JP2005177757A - カルシウム及び重金属含有物の処理方法 - Google Patents
カルシウム及び重金属含有物の処理方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2005177757A JP2005177757A JP2004378464A JP2004378464A JP2005177757A JP 2005177757 A JP2005177757 A JP 2005177757A JP 2004378464 A JP2004378464 A JP 2004378464A JP 2004378464 A JP2004378464 A JP 2004378464A JP 2005177757 A JP2005177757 A JP 2005177757A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- liquid
- calcium
- zinc
- lead
- copper
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Classifications
-
- Y—GENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02P—CLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
- Y02P10/00—Technologies related to metal processing
- Y02P10/20—Recycling
-
- Y—GENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02P—CLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
- Y02P40/00—Technologies relating to the processing of minerals
- Y02P40/10—Production of cement, e.g. improving or optimising the production methods; Cement grinding
Landscapes
- Processing Of Solid Wastes (AREA)
- Inorganic Compounds Of Heavy Metals (AREA)
- Compounds Of Alkaline-Earth Elements, Aluminum Or Rare-Earth Metals (AREA)
- Manufacture And Refinement Of Metals (AREA)
Abstract
【課題】カルシウム及び重金属含有物から、カルシウムを水酸化物として回収し、かつ、銅と、亜鉛及び鉛とを分別して回収し得る処理方法を提供する。
【解決手段】本発明の方法は、(A)飛灰等のカルシウム及び重金属含有物と、硫酸を混合して、pH4以下のスラリーとした後、濾過して、硫酸カルシウム及び硫酸鉛を含む固形分と、銅及び亜鉛を含む液分を得る工程と、(B)工程(A)で得られた固形分と、アルカリ化剤を混合して、pH13.5以上のスラリーを得た後、濾過して、水酸化カルシウムと、鉛を含む液分を得る工程と、(C)工程(A)で得られた液分に亜鉛の粉末を添加した後、濾過して、銅と、亜鉛を含む液分を得る工程と、(D)工程(B)で得られた液分と、工程(C)で得られた液分とを混合した後、この混合液のpHを9〜12に調整し、その後、濾過して、硫酸鉛及び水酸化亜鉛を含む固形分と、液分を得る工程を含む。
【選択図】図1
【解決手段】本発明の方法は、(A)飛灰等のカルシウム及び重金属含有物と、硫酸を混合して、pH4以下のスラリーとした後、濾過して、硫酸カルシウム及び硫酸鉛を含む固形分と、銅及び亜鉛を含む液分を得る工程と、(B)工程(A)で得られた固形分と、アルカリ化剤を混合して、pH13.5以上のスラリーを得た後、濾過して、水酸化カルシウムと、鉛を含む液分を得る工程と、(C)工程(A)で得られた液分に亜鉛の粉末を添加した後、濾過して、銅と、亜鉛を含む液分を得る工程と、(D)工程(B)で得られた液分と、工程(C)で得られた液分とを混合した後、この混合液のpHを9〜12に調整し、その後、濾過して、硫酸鉛及び水酸化亜鉛を含む固形分と、液分を得る工程を含む。
【選択図】図1
Description
本発明は、カルシウム及び重金属含有物(例えば、焼却灰、焼却炉から発生する飛灰、焼却灰溶融炉から発生する飛灰、セメント製造工程から抽気される塩素バイパスダスト、エコセメント製造におけるバグフィルターダスト等)から、カルシウム及び重金属(具体的には、銅、亜鉛、鉛)を回収して、セメント原料及び非鉄精錬原料として再資源化するための処理方法に関する。
近年、焼却灰、飛灰等の廃棄物を埋め立て処分することによる環境汚染を回避するために、これら廃棄物からカルシウム及び重金属を回収し、カルシウムについてはセメント原料として利用し、重金属については非鉄精錬原料として利用する技術が開発されている。
例えば、廃棄物を硫酸スラリーとして該廃棄物に含まれる銅および亜鉛を液中に溶出させる硫酸浸出工程、この硫酸浸出スラリーの固形分を分離してアルカリ浸出することにより固形分中の鉛を液中に溶出させるアルカリ浸出工程、このアルカリ浸出スラリーを固液分離した濾液と上記硫酸浸出スラリーの濾液とを混合し、濾液のpHを銅、亜鉛および鉛の共沈領域に調整することによりこれらの金属を共沈させて固液分離する混合沈澱工程からなる処理系を有することを特徴とする廃棄物の処理方法が、提案されている(特許文献1)。
