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JP2005063801A - 燃料電池システムおよび移動体 - Google Patents

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JP2005063801A JP2003292124A JP2003292124A JP2005063801A JP 2005063801 A JP2005063801 A JP 2005063801A JP 2003292124 A JP2003292124 A JP 2003292124A JP 2003292124 A JP2003292124 A JP 2003292124A JP 2005063801 A JP2005063801 A JP 2005063801A
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Hisahiro Yoshida
尚弘 吉田
Hiroaki Mori
裕晃 森
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Abstract


【課題】 発電セルの電圧の異常を検知した場合に、電圧の異常を低減する処理を実行しつつ燃料電池システムの運転を継続する。
【解決手段】 いずれかの発電セル200において、電圧の異常低下が生じている場合には(S6)、その継続時間に応じて所定の処理を行う。電圧の異常低下の継続時間がt2以上となった場合は、電圧異常を低減する処理を行う(S12)。具体的には、流通ガスの圧力を上げ、水素循環系からオフガスを排出する時間間隔を短くし、排出量を増やす。それらの処理によって異常が解消せず、継続時間がt3以上となった場合は、出力の上限値を下げる(S14)。継続時間がt4以上となった場合は、出力の上限値を更に下げる(S16)。継続時間がt1以上となった場合は、燃料電池システムの運転を停止する(S18)。
【選択図】 図4

Description

この発明は、燃料電池システムに関し、さらに詳しくは、特定のセルの発電電圧が低下した場合にも燃料電池システム全体の運転を継続できる燃料電池システムに関する。
燃料電池(以下で「FC」と表記することがある)は、それぞれ燃料ガスを反応させて発電を行う発電セルを、複数備えている。この発電セル内の電解質膜に液体の水が過剰に付着していると、その発電セルの起電力が低下する。そして、そのまま放置すると、電解質膜の損傷につながる。このため、従来は、各発電セルの状態をモニタし、いずれかの発電セルの異常を検知した場合には、まず、異常を低減する処理を行っていた。そして、その処理によっても異常が解消されない場合には、燃料電池システム全体の運転を停止していた。
特許文献1には、燃料電池の抵抗の変化率に基づいて電解質膜の加湿状態を判定する技術が開示されている。また、他の関連文献として、特許文献2ないし5がある。
特開2000−243418号公報
特開昭和63−110558号公報
特開2000−21429号公報
特開昭63−264876号公報
特開2001−23667号公報
電圧の異常を低減する処理によっても異常が解消されない場合に、発電セルの電圧異常を低減する処理を実行しつつ燃料電池システムの運転を継続する技術は、開発されていなかった。
本発明は、上述した従来の課題を解決するためになされたものであり、発電セルの電圧の異常を検知した場合に、電圧の異常を低減する処理を実行しつつ燃料電池システムの運転を継続する技術を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は、以下のような構成を備える。すなわち、本発明の一形態である燃料電池システムは、発電を行う複数の発電セルと、少なくとも一部の発電セルの電圧を検知する電圧検知部と、発電セルの電圧が回復しきい値を下回っている状態において発電セルの発電性能を改善する回復処理を実行できる回復部と、燃料電池システムの運転を制御する制御部と、を備える。
この燃料電池システムにおいて、制御部は、発電セルの電圧が回復しきい値を下回った場合に、回復部による回復処理を開始し、回復処理を行った後、発電セルの電圧が第1の運転しきい値を下回った場合に、燃料電池ユニットの出力の上限値を下げることが好ましい。このような態様とすれば、発電セルの電圧の異常を検知した場合に、電圧の異常を低減する処理を実行しつつ燃料電池システムの運転を継続することができる。
なお、第1の運転しきい値は、回復しきい値よりも低い値とすることができる。このような態様においては、発電セルの電圧が低下した後、回復処理によって電圧の低下が低減され、その結果、引き続いて発電セルの電圧が低下して第1の運転しきい値を下回ってしまうという事態を回避できた場合には、燃料電池ユニットの出力の上限値を下げることなく、燃料電池ユニットの運転を継続することができる。
また、第1の運転しきい値は、回復しきい値よりも高い値とすることができる。このような態様においては、回復処理によって発電セルの電圧が回復しきい値を上回った場合に、さらに低出力での燃料電池ユニットの運転を行うことで、発電セルの電圧が回復しきい値を上回った場合にすぐに出力の上限値を上げる態様に比べて、発電セルの電圧が再度低下する可能性を低くすることができる。
さらに、第1の運転しきい値は、回復しきい値と等しい値とすることもできる。そのような態様とすれば、適切な量だけ回復処理を行うことができる。
なお、発電セルの電圧が第1の運転しきい値を下回った状態が、第1の時間だけ継続した場合には、燃料電池システムの運転を停止することが好ましい。このような態様とすれば、発電セルの損傷を防止することができる。
また、発電セルの電圧が第1の運転しきい値を下回った状態が、第1の時間よりも短い第2の時間だけ継続した場合には、燃料電池ユニットの出力の上限値をさらに下げる態様とすることもできる。このような態様とすれば、発電セルの損傷を防止しつつ、燃料電池システムの運転を継続することができる。
なお、発電セルの電圧が第2の運転しきい値を上回った場合には、燃料電池ユニットの出力の上限値を上げることが好ましい。このような態様とすれば、発電セルが電圧を回復したあと、出力制限を緩めて、それまでよりも高い出力で燃料電池を運転することができる。
上記の態様は、発電セルの電圧が第2の運転しきい値を上回った場合には、燃料電池ユニットの出力の上限値を、発電セルの電圧が第1の運転しきい値を下回る前の燃料電池ユニットの出力の上限値とする態様とすることができる。このような態様とすれば、発電セルが電圧を回復したあと、燃料電池システムの運転状態を、もとの状態に戻すことができる。
また、上記の態様は、発電セルの電圧が第2の運転しきい値を上回った場合には、燃料電池ユニットの出力の上限値を、発電セルの電圧が第1の運転しきい値を下回る前の燃料電池ユニットの出力の上限値よりも低い値とする態様とすることもできる。このような態様とすれば、発電セルが電圧を回復したあと、もとの運転状態よりも低い出力で運転を継続して、発電セルの電圧がふたたび低下しないかどうかを監視することができる。
第2の運転しきい値は、第1の運転しきい値と等しい値とすることができる。
そして、第2の運転しきい値は、第1の運転しきい値よりも高い値とすることができる。このような態様とすれば、発電セルの電圧が第1の運転しきい値近傍を変動する場合にも、燃料電池システムを安定して運転することができる。
なお、発電セルの電圧の低下がフラッディングによる電圧の低下である場合に、本発明は特に有効である。
また、回復部は、発電セルに直接または間接に接続され、酸化ガスと燃料ガスとのうちの一方のガスを発電セルに供給するポンプであって、供給圧力と供給速度との少なくとも一方を変動させてガスを供給できるポンプとすることができる。このポンプは、供給圧力または供給速度の変動により発電セル内の液体の水を除去することで回復処理を実行できる。このような態様とすれば、フラッディングによる電圧低下が生じた発電セルの状態を、効果的に回復させることができる。
