JP2005061837A - 走査型荷電粒子ビーム装置を用いた欠陥検査方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】半導体LSIなどの被検査試料の表面に生じた欠陥の検査を、パターンマッチング技術を用いて高い精度で短時間に行なうことができる走査型荷電粒子ビーム装置を用いた欠陥検査方法
【解決手段】メモリー系素子のメモリー箇所のパターン形状のように、パターンがアレイ状となっており、いわゆる繰り返し図形である場合には、コンタクトホールを8個含むマッチングサイズを選び、その基準マッチングサイズとして、図3の走査電子顕微鏡像の視野中左上に実線で囲まれた領域Aを選択する。このマッチングサイズAを検査画像Iの全体に対してサーチし、その結果、マッチングした部分が図中で実線、点線、一点鎖線で囲まれた領域であり、マッチングできなかった部分Bが残る。第2段階として、例えば、コンタクトホール1個を含むようにマッチングサイズを選び、この残り部分Bに対して、パターンマッチングを実行する。
【選択図】 図3
【解決手段】メモリー系素子のメモリー箇所のパターン形状のように、パターンがアレイ状となっており、いわゆる繰り返し図形である場合には、コンタクトホールを8個含むマッチングサイズを選び、その基準マッチングサイズとして、図3の走査電子顕微鏡像の視野中左上に実線で囲まれた領域Aを選択する。このマッチングサイズAを検査画像Iの全体に対してサーチし、その結果、マッチングした部分が図中で実線、点線、一点鎖線で囲まれた領域であり、マッチングできなかった部分Bが残る。第2段階として、例えば、コンタクトホール1個を含むようにマッチングサイズを選び、この残り部分Bに対して、パターンマッチングを実行する。
【選択図】 図3
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体LSIなどの検査対象物の表面上の欠陥を、走査電子顕微鏡などの走査型荷電粒子ビーム装置によって得られた走査像中の表面構造パターンに基づいたパターンマッチング技術を用いて検査する走査型荷電粒子ビーム装置を用いた欠陥検査方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
LSI製造工程においては、最終的に製造されるデバイスの性能を左右するクリティカルな個所の欠陥検査を、当初は光学顕微鏡を用いて行なっていた。この光学顕微鏡を用いて行う欠陥検査では、デバイスの製造工程中の所定の工程が終了したウェハを光学顕微鏡の試料として、光学顕微鏡の試料室に導入する。
【0003】
光学顕微鏡においては、ウェハ試料上の特定領域ごとにレーザー光を走査し、この走査に伴って試料から発生する散乱光を検出し、レーザー光の走査に同期した画像信号を得る。得られた画像は、ウェハ試料上の特定領域の表面に形成されたパターンであり、このパターンの検出画像は、予め得られている基準パターン画像と比較される。
【0004】
上記2種の画像の比較は、目視によってもできるが、通常はパターンマッチング技術を用い、コンピュータ制御の下で自動的に行なわれる。この2種の画像比較により、ウェハ試料上に形成されたパターンの形状不良(例えば、パターン幅や長さが異常に長くなっている、あるいは、パターンの一部が欠落している等)、異物の混入等の欠陥を検出する。
【0005】
検出された欠陥は、その種類に応じて15分類程度に仕分けされて欠陥の発生原因との対応付けが行なわれる。したがって、デバイスの製造工程中の所定の工程が終了したウェハを光学顕微鏡により検査し、仮にある種の欠陥が見つかった場合には、その発生原因となった製造工程にその情報をフィードバックし、当該発生原因を取り除くことによって、最終的に製造されるデバイスの歩留まりを向上させるようにしている。
【0006】
しかしながら、上記した光学顕微鏡による欠陥検査では、試料にレーザー光を照射していることから、画像の分解能に限界があり、LSIの微細化の進展に伴ってパターン形状がボケてしまい、欠陥検査を行なうことが不可能となってきた。
【0007】
