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JP2005064689A - 圧電共振子及び圧電共振部品 - Google Patents

圧電共振子及び圧電共振部品 Download PDF

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JP2005064689A JP2003290139A JP2003290139A JP2005064689A JP 2005064689 A JP2005064689 A JP 2005064689A JP 2003290139 A JP2003290139 A JP 2003290139A JP 2003290139 A JP2003290139 A JP 2003290139A JP 2005064689 A JP2005064689 A JP 2005064689A
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Abstract

【課題】 小型化を進めた場合であっても、実装された際の特性上に表れる帯域内リップルを効果的に抑圧することができる、厚み振動モードを利用したエネルギー閉じ込め型の圧電共振子を得る。
【解決手段】 対向し合う第1,第2の主面2a,2bを有する圧電板2と、圧電板2の第1,第2の主面2a,2bにそれぞれ形成されており、圧電板を介して対向されている第1,第2の励振電極3,4と有する、厚み振動モードを利用したエネルギー閉じ込め型の圧電共振子であって、第2の主面2b側から第2の励振電極4が外装材に電気的にかつ機械的に接合されて実装されるように構成されており、第1の励振電極3による質量負荷よりも第2の励振電極4による質量負荷が大きくされている圧電共振子1。
【選択図】 図1

Description

本発明は、厚みすべり振動モードや厚み縦振動モードなどの厚み振動モードを利用したエネルギー閉じ込め型の圧電共振子及び圧電共振部品に関し、より詳細には、ケース基板に実装された際の特性が改善される構造を有する圧電共振子及び圧電共振部品に関する。
従来、エネルギー閉じ込め型の厚み振動モードを利用した圧電共振子が、圧電発振子や圧電フィルタなどに用いられている。圧電共振子では、周波数と反共振周波数との間の周波数域、すなわち帯域内においてリップルの生じないことが望ましい。
下記の特許文献1には、厚み縦振動モードの高調波を利用した圧電共振子において、帯域内リップルを低減し得る構造が開示されている。図10(a)及び(b)は、特許文献1に記載の圧電共振子を示す正面図及び側面図である。
圧電共振子101では、圧電基板102を介して対向するように励振電極103,104が形成されている。励振電極103,104に連なるように、引き出し電極部103a,104aが形成されている。そして、リード端子105,106が、引き出し電極部103a,104aに接合されている。
圧電共振子101では、圧電基板102の表面の中心線平均粗さRaを波長λで規格化した値Ra/λを0.0001〜0.0033の範囲とすることによって、帯域内リップルを低減し得る旨が記載されている。また、特許文献1では、励振電極103,104の膜厚をtとしたときに、波長λで規格化された厚みt/λを0.001〜0.028とすることにより、より一層効果的にリップルを低減し得る旨が示されている。
特開平6−164300号公報
上記のように、特許文献1に記載の圧電共振子では、圧電基板102の表面粗さや励振電極103,104の膜厚を特定の範囲とすることにより、帯域内リップルの改善が図られている。一般に、エネルギー閉じ込め型の圧電共振子では、振動部分が限定されるため、すなわち振動エネルギーが閉じ込めれらるため、リード端子、ケース基板またはキャップなどの外装材を接合したとしても、共振子単体の特性と、外装材を接合した後の特性とは大きくは変わらない。
