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JP2005116783A - 太陽電池の製造方法およびその方法により製造した太陽電池 - Google Patents

太陽電池の製造方法およびその方法により製造した太陽電池 Download PDF

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Abstract

【課題】 基板表面および内部へのドーパントの拡散を制御し、一度の拡散で受光面と裏側面とでドーパントの濃度が異なる基板を製造することができる太陽電池の製造方法を提供する。また、同一面内でも領域によりドーパントの濃度が異なる基板を製造することができる太陽電池の製造方法を提供する。
【解決手段】 本発明の太陽電池の製造方法は、太陽電池のpn接合形成方法において、半導体基板の片側表面の一部または全部に拡散制御マスクを形成する第1の工程と、半導体基板にドーパントを拡散する第2の工程とを備えることを特徴とする。
【選択図】 図1

Description

本発明は、高性能かつ低コストな太陽電池の製造方法に関し、さらに詳しくはドーパント濃度の複雑な分布を有する太陽電池用半導体基板の製造方法およびその方法により製造した太陽電池に関する。
太陽光エネルギを直接、電気エネルギに変換する太陽電池は、近年、特に地球環境問題の観点から次世代のエネルギ源としての期待が急激に高まっている。太陽電池としては、化合物半導体または有機材料を使ったものなど、様々な種類があるが、現在、主流となっているのは、シリコン結晶を用いたものである。図3に、シリコン単結晶基板を用いた太陽電池の構造および製造方法の一例を示す。まず、図3(a)に示すように、単結晶シリコン基板31を用意する。一般的には、p型のシリコン基板が用いられることが多い。つぎに、適当なエッチャントによりエッチングを施し、基板表面に数μm程度の微細な凹凸(図示していない。)を有するテクスチャ構造を形成して、光閉じ込め効果を持たせることが多い。
つぎに、基板31を、高温下でn型不純物雰囲気にさらすことにより、ガス拡散などを行ない、図3(b)に示すように、n型層32を形成すると、p型層とn型層の境界部にpn接合33が形成される。つぎに、受光側の表面(以下、「受光面」という。)にあるn型層34以外のn型層を除去することによって、pn接合分離を行なう。接合分離の方法としては、たとえば、受光面にあるn型層34に、耐酸性マスクまたは耐酸性テープなどを貼り付けて、保護した後、混酸などのエッチング処理液に浸漬することにより、保護されていない部分の表面層を化学的にエッチング除去する方法がある。その後、耐酸性マスクあるいは耐酸性テープを剥離すると、図3(c)に示す基板が得られる。
つづいて、光閉じ込め効果を向上させるために、受光面のn型層34上に反射防止膜35を形成する(図3(d))。反射防止膜としては、たとえば、プラズマCVD法によるSi膜などが用いられるが、そのほかにも蒸着法、スパッタ法、スピンコート法、スプレ法、ディップ法などの様々な方法で、SiO、TiO、SnOなどからなる反射防止膜を形成することができる。かかるpn接合形成および反射防止膜形成プロセスの他にも様々な方法が提案され、開発されている。
たとえば、図3(c)に示すpn接合分離工程については、上述のエッチング法の他に、基板の側面および裏側面を機械的に研磨し、n型層を除去して、接合分離を行なう方法がある。また、pn接合分離を予定している部分に、SiOゾル−ゲルペーストを塗工し、硬化させることにより、SiOマスクを形成し、SiOマスクが形成された基板に対しドーピングを行なうことにより、SiOマスクの形成部において、pn接合が分離された状態で接合形成を行なう方法が提案されている(特許文献1参照)。
また、図3(b)のn型層形成工程および図3(d)の反射防止膜形成工程については、n型拡散剤のPをTiO塗布剤と混合した液をスピンコートし、熱処理して、反射防止膜の形成とpn接合を同時に行なう方法がある。かかる方法によれば、図3(c)の接合分離工程も基本的には不要となり、生産性の向上、コストの低減を図ることができる。しかし、均質な膜を得るために、塗布液および塗布条件の工程管理が重要となる。
