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JP2005193876A - 車両用操舵装置 - Google Patents

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JP2005193876A
JP2005193876A JP2004004825A JP2004004825A JP2005193876A JP 2005193876 A JP2005193876 A JP 2005193876A JP 2004004825 A JP2004004825 A JP 2004004825A JP 2004004825 A JP2004004825 A JP 2004004825A JP 2005193876 A JP2005193876 A JP 2005193876A
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shaft
friction plate
engagement
friction
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JP2004004825A
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Kenji Azuma
賢司 東
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Koyo Seiko Co Ltd
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Koyo Seiko Co Ltd
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Abstract

【課題】 操舵部材側回転部材と操舵機構側回転部材との間に位相差が存在する場合であっても、この位相差をなくした状態で確実な連結をなし得る簡素な構成の連結装置を備える車両用操舵装置を提供する。
【解決手段】 操舵部材側回転部材としての第1軸61の軸端部に摩擦板63を、操舵機構側回転部材としての第2軸62の軸端部に摩擦板64を夫々設け、押し付け手段としての押圧板65により摩擦板63を押圧して摩擦板64に押し付ける。またこのとき、摩擦板63の周縁部に保持された係合キー67が摩擦板64の周縁部に形成された係合溝 64bに係合する。これにより第1軸61と第2軸62とは、摩擦板63,64間の摩擦力と係合キー67の係合との相乗作用により強固に連結され、この連結は、周方向の所定位置に形成された係合溝 64bに係合キー67が係合することにより、第1,第2軸61,62間の位相差をなくして実現される。
【選択図】 図2

Description

本発明は、運転者により行われるステアリングホイール等の操舵部材の操作に応じて車両を操舵せしめるための車両用操舵装置に関する。
車両用操舵装置として、近年、車室内部のステアリングホイール等の操舵部材を、車室外部の操舵機構から機械的に分離して配すると共に、操舵機構の一部に操舵アクチュエータを付設し、該操舵アクチュエータを操舵部材の操作方向及び操作量の検出結果に基づいて動作させ、操舵機構に操舵力を加えて操舵を行わせる構成とした分離式の操舵装置、所謂、ステアバイワイヤ式の操舵装置が開発されつつある。
この種の操舵装置は、操舵部材の操作量と操舵機構の動作量との対応関係を、機械的な制約を受けずに自在に変更することができ、車速の高低、旋回程度、加減速の有無等、走行状態に応じた操舵特性の変更制御に柔軟に対応し得るという利点を有しており、自動車技術の発展のために有用なものとして注目されている。
一方、このような分離式の操舵装置においては、操舵アクチュエータ、操舵部材の操作方向及び操作量を含めて車両の走行状態を検出する各種のセンサ、並びに、これらのセンサの検出結果に基づいて操舵アクチュエータを制御する操舵制御部に対するフェイルセーフ対策が重要であり、従来から、操舵部材の操作に応じて回転する操舵部材側回転部材と操舵機構の動作に伴って回転する操舵機構側回転部材との間に連結装置を備え、この連結装置をフェイル発生時に連結動作させて、操舵部材の操作力を操舵機構に機械的に伝達可能とし、緊急時におけるマニュアル操舵が行えるようにしている(例えば、特許文献1、2参照)。
