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JP2005154434A - 2−アミノキナゾリン誘導体 - Google Patents

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JP2005154434A
JP2005154434A JP2004321371A JP2004321371A JP2005154434A JP 2005154434 A JP2005154434 A JP 2005154434A JP 2004321371 A JP2004321371 A JP 2004321371A JP 2004321371 A JP2004321371 A JP 2004321371A JP 2005154434 A JP2005154434 A JP 2005154434A
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heterocyclic group
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Application number
JP2004321371A
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English (en)
Inventor
Yoshisuke Nakazato
宜資 中里
Eri Arai
恵理 新井
Noriaki Kamisaka
範明 上坂
Shinichi Uchida
真一 内田
Tetsuji Ono
哲司 大野
Yuji Nomoto
裕二 野本
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KH Neochem Co Ltd
Original Assignee
Kyowa Hakko Kogyo Co Ltd
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Abstract

【課題】アデノシンA2A受容体拮抗作用等を有する2-アミノキナゾリン誘導体またはその薬理学的に許容される塩等を提供すること。
【解決手段】 式(I)
【化9】
Figure 2005154434

[式中、R1及びR2は、同一または異なって水素原子、置換もしくは非置換の低級アルキル、置換もしくは非置換のアリール、置換もしくは非置換の芳香族複素環基、置換もしくは非置換の脂環式複素環基、-C(=Y)R5(式中、Yは酸素原子または硫黄原子を表し、R5は置換もしくは非置換の低級アルキル、置換もしくは非置換の低級アルコキシ等を表す)等を表すか、R1とR2が隣接する窒素原子と一緒になって置換もしくは非置換の芳香族複素環基等を形成し、
R3は置換もしくは非置換のアリール等を表し、
R4は水素原子または置換もしくは非置換の低級アルキルを表す]で表される2-アミノキナゾリン誘導体またはその薬理学的に許容される塩等を提供する。
【選択図】 なし

Description

本発明は、アデノシンA2A受容体拮抗作用等を有する2-アミノキナゾリン誘導体またはその薬理学的に許容される塩に関する。
従来から、アデノシンは体内に広く分布し、中枢神経系、心筋、腎臓、肺、平滑筋等に対して多岐にわたる生理作用を示すことが知られている。またアデノシン受容体の研究も進み、これまでにA1、A2A、A2B、A3の計4種のサブタイプの存在が判明している[ファーマコロジカル・レビュー(Pharmacological Review)、第46巻、143頁(1994年)]。
アデノシンはA2A受容体を介して神経伝達物質の遊離抑制作用を示すことが知られている[ヨーロピアン・ジャーナル・オブ・ファーマコロジー(European Journal of Pharmacology)、第168巻、285頁(1989年)]。従って、アデノシンA2A受容体拮抗薬は、例えばパーキンソン病、アルツハイマー病、進行性核上性麻痺、AIDS脳症、伝播性海綿状脳症、多発性硬化症、筋萎縮性側索硬化症、ハンチントン病、多系統萎縮症、脳虚血、注意欠陥多動性障害、睡眠障害、虚血性心疾患、間歇性跛行症、糖尿病、不安障害(パニック発作及びパニック障害、恐怖症、脅迫性障害、心的外傷後ストレス障害、急性ストレス障害、全般性不安障害、身体障害または物質による不安等)、気分障害(うつ病、気分変調性障害、気分循環性障害等)等のアデノシンA2A受容体の機能に関与する疾患の予防及び/または治療薬として期待される。
一方、2-アミノキナゾリン誘導体を含む降圧剤(特許文献1参照)、ホスホジエステラーゼ阻害剤(特許文献2参照)、ホスホジエステラーゼ4阻害剤(特許文献3参照)、セリン/スレオニンプロテインキナーゼ調節剤(特許文献4参照)、抗菌剤(特許文献5参照)、ニューロペプチドリガンド(特許文献6参照)、現像液組成物(特許文献7参照)等が知られている。
特開昭39-25050号公報 国際公開第93/07124号パンフレット 国際公開第98/22460号パンフレット 国際公開第98/50370号パンフレット 米国特許6156758号明細書 国際公開第03/26667号パンフレット 特開平6-324437号公報
本発明の目的は、アデノシンA2A受容体拮抗作用等を有する2-アミノキナゾリン誘導体またはその薬理学的に許容される塩等を提供することにある。
本発明は、以下の(1)〜(23)に関する。
(1)式(I)
Figure 2005154434
{式中、R1及びR2は、同一または異なって水素原子、置換もしくは非置換の低級アルキル、置換もしくは非置換のアリール、置換もしくは非置換の芳香族複素環基、置換もしくは非置換の脂環式複素環基、-C(=Y)R5[式中、Yは酸素原子または硫黄原子を表し、R5は置換もしくは非置換の低級アルキル、置換もしくは非置換の低級アルコキシ、置換もしくは非置換のアリール、置換もしくは非置換のアリールオキシ、置換もしくは非置換の芳香族複素環基、置換もしくは非置換の脂環式複素環基または-NR6R7(式中、R6及びR7は、同一または異なって水素原子、置換もしくは非置換の低級アルキル、置換もしくは非置換のアリール、置換もしくは非置換の芳香族複素環基または置換もしくは非置換の脂環式複素環基を表す)を表す]または-SO2R8(式中、R8は置換もしくは非置換の低級アルキル、置換もしくは非置換のアリール、置換もしくは非置換の芳香族複素環基または置換もしくは非置換の脂環式複素環基を表す)を表すか、R1とR2が隣接する窒素原子と一緒になって置換もしくは非置換の芳香族複素環基または置換もしくは非置換の脂環式複素環基を形成し、
R3は置換もしくは非置換のアリール、置換もしくは非置換の芳香族複素環基または置換もしくは非置換の脂環式複素環基を表し、
R4は水素原子または置換もしくは非置換の低級アルキルを表す}で表される2-アミノキナゾリン誘導体またはその薬理学的に許容される塩。
(2)R1及びR2が、同一または異なって水素原子、置換もしくは非置換の低級アルキルまたは-C(=Y)R5(式中、Y及びR5はそれぞれ前記と同義である)である前記(1)記載の2-アミノキナゾリン誘導体またはその薬理学的に許容される塩。
(3)R1及びR2が水素原子である前記(1)記載の2-アミノキナゾリン誘導体またはその薬理学的に許容される塩。
(4)R1が水素原子であり、R2が-COR5(式中、R5は前記と同義である)である前記(1)記載の2-アミノキナゾリン誘導体またはその薬理学的に許容される塩。
(5)R1が水素原子であり、R2が-COR5a(式中、R5aは置換もしくは非置換の低級アルキル、置換もしくは非置換のアリールまたは置換もしくは非置換の芳香族複素環基を表す)である前記(1)記載の2-アミノキナゾリン誘導体またはその薬理学的に許容される塩。
(6)R1が水素原子であり、R2が-COR5b(式中、R5bは置換もしくは非置換の低級アルキルを表す)である前記(1)記載の2-アミノキナゾリン誘導体またはその薬理学的に許容される塩。
(7)R1が水素原子であり、R2が-COR5c(式中、R5cは置換もしくは非置換の芳香族複素環基を表す)である前記(1)記載の2-アミノキナゾリン誘導体またはその薬理学的に許容される塩。
(8)R1が水素原子であり、R2が-COR5d(式中、R5dは置換もしくは非置換のピリジルを表す)である前記(1)記載の2-アミノキナゾリン誘導体またはその薬理学的に許容される塩。
(9)R1が水素原子であり、R2が置換もしくは非置換の低級アルキルである前記(1)記載の2-アミノキナゾリン誘導体またはその薬理学的に許容される塩。
(10)R1及びR2が、同一または異なって置換もしくは非置換の低級アルキルである前記(1)記載の2-アミノキナゾリン誘導体またはその薬理学的に許容される塩。
(11)R1及びR2が、同一または異なって置換もしくは非置換のアリール、置換もしくは非置換の芳香族複素環基、置換もしくは非置換の脂環式複素環基または-SO2R8(式中、R8は前記と同義である)である前記(1)記載の2-アミノキナゾリン誘導体またはその薬理学的に許容される塩。
(12)R1とR2が隣接する窒素原子と一緒になって置換もしくは非置換の芳香族複素環基または置換もしくは非置換の脂環式複素環基を形成する前記(1)記載の2-アミノキナゾリン誘導体またはその薬理学的に許容される塩。
(13)R3が置換もしくは非置換の芳香族複素環基である前記(1)〜(12)のいずれかに記載の2-アミノキナゾリン誘導体またはその薬理学的に許容される塩。
(14)R3が置換もしくは非置換のピリジルである前記(1)〜(12)のいずれかに記載の2-アミノキナゾリン誘導体またはその薬理学的に許容される塩。
(15)R3が置換もしくは非置換のアリールである前記(1)〜(12)のいずれかに記載の2-アミノキナゾリン誘導体またはその薬理学的に許容される塩。
(16)R3が置換もしくは非置換のフェニルである前記(1)〜(12)のいずれかに記載の2-アミノキナゾリン誘導体またはその薬理学的に許容される塩。
(17)R3が置換もしくは非置換の脂環式複素環基である前記(1)〜(12)のいずれかに記載の2-アミノキナゾリン誘導体またはその薬理学的に許容される塩。
(18)R4が置換もしくは非置換の低級アルキルである前記(1)〜(17)のいずれかに記載の2-アミノキナゾリン誘導体またはその薬理学的に許容される塩。
(19)R4がメチルである前記(1)〜(17)のいずれかに記載の2-アミノキナゾリン誘導体またはその薬理学的に許容される塩。
(20)前記(1)〜(19)のいずれかに記載の2-アミノキナゾリン誘導体またはその薬理学的に許容される塩を有効成分として含有する医薬。
(21)前記(1)〜(19)のいずれかに記載の2-アミノキナゾリン誘導体またはその薬理学的に許容される塩を有効成分として含有するアデノシンA2A受容体拮抗剤。
