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JP2005141453A - 指紋画像処理方法,指紋画像処理装置,指紋画像処理プログラム記録媒体および指紋画像処理プログラム - Google Patents

指紋画像処理方法,指紋画像処理装置,指紋画像処理プログラム記録媒体および指紋画像処理プログラム Download PDF

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JP2005141453A
JP2005141453A JP2003376585A JP2003376585A JP2005141453A JP 2005141453 A JP2005141453 A JP 2005141453A JP 2003376585 A JP2003376585 A JP 2003376585A JP 2003376585 A JP2003376585 A JP 2003376585A JP 2005141453 A JP2005141453 A JP 2005141453A
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章 鈴木
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Nippon Telegraph and Telephone Corp
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Nippon Telegraph and Telephone Corp
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Abstract

【課題】指紋画像の入力画像から雑音を除去して画質を改善する。
【解決手段】ブロック分割手段1で,入力画像をブロックに分割し,フーリエ変換手段2で,ブロックの中心から外側ほど小さいな値を取るように設定した重みを各ブロックの各画素値に乗じ,各ブロックの画像をフーリエ変換する。雑音パワー抑制手段3では,各周波数における原画像のパワーと雑音のパワーを推定し,これらのパワーの推定値を用いてその周波数における雑音のパワーの相対的な大きさが大きいほど小さな値を取るようにゲインを設定し,該ゲインをフーリエ成分情報の該当周波数の振幅に乗ずることで雑音パワーを抑制する。逆フーリエ変換手段4で,振幅が変更されたフーリエ成分を逆フーリエ変換し,画像再構成手段5で,逆フーリエ変換された各ブロック画像を組み合わせて全体の画像を復元する。
【選択図】図2

Description

本発明は画像の画質改善技術に関し,特に指紋画像の雑音除去および画像強調,および2値画像化処理に関する。その中でも,特に指紋の隆線と谷線の幅に近い大きさの雑音を除去する技術に関する。
この場合の指紋の隆線と谷線の幅に近い大きさの雑音とは,具体的には指紋の隆線の途切れの接合や隣接した隆線間の癒着である。
指紋画像に対する画質改善技術の従来技術としては,局所的な平滑化により微小な雑音を除去する方法(以下,第1の従来技術という)と,縞模様状のテクスチャの性質を利用して,画像の各領域における方向性を調べてその方向性を強調することで,指紋の隆線を強調する方法(以下,第2の従来技術という)とに分かれる。
第1の従来技術の方法としては,画像の各画素について,周辺の局所領域における平均画素値を変換後の画素値とする方法がある(非特許文献1参照)。
第2の従来技術の方法としては,Sherlockらが提案した方法がある。この方法は,入力された画像全体に対して16種類の異なった方向を持つバンドパスフィルタを畳み込むことで,特定の方向だけを持つ16種類の画像を作成する。次に,入力画像の各画素毎に,その周辺の領域の画像からその画素の隆線方向を求め,前記の16種類の画像の中からその隆線方向と一致する画像を選んで該当する座標の画素値を変換後の画素値とする(非特許文献2参照)。