また一方、車両用の操舵装置として広く普及しているパワーステアリング装置においては、近年、横風、スリップ等の現象が操舵に与える影響を排除すべく、操舵機構に付設された操舵補助用のアクチュエータ(油圧シリンダ、電動モータ等)を操舵部材の操作の如何に拘らず動作させる制御、所謂、アクティブ制御が実施されている。
この種のパワーステアリング装置においては、アクティブ制御が実施されたとき運転者による操舵部材の操作と操舵機構の実際の動作とが干渉する虞れがあることから、この干渉を避けるべく、操舵部材と操舵機構との連結を一時的に遮断するようにしており、このために分離式の操舵装置と同様の連結装置が用いられることがある。
特開2001−341655号公報 特開2003−146230号公報
ところが特許文献1に開示された連結装置は、操舵部材側回転部材と操舵機構側回転部材との連結部に、一方と一体回転する歯車と、他方と一体回転し前記歯車と係合する爪体とを備える複雑な構成を有しており、フェイル発生時又はアクティブ制御の実施中という限られた制御機会にのみ動作する装置としてはオーバスペックとなり、操舵装置の全体構成の複雑化及び製品コストの増大を招来するという問題があった。
また、特許文献2に開示された連結装置は、操舵部材側回転部材と操舵機構側回転部材とを突き合わせ、一方の部材に径方向に横架支持された連結ピンを他方の部材に向けて移動させ、他方の部材の突き合わせ端面に設けた保持溝に係合せしめて連結状態を得る構成とする等、構成の簡素化が図られているが、操舵部材側回転部材と操舵機構側回転部材との間に周方向に位相差が存在し、連結ピンと保持溝との間に位置ずれが生じている場合に確実な連結状態が得られなくなる虞れがある。
以上の如き両回転部材間の位相差は、走行状態に応じた操舵特性の変更制御が実施される分離式の操舵装置、及びアクティブ制御が実施されるパワーステアリング装置においては定常的に発生するものであり、特許文献2に開示された連結装置は、実用性に問題がある。
一方、操舵部材側回転部材と操舵機構側回転部材とを連結する連結装置として、公知の電磁クラッチを採用することも多く提案されているが、この種の電磁クラッチは、頻繁に係断を繰り返す用途への適用を前提として構成されており、分離式の操舵装置において限られた制御機会にのみ連結動作する連結装置としてはオーバスペックとなり、操舵装置の全体構成の複雑化及び製品コストの増大を招来するという問題がある。
また、アクティブ制御が実施されるパワーステアリング装置においては、連結状態下において伝達される回転トルクの最大量を基準として選定される電磁クラッチの容量が大となり、製品コストの増大を招くという問題があり、更には、アクティブ制御後の連結が前述した位相差を有した状態でなされた場合、その後の操舵中立点にずれが生じ、操舵部材の操作による操舵感の悪化を招来する虞れがある。
本発明は斯かる事情に鑑みてなされたものであり、操舵部材側回転部材と操舵機構側回転部材との間に位相差が存在する場合であっても、この位相差をなくした状態で確実な連結をなし得る連結装置を簡素な構成にて実現し、前述した問題を解消し得る車両用操舵装置を提供することを目的とする。
本発明の第1発明に係る車両用操舵装置は、操舵部材の操作に応じて回転する操舵部材側回転部材と、操舵機構の動作に連動回転する操舵機構側回転部材との間に、両部材を回転伝達可能に連結可能な連結装置を備える車両用操舵装置において、前記連結装置は、前記操舵部材側回転部材及び操舵機構側回転部材の夫々と一体回転する摩擦板と、これらの摩擦板を滑り状態下に押し付ける押し付け手段と、前記摩擦板の周縁部に構成され、前記押し付け手段による押し付けに応じて所定の周方向位置にて係合可能な係合手段とを備えることを特徴とする。
本発明においては、押し付け手段の動作により相互に押し付けられる摩擦板間の摩擦力と、これらの摩擦板の周縁部にて生じる係合手段の係合との相乗作用により、操舵部材側回転部材と操舵機構側回転部材とを回転伝達可能に連結する。係合手段の係合は、所定の周方向位置にて生じ、操舵部材側回転部材と操舵機構側回転部材との間の位相差をなくして、操舵中立点のずれを解消する作用をなす。摩擦板は、操舵部材から操舵機構へ伝えるべき回転トルクの最大量の一部を負担すればよく、摩擦板の小型化による構成の簡素化を図る。
また本発明の第2発明に係る車両用操舵装置は、第1発明における係合手段が、一方の摩擦板の周縁部に保持された係合キーと、他方の摩擦板の周縁部に形成され、前記係合キーと係合可能な係合溝とを備えることを特徴とする。