つづいて、図3(e)に示すように、受光面に電極36を、裏側面に電極37を形成する。電極形成方法としては、蒸着法、めっき法、印刷法などがあるが、特に印刷法は生産性に富み、自動化が容易で、材料収率も良いという利点があり、コスト面でも有利である。印刷法では、たとえば、受光面には、Ag粉末とガラスフリット(溶解前のガラス粉)を有機物バインダに混合したAgペーストを、反射防止膜35上にスクリーン印刷する。また、裏側面のp型シリコン層には、p型ドーパントであるAlを主成分とするペーストを印刷する。さらに、はんだ付けを可能にするため、Al電極上にAgペーストを印刷してもよい。
つぎに、850℃程度で、数分〜数十分程度の熱処理を施す。この熱処理によって、図3(f)に示すように、受光面では、受光面電極が、反射防止膜35を貫通してn型シリコンと接触(ファイアスルー)し、裏側面では、裏側面電極からAlがシリコン基板内へ拡散してBack Surface Field(BSF)層38が形成される。BSFとは、裏側面電極近傍の半導体中に高濃度にp型ドーパントを分布させ、p層を形成することにより、裏側面の近傍に形成させた内蔵電界である。p型層とp層間に形成する内蔵電界によって、p型基板内で生成した少数キャリア(電子)のうち、裏側面に向かうものが反射され、電極部分で再結合しなくなって、pn接合に到達するキャリアが増加する。これにより、長波長域の感度を改善し、光電流を増加させることができる。さらに、p型層とp層間のエネルギ差が開放電圧の増大をもたらし、p層が多数キャリアの正孔に対して、低抵抗のオーム性電極となるので、曲線因子(FF)の改善につながる。
かかるBSF構造の太陽電池は簡便に製作でき、ゆえに低コストであるが、性能面では限界がある。これは、BSF構造を形成するために高濃度に不純物をドーピングすることは、同時に基板内の欠陥を増加させることになり、光生成キャリアの再結合損失が増加するからである。したがって、より高性能を得るためには、BSF構造に代わって、裏側面をSiOなどの絶縁体層により覆い、不活性化し、そこでの光キャリアの再結合損失を低減する必要がある。かかる半導体表面の不活性化をパッシベーションという。図4(a)に、裏側面を酸化膜で覆うことによってパッシベーションを施したPERL(Passivated Emitter, Rear Locally-diffused)と呼ばれる高性能太陽電池構造の例を示す。
図4(a)に示すPERLは、p型基板41上に、n型層42、高濃度n型層(n層)44、反射防止膜45、受光面電極46を形成し、基板表面はテクスチャ構造49を有する。また、基板41と裏側面電極47との間に、酸化パッシベーション層40を形成することによりパッシベーションを施し、表面の再結合を抑制している。さらに、酸化パッシベーション層40に部分的に穴をあけて裏側面電極47とのコンタクトを取り、基板41中のコンタクト部分近傍にのみ、p型不純物を高濃度にドープする(Locally-diffused)p層43を形成することにより、部分的にBSF構造を形成している。かかる構造の太陽電池により、現在、Si系太陽電池として最も高い24.7%の変換効率が報告されている(非特許文献1参照)。
したがって、太陽電池の裏側面をパッシベーションすることにより、太陽電池を高性能化することができるが、その場合の性能はパッシベーション膜の性質によって左右されると考えられる。すなわち、パッシベーション性の良い膜によって裏側面での再結合を低く抑えることができれば、太陽電池の性能は向上するが、パッシベーション性が悪いと、太陽電池の性能を向上させることはできない。表面再結合速度の低いパッシベーションを得るための方法として、Floating Junction(FJ)構造が提案されている。これは、裏側面のp型基板表面にn型拡散を行なってn型表面とし、それに対してパッシベーションを行なう方法である。
図4(b)に、PERF(Passivated Emitter, Rear Floating junction)と呼ばれる高性能太陽電池の例を示す。これは、図4(a)に示すPERL構造を有する太陽電池の裏側面パッシベーションにFJ構造を応用することによって高性能化を図ったものである。図4(a)と比べると、図4(b)では裏側面の酸化パッシベーション層40がn型層42の表面に形成され、かかるn型層42には電極が接続されていない(Floating)ことがわかる。この構造によって720mVというSi太陽電池としては最も高い開放電圧が得られたことが報告されており、このパッシベーション法の有効性が実証されている(非特許文献2参照)。