特開2001−179215号公報
例えば、廃棄物を硫酸スラリーとして該廃棄物に含まれる銅および亜鉛を液中に溶出させる硫酸浸出工程、この硫酸浸出スラリーの固形分を分離してアルカリ浸出することにより固形分中の鉛を液中に溶出させるアルカリ浸出工程、このアルカリ浸出スラリーを固液分離した濾液と上記硫酸浸出スラリーの濾液とを混合し、濾液のpHを銅、亜鉛および鉛の共沈領域に調整することによりこれらの金属を共沈させて固液分離する混合沈澱工程からなる処理系を有することを特徴とする廃棄物の処理方法が、提案されている(特許文献1)。
上記公報に記載の技術では、廃棄物に含まれている銅、亜鉛、鉛の各重金属を分別させずに共沈させている。
しかし、これらの重金属は、非鉄精錬原料として用い得るものであるため、例えば、銅からなる固形分と、亜鉛及び鉛を含む固形分とを、簡易な手段によって分別して回収することができれば、好都合である。
したがって、本発明は、焼却灰、飛灰等のカルシウム及び重金属含有物から、カルシウム及び重金属(具体的には、銅、亜鉛、鉛)を回収するに際し、重金属から分離した状態でカルシウムを回収するとともに、銅からなる固形分と、亜鉛及び鉛を含む固形分とを分別して回収することのできる処理方法を提供することを目的とする。
しかし、これらの重金属は、非鉄精錬原料として用い得るものであるため、例えば、銅からなる固形分と、亜鉛及び鉛を含む固形分とを、簡易な手段によって分別して回収することができれば、好都合である。
したがって、本発明は、焼却灰、飛灰等のカルシウム及び重金属含有物から、カルシウム及び重金属(具体的には、銅、亜鉛、鉛)を回収するに際し、重金属から分離した状態でカルシウムを回収するとともに、銅からなる固形分と、亜鉛及び鉛を含む固形分とを分別して回収することのできる処理方法を提供することを目的とする。
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、カルシウム及び重金属含有物(例えば、カルシウム、銅、亜鉛、鉛の各成分を含む飛灰)を硫酸で処理して、銅及び亜鉛を含む液分を得た後、この液分に、銅よりもイオン化傾向の大きな金属である亜鉛を添加すれば、この亜鉛を液中に金属イオンとして溶解させ、かつ、液中の銅イオンを固体の銅として析出させることができること、及び、添加された亜鉛に由来する液中の亜鉛イオンを、後工程である鉛及び亜鉛回収工程において、カルシウム及び重金属含有物に由来する鉛及び亜鉛と共に回収することができること、そして、これらの工程を含むことによって、容易かつ効率的に、カルシウム、銅、及び他の重金属(鉛、亜鉛)を分別して回収することができることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明(請求項1)のカルシウム及び重金属含有物の処理方法は、(A)カルシウム及び重金属含有物(例えば、飛灰等のカルシウム及び重金属を含むダスト)と水とを硫酸の存在下で混合してスラリーとした後、該スラリーを濾過等によって固液分離して、鉛(具体的には、硫酸鉛)及びカルシウム(具体的には、硫酸カルシウム)を含む固形分と、上記カルシウム及び重金属含有物から溶出した銅及び亜鉛を含む液分とを得る硫酸処理工程と、(B)上記硫酸処理工程(A)で得られた固形分と、水と、アルカリ化剤(例えば、水酸化ナトリウム)とを混合して、アルカリ性のスラリーを得た後、該スラリーを濾過等によって固液分離して、カルシウム(具体的には、水酸化カルシウム)を含む固形分と、鉛(具体的には、硫酸鉛が再溶解して金属イオンとなったもの)を含む液分とを得るカルシウム回収工程と、(C)上記硫酸処理工程(A)で得られた液分に亜鉛(例えば、亜鉛の粉末)を添加して、銅からなる固形分(すなわち、液中の銅イオンが金属単体として析出したもの)と、亜鉛を含む液分とを得る銅回収工程と、(D)上記カルシウム回収工程(B)で得られた液分と、上記銅回収工程(C)で得られた液分とを混合した後、得られた混合液のpHを鉛及び亜鉛の共沈領域に調整し、その後、該混合液を濾過等によって固液分離して、鉛及び亜鉛を含む固形分と、液分とを得る鉛及び亜鉛回収工程とを含むことを特徴とする。
このように構成すれば、カルシウム及び重金属含有物から、容易かつ効率的に、カルシウム、銅、及び他の重金属(鉛、亜鉛)を分別して回収することができる。
このように構成すれば、カルシウム及び重金属含有物から、容易かつ効率的に、カルシウム、銅、及び他の重金属(鉛、亜鉛)を分別して回収することができる。
上記カルシウム及び重金属含有物の処理方法の好適な実施形態として、(A)カルシウム及び重金属含有物と水とを硫酸の存在下で混合して、pHが4.0以下であるスラリーとした後、固液分離して、鉛及びカルシウムを含む固形分と、上記カルシウム及び重金属含有物から溶出した銅及び亜鉛を含む液分とを得る硫酸処理工程と、(B)上記硫酸処理工程(A)で得られた固形分と、水と、アルカリ化剤とを混合して、pHが13.5以上であるスラリーを得た後、該スラリーを固液分離して、カルシウムを含む固形分と、鉛を含む液分とを得るカルシウム回収工程と、(C)上記硫酸処理工程(A)で得られた液分に亜鉛を添加して、銅からなる固形分と、亜鉛を含む液分とを得る銅回収工程と、(D)上記カルシウム回収工程(B)で得られた液分と、上記銅回収工程(C)で得られた液分とを混合した後、得られた混合液のpHを9.0〜12.0に調整し、その後、該混合液を固液分離して、鉛及び亜鉛を含む固形分と、液分とを得る鉛及び亜鉛回収工程とを含むものを挙げることができる(請求項2)。
このように各工程のスラリー(または混合液)のpHを特定の数値範囲内に調整することによって、本発明の目的をより確実に達成することができる。
