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JP2005136836A - 逓倍発振回路及びこれを使用した無線通信装置 - Google Patents

逓倍発振回路及びこれを使用した無線通信装置 Download PDF

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JP2005136836A JP2003372586A JP2003372586A JP2005136836A JP 2005136836 A JP2005136836 A JP 2005136836A JP 2003372586 A JP2003372586 A JP 2003372586A JP 2003372586 A JP2003372586 A JP 2003372586A JP 2005136836 A JP2005136836 A JP 2005136836A
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Abstract

【課題】不要波抑制の目的で回路の後段に設置されるフィルタ回路を小さく低コストで実現できる逓倍発振回路及びこれを使用した無線通信装置を提供する。
【解決手段】基本周波数信号を発振する基本周波数発振回路4と、この基本周波数発振回路4の基本周波数信号を整数倍した逓倍周波数信号を出力する逓倍用能動素子6と、この逓倍用能動素子6の出力側に接続され逓倍用能動素子6の逓倍周波数信号から所望帯域の周波数信号を選択する逓倍用フィルタ回路3とを有する逓倍発振回路であって、逓倍用フィルタ回路3は、基本周波数信号の周波数にて直列共振する分布定数型の第1の直列共振素子34と、基本周波数信号の周波数を整数倍した逓倍周波数にて並列共振する並列共振回路35と、不要波の周波数にて直列共振する分布定数型の第2の直列共振素子36とを含む。
【選択図】図3

Description

本発明は、基本周波数発振回路から発振される基本周波数信号の発振出力を整数倍して出力する逓倍発振回路に関し、特に不要波を抑制するフィルタ回路を有する逓倍発振回路及びこれを使用した無線通信装置に関するものである。
一般に、無線通信装置等に使用され基本周波数信号の発振出力を整数倍して出力する逓倍発振回路は、基礎となる基本周波数信号を発振した後、この基本周波数信号に含まれる高調波成分を増幅し、その後所望帯域の高調波成分を取り出す一連の動作をする逓倍回路を有している。そしてさらに、逓倍発振回路は、所望高調波成分以外の不要波(スプリアス)を抑制するフィルタ回路を有している。
例えば、特許文献1のマイクロ波逓倍器においては、逓倍回路15と、当該逓倍回路15により出力された逓倍波を所望の電力レベルまで増幅するバッファ増幅回路16とを有している。そして、逓倍回路15及びバッファ増幅回路16の出力側のバイアス線路に、集中定数型ハイパスフィルタを設けて不要波を抑制している。この集中定数型ハイパスフィルタは、基本周波数信号の1/4波長の電気長を有する先端短絡スタブ21a,21bと逓倍回路15の出力部に設けられたインダクタ23a,23bとキャパシタ24とから構成されている。
しかしながら、回路の後段にこのようなスタブや集中定数形フィルタなどの付加部品或いは付加パターンを設けた逓倍発振回路は、1GHz〜10GHz程度の帯域で使用した場合に挿入損失が発生する。そして、この挿入損失が大きい場合には、逓倍発振回路の出力が低下し、所望高調波成分と不要波との出力レベル差(スプリアス比)が小さくなるばかりか不要成分が含まれた出力となる。そしてさらには、位相雑音やジッタ等の信号品質劣化をも引き起こす。そのため、フィルタ回路の後段に出力の低下を補うための増幅器を別途用意しなければならず、消費電流、サイズ、コストがともに増大するという問題がある。
これに対して、例えば、特許文献2の逓倍器においては、基本周波数信号を整数倍する逓倍用能動素子としての電界効果トランジスタQ1の後段に、集中定数型のコイルL2及びコンデンサC1,C2の3個の集中定数素子により構成された直並列共振回路が設けられている。この直並列共振回路は、基本周波数信号の周波数に直列共振して当該基本周波数成分を低減させるとともに、所望高調波成分の周波数に並列共振して当該所望高調波成分を通過させる。
