JP2005190887A - 高性能、耐久性を有する触媒層を構築するための表面構造を有する電極触媒およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 高性能、耐久性を有する触媒層を構築するのに適した表面構造を備えた燃料電池用電極触媒を提供する。
【解決手段】 担持体上に触媒金属を担持してなる電極触媒において、該電極触媒のX線光電子分光法で得られるC1sピークのピーク分割により得られる(C−Oピーク高さ)/(C−Cピーク高さ)比が0.2以上であることを特徴とする燃料電池用電極触媒。
【選択図】 図2
【解決手段】 担持体上に触媒金属を担持してなる電極触媒において、該電極触媒のX線光電子分光法で得られるC1sピークのピーク分割により得られる(C−Oピーク高さ)/(C−Cピーク高さ)比が0.2以上であることを特徴とする燃料電池用電極触媒。
【選択図】 図2
Description
本発明は、高性能、耐久性を有する燃料電池用電極の触媒層を構築するための表面構造を有する燃料電池用電極、好ましくは、固体高分子型燃料電池用電極に用いられ得る電極触媒及びその製造方法に関するものである。
近年、エネルギー・環境問題を背景とした社会的要求や動向と呼応して、常温でも作動し高出力密度が得られる固体高分子型燃料電池が電気自動車用電源、定置型電源として注目されている。
かかる固体高分子型燃料電池の主要な構成要素は、アノード、カソードの両電極と、ガス流路を形成するセパレータ板、両極間を隔てる固体高分子電解質膜である。アノードの触媒上で生成したプロトンは、固体高分子電解質膜中を移動してカソードの触媒上に達し、酸素と反応する。したがって、両極間のイオン伝導抵抗は、電池性能に大きく影響する。
燃料電池を形成するには、両電極の触媒と固体高分子電解質膜をイオン伝導パスで接合する必要がある。そのために、電解質ポリマーの溶液と触媒粒子とを混合し、塗布・乾燥して両者を結合させた触媒層を電極に用いたり、電極の触媒と固体高分子電解質膜とを加熱下でプレスするという手法が一般的に用いられていた。
イオン伝導を担う電解質ポリマーには、一般に、パーフルオロ系の主鎖にスルホン酸基が導入されたポリマーが使用される。具体的な商品としては、デュポン社製のナフィオン、旭硝子株式会社製のフレミオン、旭化成株式会社製のアシプレックスなどが使用される。パーフルオロ系の電解質ポリマーは、パーフルオロ系主鎖とスルホン酸基をもつ側鎖からなり、スルホン酸基の相とパーフルオロ系の主鎖の相とにミクロ相分離して、スルホン酸基の相はクラスターを形成すると言われている。イオン伝導に寄与するのは、スルホン酸基が集まってクラスターを形成している部分である。
触媒反応では、電極の触媒表面で効率良くイオンのやりとりがなされることが必要である。したがって、触媒表面にはイオン伝導に寄与するスルホン酸基が配向している状態が望ましい。その状態を得るには、触媒表面が親水性である必要がある。
しかしながら、電極触媒は、カーボンブラック粒子表面に白金などの触媒活性を有する金属が担持されたものである。カーボンブラック粒子表面は、元来疎水性であり、触媒活性を有する金属の表面も不純物などによって親水性の状態にない。すなわち、こうしたカーボン担持体においては、耐食性向上のためグラファイト化の処理が行われており、該カーボン表面はより疎水性となるため、高分子電解質と電極触媒との絡み状態が低下する傾向にあった。したがって、特別な処理を施さずに電極触媒粒子と高分子電解質の界面を形成すると、スルホン酸基を電極の触媒表面に配向することができない。その結果、従来の方法では、界面でのイオン伝導抵抗を低くすることが困難になっていた。
こうした問題点を解決する手段として、固体高分子型燃料電池において、電解質ポリマーとそれと界面を形成する触媒とのイオン伝導抵抗を低下させ、高い発電効率を得るべく、電解質ポリマーと界面を形成するカーボンブラック粒子表面に触媒活性を有する金属を担持したものの表面をプラズマ照射や過酸化水素または無機酸を含む水溶液への浸漬などによって親水化し、電解質ポリマーのイオン伝導に寄与する部分、例えば、スルホン酸基の相)を配向させる手法が記載されている(例えば、特許文献1参照。)。
特開2002−324557号公報
上記特許文献1では、触媒表面の状態と電解質ポリマーの界面の制御法(即ち、触媒表面を親水化し、電解質ポリマーのスルホン酸基の相を配向させるように制御する点)について述べている。しかしながら、それの処理によりどのような触媒表面状態がより耐久性、高性能触媒層に適しているかの記述はなかった。また、それに必要な処理温度、処理調整条件、濃度などに関しても記述もされていなかった。そのため、実際に、高性能、耐久性を有する触媒層を構築するのに適した表面構造を備えた触媒およびこれを用いた固体高分子型燃料電池は提供できていなかった。
そこで、本発明が目的とするところは、高性能、耐久性を有する触媒層を構築する上で最適化された触媒表面構造を備えた燃料電池用電極触媒及びその製造方法並びに該電極触媒を用いた燃料電池用電極及びその製造方法を提供するものである。
本発明者が上記課題を解決するため鋭意検討を行った結果、触媒のX線光電子分光法(X−ray photoelectron spectroscopy:以下、単にXPSともいう)で得られるC1sピークのピーク分割により得られる(C−Oピーク高さ)/(C−Cピーク高さ)比を一定の範囲になるように表面状態を調整することで、上記課題を解決できることを見出した。
すなわち、本発明は、担持体上に触媒金属を担持してなる電極触媒において、該電極触媒のXPSで得られるC1sピークのピーク分割により得られる(C−Oピーク高さ)/(C−Cピーク高さ)比が0.2以上であることを特徴とする燃料電池用電極触媒である。
本発明の電極触媒では、触媒のXPSで得られる(C−Oピーク高さ)/(C−Cピーク高さ)比が0.2以上となるように表面状態を調整することにより、いわば、C−Oピーク高さで表される親水基の被覆率を調整することができる。即ち、電解質ポリマーとの親和性の高い親水基を表面に備えることができる。これにより、電解質ポリマーの被覆率を制御することができる。その結果、ガス拡散領域及びプロトン伝導パスの制御が可能になり任意に触媒層のデザインができる。これは、燃料電池の水分管理にも貢献することよりセル性能能向上となる。
また、本発明の電極触媒では、触媒のXPSで得られる(C−Oピーク高さ)/(C−Cピーク高さ)比が0.2以上となるように表面状態を調整することにより、親水基で覆われた表面をもつ担持体表面とすることができる。これにより、電解質ポリマーの親水部との親和性が向上し、触媒層中の触媒の分散性、電解質ポリマーとの親和性も向上する。よってプロトン導電パスが維持され、プロトン導電率の向上及びセル性能が向上の効果が得られる。その結果、高い耐久性及び高性能触媒層の構築が可能となる。
本発明は、担持体上に触媒金属を担持してなる電極触媒において、該電極触媒のXPSで得られるC1sピークのピーク分割により得られる(C−Oピーク高さ)/(C−Cピーク高さ)比が0.2以上、好ましくは0.25〜0.5であることを特徴とする燃料電池用電極触媒である。
以下、本発明の電極触媒(以下、単に触媒ともいう)についてより詳細に説明する。
本発明の電極触媒の基本構成は、担持体上に触媒金属が担持されてなるものである。
上記担持体としては、触媒を高分散担持させるために十分な比表面積をもった基体としてだけではなく、集電体として十分な電子導電性を有しているものであれば、特に制限されるべきものではなく、従来公知のものを利用することができる。なかでも、主成分がカーボンであるものが好ましい。担持体の電気抵抗が高いと、電極触媒、ひいては燃料電池用電極の内部抵抗が高くなり、結果として電池性能の低下を招く。担持体は、カーボンを主成分とすることにより十分に高い電子導電率を得ることができ、電気抵抗を低くすることができる。前記担持体として、より具体的には、チャンネルブラック、ファーネスブラック、サーマルブラック等のカーボンブラック;種々の炭素原子を含む材料を炭化、賦活処理した活性炭;グラファイト化カーボン等のカーボンを主成分とするものが挙げられる。