このように各工程のスラリー(または混合液)のpHを特定の数値範囲内に調整することによって、本発明の目的をより確実に達成することができる。
上記銅回収工程(C)において、亜鉛の添加量は、例えば、液中の銅イオンの0.8〜1.1倍当量である(請求項3)。
このように特定の量の亜鉛を用いることによって、液中の銅イオンを固体の銅として円滑に析出させることができ、かつ、後工程である鉛及び亜鉛回収工程(D)において、金属粉末に由来する金属イオン(亜鉛イオン)を、カルシウム及び重金属含有物に由来する鉛及び亜鉛と共に、固形分として回収することができる。
本発明の方法は、上記硫酸処理工程(A)の前に、上記カルシウム及び重金属含有物と水とを混合した後に固液分離し、水溶性塩素分を除去した固形分であるカルシウム及び重金属含有物を得る水洗工程を含むことができる(請求項4)。
このように水洗工程を含むことによって、カルシウム及び重金属含有物に含まれる水溶性塩素分(塩化物イオン)、ナトリウム、カリウム等を予め除去することができる。
このように特定の量の亜鉛を用いることによって、液中の銅イオンを固体の銅として円滑に析出させることができ、かつ、後工程である鉛及び亜鉛回収工程(D)において、金属粉末に由来する金属イオン(亜鉛イオン)を、カルシウム及び重金属含有物に由来する鉛及び亜鉛と共に、固形分として回収することができる。
本発明の方法は、上記硫酸処理工程(A)の前に、上記カルシウム及び重金属含有物と水とを混合した後に固液分離し、水溶性塩素分を除去した固形分であるカルシウム及び重金属含有物を得る水洗工程を含むことができる(請求項4)。
このように水洗工程を含むことによって、カルシウム及び重金属含有物に含まれる水溶性塩素分(塩化物イオン)、ナトリウム、カリウム等を予め除去することができる。
本発明のカルシウム及び重金属含有物の処理方法によれば、飛灰等のカルシウム及び重金属含有物から、カルシウム及び銅、亜鉛、鉛の各重金属を回収するに際し、カルシウムを、セメント原料として好適に利用し得る水酸化カルシウムとして回収することができるとともに、銅からなる固形分と、亜鉛及び鉛を含む固形分とを分別して回収し、これらの重金属を精錬原料として利用することができる。
以下、本発明のカルシウム及び重金属含有物の処理方法を詳細に説明する。
図1は、本発明のカルシウム及び重金属含有物の処理方法の一例を示すフロー図である。図1に示すように、本発明のカルシウム及び重金属含有物の処理方法は、(A)水洗処理によって水溶性塩素分を除去したカルシウム及び重金属含有物と、水とを硫酸の存在下で混合してスラリーとした後、固液分離して、硫酸鉛及び硫酸カルシウムを含む固形分と、溶出成分である銅及び亜鉛を含む液分とを得る硫酸処理工程と、(B)工程(A)で得られた固形分と、水と、アルカリ化剤(例えば、水酸化ナトリウム)とを混合して、アルカリ性(例えば、pH13.5以上)のスラリーを得た後、該スラリーを固液分離して、水酸化カルシウムを含む固形分と、溶出成分である鉛を含む液分とを得るカルシウム回収工程と、(C)工程(A)で得られた液分に亜鉛(銅よりもイオン化傾向の大きな金属であり、本明細書中において、置換金属ともいう。)を添加して、析出金属である銅からなる固形分と、亜鉛を含む液分とを得る銅回収工程と、(D)工程(B)で得られた液分と、工程(C)で得られた液分とを混合した後、得られた混合液のpHを鉛及び亜鉛の共沈領域(例えば、pH9〜12)に調整し、その後、該混合液を固液分離して、硫酸鉛及び水酸化亜鉛を含む固形分と、鉛等の重金属が除去された液分とを得る鉛及び亜鉛回収工程とからなるものである。
図1は、本発明のカルシウム及び重金属含有物の処理方法の一例を示すフロー図である。図1に示すように、本発明のカルシウム及び重金属含有物の処理方法は、(A)水洗処理によって水溶性塩素分を除去したカルシウム及び重金属含有物と、水とを硫酸の存在下で混合してスラリーとした後、固液分離して、硫酸鉛及び硫酸カルシウムを含む固形分と、溶出成分である銅及び亜鉛を含む液分とを得る硫酸処理工程と、(B)工程(A)で得られた固形分と、水と、アルカリ化剤(例えば、水酸化ナトリウム)とを混合して、アルカリ性(例えば、pH13.5以上)のスラリーを得た後、該スラリーを固液分離して、水酸化カルシウムを含む固形分と、溶出成分である鉛を含む液分とを得るカルシウム回収工程と、(C)工程(A)で得られた液分に亜鉛(銅よりもイオン化傾向の大きな金属であり、本明細書中において、置換金属ともいう。)を添加して、析出金属である銅からなる固形分と、亜鉛を含む液分とを得る銅回収工程と、(D)工程(B)で得られた液分と、工程(C)で得られた液分とを混合した後、得られた混合液のpHを鉛及び亜鉛の共沈領域(例えば、pH9〜12)に調整し、その後、該混合液を固液分離して、硫酸鉛及び水酸化亜鉛を含む固形分と、鉛等の重金属が除去された液分とを得る鉛及び亜鉛回収工程とからなるものである。
以下、各工程毎に詳しく説明する。
[前処理工程]
本発明の方法においては、予め、カルシウム及び重金属含有物を水洗し、当該カルシウム及び重金属含有物に含まれている水溶性塩素分等を除去することが望ましい。
ここで、本発明で処理の対象となるカルシウム及び重金属含有物は、カルシウム、及び鉛、銅、亜鉛等の重金属を含むものであり、例えば、焼却施設等の燃焼排ガス中に含まれる煤塵や、焼却施設の炉底から焼却残渣として得られる焼却灰等を挙げることができる。特に、煤塵は、鉛等の重金属の含有率が高いため、本発明の処理対象物として好適である。
なお、煤塵の具体例としては、焼却炉から発生する焼却飛灰や、焼却灰溶融炉から発生する溶融飛灰や、セメント製造工程から抽気される塩素バイパスダストや、エコセメント製造におけるバグフィルターダスト等を挙げることができる。