(22)前記(1)〜(19)のいずれかに記載の2-アミノキナゾリン誘導体またはその薬理学的に許容される塩を有効成分として含有するアデノシンA2A受容体の機能に関与する疾患の予防及び/または治療剤。
(23)前記(1)〜(19)のいずれかに記載の2-アミノキナゾリン誘導体またはその薬理学的に許容される塩を有効成分として含有するパーキンソン病の予防及び/または治療剤。
本発明により、アデノシンA2A受容体拮抗作用等を有する2-アミノキナゾリン誘導体またはその薬理学的に許容される塩等が提供される。
以下、式(I)で表される化合物を化合物(I)という。他の式番号の化合物についても同様である。
式(I)の各基の定義において、
低級アルキル及び低級アルコキシの低級アルキル部分としては、例えば、炭素数1〜10の、直鎖状、分枝鎖状もしくは環状の、またはこれらの組み合わせからなるアルキルが挙げられ、より具体的には、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、シクロプロピル、シクロプロピルメチル、ブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、シクロブチル、ペンチル、ネオペンチル、シクロペンチル、ヘキシル、シクロヘキシル、ヘプチル、シクロヘキシルメチル、シクロヘプチル、オクチル、シクロオクチル、デシル等が挙げられる。
アリール及びアリールオキシのアリール部分としては、例えば炭素数6〜14のアリールが挙げられ、より具体的にはフェニル、ナフチル、インデニル、アントリル等が挙げられる。
芳香族複素環基としては、例えば窒素原子、酸素原子及び硫黄原子から選ばれる少なくとも1個の原子を含む5員または6員の単環性芳香族複素環基、3〜8員の環が縮合した二環または三環性で窒素原子、酸素原子及び硫黄原子から選ばれる少なくとも1個の原子を含む縮環性芳香族複素環基等が挙げられ、より具体的にはピリジル、ピリドニル、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、キノリル、イソキノリル、フタラジニル、キナゾリニル、キノキサリニル、ナフチリジニル、シンノリニル、ピロリル、ピラゾリル、イミダゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、チエニル、フリル、チアゾリル、オキサゾリル、インドリル、インダゾリル、ベンゾイミダゾリル、イソオキサゾリル、ベンゾトリアゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾオキサゾリル、プリニル、アクリジニル、カルバゾリル等が挙げられる。
脂環式複素環基としては、例えば窒素原子、酸素原子及び硫黄原子から選ばれる少なくとも1個の原子を含む5員または6員の単環性脂環式複素環基、3〜8員の環が縮合した二環または三環性で窒素原子、酸素原子及び硫黄原子から選ばれる少なくとも1個の原子を含む縮環性脂環式複素環基等が挙げられ、より具体的にはピロリジニル、ピロリドニル、ピペリジノ、ピペリジル、ピペラジニル、モルホリノ、モルホリニル、チオモルホリノ、チオモルホリニル、ホモピペリジノ、ホモピペリジル、ホモピペラジニル、テトラヒドロピリジル、テトラヒドロキノリル、テトラヒドロイソキノリル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロピラニル、ジヒドロベンゾフラニル等が挙げられる。
隣接する窒素原子と一緒になって形成される芳香族複素環基としては、例えば少なくとも1個の窒素原子を含む5員または6員の単環性芳香族複素環基(該単環性芳香族複素環基は、他の窒素原子、酸素原子または硫黄原子を含んでいてもよい)、3〜8員の環が縮合した二環または三環性で少なくとも1個の窒素原子を含む縮環性芳香族複素環基(該縮環性芳香族複素環基は、他の窒素原子、酸素原子または硫黄原子を含んでいてもよい)等が挙げられ、より具体的にはピロリル、イミダゾリル、インドリル、インダゾリル、カルバゾリル等が挙げられる。
隣接する窒素原子と一緒になって形成される脂環式複素環基としては、例えば少なくとも1個の窒素原子を含む5員または6員の単環性脂環式複素環基(該単環性脂環式複素環基は、他の窒素原子、酸素原子または硫黄原子を含んでいてもよい)、3〜8員の環が縮合した二環または三環性で少なくとも1個の窒素原子を含む縮環性脂環式複素環基(該縮環性脂環式複素環基は、他の窒素原子、酸素原子または硫黄原子を含んでいてもよい)等が挙げられ、より具体的にはピロリジニル、ピロリドニル、ピペリジノ、ピペラジニル、モルホリノ、チオモルホリノ、ホモピペリジノ、ホモピペラジニル、テトラヒドロピリジル、テトラヒドロキノリル、テトラヒドロイソキノリル等が挙げられる。
置換低級アルキル、置換低級アルコキシ、置換アリール、置換アリールオキシ、置換芳香族複素環基、置換脂環式複素環基、隣接する窒素原子と一緒になって形成される置換芳香族複素環基及び隣接する窒素原子と一緒になって形成される置換脂環式複素環基における置換基としては、同一または異なって、例えば置換数1〜3の、より具体的にはハロゲン、ヒドロキシ、アミノ、ニトロ、メルカプト、シアノ、カルボキシ、メチレンジオキシ、カルバモイル、低級アルコキシ、低級アルケニル、低級アルキニル、低級アルコキシカルボニル、置換もしくは非置換の低級アルカノイル(該置換低級アルカノイルにおける置換基としては、同一または異なって、例えば置換数1〜3の、より具体的にはハロゲン等が挙げられる)、置換もしくは非置換のアリール(該置換アリールにおける置換基としては、同一または異なって、例えば置換数1〜3の、より具体的にはハロゲン、ヒドロキシ、低級アルコキシ等が挙げられる)、置換もしくは非置換のアラルキル(該置換アラルキルにおける置換基としては、同一または異なって、例えば置換数1〜3の、より具体的にはハロゲン、ヒドロキシ、低級アルコキシ等が挙げられる)、アリールオキシ、アラルキルオキシ、アロイル、芳香族複素環基、脂環式複素環基、モノもしくはジ低級アルキルアミノ、モノもしくはジ低級アルキルカルバモイル、低級アルキルスルフィニル、低級アルキルスルホニル、低級アルキルチオ等が挙げられる。なお、置換アリール、置換アリールオキシ、置換芳香族複素環基、置換脂環式複素環基、隣接する窒素原子と一緒になって形成される置換芳香族複素環基及び隣接する窒素原子と一緒になって形成される置換脂環式複素環基における置換基は、置換もしくは非置換の低級アルキル(該置換低級アルキルにおける置換基としては、同一または異なって、例えば置換数1〜3の、より具体的にはハロゲン、ヒドロキシ、芳香族複素環基、脂環式複素環基等が挙げられる)であってもよい。
ここで、低級アルキル及び低級アルコキシの低級アルキル部分、アリール及びアリールオキシのアリール部分、芳香族複素環基並びに脂環式複素環基はそれぞれ前記と同義である。
ハロゲンとしては、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素の各原子が挙げられる。
低級アルコキシカルボニル、モノもしくはジ低級アルキルアミノ、モノもしくはジ低級アルキルカルバモイル、低級アルキルスルフィニル、低級アルキルスルホニル及び低級アルキルチオの低級アルキル部分は、前記低級アルキルと同義である。なお、ジ低級アルキルアミノ及びジ低級アルキルカルバモイルにおける2つの低級アルキル部分は、それぞれ同一でも異なっていてもよい。
アラルキル及びアラルキルオキシにおけるアルキレン部分は、前記低級アルキルの定義のうちの直鎖状または分枝鎖状の低級アルキルから水素原子を1つ除いたものと同義である。
低級アルケニルとしては、例えば炭素数3〜10の直鎖状、分枝鎖状もしくは環状の、またはこれらの組み合わせからなるアルケニルが挙げられ、より具体的にはアリル、2-ブテニル、3-ブテニル、4-ペンテニル、2-(1-シクロヘキセニル)エチル、6-オクテニル、2,6-オクタジエニル、9-デセニル等が挙げられる。
低級アルキニルとしては、例えば炭素数3〜6の直鎖状または分枝鎖状のアルキニルが挙げられ、より具体的にはプロパルギル、3-ブチニル、3-ヘキシニル、4-メチル-2-ペンチニル等が挙げられる。
低級アルカノイルとしては、例えば炭素数1〜8の直鎖状または分枝鎖状のアルカノイルが挙げられ、より具体的にはホルミル、アセチル、プロピオニル、ブチリル、イソブチリル、バレリル、イソバレリル、ピバロイル、ヘキサノイル、ヘプタノイル、オクタノイル等が挙げられる。
アラルキル、アラルキルオキシ及びアロイルのアリール部分は、前記アリールと同義である。
化合物(I)の薬理学的に許容される塩としては、例えば薬理学的に許容される金属塩、アンモニウム塩、有機アミン付加塩、アミノ酸付加塩、酸付加塩等が挙げられる。薬理学的に許容される金属塩としては、例えばナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩、マグネシウム塩、カルシウム塩等のアルカリ土類金属塩、アルミニウム塩、亜鉛塩等が挙げられ、薬理学的に許容されるアンモニウム塩としては、アンモニウム、テトラメチルアンモニウム等の塩が挙げられ、薬理学的に許容される有機アミン付加塩としては、例えばモルホリン、ピペリジン等の付加塩が挙げられ、薬理学的に許容されるアミノ酸付加塩としては、例えばリジン、グリシン、フェニルアラニン等のアミノ酸の付加塩が挙げられ、薬理学的に許容される酸付加塩としては、例えば塩酸塩、硫酸塩、リン酸塩等の無機酸塩、酢酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩、酒石酸塩、クエン酸塩等の有機酸塩等が挙げられる。
本発明における化合物(I)の中には種々の立体異性体、位置異性体、互変異性体等が存在し得るものがある。本発明はこれらの可能な全ての異性体及びそれらの混合物を包含し、その混合比についても任意の比率でよい。
アデノシンA2A受容体の機能に関与する疾患としては、例えばパーキンソン病、アルツハイマー病、進行性核上性麻痺、AIDS脳症、伝播性海綿状脳症、多発性硬化症、筋萎縮性側索硬化症、ハンチントン病、多系統萎縮症、脳虚血、注意欠陥多動性障害、睡眠障害、虚血性心疾患、間歇性跛行症、糖尿病、不安障害(パニック発作及びパニック障害、恐怖症、脅迫性障害、心的外傷後ストレス障害、急性ストレス障害、全般性不安障害、身体障害または物質による不安等)、気分障害(うつ病、気分変調性障害、気分循環性障害等)等が挙げられる。
次に化合物(I)の製造法について説明する。
なお、以下に示した製造法において、定義した基が実施方法の条件下で変化するか、または方法を実施するのに不適切な場合、有機合成化学で通常用いられる方法、例えば、官能基の保護、脱保護[例えば、プロテクティブ・グループス・イン・オーガニック・シンセシス第三版(Protective Groups in Organic Synthesis 3rd Edition)、グリーン(T. W. Greene)著、ジョン・ワイリー・アンド・サンズ・インコーポレイテッド(John Wiley & Sons, Inc.)、1999年等参照]等の手段に付すことにより容易に製造することができる。また、必要に応じて置換基導入等の反応工程の順序を変えることもできる。
