JP2005172022A - トロイダル型無段変速機 - Google Patents
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Abstract
【課題】 パワーローラと両ディスク間に予圧を付与する皿ばねおよびこの皿ばねを受ける入力軸あるいはその他の部位の摩耗や傷付きを防止することで、これら部品の耐用性を向上させ、ひいてはトロイダル型無段変速機の安定な作動を確保する。
【解決手段】 互いの内側面同士を対向させた状態で互いに同心的に且つ回転自在に支持された入力側ディスク2および出力側ディスク3と、これらの入力側ディスク2および出力側ディスク3間に挟持された複数のパワーローラ11と、入力側ディスク2および出力側ディスク3の内側面2a,3aに対して複数のパワーローラ11の外周面11aを押し付ける皿ばね8Aとを設けた。皿ばね8Aの内周面および/または外周面には、外部と当接する角部に円弧面40を形成し、皿ばね8Aと外部との接触部に応力集中が起こりにくいようにした。
【選択図】 図2
【解決手段】 互いの内側面同士を対向させた状態で互いに同心的に且つ回転自在に支持された入力側ディスク2および出力側ディスク3と、これらの入力側ディスク2および出力側ディスク3間に挟持された複数のパワーローラ11と、入力側ディスク2および出力側ディスク3の内側面2a,3aに対して複数のパワーローラ11の外周面11aを押し付ける皿ばね8Aとを設けた。皿ばね8Aの内周面および/または外周面には、外部と当接する角部に円弧面40を形成し、皿ばね8Aと外部との接触部に応力集中が起こりにくいようにした。
【選択図】 図2
Description
本発明は、例えば自動車や各種産業機械などの変速機として用いるトロイダル型無段変速機に関する。
例えば自動車用変速機として用いるダブルキャビティ式トロイダル型無段変速機は、図7および図8に示すように構成されている。
図7に示すように、ケーシング50の内側には入力軸(中心軸)1が回転自在に支持されており、この入力軸1の外周には、2つの入力側ディスク2,2と2つの出力側ディスク3,3とが取り付けられている。また、入力軸1の中間部の外周には出力歯車4が回転自在に支持されている。この出力歯車4の中心部に設けられた円筒状のフランジ部4a,4aには、出力側ディスク3,3がスプライン結合によって連結されている。
図7に示すように、ケーシング50の内側には入力軸(中心軸)1が回転自在に支持されており、この入力軸1の外周には、2つの入力側ディスク2,2と2つの出力側ディスク3,3とが取り付けられている。また、入力軸1の中間部の外周には出力歯車4が回転自在に支持されている。この出力歯車4の中心部に設けられた円筒状のフランジ部4a,4aには、出力側ディスク3,3がスプライン結合によって連結されている。
入力軸1は、図中左側に位置する入力側ディスク2とカム板7との間に設けられたローディングカム式の押圧装置12を介して、駆動軸22により回転駆動されるようになっている。また、出力歯車4は、2つの部材の結合によって構成された仕切壁13を介してケーシング50内に支持されており、これにより、入力軸1の軸線Oを中心に回転できる一方で、軸線O方向の変位が阻止されている。
出力側ディスク3,3は、入力軸1との間に介在されたニードル軸受5,5によって、入力軸1の軸線Oを中心に回転自在に支持されている。
また、図中左側の入力側ディスク2は、入力軸1にボールスプライン6を介して支持され、図中右側の入力側ディスク2は、入力軸1にスプライン結合されており、これら入力側ディスク2は入力軸1と共に回転するようになっている。また、入力側ディスク2,2の内側面(凹面)2a,2aと出力側ディスク3,3の内側面(凹面)3a,3aとの間には、パワーローラ11(図8参照)が回転自在に挟持されている。
また、図中左側の入力側ディスク2は、入力軸1にボールスプライン6を介して支持され、図中右側の入力側ディスク2は、入力軸1にスプライン結合されており、これら入力側ディスク2は入力軸1と共に回転するようになっている。また、入力側ディスク2,2の内側面(凹面)2a,2aと出力側ディスク3,3の内側面(凹面)3a,3aとの間には、パワーローラ11(図8参照)が回転自在に挟持されている。