[前処理工程]
本発明の方法においては、予め、カルシウム及び重金属含有物を水洗し、当該カルシウム及び重金属含有物に含まれている水溶性塩素分等を除去することが望ましい。
ここで、本発明で処理の対象となるカルシウム及び重金属含有物は、カルシウム、及び鉛、銅、亜鉛等の重金属を含むものであり、例えば、焼却施設等の燃焼排ガス中に含まれる煤塵や、焼却施設の炉底から焼却残渣として得られる焼却灰等を挙げることができる。特に、煤塵は、鉛等の重金属の含有率が高いため、本発明の処理対象物として好適である。
なお、煤塵の具体例としては、焼却炉から発生する焼却飛灰や、焼却灰溶融炉から発生する溶融飛灰や、セメント製造工程から抽気される塩素バイパスダストや、エコセメント製造におけるバグフィルターダスト等を挙げることができる。
カルシウム及び重金属含有物の水洗処理は、例えば、カルシウム及び重金属含有物と水を固液比(スラリー1リットル中のカルシウム及び重金属含有物の質量)で600g/リットル以下になるように混合してスラリーとした後、このスラリーを濾過して、固形分(カルシウム及び重金属含有物からなる脱水ケーキ)と、液分(カルシウム及び重金属含有物に含まれていた塩化物が溶出した水)を得ることによって行なうことができる。
この際、本発明の方法における回収対象物である鉛、銅及び亜鉛の液中への溶出を抑制し、水溶性の塩素分、ナトリウム、カリウム等の成分のみを液中に溶出させるには、スラリーのpHを8.5〜13.0、好ましくは9.0〜12.0に調整することが望ましい。
濾別して得られた固形分(脱水ケーキ)を、固形分100重量部当たり50重量部以上の量の水で洗浄することは、当該固形分に残留する塩素分の量を低減させることができるので、好ましい。
固形分(脱水ケーキ)は、粉砕された後、次工程の硫酸処理工程(A)に送られる。
この際、本発明の方法における回収対象物である鉛、銅及び亜鉛の液中への溶出を抑制し、水溶性の塩素分、ナトリウム、カリウム等の成分のみを液中に溶出させるには、スラリーのpHを8.5〜13.0、好ましくは9.0〜12.0に調整することが望ましい。
濾別して得られた固形分(脱水ケーキ)を、固形分100重量部当たり50重量部以上の量の水で洗浄することは、当該固形分に残留する塩素分の量を低減させることができるので、好ましい。
固形分(脱水ケーキ)は、粉砕された後、次工程の硫酸処理工程(A)に送られる。
一方、濾別して得られた液分に、硫酸第一鉄等の第一鉄化合物を添加すると、液中に含まれる微量のクロムやセレンが還元され、これら還元されたクロム及びセレンが、水酸化鉄と共に沈澱する。この沈澱物を含む液分を濾過等によって固液分離することによって、クロム及びセレンが除去された液分を得ることができる。なお、第一鉄化合物と共に高分子凝集剤を添加すれば、沈澱が凝集し、固液分離の際の濾過性を高めることができる。
クロム及びセレンが除去された液分は、COD(化学的酸素要求量)が高い場合には、次亜塩素酸ソーダ等を添加して、CODを低減した後に系外に排出すればよい。
クロム及びセレンが除去された液分は、COD(化学的酸素要求量)が高い場合には、次亜塩素酸ソーダ等を添加して、CODを低減した後に系外に排出すればよい。
[(A)硫酸処理工程]
本工程は、上述の前処理工程で水溶性塩素分等を除去したカルシウム及び重金属含有物(脱水ケーキの粉砕物)と、水とを混合して、スラリーとし、このスラリーに硫酸を添加した後、濾過等によって固液分離して、硫酸鉛及び硫酸カルシウムを含む固形分と、溶出成分である銅及び亜鉛を含む液分とを得る工程である。
なお、カルシウム及び重金属含有物と水を混合した後に硫酸を混合する方法の代わりに、カルシウム及び重金属含有物と希硫酸を混合する方法や、カルシウム及び重金属含有物と希硫酸を混合した後に更に硫酸を加えてpHを調整する方法等を採用しても差し支えない。
カルシウム及び重金属含有物に含まれる銅化合物及び亜鉛化合物は、硫酸によって分解し、銅イオン及び亜鉛イオンとなって、液中に溶出する。
一方、カルシウム及び重金属含有物に含まれるカルシウム化合物及び鉛化合物は、その大部分が不溶性の硫酸塩(すなわち、硫酸カルシウム及び硫酸鉛)を生成し、固形分として残る。
本工程は、上述の前処理工程で水溶性塩素分等を除去したカルシウム及び重金属含有物(脱水ケーキの粉砕物)と、水とを混合して、スラリーとし、このスラリーに硫酸を添加した後、濾過等によって固液分離して、硫酸鉛及び硫酸カルシウムを含む固形分と、溶出成分である銅及び亜鉛を含む液分とを得る工程である。
なお、カルシウム及び重金属含有物と水を混合した後に硫酸を混合する方法の代わりに、カルシウム及び重金属含有物と希硫酸を混合する方法や、カルシウム及び重金属含有物と希硫酸を混合した後に更に硫酸を加えてpHを調整する方法等を採用しても差し支えない。
カルシウム及び重金属含有物に含まれる銅化合物及び亜鉛化合物は、硫酸によって分解し、銅イオン及び亜鉛イオンとなって、液中に溶出する。
一方、カルシウム及び重金属含有物に含まれるカルシウム化合物及び鉛化合物は、その大部分が不溶性の硫酸塩(すなわち、硫酸カルシウム及び硫酸鉛)を生成し、固形分として残る。
なお、硫酸の代わりに塩酸を用いた場合には、カルシウム及び重金属含有物に含まれているカルシウムが液中に溶出してしまい、固形分中にカルシウムを残存させることができなくなる。
カルシウム及び重金属含有物と水を混合する際の固液比は、好ましくは400g/リットル以下である。該固液比が400g/リットルを超えると、ダストに含まれる銅及び亜鉛の液中への溶出が不十分になるおそれがあり、好ましくない。
