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JP2005085739A - 表示装置および電子機器 - Google Patents

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JP2005085739A
JP2005085739A JP2003320152A JP2003320152A JP2005085739A JP 2005085739 A JP2005085739 A JP 2005085739A JP 2003320152 A JP2003320152 A JP 2003320152A JP 2003320152 A JP2003320152 A JP 2003320152A JP 2005085739 A JP2005085739 A JP 2005085739A
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Abstract

【課題】 外光の反射を確実に抑制してコントラストの向上を図るとともに、良好な特性の発光素子が得られる表示装置を提供する。
【解決手段】 本発明の表示装置は、基板20と、基板20の一面に基板側から順次積層されたチタン膜31Bおよびインジウム錫酸化膜31Aからなる低反射層31と、低反射層31上に形成された絶縁膜55と、絶縁膜55の上方に形成された有機EL素子50等の発光素子とを備えている。
【選択図】 図3

Description

本発明は、表示装置および電子機器に関するものである。
近年、液晶表示装置(LCD)、有機電界発光素子(以下、有機EL素子と記す)等を利用した表示装置が、携帯電話機、コンピュータ、電子手帳、携帯ゲーム機といった様々な電子機器に利用されている。そのため、利用者は、屋内において機器の表示画面を見るだけでなく、屋外においても表示画面を見る機会が多くなっている。
このとき問題になるのが、外部からの光が表示画面に入射する場合である。入射した光は画面で反射されて視認されるが、通常、屋内よりも屋外の方がはるかに強い光が画面に入射し、これが反射されて利用者の目に入る。そのため、表示画面のコントラストが低下し、表示が見にくくなる。
ここで、一例として、表示装置に有機EL素子を利用した場合について考える。有機EL素子は、自己発光であるため視認性が良く、応答速度が速いので、この素子を利用した表示装置は動画表示用の装置として有望である。ところが、現在の有機EL素子は、長寿命を確保した上で高い輝度を得ることが難しい。そのため、屋外では外部からの光の影響による視認性の低下が避けられない。
そこで、外光の反射を抑制してコントラストの向上を図るため、基板の表面に黒色の光吸収体、平坦化層、発光層を積層した構造の表示装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
米国特許5986401号明細書
上記特許文献1に記載の表示装置においては、基板表面に形成する光吸収体としてカーボンブラック等の黒色顔料を分散した有機材料が用いられている。しかしながら、この種の光吸収体では反射率低減の効果が未だ十分でなかった。また、その上に形成する平坦化層も含めて有機材料を用いているため、耐熱性の問題から後で制御用素子や発光素子を形成する際にプロセス温度をあまり高くすることができず、特性の良い素子が得られない、という問題があった。
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであって、外光の反射を確実に抑制して視認性を向上するとともに、良好な特性の発光素子や制御用素子を形成可能な表示装置を提供することを目的とする。また、上記表示装置を備えた電子機器を提供することを目的とする。
本発明者は、表示装置の外光反射対策について鋭意検討した結果、インジウム錫酸化膜(Indium Tin Oxide, 以下、ITOと略記する)とチタン(Ti)膜の積層膜が外光反射の抑制に効果が大きいことを見いだし、本発明の構成に至った。
すなわち、本発明の表示装置は、基板と、前記基板の一面に形成された発光素子と、前記基板と前記発光素子との間に形成されたチタン膜およびインジウム錫酸化膜からなる低反射層と、前記低反射層と前記発光素子との間に形成された絶縁膜と、が備えられたことを特徴とする。
