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JP2005207959A - 薄膜中空構造体 - Google Patents

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JP2005207959A
JP2005207959A JP2004016483A JP2004016483A JP2005207959A JP 2005207959 A JP2005207959 A JP 2005207959A JP 2004016483 A JP2004016483 A JP 2004016483A JP 2004016483 A JP2004016483 A JP 2004016483A JP 2005207959 A JP2005207959 A JP 2005207959A
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Atsushi Fujita
藤田  淳
Fumio Saito
文夫 齋藤
Tatsuya Fukami
達也 深見
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Mitsubishi Electric Corp
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Abstract

【課題】 製造時に中空形成薄膜と基板の吸着のない薄膜中空構造体を提供する。
【解決手段】 基板とその基板の一方の主面上に形成された中空形成薄膜とを備え、基板と中空形成薄膜との間に空洞が形成された薄膜中空構造体において、空洞を構成する中空形成薄膜をドーム形状とした。
【選択図】図1B

Description

本発明は、薄膜中空構造体、特に半導体製造技術を用いて製造され、圧力センサあるいは温度センサに利用し得る薄膜中空構造体に関する。
従来の薄膜中空構造体を適用したデバイスとしては、例えば、特許文献1の図1に示されるような圧力センサがある。この特許文献1の圧力センサは、低濃度に不純物が拡散されたシリコンを選択的に除去可能な材料をスペーサ領域に形成し、その上に絶縁膜を成膜した後、この除去可能材料を除去してその上に堆積した絶縁膜により中空構造を実現している。
このような薄膜中空構造は、低濃度不純物拡散されたシリコン上に形成された絶縁物に開けられたエッチング液導入口より浸入する強アルカリ液により低濃度不純物拡散シリコンが除去され後、乾燥工程を経て作製される。
特公平07−50789号公報
しかしながら、従来の薄膜中空構造は、この中空を形成する絶縁膜が極めて薄いことから乾燥工程において吸着しやすいという問題点があった。
乾燥工程で絶縁膜が吸着しないようにする方策として、吸着原因である液体を排除して乾燥させることが考えられる。しかしながら、この方法では、乾燥工程のために、特別な二酸化炭素を用いた臨界乾燥装置またはシクロヘキサンを用いたフリーズドライといった特殊な装置により乾燥させる必要があるが、この工程は非常にスループットが悪く(例えば、ある臨界乾燥では1枚のウェハーの処理に2時間もかかる。)製造コストの上昇を招くという問題があった。
また、液体の表面張力に打ち勝って変形し難いように中空を形成する絶縁膜の剛性を上げることも考えられるが、この方法では、例えば低圧圧力センサにこの構造体を適用した場合、絶縁膜の変形が余りにも小さくピエゾ抵抗効果での検出が困難となるという問題を生じる。
さらに、たとえ液体の表面張力によりメンブレンが撓んだとしても接触しないように充分間隔をあけることが考えられるが、この方法では、例えば、静電容量型低圧圧力センサに適用した場合、ギャップ間が広すぎて基準容量もその変化量も小さくなり過ぎて検出が困難となる。
そこで、本発明は、上述した製造時に中空形成薄膜と基板の吸着のない薄膜中空構造体を提供することを目的とする。
以上の目的を達成するために、本発明に係る薄膜中空構造体は、基板とその基板の一方の主面上に形成された中空形成薄膜とを備え、上記基板と上記中空形成薄膜との間に空洞が形成された薄膜中空構造体において、上記空洞を構成する上記中空形成薄膜はドーム形状であることを特徴とする。
以上のように構成された本発明に係る薄膜中空構造体は、製造時、特に乾燥工程において、中空形成薄膜と基板との吸着を防止でき、歩留まりよく製造でき、信頼性の高い薄膜中空構造体を提供できる。
以下、図面を参照しながら、本発明に係る実施の形態について説明する。
実施の形態1.