特開平10−4319号公報(第2頁、図1) 特開平5−102728号公報(第2頁、図1)
しかしながら、特許文献2の逓倍器に用いられているようなインダクタンス素子L2及び容量素子C1,C2からなる集中定数型の3素子による直並列共振回路だけでは、逓倍回路によって生成される高次の不要波(高次高調波成分)を抑制することができないという問題がある。また、集中定数型の3素子とはいえ、チップ部品に実装成形するにあたっては、部品ランドの大きさや部品間の実装クリアランス確保が必要となり、小型化の妨げになるという問題がある。そしてさらに、挿入損失も存在し、特許文献1で挙げた課題が依然として残る。
本発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、不要波抑制の目的で回路の後段に設置されるフィルタ回路を小さく且つ低コストで実現できる逓倍発振回路及びこれを使用した無線通信装置を提供することを目的とする。
〔発明1〕発明1の逓倍発振回路は、基本周波数信号を発振する基本周波数発振回路と、この基本周波数発振回路の基本周波数信号を整数倍した逓倍周波数信号を出力する逓倍用能動素子と、この逓倍用能動素子の出力側に接続され逓倍用能動素子の逓倍周波数信号から所望帯域の周波数信号を選択する逓倍用フィルタ回路とを有する逓倍発振回路であって、逓倍用フィルタ回路は、基本周波数信号の周波数にて直列共振する分布定数型の第1の直列共振素子と、基本周波数信号の周波数を整数倍した逓倍周波数にて並列共振する並列共振回路と、不要波の周波数にて直列共振する分布定数型の第2の直列共振素子とを含む。
この発明1においては、基本周波数信号は分布定数型の第1の直列共振素子の直列共振現象によって減衰し、不要波は分布定数型の第2の直列共振素子の直列共振現象によって減衰する。一方、所望帯域の周波数信号は、並列共振回路の並列共振現象によって選択的に逓倍用フィルタ回路を通過する。そして、第1,第2の直列共振素子は分布定数型に形成されるので、比較的簡単な構成で逓倍用フィルタ回路を形成することができ、逓倍用フィルタ回路を小さく且つ低コストで実現することができるので、この逓倍用フィルタ回路を有する逓倍発振回路を小さく且つ低コストで作製することができる。
〔発明2〕また、発明2の逓倍発振回路においては、第1の直列共振素子は、逓倍用能動素子から延びる伝送線路に一端が接続され他端が開放され基本周波数信号の1/4波長の電気長を有する第1のオープンスタブであり、第2の直列共振素子は、逓倍用能動素子から延びる伝送線路に一端が接続され他端が開放され不要波の1/4波長の電気長を有する第2のオープンスタブである。そのため、比較的簡単な構成で逓倍用フィルタ回路を形成することができ、例えば、基板上にマイクロストリップラインにて形成することができる。そのため、逓倍用フィルタ回路を且つ低コストで実現することができる。
〔発明3〕さらに、発明3の逓倍発振回路においては、並列共振回路は、逓倍用能動素子の伝送線路に一端が接続され他端が接地され基本周波数信号の周波数を整数倍した逓倍周波数にて第1のオープンスタブのインダクタ成分と並列共振をするコンデンサである。そのため、第1のオープンスタブのインダクタ成分と並列共振するための容量の設定等を容易にすることができ、設計コストが低減するとともに、所望帯域の周波数信号の通過を正確に実現することができ、信頼性の高い逓倍用フィルタ回路とすることができる。
〔発明4〕さらにまた、発明4の逓倍発振回路においては、基本周波数発振回路は、ギガヘルツ帯域の基本周波数信号を発振するものであり、並列共振回路は、所定の寄生容量を有し基本周波数信号の周波数を整数倍した逓倍周波数にて第1のオープンスタブのインダクタ成分と並列共振をする伝送線路である。そのため、部品点数が低減するとともに逓倍用フィルタ回路の構成が簡略化され、逓倍用フィルタ回路を小さく且つ低コストで実現することができ、この逓倍用フィルタ回路を有する逓倍発振回路を小さく且つ低コストで作製することができる。
