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JP2005097015A - カーボンナノチューブの製造方法 - Google Patents

カーボンナノチューブの製造方法 Download PDF

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Masayuki Tanemura
眞幸 種村
Takehiro Iwamoto
猛弘 岩本
Wunderlich Wilfried
ビルフリド ブンダリッヒ
Ryuta Morishima
龍太 森島
Kyoichi Tange
恭一 丹下
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Abstract

【課題】 単層/多層の層制御や直線状、螺旋状等の形状制御が可能であると共に、径や長さ、配向性の均一なカーボンナノチューブを大量生成することが可能なカーボンナノチューブの製造方法を提供する。
【解決手段】 カーボンナノチューブの製造方法において、真空中、触媒金属を担持しかつ所定温度に加熱された触媒担持体に原料ガスをイオン化して供給する。
【選択図】 図3

Description

本発明は、カーボンナノチューブの製造方法に関し、特にチューブ形状・配向性を制御して合成するカーボンナノチューブの製造方法に関する。
カーボンナノチューブの合成は、主にアーク放電法やレーザー蒸着法によって行なわれているが、単層/多層の層制御を生産規模で実現することは難しく、生成量や煤の混在、生成バラツキの点でも問題がある。すなわち、
アーク放電法では、カーボンナノチューブの生成と共に、黒鉛やアモルファスカーボン等の非晶質状の煤が多量に生成するので、生成されたカーボンナノチューブから煤を分離するために複雑な精製を行なわなければならず、そのためカーボンナノチューブを大量生産することは困難である。また、レーザー蒸着法においても、レーザー出力に対する生産性が極めて低いことから大量生産を行なうことはできない。さらに上記いずれの方法によっても、カーボンナノチューブの径(チューブ径)や層数、長さが大きくばらついてしまい、所望の形状で一定の配向性を有するように生成するのは不可能となる。
カーボンナノチューブを大量生産する技術として、触媒を用いて炭化水素ガスを熱分解することによりカーボンナノチューブを生成する熱分解法(CVD法)が提案されている(例えば、非特許文献1〜3参照)。この熱分解法には、触媒を気相中に浮遊させる方法と、基板(Si基板やゼオライト等)上に触媒を塗布する方法の二種類の方法が知られている。
前記CVD法の一つである、触媒を気相中に浮遊させる方法では、カーボンナノチューブの配向性を保ちながら生成することは不可能であり、また、基板上に触媒を塗布する方法は、カーボンナノチューブ生成時の温度条件や原料ガス濃度に敏感なため、大表面積の基板上に生成しようとする場合には均質な構造のカーボンナノチューブを生成することは困難である。また、直線状もしくは螺旋状といった形状制御を行なうこともできない。
また、プラズマCVD法によってカーボンナノチューブを合成する技術もある(例えば、特許文献1参照)。これは、反応容器内に直流あるいは交流グロー放電によるプラズマを発生させることで基体上にカーボンナノチューブを形成するものである。しかし、電離イオン種やエネルギー、イオン密度等のプラズマパラメータを独立制御することは困難であり、プラズマ制御性に劣るばかりか、基板に存在する微小な突起部でもプラズマが集中してしまう性質があるため、均一なチューブ径や長さ、成長方向等の均一な配向性を有するカーボンナノチューブを生成することは困難である。しかも、直線状もしくは螺旋状といった形状制御を行なうこともできない。
上記以外には、不活性ガス成分のイオンビームを炭素質固体面に照射してカーボンナノチューブを形成する方法に関する開示がある(例えば、特許文献2参照)。
