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JP2005229365A - チップアンテナ - Google Patents

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JP2005229365A
JP2005229365A JP2004036367A JP2004036367A JP2005229365A JP 2005229365 A JP2005229365 A JP 2005229365A JP 2004036367 A JP2004036367 A JP 2004036367A JP 2004036367 A JP2004036367 A JP 2004036367A JP 2005229365 A JP2005229365 A JP 2005229365A
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helical region
terminal
chip antenna
substrates
helical
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JP2004036367A
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English (en)
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Kenichi Ozaki
堅一 小▲崎▼
Takahiro Mukai
隆浩 向井
Keisuke Maruyama
圭介 丸山
Hiromi Tokunaga
裕美 徳永
Tadao Mizoguchi
督生 溝口
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Panasonic Holdings Corp
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Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

【課題】本発明は、小型化を実現しつつ広帯域の送受信が可能となり、実装基板への実装時、あるいは実装後の調整や大型化の負担を排除し、更に、あらかじめ容量値、すなわちアンテナの帯域が十分に確保されていることで、その使用を容易とするチップアンテナを供給することを目的とする。
【解決手段】本発明は、基体2と、基体2に設けられた一対の端子部3、4と、基体2の一部に設けられたヘリカル領域8と、基体2の一部に設けられた非ヘリカル領域9を有し、端子部3、4と、ヘリカル領域8と、非ヘリカル領域9は電気的に導通し、一対の端子部の一方3が給電部5に接続され、他方4が開放部6に接続され、ヘリカル領域8が給電部に接続される端子部3に近在して配置され、非ヘリカル領域9が開放部6に接続される端子部4に近在して配置される構成とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、移動体通信やパーソナルコンピュータなどの無線通信を行う電子機器等に好適に用いられるチップアンテナに関するものである。
近年、携帯端末において、通話を行うためのホイップアンテナや内蔵アンテナを設け、各アンテナに加えて他の電子機器との間でデータの無線通信を行うためにアンテナを搭載するものが増えてきている。
また、ノートブックパソコンなどの携帯型モバイル電子機器においても、無線LANなどを用いてデータ通信を無線で行うものが増えてきており、その電子機器内にアンテナを搭載するものも増えてきている。
更に、近年の携帯電話やノートブックパソコンなどは、小型化、低消費電力化が必須要件となっており、アンテナ装置の小型化が望まれる。また、近年の伝送容量の増加に伴いアンテナの広帯域化が求められている。更に、OFDM(直交周波数変調多重)などのようにマルチキャリア方式では、ますます広帯域化が求められている。
ここで、アンテナの広帯域化を実現するためにアンテナの負荷容量を増加させるために、アンテナの先端部に付加導体部を付加したアンテナが検討されている(例えば特許文献1、特許文献2参照)。図16は従来の技術におけるアンテナの斜視図であり、アンテナ素子の先端に付加導体部が付加されている場合が示されている。
100はアンテナであり、101はメアンダアンテナ、102は給電部、103は付加導体である。メアンダアンテナ101は基板パターンなどで形成される。付加導体103はメアンダアンテナ101の先端部に形成され、先端部は開放端となっている。給電部102からは信号電流が供給され、供給された信号はメアンダアンテナ101の有する共振周波数にしたがって放射される。受信も同様である。このとき付加導体103が負荷容量となって、給電部102からみた負荷インピーダンスが増加して周波数曲線のピークが緩やかとなり、周波数帯域が拡大する。
また、これ以外にも、アンテナを実装基板に実装する際に、実装基板上にアンテナの開放部先端に大きな面積を有するパターン電極を形成しておき、これに容量成分を持たせることで、負荷容量を大きくし、広帯域化を図る事が行われていた。
特開2002−124812号公報 特開平10−247806号公報
しかしながら、メアンダアンテナのようなパターンアンテナの先端の付加導体を形成する場合には、パターンアンテナ自体が大きな面積を必要とすることより、アンテナが大型化する問題があった。
また、近年の携帯端末やノートブックパソコンなどでは、一つの端末で複数の周波数の規格に対応するために、多共振のアンテナが求められることが必要である。このため、複数のアンテナを並列に並べた場合には、それぞれに別個の付加導体を必要とすることになり、アンテナが大型化し、これを組み込む機器の小型化が困難となる問題があった。
また、アンテナを実装する実装基板上に、アンテナの開放部となる部分に、非常に大きな面積を有するパターン電極を形成した場合には、任意の容量成分を確保するためには、非常に大きな実装面積を必要とする問題があった。
更に、アンテナを購入して実装するユーザー側で、基板をこれにあわせて設計したり、調整したりなどの手間が発生し、アンテナの実装形態に制限がかけられるなどの問題があった。また、アンテナ単体で、容量成分が完結していないために、基板側での要領値調整の負担が大きくなるなどの問題もあった。
これは、特に、多共振に対応するために複数のアンテナを共通の給電部に実装する際には、特に問題となり、基板側での負担や、これを実装し調整する負担が看過できないほどとなっていた。
本発明は、小型化を実現しつつ広帯域の送受信が可能となり、実装基板への実装時、あるいは実装後の調整や大型化の負担を排除し、更に、あらかじめ容量値、すなわちアンテナの帯域が十分に確保されていることで、その使用を容易とするチップアンテナを供給することを目的とする。
本発明は、基体と、基体に設けられた一対の端子部と、基体の一部に設けられたヘリカル領域と、基体の一部に設けられた非ヘリカル領域を有し、端子部と、ヘリカル領域と、非ヘリカル領域は電気的に導通し、一対の端子部の一方が給電部に接続され、他方が開放部に接続され、ヘリカル領域が給電部に接続される端子部に近在して配置され、非ヘリカル領域が開放部に接続される端子部に近在して配置される構成とする。
本発明の構成により、基体に設けられたヘリカル領域と非ヘリカル領域とのそれぞれが発生するインダクタ成分と、容量成分により共振条件が発生して、これにより定まる共振周波数により、所望の周波数で動作する面実装可能で、非常に小型のチップアンテナを実現することができる。
また、チップアンテナの給電部に接続される端子側にヘリカル領域を配置し、その先方となる開放部に接続される端子部側に非ヘリカル部を設けることで、負荷容量成分を大きく取ることができ、チップアンテナの広帯域化を容易に実現することができる。
更に、チップアンテナを構成する素子基体そのものに、負荷容量を発生させる非ヘリカル部を設けることで、実装基板上に余分な頂冠導体などを必要としないため、実装面積を小型化することができ、更に、チップアンテナを実装するユーザーにおいて、帯域や送受信周波数の調整のために、実装基板作製での手間や事後処理を省力化することができる。
また、実装基板上に余分な頂冠導体などを必要としないため、他の実装部品の実装領域の確保に負担をかけることが無くなり、バランスの良い高密度実装が可能となる。また、当然ながら、アンテナを実装するユーザーにおける手間などの負担が減少される。
特に、素子である基体において形成されている、ヘリカル領域と非ヘリカル領域の大きさは特定されているために、その送受信周波数、周波数帯域がフィックスされた状態で、チップアンテナを提供することが可能となるために、ユーザーにとって非常に使い勝手の良いチップアンテナを提供することができるようになる。
