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JP2005205718A - インクジェット記録ヘッドの製造方法、インクジェット記録装置、および記録方法 - Google Patents

インクジェット記録ヘッドの製造方法、インクジェット記録装置、および記録方法 Download PDF

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JP2005205718A
JP2005205718A JP2004014102A JP2004014102A JP2005205718A JP 2005205718 A JP2005205718 A JP 2005205718A JP 2004014102 A JP2004014102 A JP 2004014102A JP 2004014102 A JP2004014102 A JP 2004014102A JP 2005205718 A JP2005205718 A JP 2005205718A
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Michiya Mizutani
道也 水谷
Torachika Osada
虎近 長田
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Abstract

【課題】 記録画像中の「よれ」や「すじ」の発生を低減させ、少ないパス数で記録画像の画質を向上させる。
【解決手段】 インクジェット記録ヘッドに搭載されたメモリ素子に、マルチパス印字時の紙送り量のデータ、あるいはノズルの組み合わせ、あるいは着弾位置の測定結果の情報を書きこみ、制御することで、マルチパス印字における、記録画像中の「よれ」や「すじ」の発生を低減させ、少ないパス数で記録画像の画質を向上させる。
【選択図】 図2

Description

本発明は、インクジェット記録ヘッドの製造方法、記録装置、記録方法に関する。
複写装置や、ワードプロセッサ,コンピュータ等の情報処理機器、さらには通信機器の普及に伴い、それらの機器からの情報を出力する記録装置として、インクジェット方式による記録ヘッドを用いて画像記録を行うものが急速に普及している。また、上記情報処理機器や通信機器における視覚情報の高品位化およびカラー化に伴い、記録装置においても高画質化、カラー化に対する要望が増えつつある。
このような要望に応えるための記録装置としては、記録画素の微細化等に対応するために複数の記録素子を集積配列してなる記録素子列を有し、インク吐出口および液路を高密度で複数集積した記録ヘッドを、カラー化に対応するために、例えばシアン、マゼンタ、イエロー、ブラックの各インク毎に複数個備えたものが一般的である。
近年、インターネットやデジタルカメラの普及などにより、高階調のカラー印刷に対する需要も高まってきており、これに伴ってインクジェットプリンタの高性能化も進められつつある。高精細かつ高階調の高品位プリント画像を得る手段として、
(1)インクを吐出するための吐出口の配列間隔を狭め、解像度の向上を図る
(2)特定の色インクに対し、これに含まれる色剤の割合、つまり色剤の濃度が異なる複数(最低2つ)の色インクをそれぞれ吐出する複数のプリントヘッドを用意し、必要に応じてインクと淡インクとを選択的に重ね打ちすることにより階調性の向上を図る
(3)吐出口から吐出されるインク滴の大きさ、すなわちインク量を可変にすることにより階調性の向上を図る
などの方法が知られている。
プリントヘッドの吐出口からインクを吐出させるための吐出エネルギーとして熱エネルギーを用い、インク中に気泡を発生させてその際の発泡圧力を利用する、いわゆるバブルジェット(登録商標)方式のプリンタにおいては、上述した(3)の方法が比較的困難であるので、(1)や(2)の方法が特に有効であると考えられる。
しかしながら、(2)の方法を実現しようとすると、特定の色インクに対して2つ以上のプリントヘッドが必要となり、コスト高になってしまう。従って、バブルジェット(登録商標)方式のプリンタにおいては、(1)のように吐出口の配列間隔を狭め、各吐出口から吐出される個々のインク滴の大きさを小さく(例えば10ピコリットル以下)して解像度の向上を図る手法が、製造コストの上昇をほとんど伴わないことから最も望ましい簡便な方法と言えよう。
これらのインクジェット記録ヘッドにおいて高画質記録を行う手法が、例えば特許文献1に開示されている。この手法は、一般に、マルチパス記録方法と称されるものである。この手法は、各画像領域を記録ヘッドで複数回走査して異なった記録素子から吐出される複数のインク滴を同一画素領域内に着弾させてインクドットを形成し、上記インク滴の数を適当に組み合わせることによりその画素の階調を表現するものである。
特開平04−358847号公報
しかしながら、上記のような従来例においても、以下に示すような課題が生じていた。
記録ヘッドから吐出されるインクが記録ヘッドの吐出口の形状や吐出面の表面状態の不均一性等の原因により、所定の着弾位置からずれる場合がある。この現象を通常「よれ」と呼んでいるが、特に同じ階調値で一定面積以上記録する場合に、同一の記録素子を使用して形成されるインクドットが周期的に現れると、この「よれ」による着弾位置のずれが周期性を持ついわゆる「すじ」となって認識され、画像品位を劣化させる原因となる。
この「よれ」による影響を少なくするために、上述のマルチパス記録方法等が用いられ、例えばマルチパス記録のパス数を増やして「よれ」の周期性を変化させたり、分散させることが行われている。しかしながら、マルチパス記録のパス数を増やすと、より多くの記録時間を必要とすることとなり、少ないパス数でより効果的に「すじ」を減少させる方法が望まれている。
また、この「よれ」による着弾位置のずれの許容範囲を非常に狭くすれば、少ないマルチパスで画像品位を高品位にすることが可能になるが、その様な精度の高いインクジェットヘッドを製造することが困難でヘッドの歩留まりが悪くなるという問題が発生した。