従って、特許文献1に記載のように、圧電共振子単独の特性を低減することにより、外装材が付与された製品としての特性の改善も図られていた。
他方、近年、電子部品の小型化が進んでおり、圧電共振子においても、素子サイズ、すなわち圧電板の寸法がより一層小さくなってきている。
従って、3.0×0.5×厚み0.2mm程度の非常に小さな圧電板を用いた圧電共振子では、実際に外装材に接合した後において、圧電共振子の保持状態によって、エネルギー閉じ込め型の振動部が影響を受けやすくなってきている。特に、圧電共振子を、ケース基板に圧電共振子の一方主面側から実装し、接合し、かつ圧電共振子を封止してなる表面実装タイプの圧電共振部品では、圧電共振子の拘束状態が大きな影響を受けがちであった。その結果、圧電共振子単体では、帯域内リップルを殆ど有しない良好な特性が得られていたとしても、外装材に圧電共振子を接合した後には、圧電共振子単体の特性上において表れていなかった新たなリップルが生じたり、該リップルの応答が大きくなったりし、良好な共振特性の得られないことがあった。
上述した特許文献1に記載の構成では、圧電共振子単体の特性において帯域内リップルの低減が図られているにすぎず、特許文献1に記載の実施例においても、圧電共振子の両主面にリード端子105,106が設けられた構成、すなわち両主面の拘束状態の対称性が高い構成についてのみ記載されているに過ぎない。従って、特許文献1に記載の構成を採用したとしても、圧電共振子をケース基板などに一方主面側から実装し、接合した場合には、前述した通り、帯域内において所望でないリップルが生じ、良好な共振特性の得られないことがあった。
本発明の目的は、上述した従来技術の欠点を解消し、一方主面側から、ケース基板などの外装材に実装され、接合されたとしても、帯域内リップルが生じ難く、かつ良好な共振特性を実現し得るエネルギー閉じ込め型の圧電共振子及び該圧電共振子を用いた圧電共振部品を提供することにある。
本発明は、対向し合う第1,第2の主面を有する圧電板と、前記圧電板の第1,第2の主面にそれぞれ形成されており、かつ圧電板を介して対向されている第1,第2の励振電極とを有し、厚み振動モードを利用したエネルギー閉じ込め型の圧電共振子において、前記第2の主面側から第2の励振電極が外装材に電気的にかつ機械的に接合されて実装されるように構成されており、かつ第1の励振電極による質量負荷よりも第2の励振電極による質量負荷が大きくされていることを特徴とする。
本発明においては、好ましくは、前記第2の励振電極による質量負荷が、第1の励振電極による質量負荷の1.5〜4倍の範囲とされる。
本発明に係る圧電共振子のある特定の局面では、前記第1,第2の励振電極が同じ材料からなり、かつ前記第1の励振電極の膜厚に比べて、前記第2の励振電極の膜厚が厚くされており、それによって第2の励振電極による質量負荷が第1の励振電極による質量負荷よりも大きくされている。
本発明に係る圧電共振子の他の特定の局面では、前記第2の励振電極の密度が、第1の励振電極の密度よりも高くされており、それによって第2の励振電極による質量負荷が、第1の励振電極による質量負荷よりも大きくされている。
本発明に係る圧電共振部品は、本発明に従って構成された圧電共振子と、前記圧電共振子に電気的に接続される複数の電極ランドが設けられた外装材とを備え、前記圧電共振子が、第2の主面側から前記外装材に搭載されており、かつ少なくとも前記第2の励振電極は導電性接合材を介して少なくとも1つの前記電極ランドに接合されている構造を有する。
本発明に係る圧電共振部品のある特定の局面では、前記圧電共振子において、前記第1の主面に設けられた第1の励振電極に電気的に接続されており、かつ前記圧電板の第1,第2の主面を結ぶ端面及び第2の主面に至っている接続電極が設けられており、前記接続電極が前記ケース基板に設けられた少なくとも1つの電極ランドに導電性接合材を介して接合されている。