本発明の表示装置においては、発光素子を構成する各層を含め、ITO膜、Ti膜の相互作用により外部からの光の反射率を大幅に低減することができる。この反射率は、ITO膜の膜厚や屈折率、もしくはTi膜の膜厚等のパラメータによって適宜制御することができる。これにより、屋外のような外光が強い場所でも視認性の高い表示装置を実現することができる。また、ITO膜とTi膜からなる低反射層が無機材料(金属)で構成されているため、黒色樹脂を用いた場合に比べて低反射層を形成した後もプロセス温度を比較的高くすることができる。その結果、プロセス条件の選択の自由度が高まり、特性に優れた発光素子が得られやすくなる。また、本発明における低反射層は導電性を有しているが、ITO膜の上面に絶縁膜が形成されているので、上方に形成する発光素子の電極等と確実に絶縁することができる。さらに、この低反射層により装置外部からの電磁波ノイズを遮蔽できる、という効果も得られる。
また、本発明の表示装置は、複数の前記発光素子によって複数の画素が構成され、前記複数の発光素子と前記基板との間に、画素毎の供給電荷量を制御する制御用素子と、前記制御用素子に電気的に接続された配線と、が備えられた構成であっても良い。
この構成によれば、例えば薄膜トランジスタ(Thin Film Transistor, 以下、TFTと略記する)のような制御用素子が形成された基板と発光素子との間に上記低反射層を備えたことにより、ITO膜、Ti膜の相互作用により外部からの光の反射率を大幅に低減することができる。
上記本発明の表示装置において、低反射層を挿入する位置には、大きく分けて以下の2箇所が考えられる。
それは、基板と制御用素子との間、もしくは制御用素子と発光素子との間である。換言すると、前記低反射層および前記絶縁膜を、前記制御用素子および前記配線よりも下層側に形成するか、もしくは、前記制御用素子および前記配線よりも上層側に形成することができる。
前者の構成において、前記配線を透明導電膜で形成しても良い。その場合、透明導電膜として上記のITO、インジウム亜鉛酸化物(以下、IZOと記す)、インジウムセリウム酸化物(以下、ICOと記す)、ガリウム亜鉛酸化物(以下、GZOと記す)、亜鉛酸化物(以下、ZnOと記す)のいずれかを用いることができる。
前者の構成の場合、配線の下層側にITO膜とTi膜とからなる低反射層を備えているので、たとえ配線を透明導電膜で形成したとしても、配線の直下の部分でも外光の反射を抑制することができる。また、基板と制御用素子との間に形成する場合は、低反射層にパターニングを施す必要がなく、全面に形成することが可能であり、工程数の増加が少なくて済む、という利点がある。
一方、後者の構成の場合、配線の上層側に低反射層を備えているので、配線材料を自由に選択することができ、例えば低抵抗で配線材料として好適である反面、光反射率の高いアルミニウム等を用いたとしても外光反射対策にとって何ら支障がない。また、低反射層が制御用素子の遮光膜としても機能するので、保持容量を利用して各発光素子の電流制御駆動を行う場合に表示の安定性を向上することができる。
さらに、後者の構成の場合、前記絶縁膜の膜厚を、前記低反射層を構成する透明導電膜の膜厚以上、前記低反射層を構成する透明導電膜の膜厚の120%以下とすることが望ましい。
この構成とすれば、前記絶縁膜と前記透明導電膜との干渉により反射率が高くなるのを効果的に抑制することができる。
あるいは、前記絶縁膜の膜厚を、前記低反射層を構成する透明導電膜の膜厚の200%以上、前記低反射層を構成する透明導電膜の膜厚の240%以下とすることが望ましい。 このような絶縁膜の膜厚の範囲を用いることにより、前記絶縁膜と前記透明導電膜との干渉により反射率が高くなるのを効果的に抑制することができる。
また、低反射層を構成するTi膜の膜厚は、30nm〜500nmの範囲にあることが望ましい。
その理由は、Ti膜の膜厚が30nmよりも小さいと、反射率が高くなり、実用に供することができないからである。一方、Ti膜の膜厚が500nmよりも大きいと、膜の内部応力が大きくなり、基板の反りや膜の剥離の原因となったり、素子を破壊する恐れがあるからである。また、加工も難しくなる。