超LSIであっても、光学顕微鏡で検出できる大きさの欠陥も存在し、そのような欠陥は、従来からの光学顕微鏡による欠陥検査で検出し、その後の処理を行なうことが検査全体のスループット向上にとって有効である。しかし、前記したように、ウェハ上に形成されたパターンの微細化に伴い、パターンの欠陥も微細化し、このような微細欠陥もLSIデバイスの性能不良の原因となる。このような微細欠陥は、比較的倍率の低い光学顕微鏡を用いた検査では見出すことができない。あるいは、欠陥の有無までは検出できても、微細欠陥の形状やその大きさなどを高い精度で特定することは不可能である。
【0008】
その結果、微細欠陥の検査は、倍率が高くまた画像の分解能が高い走査電子顕微鏡等の荷電粒子ビーム装置を使用して行なうようになってきた。このような走査電子顕微鏡を用いて欠陥検査を行なう例として特許文献1を挙げることができる。次に、従来走査電子顕微鏡を用いてデバイス製造過程のウェハ上に形成されたパターン等の欠陥検査を行なう手順を説明する。
【0009】
まず、被検査ウェハ試料は、レーザー光を光源とした光学顕微鏡をベースにした光学式欠陥検査装置に導入され、レーザー光で試料の所定領域が走査される。この走査によって得られた散乱光を検出し、画像データを取得する。この画像データに基づく画像と基準の画像が比較(例えばパターンマッチング処理)され、試料表面上の欠陥の位置とその大きさが検出される。
【0010】
上記検査において、光学式検査装置は、欠陥の有無、欠陥の位置と大きさを検出し、それらのデータを、高い倍率で高分解能の像を観察できる走査電子顕微鏡の制御系に転送することが大きな機能となっている。この光学式欠陥検査装置で検出した欠陥の位置は、ウェハ試料上に仮想的に決められた座標系による座標値によって表される。更に、欠陥の大きさは、高い精度ではなく、光学顕微鏡固有の分解能に基づいて検出できる範囲の精度による数値となる。
【0011】
上記光学式検査装置で所定の検査を行なったウェハ試料は、光学式欠陥検査装置の試料室から取り出され、走査電子顕微鏡の試料室中の移動ステージ上に搬送されて装填される。これら試料の取り出し、搬送、移動ステージへの装填はマニュアルによって行なっても良いが、好ましくは自動的に行なわれることが望ましい。試料の搬送と同時に、光学式欠陥検査装置で検出した欠陥の有無、欠陥があった場合のその位置と大きさのデータが、フロッピディスクなどの媒体を介したり、LANのような通信機能を通じて走査電子顕微鏡の制御系に転送される。
【0012】
ウェハ試料が搬送され、検査領域における欠陥の位置と大きさのデータが転送された走査電子顕微鏡においては、欠陥の位置(座標値)に応じてウェハ試料を移動させ、欠陥部分を走査電子顕微鏡の観察位置に配置する。なお、欠陥が複数箇所に存在する場合には、走査電子顕微鏡で観察する欠陥部分の順番が自動的に決められる。
【0013】
試料移動によって欠陥部分が走査電子顕微鏡の観察位置(電子光学系の光軸近傍)に配置された後、欠陥部分で欠陥の大まかな大きさに応じた領域で電子ビームを2次元走査する。すなわち、走査電子顕微鏡における電子ビームの2次元走査幅が制御され、大きな欠陥部分の場合には走査幅は大きくされ、比較的低い倍率で電子ビーム走査に基づく画像を取得する。
【0014】
逆に小さな欠陥部分の画像を取得する場合には、電子ビームの走査幅は小さくされ、比較的高い倍率が用いられる。走査電子顕微鏡により取得された、欠陥部分の画像データはコンピュータに供給され、画像処理機能により、欠陥を15分類程度に識別する。
【0015】
さて,走査電子顕微鏡では、欠陥分類をすべき対象となる微細な欠陥を含む画像データを順次取り込むように設計されているが、1つの箇所の微細欠陥の画像データの取り込みが終了した後,次の箇所の微細欠陥の取り込みを実行するために、予め情報として得ている欠陥位置が走査電子顕微鏡の観察位置に配置されるようにウェハ試料が移動される。
【0016】
しかし、往々にしてこの欠陥位置は数μm程度の誤差を有している。そのため、欠陥部分が1枚の画像の中に必ず含まれるように、走査電子顕微鏡の倍率を欠陥分類に最適な倍率より低い5千〜1万倍程度の倍率とし、画像データを取得するようにしている。
【0017】
そのため、この倍率によって取得した画像データから欠陥位置と大きさを再検出し、この欠陥位置を走査電子顕微鏡の観察視野の中央(光軸上)に配置されるようにウェハ試料を移動し、その後、欠陥分類に適した倍率により、欠陥部分を含む領域を電子ビームで走査し、画像データを取得するようにしている。