この発明においては、一方の摩擦板に保持された係合キーを他方の摩擦板に形成された係合溝に係合させる構成により、係合手段を簡素に構成する。
更に本発明の第3発明に係る車両用操舵装置は、前記他方の摩擦板の周縁部に設けられ、前記係合溝の形成位置に向けて段階的に高さを減じるガイド面を備えることを特徴とする。
この発明においては、操舵部材側回転部材と操舵機構側回転部材とが周方向の位相差を生じた状態で連結動作がなされたとき、一方の摩擦板に保持された係合キーが他方の摩擦板のガイド面に当接し、このガイド面の作用により係合溝の形成位置に導かれ、該係合溝に確実に係合せしめられ、操舵部材側回転部材と操舵機構側回転部材とが前記位相差をなくした状態で連結される。ガイド面を段階的に高さを減じる段差面としたことにより、係合溝の形成位置から離れる向きの回転トルクが加えられた場合の係合キーの移動が段差部との当接により阻止され、位相差を増した状態で係合キーの係合がなされて操舵中立点にずれが発生することを防止することができる。
本発明に係る車両用操舵装置においては、操舵部材の操作に応じて回転する操舵部材側回転部材と操舵機構の動作に連動回転する操舵機構側回転部材とを、位相差をなくした状態で確実に連結し得る連結装置を簡素に実現することができ、限定された機会にのみ機械的な連結又は遮断が要求される用途に全体構成の複雑化及び製品コストの上昇を最小限に抑えて対応することが可能となる等、本発明は優れた効果を奏する。
以下本発明をその実施の形態を示す図面に基づいて詳述する。図1は、本発明に係る車両用操舵装置の全体構成を示す模式図である。
本図に示す車両用操舵装置は、車体の左右に配された操舵用の車輪10,10を操舵させるための操舵機構1と、該操舵機構1から機械的に分離して配され、操舵のために回転操作されるステアリングホイール(操舵部材)2と、操舵機構1に操舵力を加えるための操舵モータ3と、ステアリングホイール2に操舵反力を加えるための反力モータ4と、操舵モータ3に対する操舵制御動作及び反力モータ4に対する反力制御動作をなす操舵制御部5とを備える分離式の操舵装置として構成されており、更に、このような制御動作中の各種のフェイル発生時に操舵機構1とステアリングホイール2とを機械的に連結可能とする連結装置6を備えている。
図示の操舵機構1は、公知のラック・ピニオン式の操舵機構であり、車体の左右方向に延設された筒形をなすラックハウジング14の内部に軸長方向への移動自在に支持されたラック軸11を備え、ラックハウジング14の両側外部に突出するラック軸11の両端部を、操舵用の車輪10,10のナックルアーム12,12に各別のタイロッド13,13を介して連結し、ラック軸11の両方向への移動によりタイロッド13,13を介してナックルアーム12,12を押し引きして、前記車輪10,10を左右に操舵する構成となっている。
操舵機構1に操舵力を加える操舵モータ3は、ラックハウジング14の一側半部の外位置に取り付けてあり、ボールねじ機構等の運動変換機構(図示せず)を介してラックハウジング14の内部のラック軸11に伝動構成されている。この操舵モータ3は、操舵制御部5から後述の如く与えられる制御指令に従って回転駆動されており、このように駆動される操舵モータ3の回転は、前記運動変換機構により運動変換されてラック軸11に伝えられ、該ラック軸11が軸長方向に移動して前述した操舵が行われる。
この操舵により変化する操舵用の車輪10,10の実舵角は、ラック軸11と一側のタイロッド13との連結部の変位を検出すべく構成された実舵角センサ50により検出され、操舵制御部5に与えられている。また、一側のタイロッド13には、軸方向に作用する軸力を検出するタイロッド軸力センサ51が付設されており、この検出結果は、操舵に伴って操舵機構1に実際に加わる操舵反力を示す信号として操舵制御部5に与えられている。
ラックハウジング14の他側半部には、これと交叉するように短寸円筒形をなすピニオンハウジング15が連設されており、該ピニオンハウジング15の内部には、軸心回りでの回動自在にピニオン軸16が支承されている。ピニオン軸16の下半部には、図示しないピニオンが一体形成され、ラックハウジング14との交叉部において、前記ラック軸11の該当部位に形成された図示しないラック歯に噛合させてある。