なお、本発明は、人を乗せて移動するための移動体であって、以上で説明したような燃料電池システムと、燃料電池システムから供給される電力で駆動されるモータと、モータの動力を外部に伝達して移動体を移動させる伝達部と、を備える移動体の態様で実現することも可能である。このような態様とすれば、ユーザは発電セルに異常が生じた後も、移動が可能である。よって、危険な場所で移動体が動けなくなってしまうことがない。
本発明は、上記以外の種々の形態で実現可能であり、例えば、燃料電池システムの運転方法や、燃料電池システムを備える車両、船舶、自家発電システムなどの形態で実現することが可能である。
次に、本発明の実施の形態を実施例に基づいて以下の順序で説明する。
A.第1実施例:
A−1.装置の全体構成:
A−2.燃料電池システムの概略構成:
A−3.燃料電池システムの運転:
B.第2実施例:
C.第3実施例:
D.変形例:
A.第1実施例:
A−1.装置の全体構成:
図1は、本発明の実施例である電気自動車10の構成の概略を表わすブロック図である。電気自動車10は、動力装置17と、減速ギヤ34と、車両駆動軸38と、車輪39と、を備えている。動力装置17の出力軸36は、減速ギヤ34を介して車両駆動軸38に接続されている。減速ギヤ34は、駆動モータ32が出力軸36を通じて出力する動力を、その回転数を調節した上で車両駆動軸38に伝える。車両駆動軸38は、車輪39に接続されている。
動力装置17は、電源装置15と、駆動インバータ30と、駆動インバータ30を介して電源装置15に接続される駆動モータ32と、を備えている。電源装置15と駆動モータ32との間には、配線50が設けられており、この配線50を介して、電源装置15と負荷との間で電力がやり取りされる。すなわち、駆動モータ32は、力行運転時には、電源装置15から電力を供給される負荷であり、一方、回生運転時には、電源装置15に電力を供給する電源である。
電源装置15は、燃料電池システム22と、2次電池26とを備えている。燃料電池システム22は、発電の本体である燃料電池スタック110と、燃料電池スタック110に燃料ガスや空気を供給するためのポンプ等の機器を備えている。図1においては、それらの機器をまとめて高圧補機40として示す。なお、本明細書では、狭義には、燃料電池スタック110と高圧補機40とをまとめて「燃料電池システム」と呼ぶが(図1の破線で囲った部分22)、広義には、燃料電池スタック110と高圧補機40に、さらにそれらを制御する制御部48を加えたものを「燃料電池システム」と呼ぶ。
燃料電池システム22が接続されている配線50には、燃料電池スタック110へ電流が逆流するのを防止するためのダイオード42がさらに設けられている。さらに、配線50には、この配線50に対する燃料電池スタック110の接続状態を入り切りするスイッチ20が設けられている。
また、配線50は、DC/DCコンバータ28に接続されており、このDC/DCコンバータ28を介して、2次電池26は配線50に接続されている。また、このような電源装置15における電圧を測定するために、配線50には、電圧計52がさらに設けられている。
2次電池26としては、鉛蓄電池や、ニッケル−カドミウム蓄電池、ニッケル−水素蓄電池、リチウム2次電池など種々の2次電池を用いることができる。この2次電池26は、駆動モータ32が力行運転を行っており要求負荷が所定の値よりも大きくなる場合には、駆動モータ32に電力を供給して、燃料電池システム22を補う。また、駆動モータ32が回生運転を行っている場合には、駆動モータ32から回生電力を供給され、これを蓄える。
DC/DCコンバータ28は、目標電圧値を設定することによって、燃料電池システム22からの出力電圧を調節し、燃料電池システム22の発電量を制御する。また、DC/DCコンバータ28は、2次電池26において充放電を行なう必要のないときには、2次電池26と配線50との接続を開放する。
電源装置15から電力の供給を受ける負荷の一つである駆動モータ32は、同期モータであって、回転磁界を形成するための三相コイルを備えている。この駆動モータ32は、駆動インバータ30を介して配線50に接続されており、電源装置15から電力の供給を受ける。駆動インバータ30は、上記モータの各相に対応するスイッチング素子としてのトランジスタを備えるトランジスタインバータである。
電気自動車10は、制御部48をさらに備えている。制御部48は、マイクロコンピュータを中心とした論理回路として構成され、詳しくは、予め設定された制御プログラムに従って所定の演算などを実行するCPUと、CPUで各種演算処理を実行するのに必要な制御プログラムや制御データ等が予め格納されたROMと、同じくCPUで各種演算処理をするのに必要な各種データが一時的に読み書きされるRAMと、各種の信号を入出力する入出力ポート等を備える。この制御部48は、既述した電圧計52による検出信号や、2次電池の残存容量モニタ27が出力する信号、あるいは、車両の運転に関して入力される指示信号を取得する。また、DC/DCコンバータ28,スイッチ20,燃料電池システム22、駆動インバータ30などに駆動信号を出力する。
電気自動車10の動きを制御するための制御部48への入力装置としては、アクセル、ブレーキなどがある。図1では、アクセルの開度を検出するアクセル開度センサ57を示している。また、電気自動車10には、制御部48にデータを入力するものとしては、ブレーキの踏み込み量を検出するブレーキセンサ56、電気自動車10の車速を検出する車速センサ58なども備えられている。これらの電気自動車10の走行状態を把握するための各種センサについては、図1では図示を省略する。
A−2.燃料電池システムの概略構成:
図2は、燃料電池システム22の概略構成を示す説明図である。燃料電池スタック110は、水素と酸素の電気化学反応によって発電する発電セル200の積層体である。各発電セル200は、電解質膜を挟んで水素極(以下、アノードと称する)と酸素極(以下、カソードと称する)とを配置した構成となっている。本実施例では、ナフィオン(登録商標)などの固体高分子膜を電解質膜として利用する固体高分子型の発電セルを用いるものとした。
積層された各発電セル200には、それぞれ電圧計202が接続されている。制御部48は、これらの電圧計が計測した各発電セル200の電圧をもとに、各機器の制御を行う。なお、図2においては、電圧計202は、一つだけ示している。なお、電圧計は、すべての発電セル200に接続するのではなく、代表的な一部の発電セル200にのみ接続する態様とすることもできる。
燃料電池スタック110のカソードには、酸素を含有した酸化ガスとして圧縮空気が供給される。空気は、外部(大気中)から取り入れられエアコンプレッサ141で圧縮された後、加湿器142で加湿され、配管135から燃料電池スタック110に供給される。カソードからの排気(カソードオフガス)は、配管136、圧力調整弁127、加湿器142、希釈器144を通じて外部に排出される。なお、加湿器142は、燃料電池スタック110内における反応によって生じた水分を多く含んだ配管136内の排気と、外部から取り入れられ燃料電池スタック110内に供給される配管135内の空気とを、高分子膜を挟んで間接的に接触させる。その結果、配管136内の排気から新たに導入する配管135内の空気へと水分が移動し、空気の加湿が行われる。
エアコンプレッサ141は、配管135内の圧力を比較的低い圧力に保ち、空気の供給速度を低い速度に保つ低出力モードと、配管135内の圧力を比較的高い圧力に保ち、空気の供給速度を高い速度に保つ高出力モードと、の二つの運転モードを有している。定常状態において、エアコンプレッサ141は、低出力モードで運転される。そして、エアコンプレッサ141は、所定の条件下で電解質膜232に付着した水分を吹き飛ばすために、高出力モードで運転される。