また、チップアンテナを二つ用いて、共通給電し、それぞれのチップアンテナのヘリカル領域と非ヘリカル領域のインダクタ成分や容量成分を異ならせることで、多共振のアンテナを実現することができる。また、このとき、給電源に近接するそれぞれのチップアンテナの端子部を給電部に接続する端子部とし、これに近い領域にヘリカル領域を形成して、その先方に非ヘリカル領域を形成することで、いずれのチップアンテナであっても、負荷容量を基体中に形成することが可能となって、広帯域化を実現することができる。
更に、ヘリカル領域を給電部に接続される端子部の端面から70%の領域内に抑えることで、素子サイズを大型化することなく、十分な負荷容量を発生させて広帯域化を実現するチップアンテナとすることができる。
また、基体上に非ヘリカル領域を設けるだけでなく、開放部となる端子部の長さ、幅、高さなど、その面積や体積を、給電部となる端子部よりも大きくすることで負荷容量を増加させることで、広帯域化を実現することができる。
また、二つのチップアンテナからなるアンテナモジュールにおいて、それぞれ対向するヘリカル領域のスパイラルの巻き方向を反対とすることで、磁束密度の相互影響を低減させて、それぞれのチップアンテナの利得を向上させることも可能となる。
本発明の請求項1に記載の発明は、基体と、基体に設けられた一対の端子部と、基体の一部に設けられたヘリカル領域と、基体の一部に設けられた非ヘリカル領域を有し、端子部と、ヘリカル領域と、非ヘリカル領域は電気的に導通し、一対の端子部の一方が給電部に接続され、他方が開放部に接続され、ヘリカル領域が給電部に接続される端子部に近在して配置され、非ヘリカル領域が開放部に接続される端子部に近在して配置されることを特徴とするチップアンテナであって、ヘリカル領域の発生するインダクタ成分と、非ヘリカル領域の発生する容量成分により、決定される共振周波数によるアンテナとして動作すると共に、実装基板などに余分な頂冠導体などを形成することなく、非ヘリカル領域による容量成分によって広帯域化が実現され、チップアンテナの使用者による余分な事後調整や負担を解消して、あらかじめ素子体であるチップアンテナのみで、共振周波数と周波数帯域を確保しておくことが可能となる。
本発明の請求項2に記載の発明は、非ヘリカル領域が、容量成分を生じさせることを特徴とする請求項1に記載のチップアンテナであって、非ヘリカル領域の生じる容量成分が非常に大きく、広帯域化に寄与するものである。
本発明の請求項3に記載の発明は、非ヘリカル領域が、給電部を基点として、負荷容量成分となることを特徴とする請求項1乃至2いずれかに記載のチップアンテナであって、負荷容量成分となることで、チップアンテナの広帯域化が実現されるものである。
本発明の請求項4に記載の発明は、基体と、基体に設けられた一対の端子部と、基体の一部に設けられたヘリカル領域と、基体の一部に設けられた容量成分を発生させる非ヘリカル領域を有し、一対の端子部のうち一方が給電部に接続され、他方が開放部に接続され、ヘリカル領域が、非ヘリカル領域を介して、開放部に接続された端子部と電気的に接続され、非ヘリカル領域が、ヘリカル領域を介して、給電部に接続された端子部と電気的に接続されることを特徴とするチップアンテナであって、ヘリカル領域の発生するインダクタ成分と、非ヘリカル領域の発生する容量成分により、決定される共振周波数によるアンテナとして動作すると共に、実装基板などに余分な頂冠導体などを形成することなく、非ヘリカル領域による容量成分によって広帯域化が実現され、チップアンテナの使用者による余分な事後調整や負担を解消して、あらかじめ素子体であるチップアンテナのみで、共
振周波数と周波数帯域を確保しておくことが可能となる。
本発明の請求項5に記載の発明は、基体と、基体に設けられた一対の端子部と、基体の一部に設けられたヘリカル領域と、基体の一部に設けられた容量成分を発生させる非ヘリカル領域を有し、一対の端子部のうち一方が給電部に接続され、他方が開放部に接続され、ヘリカル領域が、給電部に接続された端子部と、非ヘリカル領域との間に配置され、非ヘリカル領域がヘリカル領域と、開放部に接続された端子部との間に配置され、一対の端子部と、ヘリカル領域と、非ヘリカル領域とがそれぞれ電気的に導通していることを特徴とするチップアンテナであって、ヘリカル領域の発生するインダクタ成分と、非ヘリカル領域の発生する容量成分により、決定される共振周波数によるアンテナとして動作すると共に、実装基板などに余分な頂冠導体などを形成することなく、非ヘリカル領域による容量成分によって広帯域化が実現され、チップアンテナの使用者による余分な事後調整や負担を解消して、あらかじめ素子体であるチップアンテナのみで、共振周波数と周波数帯域を確保しておくことが可能となる。
本発明の請求項6に記載の発明は、ヘリカル領域と、非ヘリカル領域とが容量結合していることを特徴とする請求項1〜5いずれか1記載のチップアンテナであって、ヘリカル領域が生じるインダクタ成分と、非ヘリカル領域が生じる容量成分が直列接続して、共振条件が決定されてアンテナとしての共振周波数が定まる。
本発明の請求項7に記載の発明は、ヘリカル領域が、一対の端子部を含んだ基体の全体長をL1としたときに、給電部に接続される端子部の端面から0.7L1以内に収まることを特徴とする請求項1〜6いずれか1記載のチップアンテナであって、広帯域化を実現する容量成分となる非ヘリカル領域が十分に確保できると共に、チップアンテナの小型化を阻害しないバランスが確保できる。
本発明の請求項8に記載の発明は、開放部に接続される端子部の長さL2が、給電部に接続される端子部の長さL3よりも長いことを特徴とする請求項1〜7いずれか1記載のチップアンテナであって、開放部に接続される端子部が生じる容量成分が、負荷容量となって、容易な構成で、広帯域化が実現され、非ヘリカル領域との組み合わせで、更なる広帯域化が実現され、更に、保護膜によりヘリカル領域と非ヘリカル領域が外見上区別できない場合でも、実装方向を容易に確認することができる。
本発明の請求項9に記載の発明は、開放部に接続される端子部の幅W1が、給電部に接続される端子部の幅W2よりも幅広であることを特徴とする請求項1〜8いずれか1記載のチップアンテナであって、開放部に接続される端子部が生じる容量成分が、負荷容量となって、容易な構成で、広帯域化が実現され、非ヘリカル領域との組み合わせで、更なる広帯域化が実現され、更に、保護膜によりヘリカル領域と非ヘリカル領域が外見上区別できない場合でも、実装方向を容易に確認することができる。
本発明の請求項10に記載の発明は、開放部に接続される端子部の高さH1が、給電部に接続される端子部の高さH1より高いことを特徴とする請求項1〜9いずれか1記載のチップアンテナであって、開放部に接続される端子部が生じる容量成分が、負荷容量となって、容易な構成で、広帯域化が実現され、非ヘリカル領域との組み合わせで、更なる広帯域化が実現され、更に、保護膜によりヘリカル領域と非ヘリカル領域が外見上区別できない場合でも、実装方向を容易に確認することができる。
本発明の請求項11に記載の発明は、基体において、非ヘリカル領域を形成する部分の誘電率が、ヘリカル領域を形成する部分の誘電率よりも高いことを特徴とする請求項1〜10いずれか1記載のチップアンテナであって、チップアンテナを更に小型にしながらも
、更なる広帯域化を実現することができるものである。
本発明の請求項12に記載の発明は、開放部に接続される端子部の実装面に頂冠導体が形成されていることを特徴とする請求項1〜11いずれか1記載のチップアンテナであって、更なる広帯域化が実現されるものである。
本発明の請求項13に記載の発明は、ヘリカル領域が基体上に複数設けられていることを特徴とする請求項1〜12いずれか1記載のチップアンテナであって、一つの素子体からなるチップアンテナにより、複数の周波数に対応する多共振のチップアンテナを実現することが可能となる。
本発明の請求項14に記載の発明は、ヘリカル領域が、基体の側面の全周に施された導電膜をトリミングしたスパイラル溝により形成されていることを特徴とする請求項1〜13いずれか1に記載のチップアンテナであって、高精度のヘリカル領域を形成することが可能である。
本発明の請求項15に記載の発明は、ヘリカル領域が、基体上に導電線を巻きまわして形成されることを特徴とする請求項1〜13いずれか1に記載のチップアンテナであって、容易かつ低コストにヘリカル領域を形成することが可能である。
本発明の請求項16に記載の発明は、基体の外周が、少なくとも端子部を除いて段落ちしていることを特徴とする請求項1〜15いずれか1記載のチップアンテナであって、素子の強度を向上させると共に、保護膜などとの関係での実装製を高めることが可能となる。
本発明の請求項17に記載の発明は、基体において、少なくともヘリカル領域の外周に保護膜が施されたことを特徴とする請求項1〜16いずれか1記載のチップアンテナであって、素子の耐候性を高めることが可能となる。
本発明の請求項18に記載の発明は、基体と、基体にもうけられた一対の端子部と、少なくとも基体の外周を覆う導電膜を有し、一対の端子部のうち、一方が給電部に接続され、他方が開放部に接続され、導電膜で覆われた基体において、給電部に接続される端子部に近接する範囲のみにおいて、スパイラル溝が形成されたことを特徴とするチップアンテナであって、スパイラル溝により生じるインダクタ成分と、スパイラル部分以外から生じる容量成分とにより定まる共振周波数を持ち、更に、スパイラル溝が給電部に接続される端子部側のみに近接して設けられることで、負荷的に発生する容量成分を大きく取ることが可能となって、広帯域化を実現することができるものである。
