JP2005162994A - 含フッ素水性分散組成物 - Google Patents
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Abstract
【課題】常温で硬化乾燥させることもでき、しかも耐溶剤性、耐水性、耐候性、塗膜硬度、光沢などに優れた塗膜を与える含フッ素水性分散組成物を提供する。
【解決手段】酸価が10〜250mgKOH/gのフルオロオレフィン共重合体(A)と非フッ素系合成樹脂エマルション(B)とからなり、該フルオロオレフィン共重合体(A)がマレイン酸単位、マレイン酸無水物単位、マレイン酸モノエステル単位、フマル酸単位およびフマル酸モノエステル単位よりなる群から選ばれる少なくとも1種の構造単位を有し、かつ該フルオロオレフィン共重合体(A)および非フッ素系合成樹脂(B)の少なくとも一方が架橋性官能基を含んでいる含フッ素水性分散組成物。
【選択図】なし
【解決手段】酸価が10〜250mgKOH/gのフルオロオレフィン共重合体(A)と非フッ素系合成樹脂エマルション(B)とからなり、該フルオロオレフィン共重合体(A)がマレイン酸単位、マレイン酸無水物単位、マレイン酸モノエステル単位、フマル酸単位およびフマル酸モノエステル単位よりなる群から選ばれる少なくとも1種の構造単位を有し、かつ該フルオロオレフィン共重合体(A)および非フッ素系合成樹脂(B)の少なくとも一方が架橋性官能基を含んでいる含フッ素水性分散組成物。
【選択図】なし
Description
本発明は、常温で硬化乾燥させることもでき、しかも耐溶剤性、耐水性、耐候性、塗膜硬度、光沢などに優れた塗膜を与える含フッ素水性分散組成物に関する。
従来、フッ素樹脂を含有する水性分散型の硬化性組成物は、高耐候性、耐水性、耐薬品性などの優れた特性を備えた塗膜を与えることが知られており、さらに親水性を与えるために共重合成分としてマレイン酸やフマル酸を使用することも知られている。
たとえば特許文献1には、マレイン酸モノエステル単位やフマル酸モノエステル単位を有する高酸価のフッ素樹脂の水性分散体に関する技術が開示されている。しかしこの水性分散体はフッ素樹脂のみからなるため塗膜の光沢、密着性が低い。また、硬化剤の使用も記載されているが、常温硬化性の硬化系については記載がない。
また水性塗料用フッ素樹脂として、特許文献2などに記載されているように、フルオロオレフィンと水酸基含有単量体やマレイン酸などの他のビニルモノマーを乳化剤を用いて水中で乳化重合して得られる水性フッ素樹脂分散体が知られている。しかし、乳化重合することによりフッ素樹脂を得る場合の本質的問題であるカルボキシル基や水酸基などの官能基がフッ素樹脂に導入しにくいという欠点を解消できていない。さらに、乳化剤などが多いことや粒子径が比較的大きいため、塗膜の造膜性が低い、耐水性が低い、硬化性が低いなどの欠点がある。
また、先行技術はすべてフッ素樹脂に由来する雨筋汚染が発生しやすいという欠点を有している。
本発明はマレイン酸またはフマル酸、それらの誘導体を効率よく導入されたフッ素樹脂を用い、かかるフッ素樹脂と他の非フッ素系樹脂エマルションまたは特定の硬化剤との併用により、上記の従来の水性塗料組成物の課題を解決し得た水性塗料用硬化性組成物を提供するものである。
すなわち本発明は、酸価が10〜250mgKOH/gのフルオロオレフィン共重合体(A)と非フッ素系合成樹脂エマルション(B)とからなり、該フルオロオレフィン共重合体(A)がマレイン酸単位、マレイン酸無水物単位、マレイン酸モノエステル単位、フマル酸単位およびフマル酸モノエステル単位よりなる群から選ばれる少なくとも1種の構造単位を有し、かつ該フルオロオレフィン共重合体(A)および非フッ素系合成樹脂(B)の少なくとも一方が架橋性官能基を含んでいる含フッ素水性分散組成物(第1の発明)に関する。
かかる水性分散組成物においてフルオロオレフィン共重合体(A)が架橋性官能基としてカルボニル基を有し、非フッ素系合成樹脂(B)がヒドラジド基を有すること、またはフルオロオレフィン共重合体(A)がα,β−不飽和カルボニル基を有し、非フッ素系合成樹脂(B)が活性メチレン基を有することが好ましい。
また、非フッ素系合成樹脂エマルション(B)としては、アクリル樹脂エマルション、ウレタン樹脂エマルションまたはポリエステル樹脂エマルションなどが好ましくあげられる。
第1の発明の水性分散組成物は、さらに硬化剤(C)を含んでいてもよい。かかる硬化剤(C)としては、非ブロック型イソシアネート化合物、ヒドラジド化合物、カルボジイミド化合物およびアジリジンよりなる群から選ばれる少なくとも1種の常温硬化剤(C1)が好ましい。
本発明はまた、酸価が10〜250mgKOH/gのフルオロオレフィン共重合体(A)と常温硬化剤(C1)とからなり、該フルオロオレフィン共重合体(A)がマレイン酸単位、マレイン酸無水物単位、マレイン酸モノエステル単位、フマル酸単位およびフマル酸モノエステル単位よりなる群から選ばれる少なくとも1種の構造単位を有し、かつ該フルオロオレフィン共重合体(A)が架橋性官能基を含んでおり、該常温硬化剤(C1)が非ブロック型イソシアネート化合物、ヒドラジド化合物、カルボジイミド化合物およびアジリジンよりなる群から選ばれる少なくとも1種である含フッ素水性分散組成物(第2の発明)に関する。
本発明はさらに、酸価が10〜250mgKOH/gのフルオロオレフィン共重合体(A2)と水とからなり、該フルオロオレフィン共重合体(A2)がマレイン酸単位、マレイン酸無水物単位、マレイン酸モノエステル単位、フマル酸単位およびフマル酸モノエステル単位よりなる群から選ばれる少なくとも1種の構造単位を有し、かつ該フルオロオレフィン共重合体(A2)が重合性不飽和二重結合を有している含フッ素水性分散組成物(第3の発明)に関する。
本発明の第1〜第2の発明において、フルオロオレフィン共重合体(A)として、フルオロオレフィン共重合体(A)の水性分散体にビニル単量体をシード重合して得られる複合化フッ素樹脂(A1)、またはフルオロオレフィン共重合体(A2)の水性分散体に架橋性官能基含有ビニル単量体をシード重合して得られる複合化フッ素樹脂(A3)を用いることができる。
本発明によれば、マレイン酸またはフマル酸、それらの誘導体を効率よく導入されたフッ素樹脂を用い、かかるフッ素樹脂と他の非フッ素系樹脂エマルションまたは特定の硬化剤との併用により、耐溶剤性、耐水性、耐候性、塗膜硬度、光沢などに優れた塗膜を与える水性塗料用硬化性組成物を提供することができる。
本発明の第1の発明である水性塗料用硬化性組成物は、非フッ素系合成樹脂エマルション(B)とマレイン酸単位、マレイン酸無水物単位、マレイン酸モノエステル単位、フマル酸単位およびフマル酸モノエステル単位よりなる群から選ばれる少なくとも1種の構造単位を有するフルオロオレフィン共重合体(A)を含む。
まず特定のフルオロオレフィン共重合体(A)について説明する。
フルオロオレフィン共重合体(A)が含有するフルオロオレフィン単位としては、テトラフルオロエチレン(TFE)、トリフルオロエチレン(TrFE)、クロロトリフルオロエチレン(CTFE)、ヘキサフルオロプロピレン(HFP)、フッ化ビニル(VF)、フッ化ビニリデン(VdF)などがあげられ、これらのうちTFE、CTFE、HFPなどのパーハロオレフィン単位が、フッ素含有量の多いフルオロオレフィン共重合体を提供でき、フッ素樹脂の有利な効果、たとえば耐薬品性、耐水性、耐溶剤性、耐汚染性、耐候性などに優れた塗膜を与える点から好ましい。
フルオロオレフィン共重合体(A)は、マレイン酸単位、マレイン酸無水物単位、マレイン酸モノエステル単位、フマル酸単位およびフマル酸モノエステル単位よりなる群から選ばれる少なくとも1種の構造単位を含む。
マレイン酸モノエステルまたはフマル酸モノエステルのエステル部分は、メチル、エチル、ブチル、オクチル、ラウリル、ステアリルなどのアルキル基;ビニル基、アリル基、オレイル基、リノレイル基などの不飽和アルキル基;ポリエチレンオキシド基、片末端アルキル化ポリエチレンオキシド基などのポリエーテル基などがあげられる。なかでも、エチル、ブチル、ラウリル、ステアリル、オレイルなどの炭素数1〜20のアルキル基または不飽和アルキル基が好ましく、さらには炭素数11〜20がより好ましい。また必要により、エマルションの分散安定性を向上させるには、ポリエチレンオキシド基、片末端アルキル化ポリエチレンオキシド基などのポリエーテル基が好ましい。
これらのマレイン酸またはフマル酸単位を導入することにより、基材密着性などが向上する。
フルオロオレフィン共重合体(A)が有する酸価は10〜250mgKOH/gの範囲内になければならない。酸価が10mgKOH/gより少ないと、フルオロオレフィン共重合体が水溶性にならず、本質的に分散剤や乳化剤の助けを借りなければ水中に均一に分散できなくなる。
一方、酸価が250mgKOH/gを超えると、親水性が大きくなりすぎて得られる塗膜の耐水性、耐アルカリ性などが低下する。
好ましい酸価の下限は40mgKOH/g、さらには50mgKOH/g、特に55mgKOH/gである。また好ましい上限は150mgKOH/g、さらには130mgKOH/g、特に120mgKOH/gである。
こうした高酸価のフルオロオレフィン共重合体は乳化重合法では製造できない。本発明で使用するフルオロオレフィン共重合体(A)の製造手法については後述する。
またフルオロオレフィン共重合体にこうした高酸価を与える官能基は、水溶性官能基、特にアニオン性官能基をアルカリで中和して得られた官能基であることが好ましい。そうしたアニオン性官能基としてはカルボン酸基、スルホン酸基、リン酸基などが例示でき、塗膜の耐水性が良好で、金属基材の腐食が少ない点からカルボン酸基が好ましい。
フルオロオレフィン共重合体にアニオン性官能基を導入する方法としては、たとえばアニオン性官能基を含有する単量体を共重合する方法(共重合法)と水酸基などの官能基を含有する重合体に二塩基酸無水物などのアニオン性官能基を有する化合物を反応させる方法(高分子反応法)などが採用される。