図1Aは、本発明に係る実施の形態1の薄膜中空構造体を示す平面図であり、図1Bは、図1AのA−A’線についての断面図である。
本実施の形態1の薄膜中空構造体は、基板1と、その基板の一方の主面上に形成された中空形成薄膜4と、封止膜5によって構成され、基板1と中空形成薄膜4との間に空洞3aが形成されている。封止膜5は、製造過程において有機犠牲層を除去するために中空形成薄膜4に形成されたエッチング液導入用開口部4aを塞ぎかつ薄膜中空構造体の全体を保護している。
この図1Bに示した本実施の形態1の薄膜中空構造体は、空洞3aを構成する中空形成薄膜4がドーム形状に形成されていることを特徴としており、ドーム形状の中空形成薄膜4により製造過程の乾燥工程において大きな吸着力が生じた場合でもその吸着力に対して中空形成薄膜4全体に生じる抗力により吸着を防止できる。このように、ドーム形状の中空形成薄膜4では、中空形成薄膜4の一部に集中して力がかかることがないので、中空形成薄膜4に過度の剛性を持たせることなく製造過程の乾燥工程における中空形成薄膜4の吸着を防止することが可能になる。
ここで、本発明において、中空形成薄膜4は、中空形成薄膜4の膜応力状態を全体として圧縮状態とすることによりドーム形状を維持できるし、中空形成薄膜4の膜応力を空洞から離れた位置ほど圧縮応力が高くなるように応力傾斜を持たせることにより維持できる。
また、中空形成薄膜を犠牲層を覆うように形成し、その後で犠牲層を除去して中空構造を形成する方法において、従来のように、中空形成薄膜が犠牲層のエッジ部分で急激(例えば、45度〜90度程度)に折れ曲がった構造にすると、このエッジ部分に成膜された中空形成薄膜には多くの欠陥やクラックを生じ易くなり、最悪の場合には中空形成薄膜が剥離することになる。
しかしながら、本実施の形態1のように、空洞3aを形成している中空形成薄膜4をドーム形状にすると、中空形成薄膜4において、立ち上がり部分の傾斜角を緩やかにできるとともに、急激に折れ曲がった部分も無くすことができ、膜の欠陥を少なくできかつ欠陥分布の不均一を生じることもない。すなわち、本実施の形態1では、後述するように、有機犠牲層のパターンエッジ部をその上に成膜されるメンブレン材料の膜に欠陥を生じさせないよう充分緩やかな傾斜としている。
このように、本実施の形態1のドーム形状の中空形成薄膜4は、膜の強度を均一にできるので、中空形成薄膜4全体に生じる抗力により吸着を防止できるというドーム形状にすることによる効果をより効果的に発揮させることが可能になる。
また、本発明において、中空形成薄膜4は、中空形成薄膜4の膜応力状態を全体として圧縮状態とするか、あるいは中空形成薄膜4の膜応力を空洞から離れた位置ほど圧縮応力が高くなるように応力傾斜を持たせることにより維持できるが、本発明では、中空形成薄膜4自体が圧縮膜応力状態となるように制御することが好ましい。このように中空形成薄膜4自体が圧縮膜応力状態となるようにすると、犠牲層を除去した後に、中空形成薄膜4における上に凸の状態をより安定して保つことができ、犠牲層除去後の乾燥工程において、より吸着し難くすることができる。また、中空形成薄膜4自体が圧縮膜応力状態となるように制御すると、限界点での中空形成薄膜4の膜厚に対する大きさの比率(大きさ/膜厚)を大きくでき、あるいはギャップ長をより狭くすることも可能になる。かかる点を考慮すると、本発明では、中空形成薄膜4自体が圧縮膜応力状態となるように制御することが好ましい。
