで、ドラムメモリが発生するのを防ぎ、電圧をこれ以上上げないで、ベルト1の回転数を上げてクリーニング時間を長くすることでクリーニング性を向上させている。
(2)トナー乗り量:ベルト1クリーニング時間を長くすると、クリーニングブレードを使用しなくとも乗り量の多いトナーを除去することができる。
即ち、上記に説明した以外の転写体クリーニング方法で、ベルト1にブレード状部材を当接させ、ベルト1を移動させることでベルト1上のトナーを掻き取るブレードクリーニング方式を実施することで、機械的にベルト1上に残ったトナーを機械的に掻き取るので、例えばベルト1上に乗り量の多いベタ画像があっても問題なくクリーニングできていた。
しかしながら、固定されたブレードに当接してベルト1が移動する構成であったため、ベルト1とブレードとが摺擦し、両部材が破損しやすいという問題があった。
そこで、本実施例のバイアスを印加し、静電的にクリ−ニングを行う方式においては、ベルト1上のトナー乗り量が多い場合、例えばベタ画像の場合は、クリーニングを行う時間を長くしてこの問題を解決することとした。
本実施例のように、静電的にベルト1上のトナーをドラム側に戻す方式においては、クリーニングバイアスを印加するとベルト1の表層側のトナーから回収されることになる。本実施例のような静電クリーニング方式においては、ベルト1上にトナーが2〜3層形成されているベタ画像の場合は、表層から徐々に電界によってドラム21側に戻すため、長い時間かけてクリーニングする必要がある。
(3)トナー帯電量:ベルト1上にあるトナーの帯電量が低い場合は、クリーニングバイアスを印加して、ベルト1上のトナーに放電を与えることで、トナーの帯電を整えてからクリーニングさせることになる。この場合、トナーの帯電は、放電を受ける表層側しか与えることができない。従って、2〜3層あるトナーで形成されたベタ画像がベルト1上にある場合、まず、表層のトナーをしっかり帯電させて、表層のトナーをクリーニングする。
つまり、ベルト1が複数回転する間クリーニングバイアスを流すことで、下層にあったトナーが表面にでてくる為、下層にあったトナーにも放電を与えることができて、トナーを帯電することができる。以上のようにして下層のトナーも帯電できるので、クリ−ニングができる。
以上に説明したように、どのような状況でも、クリーニング時間を長くすることによって、ベルト1上のトナーがクリーニングできるが、本実施例の特徴として、環境に応じてクリーニング時間を変更したことが挙げられる。
クリーニングし難い低温環境下では、常温や高温環境下と比べて、長いクリーニング時間が必要である。そこで、本実施例では、図2に示すクリーニング工程にてStep3で、クリーニング時間を選択できる。そして、高温高湿下や常温常湿下では、クリーニング時間をベルト1周分としたのに対し、低温環境下では、クリーニング時間をベルトの周回数で2回としている。
ベルト周回数を2回とすると、図3のグラフから明らかなように、ベルト1上のトナー残濃度は、低温低湿下においても0.05以下とすることができる。ベルト上の残濃度が0.05以下であれば、実際のプリント動作時に紙が担持されても、紙裏が汚れることが無く問題ないレベルである。
ここで、装置の設置されている環境によらず一律同じ時間だけクリーニングバイアスを印加してしまうと、つまり全ての環境において低温低湿環境下と同じ時間だけベルトのクリーニングを行うと、常温や高温環境下では、無駄に長い時間クリーニングすることとなる。
本実施例によれば、環境によって最適はクリーニング時間を選ぶことができるので、常温や高温環境下でのクリーニング時間を短縮することができ、クリーニング時間をできるだけ短く抑えることが可能である。
実施例2
本実施例の画像形成装置の概略構成は、実施例1で説明した図1と同じであり、転写材Pが給紙されてから定着されるまでの動作、及びクリーニング時の動作に関しても同様である。従って、実施例1と同じ部分の説明を省略する。
本実施例の画像形成装置の概略構成は、実施例1で説明した図1と同じであり、転写材Pが給紙されてから定着されるまでの動作、及びクリーニング時の動作に関しても同様である。従って、実施例1と同じ部分の説明を省略する。
本実施例も、転写ベルト1のクリーニングを最小の時間で充分に行う能力を得ることができるものである。
