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JP2005071932A - 水素発生器及び燃料電池システム - Google Patents

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JP2005071932A JP2003303272A JP2003303272A JP2005071932A JP 2005071932 A JP2005071932 A JP 2005071932A JP 2003303272 A JP2003303272 A JP 2003303272A JP 2003303272 A JP2003303272 A JP 2003303272A JP 2005071932 A JP2005071932 A JP 2005071932A
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Seijiro Suda
精二郎 須田
Masao Nakajima
正雄 中嶋
Yasuyoshi Iwase
安慶 岩瀬
Yusuke Ieda
雄介 家田
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Materials and Energy Research Institute Tokyo MERIT Ltd
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Abstract


【課題】 燃料電池システムに装着され、金属水素錯化合物を含むアルカリ水溶液を用いた水素発生器の水素発生反応の進行を簡単に制御すること
【解決手段】 金属水素錯化合物を含むアルカリ水溶液が収容され水溶液収容部と、前記アルカリ水溶液と接触して水素を発生させる触媒が収容される触媒収容部とを区画して密閉容器内に設け、前記アルカリ水溶液と前記触媒とを接触させて水素を発生させる状態と、前記アルカリ水溶液と前記触媒とを隔離する状態とをスイッチ手段により切り替え、発生した水素を水素放出口から排出して例えば燃料電池に供給する構成とする。この場合、例えば水素供給先が水素を必要とするタイミングにあわせて水素ガスを発生させ、それ以外では水素ガスを発生させないように水素発生の制御を簡単に行うことができる。
【選択図】 図2

Description

本発明は、例えばノート型パソコンなどの携帯用電気機器の電源として搭載される高分子電解質型燃料電池の燃料供給用に適した小型の水素発生器及び、この水素発生器を組み込んだ燃料電池システムに関する。
従来、燃料電池としては高分子電解質型燃料電池が知られており、この燃料電池は例えば水素と酸素とを発電用燃料とし、電極反応により電気エネルギーを得ることにより発電される。近年、燃料電池は種々の電気機器の電源として用いられているが、例えばノート型パソコンなど持ち運びが簡単な携帯用の電気機器に電源として搭載しようとすると、その小型化及び軽量化が望まれる。
前記燃料電池に水素を供給するための水素発生器としては、例えば水素化ホウ素塩などの水素化物と水とを反応させて水素ガスを発生させる手法が知られている(例えば、特許文献1参照。)。図12はその装置構成の概略を示してある。図中10は密閉容器であり、この密閉容器10の内部は隔壁11により区画され、固体の水素化物が充填された第1室12と、この水素化物と反応する例えば水などの反応液が満たされた第2室13とが形成されている。そしてスイッチ14により隔壁11に小さな孔を開けて水素化物と水とを接触させ、この水素化物と水とが反応して水素ガスが発生する。
ところで水素化ホウ素塩などの水素化物は禁水性の危険性物質であるため、水を供給する反応機構とするのは適切であるとはいえない。しかしながら、近年、本発明者らの研究開発により、水素化ホウ素塩などの金属水素錯化合物はアルカリ水溶液中では非常に性状が安定していることが見い出され、この点に着目した水素発生源としての適用可能性について検討がなされており、その一例として、特開2001−19401号公報(特許文献2)には、アルカリ水溶液に溶かした水素化ホウ素塩を水素発生源とし、触媒と接触させて水素を発生させる手法が報告されている。
特開平10−64572号公報(段落0008、第1図) 特開2001−19401号公報(請求項1記載の発明)
しかしながら水素化ホウ素塩を溶かしたアルカリ水溶液を用いる場合、燃料電池が水素を必要とするタイミングにあわせてアルカリ水溶液と触媒とが確実に接触して水素を発生させることを要する。このタイミング以外でアルカリ水溶液と触媒とが接触して水素ガスが発生してしまうと、密閉容器10内の内圧が上昇して例えば接合部などから液漏れを起こす懸念があり、あるいは未使用の水素発生器を装着しようとして密閉容器10の密閉状態を開放したときにアルカリ水溶液や水素ガスが吹き出してしまう懸念がある。
ここでアルカリ成分として例えば水酸化ナトリウムを選択した場合など、アルカリ成分によっては当該アルカリ水溶液が劇薬及び腐食性物質になることから、前記した液漏れを起こしてしまうと使用者にとって危険であり、また電気機器を腐食して故障の一因となる場合がある。更に発生した水素ガスがアルカリミストを同伴して排出されると燃料電池を腐食させて発電ができなくなる懸念がある。
また携帯用電気機器の電源用とする小型の水素発生器は、金属水素錯化合物が水素を発生し終われば別の水素発生器と取り替える、いわゆる使い捨てカートリッジ式の使用態様を想定していることから、上述の問題を解決できたとしても結果として装置構成の複雑化、大型化を招くような手法を採用するのは現実的でない。
