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JP2005171024A - 白色導電性プライマー塗料 - Google Patents

白色導電性プライマー塗料 Download PDF

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JP2005171024A
JP2005171024A JP2003410646A JP2003410646A JP2005171024A JP 2005171024 A JP2005171024 A JP 2005171024A JP 2003410646 A JP2003410646 A JP 2003410646A JP 2003410646 A JP2003410646 A JP 2003410646A JP 2005171024 A JP2005171024 A JP 2005171024A
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titanium dioxide
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white
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JP2003410646A
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Hiroyuki Onoyama
裕之 小野山
Yoshizumi Matsuno
吉純 松野
Yasuyuki Kataoka
泰之 片岡
Shuichi Nakahara
周一 中原
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Kansai Paint Co Ltd
Original Assignee
Kansai Paint Co Ltd
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Abstract

【課題】プラスチック基材に、上塗り塗料を静電塗装するために十分な導電性を有し、しかも高明度の塗膜を形成できる白色導電性プライマー塗料を提供すること。
【解決手段】(a)特定塩素化率の塩素化ポリオレフィン樹脂を含む樹脂成分、(b)酸化錫、アンチモンドープ酸化錫等の導電性金属酸化物被覆マイカ顔料、並びに(c)二酸化チタン粒子表面に、酸化錫及びリンを含む導電層を有し、原子価3以下の金属元素含有量が、下記(A)として0.1以下である白色導電性二酸化チタン粉末を含有する白色導電性プライマー塗料、(A)=(M1)×(4−n1)+…+(MX)×(4−nX)(ここで、M1、…、MXは当該粉末中のSnに対する原子価3以下の金属元素の各原子比、n1、…、nXは該金属元素の各価数で、MX、nXのXは前記金属元素の数で1以上の自然数。)。
【選択図】なし。

Description

本発明は、白色導電性プライマー塗料に関する。
従来、自動車用バンパー等のプラスチック基材の塗装は、エアースプレー、エアレススプレーなどの吹き付け塗装によって行われていたが、省エネルギーや有害物の環境への排出を少なくするため、塗着効率の優れた静電塗装が多く採用されるようになってきた。
プラスチック基材は一般に電気抵抗値が高いため(通常1012〜1016Ω/□程度)、静電塗装によってプラスチック表面に塗料を直接塗装することは極めて困難である。そのため、通常は、プラスチック基材自体又はその表面に、表面電気抵抗値が109Ω/□未満となるように導電性を付与した後、静電塗装が行われている。
例えば、プラスチック基材に塗料を静電塗装するにあたり、該基材に導電性を付与するべく、事前に導電性プライマー塗料が塗装される。この導電性プライマー塗料としては、通常、樹脂成分と導電性フィラーを含有する塗料が使用されている。
従来、上記導電性フィラーとしては、導電カーボン、金属、導電性金属酸化物などの粒子が利用されている。また、導電性フィラーの粒子形状としては、通常、粉末状、針状、繊維状又は球状のものが使用されている。
しかし、上記従来の導電性フィラーを用いた場合は、一般的に、プライマー塗膜が低明度になり、高明度の上塗り塗膜の白色度や淡彩色の色調を損なうという問題点があった。
上記問題点を解決し得る導電性フィラーとして、二酸化チタン粒子表面に、リンをドープした酸化錫を用いて形成した、リンを0.1〜10重量%含む酸化錫の被覆層を有する白色導電性二酸化チタン粉末を、塗料に使用できることが公知である(特許文献1参照)。
しかし、上記白色導電性二酸化チタン粉末は、二酸化チタン粒子表面上に良好な導電性を有する層を形成し難いという問題があった。そのため、この粉末を導電性フィラーとして添加した白色導電性プライマー塗料を塗装して得られた塗膜は、安定した導電性が得られず、該塗膜の静電塗装適性が十分ではなかった。また、該塗膜の導電性を向上させるため、該二酸化チタン粉末のプライマー塗料への添加量を増加すると塗料中での分散性が不十分となって、塗膜の仕上がり性が低下するという問題があった。
また、二酸化チタン、酸化アルミニウム、二酸化ケイ素、酸化亜鉛、硫酸バリウム、酸化ジルコニウム、チタン酸アルカリ金属塩、白雲母等の白色無機顔料粒子表面を、下層が二酸化錫層、上層が二酸化錫を含む酸化インジウム層の二重の導電層で被覆した白色導電性粉末と樹脂とを含む白色導電性樹脂組成物が公知である(特許文献2参照)。しかし、かかる白色導電性粉末を用いた樹脂組成物では、その塗膜上に、有機溶剤系上塗り塗料をウェットオンウェットで塗装した場合、上塗り塗膜から浸透してくる有機溶剤により、プライマー塗膜が膨潤して、導電経路が切断されて静電塗装ができなくなることがあるという問題があった。
特許第3357107号公報 特開平7−14430号公報
本発明の目的は、プラスチック基材に、その塗膜上に上塗り塗料を静電塗装するために十分な導電性を有し、しかも高明度の塗膜を形成できる白色導電性プライマー塗料を提供することにある。
本発明者は、前記特許文献2の白色導電性二酸化チタン粉末において、二酸化チタン粒子表面上に良好な導電性を有する層を形成し難い原因を種々検討した結果、原料の二酸化チタン粒子に不純物として含まれる原子価3以下の金属元素が、導電層であるリン含有酸化錫被覆層形成時の焼成により該被覆層に拡散して導電性を低下させること、又導電層中に元々不純物として含まれる原子価3以下の金属元素も、導電性を低下させることを見出した。
本発明者は、上記知見を踏まえた上で、プラスチック基材に十分な導電性を有し、且つ高明度の塗膜を形成できる白色導電性プライマー塗料を開発すべく、鋭意研究した。その結果、特定の塩素化ポリオレフィン樹脂に、特定の導電性金属酸化物でマイカの表面を被覆した顔料と、不純物としての原子価3以下の金属元素が特定量以下である白色導電性二酸化チタン粉末とを、導電性フィラーとして、特定割合で配合したプライマー塗料によれば、プラスチック基材に、十分な導電性を安定して付与できることにより、その塗膜上に塗着効率が高く環境への負荷が少ない静電塗装が可能であり、しかもその塗膜は高明度即ち高白色度であることを見出した。
本発明者は、かかる新知見に基づいて、更に種々検討を重ねた結果、本発明を完成するに至った。
本発明は、以下の白色導電性プライマー塗料及びそれを用いた複層塗膜形成方法に係るものである。
1.(a)塩素化率が10〜35重量%である塩素化ポリオレフィン樹脂を含む樹脂成分100重量部、並びに
(b)酸化錫、アンチモンドープ酸化錫(ATO)、錫ドープ酸化インジウム(ITO)、フッ素ドープ酸化錫(FTO)、リンドープ酸化錫、アンチモン酸亜鉛、インジウムドープ酸化亜鉛、酸化ルテニウム、酸化レニウム、酸化銀、酸化ニッケル及び酸化銅からなる群より選ばれる少なくとも1種の導電性金属酸化物でマイカの表面を被覆した顔料1〜150重量部、並びに
(c)二酸化チタン粒子表面に、酸化錫及びリンを含む導電層を有し、且つ不純物としての原子価3以下の金属元素の含有量が、下記式(1)で求められる(A)として0.1以下である白色導電性二酸化チタン粉末1〜150重量部を含有することを特徴とする白色導電性プライマー塗料、
式(1):(A)=(M1)×(4−n1)+(M2)×(4−n2)+(M3)×(4−n3)+(M4)×(4−n4)+…+(MX)×(4−nX
(ここで、M1、M2、M3、M4、…、MXは、白色導電性二酸化チタン粉末中の酸化錫のSnに対する原子価3以下の金属元素のそれぞれの原子比であり、n1、n2、n3、n4、…、nXは、M1、M2、M3、M4、…、MXの原子比を有する金属元素のそれぞれの価数を示し、MX、nXのXは、白色導電性二酸化チタン粉末に含まれる前記金属元素の数を示し、1以上の自然数をとり得る。)。
2.白色導電性二酸化チタン粉末(c)において導電層を形成する酸化錫の被覆量が、二酸化チタンの表面積1m2当り、SnO2として0.03〜0.3gの範囲である上記項1に記載の白色導電性プライマー塗料。
3.白色導電性二酸化チタン粉末(c)において導電層に含まれるリンの含有量が、酸化錫に対して、P/Sn原子比で0.10〜0.50の割合である上記項1に記載の白色導電性プライマー塗料。
4.白色導電性二酸化チタン粉末(c)において二酸化チタンに含まれる不純物としての原子価3以下の金属元素の含有量が、下記式(2)で求められる(B)として0.02以下である上記項1に記載の白色導電性プライマー塗料、
式(2):(B)=(M´1)×(4−n´1)+(M´2)×(4−n´2)+(M´3)×(4−n´3)+(M´4)×(4−n´4)+…+(M´Y)×(4−n´Y
(ここで、M´1、M´2、M´3、M´4、…、M´Yは、二酸化チタンのTiに対する原子価3以下の金属元素のそれぞれの原子比であり、n´1、n´2、n´3、n´4、…、n´Yは、M´1、M´2、M´3、M´4、…、M´Yの原子比を有する金属元素のそれぞれの価数を示し、M´Y、n´YのYは、二酸化チタンに含まれる前記金属元素の数を示し、1以上の自然数をとり得る)。
5.さらに、(d)白色顔料200重量部以下を含有する上記項1〜4のいずれか1項に記載の白色導電性プライマー塗料。
6.プラスチック基材に塗装し、乾燥又は硬化して得られる塗膜が、JIS Z 8729に規定されるL***表色系に基づく明度(L*値)として80以上の塗膜である上記項1〜5のいずれか1項に記載の白色導電性プライマー塗料。