我々の検討においても、FJ構造によるパッシベーションの有効性を示すデータが得られている。我々は、p型Si基板に対して表面パッシベーションを施したサンプルの少数キャリアの再結合寿命(ライフタイム)を測定することによって、パッシベーション性の評価を行なった。Si基板に対して波長904nmのレーザ光を照射し、それによって基板中に励起された少数キャリア(電子)が再結合によって失われるまでの時間(ライフタイム)を測定した。表面のパッシベーションが不十分な場合は、電子が表面再結合によって速く失われるため、測定されるライフタイムが短くなり、逆に良いパッシベーションがなされていればライフタイムは長くなる。
p型基板表面に熱酸化(800℃、5分)によってパッシベーションを行なったサンプルと、p型基板にn型拡散を施し、基板表面にシート抵抗300Ω/sqのn型層を形成した後、同一の条件で熱酸化によりパッシベーションを行なったサンプルとのライフタイムを測定し、両者を比較した。その結果を表1に示す。表1の結果から明らかなとおり、p型表面に酸化によってパッシベーションを行なったサンプルのライフタイムが67μsであるのに対して、FJ構造を応用し、n型表面へ酸化パッシベーションを行なったサンプルのライフタイムは179μsと大きく向上しており、FJ構造によるパッシベーションの有効性が明らかである。
Figure 2005116783
かかるFJ構造によるパッシベーション性の向上は、以下のような理由によるものと考えられる。その理由の一つは、熱酸化パッシベーションがp型表面よりもn型表面に対してより有効であることによる(非特許文献3参照)。また、2つ目の理由は、電子の動きの違いによるものであり、図5にその原理図を示す。図5(a)に示すように、入射光によってp型基板51内に少数キャリアである電子53が生成すると、電子53はその濃度勾配に従って表面に向かって拡散するため、矢印に示すのような表面へ向かう電子の流れ54ができる。これに対して、図5(b)に示すように、基板51の表面にn型層52がある場合、pn接合55に対して順方向のバイアス電圧がかかると、n型層52からp型基板51に向かって電子が注入される。この電子の流れによって、基板51内で表面へ向かう電子の流れ54が打ち消され、結果的に電子の表面再結合が抑制されると考えられる(非特許文献4参照)。
FJ構造における、電極に接続されていない(Floating)n型層のドーパント濃度は、低い方が、望ましいとされている。その理由の1つは、不純物濃度が低い方が、良質な酸化パッシベーション層が得られることによる。また、2つ目の理由は、n型層のシート抵抗が高い方が、裏側面のp電極との間の漏れ電流を抑制でき、高性能化につながることによるものである。このため、n型層のシート抵抗としては、5000Ω/sqが望ましい(非特許文献5参照)。一方、受光面のn型層としては、高い開放電圧、FFを得るために、シート抵抗が100Ω/sq程度以下になるように高濃度にドーピングする必要があり、したがって、FJ構造で高性能を実現するためには、受光面と裏側面でドーパント濃度の異なるn型層を形成する必要がある。
特開平11−97726号公報 "24.7% efficient PERL silicon solar cells" J. Zhao, A. Wang and M. A. Green, Appl. Phys. Lett., (1999) "Rear Surface Effects in High Efficiency Silicon Solar Cells" S. R. Wenham, S. J. Robinson, X. Dai, J. Zhao, A. Wang, Y. H. Tang, A. Ebong, C. B. Honsberg and M. A. Green, Proc. IEEE 1st WEPVSC, Hawaii (1994) pp.1278-1282 Silicon Solar Cells : Advanced Principles & Practices, M. A. Green (1995) pp.224-225, Centre For Photovoltaic Devices & Systems, UNSW, Sydney "Characterization of High Open-Circuit Voltage Double Sided Buried Contact (DSBC) Silicon Solar Cells" A. Ebong