製造法
化合物(I)は、例えば以下の製造法1〜6に記載の反応工程に従って得ることができる。なお、以下の製造法及び表におけるMe、Et及びBuは、それぞれメチル、エチル及びブチルを表す。
製造法1
化合物(I)は、例えば以下に示す製造法1によって得ることができる。
Figure 2005154434
(式中、R1、R2、R3及びR4はそれぞれ前記と同義であり、R3aは置換もしくは非置換の脂環式複素環基を表す)
工程1
化合物(II)を、溶媒中、1〜5当量の塩基存在下、1〜20当量のN,N-ジメチルホルムアミド(DMF)を反応させることにより、化合物(III)を得ることができる。
溶媒は反応に不活性なものであればいずれでも良く、特に限定されるものではないが、例えばテトラヒドロフラン(THF)、ジエチルエーテル、1,4-ジオキサン、ジメトキシエタン等を用いることができ、好ましくはTHFを用いることができる。
塩基としてはリチウムジイソプロピルアミド(LDA)、リチウム(ビストリメチルシリル)アミド等を用いることができ、好ましくはLDAを用いることができる。
反応は-78〜0 ℃の間の温度、好ましくは-78 ℃において、5分から48時間程度で完了する。
化合物(II)は市販品として、または4-ブロモ-2-フルオロフェノール(市販品)より、公知のヒドロキシのアルキル化法[例えば、プロテクティブ・グループス・イン・オーガニック・シンセシス第三版(Protective Groups in Organic Synthesis 3rdedition)、グリーン(T.W. Greene)著、ジョン・ワイリー・アンド・サンズ・インコーポレイテッド(John Wiley & Sons Inc.)、145頁(1999年)等参照]もしくはそれに準じた方法により得ることができる。
工程2
本反応は公知の方法[例えば、ジャーナル・オブ・ヘテロサイクリック・ケミストリー(Journal of Heterocyclic Chemistry)、34巻、385頁(1997年)参照]またはそれに準じた方法で行うことができる。
化合物(III)を溶媒中、1〜20当量の塩基存在下、1〜20当量の化合物(IV)を反応させることにより、化合物(V)を得ることができる。
溶媒は反応に不活性なものであればいずれでも良く、特に限定されるものではないが、例えばN,N-ジメチルアセトアミド(DMA)、DMF、N-メチルピロリドン、ジメチルスルホキシド(DMSO)等を用いることができ、好ましくはDMAを用いることができる。
塩基としては、例えば炭酸カリウム、炭酸セシウム、ナトリウムメトキシド、カリウム tert-ブトキシド等を用いることができ、好ましくは炭酸カリウムまたは炭酸セシウムを用いることができる。
反応は室温から180 ℃の間の温度、好ましくは160 ℃において5分から48時間程度で完了する。化合物(IV)は市販品として、または公知の方法[例えば、ジャーナル・オブ・オーガニック・ケミストリー(Journal of Organic Chemistry)、57巻、2497頁(1992年)参照]もしくはそれに準じた方法により得ることができる。
工程3
化合物(V)を、溶媒中、0.1〜10当量の塩基と0.001〜1当量のパラジウム触媒存在下、1〜20当量の化合物(VI)、(VII)または(VIII)を反応させることにより、化合物(I)を得ることができる。
溶媒は反応に不活性なものであればいずれでも良く、特に限定されるものではないが、例えばアセトニトリル、メタノール、エタノール、ジクロロメタン、1,2-ジクロロエタン、クロロホルム、DMA、DMF、ジオキサン、THF、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ベンゼン、トルエン、キシレン、N,N-ジメチルイミダゾリジノン、N-メチルピロリドン、スルホラン、これらと水を100対1から1対100までの間の適切な比率で混合した溶液等を用いることができ、好ましくは水とジオキサンの1対2混合液を用いることができる。
塩基としては、ピリジン、トリエチルアミン、N-メチルモルホリン、N-メチルピペリジン、ピペリジン、ピペラジン、酢酸カリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、水酸化ナトリウム、水酸化リチウム、水酸化カリウム、リン酸カリウム、ナトリウム tert-ブトキシド、1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]-7-ウンデセン(DBU)、ジイソプロピルエチルアミン等を用いることができ、好ましくは炭酸ナトリウムを用いることができる。なお、化合物(VII)を用いる場合は、塩基を用いなくてもよい。
パラジウム触媒としては、パラジウム源として例えば酢酸パラジウム、トリフルオロ酢酸パラジウム、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム及びそのクロロホルム付加物等を用いることができ、配位子としては、例えばトリフェニルホスフィン、1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン、o-トリルホスフィン、1,2-ビス(ジフェニルホスフィノ)エタン、1,3-(ビスジフェニルホスフィノ)プロパン、1,4-ビス(ジフェニルホスフィノ)ブタン、ジ-tert-ブチルジフェニルホスフィン、2-(ジ-tert-ブチルホスフィノ)ビフェニル、2-(ジシクロヘキシルホスフィノ)ビフェニル等を用いることができ、これらをパラジウムに対して1〜10当量用いるのが好ましい。なお、例えばテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム、[1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム・ジクロロメタン錯体(1:1)等の、反応を行うのに適切な配位子が予めパラジウムに配位した市販試薬を用いることもできる。
反応は、室温から用いる溶媒の沸点の間の温度、好ましくは100 ℃において、5分から48時間程度で完了する。
化合物(VI〜VIII)は市販品として、または公知の方法[例えば、新実験化学講座、12巻、日本化学会(1978年)等参照]もしくはそれに準じた方法により得ることができる。
また、化合物(I)は以下の工程4及び5に記載の方法によっても得ることができる。
工程4
化合物(IX)は、化合物(III)と化合物(VI)、(VII)または(VIII)を用い、製造法1の工程3と同様の反応を行うことにより得ることができる。
工程5
化合物(I)は、化合物(IX)と化合物(IV)を用い、製造法1の工程2と同様の反応を行うことにより得ることができる。
製造法2
化合物(I)は、例えば以下に示す製造法2によっても得ることができる。
Figure 2005154434
(式中、X1は、例えば塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、メタンスルホニルオキシ、トリフルオロメタンスルホニルオキシ等の有機合成化学で通常用いられる脱離基を表し、R1、R2、R3及びR4はそれぞれ前記と同義である)
工程1
化合物(X)は、化合物(V)とビス(ピナコレート)ジボロン(市販品)を用い、製造法1の工程3と同様の反応を行うことにより得ることができる。
工程2
化合物(I)は、化合物(X)と化合物(XI)を用い、製造法1の工程3と同様の反応を行うことにより得ることができる。
化合物(XI)は市販品として、または公知の方法[例えば、新実験化学講座、14巻、日本化学会(1978年)等参照]もしくはそれに準じた方法により得ることができる。
製造法3
化合物(I)のうち、R1が水素原子であり、R2が置換もしくは非置換の低級アルキル、置換もしくは非置換のアリール、置換もしくは非置換の芳香族複素環基または置換もしくは非置換の脂環式複素環基である化合物(Ib)は、例えば以下に示す製造法3によって得ることができる。
Figure 2005154434
(式中、R2aは置換もしくは非置換の低級アルキル、置換もしくは非置換のアリール、置換もしくは非置換の芳香族複素環基または置換もしくは非置換の脂環式複素環基を表し、R3、R4及びX1はそれぞれ前記と同義である)
化合物(Ia)を溶媒中、1〜20当量の塩基存在下、1〜20当量の化合物(XII)と反応させることにより、化合物(Ib)を得ることができる。
溶媒は反応に不活性なものであればいずれでも良く、特に限定されるものではないが、例えばジメトキシエタン、DMF、ジオキサン、THF、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ベンゼン、トルエン、キシレン、ピリジン、N,N-ジメチルイミダゾリジノン、N-メチルピロリドン、スルホラン等を用いることができ、好ましくはTHFまたはDMFを用いることができる。
塩基としては、例えば水素化ナトリウム、カリウム tert-ブトキシド、酢酸カリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、水酸化ナトリウム、水酸化リチウム、水酸化カリウム、リン酸カリウム等を用いることができ、好ましくは水素化ナトリウムを用いることができる。
化合物(XII)は市販品として、または公知の方法[例えば、新実験化学講座、14巻、日本化学会(1978年)等参照]もしくはそれに準じた方法によって得ることができる。
製造法4
化合物(I)のうち、R1が水素原子であり、R2が-C(=Y)R5e(式中、Yは前記と同義であり、R5eは置換もしくは非置換の低級アルキル、置換もしくは非置換の低級アルコキシ、置換もしくは非置換のアリール、置換もしくは非置換のアリールオキシ、置換もしくは非置換の芳香族複素環基または置換もしくは非置換の脂環式複素環基を表す)または-SO2R8(式中、R8は前記と同義である)である化合物(Ic)は例えば以下に示す製造法4によって得ることができる。
Figure 2005154434
[式中、R2b は-C(=Y)R5e(式中、R5e及びYは前記と同義である)または-SO2R8(式中、R8は前記と同義である)を表し、R3及びR4はそれぞれ前記と同義であり、X2は塩素原子、ヒドロキシまたは-O2CR5e(式中、R5eは前記と同義である)を表す]
化合物(Ic)は、化合物(Ia)を溶媒中、1〜20当量の化合物(XIII)と反応させることにより得ることができる。