特開平11−11917号公報 特開平9−221309号公報 Chem.Phys.Lett.260(1996)471 J.Phys.Chem.B 103(1999)6484 Chem.Phys.Lett.317(2000)83
上記したように、従来知られている技術では、層構造の制御やチューブ径、長さ、配向性を制御できると共に、均一な径や長さ、配向性を有するカーボンナノチューブを大量に製造し得る技術は確立されていないのが現状である。
本発明は、上記に鑑み成されたものであり、単層/多層の層制御や直線状、螺旋状等の形状制御が可能であると共に、径や長さ、配向性の均一なカーボンナノチューブを大量生成することが可能なカーボンナノチューブの製造方法を提供することを目的とし、該目的を達成することを課題とする。
上記目的を達成するために、本発明のカーボンナノチューブの製造方法は、真空中、触媒金属を担持しかつ所定温度に加熱された触媒担持体に、原料ガスをイオン化して供給しカーボンナノチューブを生成するカーボンナノチューブ生成工程を設けて構成したものである。
本発明のカーボンナノチューブの製造方法においては、真空中において、炭化水素系ガス(例えばメタンガス)、アルコール系ガス(例えばメタノール、エタノール)、及び水素系ガス(例えば水素ガス、アンモニアガス)等の原料ガスを予めイオン化し、イオン化された原料ガスを所定温度に加熱された状態の触媒担持体(例えば触媒担持基板)に照射等して供給する。
本発明では原料ガスをイオン状態にして供給するので、イオン化する際の電流密度やイオン流のエネルギーを容易に制御することが可能となり、基板面における生成条件のバラツキが抑えられ、径や長さ、配向性(配向角度など)の均一(以下、これらが均一な状態を「均質」ともいう)なカーボンナノチューブを生成することができる。その結果、均質なカーボンナノチューブの大量生成が可能であり、大量生成時でも所望の層構造、すなわち単層構造(SWCNT)又は多層構造(MWCNT)に層制御することができる。
また、直線形状のほか、供給されるイオン流の加速電圧を制御するようにすることで螺旋形状に形状制御されたカーボンナノチューブの生成も可能であり、直線形状に生成するときにはその成長方向をもコントロールすることができる。また更に、プラズマCVD法のようなプラズマの集中といった現象もなく、カーボンナノチューブの成長方向はイオン流の方向のみで決定されるので、基板形状に依存することなく、複雑な形状の基板にも均質なカーボンナノチューブを生成することができる。また、イオン化手段を大規模化することで、大表面積の基板にも容易に均質なカーボンナノチューブを生成できる。これは、生成時の熱条件を基板内で揃えるCVD法に比べて飛躍的に容易である。
本発明のカーボンナノチューブの製造方法には、担体に触媒金属を担持して触媒担持体を形成する触媒担持工程と、上記のカーボンナノチューブ生成工程で生成されたカーボンナノチューブを後処理する後処理工程とを更に設けることができる。この場合、触媒担持工程とカーボンナノチューブ生成工程との間、及びカーボンナノチューブ生成工程と後処理工程との間の各工程間隔を600秒以下とすることが好ましい。これにより、一連の工程を短時間で行なうことができるので、特に触媒担持基板や生成後のカーボンナノチューブに不純物(例えばOH基)が付着するのを効果的に防止することができる。触媒担持基板やカーボンナノチューブへの不純物の付着が多くなると、後処理工程においてカーボンナノチューブの一端を開口するキャップオープン処理の程度が低下したり、触媒除去や精製が良好に行なえなくなる。
原料ガスは、イオン銃によって炭化水素系ガス、水素系ガス及びアルコール系ガス等の原料ガスを各々単独系で、あるいは混合系にしてイオン化すると共にイオン流(イオンビーム)として触媒担持体に照射するようにすることができる。このときの触媒担持体の所定温度は、400℃以上とするのが好ましい。