本発明に係る圧電共振子では、圧電板の第2の主面側から第2の励振電極が外装材に電気的にかつ機械的に接合されて実装されるように構成されており、かつ第1の励振電極による質量負荷よりも第2の励振電極による質量負荷が大きくされているため、圧電共振子の小型化を図った場合であっても、実装時の第1,第2の主面間の拘束状態の差による帯域内リップルが生じ難い。よって、圧電共振子の小型化を図った場合においても、良好な共振特性を確実に得ることができる。
第2の励振電極による質量負荷が、第1の励振電極による質量負荷の1.5〜4倍の範囲とされている場合には、上記帯域内リップルをより効果的に抑圧することができる。
第1,第2の励振電極が同じ材料からなり、かつ第1の励振電極の膜厚に比べて、第2の励振電極の膜厚が厚くされている場合には、同じ材料を用いて第1,第2の励振電極を形成することができるので、同じ成膜工程を利用して第1,第2の励振電極を容易に形成することができる。
第2の励振電極の密度が、第1の励振電極の密度よりも高くされており、それによって第2の励振電極による質量負荷が、第1の励振電極による質量負荷よりも大きくされている場合には、電極材料として、安価な電極材料を適宜組み合わせて、第1,第2の励振電極を構成することができる。従って、圧電共振子のコストを低減することができる。
本発明に係る圧電共振子では、本発明に従って構成された圧電共振子が、複数の電極ランドが設けられた外装材の主面側から搭載され、少なくとも第2の励振電極が導電性接合材を介して少なくとも1つの電極ランドに接合されている。そして、圧電共振子の第2の励振電極による質量負荷が、第1の励振電極による質量負荷よりも大きくされているため、本発明に従って、帯域内リップルが効果的に抑圧された良好な共振特性を有する圧電共振部品を提供することができる。
本発明に係る圧電共振部品の圧電共振子において、第1の主面に設けられた第1の励振電極に電気的に接続されており、かつ圧電板の第1,第2の主面を結ぶ端面及び第2の主面に至っている接続電極が設けられており、該接続電極が外装材に設けられた少なくとも1つの電極ランドに導電性接合材を介して接合されている場合には、圧電共振子の第2の励振電極が設けられている第2の主面側において、第1の励振電極をも該接続電極を介して外装材に接合することができる。
以下、図面を参照しつつ、本発明の具体的な実施形態を説明することにより、本発明を明らかにする。
図1は、本発明の一実施形態に係る圧電共振子の外観を示す斜視図であり、図2は、該圧電共振子を用いた圧電共振部品の分解斜視図である。
図1に示す圧電共振子1は、厚みすべり振動モードを利用したエネルギー閉じ込め型の圧電共振子である。圧電共振子1は長さ方向を有する矩形板状の圧電板2を有する。圧電板2を構成する圧電材料は特に限定されず、例えばチタン酸ジルコン酸鉛系セラミックス、チタン酸鉛系セラミックス、ビスマス層状化合物系セラミックスなどの様々な圧電セラミックス、あるいは圧電単結晶などが挙げられる。
圧電板2は、その長さ方向に分極処理されている。圧電板2は、第1の主面2aと、第2の主面2bと、長さ方向両端に位置する第1の端面2c及び第2の端面2dとを有する。
圧電板2の中央においては、第1の主面2a上に第1の励振電極3が形成されており、第2の主面2bの中央には、第2の励振電極4が形成されている。第1,第2の励振電極3,4は、圧電板2の長さ方向中央において、圧電板2を介して対向されている。励振電極3,4間に交流電圧が印加されると、励振電極3,4が対向している圧電板部分が励振される。本実施形態では、厚みすべりモードの振動が、励振電極3,4が対向されている圧電振動部に閉じ込められる。
他方、励振電極3は、圧電板2の第1の主面2aにおいて、端面2d側に延長されており、端面2d及び第2の主面2bに至る接続電極5に連ねられている。他方、第2の励振電極4は、第2の主面2bにおいて、端面2c側に延長されており、端面2cと第2の主面2bとのなす端縁に至っている。