溶媒は反応に不活性なものであればいずれでも良く、特に限定されるものではないが、例えばアセトニトリル、ジクロロメタン、1,2-ジクロロエタン、クロロホルム、ジメトキシエタン、DMF、DMA、ジオキサン、THF、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ベンゼン、トルエン、キシレン、ピリジン、N,N-ジメチルイミダゾリジノン、N-メチルピロリドン、スルホラン等を用いることができ、好ましくはジクロロメタン、THFまたはDMAを用いることができる。
化合物(XIII)のX2が塩素原子または-O2CR5eの場合には、1〜20当量の塩基を加えることが好ましい。塩基としては、ピリジン、トリエチルアミン、N-メチルモルホリン、N-メチルピペリジン、ピペリジン、ピペラジン、酢酸カリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、水酸化ナトリウム、水酸化リチウム、水酸化カリウム、リン酸カリウム、DBU、ジイソプロピルエチルアミン等を用いることができ、好ましくはトリエチルアミンを用いることができる。
一方、化合物(XIII)のX2がヒドロキシの場合には、有機合成化学で通常用いられる縮合剤を1〜20当量加えることが好ましい。縮合剤としては、例えばジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)、ジイソプロピルカルボジイミド、1-(3-ジメチルアミノプロピル)-3-エチルカルボジイミド(EDC)及びその塩酸塩、ベンゾトリアゾール-1-イル-トリス(ジメチルアミノ)ホスホニウムヘキサフルオロリン化物塩(BOP)、ジフェニルホスホリルアジド(DPPA)等を用いることができ、これらを単独で、または1〜20当量の1-ヒドロキシベンゾトリアゾール水和物と共存させて用いることができ、好ましくはEDCを用いることができる。
化合物(XIII)は市販品として、または公知の方法[例えば、新実験化学講座、14巻、日本化学会(1978年)等参照]もしくはそれに準じた方法によって得ることができる。
製造法5
化合物(I)のうち、R1が水素原子であり、R2が-C(=Y)R5f [式中、Yは前記と同義であり、R5fは-NHR6(式中、R6は前記と同義である)を表す] である化合物(Id)は例えば以下に示す製造法5によって得ることができる。
Figure 2005154434
(式中、R3、R4、R6及びYはそれぞれ前記と同義である)
化合物(Ia)を、溶媒中、1〜20当量の塩基存在下または非存在下、1〜20当量の化合物(XIII)と反応させることにより、化合物(Id)を得ることができる。
溶媒は反応に不活性なものであればいずれでも良く、特に限定されるものではないが、例えばアセトニトリル、ジクロロメタン、1,2-ジクロロエタン、クロロホルム、ジメトキシエタン、DMF、ジオキサン、THF、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ベンゼン、トルエン、キシレン、ピリジン、N,N-ジメチルイミダゾリジノン、N-メチルピロリドン、スルホラン等を用いることができ、好ましくはジクロロメタン、THFまたはDMFを用いることができる。
塩基としては、例えばピリジン、トリエチルアミン、N-メチルモルホリン、N-メチルピペリジン、ピペリジン、ピペラジン、酢酸カリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、水酸化ナトリウム、水酸化リチウム、水酸化カリウム、リン酸カリウム、DBU、ジイソプロピルエチルアミン等を用いることができ、好ましくはトリエチルアミンを用いることができる。
化合物(XIV)は市販品として、または公知の方法[例えば、新実験化学講座、14巻、日本化学会(1978年)等参照]もしくはそれに準じた方法により得ることができる。
なお、化合物(Id)から公知の方法[例えば、コンプリヘンシブ・オーガニック・トランスフォーメーションズ(Comprehensive Organic Transformations)、ラロック(R. C. Larock)著、ジョン・ワイリー・アンド・サンズ・インコーポレイテッド(John Wiley & Sons Inc.)、1989年等参照]またはそれに準じた方法により、R2が-C(=Y)R5g[式中、Yは前記と同義であり、R5gは-NR6R7(式中、R6及びR7はそれぞれ前記と同義である)を表す]である化合物(Ie)を得ることも可能である。
製造法6
化合物(I)のうち、R4が置換もしくは非置換の低級アルキルである化合物(Ih)は例えば以下に示す製造法6によって得ることができる。
Figure 2005154434
(式中、R1、R2、R3及びX1はそれぞれ前記と同義であり、R4aは置換もしくは非置換の低級アルキルを表す)
工程1
化合物(Ig)は、化合物(If)を有機合成化学で通常用いられるアリールメチルエーテルの脱メチル化反応の条件[例えば、プロテクティブ・グループス・イン・オーガニック・シンセシス(Protective Groups in Organic Synthesis 3rd Edition)、グリーン(T. W. Greene)著、ジョン・ワイリー・アンド・サンズ・インコーポレイテッド(John Wiley & Sons, Inc.)、249頁(1999年)等に記載の方法またはそれに準じた方法]に付すことにより得ることができる。
化合物(If)は製造法1〜5に記載の方法またはそれに準じた方法により得ることができる。
工程2
化合物(Ih)は、化合物(Ig)と化合物(XV)を用い、製造法3と同様の反応を行うことにより得ることができる。
化合物(XV)は市販品として、または公知の方法[例えば、新実験化学講座、14巻、日本化学会(1978年)等参照]もしくはそれに準じた方法により得ることができる。
上記の各製造法における中間体及び目的化合物は、有機合成化学の分野で通常用いられる分離精製法、例えば濾過、抽出、洗浄、乾燥、濃縮、再結晶、各種クロマトグラフィー等を用いて単離・精製することができる。さらに一般的な並列合成法で常用される精製法、例えばスカベンジャーレジン、イオン交換レジンを用いた精製法等を用いて精製することができる。また、製造中間体は特に精製することなく次の反応に供することもできる。
式(I)で表される化合物の塩を製造する場合には、上記反応工程において最終生成物が塩の形で得られる場合はそのまま精製すればよく、最終生成物が遊離形態の化合物として得られる場合には、この化合物を適当な溶媒に溶解または懸濁させ、酸または塩基を加えて塩を形成させた後に目的物を単離・精製すればよい。また、塩の形態で得られた最終生成物を遊離形態の化合物に変換した後、さらに目的の塩に変換してもよい。
上記製造法によって得られる化合物(I)の具体例を第1表及び第2表に示す。
Figure 2005154434
Figure 2005154434
Figure 2005154434
Figure 2005154434
次に、代表的な化合物(I)の薬理作用について、試験例により具体的に説明する。
試験例1:アデノシンA2A受容体結合試験
試験はBrunsらの方法[モレキュラー・ファーマコロジー(Molecular Pharmacology),29巻,331頁(1986年)]に準じて行った。
ラット(SDラット、日本SLC)線条体を、氷冷した50 mLの50 mmol/Lトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン・塩酸塩(以下、Tris HCl)緩衝液(pH 7.7)中で、ポリトロンホモジナイザー(Kinematica社製)で懸濁した。懸濁液を遠心分離し(48,000 xg、20分間)、得られた沈殿物に再び同量の50 mmol/L Tris HCl緩衝液を加えて再懸濁し、同様の条件で遠心分離を行った。得られた最終沈殿物に、5 mg(湿重量)/mLの組織濃度になるように50 mmol/L Tris HCl緩衝液[10 mmol/L塩化マグネシウム、アデノシンデアミナーゼ0.02ユニット/mg組織(Sigma社製)を含む]を加えて懸濁した。
上記の精製した細胞懸濁液100 μLに、トリチウムで標識したCGS 21680{3H-2-[p-(2-カルボキシエチル)フェネチルアミノ]-5’-(N-エチルカルボキサミド)アデノシン:40キューリー/mmol;New England Nuclear社製[ザ・ジャーナル・オブ・ファーマコロジー・アンド・エクスペリメンタル・セラピューティクス(The Journal of Pharmacology and Experimental Therapeutics)、251巻、888頁(1989年)]}80 μL(最終濃度6.0 mmol/L)及び試験化合物溶液(10-7 mol/L、試験化合物のDMSO溶液をTris HCl緩衝液で希釈)20 μLを加えた。その混合液を25 ℃で120分間静置後、ガラス繊維濾紙(GF/C;Whatman社製)上で急速吸引濾過し、直ちに氷令した50 mmol/L Tris HCl緩衝液200 μLで3回洗浄した。ガラス繊維濾紙をバイアルびんに移し、マイクロシンチ(パーキンエルマー社製)を加え、放射能量をトップカウント(パーキンエルマー社製)で測定した。
試験化合物のアデノシンA2A受容体結合(3H-CGS 21680結合)に対する阻害率は次式により算出した。
Figure 2005154434
なお、全結合量とは、試験化合物非存在下での3H-CGS 21680結合放射能量である。非特異的結合量とは、100 μmol/Lシクロペンチルアデノシン(CPA;Sigma社製)存在下での3H-CGS 21680結合放射能量である。試験化合物存在下での結合量とは、試験化合物存在下での3H-CGS 21680結合放射能量である。
結果を第3表に示す。
Figure 2005154434
第3表より、化合物(I)はアデノシンA2A受容体に対し強力な拮抗作用を示し、化合物(I)はアデノシンA2A受容体の機能に関与する疾患の治療に有効であることが示唆された。
試験例2:パーキンソン病モデル[1-メチル-4-フェニル-1,2,3,6-テトラヒドロピリジン処置コモンマーモセット]における作用
パーキンソン病は黒質−線条体系ドパミン神経の変性・脱落に基づく疾患である。霊長類に於いてはドパミン神経毒である1-メチル-4-フェニル-1,2,3,6-テトラヒドロピリジン(以下、MPTP)を処置すると選択的な黒質−線条体系ドパミン神経の変性・脱落が起こり、無動・筋固縮等を示す。このMPTP処置霊長類はパーキンソン病のモデルとして知られている[プロシーディングス・オブ・ザ・ナショナル・アカデミー・オブ・サイエンス・ユー・エス・エー(Proceedings of the National Academy of Science USA)、80巻、4546頁(1983年)]。また、コモンマーモセットは真猿類に属し他の真猿類と同様にMPTPによりパーキンソン症状を示すことが知られている[ニューロサイエンス・レター(Neuroscience Letter)、57巻、37頁(1985年)]。