〔発明5〕また、発明5の無線通信装置は、上述の〔発明1〕から〔発明4〕のいずれかの逓倍発振回路を含む。
この発明5においては、無線通信装置が小さく且つ低コストの逓倍発振回路を使用して構成されているので、当該無線通信装置自身も小さく且つ低コストにすることができる。
〔発明6〕さらに、発明6の無線通信装置は、アンテナに接続された送受信切換器と、送受信切換器の送信側に接続された、送信信号を変調する上述の〔発明1〕から〔発明4〕のいずれかの逓倍発振回路、及びこの逓倍発振回路で変調された変調信号を増幅する電力増幅器を有する送信回路と、送受信切換器の受信側に接続された、受信した変調信号から所望帯域の高周波変調波を選択するフィルタ、このフィルタのフィルタ出力を増幅する低雑音増幅器、及びこの低雑音増幅器の増幅出力を復調する復調回路とを有する受信回路とを備えている。
この発明6においては、無線通信装置は、送信回路で、送信信号を上述の〔発明1〕から〔発明4〕のいずれかの逓倍発振回路を使用して変調された変調信号を電力増幅器で電力増幅して送受信切換器を介してアンテナから送信し、アンテナで受信した微小な受信信号は、送受信切換器を介して受信回路に送られて、フィルタで所望帯域の高周波変調波が抽出され、抽出された高周波変調波が低雑音増幅器で増幅されて復調回路で復調されるので、直接発振方式を使用して、簡易な無線通信装置を提供することができる。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は本発明の逓倍発振回路の第1の実施形態を示すブロック図である。図1において、逓倍発振回路1は、基本周波数信号の整数倍の逓倍周波数信号を出力する逓倍発振回路本体2と、この逓倍発振回路本体2の出力側に接続され逓倍発振回路本体2の出力する逓倍周波数信号から所望帯域の周波数信号を選択する逓倍用フィルタ回路3とを備えている。
逓倍発振回路本体2は、基本周波数発振回路としての電圧制御型発振器4と、第1の整合回路としての基本周波数整合回路5と、逓倍用能動素子6と、第2の整合回路としての逓倍周波数整合回路7とを有している。
逓倍発振回路本体2の構成をさらに詳細に説明する。電圧制御型発振器4は、所定の周波数の基本周波数信号を発振する。電圧制御型発振器4から発振された基本周波数信号は、基本周波数整合回路5に供給されて基本周波数にインピーダンス整合される。そして、基本周波数整合回路5から出力される整合出力は、逓倍用能動素子6によって、基本周波数の整数倍に逓倍される。さらに逓倍用能動素子6によって逓倍された周波数信号は、逓倍周波数整合回路7に供給されて基本周波数の整数倍の逓倍周波数にインピーダンス整合される。
逓倍発振回路本体2の構成のうち、まず、電圧制御型発振器4について説明する。図2は図1の電圧制御型発振器4の詳細を示すブロック図である。図2において、電圧制御型発振器4は、発振用増幅器41を有し、さらにこの発振用増幅器41の出力側及び入力側間の帰還回路に、分配器43と、周波数調整回路46と、弾性表面波共振子47とを有している。発振用増幅器41から出力された電力は分配器43で2系統に分配される。そして、一方の分配出力は出力端子42に出力され、他方の分配出力は、周波数調整回路46を介して弾性表面波共振子47に帰還する。周波数調整回路46は、移相器44と位相調整回路45とで構成されている。
次に、逓倍用能動素子6について説明する。図示しないが、基本周波数整合回路5から出力される整合出力を基本周波数の整数倍に逓倍する逓倍用能動素子6には、例えばバイポーラトランジスタが用いられる。
次に、逓倍用フィルタ回路3について説明する。
図3は逓倍用フィルタ回路3の詳細を示す回路図である。図3において、逓倍用フィルタ回路3は、入力端子31(逓倍発振回路本体2の出力端子でもある)から逓倍発振回路1の出力端子32に延びる出力伝送線路(伝送線路)33を有している。そしてさらに、この出力伝送線路33に接続された第1の直列共振素子としての第1のオープンスタブ34と、並列共振回路としてのコンデンサ35と、第2の直列共振素子としての第2のオープンスタブ36とを有している。