本実施例では、図4のブロック図に示した画像形成装置の制御手段100の一部に、装置の使用履歴を記憶する使用履歴記憶手段(メモリ)101が設置されている。メモリ101には、装置の使用履歴として具体的には、画像形成回数であるプリントの積算枚数(総プリント枚数)が記憶されていて、クリーニングモードを実行するときには、CPU102が装置の積算プリント枚数に基づいて、最適なクリーニング時間を求め、それを装置内の電源動作を駆動する電源駆動回路103に送信し、転写バイアス電源4を操作し、クリーニング動作を実行するものである。
そのクリーニング動作を図5のフローチャートを用いて説明する。
Step1:クリーニング制御を開始する。
Step2:装置メモリ101に記憶されている、総プリント枚数Pを読み出す。
Step3:総プリント枚数Pが30K枚未満であるか否かを判別する。
Step4:Pが30K枚未満であった場合は、Step4でクリーニング動作即ちクリーニングバイアスを印加し始めてからベルトが1周回転する時間分だけクリーニングバイアスを印加する。
Step5:Pが30K枚以上であった場合は、Step5でクリーニング動作即ちクリーニングバイアスを印加し始めてからベルトが2周回転する時間分だけクリーングバイアスを印加する。
Step6:Step4又はStep5を行った後に、Step6でクリーニング制御を終了する。
つまり、本実施例では、Step3において、総プリント枚数P即ち画像形成回数が所定数以上か否かを判断し、所定数以上の場合は、クリーニング時間を長くしている。
図5に示した上記の工程で、総プリント枚数によってクリーニング時間を変更する効果を説明する。
ここで、図6に示したグラフは、装置の画像形成回数である総プリント枚数(耐久枚数)と転写ベルト1のクリーニング性を示したものである。この評価は、図3と同様に、転写ベルト1上にベタパターンを印字し、転写ローラ3にクリーニングバイアスを印加させながら、ベルト1をクリーニングした時の、ベルト1上に残留したトナー像における濃度(残濃度)(O.D)をMacbeth社製の濃度計RD918で測定した値をプロットした図である。
図6を参照すれば明らかなように、装置のプリント枚数が増えると、クリーニング性が悪化することが分る。これは、装置が使用され、プリントを繰り返すと、ベルト1表面が傷ついて凹凸になったり、紙粉が付着することで、ベルト1の離型性が落ちてしまって、ベルト1上にあるトナーの付着力が増加してしまうことが原因と考えられる。よって、装置のプリント耐久が進んだ状態で、クリーニング時間を長くしてクリーニング性を維持している。
本実施例では、プリント枚数が30K未満のときは、クリーニング時間をベルト1の周回数1回とし、プリント枚数が30K以上になったときは、ベルト周回数を2回としている。ここで、ベルトの回転数の定義は、実施例1に説明したのと同様である。
クリーニング時間をベルト1の2回転とすることで、図6のグラフから明らかなように、ベルト上のトナー残濃度は、0.05以下にすることができる。ベルト1上の残濃度が0.05以下であれば、実際のプリント動作時に紙が担持されても、紙裏が汚れることが無く問題ないレベルである。
つまり、クリーニング時間を長くすることによって、クリーニング効果が向上することは明白となった。
実施例1に説明したように、クリーニング性を悪化させる状況、例えば低温低湿環境であったり、ベルト1上のトナー乗り量が大量であったり、トナーの帯電量が低い状況においても、クリーニング時間を長くすることによって、転写ローラ3にクリーニングバイアスを印加することで良好にベルト1をクリーニングできるが、本実施例では、総プリント枚数Pに応じてクリーニング時間を変更したことが特徴として挙げられる。
ここで、装置の使用履歴によらず一律同じ時間だけクリーニングバイアスを印加してしまうと、つまり総プリント枚数Pが少ない状態においても、耐久後と同じ時間だけベルトクリーニングを行うと、装置がそれほど耐久されていない状態では、無駄に長い時間クリーニングすることとなる。
本実施例によれば、装置本体の使用履歴によって最適なクリーニング時間を選ぶことができるので、装置の使用初期や耐久がさほど進んでいない場合のクリーニング時間を短縮しクリーニングモードの実行時間を短くすることが可能となった。
実施例3
本実施例の画像形成装置の概略構成は、実施例1にて説明した図1とほぼ同じであり、転写材Pが給紙されてから定着されるまでの動作、及びクリーニング時の動作に関しても同様である。従って、実施例1と同じ部分の説明を省略する。