また,第2の従来技術の他の方法として,小ブロックに分割した画像をフーリエ変換し,各周波数における原画像のパワーと雑音のパワーとを推定し,2種類の推定値から雑音のパワーを抑制したものを逆フーリエ変換して,画像を復元する方法がある(特許文献1参照)。
笹川他,"低品質画像への対応能力を高めた個人確認用指紋照合装置",電子情報通信学会論文誌(D-II),Vol.J72-D-II, no.5, pp.707-714, 1989 B.G.Sherlock, D.M.Monro and K.Millard, "Fingerprint Enhancement by Directional Fourier Filtering",IEE Proc.Vis.Image Signal Process., vol.141, no.2, pp.87-94, 1994 特開2002−099912号公報
上記第1の従来技術による方法によっては,指紋の隆線の途切れの接合や隣接した隆線の癒着の分離はできない。これを実現するにはテクスチャの性質を利用して指紋の隆線を強調する方法が必要となる。そのような方法としては,非特許文献2に示されるような第2の従来技術による方法があるが,この方法における解決すべき課題は,画素毎の方向性を調べる処理の問題である。
画素毎の方向性を調べるには,必ずその近傍にある程度の大きさの領域を必要とする。指紋を構成する縞模様の間隔は,一枚の画像中でも様々に分布している。図1は,入力された指紋画像の一部を示す。この図で,実線で囲った領域Aは縞模様の間隔の狭い領域の例,点線で囲った領域Bは縞模様の間隔の広い領域の例を示している。
指紋画像では,図1に示すように縞模様が狭い間隔の領域と広い間隔の領域が両方存在する場合がある。そのような画像における隆線の方向性を調べるときに,縞模様の広い間隔の領域Bでは,前記の画素毎の方向性を調べるための近傍の領域のサイズを大きめに設定する必要がある。しかし,領域のサイズを大きめに設定すると,縞模様の狭い間隔の領域Aでは様々な方向の隆線が含まれる可能性が高まり,隆線方向の推定が困難になる。一方,それを避けるために上記近傍の領域のサイズを小さめに設定すると,縞模様の広い間隔の領域では方向性を調べることができなくなる。
このように,画像の各領域における方向性を調べてその方向性を強調する従来の方法では,方向性を調べる処理が正しく行えず,その結果隆線の強調が行えないことがあり,解決すべき課題となっていた。
この課題を解決するために,上記特許文献1に示される方法では,領域が重複する小ブロックに画像を分割し,各小ブロックについてフーリエ変換し,各周波数における原画像のパワーと雑音のパワーとを推定し,2種類の推定値から雑音のパワーを抑制したものを逆フーリエ変換して,画像を復元することにより雑音の抑制を図っている。この方法において,分割した小ブロック間の重複領域が大きい場合でも,各小ブロックをフーリエ変換し,雑音を除去し,その後に逆フーリエ変換したときに,近接した小ブロック間の指紋に関する特徴の連続性,一様性が損なわれないようにすることが必要になる。
本発明は上記問題点の解決を図り,各分割ブロック間の重複領域が大きい場合に,ブロックの中心付近の領域の空間周波数成分を重視した処理を行うことにより,良好な雑音除去を行い,指紋画像から指紋の特徴を精度よく得られるようすることを目的とする。
本発明は,上記課題を解決するため,入力した指紋画像から雑音を除去して2値画像を作成する指紋画像処理方法において,まず,入力した指紋画像を複数のブロックに分割し,ブロックの中心から外側にいくほど小さな値を取るように各画素の画素値に乗ずる重みを設定し,その重みを分割によって得られる各ブロックの各画素の画素値に乗じ,その重みが乗じられた各ブロックの画像をフーリエ変換する。