U., S. H. Lee, W. Warta, C. B. Honsberg and S. R. Wenham, Solar Energy Materials & Solar Cells, Vol. 45 (1997) pp.283-299 "Rear surface passivation of high-efficiency silicon solar cells by a floating junction" P. P. Altermatt, G. Heiser, X. Dai, J. Jurgens, A. G. Aberle, S. J. Robinson, T. Young, S. R. Wenham and M. A. Green, Journal of Applied Physics, 80, (1996) pp3574-3586
しかし、基板の受光面と裏側面とで濃度の異なるn型層を形成するためには、2回のn型拡散工程と接合分離工程が必要になる。たとえば、まず、図3(b)に示すように、n層用の高濃度n型拡散を行ない、つぎに、受光面のn層を保護してから、接合分離を行なう(図3(c))。その後、再度、裏側面についてn型層用の低濃度n型拡散を行なう必要がある。したがって、高性能のFJ構造を作るためには、非常に煩雑な工程が必要となり、生産性が悪く、加工費および人件費が高くなる。また、拡散を2回行なうことによって、高純度で高価な拡散源を多量に消費するため、材料費が高くなり、結果として、でき上がった太陽電池のコストも非常に高くなってしまう。さらに、高温の拡散工程を2回通すことになるので、基板の品質が低下する虞がある。一方、受光面と裏側面に1回の拡散でn型層を形成しようとすると、裏側面を低濃度とすることができず、十分な高性能が得られない。
本発明の太陽電池の製造方法は、太陽電池のpn接合形成方法において、
半導体基板の片側表面の一部または全部に拡散制御マスクを形成する第1の工程と、
半導体基板にドーパントを拡散する第2の工程と
を備えることを特徴とする。
本発明においては、拡散制御マスクの膜厚または材質が、拡散制御マスクが形成される半導体基板の位置により異なる態様とすることができ、ドーパントを拡散する第2の工程は、ガス拡散法により行なう態様が好ましい。拡散制御マスクは、スピンオングラス膜が好適である。
本発明の太陽電池は、太陽電池のpn接合形成方法において、
半導体基板の片側表面の一部または全部に拡散制御マスクを形成する第1の工程と、
半導体基板にドーパントを拡散する第2の工程と
を備える方法により製造された太陽電池であって、
半導体基板の受光面と裏側面のドーパント濃度が異なることを特徴とする。ドーパントの濃度が、拡散制御マスクが形成された半導体基板の位置により異なるものが好ましい。
本発明によれば、基板表面および内部へのドーパントの拡散を制御することができ、一度の拡散で受光面と裏側面とでドーパントの濃度が異なる基板を製造することができる。また、同一面内でも領域によりドーパントの濃度が異なる基板を製造することができる。
本発明の太陽電池の製造方法では、pn接合を形成する際に、半導体基板の片側表面の一部または全部に拡散制御マスクを形成し、その後、半導体基板にドーパントを拡散する。拡散制御マスクとは、ドーパントの拡散工程において、ドーパントの拡散を抑制し、または停止させるなどの制御機能を有する膜をいう。半導体基板にドーパントを拡散するときに、事前に、受光面または裏側面の全部を拡散制御マスクで覆う工程を設けることにより、一度の拡散で、受光面と裏側面のドーパント濃度が異なる基板を製造することができる。また、かかる拡散制御マスクの膜厚、材質およびドーパントの拡散条件を調整することにより、拡散制御マスク下の基板表面および基板内部へのドーパントの拡散を容易に制御することができる。このため、高性能の太陽電池を、生産性よく、低コストで製造できるようになる。
また、ドーパントを拡散する前に、受光面または裏側面の一部を拡散制御マスクで覆う工程を設けることにより、同一面内でも部分的にドーパント濃度が異なる基板を、一度の拡散により製造することができる。さらに、拡散制御マスクの膜厚または材質を、拡散制御マスクが形成される半導体基板の位置により異なる態様とすることにより、拡散制御マスクが形成される半導体基板の位置により、同一面内で部分的にドーパント濃度が異なる太陽電池を容易に製造することができる。また、拡散制御マスクを基板の一部に形成する方法と、拡散制御マスクの膜厚または材質を調節する方法を併用することができる。このため、FJ構造のようなドーパント濃度が複雑な分布を有する太陽電池用の基板を、煩雑な工程を経ることなく、簡便、かつ安価に製造することができるようになる。