7.プラスチック基材に塗装し、乾燥又は硬化して得られる塗膜の表面電気抵抗値が、109Ω/□未満である上記項1〜6のいずれか1項に記載の白色導電性プライマー塗料。
8.(1)プラスチック基材に、上記項1に記載の白色導電性プライマー塗料を乾燥膜厚が10〜45μm程度となるように塗装し、セッティング又は予備加熱する工程、
(2)着色ベース塗料を乾燥膜厚が5〜30μm程度となるように静電塗装する工程、
(3)クリヤ塗料を乾燥膜厚が10〜40μm程度となるように静電塗装する工程、次いで
(4)上記プライマー塗料、着色ベース塗料及びクリヤ塗料からなる3層塗膜を同時に加熱して焼付ける3コート1ベークによる複層塗膜形成方法。
9.(1)プラスチック基材に、上記項1に記載の白色導電性プライマー塗料を乾燥膜厚が10〜45μm程度となるように塗装し、加熱硬化する工程、
(2)着色ベース塗料を乾燥膜厚が5〜30μm程度となるように静電塗装する工程、
(3)クリヤ塗料を乾燥膜厚が10〜40μm程度となるように静電塗装する工程、次いで
(4)上記着色ベース塗料及びクリヤ塗料からなる2層塗膜を同時に加熱して焼付ける3コート2ベークによる複層塗膜形成方法。
本発明の白色導電性プライマー塗料によれば、以下の如き格別な効果が得られる。
(1)導電性フィラーとして、特定の導電性金属酸化物でマイカの表面を被覆した顔料(以下、「導電性金属酸化物被覆マイカ顔料」と言うことがある。)(b)及び二酸化チタン粒子表面に安定した導電層を有している白色導電性二酸化チタン粉末(c)を、それぞれ特定量含有する本発明白色導電性プライマー塗料によれば、表面電気抵抗値が109Ω/□未満である塗膜を、容易に形成することができる。
従って、該塗膜上に、例えば、着色塗料又は/及びクリヤ塗料等の上塗り塗料の静電塗装が可能となり、省エネルギーや有害物の環境への排出の低減を達成することができる。
(2)導電性フィラーとして、導電性金属酸化物被覆マイカ顔料(b)と白色導電性二酸化チタン粉末(c)とを併用したことにより、該粉末(c)のプライマー塗料への配合量を減少させても、白色導電性プライマー塗膜の導電経路を確保できる。従って、該粉末(c)の配合量を減少させることによって、プライマー塗料中での導電性フィラー全体の分散性を向上せしめることができ、これにより塗膜の仕上がり性の低下を防止できる。
(3)また、該プライマー塗膜上に、有機溶剤系上塗り塗料をウェットオンウェットで塗装した場合に、上塗り塗膜から浸透してくる有機溶剤により、プライマー塗膜が膨潤したとしても、該粉末(c)の粒子間に、導電性金属酸化物粒子でマイカの表面を被覆した顔料(b)が入り込んで、導電経路が確保できることから、塗膜の導電性が安定している。
(4)更に、本発明白色導電性プライマー塗料は、導電性金属酸化物被覆マイカ顔料(b)及び白色導電性二酸化チタン粉末(c)を含有していることにより、高明度の塗膜、例えば、JIS Z 8729に規定されるL***表色系に基づく明度(L*値)として80以上という白色度が高い塗膜を形成できる。従って、該プライマー塗料の塗膜上に、着色塗料又は/及びクリヤ塗料等の上塗り塗料を静電塗装して得られる上塗り塗膜を明るい色調にすることができる。
白色導電性プライマー塗料
本発明の白色導電性プライマー塗料は、プラスチック基材に、直接塗装するために好適な塗料であり、高い導電性と高い明度を有する塗膜を形成することができるものである。
従って、該プライマー塗料の塗膜上に、上塗り塗料を静電塗装によって好適に塗装でき、又その上塗り塗膜を明るい色調にすることができる。
本発明の白色導電性プライマー塗料は、(a)塩素化率が10〜35重量%である塩素化ポリオレフィン樹脂を含む樹脂成分、(b)酸化錫、アンチモンドープ酸化錫(ATO)、錫ドープ酸化インジウム(ITO)、フッ素ドープ酸化錫(FTO)、リンドープ酸化錫、アンチモン酸亜鉛、インジウムドープ酸化亜鉛、酸化ルテニウム、酸化レニウム、酸化銀、酸化ニッケル及び酸化銅からなる群より選ばれる少なくとも1種の導電性金属酸化物粒子でマイカの表面を被覆した顔料、並びに(c)二酸化チタン粒子表面に、酸化錫及びリンを含む導電層を有し、不純物としての原子価3以下の金属元素の含有量が、前記式(1)で求められる(A)として0.1以下である白色導電性二酸化チタン粉末を、それぞれ特定量含有する水性塗料又は有機溶剤系塗料である。
塩素化ポリオレフィン樹脂を含む樹脂成分(a)
白色導電性プライマー塗料の樹脂成分としては、塩素化ポリオレフィン樹脂又は該樹脂と改質樹脂とを併用した樹脂成分を用いる。即ち、該樹脂成分としては、塗膜の付着性の向上の観点から、塩素化ポリオレフィン樹脂を用いることが必要であるが、塩素化ポリオレフィン樹脂に、塗膜の柔軟性や剛直性を調整したり、造膜性を改良したりするための改質樹脂を併用することもできる。
塩素化ポリオレフィン樹脂は、ポリオレフィンの塩素化物であって、基体となるポリオレフィンとしては、例えば、エチレン、プロピレン、ブテン、メチルブテン、イソプレン等から選ばれる少なくとも1種のオレフィン類のラジカル単独重合体又は共重合体、及び該オレフィン類と酢酸ビニル、ブタジエン、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステルなどとのラジカル共重合体が挙げられる。塩素化ポリオレフィンは、一般に、30,000〜200,000程度、特に50,000〜150,000程度の範囲内の重量平均分子量を有することができ、また、塩素化率は、10〜35重量%程度の範囲内である。
塩素化率が10〜35重量%程度の範囲内であれば、溶剤への溶解性が低下しないのでスプレー塗装時の微粒化が十分であり、又塗膜の耐溶剤性が低下することもない。
塩素化ポリオレフィン樹脂としては、特に、塩素化ポリエチレン、塩素化ポリプロピレン、塩素化エチレン−プロピレン共重合体、塩素化エチレン−酢酸ビニル共重合体などが好適である。また、塩素化ポリオレフィンに重合性モノマーをグラフト重合させたものも使用することができる。
上記グラフト重合させる重合性モノマーとして、例えば、(メタ)アクリル酸アルキルエステル、(メタ)アクリル酸アルコキシアルキルエステル、グリシジル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレートとモノカルボン酸との付加物、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、アクリル酸、メタクリル酸などが挙げられる。これらの重合性モノマーの使用量は、ゲル化を起こさない範囲であれば、特に制限されないが、通常、塩素化ポリオレフィンに対して10〜80重量%程度であるのが好ましく、30〜60重量%程度であるのがより好ましい。
また、本発明プライマー塗料が水性塗料である場合には、塩素化ポリオレフィン樹脂に水分散性を付与するために、塩素化ポリオレフィンに、重合性不飽和ジカルボン酸又はその無水物のような親水性モノマーの少なくとも1種を既知の方法によりグラフト重合させることもできる。
重合性不飽和ジカルボン酸又はその無水物は、1分子中に1個の重合性不飽和結合と2個以上のカルボキシル基、又はその無水基を有する化合物であり、例えば、マレイン酸及びその無水物、イタコン酸及びその無水物、シトラコン酸及びその無水物などが挙げられる。これらの親水性モノマーの使用量は、塩素化ポリオレフィンに対して10〜90重量%程度であるのが好ましく、30〜80重量%程度であるのがより好ましい。
塩素化ポリオレフィン樹脂への上記モノマーのグラフト重合は、それ自体既知の方法により行うことができる。重合性不飽和ジカルボン酸又はその無水物を上記使用量で用いて得られる変性塩素化ポリオレフィンは、通常、ケン化価が10〜60mgKOH/g程度、特に20〜50mgKOH/g程度の範囲内となる。
上記の如くして重合性不飽和ジカルボン酸又はその無水物がグラフト重合された塩素化ポリオレフィン樹脂は、水溶化又は水分散化のために、その分子中に含まれるカルボキシル基の一部又は全部をアミン化合物で中和することが好ましい。
アミン化合物としては、例えば、トリエチルアミン、トリブチルアミン、ジメチルエタノールアミン、トリエタノールアミンなどの3級アミン;ジメチルアミン、ジブチルアミン、ジエタノールアミンなどの1級アミンなどが挙げられる。水溶化又は水分散化のために、これらのアミン化合物と共に界面活性剤を併用することも可能である。
白色導電性プライマー塗料の樹脂成分において、塩素化ポリオレフィン樹脂に、塗膜の柔軟性や剛直性を調整したり、造膜性を改良したりするための改質樹脂を併用することができる。かかる改質樹脂としては、例えば、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂等を使用することができる。改質樹脂を併用する場合の使用割合は、通常、塩素化ポリオレフィン100重量部に対して、10〜50重量部程度とするのが適当である。
上記改質樹脂であるアクリル樹脂としては、水酸基含有アクリル樹脂を好適に使用することができる。また、本発明プライマー塗料が水性塗料である場合には、水への溶解性乃至分散性、架橋性等のために、該アクリル樹脂が水酸基と共にカルボキシル基を有することが好ましい。
水酸基含有アクリル樹脂は、水酸基含有単量体、(メタ)アクリル酸アルキルエステル系単量体及び必要に応じてその他の単量体を、既知の重合方法、例えば溶液重合法等により、重合することにより得ることができる。
水酸基含有単量体は、水酸基及び重合性不飽和基を有する化合物であり、例えば、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸と炭素数2〜10のアルキレングリコールとのモノエステル化物等を挙げることができる。
(メタ)アクリル酸アルキルエステル系単量体としては、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メチ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸−2−エチルヘキシル、(メチ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸ステアリル等の(メタ)アクリル酸と炭素数1〜20のモノアルコールとのモノエステル化物等を挙げることができる。
その他の単量体としては、水酸基含有単量体及び(メタ)アクリル酸アルキルエステル系単量体以外の、重合性不飽和結合を有する化合物であり、例えば、(メタ)アクリル酸、マレイン酸等のカルボキシル基含有単量体;(メタ)アクリル酸グリシジル等のエポキシ基含有単量体;(メタ)アクリルアミド、アクリロニトリル、スチレン、酢酸ビニル、塩化ビニル等を挙げることができる。