【0018】
上記した一連の手順が自動的に実行されるように、走査電子顕微鏡およびその制御系は構成されている。この構成でいくつかの画像処理技術が使用されている。例えば、低い5千〜1万倍程度の倍率の画像データから欠陥を検出する方法として、無欠陥画像(基準画像)と欠陥を含む画像(被検査画像)を比較することによって欠陥の位置と大きさを再検出する画像比較法が用いられている。
【0019】
この画像比較法を大きなパターンサイズにおける欠陥をTVカメラを用いて検査する場合を例にして説明する。第1の例としては、プリント配線基板において、良品パターンのエッジパターンと被検査画像中のエッジパターンとを、パターンマッチング処理を行なって比較検査し、不一致部を欠陥候補とする。次に、形状的に特徴を評価・分類し、欠陥候補の内の真の欠陥を決定する。このような画像比較法については、非特許文献1に記載されている。
【0020】
次に、画像比較法を用いた第2の例を説明する。この第2の例では、印刷配線シートで、良品のパターンを反転させて2値化したり、拡大したパターンと縮小したパターンを作るなどの画像処理を施し、相似な2種類のパターンを作成し、この2種類のパターンを基準パターンとする。この基準パターンと被検査シートのパターンとを比較し、欠陥検査を行なう。なお、この場合の良非判定は、被検査シートのパターンが拡大パターンと縮小パターンの間に含まれているかどうかによって行なう。このような画像比較法については、非特許文献2に記載されている。
【0021】
【特許文献1】
特開2001−210687
【非特許文献1】
稲田等:“セラミックスシート印刷配線パターン検査装置”第1回産業における画像シンポジウム,pp339−1986
【非特許文献2】
J.F.Jarvis:“A Method for Automating the visual inspection of printed
writing bords,”IEEE Trans. on Pattern Anal. & Machin Intell., vol. PAMI−2, No.1 pp77−82, 1986
【0022】
【発明が解決しようとする課題】
さて、上述したように、微細なパターンが形成されたウェハ試料の欠陥を走査電子顕微鏡を用いて検査する場合、最初にそのウェハ試料をレーザー光を光源とした光学顕微鏡をベースにした光学式欠陥検査装置で欠陥の有無、欠陥があった場合にその欠陥の位置と大きさを測定する。そして光学欠陥検査装置で測定した欠陥の位置座標値等のデータと被検査ウェハ試料が走査電子顕微鏡に転送および搬送される。
【0023】
走査電子顕微鏡でウェハ試料を検査(再検査と呼ぶ)するには、予め光学式欠陥検査装置と走査電子顕微鏡の試料ステージの座標基準位置を合わせ、その後、走査電子顕微鏡の試料ステージを転送された欠陥位置座標値に応じて、走査電子顕微鏡の試料ステージをこの欠陥位置座標に移動させる。
【0024】
この場合、欠陥点が走査電子顕微鏡の観察領域の中心に位置するように試料ステージを移動させる。試料ステージの移動後、走査電子顕微鏡により観察領域の表面の画像データが得られるが、初期観察倍率は最大1万倍程度に留まっている。この理由は、レーザー光学顕微鏡をベースとした光学式欠陥検査装置における試料ステージの座標位置精度と、走査電子顕微鏡の試料ステージの座標位置精度の機械的な精度の相違に基づく。
【0025】
LSIパターンが100nm以下になってくると、発見すべき欠陥も小さくなり、走査電子顕微鏡の検査倍率は、5万〜10万倍が要求されるようになってきた。しかし、前記したように、走査電子顕微鏡による観察の初期倍率は5千〜1万倍であり、要求された5万〜10万倍の倍率に達していない。したがって、走査電子顕微鏡における初期倍率が検査倍率より低い場合、初期倍率で取得した画像データから欠陥領域を絞り込み、その領域を高い倍率で電子ビームの走査を行ない、絞り込んだ領域の画像データを得なければならず、欠陥検査のスループットが良くない。
【0026】