上記触媒金属は、電極反応を促進する機能を有する。前記触媒金属としては、従来公知のものを利用することができるが、Pt、Ir、Au、Ag、Pdから選択される少なくとも1種を含むのが好ましい。なかでもPtは、高い酸素還元活性および水素還元活性を示すため、白金単独で用いるのが触媒金属の好適な態様の1つである。また、前記触媒金属の安定性や活性を高めるために、Ptを基体とした貴金属合金、ないしPtを基体とした貴金属−卑金属混合物として用いるのが触媒金属の好適な態様の他の1つである。ここで前記卑金属としては、特に限定されないが、クロム、マンガン、鉄、コバルト、およびニッケルよりなる群から選ばれる少なくとも1種の卑金属が挙げられる。
上記触媒金属の平均粒径は、小さいほど電気化学反応が進行する有効電極面積が増加するため酸素還元活性も高くなる。実際には触媒金属の粒子径が小さくなりすぎるとむしろ活性が低下する現象が見られる。そのため、前記触媒金属の平均粒径は、好ましくは1〜10nmであり、より好ましくは2〜5nmである。
上記触媒金属の平均粒径は、上記担持体との関係から規定することもできる。即ち、担持体として通常よく用いられる導電性カーボンブラックは、直径約10〜50nm程度のカーボン1次粒子がアグリゲート(aggregate:凝集物の意味)構造を形成し、さらにそれが2次凝集してアグロメレート(agglomerate:集塊物の意味)構造を形成している。大きな比表面積を持つカーボンは、このような高次構造内にnmオーダーの微細孔を多く有している。集電体としても機能する担持体と触媒金属がより多く接触していることが望ましいため、触媒金属は担持体の微細構造内に浸入可能でより均一に高分散担持が実現できる程度に微細な粒子であることが求められる。以上のことから、本発明に用いることのできる触媒金属の平均粒径は、上記担持体の1次粒子径の0.1〜1倍、好ましくは0.4〜0.8倍であることが望ましい。上記触媒金属の平均粒径がかかる範囲内であれば、担持体の微細構造中に侵入して担持体上に均一に高分散して担持し得るためである。
ここで「触媒金属の平均粒径」は、X線回折における触媒金属の回折ピークの半値幅より求められる結晶子径あるいは透過型電子顕微鏡像より調べられる触媒金属の粒子径の平均値により測定することができる。
上記担持体上への触媒金属の担持量は、前記電極触媒全量に対して、好ましくは10〜70質量%、より好ましくは20〜60質量%、特に好ましくは30〜40質量%とするのがよい。触媒金属の担持量が10質量%未満であると、触媒金属による十分な触媒活性がえられない恐れがある。そのため、高い活性を得るためには電極を厚くしなければならず、これによる電極の内部抵抗の増加などに起因して電池性能の低下が生じる恐れがあるため望ましくない。また、触媒金属の担持量が80質量%を超えた場合には、担持体上に担持する触媒金属の重なりが多くなることから、十分な触媒金属の反応面積が得られず触媒活性が低下する恐れがある。
本発明の電極触媒では、さらに該触媒のXPSで得られるC1sピークのピーク分割により得られる(C−Oピーク高さ)/(C−Cピーク高さ)比(以下、単にCO/CC比とも略記する)が0.2以上、好ましくは0.25〜0.5であることを特徴とするものである。かかる要件は、いわば上記触媒表面の親水性の官能基(単に親水基とする)を定量的に規定したものといえ、親水基による被覆率を規定したものといえる。即ち、上記CO/CC比が0.2以上、好ましくは0.25〜0.5は、親水基による表面被覆率が20%以上、好ましくは25〜50%であるともいえる。例えば、水酸基を表面に被覆した場合に、図2に示すように、上記C−Oピーク高さを1とし、上記C−Cピーク高さが4であれば、上記CO/CC比は1/4=0.25である。この場合、親水基(水酸基)による被覆率が25%と規定する。なお、上記CO/CC比が0.2未満(被覆率20%未満)では、アイオノマーとの親和性向上のほか、高性能、耐久性を有する触媒層を構築するのに適した表面構造を備えた触媒を提供するのが困難となる。なお、上記CO/CC比の上限に関しては、特に制限されるものではないが、0.5を超える場合には疎水性の官能基が表面を支配するために触媒層の高性能化の指標となるアイオノマーとの親和性向上(三相帯界面形成)に不利である。
このように、本発明の上記要件を満足することで、触媒の表面状態がより耐久性、高性能触媒層に適している状態、即ち、触媒表面(主に担持体表面)が親水基で覆われた状態とすることができる。その結果、イオン伝導を担う電解質ポリマー(アイオノマー;イオン性高分子材料などともいう)が均一に触媒を覆うようにすることができる。
これら触媒の表面状態、さらに電解質ポリマーとの間の結びつき、及び反応経路(プロセス)を模式的に表した説明概略面を図1に示す。
図1に示すように、担持体11上に触媒金属13を担持してなる触媒15において、親水基として水酸基(OH基)、カルボニル基(CO−基)、カルボキシル基(COOH基)等が触媒15の表面を覆うように存在することで、本発明の上記要件を満足することができる。これにより、電解質ポリマー17としてパーフルオロ系を例にとれば、該パーフルオロ系の主鎖の疎水部17aに導入されたスルホン酸基(SO3 −基)の親水部17bと、触媒15の親水基との間で親和性を向上させることができる。
そのため、当該触媒を用いた触媒層では、該触媒層内での触媒粒子の分散性、電解質ポリマーとの親和性を大幅に向上することができる。よって、プロトン導電パス(図1中のH+の導入経路)が維持され、プロトン導電率の向上及びセル性能が向上の効果が得られる(高性能触媒層の構築が可能となる)。
また、上記構成要件を満足する表面状態というのは、表面への不純物の混入が抑制された状態でもあり、プロトン導電パスの阻害要因が少ない状態であるといえる。そのため、不純物により妨害されていた活性サイトを回復することができる。即ち、触媒金属の表面が清浄であり、汚染物による活性サイトがなく、これにより触媒活性サイトの利用率を100%にでき、触媒活性向上となる。また、酸素還元4電子パス(図1中のO2の導入経路)の阻害要因である不純物が少ない状態にあり、不純物が介在すると発生するH2O2を大幅に抑制ないし防止する効果(図1中、触媒金属13上でのH2O2の発生防止効果)がある。また触媒金属(Pt等)の被毒、更には、触媒層中の電解質ポリマーや電解質膜の劣化を防止できる。その結果、触媒層、ひいては電池の耐久性向上に貢献し得るものである。
また、本発明の上記電極触媒においては、担持体上に水酸基、カルボニル基、カルボキシル基のうち少なくとも1種類以上の親水基が存在することが望ましい。これらの親水基は、上記C−Oピーク高さとして測定でき、上記CO/CC比の要件を用いて担持体の表面状態(親水基の被覆率)を調整・制御する上で有効なためである。
ここで、親水基としては、水酸基、カルボニル基、カルボキシル基のうち少なくとも1種類以上であればよく、図1に示すように、2種以上が存在していてもよい。ただし、本発明の親水基は、これらに何ら制限されるものではない。
次に、上記してなる本発明の電極触媒の製造方法につき説明する。
本発明の電極触媒の製造方法は、担持体上に触媒金属を担持した後に活性酸素を含有する水溶液で処理(前処理)することを特徴とするものである。好ましくは、該前処理が、担持体上に触媒金属を担持した後に活性酸素を含有する水溶液で処理する工程(酸化工程)と、超純水により洗浄する工程(洗浄工程)とを含むことを特徴とするものである。より好ましくは、上記酸化工程が、担持体上に触媒金属を担持した電極触媒を活性酸素を含有する水溶液に分散させる過程(分散過程)と、分散過程で得られた分散溶液内で酸素生成を行う過程(酸素生成過程)とを含み、上記洗浄工程が、該酸素生成過程が完了した後に、ろ過、超純水による触媒洗浄を行う過程を含むことを特徴とするものである。
上記製造方法により、触媒表面(主に担持体表面)が親水基で覆われた状態とすることができる。また不純物が除去され、触媒活性サイトの利用率を向上(利用率100%が期待)でき、触媒活性向上となる。また、不純物除去により、セル発電時に汚染物が介在すると発生するH2O2を防止する効果があり、H2O2発生による触媒層中の電解質ポリマーや電解質膜の劣化を防止することができる。その結果、触媒層、ひいては電池性能の性能および耐久性向上を図ることができる。