燃料電池スタック110のアノードには、水素供給配管132を介して水素タンク120から水素ガスが供給される。水素タンク120に高圧で貯蔵された水素ガスは、レギュレータ123によって圧力が減圧されて、シャットバルブ124を通りアノードに供給される。水素供給配管132の経路中、レギュレータ123と燃料電池スタック110との間には、燃料電池スタック110に供給される水素ガスの圧力を検出するための圧力センサ112が設けられている。アノードからの排気(以下、「アノードオフガス」と称する)は、シャットバルブ125を通り還流配管133に流出する。
還流配管133の経路中には、気液分離器146が設けられている。環流配管133中には、アノードオフガス中に含まれる水蒸気が液化して生じた液体の水が存在する。また、カソード側の反応によって生じた水の一部が、発電セル200中の電解質膜を通ってアノード側に浸みだし、アノードオフガスによって発電セル200から環流配管133に運ばれる。それら液体の水は、気液分離器146によって水素ガスおよび水蒸気から分離され、環流配管133から外部に排出される。
環流配管133は、気液分離器146の下流で二つに分岐している。分岐の一方はアノードオフガスを外部に排出するための排出管134に接続され、他方は逆止弁128を介して水素供給配管132に接続されている。燃料電池スタック110での発電によって水素が消費される結果、アノードオフガスの圧力は、水素供給配管132中の水素ガスに比べて低くなる。このため、環流配管133には、アノードオフガスを水素供給配管132に環流することができるようにアノードオフガスを昇圧する水素ポンプ145が設けられている。
水素ポンプ145は、水素供給配管132側の圧力を比較的低い圧力に保ち、水素の循環速度を低い速度に保つ低出力モードと、水素供給配管132側の圧力を比較的高い圧力に保ち、水素の循環速度を高い速度に保つ高出力モードと、の二つの運転モードを有している。定常状態において、水素ポンプ145は、低出力モードで運転される。そして、水素ポンプ145は、所定の条件下で電解質膜232に付着した水分を吹き飛ばすために、高出力モードで運転される。
排出管134に設けられた排出バルブ126が閉じられている間は、アノードオフガスは水素供給配管132を介して再び燃料電池スタック110に循環される。アノードオフガスには、発電で消費されなかった水素が残留しているため、このように循環させることにより、水素を有効利用することができる。
一方、排出バルブ126が開かれると、アノードオフガスは、排出管134を通り、希釈器144で空気によって希釈された後、外部に排出される。アノードオフガス中の不純物の濃度が所定の値以上となった場合に、排出バルブ126を開いて一部のアノードガスを系外に排出することで、不純物の循環量が低減される。
燃料電池スタック110には、燃料電池スタック110に冷却水を供給する配管137、および燃料電池スタック110に冷却水を排出する配管138が接続されている。冷却水を排出する配管138はラジエータ148と接続されており、さらに、ラジエータ148は、燃料電池スタック110に冷却水を供給する配管137に接続されている。冷却水は配管137の途中に設けられたポンプ147によって、燃料電池スタック110とラジエータ148の間を循環される。冷却水が、燃料電池スタック110内で各発電セルから受け取った熱を、ラジエータ148を通じて外部に放出することで、各発電セルの温度は一定範囲内に保たれる。
なお、冷却水の配管138には、燃料電池スタック110とラジエータ148の間に、冷却水の温度を計測する温度センサ149が設けられている。制御部48は、燃料電池スタック110の温度Tfcとして、この温度センサ149が計測した温度を使用して、温度Tfcに基づいて各機器の制御を行う。
なお、図2に示された、冷却水を循環させるポンプ147、発電セル200に空気を供給するエアコンプレッサ141、発電セル200に水素ガスを供給する水素ポンプ145が、図1に示す高圧補機40に相当する。
図3は発電セル200の構造を示す斜視図である。発電セル200は固体高分子型燃料電池として構成されている。発電セル200は、電解質膜232を水素極234、酸素極236で挟み込み、さらにその両側をセパレータ210、220で挟んだ構造を有している。図示の都合上、酸素極236は、電解質膜232に隠れた位置に存在する。水素極234、酸素極236は、ガス拡散電極である。
セパレータ210の水素極234と対向する面には、複数の溝部211が形成されている。また、セパレータ220の酸素極236と対向する面には、複数の溝部221が形成されている。セパレータ210、220が、水素極234、酸素極236をさらに両側から挟み込むことによって、水素極234とセパレータ210との間には、溝部211による水平方向の燃料ガス流路212が形成される。そして、酸素極236とセパレータ220との間には、溝部221による鉛直方向の酸化ガス流路222が形成される。
略板状のセパレータ210は、図3に示した水素極234と向かい合う側の面に燃料ガス流路212を形成するための水平方向の溝部211を有している一方で、逆側の面には酸化ガス流路222を形成するための鉛直方向の溝部213を有している。すなわち、セパレータ210は、図3に示した発電セル200の一部を構成すると同時に、図の左側に隣接する発電セル(図示せず)の一部を構成しており、セパレータ210上の溝部213は、その隣接する発電セルの酸素極のための酸化ガス流路222を形成する。すなわち、積層される各発電セル200は、互いの間に設けられるセパレータを共有する。
略長方形の板状であるセパレータ210の各辺の付近には、それぞれの辺に沿った細長い形状の燃料ガス孔253、254および酸化ガス孔255、256が形成されている。燃料ガス孔253、254は、発電セル200を積層することによって燃料電池スタック110を形成した際に、燃料電池スタック110を積層方向に貫通する燃料ガス流路212を形成する。また、酸化ガス孔255、256は、発電セル200を積層して燃料電池スタック110を形成した際に、燃料電池スタック110を積層方向に貫通する酸化ガス流路222を形成する。
まず、燃料電池スタック110内の燃料ガス流路212について説明する。発電セル200を積層して燃料電池スタック110を形成した状態で、燃料電池スタック110を積層方向に貫通する燃料ガス孔253は、水素供給配管132(図2参照)に接続されている。そして、同様に燃料電池スタック110を積層方向に貫通する燃料ガス孔254は、環流配管133(図2参照)に接続されている。また、燃料ガス孔253、254は、各発電セルにおいて水平方向に伸びる溝部211と連通している。
燃料ガスは、水素供給配管132から燃料電池スタック110の燃料ガス孔253に供給され、各発電セル200の溝部211を通って燃料ガス孔254に到達する。各発電セル200の溝部211を通る際に、燃料ガスは各発電セル200の水素極234と接触して所定の反応に供される。その後、燃料ガスは、燃料ガス孔254から環流配管133に排出される。すなわち、燃料ガス孔253、溝部211および燃料ガス孔254が、燃料電池スタック110内の燃料ガス流路212を構成する。
次に、燃料電池スタック110内の酸化ガス流路222について説明する。発電セル200を積層して燃料電池スタック110を形成した状態で、燃料電池スタック110を積層方向に貫通する酸化ガス孔255は、配管135(図2参照)に接続されている。そして、燃料電池スタック110を積層方向に貫通する酸化ガス孔256は、配管136(図2参照)に接続されている。また、酸化ガス孔255、256は、各発電セルにおいて鉛直方向に伸びる溝部221、213と連通している。
