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JP2005169673A - インクジェット記録装置及びその制御方法、プログラム - Google Patents

インクジェット記録装置及びその制御方法、プログラム Download PDF

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JP2005169673A
JP2005169673A JP2003409356A JP2003409356A JP2005169673A JP 2005169673 A JP2005169673 A JP 2005169673A JP 2003409356 A JP2003409356 A JP 2003409356A JP 2003409356 A JP2003409356 A JP 2003409356A JP 2005169673 A JP2005169673 A JP 2005169673A
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Abstract

【課題】 インクジェット記録ヘッドの保護を確実に実施し、加えて、電池電源使用時の印刷可能枚数の低減を抑制できるインクジェット記録装置及びその制御方法、プログラムを提供する。
【解決手段】 電池の電池残量を検出する。インクジェット記録ヘッドのメインテナンス動作を実行するために必要な消費電力を取得する。検出した電池残量と、取得した消費電力を比較する。比較結果に基づいて、メインテナンス動作の処理内容を制御する。
【選択図】 図5

Description

本発明は、駆動用電源として電池を用いて、インクジェット記録ヘッドを駆動制御するインクジェット記録装置及びその制御方法、プログラムに関するものである。
インクジェット記録装置の中には、携帯可能な小型機が存在する。このような小型機では、バッテリー等の充電可能な内部電池を駆動用電源として用い、屋外等での使用に対応している。
従来、電池電源を使用している場合のインクジェット記録装置の制御について様々な提案がなされている。
例えば、特許文献1では、バッテリー残量によって記録開始の可否を判断し、電源不足による記録中断によって記録データが喪失することを防止するための提案がなされている。
また、特許文献2では、バッテリーへの充電方式、電池容量により記録動作に伴うインクジェット記録装置の動作を可変とし、複数のモーターを同時に駆動しない制御、及び電池容量が規定値以下の場合は、インクジェット記録ヘッドをキャッピング状態のままに保持する制御する提案がなされている。
また、特許文献3では、車載のインクジェット記録装置の制御に関して、車のバッテリー消耗を防止するための制御が提案されている。この特許文献3では、電池容量が規定値以下となった場合は、インクジェット記録装置の通常の電源OFF動作を実施することにより、車のバッテリー消耗を防止し、インクジェット記録ヘッドの保護を目的とする提案がなされている。
特開平10−105295号公報 特開平6−183103号公報 特開2002−166561号公報
しかしながら、通常、上述した従来技術では、電池電源によりインクジェット記録装置を駆動する場合の記録動作の最適化、およびインクジェット記録ヘッドのキャッピング状態の確保は可能であるが、入力記録データ量が演算値、予測値より大きく、消費電力が多大になってしまった場合、従来技術では、通常のインクジェット記録ヘッドのキャッピング動作、もしくは通常の電源OFF動作を実施する。そのため、最悪の場合には、インクジェット記録ヘッドをキャッピング状態まで保護する動作が完了できない場合がある。
また、上記の様な状態を回避するためには、インクジェット記録装置の各種動作に要する電力量を多く見積もり予測する、もしくは電池電源の容量が低いと判断する閾値を早めに設定し電池電源に余裕を持たせた状態で、インクジェット記録ヘッドの保護シーケンスを実施する必要があり、屋外などで電池駆動によりインクジェット録装置を使用している使用者が意図する印刷の記録可能枚数を低下させることとなる。
本発明は上記の課題を解決するためになされたものであり、インクジェット記録ヘッドの保護を確実に実施し、加えて、電池電源使用時の印刷可能枚数の低減を抑制できるインクジェット記録装置及びその制御方法、プログラムを提供することを目的とする。
上記の目的を達成するための本発明によるインクジェット記録装置は以下の構成を備える。即ち、
電源供給源として電池を用いて、インクジェット記録ヘッドを駆動制御するインクジェット記録装置であって、
前記電池の電池残量を検出する検出手段と、
前記検出手段で検出した電池残量に基づいて、前記インクジェット記録ヘッドのメインテナンス動作の処理内容を制御する制御手段と
を備える。
また、好ましくは、前記制御手段は、前記電池残量が規定のメインテナンス動作を実行するために必要な消費電力未満である場合、前記規定のメインテナンス動作を簡素化した簡素化メインテナンス動作を実行する。
また、好ましくは、前記インクジェット記録ヘッドのメインテナンス動作の要否を判定する判定手段を更に備える。
また、好ましくは、前記インクジェット記録ヘッドによって、記録媒体への記録を実行する記録手段を更に備え、
前記判定手段による判定は、前記記録手段による記録の終了時、前記記録手段による記録中、あるいは前記記録手段による記録の実行命令の入力時の少なくとも1つの時点あるいはそれらの任意の組み合わせの各時点に実行する。
また、好ましくは、前記制御手段は、前記電池残量が規定のメインテナンス動作を実行するために必要な消費電力未満である場合、前記電池残量のレベルに基づいて、前記規定のメインテナンス動作を簡素化した複数種類の簡素化メインテナンス動作のいずれかを選択して実行する。
また、好ましくは、前記簡素化メインテナンス動作の実行の有無を示す情報を記憶する記憶手段を更に備える。
また、好ましくは、前記制御手段は、前記記憶手段に記憶されている情報に基づいて、次回電源投入時あるいは次のメインテナンス動作要求時に、前記規定のメインテナンス動作のメインテナンス強度より強いメインテナンス動作を実行する。
また、好ましくは、電源供給源として前記電池に加えて、外部電源を用いることが可能である。