第1のオープンスタブ34は、出力伝送線路33の中間部で入力端子31側に一端が接続され他端が開放され基本周波数信号の1/4波長の電気長を有している。第2のオープンスタブ36は、出力伝送線路33の中間部で出力端子32側に一端が接続され他端が開放され不要波の1/4波長の電気長を有している。
図4は第1のオープンスタブ34の動作を説明する説明図である。図4は動作説明のための図であって必ずしも本実施形態を示すものではない。オープンスタブ34は、例えば基板38上にマイクロストリップラインにて形成され分布定数型回路構成とされている。オープンスタブ34は先端が開放されているので先端において電圧振幅が最大になる。また、オープンスタブ34は、上述のように中心周波数において抑制したい周波数信号の1/4波長の電気長となるように設定されているので、スタブ34の先端とその付け根では位相が90度違うこととなる。そして、先端で電圧振幅が最大になるので付け根では電圧振幅が0になる。そのため、抑制したい基本周波数信号(f1)に対してスタブ34の付け根があたかもGNDのように振る舞い、基本周波数信号(f1)の通過が抑制される。第2のオープンスタブ36においては、電気長が不要波の1/4波長とされている他は、第1のオープンスタブ34と同様の分布定数型回路構成とされている。
図に示さないが、コンデンサ35は、例えば基板上にチップコンデンサとして実装される。コンデンサ35は、オープンスタブ34,36の間にて出力伝送線路33に一端が接続され他端が接地されて設けられている(図3)。そして、コンデンサ35は、基本周波数信号を整数倍した所望の逓倍周波数にて第1のオープンスタブ34のインダクタ成分と並列共振をするように設定されている。この並列共振現象によって出力伝送線路33に逓倍周波数の出力を通過させる。
ここで、電圧制御型発振器4から出力される基本周波数信号の周波数(f1)を2.9GHzとし、所望の逓倍周波数(f2)を基本周波数(f1)の2逓倍の5.8GHzとし、不要波の周波数(f3)を基本周波数(f1)の3逓倍の8.7GHzとした場合、具体的な設計寸法及び回路定数は例えば次のようになる。
基板厚み:0.5mm
基板誘電率:10
誘電体損:0.4%
第1のオープンスタブ34の寸法:幅0.4mm、長さ9.85mm
コンデンサ35の容量値:0.4pF
第二のオープンスタブ35の寸法:幅0.4mm、長さ3.1mm
図5は上述した具体的構成例のフィルタ回路の通過特性図である。横軸は周波数[GHz]、縦軸は挿入損失[dB]を示している。図5に示すように、まず基本周波数(f1)となる2.9GHz(図5中点A)で十分な減衰特性を有している。これは、第1のオープンスタブ34による効果である。より詳しくは、第1のオープンスタブ34のインダクタ成分Lsとコンデンサ成分Csによる直列共振現象によってきまる周波数(fs)が基本周波数信号(f1)と一致しているためである。すなわち、第1のオープンスタブ34は、基本周波数(f1)にて直列共振し、基本周波数信号(f1)の通過を抑制する。このfsは次式で表される。
Figure 2005136836
また、所望の逓倍周波数(f2)となる5.8GHz(図5中点B)では、減衰量はほぼゼロとなり、フィルタ回路は基本周波数信号(f1)の2逓倍周波数成分を通過させる。これは、第1のオープンスタブ34のコンデンサ成分Csと、一端が接地されたコンデンサ35のCpとの並列共振現象によってきまる周波数(fp)が2逓倍周波数成分(f2)と一致しているためである。このfpは次式で表される。
Figure 2005136836
さらに、不要波の周波数(f3)である3次高調波周波数8.7GHz(図5中点C)では、f1と同様に十分な減衰特性が現れている。これは、第2のオープンスタブ36による効果であり、動作は第1のオープンスタブ34と同様である。
図6は逓倍用フィルタ回路を逓倍発振回路本体2に接続しない場合の出力スペクトル図であり、図7は上述のような減衰特性をもつ逓倍用フィルタ回路3を逓倍発振回路本体2に接続した場合の出力スペクトル図である。横軸は周波数[GHz]、縦軸は逓倍発信器の出力パワー[dBm]を示している。