図7中右側に位置する入力側ディスク2の内周面2cには、段差部2bが設けられ、この段差部2bに、入力軸1の外周面1aに設けられた段差部1bが突き当てられるとともに、入力側ディスク2の背面(図7の右面)がローディングナット9に突き当てられている。これによって、入力側ディスク2の入力軸1に対する軸線O方向の変位が実質的に阻止されている。また、カム板7と入力軸1の鍔部1dとの間には、皿ばね8が設けられており、この皿ばね8は、各ディスク2,2,3,3の凹面2a,2a,3a,3aとパワーローラ11,11の周面11a,11aとの当接部に押圧力(予圧)を付与する。
皿ばね8は、カム板7に対しては、図9に示すように、スラストニードル軸受10を介して接しており、一方、入力軸1の鍔部1dには、その内側角部に直接接している。入力軸1と鍔部1dの交差する部分は、特に高トルクを伝達する際に応力が集中するので、その隅部に丸みを持たせる加工がなされた部分であるいわゆる隅アール部1eとなっている。
図8は、図7のA−A線に沿う断面図である。図8に示すように、ケーシング50の内側には、入力軸1に対し捻れの位置にある一対の枢軸14,14を中心として揺動する一対のトラニオン15,15が設けられている。なお、図8においては、入力軸1の図示は省略している。
各トラニオン15,15は、支持板部16の長手方向(図8の上下方向)の両端部に、この支持板部16の内側面側に折れ曲がる状態で形成された一対の折れ曲がり壁部20,20を有している。そして、この折れ曲がり壁部20,20によって、各トラニオン15,15には、パワーローラ11を収容するための凹状のポケット部Pが形成される。また、各折れ曲がり壁部20,20の外側面には、各枢軸14,14が互いに同心的に設けられている。
各トラニオン15,15は、支持板部16の長手方向(図8の上下方向)の両端部に、この支持板部16の内側面側に折れ曲がる状態で形成された一対の折れ曲がり壁部20,20を有している。そして、この折れ曲がり壁部20,20によって、各トラニオン15,15には、パワーローラ11を収容するための凹状のポケット部Pが形成される。また、各折れ曲がり壁部20,20の外側面には、各枢軸14,14が互いに同心的に設けられている。
支持板部16の中央部には円孔21が形成され、この円孔21には変位軸23の基端部23aが支持されている。そして、各枢軸14,14を中心として各トラニオン15,15を揺動させることにより、これら各トラニオン15,15の中央部に支持された変位軸23の傾斜角度を調節できるようになっている。また、各トラニオン15,15の内側面から突出する変位軸23の先端部23bの周囲には、各パワーローラ11が回転自在に支持されており、各パワーローラ11,11は、各入力側ディスク2,2および各出力側ディスク3,3の間に挟持されている。なお、各変位軸23,23の基端部23aと先端部23bとは、互いに偏心している。
また、各トラニオン15,15の枢軸14,14はそれぞれ、一対のヨーク23A,23Bに対して揺動自在および軸方向(図7の裏表方向、図8の上下方向)に変位自在に支持されており、各ヨーク23A,23Bにより、トラニオン15,15はその水平方向の移動を規制されている。
各ヨーク23A,23Bは鋼等の金属のプレス加工あるいは鍛造加工により矩形状に形成されている。各ヨーク23A,23Bの四隅には円形の支持孔18が4つ設けられており、これら支持孔18にはそれぞれ、トラニオン15の両端部に設けた枢軸14がラジアルニードル軸受30を介して揺動自在に支持されている。
また、ヨーク23A,23Bの幅方向(図8の左右方向)の中央部には、円形の係止孔19が設けられており、この係止孔19の内周面は球状凹面として、球面ポスト64,68を内嵌している。すなわち、上側のヨーク23Aは、ケーシング50に固定部材52を介して支持されている球面ポスト64によって揺動自在に支持されており、下側のヨーク23Aは、球面ポスト68およびこれを支持するシリンダ31の上側バルブボディ61によって揺動自在に支持されている。