しかしながら、本発明では、基板1から離れた上部ほど、圧縮状態が強くなるようにすれば、中空形成薄膜4全体として引張状態(膜全体における膜応力の平均値が引張状態)であっても、中空形成薄膜4のドーム形状を維持することが可能であり、薄膜中空構造体が適用される素子によっては引張状態であってもよい。
すなわち、圧力センサのような外力を受けて中空形成薄膜の変形のピエゾ抵抗効果やその変形による静電容量の変化を連続的に検出する用途の場合、中空形成薄膜自体が圧縮膜応力状態となるように膜を制御する必要があるが、作製後、外圧力の大きな変動がない環境下で使用する静電容量型温度センサなどの場合には、中空形成薄膜を構成する膜の膜応力の状態が圧縮でも引張でもよい。
以下、本実施の形態1のプロセスフローを示す図面(図2A〜図2Eの断面図)を参照しながら、実施の形態1の薄膜中空構造体の製造方法について説明する。
(A)本製造方法では、まず、例えば、少なくとも一方の面に熱酸化膜(図示していない)が形成された厚さ0.5mmのシリコン等からなる基板1の上に第一の犠牲層2を形成する。
この第一の犠牲層2は、選択的に犠牲層を除去するエッチング工程の際のエッチング液導入経路を確保するためのチャネルとなるものであり、この第一犠牲層2として必要な要件は、犠牲層をエッチングする際に、第1犠牲層2が選択的(中空形成薄膜4及び基板等を除去することなく)にエッチング除去できるものであればよい。
本実施の形態1では、厚さが300nmのアルミ膜を用いた。
(B)次に、第二犠牲層3となる有機膜を形成し、空洞を形成する部分にその有機膜が残るようにパターニングする。そして、パターンニングした有機膜を、ドーム形状となるようにかつそのエッジの傾斜が充分緩やかとなるようにリフロー処理(熱処理)を施すことにより、ドーム形状の第二犠牲層3を形成する(図2B)。
尚、本工程において、熱処理を経た後に第二犠牲層3が所望のドーム形状となるように、熱変形特性を考慮して有機膜の材料が選定され、有機膜の膜厚が設定される。
また、リフロー処理は、後の工程における温度以上(後工程における最高温度以上)の温度で熱処理することが好ましく、これにより、後工程において膜に欠陥(ボイド、膜剥離等)が発生するのを防止できる。
また、この熱処理により、中空形成薄膜4を形成する際に、ガス放出(アウトガス)及び過大な熱膨張を防止することができる。
第二犠牲層として適用可能な材料は、第一犠牲層と同様に、中空形成薄膜4及び基板等を除去することなく選択的にエッチング除去できること、及び第二犠牲層3を形成する、又はした際に第一犠牲層2を変形させないものであることが求められる。本実施の形態1では、第二犠牲層としてアニソールを溶剤とするシリコンラダー構造の高分子膜を用いた。また、熱処理温度はその後の成膜温度を考慮して250℃とした。
(C)次に、中空形成薄膜4となる多層薄膜(図では簡略化して単層で示している。)を成膜し、第一及び第二犠牲層2,3を除去するためのエッチング液導入穴4aをドライエッチングにより形成する。
本発明では、この中空形成薄膜4は、所定の膜応力、好ましくは圧縮の膜応力となるようにすれば単層であってもよいし、複層(多層膜)であってもよい。また、中空形成薄膜4をn層からなる多層膜として圧縮の膜応力とする場合、例えば、その多層薄膜において、基板から離れた膜ほど強く圧縮されるような状態に調整することが好ましく、中空形成薄膜全体として圧縮の膜応力となるようにすることが好ましい。すなわち、それぞれの膜の膜応力をσi(添字i=1,2からn、nは正整数、基板に近い方が小さい値をとる)とした時、σi>σi+1となるように膜応力を制御する。ここでは、膜応力が圧縮状態にある場合を負符号で表記しており、数字の小さい方が強い圧縮状態であることを意味する。なお、基板に最も近い最初の膜の膜応力は基板に対して圧縮状態であることが望ましい。