また、好ましくは、外部電源接続と電池接続が同時に行われている場合に、外部電源からの電源供給を優先する。
また、好ましくは、外部電源接続と電池接続が同時に行われている場合で、外部電源からの電源供給を優先して実施している状態から外部電源元が切断されると同時に前記電池を電源供給源として切り替える。
上記の目的を達成するための本発明によるインクジェット記録装置の制御方法は以下の構成を備える。即ち、
前記電池の電池残量を検出する検出工程と、
前記検出工程で検出した電池残量に基づいて、前記インクジェット記録ヘッドのメインテナンス動作の処理内容を制御する制御工程と
を備える。
上記の目的を達成するための本発明によるプログラムは以下の構成を備える。即ち、
電源供給源として電池を用いて、インクジェット記録ヘッドを駆動制御するインクジェット記録装置の制御を実現するプログラムであって、
前記電池の電池残量を検出する検出工程のプログラムコードと、
前記検出工程で検出した電池残量に基づいて、前記インクジェット記録ヘッドのメインテナンス動作の処理内容を制御する制御工程のプログラムコードと
を備える。
本発明によれば、インクジェット記録ヘッドの保護を確実に実施し、加えて、電池電源使用時の印刷可能枚数の低減を抑制できるインクジェット記録装置及びその制御方法、プログラムを提供する。
以下、本発明の実施の形態について図面を用いて詳細に説明する。
尚、本明細書において、「印刷」(以下においては、「記録」という場合もある)とは、文字、図形等有意の情報を形成する場合のみならず、有意無意を問わず、また人間が視覚で知覚しうるように顕在化したものであるか否かを問わず、記録媒体上に液体を付与することによって広く画像、模様、パターン等を形成する、または媒体の加工を行う場合も言うものとする。
また、「被記録媒体」とは、一般的な記録装置で用いられている紙のみならず、広く布、プラスチックフィルム、金属板等、記録ヘッドによって吐出されるインクを受容可能なものも言うものとする。
さらに「インク」とは、上記「印刷」の定義と同様広く解釈されるべきもので、記録媒体上に付与されることによって画像、模様、パターン等の形成、または記録媒体の加工に供されうる液体を言うものとする。
また、各図面を通して、同一符号は、同一又は対応部分を示すものである。
図1は本発明の実施形態のインクジェット記録装置を一部破断して示す模式的斜視図である。また、図2は本発明の実施形態の図1のインクジェット記録装置のワイピング部を上方から見た模式的斜視図である。
図1及び図2において、インクジェット記録装置1は、インクジェット記録装置1の駆動用電源としての電池Xと、駆動源である駆動モータMと、インクジェット記録ヘッド3(以下、記録ヘッド3と略称する)を搭載するキャリッジ2と、エンドレスベルト4aによってレール4bに沿ってキャリッジ2を駆動モータMにより往復移動させる伝動機構4とを備える。
また、被記録媒体である記録紙Pを搬送(紙送り)する給紙機構(紙送り機構)5と、記録ヘッド3のインク吐出口面を密閉被覆するキャップCと、キャップCに連通し減圧機能により記録ヘッド3にインクタンク9よりインクを導入し、記録ヘッド3内の気泡、ごみ等を除去するポンプ部Bと、記録ヘッド3のインク吐出口面を接触摺動(払拭)するワイピング動作を行うためにインク吐出口面を接触摺動(払拭)するワイピング部10(図2)とを備えている。
キャリッジ2には、記録ヘッド3が着脱自在に装着可能な構成となっている。また、記録ヘッド3には、インクタンク9が着脱自在に装着可能となっている。記録ヘッド3に対しては、インクタンク9内に収容されたインクが供給される。この場合、キャリッジ2と記録ヘッド3は、両部材の接合面が適正に接触されて所要の電気的接続を達成維持できるようになっている。また、この電気的接続を検知することで、記録ヘッド3の有無を検知することも可能である。
また、記録ヘッド3には、カラー記録/モノクロ記録を実現するために複数種類のインクそれぞれを収容する複数のインクタンク9を着脱可能である。また、インクの種類としては、例えば、カラーインク(Y(イエロ)、M(マゼンタ)C(シアン))、黒インク(Bk(ブラック))のインクが挙げられる。
また、記録ヘッド3は、熱エネルギーを利用してインクを吐出するインクジェット記録方式を利用したインクジェット記録手段であって、熱エネルギーを発生するための電気熱変換体を備えたものである。また、記録ヘッド3は電気熱変換素子によって印加される熱エネルギーにより生じる膜沸騰による気泡の成長、収縮によって生じる圧力変化を利用して、インク吐出口よりインクを吐出させ、記録を行うものである。
尚、インクジェット記録方式としては、上述の熱エネルギーを利用したものではなく、圧電(ピエゾ)素子を利用したインクジェット記録方式であっても良い。
また、インクジェット記録装置1は、電源供給源として電池Xに加えて、外部電源を用いることが可能である。特に、外部電源接続と電池接続が同時に行われている場合には、外部電源からの電源供給を優先する。また、外部電源接続と電池接続が同時に行われている場合で、外部電源からの電源供給を優先して実施している状態から外部電源元が切断されると同時に電池を電源供給源として切り替える。
次に、記録ヘッド3の詳細構成について、図3A及び図3Bを用いて説明する。
図3A及び図3Bは本発明の実施形態の記録ヘッドの詳細構成を示す図である。
図3に示すように、キャリッジ2に搭載される記録ヘッド3は、樹脂成形部21によって記録時に記録紙Pに対向するインク吐出口面が形成されており、インク吐出口面に複数の吐出口24が並んだ吐出口列23が配置されている。
吐出口24は、キャリッジ2の移動方向(主走査方向)と交差する方向(副走査方向)に並んで配置される。樹脂成形部21は、キャリッジ2との電気的接点となるコンタクトパッド(不図示)が設けられた配線基板22上に配置されている。吐出口列23の近傍は撥液処理されており、不要インクやゴミなどの付着による吐出不良を防止している。
より詳細には、図3Bに示すように、インク吐出口面29上に吐出口24が所定のピッチで配置されている。インクは、共通液室26に保有されており、共通液室26から流路27に流入して、流路27の壁面に設けられたエネルギー発生素子25によって吐出口24から吐出される。また、インクの吐出安定性を維持するため、共通液室26には保温用電気熱変換素子28が配置されていてインクの保温を行っている。