インクジェット記録方式にあっては、記録ヘッドは記録媒体の搬送方向に対して直角の方向に複数のインク吐出ノズルを設けており、記録媒体面に対して直角にインクを吐出するようにしている。しかしながら、全てのノズルからのインク吐出方向が同一であれば問題ないが、現実としては各ノズルからのインク吐出方向にずれが生ずることがある。例えば図15に示すように、本来点線の矢印で示す方向にインクを吐出すべきであるが、実際には実線の矢印に示す方向にインクを吐出するノズルがある。この場合は記録ヘッド50のインク吐出面50aと記録媒体51との間隔がD1であると、本来のインク着弾点Pと実際のインク着弾点Qとは距離L1だけずれてしまう。このずれによって画像のきれが悪くなり、記録品位が低下してしまう。前記ずれはインク吐出面50aと記録媒体51との間隔が大きくなると(間隔D2のとき)、これに比例して大きくなる(距離L2)。
またノズルからのインク吐出方向のずれ以外にも、インクの吐出速度の相違に起因することもある。例えば、ノズルから吐出されるインク液滴は、大きいものから主滴、サテライト、マイクロドットとあるが、これらのインク液滴の吐出速度は異なる。そのために図16に示すように吐出速度がV1の場合と、V2(V1<V2)の場合とでは記録ヘッド50の移動速度成分VHとの合成により、吐出速度V1の場合には実線の矢印に示す方向に、吐出速度V2の場合には破線の矢印に示す方向となり、それぞれ吐出方向が異なってしまうために画像のきれが悪くなる。そして前記ずれはインク吐出面50aと記録媒体51との間隔の大きさに比例して大きくなる。
従って、インクジェット記録装置にあっては記録品位を向上させるために、インク吐出面と記録媒体との間隔を可能な限り小さくすることが有効であるが以下の問題があった。
すなわち、インクジェット記録方式にあっては紙等の記録媒体にインク液を吐出して染み込ませるために、コックリングと呼ばれる現象が生ずる。これは紙等の繊維間にインクが入り込むことにより、その部分が膨張して歪みが生じて記録媒体が波打つ現象である。
このコックリングのためにインク吐出面と記録媒体との間隔を小さくし過ぎると記録媒体がインク吐出面に接触し、記録面を汚したり、インク吐出口に紙粉等が付着してインク吐出不良を生ずる等の課題がある。
本発明は、上述の課題を解決するためになされたものであり、マルチパス印字における、記録画像中の「よれ」や「すじ」の発生を低減させ、少ないパス数で記録画像の画質を向上させることができるインクジェット記録ヘッドの製造方法、および記録装置および記録方法を提供することを目的とする。
また、本発明の他の目的は、マルチパス印字方式を行うインクジェットヘッド記録装置に用いられるインクジェットヘッドの良品率を向上させることである。
上記の課題を解決するために本発明は、
複数のノズルを有するインクジェットヘッドを記録媒体に対して相対的に走査させながら記録媒体に向けてインクを吐出し、
複数回の走査で、異なる複数のノズルが記録媒体上の同一ドットラインを走行して各ラインを記録するインクジェット記録装置に搭載されるインクジェット記録ヘッドの製造方法において、
前記各ノズルから吐出されたインクの着弾位置を測定する測定工程と、
前記複数の走査回数毎に実行される前記インクジェット記録装置の紙送り量と対応する、異なる複数のノズルの組み合わせを複数含むノズル組み合わせテーブルを用意するテーブル作成工程と、
前記着弾位置測定工程において求められた各ノズルのよれ量と、前記ノズル組み合わせテーブルに基づいて、前記各ライン毎のよれ量の総和(以下「積算」と定義)を計数し、前記複数のノズルの前記走査回数に応じたノズルの組み合わせのよれ量を積算する計算を行う計数工程と、
前記ノズル組み合わせテーブルと前記計数結果に基づいて、前記各ライン毎のよれ量の積算量の中から最大値を決定し、前記テーブルの複数の紙送り量の組み合わせパターンの中から、前記よれ積算量の最大値を比較してノズルの組み合わせテーブルを決定するテーブル決定工程と、
前記インクジェット記録ヘッドに搭載されたメモリ素子に、前記着弾位置測定工程、前記着弾位置計数工程、前記テーブル決定工程のうち少なくとも1つを含む情報を書き込む工程
を含むことを特徴とする。
なお、さらに詳細に説明すれば、本発明は下記の構成によって前記課題を解決できた。
(1)複数のノズルを有するインクジェットヘッドを記録媒体に対して相対的に走査させながら記録媒体に向けてインクを吐出し、複数回の走査で、異なる複数のノズルが記録媒体上の同一ドットラインを走行して各ラインを記録するインクジェット記録装置に搭載されるインクジェット記録ヘッドの製造方法において、前記各ノズルから吐出されたインクの着弾位置を測定する測定工程と、前記複数の走査回数毎に実行される前記インクジェット記録装置の紙送り量と対応する、異なる複数のノズルの組み合わせを複数含むノズル組み合わせテーブルを用意するテーブル作成工程と、前記着弾位置測定工程において求められた各ノズルのよれ量と、前記ノズル組み合わせテーブルに基づいて、前記各ライン毎のよれ量の総和(以下「積算」と定義)を計数し、前記複数のノズルの前記走査回数に応じたノズルの組み合わせのよれ量を積算する計算を行う計数工程と、前記ノズル組み合わせテーブルと前記計数結果に基づいて、各テーブルにおける前記各ライン毎のよれ量の積算量の中から最大値を決定し、前記複数のテーブルの中から前記よれ積算量の最大値を比較してノズルの組み合わせテーブルを決定するテーブル決定工程と、前記インクジェット記録ヘッドに搭載されたメモリ素子に、前記着弾位置測定工程、前記着弾位置計数工程、前記テーブル決定工程のうち少なくとも1つを含む情報を書き込む工程を含むことを特徴とするインクジェット記録ヘッドの製造方法。
(2)前記テーブル決定工程は、各テーブルにおける前記各ライン毎のよれ量の積算量の中から最大値を決定し、前記複数のテーブルの中から前記よれ積算量の最大値が最小になるノズルの組み合わせテーブルを決定することを特徴とする前記(1)記載のインクジェット記録製造方法。
(3)前記インクジェットヘッドは、熱エネルギーを利用してインクを吐出するヘッドであって、インクに与える熱エネルギーを発生するための熱エネルギー発生体を備えることを特徴とする前記(1)または(2)記載のインクジェット記録ヘッドの製造方法。
(4)前記(1)、(2)、(3)のいずれかに記載のヘッドの決定されたノズル組み合わせテーブル情報を読み取る読み取り手段と、前記読み取り手段の結果に基づいて、前記複数回の走査における紙送り量を制御する紙送り制御手段を備えていることを特徴とするインクジェット記録装置。