スラリーに硫酸を添加する際、スラリーのpHは、4.0以下になるように調整することが好ましい。該pHが4.0を超えると、カルシウム及び重金属含有物に含まれる銅及び亜鉛の液中への溶出が不十分になるおそれがあり、また、硫酸鉛等の固形分を形成するために必要な硫酸イオンが十分に供給されず、鉛やカルシウムの回収率が低くなるおそれがあるので、好ましくない。
カルシウム及び重金属含有物と水を混合する際の固液比は、好ましくは400g/リットル以下である。該固液比が400g/リットルを超えると、ダストに含まれる銅及び亜鉛の液中への溶出が不十分になるおそれがあり、好ましくない。
スラリーに硫酸を添加する際、スラリーのpHは、4.0以下になるように調整することが好ましい。該pHが4.0を超えると、カルシウム及び重金属含有物に含まれる銅及び亜鉛の液中への溶出が不十分になるおそれがあり、また、硫酸鉛等の固形分を形成するために必要な硫酸イオンが十分に供給されず、鉛やカルシウムの回収率が低くなるおそれがあるので、好ましくない。
[(B)カルシウム回収工程]
本工程は、硫酸処理工程(A)で得られた固形分と、水と、アルカリ化剤とを混合して、アルカリ性のスラリーを得た後、該スラリーを固液分離して、水酸化カルシウムを含む固形分と、溶出成分である鉛を含む液分とを得る工程である。
本工程において、固形分に含まれる硫酸鉛は、アルカリ化剤によって分解して、液中に鉛イオン等として溶出する。また、固形分に含まれる硫酸カルシウム(石膏)は、アルカリ化剤によって、固形分である水酸化カルシウムに変化する。
硫酸処理工程(A)で得られた固形分と、水を混合する際の固液比は、好ましくは200g/リットル以下、より好ましくは100g/リットル以下である。該固液比が200g/リットルを超えると、カルシウム及び重金属含有物に含まれる鉛の液中への溶出が不十分になるおそれがあり、好ましくない。
アルカリ化剤としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等を挙げることができる。
なお、固形分と水とアルカリ化剤とを混合する方法としては、例えば、固形分と水とを混合した後に、固体の形態のアルカリ化剤を添加する方法や、固形分と、アルカリ化剤を含む水溶液を混合する方法等を挙げることができる。
本工程は、硫酸処理工程(A)で得られた固形分と、水と、アルカリ化剤とを混合して、アルカリ性のスラリーを得た後、該スラリーを固液分離して、水酸化カルシウムを含む固形分と、溶出成分である鉛を含む液分とを得る工程である。
本工程において、固形分に含まれる硫酸鉛は、アルカリ化剤によって分解して、液中に鉛イオン等として溶出する。また、固形分に含まれる硫酸カルシウム(石膏)は、アルカリ化剤によって、固形分である水酸化カルシウムに変化する。
硫酸処理工程(A)で得られた固形分と、水を混合する際の固液比は、好ましくは200g/リットル以下、より好ましくは100g/リットル以下である。該固液比が200g/リットルを超えると、カルシウム及び重金属含有物に含まれる鉛の液中への溶出が不十分になるおそれがあり、好ましくない。
アルカリ化剤としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等を挙げることができる。
なお、固形分と水とアルカリ化剤とを混合する方法としては、例えば、固形分と水とを混合した後に、固体の形態のアルカリ化剤を添加する方法や、固形分と、アルカリ化剤を含む水溶液を混合する方法等を挙げることができる。
アルカリ化剤を添加したスラリーのpHは、好ましくは、13.5以上になるように調整される。該pHが13.5未満では、固形分中の硫酸鉛が分解して液中に溶出する割合が小さくなり、かつ、固形分中の硫酸カルシウムが水酸化カルシウムに変化する割合が小さくなるので、カルシウムと鉛の分離が不十分になるとともに、目的とする水酸化カルシウムを十分に得ることができなくなる。
なお、固形分中の硫酸鉛は、スラリーのpHが12.5である場合、液中への溶出率が20%程度に留まり、スラリーのpHが13.5の場合、液中への溶出率が70%程度以上になる。
なお、固形分中の硫酸鉛は、スラリーのpHが12.5である場合、液中への溶出率が20%程度に留まり、スラリーのpHが13.5の場合、液中への溶出率が70%程度以上になる。
次に、アルカリ性のスラリーを濾過等によって固液分離すると、水酸化カルシウムからなる固形分と、溶出成分である鉛を含む液分とを得ることができる。
このうち、固形分は、銅、亜鉛及び鉛をほとんど含まない水酸化カルシウムからなるものである。水酸化カルシウムは、硫酸カルシウム(石膏)と異なり、硫酸根を含まないので、セメント原料として好適に用いることができる。
一方、鉛を含む液分は、鉛及び亜鉛回収工程(D)に送られ、処理される。
このうち、固形分は、銅、亜鉛及び鉛をほとんど含まない水酸化カルシウムからなるものである。水酸化カルシウムは、硫酸カルシウム(石膏)と異なり、硫酸根を含まないので、セメント原料として好適に用いることができる。
一方、鉛を含む液分は、鉛及び亜鉛回収工程(D)に送られ、処理される。
[(C)銅回収工程]
本工程は、硫酸処理工程(A)で得られた液分に、銅よりもイオン化傾向の大きな金属である亜鉛(置換金属)を添加して、銅からなる固形分と、亜鉛を含む液分とを得る工程である。
亜鉛は、銅よりもイオン化傾向の大きな金属であるため、液中に溶解している銅を析出させることができ、かつ、後述の鉛及び亜鉛の共沈領域(例えば、pH9.0〜12.0)において沈澱物を形成し得るものである。
亜鉛は、鉄よりもイオン化傾向が大きく、かつ、後工程である鉛及び亜鉛回収工程において、カルシウム及び重金属含有物に由来する亜鉛と共に回収することができるので、好ましく用いられる。
置換金属の形態の一例として、例えば、金属粉末を挙げることができる。置換金属として金属粉末を用いることによって、置換金属の液中への溶解と、該溶解と同時に起きる液中の銅イオンの析出を迅速に進行させることができる。