本実施例の画像形成装置の概略構成は、実施例1にて説明した図1とほぼ同じであり、転写材Pが給紙されてから定着されるまでの動作、及びクリーニング時の動作に関しても同様である。従って、実施例1と同じ部分の説明を省略する。
本実施例も、転写ベルト1のクリーニングを最小の時間で充分に行う能力を得ることができるものである。
本実施例では、画像形成装置内に、それぞれのプロセスステーション2毎に、トナー像が形成される感光ドラム21と、転写バイアスを感光ドラム21と転写材Pとの間に印加する時の転写部におけるインピーダンスを検出する不図示のインピーダンス検出手段を有し、インピーダンス検出手段の検出結果に基づいて、実施例1にて説明したクリーニング動作時間を可変にするものである。尚、転写部におけるインピーダンスとは、転写ローラ3から感光ドラム21と転写材Pとの間に印加する転写バイアスのインピーダンスであり、ほとんどが転写ローラ3とベルト1との合計インピーダンスである。
そのクリーニング動作を図7のフローチャートを用いて説明する。
Step1:クリーニング制御を開始する。
Step2:転写部におけるインピーダンス検出を行う。
Step3:検出結果より、インピーダンスが小であるか否かを判別する。
Step4:インピーダンスが小である場合は、Step4でクリーニング動作即ちクリーニングバイアスを印加し始めてからベルトが1周回転する時間分だけクリーニングバイアスを印加する。
Step5:インピーダンスが大であった場合は、Step5でクリーニング動作即ちクリーニングバイアスを印加し始めてからベルトが2周回転する時間分だけクリーングバイアスを印加する。
Step6:Step4又はStep5を行った後に、Step6でクリーニング制御を終了する。
ここで、Step2にて行うインピーダンス検出方法について説明する。
本実施例では、所謂ATVC制御によって、インピーダンス検出を行っている。ATVC制御とは、転写ローラ3に図8に示すような電圧を印加して転写バイアスを決定している。即ち、転写バイアスは転写ローラ3に転写材Pが存在しないときに一定電流を定電流制御で所定の時間T1の間付与し、その時の発生電圧から、予め設定した制御式により算出し決定した電圧値を転写材Pが存在するときに印加する方式で、所謂、特許文献2で公開されているような制御方式である。本実施例では、各プロセスステーション2は同じ転写ローラ3を用いているので、第1プロセスステーション2aにてインピーダンス検出を行っており、ここで検出されたインピーダンスは、他のプロセスステーション2b、2c、2dにおけるインピーダンスと同じものと考える。
本実施例では、このプリント時の転写バイアスを決定するときに用いるATVC制御の結果を用いて、クリーニング時の転写バイアスをも決定するものである。
具体的には、第1ステーション2aの転写ローラ3aに3.5μA流れる定電流制御を転写ローラ3aが1周回転すえる時間以上行い、そのときの平均電圧を求める。
その平均電圧が1.5KV未満であるときは、転写部におけるインピーダンスが小さいと判断してベルト1の1周分の時間クリーニング動作を実行する。
又、平均電圧が1.5KV以上であったときには、インピーダンスが大きいと判断してベルト1の2周分の時間クリーニング動作を実行する。
このように、インピーダンス検出結果に基づいて、クリーニング時間を変更する効果を説明する。
図9に示したグラフは、転写部におけるインピーダンス(Vto(V))とベルト1のクリーニング性を示したものである。この評価は、転写ベルト1上にベタパターンを印字し、転写ローラ3にクリーニングバイアスを印加させながら、ベルト1を回した時の、ベルト1上の残濃度(O.D)をMacbeth社製の濃度計RD918で測定した値をプロットした図である。
図9を参照すれば明らかなように、転写部におけるインピーダンスVtoが大きくなると、クリーニング性が悪化することが分る。これは、ベルト1や転写ローラ3のインピーダンスが大きくなると、クリーニングに必要な転写電流が不足してクリーニングしにくくなっているからである。よって、転写部におけるインピーダンスが大きい場合は、長くクリーニング時間を設定することで、クリーニング性を維持する。
本実施例では、インピーダンスが小と検出した場合は、周回数1回とし、インピーダンスが大と検出したベルト周回数を2回としている。