本発明の請求項19に記載の発明は、二つの基体と、二つの基体のそれぞれに設けられた一対の端子部と、二つの基体のそれぞれの一部に設けられたヘリカル領域と、二つの基体のそれぞれの一部に設けられた容量成分を発生させる非ヘリカル領域を有し、二つの基体におけるそれぞれの一対の端子部のうち一方が給電部に接続され、他方が開放部に接続され、それぞれの基体におけるヘリカル領域が、非ヘリカル領域を介して、開放部に接続された端子部と電気的に接続され、それぞれの基体における非ヘリカル領域が、ヘリカル領域を介して、給電部に接続された端子部と電気的に接続されることを特徴とするチップアンテであって、複数の周波数に対応する(例えば2、あるいは3以上)のチップアンテナが実現され、実装基板などに余分な頂冠導体などを形成することなく、非ヘリカル領域による容量成分によって広帯域化が実現され、チップアンテナの使用者による余分な事後調整や負担を解消して、あらかじめ素子体であるチップアンテナのみで、共振周波数と周波数帯域を確保しておくことが可能となる。
本発明の請求項20に記載の発明は、二つの基体が、給電源を基準に略同一直線状に配置されていることを特徴とする請求項19に記載のチップアンテナであって、実装面積を削減することが可能となる。
本発明の請求項21に記載の発明は、二以上の基体と、二以上の基体のうち少なくとも一つ以上の基体のそれぞれに設けられた一対の端子部と、二以上の基体のうち少なくとも一つ以上の基体のそれぞれの一部に設けられたヘリカル領域と、二以上の基体のうち少なくとも一つ以上の基体のそれぞれの一部に設けられた容量成分を発生させる非ヘリカル領域を有し、二以上の基体におけるそれぞれの一対の端子部のうち一方が給電部に接続され、他方が開放部に接続され、それぞれの基体におけるヘリカル領域が、非ヘリカル領域を介して、開放部に接続された端子部と電気的に接続され、それぞれの基体における非ヘリカル領域が、ヘリカル領域を介して、給電部に接続された端子部と電気的に接続されることを特徴とするチップアンテナであって、複数の周波数に対応する(例えば2、あるいは3以上)のチップアンテナが実現され、実装基板などに余分な頂冠導体などを形成することなく、非ヘリカル領域による容量成分によって広帯域化が実現され、チップアンテナの使用者による余分な事後調整や負担を解消して、あらかじめ素子体であるチップアンテナのみで、共振周波数と周波数帯域を確保しておくことが可能となる。
本発明の請求項22に記載の発明は、二以上の基体と、二以上の基体のうち少なくとも一つ以上の基体のそれぞれに設けられた一対の端子部と、二以上の基体のうち少なくとも一つ以上の基体のそれぞれの一部に設けられたヘリカル領域と、二以上の基体のうち少なくとも一つ以上の基体のそれぞれの一部に設けられた容量成分を発生させる非ヘリカル領域を有し、二以上の基体のそれぞれの端子部のうち、近接する端子部がそれぞれ共通に給電部に接続され、二以上の基体のそれぞれの端子部のうち、遠隔する端子部がそれぞれ別個に開放部に接続され、二以上の基体に存在するそれぞれのヘリカル領域が、それぞれの給電部に接続される端子部に近在して配置され、二以上の基体に存在するそれぞれの非ヘリカル領域が、それぞれの開放部に接続される端子部に近在して配置されることを特徴とするチップアンテナであって、複数の周波数に対応する(例えば2、あるいは3以上)のチップアンテナが実現され、実装基板などに余分な頂冠導体などを形成することなく、非ヘリカル領域による容量成分によって広帯域化が実現され、チップアンテナの使用者による余分な事後調整や負担を解消して、あらかじめ素子体であるチップアンテナのみで、共振周波数と周波数帯域を確保しておくことが可能となる。
本発明の請求項23に記載の発明は、二以上の基体と、二以上の基体のそれぞれに設けられた一対の端子部と、二以上の基体のそれぞれの一部に設けられたヘリカル領域と、二以上の基体のそれぞれの一部に設けられた容量成分を発生させる非ヘリカル領域を有し、二以上の基体におけるそれぞれの一対の端子部のうち一方が給電部に接続され、他方が開放部に接続され、それぞれの基体におけるヘリカル領域が、非ヘリカル領域を介して、開放部に接続された端子部と電気的に接続され、それぞれの基体における非ヘリカル領域が、ヘリカル領域を介して、給電部に接続された端子部と電気的に接続されることを特徴とするチップアンテナであって、複数の周波数に対応する(例えば2、あるいは3以上)のチップアンテナが実現され、実装基板などに余分な頂冠導体などを形成することなく、非ヘリカル領域による容量成分によって広帯域化が実現され、チップアンテナの使用者による余分な事後調整や負担を解消して、あらかじめ素子体であるチップアンテナのみで、共振周波数と周波数帯域を確保しておくことが可能となる。
本発明の請求項24に記載の発明は、二以上の基体と、二以上の基体のそれぞれに設けられた一対の端子部と、二以上の基体のそれぞれの一部に設けられたヘリカル領域と、二以上の基体のそれぞれの一部に設けられた容量成分を発生させる非ヘリカル領域を有し、
二以上の基体のそれぞれの端子部のうち、近接する端子部がそれぞれ共通に給電部に接続され、二以上の基体のそれぞれの端子部のうち、遠隔する端子部がそれぞれ別個に開放部に接続され、二以上の基体に存在するそれぞれのヘリカル領域が、それぞれの給電部に接続される端子部に近在して配置され、二以上の基体に存在するそれぞれの非ヘリカル領域が、それぞれの開放部に接続される端子部に近在して配置されることを特徴とするチップアンテナであって、複数の周波数に対応する(例えば2、あるいは3以上)のチップアンテナが実現され、実装基板などに余分な頂冠導体などを形成することなく、非ヘリカル領域による容量成分によって広帯域化が実現され、チップアンテナの使用者による余分な事後調整や負担を解消して、あらかじめ素子体であるチップアンテナのみで、共振周波数と周波数帯域を確保しておくことが可能となる。
本発明の請求項25に記載の発明は、請求項1〜24いずれか1記載のチップアンテナと、チップアンテナに設けられた一対の端子部のうちそれぞれの一方に給電する給電源と、複数のチップアンテナと給電源を実装する実装基板を有することを特徴とするアンテナモジュールであって、複数の周波数に対応する(例えば2、あるいは3以上)のチップアンテナが実現され、実装基板などに余分な頂冠導体などを形成することなく、非ヘリカル領域による容量成分によって広帯域化が実現され、チップアンテナの使用者による余分な事後調整や負担を解消して、あらかじめ素子体であるチップアンテナのみで、共振周波数と周波数帯域を確保しておくことが可能となる。
本発明の請求項26に記載の発明は、アンテナモジュールと、アンテナモジュールと接続され送信信号を変調する変調部と、アンテナモジュールと接続され受信信号を復調する復調部と、動作を制御する制御部と、電源を供給する電源部と、これらを格納する筐体を有することを特徴とする電子機器であって、広帯域を容易に実現でき、高速データ、大量データの通信に最適な電子機器を実現することができる。
本発明の請求項27に記載の発明は、基体と、基体に設けられた一対の端子部と、基体の一部に設けられたヘリカル領域と、基体の一部に設けられた容量成分を発生させる非ヘリカル領域を有し、一対の端子部のうち一方が給電部に接続され、他方が開放部に接続され、非ヘリカル領域が、ヘリカル領域を介して、開放部に接続された端子部と電気的に接続され、ヘリカル領域が、非ヘリカル領域を介して、給電部に接続された端子部と電気的に接続されることを特徴とするチップアンテナであって、全体としての容量成分を増加させることで、広帯域化を実現することができるものである。
以下、図面を用いて説明する。
(実施の形態1)
まず、チップアンテナの形状、構造について説明し、更に、その動作について説明する。
図1、図7は本発明の実施の形態1におけるチップアンテナの斜視図、図2〜図6および図8〜図10は本発明の実施の形態1におけるチップアンテナの側面図、図11は本発明の実施の形態1におけるチップアンテナの等価回路図である。
1はチップアンテナ、2は基体、3、4は端子部であり、端子部3は給電部5に接続される端子部であり、端子部4は開放部6に接続される端子部である。5は給電部、6は開放部、7は給電源、8、11はヘリカル領域、9は非ヘリカル領域、10は保護膜、12はスパイラル部である。
まず、図1を用いてチップアンテナを構成する各部の詳細について説明する。
まず、基体2について説明する。
基体2はチップアンテナの素子を構成する形態を有するものであり、アルミナもしくはアルミナを主成分とするセラミック材料等の絶縁体もしくは誘電体などをプレス加工,押し出し法等を施して形成される。なお、基体2の構成材料としては、フォルステライト、チタン酸マグネシウム系、チタン酸カルシウム系、ジルコニア・スズ・チタン系、チタン酸バリウム系、鉛・カルシウム・チタン系などのセラミック材料を用いてもよく、エポキシ樹脂などの樹脂材料を用いても良い。実施の形態1では、強度や絶縁性或いは加工の容易性の面からアルミナもしくはアルミナを主成分としたセラミック材料が用いられている。更に基体には全体に銅,銀,金,ニッケル等の導電材料で構成された導電膜が単層乃至複数積層され、導電性を有する表面が形成される。導電膜はめっき、蒸着、スパッタ、ペーストなどが用いられる。