前述した非特許文献1では、プリント配線基板において、良品パターンのエッジパターンと被検査画像のエッジパターンをパターンマッチングで比較検査し、不一致部を欠陥候補としてしている。そして、この欠陥候補について形状的に特徴を評価・分類し、欠陥と決定する方式が記載されている。更に、非特許文献1では、良品を5×5あるいは7×7の小さな正方形の領域で切り出した良品パターンと、同様に切り出した被検査パターンをマッチングすることが記載されているものの、しかしながら、非特許文献1では、TVカメラを用いて画像を取得するようにしているので、高い精度で欠陥の観察を行なうことができない。また、非特許文献2に記載のマッチング方式では、2種類の基準パターンを用いるので、パターンマッチングを2回行なうことになるが、良品パターンの画像に画像処理を施して、新規な類似な基準パターンを2種類作成しており、この画像処理は煩雑であり、処理時間も比較的長い。
【0027】
本発明は、このような点に鑑みてなされたもので、その目的は、半導体LSIなどの被検査試料の表面に生じた欠陥の検査を、パターンマッチング技術を用いて高い精度で短時間に行なうことができる走査型荷電粒子ビーム装置を用いた欠陥検査方法を実現するにある。
【0028】
【課題を解決するための手段】
各請求項に記載された発明では、パターンマッチングにより、正常な領域を見つけだし、その残りの部分が欠陥部分とする基本的な考え方に基づいている。
【0029】
請求項1の発明に基づく走査型荷電粒子ビーム装置を用いた欠陥検査方法は、光学式検査装置によって検出された欠陥位置で欠陥の大きさに対応した領域で荷電粒子ビームを2次元走査し、この走査によって被検査物質から得られた信号を検出し、検出信号を画像信号として記憶し、該記憶された画像を整数で分割し、分割されたそれぞれの領域のパターンを基準バターンとして他の分割された領域のパターンとマッチング処理を行ない、マッチングした領域以外を欠陥領域としたことを特徴としている。
【0030】
請求項1の発明では、光学式欠陥検査装置で検出された欠陥部の例えば走査電子顕微鏡像を取得し、得られた像を整数で分割し、分割されたそれぞれの領域のパターンを基準パターンとして他の分割された領域のパターンとマッチング処理を行なう簡単なアルゴリズムにより、欠陥領域を高倍率、高分解能で観察等を行う。
【0031】
請求項2の発明に基づく走査型荷電粒子ビーム装置を用いた欠陥検査方法は、光学式検査装置によって検出された欠陥位置で欠陥の大きさに対応した領域で荷電粒子ビームを2次元走査し、この走査によって被検査物質から得られた信号を検出し、検出信号を画像信号として記憶し、該記憶された画像中の表面構造を示すパターンと、欠陥がない基準パターンとパターンマッチング処理を行ない、マッチングした領域以外を欠陥領域としたことを特徴としている。
【0032】
請求項2の発明では、走査電子顕微鏡等で得られた画像中の表面構造を示すパターンと、欠陥がない基準パターンとパターンマッチング処理を行ない、マッチングした領域以外を欠陥領域とする簡単なアルゴリズムにより、高速に高精度で欠陥領域の観察等を行う。
【0033】
請求項7の発明に基づく走査型荷電粒子ビーム装置を用いた欠陥検査方法は、光学式検査装置によって検出された欠陥位置で欠陥の大きさに対応した被検査領域で荷電粒子ビームを2次元走査し、この走査によって被検査物質から得られた信号を検出し、検出信号を画像信号として記憶すると共に、領域の大きさが異なった欠陥がない第1と第2の基準パターンを準備し、該記憶された被検査領域の画像中の表面構造を示すパターンと、第1の基準パターンとの間でパターンマッチング処理を行ない、その後第2の基準パターンとの間でパターンマッチング処理を行ない、2回のパターンマッチング処理によってマッチングした領域以外を欠陥領域としたことを特徴としている。
【0034】
請求項7の発明では、第1の基準パターンと第2の基準パターンとの間で2回パターンマッチング処理を行うようにしたので、欠陥の見落としが防止できる。
【0035】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。図1は本発明に基づく検査方法を実施するための基本システム構成の一例を示している。図中1は、レーザー光を光源とした光学顕微鏡をベースにした光学式欠陥検査装置であり、2は光学式欠陥検査装置1の制御装置である。