そのフーリエ成分情報に対して,各ブロック内の各周波数における原画像のパワーの推定値として,入力画像の該当する周波数のパワーを用い,雑音のパワーの推定値として,あらかじめ定めた一定値を用いることにより,原画像のパワーと雑音のパワーとを推定し,該2種類のパワーの推定値を用いて該周波数における雑音のパワーの相対的な大きさが大きいほど小さな値を取るようにゲインを設定し,該ゲインをフーリエ成分情報の該当する周波数の振幅に乗ずることにより雑音のパワーを抑制する。さらに,指紋画像における縞模様を構成する周波数帯以外の周波数の振幅を抑制するようにあらかじめ設定されている周波数の関数を前記フーリエ成分の各周波数における振幅に対して乗ずることにより,雑音のパワーを抑制する。こうして振幅を変えられたフーリエ成分を逆フーリエ変換する。この逆フーリエ変換された各ブロックの画像を組み合わせて復元後の全体の画像を構成する。その後,復元された画像の各画素に対して,濃淡をあらわす数値から該画素を白と黒の2種類のクラスのいずれかに分類する処理を行うことで2値画像を作成する。これによって上述の目的が達成される。
本発明の作用は以下のとおりである。本発明では,微小なブロック毎に指紋画像をフーリエ変換し,フーリエ成分情報の各周波数における原画像のパワーと雑音のパワーを推定し,該2種類のパワーの推定値を用いて該周波数における雑音のパワーの相対的な大きさが大きいほどその周波数成分の値を減少させる処理を行うことにより,雑音を減少させて隆線を強調する。また,指紋画像における縞模様を構成する周波数帯以外の周波数の振幅を抑制するようにあらかじめ設定されている周波数の関数を前記フーリエ成分の各周波数における振幅に対して乗ずる。これにより,指紋画像における縞模様を構成する周波数帯に比べて非常に低い周波数と高い周波数の振幅を抑制し,指紋画像に適した雑音の除去と隆線の強調を実現する。すなわち,本発明では,フーリエ変換後の画像データに非線型処理を施して逆フーリエ変換する。このとき,フーリエ変換する前に,分割ブロックの各画素値に対して,ブロックの中心から外側ほど小さい値に設定した重みを乗算するので,前記の画像を分割する単位である微小なブロックのサイズを広い縞模様の間隔を想定して大きめに設定しても,狭い縞模様の間隔の領域で方向性の測定がうまくいかないことによる従来技術のような悪影響は生じない。
なお,フーリエ変換する前に分割ブロックの各画素値に乗じた重みを,逆フーリエ変換後に元に戻す演算を行ってもよく,また,元に戻す演算を省略して画像を再構成するようにしてもよい。
本発明では,フーリエ変換後の画像データに微小な成分を軽視するような関数を用いて雑音成分を低減させ,その後に逆フーリエ変換して元の画像を復元することにより,雑音を減少させて隆線を強調することができる。本発明では,各画素や領域の方向性を調べることは行っていないので,画像を分割する単位である微小なブロックのサイズを広い縞模様の間隔を想定して大きめに設定しても,狭い縞模様の間隔の領域で方向性の測定がうまくいかないというような従来技術の悪影響は生じない。
特に,本発明では,各分割ブロック間の重複領域が大きい場合に,ブロックの中心付近の領域の空間周波数成分を重視した処理を行うことができ,良好な雑音除去が行える。
以下,図面を用いて本発明の実施の形態を説明する。
図2は,本発明の実施の一形態に係る処理ブロック図である。図2において,1はブロック分割手段,2はフーリエ変換手段,3は雑音パワー抑制手段,4は逆フーリエ変換手段,5は画像再構成手段,6は2値画像作成手段である。以下,図2に示す各手段の詳細な動作について説明する。
〔1〕ブロック分割
まず,入力画像がブロック分割手段1によって分割される。図3は,画面全体を縦に5個の列(列1〜列5),横に5個の行(行1〜行5)のブロック群に分割した例である。この分割の際には,隣接したブロック間で重複した領域を設ける。
〔2〕フーリエ変換
次に,フーリエ変換手段2においてブロック画像に対してフーリエ変換を行うが,その前に,ブロックの各画素値に対してブロックの中心から外側ほど小さい値に設定した重みを乗算する。この重みとしては,例えば次式によって表現されるガウス関数L(m,n)(m=0,1,…,M−1,n=0,1,…,N−1)を用いることができる。