記録ヘッド3もしくはインクタンク9を装着可能、交換可能となるのは、インクジェット記録装置1のフロントカバーが開状態となること、もしくはインクジェット記録装置1に配置されている交換キー(不図示)が押下された場合に、キャリッジ2をインクジェット記録装置の中央部、もしくは装置開口部に移動した状態である。
また、インクジェット記録装置1は、自身の各種動作の要する消費電力を規定値として保持している記憶部、消費電力を演算する演算部、電池残量を検知する検知部、電池残量とインクジェット記録装置1の動作に要する電力を比較判断する判断部、インクジェット記録装置1の様々な状況に適した動作を決定する決定部、インクジェット記録装置1の前回の保護シーケンスの種類を記憶する記憶部を、いわゆるCPU(あるいはCPU)、IC、メモリを搭載した制御回路F(図1)上で実現している。
また、記録ヘッド3やインクタンク9の未装着状態等の、インクジェット記録装置1の各種状態を表示する表示部D(図1)は、液晶表示装置でも良いし、LED等の発光素子でも良い。また、記録ヘッド3やインクタンク9の交換を行うための交換キーや、メインテナンス動作を実行するための操作キー等の操作パネルが表示部Dに併設されていても良い。
尚、このメインテナンス動作は、本実施形態では、インクジェット記録装置1の構成要素の内、特に、記録ヘッド3の状態を記録に適する状態に回復させる回復動作を示すものであるが、このメインテナンス動作には、給紙/排紙機構に対する回復動作、記録ヘッド3の駆動機構等の回復動作等が含まれる。
また、記録ヘッド3に対するメインテナンス動作には、例えば、インク吸引回復動作、ワイピング動作、インク予備吐出動作等が含まれる、そして、これらの動作は、記録ヘッド3をクリーニングする動作としても機能するので、クリーニング動作と呼ぶ場合もある。
このようなインクジェット記録装置1においては、記録紙Pは給紙機構5の給紙ローラ6によって送り込まれ、プラテン7上で記録ヘッド3によって記録紙Pに所定の記録が行なわれる。
また、記録ヘッド3のメインテナンス動作は、記録ヘッド3の装着時、インクタンク9の装着時、インクタンク9の交換時、及び規定時間を非記録状態で経過した後、及び規定インクドット数を吐出した後、ユーザーがキー操作もしくは、ホスト装置(例えば、インクジェット記録装置1に接続される、インクジェット記録装置への記録信号を生成し、出力するパーソナルコンピュータ)上のプリンタドライバからメインテナンスを指定要求した場合等に実行される。
このような場合には、メインテナンス動作として、まず、記録ヘッド3がキャップCにより密閉され、ポンプ部Bが駆動することにより減圧され、記録ヘッド3内のインク導入、インク充填、気泡除去、ごみ除去を行うためのインク吸引回復動作が実施される。
また、インク吸引回復動作が実施された後、ワイピング動作として、ワイピング部10がT方向に移動することにより、記録ヘッド3のインク吐出口上に残留するインク、ごみ等が接触摺動することにより除去される。その後、インク予備吐出が実施され、インク吸引回復動作、ワイピング動作により所定色以外のインクを各々の記録ヘッド3のインク液室(共通液室26)内から排除し、メインテナンス動作が完了する。
また、上記のメインテナンス動作は、使用者が印刷を意図しインクジェット記録装置1の電源を入れた場合、もしくは記録信号を受信した場合、もしくは上記の規定時間、規定インクドット吐出数を超えた場合に実施される。加えて、上述のメインテナンス動作は、インクタンク9の交換がなされた場合、記録ヘッド3の交換がなされた場合、長期間インクジェット記録装置1が使用されなかった場合等に、その必要に応じその強度を可変として、メインテナンス動作を実施している。
記録ヘッド3の未使用状態の時間の管理は、インクジェット記録装置1が電源投入状態では、制御回路F上に配置されたCPU等で実現されるタイマで時間をカウントする方法がある。特に、インクジェット記録装置1の電源ON/OFFに関係なく時間管理する場合には、インクジェット記録装置1に時間管理用内部電池を具備する、または、記録信号を入力するホスト装置から時刻情報を受信可能とし、最終使用時刻(最終吸引時刻)と入力時時刻の比較により、未使用時間の算出を行い実施している。これらの方法を、併用しても良い。
また、インクジェット記録装置1は、上記の強度の異なる各種メインテナンス要求が2以上重複してあるときは、強度の強いメインテナンス動作を実行し、その際にメインテナンスの要求状態はクリアする制御を実施しており、不必要なメインテナンスの重複した実施を防止している。
次に、インクジェット記録装置1の排紙後の動作について説明する。
インクジェット記録装置1は、記録待機中、記録終了(排紙)直後は次回の記録信号入力に備え、即座に記録動作に移行可能なように、ある所定待機時間の間、インク予備吐出を継続している。所定待機時間を経過後、ワイピング動作を実施し、ワイピング後用の予備吐出を実施後、キャップCにより記録ヘッド3は被覆される(キャッピング動作)。この場合、インク吸引回復動作時とは異なり、記録ヘッド3に圧力変化を加えないために、キャップCは記録ヘッド3との接合部以外で大気開放されている。
以上が、一般的なインクジェット記録装置の一連の動作である。
次に、制御回路Fの主要構成について、図4を用いて説明する。
図4は本発明の実施形態の制御回路の主要構成を示す図である。
38はCPUであり、インクジェット記録装置1の各種構成要素を制御する。31はI/Fであり、ホスト装置10等の外部装置と接続し、各種データの送受信を行う。このI/Fの形態としては、シリアルインタフェース/パラレルインタフェースのいずれも使用可能であり、例えば、シリアルインタフェースとしては、USBインタフェースがある。また、パラレルインタフェースとしては、セントロニクスインタフェースがある。
35はRAMである。RAM35には、複数の専用記憶領域が確保され、特に、本実施形態では、受信バッファ32、ワークバッファ33、プリントバッファ34、規定値テーブル413及び演算値バッファ414が確保されている。受信バッファ32は、ホスト装置10から受信する印刷データ(印刷制御情報、画像データ等)を一時的に記憶する。ワークバッファ33は、インクジェット記録装置1で実行される処理の作業領域として機能する。プリントバッファ34は、実際に印刷に使用する印刷画像データを記憶する。