以上のような理由から、水素化ホウ素塩などの金属水素錯化合物を溶かしたアルカリ水溶液を水素発生源とする水素発生器においては、水素発生反応の進行を簡単に制御できる小型の水素発生器を実現化するためには更なる装置構成の検討が必要である。
本発明はこのような事情の下になされたものであり、その目的は例えば携帯用電気機器の電源に装着され、金属水素錯化合物を含むアルカリ水溶液を用いた水素発生器において、水素発生反応の進行を簡単に制御することのできる水素発生器を提供すること、及び当該水素発生器を組み込んだ燃料電池システムを提供することにある。
本発明の水素発生器は、密閉容器内に設けられ、金属水素錯化合物を含むアルカリ水溶液が収容された水溶液収容部と、
前記密閉容器内に前記水溶液収容部とは区画されて設けられ、前記アルカリ水溶液と接触して水素を発生させる触媒が収容された触媒収容部と、
前記アルカリ水溶液と前記触媒とを接触させて水素を発生させる状態と、前記アルカリ水溶液と前記触媒とを隔離する状態とを切り替えるためのスイッチ手段と、
発生した水素を放出するための水素放出口と、を備えたことを特徴とする。
また他の発明の水素発生器は、金属水素錯化合物を含むアルカリ水溶液が収容された密閉容器と、
この密閉容器内の前記アルカリ水溶液中に浸漬するように設けられ、当該アルカリ水溶液と接触して水素を発生させる触媒が収容された触媒収容部と、
この触媒収容部に組み合わせて設けられ、触媒収容部内を前記アルカリ水溶液中に開放する状態と前記アルカリ水溶液から隔離する状態との間で開閉する開閉部材と、
前記密閉容器に設けられ、発生した水素を放出するための水素放出口と、を備えたことを特徴とする。
前記触媒収容部は、密閉容器がいずれの姿勢においても前記アルカリ水溶液に浸漬されるように設けられた構成であってもよく、この場合、触媒収容部は、横方向及び高さ方向の中央部に設けられていてもよい。また前記アルカリ水溶液と水素放出口との間を仕切るようにガス透過部材が設けられている構成であってもよい。
更に他の発明の水素発生器は、密閉容器内に設けられ、金属水素錯化合物を含むアルカリ水溶液が収容された水溶液収容部と、
前記密閉容器内に設けられ、アルカリ水溶液と接触して水素を発生させる触媒が積層された触媒層と、
この触媒層の下方側に配置され、反応後のアルカリ水溶液を吸収する吸収体と、
前記水溶液収容部のアルカリ水溶液を前記触媒層に注入するための注入路と、
この注入路を開閉する開閉手段と、
前記触媒層に接触する水素発生空間と、
この水素発生空間に連通する水素放出口と、を備えたことを特徴とする。
また水溶液収容部内のアルカリ水溶液を加圧する加圧手段を備え、この加圧手段の加圧により、アルカリ水溶液を水素発生空間の気圧に抗して触媒層に注入する構成であってもよく、この場合、水溶液収容部は収縮自在に構成され、加圧手段は水溶液収容部を圧縮するものであってもよい。
本発明の燃料電池システムは、水素を発電用燃料とする燃料電池と、
この燃料電池に水素を供給するための上述の水素発生器と、を備えたことを特徴とする。
本発明の水素発生器によれば、金属水素錯化合物と触媒とが接触して水素を発生させる状態と、隔離して水素が発生しない状態とを切り替えるスイッチ手段を備えた構成とすることにより、例えば水素供給先である燃料電池が水素を必要とするタイミングにあわせて水素ガスを発生させ、それ以外では水素ガスを発生させないように水素発生の反応の進行を簡単に制御することができる。
本発明の水素発生器の実施の形態について説明する前に、当該水素発生器を組み込んだ燃料電池システム2の概略について図1を用いて述べておく。この燃料電池システム2は、水素が供給される水素極(負極)と、例えば酸素、過酸化水素などの酸化剤が供給される酸化剤極(正極)と有し、電極反応により電気エネルギーを得ることで発電可能な燃料電池21と、この水素極に水素を供給する水素発生器22と、例えば空気を供給することにより燃料電池21の酸化剤極に酸素を供給する酸素供給手段である給気手段23とを備えており、例えば配管などの流路24を介して燃料電池21と水素発生器22及び、燃料電池21と給気手段23とが夫々接続されている。更に燃料電池21と水素発生器22とを接続する流路24の途中には水素の圧力を検出するための圧力検出部25が設けられている。このような構成において燃料電池システム2は例えば携帯用の電気機器に電源として着脱可能に搭載され、更に例えば圧力検出部25の圧力検出値が所定の圧力以下になったとき水素発生器22で水素発生がなされ、この水素発生器22で発生した水素ガスが流路24を介して燃料電池21の水素極に供給されると共に、給気手段23からの空気が燃料電池21の正極に供給され、電極反応が進行することにより燃料電池21が発電して電気機器に電気を供給する。
(第一の実施例)
本発明の実施の形態にかかる水素発生器について図2〜4を参照しながら説明する。図中3は例えば直径及び高さが夫々60mm及び100mmの円筒状の密閉容器をなす反応容器であり、この反応容器3内には金属水素錯化合物の水素発生反応を促進させるための反応助剤である触媒が充填された(収容された)例えば横に伸びる筒状体をなす触媒収容部31が設けられている。更に反応容器3内には、ガスは通過させるが液体は通過させないガス透過部材であるガス透過膜32が触媒収容部31を囲むようにして仕切り壁として設けられ、このガス透過膜32により区画された内側領域は10〜30重量%の金属水素錯化合物を含む5〜30重量%のアルカリ水溶液が満たされて水溶液収容部33として形成されると共に、外側の空間領域は水素発生空間34として形成されている。即ち、触媒収容部31はアルカリ水溶液中に浸漬するように設けられている。なお、ガス透過膜32は例えば素材としてフッ素系樹脂、ポリエステルなどを選択するのが好ましい。また反応容器3はアルカリ水溶液に対して耐食性を有する材質例えばステンレス系金属のほかポリエチレン、ポリプロピレン、あるいはポリカーボネート、ポリスルホン、ポリアミドなどのエンジニアリングが選択される。