上記励振電極3,4及び接続電極5は、任意の導電性材料により構成され得る。このような導電性材料としては、Ag、Cu、Al、Pt、Auまたはこれらの合金などが挙げられる。また、圧電板2を構成する圧電セラミックスとの密着性を高めるために、下地層としてのNiやCrなどの合金層が励振電極3,4の下地に形成されていてもよい。上記励振電極3,4及び接続電極5の形成方法は特に限定されず、スパッタリングや蒸着等の薄膜形成方法などにより形成され得る。
圧電共振子1では、上記のように、第1の励振電極3に比べて、第2の励振電極4の厚みが厚くされている。他方、第2の主面2b側からケース基板などに実装され、第2の励振電極4がケース基板に設けられた電極ランド等に接合される。また、第1の励振電極3は、接続電極5の第2の主面2b上に至っている部分においてケース基板などの外装材に接合される。
圧電共振子1が外装材に接合された構造を、図2の圧電共振部品を例にとり説明する。
図2に示す圧電共振部品11では、外装材としてのケース基板12上に、圧電共振子1が実装される。ケース基板12は、矩形板状の形状を有し、絶縁性材料で構成されている。絶縁性材料としては、例えば、アルミナまたはチタン酸マグネシウム等の絶縁性セラミックスなどが挙げられる。
ケース基板12の上面12a上には、複数の電極ランド13,14が形成されている。電極ランド13,14は、圧電共振子1の励振電極4の端面2c側延長部分と、接続電極5の第2の主面2bに至っている部分とにそれぞれ接合される部分である。電極ランド13,14は、上面12aからケース基板12の一対の側面12b,12cを経て下面12dに至るように形成されている。
電極ランド13,14は、圧電共振部品11を外部と電気的に接続する端子電極として機能する。電極ランド13,14は、適宜の導電性材料で構成され得る。本実施形態では、電極ランド13,14は、Agペーストの焼き付けにより形成された厚膜電極層上に、Niメッキ膜及びAuメッキ膜を形成した構造を有する。
圧電共振子1は、導電性接着剤15,16により、ケース基板12の電極ランド13,14に接合される。すなわち、導電性接着剤15が、第1の励振電極4の前述した延長部分と電極ランド13とを接合し、導電性接着剤16が、接続電極5の第2の主面2b上に至っている部分と電極ランド14とを接合する。
また、ケース基板12上には、圧電共振子1を封止するためのキャップ17が接着剤18を介して接合される。キャップ17は、下方に開いた開口を有する。また、キャップ17は、導電性材料で構成されていてもよく、あるいは絶縁性材料で構成されていてもよい。
接着剤18は、キャップ17をケース基板12に接合し得る限り、適宜の接着剤により構成される。本実施形態では、接着剤18は、熱硬化型エポキシ系樹脂により構成されている。
上記導電性接着剤15,16としては、励振電極4の延長部分と電極ランド13と、接続電極5と電極ランド14とを接合し、かつ電気的に接続し得る限り、適宜の導電性接着剤を用いることができる。本実施形態では、エポキシ系樹脂に、Ag粉末が混合された熱硬化型の導電性接着剤が用いられている。
圧電共振部品11では、上記のように、圧電共振子1が第2の主面2b側からケース基板12上に接合されている。従って、圧電共振子1では、第2の主面2b側で拘束され、第1の主面2a側は非拘束状態とされている。よって、圧電板2の両主面における拘束状態の差により圧電共振子1単体の特性が良好であったとしても、圧電共振部品11においては、帯域内に所望でないリップルの生じることがある。
これに対して、本実施形態では、励振電極4の厚みが励振電極3の厚みよりも厚くされており、すなわち、励振電極4による質量負荷が励振電極3による質量負荷よりも大きくされているため、ケース基板12に圧電共振子1が搭載された後おいても、帯域内リップルが生じ難く、良好な共振特性が得られる。これを具体的な実験例に基づき、図3〜図6を参照して説明する。
