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JP2005240149A - 低靭延性快削性非調質鋼 - Google Patents

低靭延性快削性非調質鋼 Download PDF

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JP2005240149A JP2004054253A JP2004054253A JP2005240149A JP 2005240149 A JP2005240149 A JP 2005240149A JP 2004054253 A JP2004054253 A JP 2004054253A JP 2004054253 A JP2004054253 A JP 2004054253A JP 2005240149 A JP2005240149 A JP 2005240149A
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Abstract

【課題】鉛を含まなくとも被削性に優れ且つ破断分離性にも優れた非調質鋼を提供する。
【解決手段】本発明の非調質鋼は、Feを主成分として、0.15〜0.5(重量%)のC、0.4〜2(重量%)のSi、0.4〜1.6(重量%)のMn、0.03〜0.35(重量%)のS、0.02〜0.15(重量%)のP、0.01〜0.5(重量%)のCu、0.01〜0.5(重量%)のNi、0.01〜1(重量%)のCr、0.04〜0.5(重量%)のV、0.05〜0.65(重量%)のTi、0.005〜0.05(重量%)のsol-Al、0.008〜0.03(重量%)のN、および0.0005〜0.01(重量%)のCaとを含むので、Pbを含まなくとも熱間鍛造後の被削性、特に、旋削性およびドリル被削性に優れ且つ破断分離性にも優れており、大端部に切欠きを設けて割型でその内周から外周側に向かって押圧することによりその切欠きを起点として破断分離して製造されるコンロッドに好適である。
【選択図】 なし

Description

本発明は、靭延性が低く且つ被削性に優れ破断分離により製造されるコンロッドに好適な非調質鋼に関する。
二以上の個別部品が所定の突き合わせ面において相互に密着固定した状態で用いられる部品を製造するに際して、その使用状態すなわち最終形状に加工した部品をその突き合わせ面に対応する位置において破断分離して分割する製造方法が知られている(例えば特許文献1等を参照)。例えば、コネクティング・ロッド(連接棒;以下、コンロッドという)を製造するに際しては、最終形状で一体に鍛造し、必要に応じて機械加工等の仕上げ加工を施した後、クランク軸に組み付けられるその大端部を破断分離する。大端部には鍛造時または鍛造後に切欠きが形成され、例えば、内周側から外周側に向かって所定の荷重を作用させること等により、その切欠きを起点として破断させる。
このような製造方法によれば、機械加工によって二個の個別部品に分割する場合に比較して、切り代が無用になってこれに起因する材料の無駄がなくなると共に、切断分離面を切削加工や研磨加工等によって仕上げる必要がなくなって所要時間および製造費用が減じられる。しかも、破断面には微細且つ不均一な凹凸が形成されることから、位置合わせのためのノックピン等を用いなくとも切断・研磨加工が施された平坦且つ平滑な接合面を突き合わせる場合のような横滑りが生じ無いので、製造費用を低下させつつ大端部内周面の高い真円度を確保できる利点もある。
上記のような破断分割により製造されるコンロッドには、例えば、欧州では、0.6〜0.75(重量%)のC(炭素)、0.2〜0.5(重量%)のMn(マンガン)、0.04〜0.12(重量%)のS(硫黄)(但し、Mn/S>3)を含み、残部がFe(鉄)および1.2(重量%)未満の不可避不純物から成る鋼が用いられている(例えば特許文献2等を参照)。この鋼は、略100(%)がパーライト単一組織から成るものであって、SAE 1070で規定されるXC70に相当する。
但し、上記鋼は、破断分離性に優れているものの疲労強度や耐力が低く且つ被削性も悪いことから、国内では自動車部品用途等には余り適用されていない。そこで、国内では、これに代えて一般のコンロッド用中炭素鋼に微量のV(バナジウム)を添加した非調質鋼に、更にP(燐)やTi(チタン)等を添加して靭延性を低下させることにより破断分離性を高めた鋼が用いられている。
特開平11−286746号公報 米国特許第5135587号