これによって、図9のグラフから分るとおり、ベルト上のトナー残濃度(O.D)は、0.05以下にすることができる。ベルト上の残濃度が0.05以下であれば、実際のプリント動作時に転写材である紙が担持されても、紙裏が汚れることが無く問題ないレベルである。
実施例1に説明したように、クリーニング性を悪化させる状況、例えば低温低湿環境であったり、ベルト1上のトナー乗り量が大量であったり、トナーの帯電量が低い状況においても、クリーニング時間を長くすることによって、転写ローラ3にクリーニングバイアスを印加することで良好にベルト1をクリーニングできるが、本実施例では、転写部におけるインピーダンスに応じてクリーニング時間を変更したことが特徴として挙げられる。
ここで、転写部におけるインピーダンスによらず一律同じ時間だけクリーニングバイアスを印加するようにすると、つまり転写ローラ3やベルト1のインピーダンスが低い状態でも、クリーニング性の悪い高インピーダンスの状態でベルトのクリーニングを行うと、ベルト1や転写ローラ3の抵抗が低い状態では、無駄に長い時間クリーニングすることになる。
尚、転写ローラ3やベルト1の抵抗が様々になる理由は、製造バラツキ、使用による抵抗UP、使用環境の影響などがある。
以上のように本実施例によれば、転写部におけるインピーダンス検出を行うことで、種々の場合に最適なクリーニング時間を選ぶことができるので、インピーダンスが小さい場合のクリーニング時間を短縮することができるようになった。
尚、このインピーダンス検出は、クリーニング直前に必ず行う必要はなく、本体が、クリーニングを行う前の最終のインピーダンス検出結果を記憶していてその検出結果に基づいて行ってもよい。このようにすることで、クリーニング時のインピーダンス検出を行う時間を短縮することができる。
実施例4
本実施例の画像形成装置の概略構成は、実施例1で説明した図1と同じであり、転写材Pが給紙されてから定着されるまでの動作、及びクリーニング時の動作に関しても同様である。従って、実施例1と同じ部分の説明を省略する。
本実施例の画像形成装置の概略構成は、実施例1で説明した図1と同じであり、転写材Pが給紙されてから定着されるまでの動作、及びクリーニング時の動作に関しても同様である。従って、実施例1と同じ部分の説明を省略する。
本実施例も、転写ベルト1のクリーニングを最小の時間で充分に行う能力を得ることができるものである。
本実施例は、クリーニングモードにおいて、実施例3にて説明したような転写部におけるインピーダンスによって、クリーニング時間を調整すると共に、更に、大量にベルト1に残留したトナーをクリーニングするために、ここではプロセスステーション2bと2dにて印加されている、ベルト1上のトナーを感光ドラム2へと逆転写させるクリーニングバイアス特に大量の正極性トナーを逆転写させるためのバイアス即ち主クリーニングバイアスを決定することを特徴とするものである。
インピーダンス検出の方法については、先の実施例3で説明した方法と同様であるので説明を省略する。
次に本実施例の特徴にあたる、インピーダンス検出結果に基づいて、クリーニングバイアスを変える動作フローの概略を示した図10で説明する。
Step1:クリーニング制御を開始する。
Step2:転写ローラ3と転写ベルト1のインピーダンス検出を行う。
Step3:Step2における検出結果より、インピーダンスが小であるか否かを判別する。
Step4:インピーダンスが小である場合は、Step4でクリーニングバイアスVtc1を所定時間Taだけ印加する。
Step5:インピーダンスが大である場合は、Step5でクリーニングバイアスVtc2を所定時間Tbだけ印加する。
Step6:Step4又はStep5を行った後に、Step6でクリーニング制御を終了する。
次に、インピーダンス検出結果に基づいて、クリーニングバイアスを変更する効果を説明する。
ここで、図11に示したグラフは、主クリーニングバイアスVtcと転写ベルト1と転写ローラ3との合計インピーダンスVtoとベルト1のクリーニング性を示したものである。
この評価は、転写ベルト1上に2色の100%のベタ画像を載せて200%のベタパターンとした状態で、転写ローラ3にクリーニングバイアスを印加させながら、ベルト回した時の、ベルト1上に残留したトナーによる残像の濃度をMacbeth社製の濃度計RD918で測定した値をプロットした図である。