酸化ガスは、配管135から燃料電池スタック110の酸化ガス孔255に供給され、各発電セル200の溝部221,213を通って酸化ガス孔256に到達する。各発電セル200の溝部221,213を通る際に、酸化ガスは各発電セル200の酸素極236と接触し、所定の反応に供される。なお、その反応によって水が生成される。その後、酸化ガスは、酸化ガス孔256から配管136に排出される。すなわち、酸化ガス孔255、溝部221,213および酸化ガス孔256が、燃料電池スタック110内の酸化ガス流路222を構成する。
燃料電池スタック110においては、5つの発電セル200ごとに1枚の割合で、発電セル200と発電セル200の間に冷却セパレータ240が設けられている。冷却セパレータ240は、発電セル200を冷却する冷却水路を形成するためのセパレータである。冷却セパレータ240には、冷却水孔を連絡するジグザグ状の冷却水溝242が形成されている。この冷却セパレータ240の両側に位置する発電セルは、それぞれ独立のセパレータを有しており、図3のセパレータ210のような一つのセパレータを共有してはいない。すなわち、冷却セパレータ240は、それぞれ発電セルを構成するセパレータ220とセパレータ(図示せず)の間に設けられている。
前述のように、隣接する二つの発電セル200が共有しているセパレータ210には、その両面にそれぞれ溝部211,213が設けられている。しかし、冷却セパレータ240と隣接するセパレータには、冷却セパレータ240と向かい合う面にリブが設けられておらず、その面は平面である。図3に示すセパレータ220は、そのようなタイプのセパレータである。冷却セパレータ240の冷却水溝242と、冷却セパレータ240を両側から挟む各セパレータの平面と、によって、冷却水路が形成される。
セパレータ210、220には、その周辺部の2カ所に、円形断面の冷却水孔251、252が形成されている。この冷却水孔251、252は、発電セル200を積層した際に、燃料電池スタック110を積層方向に貫通する冷却水路を形成する。冷却水孔251は冷却水を燃料電池スタック110に供給する配管137(図2参照)に接続されており、冷却水孔252は冷却水を燃料電池スタック110から排出する配管138に接続されている。
燃料電池の運転時には、酸素極236において水が生成される。また、配管135を通じて供給される空気はあらかじめ加湿器142で加湿され水蒸気を含んでいる。この水蒸気の一部が、液体の状態で酸素極236に付着することもある。これらの水は、電解質膜232を通じて水素極234側にも浸透する。これらの水が液体の状態で過剰に電解質膜232に付着していると、燃料ガスおよび酸化ガスの拡散が妨げられて、その発電セル200の起電力が低下する。これを「フラッディング」という。
なお、水滴は、酸素極236の表面以外に、燃料電池スタック110内の酸化ガス流路222である酸化ガス孔255、溝部221,213および酸化ガス孔256の内壁に付着していることもある。また、電解質膜232を通じて水素極234側に浸透した水分による水滴が、水素極234、ならびに燃料電池スタック110内の燃料ガス流路212である燃料ガス孔253、溝部211および燃料ガス孔254の内壁に付着していることもある。各発電セルのフラッディング防止のため、これらの過剰な液体の水は、除去されることが望ましい。
A−3.燃料電池システムの運転:
図4は、燃料電池システム22の運転時の手順を示すフローチャートである。まず、ステップS2で、制御部48は所定の設定に基づいて燃料電池システム22を運転する。なお、各発電セル200に電圧に異常低下が生じていない定常状態においては、燃料電池システム22は、出力電力の上限Pmaxが第1の出力基準値Pmax1となるように運転される。任意の要求負荷に対して、燃料電池システム22がPmax1を超える電力を発電しない場合には、燃料電池システム22の出力の上限値はPmax1であると考えることができる。
次に、ステップS4では、制御部48は、燃料電池スタック110の温度Tfc、各発電セル200の電圧Vci(iは1以上N以下の整数。Nは発電セルの個数)、そして、次の制御のサイクルにおける要求負荷Ltを読み込む。具体的には、燃料電池スタック110の温度は温度センサ149から読み込まれ、各発電セル200の電圧Vciは、電圧計202から読み込まれる(図2参照)。要求負荷Ltは、アクセル開度センサ57等の入力値から制御部48が計算する。
ステップS6では、すべての発電セル200の電圧Vciが所定の基準値Va以上であるか否かが判定される。ステップS6の判定結果がNoである場合は、処理はステップS10に進む。なお、ステップS6の判定結果がNoであるということは、いずれかの発電セル200において、電圧の異常低下が生じているということである。
ステップS6における基準値Vaは、要求負荷Ltおよび燃料電池スタック110の温度Tfcに応じて定めることが好ましい。たとえば、燃料電池スタック110の温度がTfcであって、要求負荷がLtであるときに、燃料電池システム22について最適な運転を行った場合には、各発電セル200の電圧VciがVc0になるとする。この場合には、燃料電池スタック110の温度がTfcであって要求負荷がLtであるときの電圧の基準値Vaは、たとえば、Vc0の75%の値とすることができる。
すなわち、燃料電池スタック110の温度がTfcであって要求負荷がLtであるときには、ある発電セル200の電圧が、最適運転時の発電電圧Vc0の75%を下回る電圧となった場合には、その発電セル200は「電圧の異常低下」を起こしていると判断できる。
ステップS10では、発電セル200に電圧低下が生じていた時間tLの長さについての判定がなされる。tLが0より大きくt2より短いときには、処理はそのままステップS2に戻る(図4中のI参照)。たとえば、t2は0.5秒とすることができる。
ステップS10において、発電セル200に電圧低下が生じていた時間tLの長さが、t2以上でt3より短いときには、処理はステップS12に進む(図4中のII参照)。ステップS12では、発電セル200の電圧低下を解消し、発電性能を改善する回復処理が開始される。なお、t3は、たとえば1.0秒とすることができる。
ステップS12では、まず第1に、燃料電池スタック110に送り込む水素ガスの量および空気の量を補正する。具体的には、水素ポンプ145による水素ガスの供給圧力を上げることによって、水素ガスの量を増やす。また、コンプレッサ141による空気の供給圧力を上げることによって、空気の量を増やす。これにより、電解質膜232に付着した液体の水が吹き飛ばされ、アノードオフガスの還流配管133またはカソードオフガスの配管136に排出される。その結果、発電セル200のフラッディングによる電圧低下が低減され、発電セル200の発電性能が改善される。なお、増加させる水素ガスの量および空気の量は、制御部48が燃料電池スタック110の温度Tfcおよび要求負荷Ltに基づいて決定する。
また、ステップS12では、排出管134に設けられた排出バルブ126を開く時間間隔および開いている時間を補正する。具体的には、排出バルブ126を開く時間間隔を短くし、開いている時間を長くする。これにより、水素供給配管132、発電セル200および環流配管133からなる循環経路から、水分を多く含んだアノードオフガスが排出される。そして、新規の水素ガスを水素タンク120から供給する。その結果、水素ガスの循環経路を循環するガスの平均の湿度が低くなり、水素ガスの循環によって発電セル200からより多くの水分が奪われる。そして、発電セル200の電圧低下が低減され、発電セル200の発電性能が改善される。
また、排出バルブ126の開閉によって水素供給配管132、発電セル200および環流配管133を循環するガスの経路内に圧力および流速の脈動が生じ、その脈動によって電解質膜232に付着した液体の水が吹き飛ばされ、アノードオフガスの還流配管133に排出される。その結果、発電セル200の電圧低下が低減され、発電セル200の発電性能が改善される。ステップS12の後、処理はステップS2に戻る。