逓倍用フィルタ回路3を接続しない場合、図6に示すように、2逓倍周波数である5.8GHzが最も出力パワーが大きく主たるスペクトル成分を占めているものの、逓倍用トランジスタによって生成された2.9GHzの3次以上の高調波である8.7GHz、11.6GHzのスペクトル成分もかなりの割合で出力されており十分に不要波(スプリアス)の抑制が出来ていない。
これに対し、本実施形態のように発明のフィルタ回路3を付加した場合は、図7に示すように、5.8GHzに隣接する基本周波数(2.9GHz)及び高次高調波成分(8.7GHz)は十分に抑制されている。
このような構成の逓倍発振回路1においては、基本周波数信号(f1)を発振する電圧制御型発振器4と、基本周波数信号(f1)を整数倍した逓倍周波数信号を出力する逓倍用能動素子6と、所望帯域の周波数信号を選択する逓倍用フィルタ回路3とを有する逓倍発振回路であって、逓倍用フィルタ回路3は、基本周波数信号の周波数にて直列共振する一端が出力伝送線路33に接続され他端が開放され基本周波数信号(f1)の1/4波長の電気長を有する第1のオープンスタブ34と、一端が出力伝送線路33に接続され他端が接地され基本周波数信号(f1)を整数倍した逓倍周波数(f2)にて第1のオープンスタブ34のインダクタ成分と並列共振をするコンデンサ35と、一端が出力伝送線路33に接続され他端が開放され不要波(f3)の1/4波長の電気長を有する第2のオープンスタブ36を有しているので、所望帯域の周波数信号の以外の不要波(スプリアス)を十分に抑制・低減することができる。
また、一例として示したように、逓倍用フィルタ回路3は、分布定数型回路構成のパターン素子(マイクロストリップライン)と1個のチップコンデンサによってシンプルに構成することができ、小型で省スペースなフィルタ回路とすることができ、低コスト化を実現することができる。さらには、挿入損失が小さく減衰特性も優れるので、逓倍発振回路の出力が低下せず、位相雑音やジッタ等の信号品質劣化をまねくこともない。
また、本実施形態においては、所望の逓倍周波数(f2)が基本周波数(f1)の2逓倍であり、不要波の周波数(f3)が基本周波数(f1)の3逓倍であるので、設計寸法及び回路定数の選定を容易に行うことができる。これ以外の逓倍数をもつ逓倍発振回路、例えば、4逓倍発振回路や6逓倍発振回路などにおいても同様である。
また、このような構成の逓倍発振回路1は、基本周波数整合回路5で逓倍用能動素子6の入力側を電圧制御型発振器4から出力される発振信号を基本周波数信号に整合し、整合された発振出力を逓倍用能動素子6で周波数を整数倍に逓倍した後、逓倍周波数整合回路7で基本周波数の整数倍の逓倍周波数に整合させるので、逓倍用能動素子6の入力側では基本周波数信号に最も適したインピーダンスで電圧制御型発振器4に接続され、効率よく逓倍用能動素子6にパワーが伝達され、また、逓倍用能動素子6の出力側では、基本周波数の整数倍の周波数に整合されたインピーダンスで後段の回路に接続されて、所望の逓倍周波数で最小の損失で効率よく取り出すことができる。このため、周波数逓倍に伴う変換損失が最小となり、全体として低消費電流化が可能となると共に、部品点数が削減され、回路サイズの小型化を図ることができる。
なお、上記第1の実施形態においては、基本周波数発振回路として電圧制御型発振器4を適用した場合について説明したが、これに限定されるものではなく、固定周波数発振器としたものや、水晶発振器等の他の基本周波数発振回路を適用することができる。
また、上記第1の実施形態では、逓倍用能動素子6として例えばバイポーラトランジスタを適用すると説明したが、これに限定されるものではなく、バイポーラトランジスタに代えてGaAsの電界効果型トランジスタを適用するようにしてもよく、他の能動素子を適用するようにしてもよい。
次に、第2の実施形態について説明する。