また、規定値テーブル413は、後述する複数種類のメインテナンス動作を実行する場合に、各メインテナンス動作を実行するために必要な消費電力を管理している。また、この規定値テーブル413には、この消費電力に加えて、以下に説明するフローチャートで実行される処理に係る各種規定値(規定インク吐出発数(予備吐出量)、規定待機時間等)を管理している。
演算値バッファ414は、CPU38によって演算された所定のメインテナンス動作を実行するために必要な消費電力値(演算値)を記憶している。この演算値は、例えば、予めメインテナンス動作で実行される各種処理内容毎に規定されている消費電力に基づいて、CPU38が演算するものである。
36はモータドライバであり、インクジェット記録装置1の記録ヘッド3を駆動するための駆動モータMや、記録用紙Pを搬送するためのモータ等の各種モータをCPU38の制御によって駆動する。37は記録ヘッドドライバであり、記録ヘッド3をCPU38の制御によって駆動する。
39はDMAであり、RAM35上の複数の専用記憶領域間のデータ転送を実行する。310はROMであり、インクジェット記録装置1で実行される各種制御を実行するためのプログラムや、後述する各種フローチャートを実行するプログラムを記憶する。
311はEEPROMであり、インクジェット記録装置1で実行する処理に必要な各種パラメータ等のデータを記憶する。また、EEPROM311の代わりに、用途や目的に応じて、DRAM、SRAM等のデータを一時的に記憶可能な他のメモリを使用しても構わない。
312は検知部であり、インクジェット記録装置1の各種状態を検知するものであり、電池Xの電池残量(容量)を電池残量検知部であるが、これ以外にも、例えば、記録ヘッド3の温度を検知する温度検知部、記録用紙Pの有無を検知する用紙検知部、記録ヘッド3の有無を検知するヘッド検知部等を含んでいる。
313はタイマであり、各種処理を実行するための時間を計時する。これは、本実施形態では、タイマ313は図4に示すように独立した構成を挙げて説明するが、個別に設けられても良く、例えば、CPU38によって計時を行うように構成したり、また、他の構成に計時の機能を持たせるよう構成してもよい。
また、このカウント値は、例えば、EEPROM311に記憶される。これにより、CPU38は、EEPROM311に記憶されたカウント値を読み出すことで、各種処理における処理時間等の各種時間を取得することができる。
ホスト装置10は、制御回路Fでの記録制御を実現可能にするための記録信号を生成し、その記録信号のインクジェット記録装置1への出力を制御する。この記録信号の生成及び出力制御は、例えば、ホスト装置10上に搭載されるインクジェット記録装置1に対応するプリンタドライバ等の専用プログラムによって実現されるが、その専用プログラムが実行する処理を実現する専用ハードウェアで実現しても良い。
尚、ホスト装置10は、パーソナルコンピュータ(ノート型、デスクトップ型等の各種形式を含む)等の汎用コンピュータに搭載される標準的な構成要素(例えば、CPU、RAM、ROM、ハードディスク、外部記憶装置、ネットワークインタフェース、ディスプレイ、キーボード、マウス等)を有している。
また、ホスト装置10としては、パーソナルコンピュータ以外に、例えば、デジタルカメラ、携帯電話やPDA等の携帯端末がなり得る。
本実施形態では、特に、電池Xの電池残量に基づいて、各種メインテナンス動作を制御する。
尚、ここでは、メインテナンス動作とは、インク吸引回復動作、ワイピング動作、インク予備吐出動作等の記録ヘッド3の状態を記録に適する状態に回復させる動作を示すものである。
次に、本実施形態のインクジェット記録装置が実行する処理について、図5を用いて説明する。
図5は本発明の実施形態のインクジェット記録装置が実行する処理を示すフローチャートである。
尚、図5のフローチャートの各ステップは、インクジェット記録装置1のCPU38の制御の下で実行される。
まず、ステップS401で、印刷終了時(排紙後)に、電池Xの電池残量を検知する。この検知は、電池Xの電圧を検知することで実現し、制御回路F上の検知部312によって実行する。検知部312による検知値は、A/Dコンバータ等により処理され、制御回路F上のCPU38に送信される。
次に、ステップS402で、排紙後の記録ヘッド3に必要なメインテナンス状況を判定する。
尚、排紙後の記録ヘッド3のメインテナンス動作は、様々な使用条件により異なる。
例えば、印刷を行うことで、記録ヘッド3内には、そのインク吐出動作により気泡が溜まってしまう。この気泡に対し、記録ヘッド3のメインテナンス動作を実施せず、印刷動作、インク吐出動作を継続させた場合、最終的には記録ヘッド3内の共通液室26、もしくは流路27(インク吐出ノズル)においてインク切れが発生し、正常なインク吐出が不可能となる。
こうした状況を回避するため、インクジェット記録においては、ある規定値のインク吐出数があり、その規定値を実際のインク吐出数が上回っていた場合には、排紙後に記録ヘッド3のインク吸引回復動作を実行する。
また、上記の規定値を超えていない場合には、次回の記録信号入力に備え、記録ヘッド3はインク予備吐出を実行しながら、ある規定時間は待機状態を維持している。
そして、本実施形態では、特に、電池容量に制限がある電池Xを有するインクジェット記録装置1において、電池残量に応じた適切なメインテナンス動作を実現する構成について説明する。
この構成を実現するにあたり、本実施形態では、まず、メインテナンス状況に応じて、大きく分けて2種類のメインテナンス動作を実行する。1つは、通常(規定)のメインテナンス動作であり、もう1つは電池残量に応じて、通常のメインテナンス動作の処理内容を簡素化した簡素化メインテナンス動作を実行する。
そこで、ステップS402で、メインテナンス動作が不要であると判定された場合(ステップS402でNO)、メインテナンス動作が必要と判定されるまで待機する。一方、メインテナンス動作が必要であると判定された場合(ステップS402でYES)、ステップS403に進む。