ところで、例えば自動車部品のコンロッド用途等においては、破断分離性に加えて被削性も重要な特性である。上記のV、P、およびTiを添加した非調質鋼は被削性が不十分であることから、母材にTiおよびZr(ジルコニウム)の少なくとも一方の炭硫化物系介在物を積極的に析出させた非調質鋼が提案されている。前記特許文献1に記載された鋼がその一例であり、この非調質鋼は、例えば硫黄添加型非調質鋼と比較しても優れた旋削性を有している。しかしながら、この非調質鋼はドリル被削性が不十分であるため、大端部のボルト穴加工が重要な加工工程となるコンロッドには不適当であった。なお、Pb(鉛)を添加することで被削性が改善されることは一般に知られているが、環境上好ましくないため、同等以上の特性を有するPbを含まない非調質鋼が望まれている。
本発明は、以上の事情を背景として為されたものであって、その目的は、鉛を含まなくとも被削性に優れ且つ破断分離性にも優れた非調質鋼を提供することにある。
斯かる目的を達成するため、本発明の低靭延性快削性非調質鋼の要旨とするところは、(a)Fe(鉄)を主成分とし、0.15乃至0.5(重量%)のC(炭素)と、0.4乃至2(重量%)のSi(珪素)と、0.4乃至1.6(重量%)のMn(マンガン)と、0.03乃至0.35(重量%)のS(硫黄)と、0.02乃至0.15(重量%)のP(燐)と、0.01乃至0.5(重量%)のCu(銅)と、0.01乃至0.5(重量%)のNi(ニッケル)と、0.01乃至1(重量%)のCr(クロム)と、0.04乃至0.5(重量%)のV(バナジウム)と、0.05乃至0.65(重量%)のTi(チタン)と、0.005乃至0.05(重量%)のsol-Al(酸可溶性アルミニウム)と、0.008乃至0.03(重量%)のN(窒素)と、0.0005乃至0.01(重量%)のCa(カルシウム)とを含むことにある。
このようにすれば、上記のように構成されているので、Pbを含まなくとも熱間鍛造後の被削性、特に、旋削性およびドリル被削性に優れ且つ破断分離性にも優れた低靭性快削性非調質鋼が得られる。このような非調質鋼は、例えば大端部に所定形状の切欠きを設けてその内周から外周側に向かって所定の荷重を作用させること等により、その切欠きを起点として破断分離して製造されるコンロッド用途等に好適である。
因みに、鋼の切削加工においては、鋼材中の快削成分が摩擦による発熱で熔融或いは軟化させられて潤滑剤として機能し、これにより切削部におけるバイト刃先と被削材との間の摩擦抵抗が低減される。旋削加工の場合には、その摩擦発熱が非常に大きいので、快削成分が比較的高融点であっても熔融或いは軟化して摩擦抵抗が減じられる。しかしながら、コンロッドのボルト穴加工の場合には、回転数が旋削と同じであっても摩擦発熱が小さいので、快削成分が高融点であると熔融或いは軟化せず摩擦抵抗が減じられない。Ti炭硫化物が析出させられた前記従来の非調質鋼が硫黄快削鋼に比較すると旋削性に優れている反面でドリル被削性に劣るのは、快削成分であるTi炭硫化物が硫黄鋼の快削成分であるMnS(硫化マンガン(II))に比較して融点が高いためであると考えられる。
これに対して、前記のような割合でMn、S、およびTiが含まれていると、MnSとTi炭硫化物とが共存させられる、すなわち共に母材(マトリクス)中に分散して介在させられることから、靭延性を十分に低く保って高い破断分離性を保ちながら、Ti炭硫化物によって旋削性が向上させられる一方、MnSによってドリル被削性が向上させられるので、旋削性およびドリル被削性が共に高い非調質鋼が得られる。なお、MnSは例えばHv150程度と低硬度であるため、軟化していない状態でもドリルを殆ど磨耗させない。
前記各成分のうち、Cは鉄中に固溶して鍛造品の強度を確保するのに有効な元素である。このような効果を得るためには0.15(重量%)以上含まれることが必要である。また、Cは、その一部がTi(および含まれる場合にはZr)やSと結合してTi炭硫化物を生成させ、旋削性を向上させる。しかしながら、含有量が過剰になると硬度が高くなって被削性が低下するので、0.5(重量%)以下であることが必要である。
また、Siは鋼熔製時において脱酸作用および脱硫作用を有していると共に、フェライト中に固溶して破断分離時の塑性変形の主な原因である軟質相であるフェライトの強度を向上させることにより破断分離時の変形を抑制し、破断面相互の密着性を向上させる。このような効果を得るためには、0.4(重量%)以上含まれることが必要であるが、含有量が過剰になると硬度が高くなって被削性が低下するので、2(重量%)以下であることが必要である。
また、Mnは鍛造品の強度確保に有効な元素であると共に、SやCaと結合してMnSやこれにCaが固溶した(Mn,Ca)S(以下、これらを後者で代表させる)を生成し、ドリル被削性を向上させる。このような効果を得るためには、0.4(重量%)以上含まれることが必要であるが、含有量が過剰になると、パーライトラメラ間隔を小さくして延性が向上し、破断分離性の悪化を招くと共に鍛造後にベイナイトが発生して硬度が著しく増加して被削性を低下させるため、1.6(重量%)以下であることが必要である。