更に反応容器3の一側面には、水素を排出するための例えば取り外し可能なキャップ付きの水素放出口35が水素発生空間34に対応する位置に設けられ、またアルカリ水溶液を供給(充填)をするための開閉機構を備えた水溶液供給口36を水溶液収容部33に対応する位置に設け、更にまた触媒を充填するための開閉機構を備えた触媒充填口37を触媒収容部31に対応する位置に設けてもよい。
ここで反応容器3の容量を大きくしてアルカリ水溶液の収容量(充填量)を多くしておけば、その分長持ちして発電時間を長くできるが、例えば携帯用の電気機器に装着した場合には機器重量が大きくなって持ち運びが不便になるといった理由から、反応容器3の容量は100〜500mlの範囲内で選択するのが好ましく、更にこの範囲内でいずれの容量とするかは装着する電気機器の種類、特にその機器の使用電力(消費電力)に応じて決めるのが好ましい。このように小容量の反応容器3を用いても、本発明においては後述する反応式からも分かるように水素発生量の大きい金属水素錯化合物を用いているため、例えば15重量%の水素化ホウ素ナトリウムを含む10重量%の水酸化ナトリウムを150ml充填しておけば、10W〜15Wの電力を5時間確保することができることを確認している。
前記触媒収容部31は、内筒体4及び、この内筒体4の側面を囲む外筒体41を備えており、この内筒体4の一端側は反応容器3の一端面に固定されると共に、他端側は外筒体41の側端面により塞がれている。この側端面には回転軸42が設けられ、更に当該回転軸42はガス透過膜32及び反応容器3を貫通して外部に設けられた駆動機構43例えばモータと接続されており、駆動機構43により回転軸42が回転して外筒体41が内筒体4の中心軸回りに回転可能なように構成されている。なお、上記の回転軸42は、完全な液漏れ防止を達成するために、電磁石の通電作用による駆動機構で構成してもよい。
また詳しくは図3及び4に示すように、内筒体4の外周面には、例えば断面でみて一端縁から他端縁に亘る半円領域において周方向に分割して触媒を充填するために、各々長手方向に伸びる複数の例えば4個の溝状の触媒充填部44が並んで設けられており、各触媒充填部44内には例えば固体状の棒状の触媒が充填されて触媒層が形成され、更に触媒層の表面を覆うようにして触媒が脱落するのを防止するネット体45が設けられている。また外筒体41の表面には当該筒体の両端部を残して開口部46が形成されており、外筒体41は、回転することにより触媒充填部44の表面に対して開口部46の投影領域を重ねて水溶液収容部33と触媒収容部31とが連通する状態つまり触媒収容部31をアルカリ水溶液中に開放する状態と、重ならないようにして水溶液収容部33と触媒収容部31とを隔離する状態と、を切り替え可能なように開閉部材として構成されている。即ち、この例では触媒充填部44を備えた内筒体4、開口部46を有する外筒体41及び、外筒体41を回転させる駆動機構43により前記した状態を切り替えるスイッチ手段が構成されている。この場合、外筒体41の回転角を変えて投影領域の重なり具合を調整可能なようにしてもよい。このような構成とすればアルカリ水溶液と触媒の接触量を調整して水素ガスの発生量を制御することができるので得策である。外筒体41の回転角の調整は例えば圧力検出部25による水素の圧力に応じて調整してもよく、水素圧が高い場合には開口部46の投影領域を小さくして触媒の接液量を小さくし、水素圧が低い場合には開口部46の投影領域を大きくして触媒の接液量を大きくしてもよい。
前記金属水素錯化合物は、以下の一般式(1)又は(2)で示されるものが選択される(式中のMはアルカリ金属、Mはアルカリ土類金属又は亜鉛、Mは周期表3B族金属、Rはアルコキシル基又はアシルオキシ基、nは0〜3の整数である)。
4−n…(1)
(M4−n…(2)
前記式中のMはアルカリ金属、例えばリチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウムなどであり、Mはアルカリ土類金属、例えばマグネシウム、カルシウム、ストロンチウム又は亜鉛であり、Mは周期表3B族金属、例えば、ホウ素、アルミニウム、ガリウムなどである。
また、Rは例えば、メトキシ基、エトキシ基、n‐プロポキシ基、iso‐プロポキシ基、n‐ブトキシ基、iso‐ブトキシ基、sec‐ブトキシ基、tert‐ブトキシ基、2‐メトキシエトキシ基、2‐エトキシメトキシ基などのようなアルコキシル基又はアセトキシ基、プロピオニルオキシ基のようなアシルオキシ基である。