また、置換金属の形態の他の例として、液中に浸漬される平板状の金属板(亜鉛板)を挙げることができる。この場合、平板状の金属板の表面から、当該金属板を構成する金属(置換金属である亜鉛)が液中に溶出するとともに、液中の銅イオンが平板状の金属板の表面に銅(固体)として析出する。銅が析出した後、平板状の金属板を液中から引き上げれば、銅イオンが除去された液分を得ることができる。
本工程は、硫酸処理工程(A)で得られた液分に、銅よりもイオン化傾向の大きな金属である亜鉛(置換金属)を添加して、銅からなる固形分と、亜鉛を含む液分とを得る工程である。
亜鉛は、銅よりもイオン化傾向の大きな金属であるため、液中に溶解している銅を析出させることができ、かつ、後述の鉛及び亜鉛の共沈領域(例えば、pH9.0〜12.0)において沈澱物を形成し得るものである。
亜鉛は、鉄よりもイオン化傾向が大きく、かつ、後工程である鉛及び亜鉛回収工程において、カルシウム及び重金属含有物に由来する亜鉛と共に回収することができるので、好ましく用いられる。
置換金属の形態の一例として、例えば、金属粉末を挙げることができる。置換金属として金属粉末を用いることによって、置換金属の液中への溶解と、該溶解と同時に起きる液中の銅イオンの析出を迅速に進行させることができる。
また、置換金属の形態の他の例として、液中に浸漬される平板状の金属板(亜鉛板)を挙げることができる。この場合、平板状の金属板の表面から、当該金属板を構成する金属(置換金属である亜鉛)が液中に溶出するとともに、液中の銅イオンが平板状の金属板の表面に銅(固体)として析出する。銅が析出した後、平板状の金属板を液中から引き上げれば、銅イオンが除去された液分を得ることができる。
[(D)鉛及び亜鉛回収工程]
本工程は、カルシウム回収工程(B)で得られた液分(すなわち、鉛イオンを含む液分)と、銅回収工程(C)で得られた液分(すなわち、亜鉛イオンと硫酸イオンを含む液分)とを混合した後、得られた混合液のpHを鉛及び亜鉛の共沈領域に調整し、その後、この混合液を濾過等によって固液分離して、硫酸鉛及び水酸化亜鉛を含む固形分と、鉛等の重金属が除去された液分とを得る工程である。
工程(B)で得られた液分と、工程(C)で得られた液分の混合液のpHは、工程(B)の液分と工程(C)の液分の混合比率を調整するなどの方法によって、好ましくは9.0〜12.0、より好ましくは9.5〜11.5に調整される。該pHが9.0未満では、液中の亜鉛イオン(Zn2+)、鉄イオン(Fe2+)、鉛イオン(Pb2+)、銅イオン(Cu2+)の残存濃度が高くなるので、好ましくない。該pHが12.0を超えると、液中の亜鉛イオン(Zn2+)及び鉛イオン(Pb2+)の残存濃度が高くなるので、好ましくない。
本工程は、カルシウム回収工程(B)で得られた液分(すなわち、鉛イオンを含む液分)と、銅回収工程(C)で得られた液分(すなわち、亜鉛イオンと硫酸イオンを含む液分)とを混合した後、得られた混合液のpHを鉛及び亜鉛の共沈領域に調整し、その後、この混合液を濾過等によって固液分離して、硫酸鉛及び水酸化亜鉛を含む固形分と、鉛等の重金属が除去された液分とを得る工程である。
工程(B)で得られた液分と、工程(C)で得られた液分の混合液のpHは、工程(B)の液分と工程(C)の液分の混合比率を調整するなどの方法によって、好ましくは9.0〜12.0、より好ましくは9.5〜11.5に調整される。該pHが9.0未満では、液中の亜鉛イオン(Zn2+)、鉄イオン(Fe2+)、鉛イオン(Pb2+)、銅イオン(Cu2+)の残存濃度が高くなるので、好ましくない。該pHが12.0を超えると、液中の亜鉛イオン(Zn2+)及び鉛イオン(Pb2+)の残存濃度が高くなるので、好ましくない。
工程(B)の液分と工程(C)の液分の混合液中に、工程(C)で回収されずに液中に残った銅イオンが含まれている場合には、この銅イオンは、鉛及び亜鉛の共沈領域(pH9.0〜12.0)と重複するpH領域において、水酸化銅として沈澱する。
さらに、混合液中にセレンが存在する場合、セレンは、鉛及び亜鉛の共沈領域(pH9.0〜12.0)と重複するpH領域において、水酸化亜鉛等と共に沈澱する。
このように、本工程では、水硫化ソーダ等の薬剤を用いることなく、pHの調整によって、混合液中の亜鉛、鉛等の重金属を効率良く同時に回収することができる。
本工程で固液分離して得られた液分は、亜鉛、鉛等の重金属を含まないので、硫酸処理工程の前工程であるダストの水洗処理工程における洗浄水として、繰り返し循環させて用いることができる。
さらに、混合液中にセレンが存在する場合、セレンは、鉛及び亜鉛の共沈領域(pH9.0〜12.0)と重複するpH領域において、水酸化亜鉛等と共に沈澱する。
このように、本工程では、水硫化ソーダ等の薬剤を用いることなく、pHの調整によって、混合液中の亜鉛、鉛等の重金属を効率良く同時に回収することができる。
本工程で固液分離して得られた液分は、亜鉛、鉛等の重金属を含まないので、硫酸処理工程の前工程であるダストの水洗処理工程における洗浄水として、繰り返し循環させて用いることができる。
以下、実施例に基づいて本発明を説明する。
[実施例1]
処理対象物である溶融飛灰100重量部と、水250重量部を混合してスラリーを得た後、このスラリーに硫酸を添加して、スラリーのpHを3.2に調整した。その後、スラリーを濾過して、硫酸鉛及び硫酸カルシウムを含む固形分と、銅及び亜鉛を含む液分を得た。
このうち、硫酸鉛及び硫酸カルシウムを含む固形分については、該固形分100重量部当たり150重量部の水を加えて、スラリーとした後、該スラリーに水酸化ナトリウムを添加して、スラリーのpHを13.6に調整した。次いで、このスラリーを濾過して、水酸化カルシウムからなる固形分と、鉛を含む液分を得た。