図8は、本発明の製造方法における前処理前後の電極触媒の表面状態、さらに電解質ポリマーとの間の結びつきを模式的に表した説明概略面である。このうち、図8(a)は、前処理前の電極触媒単独での表面状態を模式的に表した説明概略面である。図8(b)は、前処理後の電極触媒の表面状態、及び電解質ポリマーとの間の結びつきを模式的に表した説明概略面である。図8(a)に示すように、前処理前の電極触媒81においては、カーボンなどの担持体83に担持された白金合金等の触媒金属85中/上に、溶解する第2成分87が存在した状態である。これを前処理により、予め溶出することもできる。これにより、図8(b)に示すように、前処理後の電極触媒81’では、第2成分87が触媒金属85中/上に存在していない。そのため、電池作動時の触媒金属85からの溶出によるNafionなどの電解質ポリマー89や電解質膜(図示せず)等への電池内汚染による性能低下及び劣化を防止できる。なお、上記溶解する第2成分とは、Pt以外の元素をいい、例えば、Al、Si、Ti、V、Cr、Fe、Ni、Co、Cu、W、Ag、Vなどが該当する。
以下、本発明の製造方法につき、工程(過程)に即して説明する。
上記活性酸素を含有する水溶液で処理の工程(酸化工程)では、活性酸素を含有する水溶液中で酸化処理(親水処理)を行い、触媒のCO/CC比が0.2以上(親水基による被覆率が20%以上)になるように調整・制御すればよい。言い換えれば、電解質ポリマーが均一に触媒を覆うことが出来る表面構造を構築することができるように担持体表面の酸化処理を行えばよいといえる。
したがって、上記活性酸素を含有する水溶液で処理する工程としては、例えば、活性酸素を含有する水溶液に、担持体上に触媒金属を担持した電極触媒を浸漬して親水処理を行う方法などが挙げられる。より具体的には、活性酸素を含有する水溶液に、担持体上に触媒金属を担持した電極触媒を分散させる過程(分散過程)と、該分散過程で得られた分散溶液内で酸素生成を行う過程(酸素生成過程)とを含むものが望ましい。以下、活性酸素を含有する水溶液で処理する工程を、上記分散過程と、上記酸素生成過程とに分けて説明するが、本発明がこれらに限定されるものではない。
上記分散過程では、元来疎水表面を持つ触媒粒子同士が活性酸素を含有する水溶液中で凝集・塊状化しないように、適当な攪拌・分散装置、例えば、ホモジナイザ、超音波分散装置、遊星ボールミルなどの適当な手段を用いて分散・混合できるようにすればよい。
ここで、上記担持体上に触媒金属を担持した電極触媒については、「本発明の電極触媒の基本構成」の欄において、既に説明した通りであるので、ここでの説明は省略する。
また、担持体上に触媒金属を担持させる方法としては、公知の方法が挙げられ、特に限定されない。例えば、触媒金属化合物溶液に担持体を分散し、これに還元剤を加えることにより、担持体上に触媒金属を担持した電極触媒を得ることができる。
上記触媒金属化合物溶液とは、触媒金属としてPtを用いる場合には、例えば、塩化白金酸、塩化アンミン白金、ジニトロジアンミン白金などの触媒金属化合物を含有する溶液のことである。貴金属−卑金属混合物触媒などとするには、前記溶液に白金の他に所望する卑金属の硝酸塩、塩化物、硫酸塩など卑金属化合物を分散させればよい。また、触媒金属化合物を添加する溶媒としては、水、メタノール、エタノール、左記の混合溶媒などを用いることができる。
前記触媒金属化合物溶液に、担持体を分散するには、ホモジナイザ、超音波分散装置等の適当な分散手段を用いればよい。触媒金属化合物溶液における触媒金属濃度、および、触媒金属化合物と担持体との配合比率などは、得られる電極触媒が所望の特性を有するように適宜決定すればよい。
上記還元剤としては、触媒金属化合物を還元できるものであれば特に限定されず、チオ硫酸ナトリウム、クエン酸、クエン酸ナトリウム、L−アスコルビン酸、水素化ホウ素ナトリウム、ヒドラジン、ホルムアルデヒド、メタノール、エタノール、水素、エチレン、一酸化炭素などを用いることができる。前記還元剤を添加することにより、担持体上に触媒金属化合物を触媒金属粒子として高分散担持させることができる。
上記還元剤を、上述の触媒金属化合物と担持体との分散液に適量加え、還流反応装置を用いて60〜100℃、好ましくは60〜80℃に加熱し、その後、室温まで放冷することにより担持体表面に触媒金属の還元担持を行うことができる。
また、触媒粒子を合金化させるには、さらに、焼成を行うのが好ましい。焼成方法としては、担持体上の触媒粒子の分散状態、粒子径などによって異なるが、好ましくは、窒素、ヘリウム、アルゴンなどの不活性雰囲気中で、焼成温度300〜1000℃、好ましくは200〜400℃で、1〜6時間程度、行えばよい。
担持体上に触媒金属を担持させる上述した方法では還元剤を用いたが、特にこれに限定されない。例えば、含浸法、共沈法、競争吸着法などの各種公知技術を用いることができる。また、特開平7−246343号公報や特開平10−216517号公報などに記載されるマイクロエマルジョン法を用いて電極触媒を製造してもよい。前記マイクロエマルジョン法によっても、導電性担体上に触媒金属を高分散担持することができる。
次に、上記活性酸素を含有する水溶液としては、特に制限されるものではないが、良好な触媒表面を構築する溶液条件としては、過酸化水素(H2O2)を含むものが望ましい。ただし、本発明では、活性酸素を含有する水溶液として、過酸化水素(H2O2)、水酸化ナトリウム(NaOH)、炭酸水素ナトリウム(NaHCO3)、次亜塩素酸ナトリウム、塩素、一酸化二窒素、過マンガン酸カリウム、重クロム酸カリウムおよび無機酸のうちの1種類以上を含む水溶液などが挙げられるが、これらに制限されるものではない。
ここでいう無機酸には、硫酸、硝酸などが含まれるが、これらに制限されるものではない。
また、本発明では、異なる活性酸素を含有する水溶液を2種以上用意し、これらの水溶液中に触媒を順に酸化処理(詳しくは、分散し、酸素生成)してもよい。異なる活性酸素を含有する水溶液としては、例えば、上記水溶液の種類が異なるもの、濃度等が異なるもの、上記水溶液の種類及び濃度等が異なるものなど、特に制限されるものではない。
上記過酸化水素(H2O2)を含む溶液のH2O2濃度としては、良好な触媒表面を構築する溶液条件の1つとして、0.001〜0.1質量%が好ましい。H2O2濃度が0.001質量%未満では、酸化力不足により上記CO/CC比が0.2以上とする要件を満足させるのが困難となる。H2O2濃度が0.1質量%を超える場合には、酸化力によってカーボン担持体が損傷を受けるおそれがある。過酸化水素濃度の上限は1質量%、下限は0.001質量%であることがより好ましい。
同様に、水酸化ナトリウム(NaOH)を含む溶液のNaOH濃度としては、良好な触媒表面を構築する溶液条件の1つとして、0.001〜0.1質量%が好ましい。これらの範囲を外れる場合には、上記H2O2濃度の場合と同様である。
炭酸水素ナトリウム(NaHCO3)を含む溶液のNaHCO3濃度としては、良好な触媒表面を構築する溶液条件の1つとして、0.001〜0.1質量%が好ましい。これらの範囲を外れる場合には、上記H2O2濃度の場合と同様である。
無機酸を含む溶液中の無機酸濃度は、0.01〜0.1Nが好ましい。無機酸の濃度が0.01N未満では、上記CO/CC比が0.2以上とする要件を満足するのが困難となる。一方、1Nを超える場合には、希釈時の発熱など、取扱い上の問題が生じるおそれがある。無機酸の濃度は、0.01〜0.05Nであることがより好ましい。
次に、上記酸素生成過程では、上記CO/CC比が0.2以上=親水基による被覆率が20%以上となるまで酸化処理(親水処理)を行えばよい。これにより電解質ポリマーが均一に触媒を覆うことが出来る表面構造を構築することができる。この際の処理温度、処理調整条件、濃度などに関しては、触媒表面から不純物を除去(溶出)し、かつ上記CO/CC比が0.2以上になるように、これらの処理条件を適宜設定すればよい。尚、酸素生成過程が完了するまで、上記分散過程で用いた装置などを使用して、分散溶液を撹拌するとより均一な処理が可能である。
本発明では、これらの処理条件として上記CO/CC比の要件を満足するように調整することが、触媒表面状態がより耐久性、高性能触媒層に適していることを見出したものである。従来はこうした処理によりどのような表面状態がより耐久性、高性能触媒層に適しているかは記述されておらず、処理条件もどのように設定するのが適しているか見出すことができていなかった。
本発明では、これらの処理条件として上記CO/CC比の要件を満足するように調整することが、触媒表面状態がより耐久性、高性能触媒層に適していることを見出したものである。従来はこうした処理によりどのような表面状態がより耐久性、高性能触媒層に適しているかは記述されておらず、処理条件もどのように設定するのが適しているか見出すことができていなかった。