本発明の製造方法の典型的な例を図1に示す。図1に示す方法により、1回の拡散で、受光面に高濃度n型層(n層)、裏側面に低濃度n型層を有する太陽電池を製造することができる。まず、図1(a)に示すように、p型基板11の低濃度拡散を行なう面(裏側面)に拡散制御マスク18を形成する。拡散制御マスクの材料は、拡散プロセスに対して安定であり、太陽電池の特性を劣化させるような重金属元素などの不純物を含まず、基板へのドーパントの拡散を容易に制御できる点で、SiO、Siなどが好ましい。より具体的には、SOG(Spin On Glass)が好適である。SOGは、SOG膜となるシロキサン成分と溶媒としてのアルコール成分などから調整されるSOG溶液を、スピンコート法などにより基板上に塗布し、熱処理で溶媒などを蒸発させて、膜を硬化し、SOG膜として基板上に形成される。SOGは、シロキサン構造により、シリカガラス、アルキルシロキサンポリマ、アルキルシルセスキオキサンポリマ(MSQ)、水素化シルセスキオキサンポリマ(HSQ)、水素化アルキルシルセスキオキサンポリマ(HOSP)に分類される。
拡散制御マスクの厚さは、ドーパントの種類および拡散制御マスクの材質などによって異なるが、一般的には、拡散制御マスクの下の基板表面および基板内部へのドーパントの拡散を容易に制御できる点で、100nm〜1000nmが好ましく、400nm〜700nmがより好ましい。拡散制御マスクの形成方法には、蒸着、スパッタなどのPVD、CVD、スピンコート、スプレ、印刷、ディップなどがあり、基板、拡散制御マスクの材質および製造コストなどによっても異なるが、一般的には、簡便でありながら、膜厚の細かな制御が可能で、かつ、処理時間が短く、量産性が高いという点で、スピンコート法が好ましい。
つぎに、半導体基板にn型ドーパントを拡散すると、図1(b)に示すように、拡散制御マスク18が形成されている裏側面以外には、高濃度n型層(n層)14が形成されるが、拡散制御マスク18が形成されている裏側面では、ドーパントは、基板の裏側面に到達するまでに拡散制御マスク18内を拡散しなければならず、その分だけ基板に対するドーピングが抑制される。その結果、拡散制御マスクの形成されていない面に形成される高濃度n型層(n層)14と比較して、ドーパント濃度の低いn型層12が形成される。製造条件を調節することにより、裏側面がドーピングされていない基板を製造することも可能である。ドーパントの拡散方法は、不純物の濃度分布の細かな制御が可能で、高品位の接合を形成でき、かつ、一度に大量のウェハを処理することができて量産性がある点で、ガス拡散法が好ましい。
つづいて、エッチングなどにより、拡散制御マスク18を剥離した後、接合分離を行なうことにより、図1(c)に示すような、半導体基板の受光面と裏側面とでドーパントの濃度が異なる半導体基板を、一回の拡散工程で製造することができる。
図4(b)に示すように、FJ構造によるパッシベーションを行なうために、裏側面にn型層42を形成する場合にも、裏側面電極47と接触する部分は、p型層または高濃度p型層(p層)43としなくてはならない。そのため、n型拡散を施すときに、裏側面に部分的に全くn型拡散されない部分を同時に作りこむことが望ましい。同時に、接合分離も行なうことができれば、製造方法はさらに簡略化でき、製造コストを下げることができる。かかる製造方法の一例を図2に示す。
まず、図2(a)に示すように、拡散制御マスク28を、全くドーピングさせたくない領域には厚く形成し(28a+28b)、低濃度にドーピングさせたい領域には薄く形成する(28aのみ)。かかる拡散制御マスクの形成方法としては、たとえば、スピンコート法により均一な厚さで基板21の全面に拡散制御マスクを塗布し、その後、厚塗りしたい領域には、さらに、マスク材料をスクリーン印刷する方法がある。または、最初に基板全面に厚塗りしておき、その後、エッチングなどの方法により部分的にマスクを薄くする方法がある。または、拡散制御マスクの厚さによる制御ではなく、ドーパントの拡散係数が異なる2種類あるいは数種類のマスク材料を基板にスクリーン印刷する方法がある。