また、基体2は角柱であってもよく、円柱であってもよく、三角柱、多角形柱のいずれであってもよく、その角部に面取りが施されていることで、素子の欠けやスパイラル部12を形成するときに、損傷を発生させることを防止することができるメリットがある。ここで、基体2が円柱状の場合には、角部が存在しなくなるので耐衝撃性が高まり、スパイラル部12の形成が容易となるメリットがある。
なお、基体2の表面のポアは1〜30%(好ましくは8〜23%)程度が好ましく、この程度のポアにより、めっき後の表面腐食などを防止することが可能となる。
更にチップアンテナのサイズとしては、チップアンテナの長さL、高さH、幅Wを、
4.0=< L =<50.0mm
0.5=< H =<10.0mm
0.5=< W =<10.0mm
とすることが好ましいが、これ以外のサイズであっても特に問題の無いものである。
次に、端子部3、4について説明する。
端子部3、4は、基体2に一対に設けられ、図1などでは基体2の両端にそれぞれ設けられているが、両端ではなく、基体2の途中部分にそれぞれ設けられてもよいものである。また、端子部3、4は基体2と同じ材料や製造工法で形成されてもよく、材料を別途のものを採用してもよいものである。また、導電性のメッキ膜,蒸着膜,スパッタ膜等の薄膜や、銀ペーストなどを塗布して焼き付けなどを行ったものなどの少なくとも一つが用いられて、導電膜が施されて、実装基盤に形成された給電部5、開放部6などとの実装が実現され、電気接続も実現される。
なお、端子部3,4と基体2は一体で形成されてもよく、別体で形成されてもよい。
また、基体2は図1などに表されるように、その外周が端子部3,4よりも段落ちされていてもよいが、図5に示されるように段落ちのないストレート構造であっても良いものである。
ここで、基体2の外周が段落ちされることで、実装時に基体がアンテナ実装基板の表面からの距離を持つことが可能となり、特性の劣化を防ぐことが可能になる。このとき段落ちを基体2の一部の面に対してのみおこなってもよく、全面に渡って段落ちさせてもよい。全面に渡って段落ちさせた場合には、実装時に電子基板との接する面を選択する留意が不要となり、実装時のコストを低下させることができる。
なお、チップアンテナ1はλ/4型アンテナであってもよく、λ/2型アンテナであってもよいが、小型化をより促進するためにλ/4型アンテナが用いられることが多く、この場合にはチップアンテナ1の近辺に存在するグランド面に生じるイメージ電流を利用して、送受信利得が確保される。このイメージ電流の利用を促すために、チップアンテナ1の長手方向に垂直な端面を有するグランド面が存在することが好ましい。
次に、給電部5、開放部6、給電源7について説明する。
給電部5、開放部6は、それぞれ、チップアンテナを実装する基板に設けられた実装ランドなどにより形成され、給電部5は給電源7に接続されて、信号電流が供給され、あるいはチップアンテナ1で受信された受信信号が受信されて伝達される。開放部6は中空となっており、この開放部6の存在により、インダクタ成分と容量成分から定まる共振周波数に従って、チップアンテナ1から電磁波が放射されるものである。これらは、半田ランド、金属膜、金属めっき、金属ペーストなどから形成される。
給電源7は、信号電流を給電する。あるいは、受信電流の受信を行う。RF回路などにより形成されており、例えば、RF回路とチップアンテナ1を接続する同軸ケーブルや、銅線、電極パターンなどがある。
次に、ヘリカル領域8について説明する。
ヘリカル領域8は基体2上に形成されたスパイラル部12により形成される。このスパイラル部12によりヘリカル巻線となって、インダクタ成分を発生させる。ヘリカル領域8は、図1に示されるとおり、給電部5に接続される端子部3と電気的に導通しており、更に、この端子部3に近接して配置される。すなわち、基体2において、給電部5に接続される端子部3に近い側に偏在するように配置される。
つまり、給電部5に接続される端子部3から、次にヘリカル領域8、次に非ヘリカル領域9、開放部6に接続される端子部4の順で配置されるものである。
なお、ヘリカル領域8とは、スパイラル部12が基体2上に形成されている領域で、スパイラル部12の開始から終了までをほぼ含む範囲をさす領域である。
ヘリカル領域8はそのスパイラル構造により、インダクタ成分を発生させるが、容量成分や抵抗成分なども発生させるものである。
また、ヘリカル領域8は、基体2の表面に形成された導電膜をレーザーなどでトリミングしてスパイラル部12が形成されて実現されてもよく、あるいは銅線やアルミ線などの導電線を基体2に巻きつけることで実現されても良い。
なお、ヘリカル領域8はそのスパイラル部12によりインダクタ成分が発生するものであるから、そのスパイラル部12の巻き数に依存してインダクタ成分の大きさが決定されるものである。巻き数が多ければインダクタ成分が大きくなり、巻き数が少なければインダクタ成分が小さくなる。後で説明する共振条件は、インダクタ成分の平方根に反比例して大きさが決まるので、より高周波を実現する場合には、巻き数を少なくし、低周波を実現する場合には、巻き数を多くすれば良い。これはスパイラル部12がその巻き形状により電気長が決まることを考慮しても明らかである。
なお、図4に示されるようにヘリカル領域8は、チップアンテナ1の素子の全長をL1
としたときに、給電部5に接続される端子部3の端面を基準として0.7×L1以内に収めることが好ましい。これにより、後で述べる負荷容量を発生させる非ヘリカル領域9を十分に基体2上に十分に確保することが可能となり、特に本発明でのチップアンテナが想定する、携帯電話や無線LANなどの800MHz〜5.2GHzなどの帯域で必要とされる広帯域を十分に実現できるものであるからである。
なお、帯域はデータ通信量に依存するものであるから、チップアンテナ1が使用されるアプリケーションに従って、必要とされる帯域が相違するものであるから、チップアンテナ1上に配置される非ヘリカル領域9の大きさは適宜決められるものであるから、必要に応じてヘリカル領域8が0.7×L1より大きくてもよいものである。
また、図10に示されるように、ヘリカル領域8は基体2上に複数存在してもよいものであり、図10にしめされるように、ヘリカル領域8とヘリカル領域11の2つが形成されてもよい。あるいは3以上のヘリカル領域が形成されてもよいものである。これにより一つの素子のチップアンテナ1により、複数の共振周波数をもつ、多共振アンテナが実現されるメリットがある。このとき、当然ながら、非ヘリカル領域9が複数形成されてもよいものである。
次に、非ヘリカル領域9について説明する。
非ヘリカル領域9は、基体2上に設けられたスパイラル部12の存在しない部分であり、ヘリカル形成されていない領域である。このため、基体2においてこの非ヘリカル領域9は容量成分を発生する。容量成分は、導電膜で覆われた基体2において、寄生的に各所で発生するが、この非ヘリカル領域9は十分な大きさを有しているものであるため、非常に大きな容量成分を発生させることができる。更に、ヘリカル領域8と電気的に接続しているので、給電部5を基点とすると負荷容量として働き、チップアンテナ1のQ値を低下させる働きをして、周波数帯域を拡大する役割を担う。すなわち、全体における容量値が大きくなることでのQ値の低下による周波数帯域の拡大と、負荷容量として働くために、放射信号(および受信信号)の立ち上がり遅延と立下り遅延を大きくする働きを有して、その周波数帯域を拡大するものである。また、非ヘリカル領域9は開放部6に接続される端子部4に近在した位置に配置されるものであり、非ヘリカル部9は通常のヘリカル領域が基体2のほぼ全体にわたって形成される場合に比べて、十分な範囲での領域を占めるものである。すなわち、給電部5の接続される端子部5側にヘリカル領域8が偏り、開放部6に接続される端子部4に非ヘリカル領域部9が偏る形態で構成されるものである。
この非ヘリカル領域は、従来例では実装基板における開放部6に非常に大きな導体パターンを形成した頂冠導体などで実現されていたものが、チップアンテナ1の基体2に取り込まれたものであり、余分な実装面積を不要とするものである。更に、あらかじめ基体2上に負荷容量を発生させる非ヘリカル領域9が形成されていることで、チップアンテナ1の素子単体で、送受信周波数と周波数帯域をあらかじめフィックスさせておくことが可能となって、チップアンテナ1のユーザーにとって、事後調整の手間を省き、非常にユーザーフレンドリーな部品として供給することができる。
更に、非ヘリカル領域9の発生する容量成分は、基体2の主成分であるアルミナなどの誘電率に依存するため、その誘電率は高く、非常に大きな容量値を実現することができる。これに対して、実装基板に形成する場合においては、実装基板の材料であるエポキシなどの誘電率は、アルミナなどよりも低いため、同じ条件であれば容量値は小さくなるため、実装を含めた素子の小型化を実現するに際しても、基体2に負荷容量を発生させる非ヘリカル領域9を配置することのメリットが明確である。