次に、上記超純水により洗浄する工程では、上述した活性酸素含有水溶液による処理工程に続き、超純水による洗浄を行うことにより、触媒表面から汚染物質を完全除去することができる。その結果、良好な触媒表面を維持することができるものである。
上記超純水により洗浄する工程として、より具体的には、酸素生成過程が完了した後に、ろ過、超純水による触媒洗浄を行う過程を含むものが望ましい。
ここで、酸素生成過程が完了したとは、上記CO/CC比の要件を満足した時点である。すなわち、本発明では、触媒の表面状態がより耐久性、高性能触媒層に適しているかを、製造過程で確認しながら行うことができる利点を有する。これは、従来のように、燃料電池セルを作製し電池特性を評価しなければ触媒性能を判断できなかったのに比べて、触媒の生産性を向上することができる。即ち、本発明では、製造過程で触媒の表面状態が十分でなければ、上記酸素生成過程を継続して行うことができる。そのため製品の歩留まりが大幅に改善でき、所望の表面状態を有する触媒を歩留まりがほぼ100%として得ることができる。そのため、燃料電池セル作製後でなければ触媒性能を判断できなければ、こうした触媒を用いた電池製品(部品)が全て無駄となるが、本発明ではそうした問題を生じる事がない点で有利といえる。
上記ろ過では、触媒粒子と、使用済みの活性酸素を含有する水溶液とが瀘別できるものであればよい。なお、濾液側の使用済みの活性酸素を含有する水溶液は、活性酸素濃度などを調整した上で、活性酸素を含有する水溶液として再利用するのが望ましい。かかるろ過を行うためのろ過装置としては、上記目的が達成できるものであれば特に制限されるものではなく、例えば、ミリポアメンブレンフィルターを用いたろ過機などを用いることができる。
上記ろ過後の触媒洗浄に用いることのできる超純水としては、電気比抵抗18.3MΩ・cm以下、TOC(有機物濃度)5ppb以下のものが望ましい。これら超純水の電気比抵抗、TOCに関しては、既に多くの測定機器が市販されており、これらを用いて測定可能である。また、これらの要件を満足しえる超純水製造装置も既に数多く市販されており、これらを用いて所望の超純水を得ることも可能である。
なお、触媒洗浄した後、電極触媒は、親水基が不活化したり、触媒表面に不純物が再付着しないように十分に留意しながら、乾燥させてもよいが、湿潤状態のまま次工程の触媒スラリー調製工程に利用してもよい。
乾燥させる際の条件としては、特に制限されないが、生産性を高める上では、60〜80℃程度に加熱して乾燥させるのが望ましい。乾燥方法としては、真空乾燥、自然乾燥、ロータリーエバポレーター、沿送風乾燥機による乾燥など、公知の方法を用いればよく特に限定されない。乾燥時間などは、乾燥方法に応じて適宜決定すればよい。
また、本発明の製造方法では、図9(a)に示すように、上記洗浄工程を行う場合には、アイオノマー溶液への分散性を維持することができず沈降する。一方、図9(b)に示すように、上記洗浄工程を行なわない場合には、アイオノマー溶液への分散性を維持することができる。これは、超純水を用いて触媒洗浄を行うことで、汚染物質の完全除去がなされ、清浄かつ親水性表面状態となっているので該溶液中で触媒粒子が凝集し易くなっているためと考えられる。しかしながら、本発明者らは、後述するように、電極触媒と、電解質ポリマーとを重量比で10:2〜10:6の範囲内となるようにすれば、洗浄工程を行った電極触媒でも、触媒スラリー中に好適に分散性し得ることを見出したものである。そのため、以後の製造過程において、触媒粒子の凝集による問題なく、従来の塗布、印刷技術を利用して触媒層を形成できる。
また、本発明の製造方法では、担持体上に触媒金属を担持した電極触媒粒子の触媒活性を高めるために、適当な時期に還元処理を行ってもよい。還元処理は、水素や一酸化炭素などの還元ガスを用いる気相法;NaBH4、ホルムアルデヒド、ブドウ糖、ヒドラジンなどを用いる液相法(湿式)など公知の方法により行えばよい。前記還元処理を行うのは、担持体上に触媒金属を担持した後、本発明の前処理により所望の電極触媒を作製した後、触媒層を作製した後、あるいは電極を作製した後など特に限定されない。
本発明の製造方法によれば、担持体の高い比表面積を維持したまま、電解質ポリマーとの親和性を向上させる親水基を表面に導入することができる。また導入した親水基は、導電性の電解質ポリマーとの親和性を向上できるため、これらの界面での導電性の低下を防止することもできる。
本発明の電極触媒の製造方法では、上述したような前処理を行い、上記CO/CC比の要件を満足するように調整することで、図3〜6に示すような優れた特性を有する電極触媒を得ることができるものである。
図3は、実際の燃料電池での発電試験において含まれる電解質膜や、触媒層に付帯するガス拡散層の影響がなく、触媒層自体の活性を評価するのに有効な回転電極を用い、回転電極上に触媒層を保持して正極反応である酸素還元反応に対する活性を調べたものである。詳しくは、回転電極を1000rpmで回転させたときの、前処理(H2O2処理)されてなる本発明の電極触媒を用いて作製した触媒層、及び前処理(H2O2処理)していない従来の電極触媒を用いて作製した触媒層における酸素還元電流Iと電極電位Eとの関係を表した図面である。
図3から分かるように、前処理(H2O2処理)していない従来の電極触媒を用いたものでは、厳密な触媒能解析に必要な限界電流が不純物のため現れない(図中の破線参照)。これに対し、触媒表面状態がより耐久性、高性能触媒層に適しているように前処理(H2O2処理)されてなる本発明の電極触媒を用いたものでは、厳密な触媒能解析に必要な限界電流がはっきり現れている(図中の実線参照)。このことから、前処理(H2O2処理)により不純物が完全に除去されていることがわかる。
図4は、図3と同様の電極触媒を用いて作製した触媒層(電極)の、硫酸酸性溶液中におけるサイクリックボルタモグラムを表した図面である。
図4からも、前処理(H2O2処理)していない従来の電極触媒を用いたものでは、不純物のため触媒活性サイトが減少している。そのため十分な電位が得られない(図中の破線参照)。これに対し、触媒表面状態がより耐久性、高性能触媒層に適しているように前処理(H2O2処理)されてなる本発明の電極触媒を用いたものでは、前処理(H2O2処理)により、Pt/Cの表面洗浄の効果があり、不純物が十分に除去されている。そのため、該不純物により妨害されていた活性サイトが回復している。これにより触媒活性サイトの利用率100%が期待でき、触媒活性が向上することになる。そのため高電位を維持できる(図中の実線参照)。また、前処理(H2O2処理)は、不純物が介在すると発生するH2O2を防止する効果があり、触媒層ひいては電池の耐久性向上に貢献する。その結果、図4に示すように、所定の電位領域、特に低電位領域で破線に比べて実線の電流(酸化電流および還元電流)が大きくなっている。かかる領域では電流値が個々の触媒粒子の活性の指標となるので、本発明の電極触媒が優れていることが確認できる。これは、高電位領域では触媒層の全体が反応に寄与するのに対し、低電位領域では水溶液に面している表面近傍のみが反応に寄与すると考えられる。そこで、本発明の触媒では表面が親水基により所定の割合で被覆されていることで、低電位領域においても活性を高めることができると考えられる。その結果、図4に示すように、本発明の触媒では従来の触媒に比して、ほぼ全電位領域にわたって酸素還元電流を増加することができる。
図5は、図3で作製した本発明の電極触媒のXPS分析結果を表すグラフである。詳しくは、XPSで得られるPt4fピークのピーク分割により得られる4f5/2ピーク高さ(75±0.3eV)と、4f7/2ピーク高さ(72±0.3eV)を表すグラフである。
図5から、Pt/CをH2O2処理した本発明の電極触媒では、Pt表面には不純物や第2成分であるPt以外の元素をいい、例えば、Al、Si、Ti、V、Cr、Fe、Ni、Co、Cu、W、Ag、Vは触媒表面上にはなく(図8参照のこと)、このため、ほぼ等しいPt4f5/2及びPt4f7/2のピークが見られる。
図6は、図3と同様の電極触媒を用いて作製した電池の発電耐久性を調べたものである。即ち、発電時間(時間)と電極電位(E)の関係を表した図面である。