また、ヨーク23A,23Bの幅方向(図8の左右方向)の中央部には、円形の係止孔19が設けられており、この係止孔19の内周面は球状凹面として、球面ポスト64,68を内嵌している。すなわち、上側のヨーク23Aは、ケーシング50に固定部材52を介して支持されている球面ポスト64によって揺動自在に支持されており、下側のヨーク23Aは、球面ポスト68およびこれを支持するシリンダ31の上側バルブボディ61によって揺動自在に支持されている。
なお、各トラニオン15,15に設けられた各変位軸23,23は、入力軸1に対し、互いに180度反対側の位置に設けられている。また、これらの各変位軸23,23の先端部23bが基端部23aに対して偏心している方向は、両ディスク2,2,4,4の回転方向に対して同方向(図8で上下逆方向)となっている。また、偏心方向は、入力軸1の配設方向に対して略直交する方向となっている。したがって、各パワーローラ11,11は、入力軸1の長手方向に若干変位できるように支持される。その結果、押圧装置12が発生するスラスト荷重に基づく各構成部材の弾性変形等に起因して、各パワーローラ11,11が入力軸1の軸方向に変位する傾向となった場合でも、各構成部材に無理な力が加わらず、この変位が吸収される。
また、パワーローラ11の外側面とトラニオン15の支持板部16の内側面との間には、パワーローラ11の外側面の側から順に、スラスト転がり軸受であるスラスト玉軸受24と、スラストニードル軸受25とが設けられている。このうち、スラスト玉軸受24は、各パワーローラ11に加わるスラスト方向の荷重を支承しつつ、これら各パワーローラ11の回転を許容するものである。このようなスラスト玉軸受24はそれぞれ、複数個ずつの玉26,26と、これら各玉26,26を転動自在に保持する円環状の保持器27と、円環状の外輪28とから構成されている。また、各スラスト玉軸受24の内輪軌道は各パワーローラ11の外側面に、外輪軌道は各外輪28の内側面にそれぞれ形成されている。
また、スラストニードル軸受25は、トラニオン15の支持板部16の内側面と外輪28の外側面との間に挟持されている。このようなスラストニードル軸受25は、パワーローラ11から各外輪28に加わるスラスト荷重を支承しつつ、これらパワーローラ11および外輪28が各変位軸23の基端部23aを中心として揺動することを許容する。
さらに、各トラニオン15,15の一端部(図8の下端部)にはそれぞれ駆動ロッド(トラニオン軸)29,29が設けられており、各駆動ロッド29,29の中間部外周面に駆動ピストン(油圧ピストン)33,33が固設されている。そして、これら各駆動ピストン33,33はそれぞれ、上側バルブボディ61と下側バルブボディ62とによって構成された駆動シリンダ31内に油密に嵌装されている。これら各駆動ピストン33,33と駆動シリンダ31とで、各トラニオン15,15を、これらトラニオン15,15の枢軸14,14の軸方向に変位させる駆動装置32を構成している。
このように構成されたトロイダル型無段変速機の場合、入力軸1の回転は、押圧装置12を介して、各入力側ディスク2,2に伝えられる。そして、これら入力側ディスク2,2の回転が、一対のパワーローラ11,11を介して各出力側ディスク3,3に伝えられ、更にこれら各出力側ディスク3,3の回転が、出力歯車4より取り出される。
入力軸1と出力歯車4との間の回転速度比を変える場合には、一対の駆動ピストン33,33を互いに逆方向に変位させる。これら各駆動ピストン33,33の変位に伴って、一対のトラニオン15,15が互いに逆方向に変位する。例えば、図8の左側のパワーローラ11が同図の下側に、同図の右側のパワーローラ11が同図の上側にそれぞれ変位する。その結果、これら各パワーローラ11,11の周面11a,11aと各入力側ディスク2,2および各出力側ディスク3,3の内側面2a,2a,3a,3aとの当接部に作用する接線方向の力の向きが変化する。そして、この力の向きの変化に伴って、各トラニオン15,15が、ヨーク23A,23Bに枢支された枢軸14,14を中心として、互いに逆方向に揺動する。