このように、第1実施例では、ある発電セル200の電圧が所定の時間(t2〜t3)だけ低下した場合にも、すぐに燃料電池システム22の運転を停止するのではなく、発電セル200の電圧低下を解消するための処理を実施しつつ、燃料電池システム22の運転を続行する。このため、発電セル200に電圧の異常低下が生じても、その後、ドライバーは安全な場所、または連絡が容易な場所まで移動することができる。また、運転を続けて、その間に発電セル200の状態が回復するのを待つことができる。
なお、ステップS12の各回復処理は、制御部48が、エアコンプレッサ141、水素ポンプ145および排出バルブ126を制御して実現する。この回復処理を実現する制御部48の機能部を、回復制御部64として図2に示す。エアコンプレッサ141、水素ポンプ145および排出バルブ126が特許請求の範囲にいう「回復部」に相当する。
また、ステップS10において、発電セル200に電圧低下が生じていた時間tLの長さが、t3以上でt4より短いときには、処理はステップS14に進む(図4中のIII参照)。なお、t4は、たとえば2.0秒とすることができる。
ステップS14では、燃料電池システム22の出力電力の上限値Pmaxを第2の出力基準値Pmax2とする。第2の出力基準値Pmax2は、第1の出力基準値Pmax1よりも低い値である。ステップS14の後、処理はステップS2に戻る。
燃料電池システム22の出力電力の上限値が第1の出力基準値Pmax1よりも低いPmax2であるかどうかは、以下のようにして確かめることができる。すなわち、燃料電池システム22の出力の上限値PmaxがPmax1であるときには、出力Pfc1(Pmax2<Pfc1<Pmax1)で運転されるような要求負荷Pr0に対して、他の条件が同じであるときに、燃料電池システム22が出力Pmax2で運転される場合には、その燃料電池システム22の出力の上限値はPmax2であると考えることができる。
第1実施例では、電圧低下を解消するための処理を所定の時間だけ実施しても(ステップS12参照)、発電セル200の電圧低下が解消しない場合にも、すぐに燃料電池システム22の運転を停止するのではなく、出力を下げて燃料電池システム22の運転を続行する。このため、発電セル200の電圧の異常低下が解消しない場合にも、ドライバーは安全な場所、または連絡が容易な場所まで移動することができる。また、低出力の運転を続けて、その間に発電セル200の状態が回復するのを待つこともできる。一方、燃料電池の出力は低く押さえられているため、そのまま発電セル200の電圧が低下しつづけて、電解質膜が損傷してしまう可能性は低い。
ステップS10において、発電セル200に電圧低下が生じていた時間tLの長さが、t4以上でt1より短いときには、処理はステップS16に進む(図4中のIV参照)。なお、t1は、たとえば3.0秒とすることができる。
ステップS16では、燃料電池システム22の出力電力の上限値Pmaxを第3の出力基準値Pmax3とする。第3の出力基準値Pmax3は、第2の出力基準値Pmax2よりも低い値である。ステップS16の後、処理はステップS2に戻る。なお、燃料電値システム22の出力の上限値がPmax3であるか否かは、出力の上限値がPmax2である場合と同様にして確かめることができる。
このように、第1実施例では、発電セル200の電圧低下を解消するための処理を実施しつつ(ステップS12参照)、出力を下げて所定の時間だけ燃料電池システム22の運転を続行しても、発電セル200の電圧低下が解消しない場合にも、すぐに燃料電池システム22の運転を停止しない。よって、ユーザは、発電セル200に電圧の異常低下が生じた後も、さらに遠くまで移動することができる。また、それまでよりもさらに出力が低い運転を続けるため、電解質膜が損傷してしまう可能性は低い。
ステップS10において、発電セル200に電圧低下が生じていた時間tLの長さが、t1より長いときには、処理はステップS18に進む。ステップS18では、燃料電池システム22の運転を停止する。そして、処理を終了する。燃料電池システム22の運転が停止されると、電気自動車10は、その後は、2次電池26に蓄えられたエネルギーの分だけしか移動することができない。
一方、ステップS6の判定結果がYesとなる場合は、処理はステップS8に進む。なお、ステップS6の判定結果がYesであるということは、すべての発電セル200において、電圧の異常低下が生じていないということである。
ステップS8では、発電セル200の電圧低下に応じて実施された各処理が終了される。すなわち、ステップS8では、燃料電池システム22を運転する際の出力制限の上限値Pmaxが、第1の出力基準値Pmax1とされる。また、発電セル200に電圧低下が生じている間カウントされいた時間tLがクリアされる。そして、発電セル200の電圧低下を解消するために実施されていた水素ガス、空気の流量の補正、および排出バルブ126の開閉時間の補正(ステップS12参照)が、終了される。
B.第2実施例:
図5は、第2実施例の燃料電池システム22の運転時の手順を示すフローチャートである。第2実施例の運転手順では、第1実施例におけるステップS8に相当する処理が第1実施例とは異なり、さらにステップS6とステップS10の間に所定のステップS40が存在する点で第1実施例とは異なる。他の点は、第1実施例の処理と同じである。
第2実施例の処理においては、ステップS6の判定結果がYesである場合は、処理はステップS32に進む。なお、ステップS6の判定結果がYesであるということは、すべての発電セル200において、電圧の値が正常であるということである。
ステップS32では、電圧の異常低下を起こしている発電セル200が存在した時間tLをクリアする。これにより、次にステップS6の判定結果がNoとなったときには、時間tLは、また0からカウントを開始される。
ステップS34では、すべての発電セル200において電圧の値が正常な状態にあった時間tHの長さについての判定がなされる。tHが0より大きくt5より短いときには、処理はそのままステップS2に戻る(図5中のVI参照)。すなわち、それまで燃料電池の出力の上限値Pmaxが第1の出力基準値Pmax1であった場合には、出力の上限値Pmaxはその値に維持される。また、それまで燃料電池の出力の上限値Pmaxが第2の出力基準値Pmax2または第3の出力基準値Pmax3とされていた場合には、出力の上限値Pmaxはその値に維持される。また、発電セル200の電圧低下に応じて各処理が実施されていた場合には(図4のステップS12参照)、各処理はそのまま継続される。なお、t5は、たとえば1.0秒とすることができる。
このように、第2実施例では、発電セル200の電圧が所定の時間(0より大きくt5未満)だけ正常値に復帰した場合にも、すぐに燃料電池システム22の運転を定常状態の運転に戻す(図4のステップS8参照)のではなく、所定の時間だけ定常状態よりも出力の上限値が低い状態で燃料電池システム22の運転を行う(ステップS34参照)。このため、発電セル200の電圧回復後、すぐに燃料電池システム22が高出力で運転されて、短時間で再び発電セル200の電圧低下を招くことことがない。よって、燃料電池システム22の出力の上限値が、頻繁に変動して、燃料電池システム22の運転が不安定となることがない。
ステップS34において、すべての発電セル200において電圧の値が正常な状態にあった時間tHの長さが、t5以上でt6より短いときには、処理はステップS36に進む(図5中のVII参照)。なお、t6は、たとえば2.0秒とすることができる。