図6からも分かるように、H2O2処理していない従来の電極触媒を用いたものでは、発電初期は高電圧を有するものの、電解質ポリマーとの親和性が十分でなく、不純物(コンタミ)のため触媒活性サイトが減少している。また不純物により発生するH2O2により電解質ポリマー等の劣化が急速に進行する。そのため、電池電圧の急速な低下が生じる(図中の破線参照)。これに対し、本発明の電極触媒を用いたものでは、前処理(H2O2)処理により、電解質ポリマーとの親和性が向上し、かつ不純物が介在すると発生するH2O2を防止でき、触媒活性も向上する。その結果、触媒層ひいては電池の耐久性が大幅に改善し、電池電圧の低下を長期にわたり抑えることができることがわかる(図中の実線参照)。
以上、本発明の電極触媒の製造方法の好適な実施形態につき説明したものであるが、本発明の電極触媒は、これらの製造方法に何ら限定されるものではない。例えば、担持体表面の前処理により親水基で覆う手法としては、過酸化水素(H2O2)、水酸化ナトリウム(NaOH)、炭酸水素ナトリウム(NaHCO3)および無機酸等のうちの1種類以上の活性酸素を含有する水溶液に浸漬する(酸化処理する)手法を用いることができるほか、プラズマ処理する手法等を用いることができる。プラズマ処理する手法によっても、上記CO/CC比が0.2以上の要件を満足する触媒を製造することができる。
かかるプラズマ処理による手法としては、処理が容易であり、電池性能に悪影響を及ぼすような不純物が混入しにくい方法として、担持体上に触媒金属を担持した電極触媒にプラズマを照射するプラズマ照射法が挙げられる。プラズマ照射された触媒表面では、有機物などの不純物が除去され、水酸基などの親水基が導入される。
上記プラズマ照射法においても、上記CO/CC比が0.2以上となるように、プラズマ照射条件(照射距離、照射レベル、照射時間、照射回数など)を適宜調整・制御すればよい。
プラズマ照射によって上記した触媒表面を得る装置としては、多くの種類があるが、簡便には常温常圧の空気中で放電する、いわゆるコロナ放電処理装置を用いることができる。触媒粒子の性状によっては、該触媒粒子が飛散しやすく、照射処理が困難であることがある。こういった場合には、あらかじめ少量の溶媒で触媒粒子を僅かな湿潤状態にしてからプラズマ照射処理することができる。照射中に触媒粒子を撹拌するとより均一な処理が可能である。
次に、本発明の燃料電池用電極は、燃料電池用電極の触媒層として、上記した本発明の電極触媒ないし上記した本発明の製造方法により得られてなる電極触媒の少なくとも1つの電極触媒と、電解質ポリマー(アイオノマー)とを含有してなることを特徴とするものである。
本発明の電極の構成としては、上記要件を満足するものであれば特に制限されるものではない。以下、触媒層がガス拡散層上に形成されてなる実施形態を例にとり、触媒層とガス拡散層とに分けて説明する。
(1)触媒層
本発明の触媒層に含有されてなる上記電極触媒に関しては、既に説明したとおりであるのでここでの説明は省略する。
本発明の触媒層に含有されてなる上記電極触媒に関しては、既に説明したとおりであるのでここでの説明は省略する。
また、上記触媒層に含有されてなる上記電解質ポリマーとしては、電極触媒の表面に導入された親水基との間で親和性の向上を図ることができるものであれば特に制限されるものではなく、従来公知のものを用いることができる。具体的には、電極触媒の表面に導入された親水基との間で親和性の向上を図ることのできる官能基を有する電解質ポリマーを用いることができる。
かかる電解質ポリマーとしては、少なくとも高いプロトン導電性を有する液体、固体、ゲル状材料などが利用可能であり、具体的にはリン酸、硫酸、アンチモン酸、スズ酸、ヘテロポリ酸などの固体酸、パーフルオロスルホン酸アイオノマー、リン酸などの無機酸を炭化水素系高分子化合物にドープさせたもの、一部がプロトン導電性の官能基で置換された有機/無機ハイブリッドポリマー、高分子マトリックスにリン酸溶液や硫酸溶液を含浸させたゲル状プロトン導電性電解質ポリマーなどが挙げられる。
また、電解質ポリマーとして他には、ランタンガレート系混合導電体、酸素イオン−電子混合導電体、水素イオン−電子混合導電体などの電子導電性を同時に有する混合導電体も利用できる。
好ましくは、担持体表面の親水基との間で親和性を向上し得る官能基の1つであるスルホン酸基(SO3 −基)を有する、スチレン−ジビニルベンゼンスルホン酸樹脂、パーフルオロカーボンスルホン酸系の樹脂その他各種イオン交換樹脂が使用されるが、パーフルオロカーボンスルホン酸系の樹脂を用いるのが好ましい。特に電解質膜としてパーフルオロカーボンスルホン酸系の樹脂膜を用いる場合には同系統のパーフルオロカーボンスルホン酸系の樹脂を用いるのが好ましい。
具体的には、既に市販されているアンバーライトIR−120B(T−3)〔スチレン−ジビニルベンゼンスルホン酸樹脂、Na型、粒径30μmの粉末、Organo社製、商品名)やNAFION(パーフルオロカーボンスルホン酸樹脂、H型、脂肪族アルコールと水との混合溶媒中5%溶液、Aldrich Chemical社製、商品名)などが例示できるがこれらに何ら制限されるものではない。
ただし、本発明の電解質ポリマーが有する、担持体表面の親水基との間で親和性を向上し得る官能基としては、上記スルホン酸基に何ら限定されるものではなく、例えば、カルボキシル基などの官能基を有するものであってもよい。
かかる官能基を有する電解質ポリマーを用いることにより、担持体表面の親水基との間で親和性が向上し、電解質ポリマーが均一に触媒粒子を覆うことが出来、触媒層中の分散性も高められる。特に、本発明では、電極触媒の親水基の被覆率の制御(=CO/CC比の制御)により、電解質ポリマーの被覆率の制御が可能となる。これにより、ガス拡散領域及びプロトン伝導パスの制御が可能になり任意に触媒層のデザインができる。これは、電池の水分管理にも貢献することよりセル性能向上となる。
前記電解質ポリマーは、バインダーポリマーとしての観点からも、前記電極触媒を被覆しているのが好ましい。これにより、触媒層の構造を安定に維持できるとともに、電極反応が進行する反応サイト(三相界面;その触媒粒子が電解質及びガス相と共存しており、この三相界面をより多く確保することにより、電池の性能を向上させることができる。)を十分に確保して、高い触媒活性を得ることができる。
上記触媒層中に含まれる前記電極触媒と電解質ポリマーの含有比率は、特に限定されないが、電極触媒と電解質ポリマーとが重量比で10:2〜10:6となるように含有されているのが望ましい。かかる範囲内に調整することで、製造過程において触媒粒子の電解質ポリマーへの分散性を維持しながら添加することができるものである。その結果、触媒層内で高分散された個々の触媒粒子表面を電解質ポリマーが均一に覆った状態とすることができる。よって、プロトン導電パスが維持され、プロトン導電率の向上及びセル性能が向上の効果が得られる。
また、本発明の電極のうち、カソードなどでは、酸素還元反応によって多量の水が生成する。この生成水は反応ガスが拡散するための細孔を閉鎖する恐れがあるため、電極の撥水性を確保することも重要である。従って、上記触媒層には、必要に応じてポリテトラフルオロエチレン(以下、PTFEという)等の撥水剤を含有させてもよい。ただし、撥水剤は絶縁体であるため電極の出力の観点からはその量は少量であるほど望ましく、その含有量は、触媒層の全量に対して20〜40質量%が好ましい。
(2)ガス拡散層
本発明の電極において、上記触媒層を支持するガス拡散層としては、特に限定されるものではなく、従来公知のものを適宜使用することができる。例えば、多孔質のカーボンペーパー、または、カーボン布などの多孔質カーボン基材等が挙げられる。
本発明の電極において、上記触媒層を支持するガス拡散層としては、特に限定されるものではなく、従来公知のものを適宜使用することができる。例えば、多孔質のカーボンペーパー、または、カーボン布などの多孔質カーボン基材等が挙げられる。
本発明の電極では、触媒層およびガス拡散層の厚さは、反応ガス拡散性を向上するには薄い方が望ましいが、薄すぎると十分な電極出力が得られない。従って、所望の特性を有する電極が得られるように適宜決定すればよい。
また、本発明の電極は、アノード及びカソードの双方に適用し得るものである。よって、アノードにのみ用いてもよし、カソードにのみ用いてもよし、双方に用いてもよいなど、特に制限されるものではない。
次に、本発明の電極の製造方法としては、上記した通り、本発明の電極触媒ないし本発明の製造方法により得られてなる電極触媒の少なくとも1つの電極触媒と、電解質ポリマーとが重量比で10:2〜10:6となるように混合された材料を用いて触媒層を形成することを特徴とするものが望ましい。かかる電極触媒と電解質ポリマーとの量の関係が上記範囲に調整することにより、分散性を維持しながら添加することができる。