【0036】
この光学式欠陥検査装置1を用いて行う欠陥検査では、デバイスの製造工程中の所定の工程が終了したウェハを光学顕微鏡の試料として、光学顕微鏡の試料室に導入する。
【0037】
光学顕微鏡においては、ウェハ試料上の特定領域ごとにレーザー光を走査し,この走査に伴って試料から発生する散乱光を検出し、レーザー光の走査に同期した画像信号を得る。得られた画像は、ウェハ試料上の特定領域の表面に形成されたパターンであり、このパターンの検出画像は、制御器2において、予め得られている基準パターン画像と比較される。
【0038】
上記2種の画像の比較は、目視によってもできるが、通常はパターンマッチング技術を用い、コンピュータを有した制御器2の下で自動的に行なわれる。この2種の画像比較により、ウェハ試料上に形成されたパターンの形状不良(例えば、パターン幅や長さが異常に長くなっている、あるいは、パターンの一部が欠落している等)、異物の混入等の欠陥を検出する。
【0039】
検出された欠陥は、その種類に応じて15分類程度に仕分けされて欠陥の発生原因との対応付けが行なわれる。したがって、デバイスの製造工程中の所定の工程が終了したウェハを光学顕微鏡により検査し、仮にある種の欠陥が見つかった場合には、その発生原因となった製造工程にその情報をフィードバックし、当該発生原因を取り除くことによって、最終的に製造されるデバイスの歩留まりを向上させるようにしている。
【0040】
しかしながら、上記した光学顕微鏡による欠陥検査では、従来技術の欄で説明したように、試料にレーザー光を照射していることから、画像の分解能に限界があり、LSIの微細化の進展に伴ってパターン形状がボケてしまい、詳細な欠陥検査を行なうことが不可能となってきた。
【0041】
超LSIであっても、光学顕微鏡で検出できる大きさの欠陥も存在し、そのような欠陥は、従来からの光学顕微鏡を用いた光学式欠陥検査装置による欠陥検査で検出し、その後の処理を行なうことが検査全体のスループット向上にとって有効である。しかし、ウェハ上に形成されたパターンの微細化に伴い、パターンの欠陥も微細化し、このような微細欠陥もLSIデバイスの性能不良の原因となる。
【0042】
その結果、微細欠陥の検査は、画像の分解能が高い走査電子顕微鏡等の荷電粒子ビーム装置を使用して行なうようになってきた。従って、本実施の形態においても、光学式欠陥検査装置1による欠陥検査の結果に基づいて、微細欠陥の検査を走査電子顕微鏡3により行うようにしている。走査電子顕微鏡3は、電子銃4、コンデンサレンズ5、対物レンズ6、偏向器7、試料8が装填される移動ステージ9より構成されている。
【0043】
電子銃4より発生し加速された電子ビームEBは、コンデンサレンズ5、対物レンズ6によってウェハ試料8上に細く収束される。試料8上の電子ビームの照射位置は、偏向器7によって2次元的に走査される。また、移動ステージ9をX,Y方向に任意に移動させることにより、試料上の電子ビームの2次元走査領域を移動させることができる。偏向器7にX,Y方向の走査信号を供給するための駆動回路10、移動ステージ9をX,Y2方向に必要量移動させるための駆動回路11は、コンピュータ12によって制御される。
【0044】
なお、光学式欠陥検査装置1によってウェハ試料8の欠陥検査が終了すると、ウェハ試料8は、光学式欠陥検査装置1内の試料室から、走査電子顕微鏡3の移動ステージ9上に搬送される。それと同時に、コンピュータ12には、光学式欠陥検査装置1の制御部2から、ウェハ試料表面の欠陥の位置座標値とその大きさの情報が転送される。
【0045】
コンピュータ12は、制御部2から転送されたウェハ試料8の欠陥の位置座標値に基づき移動ステージ駆動回路11を制御し、欠陥部を電子ビームEBの光軸下に配置する。また、コンピュータ12は、制御部2から転送されたウェハ試料の欠陥の大きさのデータに基づき、電子ビームの試料上の走査範囲(倍率)を決める。この決められた走査範囲の情報は、偏向器7の駆動回路10に供給され、駆動回路10は走査範囲情報に基づいた倍率の2次元走査信号を発生し、偏向器7に供給する。その結果、欠陥部分の大きさに応じた最適な倍率で欠陥部分の画像データを取得することが可能となる。