例えば、P−CVD装置で成膜できるTEOSを用いて中空形成薄膜4となる多層薄膜(TEOS−SiOx多層膜)を形成する場合、TEOS:20sccm、O2:234sccm、ガス圧:0.1kPa、成膜温度200℃の条件で、成膜パワーを変えることで、膜応力を引張状態から圧縮状態まで調整することができる。
本実施の形態1では、膜厚を三等分して(例えば、それぞれ200nm)、パワーを250W,275W,300Wに調整することにより、基板側から上側に、圧縮状態が−100MPa、−150MPa、−200MPaと変化する多層膜を形成した。
(D)次に、中空形成薄膜4に形成されたエッチング液導入穴4aを用いて、酸エッチング液でアルミからなる第一犠牲層2を除去し、さらに、アニソールにより第二犠牲層3を除去して、IPA(イソプロピルアルコール)で置換した後、乾燥させる(図2D)。
従来の構成では、この乾燥工程で吸着等のトラブルが生じるが、本実施の形態1では、中空形成薄膜4がドーム形状に形成されているので、かかるトラブルは発生しない。
(E)最後に、エッチング液導入穴4aが埋まるように全体を覆う封止膜5を成膜して封止する。この工程において、例えば、スパッタで封止すれば、空洞3a内の圧力は、成膜時の雰囲気圧である0.3Pa程度の真空度となり、P−CVDで封止した場合には、0.1kPa程度の真空度になる。この封止膜は、例えば、膜厚800nm程度で圧縮応力が−200MPaとなるように成膜されたP−CVDによるTEOS膜を用いることができる。本実施の形態1の中空形成薄膜4は、一辺が80μmの矩形とした。
以上のように、本実施の形態1では、基板1上にある空洞3aを形成するための中空形成薄膜4を、基板1とは反対側が凸となるようなドーム型に形成し、それにより乾燥工程における基板との吸着を防止した。
また、本実施の形態1に示したような本発明の構成によれば、例えば、空洞3aを基準真空室として使用する場合や、圧力センサのように外力を受けて中空形成薄膜4が変形し、その変形のピエゾ抵抗効果やその変形による静電容量の変化を検出するような用途に適用した場合に、ドーム形状の全体で外力を受けることになるので、外力に対する変形率が一定の安定した変形が得られ、かつ高い信頼性が確保できる。
また、本実施の形態1では、主として多層膜からなる中空形成薄膜4について説明したが、本発明においては中空形成薄膜4を単層で構成することもできる。このように単層で中空形成薄膜4を形成する場合、中空形成薄膜4として圧縮の膜応力となるようにすることが望ましく、より望ましくは、空洞3a側より外側が高い圧縮の膜応力状態となるようにする。
この外側が高い圧縮膜応力状態となる傾斜機能膜として、その膜応力を連続的に制御した膜でも良いし、ステップ状に徐々に外側が高い圧縮膜応力状態となるようにしてもよい。
このように中空形成薄膜の膜応力を制御することで、薄膜中空構造体をより安定したドーム型とすることができる。
このように、犠牲層除去した時に中空形成薄膜が基板表面から見て凸となる形態で安定させた上にさらに、膜応力自体も基板側より表面側の膜ほど圧縮応力状態となるように形成すると、中空形成薄膜自体で上に凸となろうとし、より安定したドーム形状を構成できる。これにより、犠牲層除去後の乾燥工程で、同サイズの平坦なメンブレン膜に比較してより吸着し難くでき、さらに大きさ/膜厚で定義される限界点を高くできるので、より薄い膜厚でより大きい面積の中空形成薄膜を構成できる。また、ギャップをより狭くすることも可能となる。
応用例.