また、CrもMnと同様に鍛造品の強度確保に有効な元素であり、このような効果を得るためには、含有量が0.01(重量%)以上であることが必要である。しかしながら、含有量が過剰になるとパーライトラメラ間隔を小さくして延性が向上し、破断分離性の悪化を招くと共に鍛造後にベイナイトが発生して硬度を著しく増加させて被削性を低下させるため、1(重量%)以下であることが必要である。
また、Pは粒界に偏析することにより靭性を添加させる元素であり、一般の鋼材では含有率が可及的に低くされるが、破断分離性を必要とする本発明においては破断分離の際の変形を抑制して破断面相互の密着性を向上させる元素として有効であり、このような効果を得るためには含有率を0.02(重量%)以上とすることが必要である。しかしながら、含有量が過剰になるとその効果が飽和する一方で熱間加工性を阻害する(すなわち割れが生じ易くなる)ため、0.15(重量%)の範囲内の含有率とすることが必要である。
また、Sは一部がMnやCaと結合し、(Mn,Ca)Sを生成し、ドリル被削性を向上させる元素である。残部はTi(および含まれている場合にはZr)やCと結合して炭硫化物を生成し、旋削性を向上させる。このような効果を得るためには含有率が0.03(重量%)以上であることが必要であり、過剰になると熱間加工性を低下させるので0.35(重量%)以下であることが必要である。
また、CuおよびNiは不可避不純物であって含有率を0.01(重量%)より低くすることは困難であり経済的にも不利であるが、MnおよびCrと同様に鍛造品の強度を高めるために有効な元素でもあるので含まれていても差し支えない。このため、0.01(重量%)以上であることが必要である。一方、過剰になっても経済的に不利であると共にベイナイトを発生させて被削性を大幅に低下させるので、0.5(重量%)以下であることが必要である。
また、VはCやNと化合して微細な炭窒化物を形成し、鍛造後の強度を高くする元素である。この効果を得るためには0.04(重量%)以上含まれることが必要である。含有量が多くなると効果が飽和する一方で硬度が高まって被削性を低下させるので、0.5(重量%)以下であることが必要である。
また、TiはVと同様にCやNと微細な炭窒化物を生成し、鍛造後の強度を高める元素である。また、この微細な炭窒化物は鋼の靭延性を大幅に低下させ、破断分離時の変形を抑制して破断面相互の密着性を高める効果がある。また、Tiは、添加された一部がCおよびSと結合してTi炭硫化物系介在物を形成し、旋削性を向上させる効果があるが、これらの効果を得るためには0.05(重量%)以上の含有率が必要となる。一方、過剰になるとこれらの効果が飽和して経済的にも不利であると共に、熱間加工性を阻害するため、含有率は0.65(重量%)以下であることが必要である。
また、sol-Alは鋼中のNと窒化物を形成し、微細に分散して熱間鍛造時の結晶粒成長を抑制するものであり、この効果を得るためには、0.005(重量%)以上含まれていることが必要である。一方、含有量が過剰になると効果が飽和して経済的に不利なため0.05(重量%)以下であることが必要である。
また、NはTiと窒化物を形成し、熱間鍛造時の結晶粒成長を抑制する働きをする。また、Nは、TiやVと炭窒化物を形成し、これらの微細な析出によりフェライトを強化する元素でもある。これらの効果を得るためには0.008(重量%)以上の含有率が必要である。一方、過剰になるとその効果が飽和すると共に鋳造欠陥の原因となるため、含有率は0.03(重量%)以下であることが必要である。
また、CaはMnSに固溶して(Mn,Ca)Sを生成させてドリル被削性を一層向上させる元素である。この効果を得るためには0.0005(重量%)以上の含有率が必要である。また、0.01(重量%)を越えると高融点の化合物CaS(硫化カルシウム)が生成し、鋳造工程でノズルを閉塞させる等の障碍をもたらすので、0.01(重量%)以下とすることが必要である。
ここで、好適には、前記低靭延性快削性非調質鋼は、重量%による各成分の含有率をそれぞれの元素記号で表したとき、下記式1を満たすものである。TiとZrとは本発明の非調質鋼の成分として同様な機能を有するものであり、Tiの原子量が47.9、Zrの原子量が91.2であるから、Zrは重量比で0.52(=47.9/91.2)倍の質量のTiと等価である。そのため、Ti炭硫化物は、その一部をZr炭硫化物に置き換えることができ、以下、これらを併せて「Ti炭硫化物等」という。但し、Zrの含有率は0であっても差し支えない。本発明によれば、(Mn,Ca)SとTi炭硫化物等とが共存させられることによって、靭延性を十分に低く保って高い破断分離性を保ちながら、旋削性およびドリル被削性が共に高められるが、TiおよびZrとSとは親和性が高いので、Ti,Zrの合計量に対してSの量が十分に多くないと、(Mn,Ca)Sの生成量を十分に多くすることができない。したがって、Ti炭硫化物等と(Mn,Ca)Sとを共存させることにより旋削性およびドリル被削性を共に一層高めるためには、下記式1を満足することが望ましいのである。