図11を参照すれば明らかなように、ベルト1と転写ローラ3との合計インピーダンスVtoが大きくなると、クリーニング性が悪化し、クリーニングバイアスVtcを大きくすることで、クリーニング性が向上し、ベルト1上の残トナー量が少なくなっている。
これは、ベルト1や転写ローラ3のインピーダンスが大きくなると、クリーニングに必要な転写電流が不足してクリーニングしにくくなっているが、クリーニングバイアスを大きくすることで、ベルト1上のトナーをドラム21に逆転写させるのに充分な転写電流を得ることができるからである。
よって、ベルト1上のトナー量が多い場合や転写ローラ3のインピーダンスが大きい場合は、クリーニング時間を長くし、更に大きなクリーニングバイアスを印加するとよりクリーニング性が向上するのである。
本実施例では、Step4でインピーダンスが小と検出した場合は、クリーニング時間Taを回転数で1回とし、且つクリーニング主バイアスを−2.5KVとしている。
Step5で、インピーダンスが大と検出した場合は、クリーニング時間Tbをベルト回転数で2回として、且つクリーニング主バイアスを−3.5KVとしている。
これによって、ベルト上に200%のベタパターンがあったときで、更に、感光ドラム21と転写ベルト3との間のインピーダンスが高いときにおいても、高いクリーニングバイアスを用いて、長い時間クリーニングを行うことで、ベルト1上の残濃度を0.05以下にすることができた(図11)。ベルト上の残濃度が0.05以下であれば、実際のプリント動作時に紙が担持されても、紙裏が汚れることが無く問題ないレベルである。
尚、ベルト1上に200%のベタ画像が載っていてクリーニングを要する可能性としては、転写ベルト1に、ステーション2間のレジストレーション調整をするための2次色のパッチを形成し、そのパッチをクリーニングする場合や、若しくは、実施例6に説明したような中間転写ベルトを用いた画像形成装置において、例えばマゼンダベタとシアンベタ等で形成される2次色のブルーベタの印字中にJAMが発生した場合等が考えられる。
以上のように、本実施例によれば、ベルト上に200%ベタ画像があり、更に、インピーダンスが小さい等のクリーニング性を悪化させる条件が重なった場合において、種々の場合に最適なクリーニング時間を選ぶことができるので、クリーニング時間を短縮することができるようになった。
尚、本実施例にて説明した主クリーニングバイアスを上げてクリーニング性を向上させる方法は、実施例1、2で説明した低温低湿環境や総プリント枚数の条件でクリーニング時間を長くする構成においても、クリーニング時間を長くする時に主クリーニングバイアスを上げることで適用できる。
実施例5
本実施例の画像形成装置の概略構成は、実施例1で説明した図1と同じであり、転写材Pが給紙されてから定着されるまでの動作、及びクリーニング時の動作に関しても同様である。従って、実施例1と同じ部分の説明を省略する。
本実施例の画像形成装置の概略構成は、実施例1で説明した図1と同じであり、転写材Pが給紙されてから定着されるまでの動作、及びクリーニング時の動作に関しても同様である。従って、実施例1と同じ部分の説明を省略する。
本実施例も、転写ベルト1のクリーニングを最小の時間で充分に行う能力を得ることができるものである。
本実施例は、クリーニングモードにおいて、実施例3にて説明したような転写部におけるインピーダンスによって、クリーニング時間を調整すると共に、更に、実施例4と同様に、ベルト1上のトナーを感光ドラム2へと逆転写させる転写バイアスを決定するが、本実施例では、主クリーニングバイアスを決定すると共に、更に、反転トナーを逆転写させるための、ここではプロセスステーション2aと2cにて印加される副クリーニングバイアスを変更することが特徴である。副クリーニングバイアスは、即ちベルト1上でトナー帯電が反転している+トナーをドラム1上に逆転写させるための+バイアスである。
本実施例では、クリーニング動作時に+が印加される第1及び第3ステーション2a、2cの転写ローラ3に印加される高圧が定電流回路を持っている。このようにすることで、インピーダンスが高いときは、低い電圧がかかり、インピーダンスが大きいときは、高い電圧がかかる。
+のクリーニングバイアスがインピーダンスによって自動的に変わるようにしていることで、以下の効果がある。