一方、低反射層を構成するITO膜の膜厚は、60nm〜100nmの範囲にあることが望ましい。
その理由は、ITO膜の膜厚を60nm程度とした場合に波長40nm付近の光の反射率を最小にできるからである。また、ITO膜の膜厚を100nm程度とした場合に波長70nm付近の光の反射率を最小にできるからである。
また、低反射層を構成するITO膜の表面の算術平均粗さRaが4nm〜50nmの範囲にあることが望ましい。
本発明の表示装置においては、ITO膜の表面を結晶化することでITO膜表面の算術平均粗さRaが4nm〜50nmとなるように成膜し、平滑な面としない方がよい。ITO膜の表面を平滑にしないことにより更なる反射率の低減効果を得ることができるからである。これは、ITO膜の局所的な膜厚がばらつくことにより、様々な波長の光に対してTi膜、その他の膜との相互作用が働くようになるためと考えられる。ただし、表面がこれ以上粗くなると短絡等の問題があって好ましくなく、これ以上平滑であると上記の効果が十分に得られない。
本発明の表示装置において、前記発光素子として有機EL素子を用いることができる。
発光素子として有機EL素子を用いた場合、効率的に作製することが可能であり、低コストで作製することができる。
本発明の電子機器は、上記本発明の表示装置を備えたことを特徴とする。
この構成によれば、外光の強い場所、例えば屋外においても視認性に優れた表示部を有する電子機器を提供することができる。
[第1の実施の形態]
以下、本発明の第1の実施の形態を図1〜図3を参照して説明する。
図1は本発明の表示装置の一例である有機EL装置の全体構成を示す平面図、図2は有機EL装置の一つの画素の平面図、図3は図2のA−A’線に沿う断面図である。なお、以下の全ての図面については各構成要素を見やすくするため、構成要素相互の寸法や膜厚等の関係は適宜異ならせてある。
まず、図1に基づいて、本実施の形態の有機EL装置の全体構成について説明する。
本例の有機EL装置1は、電気絶縁性を有する基板20上に、スイッチング用TFT(制御用素子、図示せず)に接続された画素電極が基板20上にマトリクス状に配置されてなる平面視略矩形の画素部3(図1中の一点鎖線枠内)を具備して構成されている。画素部3は、中央部分の実表示領域4(図1中の二点鎖線枠内)と、実表示領域4の周囲に配置されたダミー領域5(一点鎖線および二点鎖線の間の領域)とに区画されている。実表示領域4には、それぞれ画素電極を有する画素領域R、G、Bが、紙面の縦方向および横方向にそれぞれ離間してマトリクス状に配置されている。また、図1における実表示領域4の左右には走査線駆動回路80が配置される一方、図1における実表示領域4の上下にはデータ線駆動回路93が配置されている。これら走査線駆動回路80、データ線駆動回路93はダミー領域5の周縁部に配置されている。なお、図1においては、走査線およびデータ線の図示は省略する。
さらに、図1におけるデータ線駆動回路93の上側には、検査回路90が配置されている。この検査回路90は、有機EL装置1の作動状況を検査するための回路であって、例えば検査結果を外部に出力する検査情報出力手段(図示せず)を備え、製造途中や出荷時の表示装置の品質、欠陥を検査できるようになっている。なお、この検査回路90も、ダミー領域5の下側に配置されている。また、基板20には駆動用外部基板95が接続され、駆動用外部基板95上に外部駆動回路100が搭載されている。
図2は有機EL装置1の一つの画素を示す平面図である。この図に示すように、データ線10と走査線11とが交差するように設けられており、データ線10と走査線11の交差点の近傍にスイッチング用TFT12(以下、単にTFTと記す)が設けられている。基板20上に、例えば多結晶シリコン等からなる島状の半導体層13が形成され、走査線11から延在するゲート電極14が半導体層13と平面的に交差する構造によりTFT12が構成されている。TFT12のソース領域をなす半導体層13の一端にはコンタクトホール15が形成され、このコンタクトホール15を介してTFT12のソース領域とデータ線10とが電気的に接続されている。一方、TFT12のドレイン領域をなす半導体層13の他端にもコンタクトホール16が形成され、このコンタクトホール16を介してTFT12のドレイン領域と中継導電層17とが電気的に接続されている。