前記一般式(1)で表わされる金属水素錯化合物の具体例としては、水素化ホウ素ナトリウム(NaBH)、水素化ホウ素カリウム(KBH)、水素化ホウ素リチウム(LiBH)、水素化アルミニウムリチウム(LiAlH)、トリメトキシ水素化ホウ素ナトリウム(NaBH(OCH))、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(NaBH(OCOCH)、トリフェノキシ水素化ホウ素ナトリウム(NaBH(OC)、水素化トリエチルホウ素リチウム(Li(CBH)、水素化トリ‐s‐ブチルホウ素リチウム(Li(s‐CBH)、水素化トリブチルホウ素リチウム(Li(n‐CBH)、水素化トリ‐s‐ブチルホウ素カリウム(K(s‐CBH)、水素化トリフェニルホウ素カリウム(K(CBH)、トリメトキシ水素化アルミニウムリチウム(LiAlH(OCH)、モノエトキシ水素化アルミニウムリチウム(LiAlH(OC))、トリ‐tert‐ブトキシ水素化アルミニウムリチウム、水素化ビス(2‐メトキシエトキシ)アルミニウムナトリウムなどを挙げることができる。また、一般式(2)で表わされる金属水素錯化合物の例としては、水素化ホウ素亜鉛(Zn(BH)、水素化ホウ素カルシウム(Ca(BH)、テトラメトキシ水素化ホウ素亜鉛(Zn[B(OCH)、ヘキサエトキシ水素化ホウ素カルシウム(Ca[B(OCH])などを挙げることができる。アルカリ水溶液に溶かす金属水素錯化合物としては、上記のなかから1種類を選択してもよく、あるいは複数種類の組み合わせを選択するようにしてもよい。
また前記アルカリ水溶液のアルカリ成分としては、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムのようなアルカリ金属水酸化物や、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシドのような第四アルキルアンモニウム化合物が選択される。
更に前記触媒としては、水素発生触媒能を有する金属、水素吸蔵合金、それらのフッ素処理物から選択される。例えばニッケル、コバルト、チタン、ジルコニウム、鉄、ロジウム、白金、パラジウム、銀、金などの水素発生用触媒が選択される。また水素吸蔵合金としては、例えばMgNi合金、MgNiとMgとの共晶合金のようなMgNi系合金のAB型合金;ZrNi系合金やTiNi系合金などのラベス相系AB型合金;TiFe系合金にようなAB型合金;LaNi系合金にようなAB合金;TiV系合金のようなBCC型合金の中から任意に選ばれる。これらは単独で又は2種以上を混合して用いられる。これらの水素発生触媒能を有する金属又は水素吸蔵合金は、フッ化処理を施すことにより、その水素発生触媒としての性能を著しく高めることができる。このフッ化処理は、例えば所定の金属又は合金をフッ化剤含有の水溶液に浸漬して、フッ化処理された表面又は合金を形成されることによって行われる。触媒は粉粒子状であってもよく、あるいは棒状、板状、メッシュ状、又は発泡体(多孔体)であってもよい。更に粉粒子状の触媒は袋体に充填(パック)して用いてもよい。
続いて上述の水素発生器で水素ガスを発生させる手法について、図1記載の燃料電池システム2に搭載した例を一例に挙げて説明する。先ず、水素発生器22を燃料電池システム2内の所定の場所に搭載し、水素放出口35と燃料電池21とを流路24を介して接続する。接続時には例えば圧力検出部25の圧力検出値が設定値よりも低いので図示しない制御部を介して駆動機構43により外筒体41が内筒体4の中心軸回りに所定の角度回転し、触媒充填部44の表面に対して外筒体41の開口部46の投影領域を重ねることにより触媒収容部31がアルカリ水溶液中に開放され、例えば水圧によりアルカリ水溶液が触媒収容部31内に流れ込んでアルカリ水溶液と触媒とが接触する。このとき触媒の活性作用により金属水素錯化合物とアルカリ水溶液の水とが反応し、例えば一例として以下の反応式(3)又は(4)に示すような加水分解反応が促進されて水素ガスが発生されると共に、金属酸化物が生成されてアルカリ水溶液が劣化していく。反応容器3内で発生した水素ガスは、例えば気泡状で水溶液収容部33内を上昇し、ガス透過膜32を通過することによりアルカリミストが分離されて水素発生空間34に供給される。このときガスのリフト効果により水溶液収容部33内のアルカリ水溶液が撹拌されてアルカリ水溶液の濃度分布が生じるのが抑えられる。そして水素放出口35を介して外部に排出された水素ガスは、流路24内を通って燃料電池21の水素極に供給され発電用燃料として使用されることとなる。
4−n+2HO→(4−n)H+M+nRH…(3)
(M4−n+4HO→ 2(4−n)H+ M(M+ 2nRH…(4)
(式中のM、M、M、R及びnは前記と同じ意味をもつ)
しかる後、例えば電気機器の電源をオフにするなどして燃料電池21の発電動作が中断されて流路24内の水素圧が上昇すると、圧力検出部25の圧力検出値が設定値よりも高くなるので駆動機構43により外筒体41が回転し、触媒充填部44の表面に対して開口部42の投影領域が重ならない位置に設定される。これにより水溶液収容部33と触媒収容部31とが隔離された状態となり水素ガスが発生しなくなる。但し、厳密には触媒収容部31が密閉状態となっても未反応のアルカリ水溶液が触媒収容部31内に残存しているので、このアルカリ水溶液から水素ガスが発生してしまうが、この例では内筒体4と外筒体41との間には高度なシール性を要求していない作りとなっていることから、発生した水素ガスは外筒体41と内筒体4の間の僅かな隙間から水溶液収容部33へ排出される。なお、このような隙間があってもアルカリ水溶液は残存する水素ガスの発生と表面張力によりこの隙間内に進入することができず、前記残存したアルカリ水溶液の反応が終わればその後に反応容器3内で水素が発生することは殆どない。