その結果、各パワーローラ11,11の周面11a,11aと各内側面2a,3aとの当接位置が変化し、入力軸1と出力歯車4との間の回転速度比が変化する。また、これら入力軸1と出力歯車4との間で伝達するトルクが変動し、各構成部材の弾性変形量が変化すると、各パワーローラ11,11およびこれら各パワーローラ11,11に付属の外輪28,28が、各変位軸23,23の基端部23a、23aを中心として僅かに回動する。これら各外輪28,28の外側面と各トラニオン15,15を構成する支持板部16の内側面との間には、それぞれスラストニードル軸受25,25が存在するため、前記回動は円滑に行われる。したがって、前述のように各変位軸23,23の傾斜角度を変化させるための力が小さくて済む。
上記のような構成のトロイダル型無段変速機においては、構成部材間の相対移動に伴う摺動部分の円滑な動作を確保する必要があり、また、そのような摺動部分において異物が生成するとパワーローラ11,11と両ディスク2,3の接触面(トラクション面)において噛み込みによる圧痕や表面剥離を生じて、寿命を低下させる。そのため、これらの部分に潤滑油を供給するほか、種々の工夫がなされている。例えば、特許文献1には、パワーローラ11,11と両ディスク2,3間に予圧を付与する皿ばねを受ける表面を熱処理して硬化させることが記載されている。
上記のような構成のトロイダル型無段変速機においては、伝達トルクの変化に伴って、皿ばねに負荷される荷重も変化し、皿ばねも伸縮を繰り返す。この時皿ばねには、数トンもの押付力が負荷されるので、皿ばね自体、およびこれを受ける入力軸の鍔部やスラストニードル軸受の表面に摩耗や傷が発生しやすい。皿ばねが摩耗すると、皿ばねの推力が低下し、特に低トルク時に適切な押し付け力を発生させることができなくなる。一方、入力軸側の鍔部の傷付きや摩耗は入力軸の強度低下の原因となる。
また、入力軸の外径と鍔面との隅アール部と接触している皿ばねの内径角部は、面取りや曲面形成の加工を施していないため、皿ばね角部が摩耗しやすく、入力軸の隅アール部への傷付きも発生しやすい。入力軸が摩耗すれば、強度が低下し、破損に至る虞れもある。さらに、皿ばね、入力軸が摩耗したことで発生する異物がトラクション面に付着した場合、ディスクおよびパワーローラ表面に圧痕、剥離などが発生しやすく、寿命低下にもつながる。
そこで、この発明は、パワーローラと両ディスク間に予圧を付与する皿ばねおよびこの皿ばねを受ける入力軸あるいはその他の部位の摩耗や傷付きを防止することで、これら部品の耐用性を向上させ、ひいてはトロイダル型無段変速機の安定な作動を確保することを目的とする。
前記目的を達成するために、請求項1に記載のトロイダル型無段変速機は、互いの内側面同士を対向させた状態で互いに同心的に且つ回転自在に支持された入力側ディスクおよび出力側ディスクと、これらの入力側ディスクおよび出力側ディスク間に挟持された複数のパワーローラと、前記入力側ディスクおよび出力側ディスクの内側面に対して前記複数のパワーローラの外周面を押し付ける皿ばねとを備えるトロイダル型無段変速機において、前記皿ばねの内周面および/または外周面には、外部と当接する角部に円弧面が形成されていることを特徴とする。
請求項2に記載のトロイダル型無段変速機は、請求項1に記載の発明において、前記角部は、軸体に形成された鍔部に当接し、前記円弧面の曲率は前記鍔部の付け根に形成された隅アール部の曲率半径より大きく設定されていることを特徴とする。
請求項1に記載の発明によれば、皿ばねの端面の角部に円弧面が形成されているので、装置の運転の際に両者が互いに摺動しても、これらの接触部に応力集中が起こりにくい。したがって、皿ばねの角部自体、およびこれに接触するばね受け部材のいずれも、摩擦による摩耗や傷付きが防止される。したがって、入力側ディスクおよび出力側ディスクの内側面に対してパワーローラの外周面を押し付けるという皿ばねの作用が安定に保たれ、また、皿ばねを受ける側の入力軸等の摩耗や傷も防止され、トロイダル型無段変速機の効率的かつ安定な運転が維持される。また、摩耗による異物の発生を防止できるので、異物が入力側ディスクおよび出力側ディスクの内側面やパワーローラの外周面に付着してこれらを傷付けることも防止され、これら部品の寿命の長期化と装置の安定な稼働とを図ることができる。