L(m,n)=exp(−{(m−m0 2 +(n−n0 2 }/r2
(1)
式(1)において,(m0 ,n0 )はブロック中心の座標,rは重みの広がり度合いを表す固定の数値である。
画素値f(m,n)は,以下の式に示すように,式(1)で求めた重みの乗算によって画素値f1 (m,n)に変換される。
1 (m,n)=L(m,n)・f(m,n) (2)
この処理は,ブロックの中心付近の縞模様に該当する周波数成分の振幅をブロックの周辺の領域に比べて向上させる効果を持つ。これによって,後述の雑音パワー抑制手段3の処理において,ブロックの中心付近の縞模様に該当する周波数成分が保存される度合いが周辺の領域に比べて高くなる。
図4は,ブロック間の重複領域が大きいブロック分割の例を示す図である。上記の処理が特に有効であるのは,図4に示すブロック分割の模式図のように,ブロック間の重複領域が大きいために各ブロックが自分の中心付近の領域を重視することが必要となる場合である。rの値の設定は,実験的に調整して値を決めることができるが,例えば図4のように隣接したブロック間で互いの半分の領域が重なるような場合には,ブロックの一辺の長さの1/2程度を目安として決めることもできる。
また,ブロックの画素値の平均値をf0 とすると,式(2)の代わりに以下の式(3)を用いても,類似の効果が得られる。
1 (m,n)=L(m,n)・(f(m,n)−f0 )+f0 (3)
また,式(1)の代わりに,式(1)の右辺に適切な一定値αを乗じた式(4)を用いても,同様の効果が得られる。
L(m,n)=α×exp(−{(m−m0 2 +(n−n0 2 }/r2
(4)
次に,各ブロックがフーリエ変換手段2によって周波数成分に変換される。フーリエ変換の処理としては離散的フーリエ変換が用いられる。一つのブロック内の画素値をf(m,n)(m=0,1,…,M−1,n=0,1,…,N−1)とすると,f(m,n)の離散的フーリエ変換は,次式によってあらわされる(ローゼンフェルト他著,「ディジタル画像処理」,近年科学社1978年,pp.21 )。
Figure 2005141453
F(u,v)はフーリエ成分,u=0,1,…,M−1,v=0,1,…,N−1である。また,uは水平方向の周波数,vは垂直方向の周波数である。
ここで,例えば式(2)によってf(m,n)に重みが乗算されたf1 (m,n)を,式(5)においてf(m,n)の代わりに用いることにより,各分割ブロック間の重複領域が大きい場合でも,ブロックの中心付近の領域の空間周波数成分を重視した処理を行うことができる。
このとき,例として領域Bのフーリエ変換成分における振幅の分布を考えると,領域Bは一方向の縞模様に近いので,図5に示すように,縞模様について1対のピーク(周波数(u1 ,v1 ))を持つ分布となる。なお,フーリエ変換結果の振幅は直流成分をあらわす原点に対して点対象である。
これに対して領域Aは,2つの方向を持っているので,図6に示すように,2対のピーク(周波数(u2 ,v2 )と(u3 ,v3 ))を持つ分布となる。
ここで,図5および図6に示すフーリエ変換結果の振幅のピークの表示について説明する。式(5)を用いると2次元の図の左右両端にいくほど低い周波数,中央ほど高い周波数となり,上下についても同様であるが,図5と図6では見やすくするために,第1象限と第3象限を交換し,さらに第2象限と第4象限を交換することで,中央に直流成分が位置し,上下左右の端にいくほど高周波成分を,中央に近づくほど低周波成分をあらわすようにしている。
〔3〕雑音パワー抑制
次に,雑音パワー抑制手段3の処理に移る。まず領域Bのフーリエ成分に対して処理を行う例を図7に従って説明する。ここではフーリエ成分を模式的に1次元的にあらわす。図7に示すように,縞模様のピークとは異なった場所に雑音のピークが1対存在するとする。これは高周波雑音を意味するのではなく,隆線の途切れや接触等の,隆線や谷線の幅と同程度の大きさの雑音を意味する。