また、例えば従来のような、中空状態に銅線が巻きまわされたコイル状のヘリカルアンテナと異なり、本発明のチップアンテナは面実装が可能で、携帯端末からノートブックパソコンなど種々の電子機器に応用が可能で、しかも自動実装ができるため、非常にコスト、効率の面で効果的である。更に、基体2により形成されるため、その耐久性は高く、衝撃などにも強い。また、負荷容量を生じさせる非ヘリカル領域9は、基体2の表面に導電膜を施した状態のままとすることで形成されるため、非常に簡単に形成でき、従来の技術の図16で示したように、わざわざパターン形成などを行う必要も無く、非常に簡易である。
なお、このとき、非ヘリカル領域9を給電部5に接続される端子部3側に配置して、ヘリカル領域8をその先方である解放部6に接続される端子部4側に配置しても良いがその逆に配置しても良い。
この場合には、負荷容量としての効果は薄れるが、全体としての容量成分を増加させる働きは残るので、チップアンテナ1の小型化がやや犠牲にはなるものの、広帯域化を実現することは可能である。
なお、ヘリカル領域8は端子部3と電気的に接続されるとともに、非ヘリカル領域9を介して端子部4と電気的に接続され、非ヘリカル領域9は、端子部4と電気的に接続されるとともに、ヘリカル領域8を介して端子部3と電気的に接続されるものである。
なお、ヘリカル領域8と非ヘリカル領域9との間において、物理的に基体2を周回する導電膜を削り取った溝が形成されて、電気的導通が直接的でない場合であってもよい。この場合には、ヘリカル領域8と非ヘリカル領域9とは容量結合により接続がなされるものであって、後で述べる等価回路としてはほぼ同等の物となり、同等の動作が実現されるものである。
なお、基体2を横広とすることで、非ヘリカル領域9において生じる負荷容量が実装された実装基板との間で結合する容量も含むため、これにより更に負荷容量を増加させることも可能となり、更に広帯域化の効果が増す。
次に、保護膜10について説明する。保護膜10は図3に示されている。
保護膜10が設けられることで、基体2の導電膜への損傷やスパイラル部12などの損傷を防止することが可能となる。特に運搬時や実装時の衝撃や熱から守ることが可能となる。保護膜10は基体2の表面に塗布される。あるいは電着膜などにより実現される。ありはチューブ状保護膜により、あらかじめチューブ状をした熱可塑性の保護材料を着たい2の周囲を覆って置き、熱収縮作用を利用して、保護膜10を実現することも良い。
保護膜10にはエポキシ樹脂などの樹脂材料が好適に用いられ、基体2の全面を覆ってもよく、あるいは少なくともヘリカル領域8のみを覆ってもよい。なお、塗布などにより保護膜10が形成されると、ヘリカル領域8のスパイラル部12内部に保護膜10が入り込み、保護膜10が高誘電率の材料であるとアンテナの共振周波数を変動させる恐れがある。このため保護膜10に用いる材料には、低誘電率のものが好ましい。ただし、ある程度保護膜15の誘電率を考慮に入れた上で、ヘリカル領域8や非ヘリカル領域9の形状、大きさを設計しておくことで、所望の周波数などのアンテナ特性を得ることができる。
なお、チューブ状保護膜がヘリカル領域8を覆って設けられ、スパイラル部12に保護膜が流れ込まなくなる。これによりチューブ状保護膜を設けることによるアンテナ特性の変動が生じることはないメリットがある。ここで、チューブ状保護膜10としては樹脂製
でしかも熱収縮性のあるものを選ぶことが好ましい。これは、基体2にチューブ状保護膜を被せ、熱処理することでチューブが収縮し、確実にチューブ状保護膜を基体2上に形成することができるからである。
また、好ましくは、保護膜10は基体2の段落ちした部分に収納されるように形成されることで、端子部3、4の側面の高さと保護膜10の側面の高さが等しいかそれ以下となるように構成することが好ましい。これにより、電子基板への実装時の作業の容易性が確保されるからである。
次に、図6〜図9を用いて、開放部6に接続される端子部4の形状の工夫により、非ヘリカル領域9と同じように負荷容量を大きくする場合について説明する。
図6では、端子部4の長さL3が端子部3の長さL2よりも長い場合が示されている。端子部4は、基体2と一体あるいは別体で形成されているが、アルミナなどを主成分とするセラミックなどから形成されており、誘電率を持ち、更に、その周囲は導電膜が施されているため、端子部4も容量成分を発生し、給電部5を基点とすれば、負荷容量として働くものである。
このため、L3>L2とすることにより、長さの長いL3はあたかも基体2に設けられた非ヘリカル領域9と同様の役割を担って、チップアンテナ1の広帯域化に貢献するものである。
更に、L3が長くなることで、チップアンテナ1とアンテナ基板との実装強度の強化というメリットも生じるものである。
このとき、あらかじめ非ヘリカル領域9を、図1などに示す場合よりも小さくしておき、その小さくした分を端子部4の長さの拡張に充当させれば、チップアンテナ1の全体長L1を余分に大きくすること無く、負荷容量を大きくして実装強度の向上と、広帯域化の同時実現が可能となる。
次に、図7を用いて端子部4の幅を大きくした場合について説明する。
端子部3の幅W1より、端子部4の幅W2を大きくすることで、図6と同様に実装強度の向上と負荷容量の拡大による周波数帯域の広帯域化を同時実現するものである。
次に、図8を用いて、端子部4の高さを高くした場合について説明する。
端子部3の高さH1より、端子部4の高さH2を大きくすることで、同様に負荷容量が拡大し、周波数帯域の広帯域化が実現されるものである。なお、このとき開放部6に接続される端子部4の高さH2の方がH1より高いため、実装における方向性を確認しやすくなり、実装基板での自動化における、実装方向ミスを防止することができる効果もある。
なお、端子部4は、その長さL2、幅W2、高さH2のそれぞれのみでなく、これらの任意の組み合わせや全てを、端子部3に比べて大きくするコンビネーションであっても良い。
また、図9に示すように、端子部4を大きくすることにより、ヘリカル領域部8を、基体2において、その全体にわたって均等に形成してもよく、この場合には、負荷容量を発生させる非ヘリカル領域が、基体2上に十分に形成されていなくとも、端子部4が、同等の役割を担うため、工程上の容易化などのメリットを図りつつ、広帯域化という同様の効
果を得ることも可能である。
また、開放部6に接続される端子部4のサイズが、端子部3よりも大きくなることで、例えば保護膜などによりヘリカル領域8と非ヘリカル領域9とが視認できなくなった場合でも、その実装方向性を容易に視認することができるようになり、広帯域化を実現するための負荷的となる容量成分を生じる非ヘリカル領域を開放部6側に実装することを誤ることがないメリットがある。
なお、開放部6のみならず、給電部5に接続される端子部3についても容量成分を有するので、同様にそのサイズを変えることでも良い。
次に、図11(a)、図11(b)を用いて、チップアンテナ1の動作について説明する。
図11(a)には、図1で示されるチップアンテナ1の等価回路が示されており、Lαはヘリカル領域8から生じるインダクタ成分であり、Cαは非ヘリカル領域を主として発生する容量成分である。
図11(b)には、図10で示されるヘリカル領域8、11と二つのヘリカル領域が存在するチップアンテナ1の等価回路が示されており、Lαはヘリカル領域8から生じるインダクタ成分であり、Cαはヘリカル領域8と11との間に存在する非ヘリカル領域9から生じる容量成分であり、Lβはヘリカル領域11から発生するインダクタ成分であり、Cβは非ヘリカル領域9から生じる容量成分である。
インダクタ成分と容量成分が直列接続されている場合には、その共振周波数は(数1)により決定される。
Figure 2005229365
即ち、インダクタ成分と容量成分の積の平方根により定まることになる。
これから、LαとCαとから定まる共振条件に対応した共振周波数での送受信動作が、図1などでのチップアンテナ1で実現される。
これに対して、図10のチップアンテナでは、上記LαとCαとから定まる共振周波数と、Lα、Lβ、Cα、Cβの全てから定まる共振周波数での送受信動作の2共振が実現される。
例えば、DCSで規格されている携帯電話の使用周波数約1.8GHzやGSM1900の規格に対応する約1.9GHzの双方に対応するなどである。
なお、ヘリカル領域が3以上であれば、3以上の共振周波数を実現することが可能である。
次に、広帯域化が実現されることについて説明する。アンテナのQ値は(数2)により
決定される。
Figure 2005229365
容量成分であるC、特に給電部5から見た負荷容量となる基体2の先方部、すなわち、端子部4に近接する位置、あるいは端子部4そのものを大きくすることで、Q値を低下させることができる。
このときQ値を小さくすることにより、アンテナの入力インピーダンスの周波数特性を平坦にすることができ、アンテナの送受信の広帯域化が可能となる。即ち、負荷容量としての容量成分の働きにより、周波数特性でのピークの立ち上がり、立下りが緩やかになり、結果としてアンテナの広帯域化が実現されるものである。