また使用後の水素発生器22は燃料電池システム2から取り外され、例えば回収業者により回収されてリサイクルされる。具体的には水溶液供給口36を介して使用済みのアルカリ水溶液が新しい別のアルカリ水溶液と交換されて再使用される。なお、当該水素発生反応は金属水素錯化合物の加水分解反応であることから触媒活性が低下することが少ないので、触媒は再度継続して使用可能であるが、例えば10回のリサイクルに一回の周期で全量が交換するのが好ましい。このような構成とすれば、一般的に高価な触媒を再使用できるので、運転コストを低く抑えることができ得策である。
以上のように上述の実施の形態においては、開閉部材である外筒体41の開閉により金属水素錯化合物を含むアルカリ水溶液と触媒とが接触して水素を発生させる状態と、隔離されて水素を発生させない状態とを切り替える構成とすることにより、例えば燃料電池21が水素を必要とするタイミングにあわせて水素ガスを発生させ、それ以外では水素ガスを発生させないように水素発生反応の制御を簡単に行うことができる。このため例えば電気機器の不使用時において、例えば携帯用電気機器を使用者が持ち歩く際に水素発生器が斜めになったり、振動したりしても、反応容器3内で金属水素錯化合物と水とが反応して水素ガスを発生することがないか、あるいは極めて少ない。その結果として、反応容器3内の圧力が上昇して例えば接合部などからアルカリ水溶液や水素ガスが漏れることが抑えられる。また例えば燃料電池システム2に装着する前においても、反応容器3の密閉状態を開放したときにアルカリ水溶液や水素ガスが吹き出すことが少ない。
更に上述の実施の形態においては、水溶液収容部33内の横方向及び高さ方向の中央部に触媒収容部31を配置することで水素発生器がいずれの姿勢にあってもアルカリ水溶液中に触媒収容部31が浸漬されるので、例えば水素発生器の上下が逆さまになったり、斜めになった姿勢で開閉部材41を開いても、例えばポンプなどの移液手段を用いなくとも水圧により触媒収容部31内にアルカリ水溶液が流れ込んで水素を発生させることができる。そのため、例えば電気機器がどの様な姿勢で使用されたとしても水素を確実に発生させるように制御することができ、結果として電気を安定して電気機器に供給することができる。
更に上述の実施の形態においては、アルカリ水溶液と水素放出口35との間をガス透過膜32で仕切る構成とすることにより、水素ガスはアルカリミストが分離されてから外部に排出されるので、燃料電池21内にアルカリ成分が供給されて腐食されることが抑えられる。
更に上述の実施の形態においては、水素発生器22を燃料電池システム2に着脱自在なカートリッジ式の構成とすることにより、金属水素錯化合物が反応し終われば新しい別の水素発生器に簡単に付け替えることができる。この場合、既述のようにガス透過膜32の液体遮断作用を利用したことにより、逆さにしても水素放出口35からアルカリ水溶液が出てこないので、作業者にとって安全である。
更に上述の実施の形態においては、極めて少ない触媒量で金属水素錯化合物の水素発生反応を促進させることができるので、結果として装置の小容量化を図ることができる。
(第二の実施例)
本発明の実施の形態にかかる他の水素発生器について図5及び6を参照しながら説明する。この例では例えば直径及び高さが夫々80mm及び60mmの縦型の円筒形であって、その天井面に水素放出口50を有する密閉容器をなす反応容器5を用意し、この反応容器5内に金属水素錯化合物を含むアルカリ水溶液が満たされて水溶液収容部51が形成されている。更に反応容器5内を上下に区画するようにガス透過部材であるガス透過膜52が設けられ、反応容器5の上部領域は水素発生領域53として形成されている。このガス透過膜52は、ガスは通過するが液体は通過させない材質のものが選択され、これにより反応容器5が傾いてもアルカリ水溶液が外部に漏れ出すことが防止される。
また反応容器5の底面部には、例えば底面中央部が例えば円筒状に外側に張り出して触媒収容部をなす凹部54が形成されており、この凹部54内に例えば粉粒子状の触媒が充填されて触媒層が形成され、更に触媒層の表面は触媒が脱落しないようにネット体55で覆われている。更に凹部54の上方には例えば凹部54の外縁よりも大きい円板状の蓋体56が設けられている。この蓋体56の裏面には、その一端が反応容器5の底部に接続された伸縮部材例えばバネ体57の他端が接続され、当該バネ体57の復元作用により、開閉部材である蓋体56が反応容器5の底面側に引き付けられて凹部54内を密閉にし、触媒収容部をなす凹部54内の触媒層をアルカリ水溶液から隔離している。更にこの蓋体56は後述するスイッチ手段により上昇可能であり、蓋体56が上昇位置にあるときには凹部54内がアルカリ水溶液に開放され、水圧によりアルカリ水溶液が凹部54内に流れ込んでアルカリ水溶液と触媒とが接触する。
反応容器5の底面外側には、例えば3個の電磁石6が同心円状に配置されている。また蓋体56の下面側の外周縁部には例えば磁石からなるリング体56aが設けられている。そして電磁石6に通電がされていないときにはバネ体57の収縮作用により蓋体56が下降位置に設定され、リング体56aと同じ極性を帯びるように電磁石6に図示しない電源部から電気が供給されると、電磁石6とリング体56aとの間に斥力(反発力)が作用し、バネ体57の力に抗して蓋体56を上昇位置まで上昇させることができるように構成されている。即ち、この例では蓋体56、電磁石6、バネ体57及びリング体56aにより、アルカリ水溶液と触媒とが接触する状態と、接触しない状態とを切り替えるスイッチ手段が構成されている。なお電磁石6に供給する電気の大きさを変えることにより蓋体56の高さ位置を調節可能なように構成してもよい。このような構成とすれば、凹部54内に流れ込むアルカリ水溶液の量を調整することができるので、例えば圧力検出部25の圧力検出値に基づいて水素ガスの発生量を制御できる点で得策である。