水酸基含有アクリル樹脂は、通常、水酸基価が10〜100mgKOH/g程度、好ましくは50〜90mgKOH/g程度であり、酸価が10〜100mgKOH/g程度、好ましくは30〜60mgKOH/g程度であり、又数平均分子量が2,000〜100,000程度、好ましくは3,000〜50,000程度であるのが適当である。
改質樹脂であるポリエステル樹脂は、通常、多塩基酸と多価アルコールとのエステル化反応によって得ることができる。多塩基酸は1分子中に2個以上のカルボキシル基を有する化合物(無水物を含む)であり、また、多価アルコールは1分子中に2個以上の水酸基を有する化合物であって、それぞれ通常のものを使用することができる。さらに、一塩基酸、高級脂肪酸、油成分などで変性することもできる。
ポリエステル樹脂は水酸基を有することができ、その導入は、2価アルコールと共に3価以上のアルコールを併用することによって行うことができる。また、ポリエステル樹脂には、水酸基と共にカルボキシル基を併有していてもよく、一般に、1,000〜100,000程度、好ましくは1,500〜70,000程度の範囲内の重量平均分子量を有していることが好ましい。
改質樹脂であるポリウレタン樹脂としては、ポリヒドロキシ化合物、ポリイソシアネート化合物、及び1分子中に1個の活性水素を有する化合物を反応させて得られる、1分子中に1個の末端イソシアネート基を有するものを、好適に使用することができる。該ポリウレタン樹脂の数平均分子量は、一般に、400〜10,000程度、好ましくは1,000〜4,000程度の範囲内であることが好ましい。
上記ポリヒドロキシ化合物としては、1分子中に少なくとも2個のアルコール性水酸基を有し、数平均分子量が50〜8,000程度、特に50〜6,000程度の範囲内にあり、且つ水酸基当量が25〜4,000程度、特に25〜3,000程度の範囲内にあるものを、好適に使用することができる。該化合物としては、例えば、多価アルコール、ポリウレタン樹脂の製造に通常用いられる種々のポリエステルポリオール又はポリエーテルポリオール、及びこれらの混合物などが挙げられる。
ポリイソシアネート化合物は、1分子中にイソシアネート基を2個以上好ましくは2個又は3個有する化合物である。該化合物としては、例えば、脂肪族系ポリイソシアネート化合物、脂環式系ポリイソシアネート化合物、芳香族系ポリイソシアネート化合物等のポリウレタン樹脂の製造に通常用いられるものを、好適に使用できる。
1分子中に1個の活性水素を有する化合物は、上記ポリイソシアネート化合物中のイソシアネート基のブロッキングのために使用されるものであり、例えば、メタノール、エタノール、ジエチレングリコールモノブチルエーテル等の1価アルコール;酢酸、プロピオン酸等の1価のカルボン酸;エチルメルカプタン等の1価チオール;ジエチレントリアミン、モノエタノールアミン等の第1級アミン;ジエチルアミン等の第2級アミン;メチルエチルケトキシム等のオキシム等が挙げられる。
改質樹脂であるポリウレタン樹脂としては、本発明プライマー塗料が水性塗料である場合には、水に溶解又は分散し得る親水性ポリウレタン樹脂を、好適に使用することができる。
親水性ポリウレタン樹脂は、例えば、脂肪族及び/又は脂環式ジイソシアネート、数平均分子量が500〜5,000程度のジオール、低分子量ポリヒドロキシル化合物及びジメチロールアルカン酸をワンショット又は多段法により反応させて得られるウレタンプレポリマーを中和後又は中和しながら伸長、乳化することにより得ることができ、特に、製造工程で使用される有機溶剤の一部又は全部を留去してなる平均粒子径が0.001〜1μm程度の自己乳化型ウレタン樹脂の水分散体が好ましい。
ポリウレタン樹脂としては、市販品を使用できる。市販品としては、例えば、「タケラックW610」(武田薬品工業(株)製、商品名)、「ネオレッツR960」(ゼネカレジン(株)製、商品名)、「サンプレンUX−5100A」(三洋化成工業(株)製、商品名)などを使用することもできる。
白色導電性プライマー塗料は、耐水性などの塗膜性能を向上させるために、上記樹脂成分に架橋剤を配合して、熱硬化性塗料として使用することが好ましい。かかる架橋剤としては、未反応のイソシアネート基を有するポリイソシアネート化合物、ポリイソシアネート化合物のイソシアネート基をブロック剤でブロックしたブロック化ポリイソシアネート化合物、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、カルボジイミド樹脂、オキサゾリン化合物等を挙げることができる。
未反応のイソシアネート基を有するポリイソシアネート化合物としては、例えば、トリレンジイソシアネート(TDI)、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、キシリレンジイソシアネート(XDI)、メタキシリレンジイソシアネート(MXDI)などの芳香族ジイソシアネート;ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)などの脂肪族ジイソシアネート;イソホロンジイソシアネート(IPDI)、水添MDIなどの脂環式ジイソシアネート;これらのジイソシアネート化合物を不揮発性化し、毒性を低くした形態の化合物;これらのジイソシアネート化合物のビューレット体、ウレトジオン体、イソシアヌレート体又はアダクト体;比較的低分子のウレタンプレポリマー;などのポリイソシアネート化合物を挙げることができる。
本発明プライマー塗料が水性塗料である場合には、ポリイソシアネート化合物を親水化して用いることが好ましい。ポリイソシアネート化合物の親水性化は、例えば、当該化合物にカルボキシル基、スルホン酸基、第三級アミノ基などの親水性基を導入し、中和剤、例えば、ジメチロールプロピオン酸等のヒドロキシカルボン酸、アンモニア、第三アミンなどで中和することによって、行うことができる。また、例えば、ポリイソシアネート化合物に、界面活性剤を混合乳化させて、いわゆる自己乳化型のポリイソシアネート化合物として使用することもできる。
親水性のポリイソシアネート化合物としては、市販品を使用できる。市販品としては、例えば、「バイヒジュール3100」(商品名、住化バイエルウレタン(株)製、親水性ヘキサメチレンジイソシアヌレート)などが挙げられる。
ブロック化ポリイソシアネート化合物は、上記ポリイソシアネート化合物のイソシアネート基にブロック剤を付加してブロック化して得られるものである。
このようなブロック剤としては、例えば、ε−カプロラクタム、γ−ブチロラクタムなどのラクタム系化合物;メチルエチルケトオキシム、シクロヘキサノンオキシムなどのオキシム系化合物;フェノール、パラ−t−ブチルフェノール、クレゾールなどのフェノール系化合物;n−ブタノール、2−エチルヘキサノールなどの脂肪族アルコール類;フェニルカルビノール、メチルフェニルカルビノールなどの芳香族アルキルアルコール類;エチレングリコールモノブチルエーテルなどのエーテルアルコール系化合物等を挙げることができる。
ポリイソシアネート化合物のブロック化は、該化合物をブロック剤でブロックした後、ブロック化物が一般に疎水性であることから、例えば、適当な乳化剤及び/または保護コロイド化剤を用いて水分散することにより行うことができる。
メラミン樹脂としては、具体的には、メラミンにホルムアルデヒドを反応してなるメチロール化メラミン樹脂;メチロール化メラミン樹脂に炭素数1〜10のモノアルコールを反応させて得られる部分又はフルエーテル化メラミン樹脂などが使用できる。これらのメラミン樹脂はイミノ基が併存しているものも使用できる。これらは疎水性及び親水性のいずれでも差し支えないが、特に、メタノールでエーテル化した縮合度の小さい、数平均分子量3,000以下程度、特に100〜1,500程度の親水性メラミン樹脂が適している。かかる親水性メラミン樹脂としては、市販品を使用できる。市販品としては、例えば「サイメル303」及び「サイメル325」(いずれも、サイテック(株)製、商品名)などがあげられる。
エポキシ樹脂は、1分子中に2個以上のエポキシ基を有する樹脂であり、カルボキシル基を有する、塩素化ポリオレフィン、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂等を架橋硬化させるのに有効である。
エポキシ樹脂としては、具体的には、エポキシ基含有重合性単量体とビニル重合性単量体との共重合体があげられる。エポキシ基含有重合性単量体としては、例えば、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート、メチルグリシジルアクリレート、メチルグリシジルメタクリレートなどがあげられる。ビニル系重合性単量体としては、エポキシ基含有重合性単量体以外であって、例えば、(メタ)アクリル酸アルキルエステル、アクリロニトリル、スチレン、酢酸ビニル、塩化ビニルなどがあげられる。これらの単量体による共重合反応は既知の方法で行なうことができ、得られる重合体のエポキシ当量は20〜2,800程度、特に30〜700程度、数平均分子量は3,000〜100,000程度、特に4,000〜50,000程度の範囲内が好ましい。
さらに、ビスフェノールのグリシジルエーテル化エポキシ樹脂、その水素添加物、脂肪族多価アルコールのグリシジルエーテル化エポキシ樹脂、グリシジルエステル型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂なども架橋剤として使用できる。これらのエポキシ樹脂の分子量は250〜20,000程度、特に300〜5,000程度の範囲内が好ましい。
カルボジイミド樹脂としては、市販品を使用できる。市販品としては、例えば、「カルボジライトE−01」、「カルボジライトE−02」(いずれも、日清紡(株)製、商品名)などを挙げることができる。
オキサゾリン化合物は、カルボキシル基を有する、塩素化ポリオレフィン、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂等を架橋硬化させるのに有効な親水性化合物である。かかる親水性のオキサゾリン化合物としては、市販品の「エポクロスWS−500」(商品名、日本触媒(株)製)等を用いることができる。
これらの架橋剤の配合量は、通常、塩素化ポリオレフィン樹脂を含む樹脂成分(a)の合計固形分100重量部あたり、0〜50重量部程度、特に5〜40重量部程度の範囲内が好適である。