(Ti+0.52Zr)/S<1.9・・・(式1)
また、好適には、前記低靭延性快削性非調質鋼は、重量%による各成分の含有率をそれぞれの元素記号で表したとき、下記式2を満たすものである。下記式2は、非調質鋼において特に高い強度を得るための炭素当量式である。この式2で表される値が0.65未満になると鍛造後の硬度および強度が比較的低い値に留まると共に、破断分離時の変形が比較的大きくなるので、高い寸法精度および形状精度を得ることが困難になる。また、0.96を越えると鍛造後の硬度が比較的高い値になって被削性が低下し延いては加工費用が増大する不都合がある。
0.65≦C+0.07Si+0.16Mn+0.61P+0.19Cu+0.17Ni+0.2Cr+V≦0.96・・・(式2)
また、好適には、前記低靭延性快削性非調質鋼は、重量%による各成分の含有率をそれぞれの元素記号で表したとき、下記式3を満たすものである。下記式3は、パーライト面積率を規定するものである。破断分離後の組付け接合面での横滑りを抑制して高い組付け精度を得るためには、破断分離された破断面に適当な大きさの凹凸が形成されていることが必要である。本発明の非調質鋼はフェライト・パーライト組織を有するものであるが、このような鋼が脆性破壊するときは、フェライト・パーライト組織境界だけでなく、パーライト・ブロックの境界で亀裂進行方向が変化することが知られている。そのため、適度なパーライト量すなわちパーライト・ブロック・サイズを有していれば、亀裂がある程度のばらつきを有して進展し、適度な大きさの凹凸を有する破面を得ることができる。特に好ましい破面はパーライト面積率が15(%)以上のときに得られるが、パーライト面積率は、C、Si、Mn、Cu、Ni、Crの含有率で変化するものであって、下記式3を満足するときに15(%)以上になるのである。
134C−3.6Si+24Mn+22Cu+32Ni+30Cr−12Ti+41N≧31・・・(式3)
また、好適には、前記低靭延性快削性非調質鋼は、0.3(重量%)以下のBi(ビスマス)、0.0003乃至0.02(重量%)のMg(マグネシウム)、0.005乃至0.4(重量%)のSe(セレン)、0.05乃至0.1(重量%)のTe(テルル)、および0.3(重量%)以下のPb(鉛)の中から選ばれた少なくとも一種の成分を含むものである。これらは何れも被削性を向上させるの有効な一般的な元素であるので、鍛造品において更に被削性を高めたい場合には、必要に応じてこれらのうちの1種または2種以上を適量含むものとすればよい。
上記元素のうち、PbおよびBiは、金属粒として鋼中に分散し、切欠き効果で切削抵抗を減らすと共に、切削熱により熔融することで工具と切屑の摩擦を減らし被削性が更に改善させられる。但し、含有量が過剰になると、鋼の熱間鍛造性を低下させるので、それぞれ0.3(重量%)以下に留めることが望ましい。なお、環境への悪影響が問題となる場合にはPbを含まないことが望ましい。
また、Mg、Se、Teは、熱間加工時の硫化物伸展を抑制するものである。その結果、硫化物は切欠き効果の大きい球状乃至紡錘形状となり、切削抵抗が減少して被削性が改善される。この効果を得るためには、Mgは0.0003(重量%)以上、Seは0.005(重量%)以上、Teは0.05(重量%)以上が好ましい。但し、含有量が過剰になると、鋼の熱間加工性が低下して割れが多発することになるため、Mgは0.02(重量%)以下、Seは0.4(重量%)以下、Teは0.1(重量%)以下がそれぞれ好ましい。
また、好適には、前記低靭延性快削性非調質鋼は、上記のBi、Mg、Se、Teに加えて0.3(重量%)以下のNb(ニオブ)を含むものである。Nbは高温における結晶粒の過度の粗大化を防ぐのに有効な元素であるが、過剰に含まれると粗大な炭窒化物が凝固時に晶出し、鍛造品強度を低下させるため、0.20(重量%)以下に留めることが望ましい。
以下、本発明の一実施例を図面を参照して詳細に説明する。なお、以下の実施例において図は適宜簡略化或いは変形されており、各部の寸法比および形状等は必ずしも正確に描かれていない。
図1は、本発明の一実施例の非調質鋼が適用されたコンロッド10の全体を、その組付け状態で示す平面図である。コンロッド10は、本体部12の図1における左側に位置する一端に小径孔14を有する小端部16を、図1における右側に位置する他端にそれよりも大径の大径孔18を有する大端部20をそれぞれ備えたものである。なお、組付け状態においては小端部16にピストン・ピンが必要に応じてメタル等を介して嵌め入れられると共に、大端部20にメタル等を介してクランク・シャフトが嵌め入れられるが、これらは省略した。