続いて上述の水素発生器で水素ガスを発生させる手法について、図1記載の燃料電池システム2に搭載した例を一例に挙げて説明する。先ず水素発生器22を燃料電池システム2内の所定の場所に搭載し、水素放出口50と燃料電池21とを流路24を介して接続する。更に電磁石6に図示しない電源部からの配線を接続する。接続時には例えば圧力検出部25の圧力検出値が設定値よりも低いので図示しない制御部を介して電磁石6に電気が供給され、電磁石6が所定の極性の磁性を帯びることによりリング体56aとの間で反発力が作用し、バネ体57の収縮作用に抗して蓋体56を上昇させる。蓋体56が上昇することにより触媒収容部をなす凹部54が開放されると、蓋体56と反応容器5の底部との間にできた隙間からアルカリ水溶液が水圧により凹部54内に流れ込んでアルカリ水溶液と触媒とが接触する。このとき触媒の活性作用により、例えば上記反応式(3)又は(4)に示す金属水素錯化合物と水との加水分解反応が促進されて水素ガスが発生すると共に、金属酸化物が生成してアルカリ水溶液が劣化していく。発生した水素ガスは、例えば気泡状で水溶液収容部51内を上方に向かって上昇し、ガス透過膜52を通過することでアルカリミストが分離されて水素発生空間53に供給される。このとき上昇するガスのリフト効果により反応容器5内のアルカリ水溶液が撹拌されてアルカリ水溶液に濃度分布が生じるのが抑えられる。そして水素放出口50を介して外部に排出された水素ガスは、流路24内を通って燃料電池21の水素極に供給され発電用燃料として使用されることとなる。
しかる後、例えば電気機器の電源をオフにするなどして燃料電池21の発電動作が中断されると、圧力検出部25の圧力検出値が設定値よりも高くなるので電磁石6への電気供給が停止されて電磁石6が磁性を失い、バネ体57の収縮作用により蓋体56が下降して凹部54内が密閉にされ、アルカリ水溶液と触媒とが隔離されて水素ガスが発生しなくなる。
このような構成であっても、開閉部材である蓋体56の昇降により金属水素錯化合物と触媒とが接触して水素を発生させる状態と、接触させないで水素が発生しない状態とを切り替える構成とすることにより、上述の場合と同様の効果を得ることができる。更に、少なくとも水溶液収容部51内の液面よりも下方側に触媒収容部をなす凹部54を配置して浸漬させることにより、水素発生器が例えば斜めになった姿勢で蓋体56を上昇させても凹部54内にアルカリ水溶液が流れ込んで水素ガスを発生させることができるので、上述の場合と同様の効果を得ることができる。更にアルカリ水溶液と水素放出口50との間をガス透過膜52で仕切る構成とすることにより上述の場合と同様の効果を得ることができる。
(第三の実施例)
続いて本発明の実施の形態にかかる他の水素発生器について図7〜9を参照しながら説明する。この例では例えば直径及び高さが夫々80mm及び60mmの縦型の円筒形であって、その天井面に水素放出口70を有する密閉容器をなす反応容器7を用意し、この反応容器7内に金属水素錯化合物を含むアルカリ水溶液が満たされて水溶液収容部71が形成されている。更に反応容器7内を上下に区画するようにガス透過部材であるガス透過膜72が設けられ、反応容器7の上部領域は水素発生空間73として形成されている。このガス透過膜73は、ガスは通過するが液体は通過させない材質のものが選択され、これにより反応容器7が傾いてもアルカリ水溶液が外部に漏れ出すことが防止される。また反応容器5内は仕切り板74により上下に区画されており、下方領域には例えば粉粒子状の触媒が充填されて触媒収容部75が形成されている。また仕切り板74の裏面側には、仕切り板74の表面に形成された例えば扇状の開口部76を開閉するための例えば仕切り板74と同じ大きさの開口部77を有する開閉部材である開口部規制板78が互いの表面が極めて接近した状態で上下に並べて設けられている。
前記開口部規制板78の例えば中央部には、縦に伸びる回転軸8が設けられており、この回転軸8は反応容器7の底面を貫通して、外部に配置された駆動機構81例えばモータと接続されている。82はシール材を兼ねた軸受け部である。そして駆動機構81により回転軸8が回転し、開口部規制板78が鉛直軸周りに回転して開口部76に対する開口部77の投影領域を重ね合わせることで触媒収容部75内がアルカリ水溶液に開放され、投影領域を重ねないようにしてアルカリ水溶液と触媒とが隔離されるように構成されている。即ち、この例では、仕切り板74、開口部規制部材78及び駆動機構81によりスイッチ手段が構成されている。なお、開口部規制板78の回転角を変えて、開口部76に対する開口部77の投影領域の重なり具合を調整する構成としてもよい。このような構成とすれば、触媒収容部75内に流れ込むアルカリ水溶液の量を調整することができるので、例えば圧力検出部25の圧力検出値に基づいて水素ガスの発生量を制御できる点で得策である。
続いて上述の水素発生器で水素ガスを発生させる手法について、図1記載の燃料電池システム2に搭載した例を一例に挙げて説明する。先ず、水素発生器22を燃料電池システム2内の所定の場所に搭載し、水素放出口70と燃料電池21とを流路24を介して接続する。接続時には例えば圧力検出部25の圧力検出値が設定値よりも低いので図示しない制御部を介して駆動機構81により開口部規制板78が鉛直軸周りに回転し、仕切り板74の開口部76に対して開口部規制板78の開口部77の投影領域を重ねて触媒収容部75内がアルカリ水溶液に開放され、水圧によりアルカリ水溶液が触媒収容部75へ流れ込んでアルカリ水溶液と触媒とが接触する。このとき触媒の活性作用により、例えば上記反応式(3)又は(4)に示す金属水素錯化合物と水との加水分解反応が促進されて水素ガスが発生すると共に、金属酸化物が生成してアルカリ水溶液が劣化していく。水素ガスは水溶液収容部71内を上昇し、ガス透過膜73を通過することによりアルカリミストが分離されて水素発生空間73に供給される。そして水素放出口70から外部に排出された水素ガスは、流路24内を通って燃料電池21の水素極に供給され発電用燃料として使用されることとなる。