<静電容量型温度センサ>
本発明に係る中空薄膜構造体は、静電容量型温度センサに利用できる。
この静電容量型温度センサにおける中空薄膜構造体は、作製後、外圧を受けることはなく、かつ外圧の大きな変動がない環境下で使用されるものであるため、中空形成薄膜4を構成する膜の膜応力の状態は圧縮でも引張でもよく、少なくとも製造時に中空形成薄膜4の凸形状(ドーム形状)が壊れなければよい。
このように、本発明は、製造後に大きな外圧力を受けない熱的な分離構造体としても利用できる。
<圧力センサ>
また、本発明に係る中空薄膜構造体は、圧力センサのような外力を受け中空形成薄膜の変形をピエゾ抵抗効果や静電容量の変化として連続的に検出する用途にも利用できる。
この場合、適用圧力範囲(印加される圧力範囲内)でメンブレン中空形成薄膜が外力に対して連続的に変形するように、中空形成薄膜自体が圧縮の膜応力状態となるように膜制御する必要がある。
このとき、中空形成薄膜は、単層ではなく複層としても良く、その場合、複層全体で圧縮の膜応力となるようにすればよい。さらに、望ましくは、空洞3a側の膜より外側の膜ほどより圧縮の膜応力状態となるように複層化しても良いし、その膜応力を連続的に制御した、いわゆる傾斜機能膜としても良い。このように中空形成薄膜の膜応力を制御することで、薄膜中空構造体において外力に対して安定した変形が得られ、より安定した圧力検知が可能な圧力センサを構成できる。
実施の形態2.
図3は本発明に係る実施の形態2の薄膜中空構造体の構成を示す正面図と断面図である。
本実施の形態2の薄膜中空構造体は、実施の形態1の薄膜中空構造体において、空洞3aを介して対向する下部電極11と上部電極12を形成し、使用環境下の温度範囲において温度変化に対する中空形成薄膜4の変形が充分小さくなるように構成された以外は実施の形態1と同様に構成され、外圧による中空形成薄膜4の変形を、下部電極11と上部電極12の間の静電容量の変化として検出する圧力センサに適用したものである。
このように実施の形態2の薄膜中空構造体では、基板上面と中空形成薄膜表面に対向する電極を形成して、使用環境下の温度範囲での中空形成薄膜の変形が充分小さくなるように構成したことにより、圧力変化に対応して基準となる空洞3aの内圧に対する差を検出することができ、空洞3aを真空とすれば絶対圧が測定できる。
また、圧力センサとして機能するためには検出可能な圧力範囲で常に上に凸状態を維持するように圧縮の膜応力状態を調整する必要があるが、実施の形態1で説明したようにかかる状態に調整することは可能である。
また、この下部電極及び上部電極材料として、金属材料やドープドポリシリコン等の半導体素子製作に使用される配線材料を用いて形成することが可能である。
図4A〜図4Eは、本実施の形態2のプロセスフローを示す断面図であり、実施の形態1の製造方法の一部を以下のように変更する以外は、実施の形態1と同様に構成される。 すなわち、実施の形態1の異なる点は、工程(A)で第一犠牲層2を形成する前に下部電極11を、例えば、n型シリコン基板への不純物導入(p+)により形成しておくことと(図4A)、工程(C)で中空形成薄膜4を形成した後に上部電極12を、例えば、Cr/Au/Cr(−100MPa、5/100/5nm)により形成した点である(図4C)。
本実施の形態2の製造方法では、工程(C)で中空形成薄膜4を形成した後に上部電極12を形成するようにしたが、中空形成薄膜4の中に上部電極12を埋め込むようにしてもよい。
例えば、工程(C)において、TEOS(−100MPa、400nm厚)を形成した上にSiNx(+200MPa、400nm厚)を形成することにより中空形成薄膜4の一部を形成した後に、上部電極12をCr/Au/Cr(−100MPa、5/100/5nm)で形成し、さらに、残りの中空形成薄膜4の一部となる部分を圧縮の膜応力のTEOS膜(−100MPa、400nm)とすれば上部電極12をTEOS膜で挟み込んだ形態となる。
中空形成薄膜4として、上部電極12をTEOS膜で挟み込んだ構造とし、膜厚を1200nm(電極厚含まず)、空洞3aの一辺の大きさを80μmの矩形(角はRを付けている)とすると、膜応力が全体で圧縮状態(設定値−100MPa)となり、膜応力を適切に制御できた。この構成により、大気圧状態(110kPa)で中空形成薄膜4が上に約1.5μmの凸となるようにドーム型の中空形成薄膜4を吸着させることなく形成でき、10kPaから110kPaの外部圧力範囲で良好な出力を得ることができた。
従来は、中空形成薄膜には引張応力を付与して、太鼓の皮のように張った状態で形成するようにしていたが、本実施の形態2のように、中空形成薄膜が全体として圧縮応力状態となるようにすると、外部圧力に対する見かけの中空形成薄膜の剛性を低減する効果もある。
実施の形態3.