本発明によれば、単層/多層の層制御や直線状、螺旋状等の形状制御が可能であると共に、径や長さ、配向性の均一なカーボンナノチューブを大量生成することが可能なカーボンナノチューブの製造方法を提供することができる。
以下、本発明のカーボンナノチューブの製造方法について詳述する。
本発明のカーボンナノチューブの製造方法は、真空中、触媒金属を担持しかつ所定温度に加熱された触媒担持体に、原料ガスをイオン化し、イオン化された原料ガスを供給してカーボンナノチューブを生成するカーボンナノチューブ生成工程で構成され、後述のように更に触媒担持工程や基板洗浄工程、後処理工程などの他の工程を設けて構成することができる。
カーボンナノチューブ生成工程では、触媒担持体を真空の室に配置すると共にカーボンナノチューブの生成に適した所定温度に加熱された状態とし、該触媒担持体に原料ガス(炭化水素系ガス、アルコール系ガス、あるいは炭化水素系ガス及び/又はアルコール系ガス並びに水素系ガス、等)をイオン化装置(例えばイオン銃)を用いてイオン化し供給(例えばイオン流として照射)する。イオン化装置を用いることで供給時の原料ガスの性状を、生成しようとするカーボンナノチューブの層構造や径、長さ等の形状、配向性に合わせた制御を容易に行なうことができる。
原料ガス供給時の触媒担持体の所定温度としては、400℃以上が好ましい。該所定温度が400℃未満であると、生成速度が遅く、径や長さ、配向性の均一なカーボンナノチューブを安定的に生成するのに不充分である。特に好ましくは、500℃〜600℃であり、この範囲であると均質なカーボンナノチューブをより効率よく生成することができる。また、本工程における真空状態としては、一般に10-3〜10Pa程度が望ましい。
原料ガスには、炭化水素系ガスやアルコール系ガス(CH系ガス)、水素系ガス(H系ガス)が含まれる。具体的には、炭化水素系ガス及びアルコール系ガスの中から選択される少なくとも一種、あるいは炭化水素系ガス及びアルコール系ガスの中から選択される少なくとも一種と水素系ガスの中から選択される少なくとも一種との両方を(場合によりガス化して)用いることができる。前記炭化水素系ガスの炭化水素成分としては、炭素数1〜6の炭化水素(例えばメタン、エタン、アセチレン、ベンゼン等)が好適に挙げられ、前記水素系ガスとしては、例えば水素ガス、アンモニアガス等が好適に挙げられる。また、アルコール系ガスとしては、例えばメタノール、エタノール等が好適に挙げられる。CH系あるいはH系の原料が液相もしくは固相状態である場合には、予め気相とした後にイオン化して供給することができる。
CH系ガスとH系ガスとの混合系の場合、その混合比(CH系:H系)は、1:1〜1:20(分圧比あるいは流量比)が好ましい。但し、最適値はガス種やその組合せにより異なり、例えばアセチレン:アンモニアの場合には1:2が好ましい。
原料ガスをイオン化するイオン化装置としては、イオン銃などが好適であり、公知のイオン銃(例えばカウフマン型イオン銃)から適宜選択して使用することができる。原料ガスをイオン化して供給する際には、複数種の炭化水素系ガス及び水素系ガスを混合した混合系をイオン化し供給するようにしてもよいし、炭化水素系ガス又は水素系ガス毎にあるいは複数種の各ガス成分を個々にイオン化して供給するようにしてもよい。供給時におけるイオン化装置(例えばイオン銃の照射口)と触媒担持体の被供給面との距離は、触媒担持体の大きさに応じて適宜設定することができる。
触媒担持体は、担体表面に触媒金属を担持して構成したものであり、この触媒金属の担持部がイオン化された原料ガスで飽和されると触媒金属の担持部においてカーボンナノチューブが成長する。そして、イオン化条件を制御してイオン流を目的に合わせて適宜最適化することで均質なカーボンナノチューブを生成することができる。