2〜3歳令の雌雄コモンマーモセット(体重300〜375 g、日本クレア)を1群4匹用いて実験を行った。MPTP(RBI社製)を注射用生理食塩水(大塚製薬製)に溶解し、2.0 mg/kgを1日1回、5日間コモンマーモセットの皮下に投与した。投与後6週間以上経過し、慢性的なパーキンソン症状を示すに至った動物を試験に用いた。試験化合物は、2.0 mg/kgを0.3% Tween80、10%ショ糖の水溶液の懸濁液として用いた。被験動物は、試験化合物投与の1時間前に観察用ケージ(自発運動量測定装置付き)に入れ環境に慣らしておいた。試験化合物投与前の運動不全を得点付け、試験化合物投与後の運動不全得点と比較した。パーキンソン症状は30分毎8時間、1方向性透視窓から観察し運動不全を得点付けた。自発運動量はコンピュータ制御された自動測定装置にて30分毎に12時間まで測定した。パーキンソン症状は下記に示す観察項目についてそれぞれの判断基準に基づき判定し合計した点数をその個体の得点とした。
以下の第4表に観察項目とスコアの関係を示す。
Figure 2005154434
結果の判定は1群4匹のパーキンソン症状得点の平均を試験化合物投与前後で比較し行った[有意差検定:ウィルコクソンの順位和検定(Wilcoxon Rank Sum test)]。
化合物24をMPTP処置コモンマーモセットに1日1回、経口投与(3 mg/kg)したところ、そのパーキンソン症状を抑制することが示された。
以上、試験例2により、化合物(I)の抗パーキンソン病作用が示された。
本発明に関わる医薬製剤は、活性成分として化合物(I)またはその薬理学的に許容される塩を単独で、あるいは任意の他の治療のための有効成分との混合物として含有することができる。また、それら医薬製剤は、活性成分を薬理学的に許容される一種またはそれ以上の担体と一緒に混合し、製剤学の技術分野においてよく知られている任意の方法により製造される。
化合物(I)またはその薬理学的に許容される塩は、例えば錠剤、カプセル剤、顆粒剤等の剤形に調製して経口的に、または注射剤等の剤形に調製して静脈内等の非経口的に投与することができる。
使用する担体としては、例えば白糖、ゼラチン、ラクトース、マンニトール、グルコース、ヒドロキシプロピルセルロース、微結晶性セルロース、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、アルギン酸、タルク、クエン酸ナトリウム、炭酸カルシウム、リン酸水素カルシウム、デンプン、ポリビニルピロリドン、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム、ステアリン酸マグネシウム、繊維素グルコール酸カルシウム、尿素、シリコーン樹脂、ソルビタン脂肪酸エステル、グリセリン酸エステル、注射用蒸留水、生理食塩水、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、オリーブ油、エタノール等が挙げられる。
化合物(I)またはその薬理学的に許容される塩の投与量及び投与回数は、患者の年令、体重、症状、治療効果、投与方法、処理時間等により異なるが、通常、成人1人あたり、1回につき1〜100 mgの範囲で、1日1回から数回経口または非経口投与される。
以下に、参考例及び実施例により、本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
参考例及び実施例で用いられるプロトン核磁気共鳴スペクトル(1H-NMR)は、特に指示がない限りは270 MHzで測定されたものである。また1H-NMRにおいて化合物及び測定条件によっては交換性プロトンが明瞭には観測されないことがあり、塩酸塩の場合は4級窒素原子上のプロトンが観測される場合がある。尚、brは巾広いシグナルを意味する。質量分析は、大気圧化学イオン化法(APCI)またはエレクトロスプレーイオン化法(ESI)を用い、これらのイオン化法を用いて質量分析を行った結果はそれぞれAPCIMSまたはESIMSとして記載した。
参考例1
6-ブロモ-2-フルオロ-3-メトキシベンズアルデヒド(化合物a)
ジイソプロピルアミン(22.2 mL, 159 mmol)のTHF(10 mL)溶液に、-78 ℃、アルゴン気流下で1.56 mol/Lのn-ブチルリチウム−ヘキサン溶液(93.8 mL, 146 mmol)を加え、その後0 ℃で10分間攪拌した。このLDA−THF溶液を-78 ℃に冷却し、4-ブロモ-2-フルオロアニソール(25.0 g, 122 mmol)のTHF(10 mL)溶液をゆっくり滴下した。反応液を-78 ℃で30分間攪拌した後、DMF(14.2 mL, 183 mmol)を滴下し、冷却を止め室温で1時間攪拌した。反応液に飽和塩化アンモニウム水溶液を加え、酢酸エチルで抽出した後、有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥させた。溶媒を減圧留去した後、析出した結晶をろ取し、ヘキサン−酢酸エチル(5:1)で洗浄して化合物a (22.8 g, 80%) を無色結晶として得た。
1H-NMR (CDCl3, δ, ppm): 3.91 (s, 3H), 7.04 (t, J = 8.7 Hz, 1H), 7.39 (dd, J = 1.8, 8.7 Hz, 1H), 10.32 (d, J = 1.0 Hz, 1H).
参考例2
2-アミノ-5-ブロモ-8-メトキシキナゾリン(化合物b)
化合物a(5.82 g, 25.0 mmol)及び炭酸グアニジン(4.95 g, 27.5 mmol)をDMA(80 mL)中、145 ℃で2 時間攪拌した。室温まで放冷した後、水を加え析出した結晶をろ取し、水、エタノールで順次洗浄し、化合物 b(4.37 g, 69%)を淡褐色結晶として得た。
1H-NMR (DMSO-d6, δ, ppm): 3.87 (s, 3H), 7.06 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 7.20 (brs, 2H), 7.37 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 9.10 (s, 1H).
APCIMS m/z: [M+H]+ 256.
参考例3
5-ブロモ-2-ジメチルアミノ-8-メトキシキナゾリン(化合物c)
化合物a及び1,1-ジメチルグアニジン硫酸塩を用い、参考例2と同様な方法で化合物cを合成した。
1H-NMR (CDCl3, δ, ppm): 3.35 (s, 6H), 3.99 (s, 3H), 6.85 (d, J = 8.3 Hz, 1H), 7.26 (d, J = 8.3 Hz, 1H), 9.26 (s, 1H).
参考例4
5-ブロモ-2-ジエチルアミノ-8-メトキシキナゾリン(化合物d)
化合物a及び1,1-ジエチルグアニジン硫酸塩を用い、参考例2と同様な方法で化合物dを合成した。
1H-NMR (CDCl3, δ, ppm): 1.24 (t, J = 7.1 Hz, 6H), 3.80 (q, J = 7.1 Hz, 4H), 3.98 (s, 3H), 6.84 (d, J = 8.3 Hz, 1H), 7.23 (d, J = 8.3 Hz, 1H), 9.25 (s, 1H).
参考例5
2-アミノ-5-ブロモ-8-ジフルオロメトキシキナゾリン(化合物e)
6-ブロモ-3-ジフルオロメトキシ-2-フルオロベンズアルデヒド及び炭酸グアニジンを用い、参考例2と同様な方法で化合物eを合成した。
1H-NMR (CDCl3, δ, ppm): 7.35-7.47 (m, 4H), 7.38 (t, J = 75 Hz, 1H), 9.18 (s, 1H).
参考例6
2-ジメチルアミノ-8-メトキシ-5-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)キナゾリン(化合物f)
化合物c(400 mg, 1.42 mmol)、ビス(ピナコラート)ジボロン(396 mg, 1.56 mmol)、[1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム・ジクロロメタン錯体(1:1)(58 mg, 0.071 mmol)、酢酸カリウム(418 mg, 4.26 mmol)及びジオキサン(8 mL)の混合物をアルゴン気流下、2時間加熱還流した。室温まで放冷した後、反応液に飽和塩化アンモニウム水溶液を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥させた。ろ過後、溶媒を減圧留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:ヘキサン=1:9)で精製し、化合物f(291 mg, 62%)を淡黄色結晶として得た。
1H-NMR (CDCl3, δ, ppm): 1.38 (s, 12H), 3.34 (s, 6H), 4.02 (s, 3H), 7.00 (d, J = 7.8 Hz, 1H), 7.69 (d, J =7.8 Hz, 1H), 9.92 (s, 1H).
参考例7
2-ジエチルアミノ-8-メトキシ-5-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)キナゾリン(化合物g)
化合物dを用い、参考例6と同様な方法で化合物gを合成した。
1H-NMR (CDCl3, δ, ppm): 1.24 (t, J = 7.0 Hz, 6H), 1.38 (s, 12H), 3.80 (q, J = 7.0 Hz, 4H), 4.01 (s, 3H), 6.98 (d, J = 7.8 Hz, 1H), 7.66 (d, J = 7.8 Hz, 1H), 9.89 (s, 1H).
2-アミノ-8-メトキシ-5-フェニルキナゾリン(化合物1)
化合物b(4.37 g, 17.2 mmol)、フェニルホウ酸(2.52 g, 20.7 mmol)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(994 mg, 0.860 mmol)、炭酸ナトリウム(3.65 g, 34.4 mmol)、ジオキサン(40 mL)及び水(20 mL)の混合物をアルゴン気流下、3時間加熱還流した。室温まで放冷した後、水を加え析出した結晶をろ取し、水、エタノールの順で洗浄し、化合物1(3.92 g, 91%)を淡黄色結晶として得た。
融点:284-286 ℃
1H-NMR (DMSO-d6, δ, ppm): 3.91 (s, 3H), 6.95 (brs, 2H), 7.06 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 7.21 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 7.41-7.54 (m, 5H), 8.86 (s, 1H).