アニオン性官能基としてのカルボン酸基を共重合法で導入するための単量体としては、式(I):
(式中、R3、R4およびR5は同じかまたは異なり、いずれも水素原子、アルキル基、カルボキシル基またはエステル基;nは0または1である)で表わされる不飽和モノカルボン酸、不飽和ジカルボン酸、そのモノエステルまたは酸無水物などの不飽和カルボン酸類;または式(II):
(式中、R6およびR7は同じかまたは異なり、いずれも飽和または不飽和の直鎖または環状アルキル基;nは0または1;mは0または1である)で表わされるカルボン酸基含有ビニルエーテル単量体などがあげられる。
式(I)の不飽和カルボン酸類の具体例としては、たとえばアクリル酸、メタクリル酸、ビニル酢酸、クロトン酸、桂皮酸、3−アリルオキシプロピオン酸、3−(2−アリロキシエトキシカルボニル)プロピオン酸、イタコン酸、イタコン酸モノエステル、マレイン酸、マレイン酸モノエステル、マレイン酸無水物、フマル酸、フマル酸モノエステル、フタル酸ビニル、ピロメリット酸ビニルなどがあげられる。それらのなかでも単独重合性の低いクロトン酸、イタコン酸、マレイン酸、マレイン酸モノエステル、フマル酸、フマル酸モノエステル、3−アリルオキシプロピオン酸が、単独重合性が低く単独重合体ができにくいことから好ましい。
式(II)のカルボン酸基含有ビニルエーテル単量体の具体例としては、たとえば3−(2−アリロキシエトキシカルボニル)プロピオン酸、3−(2−アリロキシブトキシカルボニル)プロピオン酸、3−(2−ビニロキシエトキシカルボニル)プロピオン酸、3−(2−ビニロキシブトキシカルボニル)プロピオン酸などの1種または2種以上があげられる。これらの中でも3−(2−アリロキシエトキシカルボニル)プロピオン酸などが、単量体の安定性や重合反応性がよい点で有利であり、好ましい。
アニオン性官能基導入用のスルホン酸基含有単量体の具体例としては、たとえばビニルスルホン酸などがあげられる。
また、高分子反応法としては、たとえばカルボン酸基を導入する場合、水酸基含有フルオロオレフィン重合体に二塩基酸またはその無水物を反応させる方法があげられる。二塩基酸またはその無水物としては、たとえば無水マレイン酸、無水コハク酸、無水メチルコハク酸、無水アジピン酸、無水グルタミン酸、無水イタコン酸、無水シトラコン酸、無水1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、無水4−メチル−1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、無水シス−4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸、無水1−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸などがあげられ、なかでも無水1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、無水4−メチル−1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、無水シス−4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸、無水1−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸が好ましい。反応は、含フッ素共重合体および二塩基性酸無水物を溶解しうる溶媒を用い、カルボキシル基導入に際しカルボン酸金属塩、アルカリ金属炭酸塩、アルカリ金属アルコラート、4級アンモニウム塩、3級アミンなどの触媒添加といった条件下で進めることができる。
これらのアニオン性官能基を水溶性官能基に変換する方法については後述する。
また、本発明で使用するフルオロオレフィン共重合体は架橋性官能基を有していてもいなくてもよいが、塗膜強度や耐水性、耐溶剤性、密着性、塗膜硬度などを向上させるために、架橋性官能基を含有していることが好ましい。
架橋性官能基としては、後述する硬化剤が有する架橋性官能基の種類や非フッ素系合成樹脂が有する架橋性官能基の種類などに対応して選択されるが、好ましくはカルボン酸基、水酸基、カルボニル基およびエチレン性不飽和基よりなる群から選ばれる少なくとも1種である。架橋性官能基と硬化剤との組合せについては後述する。
架橋性官能基含有単量体としてのカルボン酸基含有単量体の具体例としては、前記アニオン性官能基導入用のカルボン酸基含有単量体が例示できる。すなわち、カルボン酸基は酸価付与官能基としても架橋性官能基としても機能し、特に後述するように水溶性(酸価付与)とするためには水溶性官能基に変換することが好ましい。
架橋性官能基含有単量体としての水酸基含有単量体の具体例としては、たとえば式(III):
CH2=CHR1 (III)
(式中、R1は−OR2または−CH2OR2(ただし、R2は水酸基を有するアルキル基である))で表わされるヒドロキシアルキルビニルエーテルやヒドロキシアルキルアリルエーテルがあげられる。R2としては、たとえば炭素数1〜8の直鎖状または分岐鎖状のアルキル基に1〜3個、好ましくは1個の水酸基が結合したものである。これらの例としては、たとえば2−ヒドロキシエチルビニルエーテル、3−ヒドロキシプロピルビニルエーテル、2−ヒドロキシプロピルビニルエーテル、2−ヒドロキシ-2−メチルプロピルビニルエーテル、4−ヒドロキシブチルビニルエーテル、4−ヒドロキシ−2−メチルブチルビニルエーテル、5−ヒドロキシペンチルビニルエーテル、6−ヒドロキシヘキシルビニルエーテル、2−ヒドロキシエチルアリルエーテル、4−ヒドロキシブチルアリルエーテル、グリセロールモノアリルエーテルなどがあげられる。これらのなかでも、4−ヒドロキシブチルビニルエーテル、2−ヒドロキシエチルビニルエーテルが重合反応性、官能基の硬化性が優れる点で好ましい。
CH2=CHR1 (III)
(式中、R1は−OR2または−CH2OR2(ただし、R2は水酸基を有するアルキル基である))で表わされるヒドロキシアルキルビニルエーテルやヒドロキシアルキルアリルエーテルがあげられる。R2としては、たとえば炭素数1〜8の直鎖状または分岐鎖状のアルキル基に1〜3個、好ましくは1個の水酸基が結合したものである。これらの例としては、たとえば2−ヒドロキシエチルビニルエーテル、3−ヒドロキシプロピルビニルエーテル、2−ヒドロキシプロピルビニルエーテル、2−ヒドロキシ-2−メチルプロピルビニルエーテル、4−ヒドロキシブチルビニルエーテル、4−ヒドロキシ−2−メチルブチルビニルエーテル、5−ヒドロキシペンチルビニルエーテル、6−ヒドロキシヘキシルビニルエーテル、2−ヒドロキシエチルアリルエーテル、4−ヒドロキシブチルアリルエーテル、グリセロールモノアリルエーテルなどがあげられる。これらのなかでも、4−ヒドロキシブチルビニルエーテル、2−ヒドロキシエチルビニルエーテルが重合反応性、官能基の硬化性が優れる点で好ましい。
架橋性官能基含有単量体としてのカルボニル基含有単量体の具体例としては、たとえば式(IV):
(式中、R6、R7およびR8は同じかまたは異なり、いずれも水素原子、アルキル基、カルボキシル基またはエステル基;nは0または1である)で表わされるカルボニル基含有ビニル単量体、
または式(V):
または式(V):
(式中、R9およびR10は同じかまたは異なり、いずれも飽和または不飽和の鎖状または環状の2価の炭化水素基;nは0または1;mは0または1である)で表わされるカルボニル基含有ビニルエーテル型単量体またはアリルエーテル型単量体などがあげられる。
カルボニル基含有単量体の具体例としては、たとえばアクロレイン、ダイアセトンアクリルアミド、ダイアセトンメタクリルアミド、ビニルメチルケトン、ビニルエチルケトン、ビニルブチルケトンなどのビニルアルキルケトンなどがあげられる。
これらのなかでもビニルエーテル型およびアリルエーテル型がフルオロオレフィンとの共重合性が良好な点から好ましい。
また、フルオロオレフィン共重合体(A)にはさらに重合性不飽和二重結合を導入してもよい。この重合性不飽和二重結合を導入することにより、シード重合時にビニル樹脂とフッ素樹脂の間に化学結合が生成し、両者の相溶性が向上する。これにより得られるエマルションの安定性、生成する塗膜の耐久性、耐水性、光沢、耐雨筋汚染性などが向上する。
重合性不飽和二重結合としては、アクリロイル基、メタクリロイル基、スチリル基、不飽和アルキル基などがあげられる。これらのなかでは、不飽和アルキル基が好ましい。不飽和アルキル基としては、ビニル基、アリル基、オレイル基、リノレイル基などがあげられる。さらに不飽和アルキル基のなかでは、オレイル基、リノレイル基などがより一層好ましい。これらの重合性不飽和二重結合を用いると、シード重合時のゲル化が抑制しやすく、比較的小粒子径のエマルションが容易に得られる。
含フッ素共重合体(A)にエチレン性不飽和二重結合を導入する方法として、エチレン性不飽和二重結合を2個以上有する単量体を共重合する方法(共重合法)と、官能基(たとえばカルボキシル基、水酸基、アミノ基、エポキシ基、カルボニル基、イソシアネート基、シラノール基など)を有する単量体を共重合しておき、これらの官能基と反応し得る官能基(たとえばカルボキシル基、水酸基、シラノール基、ヒドラジド基、アミノ基など)とエチレン性不飽和二重結合を有する化合物を反応させてエチレン性不飽和二重結合を導入する方法(高分子反応法)があげられる。
共重合法に使用できるエチレン性不飽和二重結合を2個以上有する単量体としては、ブタジエン、イソプレン、クロロプレン、フロロプレン、シアノプレン、フェニルブタジエン、ジフェニルブタジエン、α,ω−ジオレフィンなどのジエン系単量体;アジピン酸ジビニル、アクリル酸ビニル、メタクリル酸ビニル、クロトン酸ビニルなどの多官能カルボン酸ビニル;桂皮酸ビニルなどの芳香族カルボン酸ビニルなどが例示できる。
高分子反応法については、たとえばカルボキシル基を官能基とする場合を代表して説明する。カルボキシル基を共重合体(A)に導入する方法は前記のアニオン性官能基の導入法が採用できる。