最後に、このチップアンテナについての実験結果を説明する。
図12に本発明の実施の形態1におけるチップアンテナ性能の実験結果が表されており、図12(a)は非ヘリカル領域の大きさとVSWRが3以下となる場合の帯域幅との関係図、図12(b)は非ヘリカル領域の大きさとVSWRのピーク値に2を加えた値以下となる場合の帯域幅との関係図が示されている。
実験においてはチップアンテナ1の長さを約10mm程度から35mm程度までとし、非ヘリカル領域9の長さを1mmの場合(すなわち、負荷容量としての非ヘリカル領域9がほぼ存在しない場合)、5mmの場合、10mmの場合の3種類で実験された。ここで、グラフ中の、菱形のポイントは非ヘリカル領域9が1mmの場合であり、四角のポイントは非ヘリカル領域9の長さが5mmの場合であり、三角のポイントは非ヘリカル領域9の長さが10mmの場合が示されている。
これらのグラフから明らかな通り、非ヘリカル領域9を、基体2の開放部6に接続される端子部4側に十分な大きさでとった場合には、十分な広帯域化が実現されていることが実験からも証明されている。
以上のように、一つの素子であるチップアンテナ1の基体2に、スパイラル部12のあるヘリカル領域8を給電部5と接続される端子部3側に、スパイラル部12のない非ヘリカル領域9を開放部6と接続される端子部4側に配置する構成とすることで、広帯域化を実現し、しかも、あらかじめ単体素子で、送受信周波数と周波数帯域をフィックスさせておくことができるものである。
特に、広帯域化が実現されることで、大容量データ通信に対応することができ、あるいはGSMのように、近接する周波数1.8GHzと1.9GHzの複数の周波数に対応するデュアル対応が求められる場合に、帯域の広さを活用して、一つのチップアンテナ1で対応することを可能とすることもできるものである。
以上のように、一つの素子であるチップアンテナ1において、インダクタ成分と容量成分がほぼ確定しているために、実装基板において、事後的に余分な頂冠導体を形成したり、あるいはランドをトリミングして小さくしたりなどの手間が無くなるメリットがある。
更に、調整が困難な場合に、所望とする送受信周波数と周波数帯域を実現できないなどの問題も解消され、ユーザーメリットが高い。もちろん、実装基板への負担が無くなり、他の部品を含めた高密度実装を十分に行うことが可能となって、チップアンテナ1の小型化はもちろん、アンテナ実装領域の小型化、事後調整の省力化による低コスト化を実現することが可能となるものである。
(実施の形態2)
実施の形態2においては、2以上、すなわち複数のチップアンテナを組み合わせた場合について説明する。例えば、携帯電話での800MHz、900MHz、1.8GHz、1.9GHzのそれぞれ、あるいは一部に対応するために、あるいは、無線LANなどでの2.4GHzと5GHzの両方に対応するためなどに、一つの電子機器で多共振を実現する必要がある。
実施の形態2においてはこのような場合に、複数の素子からなるチップアンテナ、あるいはアンテナモジュールについて説明するものである。
図13、図14は本発明の実施の形態2におけるチップアンテナの構成図である。
20、21はチップアンテナ、2a、2b、2cは基体、3a、3b、3cは端子部、4a、4b、4cは端子部、5a、5b、5cは給電部、6a、6b、6cは開放部、7は給電源、8a、8b、8cはヘリカル領域、9a、9b、9cは非ヘリカル領域であり、図12には共通の給電源7に二つの素子が接続されたチップアンテナ20が、図13には共通の給電源7に3つの素子が接続されたチップアンテナ21が表されている。
なお、図13、14ではそれぞれ素子が2、3の倍が表されているが、4以上であってもよく、並列に接続されてもよく、直列に接続されてもよく、二次元平面に配置されてもよく、三次元空間に配置されてもよく、スター型に配置されてもよく、種々の形態が考慮される。
また、二つの基体からなるチップアンテナの場合には、二つの基体を略同一直線状に並べることで、その実装面積を最小化することも好適であり、それぞれ給電源を共通にして同一実装ランドなどから共通の給電部として、端子部3a、3bを接続することで、実装面積の更なる削減が図られる。
しかもこのように給電部5a、5bに接続される端子部3a、3bが近接している、あるいは対向している状態として配置した場合には、相対的に相互の基体2a、2b上に形成されたヘリカル領域8が近づき、非ヘリカル領域9が遠隔することになるため、インダクタ成分を発生する磁束密度部分と、容量成分を発生させる部分とを分離することが可能となるために、相互の基体2a、2b毎で成立する共振周波数への悪影響がないメリットもある。すなわち、図13に示されるように、給電部5a、5bに接続される端子部3a、3bを近接させて、それに近接した位置にヘリカル領域8a、8bを形成し、その先に非ヘリカル領域9a、9bを形成することが好ましいものである。
また、共通となる給電部7に接続される形態が表されているが、これ以外であっても、異なる給電源にそれぞれが接続されたものであってもよいものである。
各部の詳細は、実施の形態1において説明した内容と同様である。
ここで、ヘリカル領域8a、8b、8cのそれぞれは基体2a、2b、2cのそれぞれ
において、給電部5a、5b、5cのそれぞれに接続される端子部3a、3b、3cに近接して偏在した位置に配置される。同様に非ヘリカル領域9a,9b、9cはその先方であり、解放部6a、6b、6cに接続される端子部4a、4b、4cのそれぞれに近接して偏った位置に配置される。ヘリカル領域8a、8b、8cと非ヘリカル領域9a、9b、9cは一つの導電膜により、電気的に導通していてもよく、物理的には導通していないが、容量結合していてもよいものである。また、ヘリカル領域8a、8b、8cは、実施の形態1において説明したとおり、導電膜をレーザーや砥石などでトリミングして形成されてもよく、銅線などの導電線を巻きつけて形成されたものであってもよい。
ヘリカル領域8a、8b、8cは、スパイラル部12が存在する領域であり、これ以外の基体2a、2b、2c上の領域が非ヘリカル領域9a、9b、9cであり、何らかの不可避あるいは特段大きな影響を及ぼさない溝や傷などが存在していたとしても全体としてスパイラル部12によるインダクタ成分を生じない部分であって、容量成分を発生させる部分である場合には、非ヘリカル部9a、9b、9cである。
すなわち、給電源7を基準として考えると、給電部5a、5b、5cに接続される端子部3a、3b、3c、ついで、ヘリカル領域8a、8b、8c、ついで非ヘリカル領域9a、9b、9c、ついで開放部6a、6b、6cに接続される端子部4a,4b,4cの順で配置される形態である。
もちろん、このとき、ヘリカル領域8a、8b、8cや非ヘリカル領域9a、9b、9cが複数あってもよく、上記のような不可避、あるいは特段大きな影響を及ぼさない傷や溝などが存在してもよいものである。
また、言い換えると、ヘリカル領域8a、8b、8cは、非ヘリカル領域9a、9b、9cを介して開放部6a、6b、6cに接続される端子部4a,4b,4cと電気的に接続される。逆に非ヘリカル領域9a、9b、9cは、ヘリカル領域8a、8b、8cを介して、給電部5a、5b、5cに接続される端子部3a、3b、3cと電気的に接続されるものである。
このように、図13、図14に表されるチップアンテナ20、21であっても、給電部5a、5b、5cを基準として考えた場合には、基体2a、2b、2c上にあらかじめ形成された非ヘリカル領域9a、9b、9cの発生する負荷容量により、チップアンテナ20、21のそれぞれの素子における広帯域化が実現されるものである。
このとき、ヘリカル領域8a、8b、8c、非ヘリカル領域9a、9b、9cの大きさにより共振周波数が決定されることは実施の形態1で説明したとおりであるから、例えば、それぞれの基体2の大きさを相違させたり、ヘリカル領域8a、8b、8cでの巻き数を相違させたり、非ヘリカル領域9a、9b、9cの大きさを変えたり、端子部4a,4b,4cの大きさを変えたり、基体2a、2b、2cの素材を相違させたりすることで、異なる周波数に対応する多共振アンテナを実現できるものである。
なお、実施の形態1で説明したように、非ヘリカル領域9a、9b、9cにおける素材を変更して誘電率を変えたり、端子部4a,4b,4cの長さ、幅、高さを、端子部3a、3b、3cのそれらよりも大きくするなどにより、同様に広帯域化を実現することも好適であり、それぞれの形態を組み合わせたコンビネーションにより、広帯域化をより効果的に実現することも好適である。
また、それぞれに保護膜を形成することも好適である。
以上のように、素子を複数とした場合であっても、基体2a、2b、2cに、スパイラル部12のあるヘリカル領域8a、8b、8cを給電部5a、5b、5cと接続される端子部3a、3b、3c側に、スパイラル部12のない非ヘリカル領域9a、9b、9cを開放部6a、6b、6cと接続される端子部4a,4b,4c側に配置する構成とすることで、広帯域化を実現できる。
しかも、あらかじめチップアンテナ20、21自体で、送受信周波数と周波数帯域をフィックスさせておくことができる効果がある。