(5)前記(1)、(2)、(3)のいずれか記載のヘッドの着弾位置の関する情報を読み取る読み取り手段と、前記読み取り手段の結果に基づいて、前記テーブル作成手段と、前記複数のノズルの前記走査回数に応じたノズルの組み合わのよれ量を積算する計算を行う計数手段と、前記ノズル組み合わせテーブルと前記計数結果に基づいて、各テーブルにおける前記各ライン毎のよれ量の積算量の中から最大値を決定し、前記複数のテーブルの中から前記よれ積算量の最大値を比較してノズルの組み合わせテーブルを決定するテーブル決定手段と、前記複数回の走査における紙送り量を制御する紙送り制御手段を備えていることを特徴とするインクジェット記録装置。
(6)前記テーブル決定手段は、各テーブルにおける前記各ライン毎のよれ量の積算量の中から最大値を決定し、前記複数のテーブルの中から前記よれ積算量の最大値が最小になるノズルの組み合わせテーブルを決定することを特徴とする前記(5)記載のインクジェット記録装置。
(7)複数のノズルを有するインクジェットヘッドを記録媒体に対して相対的に走査させながら記録媒体に向けてインクを吐出し、複数回の走査で異なる複数のノズルが記録媒体上の同一ドットラインを走行して各ラインを記録するインクジェット記録装置において、前記各ノズルから吐出されたインクの着弾位置を測定する測定手段と、前記複数の走査回数毎に実行される前記インクジェット記録装置の紙送り量と対応する、異なる複数のノズルの組み合わせを複数含むノズル組み合わせテーブルを用意するテーブル作成手段と、前記着弾位置測定手段において求められた各ノズルのよれ量と、前記ノズル組み合わせテーブルに基づいて、前記各ライン毎のよれ量の総和(以下「積算」と定義)を計数し、前記複数のノズルの前記走査回数に応じたノズルの組み合わせのよれ量を積算する計算を行う計数手段と、前記ノズル組み合わせテーブルと前記計数結果に基づいて、各テーブルにおける前記各ライン毎のよれ量の積算量の中から最大値を決定し、前記複数のテーブルの中から前記よれ積算量の最大値を比較してノズルの組み合わせテーブルを決定するテーブル決定手段と、前記決定手段の結果に基づいて、前記複数回の走査における紙送り量を制御する紙送り制御手段を備えていることを特徴とするインクジェット記録装置。
(8)前記テーブル決定手段は、各テーブルにおける前記各ライン毎のよれ量の積算量の中から最大値を決定し、前記複数のテーブルの中から前記よれ積算量の最大値が最小になるノズルの組み合わせテーブルを決定することを特徴とする前記(7)記載のインクジェット記録装置。
(9)前記インクジェットヘッドは、熱エネルギーを利用してインクを吐出するヘッドであって、インクに与える熱エネルギーを発生するための熱エネルギー発生体を備えることを特徴とする前記(7)または(8)記載のインクジェット記録装置。
(10)複数のノズルを有するインクジェットヘッドを記録媒体に対して相対的に走査させながら記録媒体に向けてインクを吐出し、複数回の走査で異なる複数のノズルが記録媒体上の同一ドットラインを走行して各ラインを記録するインクジェット記録方法において、前記各ノズルから吐出されたインクの着弾位置を測定する測定工程と、前記複数の走査回数毎に実行される前記インクジェット記録装置の紙送り量と対応する、異なる複数のノズルの組み合わせを複数含むノズル組み合わせテーブルを用意するテーブル作成工程と、前記着弾位置測定手段において求められた各ノズルのよれ量と、前記ノズル組み合わせテーブルに基づいて、前記各ライン毎のよれ量の総和(以下「積算」と定義)を計数し、前記複数のノズルの前記走査回数に応じたノズルの組み合わせのよれ量を積算する計算を行う計数工程と、前記ノズル組み合わせテーブルと前記計数結果に基づいて、各テーブルにおける前記各ライン毎のよれ量の積算量の中から最大値を決定し、前記複数のテーブルの中から前記よれ積算量の最大値を比較してノズルの組み合わせテーブルを決定するテーブル決定工程と、前記決定手段の結果に基づいて、前記複数回の走査における紙送り量を制御する紙送り制御工程を備えていることを特徴とするインクジェット記録方法。
(11)前記テーブル決定工程は、各テーブルにおける前記各ライン毎のよれ量の積算量の中から最大値を決定し、前記複数のテーブルの中から前記よれ積算量の最大値が最小になるノズルの組み合わせテーブルを決定することを特徴とする前記(10)記載のインクジェット記録方法。
(12)前記インクジェットヘッドは、熱エネルギーを利用してインクを吐出するヘッドであって、インクに与える熱エネルギーを発生するための熱エネルギー発生体を備えることを特徴とする前記(10)または(11)記載のインクジェット記録方法。
本発明の構成によれば、インクジェット記録ヘッドに搭載されたメモリ素子に、インクジェット記録装置のマルチパス時の紙送り量のデータ、あるいはノズルの組み合わせ、あるいは着弾位置の測定結果の情報を書きこむ。このため、マルチパス印字における、記録画像中の「よれ」や「すじ」の発生を低減させ、少ないパス数で記録画像の画質を向上させることができる。また、ヘッドの個体差に応じて最も「よれ」が少ないノズルの組み合わせでマルチパス記録を行うことができるため、インクジェット記録ヘッド毎における画像品位のばらつきを低減させることができる。
また、従来のノズルの組み合わせでは不良となってしまうヘッドも、本発明によれば「よれ」や「すじ」の発生を低減させることができるので、インクジェットヘッドの製造歩留まりを向上させることができる。
以下本発明を実施するための最良の形態を、実施例により詳しく説明する。
以下に、本発明の実施例について説明する。
図9(a)は本発明の実施形態の基本的な形態を示す記録ヘッドカートリッジの外観斜視図である。図9(a)に示すように、不図示のイクジェット記録装置に着脱自在に搭載され、X方向に往復走査される記録ヘッドカートリッジ11は、インクを吐出する複数の吐出口16が形成された記録素子基板12を有するインクジェット記録ヘッド516を備える。また、記録ヘッドカートリッジ11は、記録素子基板12にインクを供給するための不図示のインクタンクを着脱自在に搭載する。本実施形態の記録ヘッドカートリッジ11は、6色のインクを収納する6つのインクタンクを搭載可能な例が示されている。なお、インクタンクに収納される6色のインクの色としては、黒以外の色であるカラーインクと、黒のインクとが収納されるものであってもよい。