請求項2に記載の発明によれば、円弧面の曲率が、鍔部の付け根に形成された隅アール部の曲率半径より大きく設定されているので、隅アール部に皿ばねの円弧面が接触することが防止される。したがって、動力伝達時において応力が集中しやすい隅アール部が摩擦によって摩耗したり傷付いたりすることが防止され、寿命の長期化を図ることができる。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。
図1は、この発明の実施の形態のトロイダル型無段変速機を示すものである。この実施の形態の基本的な構成および機能は、先に説明した図7乃至図8と、図7中右側に位置する入力側ディスク2の内周面2cの段差部2b、入力軸(軸体)1の外周面1aに設けられた段差部1bが無い以外は同様であるので、各構成要素に同一の符号を付してその説明を省略する。
図1は、この発明の実施の形態のトロイダル型無段変速機を示すものである。この実施の形態の基本的な構成および機能は、先に説明した図7乃至図8と、図7中右側に位置する入力側ディスク2の内周面2cの段差部2b、入力軸(軸体)1の外周面1aに設けられた段差部1bが無い以外は同様であるので、各構成要素に同一の符号を付してその説明を省略する。
図2は、この発明の要部である皿ばね8Aおよびそれを収容する部分の構造を示すもので、入力軸1の鍔部1dの付け根部分には、従来と同様に凹円弧面状の隅アール部1eが形成されている。一方、皿ばね8Aは、周知の通り、中央に孔が形成され、内周面と外周面の位置が軸方向に少しずれた傘状の環状部材である。この実施の形態では、2枚を同じ向きに重ね、その大径側を突き合わせることにより、4枚が組み合わせられて用いられている。各皿ばね8Aの内周面の小径側および外周面の大径側の角部には、円弧面40が形成されている(図においては、内径側のみが示されている。)。円弧面40の形成方法は、皿ばね8Aを製造する際に塑性加工しても、製造後に面取り加工してもよい。
この実施の形態においては、皿ばね8Aの円弧面40の曲率半径(R2)は、鍔部1dの付け根部分の隅アール部1eの曲率半径(R1)よりも大きく設定されている(R2>R1)。したがって、皿ばね8Aは隅アール部1eではなく、必ず鍔部1dの平坦面に接触する(図2)。これにより、応力集中が起こりやすい隅アール部1eが、皿ばね8Aの接触、および装置の運転に伴う摩擦によって損傷することが防止され、入力軸1の破損等の事故を減少させることができる。
なお、この実施の形態では、4つの皿ばね8Aの全てに、内周面の小径側および外周面の大径側の角部に円弧面40を形成したが、外部と当接する角部に、すなわち、軸方向両端の皿ばね8Aの内周面の小径側の角部にのみ円弧面40を形成すれば、当接部における応力集中の緩和という目的を達成することができる。
また、皿ばね8Aの円弧面40の曲率半径(R2)を、隅アール部1e側の曲率半径(R1)の2倍以上とすると、接触点が2点となり、さらに摩耗防止に効果がある。寸法の例としては以下のような値が推奨される。
R2:1mm〜2mm
R1:0.5mm〜1mm
これは、皿ばねの厚みはその機能上2mm〜4mm程度となっている場合が多いので、その約1/2を曲率半径としたものである。
また、皿ばね8Aの円弧面40の曲率半径(R2)を、隅アール部1e側の曲率半径(R1)の2倍以上とすると、接触点が2点となり、さらに摩耗防止に効果がある。寸法の例としては以下のような値が推奨される。
R2:1mm〜2mm
R1:0.5mm〜1mm
これは、皿ばねの厚みはその機能上2mm〜4mm程度となっている場合が多いので、その約1/2を曲率半径としたものである。
図3は、この発明の他の実施の形態を示すもので、円弧面40の曲率半径(R2)が隅アール部1eの曲率半径(R1)よりも小さく設定されている(R1>R2)。この場合、皿ばね8Aの内径(D1)と入力軸の外径(D2)の差が隅アール部1eの曲率半径(R1)の2倍よりも小さい、すなわち、
(D1−D2)/2<R1
であるときは、皿ばね8Aの内端部は隅アール部1eに接触する。この場合でも、皿ばね8Aの内端部には円弧面40が形成されているので、接触部における応力集中が防止され、双方における摩耗、剥離等の発生が防止、または軽減される。