即ち、画像形成時に発生するドラムメモリとカブリの問題が解決する。この問題は、インピーダンスが低いときに多くの+電流がドラムに流れてしまうと、ドラム21の帯電能に影響することによって発生する。つまり、+の転写電流が多くドラム21に流れてしまうことで、ドラム21の電荷発生層と電荷輸送に影響し、画像形成時にドラム21を所望の−電位に帯電できなくなってしまうことが原因である。
ドラム21が+メモリをもっていると、所望の−電位まで帯電できないために、ハーフトーン濃度が濃くなってしまったり、カブリが発生してしまう。
本実施例では、副クリーニングバイアスにてプロセスステーション2a及び2cにて印加されるバイアスの電流値を一定としたので、インピーダンスが小さい時に過剰な+のクリーニング電流が印加されるのを防ぐことができ、インピーダンスに依存せずに、ドラムメモリによる不良画像の発生を防ぐことができる。
本実施例では、副クリーニングバイアスを、インピーダンスに限らずに、+2.5μAと一定にした。
表1は、インピーダンス検出結果Vtoと副クリーニングバイアス(+)とドラムメモリ、およびカブリの関係を示す。
比較例では、本実施例と同様の構成の画像形成装置において、それぞれの転写部のインピーダンス後とに、副クリーニングバイアスを+500V、+1000V、+2000Vと変化させている。
ドラムメモリ及びカブリの評価は、主クリーニングバイアスは−2.5(KV)で一定とし、副クリーニングバイアス(+)の電圧値を振って、クリーニングモードを実行した直後に、ハーフトーン画像を印字させたときの、ドラムメモリとかぶりを評価したものである。
ドラムメモリはハーフトーン濃度を測定し、濃く測定されている場合はドラムメモリが発生している。本評価で用いたハーフトーンの正常な濃度は0.7で、これより0.7±0.2の画像濃度が計測された場合を○、0.9〜1.0濃度高い場合を△、1.0以上濃度が高い場合を×と判定した。
カブリは実際の紙上で、目視で分らないレベルを○(2%未満)、かすかに分るレベルを△(2〜4%)、酷くわかるレベルを×(5%以上)と判定した。
用いた紙はXEROX社の4024で坪量が75g/m2のものを使用した。カブリ測定は、DENSITOMETER TC−6DS((有)東京電色製)で測定したものである。基準として、印字しない紙の反射率をもとめておき、実際にプリントしたときの紙上の非画像部を測定した値との差分の値である。
表1から明らかなように、比較例において、インピーダンスが低いときに、副クリーニングバイアス(+)を過剰に印加すると、ドラムメモリやかぶりが発生してしまうことが分る。
本実施例では、副クリーニングバイアスを−2.5μAとしたので、ドラムメモリやカブリ等の発生がなくかつ良好にベルト上のトナーをクリーニングすることができた。
実施例6
本実施例では、転写体としてのベルト状部材が、感光ドラム21から直接トナー像が転写される中間転写体である例について説明する。つまり本発明は、図12に示したような中間転写方式の画像形成装置においても適用できる。
本実施例では、転写体としてのベルト状部材が、感光ドラム21から直接トナー像が転写される中間転写体である例について説明する。つまり本発明は、図12に示したような中間転写方式の画像形成装置においても適用できる。
図12の概略構成図にて示される画像形成装置Bも、図1に示した画像形成装置Aと同様に、それぞれ異なる色のトナー像を形成する4個の画像形成部であるプロセスステーション2a〜2dを有する。つまり、本実施例の画像形成装置は、いわゆるインライン中間転写方式の4色フルカラーの画像形成装置である。
画像形成装置Bでは、転写ベルト1の代わりにベルト状の中間転写体である中間転写ベルト1aを備えている。そして、各プロセスステーション2から直接にトナー像が重ねて転写され、このトナー像を中間転写ベルト1aと二次転写手段30とのニップ部である二次転写部において、給紙カセット18から給紙ローラ14によって画像形成装置内に送り出され、レジストローラ13、レジスト対向ローラ10に搬送されてきた転写材Pに、一括して転写される。二次転写手段30には、不図示の電源から二次転写バイアスが印加されている。
ここで、本実施例で上記に説明した以外の部分の構成である、転写ローラ3の構成やプロセスステーション2におけるトナー像形成工程、クリーニングモードにおける動作は実施例1〜5において説明してきたものと同様であるので説明を省略する。