【0046】
試料8への電子ビームEBの照射によって発生した、例えば2次電子は、2次電子検出器14によって検出される。検出器14の検出信号は、試料表面形状を現す画像データとして、増幅器や輝度調整回路、コントラスト調整回路などの信号処理を行う信号処理器15を介して、画像積算機能を有した画像メモリー16に供給される。
【0047】
なお、信号処理器15から画像メモリー16に供給される信号は、AD変換器によってディジタル信号に変換されるが、AD変換器は図では省略されている。また、この図1の構成の説明で、当然信号のAD変換、DA変換の必要があるが、説明を簡略化するためにAD変換器、DA変換器は図からは除きその説明も省略されている。
【0048】
画像メモリー16に記憶された走査電子顕微鏡画像データは読み出されて陰極線管などの表示装置17に供給される。その結果、表示装置17には、ウェハ試料8の所望領域の2次電子像が表示される。画像メモリー16に記憶された画像データは、パターンマッチングユニット18に供給されて、このユニット18において2種のパターンのマッチング処理が行なわれる。パターンマッチングユニット18にはメモリー19が接続されているが、このメモリーには、後で説明する基準画像データなどが記憶される。以上のような構成の動作を次に詳細に説明する。
【0049】
まず、レーザー光を光源とした光学顕微鏡をベースにした光学式欠陥検査装置1の試料室内に、デバイスの製造工程中の所定の工程が終了したウェハを試料として導入する。光学顕微鏡においては、ウェハ試料上の特定領域ごとにレーザー光を走査し,この走査に伴って試料から発生する散乱光を検出し、レーザー光の走査に同期した画像信号を得る。得られた画像は、ウェハ試料上の特定領域の表面に形成されたパターンであり、このパターンの検出画像は、制御器2において、予め得られている基準パターン画像と比較される。
【0050】
上記2種の画像の比較は、パターンマッチング技術を用い、コンピュータを有した制御器2の下で自動的に行なわれる。この2種の画像比較により、ウェハ試料上に形成されたパターンの形状不良(例えば、パターン幅や長さが異常に長くなっている、あるいは、パターンの一部が欠落している等)、異物の混入等の欠陥を検出する。この欠陥の検出は、最低限欠陥の位置座標値とその欠陥の大きさの情報を得ることである。
【0051】
制御器2によって検出された欠陥の情報は、コンピュータ12に転送されると共に、光学式欠陥検査装置1の試料室内のウェハ試料8は走査電子顕微鏡3の移動ステージ9上に装填される。この後、移動ステージ9上でウェハ試料8の座標アライメントが行なわれる。
【0052】
ウェハ試料8には、同一パターンの多数のチップが配列されており、そのうち、欠陥のあるパターンを有したチップT1の欠陥部の座標位置(Xa,Yb)において、正常なパターンが形成されているチップT2を探し、そのチップT2の座標位置(Xa,Yb)が、電子ビーム光軸上に配置されるように、移動ステージ9を精密に移動させる。この状態で、正常なパターンが形成されているチップT2の座標位置(Xa,Yb)で、制御器2で検出された欠陥部の大きさのデータに基づいてコンピュータ12は最適な倍率を設定し、偏向器駆動回路10を制御する。
【0053】
この結果、正常なパターンが形成されているチップT2の座標位置(Xa,Yb)で、電子ビームの2次元走査が行なわれる。この電子ビームの試料上での2次元走査に伴って試料8から発生した2次電子は、2次電子検出器14によって検出される。検出信号は信号処理回路15を介して画像メモリー16に供給され、信号積算処理が施されてSN比が優れた画像データが得られる。
【0054】
この画像データは、試料上のパターン等に欠陥のない正常なパターンに基づくものであり、パターンマッチングユニット18に接続されたメモリー19に基準画像パターンとして記憶される。パターンマッチングユニット18内のコンピュータは、メモリー19に記憶された画像から特長量を検出する。メモリー19には、基準画像の視野全体を整数で仮想的に分割した各分割領域の画像や、これらの領域ごとの特長量が保存される。
【0055】