ピニオン軸16の上端部は、ピニオンハウジング15の上部に突出させてあり、この突出部には、中間軸17を介して伝動軸18が連結されている。伝動軸18は、軸回りでの回動自在に支持されステアリングホイール2の配設位置に向けて上方に延長されている。以上の構成により、操舵のためにラック軸11が軸長方向に移動した場合、この移動は、前記ラック歯及びピニオンの噛合部においてピニオン軸16の軸回りの回転に変換され、この回転が中間軸17を介して伝動軸18に伝達される。このように伝動軸18は、ラック軸11の移動、即ち、操舵機構1の動作に伴って軸回りに回転する。
また逆に、伝動軸18に回転力が加えられた場合、この回転力は、中間軸17を介してピニオン軸16に伝わり、該ピニオン軸16の下半部のピニオン及びラック歯の噛合部において運動変換されてラック軸11に伝えられ、該ラック軸11に軸長方向の移動力が付加される。
以上の如き操舵機構1から機械的に分離されたステアリングホイール2は、回転軸となるコラム軸20の上端部に嵌着固定され、図示しない車室の内部に運転者に対面するように配してある。コラム軸20は、車体の適宜部位に固定支持されたコラムハウジング21の内部に、軸回りでの回動自在に支承されている。
ステアリングホイール2に操舵反力を加える反力モータ4は、コラムハウジング21の中途部外側に取り付けてあり、ウォームギヤ機構等の減速機構(図示せず)を介してコラムハウジング21の内部のコラム軸20に伝動構成されている。この反力モータ4は、操舵制御部5から後述の如く与えられる制御指令に従って回転駆動されるようになしてあり、このように駆動される反力モータ4の回転は、コラムハウジング21内部の減速機構による減速下にてコラム軸20に加えられ、該コラム軸20の上端に固定されたステアリングホイール2に操舵反力が付加される。
このように付加される操舵反力に抗して回転操作されるステアリングホイール2の操作角は、コラムハウジング21の中途部に付設された操舵角センサ52により検出され、操舵制御部5に与えられている。更に、操舵制御部5には、車速、ヨーレート、横加速度、前後加速度等、操舵に影響を与える走行状態の検出結果が、車両の各部に設置された走行状態センサ53から与えられている。
操舵部材としてのステアリングホイール2の操作に応じて回転するコラム軸20の下端部は、コラムハウジング21の下方に突出され、操舵機構1から前述の如く延設された伝動軸18の上端部に対向させてあり、この対向部間に本発明の特徴たる連結装置6が構成されている。
図2は、連結装置6の内部構成を略示する側断面図であり、図2(a)は、非連結時の状態を示し、図2(b)は、連結時の状態を示している。図示の如く連結装置6は、円筒形をなすハウジング60と、該ハウジング60の内部に同軸上での回転自在に支持された第1軸(操舵部材側回転部材)61及び第2軸(操舵機構側回転部材)62とを備えている。
第1軸61及び第2軸62は、夫々の側のハウジング60の端壁を貫通して外部に突出させてあり、図1に示す如く連結装置6は、第1軸61の突出端をコラム軸20の下端部に、同じく第2軸62の突出端を伝動軸18の上端部に夫々フランジ結合することにより、コラム軸20と伝動軸18との間に介装されている。なお、第1軸61をコラム軸20と一体に構成し、また第2軸62を伝動軸18と一体に構成することも可能である。また第1軸61を伝動軸18に、第2軸62をコラム軸20に夫々連結するようにしてもよい。
ハウジング60の内部にて対向する第1軸61及び第2軸62の端部には、共に円板形をなす摩擦板63,64が取付けてある。第1軸61の摩擦板63は、第1軸61の先端に設けたスプライン部 61aに同軸的に嵌合され、第1軸61と一体回転可能であって軸長方向への移動自在に取付けられている。第2軸62の摩擦板64は、第2軸62の先端部に、第1軸61の摩擦板63に一面を対向させて一体に固着されている、
また第1軸61の先端のスプライン部 61aには、摩擦板63の他面に対向するように押圧板(押し付け手段)65が嵌合保持せしめてあり、該押圧板65は、周縁部に等配された複数の押しばね66,66…(2つのみ図示)により摩擦板63を支持している。また摩擦板63は、外周縁の一か所に軸長方向への移動可能に係合キー67を保持しており、この係合キー67も、押しばね68を介して押圧板65に支持されている。更に押圧板65の外周縁の一か所には、径方向外向きに作動杆70が連設されており、この作動杆70は、ハウジング60の周面に形成された長孔 60aを経て外部に延長され、ハウジング60の外面に取付けられたソレノイド7の出力端に連結されている。