図8は本発明の逓倍発振回路の第2の実施形態における逓倍用フィルタ回路の詳細を示す回路図である。図8において、本実施形態の逓倍用フィルタ回路8は、第1の実施形態の逓倍用フィルタ回路3のコンデンサ35に相当するものが削除されている。その他の構成は、第1の実施形態の逓倍用フィルタ回路3と同じである。本実施形態の基本周波数発振回路としての電圧制御型発振器4は、1GHz〜10GHz程度の帯域の基本周波数信号を発振する。第1の実施形態の逓倍用フィルタ回路3をこのようなギガヘルツ帯域で使用する逓倍発振回路に用いた場合、コンデンサ35の容量値は非常に小さくなり、出力伝送線路33の寄生容量のレベルとなる。このため、コンデンサ35を省略することができる。すなわち、出力伝送線路33は所定の寄生容量を有ており、基本周波数信号を整数倍した所望の逓倍周波数にて第1のオープンスタブ34のインダクタ成分と並列共振し、この並列共振現象によって出力伝送線路33に所望の逓倍周波数の出力を通過させる。
図9は本実施形態の逓倍用フィルタ回路8の通過特性図である。図5と同様に横軸は周波数[GHz]、縦軸は挿入損失[dB]を示している。図9において、2逓倍周波数である5.8GHz(図9中点E)で、2.5dBの挿入損失が生じているものの、第1の実施形態と同様、基本周波数である2.9GHz(図9中点D)と不要波の周波数8.7GHz(図9中点F)では十分な減衰特性を有している。そのため、本実施形態の逓倍用フィルタ回路8を逓倍発振回路本体2に接続した場合も第1の実施形態同様、良好な出力スペクトルを得ることができる。
このような構成の逓倍発振回路1においては、逓倍用フィルタ回路8は、基本周波数信号の周波数にて直列共振する一端が出力伝送線路33に接続され他端が開放され基本周波数信号(f1)の1/4波長の電気長を有する第1のオープンスタブ34と、不要波(f3)の周波数にて直列共振する一端が出力伝送線路33に接続され他端が開放され不要波(f3)の1/4波長の電気長を有する第2のオープンスタブ36を有しているので、所望帯域の周波数信号の以外の不要波(スプリアス)を、第1の実施形態よりさらに簡単な構成で抑制・低減することができる。また、逓倍用フィルタ回路8は、分布定数型回路構成のパターン素子(マイクロストリップライン)のみによって構成することができ、さらに小型で省スペースなフィルタ回路とすることができ、さらなる低コスト化も実現することができる。
次に、本発明の第3の実施形態について説明する。
本実施の形態は、送信側で電圧制御型発振器に直接送信信号を入力して直接変調を行う直接変調方式に本発明を適用したものである。
図10は本発明の逓倍発振回路を使用した無線通信装置を示すブロック図である。図10において、アンテナ91と、これに接続された送受信切換器92と、この送受信切換器92の送信側に接続された送信回路93及び受信側に接続された受信回路94とを備えている。
送信回路93は、送信信号が直接入力される前述した第1の実施形態における逓倍発振回路1に入力し、この逓倍発振回路1から出力される変調送信信号を電力増幅器95で増幅するように構成され、電力増幅器95から出力される送信信号が送受信切換器92に供給される。ここで、逓倍発振回路1としては、第1の実施形態のように電圧制御によって発振周波数を可変できる電圧制御型発振器として構成する場合に限らず、単一の周波数を出力する固定発振器として構成するようにしてもよい。
また、受信回路94は、送受信切換器92から出力される受信変調波から所望帯域の高周波変調波を抽出するバンドパスフィルタ96と、このバンドパスフィルタ96で抽出した微小な高周波変調波を増幅する低雑音増幅器97と、この低雑音増幅器97の増幅出力を復調する復調回路98とから構成されている。
この第3の実施形態によると、データを送信する場合には、送信信号を逓倍発振回路1に入力して、この逓倍発振回路1で送信信号を所定周波数に直接変調し、この直接変調信号を電力増幅器95で増幅して、送受信切換器92を介してアンテナ91から送信する。
また、アンテナ91で受信した微小な高周波変調波は、送受信切換器92から受信回路94に送られ、そのバンドパスフィルタ96で所望周波数の高周波変調波信号が抽出され、抽出された高周波変調波信号が低雑音増幅器97で増幅されて復調回路98で元信号に復調されて受信信号として出力される。