導電性金属酸化物粒子でマイカの表面を被覆した顔料(b)
本発明の白色導電性プライマー塗料は、導電性フィラーとして、白色導電性二酸化チタン粉末(c)と、特定の導電性金属酸化物でマイカの表面を被覆した顔料(b)とを併用することを特徴としている。
導電性金属酸化物を被覆すべきものとして使用するマイカ(雲母)は、塗膜の明度を殆ど低下させず、分散性が良好であるという利点を有している。また、導電性金属酸化物で被覆すべきマイカ(雲母)は、リサイクル性と導電性が向上する点から、鱗片状の形状であるのが好ましい。
導電性金属酸化物としては、酸化錫、アンチモンドープ酸化錫(ATO)、錫ドープ酸化インジウム(ITO)、フッ素ドープ酸化錫(FTO)、リンドープ酸化錫、アンチモン酸亜鉛、インジウムドープ酸化亜鉛、酸化ルテニウム、酸化レニウム、酸化銀、酸化ニッケル及び酸化銅からなる群より選ばれる少なくとも一種を用いる。この中でも特に、コスト面からアンチモンドープ酸化錫(ATO)が好ましい。
導電性金属酸化物粒子でマイカの表面を被覆した顔料(b)の平均粒度は、0.5〜40μm程度であるのが好ましく、1〜20μm程度であるのがより好ましい。
かかる顔料(b)としては、市販品を使用できる。市販品としては、例えば、「ミナテック40CM」(商品名、メルク(株)製、アンチモンドープ酸化錫で表面被覆した鱗片状マイカ)、「MEC500」(商品名、テイカ(株)製、アンチモンドープ酸化錫で表面被覆した鱗片状マイカ)等を挙げることができる。
白色導電性二酸化チタン粉末(c)
白色導電性二酸化チタン粉末(c)は、本発明のプライマー塗料において、導電性フィラーとして、配合されるものであり、二酸化チタン粒子の表面に、リンをドープした酸化錫を用いて形成された、酸化錫およびリンを含む導電層を有し、しかも、当該導電性二酸化チタン粉末中に不純物としての原子価3以下の金属元素が特定量以下のものである。
リンをドープした酸化錫とは、酸化錫を構成する4価の錫イオンの一部が5価のリンイオンによって置換され、固溶したものである。
白色導電性二酸化チタン粉末(c)に含まれる不純物の含有量は、二酸化チタン粒子に含まれる不純物と該粒子表面に被覆された導電層に含まれる不純物との合計量を意味する。二酸化チタン粒子に含まれる不純物は、導電層に拡散して、導電層に元々含まれている不純物と共に、導電性を低下させる。従って、不純物の含有量は、少ないほど良いことになる。
本発明においては、不純物の含有量の指標として、導電層に含まれる酸化錫の錫を基準として、下記の式(1)で求められる(A)として換算した値を使用する。
式(1):(A)=(M1)×(4−n1)+(M2)×(4−n2)+(M3)×(4−n3)+(M4)×(4−n4)+…+(MX)×(4−nX
式(1)において、M1、M2、M3、M4、…、MXは、たとえば、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、亜鉛、アルミニウム、鉄などの原子価3以下の金属元素の、白色導電性二酸化チタン粉末中の酸化錫のSnに対する原子比である。
本発明において、金属元素としては、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、亜鉛、アルミニウムなどの典型金属元素、鉄などの遷移金属元素のほかに、ホウ素、ケイ素、ゲルマニウム、ヒ素、アンチモン、セレン、テルルなどの類金属元素を含むものとする。また、本発明において、原子比とは、基準とする金属原子の数に対する対象の金属原子の数の比である。
式中のM1、M2、M3、M4、…、MXの個数は、白色導電性二酸化チタン粉末に含有される不純物である原子価3以下の金属元素の数に応じ、MXのXは、1以上の自然数をとり得る。
白色導電性二酸化チタン粉末中に、原子価3以下の金属元素が含まれない場合は、MX=0となる。ただし、原子価3以下の不純物金属元素には、後述するカップリング剤などの、焼成後に白色導電性二酸化チタン粉末に処理された有機金属化合物に由来する金属元素を含まない。n1、n2、n3、n4、…、nXは、M1、M2、M3、M4、…、MXの原子比を有する金属元素のそれぞれの価数を示し、nXのXは、MXのXと同じ数値であり、1以上の自然数をとり得る。
例えば、ナトリウム、カリウムなどは原子価1、カルシウム、マグネシウム、亜鉛などは原子価2、アルミニウムなどは原子価3である。鉄は原子価2または3である。酸化錫中の錫の価数4から金属元素の価数nを引いた値を、それぞれの金属元素の含有量に乗じることにより、それぞれの不純物の影響力を算出することができ、その総和(A)を不純物総含有量とする。
上記の不純物総含有量(A)が0.1以下であることが重要であり、好ましくは0.07以下、より好ましくは0.06以下 、さらに好ましくは0.02以下、最も好ましくは0.001以下である。
原子価3以下の金属元素の不純物総含有量が少なくとも前記範囲であれば、導電性フィラーとして、所望の導電性が得られるが、前記範囲より多すぎると、所望の導電性が得られにくくなる。なお、錫、リン、チタンやその他の不純物金属元素の定量分析は蛍光X線分析法により、容易に行うことができ、又金属元素の価数は、XPS(X線光電子分光)、ESR(電子スピン共鳴)などで調べることができる。
二酸化チタン粒子表面への導電層の形成は、後記する通り、二酸化チタン粉末の水性懸濁液に、錫化合物及びリン化合物を加えて付着させた後、焼成することにより行うことができ、これにより形成される導電層は、酸化錫の中にリンが固溶した構造をとる。
導電層を形成する酸化錫の被覆量は適宜設定することができるが、二酸化チタンの表面積1m2当り、SnO2として0.03〜0.3gの範囲が好ましく、この範囲であれば少なくとも良好な導電性が得られる。一方、この範囲より少なすぎると連続した導電層の形成が困難となりやすく、所望の導電性が得られにくく、また、多すぎると二酸化チタン表面以外に析出しやすく経済的ではなく、導電性粉末の白度の低下も起こりやすい。酸化錫の量は0.05〜0.2gの範囲がより好ましい。
なお、二酸化チタンや白色導電性二酸化チタン粉末(c)の比表面積はBET法により求めることができる。
また、導電層中のリンの量は、適宜設定することができるが、酸化錫に対し、P/Sn原子比として0.10〜0.50 の割合が好ましく、この範囲であれば、少なくとも良好な導電性が得られる。一方、この範囲より少なすぎると所望の導電性が得られにくくなり、また多すぎても導電性が低下しやすい。リンの量は0.13〜0.40の割合がより好ましく、0.15〜0.30の割合がさらに好ましい。
酸化錫とリンを含む導電層は、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、亜鉛、アルミニウム、鉄などの原子価3以下の金属元素の含有量が少ないものが好ましい。
白色導電性二酸化チタン粉末(c)において、酸化錫とリンを含む導電層を形成するための二酸化チタンは、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、亜鉛、アルミニウム、鉄などの原子価3以下の金属元素の含有量が少ないものが好ましく、二酸化チタンに含まれる不純物としての原子価3以下の金属元素の含有量が、式(2)で求められる(B)として0.02以下であることが好ましい。
式(2):(B)=(M´1)×(4−n´1)+(M´2)×(4−n´2)+(M´3)×(4−n´3)+(M´4)×(4−n´4)+…+(M´Y)×(4−n´Y)。
式(2)中、M´1、M´2、M´3、M´4、…、M´Yは、たとえば、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、亜鉛、アルミニウム、鉄などの原子価3以下のそれぞれの金属元素の、二酸化チタンのTiに対する原子比である。M´1、M´2、M´3、M´4、…、M´Yは、二酸化チタンに含有する不純物である原子価3以下の金属元素の数に応じ、M´YのYは、1以上の自然数をとり得る。
二酸化チタンに、原子価3以下の金属元素が含まれない場合は、M´Y=0となる。ただし、原子価3以下の不純物金属元素には、後述するカップリング剤などの焼成後に白色導電性二酸化チタン粉末に処理された有機金属化合物に由来する金属元素を含まない。
n´1、n´2、n´3、n´4、…、n´Yは、M´1、M´2、M´3、M´4、…、M´Yの原子比を有する金属元素のそれぞれの価数を示し、n´YのYは、M´YのYと同じ数値であり、1以上の自然数をとり得る。
例えば、ナトリウム、カリウムなどは原子価1、カルシウム、マグネシウム、亜鉛などは原子価2、アルミニウムなどは原子価3である。鉄は原子価2または3である。二酸化チタンの粒子表面に被覆処理される酸化錫中の錫の価数4から金属元素の価数nを引いた値を、それぞれの金属元素の含有量に乗じることにより、それぞれの不純物の影響力を算出することができ、その総和(B)を二酸化チタン中の不純物総含有量とする。
上記の不純物総含有量(B)は、好ましくは0.02以下、より好ましくは0.015以下、更に好ましくは0.006以下である。原子価3以下の金属元素の二酸化チタン中の不純物総含有量が少なくとも前記範囲であれば所望の導電性が得られるが、前記範囲より多すぎると、所望の導電性が得られにくくなる。
また、原子価4以上の金属元素はリンが酸化錫にドープされることにより発生する伝導電子の移動度を低下させるため、二酸化チタンとしては、原子価4以上の金属元素の化合物もできる限り含まないのが好ましい。このような金属元素としては、例えばケイ素、ニオブなどが挙げられる。
より具体的には、二酸化チタンとしては、原子価3以下の金属元素及び原子価4以上の金属元素を含めた全不純物含有量が、無水酸化物換算でTiO2に対して1.5重量%以下、好ましくは1.0重量%以下、より好ましくは0.5重量%以下、さらに好ましくは0.1重量%以下、即ちTiO2純度が98.5重量%以上、好ましくは99.0重量%以上、より好ましくは99.5重量%以上、さらに好ましくは99.9重量%以上の高品位のものが好適である。
白色導電性二酸化チタン粉末(c)で用いる二酸化チタンの粒子形状、粒子径は、導電性フィラーとしての使用場面に応じて適宜選択することができる。粒子形状としては、たとえば、粒状、略球状、球状、針状、繊維状、柱状、棒状、紡錘状、板状、その他の類似形状のものを、いずれも用いることができる。これらの内、粒状乃至球状のものは、これを用いたプライマー塗料が塗装されたプラスチック製品をリサイクルする場合に人体に対する有害性が低い点から、好ましい。