得られたカルボキシル基含有含フッ素重合体(a1)に、カルボキシル基と反応し得る官能基およびエチレン性不飽和二重結合を有する化合物(a2)を反応させる。
カルボキシル基と反応し得る官能基としては、イソシアネート基、エポキシ基、アミノ基、カルボジイミド基などがあげられるが、これらのうちイソシアネート基およびエポキシ基がカルボキシル基との反応が迅速に生起することから好ましい。
化合物(a2)としては、たとえば2−イソシアナトエチルメタクリレートなどのイソシアネート基含有化合物;グリシジルメタクリレート、グリシジルアクリレート、アリルグリシジルエーテルなどのエポキシ基含有化合物などがあげられる。
これらのうち、2−イソシアナトエチルメタクリレート、グリシジルメタクリレート、グリシジルアクリレートなどが好ましい。
なお、イソシアネート基は水酸基とも反応するが、カルボキシル基との反応が優先する。
化合物(a2)と含フッ素重合体(a1)との反応は、有機溶剤中で両者を混合することにより実施できる。好ましい反応条件としては、反応温度20〜150℃で1〜15時間が採用できる。
有機溶剤は含フッ素重合体および化合物を溶解するものであればよく、たとえば含フッ素重合体(a1)の重合に使用した有機溶媒が使用できる。
化合物(a2)は、含フッ素重合体(a1)中のカルボキシル基1モルに対し、化合物(a2)の官能基が1〜0.01モル、好ましくは1〜0.1、特に1〜0.9モルとなる量反応させる。
フルオロオレフィン共重合体(A)には、必要に応じて、他の共重合可能なモノマーを共重合してもよい。
他の共重合可能なモノマーとしては、カルボン酸ビニルエステル類、アルキルビニルエーテル類、非フッ素系オレフィン類などがあげられる。
カルボン酸ビニルエステル類としては、たとえば酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、イソ酪酸ビニル、ピバリン酸ビニル、カプロン酸ビニル、バーサチック酸ビニル、ラウリン酸ビニル、ステアリン酸ビニル、シクロヘキシルカルボン酸ビニル、安息香酸ビニル、パラ−t−ブチル安息香酸ビニルなどがあげられ、相溶性の向上、光沢の向上、ガラス転移温度の上昇などの特性を付与できる。
アルキルビニルエーテル類としては、たとえばメチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、ブチルビニルエーテルなどがあげられ、光沢の向上、柔軟性の向上などの特性を付与できる。
非フッ素系のオレフィン類としては、たとえばエチレン、プロピレン、n−ブテン、イソブテンなどがあげられ、可とう性の向上などの特性を付与できる。
フルオロオレフィン共重合体の分子量は数平均分子量で200,000以下、さらには100,000以下、特に50,000以下のものが溶液重合性の点で好ましく、1,000以上、さらには4,000以上、特に8,000以上のものが耐候性、耐久性に優れる点で好ましい。
以下に好ましい具体的なフルオロオレフィン共重合体(A)を例示するが、本発明はこれらの共重合体に限定されるものではない。
テトラフルオロエチレン/エチルビニルエーテル/マレイン酸共重合体、テトラフルオロエチレン/酢酸ビニル/マレイン酸共重合体、テトラフルオロエチレン/バーサティック酸ビニル/マレイン酸共重合体、テトラフルオロエチレン/ピバリン酸ビニル/マレイン酸共重合体、ヘキサフルオロプロピレン/エチルビニルエーテル/マレイン酸共重合体、ヘキサフルオロプロピレン/酢酸ビニル/マレイン酸共重合体、ヘキサフルオロプロピレン/バーサティック酸ビニル/マレイン酸共重合体、ヘキサフルオロプロピレン/ピバリン酸ビニル/マレイン酸共重合体、テトラフルオロエチレン/エチルビニルエーテル/マレイン酸モノエチル共重合体、テトラフルオロエチレン/酢酸ビニル/マレイン酸モノエチル共重合体、テトラフルオロエチレン/バーサティック酸ビニル/マレイン酸モノエチル共重合体、テトラフルオロエチレン/ピバリン酸ビニル/マレイン酸モノエチル共重合体、ヘキサフルオロプロピレン/エチルビニルエーテル/マレイン酸モノエチル共重合体、ヘキサフルオロプロピレン/酢酸ビニル/マレイン酸モノエチル共重合体、ヘキサフルオロプロピレン/バーサティック酸ビニル/マレイン酸モノエチル共重合体、ヘキサフルオロプロピレン/ピバリン酸ビニル/マレイン酸モノエチル共重合体、テトラフルオロエチレン/エチルビニルエーテル/マレイン酸モノオレイル共重合体、テトラフルオロエチレン/酢酸ビニル/マレイン酸モノオレイル共重合体、テトラフルオロエチレン/バーサティック酸ビニル/マレイン酸モノオレイル共重合体、テトラフルオロエチレン/ピバリン酸ビニル/マレイン酸モノオレイル共重合体、ヘキサフルオロプロピレン/エチルビニルエーテル/マレイン酸モノオレイル共重合体、ヘキサフルオロプロピレン/酢酸ビニル/マレイン酸モノオレイル共重合体、ヘキサフルオロプロピレン/バーサティック酸ビニル/マレイン酸モノオレイル共重合体、ヘキサフルオロプロピレン/ピバリン酸ビニル/マレイン酸モノオレイル共重合体、テトラフルオロエチレン/エチルビニルエーテル/フマル酸共重合体、テトラフルオロエチレン/酢酸ビニル/フマル酸共重合体、テトラフルオロエチレン/バーサティック酸ビニル/フマル酸共重合体、テトラフルオロエチレン/ピバリン酸ビニル/フマル酸共重合体、ヘキサフルオロプロピレン/エチルビニルエーテル/フマル酸共重合体、ヘキサフルオロプロピレン/酢酸ビニル/フマル酸共重合体、ヘキサフルオロプロピレン/バーサティック酸ビニル/フマル酸共重合体、ヘキサフルオロプロピレン/ピバリン酸ビニル/フマル酸共重合体、テトラフルオロエチレン/エチルビニルエーテル/フマル酸モノエチル共重合体、テトラフルオロエチレン/酢酸ビニル/フマル酸モノエチル共重合体、テトラフルオロエチレン/バーサティック酸ビニル/フマル酸モノエチル共重合体、テトラフルオロエチレン/ピバリン酸ビニル/フマル酸モノエチル共重合体、ヘキサフルオロプロピレン/エチルビニルエーテル/フマル酸モノエチル共重合体、ヘキサフルオロプロピレン/酢酸ビニル/フマル酸モノエチル共重合体、ヘキサフルオロプロピレン/バーサティック酸ビニル/フマル酸モノエチル共重合体、ヘキサフルオロプロピレン/ピバリン酸ビニル/フマル酸モノエチル共重合体、テトラフルオロエチレン/エチルビニルエーテル/フマル酸モノオレイル共重合体、テトラフルオロエチレン/酢酸ビニル/フマル酸モノオレイル共重合体、テトラフルオロエチレン/バーサティック酸ビニル/フマル酸モノオレイル共重合体、テトラフルオロエチレン/ピバリン酸ビニル/フマル酸モノオレイル共重合体、ヘキサフルオロプロピレン/エチルビニルエーテル/フマル酸モノオレイル共重合体、ヘキサフルオロプロピレン/酢酸ビニル/フマル酸モノオレイル共重合体、ヘキサフルオロプロピレン/バーサティック酸ビニル/フマル酸モノオレイル共重合体、ヘキサフルオロプロピレン/ピバリン酸ビニル/フマル酸モノオレイル共重合体。
前述のとおり、水性塗料用の官能基含有フルオロオレフィン共重合体の製造は乳化重合法で製造し、直接水性分散体やエマルションの形態に調製することが一般的である。しかし、乳化重合法では酸価導入用の官能基含有単量体を多く共重合できず、分子量が大きいものしかできないことは前述したとおりである。
そこで本発明においては、官能基含有フルオロオレフィン共重合体を重合溶剤として有機溶剤を使用する溶液重合法で製造することにより、酸価導入用の官能基含有単量体を安定して重合系に供給でき、所望の高酸価のフルオロオレフィン共重合体を製造でき、また分子量の調整(低分子量化)も可能になる。
このような高酸価フルオロオレフィン共重合体を溶液重合法で製造する技術としては、電着塗料の分野で知られており(たとえば特開昭62−143915号公報、特開昭63−152677号公報、特開平1−249866号公報など)、本発明においてもそれらの方法が利用できる。
より具体的には、フルオロオレフィンと官能基(酸価導入用官能基、架橋性官能基)含有単量体と、要すればこれらと共重合可能なモノマーとを有機溶剤中で重合することにより、本発明で使用する高酸価のフルオロオレフィン共重合体を製造する。
重合条件としては、好ましくは有機溶剤中で、重合開始剤の存在下、重合温度10〜90℃にて1〜20時間重合反応を行なう。
有機溶剤としては、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチルなどのエステル類;アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン類;ヘキサン、シクロヘキサン、オクタンなどの炭化水素類;ベンゼン、トルエン、キシレン、ナフタレンなどの芳香族炭化水素類;メタノール、エタノール、tert-ブタノール、iso-プロパノール、エチレングリコールモノアルキルエーテルなどのアルコール類;テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、ジオキサンなどの環状エーテル類;ジメチルスルホキシドなど、またはこれらの混合物などがあげられる。これらのなかでは、アセトン、酢酸エチル、イソプロパノールがフッ素樹脂の溶解性の点で有利であり、さらにはアセトン、酢酸エチルが水性エマルションの調製時に留去しやすい点で最も好ましい。