上記の大端部20は、大径孔18の中心を通る面で二分された本体側部分22およびキャップ24から構成される。それらの内周面にはそれぞれ半円筒面が形成されており、図示の組付け状態においては、ボルト26,26によってキャップ24が本体側部分22に締付け固定されることにより、上記の大径孔18が形成されている。この組付け状態における大径孔18の真円度は、例えば20(μm)以下の極めて小さい値である。
また、上記コンロッド10を構成する非調質鋼は、例えばFeを主成分として、0.15〜0.5(重量%)のC、0.4〜2(重量%)のSi、0.4〜1.6(重量%)のMn、0.03〜0.35(重量%)のS、0.02〜0.15(重量%)のP、0.01〜0.5(重量%)のCu、0.01〜0.5(重量%)のNi、0.01〜1(重量%)のCr、0.04〜0.5(重量%)のV、0.05〜0.65(重量%)のTi、0.005〜0.05(重量%)のsol-Al、0.008〜0.03(重量%)のN、および0.0005〜0.01(重量%)のCaとを含むものであって、例えば、後述する実施例1〜14のような組成から成るものである。なお、非調質鋼には、これらの元素の他、鋼に通常含まれる0.05(重量%)以下のMo(モリブデン)や0.005(重量%)以下のO(酸素)等の不純物も含まれている。この非調質鋼は、フェライト・パーライト組織から成るものであって、15(%)以上、例えば22〜83(%)程度のパーライト面積率Vfθを有している。また、比較的低い靭性および延性と、高い旋削性およびドリル被削性とを有しており、後述するように大端部20のキャップ24が破断分離によって分割形成されるコンロッド用に好適なものである。また、この非調質鋼は、ロックウェル硬度HRCが20〜35程度の適度な硬さを有し、0.2%耐力(JIS Z 2241)で600(MPa)以上の十分な強度を有し、更に、高いドリル加工能率、被削性、旋削性、および旋削寿命を有している。
上記のコンロッド10を製造するに際しては、例えば、先ず、所定の組成で熔製した熔鋼を造塊し、これを熱間鍛造して例えば50(mm)角程度の鍛造素材を製造する。次いで、この鍛造素材を例えば1200(℃)程度の温度で60分程度加熱保持した後、熱間鍛造により本体部12等とキャップ24とが一体となった形状の一体成形品を製造し、室温まで放冷する。前記のフェライト・パーライト組織は、この放冷(空冷)過程において形成される。この一体成形品に小端部16および大端部20の旋削加工、小径孔14および大径孔18の内周面の仕上げ加工等を施すと共にボルト穴加工を施した後、大端部20を、図2に示すように破断分離により本体側部分22とキャップ24とに分割することにより、前記のコンロッド10が得られる。本実施例のコンロッド10を構成する非調質鋼は、快削元素として一般的なPbを含まないものであるが、前記のように高いドリル加工能率および旋削性等を有することから、上記仕上げ加工等は、従来のPb添加非調質鋼等と同等以上に効率的に行い得る。
また、上記の図2において、一体成形品28が破断加工台30の上に載せられており、その大端部20の大径孔18内には平面形状が略半円を成す一対の割型32a,32bが嵌め入れられている。割型32a,32bは、相対する端面34a,34bがそれぞれ大径孔18の軸心方向に対して互いに反対方向に同一角度で傾斜した傾斜面に形成されたものである。そのため、それらの円弧状外周面が大径孔18内周面に密接させられた状態では、それらの相互間に破断加工台30に向かうに従って間隔が小さくなる隙間が形成されており、その隙間内には一対の側面の傾斜角度が端面34a,34bと一致する楔36が嵌め入れられている。なお、破断加工台30の上面には凹所38が設けられており、一体成形品28は、楔36がその凹所38上に位置するように破断加工台30に載せられる。このように配置した状態で、例えば室温において、図示しない油圧プレス装置等で図2に矢印Pで示されるように楔36を凹所38に向かって押圧すると、大端部20が破断されてキャップ24が分割される。
図3、図4は、この破断分離工程の前後における大端部20の形態をそれぞれ示す平面図である。破断分離するに先立って、大端部20には、図3に示すようにその大径孔18の内周面の径方向に相対する2箇所に切欠き40,40が形成される。これら切欠き40,40は、例えば機械加工によって先端R0.1(mm)程度の大きさで内周面の軸心方向の全長に亘って形成され、深さ寸法は例えば1(mm)程度である。
このように切欠き40,40が設けられた一体成形品28を前記図2に示すように配置して楔36を押圧すると、割型32a,32bが楔36の側面によって互いに離隔する方向に押圧されるので、大径孔18内周面がそれら割型32a,32bの外周面によって外周側に押圧される。これにより、大端部20には大径孔18内周面において周方向の引張り応力が発生するが、その応力は切欠き40,40に集中するので、それら切欠き40,40を起点として略径方向に亀裂が進展し、大端部20が破断される。すなわち、図4に示されるように破断分離によりキャップ24が分割形成される。