本発明の電極の製造方法としては、上記電極触媒と電解質ポリマーを上記比率で混合した材料の他に、必要に応じて、撥水剤、造孔剤、増粘剤、希釈溶媒などの材料を添加し、混合してペースト状あるいはスラリー状にする。これをガス拡散層または後述の電解質層上にスクリーン印刷法、沈積法、あるいはスプレー法などで所望の厚さに塗布して触媒層を形成する公知の方法が挙げられる。
図7は、実際の燃料電池での発電試験として、電池電位(E)と電池電流(I)の関係を表した図面である。図7では、図3と同様の電極触媒を用いて、該電極触媒と、電解質ポリマーとが重量比で10:2〜10:6の範囲となるように電極を作製し、更に該電極を用いて作製した燃料電池につき発電特性を調べたものである。
図7からも分かるように、前処理(H2O2処理)していない電極触媒を用いたもの(図中の破線)に比べて、前処理(H2O2処理)されてなる本発明の電極触媒を用いたもの(図中の実線)の方が、終始、優れた発電特性(I−V特性)を示すことがわかる。これは、前処理(H2O2処理)により、親水基の被覆率を制御(=CO/CC比の制御)することにより、電解質ポリマーの被覆率の制御が可能となる。これにより、ガス拡散領域及びプロトン伝導パスの制御が可能になり任意に触媒層のデザインができる。また電池の水分管理にも貢献することよりセル性能向上となる。その結果、図7に示すように、本発明の電極触媒を用いたもの(図中の実線)では、終始、優れた発電特性を発揮することができるものである。また、触媒層を製造する際に、触媒スラリー中の触媒粒子の分散性が維持できているため、発電特性において触媒粒子が凝集することによる影響もないことがわかる。
次に、本発明の固体高分子型燃料電池は、上述した本発明の電極を有することを特徴とするものである。本発明の電極触媒を用いた電極は、高い電極性能を長期に渡って維持することができる。従って、かような電極を燃料電池用電極として用いれば、高い性能を長期に渡って示すことのできる燃料電池を提供することが可能となり得る。燃料電池の種類としては、所望する電池特性が得られるのであれば特に限定されないが、実用性・安全性などの観点から固体高分子型燃料電池(以下、「PEFC」とも記載する。)として用いるのが好ましい。以下、固体高分子型燃料電池につき説明するが、これらに制限されるものではない。
PEFCは、一般的には、膜−電極接合体(以下、「MEA」とも記載する。)をガス流路溝を設けたカーボン板等のセパレータで積層(挟持)した構造となっている。また、MEAは、電解質膜(電解質層)が電極により挟持されてなるものである。従って、前記電極における触媒層は、少なくとも片面が電解質膜に接している。
PEFCにおける電極に関しては、上述した通りであるため、ここではその説明を省略する。また、上述した電極をカソードとして用いた場合、アノードはカソードと同じものを用いてもよく、特開2002−151089号公報などに記載される従来公知のアノード用電極を用いてもよく、特に限定されない。
アノードに用いられる電極は、水素酸化反応に対して高い触媒活性を有するものであればよく、カソードに用いたものと同じものを用いればよく、ここではその説明を省略する。
前記電解質膜は、プロトン導電性部材からなるフィルム状の固体高分子膜である。前記電解質膜に用いられるプロトン導電性部材としては、特に限定されず、上述した触媒層において列挙した電解質ポリマーと同じものが挙げられる。また、触媒層と電解質膜とに用いる電解質ポリマーとプロトン導電性部材とは、同じものを用いても、異なったものを用いてもよい。
MEAを挟持するセパレータとしては、カーボンペーパー、カーボンクロスなど公知のものを用いればよい。セパレータは、空気と燃料ガスとを分離する機能を有するものであり、それらの流路を確保するために流路溝が形成されてもよい。セパレータの流路溝の溝幅やピッチに関しては特に限定されないが、細くなるほど電極へのガス拡散性が改善され、通常は0.5〜1.0mm程度の溝幅が用いられている。また、カソードにおいて生成した水がセパレータの流路に滞留するのを防ぐため、流路を長くして流速を早めたり、セパレータを立てて生成水が上から下へと流れ易くなるようにしてもよい。
MEAの製造方法としては、電解質膜上に電極を直接形成する方法、セパレータ上に電極を形成しこれを電解質膜と接合する方法、平板上に電極を形成しこれを電解質膜に転写する方法等の種々の方法が挙げられる。なお、電極を電解質膜とは別個にセパレータ上に形成した場合は、電極と電解質膜とは、ホットプレス法、接着法(特開平7−220741号公報参照)等により接合することが好ましい。
さらに、PEFCが所望する電圧等を得られるように、セパレータを介してMEAを複数積層して直列に繋いだスタックを形成してもよい。PEFCの形状などは、特に限定されず、所望する電圧などの電池特性が得られるように適宜決定すればよい。
本発明の電極を用いた燃料電池は、従来のものと比較して長期に渡って電池性能を維持することができる。従って、車両などの移動体用電源、定置用電源などとして信頼性の高い燃料電池を提供することが可能である。なお、上述した固体高分子型燃料電池に関しては、本発明の一実施形態を示したに過ぎず、本発明がこれに限定されるものではない。従って、本発明の電極を用いた電極燃料電池は、本発明の範囲に含まれるものである。
以下、本発明を実施例に基づいて具体的に説明する。
<Pt/Cの調製>
導電性カーボンブラック(Vulcan XC−72:Cabot社製)粉末1gを0.4質量%の白金を含有する塩化白金酸水溶液250g中にホモジナイザを用いて十分に分散させた後、これにクエン酸ナトリウム3gを加え、還流反応装置を使用して80℃に加熱し、白金の還元担持を行った。そして、室温まで放冷した後、白金が担持されたカーボンを濾別することにより、Pt担持カーボンブラック粉末(Pt/C)を得た。このPt/Cにおける白金の平均粒子径は透過型電子顕微鏡観察の結果から約2.9nmであった。また、Pt担持量を誘導結合プラズマ発光分光法によって調べた結果、40.6質量%のPtが担持されていることが確認された。
導電性カーボンブラック(Vulcan XC−72:Cabot社製)粉末1gを0.4質量%の白金を含有する塩化白金酸水溶液250g中にホモジナイザを用いて十分に分散させた後、これにクエン酸ナトリウム3gを加え、還流反応装置を使用して80℃に加熱し、白金の還元担持を行った。そして、室温まで放冷した後、白金が担持されたカーボンを濾別することにより、Pt担持カーボンブラック粉末(Pt/C)を得た。このPt/Cにおける白金の平均粒子径は透過型電子顕微鏡観察の結果から約2.9nmであった。また、Pt担持量を誘導結合プラズマ発光分光法によって調べた結果、40.6質量%のPtが担持されていることが確認された。
<H2O2処理による電極触媒の調製>
上記で得られたPt/C0.05gを0.04質量%濃度のH2O2水溶液に超音波ホモジナイザー拡散装置を用いて分散させた。得られたPt/C分散H2O2溶液内で25℃で0.5時間攪拌を継続し酸素生成(酸化処理)を行った。
上記で得られたPt/C0.05gを0.04質量%濃度のH2O2水溶液に超音波ホモジナイザー拡散装置を用いて分散させた。得られたPt/C分散H2O2溶液内で25℃で0.5時間攪拌を継続し酸素生成(酸化処理)を行った。
酸素生成過程が完了した後に、ミリポアろ過フィルターを用いてろ過し、電気比抵抗18.3MΩ・cm以下、TOC(有機物濃度)5ppb以下の超純水を用いて触媒洗浄を行う操作を2回繰り返し行って、電極触媒を作製した。
<電極触媒のXPSのC1sピークの分析・評価>
得られた電極触媒につき、X線光電子分光法(XPS)による測定を行い、C1sピークのピーク分割により得られるグラフを図2に示す。図2から、(C−Oピーク高さ)/(C−Cピーク高さ)比を求めた。
得られた電極触媒につき、X線光電子分光法(XPS)による測定を行い、C1sピークのピーク分割により得られるグラフを図2に示す。図2から、(C−Oピーク高さ)/(C−Cピーク高さ)比を求めた。
図2から、本実施例の電極触媒では、H2O2処理条件を調整することにより、XPSで得られるC1sピークのピーク分割により得られるC−Oピーク高さを1とした際の、C−Cピーク高さが4であった。このことから、上記CO/CC比=1/4=0.25であることが確認された。即ち、水酸基(OH基)による被覆率が25%であった。