APCIMS m/z: [M+H]+ 252.
元素分析:C15H13N3O・0.1H2Oに対して、計算値;C, 71.19; H, 5.26; N, 16.60. 実測値;C, 71.32; H, 5.36; N, 16.68.
2-アミノ-5-(4-クロロフェニル)-8-メトキシキナゾリン(化合物2)
化合物b及び4-クロロフェニルホウ酸を用い、実施例1と同様な方法で化合物2を合成した。
1H-NMR (DMSO-d6, δ, ppm): 3.92 (s, 3H), 6.96 (brs, 2H), 7.06 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 7.20 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 7.49 (d, J = 8.5 Hz, 2H), 7.56 (d, J = 8.5 Hz, 2H), 8.85 (s, 1H).
ESIMS m/z: [M+H]+ 286.
元素分析:C15H12ClN3Oに対して、計算値;C, 63.05; H, 4.23; N, 14.71. 実測値;C, 63.14; H, 4.30; N, 14.56.
2-アミノ-8-メトキシ-5-(4-メトキシフェニル)キナゾリン(化合物3)
化合物b及び4-メトキシフェニルホウ酸を用い、実施例1と同様な方法で化合物3を合成した。
1H-NMR (DMSO-d6, δ, ppm): 3.83 (s, 3H), 3.90 (s, 3H), 6.91 (brs, 2H), 7.01 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 7.07 (d, J = 8.5 Hz, 2H), 7.18 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 7.39 (d, J = 8.5 Hz, 2H), 8.85 (s, 1H).
ESIMS m/z: [M+H]+ 282.
元素分析:C16H15N3O2・0.1H2Oに対して、計算値;C, 67.88; H, 5.41; N, 14.84. 実測値;C, 67.80; H, 5.37; N, 14.81.
2-アミノ-8-メトキシ-5-(3-ニトロフェニル)キナゾリン(化合物4)
化合物b及び3-ニトロフェニルホウ酸を用い、実施例1と同様な方法で化合物4を合成した。
1H-NMR (CDCl3, δ, ppm): 4.09 (s, 3H), 5.40 (brs, 2H), 7.14 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 7.18 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 7.67 (t, J = 8.0 Hz, 1H), 7.76-7.79 (m, 1H), 8.28-8.33 (m, 2H), 8.96 (s, 1H).
ESIMS m/z: [M+H]+ 297.
2-アミノ-5-(3−クロロフェニル)-8-メトキシキナゾリン(化合物5)
化合物b及び3-クロロフェニルホウ酸を用い、実施例1と同様な方法で化合物5を合成した。
1H-NMR (CDCl3, δ, ppm): 4.07 (s, 3H), 5.46 (brs, 2H), 7.12 (s, 2H), 7.29-7.33 (m, 1H), 7.40-7.44 (m, 3H), 9.02 (s, 1H).
APCIMS m/z: [M+H]+ 286.
2-アミノ-5-(3-シアノフェニル)-8-メトキシキナゾリン(化合物6)
化合物b及び3-シアノフェニルホウ酸を用い、実施例1と同様な方法で化合物6を合成した。
1H-NMR (CDCl3, δ, ppm): 4.08 (s, 3H), 5.47 (brs, 2H), 7.12 (s, 2H), 7.57-7.75 (m, 4H), 8.93 (s, 1H).
APCIMS m/z: [M+H]+ 277.
2-アミノ-8-メトキシ-5-(4-ピリジル)キナゾリン(化合物7)
化合物b及び4-(トリ-n-ブチルスタニル)ピリジンを用い、実施例1と同様な方法で化合物7を合成した。
1H-NMR (CDCl3, δ, ppm): 4.08 (s, 3H), 5.45 (brs, 2H), 7.12-7.19 (m, 2H), 7.38 (d, J = 4.6 Hz, 2H), 8.73 (d, J =4.6 Hz, 2H), 9.03 (s, 1H).
ESIMS m/z: [M+H]+ 253.
元素分析:C14H12N4O・0.3H2Oに対して、計算値;C, 65.26; H, 4.93; N, 21.74. 実測値;C, 65.47; H, 4.95; N, 21.39.
2-アミノ-8-メトキシ-5-(2-ピリジル)キナゾリン(化合物8)
化合物b及び2-(トリ-n-ブチルスタニル)ピリジンを用い、実施例1と同様な方法で化合物8を合成した。
1H-NMR (DMSO-d6, δ, ppm): 3.93 (s, 3H), 6.92 (brs, 2H), 7.22 (d, J = 8.1 Hz, 1H), 7.32 (d, J = 8.1 Hz, 1H), 7.42 (dd, J = 4.7, 7.7 Hz, 1H), 7.71 (d, J = 7.7 Hz, 1H), 7.94 (dt, J = 1.5, 7.7 Hz, 1H), 8.72 (dd, J = 1.5, 4.7 Hz, 1H), 9.38 (s, 1H).
APCIMS m/z: [M+H]+ 253.
2-アミノ-8-メトキシ-5-(2-ピラジニル)キナゾリン(化合物9)
化合物b及び2-(トリ-n-ブチルスタニル)ピラジンを用い、実施例1と同様な方法で化合物9を合成した。
1H-NMR (DMSO-d6, δ, ppm): 3.95 (s, 3H), 7.00 (brs, 2H), 7.25 (d, J = 8.1 Hz, 1H), 7.44 (d, J = 8.1 Hz, 1H), 8.67-8.68 (m, 1H), 8.78 (s, 1H), 8.99 (s, 1H), 9.37 (s, 1H).
APCIMS m/z: [M+H]+ 254.
元素分析:C13H11N5O・0.3H2Oに対して、計算値;C, 60.36; H, 4.52; N, 27.07. 実測値;C, 60.35; H, 4.22; N, 26.84.
2-アミノ-8-メトキシ-5-モルホリノキナゾリン(化合物10)
化合物b及びモルホリンを用い、実施例1と同様な方法で化合物10を合成した。
1H-NMR (CDCl3, δ, ppm): 3.01-3.08 (m, 4H), 3.91-3.98 (m, 4H), 4.02 (s, 3H), 6.85 (d, J = 8.6 Hz, 1H), 7.08 (d, J = 8.6 Hz, 1H), 9.41 (s, 1H).
APCIMS m/z: [M+H]+ 261.
2-ジメチルアミノ-8-メトキシ-5-フェニルキナゾリン(化合物11)
化合物c及びフェニルホウ酸を用い、実施例1と同様な方法で化合物11を合成した。
1H-NMR (CDCl3, δ, ppm): 3.34 (s, 6H), 4.05 (s, 3H), 7.05 (s, 2H), 7.37-7.49 (m, 5H), 9.05 (s, 1H).
ESIMS m/z: [M+H]+ 280.
2-ジメチルアミノ-8-メトキシ-4-(3-ニトロフェニル)キナゾリン(化合物12)
化合物c及び3-ニトロフェニルホウ酸を用い、実施例1と同様な方法で化合物12を合成した。
1H-NMR (CDCl3, δ, ppm): 3.35 (s, 6H), 4.06 (s, 3H), 7.07 (s, 2H), 7.64 (t, J = 7.9 Hz, 1H), 7.79-7.76 (m, 1H), 8.25-8.33 (m, 2H), 8.94 (s, 1H).
APCIMS m/z: [M+H]+ 325.
5-(3-クロロフェニル)-2-ジメチルアミノ-8-メトキシキナゾリン(化合物13)
化合物c及び3-クロロフェニルホウ酸を用い、実施例1と同様な方法で化合物13を合成した。
1H-NMR (CDCl3, δ, ppm): 3.34 (s, 6H), 4.05 (s, 3H), 7.01 (d, J = 7.9 Hz, 1H), 7.05 (d, J = 7.9 Hz, 1H), 7.31-7.44 (m, 4H), 9.01 (s, 1H).
APCIMS m/z: [M+H]+ 314.
元素分析:C17H16ClN3O・0.2H2Oに対して、計算値;C, 64.33; H, 5.21; N, 13.24. 実測値;C, 64.36; H, 5.20; N, 13.36.
5-(3-シアノフェニル)-2-ジメチルアミノ-8-メトキシキナゾリン(化合物14)
化合物c及び3-シアノフェニルホウ酸を用い、実施例1と同様な方法で化合物14を合成した。
1H-NMR (CDCl3, δ, ppm): 3.35 (s, 6H), 4.06 (s, 3H), 7.00 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 7.06 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 7.57 (t, J = 8.0 Hz, 1H), 7.66-7.72 (m, 2H), 7.74-7.75 (m, 1H), 8.92 (s, 1H).
APCIMS m/z: [M+H]+ 305.
5-(5-クロロピリジン-3-イル)-2-ジメチルアミノ-8-メトキシキナゾリン(化合物15)
化合物f及び3-クロロ-5-(トリフルオロメタンスルホキシ)ピリジンを用い、実施例1と同様な方法で化合物15を合成した。
1H-NMR (CDCl3, δ, ppm): 3.35 (s, 6H), 4.06 (s, 3H), 7.03 (d, J = 7.9 Hz, 1H), 7.08 (d, J = 7.9 Hz, 1H), 7.78 (t, J = 2.3 Hz, 1H), 8.59 (d, J = 2.3 Hz, 1H), 8.63 (d, J = 2.3 Hz, 1H), 8.95 (s, 1H).
APCIMS m/z: [M+H]+ 315.
5-(3-クロロフェニル)-2-ジエチルアミノ-8-メトキシキナゾリン(化合物16)
化合物d及び3-クロロフェニルホウ酸を用い、実施例1と同様な方法で化合物16を合成した。
1H-NMR (CDCl3, δ, ppm): 1.25 (t, J = 7.0 Hz, 6H), 3.80 (q, J = 7.0 Hz, 4H), 4.04 (s, 3H), 6.99 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 7.04 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 7.26-7.44 (m, 3H), 7.45 (t, J = 1.1 Hz, 1H), 9.01 (s, 1H).