雑音パワー抑制手段3は,図7に分布を示すフーリエ成分の振幅に対して,パワーに応じたゲインを算出して,そのゲインを振幅に乗ずる。ゲインの算出方法は,本実施の形態では,Wiener−Hopfフィルタのゲイン関数に一定値を乗じる方法を用いる。Wiener−HopfフィルタにおけるゲインGは,下式であらわされる(例えば,榎本編著,”画像の情報処理”,コロナ社,昭和53年,30頁)。
G=WS /(WS +WN ) (6)
ここで,WS は原画像の着目した周波数でのパワー,WN は雑音の着目した周波数でのパワーである。ここで,パワーは振幅の2乗で算出される。
本実施の形態では,このGに定数を乗じた数値をゲインとして用いるが,この定数を例として2とする。したがって,本実施の形態で用いるゲインGは,次のようになる。
G=2WS /(WS +WN ) (7)
ただし,この場合には原画像は不明なのでWS は正確にはわからない。そこで,入力画像の着目した周波数でのパワーを推定値として用いる。また,雑音のパワーWN も不明なため,直流を除く全周波数で一定値WN をとると近似的にみなす。
雑音成分の意味には,「雑音の周波数の高さ」および「周波数毎の雑音の振幅の大きさ」の2つの意味がある。ここでは,周波数毎のパワーで信号と雑音とを区別するので「雑音の周波数の高さ」を知る必要はない。問題は「周波数毎の雑音の振幅の大きさ」であり,本来はあらかじめ知っておく必要がある。しかし,「周波数毎の雑音の振幅の大きさ」をあらかじめ知ることは困難である。そこで,前述するように,雑音のパワーを一定値と近似することにし,この値WN は,試行実験により雑音が効果的に除去できる適切な値をあらかじめ求めておく。
この場合,Wiener−Hopfフィルタの式において雑音パワーが一定値となる変換が行われるが,信号パワーが小さい周波数ほど振幅が激しく削減されることは明らかであり,雑音抑制効果が見込まれる。
また図7では,WN の1/2乗,すなわち雑音の振幅をAN としてあらわし,また縞模様のピークの振幅をAS ,高周波における実際の雑音の振幅をan であらわしている。
さて,これが式(7)によってどのように変わるかを次に示す。図7では例として,AS はAN の2倍,an はAN の0.5倍と設定されている。この場合,式(7)により,本処理の結果,AS に対応するゲインは,
2AS 2 /(As 2 +AN 2
=2(2AN 2 /{(2AN 2 +AN 2 }=1.6
となり,新しい振幅は1.6倍に増幅される。
これに対してan に対応するゲインは,
2an 2 /(an 2 +AN 2
=2(0.5AN 2 /{(0.5AN 2 +AN 2}=0.4
となり,新しい振幅は0.4倍に削減される。結果を図8に図示する。
〔4〕逆フーリエ変換
次に,各ブロックが逆フーリエ変換手段4によって画像に変換される。一つのブロックに対応する,雑音パワー抑制手段3によって変換された新しいフーリエ成分をF’(u,v),それを逆フーリエ変換によって変換した画像をf’(m,n)であらわすと,逆フーリエ変換は,次式であらわされる。
Figure 2005141453
ここで,雑音パワー抑制手段3によって変換された新しいフーリエ成分が逆フーリエによってどのような画像になるかを示す。
まず,図1の領域Bの場合には,元のフーリエ成分に比較して高周波の雑音の振幅が抑制され,かつ周波数(u1 ,v1 )の信号の振幅が増幅されている。これは画像として,雑音が弱まり,かつ周波数(U1 ,V1 )に該当する角度と間隔であらわされる隆線の縞模様が強調されるため,隆線の微小な途切れが接続されたものになる。
次に,図1の領域Aのように,縞模様の方向性が2つあり,周波数空間で縞模様をあらわすピークが2対存在する場合(図6)であるが,上記の説明から明らかなように,仮にピークが複数対存在した場合でも,それらは1対の場合と同様にすべて増幅され,一方,雑音は同様に抑制される。したがって,この場合には,結果的に2つの方向の縞模様が強調されたものになる。