ステップS36では、燃料電池システム22の出力の上限値Pmaxを第4の出力基準値Pmax4とする。第4の出力基準値Pmax4は、第1の出力基準値Pmax1よりも低い値である。ステップS36の後、処理はステップS2に戻る。
このように、第2実施例では、発電セル200の電圧が所定の時間(t5以上t6未満)だけ正常値に復帰した場合にも、所定の時間だけ定常状態よりも出力の上限値が低い状態で燃料電池システム22の運転を行う。ただし、燃料電池システム22の出力電力の上限値は、それまでよりも上げられる(ステップS36参照)。このため、燃料電池システム22の安定性を確保しつつ、運転者が、より定常状態に近い出力で電気自動車を運転することを可能としている。
ステップS34において、すべての発電セル200において電圧の値が正常な状態にあった時間tHの長さが、t6以上であるときには、処理はステップS38に進む(図5中のVIII参照)。ステップS38では、燃料電池システム22の出力の上限値Pmaxを第1の出力基準値Pmax1とする。第1の出力基準値Pmax1は、発電セル200に電圧に異常低下が生じていない定常状態における出力の上限値である。また、ステップS36では、発電セル200の電圧低下に応じて実施された各処理(図4のステップS12参照)が終了される。ステップS38の後、処理はステップS2に戻る。
このように、第2実施例では、発電セル200の電圧が所定の時間(t6以上)だけ正常値に復帰した場合に、燃料電池システム22の運転を定常状態の運転に戻す。よって、発電セル200の電圧が低下した場合には、所定の処理を行って(図4のステップS12,S14およびS16参照)発電セル200の電圧を回復させ、発電セル200の状態が回復し所定の安定状態に達したことが確認できた後、通常の運転(Pmax=Pmax1)を再び実行することができる。
一方、ステップS6において、判定結果がNoとなる場合は、処理はステップS40に進む。なお、ステップS6の判定結果がNoであるということは、いずれかの発電セル200において電圧の異常低下が起こっているということである。
ステップS40では、すべての発電セル200において電圧の値が正常であった時間tHをクリアする。これにより、次にステップS6の判定結果がYesとなったときには、時間tHは、また0からカウントを開始される。ステップS40の後、処理はステップS10に進む。以降の処理は、第1実施例と同様である。
C.第3実施例:
第1実施例では、発電セル200の電圧Vciに関する同一の基準値Vaに基づいて、回復処理を行うか否かの判断と、燃料電池システム22の出力電力の上限値Pmaxを変更するか否かの判断が行われていた(図4のステップS6およびS10参照)。しかし、第3実施例では、回復処理を行うか否かの判断と、燃料電池システム22の出力電力の上限値Pmaxを変更するか否かの判断とは、発電セル200の電圧Vciに関する異なる基準値Va、Vbに基づいてなされる。第3実施例の電気自動車10のハードウェア構成は第1実施例と同じである。
図6は、第3実施例の燃料電池システム22の運転時の手順を示すフローチャートである。図6のフローチャートは、第1実施例の図4のフローチャートとほぼ同様であるが、ステップS4とステップS6の間にステップS52,S54を有している点で異なっている。また、ステップS10における処理の分岐が第1実施例とは異なる。他の点については、図6のフローチャートは、第1実施例の図4のフローチャートと同じである。以下では、第3実施例における処理手順を、第1実施例における処理手順との相違点を中心に説明する。
第3実施例では、ステップS4においてセル電圧Vciを読み込んだ後、ステップS52で、そのセル電圧Vciが、所定の基準値Vb以上であるか否かが判定される。この基準値Vbは、基準値Vaよりも高い値である。基準値Vbは、基準値Vaと同様に、様々な要素に基づいて定めることができる。ステップS52の判定結果がYesである場合は、処理はステップS2に戻る。一方、ステップS52の判定結果がNoである場合は、処理はステップS54に進む。
ステップS54では、発電セル200の発電性能を改善する回復処理が開始される。ステップS54の処理は、第1実施例のステップS12の処理と同じである。このような態様とすることで、発電セル200の電圧がVb未満に低下したことを検知した直後に回復処理を開始することができる。
また、第3実施例では、低出力運転を開始するか否かの判断の基準である基準値Vaを、回復処理を行うか否かの判断の基準である基準値Vbよりも低い値としている。このため、回復処理を開始してもさらに発電セルの電圧が低下する場合に、出力の上限値を下げて燃料電池ユニットの運転を継続することができる。このような態様は、回復処理の開始後、その効果が現れるまでに所定の時間が必要とされる場合に、特に有効である。
また、第3実施例では、発電セルの電圧が基準値Vbよりも低くなった後、回復処理(ステップS54)を行うことによって、電圧の低下が低減され、その結果、引き続いて発電セルの電圧が低下して基準値Vaを下回ってしまうという事態を回避できた場合には(ステップS6においてYesとなった場合)、処理はステップS8を経由してステップS2に戻る。このため、そのような場合には、燃料電池ユニットの出力の上限値を下げることなく、すなわち、電気自動車10のドライバビリティを低下させることなく、燃料電池ユニットの運転を継続することができる。
そして、第3実施例では、発電セル200の電圧が回復し、上昇に向かった場合にも、低出力の運転を開始する基準電圧Va(ステップS6参照)よりも高い基準電圧Vbに回復するまで、回復処理が続行される。このため、回復処理によって、低出力運転(ステップS14およびS16参照)を行う必要がない状態にまで、発電セル200の状態を回復させることができる。
ステップS54の後、処理はステップS6に進む。ステップS6の処理は、第1実施例と同じである。その後、処理はステップS10に進む。
ステップS10では、第1実施例と同様に、発電セル200に電圧低下が生じていた時間tLの長さについての判断がなされる。発電セル200に電圧低下が生じていた時間tLがt4より短いときには、処理はステップS14に進む(図6中のIII’参照)。また、ステップS10の判断結果に基づいて、回復処理が行われることはない(図4のステップS12参照)。他の点は、第1実施例のステップS10の判断および処理の分岐と同じである。III’(0≦tL<t4)の条件下でステップS14の低出力運転を行う態様とすることで、発電セル200の電圧がVa未満に低下したことを検知した直後に、燃料電池システム22の出力電力の上限値Pmaxを下げることができる。
D.変形例:
この発明は上記の実施例や実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば次のような変形も可能である。
(1)第1実施例では、電圧が低下した場合に実施する各種の処理(図4のステップS12,14および16参照)を終了するか否かの判断基準となる電圧は、それらの処理を開始するか否かの判断基準となる電圧と同じであった(ステップS6,S8,S10およびS12参照)。また、第2実施例においても、電圧が低下した場合に実施する各種の処理を終了するか否かの判断基準となる電圧は、それらの処理を開始するか否かの判断基準となる電圧と同じであった(ステップS6およびS38参照)。しかし、電圧が低下した場合に実施する各種の処理を終了するか否かの判断基準となる電圧は、それらの処理を開始するか否かの判断基準となる電圧と同じでなくてもよい。
たとえば、電圧が低下した場合に実施する各種の処理を終了するか否かの判断基準となる電圧を、それらの処理を開始する際の判断基準となる電圧よりも高い値に設定することができる。そのような態様とすれば、いったん電圧が低下した発電セルの運転状態が、各処理を開始したときよりもより最適な運転状態に近づくまで待ってから、通常の運転を再開するようにすることができる。その結果、安定して燃料電池システムを運転することができる。