この第3の実施形態は、直接変調を行う発振器として逓倍発振回路1を適用しているので、全体の構成を小型化することができると共に、低消費電力化することができる。
本発明の逓倍発振回路の第1の実施形態を示すブロック図。 図1の電圧制御型発振器の詳細を示すブロック図。 図1の逓倍用フィルタ回路の詳細を示す回路図。 オープンスタブの動作を説明する説明図。 第1の実施形態の逓倍用フィルタ回路の通過特性図。 逓倍用フィルタ回路を接続しない場合の出力スペクトル図。 逓倍用フィルタ回路を接続した場合の出力スペクトル図。 第2の実施形態の逓倍用フィルタ回路を示す回路図。 第2の実施形態の逓倍用フィルタ回路の通過特性図。 本発明の逓倍発振回路を使用した無線通信装置のブロック図。
符号の説明
1…逓倍発振回路、2…逓倍発振回路本体、3…逓倍用フィルタ回路、4…電圧制御型発振器(基本周波数発振回路)、5…基本周波数整合回路(第1の整合回路)、6…逓倍用能動素子、7…逓倍周波数整合回路(第2の整合回路)、33…出力伝送線路(伝送線路)、34…第1のオープンスタブ(第1の直列共振素子)、35…コンデンサ(並列共振回路)、36…第2のオープンスタブ(第2の直列共振素子)、91…アンテナ、92…送受信切換器、93…送信回路、94…受信回路、95…電力増幅器、96…バンドパスフィルタ(フィルタ)、97…低雑音増幅器、98…復調回路。

Claims (6)

  1. 基本周波数信号を発振する基本周波数発振回路と、該基本周波数発振回路の前記基本周波数信号を整数倍した逓倍周波数信号を出力する逓倍用能動素子と、該逓倍用能動素子の出力側に接続され該逓倍用能動素子の前記逓倍周波数信号から所望帯域の周波数信号を選択する逓倍用フィルタ回路とを有する逓倍発振回路であって、
    前記逓倍用フィルタ回路は、前記基本周波数信号の周波数にて直列共振する分布定数型の第1の直列共振素子と、前記基本周波数信号の周波数を整数倍した逓倍周波数にて並列共振する並列共振回路と、不要波の周波数にて直列共振する分布定数型の第2の直列共振素子とを含むことを特徴とする逓倍発振回路。
  2. 前記第1の直列共振素子は、前記逓倍用能動素子から延びる伝送線路に一端が接続され他端が開放され前記基本周波数信号の1/4波長の電気長を有する第1のオープンスタブであり、前記第2の直列共振素子は、前記逓倍用能動素子から延びる伝送線路に一端が接続され他端が開放され前記不要波の1/4波長の電気長を有する第2のオープンスタブであることを特徴とする請求項1記載の逓倍発振回路。
  3. 前記並列共振回路は、前記逓倍用能動素子の伝送線路に一端が接続され他端が接地され前記基本周波数信号の周波数を整数倍した逓倍周波数にて前記第1のオープンスタブのインダクタ成分と並列共振をするコンデンサであることを特徴とする請求項2記載の逓倍発振回路。
  4. 前記基本周波数発振回路は、ギガヘルツ帯域の前記基本周波数信号を発振するものであり、前記並列共振回路は、所定の寄生容量を有し前記基本周波数信号の周波数を整数倍した逓倍周波数にて前記第1のオープンスタブのインダクタ成分と並列共振をする前記伝送線路であることを特徴とする請求項2記載の逓倍発振回路。
  5. 前記請求項1から4のいずれかの逓倍発振回路を含む構成を有することを特徴とする無線通信装置。
  6. アンテナに接続された送受信切換器と、該送受信切換器の送信側に接続された、送信信号を変調する前記請求項1から4のいずれかの逓倍発振回路、及び該逓倍発振回路で変調された変調信号を増幅する電力増幅器を有する送信回路と、前記送受信切換器の受信側に接続された、受信した変調信号から所望帯域の高周波変調波を選択するフィルタ、該フィルタのフィルタ出力を増幅する低雑音増幅器、及び該低雑音増幅器の増幅出力を復調する復調回路とを有する受信回路とを備えたことを特徴とする無線通信装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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