[実施例1]
処理対象物である溶融飛灰100重量部と、水250重量部を混合してスラリーを得た後、このスラリーに硫酸を添加して、スラリーのpHを3.2に調整した。その後、スラリーを濾過して、硫酸鉛及び硫酸カルシウムを含む固形分と、銅及び亜鉛を含む液分を得た。
このうち、硫酸鉛及び硫酸カルシウムを含む固形分については、該固形分100重量部当たり150重量部の水を加えて、スラリーとした後、該スラリーに水酸化ナトリウムを添加して、スラリーのpHを13.6に調整した。次いで、このスラリーを濾過して、水酸化カルシウムからなる固形分と、鉛を含む液分を得た。
一方、銅及び亜鉛を含む液分については、液中の銅イオンの1.0倍当量の亜鉛の粉末を添加して、撹拌し、亜鉛の粉末を液中に溶出させ、かつ、銅を析出させた後、濾過して、銅からなる固形分と、亜鉛を含む液分を得た。
次に、この亜鉛を含む液分と、上述の鉛を含む液分とを混合して、pHが10.5である混合液を得た。この混合液を濾過して、硫酸鉛及び水酸化亜鉛を含む固形分と、液分を得た。
次に、この亜鉛を含む液分と、上述の鉛を含む液分とを混合して、pHが10.5である混合液を得た。この混合液を濾過して、硫酸鉛及び水酸化亜鉛を含む固形分と、液分を得た。
Claims (4)
- (A)カルシウム及び重金属含有物と水とを硫酸の存在下で混合してスラリーとした後、該スラリーを固液分離して、鉛及びカルシウムを含む固形分と、上記カルシウム及び重金属含有物から溶出した銅及び亜鉛を含む液分とを得る硫酸処理工程と、
(B)上記硫酸処理工程(A)で得られた固形分と、水と、アルカリ化剤とを混合して、アルカリ性のスラリーを得た後、該スラリーを固液分離して、カルシウムを含む固形分と、鉛を含む液分とを得るカルシウム回収工程と、
(C)上記硫酸処理工程(A)で得られた液分に亜鉛を添加して、銅からなる固形分と、亜鉛を含む液分とを得る銅回収工程と、
(D)上記カルシウム回収工程(B)で得られた液分と、上記銅回収工程(C)で得られた液分とを混合した後、得られた混合液のpHを鉛及び亜鉛の共沈領域に調整し、その後、該混合液を固液分離して、鉛及び亜鉛を含む固形分と、液分とを得る鉛及び亜鉛回収工程と
を含むことを特徴とするカルシウム及び重金属含有物の処理方法。 - (A)カルシウム及び重金属含有物と水とを硫酸の存在下で混合して、pHが4.0以下であるスラリーとした後、該スラリーを固液分離して、鉛及びカルシウムを含む固形分と、上記カルシウム及び重金属含有物から溶出した銅及び亜鉛を含む液分とを得る硫酸処理工程と、
(B)上記硫酸処理工程(A)で得られた固形分と、水と、アルカリ化剤とを混合して、pHが13.5以上であるスラリーを得た後、該スラリーを固液分離して、カルシウムを含む固形分と、鉛を含む液分とを得るカルシウム回収工程と、
(C)上記硫酸処理工程(A)で得られた液分に亜鉛を添加して、銅からなる固形分と、亜鉛を含む液分とを得る銅回収工程と、
(D)上記カルシウム回収工程(B)で得られた液分と、上記銅回収工程(C)で得られた液分とを混合した後、得られた混合液のpHを9.0〜12.0に調整し、その後、該混合液を固液分離して、鉛及び亜鉛を含む固形分と、液分とを得る鉛及び亜鉛回収工程と
を含むことを特徴とするカルシウム及び重金属含有物の処理方法。 - 上記銅回収工程(C)において、上記亜鉛の添加量が、液中の銅イオンの0.8〜1.1倍当量である請求項1又は2に記載のカルシウム及び重金属含有物の処理方法。
- 上記硫酸処理工程(A)の前に、上記カルシウム及び重金属含有物と水とを混合した後に固液分離し、水溶性塩素分を除去した固形分であるカルシウム及び重金属含有物を得る水洗工程を含む請求項1〜3のいずれか1項に記載のカルシウム及び重金属含有物の処理方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004378464A JP2005177757A (ja) | 2004-12-28 | 2004-12-28 | カルシウム及び重金属含有物の処理方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004378464A JP2005177757A (ja) | 2004-12-28 | 2004-12-28 | カルシウム及び重金属含有物の処理方法 |
Related Parent Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002128218A Division JP2003321716A (ja) | 2002-04-30 | 2002-04-30 | カルシウム及び重金属含有物の処理方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2005177757A true JP2005177757A (ja) | 2005-07-07 |
Family
ID=34792688
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2004378464A Pending JP2005177757A (ja) | 2004-12-28 | 2004-12-28 | カルシウム及び重金属含有物の処理方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2005177757A (ja) |
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008169424A (ja) * | 2007-01-11 | 2008-07-24 | Taiheiyo Cement Corp | 亜鉛を含む重金属類を含有する物質の処理方法 |