次に、ステップS403で、電池残量と実施すべきメインテナンス動作の消費電力の比較を行う。その際、ステップS402の判定に従い、必要なメインテナンス動作における消費電力を、例えば、RAM35に記憶されている規定値テーブル413から読み出す、もしくは必要なメインテナンス動作における消費電力の演算値を演算値バッファ414から読み出して、電池残量と消費電力の比較を実行する。尚、この演算値は、例えば、CPU38によって演算されるものである。
比較の結果、電池残量が所望のメインテナンス動作を実行するために必要な消費電力以上である場合(ステップS403でYES)、ステップS411に進み、通常のメインテナンス動作を実行する。
ここで、通常のメインテナンス動作の詳細について、図6A及び図6Bを用いて説明する。
図6A及び図6Bは本発明の実施形態の通常のメインテナンス動作の詳細を示すフローチャートである。
まず、ステップS802で、Bk吸引動作を実行する。その後、ステップS803で、記録ヘッド3のインク吐出口面29を接触摺動(払拭)するワイピング動作を実行する。これは、インク吸引によって、インク吐出口面29に残留する廃インクが、吸引機構やプラテン7等に滴下し周辺を汚染することを防止するものである。
次に、ステップS804で、空吸引動作を実行する。
ここで、空吸引動作とは、記録ヘッド3からインクを吸引しないように吸引圧(減圧度)が付加されない状態で、キャップC内の廃インクを除去し、廃インク貯めへ移動させる動作であり、キャップC内の廃インクが次回のキャッピング時に、記録ヘッド3に再転写され汚染されることを防止するものである。また、この空吸引動作は、キャップC内の空間体積を初期化するものであり、次回吸引時の減圧度に影響を及ぼさないようにする目的もある。
次に、ステップS805で、カラー吸引動作を実施する。このカラー吸引動作は、Bkインク吐出ノズル、及びカラー(C、M、Y)インク吐出ノズルともに吸引の必要がある場合に実行される。また、排紙後に吸引不要と判断されたインク吐出ノズルに対する吸引動作はスキップされる。
また、ステップS802とステップS805における吸引強度は可変であり、排紙後以外のメインテナンスにおいては、その状況に適した強度で実施される。即ち、先述した通常のメインテナンス動作の実行要求が重複していた場合の処理に則り、強度の強いメインテナンス動作が実施される。
次に、ステップS806で、予備吐出動作を実行する。この予備吐出動作は、カラーインク吐出ノズルの吸引後に各色の混じり合った混色インクがインク吐出ノズル内に引き込まれ、所望の色と異なる色が印刷されることを防止するための混色防止予備吐動作である。特に、このカラーインク吐出ノズルの吸引直後に、予備吐出動作を実行するのは、カラーインク吐出ノズルにおいては混色の発生が顕著であるためである。この時、同様の理由で、Bkインク吐出ノズルも予備吐出を行う。
その後、ステップS807で、ワイピング動作を実行する。これは、ステップS803と同様の意味を持つものである。
次に、ステップ808で、カラー予備吐出動作を実行する。このカラー予備吐出動作は、ステップS807のワイピング動作でインク吐出ノズル内に侵入した混色インクを排出するためである。そして、特に、ステップS807のワイピング動作の直後に、このカラー予備吐出動作を実行する理由も、カラーインク吐出ノズルでの混色が顕著であるためである。
次に、ステップS809で、空吸引動作を実行する。この空吸引動作は、ステップS806及びステップ808の予備吐出動作により、キャップC内に滞留した廃インクを廃インク貯めまで移動させるためであり、意図するところは、ステップS804の空吸引動作と同様である。
次に、ステップS810で、Bkインク吐出ノズルの予備吐出動作を実行する。この予備吐出動作の意図するところは、ステップS808と同様である。
次に、ステップS811で、空吸引動作を実行する。この空吸引動作の意図するところは、ステップS809と同様である。
尚、ステップS806、ステップS808及びステップS810それぞれの予備吐出動作における予備吐出量は、規定値テーブル413から選択され、それぞれの状況によってインク吐出発数は異なっている。
続いて、図6AのステップS811から図6BのステップS902に進む。
尚、印刷終了時(排紙後)の記録ヘッド3の通常のメインテナンス動作として、ステップS402で、インク吸引回復動作が不要であると判定された場合には、図6Aの処理は省略され、図6Bの処理のみが実行される。
ステップS902で、所定時間t秒間の待機を実行する。この所定時間tは、インク吐出ノズルが予備吐出無しに正常なインク吐出を維持可能な時間から定められている。
次に、ステップS903で、予備吐出動作を実行する。この予備吐出動作は、インク吐出ノズル面で乾燥し粘度が上昇しているインクを排出し、インク吐出性能を維持することを目的としており、通常、インク吸引回復動作後の予備吐出動作と比較してそのインク吐出発数は少ない。
次に、ステップS904で、規定待機時間Tを超えたか否かを判定する。規定待機時間Tを越えていない場合(ステップS904でNO)、超えるまで、ステップS902及びステップS903の処理を繰り返えす。
一方、規定待機時間Tを越えている場合(ステップS904でYES)、ステップS905に進む。
尚、この規定待機時間Tは、次に記録信号入力時に即座に記録動作に入るためのものであり、記録信号入力時に毎回キャップオープン動作が実行され、使用者の利便性を低下させないことを意図している。
そして、ステップS904で、規定待機時間Tを超えた場合、以下のステップS905〜ステップS908に示す動作(キャップクローズ動作)を開始する。まず、ステップS905で、ワインピング動作を実行し、キャッピング動作による記録ヘッド3の保護前に、インク吐出ノズル面を清掃する。
次に、ステップS906で、予備吐出動作を実行する。この予備吐出動作は、ワイピング動作により侵入する混色インクを記録ヘッド3内から排出することを目的としており、Bkインク吐出ノズル、カラーインク吐出ノズルともに実施される。
次に、ステップS907で、空吸引動作を実行する。この空吸引動作は、キャップクローズ動作の前に、キャプC内の廃インクを排出し、廃インク貯めまで移動させるための動作である。
次に、ステップS908で、キャッピング動作を実行する。このキャッピング動作は、キャップCと記録ヘッド3のインク吐出ノズル面が配置されている面を合わせ、記録ヘッド3のインク吐出ノズル、インク吐出ノズル近傍のフェイス面を保護し、インク蒸発抑制、ごみ等の侵入防止を目的としている。