また、粒状、略球状、球状の形状の二酸化チタンの平均粒子径としては、0.01〜3μm程度であるのが好ましく、0.03〜0.3μm程度がより好ましい。
二酸化チタンの粒子形状、粒子径は電子顕微鏡写真より観測され、測定される。
白色導電性二酸化チタン粉末(c)に用いる二酸化チタンの結晶系は、ルチル、アナタース、ブルッカイト、無定形のどの結晶系のものでも使用できるが、導電層の主成分である酸化錫と同じ結晶系であるルチル型の二酸化チタンが導電性が発現しやすいため好ましい。
白色導電性二酸化チタン粉末(c)の表面には、樹脂への分散性を改善するなどのために、有機物を付着させてもよい場合がある。有機物としては、たとえば、シラン系カップリング剤、チタネート系カップリング剤、アルミネート系カップリング剤、ジルコネート系カップリング剤、ジルコアルミネート系などのカップリング剤、ポリオール、シロキサンなどが挙げられる。これらの有機物の含有量は、白色導電性二酸化チタン粉末(b)の表面積1m2に対して、0.0001〜0.4g程度であり、0.0006〜0.2g程度がより適当である。
白色導電性二酸化チタン粉末(c)を製造する際には、二酸化チタンに含まれる不純物としての原子価3以下の金属元素の含有量が、上記の式(2)で求められる(B)として0.02以下 、好ましくは0.015以下 、より好ましくは0.006以下である二酸化チタンを用いることが重要である。
また、好ましい態様として、原子価3以下の金属元素及び原子価4以上の金属元素を含めた全不純物含有量が、無水酸化物換算で、TiO2に対して1.5重量%以下、好ましくは1.0重量%以下、より好ましくは0.5重量%以下、さらに好ましくは0.1重量%以下、即ちTiO2純度が98.5重量%以上、好ましくは99.0重量%以上、より好ましくは99.5重量%以上、さらに好ましくは99.9重量%以上の高品位の二酸化チタンを好適に用いることができる。
このような二酸化チタンは、塩素法、硫酸法、火炎加水分解法、湿式加水分解法、中和法、ゾル−ゲル法などの従来の二酸化チタンの製造において、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、亜鉛、アルミニウム、鉄などの原子価3以下の金属元素、あるいは全不純物を特定量以下しか含有しない製造方法あるいは製造条件を選択することにより製造することができる。
また、不純物を特定量以上含む二酸化チタンを製造した後に、不純物含有の二酸化チタンを酸またはアルカリで処理して、あるいは酸処理した後にアルカリ処理したり、アルカリ処理した後に酸処理して、原子価3以下の金属元素、あるいは全不純物を上記範囲の量にまで除去することができる。使用する酸としては、塩酸、硫酸、硝酸、弗酸などの無機酸が適当であり、普通これらの酸の1〜50重量%水溶液を用いる。アルカリとしては水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどの10〜50重量%水溶液を用いる。酸処理あるいはアルカリ処理は、二酸化チタンを前記酸溶液あるいはアルカリ溶液に投入し、1〜3時間撹拌すればよく、必要に応じて50〜90℃に加熱しながら撹拌してもよい。酸あるいはアルカリのそれぞれ単独処理で所望の品位の二酸化チタンが得られるが、望ましくは酸処理とアルカリ処理とを組み合せる方が高品位の二酸化チタンが得られやすい。
このような二酸化チタンを水性懸濁液とし、この中に錫化合物およびリン化合物を加えて、二酸化チタンの粒子表面に錫化合物とリン化合物を付着させる。付着させる方法としては、種々の方法があるが、本発明では、錫化合物およびリン化合物を溶解した酸水溶液とアルカリ水溶液と別々に調製し、それらを、該水性懸濁液のpHを2〜6の範囲に維持するように加えることが重要である。
水性懸濁液のpHが上記範囲内であれば少なくとも良好な導電性が得られるが、この範囲より低すぎても、高すぎても錫化合物、リン化合物が二酸化チタン粒子表面に付着しにくく、所望の導電性が得られにくく、不純物としての原子価3以下の金属の化合物の含有量が増加してしまう。好ましいpHは2〜3の範囲である。水性懸濁液の二酸化チタン濃度は適宜設定することができ、25〜300g/lが適当であり、50〜200g/lが好ましい。また、水性懸濁液の温度は50〜95℃の範囲で行うことができ、60〜80℃の範囲が好ましい。
錫化合物として、種々のものを使用し得るが、たとえば塩化第二錫、塩化第一錫、錫酸カリウム、錫酸ナトリウム、フッ化第一錫、しゅう酸第一錫などが挙げられる。また、リン化合物としては、たとえば三塩化リン、オルトリン酸、リン酸水素ナトリウム、リン酸三ナトリウム、リン酸水素アンモニウム、亜リン酸、亜リン酸二水素ナトリウム、亜リン酸三ナトリウム、五塩化リンなどが挙げられる。これらの錫化合物及びリン化合物は、それぞれ一種を又は二種以上を使用することができる。
このような錫化合物、リン化合物を、塩酸、硫酸、硝酸、弗酸などの無機酸、あるいは蟻酸、酢酸、シュウ酸、クエン酸などの有機酸に溶解して、酸水溶液を調製する。錫化合物の添加量は、二酸化チタンに対し酸化錫を所定量付着することができる量であればよく、二酸化チタン粒子の表面積1m2当りSnO2として好ましい範囲は0.03〜0.3gに相当する量、より好ましい範囲は0.05〜0.2gで被覆するのに必要な量である。また、リン化合物の添加量は、酸化錫に対し所定量ドープすることができる量であればよく、P/Sn原子比として好ましくは0.10〜0.50の割合となる量、より好ましくは0.13〜0.40の割合となる量、さらに好ましくは0.15〜0.30の割合でドープするのに必要な量である。酸水溶液中の錫化合物、リン化合物のそれぞれの濃度は適宜設定することができる。
上記の錫化合物及びリン化合物の酸水溶液を、中和して、pHを2〜6にするために使用するアルカリ水溶液としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウムなどのアルカリ金属の水酸化物、炭酸塩やアンモニアなどの少なくとも一種を用いることができる。
次に、二酸化チタンの表面に錫化合物とリン化合物を付着させた生成物を分別し、750〜925℃の温度で焼成する。分別は普通濾過し、必要に応じて洗浄して行う。中和剤としてアルカリ金属の水酸化物や炭酸塩を使用する場合は、洗浄不足でアルカリ金属が該生成物に吸着し、残存すると導電性を低下させる原因となるのでアルカリ金属が残存しないように充分な洗浄を行うのが好ましい。
分別して得られる生成物は、その後必要に応じて乾燥した後750〜925℃、好ましくは800〜900℃、さらに好ましくは825〜875℃の温度で焼成する。焼成は、酸化雰囲気、還元雰囲気、不活性ガス雰囲気のいずれの雰囲気中でも行うことができるが、空気中で行うのが有利である。従来法では700℃以下の温度で焼成する必要があったが、本発明では、750℃以上、特に800℃以上の高温度にて、被焼成物の粒子の粗大化や焼結を実質的に惹起することなく空気中で焼成でき、それによって十分な導電性を容易に付与し得るというのが大きな特徴である。なお、焼成時間は装置形式、処理量などによって異なり一概に規定できないが1〜5時間、好ましくは1〜2時間が適当である。焼成後常法に従って粉砕処理を施し、この後必要に応じて粉砕物のpHを調整したり、不純物を除去したりすることもできる。また、必要に応じて、粉砕物の表面に湿式法又は乾式法等で有機物を処理することもできる。
上記により、白色導電性二酸化チタン粉末(c)を、好適に調製することができる。
白色導電性プライマー塗料の配合組成
本発明の白色導電性プライマー塗料の配合組成は、塩素化ポリオレフィン樹脂を含む樹脂成分(a)の固形分合計100重量部に対して、(b)酸化錫、アンチモンドープ酸化錫(ATO)、錫ドープ酸化インジウム(ITO)、フッ素ドープ酸化錫(FTO)、リンドープ酸化錫、アンチモン酸亜鉛、インジウムドープ酸化亜鉛、酸化ルテニウム、酸化レニウム、酸化銀、酸化ニッケル及び酸化銅からなる群より選ばれる少なくとも1種の導電性金属酸化物でマイカの表面を被覆した顔料を1〜150重量部、白色導電性二酸化チタン粉末(c)を1〜150重量部である。
導電性金属酸化物被覆マイカ顔料(b)の配合量が1〜150重量部の範囲内にあり、且つ白色導電性二酸化チタン粉末(c)の配合量が1〜150重量部の範囲にあることにより、塗膜に十分な導電性を付与することができるので、該塗膜上に好適に静電塗装することができ、又塗膜の仕上がり外観や塗料安定性を損なうこともない。
導電性金属酸化物被覆マイカ顔料(b)の配合割合は、樹脂成分(a)の固形分合計100重量部に対して、好ましくは10〜100重量部程度であり、より好ましくは30〜80重量部程度である。また、白色導電性二酸化チタン粉末(c)の配合割合は、樹脂成分(a)の固形分合計100重量部に対して、好ましくは10〜200重量部程度であり、より好ましくは50〜150重量部程度である。
また、前記の通り、白色導電性プライマー塗料においては、耐水性などの塗膜性能を向上させるために、上記樹脂成分(a)に前記架橋剤を配合して、熱硬化性塗料として使用することが好ましい。架橋剤の配合量は、前記の通り、通常、樹脂成分(a)の合計固形分100重量部あたり、0〜50重量部程度である。
更に、白色導電性プライマー塗料においては、得られる塗膜の白色度の向上のために、(d)白色顔料を配合することができる。
白色顔料(d)としては、例えば、二酸化チタン(ルチル型二酸化チタン、アナタース型二酸化チタンなど)、鉛白、亜鉛華、硫化亜鉛、リトポンなどを挙げることができるが、耐薬品性、白色度の面から二酸化チタンが好ましい。より好ましいものは、平均粒子径が約0.05〜2.0μm、特に0.1〜1.0μm程度であるルチル型の二酸化チタンである。
白色顔料(d)の配合量としては、塩素化ポリオレフィン樹脂を含む樹脂成分(a)の固形分合計100重量部に対して、200重量部以下程度、好ましくは50〜200重量部程度、より好ましくは70〜180重量部程度であることが適当である。
本発明の白色導電性プライマー塗料は、以上に述べた各成分を、それ自体既知の方法で、有機溶剤又は水性媒体中に、溶解又は分散させて、固形分含量を15〜60重量%程度に調節することにより調製することができる。該白色プライマー塗料は、有機溶剤型及び水性型のいずれであってもよいが、低VOCなどの観点から水性の白色導電性プライマー塗料であることが好適である。
白色導電性プライマー塗料の塗装方法
白色導電性プライマー塗料を塗装することができる基材としては、各種プラスチック基材が好ましい。