図2は基準画像の視野I全体を仮想的に整数で分割した例を示しており、視野I全体は、11から34の領域に分割されている。なお、特長量とは、画像工学的に抽出された物理量で、輪郭形状とか輝度分布などもその例である。ここで、仮想的に分割した領域を(パターン)マッチングサイズと呼ぶことにする。
【0056】
このマッチングサイズは、コンピュータのプログラムで自動分割するようにしてもよいし、オペレータが表示装置17で画像を観察しながら、最適と思われるように分割しても良い。オペレータが介在する理由は、パターンのどこで区切ればマッチングの確率が高いかを判断できるからである。
【0057】
なお、パターンマッチングは、特長量同士の比較で実行されるため、基準画像データ自体は、特長量の検出が終了した後は、保存しておく必要性は低いが、膨大な枚数のウェハを検査していく過程で、オリジナルの基準画像を見たくなることがあるため、基準画像データは保存しておくことが望ましい。
【0058】
パターンマッチングユニット18に含まれているコンピュータは、マッチングサイズに含まれる領域の特長量を画像データから抽出するが、また次のような処理を行なう。すなわち、積算機能を有する画像メモリー16に取り込まれた欠陥が含まれる検査画像全体に対してパターンマッチングユニットが、例えば、図2の画像の内、マッチングサイズ番号11の画像でもってサーチする。
【0059】
サーチとは、検査画像全視野の中で、マッチングサイズ番号11と一致するパターンがどこかに存在するか否かをパターンマッチング法で検査(=特長量の比較検査)し、一致するところがあれば、その領域に矩形でマーキングするようになっているので、この機能を動作開始することである。マーキング結果を表示すれば、視覚に訴えることができるが、マーキングは必ずしも必要ではなく、コンピュータがその領域を認識できていれば充分である。
【0060】
このようにして、マッチングサイズ11〜34の各々を使って、検査画像全体をサーチする。その結果、検査画像においてマッチングできなかった領域が残った場合、この領域が欠陥が存在する領域と考えられる。次に、欠陥領域の全体を検査するため、走査電子顕微鏡の倍率を大きくする。すなわち、コンピュータ12は偏向器駆動回路10を制御し、駆動回路10から偏向器7に供給される電子ビームの2次元走査信号の振幅を小さくする。この際、欠陥領域が走査電子顕微鏡の光軸上に配置されるようステージ駆動回路11を制御し、移動ステージ9を移動させることが好ましい。
【0061】
このようにして、移動ステージを移動させて欠陥領域を電子ビーム光軸上近傍に配置する。この状態で、欠陥領域を電子ビームで走査し、この走査に基づいて発生した2次電子を検出器14で検出し、検出信号を信号処理器15を介して画像メモリー16に供給する。画像メモリー16に記憶された画像データは読み出され、表示装置17に供給されることから、表示装置17上には、微細な欠陥領域が拡大されて表示される。
【0062】
この段階では、欠陥領域が相当小さな領域にまで絞り込まれているので、欠陥がパターンの欠落か異物の付着か、あるいは他の欠陥であるのかが明瞭に判断することができる。また、走査電子顕微鏡3にX線分析機能を付加しておけば、例えば、異物に電子ビームを照射し、発生した特性X線を検出し分析することにより、異物の元素分析を行うことができる。従って、上記した欠陥検査の方式では、欠陥分類の面からも利用価値が高い。
【0063】
なお、上記した実施の形態では、マッチングサイズを小さくした場合には、マッチング残りの領域を小さくすることが期待できるが、サーチに時間がかかりすぎる欠点が生じる。逆にマッチングサイズを大きくした場合には、サーチ時間を短縮することができるが、マッチング残り領域が大きくなり、欠陥領域の絞り込みが不十分となる。したがって、マッチングサイズは、画像に含まれるパターンの数や大きさによって、最適サイズが存在するので、マッチングサイズは、パターンに応じて試行を行い、最適値を求めればよい。
【0064】
このように、視野全体を整数に仮想的に分割して、それらの分割領域を全てマッチングの基準画像とする方法は、あらゆる種類の被検査試料、例えば、LSIに利用可能であるが、パターン形状がランダムなロジック系の領域に適用すれば、特に有効であり、汎用性が高い機能となる。
【0065】