中継導電層17はデータ線10と同層で形成されている。また、中継導電層17はコンタクトホール18を介して画素電極19と電気的に接続されている。以上の構成により、TFT12のドレイン領域と画素電極19とが中継導電層17を介して電気的に接続されている。なお、中継導電層17と走査線11を平面的に重ねて配置することにより保持容量を形成しても良い。また、符号22は、インクジェット法等に代表される液滴吐出法で後述するEL層を形成する場合に、いわゆる堰(隔壁)としてEL層の材料となる溶液を溜める囲いとなるバンクである。本実施の形態の場合、バンク22は無機材料層22Aと有機材料層22Bの2層構成となっており、画素電極19の周縁に沿って環状に形成されている。
次に、図3を用いて有機EL装置1の断面構造について説明する。
ガラス等の絶縁性を有する基板20上に、Ti膜31B、ITO膜31Aが順次積層されてなる2層構造の低反射層31が形成されている。Ti膜31Bの膜厚は30nm〜500nmの範囲とすることが望ましい。Ti膜31Bの膜厚が30nmよりも小さいと、反射率が高くなり、実用に供することができず、Ti膜31Bの膜厚が500nmよりも大きいと、膜の内部応力が大きくなり、基板20の反りや膜の剥離の原因となったり、素子を破壊する恐れがあるからである。また、ITO膜31Aの膜厚は60nm〜100nmの範囲とすることが好ましい。ITO膜31Aの膜厚をこの範囲とするとほぼ可視光領域にわたって低い反射率が得られるからである。さらに、ITO膜31Aの表面の算術平均粗さRaを4nm〜50nmの範囲とすることが望ましい。ITO膜31Aの表面をこの程度粗すことにより更なる反射率の低減効果を得ることができるからである。具体的には、結晶化ITOを形成すれば、この程度表面が粗れたITOを成膜できる。また、低反射層31を構成するITO膜31A上に、例えばシリコン酸化膜からなる絶縁膜55が形成されている。
絶縁膜55上にTFT12が形成されている。本実施の形態のTFT12はLDD(Lightly Doped Drain)構造を有しており、半導体層13には高濃度ソース領域13a、低濃度ソース領域13b、チャネル領域13c、低濃度ドレイン領域13d、高濃度ドレイン領域13eが形成されている。そして、半導体層13上にゲート絶縁膜24が形成され、ゲート絶縁膜24を介してチャネル領域13cと対向する領域にゲート電極14が配置されている。ゲート電極14および走査線11を覆うように第1層間絶縁膜25が形成され、第1層間絶縁膜25上にデータ線10および中継導電層17が形成されている。データ線10は、第1層間絶縁膜25およびゲート絶縁膜24を貫通するコンタクトホール15を介して半導体層13の高濃度ソース領域13aに接続されている。一方、中継導電層17は、第1層間絶縁膜25およびゲート絶縁膜24を貫通するコンタクトホール16を介して半導体層13の高濃度ドレイン領域13eに接続されている。本実施の形態の場合、走査線11およびデータ線10等の配線、ゲート電極14、中継導電層17は、ITO、IZO、ICO、GZO、ZnO等の透明導電膜で形成されている。あるいは、これらの配線層にAl等の金属を用いる場合には、Al等の金属層の上層にITO/Tiからなる低反射層を形成すると良い。このようにすれば、配線部分での外光の反射を低減することができる。
データ線10および中継導電層17を覆うように表面が平坦化された第2層間絶縁膜26が形成され、第2層間絶縁膜26上に画素電極19が形成されている。画素電極19は、第2層間絶縁膜26を貫通するコンタクトホール18を介して中継導電層17に接続されている。本実施の形態の場合、画素電極19は、ITO、IZO、ICO、GZO、ZnO等の透明導電膜で形成されており、後述するEL層に正孔を注入するための陽極として機能する。画素電極19の周縁部に沿って無機材料層22Aおよび有機材料層22Bが形成され、これら無機材料層22Aおよび有機材料層22Bの2層によりバンク22が構成されている。バンク22によって区画された画素電極19の中央部に有機EL素子50(発光素子)を構成するEL層27が形成されている。本実施の形態において、EL層27は、例えばチオフェン系導電性高分子からなる正孔注入(輸送)層27Aと発光ポリマー(LEP)からなる発光層27Bの2層で構成されている。EL層27の構成としては、他にも正孔(電子)注入層と輸送層を別個に設けた構成、電子注入層、正孔注入層、発光層の3層からなる構成等を適用しても良い。