前記触媒金属としては、Fe、Pd、Co、Ni、W、Mo、Mn又はこれらの合金などが挙げられ、前記担体としては、Ni板、ステンレス板、Si、SiC、ゼオライト、活性炭(C)などが挙げられる。また、触媒担持体には、基板に触媒担持された触媒担持基板等が含まれる。
本発明のカーボンナノチューブの製造方法は、上記したカーボンナノチューブ生成工程の前工程に触媒担持工程を、カーボンナノチューブ生成工程の後工程に後処理工程を更に設けて構成することができる。
この場合には特に、触媒担持工程と既述のカーボンナノチューブ生成工程との間、及び既述のカーボンナノチューブ生成工程と後処理工程との間の両方の工程間隔を600秒以下とすることが好ましい。具体的には、触媒担持工程で蒸着処理を完了した時点からカーボンナノチューブ生成工程で所定温度への昇温を開始する時点までの間隔、及びカーボンナノチューブ生成工程でカーボンナノチューブの生成後、所定温度にまで降温を完了した時点から後処理工程として、例えばカーボンナノチューブの一端を開口するための処理(乾燥空気中で550℃にて30分間)を開始する時点までの間隔を600秒以下とすることが効果的である。これら各間隔が600秒を超えると、生成されるカーボンナノチューブの成長角度(即ち配向性)をはじめ、径や長さチューブ、生成間隔等のバラツキが大きくなりすぎ、均質なカーボンナノチューブを生成し得ないことがある。
前記触媒担持工程では、担体に触媒金属を担持してカーボンナノチューブの生成に用いる触媒担持体を作製する。具体的な方法については特に制限はなく、例えば、上記した所望の担体上に蒸着などによって所望の触媒金属を均一に微粒化させて担持させて触媒担持基板を得ることができる。
また、前記後処理工程では、上記したカーボンナノチューブ生成工程で生成されたカーボンナノチューブの後処理を行なう。具体的には、加熱、酸処理(王水処理等)などを行なってチューブ端をカッティングして開口(キャップオープン)する処理や、カーボンナノチューブの生成後に触媒金属の除去処理、付着したアモルファスカーボン等の煤を除去する処理などを行なうようにすることができる。
さらに、前記触媒担持工程前において、使用する担体(基板等)の表面を洗浄する基板洗浄工程を設けることもできる。例えば、基板とする担体を真空にした電気炉中で加熱処理することにより洗浄を行なうことができる。
以下、実施例により本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
図1に示すように、無端ベルトを用いてシリコン基板1を搬送する搬送路が設けられ、その搬送路の搬送方向上流側から順に基板洗浄部(不図示)と触媒担持部10とカーボンナノチューブ生成部20と後処理部30とを設けて構成された装置を用意し、所望のシリコン基板に対して基板洗浄工程、触媒担持工程、カーボンナノチューブ生成工程、及び後処理工程が順次行なえるようになっている。
−基板洗浄工程−
まず、カーボンナノチューブ生成用の基板として、厚さ1.0mm、φ100mmの円盤状のシリコン製基板(Si純度99.999999%)1を用意した。このシリコン基板1を基板洗浄部に設けられた電気炉中に入れ、真空度1.0×10-3Paの雰囲気のもと10℃/minで800℃まで昇温し、5時間加熱処理して洗浄した。その後、30℃/minで20℃まで降温し、20℃に到達した後、次の触媒担持部10に搬送し、大気中で10分間経過した後に触媒担持工程を行なった。
−触媒担持工程−
触媒担持部10には、蒸着装置が設けられており、基板洗浄工程を経たシリコン基板1を蒸着装置に入れ、真空中でCo(コバルト)を120秒間蒸着処理した。シリコン基板の表面に担持されたCoの厚さは10Åであった。
−カーボンナノチューブ生成工程−
カーボンナノチューブ生成部20は、図2に示すように、原料ガスをイオン化して照射可能に構成されたカーボンナノチューブ生成装置(カウフマン型イオン銃)20aと加熱器29とを実装し、搬送されたシリコン基板1と共に所望の真空状態を形成してカーボンナノチューブの生成が可能なように構成されている。図2は、カーボンナノチューブ生成装置20aを備えたカーボンナノチューブ生成部の構成例を示す概略断面図である。