この逆フーリエ変換後のブロックの各画素値に,上記式(1)で求めた重みL(m,n)の逆数を乗算する。なお,実験の結果によれば,ここで各画素値に重みL(m,n)の逆数を乗算する処理を省略しても,指紋の特徴を抽出するのに何ら支障はなく良好な結果が得られることがわかった。そこでこの処理を省略して演算量を削減するような実施も好適である。
〔5〕画像再構成
次に,画像再構成手段5の処理に移る。ここでは,特定のブロックが占有している領域では,そのブロックの画素値をそのまま新たな画素値として採用し,ブロック間の重複した領域ではそれらの画素値を加重平均して新たな画素値として採用することで,変換後の全体の画像を構成する。
まず,各ブロック毎に各画素に対して画素値とは別にブロック内の位置に応じた重みを付加する。これはブロックの端から遠いほど大きい値と設定する。例を図9に示す。図9では,ブロックサイズを8×8画素として,4つの外辺からの距離の最小値を各画素の重みとする設定法を採用しているが,重みの設定方法は他にも例えば2次元の正規分布関数を用いるなど,様々な方法がある。
その後,画像全体の全画素に対し,次のように処理を行う。着目画素がQ個のブロックB1 ,…,BQ に重複されているとし,着目画素のそれらのブロックにおける画素値をe1 ,…,eQ ,重みをw1 ,…,wQ とすると,着目画素の新しい画素値Eを下記の加重平均で算出する。
Figure 2005141453
以上のように隣接するブロックの領域を部分的に重複させ,その重複した領域についての画素値の算出を,上記式(9)によって行うことにより,ブロック間の境界付近を平滑化して,自然な形で雑音除去後の縞模様がつながるようにすることができる。
〔6〕2値画像作成
最後に2値画像作成手段6の処理に移る。ここでは画像再構成手段5によって作成された濃淡画像の各画素に対して,画素値と閾値の大小関係の比較により,各々の画素を白もしくは黒に分類する処理を行う。この閾値の設定方法としては,固定した値を用いる方法,Pタイル法,大津の方法,Kittlerの方法,動的閾値処理などの様々な方法が提案されており,それらのいずれを用いることもできる(これらの2値化処理については,「高木幹雄,下田晴久監修,”画像解析ハンドブック”,東京大学出版会,1991年,pp.502-505」に詳しく述べられている)。
〔7〕他の実施の形態
ここで,雑音パワー抑制手段3における上記実施の形態とは別のゲイン算出方法について説明する。上記実施の形態で説明したように,フーリエ成分の中で縞模様をあらわす周波数成分は,一般に雑音をあらわす周波数成分よりも振幅が高いので,フーリエ成分の各周波数成分の振幅に対して単調増加するゲイン関数を用いてゲインを算出し,振幅に乗ずることで,上記実施の形態と同様に縞模様を強調することが可能となる。例えば,任意の振幅Rに対するゲインの関数G(R)を,
G(R)=R (10)
と設定すればよい。
上記実施の形態では,図7の例として,AS はAN の2倍,an はAN の0.5倍と設定されている。ここでは説明の簡単のためにAN =1と仮定すると,
・AS に対応するゲインは,G(AS )=2AN =2
・an に対応するゲインは,G(an )=0.5AN =0.5
となり,縞模様の振幅が増幅されて雑音の振幅が削減されることがわかる。
なお,雑音パワー抑制手段3では,指紋画像における縞模様を構成する周波数帯以外の周波数の振幅を抑制するようにあらかじめ設定されている周波数の関数をフーリエ成分の各周波数における振幅に対して乗ずることで,非常に低い周波数と高い周波数の振幅を抑制する処理を,上記実施の形態の処理と併用することもできる。
以上の処理方法は,ハードウェア回路によって実施することもでき,またコンピュータとソフトウェアプログラムとによって実施することもできる。そのためのソフトウェアプログラムは,ROM,ハードディスク,フロッピィディスク,磁気テープ,CD−ROM,DVD−ROM等の光ディスク,ICメモリカードなどの記憶媒体に格納することができ,また,通信インタフェースを介して送受信することも可能である。このプログラムを,CPUを備えた装置にインストールすることにより,本発明に係る画像処理装置が構成される。