EL層27を覆うようにITO、IZO、ICO、GZO、ZnO等の透明導電膜からなる導電膜28が設けられている。本実施の形態の場合、導電膜28はEL層27に電子を注入するための陰極として機能する。ここで、ITOを用いる場合は仕事関数の数値が比較的高いので、EL層27の導電膜28との界面に例えばBCP(バソックプロイン)にセシウムを添加した層やマグネシウムと銀を蒸着した層を設けると、電子が注入されやすくなる。なお、各画素のEL層27の発光制御は各画素のTFT12を介して画素電極19に供給する電荷量によって行われるため、導電膜28は各画素に対して個別に形成する必要はなく、全ての画素にわたって形成すればよい。さらに、EL層27への水分等の浸入を防止するための封止層29が設けられている。
以下、上記構成の有機EL装置1の製造方法について説明する。
まず、基板20の一面に、膜厚30nm〜500nmのTi膜31Bをスパッタ法、イオンビーム蒸着法等により成膜し、次いで、膜厚60nm〜100nmのITO膜31Aをスパッタ法等により成膜することにより低反射層31を形成する。次に、膜厚200〜500nm程度のシリコン酸化膜からなる絶縁膜55をプラズマCVD法等により成膜した後、絶縁膜55上に膜厚30〜70nm程度のアモルファスシリコン膜からなる半導体層をプラズマCVD法等により成膜する。次に、半導体層に対してレーザアニール等による結晶化処理を施し、半導体層を多結晶シリコン膜とする。次に、半導体層をパターニングして島状の半導体層13とした後、膜厚60〜150nm程度のシリコン酸化膜からなるゲート絶縁膜24をプラズマCVD法等により成膜する。次に、ITO等の透明導電膜をスパッタ法等により成膜した後、これをパターニングして走査線11およびゲート電極14を形成する。そして、ゲート電極14をマスクとしたイオン注入により自己整合的にソース・ドレイン領域を形成する。
次に、第1層間絶縁膜25を形成し、半導体層13のソース・ドレイン領域に達するコンタクトホール15,16を形成した後、ITO等の透明導電膜をスパッタ法等により成膜し、これをパターニングしてデータ線10および中継導電層17を形成する。次に、第2層間絶縁膜26を形成し、中継導電層17に達するコンタクトホール18を形成した後、ITO等の透明導電膜をスパッタ法等により成膜し、これをパターニングして画素電極19を形成する。次に、プラズマCVD法等により無機材料膜22Aを形成し、これをパターニングした後、有機材料膜22Bを所定のパターンで形成し、バンク22とする。有機材料膜22Bの形成は、フォトリソグラフィー法、印刷法等を用いることができる。
次に、バンク22により区画された領域に対してインクジェット法等の液滴吐出法を用いて高分子有機化合物を含む溶液を吐出し、EL層27(正孔注入輸送層27Aおよび発光層27B)を形成する。EL層27の形成に際しては、有機化合物材料を含む溶液の充填と乾燥を層毎に繰り返す。EL層27を形成した後、少なくとも画素部3の全面にITO等からなる導電膜28をスパッタ法等により形成する。次に、透明樹脂や薄層による封止層29を形成する。以上の工程により、本実施の形態の有機EL装置1が完成する。
本実施の形態の有機EL装置1によれば、有機EL素子50を構成する各層を含めて、基板表面に形成したITO膜31A、Ti膜31Bからなる低反射層31の相互作用により外部からの光の反射率を大幅に低減することができる。
本発明者は、膜厚が50〜500nmのTi膜、波長520nmの光に対する屈折率が2.15、膜厚が78nmのITO膜をガラス基板上に順次積層し、その上に有機EL素子を形成したものを実際に試作し、外光に対する反射率を評価した。その結果、波長400〜700nmの可視光域にわたって反射率が1〜3%と低い値が得られることを確認した。ITO膜の膜厚については、吸収目標波長やITOの屈折率により最適値が変わり、Ti膜の膜厚については、遮光さえできれば任意の膜厚で良く、膜厚50〜500nmの範囲で良好な結果が得られることがわかった。