重合開始剤としては、たとえばオクタノイルパーオキサイド、アセチルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイドなどのジアシルパーオキサイド類;イソプロポキシカルボニルパーオキサイド、tert−ブトキシカルボニルパーオキサイドなどのジアルコキシカルボニルパーオキサイド類;メチルエチルケトンパーオキサイド、シクロヘキサノンパーオキサイドなどのケトンパーオキサイド類;過酸化水素、tert−ブチルハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイドなどのハイドロパーオキサイド類;ジ−tert−ブチルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイドなどのジアルキルパーオキサイド類;tert−ブチルパーオキシアセテート、tert−ブチルパーオキシピバレートなどのアルキルパーオキシエステル類;過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウムなどの過硫酸塩類(さらに必要に応じて亜硫酸水素ナトリウム、ピロ亜硫酸ナトリウム、ナフテン酸コバルト、ジメチルアニリンなどの還元剤も併用できる);酸化剤(たとえば過酸化アンモニウム、過酸化カリウムなど)と還元剤(たとえば亜硫酸ナトリウムなど)および遷移金属塩(たとえば硫酸鉄など)からなるレドックス開始剤類;2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(2−メチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(2−シクロプロピルプロピオニトリル)、2,2’−アゾビスイソ酪酸ジメチル、2,2’−アゾビス[2−(ヒドロキシメチル)プロピオニトリル]、4,4’−アゾビス(4−シアノペンテン酸)などのアゾ系化合物などが使用できる。
さらに必要に応じて、分子量調整剤としてメタノール、エタノール、プロパノールなどのアルコール類なども使用してもよい。
かくして得られる高酸価フルオロオレフィン共重合体(A)には、前記のような高酸価、すなわち10〜250mgKOH/gの酸価を付与することができる。
得られた高酸価フルオロオレフィン共重合体は、重合反応液を水中に投入するかまたは水を重合反応液に添加することにより、重合反応液中の有機溶媒を水に転相して水溶性のフルオロオレフィン共重合体が得られる。この際、フルオロオレフィン共重合体の水溶性を高めるためにアニオン性官能基を水に転相する前、または転相する際、あるいは転相後に中和処理することが好ましい。
中和に使用する中和剤としては、アンモニア;ジエチルアミン、エチルエタノールアミン、ジエタノールアミン、モノエタノールアミン、モノプロパノールアミン、イソプロパノールアミン、エチルアミノエチルアミン、ヒドロキシエチルアミン、ジエチレントリアミンなどの有機アミン類;水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどのアルカリ金属水酸化物などがあげられる。これらのうちアンモニア、トリエチルアミン、ジエタノールアミンが入手の利便性、エマルションの安定性などの点で好ましく、特にアンモニアとトリエチルアミンが取り扱い性容易の点で有利である。
中和剤は、水溶液の形態で使用することが好ましいが、ガスまたは固形分の形態で使用してもよい。
中和の結果、アニオン性官能基は、アンモニウム塩、アミン塩、アルカリ金属塩の形となる。
中和は、共重合体が有する酸価のうち、1mgKOH/g以上、好ましくは2mgKOH/g以上、また250mgKOH/g以下、好ましくは245mgKOH/g以下に相当するアニオン性官能基を中和剤で中和すればよい。
本発明の水性塗料用硬化性組成物の主成分である非フッ素系合成樹脂エマルション(B)としては、たとえばアクリル樹脂エマルション、ウレタン樹脂エマルション、ポリエステル樹脂エマルション、アルキッド樹脂エマルション、フェノール樹脂エマルション、エポキシ樹脂エマルションなどがあげられ、これらのうちでもアクリル樹脂エマルション、ウレタン樹脂エマルション、ポリエステル樹脂エマルションが耐候性、耐薬品性、耐溶剤性が良好な点で好ましく、特にアクリル樹脂エマルションがさらにフッ素樹脂や硬化剤との相溶性が良好で耐水性、耐溶剤性、基材密着性に優れる点で好ましい。
さらに、非フッ素系合成樹脂は架橋性官能基を有していてもいなくてもよいが、耐候性、耐水性、耐溶剤性、基材密着性などに優れる点から、架橋性官能基を導入することが好ましい。架橋性官能基に関しては、フルオロオレフィン共重合体で説明したものが、導入用単量体も含めて採用できる。
たとえば、フルオロオレフィン共重合体(A)が架橋性官能基としてカルボニル基を有し、非フッ素系合成樹脂(B)がヒドラジド基を有する場合は、常温硬化性と1液架橋タイプとしての貯蔵安定性の点で有利である。
また、フルオロオレフィン共重合体(A)がα,β−不飽和カルボニル基(たとえばアクリレートやメタクリレートなどに由来する基)を有し、非フッ素系合成樹脂(B)が活性メチレン基(たとえば2−(アセトアセトキシ)エチルメタクリレートなどに由来する基)を有する場合は、常温硬化性と1液架橋タイプとしての貯蔵安定性の点で有利である。
本発明において、高酸価フルオロオレフィン共重合体が2個以上の架橋性官能基を有し、かつ架橋剤としての機能を有するときは、硬化剤を別途使用しなくてもよい場合もあるが、架橋反応を確実に実現し、塗膜強度や耐水性、耐候性、耐溶剤性などを塗膜に与えるためには硬化剤を配合することが望ましい。
配合する硬化剤は、高酸価フルオロオレフィン共重合体および/または非フッ素系合成樹脂側(以下、硬化剤の説明においては、単に「樹脂側」という)に導入されている架橋性官能基と架橋反応し得るものが採用される。
硬化剤としては、カルボジイミド化合物、非ブロック型イソシアネート、ヒドラジド化合物、アジリジンなどの常温硬化性の水性硬化剤が例示できる。
カルボジイミド化合物としては、たとえば特開昭63−264128号公報、米国特許第4,820,863号明細書、米国特許第5,108,653号明細書、米国特許第5,047,588号明細書、米国特許第5,081,173号明細書などに記載されているものが使用できる。水性塗料用カルボジイミド化合物の市販品としては日清紡(株)製のカルボジライトE−01、カルボジライトE−02、カルボジライトV−02などが知られている。
非ブロック型イソシアネート化合物としては、特開平11−310700号公報、特開平7−330861号公報、特開昭61−291613号公報などに記載されているポリエチレンオキシド化合物で変性された非ブロック型イソシアネート化合物が好適である。
なお非ブロック型イソシアネート化合物とは、アルコールやオキシム化合物とイソシアネート化合物との反応で得られるブロック型イソシアネート化合物以外の、通常のイソシアネート化合物のことをいう。
具体的には、ポリエチレンオキシド化合物で変性した非ブロック型脂肪族ポリイソシアネート化合物または非ブロック型芳香族ポリイソシアネート化合物が例示される。これらのなかでは、耐候性に優れる点から非ブロック型脂肪族系イソシアネート化合物が好ましい。
脂肪族ポリイソシアネート化合物のうち鎖状脂肪族ポリイソシアネート化合物としては、たとえばトリメチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、1,6−ジイソシアナトヘキサン(=ヘキサメチレンジイソシアネート)、ペンタメチレンジイソシアネート、1,2−プロピレンジイソシアネート、1,2−ブチレンジイソシアネート、2,3−ブチレンジイソシアネート、1,3−ブチレンジイソシアネート、2,4,4−または2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、2,6−ジイソシアネートメチルカプトロエートなどのジイソシアネート類;リジンエステルトリイソシアネート、1,4,8−トリイソシアネートオクタン、1,6,11−トリイソシアネートウンデカン、1,8−ジイソシアネート−4−イソシアネートメチルオクタン、1,3,6−トリイソシアネートヘキサン、2,5,7−トリメチル−1,8−ジイソシアネート−5−イソシアネートメチルオクタンなどのポリイソシアネート類が例示できる。
脂肪族ポリイソシアネート化合物のうち脂環族ポリイソシアネート化合物としては、たとえば1,3−シクロペンテンジイソシアネート、1,4−シクロヘキサンジイソシアネート、1,3−シクロヘキサンジイソシアネート、1−イソシアナト−3,3,5−トリメチル−5−イソシアナトメチル−シクロヘキサン(=イソホロンジイソシアネート)、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、メチル−2,4−シクロヘキサンジイソシアネート、メチル−2,6−シクロヘキサンジイソシアネート、1,3−または1,4−ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサンなどのジイソシアネート類;1,3,5−トリイソシアネートシクロヘキサン、1,3,5−トリメチルイソシアネートシクロヘキサン、2−(3−イソシアネートプロピル)−2,5−ジ(イソシアネートメチル)−ビシクロ(2.2.1)ヘプタン、2−(3−イソシアネートプロピル)−2,6−ジ(イソシアネートメチル)−ビシクロ(2.2.1)ヘプタン、3−(3−イソシアネートプロピル)−2,5−ジ(イソシアネートメチル)−ビシクロ(2.2.1)ヘプタン、5−(2−イソシアネートエチル)−2−イソシアネートメチル−3−(3−イソシアネートプロピル)−ビシクロ(2.2.1)ヘプタン、6−(2−イソシアネートエチル)−2−イソシアネートメチル−3−(3−イソシアネートプロピル)−ビシクロ(2.2.1)ヘプタン、5−(2−イソシアネートエチル)−2−イソシアネートメチル−2−(3−イソシアネートプロピル)−ビシクロ(2.2.1)−ヘプタン、6−(2−イソシアネートエチル)−2−イソシアネートメチル−2−(3−イソシアネートプロピル)−ビシクロ(2.2.1)ヘプタンなどのポリイソシアネート類が例示できる。
芳香族系イソシアネート化合物としては、たとえばトリレンジイソシアネーなどがあげられる。
これらのイソシアネート化合物は単独でまたは2種以上組合わせて使用してもよい。