カーボンナノチューブ生成装置20aは、図3に示すように、原料ガス(CH系ガス、H系ガス)をイオン化して照射するカウフマン型イオン銃として構成されたイオン源をなすものである。このカーボンナノチューブ生成装置20aについて、以下に具体的に説明する。
図2に示すように、円筒状中空体の開口する側縁の一方に、円盤状の陰極板(アノード)25と、原料ガスを挿通するガス導入管23に連通する複数の炭化水素系ガス(CH系ガス)供給器21及び複数の水素系ガス(H系ガス)供給器22とが設けられ、また他方の側縁に、イオン閉込めグリッド26とイオン引出しグリッド27とイオン加速グリッド28とが照射方向Aに向かって順次設けられると共に、円筒状中空体の軸心部に陽極(カソード)が設けられており、CH系ガス供給器21からアセチレンガスが、H系ガス供給器22からアンモニアガスが供給されるとイオン化(C22 +,H+)され、イオン加速グリッド28のイオン流照射方向に対向配置されたシリコン基板1に照射され、シリコン基板1のCo担持面にカーボンナノチューブを生成できるようになっている。このとき、アセチレンガスとアンモニアガスは混合された系内でイオン化され、混合系のイオン流として照射される。
前記触媒担持工程での蒸着完了後、大気中で10分間経過した後にCoが担持されたシリコン基板1を、そのCo担持面がカーボンナノチューブ生成装置20aの照射口28aと対向するように配置した。そして、図示しない真空ポンプを駆動させて真空引き(8×10-5Pa)を行ない、カーボンナノチューブ生成部20内を8×10-5Paの真空状態とした。また、加熱器29のフィラメント加熱電流を2.8Aに設定して20℃のシリコン基板を20℃/minで550℃まで加熱した。続いて、イオン流を照射する際の照射条件を下記設定とし、加熱されたシリコン基板のCo担持面に対して略垂直に30分間C22 +及び水素イオンを照射してカーボンナノチューブを成長させた。そして、真空状態のまま10℃/minで20℃まで降温し、次の後処理部30に搬送した。
[照射条件]
・イオン加速電圧=+150V
・イオン電流=1mA
・イオン源への導入ガス圧:アセチレン(C22)ガス=1.5Pa
アンモニア(NH3)ガス=3.0Pa
−後処理工程−
20℃に降温後10分経過した後に、後処理部30に搬送されたシリコン基板を30%王水(室温)に10時間浸漬し、Coを溶解させ、C濃度を高めると共に、カーボンナノチューブの一端を開口するキャップオープンを行なった。
以上のようにして得たカーボンナノチューブを走査型顕微鏡を用いて観察すると共に、そのSEM像からカーボンナノチューブのバラツキ度を定量化した。その結果、図4に示すように、シリコン基板のCo担持面の全面(白い四角形状の部分はサンプリングのために設けたNi片の除去部である。)にカーボンナノチューブが合成されているのが確認され、該基板のいずれの部分においても図5に示すような直線状のカーボンナノチューブが表されたSEM像を得ることができた。カーボンナノチューブの成長方向はイオン照射方向と一致、すなわち基板面に略垂直であり、生成されたカーボンナノチューブは平均直径40nm、平均長さ5μm、成長密度6×107mm-2であり、SEM像から直径、長さ、成長間隔、及びイオン照射方向に対する角度のバラツキを定量評価したところ、各々のバラツキは5%以内に抑えられ(図10参照)、バラツキ度が40%以上である従来のCVD法やプラズマCVD法に比して良好であった。
(実施例2)
実施例1において、シリコン基板を同サイズのステンレス基板に代え、かつ「−カーボンナノチューブ生成工程−」での照射条件を下記条件に代えたこと以外、実施例1と同様して、カーボンナノチューブを合成すると共に、走査型顕微鏡による観察、バラツキ度の定量化を行なった。その結果、図6に示すように、直線状ではなく、螺旋状に制御されたカーボンナノチューブを生成することができた。