以上の図6A及び図6Bの処理が、図5のステップS403で、電池残量が実施すべきメインテナンス動作の消費電力を上回っている場合のステップS411における通常のメインテナンス動作であり、この図6A及び図6Bの処理の実行後、図5の処理を終了する。
図5の説明に戻る。
次に、ステップS403で、電池残量残量が実施すべきメインテナンスの消費電量を下回っている場合の説明を行う。この場合、ステップS403からステップS404へ進む。
ステップS404で、CPU38は、電池残量レベルを判定する。ここでは、電池残量レベルとして、レベル1、レベル2、レベル3が規定の範囲値として定められており、この値は、例えば、RAM35に記憶されている。尚、電池残量レベルは、レベル1が多く、レベル3に向け少なく設定されている。
ステップS404で、電池残量レベルがレベル1の範囲であると判定された場合、ステップS406に進み、通常のメインテナンス動作をレベル1に応じて簡素化した第1簡素化メインテナンス動作を実行する。
ここで、第1簡素化メインテナンス動作の詳細について、図7を用いて説明する。
図7は本発明の実施形態の第1簡素化メインテナンス動作の詳細を示すフローチャートである。
電池残量レベルがレベル1の範囲である場合、第1簡素化メインテナンス動作を開始する。
第1簡素化メインテナンス動作は、最終的には、図6Bで示したような、キャップクローズ動作を実行する。
まず、ステップS505で、ワイピング動作を実行し、キャッピング動作による記録ヘッド3の保護前に、インク吐出ノズル面を清掃する。次に、ステップS506で、通常の予備吐出動作よりインク吐出発数の少ない予備吐出動作(小)を実行する。これは、消費電力を抑制しつつ、ワイピング動作により侵入する混色インクを記録ヘッド3内から排出することを目的としている。
次に、ステップS507で、空吸引動作を実行する。この空吸引動作は、キャップクローズ動作の前にキャプC内の廃インクを排出し、廃インク貯めまで移動させるための動作である。次に、ステップS508で、キャッピング動作を実行する。このキャッピング動作は、キャップCと記録ヘッド3のインク吐出ノズル面が配置されている面を合わせ、記録ヘッド3のインク吐出ノズル、インク吐出ノズル近傍のフェイス面を保護し、インク蒸発抑制、ごみ等の侵入防止を目的としている。
この図7の処理は、実質的に図6BのステップS902からステップS904の処理を省略したシーケンスである。また、レベル1は、電池残量が所定の電池残量を下回っているローバッテリー状態の中で、電池残量が比較的多い状態である。
そのため、第1簡素メインテナンス動作は、予備吐出動作におけるインク吐出発数を減少させる以外は通常のメインテナンス動作と同一の制御を行い、記録ヘッド3のキャッピング放置における信頼性の確保の優先順位を維持しつつ、電池残量不足によるキャッピング動作が完了できず、記録ヘッド3が剥き出しのまま放置されることを防止するものである。
図5の説明に戻る。
ステップS404で、電池残量レベルがレベル2の範囲であると判定された場合、ステップS405に進み、通常のメインテナンス動作をレベル2に応じて簡素化した第2簡素化メインテナンス動作を実行する。
ここで、第2簡素化メインテナンス動作の詳細について、図8を用いて説明する。
図8は本発明の実施形態の第2簡素化メインテナンス動作の詳細を示すフローチャートである。
電池残量レベルがレベル2の範囲である場合、第2簡素化メインテナンス動作を開始する。
第2簡素化メインテナンス動作は、キャップクローズ動作を更に簡素化したものであり、記録ヘッド3のキャッピング動作を最優先させつつ、最低限の記録ヘッド3のメインテナンス動作を実行するものである。
まず、ステップS602で、通常の予備吐出よりインク吐出発数の少ない予備吐出動作(小)を実行する。この予備吐出動作(小)は、消費電力を抑制しつつインク吐出ノズル内のインクを排出し、可能な限りインク吐出ノズルをリフレッシュすることを目的としている。
次に、ステップS603で、キャッピング動作を実行する。これは、キャップCと記録ヘッド3のインク吐出ノズル面が配置されている面を合わせ、記録ヘッド3のインク吐出ノズル、インク吐出ノズル近傍のフェイス面を保護し、インク蒸発抑制、ごみ等の侵入防止を目的としている。
この図8の処理において、レベル2は、電池残量が所定の電池残量を下回っているローバッテリー状態のなかで、電池残量が中程度の状態である。
そのため、第2簡素化メインテナンス動作は、最低限の予備吐出動作のみ実行し、記録ヘッド3のキャッピング放置における信頼性の確保を考慮しつつ、電池残量不足によるキャッピング動作が完了できず、記録ヘッド3が剥き出しのまま放置される事を防止することを最優先するものである。
図5の説明に戻る。
ステップS404で、電池残量レベルがレベル3の範囲であると判定された場合、ステップS407に進み、通常のメインテナンス動作をレベル3に応じて簡素化した第3簡素化メインテナンス動作を実行する。
ここで、第3簡素化メインテナンス動作の詳細について、図9を用いて説明する。
図9は本発明の実施形態の第3簡素化メインテナンス動作の詳細を示すフローチャートである。
電池残量がレベル3の範囲である場合、第3簡素化メインテナンス動作を開始する。
第3簡素化メインテナンス動作は、キャッピング動作のみを実施するものであり、記録ヘッド3のキャップCのキャッピングのみを確実に実行するものである。
つまり、この場合、ステップS702で、キャッピング動作を実行する。これは、キャップCと記録ヘッド3のインク吐出ノズル面が配置されている面を合わせ、記録ヘッド3のインク吐出ノズル、インク吐出ノズル近傍のフェイス面を保護し、インク蒸発抑制、ごみ等の侵入防止を目的としている。
この図9の処理において、レベル3は、電池残量が所定の電池残量を下回っているローバッテリー状態のなかで電池残量が最小である状態である。
そのため、第3簡素化メインテナンス動作は、記録ヘッド3のキャッピング動作の前のメインテナンス動作は一切省略し、キャッピング動作のみの実行を最優先させる。これにより、電池残量不足によるキャッピング動作が完了できず、記録ヘッド3が剥き出しのまま放置されることを防止することを最低限防止するものである。
図5の説明に戻る。