<電極触媒を用いた回転電極による酸素還元反応に対する活性分析・評価>
本実施例で得られたH2O2処理済みの電極触媒と、H2O2処理なしのPt/Cを用いて回転電極による酸素還元反応に対する活性比較を行った。
本実施例で得られたH2O2処理済みの電極触媒と、H2O2処理なしのPt/Cを用いて回転電極による酸素還元反応に対する活性比較を行った。
回転電極及び触媒層は、以下の方法により作製した。
混合比;H2O:Nafion=100:1(重量比)にて、5wt%Nafion溶液を超純水にて希釈してナフィオン水溶液を得た。次に、Pt/C 20mgをH2O 20mLに超音波ホモジナイザーを用いて分散させて、触媒サスペンジョンを得た。
上記の触媒サスペンジョン10μLをマイクロピペットで電極基盤(GlassyCarbon上)に滴下し、真空乾燥機にてサスペンジョンの水分を飛ばした。乾燥後、Pt/Cの上にマイクロピペットを用いて上記ナフィオン水溶液を10μL滴下した。これを電気化学測定に用いた。
上記で得られた回転電極を用い、図10に示すように、回転電極101上に触媒層103を保持して正極反応である酸素還元反応に対する活性を調べた。詳しくは、回転電極101を1000rpmで回転させたときの、本発明の電極触媒を用いて作製した触媒層、及び従来の電極触媒を用いて作製した触媒層における酸素還元電流Iと電極電位Eとの関係を調べた。得られた結果を図3に示す。
図3から、H2O2処理していない従来の電極触媒を用いたものでは、厳密な触媒能解析に必要な限界電流が不純物(コンタミ)のため現れないことが確認された。これに対し、触媒表面状態がより耐久性、高性能触媒層に適しているようにH2O2処理されてなる本発明の電極触媒を用いたものでは、厳密な触媒能解析に必要な限界電流がはっきり現れていることが確認できた。このことから、本発明の電極触媒では触媒表面の不純物が十分に除去されていることが確認できた。
<電極触媒を用いた回転電極による酸素還元の分極曲線分析・評価>
本実施例で得られたH2O2処理済みの電極触媒と、H2O2処理なしのPt/Cを用いて回転電極による酸素還元の分極曲線を測定した。得られた結果を図4に示す。図4は、電極の硫酸水溶液中におけるサイクリックボルタモグラムを表した図面である。
本実施例で得られたH2O2処理済みの電極触媒と、H2O2処理なしのPt/Cを用いて回転電極による酸素還元の分極曲線を測定した。得られた結果を図4に示す。図4は、電極の硫酸水溶液中におけるサイクリックボルタモグラムを表した図面である。
図4から、H2O2処理していない従来の電極触媒を用いたもの(図中の破線)では、不純物のため触媒活性サイトが減少しているため、電位が低く現れることが確認できた。これに対し、触媒表面状態がより耐久性、高性能触媒層に適しているようにH2O2処理されてなる本発明の電極触媒を用いたもの(図中の実線)では、H2O2処理により、Pt/Cの表面洗浄の効果があり、不純物が十分に除去されているため、電位が高く現れることが確認できた(図中の実線)。
<電極触媒のXPSのPt4fピークの分析評価>
本実施例で得られたH2O2処理済みの電極触媒につき、X線光電子分光法(XPS)による測定を行い、Pt4fピークのピーク分割により得られる4f5/2ピーク高さ(75±0.3eV)と、4f7/2ピーク高さ(72±0.3eV)を表すグラフを図5に示す。
本実施例で得られたH2O2処理済みの電極触媒につき、X線光電子分光法(XPS)による測定を行い、Pt4fピークのピーク分割により得られる4f5/2ピーク高さ(75±0.3eV)と、4f7/2ピーク高さ(72±0.3eV)を表すグラフを図5に示す。
図5から、本実施例で得られたH2O2処理済みの電極触媒では、Pt表面には不純物や第2成分であるPt以外の元素をいい、例えば、Al、Si、Ti、V、Cr、Fe、Ni、Co、Cu、W、Ag、Vはなく(図8参照のこと)、このため、ほぼ等しいPt4f5/2ピーク及びPt4f 57/2ピークのピークが見られる。
<電極触媒を用いた電池の発電耐久性試験>
実際の燃料電池での発電耐久性試験として、本実施例で得られたH2O2処理済みの電極触媒と、H2O2処理なしのPt/Cを用いて下記に示す方法により燃料電池セルを作製し、これを用いて下記に示す発電耐久性試験を行った。発電耐久性試験により得られた発電時間(サイクル数)と電池電位(E)の関係を図6に示す。
実際の燃料電池での発電耐久性試験として、本実施例で得られたH2O2処理済みの電極触媒と、H2O2処理なしのPt/Cを用いて下記に示す方法により燃料電池セルを作製し、これを用いて下記に示す発電耐久性試験を行った。発電耐久性試験により得られた発電時間(サイクル数)と電池電位(E)の関係を図6に示す。
(燃料電池の作製)
電極触媒の重量に対して5倍量の精製水を加えた後、0.5倍量のイソプロピルアルコールを加え、さらにはNafionの重量が1倍量になるようにNafion溶液(Aldrich社製5wt%Nafion含有)を加えて混合スラリーとした。即ち、本実施例では、電極触媒と電解質ポリマーであるNafionが重量比で10:10に混合された材料を用いた。
電極触媒の重量に対して5倍量の精製水を加えた後、0.5倍量のイソプロピルアルコールを加え、さらにはNafionの重量が1倍量になるようにNafion溶液(Aldrich社製5wt%Nafion含有)を加えて混合スラリーとした。即ち、本実施例では、電極触媒と電解質ポリマーであるNafionが重量比で10:10に混合された材料を用いた。
得られた混合スラリーを超音波ホモジナイザでよく分散させ、それに続いて減圧脱泡操作を加えることによって触媒スラリーを作製した。これをガス拡散層(GDL)であるカーボンペーパー(東レ株式会社製TGP−H−120)の片面にスクリーン印刷法によって所望の厚さに応じて所定量の触媒スラリーを印刷し、60℃で24時間乾燥させた後、触媒層を塗布した面を電解質膜に合わせて120℃、0.1MPaで10分間ホットプレスを行うことによりカソードと電解質膜との接合を行った。電解質膜にはNafion112(厚さ:約50μm)を用いた。
次に、アノードもカソードと同様にして作製し、触媒層を電解質膜のカソード接合面と反対の面に接合して電極(膜−電極接合体;MEA)とした。アノードおよびカソード触媒層の厚さはいずれのセルについても8〜12μmの範囲内とした。
得られたMEAは、アノード、カソードともにPt使用量を見かけの電極面積1cm2あたり0.5mgとし、電極面積は300cm2とした。
得られたMEAをガス流路溝を設けたカーボン板で挟み、燃料電池セルを構成した。
(電池の発電耐久性試験)
発電耐久性試験は、以下の方法により行った。
発電耐久性試験は、以下の方法により行った。
燃料電池セルを発電運転させる場合にはアノード側に燃料として水素を供給し、カソード側には空気を供給した。両ガスとも供給圧力は大気圧とし、水素は80℃、空気は50℃で飽和加湿し、燃料電池セル本体の温度は60℃に設定し、水素利用率は70%、空気利用率は40%として、電流密度0.7A/cm2で3日間運転を続け、燃料電池セルの耐久性評価を行った。
図6から、H2O2処理していない電極触媒を用いたもの(図中の破線)では、発電初期は高電位を有するものの、不純物により触媒活性サイトが減少しているため、電位の急速な低下が見られた。これに対し、触媒表面状態がより耐久性、高性能触媒層に適しているようにH2O2処理されてなる本発明の電極触媒を用いたもの(図中の実線)では、電極電位の低下が穏やかであり、電位低下が長期にわたり抑えられることが確認できた。このことから、H2O2処理により、電解質ポリマーとの親和性が向上し、かつ不純物が介在すると発生するH2O2を防止でき、触媒の劣化が抑えられ、触媒活性も向上する。その結果、触媒層ひいては電池の耐久性が大幅に改善し、電池電圧の低下を長期にわたり抑えることができることがわかる
<電極触媒を用いた燃料電池の発電特性評価>
実際の燃料電池での発電試験として、本実施例で得られたH2O2処理済みの電極触媒と、H2O2処理なしのPt/Cを用いて上記に示す方法により燃料電池セルを作製し、これを用いて下記に示す発電試験を行った。発電試験により得られた電池電位Eと電池電流Iの関係を図7に示す。
<電極触媒を用いた燃料電池の発電特性評価>