特に、広帯域化が実現されることで、大容量データ通信に対応することができ、あるいはGSMのように、近接する周波数1.8GHzと1.9GHzの複数の周波数に対応するデュアル対応が求められる場合に、帯域の広さを活用して対応することを可能とすることもできる。
更に、チップアンテナ20、21において、インダクタ成分と容量成分がほぼ確定しているために、実装基板において、事後的に余分な頂冠導体を形成したり、あるいはランドをトリミングして小さくしたりなどの手間が無くなるメリットがある。
更に、調整が困難な場合に、所望とする送受信周波数と周波数帯域を実現できないなどの問題も解消され、ユーザーメリットが高い。もちろん、実装基板への負担が無くなり、他の部品を含めた高密度実装を十分に行うことが可能となって、チップアンテナ20、21の小型化はもちろん、アンテナ実装領域の小型化、事後調整の省力化による低コスト化を実現することが可能となるものである。
なお、複数の基体を略同一直線状に配置することで、実装面積を削減する効果もある。
また、複数の基体からなるチップアンテナ20において、例えば特段広帯域化を必要としない周波数に対応するものが含まれる場合などには、容量成分が小さな非ヘリカル領域9しかない基体が含まれていてもよく、あるいは、ヘリカル領域8も存在しないダミーの基体が含まれていたり、ヘリカル領域と非ヘリカル領域から共振周波数を発生する基体のアンテナのみでなく、非常な高周波においては、基板パターンなどから作られるアンテナも含まれていてもよいものである。
(実施の形態3)
実施の形態3においては、実施の形態1もしくは実施の形態2で説明したチップアンテナ1、20、21が実装されたアンテナモジュールを、電子機器に適用した場合について説明する。
図15は本発明の実施の形態3における電子機器の構成図である。図15に示される電子機器は、ノートブックパソコンや、携帯端末、携帯電話などであり、実施の形態1や2において説明されたチップアンテナが実装されたアンテナモジュールが組み込まれたものである。
30は電子機器、31は筐体、32はアンテナモジュール、33は実装基板、34は給電源、35は変調部、36は復調部、37は制御部、38は電源である。
筺体31は例えば携帯電話の筺体であったり、ノートブックパソコンの筺体であったりする。また、図15に示されていない、表示部や、メモリ部、ハードディスクや外部用記憶媒体などが含まれてもよいものである。
変調部35は、送信に用いるアナログデータやデジタルデータを送信可能な状態に変調し、更にアンテナモジュール32に高周波信号電流を供給する。復調部36では、アンテナモジュール32で受信された信号に対して検波や復調が行われ、必要となるアナログデータやデジタルデータが取り出されて、音声、画像、データなどに再生され、図示されていない表示部などに表示される。
復調データについては、必要に応じて誤り検出がなされる場合もある。例えば、巡回符号検査(以下、「CRC」という)やパリティ符号などにより誤り検出がなされる。具体的には、送信側で付されるパリティ符号と、実際に復調されたデータの偶数パリティや奇数パリティなどとの一致を検出する。あるいは、復調されたデータについて生成多項式で除算して、剰余を確認することで検出される。誤りが検出された場合には、データの再送を要求するなどの処理が行われる。
あるいは、ビタビ復号やリードソロモン復号などの誤り訂正も行われ、データの再送要求などが不要となり、受信性能が高まる結果となる。
ここで、送信において必要なパワーアンプ、受信で使うローノイズアンプ、送受信の切り替えスイッチ、ノイズ除去のフィルタや、周波数選択のためのフィルタ、検波回路、ミキサーなどもそれぞれ実装され、それぞれディスクリート素子や、その一部、もしくは全部が集積回路で実現されている。
制御部37は電子機器全体を制御するためのものであり、例えばCPUなどが含まれており、時間制御、同期制御、回路ごとの処理手順制御などが実行される。例えば、CPUで実行されるプログラムにより実行される。電源38はパック電池などが用いられ、内部回路や表示部などに電力が供給される。
ここで、変調部35、復調部36、制御部37などは、ディスクリート素子で構成されてもよく、その一部、若しくは全部が集積化されたICやLSIなどで実現され、小型化や薄型化、低消費電力化が実現されても良い。あるいは、単一、もしくは複数のCPUを用いて、処理の一部、もしくは全部をソフトウェアで処理してもよいものである。
このような電子機器の例である、携帯電話やPDAのような携帯端末、あるいはノートブックパソコンなどでは、近年、800MHz、900MHz、1.8GHz、1.9GHz、2.4GHzと5GHzなどの多共振に対応することが求められているため、複数の基体を用いたチップアンテナを使って、多共振に対応しても良く、あるいは、一つの基体の中に複数のヘリカル領域を形成して実現してもよい。
また、近年求められているデータの高速化、大容量化に対応する必要があるが、本発明のチップアンテナにより、広帯域が実現されるため、これに対応することが可能である。また、このようなチップアンテナを使用する電子機器メーカーなどのユーザーにとっても、実装基板上に容量成分を発生する頂冠導体などを形成したり、事後調整する手間が省力化でき、電子機器の製造工程の省力化、低コスト化が実現されるものでもある。
しかも、あらかじめ送受信周波数と周波数帯域がフィックスされていることで、事後調整などもいらず、余分な回路の実装などの手間とコストも削減され、結果として、高密度実装が促進されて、電子機器自体の小型化、薄型化、低コスト化にまでその効果が及ぶものとなる。
本発明は基体と、基体に設けられた一対の端子部と、基体の一部に設けられたヘリカル
領域と、基体の一部に設けられた容量成分を発生させる非ヘリカル領域を有し、端子部と、ヘリカル領域と、非ヘリカル領域は電気的に導通し、一対の端子部の一方が給電部に接続され、他方が開放部に接続され、ヘリカル領域が給電部に接続される端子部に近在して配置され、非ヘリカル領域が開放部に接続される端子部に近在して配置される構成により、負荷容量成分を大きく取ることができ、チップアンテナの広帯域化を容易に実現することが必要な用途にも適用できる。
本発明の実施の形態1におけるチップアンテナの斜視図 本発明の実施の形態1におけるチップアンテナの側面図 本発明の実施の形態1におけるチップアンテナの側面図 本発明の実施の形態1におけるチップアンテナの側面図 本発明の実施の形態1におけるチップアンテナの側面図 本発明の実施の形態1におけるチップアンテナの側面図 本発明の実施の形態1におけるチップアンテナの斜視図 本発明の実施の形態1におけるチップアンテナの側面図 本発明の実施の形態1におけるチップアンテナの側面図 本発明の実施の形態1におけるチップアンテナの側面図 本発明の実施の形態1におけるチップアンテナの等価回路図 (a)非ヘリカル領域の大きさとVSWRが3以下となる場合の帯域幅との関係図、(b)非ヘリカル領域の大きさとVSWRのピーク値に2を加えた値以下となる場合の帯域幅との関係図 本発明の実施の形態2におけるチップアンテナの構成図 本発明の実施の形態2におけるチップアンテナの構成図 本発明の実施の形態3における電子機器の構成図 従来の技術におけるアンテナの斜視図
符号の説明
1、20、21 チップアンテナ
2、2a、2b 基体
3、4、3a、3b、3c、4a、4b、4c 端子部
5、5a、5b、5c 給電部
6、6a、6b、6c 開放部
7 給電源
8、8a、8b、8c ヘリカル領域
9、9a、9b、9c 非ヘリカル領域
10 保護膜
11 ヘリカル領域
12 スパイラル部
30 電子機器
31 筐体
32 アンテナモジュール
33 実装基板
34 給電源
35 変調部
36 復調部
37 制御部
38 電源

Claims (27)

  1. 基体と、
    前記基体に設けられた一対の端子部と、
    前記基体の一部に設けられたヘリカル領域と、
    前記基体の一部に設けられた非ヘリカル領域を有し、
    前記端子部と、前記ヘリカル領域と、前記非ヘリカル領域は電気的に導通し、
    前記一対の端子部の一方が給電部に接続され、他方が開放部に接続され、
    前記ヘリカル領域が前記給電部に接続される端子部に近在して配置され、前記非ヘリカル領域が前記開放部に接続される端子部に近在して配置されることを特徴とするチップアンテナ。
  2. 前記非ヘリカル領域が、容量成分を生じさせることを特徴とする請求項1に記載のチップアンテナ。
  3. 前記非ヘリカル領域が、前記給電部を基点として、負荷容量成分となることを特徴とする請求項1乃至2いずれかに記載のチップアンテナ。
  4. 基体と、
    前記基体に設けられた一対の端子部と、
    前記基体の一部に設けられたヘリカル領域と、
    前記基体の一部に設けられた容量成分を発生させる非ヘリカル領域を有し、
    前記一対の端子部のうち一方が給電部に接続され、他方が開放部に接続され、
    前記ヘリカル領域が、前記非ヘリカル領域を介して、前記開放部に接続された端子部と電気的に接続され、
    前記非ヘリカル領域が、前記ヘリカル領域を介して、前記給電部に接続された端子部と電気的に接続されることを特徴とするチップアンテナ。