電気配線テープ31は、記録素子基板12に対してインクを吐出するための電気信号を印加するものであり、記録素子基板12を組み込むための開口部と、記録素子基板12の電極部に対応する素子基板用電極端子と、本体装置からの電気信号を受け取るための外部信号入力端子32とが設けられており、その裏面には、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)33が搭載されている。このEEPROM33は、格納されたデータを電気的に消去可能なROMでここに記憶されたデータは装置自体の電源を切られても保持されるようになっており、本実施形態では、後述する、記録素子基板12の各ノズルの着弾位置情報のランク等が格納されるようになっている。
なお、EEPROM33は、図9(b)に示す記録ヘッドカートリッジ11aのように外部信号入力端子32aが、電気配線テープ31aとは別体の、電気配線テープ31aと電気的に接続された電気コンタクト基板30に設けられた構成の場合、この電気コンタクト基板30の裏面に設けられているものであってもよい。
図10に電気コンタクト基板の配線パターン層の透視図を、また、図11に、図10とは別の層の配線パターン層の透視図をそれぞれ示す。EEPROM33は、図10に示す部位に電気的に接続されている。また、この電気コンタクト基板30には、図11に示すように、CS、SK、DO、DIの4つの外部信号入力端子32aがEEPROM33の入出力用として設けられている。
このように、EEPROM33は、図9(a)あるいは、図9(b)に示した記録ヘッドカートリッジのいずれに搭載されるものであってもよいが、以降の説明は、図9(a)に示した記録ヘッドカートリッジ11を用いて説明する。
図12は、図9(a)に示した記録ヘッドに備えられている、インクの吐出を行う記録素子基板の模式的な一部破断斜視図である。また、図13は、図12のA−A’線における記録素子基板12の一部断面図であり、図14は、図12の矢印Bの方向から見た電気熱変換素子14近傍の透視平面図である。
図12に示すように、記録素子基板12は、例えば、厚さ0.625mmのSi基板19で形成されている。また、インクをそれぞれ供給する、長溝状の貫通口からなるインク供給口15が形成され、各々のインク供給口15の両側に電気熱変換素子14がそれぞれ1列ずつ千鳥状に配列されている。なお、図12には、6色のうちの1色分に対応するインク供給口15、および電気熱変換素子14のみが示されている。
電気熱変換素子14と、電気熱変換素子14に電力を供給するAl等の電気配線とは、成膜技術により形成されている。また、電気配線に電力を供給するための不図示の電極部には、Au等のバンプが設けられている。インク供給口15は、Si基板19の結晶方位を利用して、異方性エッチングを行う。ウェハ面に<100>、厚さ方向に<111>の結晶方位を持つ場合、アルカリ系(KOH、TMAH、ヒトラジン等)の異方性エッチングによりエッチングが進行する。この方法を用いて、所望の深さにエッチングする。あるいは、インク供給口15は、特開平10−181032号公報に開示されているAE−POLY方式により形成されるものであってもよい。このAE−POLY方式の場合、インク供給口15を高精度に形成することができ、好適である。
Si基板19上には、電気熱変換素子14に対応したインク流路13を形成するためのインク流路壁20、インクの吐出に寄与する吐出口16、およびインクの吐出に寄与しないダミー吐出口17がフォトリソグラフィ技術により形成され、上述した、6色のインクに対応した12列の吐出口列を構成している。
上記Si基板19上には、電気熱変換素子14が所望の個数配置される。このような、電気熱変換素子14によって記録液小滴を吐出させるための吐出エネルギーがインク液に与えられ、記録が行われる。すなわち、電気熱変換素子14が近傍の記録液を加熱することにより、記録液に状態変化を生起させ吐出エネルギーを発生する。また、例えば、電気熱変換素子14の変わりに、圧電素子の機械的振動によって、吐出エネルギーが発生させてもよい。
インクを吐出し、記録を行うために用いられる吐出口16は、1列に128個形成されている。なお、吐出口16の形状は、図12に示す形状以外に記録に最適な形状であればいかなる形状であってもよく、円形であってもよい。
電気熱変換素子14は、各吐出口16に対面するように600DPIのピッチで一直線に128個設けられており、1色分としては、1200DPIのピッチで256個設けられていることになる。そして、インク供給口15から供給されたインクを電気熱変換素子14により気泡を発生させてインクを吐出口16から吐出させ、記録用紙等の被記録媒体に記録を行うものである。
なお、本実施形態の記録素子基板12は、インクを吐出させる際、電気熱変換素子14上に形成された気泡が吐出口16を介して大気に連通されるような構成であってもよい。
各インク流路13は、図12および図13に示すように、インク流路壁20で仕切られているが、本実施形態では、インク流路壁20が、インク供給口端部15aまで延びておらず、インク供給口端部15aからインク流路壁端部20aまで、距離aだけ離れた構成となっている。また、本実施形態のインク供給口15の短手方向の幅は100μmであり、インク流路13内の流路高さLは25μm、電気熱変換素子14の大きさは24μm×24μmである。
なお、本実施形態では、上述したように、インク供給口端部15aからインク流路壁端部20aまで距離aだけ離れた構成を示しているが、これに限定されるものではなく、距離aがゼロ、すなわち、インク流路壁端部20aがインク供給口端部15aまで延びた構成であってもよい。
上述したインクジェット記録ヘッドの製造工程を図1に示す。
まず、インクジェットヘッドのノズルから吐出されたインクの着弾位置の測定工程(ステップ101)について説明する。