APCIMS m/z: [M+H]+ 342.
2-ジエチルアミノ-8-メトキシ-5-(4-ピリジル)キナゾリン(化合物17)
化合物g及び4-ブロモピリジンを用い、実施例1と同様な方法で化合物17を合成した。
1H-NMR (CDCl3, δ, ppm): 1.25 (t, J = 7.1 Hz, 6H), 3.80 (q, J = 7.1 Hz, 4H), 4.05 (s, 3H), 7.02 (d, J = 8.1 Hz, 1H), 7.06 (d, J = 8.1 Hz, 1H), 7.39 (dd, J = 1.6, 4.4 Hz, 2H), 8.69 (dd, J = 1.6, 4.4 Hz, 2H), 9.02(s, 1H).
APCIMS m/z: [M+H]+ 309.
2-ジエチルアミノ-8-メトキシ-5-(3-ピリジル)キナゾリン(化合物18)
化合物g及び3-ブロモピリジンを用い、実施例1と同様な方法で化合物18を合成した。
1H-NMR (CDCl3, δ, ppm): 1.25 (t, J = 7.0 Hz, 6H), 3.80 (q, J = 7.0 Hz, 4H), 4.05 (s, 3H), 7.00 (d, J = 7.9 Hz, 1H), 7.07 (d, J = 7.9 Hz, 1H), 7.40 (ddd, J = 0.8, 4.8, 7.8 Hz, 1H), 7.77 (ddd, J = 1.7, 2.2, 7.8 Hz, 1H), 8.65 (dd, J = 1.7, 4.8 Hz, 1H), 8.71 (dd, J = 0.8, 2.2 Hz, 1H), 8.94 (s, 1H).
APCIMS m/z: [M+H]+ 309.
2-ジエチルアミノ-8-メトキシ-5-(2-ピリジル)キナゾリン(化合物19)
化合物g及び2-ブロモピリジンを用い、実施例1と同様な方法で化合物19を合成した。
1H-NMR (CDCl3, δ, ppm): 1.24 (t, J = 7.1 Hz, 6H), 3.81 (q, J = 7.1 Hz, 4H), 4.04 (s, 3H), 7.06 (d, J = 8.1 Hz, 1H), 7.23 (d, J = 8.1 Hz, 1H). 7.29 (ddd, J = 1.0, 4.8, 7.7 Hz, 1H), 7.57 (dt, J = 1.0, 7.7 Hz, 1H), 7.80 (dt, J = 1.8, 7.7 Hz, 1H), 8.73 (ddd, J = 1.0, 1.8, 4.8 Hz, 1H), 9.43 (s, 1H).
APCIMS m/z: [M+H]+ 309.
5-(5-クロロピリジン-3-イル)-2-ジエチルアミノ-8-メトキシキナゾリン(化合物20)
化合物g及び3-クロロ-5-(トリフルオロメタンスルホキシ)ピリジンを用い、実施例1と同様な方法で化合物20を合成した。
1H-NMR (CDCl3, δ, ppm): 1.25 (t, J = 7.0 Hz, 6H), 3.80 (q, J = 7.0 Hz, 4H), 4.04 (s, 3H), 6.99 (d, J = 7.9 Hz, 1H), 7.06 (d, J = 7.9 Hz, 1H), 7.78 (t, J = 2.1 Hz, 1H), 8.59 (d, J = 2.1 Hz, 1H), 8.62 (d, J = 2.1 Hz, 1H), 8.94 (s, 1H).
APCIMS m/z: [M+H]+ 343.
8-メトキシ-2-メチルアミノ-5-(3-クロロフェニル)キナゾリン(化合物21)
化合物5(300 mg, 1.05 mmol)をDMF(10 mL)に懸濁し、水素化ナトリウム(51 mg, 1.27 mmol)及びヨウ化メチル(226 mg, 1.59 mmol)を加え、室温で1時間攪拌した。反応液に飽和塩化アンモニウム水溶液を加え、酢酸エチルで抽出した後、有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥させた。溶媒を減圧留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=1:1)で精製し、化合物21(100 mg, 32%)を淡黄色結晶として得た。
1H-NMR (DMSO-d6, δ, ppm): 2.91 (d, J = 4.8 Hz, 3H), 3.94 (s, 3H), 7.08 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 7.22 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 7.42-7.45 (m, 2H), 7.51-7.53 (m, 3H), 8.84 (s, 1H).
APCIMS m/z: [M+H]+ 300.
元素分析:C16H14ClN3Oに対して、計算値;C, 64.11; H, 4.71; N, 14.02. 実測値;C, 64.10; H, 4.74; N, 13.93.
2-エチルアミノ-8-メトキシ-5-(3-クロロフェニル)キナゾリン(化合物22)
化合物5及びヨウ化エチルを用い、実施例21と同様な方法で化合物22を合成した。
1H-NMR (DMSO-d6, δ, ppm): 1.18 (t, J = 7.2 Hz, 3H), 3.34-3.47 (m, 2H), 3.93 (s, 3H), 7.07 (d, J = 8.1 Hz, 1H), 7.21 (d, J = 8.1 Hz, 1H), 7.43-7.54 (m, 5H), 8.84 (s, 1H).
APCIMS m/z: [M+H]+ 314.
元素分析:C17H16ClN3Oに対して、計算値;C, 65.07; H, 5.14; N, 13.39. 実測値;C, 65.02; H, 5.02; N, 13.39.
2-アセチルアミノ-8-メトキシ-5-フェニルキナゾリン(化合物23)
化合物1(1.00 g, 3.98 mmol)をDMA(10 mL)に懸濁し、塩化アセチル(1.41 mL, 19.8 mmol)を加え、80 ℃で3時間攪拌した。室温まで放冷した後、水を加え析出した結晶をろ取した。ろ取物、炭酸水素ナトリウム(1.00 g, 9.43 mmol)、ジオキサン(10 mL)及び水(5 mL)の混合物を室温で終夜攪拌した。反応液に水を加え析出した結晶をろ取し、化合物23(0.88 g, 75%)を無色結晶として得た。
融点:>300 ℃
1H-NMR (DMSO-d6, δ, ppm): 2.28 (s, 3H), 4.01 (s, 3H), 7.44 (s, 2H), 7.54 (s, 5H), 9.19 (s, 1H), 10.80 (brs, 1H).
ESIMS m/z: [M+H]+ 294.
元素分析:C17H15N3O2・0.1H2Oに対して、計算値;C, 69.19; H, 5.19; N, 14.24. 実測値;C, 69.34; H, 5.32; N, 14.23.
2-アセチルアミノ-8-メトキシ-5-(4-ピリジル)キナゾリン(化合物24)
化合物7及び無水酢酸を用い、実施例23と同様な方法で化合物24を合成した。
融点:260-261 ℃
1H-NMR (DMSO-d6, δ, ppm): 2.29 (s, 3H), 4.02 (s, 3H), 7.47 (d, J = 8.2 Hz, 1H), 7.52 (m, J = 8.2 Hz, 1H), 7.58 (d, J = 5.4 Hz, 2H), 8.71 (d, J = 5.4 Hz, 2H), 9.26 (s, 1H), 10.83 (s, 1H).
APCIMS m/z: [M+H]+ 295.
元素分析:C16H14N4O2・1.5H2Oに対して、計算値;C, 59.81; H, 5.33; N, 17.44. 実測値;C, 59.90; H, 5.05; N, 17.14.
2-アセチルアミノ-8-メトキシ-5-(2-ピリジル)キナゾリン(化合物25)
化合物8及び無水酢酸を用い、実施例23と同様な方法で化合物25を合成した。
1H-NMR (DMSO-d6, δ, ppm): 2.29 (s, 3H), 4.02 (s, 3H), 7.46 (d, J = 8.3 Hz, 1H), 7.44-7.50 (m, 1H), 7.71 (d, J = 8.3 Hz, 1H), 7.79-7.82 (m, 1H), 7.96-8.02 (m, 1H), 8.75-8.77 (m, 1H), 9.76 (s, 1H), 10.78 (brs, 1H).
APCIMS m/z: [M+H]+ 295.
元素分析:C16H14N4O2・0.5H2Oに対して、計算値;C, 63.36; H, 4.98; N, 18.47. 実測値;C, 63.26; H, 4.78; N, 18.33.
2-アセチルアミノ-8-メトキシ-5-(2-ピラジニル)キナゾリン(化合物26)
化合物9及び無水酢酸を用い、実施例23と同様な方法で化合物26を合成した。
1H-NMR (DMSO-d6, δ, ppm): 2.29 (s, 3H), 4.04 (s, 3H), 7.50 (d, J = 8.1 Hz, 1H), 7.84 (d, J = 8.1 Hz, 1H), 8.72 (d, J = 2.5 Hz, 1H), 8.81 (dd, J = 1.5, 2.5 Hz, 1H), 9.08 (d, J = 1.5 Hz, 1H), 9.74 (s, 1H), 10.82 (brs, 1H).
APCIMS m/z: [M+H]+ 296.
元素分析:C15H13N5O2に対して、計算値;C, 61.01; H, 4.44; N, 23.72. 実測値;C, 60.85; H, 4.56; N, 23.61.
2-アセチルアミノ-8-メトキシ-5-モルホリノキナゾリン(化合物27)
化合物10及び無水酢酸を用い、実施例23と同様な方法で化合物27を合成した。
1H-NMR (DMSO-d6, δ, ppm): 2.54 (s, 3H), 2.95-3.04 (m, 4H), 3.81-3.89 (m, 4H), 3.92 (s, 3H), 7.06 (d, J = 8.5 Hz, 1H), 7.30 (d, J = 8.5 Hz, 1H), 9.54 (s, 1H), 10.82 (brs, 1H).
APCIMS m/z: [M+H]+ 303.