[照射条件]
・イオン加速電圧=+150V
・イオン電流=1mA
・ステンレス基板への電圧印加=+150V
・イオン源への導入ガス圧:アセチレン(C22)ガス=1.5Pa
アンモニア(NH3)ガス=3.0Pa
(実施例3〜4)
実施例1において、触媒担持工程とカーボンナノチューブ生成工程との間、及びカーボンナノチューブ生成工程と後処理工程との間の各々の工程間隔を10分から30分(実施例3)、60分(実施例4)に代えたこと以外、実施例1と同様にしてカーボンナノチューブを合成すると共に観察、バラツキ度の定量化を行なった。走査型顕微鏡によるSEM像を図8(実施例3)及び図9(実施例4)に、バラツキ度を実施例1の結果と共に図10に示す。なお、図7は、実施例1で生成したカーボンナノチューブを図5と異スケールで示すSEM像である。
各工程間隔を長くした実施例3〜4でも、生成するカーボンナノチューブの形状制御が可能であり、また、図7〜9及び図10に示すように、径や長さ、成長間隔、及びイオン照射方向に対する角度の均一なカーボンナノチューブを生成することができた。いずれの場合もバラツキは20%以内に抑えられ、バラツキ度が40%以上である従来のCVD法やプラズマCVD法に比して良好であった。上記の実施例1(図10参照)との対比では、バラツキ度が5%以下である実施例1に対し径や長さ、成長間隔、及びイオン照射方向に対する角度のバラツキが大きく、各工程間隔を10分(600秒)以下とすることでより均一なカーボンナノチューブの生成が可能であることが確認された。
本発明のカーボンナノチューブの製造方法によりカーボンナノチューブを生成しているところを説明するための概略工程図である。 (A)はカーボンナノチューブ生成装置の具体的な構成例を示す断面図であり、(B)は(A)のカーボンナノチューブ生成装置を照射側からみた平面図である。 イオン銃を用いて原料ガスをイオン化して照射する例を示す概念図である。 実施例1でシリコン基板上にカーボンナノチューブが生成されていることを示す図である。 実施例1で生成された直線状カーボンナノチューブのSEM像である。 実施例2で生成された螺旋状カーボンナノチューブのSEM像である。 実施例1で生成されたカーボンナノチューブを図5と異スケールで示すSEM像である。 実施例3で生成されたカーボンナノチューブのSEM像である。 実施例4で生成されたカーボンナノチューブのSEM像である。 カーボンナノチューブのバラツキ度を比較するためのグラフである。
符号の説明
1…シリコン基板
10…触媒担持部
20…カーボンナノチューブ生成部
30…後処理部

Claims (4)

  1. 真空中、触媒金属を担持しかつ所定温度に加熱された触媒担持体に、原料ガスをイオン化して供給しカーボンナノチューブを生成するカーボンナノチューブ生成工程を含むことを特徴とするカーボンナノチューブの製造方法。
  2. 担体に触媒金属を担持して前記触媒担持体を形成する触媒担持工程と、前記カーボンナノチューブ生成工程で生成されたカーボンナノチューブを後処理する後処理工程とを更に含み、かつ
    前記触媒担持工程と前記カーボンナノチューブ生成工程との間、及び前記カーボンナノチューブ生成工程と前記後処理工程との間の各工程間隔が600秒以下である請求項1に記載のカーボンナノチューブの製造方法。
  3. 前記原料ガスは、イオン銃を用いてイオン化されて照射されるようにした請求項1又は2に記載のカーボンナノチューブの製造方法。
  4. 前記所定温度が400℃以上である請求項1〜3のいずれか1項に記載のカーボンナノチューブの製造方法。
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