しかる後、例えば電気機器の電源をオフにするなどして燃料電池21の発電動作が中断されると、圧力検出部25の圧力検出値が設定値よりも高くなるので、駆動機構81により開口部規制部材78が回転して開口部76が閉じられ、これにより水溶液収容部71と触媒収容部75とが隔離された状態となり、アルカリ水溶液と触媒とが接触しなくなって水素ガスが発生しなくなる。
このような構成であっても、開閉部材である開口部規制板78の開閉により金属水素錯化合物と触媒とが接触して水素を発生させる状態と、接触させないで水素が発生しない状態とを切り替える構成とすることにより、上述の場合と同様の効果を得ることができる。更に、少なくとも水溶液収容部71内の液面よりも下方側に触媒収容部75を配置して浸漬させることにより、水素発生器が例えば斜めになった姿勢で開口部規制板78を開いても、触媒収容部75内にアルカリ水溶液が流れ込んで水素ガスを発生させることができるので、上述の場合と同様の効果を得ることができる。更にアルカリ水溶液と水素放出口70との間をガス透過膜72で仕切る構成とすることにより上述の場合と同様の効果を得ることができる。
(第四の実施例)
続いて本発明の実施の形態にかかる他の水素発生器について図10を参照しながら説明する。この例では例えば直径及び高さが夫々80mm及び100mmの縦型の円筒形の密閉容器をなす反応容器9を用意し、この反応容器9内の上部側にはアルカリ水溶液が満たされた水溶液収容部91が設けられ、底部側には例えば粉粒子状の触媒が積層された触媒層である触媒部92が設けられている。また触媒部92の下方側には水素を発生させた後のアルカリ水溶液を吸収する吸収体93例えば脱脂綿、天然繊維のパルプ、吸水紙、ポリビニルアルコールなどの吸水性樹脂(親水性ポリマー)が配置されている。また触媒部92の表面は触媒が脱落するのを防止するためのネット体94で覆われており、この触媒部92の上方空間は水素発生空間95が形成されている。
前記水溶液収容部91は側周面が収縮自在なベローズ体91aで形成されており、更に天井板91bと反応容器9の内壁面とに跨って設けられた加圧手段である弾性部材例えばバネ体96の復元力により、天井板91bが下方側に押されて水溶液収容部91が収縮されて常時加圧された状態となっている。水溶液収容部91と触媒部92とは先端が細径路である注入路97を介して接続されており、この注入路97の途中には開閉手段であるバルブ98と、触媒部92で発生した水素ガスが水溶液収容部91側に逆流するのを防止する逆止弁99とが設けられている。即ち、この例ではバルブ98によりスイッチ手段が構成されている。また水素発生空間95の上方には水素ガスを排出するための水素ガス排出口100が設けられており、この水素放出口100の開口部はガス透過部材であるガス透過膜101で覆われている。
続いて上述の水素発生器で水素ガスを発生させる手法について、図1記載の燃料電池システム2に搭載した例を一例に挙げて説明する。先ず水素発生器22を燃料電池システム2内の所定の場所に搭載し、水素放出口100と燃料電池21とを流路24を介して接続する。接続時には圧力検出部25の圧力検出値が設定値よりも低いので図示しない制御部を介してバルブ98が開かれ、バネ体96の復元力により加圧状態の水溶液収容部91から注入路97を介して、水素発生空間95の気圧(水素圧)に抗してアルカリ水溶液が触媒部92に滴下供給される。そしてアルカリ水溶液と触媒とが接触した際に、例えば上記反応式(3)又は(4)に示す金属水素錯化合物の加水分解反応が進行して水素ガスが発生する。更に反応し終わったアルカリ水溶液は下方側の吸収体93に吸収される。発生した水素ガスはガス透過膜101を通過する際にアルカリミストが分離されて水素放出口100から排出され、流路24内を通って燃料電池21の水素極に供給され発電用燃料として使用されることとなる。
しかる後、例えば電気機器の電源をオフにするなどして燃料電池21の発電動作が中断されると、圧力検出部25の圧力検出値が設定値よりも高くなるので図示しない制御部を介してバルブ98が閉じられ、これによりアルカリ水溶液の注入がされなくなって水素ガスが発生しなくなる。
このような構成であっても、スイッチ手段により金属水素錯化合物を含むアルカリ水溶液と触媒とが接触して水素を発生させる状態と、接触させないで水素が発生しない状態とを切り替えるとすることにより、上述の場合と同様の効果を得ることができる。更にこの例においては、触媒部92の下方側に配置された吸収体93が反応後のアルカリ水溶液を吸収するので、水素と共に生成される金属酸化物を触媒の表面から素早く取り除くことができる。このため金属酸化物が析出して触媒の活性点が覆われることが少なく、触媒活性を低下させることが抑えられる。その結果として水素発生反応の反応率が低下することが抑えられるので、安定して水素を供給することができる。更にこの例の他の効果として、反応後のアルカリ水溶液を吸収体93に吸収させて固定することにより、使用後の反応容器9をリサイクルする際には吸収体93を取り出して廃棄すればよいので、アルカリ水溶液の廃棄作業を簡単にすることができる。また水溶液収容部91内に反応後のアルカリ水溶液が混ざらないので、水溶液収容部91内のアルカリ水溶液中の金属水素錯化合物の濃度が変化することが少ない。このため触媒部92に対してフレッシュなアルカリ水溶液を常時供給できるので、濃度のばらつきにより水素発生量がばらつくことが少ない。