つぎに、拡散制御マスク28を形成した基板21に対してドーパントの拡散を行ない、その後、表面堆積物とともに拡散制御マスク28を除去すると、図2(b)に示すように、一度の拡散により、裏側面が、半導体基板の位置により、全くドーピングされていない領域と、低濃度のドーピング層22を有する領域を備え、同時に高濃度n型層(n層)24の形成された半導体基板を製造することができる。全くドーピングされていない領域は、裏側面電極と接触するp型層として利用することができる。
実施例1
まず、p型Si基板の片側表面(裏側面)の全面にのみ、拡散制御マスクを形成した。拡散制御マスクは、SOG溶液をスピンコート法により塗布した後、ベーキングし、形成した。SOG溶液としては、東京応化工業株式会社製のOCD T−2を用いた。また、スピンコートの条件を変えることによって、表2に示すとおり、膜厚の異なる試料1〜3を作製した。これらの試料に対して、POClを拡散源とするn型ドーパントのガス拡散を行なった。その後、試料をフッ酸水溶液に浸漬し、拡散中に表面に堆積したガラス質(PSG)と拡散制御マスク(SOG膜)をエッチングにより除去した。つぎに、それぞれの試料の受光面および裏側面のpn判定を行なうと共に、シート抵抗を測定した。pn判定は、熱起電力法により行なった。これは、シリコンに2つの接点を接触させ、一方の接点を加熱し、接点間の起電力の向きにより判定する方法である。n型であれば、高温接点を+側、常温接点を−側とする起電力が発生し、p型であれば、逆向きの起電力が発生する。その結果を表2に示す。
Figure 2005116783
表2の結果から明らかなとおり、拡散制御マスク(SOG膜)を形成しなかった受光面には、いずれの試料においても、シート抵抗80Ω/sq程度の高濃度n層が形成された。また、拡散制御マスク(SOG膜)を形成した裏側面には、SOGの膜厚により、膜厚が702nmの場合には、n型ドーピングが完全に抑制されて、拡散後もp型のままであったが、膜厚が薄くなるに伴ってp型からn型にドーピングされ、膜厚222nmではn型になっていた。また、膜厚222nmの場合には、裏側面のシート抵抗値は138Ω/sqであり、受光面に比べて約2倍の高抵抗となっており、表裏濃度差拡散が行なわれたことがわかった。
今回開示された実施の形態および実施例はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
FJ構造のようなドーパント濃度が複雑な分布をもつ太陽電池用の基板を簡便に製造し、高性能かつ低コストな太陽電池を製造することができる。
本発明の太陽電池の製造方法を示す工程図である。 本発明の太陽電池の製造方法を示す工程図である。 従来の太陽電池の製造方法を示す工程図である。 (a)はPERL構造の太陽電池を示す模式図であり、(b)はPERF構造の太陽電池を示す模式図である。 (a)はp型基板内での電子の動きを示す原理図であり、(b)はFJ構造における電子の動きを示す原理図である。
符号の説明
11,21 p型基板、12,22 n型層、14,24 高濃度n型層(n層)、18,28 拡散制御マスク。

Claims (6)

  1. 太陽電池のpn接合形成方法において、
    半導体基板の片側表面の一部または全部に拡散制御マスクを形成する第1の工程と、
    前記半導体基板にドーパントを拡散する第2の工程と
    を備えることを特徴とする太陽電池の製造方法。
  2. 拡散制御マスクの膜厚または材質が、拡散制御マスクが形成される半導体基板の位置により異なることを特徴とする請求項1に記載の太陽電池の製造方法。
  3. ドーパントを拡散する第2の工程は、ガス拡散法により行なうことを特徴とする請求項1または2に記載の太陽電池の製造方法。
  4. 拡散制御マスクは、スピンオングラス膜であることを特徴とする請求項1または2に記載の太陽電池の製造方法。
  5. 太陽電池のpn接合形成方法において、
    半導体基板の片側表面の一部または全部に拡散制御マスクを形成する第1の工程と、
    前記半導体基板にドーパントを拡散する第2の工程と
    を備える方法により製造した太陽電池であって、
    半導体基板の受光面と裏側面のドーパント濃度が異なることを特徴とする太陽電池。
  6. ドーパントの濃度が、拡散制御マスクが形成された半導体基板の位置により異なることを特徴とする請求項5に記載の太陽電池。
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