ソレノイド7が非励磁状態にあるとき、作動杆70は、図2(a)に示す如く、長孔 60aの右側に位置しており、ハウジング60の内部において作動杆70に連結された押圧板65は、図2(a)に示す非連結位置にあり、該押圧板65に押しばね66,66…を介して支持された第1軸61の摩擦板63は、第2軸62の摩擦板64から適長離反して対向した状態にある。このとき第1軸61と第2軸62とは、互いに独立して回転することができる。
ソレノイド7が励磁された場合、作動杆70は、図2(b)に示す如く、長孔 60aに沿って左方に移動せしめられ、該作動杆70に連結された押圧板65は、押しばね66,66…を介して支持された摩擦板63と共に、図2(b)中に白抜矢符にて示す向きに移動し、摩擦板63が、押しばね66,66…の短縮を伴って摩擦板64に押し付けられ、この押し付けにより後述の如く第1軸61と第2軸62とが連結される。
図3は、連結装置6の連結動作の説明図であり、摩擦板63,64の対向部近傍の外観斜視図として示されている。第1軸61の摩擦板63は、外周縁の一か所にキー溝 63aを備えており、このキー溝 63aに前記係合キー67が保持させてある。また第2軸62の摩擦板64は、第1軸61の摩擦板63との対向面の中央部に、高摩擦係数を有する摩擦係合面 64aを備えており、この摩擦係合面 64aの周縁部には、周方向の一か所に前記係合キー67との係合が可能な幅を有する係合溝 64bが形成され、また係合溝 64bの形成位置に向けて段階的に高さを減じるガイド面 64cが形成されている。
なおガイド面 64cは、連続的に高さを減じるテーパ面であってもよく、また全周に亘って平坦な面であってもよい。また係合キー67及び係合溝 64bは、摩擦板63,64の周方向に各複数設けることも可能であり、このときガイド面 64cは、夫々の係合溝 64bの両側に同様の段差面、テーパ面又は平坦面として設けられる。
以上の如き摩擦板63,64は、図3に示す如く、前者の周縁に保持された係合キー67と後者の周縁に形成された係合溝 64bとが周方向に整合するように位置決めして組み立てられている。なお図3においては、摩擦板64の構成を明示するために摩擦板63との対向間隔を実際よりも大きくして示し、更に、押圧板65、押しばね66,66…及び押しばね68の図示を省略してある。
前述の如く摩擦板63は、押圧板65の移動に応じて摩擦板64に向けて進出し、周方向の複数か所に加わる押しばね66,66…のばね力により、図3中に白抜矢符にて示す如く摩擦板64に押し付けられ、該摩擦板64の中央の摩擦係合面 64aとの間に摩擦力が発生する。これにより摩擦板63を備える第1軸61と摩擦板64を備える第2軸62とが、更には、第1軸61及び第2軸62に夫々フランジ結合されたコラム軸20と伝動軸18とが回転伝達可能に連結される。
またこのとき、摩擦板63に保持された係合キー67が押しばね68のばね力により進出し、図3中に矢符により示す如く、摩擦板64の周縁部に設けられた係合溝 64bに嵌入係合せしめられて、該係合溝 64bの両側壁によって拘束される。これにより摩擦板63,64間の摩擦力により生じている第1,第2軸61,62の連結が、係合キー67と係合溝 64bとの係合により強化されることとなり、コラム軸20と伝動軸18とは、摩擦板63,64間の摩擦、及び係合キー67と係合溝 64bとの係合との相乗作用により強固に連結される。図2(b)には、このような連結状態が示されている。
一方、第1軸61と第2軸62とが組み立て時と異なる周方向位置にあり、摩擦板63の進出による摩擦板64への押し付けが第1,第2軸61,62間に周方向の位相差が存在する状態でなされた場合、図3中に2点鎖線により示す位置にある係合キー67は、摩擦板64の周縁に設けられたガイド面 64cに当接するが、このガイド面 64cは、係合溝 64bの形成位置に向けて段階的に低くなる段差面であるため、係合キー67は、ガイド面 64cに沿って矢符に示す如く移動案内され、係合溝 64bの形成位置に達して該係合溝 64b内に係合されることとなる。
即ち、第1,第2軸61,62間に周方向の位相差が存在する状態においては、まず、摩擦板63,64間に発生する摩擦力により第1軸61と第2軸62とが連結されることとなり、この状態で第1,第2軸61,62間に加わる回転トルクにより摩擦板63,64間に滑りが生じ、最終的に係合キー67が係合溝 64bに係合されて、第1軸61と第2軸62との間に全く同様の連結状態が得られる。