上記プラスチック基材としては、特に限定されないが、例えば、バンパー、スポイラー、グリル、フェンダーなどの自動車外板部や、家庭電化製品の外板部などに使用される各種プラスチック部材などが挙げられる。
プラスチック基材の材質としては、例えば、エチレン、プロピレン、ブチレン、ヘキセンなどの炭素数2〜10のオレフィンの少なくとも1種を重合せしめてなるポリオレフィンが特に好適であるが、これらに限られるものではなく、ポリカーボネート、ABS樹脂、ウレタン樹脂、ナイロンなどの材質であってもよい。また、これらのプラスチック基材は、予め、それ自体既知の方法で、脱脂処理、水洗処理などを適宜行っておくことができる。
白色導電性プライマー塗料の塗装は、通常、粘度12〜18秒/フォードカップ#4/20℃程度に調整して、エアスプレー塗装、エアレススプレー塗装、浸漬塗装などの塗装方法により、プラスチック基材に、好適に塗装することができる。塗装膜厚としては、乾燥膜厚で、5〜50μm程度、好ましくは20〜45μm程度の範囲である。
この白色導電性プライマー塗料の塗膜に、セッティング、予備加熱、加熱乾燥、又は加熱硬化を施すことにより、通常、表面電気抵抗値が109Ω/□未満である塗膜を形成することができる。表面電気抵抗値が109Ω/□未満であることにより、該塗膜上に、例えば、着色塗料又は/及びクリヤ塗料等の上塗り塗料の静電塗装が可能となる。
白色導電性プライマー塗料の塗装後の塗膜に、予備加熱又は加熱乾燥を施す手段としては、従来から既知の乾燥手段を用いることができ、例えば、エアブロー、赤外線加熱、遠赤外線加熱、誘導加熱、誘電加熱等を挙げることができる。
白色導電性プライマー塗料は、高明度の塗膜、例えば、JIS Z 8729に規定されるL***表色系に基づく明度(L*値)として80以上という白色度が高い塗膜を形成できる。この明度は次のようにして測定した値である。即ち、該塗料(A)を、プラスチック基材に、乾燥膜厚が30〜40μmとなるようにスプレー塗装し、次いで80〜120℃の温度で20〜40分間加熱乾燥して得られた塗膜の明度(L*値)を、色彩計、例えばスガ試験機社製「カラーコンピュータSM−7」を用いて測定した値である。
白色導電性プライマー塗料の塗膜の明度(L*値)は、好ましくは85以上である。
本発明の白色導電性プライマー塗料を用いて、プラスチック基材上に、明るい色調の複層塗膜を形成する方法として、以下の3コート1ベーク又は3コート2ベークによる複層塗膜形成方法I及びIIを例示することができる。
複層塗膜形成方法I:(1)プラスチック基材に、本発明の白色導電性プライマー塗料を乾燥膜厚が10〜45μm程度となるように塗装し、セッティング又は予備加熱する工程、
(2)着色ベース塗料を乾燥膜厚が5〜30μm程度となるように静電塗装する工程、
(3)クリヤ塗料を乾燥膜厚が10〜40μm程度となるように静電塗装する工程、次いで
(4)上記プライマー塗料、着色ベース塗料及びクリヤ塗料からなる3層塗膜を同時に加熱して焼付ける3コート1ベークによる複層塗膜形成方法。
複層塗膜形成方法II:(1)プラスチック基材に、本発明の白色導電性プライマー塗料を乾燥膜厚が10〜45μm程度となるように塗装し、加熱硬化する工程、
(2)着色ベース塗料を乾燥膜厚が5〜30μm程度となるように静電塗装する工程、
(3)クリヤ塗料を乾燥膜厚が10〜40μm程度となるように静電塗装する工程、次いで
(4)上記着色ベース塗料及びクリヤ塗料からなる2層塗膜を同時に加熱して焼付ける3コート2ベークによる複層塗膜形成方法。
上記方法I及びIIにおける着色ベース塗料としては、上塗りベースコート用の着色塗料としてそれ自体公知の塗料をいずれも使用でき、例えば、カルボキシル基、水酸基などの架橋性官能基を有する、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、アルキド樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂などの基体樹脂;ポリイソシアネート化合物、ブロック化ポリイソシアネート化合物、メラミン樹脂、尿素樹脂などの架橋剤;及び着色顔料を、水及び/又は有機溶剤に溶解ないし分散させて塗料化したものを、好適に使用できる。
また、着色ベース塗料には、必要に応じて、メタリック顔料、マイカ顔料、体質顔料、染料等を適宜配合することができる。これらの内、メタリック顔料を配合した場合には、緻密感を有するメタリック調の塗膜を形成でき、又マイカ顔料を配合すれば、シルキーなパール調の塗膜を形成することができる。
上記方法I及びIIにおけるクリヤ塗料としては、上塗りクリヤコート用の塗料としてそれ自体公知の塗料をいずれも使用でき、例えば、カルボキシル基、水酸基などの架橋性官能基を有する、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、アルキド樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂などの基体樹脂と、ポリイソシアネート化合物、ブロック化ポリイソシアネート化合物、メラミン樹脂、尿素樹脂などの架橋剤とを、水及び/又は有機溶剤に溶解ないし分散させて塗料化したものを、好適に使用できる。
また、クリヤ塗料には、必要に応じて、透明性を阻害しない程度に着色顔料、メタリック顔料、体質顔料、染料、紫外線吸収剤等を適宜配合することができる。
以下、製造例、実施例及び比較例を挙げて、本発明をより一層具体的に説明する。なお、以下、「部」及び「%」はいずれも重量基準によるものとする。
また、実施例において、導電性金属酸化物でマイカの表面を被覆した顔料(b)としては、以下の1及び2を用いた。
1.アンチモンドープ酸化錫で表面被覆した鱗片状のマイカ:商品名「ミナテック40CM」、メルク(株)製、平均粒度10〜20μm、マイカ・酸化ケイ素57%/アンチモンドープ酸化錫43%。
2.アンチモンドープ酸化錫で表面被覆した鱗片状のマイカ:商品名「MEC500」、テイカ(株)製、平均粒度10μm。
製造例1 白色導電性二酸化チタン粉末(c)の製造
原料として、平均粒径が0.25μmの高品位ルチル型二酸化チタン粉末を用いた。この二酸化チタンは、塩素法で製造したものであり、不純物としての原子価3以下の金属元素は検出限界以下であり、式(2)で求められる(B)は0であった。不純物として原子価3以下の金属元素以外の元素として、SiO2が0.02%、SO3が0.02%含まれ、TiO2純度は99.96%である。BET法で求めた比表面積は6.6m2/gである。
この高品位ルチル型二酸化チタン粉末100gを、水中に投入して濃度100g/lの懸濁液とした。塩酸水溶液を添加して系のpHを2〜3に調整し、70℃に加熱した後、この中に塩化錫 (SnCl4) 50%水溶液173g、85%リン酸 (H3PO4) 6.1gおよび12N−塩酸溶液75mlを混合した溶液と水酸化ナトリウム水溶液とを該懸濁液のpHを2〜3に維持するように60分間に亘って並行添加して、二酸化チタン粉末上にリン酸を含有する酸化錫の水和物から成る被膜層を形成させた。なお、この懸濁液の最終pHを2とした。さらに70℃に維持したまま20分間撹拌して熟成させた。
次に、被覆された二酸化チタン粉末を濾過し、濾液の比抵抗が50μSになるまで洗浄した後、120℃で一晩乾燥して被覆された二酸化チタン粉末を回収した。回収された被覆された二酸化チタン粉末を電気炉に入れ、空気中で850℃にて1時間焼成し、次いでパルペライザーにて粉砕して、白色導電性二酸化チタン粉末(これを導電性フィラーNo.1とする)を得た。
この導電性フィラーNo.1に含まれる酸化錫は二酸化チタンの表面積1m2当りSnO2として0.076gであり、リンは酸化錫に対してP/Sn原子比で0.17の割合であった。また、導電性フィラーNo.1に含まれる不純物としての原子価3以下の金属元素は検出限界以下であり、式(1)で求められる(A)は0であった。不純物として原子価3以下の金属元素以外の金属元素も検出限界以下であった。
製造例2 白色導電性二酸化チタン粉末(c)の製造
製造例1において、高品位ルチル型二酸化チタン粉末の代わりに少量のアルミナを含有する平均粒径が0.25μmのルチル型二酸化チタン粉末を用いたこと以外は同様に処理して、白色導電性二酸化チタン粉末(これを導電性フィラーNo.2とする)を得た。
用いた二酸化チタンは、塩素法で製造したものであり、アルミニウムの含有量は二酸化チタンのTiに対する原子比で0.005であり、その他の原子価3以下の金属元素は検出されず、式(2)で求められる(B)は0.005である。また、原子価3以下の金属元素以外の金属元素は検出されず、TiO2純度は99.7%であり、BET法で求めた比表面積は6.8m2/gである。
この導電性フィラーNo.2に含まれる酸化錫は二酸化チタンの表面積1m2当りSnO2として0.074gであり、リンは酸化錫に対してP/Sn原子比で0.17の割合であった。また、この試料Bに含まれるアルミニウムのSnに対する原子比は0.019であり、式(1)で表される(A)は0.019であった。
製造例3 白色導電性二酸化チタン粉末(b)の製造
製造例1において、高品位ルチル型二酸化チタン粉末の代わりに少量のアルミナを含有する平均粒径が0.25μmのルチル型二酸化チタン粉末を用いたこと以外は同様に処理して、白色導電性二酸化チタン粉末(これを導電性フィラーNo.3とする)を得た。
用いた二酸化チタンは、塩素法で製造したものであり、アルミニウムの含有量は二酸化チタンのTiに対する原子比で0.015であり、その他の原子価3以下の金属元素は検出されず、式(2)で求められる(B)は0.015である。また、原子価3以下の金属元素以外の元素として、P25が0.1%含まれ、TiO2純度は99.0%であり、BET法で求めた比表面積は7.1m2/gである。
この導電性フィラーNo.3に含まれる酸化錫は二酸化チタンの表面積1m2当りSnO2として0.070gであり、リンは酸化錫に対してP/Sn原子比で0.17の割合であった。また、この導電性フィラーNo.3に含まれるアルミニウムのSnに対する原子比は0.057であり、その他の原子価3以下の金属元素は検出されず、式(1)で求められる(A)は0.057であった。
製造例4 水性塗料用塩素化ポリオレフィン樹脂の製造