図5は本発明に係る実施の形態3の薄膜中空構造体の構成を示す正面図と断面図である。
本実施の形態3の薄膜中空構造体は、基板301と、その基板301の一方の主面上に形成された中空形成薄膜304と、封止膜305と、基板301と中空形成薄膜304の間に形成された空洞303aを介して対向する下部電極311と上部電極312とを含み、使用環境下の圧力範囲において圧力変化に対する中空形成薄膜4の変形が充分小さくなるように構成され、周囲温度の変動による中空形成薄膜304の変形を、下部電極311と上部電極312の間の静電容量の変化として検出することができる温度センサである。
この図5A,Bに示した実施の形態3の薄膜中空構造体は、実施の形態1及び2と同様、空洞303aを構成する中空形成薄膜304がドーム形状に形成されており、製造過程の乾燥工程における吸着を防止している。
図6A〜図6Eは、本実施の形態3のプロセスフローを示す断面図である。
本実施の形態3では、使用環境圧力範囲において圧力による中空形成薄膜4の変形が小さくなり、かつ測定温度範囲において温度変化に対応して中空形成薄膜4が変形するように、その中空形成薄膜4の材料及び構成を選択したものであり、温度変化を静電容量変化として検出することができる。
本実施の形態3の薄膜中空構造体は、例えば、以下のように製造される。
基板301としてシリコンを用い、その基板301の一方の面に下部電極311を不純物導入により形成し、その下部電極311を、LP−CVD(減圧CVD)により成膜したSiNx絶縁膜307で埋め込んだ後、第一犠牲層302をSiOxで形成して(図6A)、第二犠牲層303を同じくSiOxで形成する(図6B)。
次に、例えば、圧縮膜応力が外側ほど高くなるように形成された複数のポリシリコン膜からなる多層薄膜で構成された中空形成薄膜304を形成し、その中空形成薄膜304にエッチング液導入用穴304aを形成して、その中空形成薄膜304の上に上部電極312を形成する(図6C)。
例えば、膜応力を基板に接するポリシリコン膜を−50MPa、その上のポリシリコン膜を−100MPaの圧縮応力となるように順にそれぞれ2μm程度の膜厚に成膜し、その上に上部電極312として膜応力が−150MPaのドープトポリシリコン膜を2μm程度の膜厚に形成する。
そして、第一犠牲層302と第二犠牲層303を、エッチング液導入用穴304aからバッファードフッ酸(BHF)を注入して除去する(図6D)。
ここで、本実施の形態3では、圧縮膜応力が外側ほど高くなるように形成された複数の膜からなる多層薄膜で中空形成薄膜304を構成しているので、第一犠牲層302と第二犠牲層303を除去した後の中空形成薄膜304は上に凸のドーム形状になる。
BHFで第一及び第二犠牲層302,303を除去した後、TEOSを圧縮応力が−200MPaとなる条件で1μm程度の厚さに成膜して保護する。
尚、本実施の形態3では、中空形成薄膜304を構成する多層膜内のある一つの層をドープトポリシリコン層とし、その他をノンドープトポリシリコン層として、そのドープトポリシリコン層を上部電極312として、上部電極312が中空形成薄膜内部に埋め込まれた構造とすることができる。
また、本実施の形態3では、実施の形態1及び2の封止膜に相当する層は形成する必要がない。なお、中空形成薄膜の大きさは、一辺が80μmの矩形とした。
以上の実施の形態1〜3では、第一及び第二犠牲層をウェットエッチングにより除去する例で示したが、本発明はこれに限られるものではなく、フッ酸の蒸気(例えば、SiOxを犠牲層に用いた場合)あるいは酸素プラズマアッシャー(有機材料により犠牲層を形成した場合)等を利用したドライプロセスを用いてもよい。