変性剤であるポリエチレンオキシド化合物としては、たとえばポリオキシエチレンモノオクチルエーテル、ポリオキシエチレンモノラウリルエーテル、ポリオキシエチレンモノデシルエーテル、ポリオキシエチレンモノセチルエーテル、ポリオキシエチレンモノステアリルエーテル、ポリオキシエチレンモノオレイルエーテルなどのポリオキシエチレンC8〜24アルキルエーテル、好ましくはポリオキシエチレンC10〜22アルキルエーテル、特にポリオキシエチレンC12〜18アルキルエーテルなどのポリオキシエチレンアルキルエーテル類;たとえばポリオキシエチレンモノオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンモノノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンモノデシルフェニルエーテルなどのポリオキシエチレンC8〜12アルキル−C6〜12アリールエーテルなどのポリオキシエチレンモノアルキルアリールエーテル類;たとえばポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート、ポリオキシエチレンソルビタンジステアレート、ポリオキシエチレンソルビタントリステアレートなどのポリオキシエチレンソルビタン−モノ、ジまたはトリC10〜24脂肪酸エステルなどのポリオキシエチレンソルビタン高級脂肪酸エステル類;たとえばポリオキシエチレンモノラウリン酸エステル、ポリオキシエチレンモノステアリン酸エステルなどのポリオキシエチレンモノC10〜24脂肪酸エステルなどのポリオキシエチレンモノ高級脂肪酸エステル類などのノニオン性乳化剤として知られている化合物が例示できる。これらの化合物は単独でまたは2種以上組合わせて使用できる。好ましいものとしては、水分散性が容易である点からポリオキシエチレンC8〜24アルキルエーテル、ポリオキシエチレンC8〜12アルキルフェニルエーテルがあげられる。
変性は、たとえば、溶液中にてイソシアネート化合物を変性剤と混合し、加熱して反応させるなどの方法で行なうことができる。
前記ポリイソシアネート化合物と変性剤との割合は、ポリイソシアネート化合物中のイソシアネート基1当量に対して、変性剤の活性水素原子0.01〜0.034当量、好ましくは0.015〜0.03当量程度の範囲から選択できる。
ポリエチレンオキシド変性の非ブロック型イソシアネート化合物の市販品としては、たとえば住友バイエルウレタン(株)製のバイヒジュール3100、バイヒジュールTPLS2150など;旭化成(株)製のデュラネートWB40−100などがあげられるが、これらに限定されるものではない。
非ブロック型イソシアネート化合物は、通常、水溶液または水分散液の形態で使用する。
ヒドラジド化合物としては、特開平7−268163号公報、特開平9−291186号公報記載のものがあげられ、具体的にはシュウ酸ジヒドラジド、マロン酸ジヒドラジド、コハク酸ジヒドラジド、グルタル酸ジヒドラジド、アジピン酸ジヒドラジド、イソフタル酸ジヒドラジド、セバシン酸ジヒドラジド、マレイン酸ジヒドラジド、フマル酸ジヒドラジド、イタコン酸ジヒドラジドなどの2〜10個、特に4〜6個の炭素原子を含有するジカルボン酸ジヒドラジド;エチレン−1,2−ジヒドラジン、プロピレン−1,3−ジヒドラジン、ブチレン−1,4−ジヒドラジンなどの2〜4個の炭素原子を有する脂肪族の水溶性ジヒドラジンなどがあげられ、これらの中でもアジピン酸ジヒドラジド、イソフタル酸ジヒドラジド、セバシン酸ジヒドラジドが好ましい。
樹脂側の架橋性官能基との組合せでは、たとえばつぎの組合せが例示できる。
(1)樹脂側の架橋性官能基がカルボキシル基である場合:
たとえばカルボジイミド化合物、非ブロック型イソシアネート化合物、ヒドラジド化合物などがあげられる。
これらのうち特に、1分子当たり少なくとも2個以上のカルボジイミド基を有するカルボジイミド化合物が、カルボキシル基との反応性が良好な点で好ましい。
(1)樹脂側の架橋性官能基がカルボキシル基である場合:
たとえばカルボジイミド化合物、非ブロック型イソシアネート化合物、ヒドラジド化合物などがあげられる。
これらのうち特に、1分子当たり少なくとも2個以上のカルボジイミド基を有するカルボジイミド化合物が、カルボキシル基との反応性が良好な点で好ましい。
(2)樹脂側の架橋性官能基が水酸基である場合:
たとえば非ブロック型イソシアネー化合物、ヒドラジド化合物、カルボジイミド化合物、アジリジンなどがあげられる。
これらのうち特に、非ブロック型イソシアネート化合物が、水酸基との反応性が良好な点で好ましい。
たとえば非ブロック型イソシアネー化合物、ヒドラジド化合物、カルボジイミド化合物、アジリジンなどがあげられる。
これらのうち特に、非ブロック型イソシアネート化合物が、水酸基との反応性が良好な点で好ましい。
(3)樹脂側の架橋性官能基がカルボニル基である場合:
たとえばヒドラジド化合物、カルボジイミド化合物などがあげられる。
これらのうち特に、1分子当たり少なくとも2個以上のヒドラジド基を有するヒドラジド化合物が、カルボニル基との反応性が良好な点で好ましい。
たとえばヒドラジド化合物、カルボジイミド化合物などがあげられる。
これらのうち特に、1分子当たり少なくとも2個以上のヒドラジド基を有するヒドラジド化合物が、カルボニル基との反応性が良好な点で好ましい。
硬化剤の配合量は、いずれの場合も樹脂側の官能基(フルオロオレフィン共重合体および非フッ素系合成樹脂の合計官能基)1当量に対し0.1〜5モル当量配合することが好ましい。
本発明においてフルオロオレフィン共重合体(A)はエマルションや水性分散体(液)の形でも、固体状または水溶液の形でも非フッ素系合成樹脂エマルションに配合することができる。
エマルションや水性分散体の形で配合する場合は、非フッ素系合成樹脂(B)の固形分/フルオロオレフィン共重合体(A)の重量比で99/1〜1/99が好ましい。下限は98/2、さらには97/3、特に95/5であり、上限は2/98、さらには3/97、特に5/95である。
固体状や水溶液状でフルオロオレフィン共重合体(A)を添加する場合は、非フッ素系合成樹脂(B)の固形分/フルオロオレフィン共重合体(A)の重量比で99/1〜49/51が好ましい。下限は98/2、さらには97/3、特に95/5であり、上限は52/48、さらには55/45、特に60/40である。
本発明の第1の発明の含フッ素水性分散組成物の調製は、高酸価フルオロオレフィン共重合体を固体状または水溶液の形で非フッ素系合成樹脂エマルションに添加し、適宜攪拌することにより実施できる。固形分濃度は通常30〜70重量%の範囲で調整すればよい。硬化性組成物には、さらに公知の硬化促進剤などを配合してもよい。硬化促進剤としてはたとえばジブチル錫ジラウレートなどが例示できる。
つぎに本発明の第2の発明について説明する。
第2の発明は、酸価が10〜250mgKOH/gのフルオロオレフィン共重合体(A)と常温硬化剤(C1)とからなり、該フルオロオレフィン共重合体(A)がマレイン酸単位、マレイン酸無水物単位、マレイン酸モノエステル単位、フマル酸単位およびフマル酸モノエステル単位よりなる群から選ばれる少なくとも1種の構造単位を有し、かつ該フルオロオレフィン共重合体(A)が架橋性官能基を含んでおり、該常温硬化剤(C1)が非ブロック型イソシアネート化合物、ヒドラジド化合物、カルボジイミド化合物およびアジリジンよりなる群から選ばれる少なくとも1種である含フッ素水性分散組成物に関する。
すなわち、第2の発明の特徴は、被膜形成成分として非フッ素系合成樹脂エマルションを配合しない点にあり、第1の発明で使用するフルオロオレフィン共重合体(A)と特定の常温硬化剤からなる含フッ素水性分散組成物である。また、使用する常温硬化剤も第1の発明で説明した非ブロック型イソシアネート化合物、ヒドラジド化合物、カルボジイミド化合物およびアジリジンである。
第2の発明によれば、塗膜のフッ素含量が高いため、得られる塗膜の耐候性、耐久性、耐薬品性が著しく良好である。
つぎに本発明の第3の発明について説明する。
第3の発明は、酸価が10〜250mgKOH/gのフルオロオレフィン共重合体(A2)と水とからなり、該フルオロオレフィン共重合体(A2)がマレイン酸単位、マレイン酸無水物単位、マレイン酸モノエステル単位、フマル酸単位およびフマル酸モノエステル単位よりなる群から選ばれる少なくとも1種の構造単位を有し、かつ該フルオロオレフィン共重合体(A2)が重合性不飽和二重結合を有している含フッ素水性分散組成物。
すなわち、第3の発明の特徴は、高酸価のフルオロオレフィン共重合体として、重合性不飽和二重結合を必須として含むフルオロオレフィン共重合体(A2)を使用する点にある。
第3の発明によれば、塗膜のシード重合時にシード重合されたビニル重合体とフルオロオレフィン共重合体との間に化学結合が生成し、両者の相溶性が向上する。これにより得られるエマルションの安定性、生成する塗膜の耐久性、耐水性、光沢、耐雨筋汚染性などが向上する。
重合性不飽和二重結合としては、上記のものが例示でき、なかでもビニル基、アリル基、オレイル基、リノレイル基などの不飽和アルキル基が好ましく、さらに不飽和アルキル基のなかでは、オレイル基、リノレイル基などがより一層好ましい。これらの重合性不飽和二重結合を用いると、シード重合時のゲル化が抑制しやすい、比較的小粒子径のエマルションが容易に得られるという効果が奏される。
フルオロオレフィン共重合体(A2)に重合性不飽和二重結合を導入する方法としては、上記の共重合法または高分子反応法が採用できる。
また、このフルオロオレフィン共重合体(A2)に架橋性官能基含有ビニル単量体をシード重合して複合化フッ素樹脂(A3)とすることにより、本発明の第1または第2の発明で使用するフルオロオレフィン共重合体(A)として使用できる。シード重合する架橋性官能基含有ビニル単量体としては、第1の発明で説明した架橋性官能基含有単量体が例示できる。
本発明の第1〜第3の水性分散組成物は、通常の添加剤を配合して水性塗料に調製できる。本発明の水性分散組成物に配合してもよい塗料用添加剤としては、たとえば界面活性剤、顔料、分散剤、増粘剤、防腐剤、紫外線吸収剤、消泡剤、レベリング剤などがあげられる。
界面活性剤としては、たとえばアニオン性乳化剤、非イオン性乳化剤又はそれらの組み合わせを使用することができ、場合により両性乳化剤、カチオン性界面活性剤を使用することもできる。