図3(a)は、インクが完全に理想的な位置に着弾した図であり、図3(b)は実際のヘッドから吐出されたインク液滴着弾位置を示した図である。図3(a)におけるような画像パターンを、本実施形態のヘッドで印字した場合の、seg1から256までの256個のノズルすべての「よれ」がゼロの状態で着弾した図である。なお、理想格子の間隔は1200DPIのピッチである。図3(a)のSeg1−1は、seg1の1イベント目の着弾、のSeg1−2は2イベント目のインクの着弾位置である。着弾測定工程は、画像パターンの繰り返し回数に応じて、ひとつのノズルについて複数回行い、イベントごとのバラツキの計算も可能である。次に、図3(b)を詳細に説明する。Seg2−1,2は、実際の理想位置からX、Y方向ともに+5μmずれた状態を示している。同様にはSeg3−1,2はX方向に+5μm、Seg5−1,2はX方向に−5μm、Seg6−1,2はY方向に−5μm、Seg9−1,2はX方向に−10μm、Y方向に+10μm、Seg10−1,2はX方向に−5μm、Y方向に+5μm、Seg11−1,2はX方向に−5μm、Seg13−1,2はX方向に+5μm、Y方向に+10μm、Seg14−1,2はX方向に10μm、Y方向に−5μmずれた状態を示している。
図4は、着弾測定工程のハードウェアのシステム構成図である。記録媒体405に着弾した液滴を観察し画像認識するための画像処理用カメラ(例えばCCD)403は、記録媒体405の上方に配置されていて、照明装置404で明度の調整が行うことができる構成となっている。また、XYステージ406の調整や駆動を制御するコントーロルボックス407や、着弾液滴等をモニタしそれらを画像処理するための画像処理制御手段402、およびこれらの各制御手段を制御し、さらの測定され演算された各種のデータを記録ヘッドの製造工程へフィードバックする機能を備えたCPU401を具備している。
以上のような装置で、各色の、各ノズルの着弾位置を測定することができる。次に、本発明の特徴をよく表す重要な、「よれ積算量」の定義の説明を以下に例をまじえながら詳細に行う。
まず、図3(b)のヘッド例で、図6に示すような、4パスのマルチパス記録方式で示す。
図6の記録方式の場合、記録媒体上の所定領域A,B,…毎の画像は、記録ヘッドカートリッジ11の4回ずつの記録走査によって完成される。すなわち、記録ヘッドカートリッジ11が矢印Xの主走査方向に移動しつつインク滴を吐出する記録動作と、記録ヘッドカートリッジ11の記録幅の1/4(64ノズル分)の距離だけ被記録媒体を矢印Yの副走査方向に搬送する搬送動作と、が交互に繰り返される。図6においては、記録ヘッドカートリッジ11に対する被記録媒体の副走査方向の搬送によって、記録ヘッドカートリッジ11が相対的に矢印Yと反対方向に移動するものとして現されている。領域Aには、記録ヘッドカートリッジ11の第1(seg193、194、195、…、256)、第2(seg129、130、131、…、192)、第3(seg65、66、67、…、128)、および第4記録走査(seg1、2、3、…、64)によって画像が記録され、同様に、領域Bには、記録ヘッドカートリッジ11の第2(seg129、130、131、…、192)、第3(seg65、66、67、…、128)、第4(seg1、2、3、…、64)、第5記録走査(seg193、194、195、…、256)によって画像が記録されることになる。このように、領域A,B,…毎の画像は、記録ヘッドカートリッジ11の4回ずつの記録走査によって完成される。このような1回目、2回目、3回目、および4回目の記録走査時は、互いに補完し合うマスクパターンを用いて間引かれた記録データに基づいて、画像が記録される。そして、それら4回の記録走査時の記録画像によって、領域A,B,…毎の画像が完成される。この場合のマルチパス紙送り量は、64ノズル均等送りである。
次によれ積算量を定義する。よれ積算量は、異なる複数のノズルが記録媒体上の同一ドットラインを走行するような上記複数回の走査における、各ライン毎のよれ量の総和を言う。
上記の例の場合、1ラインの画像は、4パスなので4つのノズルの組み合わせで画像が形成される。すなわち、64ライン分では、(seg1,65,129,193)、(seg2,66,130,194)、(seg3,67,131,195)、…、(seg64,128,192,256)の64個の上記に示すようなノズル群の組み合わせで画像が構成される。よれ積算量とは、この4つのノズルのよれ量の総和である。
すなわち、X方向よれ積算量とは、(seg1,65,129,193)各々のX方向の着弾よれ量を加算したもので、+方向は足し算、−方向は引き算をして積算する。Y方向よれ積算量も同様に、プラスとマイナスの方向も加味して積算する。以上のようにして、3ライン目、4ライン目、…、64ライン目も同様に、X、Y方向の64個のよれ積算量が計算できることになる。
ところで、実際にインクジェット記録装置で印字する際には、決定された選択ノズルの組み合わせのデータとマルチパス時における紙送り量との相関関係を表すテーブルを用いるのが便利である。
記録ノズルの組み合わせ情報は、インクの種類、記録ノズルの数、マルチパス記録のパス数が増えると組み合わせ数が膨大に増加して情報量が大きくなるので、定められた容量のメモリ装置に記憶できるように、実際はいくつかの限られた数の組み合わせを記憶しておくことが望ましい。
図5(a)が、実際に作成したテーブルの例である(ステップ102)。紙送り量が、パス毎にあまりにもかけ離れているとマルチパスの効果が弱くなるので、テーブル数としては図5(a)に示すものを考えれば充分である。図5(a)に示すように、テーブル番号と、各パスにおける紙送り量がテーブル表となっている。各紙送り量に対応して、選択されるノズルの組み合わせは、図5(a)に示すように1対1に対応している。テーブルの構造としては、紙送り量と、選択ノズルの組み合わせのテーブルが別に存在して、階層構造のテーブルとなっている。
本実施例は、256ノズル、マルチパス数は4である。使用するインク6色は、Bk、LC,LM、C、M、Yである。LCは1/6濃度のCインク、LMは1/6濃度のMインクである。発明者が鋭意検討したところ、画像の「よれ」、「すじ」の影響のある色は、LC、LMであることがわかった。また、X方向の着弾バラツキは殆ど256個のノズル内で差が見られず、画像の「よれ」、「すじ」はY方向の着弾バラツキに起因していた。
そこで、本実施例では、LC、LMのチップのY方向の着弾点測定結果に基づき、マルチパス時における、最適な紙送り量と、対応するノズルの組み合わせを決定する場合について、図1に示すようなフローチャートを参照して説明する。
まず、ステップS101では、着弾位置の測定を行う。本実施例では、上述の理由からY方向のよれ量について測定する。