本発明に係る実施の形態1の薄膜中空構造体を示す平面図である。 図1AのA−A’線についての断面図である。 本発明に係る実施の形態1の薄膜中空構造体の製造工程の流れを示す断面図(1)である。 本発明に係る実施の形態1の薄膜中空構造体の製造工程の流れを示す断面図(2)である。 本発明に係る実施の形態1の薄膜中空構造体の製造工程の流れを示す断面図(3)である。 本発明に係る実施の形態1の薄膜中空構造体の製造工程の流れを示す断面図(4)である。 本発明に係る実施の形態1の薄膜中空構造体の製造工程の流れを示す断面図(5)である。 本発明に係る実施の形態2の薄膜中空構造体を示す平面図である。 図3AのB−B’線についての断面図である。 本発明に係る実施の形態2の薄膜中空構造体の製造工程の流れを示す断面図(1)である。 本発明に係る実施の形態2の薄膜中空構造体の製造工程の流れを示す断面図(2)である。 本発明に係る実施の形態2の薄膜中空構造体の製造工程の流れを示す断面図(3)である。 本発明に係る実施の形態2の薄膜中空構造体の製造工程の流れを示す断面図(4)である。 本発明に係る実施の形態2の薄膜中空構造体の製造工程の流れを示す断面図(5)である。 本発明に係る実施の形態3の薄膜中空構造体を示す平面図である。 図5AのC−C’線についての断面図である。 本発明に係る実施の形態3の薄膜中空構造体の製造工程の流れを示す断面図(1)である。 本発明に係る実施の形態3の薄膜中空構造体の製造工程の流れを示す断面図(2)である。 本発明に係る実施の形態3の薄膜中空構造体の製造工程の流れを示す断面図(3)である。 本発明に係る実施の形態3の薄膜中空構造体の製造工程の流れを示す断面図(4)である。 本発明に係る実施の形態3の薄膜中空構造体の製造工程の流れを示す断面図(5)である。
符号の説明
1,301 基板、
2,302 第一犠牲層、
3,303 第二犠牲層、
3a 空洞、
4 中空形成薄膜、
4a,304a エッチング液導入穴、
5 封止膜、
11 下部電極、
12 上部電極。

Claims (5)

  1. 基板とその基板の一方の主面上に形成された中空形成薄膜とを備え、上記基板と上記中空形成薄膜との間に空洞が形成された薄膜中空構造体において、
    上記空洞を構成する上記中空形成薄膜はドーム形状であることを特徴とする薄膜中空構造体。
  2. 上記中空形成薄膜は、上記ドーム形状と等しい輪郭の表面を有するように上記基板の一方の主面上に形成された犠牲層の上に形成されることにより上記ドーム形状とされ、上記空洞は上記犠牲層を除去することにより形成された請求項1記載の薄膜中空構造体。
  3. 上記中空形成薄膜は、上記空洞から離れるに従って圧縮応力が大きくなっている請求項1又は2に記載の薄膜中空構造体。
  4. 上記中空形成薄膜は、全体として圧縮状態となっている請求項1〜3のうちのいずれか1つに記載の薄膜中空構造体。
  5. 上記空洞を介して対向する2つの電極を有し、その一方の電極は基板に設けられており、他方の電極は上記中空形成薄膜に設けられている請求項1〜4のうちのいずれか1つに記載の薄膜中空構造体。
JP2004016483A 2004-01-26 2004-01-26 薄膜中空構造体 Pending JP2005207959A (ja)

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