(2)上記実施例ではt1〜t6についてそれぞれ具体的な数値を示した。しかし、それらは一例に過ぎず、判断基準となる時間は任意の値をとることができる。ただし、燃料電池システムを停止させる判断基準となる時間t1は、5秒以下であることが好ましく、3秒以下であることがさらに好ましい(図4のステップS10およびS18参照)。
(3)上記各実施例では、燃料電池システム22は冷却水の配管138に温度センサ149を備えており、燃料電池スタック110の温度Tfcとして、冷却水の温度を測定していた。しかし、燃料電池システム22は、燃料電池スタック110内部の温度を直接計測できる温度センサを備える態様としてもよい。すなわち、燃料電池システム22は燃料電池スタック110の温度を推定するための根拠となる計測値を得ることができるセンサを備えていればよい。
(4)発電セル200の電圧の基準値Vaは、要求負荷Ltおよび燃料電池スタック110の温度Tfcに応じて定めるほか、他のパラメータを考慮して定めてもよい。たとえば、外気温や水素タンク120中の水素ガスの濃度に応じて、発電セル200の電圧の基準値Vaを定めてもよい。
そして、発電セル200の電圧の基準値Vaは、それらの条件下で最適な運転が行われたときの電圧Vc0の75%の値のほか、電圧Vc0の80%の値とすることもでき、70%の値とすることもできる。すなわち、最適な運転を行った場合の電圧に対して、所定の割合で定められていればよい。
(5)上記各実施例では、発電性能を改善する回復処理は、各発電セル内の液体の水を減少させることによって、フラッディングを解消する処理であった。そして、たとえば、回復部は、発電セルに直接または間接に接続され発電セルに燃料ガスを循環させる燃料ガス循環経路(水素供給配管132および還流配管133)に設けられた弁(排出バルブ126)と、燃料ガス循環経路に接続された燃料ガス貯蔵部(水素タンク120)であった。そして、弁を開いて湿度が比較的高い使用済みの燃料ガスを循環経路外に排出し、燃料ガス貯蔵部から湿度が比較的低い水素ガスを燃料ガスを循環経路に供給して、回復処理を実行していた。しかし、回復処理は、上記各実施例で示した処理以外の処理とすることもできる。
たとえば、燃料電池システム22の空気の配管135において、回復部として、加湿器142を迂回するためのバイパス用配管を備え、発電セルに電圧の低下が生じた場合には、空気がそのバイパス用配管を通って加湿器142を通らずに直接燃料電池スタック110に供給されるようにしてもよい。また、燃料電池システム22の空気の配管136において、回復部として、加湿器142を迂回するためのバイパス用配管を備え、発電セルに電圧の低下が生じた場合には、カソードオフガスがそのバイパス用配管を通って加湿器142を通らずに外部に排出されるようにしてもよい。このようにすれば、発電セル200に供給される空気は加湿されることがない。このため、より乾燥した空気を電解質膜に供給することで、電解質膜に付着した水を低減することができる。
すなわち、回復部が行う回復処理は、直接燃料電池スタック110に供給するガスの湿度を下げる処理とすることができる。また、回復部が行う回復処理は、直接燃料電池スタック110に供給するガスの流通速度や供給圧力を上げる処理、または変動させる処理とすることができる。
また、発電性能を改善する回復処理は、フラッディングを解消する処理以外に、電解質膜の乾燥による発電の異常(ドライアップ)を解消するための処理とすることができる。たとえば、燃料電池システム22は、発電セル200内や燃料電池スタック110に供給するガスに、水を噴霧する処理を行うことができる加湿部を有する態様としてもよい。
また、以上で例として挙げて説明した電圧の低下を低減するための各処理は、それぞれ単独で実行してもよいし、2以上を組み合わせて実行してもよい。
(6)第3実施例では、低出力運転を開始するか否かの判断の基準値Vaは、回復処理を開始するか否かの判断の基準値Vbよりも低い値であった。しかし、この基準値Va,Vbは、第1実施例のように同じ値とすることもできる。このような態様とすれば、低出力での燃料電池ユニットの運転と、回復処理とを同時に開始して、効率的に発電セルの状態を回復させることができる。また、過剰または過小に回復処理を行うことを防止することができ、その結果、適切に回復処理を行うことができる。
また、基準値Vaを、基準値Vbよりも高い値とすることもできる。そのような態様においては、発電セルの電圧が低下した場合に、回復処理によって発電セル200の電圧がVb以上に回復した場合にも、低出力運転が続行される。このため、回復処理を終了した直後に再び高負荷の運転を行って、発電セル200の電圧を低下させてしまう事態をさけることができる。
(7)第1実施例では、モータの動力を外部(路面)に伝達する手段として、車両駆動軸38と車輪39とを備えた電気自動車について説明した。しかし、燃料電池システムは、他の移動体に適用することも可能である。例えば、車両駆動軸38と車輪とを備え、軌道上を移動する車両に適用してもよい。
また、この燃料電池システムを、モータの動力を外部に伝達するための手段として、スクリューや外輪を備えた船舶に適用することもできる。この場合、スクリューや外輪が動力を伝達する外部の対象は、船舶がその上に浮かんでいる水である。また、この燃料電池システムを、モータの動力を外部に伝達するための手段として、プロペラを備えたに適用することもできる。この場合、プロペラが動力を伝達する外部の対象は、航空機の周りの空気である。
この燃料電池システムは、発電セルに異常が生じた場合にも、異常を解消する処理を行いつつ運転を継続することができるシステムである。このため、特に人を乗せて移動する移動体の動力源とするのに好適である。
また、この燃料電池システムは、寒冷地や病院などにおける自家発電システムとして利用することも好ましい。
(8)本発明は、上記実施例で説明した具体的な実施形態以外の形態も含む、以下のような態様とすることもできる。すなわち、要求負荷によらず燃料電池ユニットの出力が第1の出力基準値以下となるように、燃料電池システムを運転する第1の運転モードと、要求負荷によらず燃料電池ユニットの出力が、第1の出力基準値よりも低い第2の出力基準値以下となるように燃料電池システムを運転する第2の運転モードと、を有する態様とすることもできる。
この態様においては、第1の運転モードにおいて、発電セルの電圧が第1の運転しきい値を下回った状態が、第1の時間だけ継続した場合には、回復部による回復処理を開始する。そして、第1の運転モードにおいて、発電セルの電圧が第1の運転しきい値を下回った状態が、第1の時間よりも長い第2の時間だけ継続した場合には、第2の運転モードに移行する。このような態様とすれば、発電セルの電圧の異常を検知した場合に、発電セルの発電性能を改善する処理を実行しつつ、燃料電池システムの運転を継続することができる。
なお、発電セルの電圧が第1の運転しきい値を下回った状態が、第2の時間よりも長い第3の時間だけ継続した場合には、燃料電池システムの運転を停止することが好ましい。このような態様とすれば、発電セルの損傷を防止することができる。
また、要求負荷によらず燃料電池ユニットの出力が、第2の出力基準値よりも低い第3の出力基準値以下となるように燃料電池システムを運転する第3の運転モードを有する態様においては、以下のような処理を行うことが好ましい。すなわち、発電セルの電圧が第1の運転しきい値を下回った状態が、第2の時間よりも長く第3の時間よりも短い第4の時間だけ継続した場合には、第3の運転モードに移行する。このような態様とすれば、発電セルの損傷を防止しつつ、燃料電池システムの運転を継続することができる。