塩素化ポリプロピレン(塩素含有率15%、マレイン酸変性量2.0%、ケン化価30mgKOH/g、重量平均分子量80,000)500部、n−ヘプタン150部、N−メチル−ピロリドン50部からなる混合物(50℃)に、ジメチルエタノールアミン12部、及びノニオン系界面活性剤(商品名「ノイゲンEA−140」、第1工業薬品(株)製)5部を仕込み、同温度で1時間攪拌した後、脱イオン水2,000部を徐々に仕込み、さらに1時間攪拌を行った。次に、70℃の温度で減圧して、n−ヘプタン及び脱イオン水の合計600部を留去して、固形分24%の塩素化ポリオレフィンエマルションNo.1を得た。
製造例5 水性塗料用塩素化ポリオレフィン樹脂の製造
塩素化ポリプロピレン(塩素含有率35%、マレイン酸変性量1.9%、ケン化価28mgKOH/g、重量平均分子量60,000)を用いて、製造例4と同様にして、固形分24%の塩素化ポリオレフィンエマルションNo.2を得た。
製造例6 水性塗料用アクリル樹脂溶液の製造
撹拌機、温度計、還流冷却器等の備わったアクリル樹脂反応槽に、エチレングリコールモノブチルエーテル40部、イソブチルアルコール30部を仕込み、加熱撹拌し、100℃に達してから下記の単量体等の混合物を3時間かけて滴下した。
スチレン 10部
メチルメタクリレート 38部
n−ブチルアクリレート 25部
2−ヒドロキシエチルメタクリレ−ト 20部
アクリル酸 7部
2,2’−アゾビスイソブチロニトリル 1部
イソブチルアルコール 5部。
滴下終了後、更に30分間100℃に保持した後、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル0.5部とエチレングリコールモノブチルエーテル10部との混合物である追加触媒溶液を1時間要して滴下した。さらに100℃で1時間撹拌を続けた後、冷却し、イソブチルアルコール15部を加え、75℃になったところでN,N−ジメチルアミノエタノール4部を加え、30分間撹拌して固形分50%の水溶性の水酸基及びカルボキシル基含有アクリル樹脂溶液を得た。このアクリル樹脂の水酸基価は86mgKOH/g、酸価は54.5mgKOH/g、数平均分子量は20,000であった。
製造例7 有機溶剤型塗料用ポリエステル樹脂溶液の製造
無水フタル酸240部、トリメチロールプロパン230部及びヤシ油脂肪酸175部を、常法により、エステル化反応させて、ポリエステルポリオール樹脂溶液を得た。この樹脂の水酸基価は80mgKOH/g、酸価は15mgKOH/g、数平均分子量は8,000であった。
実施例1 白色導電性プライマー塗料の製造
製造例6で得られたアクリル樹脂溶液15部(固形分)に対し、導電性フィラーNo.1を80部加え、分散適正粘度になるまで脱イオン水を加えた後、ペイントコンディショナーで30分間攪拌して、分散ペーストとした。
この分散ペーストに対し、塩素化ポリオレフィンエマルションNo.1を40部(固形分)、ウレタンエマルション(商品名「サンプレンUX−5100A」、三洋化成工業(株)製)30部(固形分)、酸化アンチモン・酸化錫で表面被覆した鱗片状のマイカ(商品名「ミナテック40CM」、メルク(株)製)50部を加え、ディスパーで十分に撹拌した。塗装直前に、親水性ヘキサメチレンジイソシアヌレート(商品名「バイヒジュール3100」、住化バイエルウレタン(株)製)15部(固形分)を加えて、ディスパーで十分に攪拌し、粘度を15秒/フォードカップ#4/20℃に調整し、水性の白色導電性プライマー塗料No.1を得た。
実施例2〜4 白色導電性プライマー塗料の製造
実施例1と同様の操作にて、表1の配合内容に従って、水性の白色導電性プライマー塗料No.2〜No.4を得た。
実施例5 白色導電性プライマー塗料の製造
製造例7で得られたポリエステル樹脂35部(固形分)に対し、導電性フィラーNo.1を80部加え、分散適正粘度になるまでトルエンを加えた後、ペイントコンディショナーで30分間攪拌して、分散ペーストとした。
この分散ペーストに対し、有機溶剤型塗料用の塩素化ポリオレフィン(注1)を50部(固形分)、酸化アンチモン・酸化錫で表面被覆した鱗片状のマイカ(商品名「ミナテック40CM」、メルク(株)製)を50部加えて、ディスパーで十分に撹拌した。更に、塗装直前に、ヘキサメチレンジイソシアヌレート(商品名「スミジュールN3300」、住化バイエルウレタン(株)製)15部(固形分)を加えて、ディスパーで十分に攪拌し、粘度を15秒/フォードカップ#4/20℃に調整し、有機溶剤型の白色導電性プライマー塗料No.5を得た。
上記(注1)は下記のものを示す。
(注1)有機溶剤型塗料用の塩素化ポリオレフィン:マレイン酸変性塩素化ポリプロピレンのトルエン溶液、塩素含有率20%、酸価35mgKOH/g、重量平均分子量60,000。
実施例1〜5の白色導電性プライマー塗料の組成を、表1に示す。
Figure 2005171024
表1における配合割合は、全て固形分の重量部を示す。
表1において、(注2)〜(注8)は下記のものを示す。
(注2)ミナテック40CM:メルク(株)製、商品名、アンチモンドープ酸化錫で表面被覆された鱗片状雲母。
(注3)MEC500:テイカ(株)製、商品名、アンチモンドープ酸化錫で表面被覆された鱗片状雲母。
(注4)JR−903:商品名、テイカ(株)製、ルチル型二酸化チタン、平均粒子径0.4μm。
(注5)塩素化ポリオレフィン:有機溶剤型塗料用のマレイン酸変性塩素化ポリプロピレンのトルエン溶液、塩素含有率20%、酸価35mgKOH/g、重量平均分子量60,000。
(注6)サンプレンUX−5100A:商品名、三洋化成工業(株)製、ウレタンエマルション。
(注7)バイヒジュール3100:商品名、住化バイエルウレタン(株)製、親水性ヘキサメチレンジイソシアヌレート。
(注8)スミジュールN3300:商品名、住化バイエルウレタン(株)製、ヘキサメチレンジイソシアヌレート。
比較例1 白色導電性プライマー塗料の製造
製造例6で得られたアクリル樹脂溶液15部(固形分)に対し、導電性フィラーNo.1を65部及び導電性カーボン(商品名「ケッチェンブラックEC600J」、ライオン(株)製)を2.5部加え、分散適正粘度になるまで脱イオン水を加えた後、ペイントコンディショナーで30分間攪拌して、分散ペーストとした。
この分散ペーストに対し、塩素化ポリオレフィンエマルションNo.2を40部(固形分)、ウレタンエマルション(商品名「サンプレンUX−5100A」、三洋化成工業(株)製)を30部(固形分)加え、ディスパーで十分に撹拌した。塗装直前に、親水性ヘキサメチレンジイソシアヌレート(商品名「バイヒジュール3100」、住化バイエルウレタン(株)製)15部(固形分)を加えて、ディスパーで十分に攪拌し、粘度を15秒/フォードカップ#4/20℃に調整し、比較用の水性白色導電性プライマー塗料No.6を得た。
比較例2及び3 白色導電性プライマー塗料の製造
実施例1と同様の操作にて、表2の配合内容に従って、比較用の水性白色導電性プライマー塗料No.7及びNo.8を得た。
比較例4 白色導電性プライマー塗料の製造
製造例7で得られたポリエステル樹脂35部(固形分)に対し、導電性フィラーNo.1を130部加え、分散適正粘度になるまでトルエンを加えた後、ペイントコンディショナーで30分間攪拌して、分散ペーストとした。
この分散ペーストに対し、有機溶剤型塗料用の塩素化ポリオレフィン(注1)を50部(固形分)加えて、ディスパーで十分に撹拌した。更に、塗装直前に、ヘキサメチレンジイソシアヌレート(商品名「スミジュールN3300」、住化バイエルウレタン(株)製)15部(固形分)を加えて、ディスパーで十分に攪拌し、粘度を15秒/フォードカップ#4/20℃に調整し、有機溶剤型の比較用白色導電性プライマー塗料No.9を得た。
比較例1〜4の白色導電性プライマー塗料の組成を、表2に示す。
Figure 2005171024
表2における配合割合は、全て固形分の重量部を示す。
表2において、(注9)〜(注11)は下記のものを示す。
(注9)「ケッチェンブラックEC600J」:商品名 、ライオン(株)製、導電性カーボン。
(注10)「デントールWK500」:商品名、大塚化学(株)製、酸化錫/アンチモンで表面被覆された針状酸化チタン。
(注11)金属酸化物被覆被覆鱗片状雲母:「イリオジン103R」(商品名、メルク社製、鱗片状マイカの表面を下層としてSnO2で被覆し、更にその被覆面を上層としてTiO2で被覆してなる非導電性フィラー、平均粒度22μm。
塗装試験
実施例1〜5で得た本発明の白色導電性プライマー塗料No.1〜No.5、及び比較例1〜4で得た比較用白色導電性プライマー塗料No.6〜No.9について、下記塗装工程1、2及び3に従って、複層塗膜を形成し、その塗膜性能を調べた。
塗装工程1:白色導電性プライマー塗膜の塗装
プラスチック基材として、黒色のポリプロピレンをバンパー形状に成型加工したのち、脱脂処理したものを用い、これに白色プライマー塗料No.1〜11を、乾燥膜厚で20μmになるようにエアスプレー塗装した。この塗装塗膜を、室温で1分間放置してセッティングしてから、80℃、3分間の予備加熱した後、120℃で20分間加熱硬化した。この塗膜について、後記のL*値及び表面電気抵抗値Aの評価確認を行った。
塗装工程2:白色導電性プライマー塗膜上に水性ベース塗料及び有機溶剤型クリヤ塗料を塗り重ねた複層塗膜形成塗装
塗装工程1で得られた硬化塗膜上に、水性熱硬化性透明着色塗料(商品名「WBC−710マイカベース」、関西ペイント(株)製)を硬化膜厚が15〜20μmになるように静電塗装し、80℃、3分間予備加熱した後、後記表面電気抵抗値Bの確認後、その未硬化透明着色塗膜上に、有機溶剤型のアクリル樹脂・ウレタン樹脂系熱硬化性クリヤ塗料(商品名「ソフレックス#520クリヤ」、関西ペイント(株)製)を硬化膜厚が25μmになるように静電塗装し、室温で5分間放置してから、120℃で30分間加熱して、着色塗膜及びクリヤ塗膜を同時に硬化して、複層塗膜を形成した。
塗装工程3:白色導電性プライマー塗膜上に有機溶剤型ベース塗料及び有機溶剤型クリヤ塗料を塗り重ねた複層塗膜形成塗装
塗装工程1で得られた硬化塗膜上に、有機溶剤型熱硬化性透明着色塗料(商品名「ソフレックス#420マイカベース」、関西ペイント(株)製)を硬化膜厚が15〜20μmになるように静電塗装し、80℃、3分間予備加熱した後、後記表面電気抵抗値Cの確認後、その未硬化透明着色塗膜上に、有機溶剤型のアクリル樹脂・ウレタン樹脂系熱硬化性クリヤ塗料(商品名「ソフレックス#520クリヤ」、関西ペイント(株)製)を硬化膜厚が25μmになるように静電塗装し、室温で5分間放置してから、120℃で30分間加熱して、着色塗膜及びクリヤ塗膜を同時に硬化して、複層塗膜を形成した。
上記L*値、表面電気抵抗値A、表面電気抵抗値B及び表面電気抵抗値Cは、下記試験方法により、調べた。