圧電共振子1として、3.2×0.5×厚み0.2mmの寸法のチタン酸ジルコン酸鉛系圧電セラミックスからなる圧電板を用意した。なお、励振電極3,4は、Agにより構成し、励振電極3の厚みは0.8μm、励振電極4の厚みは1.6μmとした。接続電極5についても、Agにより構成し、接続電極5の端面2b上の部分の厚みは0.8μm、第2の主面2b上の部分の厚みは1.6μmとした。
上記圧電共振子1を、アルミナからなるケース基板12上の電極ランド13,14に、導電性接着剤15,16を用いて接合した。使用した電極ランド13,14は、Agペーストの焼き付けにより形成された厚膜電極層上に、Niメッキ膜及びAuメッキ膜を形成した構造を有する。また、導電性接着剤15,16は、上述した熱硬化型のエポキシ樹脂系導電性接着剤である。
しかる後、熱硬化型エポキシ系接着剤を用いてニッケル合金からなるキャップ17をケース基板12に接合した。このようにして、上記実施形態の圧電共振部品11を得た。
比較のために、第1,第2の励振電極3,4の厚みが、いずれも0.8μmと等しくされたことを除いては、上記と同様にして構成された圧電共振部品を用意した。
図3は、比較例の圧電共振部品のインピーダンス−周波数特性を示す図である。図3の矢印Aで示すように、共振周波数と反共振周波数との間の帯域内に大きなリップルの表れていることがわかる。図4は、このリップルを拡大して示す図である。リップルの大きさBとは、リップルの谷部分のインピーダンス(MIN)と山部分のインピーダンス(MAX)との対数比として次式のように表わされる。
B=20log(MAX/MIN)[dB]
他方、図5は、上記実施形態の圧電共振部品のインピーダンス−周波数特性である。図5から明らかなように、反共振周波数と共振周波数との間にリップルが生じていないことがわかる。
すなわち、比較例の圧電共振部品において、図3において矢印Aで示すリップルが表れたのに対し、本実施形態の圧電共振部品11では、上記リップルが表れていないことがわかる。これは、第2の励振電極4による質量負荷が、第1の励振電極3による質量負荷よりも大きく、すなわち、拘束状態にある第2の主面2b側において、励振電極4により、大きな質量負荷が与えられるため、それによって帯域内リップルが相殺されているものと考えられる。
すなわち、導電性接着剤15,16が硬化する際に、ケース基板12と圧電共振子1の圧電板2の熱膨張係数差により、圧電板2の第2の主面2bには大きな圧縮応力が作用する。特に、圧電共振子1が上記のように小型である場合には、この応力の影響が大きくなり、圧電板2の長さ方向中央にまで及んでいると考えられる。そのため、圧電板2内における応力分布が長さ方向中央において厚み方向に非対称となり、上記矢印Aで示すリップルが表れたと考えられる。本実施形態では、上記拘束状態の非対称性が、励振電極3,4による質量負荷の差により緩和され、それによってリップルが抑圧されると考えられる。
次に、圧電板2の第1の主面2aと第2の主面2bに励振電極3,4に与えられる質量負荷を種々異ならせ、上記矢印Aで示すリップルの大きさがどのように変化するかを調べた。結果を図6に示す。図6の横軸は、質量負荷比を示し、縦軸は、リップルの大きさを示す。質量負荷比とは、第1の励振電極3による質量負荷をX、第2の励振電極4による質量負荷をYとしたとき、Y/Xで表わされる値である。また、リップルの大きさBは、前述した図4に示した大きさBである。
図6から明らかなように、質量負荷比が1の場合に比べて、すなわち励振電極3,4による質量負荷が等しい場合に比べて、質量負荷比を1よりも大きくすることにより、リップルの大きさを効果的に抑圧し得ることがわかる。特に、質量負荷比が1.5以上では、上記リップルの大きさを小さくすることができ、2以上では、リップルを殆どなくし得ることがわかる。
なお、質量負荷比が4以上になると、リップルがほぼ完全に抑圧されるが、質量負荷比が4を超えたとしても、リップル抑圧効果は飽和する。従って、質量負荷比の上限は、特に限定されるものではないが、電極材料の節減を図る上では、質量負荷比は4以下であることが望ましい。
従って、好ましくは、質量負荷比は1.5〜4倍、より好ましくは2〜4倍の範囲とされる。