一方、要求負荷によらず、燃料電池ユニットの出力が、第2の出力基準値よりも高い第3の出力基準値以下となるように燃料電池システムを運転する第3の運転モードを有する態様においては、以下のような処理を行うことが好ましい。すなわち、第2の運転モードにおいて、発電セルの電圧が第2の運転しきい値を上回った状態が、第3の時間だけ継続した場合には、第3の運転モードに移行する。このような態様とすれば、発電セルが電圧を回復したあと、出力制限を緩めて、それまでよりも高い出力で燃料電池を運転することができる。
なお、回復部による回復処理は、複数の発電セルの電圧が、第1および第2の運転しきい値のうちの高い方のしきい値を下回っている状態において、発電セルの発電性能を改善することができるものであることが好ましい。
なお、第3の出力基準値は、第1の出力基準値と等しい値とすることができる。このような態様とすれば、発電セルが電圧を回復したあと、燃料電池システムの運転状態を、もとの状態に戻すことができる。なお、このような態様においては、第3の運転モードに移行すると同時に、または、移行した後に、回復処理を終了することが好ましい。
また、第3の出力基準値は、第1の出力基準値よりも低い値とすることができる。このような態様とすれば、発電セルが電圧を回復したあと、もとの運転状態よりも低い出力で運転を継続して、発電セルの電圧がふたたび低下しないかどうかを監視することができる。なお、このような態様においては、第3の運転モードに移行しても、回復処理を継続することが好ましい。
なお、上記実施例において、ハードウェアによって実現されていた構成の一部をソフトウェアに置き換えるようにしてもよく、逆に、ソフトウェアによって実現されていた構成の一部をハードウェアに置き換えるようにしてもよい。
電気自動車10の構成の概略を表わすブロック図。 燃料電池システム22の概略構成を示す説明図。 発電セル200の構造を示す斜視図。 燃料電池システム22の運転時の手順を示すフローチャート。 第2実施例の燃料電池システム22の運転時の手順を示すフローチャート。 第3実施例の燃料電池システム22の運転時の手順を示すフローチャート。
符号の説明
10…電気自動車
15…電源装置
17…動力装置
20…スイッチ
22…燃料電池システム
27…残存容量モニタ
28…DC/DCコンバータ
30…駆動インバータ
32…駆動モータ
34…減速ギヤ
36…出力軸
38…車両駆動軸
39…車輪
40…高圧補機
42…ダイオード
48…制御部
50…配線
52…電圧計
56…ブレーキセンサ
57…アクセル開度センサ
58…車速センサ
64…回復部
110…燃料電池スタック
112…圧力センサ
120…水素タンク
123…レギュレータ
124…シャットバルブ
125…シャットバルブ
126…排出バルブ
127…圧力調整弁
128…逆止弁
132…水素供給配管
133…環流配管
134…排出管
135〜138…配管
141…エアコンプレッサ
142…加湿器
144…希釈器
145…水素ポンプ
146…気液分離器
147…ポンプ
148…ラジエータ
149…温度センサ
200…発電セル
202…電圧計
210…セパレータ
211,213,221…溝部
212…燃料ガス流路
220…セパレータ
222…酸化ガス流路
232…電解質膜
234…水素極
236…酸素極
240…冷却セパレータ
242…冷却水溝
251,252…冷却水孔
253,254…燃料ガス孔
255,256…酸化ガス孔
Lt…要求負荷
Pmax…燃料電池システムの出力の上限値
Pmax1…定常状態における燃料電池システムの出力の上限値
Pmax2〜Pmax4…燃料電池システムの出力の上限値
Tfc…燃料電池スタックの温度
Va…低出力運転を開始するか否かの判断の基準値
Vb…回復処理を行うか否かの判断の基準値
Vci…各発電セルの電圧
tH…発電セルの電圧が基準値を上回っていた時間
tL…発電セルの電圧が基準値を下回っていた時間

Claims (14)

  1. 燃料電池システムであって、
    発電を行う複数の発電セルと、
    前記少なくとも一部の発電セルの電圧を検知する電圧検知部と、
    前記発電セルの電圧が回復しきい値を下回っている状態において前記発電セルの発電性能を改善する回復処理を実行できる回復部と、
    前記燃料電池システムの運転を制御する制御部と、を備え、
    前記制御部は、
    前記発電セルの電圧が前記回復しきい値を下回った場合に、前記回復部による前記回復処理を開始し、
    前記回復処理を行った後、前記発電セルの電圧が第1の運転しきい値を下回った場合に、前記燃料電池ユニットの出力の上限値を下げる、燃料電池システム。
  2. 請求項1記載の燃料電池システムであって、
    前記第1の運転しきい値は、前記回復しきい値よりも低い値である、燃料電池システム。
  3. 請求項1記載の燃料電池システムであって、
    前記第1の運転しきい値は、前記回復しきい値よりも高い値である、燃料電池システム。
  4. 請求項1記載の燃料電池システムであって、
    前記第1の運転しきい値は、前記回復しきい値と等しい値である、燃料電池システム。
  5. 請求項1記載の燃料電池システムであって、
    前記制御部は、
    前記発電セルの電圧が前記第1の運転しきい値を下回った状態が前記第1の時間だけ継続した場合には、前記燃料電池システムの運転を停止する、燃料電池システム。
  6. 請求項5記載の燃料電池システムであって、
    前記制御部は、
    前記発電セルの電圧が前記第1の運転しきい値を下回った状態が、前記第1の時間よりも短い第2の時間だけ継続した場合には、前記燃料電池ユニットの出力の上限値をさらに下げる、燃料電池システム。
  7. 請求項1記載の燃料電池システムであって、
    前記制御部は、
    前記発電セルの電圧が第2の運転しきい値を上回った場合には、前記燃料電池ユニットの出力の上限値を上げる、燃料電池システム。
  8. 請求項7記載の燃料電池システムであって、
    前記制御部は、
    前記発電セルの電圧が第2の運転しきい値を上回った場合には、前記燃料電池ユニットの出力の上限値を、前記発電セルの電圧が前記第1の運転しきい値を下回る前の前記燃料電池ユニットの出力の上限値とする、燃料電池システム。
  9. 請求項7記載の燃料電池システムであって、
    前記制御部は、
    前記発電セルの電圧が第2の運転しきい値を上回った場合には、前記燃料電池ユニットの出力の上限値を、前記発電セルの電圧が前記第1の運転しきい値を下回る前の前記燃料電池ユニットの出力の上限値よりも低い値とする、燃料電池システム。
  10. 請求項7記載の燃料電池システムであって、
    前記第2の運転しきい値は、前記第1の運転しきい値と等しい値である、燃料電池システム。
  11. 請求項7記載の燃料電池システムであって、
    前記第2の運転しきい値は、前記第1の運転しきい値よりも高い値である、燃料電池システム。
  12. 請求項1ないし11記載の燃料電池システムであって、
    前記発電セルの電圧の低下はフラッディングによる電圧の低下である、燃料電池システム。
  13. 請求項1ないし11記載の燃料電池システムであって、
    前記回復部は、
    前記発電セルに直接または間接に接続され、酸化ガスと燃料ガスとのうちの一方のガスを前記発電セルに供給するポンプであって、供給圧力と供給速度との少なくとも一方を変動させて前記ガスを供給することができ、前記変動により前記発電セル内の液体の水を除去することで前記回復処理を実行する、燃料電池システム。
  14. 人を乗せて移動するための移動体であって、
    請求項1記載の燃料電池システムと、
    前記燃料電池システムから供給される電力で駆動されるモータと、
    前記モータの動力を外部に伝達して前記移動体を移動させる伝達部と、を備える移動体。
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