このとき、コンロッド10が前述したような比較的低い靭性および延性を有する非調質鋼で構成されることから、上記の破断分離過程において、大端部20は、殆ど変形することなく亀裂が略径方向に進展して脆性的に破壊される。また、この非調質鋼は、このような脆性を有することに加えて、前述したようにパーライト面積率Vfθが15(%)以上のフェライト・パーライト組織から成るものであることから、破断により形成される大端部20の本体側部分22およびキャップ24の破断面42a,42bは、全体として平坦であるが、表面粗さRaが例えば15(μm)以上の微細な凹凸面である。また、脆性破壊により形成された結果、これら破断面42a,42bは、互いに反転させられた凹凸形状になっている。
そのため、コンロッド10は、図5に示されるようにキャップ24がボルト26,26によって本体側部分22に締付け固定するに際して、破断面42a,42bの凹凸が破断前の相対位置において互いに密接的に嵌り合うので、組付け時にそれら破断面42a,42bで横ずれが生じることが抑制される。したがって、破断時に殆ど変形しないことと相俟って、図3に示される破断前の大端部20の形状が復元されることから、その大径孔18の真円度は、破断前の精度に略保たれる。なお、図4および図5においては破断面42a,42bの凹凸を誇張して描いている。
すなわち、本実施例の非調質鋼によれば、前記組成を有するので、Pbを含まなくとも熱間鍛造後の被削性、特に、旋削性およびドリル被削性に優れ且つ破断分離性にも優れており、大端部20に切欠き40,40を設けて割型32でその内周から外周側に向かって押圧することによりその切欠き40,40を起点として破断分離して製造される前記コンロッド10に好適である。
ここで、本実施例の非調質鋼を種々の組成で製造し、比較例および従来材料と比較した結果を説明する。図6は評価した非調質鋼の成分組成を示したものであり、図7はそれぞれの特性評価結果を示したものである。なお、これらの実施例および比較例の鋼材は、それぞれ図示の成分組成で熔製した後に造塊し、熱間鍛造を行って50(mm)角の鍛造素材とし、これを1200(℃)で60分間加熱保持した後、65×65×20(mm)の板形状に熱間鍛造を行い、適当な間隔をおいて床に放置して室温まで放冷して製造したものである。これら実施例等においても、前記コンロッド10の場合と同様に、図6に示す成分の他、鋼に通常含まれる不純物が含まれている。また、従来材料は、国内で一般的に用いられているコンロッド用非調質鋼S40VCにSを0.1(重量%)添加した鋼と、欧州で破断分離工程が適用されているコンロッド用非調質鋼XC70Sである。特性評価は、上記の板材から、コンロッド10の大端部20を模した例えば図8に示すような試験片50を切り出して行った。
なお、上記の評価結果において、硬さは、各鍛造品の中心部の硬さをロックウェル硬度計で測定した値である。また、パーライト面積率Vfθは、100倍で撮影した光学顕微鏡組織写真を用いて画像解析装置で求めた。また、破断分離特性は、試験片50の中央の孔52の内周面に例えばレーザによって深さ0.5(mm)の切欠54,54を設けて室温で破断分離を行い、そのときの真円度変化で評価した。この破断分離処理は、コンロッド10の製造工程における場合と同様に、試験片50の中央の孔52に割型32,32(図2参照)を挿入し、この割型32,32の中央に楔36(図2参照)を油圧プレス機で押し込むことで行った。また、破断後の破面56,56の表面粗さRaを表面粗さ計で測定し、破面56,56の凹凸度合いを定量化した。なお、図8において58,58は、ボルト穴である。
また、上記の板材から試験片50の他にJIS4号引張り試験片(平行部φ8(mm)、縮小サイズ)を切り出して強度評価を行った。
更に、前述したように造塊した材料から熱間鍛造により直径90(mm)の丸棒を作製し、焼きならしを施した後、この丸棒からドリル能率試験用の試験片(20(mm)×30(mm)角)と、旋削寿命試験用の試験材(直径80(mm))とを切り出して被削性試験を行った。
ドリル能率試験の試験条件は下記の表1の通りである。ドリル加工能率は、この条件でドリルが寿命に至るまでの累積加工深さが1000(mm)となる切削速度(m/min)を測定し、Sを0.1(重量%)添加したS40VCの測定値を100としたときの相対値で比較した。
[表1]
工具 SKH51(ハイス)
ドリル径 5(mm)
送り 0.1(mm/rev)
穴深さ 10(mm)
切削油 なし
また、旋削寿命試験VB100は、NC旋盤を用い、下記表2に示す条件で行った。工具横逃げ面の平均フランク磨耗幅が100(μm)となるまでの旋削加工時間を旋削寿命とし、これを旋削性評価の指標とした。値が大きいほど旋削性は良好である。
[表2]
工具 P10超硬チップ