  5. 基体と、
    前記基体に設けられた一対の端子部と、
    前記基体の一部に設けられたヘリカル領域と、
    前記基体の一部に設けられた容量成分を発生させる非ヘリカル領域を有し、
    前記一対の端子部のうち一方が給電部に接続され、他方が開放部に接続され、
    前記ヘリカル領域が、前記給電部に接続された端子部と、前記非ヘリカル領域との間に配置され、
    前記非ヘリカル領域が前記ヘリカル領域と、前記開放部に接続された端子部との間に配置され、
    前記一対の端子部と、前記ヘリカル領域と、前記非ヘリカル領域とがそれぞれ電気的に導通していることを特徴とするチップアンテナ。
  6. 前記ヘリカル領域と、前記非ヘリカル領域とが容量結合していることを特徴とする請求項1〜5いずれか1記載のチップアンテナ。
  7. 前記ヘリカル領域が、前記一対の端子部を含んだ基体の全体長をL1としたときに、前記給電部に接続される端子部の端面から0.7L1以内に収まることを特徴とする請求項1〜6いずれか1記載のチップアンテナ。
  8. 前記開放部に接続される端子部の長さL2が、前記給電部に接続される端子部の長さL3よりも長いことを特徴とする請求項1〜7いずれか1記載のチップアンテナ。
  9. 前記開放部に接続される端子部の幅W1が、前記給電部に接続される端子部の幅W2よりも幅広であることを特徴とする請求項1〜8いずれか1記載のチップアンテナ。
  10. 前記開放部に接続される端子部の高さH1が、前記給電部に接続される端子部の高さH1より高いことを特徴とする請求項1〜9いずれか1記載のチップアンテナ。
  11. 前記基体において、前記非ヘリカル領域を形成する部分の誘電率が、前記ヘリカル領域を形成する部分の誘電率よりも高いことを特徴とする請求項1〜10いずれか1記載のチップアンテナ。
  12. 前記開放部に接続される端子部の実装面に頂冠導体が形成されていることを特徴とする請求項1〜11いずれか1記載のチップアンテナ。
  13. 前記ヘリカル領域が前記基体上に複数設けられていることを特徴とする請求項1〜12いずれか1記載のチップアンテナ。
  14. 前記ヘリカル領域が、前記基体の側面の全周に施された導電膜をトリミングしたスパイラル溝により形成されていることを特徴とする請求項1〜13いずれか1に記載のチップアンテナ。
  15. 前記ヘリカル領域が、前記基体上に導電線を巻きまわして形成されることを特徴とする請求項1〜13いずれか1に記載のチップアンテナ。
  16. 前記基体の外周が、少なくとも前記端子部を除いて段落ちしていることを特徴とする請求項1〜15いずれか1記載のチップアンテナ。
  17. 前記基体において、少なくともヘリカル領域の外周に保護膜が施されたことを特徴とする請求項1〜16いずれか1記載のチップアンテナ。
  18. 基体と、
    前記基体にもうけられた一対の端子部と、
    前記少なくとも基体の外周を覆う導電膜を有し、
    前記一対の端子部のうち、一方が給電部に接続され、他方が開放部に接続され、
    前記導電膜で覆われた基体において、給電部に接続される端子部に近接する範囲のみにおいて、スパイラル溝が形成されたことを特徴とするチップアンテナ。
  19. 二つの基体と、
    前記二つの基体のそれぞれに設けられた一対の端子部と、
    前記二つの基体のそれぞれの一部に設けられたヘリカル領域と、
    前記二つの基体のそれぞれの一部に設けられた容量成分を発生させる非ヘリカル領域を有し、
    前記二つの基体におけるそれぞれの一対の端子部のうち一方が給電部に接続され、他方が開放部に接続され、
    前記それぞれの基体におけるヘリカル領域が、前記非ヘリカル領域を介して、前記開放部に接続された端子部と電気的に接続され、
    前記それぞれの基体における非ヘリカル領域が、前記ヘリカル領域を介して、前記給電部に接続された端子部と電気的に接続されることを特徴とするチップアンテナ。
  20. 前記二つの基体が、前記給電源を基準に略同一直線状に配置されていることを特徴とする請求項19に記載のチップアンテナ。
  21. 二以上の基体と、
    前記二以上の基体のうち少なくとも一つ以上の基体のそれぞれに設けられた一対の端子部と、
    前記二以上の基体のうち少なくとも一つ以上の基体のそれぞれの一部に設けられたヘリカル領域と、
    前記二以上の基体のうち少なくとも一つ以上の基体のそれぞれの一部に設けられた容量成分を発生させる非ヘリカル領域を有し、
    前記二以上の基体におけるそれぞれの一対の端子部のうち一方が給電部に接続され、他方が開放部に接続され、
    前記それぞれの基体におけるヘリカル領域が、前記非ヘリカル領域を介して、前記開放部に接続された端子部と電気的に接続され、
    前記それぞれの基体における非ヘリカル領域が、前記ヘリカル領域を介して、前記給電部に接続された端子部と電気的に接続されることを特徴とするチップアンテナ。
  22. 二以上の基体と、
    前記二以上の基体のうち少なくとも一つ以上の基体のそれぞれに設けられた一対の端子部と、
    前記二以上の基体のうち少なくとも一つ以上の基体のそれぞれの一部に設けられたヘリカル領域と、
    前記二以上の基体のうち少なくとも一つ以上の基体のそれぞれの一部に設けられた容量成分を発生させる非ヘリカル領域を有し、
    前記二以上の基体のそれぞれの端子部のうち、近接する端子部がそれぞれ共通に給電部に接続され、
    前記二以上の基体のそれぞれの端子部のうち、遠隔する端子部がそれぞれ別個に開放部に接続され、
    前記二以上の基体に存在するそれぞれのヘリカル領域が、前記それぞれの給電部に接続される端子部に近在して配置され、
    前記二以上の基体に存在するそれぞれの非ヘリカル領域が、前記それぞれの開放部に接続される端子部に近在して配置されることを特徴とするチップアンテナ。
  23. 二以上の基体と、
    前記二以上の基体のそれぞれに設けられた一対の端子部と、
    前記二以上の基体のそれぞれの一部に設けられたヘリカル領域と、
    前記二以上の基体のそれぞれの一部に設けられた容量成分を発生させる非ヘリカル領域を有し、
    前記二以上の基体におけるそれぞれの一対の端子部のうち一方が給電部に接続され、他方が開放部に接続され、
    前記それぞれの基体におけるヘリカル領域が、前記非ヘリカル領域を介して、前記開放部に接続された端子部と電気的に接続され、
    前記それぞれの基体における非ヘリカル領域が、前記ヘリカル領域を介して、前記給電部に接続された端子部と電気的に接続されることを特徴とするチップアンテナ。
  24. 二以上の基体と、
    前記二以上の基体のそれぞれに設けられた一対の端子部と、
    前記二以上の基体のそれぞれの一部に設けられたヘリカル領域と、
    前記二以上の基体のそれぞれの一部に設けられた容量成分を発生させる非ヘリカル領域を有し、
    前記二以上の基体のそれぞれの端子部のうち、近接する端子部がそれぞれ共通に給電部に接続され、
    前記二以上の基体のそれぞれの端子部のうち、遠隔する端子部がそれぞれ別個に開放部に接続され、
    前記二以上の基体に存在するそれぞれのヘリカル領域が、前記それぞれの給電部に接続される端子部に近在して配置され、
    前記二以上の基体に存在するそれぞれの非ヘリカル領域が、前記それぞれの開放部に接続される端子部に近在して配置されることを特徴とするチップアンテナ。
  25. 請求項1〜24いずれか1記載のチップアンテナと、
    前記チップアンテナに設けられた一対の端子部のうちそれぞれの一方に給電する給電源と、
    前記複数のチップアンテナと給電源を実装する実装基板を有することを特徴とするアンテナモジュール。
  26. 前記アンテナモジュールと、
    前記アンテナモジュールと接続され送信信号を変調する変調部と、
    前記アンテナモジュールと接続され受信信号を復調する復調部と、
    動作を制御する制御部と、
    電源を供給する電源部と、
    これらを格納する筐体を有することを特徴とする電子機器。
  27. 基体と、
    前記基体に設けられた一対の端子部と、
    前記基体の一部に設けられたヘリカル領域と、
    前記基体の一部に設けられた容量成分を発生させる非ヘリカル領域を有し、
    前記一対の端子部のうち一方が給電部に接続され、他方が開放部に接続され、
    前記非ヘリカル領域が、前記ヘリカル領域を介して、前記開放部に接続された端子部と電気的に接続され、
    前記ヘリカル領域が、前記非ヘリカル領域を介して、前記給電部に接続された端子部と電気的に接続されることを特徴とするチップアンテナ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN102893455A (zh) * 2011-03-16 2013-01-23 松下电器产业株式会社 天线装置及无线通信装置

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