次に、ステップS102では、マルチパス時における紙送り量と選択される複数のノズルの各パスに応じた組み合わせテーブルを作成する。本実施例においては、4パスであるので図5(a)に示すような例である。
次に、ステップS103において、S102のテーブルを参照して、各パス毎のノズルの組み合わせのYよれ量を積算を行う。
次に、ステップS104で、S102のテーブルにあるすべてのノズルの組み合わせについてよれ積算量を計算したかチェックを行い、すべて計算し終えていれば、次のステップS105に進み、また終えていなければ、S103に戻る。
次のステップS105において、各テーブル番号における、紙送り量に対応するノズルの組み合わせの中から、よれ積算量の最大値を決定する。
次に、ステップS106において、各テーブル番号におけるよれ積算量の最大値を比較してマルチパス時の紙送り量と、対応するノズルの組み合わせテーブルを決定する。
最後にステップS107において、決定されたノズルの組み合わせ情報をEEPROMに書きこむ。
本実施例のヘッドにおいて、S105のよれ積算量の最大値が約40μm以上になると4パスのマルチパス印字において画像の「スジ」や「ムラ」が目立ちはじめる傾向にあることが発明者の検討で判明した。そこで、図5(a)のテーブル番号9または13の組み合わせがY方向のよれの積算量が30μm、テーブル番号11の組み合わせがY方向のよれの積算量が35μm、となる組み合わせであった。テーブル番号9および13の使用ノズルの組み合わせは、図5(c)に示すような模式図を参照すると、紙送りが66ノズル送り後の場合は、(1.63.129.191)、(2.64.130.192)…(66.128.194.256)の66ラインを4回のマルチパスで埋める。一方、紙送りが62ノズル後の場合は、(1.67.129.195)、(2.68.130.196)…(62.128.190.256)の62ラインを4回のマルチパスで埋める。なお、テーブル番号9と13はノズルの組み合わせは同一になり、インクジェット記録装置で得られる画像は同一になるので実際のインクジェット記録装置が搭載するテーブル番号は図5(b)のように、1〜11で済むことになる。
一方、テーブル番号11の場合は、紙送りは各パス64ノズル均等で(1.65.129.193)、(2.66.130.194)…(64.128.192.256)の64ラインを4回のマルチパスで埋める。
本実施例においては、均等の紙送り64ノズルの場合のテーブル番号9を、ステップ106で決定する。なお、本実施例では、インクジェット記録装置の紙送り制御機構を簡略化するために、均等ノズルの紙送り量のテーブル番号9を選択したが、テーブル番号9または、13を選択してもよい。
次に、ステップ106で決定されたマルチパス使用ノズル組み合わせデータをEEPROM33に書き込む。(ステップ107)なお、この書きこむデータは図5(b)のテーブル番号であってもよいし、インクジェット記録装置のマルチパス時の紙送り量のデータ、あるいはノズルの組み合わせ、あるいは着弾位置の測定結果であってもよい。
以上のようにして各吐出口17から吐出されたインク液滴の着弾位置の測定結果に基づいて、決定されたマルチパス時のノズルの組み合わせデータ情報をEEPROM33に書き込むことにより、インクジェット記録装置は、例えば、記録ヘッドカートリッジ11を交換した場合でも、記録ヘッドカートリッジ11の液滴の着弾位置の個体差を把握して、その記録ヘッドカートリッジ11に応じたマルチパスの紙送り量を設定できるので、記録ヘッドカートリッジ11毎における画像品位のばらつきといった問題を解消することができる。
本発明の第2の実施形態について説明する。使用するヘッドは実施例1と同一であるが、使用するインク4色は、Bk、C、M、Yである。C、Mチップは5plと、2plと大小1チップずつで構成さされていて、階調性に富む印字を可能としている。
本実施例の場合、図9(b)のようなインクジェット記録ヘッドを搭載するインクジェット記録装置(図6)に着弾位置を測定する装置(不図示)、その着弾位置の測定結果を計数する装置(不図示)、その結果に基づき、マルチパス走査時における紙送り量を制御する装置(不図示)が内包されている。
記録ヘッドの各色毎の着弾位置ずれ量(よれ量)、を検出する方法としては、例えば、所定のパッチあるいはパターンなどのテスト画像を記録ヘッドにて記録させる制御部と、テスト画像を光学的センサを用いて読み取らせる読取部と、その読取結果に基づいて記録ヘッドの各色毎のスジムラ量を推定評価する演算部と、その演算結果を格納するEEPROMとを有する構成とすることができる。
本実施例の場合、テスト画像の読取部としては、例えば、図6(a)、(b)に示すような構成を備えるスキャナーM6000を用いることが考えられる。このスキャナーM6000を、記録ヘッドカートリッジ11に代えてキャリッジM4001に装着し、キャリッジM4001と共にスキャナーM6000を主走査方向に移動させることにより、テスト画像を読み取らせることができる。また、記録装置内の記録用紙の搬送路上に光学スキャナーを取り付けておき、記録直後のパターンをそのスキャナーによって読み取って解析するようにしても良い。また、インクジェット記録装置本体の上にスキャナー光学系を有している画像読み取り手段を備えているマルチファンクションプリンタであっても良い。
本実施例も、256ノズル、マルチパス数は4である。発明者が鋭意検討したところ、画像の「よれ」、「すじ」の影響のある色は、C、Mの2plであることがわかった。また、X方向の着弾バラツキは殆ど256個のノズル内で差が見られず、画像の「よれ」、「すじ」はY方向の着弾バラツキに起因していた。そこで、本実施例では、C,Mの2plチップのY方向の着弾点測定結果に基づき、マルチパス使用ノズルの組み合わせを決定する。
本実施例のフローチャートを図2に示す。
まず、ステップS201では、着弾位置の測定パターンの印字を行う。ユーザーが図3(a)に示されるような、本体に内蔵されている画像パターンを選択して印字を行う。)その結果、記録媒体に図3(b)に示されるような着弾パターンが記録される。なお、記録媒体としては、インクのにじみ率の少ないコート紙が望ましい。
そして、ステップS202では、着弾位置の測定を行う。印字された着弾位置測定パターンを画像読み取り手段を利用してスキャナーで読み取り、インクヘットヘッドの着弾位置の測定を行う。本実施例では、上述の観点から、Y方向の着弾位置のみを測定する。