アニオン性界面活性剤としては、たとえば高級アルコールの硫酸エステルのナトリウム塩、アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ジアルキルスクシネートスルホン酸のナトリウム塩またはアルキルジフェニルエーテルスルホン酸のナトリウム塩などを使用することができる。これらの中で好ましい具体例は、アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキル(またはアルキルフェニル)エーテルスルホネート等である。非イオン性乳化剤としては、たとえばポリオキシエチレンアルキルエーテルまたはポリオキシエチレンアルキルアリールエーテルなどを使用することができる。好ましい具体例は、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル等である。両性乳化剤としては、ラウリルベタイン等が好適である。カチオン性界面活性剤としては、たとえばアルキルピリジニウムクロリド、アルキルアンモニウムクロリド等を使用することができる。また、単量体と共重合性の乳化剤、たとえばスチレンスルホン酸ナトリウム、アルキルアリールスルホン酸ナトリウム等も使用することができる。
また、増粘剤としてはプライマルQR708(ロームアンドハース社製)などが、消泡剤としてはByk023(ビックケミージャパン(株))などが、分散剤としてはByk190(ビックケミージャパン(株))、ディスパーサントSN5027(サンノプコ(株))などが例示できる。
本発明の水性分散組成物は、耐候性塗料、電着塗料、コイルコート用塗料、自動車用塗料、落書き防止用塗料、重防食塗料など各種の塗料材料として有用である。塗装方法としてはそれらの塗料に採用されている通常の塗装方法、たとえばロールコート、ディッピング、刷毛塗り、スプレー、ローラーなどや、電着塗装法などが採用できる。
フルオロオレフィン共重合体(A)中に架橋性官能基を比較的多く導入し、硬化剤として常温硬化剤を使用した場合、本発明の組成物から形成した塗膜は常温で硬化させることができる。なお、硬化を促進するために加熱してもよい。
硬化して得られた塗膜は、充分に硬化(架橋)が進んでおり、乳化重合で得られたフッ素樹脂水性塗料に比べて、塗膜強度、耐溶剤性、耐汚染性が向上しており、外観も平滑で、艶むら、くすみなどの塗膜欠陥も減少している。
つぎに製造例および実施例をあげて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの製造例および実施例のみに限定されるものではない。
製造例1
6Lステンレス製オートクレーブにアセトン0.875kgおよびエタノール0.375kg、エチルビニルエーテル(EVE)104g、酢酸ビニル(VAc)86.7gおよびマレイン酸モノエチルエステル(MME)49.7gを入れ、窒素置換し、テトラフルオロエチレン(TFE)300gを加え、61.5℃まで昇温した。ついで撹拌下にオクタノイルパーオキサイド溶液(固形分70重量%)を20.0g加え、5時間反応させ、反応容器内圧力が0.30MPa・Gに下がった時点で反応を停止した。反応混合物を室温まで冷却し、未反応単量体をパージしたのちさらに窒素置換して、反応生成物1.66kg(固形分24.6重量%)を得た。この溶液を濃縮して固形分50重量%の溶液とした。得られた共重合体は、19F−MNRおよび1H−MNRで分析したところ、TFE/EVE/VAc/MME=35/30/21/14(モル%比)であり、GPCで測定した数平均分子量Mnは10,800、酸価は58.3mgKOH/gであった。
6Lステンレス製オートクレーブにアセトン0.875kgおよびエタノール0.375kg、エチルビニルエーテル(EVE)104g、酢酸ビニル(VAc)86.7gおよびマレイン酸モノエチルエステル(MME)49.7gを入れ、窒素置換し、テトラフルオロエチレン(TFE)300gを加え、61.5℃まで昇温した。ついで撹拌下にオクタノイルパーオキサイド溶液(固形分70重量%)を20.0g加え、5時間反応させ、反応容器内圧力が0.30MPa・Gに下がった時点で反応を停止した。反応混合物を室温まで冷却し、未反応単量体をパージしたのちさらに窒素置換して、反応生成物1.66kg(固形分24.6重量%)を得た。この溶液を濃縮して固形分50重量%の溶液とした。得られた共重合体は、19F−MNRおよび1H−MNRで分析したところ、TFE/EVE/VAc/MME=35/30/21/14(モル%比)であり、GPCで測定した数平均分子量Mnは10,800、酸価は58.3mgKOH/gであった。
得られた共重合体のアセトン/エタノール溶液(固形分50重量%)50.0gに、攪拌しながらトリエチルアミン2.89gを加え、さらに水30.0gをゆっくりと加えて攪拌した。ついで50℃に加熱しながら減圧下にアセトン/エタノールを留去し、フルオロオレフィン共重合体水性分散体(固形分48.1重量%)を得た。
製造例2〜5
表1に示す単量体を使用して、製造例1と同様にしてフルオロオレフィン共重合体を製造し、ついで表1に示す量のトリエチルアミンにより中和してフルオロオレフィン共重合体水性分散体を得た。
表1に示す単量体を使用して、製造例1と同様にしてフルオロオレフィン共重合体を製造し、ついで表1に示す量のトリエチルアミンにより中和してフルオロオレフィン共重合体水性分散体を得た。
表1中の単量体の略号は以下のとおりである。
TFE:テトラフルオロエチレン
HFP:ヘキサフルオロプロピレン
EVE:エチルビニルエーテル
VAc:酢酸ビニル
VPi:プロピオン酸ビニル
VV−10:シェル化学社製のバーサチック酸ビニル
DAAM:ダイアセトンアクリルアミド
MME:マレイン酸モノエチルエステル
FME:フマル酸モノエチルエステル
TFE:テトラフルオロエチレン
HFP:ヘキサフルオロプロピレン
EVE:エチルビニルエーテル
VAc:酢酸ビニル
VPi:プロピオン酸ビニル
VV−10:シェル化学社製のバーサチック酸ビニル
DAAM:ダイアセトンアクリルアミド
MME:マレイン酸モノエチルエステル
FME:フマル酸モノエチルエステル
製造例6
表2に示す単量体を使用して、製造例1と同様にしてTFE/EVE/VPi/マレイン酸無水物(MAN)=35/16/35/14(モル%比)のフルオロオレフィン共重合体を合成した。
表2に示す単量体を使用して、製造例1と同様にしてTFE/EVE/VPi/マレイン酸無水物(MAN)=35/16/35/14(モル%比)のフルオロオレフィン共重合体を合成した。
このフルオロオレフィン共重合体のアセトン溶液(固形分50重量%)50.0gに、攪拌しながら2−ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)1.44gおよびエタノール(EtOH)1.02gを加え、さらにトリエチルアミン3.70gをゆっくりと加えた。この混合物を55℃にて4時間加熱攪拌したのち室温にまで戻し、水35.0gをゆっくりと加えて攪拌した。ついで50℃にまで加熱しながら減圧下にアセトンを留去し、フルオロオレフィン共重合体水性分散体(固形分46.1重量%)を得た。
製造例7〜10
表2に示す単量体を使用して製造例6と同様にしてフルオロオレフィン共重合体を製造し、ついで表2に示す化合物を使用して変性し、さらに表2に示す量のトリエチルアミンにより中和してフルオロオレフィン共重合体水性分散体を得た。
表2に示す単量体を使用して製造例6と同様にしてフルオロオレフィン共重合体を製造し、ついで表2に示す化合物を使用して変性し、さらに表2に示す量のトリエチルアミンにより中和してフルオロオレフィン共重合体水性分散体を得た。
製造例11
表2に示す単量体を使用して、製造例1と同様にしてTFE/EVE/VPi/マレイン酸無水物=35/16/35/14(モル%比)のフルオロオレフィン共重合体を合成した。
表2に示す単量体を使用して、製造例1と同様にしてTFE/EVE/VPi/マレイン酸無水物=35/16/35/14(モル%比)のフルオロオレフィン共重合体を合成した。
このフルオロオレフィン共重合体のアセトン溶液(固形分50重量%)50.0gに、攪拌しながらオレイルアルコール(C18H36O、新日本理化(株)製)(OLA)1.91gを加え、さらにトリエチルアミン0.72gをゆっくりと加えた。この混合物を55℃にて4時間加熱攪拌したのち室温にまで戻し、28%水酸化アンモニウム水7.19gと水29.0gをゆっくりと加えて攪拌した。ついで50℃にまで加熱しながら減圧下にアセトンを留去し、重合性不飽和二重結合を含有するフルオロオレフィン共重合体水性分散体(固形分45.5重量%)を得た。
表2中の単量体の略号は以下のとおりである。
TFE:テトラフルオロエチレン
EVE:エチルビニルエーテル
VAc:酢酸ビニル
VPi:プロピオン酸ビニル
VV−10:シェル化学社製のバーサチック酸ビニル
MAN:マレイン酸無水物
HEMA:2−ヒドロキシエチルメタクリレート
DAOH:ダイアセトンアルコール
EtOH:エタノール
OLA:オレイルアルコール
TFE:テトラフルオロエチレン
EVE:エチルビニルエーテル
VAc:酢酸ビニル
VPi:プロピオン酸ビニル
VV−10:シェル化学社製のバーサチック酸ビニル
MAN:マレイン酸無水物
HEMA:2−ヒドロキシエチルメタクリレート
DAOH:ダイアセトンアルコール
EtOH:エタノール
OLA:オレイルアルコール
実施例1
製造例1で製造した水性分散体(a−1)50.0gに0.5gの増粘剤(プライマルQR708)、0.25gの消泡剤(Byk023)、2.0gの造膜助剤(テキサノール:イーストマン・ケミカル社製)、0.64gの硬化剤としてカルボジイミド化合物であるカルボジライトE−01(日清紡(株)製)20.0gを加えてよく攪拌し、塗膜形成成分としてフルオロオレフィン共重合体単独使用の水性分散組成物を得た。この組成物をメッシュで濾過して、あらかじめ溶剤可溶型架橋型フッ素塗料(白)を塗装しサンディング処理したアルミニウム板上に、アプリケーターを用いて塗装して塗板を作製した。この塗板を室温で10日間放置して硬化させ試験片とし、つぎの特性を調べた。結果を表3に示す。