切削速度 200(mm/min)
送り 0.2(mm/rev)
切込み 2(mm)
切削油 なし
以上のような評価を行ったところ、前記図6、図7に示した組成および特性から明らかなように,Cが0.15〜0.48(重量%)、Siが0.42〜1.95(重量%)、Mnが0.43〜1.58(重量%)、Sが0.051〜0.345(重量%)、Pが0.02〜0.15(重量%)、Cuが0.01〜0.50(重量%)、Niが0.01〜0.45(重量%)、Crが0.02〜0.95(重量%)、Vが0.04〜0.48(重量%)、Tiが0.051〜0.645(重量%)、sol-Alが0.006〜0.044(重量%)、Nが0.010〜0.025(重量%)、Caが0.0015〜0.0087(重量%)の範囲内にある実施例1〜14は、これらの元素が何れも好適な範囲内にあることから、何れも高い強度を有しており、しかも、破断分離後の真円度変化が小さいにも拘わらず破面56の凹凸が大きいという優れた破断分離特性を有している。
また、実施例1〜14の何れにおいても、Ti、Zr、S含有率が下記式1を満たすことから、高いドリル加工能率すなわち高いドリル被削性を有している。Tiと0.52Zrとは等価であり、これらの合計量に対するS含有量が式1を満たす量よりも少なくなるとSの大部分がTi,Zrの炭硫化物として固定され、MnS或いは(Mn,Ca)Sの生成量が不十分となる。MnS或いは(Mn,Ca)Sは、母材中に介在させられることによってドリル被削性を高める介在物であるため、式1を満足することによりこれが十分に存在する実施例1〜14では高いドリル被削性が得られるのである。
(Ti+0.52Zr)/S<1.9・・・(式1)
また、実施例1〜14の鋼材は、炭素当量(図7において「式2」と表示)が0.65〜0.95の範囲内にあって下記の式2(非調質鋼炭素当量式)を満たすものであることから、熱間鍛造後の硬さがコンロッド用途に適切なものになると共に、十分な強度を有する。
0.65≦C+0.07Si+0.16Mn+0.61P+0.19Cu+0.17Ni+0.2Cr+V≦0.96・・・(式2)
また、実施例1〜14の鋼材は、図7において「式3」と表示する値が43〜104の範囲内にあって下記の式3を満たすものであることから、適度なパーライト量すなわち適当なパーライト・ブロック・サイズを有し、パーライト面積率Vfθが22(%)以上であるため、切欠き54,54から進展する亀裂がフェライト・パーライト組織の境界およびパーライト・ブロックの境界で進行方向を変化させられることにより、適当なばらつきを有する亀裂進展となる。そのため、この亀裂進展により形成される破面56は、図7に示されるようなRaで17.4〜28.2(μm)程度すなわち15(μm)以上の適度な凹凸を有している。
134C−3.6Si+24Mn+22Cu+32Ni+30Cr−12Ti+41N≧31・・・(式3)
また、実施例11〜14は、前記の基本的な添加成分の他に、Pb、Se、Te、Bi、Mg、Nb等を含むものであることから、一層高い特性を有する。例えば、実施例11においては、Pbを0.14(重量%)含むため、これが金属粒として鋼中に分散し、切欠き効果で切削抵抗が減じられると共に、切削熱で熔融させられることで工具と切屑の摩擦を減じるため、被削性が一層高められる。
また、実施例12においては、Seを0.059(重量%)、Teを0.06(重量%)含むため、これらによって熱間加工時における硫化物伸展が抑制され、その結果、鋼材中の硫化物は切欠き効果の大きい球場乃至紡錘形状となり、切削抵抗が減じられて被削性が一層高められる。
また、実施例13においては、Biを0.04(重量%)、Teを0.048(重量%)、Mgを0.005(重量%)含むため、BiがPbと同様に作用し、MgがSeやTeと同様に作用するため、これらによって切削抵抗が減じられて被削性が一層高められる。
また、実施例14においては、Nbを0.08(重量%)含むため、高温における結晶粒の過度の粗大化が防止されるので、強度(0.2%耐力)が一層高められる。
このような実施例に対して、比較例Aは、C含有量が低く、式2の値も0.61と低く満足しないため、硬さが不十分で十分な強度が得られない。また硬さが低いため破断分離後の真円度も43(μm)と大きくなり、パーライト面積率も13(%)と小さいため再組み付け性が悪い特性を有する。
また、比較例Bは、C含有量が高過ぎ、式2の値も0.98と高く満足しないため、硬さが高く、被削性が悪い。
また、比較例Cは、Siの含有量が高すぎるため硬さが高く、被削性が悪い。また、式2の値も高すぎるため、一層被削性を低下させている。
また、比較例Dは、S含有量が高いため熱間鍛造時に割れが発生した。
また、比較例Eは、Mn含有量が過剰であり、また式2の値も高すぎるため、鍛造後にベイナイトが発生し硬さが非常に高くなり、被削性が悪い結果となった。