ステップS203においては、マルチパス時における紙送り量と選択される複数のノズルの各パスに応じた組み合わせテーブルを作成する。本実施例においては、4パスであるので図5(a)に示すような例である。
次に、ステップS204において、S102のテーブルを参照して、各パス毎のノズルの組み合わせのYよれ量を積算を行う。
次に、ステップS205で、S203のテーブルにあるすべてのノズルの組み合わせについてよれ積算量を計算したかチェックを行い、すべて計算し終えていれば、次のステップS205に進み、また終えていなければ、S203に戻る。
次のステップS206において、各テーブル番号における、紙送り量に対応するノズルの組み合わせの中から、よれ積算量の最大値を決定する。
次に、ステップS207において、各テーブル番号におけるよれ積算量の最大値の中から、よれ積算量が最小となるマルチパス時の紙送り量と、対応するノズルの組み合わせテーブルを決定する。
最後にステップS208において、決定されたテーブルに基づいた、紙送り、ノズルの組み合わせでマルチパス印字を行う。
本実施例のヘッドにおいて、S207を決定すると、図5(a)のテーブル番号9および13の使用ノズルの組み合わせは、図5(c)に示すような模式図を参照すると、紙送りが66ノズル送り後の場合は、(1.63.129.191)、(2.64.130.192)…(66.128.194.256)の66ラインを4回のマルチパスで埋める。一方、紙送りが62ノズル後の場合は、(1.67.129.195)、(2.68.130.196)…(62.128.190.256)の62ラインを4回のマルチパスで埋める。なお、テーブル番号9と13はノズルの組み合わせは同一になり、インクジェット記録装置で得られる画像は同一になるので実際のインクジェット記録装置が搭載するテーブル番号は図5(b)のように、1〜11で済むことになる。
以上のようにして各吐出口17から吐出されたインク液滴の着弾位置をインクジェット記録装置内の測定装置で測定し、その着弾情報の結果を基に、マルチパス時の紙送り量をプリンタ内の紙送り制御装置で決定して、インクジェットヘッドを印字することによって、インクジェット記録装置は、例えば、記録ヘッドカートリッジ11を交換した場合でも、記録ヘッドカートリッジ11の液滴の着弾位置の個体差を把握して、その記録ヘッドカートリッジ11に応じたマルチパスの紙送り量を設定できるので、記録ヘッドカートリッジ11毎における画像品位のばらつきといった問題を解消することができる。さらに、本実施例の場合は、ヘッドの着弾位置がゴミの付着等で経時変化した場合でも、その都度ヘッドの着弾位置を測定し、マルチパス印字における各パスの各ライン毎のよれ量の総和が最小となる、紙送り量をプリンタ内の紙送り制御装置で再設定できるの、ヘッドの着弾位置が変化しても常に良好な画像品位を保つことが可能である。
本発明の第1実施形態に係るインクジェットヘッド製造方法を説明するフローチャートである。 本発明の第2実施形態に係るインクジェットプリンタの紙送り量情報を決定する手順を示したフローチャートである。 インクが完全に理想的な位置に着弾した様子を示した図である。 インクの実際の着弾位置を示した図である。 本発明の、第1実施形態に係る着弾測定工程のハードウェアのシステム構成図である。 本実施形態における、決定された選択ノズルの組み合わせのデータとマルチパス時における紙送り量との相関関係を表すテーブルである。 本実施形態における、決定された選択ノズルの組み合わせのデータとマルチパス時における紙送り量との相関関係を表すテーブルである。 本実施形態における、決定された選択ノズルの組み合わせのデータとマルチパス時における紙送り量との相関関係を表す模式図である。 従来におけるマルチパス記録方式の一例の説明図である。 本発明の第2実施形態のインクジェット記録装置の外観を示す斜視図である (a),(b)は図9の記録ヘッドカートリッジに代えて本発明の実施形態によるプリンタに搭載可能なスキャナーカートリッジの構成を示すために、そのスキャナーカートリッジを天地逆にして示す斜視図である。 本発明の実施形態におけるインクジェット記録ヘッドの一例の外観斜視図である。 本発明の実施形態におけるインクジェット記録ヘッドの別の例の外観斜視図である。 電気コンタクト基板の配線パターン層の透視図である。 電気コンタクト基板の、図10に示した配線パターン層とは別の配線パターン層の透視図である。 図9aに示したインクジェット記録ヘッドに備えられている記録素子基板の一部破断斜視図である。 図12のA−A’線における記録素子基板の一部断面図である。 図12に示す矢印Bの方向から見た電気熱変換素子近傍の透視平面図である。 ノズルからのインク吐出方向が同一でない場合の説明図である。 インク吐出速度が異なる場合の説明図である。
符号の説明
1 基板
2 インク吐出圧力発生素子
11、11a 記録ヘッドカートリッジ
12 記録素子基板
13 インク流路
14 電気熱変換素子
15 インク供給口
15a インク供給口端部
16 吐出口
19 Si基板
20 インク流路壁
20a インク流路壁端部
30、30a 電気コンタクト基板
31、31a 電気配線テープ
32、32a 外部信号入力端子
33 EEPROM

Claims (12)

  1. 複数のノズルを有するインクジェットヘッドを記録媒体に対して相対的に走査させながら記録媒体に向けてインクを吐出し、
    複数回の走査で、異なる複数のノズルが記録媒体上の同一ドットラインを走行して各ラインを記録するインクジェット記録装置に搭載されるインクジェット記録ヘッドの製造方法において、
    前記各ノズルから吐出されたインクの着弾位置を測定する測定工程と、
    前記複数の走査回数毎に実行される前記インクジェット記録装置の紙送り量と対応する、異なる複数のノズルの組み合わせを複数含むノズル組み合わせテーブルを用意するテーブル作成工程と、
    前記着弾位置測定工程において求められた各ノズルのよれ量と、前記ノズル組み合わせテーブルに基づいて、前記各ライン毎のよれ量の総和(以下「積算」と定義)を計数し、前記複数のノズルの前記走査回数に応じたノズルの組み合わせのよれ量を積算する計算を行う計数工程と、