製造例1で製造した水性分散体(a−1)50.0gに0.5gの増粘剤(プライマルQR708)、0.25gの消泡剤(Byk023)、2.0gの造膜助剤(テキサノール:イーストマン・ケミカル社製)、0.64gの硬化剤としてカルボジイミド化合物であるカルボジライトE−01(日清紡(株)製)20.0gを加えてよく攪拌し、塗膜形成成分としてフルオロオレフィン共重合体単独使用の水性分散組成物を得た。この組成物をメッシュで濾過して、あらかじめ溶剤可溶型架橋型フッ素塗料(白)を塗装しサンディング処理したアルミニウム板上に、アプリケーターを用いて塗装して塗板を作製した。この塗板を室温で10日間放置して硬化させ試験片とし、つぎの特性を調べた。結果を表3に示す。
外観:目視で塗膜外観を観察する。
艶むらがあるまたはくすみが多いときをC、艶むらまたは多少くすみがあるときをB、艶むらおよびくすみがないときをAとする。
艶むらがあるまたはくすみが多いときをC、艶むらまたは多少くすみがあるときをB、艶むらおよびくすみがないときをAとする。
光沢:JIS K5400に準じて、60度の鏡面光沢度を測定する。
鉛筆硬度:JIS K5400に準じて測定する。
耐溶剤試験:塗膜表面をメチルエチルケトン(MEK)を含浸させた不織布でふき取る操作を行なう。ふき取り操作は10回往復が終了するまで行なう。
試験終了後、塗膜に溶解または光沢低下が認められない場合をA、塗膜にわずかな溶解または光沢低下が認められる場合をB、著しい溶解または光沢低下が認められる場合をCとする。
試験終了後、塗膜に溶解または光沢低下が認められない場合をA、塗膜にわずかな溶解または光沢低下が認められる場合をB、著しい溶解または光沢低下が認められる場合をCとする。
耐水性:塗膜を60℃の温水に24時間浸漬し、その後に塗膜を目視観察する。
異常がない場合をA、若干の白濁、艶引けが見られる場合をB、著しい白濁、艶引けが見られる場合をC、塗膜の溶解が発生している場合をDとする。
異常がない場合をA、若干の白濁、艶引けが見られる場合をB、著しい白濁、艶引けが見られる場合をC、塗膜の溶解が発生している場合をDとする。
耐雨筋汚染性:塗膜を水平面に対して45度の角度で屋外に暴露し、1ヶ月後の初期との明度差、および6ヶ月後の明度差を測定する。
明度差(ΔE)が0から2未満の場合をA、2以上4未満の場合をB、4以上6未満の場合をC、6以上10未満の場合をD、10以上の場合をEとする。
明度差(ΔE)が0から2未満の場合をA、2以上4未満の場合をB、4以上6未満の場合をC、6以上10未満の場合をD、10以上の場合をEとする。
実施例2〜7
表3に示す配合を採用して実施例1と同様に水性分散組成物を調製し、塗装して試験片を作製し、塗膜物性を調べた。結果を表3に示す。
表3に示す配合を採用して実施例1と同様に水性分散組成物を調製し、塗装して試験片を作製し、塗膜物性を調べた。結果を表3に示す。
比較例1
特開平8−337620号公報の実施例5と同様の水性フッ素樹脂ワニスを製造し、硬化剤を加えず、その他は実施例1と同様にして塗装し、塗膜物性を調べた。結果を表3に示す。
特開平8−337620号公報の実施例5と同様の水性フッ素樹脂ワニスを製造し、硬化剤を加えず、その他は実施例1と同様にして塗装し、塗膜物性を調べた。結果を表3に示す。
製造例12
300mlの4つ口フラスコにイオン交換水24.2重量部、硫酸エステル型アニオン性界面活性剤(日本乳化剤(株)製のNewcol−707SF、固形分30%)0.24重量部、を加え、80℃に加熱攪拌した。これに、2−(アセトアセトキシ)エチルメタクリレート6.70重量部、アクリル酸0.32重量部、スチレン11.8重量部、メタクリル酸メチル12.0重量部、アクリル酸n−ブチル36.3重量部、Newcol−707SF6.45重量部、過硫酸アンモニウム0.13重量部のプレエマルションを3時間かけて滴下した。滴下終了後過硫酸アンモニウム0.05重量部とイオン交換水0.10重量部の混合物を1時間かけて滴下し、さらに1時間80℃で加熱攪拌して水性アクリル樹脂エマルションを得た(固形分50.5重量%)。この水性アクリル樹脂エマルションをb−1とする。
300mlの4つ口フラスコにイオン交換水24.2重量部、硫酸エステル型アニオン性界面活性剤(日本乳化剤(株)製のNewcol−707SF、固形分30%)0.24重量部、を加え、80℃に加熱攪拌した。これに、2−(アセトアセトキシ)エチルメタクリレート6.70重量部、アクリル酸0.32重量部、スチレン11.8重量部、メタクリル酸メチル12.0重量部、アクリル酸n−ブチル36.3重量部、Newcol−707SF6.45重量部、過硫酸アンモニウム0.13重量部のプレエマルションを3時間かけて滴下した。滴下終了後過硫酸アンモニウム0.05重量部とイオン交換水0.10重量部の混合物を1時間かけて滴下し、さらに1時間80℃で加熱攪拌して水性アクリル樹脂エマルションを得た(固形分50.5重量%)。この水性アクリル樹脂エマルションをb−1とする。
製造例13
表4に示す組成の単量体を用いたほかは製造例12と同様にして水性アクリル樹脂エマルション(b−2)を製造した。
表4に示す組成の単量体を用いたほかは製造例12と同様にして水性アクリル樹脂エマルション(b−2)を製造した。
表4中の単量体の略号は以下のとおりである。
AAMA:2−(アセトアセトキシ)エチルメタクリレート
AA:アクリル酸
St:スチレン
MMA:メタクリル酸メチル
BA:アクリル酸n−ブチル
EHA:2−エチルヘキシルアクリレート
AAMA:2−(アセトアセトキシ)エチルメタクリレート
AA:アクリル酸
St:スチレン
MMA:メタクリル酸メチル
BA:アクリル酸n−ブチル
EHA:2−エチルヘキシルアクリレート
実施例8
製造例6で製造した含フッ素水性分散体(a−6)35.0gと製造例12で製造した水性アクリル樹脂エマルション(b−1)15.0gを加えてよく攪拌し、テトラエチルアンモニウムハイドロオキサイド水溶液でpHを8.5に調整した。これに0.5gの増粘剤(プライマルQR708)、0.25gの消泡剤(Byk023)、2.0gの造膜助剤(テキサノール)加えてよく攪拌しフッ素樹脂水性分散組成物を得た。この組成物をメッシュで濾過して、あらかじめ溶剤可溶型架橋型フッ素塗料(白)を塗装しサンディング処理したアルミニウム板上に、アプリケーターを用いて塗装して塗板を作製した。この塗板を室温で10日間放置して硬化させ試験片とし、実施例1と同様の塗膜物性を調べた。結果を表5に示す。
製造例6で製造した含フッ素水性分散体(a−6)35.0gと製造例12で製造した水性アクリル樹脂エマルション(b−1)15.0gを加えてよく攪拌し、テトラエチルアンモニウムハイドロオキサイド水溶液でpHを8.5に調整した。これに0.5gの増粘剤(プライマルQR708)、0.25gの消泡剤(Byk023)、2.0gの造膜助剤(テキサノール)加えてよく攪拌しフッ素樹脂水性分散組成物を得た。この組成物をメッシュで濾過して、あらかじめ溶剤可溶型架橋型フッ素塗料(白)を塗装しサンディング処理したアルミニウム板上に、アプリケーターを用いて塗装して塗板を作製した。この塗板を室温で10日間放置して硬化させ試験片とし、実施例1と同様の塗膜物性を調べた。結果を表5に示す。
実施例9〜11
表5に示す配合に従い、実施例8と同様にして水性分散組成物を調製し、塗装して試験片を作製し、実施例1と同様の塗膜物性を調べた。結果を表5に示す。
表5に示す配合に従い、実施例8と同様にして水性分散組成物を調製し、塗装して試験片を作製し、実施例1と同様の塗膜物性を調べた。結果を表5に示す。
製造例14
1,6−ヘキサンジオール71.2g、アジピン酸102g、2,2−ジメチロールプロピオン酸22.7gを混合して180℃まで温度を上げ、24時間かけて反応させて水酸基価60mgKOH/gで酸価60mgKOH/gのポリエステルを得た。このポリエステルをアセトン300gに溶解し、これに2,2−ジメチロールプロピオン酸30.0gおよびシクロヘキサンジメタノール27.0gを混合し、70℃で攪拌しつつ、4,4−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート236gを加えて80℃に温度を上げた。そのまま6時間反応させたのち冷却してポリウレタン溶液を得た。このポリウレタン溶液に、80%ヒドラジン水溶液21.0gとトリエチルアミン40.0gおよび水1500gとの混合液を高速攪拌しながら徐々に加えた。得られた溶液を60℃にまで加熱し、減圧下に溶剤を留去したのち水で濃度調整を行ない、固形分23.7重量%の水性ポリウレタンエマルションを得た。この水性ポリウレタンエマルションをb−3とする。
1,6−ヘキサンジオール71.2g、アジピン酸102g、2,2−ジメチロールプロピオン酸22.7gを混合して180℃まで温度を上げ、24時間かけて反応させて水酸基価60mgKOH/gで酸価60mgKOH/gのポリエステルを得た。このポリエステルをアセトン300gに溶解し、これに2,2−ジメチロールプロピオン酸30.0gおよびシクロヘキサンジメタノール27.0gを混合し、70℃で攪拌しつつ、4,4−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート236gを加えて80℃に温度を上げた。そのまま6時間反応させたのち冷却してポリウレタン溶液を得た。このポリウレタン溶液に、80%ヒドラジン水溶液21.0gとトリエチルアミン40.0gおよび水1500gとの混合液を高速攪拌しながら徐々に加えた。得られた溶液を60℃にまで加熱し、減圧下に溶剤を留去したのち水で濃度調整を行ない、固形分23.7重量%の水性ポリウレタンエマルションを得た。この水性ポリウレタンエマルションをb−3とする。
実施例12