なお上述の実施の形態においては、加圧手段はバネ体96に限られず、例えば図11に示すように、水溶液収容部91の天井板91b及び反応容器9に夫々設けられた磁石102a(102b)の反発力により加圧するように構成してもよい。この場合であっても上述の場合と同様の効果を得ることができる。また上述の実施の形態においては、注入路97の先端は触媒部92から離れた構成に限られず、触媒部92内に位置していてもよい。更に上述の実施の形態においては、反応容器9内に水溶液収容部91を設けた構成に限られず、例えばベローズ体91aを反応容器9の一部として構成してもよい。
本発明においては、モータなどの駆動機構43(81)、電磁石6を駆動源としたスイッチ手段に限られず、例えば発生して排出された水素の背圧を用いてスイッチ手段を切り替える構成であってもよい。このような構成であっても上述の場合と同様の効果を得ることができる。なお上記した第一〜第四の実施例において、水素発生器の水溶液収容部に収容する金属水素錯化合物を含むアルカリ水溶液は、その安定かつ安全な保持を図るために、いずれも前記したような吸収体に含浸した状態(形態)で水溶液収容部内に収容してもよい。
本発明の水素発生器を組み込んだ電池システムを示す説明図である。 本発明の実施の形態にかかる水素発生器を示す縦断面図及び側面図である。 上記水素発生器の触媒収容部を示す斜視図である。 上記水素発生器の触媒収容部を示す断面図である。 本発明の実施の形態にかかる他の水素発生器を示す縦断面図である。 本発明の実施の形態にかかる他の水素発生器を示す平面図である。 本発明の実施の形態にかかる更に他の水素発生器を示す縦断面図である。 上記水素発生器のスイッチ手段を示す斜視図である。 上記水素発生器のスイッチ手段を示す斜視図である。 本発明の実施の形態にかかる更に他の水素発生器を示す縦断面図である。 上記水素発生器の他の加圧手段を示す説明図である。 従来の水素発生器を示す説明図である。
符号の説明
2 燃料電池システム
21 燃料電池
22 水素発生器
3、5、7、9 反応容器
31、58、75 触媒収容部
33、51、71、91 水溶液収容部
92 触媒部

Claims (9)

  1. 密閉容器内に設けられ、金属水素錯化合物を含むアルカリ水溶液が収容された水溶液収容部と、
    前記密閉容器内に前記水溶液収容部とは区画されて設けられ、前記アルカリ水溶液と接触して水素を発生させる触媒が収容された触媒収容部と、
    前記アルカリ水溶液と前記触媒とを接触させて水素を発生させる状態と、前記アルカリ水溶液と前記触媒とを隔離する状態とを切り替えるためのスイッチ手段と、
    発生した水素を放出するための水素放出口と、を備えたことを特徴とする水素発生器。
  2. 金属水素錯化合物を含むアルカリ水溶液が収容された密閉容器と、
    この密閉容器内の前記アルカリ水溶液中に浸漬するように設けられ、当該アルカリ水溶液と接触して水素を発生させる触媒が収容された触媒収容部と、
    この触媒収容部に組み合わせて設けられ、触媒収容部内を前記アルカリ水溶液中に開放する状態と前記アルカリ水溶液から隔離する状態との間で開閉する開閉部材と、
    前記密閉容器に設けられ、発生した水素を放出するための水素放出口と、を備えたことを特徴とする水素発生器。
  3. 触媒収容部は、密閉容器がいずれの姿勢においても前記アルカリ水溶液に浸漬されるように設けられていることを特徴とする請求項2記載の水素発生器。
  4. 触媒収容部は、横方向及び高さ方向の中央部に設けられていることを特徴とする請求項3記載の水素発生器。
  5. 前記アルカリ水溶液と水素放出口との間を仕切るようにガス透過部材が設けられていることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の水素発生器。
  6. 密閉容器内に設けられ、金属水素錯化合物を含むアルカリ水溶液が収容された水溶液収容部と、
    前記密閉容器内に設けられ、アルカリ水溶液と接触して水素を発生させる触媒が積層された触媒層と、
    この触媒層の下方側に配置され、反応後のアルカリ水溶液を吸収する吸収体と、
    前記水溶液収容部のアルカリ水溶液を前記触媒層に注入するための注入路と、
    この注入路を開閉する開閉手段と、
    前記触媒層に接触する水素発生空間と、
    この水素発生空間に連通する水素放出口と、を備えたことを特徴とする水素発生器。
  7. 水溶液収容部内のアルカリ水溶液を加圧する加圧手段を備え、この加圧手段の加圧により、アルカリ水溶液を水素発生空間の気圧に抗して触媒層に注入することを特徴とする請求項6記載の水素発生器。
  8. 水溶液収容部は収縮自在に構成され、加圧手段は水溶液収容部を圧縮するものであることを特徴とする請求項7記載の水素発生器。
  9. 水素を発電用燃料とする燃料電池と、
    この燃料電池に水素を供給するための請求項1ないし8のいずれかに記載の水素発生器と、を備えたことを特徴とする燃料電池システム。
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