よって、このような低反射層31を採用することにより、屋外等の外光が強い場所でも視認性の高い有機EL装置を実現することができる。
また、ITO膜31AとTi膜31Bからなる低反射層31が無機材料(金属)で構成されているため、黒色樹脂を用いた場合に比べて低反射層31を形成した後もプロセス温度を比較的高くすることができる。その結果、プロセス条件の自由度が高まり、特性に優れたTFT12および有機EL素子50が得られやすくなる。また、本実施の形態における低反射層31は導電性を有しているが、ITO膜31Aの上面に絶縁膜55が形成されているので、上方に形成する有機EL素子50の電極等とは確実に絶縁することができる。さらに、この低反射層31により装置外部からの電磁波ノイズを遮蔽できる、という効果も得られる。
また、本実施形態の構成では、低反射層31にパターニングを施す必要がなく、全面に形成することが可能であり、工程数の増加が少なくて済む、という利点がある。
[第2の実施の形態]
以下、本発明の第2の実施の形態を図4を参照して説明する。
図4は本実施の形態の有機EL装置の断面図である(第1の実施の形態の図3に相当する)。本実施の形態の有機EL装置の基本構成は第1の実施の形態と全く同様であり、低反射層の形成位置が異なるのみである。したがって、第1の実施の形態と共通な部分の図示と説明は省略し、異なる部分のみを図4を用いて説明する。
本実施の形態の有機EL装置においては、図4に示すように、基板20上に例えばシリコン酸化膜等からなる下地絶縁膜23が形成され、下地絶縁膜23上にTFT12が形成されている。TFT12やデータ線10、走査線11、中継導電層17等の配線層、これらを覆う第1層間絶縁膜25、第2層間絶縁膜26等の構成は第1の実施の形態と同様である。そして、表面が平坦化された第2層間絶縁膜26上に、Ti膜31B、ITO膜31Aが順次積層されてなる2層構造の低反射層31が形成されている。さらに、これを覆うシリコン酸化膜等の絶縁膜55が形成され、絶縁膜55上にITO等の透明導電膜からなる画素電極19が形成されている。その上の有機EL素子50の構成は第1の実施の形態と同様である。なお、低反射層31は、基板20上の少なくとも画素部3の全体にわたって一体に形成しても良いし、画素毎に分離して形成しても良い。しかしながら、本実施の形態の構成で低反射層31を画素部3の全体にわたって一体に形成した場合、低反射層31が導電性を有しているため、コンタクトホール18の部分で低反射層31と画素電極19が接触すると、画素電極19同士が短絡してしまう。したがって、その場合には、図4に示すように、コンタクトホール18に対応する位置に、低反射層31にコンタクトホール18よりも径の大きい開口部31Hを形成し、低反射層31と画素電極19が接触しないようにする必要がある。本実施の形態における各膜の膜厚の最適な例としては、例えば低反射層31を構成するITO膜31Aが72nm、絶縁膜55(SiO)が80nm、画素電極19(ITO)が145nm、正孔注入層27A(PEDOT)が90nm、発光層27B(LEP)が80nm、導電膜28(ITO)が145nmである。また、低反射層31を構成するITO膜31Aが72nm、絶縁膜55(SiO)が160nmとしてもよい。
本実施の形態の有機EL装置においても、低反射層31の作用により外光の反射率を大幅に低減でき、外光が強い場所でも信頼性良く高い視認性が得られる、プロセス条件の自由度が高まり、特性に優れたTFTおよび有機EL素子が得られる、装置外部からの電磁波ノイズを遮蔽できる、といった第1の実施の形態と同様の効果が得られる。さらに、本実施の形態の場合、データ線10、走査線11等の配線層の上層側に低反射層31を備えているので、配線層の材料を自由に選択することができ、例えば低抵抗で配線材料として好適である反面、光反射率の高いアルミニウム等を用いたとしても、外光反射対策にとって何ら支障がない。
また、本実施形態の構成では、低反射層31がTFT12の遮光膜としても機能するので、保持容量を利用して各発光素子の電流制御駆動を行う場合に表示の安定性を向上することができる。
[電子機器]
以下、本発明の表示装置を備えた電子機器の具体例について説明する。