製造例8で製造した含フッ素水性分散体(a−8)20.0gと製造例14で製造した水性ポリウレタンエマルション(b−3)63.0gを加えてよく攪拌し、これに0.5gの増粘剤(プライマルQR708)、0.25gの消泡剤(Byk023)、を加えてよく攪拌しフッ素樹脂水性組成物を得た。この組成物をメッシュで濾過して、あらかじめ溶剤可溶型架橋型フッ素塗料(白)を塗装しサンディング処理したアルミニウム板上に、アプリケーターを用いて塗装して塗板を作製した。この塗板を室温で10日間放置して硬化させ試験片とし、実施例1と同様の塗膜物性を調べた。結果を表6に示す。
製造例8で製造した含フッ素水性分散体(a−8)20.0gと製造例14で製造した水性ポリウレタンエマルション(b−3)63.0gを加えてよく攪拌し、これに0.5gの増粘剤(プライマルQR708)、0.25gの消泡剤(Byk023)、を加えてよく攪拌しフッ素樹脂水性組成物を得た。この組成物をメッシュで濾過して、あらかじめ溶剤可溶型架橋型フッ素塗料(白)を塗装しサンディング処理したアルミニウム板上に、アプリケーターを用いて塗装して塗板を作製した。この塗板を室温で10日間放置して硬化させ試験片とし、実施例1と同様の塗膜物性を調べた。結果を表6に示す。
実施例13
製造例9で製造した含フッ素水性分散体(a−9)を用い、表6に示す配合により実施例12と同様にして水性分散組成物を調製し、塗装して試験片を作製し、実施例1と同様の塗膜物性を調べた。結果を表6に示す。
製造例9で製造した含フッ素水性分散体(a−9)を用い、表6に示す配合により実施例12と同様にして水性分散組成物を調製し、塗装して試験片を作製し、実施例1と同様の塗膜物性を調べた。結果を表6に示す。
実施例14
含フッ素水性分散体(a−1)の50gを300mlに入れ、攪拌しながら温度を80℃にあげ、グリシジルメタクリレートを0.24g加えて1時間攪拌した。つぎに、この溶液にメタクリル酸メチル5.68g、メタクリル酸シクロヘキシル3.00g、アクリル酸n−ブチル13.0g、ダイアセトンアクリルアミド2.0g、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート0.12g、アクリル酸0.20g、水20.0gおよび硫酸エステル型アニオン性界面活性剤0.40g(日本乳化剤(株)製のNewcol−707SF、固形分30重量%)の混合物を1時間かけて滴下した。滴下開始直後に0.60gの10%過硫酸アンモニウムの水溶液を加えた。滴下終了後に温度を90℃まで上昇させ、さらに2時間攪拌加熱してシード重合を行ない、複合化水性フッ素樹脂分散体を得た。
含フッ素水性分散体(a−1)の50gを300mlに入れ、攪拌しながら温度を80℃にあげ、グリシジルメタクリレートを0.24g加えて1時間攪拌した。つぎに、この溶液にメタクリル酸メチル5.68g、メタクリル酸シクロヘキシル3.00g、アクリル酸n−ブチル13.0g、ダイアセトンアクリルアミド2.0g、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート0.12g、アクリル酸0.20g、水20.0gおよび硫酸エステル型アニオン性界面活性剤0.40g(日本乳化剤(株)製のNewcol−707SF、固形分30重量%)の混合物を1時間かけて滴下した。滴下開始直後に0.60gの10%過硫酸アンモニウムの水溶液を加えた。滴下終了後に温度を90℃まで上昇させ、さらに2時間攪拌加熱してシード重合を行ない、複合化水性フッ素樹脂分散体を得た。
得られた複合化水性フッ素樹脂分散体50.0gに、0.5gの増粘剤(プライマルQR708)、0.25gの消泡剤(Byk023)、2.0gの造膜助剤(テキサノール)、0.51gの硬化剤(アジピン酸ジヒドラジド)を加えてよく攪拌し複合化フッ素樹脂水性塗料組成物を得た。この塗料組成物をメッシュで濾過して、あらかじめ溶剤可溶型架橋型フッ素塗料(白)を塗装しサンディング処理したアルミニウム板上に、アプリケーターを用いて塗装して塗板を作製した。この塗板を室温で10日間放置して硬化させ試験片とし、実施例1と同様の塗膜物性を調べた。結果を表7に示す。
実施例15〜17
表7に示す単量体を用いて実施例14と同様にしてシード重合により複合化水性フッ素樹脂分散体を製造し、実施例14と同様にして水性塗料組成物を調製し、塗装して試験片を作製し、実施例1と同様の塗膜物性を調べた。結果を表7に示す。
表7に示す単量体を用いて実施例14と同様にしてシード重合により複合化水性フッ素樹脂分散体を製造し、実施例14と同様にして水性塗料組成物を調製し、塗装して試験片を作製し、実施例1と同様の塗膜物性を調べた。結果を表7に示す。
実施例18〜21
実施例14においてグリシジルメタクリレートを加えなかった以外は、表7の単量体を用いて実施例14と同様にしてシード重合により複合化水性フッ素樹脂分散体を製造し、実施例14と同様にして水性塗料組成物を調製し、塗装して試験片を作製し、実施例1と同様の塗膜物性を調べた。結果を表7に示す。
実施例14においてグリシジルメタクリレートを加えなかった以外は、表7の単量体を用いて実施例14と同様にしてシード重合により複合化水性フッ素樹脂分散体を製造し、実施例14と同様にして水性塗料組成物を調製し、塗装して試験片を作製し、実施例1と同様の塗膜物性を調べた。結果を表7に示す。
表7中の略号は以下のとおりである。
MMA:メタクリル酸メチル
CHMA:シクロヘキシルメタクリレート
BA:アクリル酸n−ブチル
EHA:2−エチルヘキシルアクリレート
DAAM:ダイアセトンアクリルアミド
HDA:1,6−ヘキサンジオールジアクリレート
AA:アクリル酸
707SF:硫酸エステル型アニオン性界面活性剤。日本乳化剤(株)製のNewcol−707SF
APS:過硫酸アンモニウム
MMA:メタクリル酸メチル
CHMA:シクロヘキシルメタクリレート
BA:アクリル酸n−ブチル
EHA:2−エチルヘキシルアクリレート
DAAM:ダイアセトンアクリルアミド
HDA:1,6−ヘキサンジオールジアクリレート
AA:アクリル酸
707SF:硫酸エステル型アニオン性界面活性剤。日本乳化剤(株)製のNewcol−707SF
APS:過硫酸アンモニウム
実施例22
実施例14で得られた複合化水性フッ素樹脂分散体を50℃で2ヵ月間保存し、実施例14と同様に塗膜を作製したところ外観に異常は認められなかった。
実施例14で得られた複合化水性フッ素樹脂分散体を50℃で2ヵ月間保存し、実施例14と同様に塗膜を作製したところ外観に異常は認められなかった。
比較例2
特開昭63−314202号公報の実施例2に従い、アクリル樹脂を複合化した水性フッ素樹脂分散体を得た。これを50℃で2ヵ月間保存して、塗膜を作製したところ、塗膜外観に白濁がみられた。
特開昭63−314202号公報の実施例2に従い、アクリル樹脂を複合化した水性フッ素樹脂分散体を得た。これを50℃で2ヵ月間保存して、塗膜を作製したところ、塗膜外観に白濁がみられた。
Claims (12)
- 酸価が10〜250mgKOH/gのフルオロオレフィン共重合体(A)と非フッ素系合成樹脂エマルション(B)とからなり、該フルオロオレフィン共重合体(A)がマレイン酸単位、マレイン酸無水物単位、マレイン酸モノエステル単位、フマル酸単位およびフマル酸モノエステル単位よりなる群から選ばれる少なくとも1種の構造単位を有し、かつ該フルオロオレフィン共重合体(A)および非フッ素系合成樹脂(B)の少なくとも一方が架橋性官能基を含んでいる含フッ素水性分散組成物。
- フルオロオレフィン共重合体(A)が重合性不飽和二重結合を有している請求項1記載の水性分散組成物。
- フルオロオレフィン共重合体(A)が架橋性官能基としてカルボニル基を有し、非フッ素系合成樹脂(B)がヒドラジド基を有する請求項1または2記載の水性分散組成物。
- フルオロオレフィン共重合体(A)がα,β−不飽和カルボニル基を有し、非フッ素系合成樹脂(B)が活性メチレン基を有する請求項1または2記載の水性分散組成物。
- 非フッ素系合成樹脂エマルション(B)がアクリル樹脂エマルション、ウレタン樹脂エマルションまたはポリエステル樹脂エマルションである請求項1〜4のいずれかに記載の水性分散組成物。
- さらに硬化剤(C)を含んでなる請求項1〜5のいずれかに記載の水性分散組成物。
- 硬化剤(C)が、非ブロック型イソシアネート化合物、ヒドラジド化合物、カルボジイミド化合物およびアジリジンよりなる群から選ばれる少なくとも1種の常温硬化剤(C1)である請求項6記載の水性分散組成物。
- 酸価が10〜250mgKOH/gのフルオロオレフィン共重合体(A)と常温硬化剤(C1)とからなり、該フルオロオレフィン共重合体(A)がマレイン酸単位、マレイン酸無水物単位、マレイン酸モノエステル単位、フマル酸単位およびフマル酸モノエステル単位よりなる群から選ばれる少なくとも1種の構造単位を有し、かつ該フルオロオレフィン共重合体(A)が架橋性官能基を含んでおり、該常温硬化剤(C1)が非ブロック型イソシアネート化合物、ヒドラジド化合物、カルボジイミド化合物およびアジリジンよりなる群から選ばれる少なくとも1種である含フッ素水性分散組成物。
- フルオロオレフィン共重合体(A)が重合性不飽和二重結合を有している請求項8記載の水性分散組成物。
- フルオロオレフィン共重合体(A)が、フルオロオレフィン共重合体(A)の水性分散体にビニル単量体をシード重合して得られる複合化フッ素樹脂(A1)である請求項1〜9のいずれかに記載の水性分散組成物。
- 酸価が10〜250mgKOH/gのフルオロオレフィン共重合体(A2)と水とからなり、該フルオロオレフィン共重合体(A2)がマレイン酸単位、マレイン酸無水物単位、マレイン酸モノエステル単位、フマル酸単位およびフマル酸モノエステル単位よりなる群から選ばれる少なくとも1種の構造単位を有し、かつ該フルオロオレフィン共重合体(A2)が重合性不飽和二重結合を有している含フッ素水性分散組成物。
- フルオロオレフィン共重合体(A)が、フルオロオレフィン共重合体(A2)の水性分散体に架橋性官能基含有ビニル単量体をシード重合して得られる複合化フッ素樹脂(A3)である請求項1〜9のいずれかに記載の水性分散組成物。
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