上記のように、本実施形態では、第1,第2の励振電極3,4による質量負荷を異ならせるだけで、実装時の特性における帯域内リップルを効果的に抑圧し得ることがわかる。従って、第1,第2の励振電極3,4を形成するに際し、成膜条件をのみを変更するだけで、リップルを効果的に抑圧することができる。
図7は、第2の実施形態に係る圧電共振子を示す斜視図である。圧電共振子21では、接続電極25が第1の励振電極3に連ねられており、接続電極25の膜厚が、上面2d上においても、第2の主面2b上と同様に厚くされている。さらに、第1の励振電極3の延長部分で接続電極25に連なる部分の膜厚が接続電極25と同様に厚くされている。従って、第1の励振電極3と接続電極25との電気的接続及び接続電極25における端面2d上の部分と、第2の主面2b上の部分との電気的接続の信頼性が高められる。
圧電共振子21のその他の構造は、第1の実施形態の圧電共振子1と同様であるため、同一部分については、同一の参照番号を付することによりその説明を省略する。
図8は、第3の実施形態に係る圧電共振子を示す斜視図である。第3の実施形態の圧電共振子31では、圧電板32の長さ方向両端において、厚みが端部にいくにつれて薄くなるように第1の主面2a側に傾斜面2e,2fが設けられている。上記傾斜面2e,2fが設けられていることを除いては、圧電共振子31は、圧電共振子1と同様に構成されている。従って、同一部分については、同一の参照番号を付することにより、その説明を省略する。圧電共振子31では、傾斜面2e,2fが設けられているため、圧電振動部におけるエネルギー閉じ込め効果が高められ、それによって共振特性のより一層の向上を図ることができるとともに、圧電共振子の小型化を図ることができる。
図9は、本発明の第4の実施形態に係る圧電共振子を示す斜視図である。
圧電共振子41では、圧電板2の両主面に第1,第2の励振電極43,44が形成されている。ここでは、励振電極43と励振電極44の厚みは等しくされている。しかしながら、励振電極43はCuにより形成されており、励振電極44はAgにより形成されている。Cuの密度は8.93g/cm3であり、Agの密度は10.5g/cm3である。従って、第4の実施形態の圧電共振子41では、第1,第2の励振電極43,44の膜厚は等しいが、AgとCuの密度比により、第2の励振電極44による質量負荷が、第1の励振電極43による質量負荷より大きくされている。従って、第1の実施形態の圧電共振子1と同様に、圧電共振子41においても、実装時の帯域内リップルの発生を効果的に抑圧することができる。
第4の実施形態では、第1,第2の励振電極をCu及びAgでそれぞれ形成したが、他の金属材料を用いてもよい。例えば、第1の励振電極43を密度が8.85g/cm3であるNiで構成してもよい。また、第1の励振電極43をNiと密度が7.20g/cm3のCrとの合金により構成してもよい。さらに、第1,第2の励振電極43,44は、それぞれ、複数の電極膜を積層した構造で構成されていてもよい。
例えば、Ni−Cr合金膜と、Agの積層膜により励振電極43,44を構成し、励振電極44側においてAg膜の厚みを薄くしてもよい。
いずれにしても、電極材料の種類及び電極の構造を改良することにより、安価な電極材料を用いて、第2の励振電極による質量負荷を、第1の励振電極による質量負荷に比べて高めることができる。
第4の実施形態から明らかなように、本発明において、第2の励振電極による質量負荷を第1の励振電極による質量負荷より大きくする方法は、電極膜厚を異ならせる方法の他、電極を構成する材料の密度を異ならせることにより達成されてもよい。また、電極の膜厚及び密度の双方を異ならせることにより第2の励振電極による質量負荷を第1の励振電極による質量負荷よりも大きくしてもよい。
上述してきた第1〜第4の実施形態では、厚みすべり振動モードを利用した圧電共振子につき説明したが、本発明においては、厚み縦振動のような他の厚み振動モードを利用してもよく、また厚み振動モードの基本波及び高調波のいずれを利用してもよい。