入力された指紋画像の模式図である。 本発明の実施の一形態に係る処理ブロック図である。 入力画像に対するブロック分割処理を説明する図である。 ブロック間の重複領域が大きいブロック分割の例を示す図である。 図1における領域Bのフーリエ変換結果の振幅のピークを表す図である。 図1における領域Aのフーリエ変換結果の振幅のピークを表す図である。 雑音パワー抑制手段の処理を説明する図である。 雑音パワー抑制手段の処理を説明する図である。 画像再構成手段における,ブロック内の各画素の位置に応じた重みを付加する処理を説明する図である。
符号の説明
1 ブロック分割手段
2 フーリエ変換手段
3 雑音パワー抑制手段
4 逆フーリエ変換手段
5 画像再構成手段
6 2値画像作成手段

Claims (4)

  1. 入力した指紋画像から雑音を除去して2値画像を作成する指紋画像処理方法において,
    入力した指紋画像を複数のブロックに分割する過程と,
    ブロックの中心から外側にいくほど小さな値を取るように各画素の画素値に乗ずる重みを設定し,該重みを前記分割によって得られる各ブロックの各画素の画素値に乗じ,その重みが乗じられた各ブロックの画像をフーリエ変換する過程と,
    前記各ブロック内の各周波数における原画像のパワーの推定値として,入力画像の該当する周波数のパワーを用い,雑音のパワーの推定値として,あらかじめ定めた一定値を用いることにより,原画像のパワーと雑音のパワーとを推定し,該2種類のパワーの推定値を用いて該周波数における雑音のパワーの相対的な大きさが大きいほど小さな値を取るようにゲインを設定し,該ゲインをフーリエ成分情報の該当する周波数の振幅に乗ずることにより雑音のパワーを抑制する過程と,
    前記の振幅を変えられたフーリエ成分を逆フーリエ変換する過程と,
    逆フーリエ変換された各ブロックの画像を組み合わせて復元後の全体の画像を構成する過程と,
    前記復元された画像の各画素に対して,濃淡をあらわす数値から該画素を白と黒の2種類のクラスのいずれかに分類する処理を行うことで2値画像を作成する過程とを有するとともに,
    前記雑音のパワーを抑制する過程では,さらに,指紋画像における縞模様を構成する周波数帯以外の周波数の振幅を抑制するようにあらかじめ設定されている周波数の関数を前記フーリエ成分の各周波数における振幅に対して乗ずる過程を有する
    ことを特徴とする指紋画像処理方法。
  2. 入力した指紋画像から雑音を除去して2値画像を作成する指紋画像処理装置において,
    入力した指紋画像を複数のブロックに分割するブロック分割手段と,
    ブロックの中心から外側にいくほど小さな値を取るように各画素の画素値に乗ずる重みを設定し,該重みを前記分割によって得られる各ブロックの各画素の画素値に乗じ,その重みが乗じられた各ブロックの画像をフーリエ変換するフーリエ変換手段と,
    前記各ブロック内の各周波数における原画像のパワーの推定値として,入力画像の該当する周波数のパワーを用い,雑音のパワーの推定値として,あらかじめ定めた一定値を用いることにより,原画像のパワーと雑音のパワーとを推定し,該2種類のパワーの推定値を用いて該周波数における雑音のパワーの相対的な大きさが大きいほど小さな値を取るようにゲインを設定し,該ゲインをフーリエ成分情報の該当する周波数の振幅に乗ずることにより雑音のパワーを抑制する雑音パワー抑制手段と,
    前記の振幅を変えられたフーリエ成分を逆フーリエ変換する逆フーリエ変換手段と,
    逆フーリエ変換された各ブロックの画像を組み合わせて復元後の全体の画像を構成する画像再構成手段と,
    前記復元された画像の各画素に対して,濃淡をあらわす数値から該画素を白と黒の2種類のクラスのいずれかに分類する処理を行うことで2値画像を作成する2値画像作成手段とを備えるとともに,