本実施例のような中間転写方式の画像形成装置においても、ベルト1aのクリーニング時間を任意に可変できる構成とし、環境や総プリント数、転写部におけるインピーダンス等の条件によって、最適なクリーニング時間を選択することで、良好なベルト1クリーニング性を発揮でき、更に、クリーニング性の良好な条件においては、クリーニング時間を短くし且つクリーニング性が悪化する条件においてはクリーニング時間を長くすることによって、総クリーニング時間を短縮し、又、摩耗等による画像形成部材の劣化等の弊害も防ぐことができる。
又、実施例1〜5においては感光ドラムである像担持体を複数個備えたフルカラー画像形成装置において、本発明を適用したが、感光ドラムが1個の単色画像形成装置、又、感光ドラムが1個でその周囲に複数個の現像装置を有する画像形成装置においても、本発明は適用できる。
以上に説明した画像形成装置の構成部品の寸法、材質、形状、及びその相対位置などは、特に特定的な記載がない限りは、この発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
1 転写ベルト(転写体)
1a 中間転写ベルト(転写体)
2 プロセスステーション
3 転写ローラ(転写手段)
4a、4b、4c、4d 転写バイアス電源
4a、4B、4c、4D クリーニングバイアス電源
21 感光ドラム(像担持体)
26 廃トナー容器(像担持体クリーニング手段
101 メモリ(使用履歴記憶手段)
1a 中間転写ベルト(転写体)
2 プロセスステーション
3 転写ローラ(転写手段)
4a、4b、4c、4d 転写バイアス電源
4a、4B、4c、4D クリーニングバイアス電源
21 感光ドラム(像担持体)
26 廃トナー容器(像担持体クリーニング手段
101 メモリ(使用履歴記憶手段)
Claims (10)
- 表面にトナー像が形成される像担持体と、該像担持体に対向して表面が移動する転写体と、前記像担持体と前記転写体との間に転写バイアスを印加する転写手段と、を有し、前記転写手段に、前記転写体に付着した現像剤を前記像担持体上に逆転写させるクリーニングバイアスを印加することによって、前記転写体のクリーニングを行う画像形成装置において、
所定条件に基づいて前記クリーニング時間を可変にすることを特徴とする画像形成装置。 - 更に、装置が設置されている環境を検出する環境検出手段を有し、該環境検出手段の検出結果に基づいて、前記クリーニング時間を可変にすることを特徴とする請求項1の画像形成装置。
- 前記環境は、装置内の温度であり、前記環境検出手段の温度検出結果より、装置内の温度が所定温度より低い時に前記クリーニング時間を、前記所定温度より高い時よりも長くすることを特徴とする請求項2の画像形成装置。
- 更に、装置の使用履歴を記憶する使用履歴記憶手段を有し、該使用履歴記憶手段の情報に基づいて、前記クリーニング動作時間を可変にすることを特徴とする請求項1の画像形成装置。
- 前記使用履歴記憶手段の情報において、実行した画像形成回数が所定数より多い時に、前記所定数より少ない時よりも前記クリーニング時間を長くすることを特徴とする請求項4の画像形成装置。
- 更に、前記転写バイアスが印加される転写部におけるインピーダンスを検出するインピーダンス検出手段を有し、該インピーダンス検出手段の検出結果に基づいて、前記クリーニング時間を可変にすることを特徴とする請求項1の画像形成装置。
- 前記インピーダンス検出手段の検出結果において、前記転写部におけるインピーダンスが所定値より大きい時に、それより小さい時よりも前記クリーニング時間を長くすることを特徴とする請求項6の画像形成装置。
- 前記所定条件に基づいて、前記クリーニングバイアスが可変であることを特徴とする請求項1〜7のいずれかの項に記載の画像形成装置。
- 前記転写体とは前記像担持体との対向部に転写材を搬送する転写材担持体であり、該転写剤担持体が搬送する前記転写材に前記トナー像が転写されることを特徴とする請求項1〜8のいずれかの項に記載の画像形成装置。
- 前記転写体とは前記像担持体から前記トナー像が転写される中間転写体であり、該中間転写体に転写された前記トナー像が転写材に転写されることを特徴とする請求項1〜8のいずれかの項に記載の画像形成装置。
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