さらに、図2に示した圧電共振部品では、外装材としてのケース基板上に圧電共振子1が搭載された後、キャップにより封止されたが、他の構造の圧電共振部品にも本発明を適用することができる。例えば、上方に開いた開口を有する外装材内において、該外装材の内底面に圧電共振子1が第2の主面2b側から接合されて搭載され、外装材の開口を覆うように蓋材が接合された構造であってもよい。すなわち、本発明において、圧電共振子が第2の主面側から搭載される外装材の形状は特に限定されない。
本発明の第1の実施形態に係る圧電共振子の外観を示す斜視図。 第1の実施形態の圧電共振子を有する圧電共振部品の分解斜視図。 比較例として用意した圧電共振部品のインピーダンス−周波数特性を示す図。 帯域内リップルの大きさを説明するための図。 第1の実施形態の圧電共振部品のインピーダンス−周波数特性を示す図。 第2の励振電極による質量負荷の第1の励振電極による質量負荷に対する比である質量負荷比と、帯域内リップルの大きさの関係を示す図。 第2の実施形態に係る圧電共振子を示す斜視図。 第3の実施形態に係る圧電共振子を示す斜視図。 第4の実施形態に係る圧電共振子を示す斜視図。 (a)及び(b)は、従来の圧電共振子の一例を示す正面図及び側面図。
符号の説明
1…圧電共振子
2…圧電板
2a…第1の主面
2b…第2の主面
2e,2f…傾斜面
3,4…第1,第2の励振電極
5…接続電極
11…圧電共振部品
12…外装材としてのケース基板
12a…上面
13,14…電極ランド
15,16…導電性接着剤
17…キャップ
18…接着剤
21…圧電共振子
25…接続電極
31…圧電共振子
41…圧電共振子
42,43…第1,第2の励振電極

Claims (6)

  1. 対向し合う第1,第2の主面を有する圧電板と、
    前記圧電板の第1,第2の主面にそれぞれ形成されており、かつ圧電板を介して対向されている第1,第2の励振電極とを有し、厚み振動モードを利用したエネルギー閉じ込め型の圧電共振子において、
    前記第2の主面側から第2の励振電極が外装材に電気的にかつ機械的に接合されて実装されるように構成されており、かつ第1の励振電極による質量負荷よりも第2の励振電極による質量負荷が大きくされていることを特徴とする、圧電共振子。
  2. 前記第2の励振電極による質量負荷が、第1の励振電極による質量負荷の1.5〜4倍の範囲である、請求項1に記載の圧電共振子。
  3. 前記第1,第2の励振電極が同じ材料からなり、かつ前記第1の励振電極の膜厚に比べて、前記第2の励振電極の膜厚が厚くされており、それによって第2の励振電極による質量負荷が第1の励振電極による質量負荷よりも大きくされている、請求項1または2に記載の圧電共振子。
  4. 前記第2の励振電極の密度が、第1の励振電極の密度よりも高くされており、それによって第2の励振電極による質量負荷が、第1の励振電極による質量負荷よりも大きくされている、請求項1または2に記載の圧電共振子。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の圧電共振子と、
    前記圧電共振子に電気的に接続される複数の電極ランドが設けられた外装材とを備え、
    前記圧電共振子が、第2の主面側から前記外装材に搭載されており、かつ少なくとも前記第2の励振電極は導電性接合材を介して少なくとも1つの前記電極ランドに接合されている、圧電共振部品。
  6. 前記圧電共振子において、前記第1の主面に設けられた第1の励振電極に電気的に接続されており、かつ前記圧電板の第1,第2の主面を結ぶ端面及び第2の主面に至っている接続電極が設けられており、
    前記接続電極が前記外装材に設けられた少なくとも1つの電極ランドに導電性接合材を介して接合されている、請求項5に記載の圧電共振部品。
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