図5は、携帯電話の一例を示した斜視図である。
図5において、符号501は携帯電話本体を示し、符号510は上記実施の形態の有機EL装置を用いた表示部を示している。
図5に示す電子機器500は、上記の有機EL装置を用いた表示部を備えているので、屋外等の外光が強い場所でも視認性に優れた表示が可能な電子機器を実現することができる。
なお、本発明の技術範囲は上記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。例えば上記実施の形態で例示した各層の材料、膜厚、平面形状等の具体的な記載については適宜変更が可能である。また、表示装置の例としてTFTをスイッチング素子としたアクティブマトリクス型の例を挙げたが、薄膜ダイオード(Thin Film Diode,TFD)をスイッチング素子としたアクティブマトリクス型の表示装置、パッシブマトリクス型の表示装置でも良い。さらに、有機EL装置のみならず、本発明は他の表示装置にも適用が可能である。
本発明の第1の実施形態の有機EL装置の全体構成図である。 同、有機EL装置の一つの画素の構成を示す平面図である。 図2のA−A’線に沿う断面図である。 本発明の第2の実施形態の有機EL装置の断面図である。 本発明の電子機器の一例を示す斜視図である。
符号の説明
1…有機EL装置(表示装置)、10…データ線、11…走査線、12…スイッチング用TFT(制御用素子)、14…ゲート電極、17…中継導電層、19…画素電極、20…基板、31…低反射層、31A…ITO膜、31B…Ti膜、50…有機EL素子(発光素子)、55…絶縁膜

Claims (13)

  1. 基板と、前記基板の一面に形成された発光素子と、前記基板と前記発光素子との間に形成されたチタン膜およびインジウム錫酸化膜からなる低反射層と、前記低反射層と前記発光素子との間に形成された絶縁膜と、が備えられたことを特徴とする表示装置。
  2. 複数の前記発光素子によって複数の画素が構成され、前記複数の発光素子と前記基板との間に、画素毎の供給電荷量を制御する制御用素子と、前記制御用素子に電気的に接続された配線と、が備えられたことを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
  3. 前記制御用素子および前記配線と前記基板との間に、前記低反射層および前記絶縁膜が形成されたことを特徴とする請求項2に記載の表示装置。
  4. 前記配線が透明導電膜からなることを特徴とする請求項3に記載の表示装置。
  5. 前記透明導電膜がインジウム錫酸化物、インジウム亜鉛酸化物、インジウムセリウム酸化物、ガリウム亜鉛酸化物、亜鉛酸化物のいずれかからなることを特徴とする請求項4に記載の表示装置。
  6. 前記発光素子と前記制御用素子および前記配線との間に、前記低反射層および前記絶縁膜が形成されたことを特徴とする請求項2に記載の表示装置。
  7. 前記絶縁膜の膜厚が、前記低反射層を構成する透明導電膜の膜厚以上、前記低反射層を構成する透明導電膜の膜厚の120%以下であることを特徴とする請求項6に記載の表示装置。
  8. 前記絶縁膜の膜厚が、前記低反射層を構成する透明導電膜の膜厚の200%以上、前記低反射層を構成する透明導電膜の膜厚の240%以下であることを特徴とする請求項6に記載の表示装置。
  9. 前記低反射層を構成するチタン膜の膜厚が30nm〜500nmの範囲にあることを特徴とする請求項1ないし8のいずれか一項に記載の表示装置。
  10. 前記低反射層を構成するインジウム錫酸化膜の膜厚が60nm〜100nmの範囲にあることを特徴とする請求項1ないし9のいずれか一項に記載の表示装置。
  11. 前記低反射層を構成するインジウム錫酸化膜の表面の算術平均粗さRaが4nm〜50nmの範囲にあることを特徴とする請求項1ないし10のいずれか一項に記載の表示装置。
  12. 前記発光素子が有機EL素子であることを特徴とする請求項1ないし11のいずれか一項に記載の表示装置。
  13. 請求項1ないし12のいずれか一項に記載の表示装置を備えたことを特徴とする電子機器。
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