2-イソニコチノイルアミノ-8-メトキシ-5-フェニルキナゾリン(化合物28)
化合物1及びイソニコチノイルクロリドを用い、実施例23と同様な方法で化合物28を合成した。
1H-NMR (CDCl3, δ, ppm): 4.13 (s, 3H), 7.26-7.31 (m, 2H), 7.44-7.55 (m, 5H), 7.79 (d, J = 5.9 Hz, 1H), 8.82 (d, J = 5.9 Hz, 2H), 8.95 (s, 1H), 9.45 (s, 1H).
ESIMS m/z: [M-H]- 355.
元素分析:C21H16N4O2・0.4H2Oに対して、計算値;C, 69.37; H, 4.66; N, 15.41. 実測値;C, 69.48; H, 4.47; N, 15.17.
2-イソニコチノイルアミノ-8-メトキシ-5-モルホリノキナゾリン(化合物29)
化合物10及びイソニコチノイルクロリドを用い、実施例23と同様な方法で化合物29を合成した。
1H-NMR (DMSO-d6, δ, ppm): 2.99-3.06 (m, 4H), 3.83-3.91 (m, 4H), 3.89 (s, 3H), 7.14 (d, J = 8.6 Hz, 1H), 7.34 (d, J = 8.6 Hz, 1H), 7.88 (d, J = 5.9 Hz, 2H), 8.77 (d, J = 5.9 Hz, 2H), 9.62 (s, 1H).
APCIMS m/z: [M+H]+ 366.
2-アミノ-8-ジフルオロメトキシ-5-フェニルキナゾリン(化合物30)
化合物e及びフェニルホウ酸を用い、実施例1と同様な方法で化合物30を合成した。
1H-NMR (DMSO-d6, δ, ppm): 7.09-7.18 (m, 2H), 7.44-7.55 (m, 8H), 8.89 (s, 1H).
APCIMS m/z: [M+H]+ 288.
2-アセチルアミノ-8-ジフルオロメトキシ-5-フェニルキナゾリン(化合物31)
化合物30及び無水酢酸を用い、実施例23と同様な方法で化合物31を合成した。
1H-NMR (DMSO-d6, δ, ppm): 2.65 (s, 3H), 7.13 (t, J = 76 Hz, 1H), 7.56-7.41 (m, 6H), 7.71 (d, J = 7.9 Hz, 1H), 8.42 (brs, 1H), 9.30 (s, 1H).
APCIMS m/z: [M+H]+ 330.
2-アセチルアミノ-8-ヒドロキシ-5-フェニルキナゾリン(化合物32)
化合物23(100 mg, 0.34 mmol)をジクロロメタン(5 mL)に懸濁し、1 mol/L三臭化ホウ素−ジクロロメタン溶液(100 mL, 1.00 mmol)を加え、室温で2時間攪拌した。反応液に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え析出した結晶をろ取し、化合物32(95 mg, 100%)を無色結晶として得た。
1H-NMR (CDCl3, δ, ppm): 2.33 (s, 3H), 4.35 (brs, 1H), 7.33 (d, J = 7.9 Hz, 1H), 7.37 (d, J = 7.9 Hz, 1H), 7.46-7.54 (m, 5H), 9.19 (s, 1H), 10.70 (s, 1H).
ESIMS m/z: [M+H]+ 280.
元素分析:C16H13N3O2・0.3H2Oに対して、計算値;C, 67.50; H, 4.81; N, 14.76. 実測値;C, 67.66; H, 4.65; N, 14.73.
2-アセチルアミノ-8-ベンジルオキシ-5-フェニルキナゾリン(化合物33)
化合物32(95 mg, 0.34 mmol)をDMF(5 mL)に懸濁し、炭酸セシウム(400 mg, 1.23 mmol)及び臭化ベンジル(0.050 mL, 0.42 mmol)を加え、60 ℃で2時間攪拌した。室温まで放冷した後、反応液に飽和塩化アンモニウム水溶液を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥させた。溶媒を減圧留去し、残渣をエタノールから再結晶し、化合物33(55 mg, 44%)を無色結晶として得た。
1H-NMR (CDCl3, δ, ppm): 2.64 (s, 3H), 5.40 (s, 2H), 7.25-7.55 (m, 12H), 8.28 (brs, 1H), 9.30 (s, 1H).
ESIMS m/z: [M+H]+ 370.
製剤例1:錠剤
常法により、次の組成からなる錠剤を調製する。
処方 化合物1 20 mg
ラクトース 143.4 mg
馬鈴薯デンプン 30 mg
ヒドロキシプロピルセルロース 6 mg
ステアリン酸マグネシウム 0.6 mg
計 200 mg
製剤例2:注射剤
常法により、次の組成からなる注射剤を調製する。
処方 化合物7 2 mg
D-マンニトール 10 mg
塩酸水溶液 適量
水酸化ナトリウム水溶液 適量
注射用蒸留水 適量
計 2.00 mL

Claims (21)

  1. 式(I)
    Figure 2005154434
    {式中、R1及びR2は、同一または異なって水素原子、置換もしくは非置換の低級アルキル、置換もしくは非置換のアリール、置換もしくは非置換の芳香族複素環基、置換もしくは非置換の脂環式複素環基、-C(=Y)R5[式中、Yは酸素原子または硫黄原子を表し、R5は置換もしくは非置換の低級アルキル、置換もしくは非置換の低級アルコキシ、置換もしくは非置換のアリール、置換もしくは非置換のアリールオキシ、置換もしくは非置換の芳香族複素環基、置換もしくは非置換の脂環式複素環基または-NR6R7(式中、R6及びR7は、同一または異なって水素原子、置換もしくは非置換の低級アルキル、置換もしくは非置換のアリール、置換もしくは非置換の芳香族複素環基または置換もしくは非置換の脂環式複素環基を表す)を表す]または-SO2R8(式中、R8は置換もしくは非置換の低級アルキル、置換もしくは非置換のアリール、置換もしくは非置換の芳香族複素環基または置換もしくは非置換の脂環式複素環基を表す)を表すか、R1とR2が隣接する窒素原子と一緒になって置換もしくは非置換の芳香族複素環基または置換もしくは非置換の脂環式複素環基を形成し、
    R3は置換もしくは非置換のアリール、置換もしくは非置換の芳香族複素環基または置換もしくは非置換の脂環式複素環基を表し、
    R4は水素原子または置換もしくは非置換の低級アルキルを表す}で表される2-アミノキナゾリン誘導体またはその薬理学的に許容される塩。
  2. R1及びR2が、同一または異なって水素原子、置換もしくは非置換の低級アルキルまたは-C(=Y)R5(式中、Y及びR5はそれぞれ前記と同義である)である請求項1記載の2-アミノキナゾリン誘導体またはその薬理学的に許容される塩。
  3. R1及びR2が水素原子である請求項1記載の2-アミノキナゾリン誘導体またはその薬理学的に許容される塩。
  4. R1が水素原子であり、R2が-COR5(式中、R5は前記と同義である)である請求項1記載の2-アミノキナゾリン誘導体またはその薬理学的に許容される塩。
  5. R1が水素原子であり、R2が-COR5a(式中、R5aは置換もしくは非置換の低級アルキル、置換もしくは非置換のアリールまたは置換もしくは非置換の芳香族複素環基を表す)である請求項1記載の2-アミノキナゾリン誘導体またはその薬理学的に許容される塩。
  6. R1が水素原子であり、R2が-COR5b(式中、R5bは置換もしくは非置換の低級アルキルを表す)である請求項1記載の2-アミノキナゾリン誘導体またはその薬理学的に許容される塩。
  7. R1が水素原子であり、R2が-COR5c(式中、R5cは置換もしくは非置換の芳香族複素環基を表す)である請求項1記載の2-アミノキナゾリン誘導体またはその薬理学的に許容される塩。
  8. R1が水素原子であり、R2が-COR5d(式中、R5dは置換もしくは非置換のピリジルを表す)である請求項1記載の2-アミノキナゾリン誘導体またはその薬理学的に許容される塩。
  9. R1が水素原子であり、R2が置換もしくは非置換の低級アルキルである請求項1記載の2-アミノキナゾリン誘導体またはその薬理学的に許容される塩。
  10. R1及びR2が、同一または異なって置換もしくは非置換の低級アルキルである請求項1記載の2-アミノキナゾリン誘導体またはその薬理学的に許容される塩。
  11. R3が置換もしくは非置換の芳香族複素環基である請求項1〜10のいずれかに記載の2-アミノキナゾリン誘導体またはその薬理学的に許容される塩。
  12. R3が置換もしくは非置換のピリジルである請求項1〜10のいずれかに記載の2-アミノキナゾリン誘導体またはその薬理学的に許容される塩。
  13. R3が置換もしくは非置換のアリールである請求項1〜10のいずれかに記載の2-アミノキナゾリン誘導体またはその薬理学的に許容される塩。
  14. R3が置換もしくは非置換のフェニルである請求項1〜10のいずれかに記載の2-アミノキナゾリン誘導体またはその薬理学的に許容される塩。
  15. R3が置換もしくは非置換の脂環式複素環基である請求項1〜10のいずれかに記載の2-アミノキナゾリン誘導体またはその薬理学的に許容される塩。
  16. R4が置換もしくは非置換の低級アルキルである請求項1〜15のいずれかに記載の2-アミノキナゾリン誘導体またはその薬理学的に許容される塩。
  17. R4がメチルである請求項1〜15のいずれかに記載の2-アミノキナゾリン誘導体またはその薬理学的に許容される塩。
  18. 請求項1〜17のいずれかに記載の2-アミノキナゾリン誘導体またはその薬理学的に許容される塩を有効成分として含有する医薬。
  19. 請求項1〜17のいずれかに記載の2-アミノキナゾリン誘導体またはその薬理学的に許容される塩を有効成分として含有するアデノシンA2A受容体拮抗剤。
  20. 請求項1〜17のいずれかに記載の2-アミノキナゾリン誘導体またはその薬理学的に許容される塩を有効成分として含有するアデノシンA2A受容体の機能に関与する疾患の予防及び/または治療剤。
  21. 請求項1〜17のいずれかに記載の2-アミノキナゾリン誘導体またはその薬理学的に許容される塩を有効成分として含有するパーキンソン病の予防及び/または治療剤。
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