    前記雑音パワー抑制手段は,さらに,指紋画像における縞模様を構成する周波数帯以外の周波数の振幅を抑制するようにあらかじめ設定されている周波数の関数を前記フーリエ成分の各周波数における振幅に対して乗ずる手段を備える
    ことを特徴とする指紋画像処理装置。
  3. 入力した指紋画像から雑音を除去して2値画像を作成する指紋画像処理装置を,コンピュータによって実現するためのプログラムを記録した記録媒体であって,
    入力した指紋画像を複数のブロックに分割するブロック分割処理と,
    ブロックの中心から外側にいくほど小さな値を取るように各画素の画素値に乗ずる重みを設定し,該重みを前記分割によって得られる各ブロックの各画素の画素値に乗じ,その重みが乗じられた各ブロックの画像をフーリエ変換するフーリエ変換処理と,
    前記各ブロック内の各周波数における原画像のパワーの推定値として,入力画像の該当する周波数のパワーを用い,雑音のパワーの推定値として,あらかじめ定めた一定値を用いることにより,原画像のパワーと雑音のパワーとを推定し,該2種類のパワーの推定値を用いて該周波数における雑音のパワーの相対的な大きさが大きいほど小さな値を取るようにゲインを設定し,該ゲインをフーリエ成分情報の該当する周波数の振幅に乗ずることにより雑音のパワーを抑制するとともに,さらに,指紋画像における縞模様を構成する周波数帯以外の周波数の振幅を抑制するようにあらかじめ設定されている周波数の関数を前記フーリエ成分の各周波数における振幅に対して乗ずる雑音パワー抑制処理と,
    前記の振幅を変えられたフーリエ成分を逆フーリエ変換する逆フーリエ変換処理と,
    逆フーリエ変換された各ブロックの画像を組み合わせて復元後の全体の画像を構成する画像再構成処理と,
    前記復元された画像の各画素に対して,濃淡をあらわす数値から該画素を白と黒の2種類のクラスのいずれかに分類する処理を行うことで2値画像を作成する2値画像作成処理とを,
    コンピュータに実行させるためのプログラムを記録した
    ことを特徴とする指紋画像処理プログラム記録媒体。
  4. 入力した指紋画像から雑音を除去して2値画像を作成する指紋画像処理装置を,コンピュータによって実現するためのプログラムであって,
    入力した指紋画像を複数のブロックに分割するブロック分割処理と,
    ブロックの中心から外側にいくほど小さな値を取るように各画素の画素値に乗ずる重みを設定し,該重みを前記分割によって得られる各ブロックの各画素の画素値に乗じ,その重みが乗じられた各ブロックの画像をフーリエ変換するフーリエ変換処理と,
    前記各ブロック内の各周波数における原画像のパワーの推定値として,入力画像の該当する周波数のパワーを用い,雑音のパワーの推定値として,あらかじめ定めた一定値を用いることにより,原画像のパワーと雑音のパワーとを推定し,該2種類のパワーの推定値を用いて該周波数における雑音のパワーの相対的な大きさが大きいほど小さな値を取るようにゲインを設定し,該ゲインをフーリエ成分情報の該当する周波数の振幅に乗ずることにより雑音のパワーを抑制するとともに,さらに,指紋画像における縞模様を構成する周波数帯以外の周波数の振幅を抑制するようにあらかじめ設定されている周波数の関数を前記フーリエ成分の各周波数における振幅に対して乗ずる雑音パワー抑制処理と,
    前記の振幅を変えられたフーリエ成分を逆フーリエ変換する逆フーリエ変換処理と,
    逆フーリエ変換された各ブロックの画像を組み合わせて復元後の全体の画像を構成する画像再構成処理と,
    前記復元された画像の各画素に対して,濃淡をあらわす数値から該画素を白と黒の2種類のクラスのいずれかに分類する処理を行うことで2値画像を作成する2値画像作成処理とを,
    コンピュータに実行させるための指紋画像処理プログラム。
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