次に、ステップS406の実行後、もしくはステップS406と同時に、ステップS415で、第1簡素化メインテナンス動作を実行したこと示す第1フラグ(Flag)を制御回路F上に配置されるRAM35にセットする。そして、処理を終了する。
あるいは、ステップS405の実行後、もしくはステップS405と同時に、ステップS416で、第2簡素化メインテナンスを実行したこと示す第2フラグ(Flag)を制御回路F上に配置されるRAM35にセットする。そして、処理を終了する。
あるいは、ステップS407の後、もしくはステップS407と同時に、ステップS417で、第3簡素化メインテナンスを実行したこと示す第3フラグ(Flag)を制御回路F上に配置されるRAM35にセットする。そして、処理を終了する。
これらのフラグは、次回の電源投入時(これは外部電源からの電源供給若しくは電池による電源供給(但し、ローバッテリーで無い、つまり、通常のメインテナンス動作を実行可能な十分な電離残量がある)どちらの場合においても)に、前回に簡素化メインテナンス動作が実行されたことにより、通常のメインテナンス動作を実行した状態よりも記録ヘッド3の状態が悪いことをリカバリーする(リカバリーメインテナンス動作を実行する)ために用いる。
そこで、この簡素化メインテナンス後のリカバリーメインテナンス動作の一例について、図10を用いて説明する。
図10は本発明の実施形態のリカバリーメインテナンス動作の詳細を示すフローチャートである。
このリカバリーメインテナンス動作は、インクジェット記録装置1の次回電源投入時に、図5の第1乃至第3簡素化メインテナンス動作のいずれかが実行され、いずれかのメインテナンス動作を実行したことを示す第1乃至第3フラグのいずれかがセットされている場合に実行する。つまり、CPU38は、例えば、電源投入時にRAM35のフラグの状態を参照して、その結果に基づいて、リカバリーメインテナンス動作を実行する。
尚、このリカバリーメインテナンス動作の実行タイミングは、電源投入時でも良いし、電源投入後の記録信号入力時でも良い。また、先述した一般的なインクジェット記録装置のメインテナンス要求が重複していた場合の処理に則り、リカバリーメインテナンス動作よりも強度の強いメインテナンス要求が存在する場合には、強度の強いメインテナンス動作を実行して、リカバリーメインテナンス動作をキャンセルする。
図10で示すリカバリーメンテナンス動作の処理の基本的なフローは、図8と同一であり、その特徴的な部分は、セットされているフラグに応じて、インク吸引回復動作や予備吐出動作の強度をn倍している点である。
例えば、第1フラグがセットされている場合は、第1簡素化メインテナンス動作は、印刷終了時(排紙後)の待機状態の維持を省略し、予備吐出数を減少させ消費電力を抑制している。そのため、記録ヘッド3のインク吐出ノズルのリフレッシュが不十分な可能性があるため、ステップS1002及びステップS1005では、n=1として、インク吸引回復動作を実行して、インク吐出性能を復帰させる。
また、第2フラグがセットされている場合は、記録ヘッド3は予備吐出動作(小)のみ実行してキャッピングされている。そのため、インク吐出面に廃インクが残存している可能性が高く、また放置期間によってはそれらの残存した廃インクが乾燥し固着している可能性がある。よって、ステップS1002及びS1005は、n=2として、十分な記録ヘッド3のリカバリーメインテナンス動作(インク吸引回復動作)を実行する。
また、第3フラグがセットされている場合、記録ヘッド3はメインテナンス動作に関する動作を全く受けていない。そのため、第2簡素化メインテナンス動作後よりも更に劣悪な状況にある可能性が高い。よって、ステップS1002及びS1005は、n=3として、更に強度の高い記録ヘッド3のリカバリーメインテナンス動作を実行する。
以上説明した、図10のリカバリーメインテナンス時で規定する、メインテナンス強度(インク吸引回復強度及び予備吐出強度)とフラグの関係(メインテナンス強度管理テーブル)を図11に示す。
尚、このメインテナンス強度管理テーブルは、例えば、RAM35に記憶されている。あるいは、規定値テーブル414の一部として構成されていても良い。
図11の例では、第1フラグがセットされている時は、吸引強度は1倍、予備吐出強度は1倍となっている。また、第2フラグがセットされている時は、吸引強度は2倍、予備吐出強度は1倍となっている。更に、第3フラグがセットされている時は、吸引強度は3倍、予備吐出強度は2倍となっている。これは、記録ヘッド3のキャップクローズを実行することを優先するため、記録ヘッド3の通常のメインテナンス動作を省略した簡素化メインテナンス動作後のメインテナンス動作で、記録ヘッド3のインク吐出性能をリカバリーするものである。
そして、この図10の処理の終了時には、セットされているフラグを解除して、リカバリーメインテナンス動作を終了する。
尚、上述の電池残量のレベル1、レベル2及びレベル3の範囲は、第1乃至第3簡素化メインテナンスの各々の消費電力を、そのインクジェット記録装置1毎に規定し、例えば、RAM35に記憶されている。あるいは、規定値テーブル414の一部として構成されていても良い。
以上説明したように、本実施形態によれば、電池Xの電池残量に応じた適切な複数種類のメインテナンス動作を実行するモードを用意しておく。そして、その電池残量に応じたメインテナンス動作を実行することで、メインテナンス動作中に電池残量不足によって、メインテナンス動作そのものが中断されることを防止して、電池残量に応じたメインテナンス動作を確実に実行することができる。
特に、本実施形態では、複数種類のメインテナンス動作のいずれにおいても、キャッピング動作を完了できるように、その動作内容を設定しているので、電池残量不足によるキャッピング動作が完了できず、記録ヘッド3が剥き出しのまま放置されることを確実に防止することができる。
また、電池残量に応じたメインテナンス動作を実行することで、電池電源使用時の印刷可能枚数の低減を抑制することができる。
尚、図5では、印刷終了時に、電池Xの電池残量を検知して、この検知結果に基づいて、各種メインテナンス動作を実行する構成について説明したが、インクジェット記録装置1が印刷中、もしくはキャッピング(キャップクローズでの待機)中の記録信号入力時、もしくは記録待機中(キャップオープンでの)の記録信号入力時の少なくとも1つの時点あるいはそれらの任意の組み合わせの各時点に、適宜電池Xの電池残量の検知を実行するようにしても良い。このように検知の機会を増やすことにより、簡素化メインテナンス動作の要否を判定する機会が増し、更に、確実なキャップクローズによる記録ヘッドの保護が可能となる。