*値:白色導電性プライマー塗料の塗膜を、120℃で20分間加熱硬化したのち、スガ試験機社製「カラーコンピュータSM−7」を用いてJIS Z 8729に規定されるL***表色系に基づくL*値を測定した。
表面電気抵抗値A:白色導電性プライマー塗料を塗装し、加熱硬化後の塗膜の表面電気抵抗値を、電気抵抗測定機(TREK社製、商品名「MODEL150」)で測定した。測定値が109Ω/□未満であれば、上塗り塗料の静電塗装が可能である。
表面電気抵抗値B:白色導電性プライマー塗料を塗装し、80℃で3分間予備加熱後、透明着色塗料「WBC−710マイカベース」を塗装し、80℃で3分間予備加熱後の該プライマー塗膜の表面電気抵抗値を、電気抵抗測定機(TREK社製、商品名「MODEL150」)で測定した。透明着色塗料の溶剤により、水性白色プライマー塗膜が膨潤して表面電気抵抗値が上昇し、クリヤ塗料が静電塗装不可能な状態になる場合があるが、該電気抵抗値が109Ω/□未満であれば、クリヤ塗料の静電塗装が可能である。
表面電気抵抗値C:白色導電性プライマー塗料を塗装し、80℃で3分間予備加熱後、透明着色塗料「ソフレックス#420マイカベース」を塗装し、1分後の該プライマー塗膜の表面電気抵抗値を、電気抵抗測定機(TREK社製、商品名「MODEL150」)で測定した。透明着色塗料の溶剤により、水性白色プライマー塗膜が膨潤して表面電気抵抗値が上昇し、クリヤ塗料が静電塗装不可能な状態になる場合があるが、該電気抵抗値が109Ω/□未満であれば、クリヤ塗料の静電塗装が可能である。
実施例1〜5の本発明白色導電性プライマー塗膜の試験結果を表3に、比較例1〜4の比較用白色導電性プライマー塗膜の試験結果を表4に、それぞれ示す。
Figure 2005171024
表3において、実施例5の白色導電性プライマー塗料No.5の表面電気抵抗値Cは、プライマー塗料塗装後、予備加熱に代えて1分間セッティングし、その後「ソフレックス#420マイカベース」を塗装し、1分後の該プライマー塗膜の表面電気抵抗値を示す。
Figure 2005171024
表4において、比較例6の白色導電性プライマー塗料No.11の表面電気抵抗値Cは、プライマー塗料塗装後、予備加熱に代えて1分間セッティングし、その後「ソフレックス#420マイカベース」を塗装し、1分後の該プライマー塗膜の表面電気抵抗値を示す。
上記塗装試験の塗装工程2において、比較用白色導電性プライマー塗料No.8及びNo.9については、該プライマー塗膜の表面電気抵抗値が、109Ω/□以上と高いため、着色塗料及びクリヤ塗料を静電塗装することができなかった。
また、上記塗装試験の塗装工程3において、比較用白色導電性プライマー塗料No.8及びNo.9については、該プライマー塗膜の表面電気抵抗値が、109Ω/□以上と高いため、着色塗料及びクリヤ塗料を静電塗装することができなかった。
実施例1〜5及び比較例1、2の各白色導電性プライマー塗料を用いて、上記塗装工程1及び2に従って得られた各複層塗膜について、塗膜外観、JIS Z 8721に規定されるマンセル表色系に基づくN値、付着性及び耐水性の塗膜性能及びリサイクル性の試験を、下記試験方法により調べた。
塗膜外観:基材の垂直部において、塗膜のタレ、戻り、フクレなどの異常発生の有無を目視にて、下記基準により評価した。
○は上記異常が全く認められないことを、△はタレ、戻り及びフクレの少なくとも一つの異常が認められたことを、×はタレ、戻り、フクレなどの異常発生が著しいことを、それぞれ示す。
JIS Z 8721に規定されるマンセル表色系に基づくN値:白色プライマー塗膜、透明着色塗膜、クリヤ塗膜の3層からなる複層塗膜において、マンセルチャートのN値を求めた。0が黒であり、10が純白である。
付着性:白色導電性プライマー塗膜、透明着色塗膜、クリヤ塗膜の3層からなる複層塗膜において、素地に達するようにカッターで切り込みを入れて2mm幅のゴバン目を100個作り、その表面に粘着テープを粘着し、20℃において急激に剥離した後のゴバン目塗膜100個中の残存数を調べ、下記基準により、評価した。
○はゴバン目が全て残存し付着性良好を、△はゴバン目の残存数が90〜99個であり付着性やや不良を、×はゴバン目の残存数が90個未満であり付着性不良を、それぞれ示す。
耐水性:白色導電性プライマー塗膜、透明着色塗膜、クリヤ塗膜の3層からなる複層塗膜において、40℃温水に240時間浸漬後、素地に達するようにカッターで切り込みを入れて2mm幅のゴバン目を100個作り、その表面に粘着テープを粘着し、20℃において急激に剥離した後のゴバン目塗膜100個中の残存数を調べ、下記基準により、評価した。
○はゴバン目が全て残存し耐水性良好を、△はゴバン目の残存数が90〜99個であり耐水性やや不良を、×はゴバン目の残存数が90個未満であり耐水性不良を、それぞれ示す。
リサイクル性:白色導電性プライマー塗料、着色ベース塗料、クリヤ塗料の3層からなる複層塗膜を有する前記基板を粉砕機によって約1mm以下の粉状に粉砕した後、その粉砕物を光学顕微鏡で観察した。粉砕物中に含まれる針状フィラーの内、アスペクト比が3以上のものはウィスカーと定義されており、リサイクルの際に、人体に与える影響が大きいとされている。リサイクル性の評価基準は、下記の通りである。
○:粉砕物中に含まれるフィラーが鱗片形状又は球状であり、塗装されたプラスチック基板のリサイクル性に優れる、
×:粉砕物中に含まれる針状フィラー中にアスペクト比3以上のウィスカーが含まれており、塗装されたプラスチック基板のリサイクル性に劣る。
複層塗膜の性能試験の結果を、表5に示す。
Figure 2005171024
実施例1〜5及び比較例1、2の各白色導電性プライマー塗料を用いて、上記塗装工程1及び3に従って得られた各複層塗膜について、塗膜外観、JIS Z 8721に規定されるマンセル表色系に基づくN値、付着性及び耐水性の塗膜性能及びリサイクル性の試験を、前記試験方法により調べた。
複層塗膜の性能試験の結果を、表6に示す。
Figure 2005171024

Claims (9)

  1. (a)塩素化率が10〜35重量%である塩素化ポリオレフィン樹脂を含む樹脂成分100重量部、
    (b)酸化錫、アンチモンドープ酸化錫(ATO)、錫ドープ酸化インジウム(ITO)、フッ素ドープ酸化錫(FTO)、リンドープ酸化錫、アンチモン酸亜鉛、インジウムドープ酸化亜鉛、酸化ルテニウム、酸化レニウム、酸化銀、酸化ニッケル及び酸化銅からなる群より選ばれる少なくとも1種の導電性金属酸化物でマイカの表面を被覆した顔料1〜150重量部、並びに
    (c)二酸化チタン粒子表面に、酸化錫及びリンを含む導電層を有し、且つ不純物としての原子価3以下の金属元素の含有量が、下記式(1)で求められる(A)として0.1以下である白色導電性二酸化チタン粉末1〜150重量部を含有することを特徴とする白色導電性プライマー塗料、
    式(1):(A)=(M1)×(4−n1)+(M2)×(4−n2)+(M3)×(4−n3)+(M4)×(4−n4)+…+(MX)×(4−nX
    (ここで、M1、M2、M3、M4、…、MXは、白色導電性二酸化チタン粉末中の酸化錫のSnに対する原子価3以下の金属元素のそれぞれの原子比であり、n1、n2、n3、n4、…、nXは、M1、M2、M3、M4、…、MXの原子比を有する金属元素のそれぞれの価数を示し、MX、nXのXは、白色導電性二酸化チタン粉末に含まれる前記金属元素の数を示し、1以上の自然数をとり得る。)。
  2. 白色導電性二酸化チタン粉末(c)において導電層を形成する酸化錫の被覆量が、二酸化チタンの表面積1m2当り、SnO2として0.03〜0.3gの範囲である請求項1に記載の白色導電性プライマー塗料。
  3. 白色導電性二酸化チタン粉末(c)において導電層に含まれるリンの含有量が、酸化錫に対して、P/Sn原子比で0.10〜0.50の割合である請求項1に記載の白色導電性プライマー塗料。
  4. 白色導電性二酸化チタン粉末(c)において二酸化チタンに含まれる不純物としての原子価3以下の金属元素の含有量が、下記式(2)で求められる(B)として0.02以下である請求項1に記載の白色導電性プライマー塗料、
    式(2):(B)=(M´1)×(4−n´1)+(M´2)×(4−n´2)+(M´3)×(4−n´3)+(M´4)×(4−n´4)+…+(M´Y)×(4−n´Y
    (ここで、M´1、M´2、M´3、M´4、…、M´Yは、二酸化チタンのTiに対する原子価3以下の金属元素のそれぞれの原子比であり、n´1、n´2、n´3、n´4、…、n´Yは、M´1、M´2、M´3、M´4、…、M´Yの原子比を有する金属元素のそれぞれの価数を示し、M´Y、n´YのYは、二酸化チタンに含まれる前記金属元素の数を示し、1以上の自然数をとり得る)。
  5. さらに、(d)白色顔料200重量部以下を含有する請求項1〜4のいずれか1項に記載の白色導電性プライマー塗料。
  6. プラスチック基材に塗装し、乾燥又は硬化して得られる塗膜が、JIS Z 8729に規定されるL***表色系に基づく明度(L*値)として80以上の塗膜である請求項1〜5のいずれか1項に記載の白色導電性プライマー塗料。
  7. プラスチック基材に塗装し、乾燥又は硬化して得られる塗膜の表面電気抵抗値が、109Ω/□未満である請求項1〜6のいずれか1項に記載の白色導電性プライマー塗料。
  8. (1)プラスチック基材に、請求項1に記載の白色導電性プライマー塗料を乾燥膜厚が10〜45μm程度となるように塗装し、セッティング又は予備加熱する工程、
    (2)着色ベース塗料を乾燥膜厚が5〜30μm程度となるように静電塗装する工程、
    (3)クリヤ塗料を乾燥膜厚が10〜40μm程度となるように静電塗装する工程、次いで
    (4)上記プライマー塗料、着色ベース塗料及びクリヤ塗料からなる3層塗膜を同時に加熱して焼付ける3コート1ベークによる複層塗膜形成方法。
  9. (1)プラスチック基材に、請求項1に記載の白色導電性プライマー塗料を乾燥膜厚が10〜45μm程度となるように塗装し、加熱硬化する工程、
    (2)着色ベース塗料を乾燥膜厚が5〜30μm程度となるように静電塗装する工程、
    (3)クリヤ塗料を乾燥膜厚が10〜40μm程度となるように静電塗装する工程、次いで
    (4)上記着色ベース塗料及びクリヤ塗料からなる2層塗膜を同時に加熱して焼付ける3コート2ベークによる複層塗膜形成方法。

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