JP2009127118A (ja) * | 2007-11-28 | 2009-06-11 | Taiheiyo Cement Corp | 重金属含有粉末の処理方法 |
JP2009202077A (ja) * | 2008-02-27 | 2009-09-10 | Taiheiyo Cement Corp | ダストの水洗方法 |
US8864904B2 (en) * | 2011-04-21 | 2014-10-21 | Holcim Technology Ltd | Method for processing and utilizing bypass dusts obtained during the production of cement |
CN109665495A (zh) * | 2018-12-05 | 2019-04-23 | 北京建筑材料科学研究总院有限公司 | 一种水洗飞灰高盐废水与旁路灰的联合资源化利用方法 |
CN112030003A (zh) * | 2020-03-27 | 2020-12-04 | 昆明理工大学 | 一种同时脱除湿法炼锌废电解液中多种杂质离子的方法 |
-
2004
- 2004-12-28 JP JP2004378464A patent/JP2005177757A/ja active Pending
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008169424A (ja) * | 2007-01-11 | 2008-07-24 | Taiheiyo Cement Corp | 亜鉛を含む重金属類を含有する物質の処理方法 |
JP2009127118A (ja) * | 2007-11-28 | 2009-06-11 | Taiheiyo Cement Corp | 重金属含有粉末の処理方法 |
JP2009202077A (ja) * | 2008-02-27 | 2009-09-10 | Taiheiyo Cement Corp | ダストの水洗方法 |
US8864904B2 (en) * | 2011-04-21 | 2014-10-21 | Holcim Technology Ltd | Method for processing and utilizing bypass dusts obtained during the production of cement |
CN109665495A (zh) * | 2018-12-05 | 2019-04-23 | 北京建筑材料科学研究总院有限公司 | 一种水洗飞灰高盐废水与旁路灰的联合资源化利用方法 |
CN112030003A (zh) * | 2020-03-27 | 2020-12-04 | 昆明理工大学 | 一种同时脱除湿法炼锌废电解液中多种杂质离子的方法 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
KR101783364B1 (ko) | 염소 함유 폐기물의 시멘트 원료화 처리 방법 및 처리 장치 | |
JP3625270B2 (ja) | 廃棄物の処理方法 | |
JP2003001218A (ja) | 塩素分および鉛分の含有量が高い廃棄物の処理方法 | |
JP2006015190A (ja) | 飛灰の処理方法 | |
JP2009179841A (ja) | 溶融飛灰等の処理方法 | |
JP2007268398A (ja) | 焼却灰の処理方法及び処理設備 | |
JP2001348627A (ja) | 飛灰からの重金属回収方法 | |
JP2004035937A (ja) | 水溶液からの塩化物の回収方法 | |
JP2009202077A (ja) | ダストの水洗方法 | |
JP3646245B2 (ja) | 重金属含有飛灰の処理方法 | |
JP2002018394A (ja) | 廃棄物の処理方法 | |
JP2005177757A (ja) | カルシウム及び重金属含有物の処理方法 | |
JP3802046B1 (ja) | 重金属含有粉末の処理方法 | |
JP3568569B2 (ja) | 焼却灰または飛灰の無害化処理による重金属のリサイクル方法 | |
JP2003236503A (ja) | 鉛分を含む廃棄物の処理方法 | |
JP2002011429A (ja) | 廃棄物中の重金属処理方法 | |
JP3851206B2 (ja) | 飛灰の処理方法 | |
JP3794260B2 (ja) | 廃棄物の処理方法 | |
JP4231935B2 (ja) | 飛灰の有効利用方法 | |
JP2003321716A (ja) | カルシウム及び重金属含有物の処理方法 | |
JP3733452B2 (ja) | 廃棄物の処理方法 | |
JP2972524B2 (ja) | 焼却灰からの鉛及び亜鉛の分別回収方法 | |
JPH06170354A (ja) | 焼却炉および溶融炉からの飛灰の処理方法 | |
JP4026167B2 (ja) | 廃棄物脱水ケーキの処理方法 | |
JP3524601B2 (ja) | 焼却炉および溶融炉からの飛灰の処理方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20071026 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20071106 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20080304 |