以上の如く構成された本発明に係る車両用操舵装置において操舵制御部5は、ステアリングホイール2の回転操作に応じた操舵を行わせるべく操舵モータ3に制御指令を発し、該操舵モータ3を駆動せしめる操舵制御動作を行う。この制御動作は、例えば、操舵角センサ52により検出されるステアリングホイール2の操作角度に所定の制御ゲインを乗じて目標舵角を求め、この目標舵角と、実舵角センサ50により検出される左右の前輪10,10の実舵角との偏差に基づくフィードバック制御により行われる。
また操舵制御部5は、操舵機構1に実際に加わる反力をステアリングホイール2を操作する運転者に体感せしめるべく反力モータ4に制御指令を発し、該反力モータ4を駆動せしめる反力制御動作を行う。この制御動作は、例えば、タイロッド軸力センサ51からの入力に基づいて操舵機構1に加わる実反力を求め、求められた実反力に所定の制御ゲインを乗じてステアリングホイール2に加えるべき目標反力を算出し、この目標反力に対応する駆動電流を反力モータ4に給電せしめて行われ、反力モータ4の回転力がコラム軸20を介してステアリングホイール2に加えられる。
走行状態センサ53により検出される走行状態は、操舵制御動作及び反力制御動作における制御ゲインの選定に用いられる。操舵制御動作における制御ゲインは、例えば、車速の増大に応じて小となり、また、ヨーレート、横加速度により定まる車両の旋回程度の増大に応じて小となるように選定される。これにより目標舵角は、高速走行中に小、低速走行中に大となり、また旋回走行中には、急旋回となるに従って小さくなり、このような目標舵角に基づく操舵モータ3の制御により、走行状態に応じた操舵特性が得られる。
また反力制御動作における制御ゲインは、例えば、車速及び旋回程度の増大に応じて大となり、また、前後加速度により求められる減速程度の増大に応じて大となるように選定される。これにより目標反力は、高速走行中、急旋回中、及び減速中に大きくなり、このような目標反力に基づく反力モータ4の制御により、ステアリングホイール2を操作する運転者に望ましい操舵感を体感させることができる。
このような操舵制御及び反力制御動作の実行中に操舵制御部5は、入力側の各センサ、出力側の操舵モータ3及び反力モータ4、並びに、操舵制御部5自身に対する異常診断を行っており、この異常診断の結果、いずれかがフェイル状態にあると判定された場合、このフェイル下での誤った操舵制御及び反力制御動作を停止すると共に、連結装置6を対象とする連結制御動作を行う。
この連結制御動作は、ハウジング60に固設されたソレノイド7に制御指令を与え、該ソレノイド7の励磁により押圧板65を移動せしめ、摩擦板63を摩擦板64に押し付けて、前述の如く第1軸61と第2軸62とを、即ち、ステアリングホイール2側のコラム軸20と操舵機構1側の伝動軸18とを機械的に連結すべく行われる。
このように連結状態が得られた場合、ステアリングホイール2の回転操作に応じたコラム軸20の回転は、連結装置6を介して伝動軸18に伝達され、更に、中間軸17及びピニオン軸16を介してラック軸11に伝達され、該ラック軸11に軸長方向の移動力が付加されて、操舵制御及び反力制御の停止時における緊急の操舵が、ステアリングホイール2から操舵機構1への機械的な伝動によるマニュアル操舵によって可能となる。
連結装置6による連結は、前述の如く、第1軸61と第2軸62との間に周方向の位相差が存在する状態においても確実に、しかも、係合キー67と係合溝 64bとが整合する位置、即ち、第1軸61と第2軸62との位置関係が組み立て時の状態に戻されてなされるから、ステアリングホイール2側のコラム軸20と操舵機構1側の伝動軸18とが、周方向の位相差をなくした状態、即ち、操舵中立点を合わせた状態で連結されることとなり、前述したマニュアル操舵を違和感なく行わせることができる。なお、コラム軸20と伝動軸18との間の位相差は、操舵制御部5において走行状態に応じた操舵特性の変更制御が行われている場合には、定常的に発生するものである。
また、係合キー67が係合する前であっても、摩擦板63,64の摩擦抵抗によりコラム軸20から伝動軸18への伝動、即ち、ステアリングホイール2から操舵機構1への伝動が可能であり、操舵制御及び反力制御の停止時における緊急の操舵に遅れが生じる虞れを回避することができる。