また、比較例Fは、P含有量が高すぎるため,鍛造時に割れが発生した。
また、比較例Gは、Cr含有量が過剰であり、また式2の値も高すぎるため、鍛造後にベイナイトが発生し硬さが非常に高くなり、被削性が悪くなった。
また、比較例Hは、式3の値が29と著しく低いため、パーライト面積率が小さくなって破面粗さが小さく、再組み付け性が不十分であった。
また、比較例Iは、V含有量が高すぎることから、硬さが高く被削性が悪い結果となった。
また、比較例Jは、Tiを含まないことから、同一硬さの本実施例(例えば、実施例14等)と比べ強度が低下していると共に、鋼の靭延性が低下せず破断分離性(すなわち真円度)が不十分であった。
また、比較例Kは、Ti含有量がS含有量に対して過剰であることから、式1の値が高いため、コンロッド加工に重要なドリル被削性が大幅に低下した。
また、比較例Lは、sol-Al含有量が少ないため、鍛造後の結晶粒が粗大化し、強度(0.2%耐力)が低くなった。また、TiおよびZrの合計量がS含有量に対して過剰であることから比較例Kと同様に式1の値が高いため、コンロッド加工に重要なドリル被削性も極めて低い値に留まった。
また、比較例Mは、N含有量が高すぎるため鋳造欠陥が発生した。
また、比較例Nは、Caを含まないため、略同一組成の比較例1と比べても、ドリル被削性、旋削性とも不十分である。
なお、図6、図7の最下段に示す従来材2種は、何れもTiを含まないため、S40VCにおいては、真円度が悪く、旋削寿命も比較的低い値に留まっている。また、XC70Sにおいては、強度がやや低く、ドリル加工能率および旋削寿命が共に不十分である。
以上、本発明を図面を参照して詳細に説明したが、本発明は更に別の態様でも実施でき、その主旨を逸脱しない範囲で種々変更を加え得るものである。
本発明の一実施例の非調質鋼で製造されたコネクティング・ロッドの組付け状態をクランクシャフトを省略して示す平面図である。 図1のコネクティング・ロッドの製造過程において、大端部を破断分離する工程の実施状態を示す断面図である。 破断分離前の大端部を示す平面図である。 破断分離後の大端部を破断面の凹凸を誇張して示す平面図である。 破断面を相互に密着させた組付け状態をその破断面の凹凸を誇張して示す平面図である。 本発明の非調質鋼の成分組成例を比較例および従来材と比較して示す図である。 図6の成分組成例の非調質鋼の特性評価結果を示す図である。 特性評価用の板材を示す平面図である。
符号の説明
10:コンロッド、20:大端部、24:キャップ、40:切欠き、42:破断面

Claims (6)

  1. Fe(鉄)を主成分とし、0.15乃至0.5(重量%)のC(炭素)と、0.4乃至2(重量%)のSi(珪素)と、0.4乃至1.6(重量%)のMn(マンガン)と、0.03乃至0.35(重量%)のS(硫黄)と、0.02乃至0.15(重量%)のP(燐)と、0.01乃至0.5(重量%)のCu(銅)と、0.01乃至0.5(重量%)のNi(ニッケル)と、0.01乃至1(重量%)のCr(クロム)と、0.04乃至0.5(重量%)のV(バナジウム)と、0.05乃至0.65(重量%)のTi(チタン)と、0.005乃至0.05(重量%)のsol-Al(酸可溶性アルミニウム)と、0.008乃至0.03(重量%)のN(窒素)と、0.0005乃至0.01(重量%)のCa(カルシウム)とを含むことを特徴とする低靭延性快削性非調質鋼。
  2. 重量%による各成分の含有率をそれぞれの元素記号で表したとき、下記式1を満たすものである請求項1の低靭延性快削性非調質鋼。
    (Ti+0.52Zr)/S<1.9・・・(式1)
  3. 重量%による各成分の含有率をそれぞれの元素記号で表したとき、下記式2を満たすものである請求項1または請求項2の低靭延性快削性非調質鋼。
    0.65≦C+0.07Si+0.16Mn+0.61P+0.19Cu+0.17Ni+0.2Cr+V≦0.96・・・(式2)
  4. 重量%による各成分の含有率をそれぞれの元素記号で表したとき、下記式3を満たすものである請求項1乃至請求項3の何れかの低靭延性快削性非調質鋼。
    134C−3.6Si+24Mn+22Cu+32Ni+30Cr−12Ti+41N≧31・・・(式3)
  5. 0.3(重量%)以下のBi(ビスマス)、0.0003乃至0.02(重量%)のMg(マグネシウム)、0.005乃至0.4(重量%)のSe(セレン)、0.05乃至0.1(重量%)のTe(テルル)、および0.3(重量%)以下のPb(鉛)の中から選ばれた少なくとも一種の成分を含むものである請求項1乃至請求項4の何れかの低靭延性快削性調質鋼。
  6. 0.3(重量%)以下のNb(ニオブ)を含むものである請求項5の低靭延性快削性非調質鋼。
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