実際の燃料電池での発電試験として、本実施例で得られたH2O2処理済みの電極触媒と、H2O2処理なしのPt/Cを用いて上記に示す方法により燃料電池セルを作製し、これを用いて下記に示す発電試験を行った。発電試験により得られた電池電位Eと電池電流Iの関係を図7に示す。
(燃料電池セルでの発電試験)
発電試験は、電池の発電耐久性試験と同様の方法により行った。
発電試験は、電池の発電耐久性試験と同様の方法により行った。
図7から、H2O2処理していない従来の電極触媒を用いたもの(図中の破線)では、発電初期は高電圧を有するものの、不純物のため触媒活性サイトが減少しているため、電池電圧の急速な低下が見られた。これに対し、触媒表面状態がより耐久性、高性能触媒層に適しているようにH2O2処理されてなる本発明の電極触媒を用いたもの(図中の実線)では、H2O2処理により、不純物が介在すると発生するH2O2を防止できており、その結果、図7に示すように、触媒層ひいては電池の耐久性が大幅に改善し、電池電圧の低下を長期にわたり抑えることができることがわかる。
更に、本発明の本実施例で得られたH2O2処理済みの電極触媒を用いて作製した燃料電池セルにアノード側には水素ガスをガス利用率が70%となるように、カソード側には常圧の空気を利用率が40%となるように、流量を調節して供給した。両方のガスを露点60℃になるように加湿して供給した。また燃料電池セルの温度は70℃になるように調節した。このセルを電流密度400mA/cm2で運転し、始動から24時間経過時点の出力電圧を測定したところ、700mVであった。また両極間の抵抗を測定したところ、60mΩ・cm2であった。同様の実験をH2O2処理していない従来の電極触媒を用いて作製した燃料電池で行った結果、始動から24時間経過時点の出力電圧は650mVであり、両極間の抵抗は68mΩ・cm2であった。以上のことから、本実施例では、アノード、カソード両極とも電極触媒表面が酸化処理され、好適な触媒表面状態を呈するように親水基の被覆率が制御されているために、高分子ポリマーとの被覆率も制御され、ガス拡散領域及びプロトン導電パスの制御が可能となるため、プロトン導電率が向上し、セル性能として、より高い電圧が得られることが確認できた。
<H2O2処理における洗浄過程の有無による分散性試験>
本実施例の上記「H2O2処理による電極触媒の調製」において、酸素生成過程が完了した後に、ミリポアフィルターを用いてろ過した後、超純水を用いて触媒洗浄を行うことなく乾燥して、洗浄過程なしの電極触媒を得た。
本実施例の上記「H2O2処理による電極触媒の調製」において、酸素生成過程が完了した後に、ミリポアフィルターを用いてろ過した後、超純水を用いて触媒洗浄を行うことなく乾燥して、洗浄過程なしの電極触媒を得た。
上記H2O2処理による電極触媒の調製の通りにして得た洗浄過程ありの電極触媒と、洗浄過程なしの電極触媒とを、それぞれアイオノマー溶液(該電極触媒と、電解質ポリマーとが重量比で10:10になるように調製した。)に添加し、超音波ホモジナイザーを用いて15分間攪拌し、その後1時間放置した。図9は、放置後の溶液中の電極触媒の様子を模式的に表した図面である。
洗浄過程ありの電極触媒では、図9(a)に示すようにアイオノマー溶液への分散性は低く、沈降することが確認できた。一方、洗浄過程なしの電極触媒では、図9(b)に示すようにアイオノマー溶液への分散性が高く、均一に分散していることが確認できた。以上のことから、超純水を用いて触媒洗浄を行うことで、汚染物質の完全除去がなされているため、アイオノマー溶液への分散性を確保するのは困難であることが確認できた。
しかしながら、該電極触媒と、電解質ポリマーとが重量比で10:2〜10:6の範囲内となるようにして同様の実験を行った場合には、洗浄過程ありの電極触媒でも分散性が改善できており、図9(b)に示す良好な分散状態を維持できることが確認できた。
11 担持体、
13 触媒金属、
15 電極触媒、
17 電解質ポリマー(アイオノマー)、
17a 電解質ポリマーの主鎖の疎水部、
17b 電解質ポリマーの側鎖等の親水部、
81 電極触媒、
83 担持体、
85 触媒金属
87 溶解する第2成分、
89 電解質ポリマー、
101 回転電極、
103 触媒層。
13 触媒金属、
15 電極触媒、
17 電解質ポリマー(アイオノマー)、
17a 電解質ポリマーの主鎖の疎水部、
17b 電解質ポリマーの側鎖等の親水部、
81 電極触媒、
83 担持体、
85 触媒金属
87 溶解する第2成分、
89 電解質ポリマー、
101 回転電極、
103 触媒層。
Claims (10)
- 担持体上に触媒金属を担持してなる電極触媒において、
該電極触媒のX線光電子分光法(X−ray photoelectron spectroscopy:XPS)で得られるC1sピークのピーク分割により得られる(C−Oピーク高さ)/(C−Cピーク高さ)比が0.2以上であることを特徴とする燃料電池用電極触媒。 - 前記担持体上に水酸基、カルボニル基、カルボキシル基のうち少なくとも1種類以上の親水性官能基が存在することを特徴とする請求項1に記載の燃料電池用電極触媒。
- 前記電極触媒のXPSで得られる(C−Oピーク高さ)/(C−Cピーク高さ)比が0.25〜0.5であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の燃料電池用電極触媒。
- 請求項1〜3に記載の電極触媒の製造方法であって、
担持体上に触媒金属を担持した後に活性酸素を含有する水溶液で処理することを特徴とする燃料電池用電極触媒の製造方法。 - 担持体上に触媒金属を担持した後に活性酸素を含有する水溶液で処理する工程と、
超純水により洗浄する工程と、を含むことを特徴とする請求項4に記載の電極触媒の製造方法。 - 担持体上に触媒金属を担持した電極触媒を、活性酸素を含有する水溶液に分散させる過程と、
分散過程で得られた分散溶液内で酸素生成を行う過程と、
酸素生成過程が完了した後に、ろ過、超純水による触媒洗浄を行う過程と、
を含むことを特徴とする請求項4または5に記載の電極触媒の製造方法。 - 前記活性酸素を含有する水溶液が、過酸化水素を含むことを特徴とする請求項4〜6のいずれか1項に記載の電極触媒の製造方法。
- 燃料電池用電極の触媒層として、請求項1〜3に記載の電極触媒ないし請求項4〜7に記載の製造方法により得られてなる電極触媒の少なくとも1つの電極触媒と、電解質ポリマーとを含有してなることを特徴とする燃料電池用電極。
- 請求項1〜3に記載の電極触媒ないし請求項4〜7に記載の製造方法により得られてなる電極触媒の少なくとも1つの電極触媒と、電解質ポリマーとが重量比で10:2〜10:6となるように混合されたものを含む材料を用いて触媒層を形成することを特徴とする燃料電池用電極の製造方法。
- 請求項8に記載の電極を有することを特徴とする固体高分子型燃料電池。
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JP2003432390A JP2005190887A (ja) | 2003-12-26 | 2003-12-26 | 高性能、耐久性を有する触媒層を構築するための表面構造を有する電極触媒およびその製造方法 |
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---|---|---|---|---|
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US10263260B2 (en) | 2009-06-22 | 2019-04-16 | Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha | Electrode catalyst for fuel cell, method for producing the same, and polymer electrolyte fuel cell using the same |
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-
2003
- 2003-12-26 JP JP2003432390A patent/JP2005190887A/ja not_active Withdrawn
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