    前記ノズル組み合わせテーブルと前記計数結果に基づいて、各テーブルにおける前記各ライン毎のよれ量の積算量の中から最大値を決定し、前記複数のテーブルの中から前記よれ積算量の最大値を比較してノズルの組み合わせテーブルを決定するテーブル決定工程と、
    前記インクジェット記録ヘッドに搭載されたメモリ素子に、前記着弾位置測定工程、前記着弾位置計数工程、前記テーブル決定工程のうち少なくとも1つを含む情報を書き込む工程
    を含むことを特徴とするインクジェット記録ヘッドの製造方法。
  2. 前記テーブル決定工程は、各テーブルにおける前記各ライン毎のよれ量の積算量の中から最大値を決定し、前記複数のテーブルの中から前記よれ積算量の最大値が最小になるノズルの組み合わせテーブルを決定することを特徴とする請求項1記載のインクジェット記録製造方法。
  3. 前記インクジェットヘッドは、熱エネルギーを利用してインクを吐出するヘッドであって、インクに与える熱エネルギーを発生するための熱エネルギー発生体を備えることを特徴とする請求項1または2記載のインクジェット記録ヘッドの製造方法。
  4. 請求項1、2、3のいずれかに記載のヘッドの決定されたノズル組み合わせテーブル情報を読み取る読み取り手段と、
    前記読み取り手段の結果に基づいて、前記複数回の走査における紙送り量を制御する紙送り制御手段
    を備えていることを特徴とするインクジェット記録装置。
  5. 請求項1、2、3のいずれか記載のヘッドの着弾位置の関する情報を読み取る読み取り手段と、
    前記読み取り手段の結果に基づいて、
    前記テーブル作成手段と、
    前記複数のノズルの前記走査回数に応じたノズルの組み合わのよれ量を積算する計算を行う計数手段と、
    前記ノズル組み合わせテーブルと前記計数結果に基づいて、各テーブルにおける前記各ライン毎のよれ量の積算量の中から最大値を決定し、前記複数のテーブルの中から前記よれ積算量の最大値を比較してノズルの組み合わせテーブルを決定するテーブル決定手段と、
    前記複数回の走査における紙送り量を制御する紙送り制御手段
    を備えていることを特徴とするインクジェット記録装置。
  6. 前記テーブル決定手段は、各テーブルにおける前記各ライン毎のよれ量の積算量の中から最大値を決定し、前記複数のテーブルの中から前記よれ積算量の最大値が最小になるノズルの組み合わせテーブルを決定することを特徴とする請求項5記載のインクジェット記録装置。
  7. 複数のノズルを有するインクジェットヘッドを記録媒体に対して相対的に走査させながら記録媒体に向けてインクを吐出し、
    複数回の走査で異なる複数のノズルが記録媒体上の同一ドットラインを走行して各ラインを記録するインクジェット記録装置において、
    前記各ノズルから吐出されたインクの着弾位置を測定する測定手段と、
    前記複数の走査回数毎に実行される前記インクジェット記録装置の紙送り量と対応する、異なる複数のノズルの組み合わせを複数含むノズル組み合わせテーブルを用意するテーブル作成手段と、
    前記着弾位置測定手段において求められた各ノズルのよれ量と、前記ノズル組み合わせテーブルに基づいて、前記各ライン毎のよれ量の総和(以下「積算」と定義)を計数し、前記複数のノズルの前記走査回数に応じたノズルの組み合わせのよれ量を積算する計算を行う計数手段と、
    前記ノズル組み合わせテーブルと前記計数結果に基づいて、各テーブルにおける前記各ライン毎のよれ量の積算量の中から最大値を決定し、前記複数のテーブルの中から前記よれ積算量の最大値を比較してノズルの組み合わせテーブルを決定するテーブル決定手段と、
    前記決定手段の結果に基づいて、前記複数回の走査における紙送り量を制御する紙送り制御手段
    を備えていることを特徴とするインクジェット記録装置。
  8. 前記テーブル決定手段は、各テーブルにおける前記各ライン毎のよれ量の積算量の中から最大値を決定し、前記複数のテーブルの中から前記よれ積算量の最大値が最小になるノズルの組み合わせテーブルを決定することを特徴とする請求項7記載のインクジェット記録装置。
  9. 前記インクジェットヘッドは、熱エネルギーを利用してインクを吐出するヘッドであって、インクに与える熱エネルギーを発生するための熱エネルギー発生体を備えることを特徴とする請求項7または8記載のインクジェット記録装置。
  10. 複数のノズルを有するインクジェットヘッドを記録媒体に対して相対的に走査させながら記録媒体に向けてインクを吐出し、
    複数回の走査で異なる複数のノズルが記録媒体上の同一ドットラインを走行して各ラインを記録するインクジェット記録方法において、
    前記各ノズルから吐出されたインクの着弾位置を測定する測定工程と、
    前記複数の走査回数毎に実行される前記インクジェット記録装置の紙送り量と対応する、異なる複数のノズルの組み合わせを複数含むノズル組み合わせテーブルを用意するテーブル作成工程と、
    前記着弾位置測定手段において求められた各ノズルのよれ量と、前記ノズル組み合わせテーブルに基づいて、前記各ライン毎のよれ量の総和(以下「積算」と定義)を計数し、前記複数のノズルの前記走査回数に応じたノズルの組み合わせのよれ量を積算する計算を行う計数工程と、
    前記ノズル組み合わせテーブルと前記計数結果に基づいて、各テーブルにおける前記各ライン毎のよれ量の積算量の中から最大値を決定し、前記複数のテーブルの中から前記よれ積算量の最大値を比較してノズルの組み合わせテーブルを決定するテーブル決定工程と、
    前記決定手段の結果に基づいて、前記複数回の走査における紙送り量を制御する紙送り制御工程
    を備えていることを特徴とするインクジェット記録方法。
  11. 前記テーブル決定工程は、各テーブルにおける前記各ライン毎のよれ量の積算量の中から最大値を決定し、前記複数のテーブルの中から前記よれ積算量の最大値が最小になるノズルの組み合わせテーブルを決定することを特徴とする請求項10記載のインクジェット記録方法。
  12. 前記インクジェットヘッドは、熱エネルギーを利用してインクを吐出するヘッドであって、インクに与える熱エネルギーを発生するための熱エネルギー発生体を備えることを特徴とする請求項10または11記載のインクジェット記録方法。
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