尚、本発明は、前述した実施形態の機能を実現するソフトウェアのプログラム(実施形態では図に示すフローチャートに対応したプログラム)を、システムあるいは装置に直接あるいは遠隔から供給し、そのシステムあるいは装置のコンピュータが該供給されたプログラムコードを読み出して実行することによっても達成される場合を含む。
本発明の実施形態のインクジェット記録装置を一部破断して示す模式的斜視図である。 本発明の実施形態の図1のインクジェット記録装置のワイピング部を上方から見た模式的斜視図である。 本発明の実施形態の記録ヘッドの詳細構成を示す図である。 本発明の実施形態の記録ヘッドの詳細構成を示す図である。 本発明の実施形態の制御回路の主要構成を示す図である。 本発明の実施形態のインクジェット記録装置が実行する処理を示すフローチャートである。 本発明の実施形態の通常のメインテナンス動作の詳細を示すフローチャートである。 本発明の実施形態の通常のメインテナンス動作の詳細を示すフローチャートである。 本発明の実施形態の第1簡素化メインテナンス動作の詳細を示すフローチャートである。 本発明の実施形態の第2簡素化メインテナンス動作の詳細を示すフローチャートである。 本発明の実施形態の第3簡素化メインテナンス動作の詳細を示すフローチャートである。 本発明の実施形態のリカバリーメインテナンス動作の詳細を示すフローチャートである。 本発明の実施形態のリカバリーメインテナンス動作時のメインテナンス強度の関係を示す図である。
符号の説明
1 インクジェット記録装置
2 キャリッジ
3 記録ヘッド
4 伝動機構
4a エンドレスベルト
4b レール
5 給紙機構
6 給紙ローラ
7 プラテン
9 インクタンク
10 ワイピング部
11 インク供給口
B ポンプ部
C キャップ
D 表示部
F 制御回路
M 駆動モータ
P 被記録媒体
X 電池

Claims (12)

  1. 電源供給源として電池を用いて、インクジェット記録ヘッドを駆動制御するインクジェット記録装置であって、
    前記電池の電池残量を検出する検出手段と、
    前記検出手段で検出した電池残量に基づいて、前記インクジェット記録ヘッドのメインテナンス動作の処理内容を制御する制御手段と
    を備えることを特徴とするインクジェット記録装置。
  2. 前記制御手段は、前記電池残量が規定のメインテナンス動作を実行するために必要な消費電力未満である場合、前記規定のメインテナンス動作を簡素化した簡素化メインテナンス動作を実行する
    ことを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録装置。
  3. 前記インクジェット記録ヘッドのメインテナンス動作の要否を判定する判定手段を更に備える
    ことを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録装置。
  4. 前記インクジェット記録ヘッドによって、記録媒体への記録を実行する記録手段を更に備え、
    前記判定手段による判定は、前記記録手段による記録の終了時、前記記録手段による記録中、あるいは前記記録手段による記録の実行命令の入力時の少なくとも1つの時点あるいはそれらの任意の組み合わせの各時点に実行する
    ことを特徴とする請求項3に記載のインクジェット記録装置。
  5. 前記制御手段は、前記電池残量が規定のメインテナンス動作を実行するために必要な消費電力未満である場合、前記電池残量のレベルに基づいて、前記規定のメインテナンス動作を簡素化した複数種類の簡素化メインテナンス動作のいずれかを選択して実行する
    ことを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録装置。
  6. 前記簡素化メインテナンス動作の実行の有無を示す情報を記憶する記憶手段を更に備える
    ことを特徴とする請求項5に記載のインクジェット記録装置。
  7. 前記制御手段は、前記記憶手段に記憶されている情報に基づいて、次回電源投入時あるいは次のメインテナンス動作要求時に、前記規定のメインテナンス動作のメインテナンス強度より強いメインテナンス動作を実行する
    ことを特徴とする請求項6に記載のインクジェット記録装置。
  8. 電源供給源として前記電池に加えて、外部電源を用いることが可能である
    ことを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録装置。
  9. 外部電源接続と電池接続が同時に行われている場合に、外部電源からの電源供給を優先する
    ことを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録装置。
  10. 外部電源接続と電池接続が同時に行われている場合で、外部電源からの電源供給を優先して実施している状態から外部電源元が切断されると同時に前記電池を電源供給源として切り替える
    ことを特徴とする請求項1のインクジェット記録装置。
  11. 電源供給源として電池を用いて、インクジェット記録ヘッドを駆動制御するインクジェット記録装置の制御方法であって、
    前記電池の電池残量を検出する検出工程と、
    前記検出工程で検出した電池残量に基づいて、前記インクジェット記録ヘッドのメインテナンス動作の処理内容を制御する制御工程と
    を備えることを特徴とするインクジェット記録装置の制御方法。
  12. 電源供給源として電池を用いて、インクジェット記録ヘッドを駆動制御するインクジェット記録装置の制御を実現するプログラムであって、
    前記電池の電池残量を検出する検出工程のプログラムコードと、
    前記検出工程で検出した電池残量に基づいて、前記インクジェット記録ヘッドのメインテナンス動作の処理内容を制御する制御工程のプログラムコードと
    を備えることを特徴とするプログラム。
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