(D1−D2)/2<R1
であるときは、皿ばね8Aの内端部は隅アール部1eに接触する。この場合でも、皿ばね8Aの内端部には円弧面40が形成されているので、接触部における応力集中が防止され、双方における摩耗、剥離等の発生が防止、または軽減される。
図4(a)および図4(b)は、この発明の他の実施の形態を示すものである。先の実施の形態においては、皿ばね8Aの端部を成形することによって滑らかな曲面を形成したが、この実施の形態では、皿ばね8Bの端部(縁部)を曲げ加工することによって円弧面40を形成している。図4(a)は、円弧面40の曲率半径(R2)が隅アール部1eの曲率半径(R1)よりも大きく設定されている(R2>R1)場合であり、図2に対応する。図4(b)は、円弧面40の曲率半径(R2)が隅アール部1eの曲率半径(R1)よりも小さく設定されている(R1>R2)場合であり、図3に対応する。これらの実施の形態においても、先の実施の形態と同様の作用・効果を奏することは言うまでもない。
図5および図6は、この発明の他の実施の形態を示すものである。先の実施の形態においては、皿ばね8A、8Bは、いずれも入力側ディスク2,2および出力側ディスク3,3に対してローディングカム式の押圧装置12と同じ側に、入力軸1に形成された鍔部1dに接するように設けられていた。一方、この実施の形態では、皿ばね8Cは入力側ディスク2,2および出力側ディスク3,3に対して押圧装置12とは反対側に、かつ入力軸1に固定したローディングナット9に接するように取り付けられている。この実施の形態では、円弧面40の曲率半径(R2)はローディングナット9の付け根部の隅アール部1eの曲率半径(R1)よりも小さく設定されている(R1>R2)が、逆の場合(R2>R1)であってもよい。この実施の形態においても、先の実施の形態と同様の作用・効果を奏することは言うまでもない。
なお、この発明は、機械式の押圧装置に設けた皿ばねに用いたが、油圧式の押圧装置のシリンダ内に設けた皿ばねについても、同様に用いることができる。
また、この発明は、ハーフトロイダル型無段変速機において説明したが、フルトロイダル型無段変速機にも同様に用いることができる。
また、この発明は、ハーフトロイダル型無段変速機において説明したが、フルトロイダル型無段変速機にも同様に用いることができる。
1 入力軸(軸体)
1d 鍔部
1e 隅アール部
2 入力側ディスク
2a 内側面
3 出力側ディスク
3a 内側面
8A,8B,8C 皿ばね
11 パワーローラ
11a 外周面
14 枢軸
15 トラニオン
40 円弧面
R1 隅アール部の曲率半径
R2 円弧面の曲率半径
1d 鍔部
1e 隅アール部
2 入力側ディスク
2a 内側面
3 出力側ディスク
3a 内側面
8A,8B,8C 皿ばね
11 パワーローラ
11a 外周面
14 枢軸
15 トラニオン
40 円弧面
R1 隅アール部の曲率半径
R2 円弧面の曲率半径
Claims (2)
- 互いの内側面同士を対向させた状態で互いに同心的に且つ回転自在に支持された入力側ディスクおよび出力側ディスクと、これらの入力側ディスクおよび出力側ディスク間に挟持された複数のパワーローラと、前記入力側ディスクおよび出力側ディスクの内側面に対して前記複数のパワーローラの外周面を押し付ける皿ばねとを備えるトロイダル型無段変速機において、
前記皿ばねの内周面および/または外周面には、外部と当接する角部に円弧面が形成されていることを特徴とするトロイダル型無段変速機。 - 前記角部は、軸体に形成された鍔部に当接し、前記円弧面の曲率は前記鍔部の付け根に形成された隅アール部の曲率半径より大きく設定されていることを特徴とする請求項1に記載のトロイダル型無段変速機。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2011144778A (ja) * | 2010-01-18 | 2011-07-28 | Denso Corp | 高圧ポンプ |
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