また、図2及び図3に示す如く、段階的に高さを変える段差面として形成されたガイド面 64cを備える構成においては、このガイド面 64cが高くなる向きの回転トルクが加えられた場合、係合キー67がガイド面 64cの段差との当接により回転拘束されるから、ステアリングホイール2から操舵機構1への大なる回転トルクの伝達が可能であり、緊急時の操舵に、遅れなく速やかに対応することができる。
この場合においても、その後の逆方向の操舵により係合キー67と係合溝 64bとが係合して操舵中立点が正しく設定されるから、例えば、所望の目的地までのマニュアル操舵による運転を違和感なく行わせることができる。
以上の如き連結装置6は、摩擦板63,64の周縁部に係合キー67及び係合溝 64bを備える簡素な構成であり、前記摩擦板63,64は、操舵のためにステアリングホイール2から操舵機構1に伝達される回転トルクの最大量の一部を負担すればよく、連結装置6をコンパクトに構成することができ、製品コストを低く抑えながら、フェイル発生時のマニュアル操舵を確実に行わせることができる。
なお連結装置6が連結状態とされた場合、ステアリングホイール2を操作する運転者に体感される操舵感が変化する虞れがあることから、操舵制御部5は、連結装置6に対する連結制御動作に併行して、警報音、警告メッセージ等の警報発生動作を行い、操舵感が変化することを運転者に報知して、ステアリングホイール2の慎重な操作を促すようにするのが望ましい。
また、連結装置6の連結動作を、レバー等の操作手段の手動操作により行わせることも可能であり、これにより一層の構成の簡素化が図れる。この場合、操舵制御部5による異常診断の結果を、警報の発生により運転者に報知し、連結のための操作を促す構成とすればよい。
更に以上の実施の形態においては、分離式の操舵装置について述べたが、実施の形態に示す連結装置6は、アクティブ制御が行われるパワーステアリング装置において、限定された制御機会にのみステアリングホイール2と舵取機構1との連結を遮断する連結装置としての適用も可能であり、構成の簡素化を図ることができ、またアクティブ制御の前後における操舵中立点のずれの解消に有効であることは言うまでもない。
本発明に係る車両用操舵装置の全体構成を示す模式図である。 連結装置の内部構成を略示する側断面図である。 連結装置の連結動作の説明図である。
符号の説明
1 操舵機構
2 ステアリングホイール(操舵部材)
6 連結装置
61 第1軸(操舵部材側回転部材)
62 第2軸(操舵機構側回転部材)
63,64 摩擦板
64b 係合溝(係合手段)
64c ガイド面
65 押圧板(押し付け手段)
67 係合キー(係合手段)

Claims (3)

  1. 操舵部材の操作に応じて回転する操舵部材側回転部材と、操舵機構の動作に連動回転する操舵機構側回転部材との間に、両部材を回転伝達可能に連結可能な連結装置を備える車両用操舵装置において、
    前記連結装置は、
    前記操舵部材側回転部材及び操舵機構側回転部材の夫々と一体回転する摩擦板と、
    これらの摩擦板を滑り状態下に押し付ける押し付け手段と、
    前記摩擦板の周縁部に構成され、前記押し付け手段による押し付けに応じて所定の周方向位置にて係合可能な係合手段と
    を備えることを特徴とする車両用操舵装置。
  2. 前記係合手段は、
    一方の摩擦板の周縁部に保持された係合キーと、
    他方の摩擦板の周縁部に形成され、前記係合キーと係合可能な係合溝と
    を備える請求項1記載の車両用操舵装置。
  3. 前記他方の摩擦板の周縁部に設けられ、前記係合溝の形成位置に向けて段階的に高さを減じるガイド面を備える請求項2記載の車両用操舵装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2009234302A (ja) * 2008-03-26 2009-10-15 Honda Motor Co Ltd 後輪転舵装置
JP2012096722A (ja) * 2010-11-04 2012-05-24 Nippon Soken Inc 操舵制御装置
JP2017081488A (ja) * 2015-10-30 2017-05-18 三菱電機株式会社 自動運転情報報知装置

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