ところで、メモリー系素子のメモリー箇所のパターン形状のように、パターンがアレイ状となっており、いわゆる繰り返し図形である場合には、以下に示す第2の実施の形態を利用すれば便利である。この実施の形態では、図3に示すコンタクトホール列を例にして説明する。
【0066】
この実施の形態の第1段階では、コンタクトホールを8個含むマッチングサイズを選び、その基準マッチングサイズとして、図3の走査電子顕微鏡像の視野中左上に実線で囲まれた領域Aを選択し、このマッチングサイズAのパターンデータ(領域Aの画像データ)をメモリー19に記憶させる。このマッチングサイズAを図3の検査画像Iの全体に対してサーチし、その結果、マッチングした部分が図中で実線、点線、一点鎖線で囲まれた領域であったとする。なお、図3において、マッチングした領域の境界は共通の位置となるが、理解を容易にするために領域の境界部は意識的に位置をずらして描いている。また、領域を示す線種も領域を分かり易くするために複数用いているが、線種の違いによる別の意味は全くない。
【0067】
図3に示した視野中でマッチングサイズAとマッチングできる場所は何カ所も存在するのでマッチングできたところでは、重なる部分が存在するが、一方、マッチングできなかった部分は確実に残る。マッチングできなかった部分Bは、図中斜線を施したが、図4にマッチングできなかった部分Bのみを抜き出した図を示す。この図でも、斜線が施された部分Bがマッチングできずにマッチング残りになった部分である。
【0068】
上記した第1段階で絞り込まれたマッチング残りの領域Bにおいて、更に第2段階として、例えば、コンタクトホール1個を含むようにマッチングサイズを選び、この領域に対して、パターンマッチングを実行すると、図4に図示したように、更に狭く欠陥領域を領域Cに絞り込むことができる。なお、図4の左右の斜線で示す部分Cがマッチング不可、すなわち欠陥領域となる。
【0069】
なお、図4で示す逆L字型のような欠陥領域の場合、このようなL字領域のみにおいて上記した第2段階のサーチを行なうよにするためには、第1段階のプログラムとは別に、L字領域のみをサーチするプログラムを作成することになる。しかしながら、欠陥領域の形状や大きさは、ウェハ試料に応じて相違するため、第1段階のサーチによって得られた欠陥領域に応じてその都度第2段階のプログセムを作成することは煩雑となる。
【0070】
この問題を解決するためには、第2段階のサーチの場合でも、全視野をサーチすることにしておけば、第1段階で使用したプログラムを再度実行すればよく、第2段階で新たなプログラムを作成する手間を省くことができる。すなわち、全視野に対して、複数個のコンタクトホールを含むマッチングサイズAで第1段階のサーチを行ない、さらに全視野に対して1個のコンタクトホールで第2段階のサーチを行うようになし、第1段階と第2段階とのどちらでもマッチングできなかった部分が抽出できるので、欠陥領域を見落とすことなく見出すことができる。
【0071】
ここで、上述した欠陥検査の方法を、図6に示すフロー図に基づきまとめて説明する。なお、このフロー図では、光学式欠陥検査装置で検出された欠陥の位置と大きさに基づいた視野の走査電子顕微鏡像を取得した後の処理工程、特に、パターンマッチングユニット18において、パターンマッチングを行なって欠陥の詳細な検査を行なうステップを示している。すなわち、画像メモリー16には欠陥を有した領域の走査電子顕微鏡像が記憶されており、メモリー19には、パターンマッチングを行う基準パターン(マッチングサイズ)が記憶されている。
【0072】
まず検査の開始をコンピュータ12が指示すると、以下に示すステップで視野内の欠陥検査が実行される。ステップ1においては、メモリー19に記憶された第1のマッチングサイズ(例えば、図3に示したマッチングサイズA)と画像メモリー16に記憶されている画像とのパターンマッチング処理がマッチングユニット18において実行される。
【0073】
ステップ2では、ステップ1のパターンマッチング処理によってマッチングしなかった第1の不一致領域を抽出する。パターンマッチングユニット18は、第1のマッチングサイズより小さい第2のマッチングサイズBを定め、メモリー19に記憶させる(ステップ3)。この第2のマッチングサイズBは、例えば、1個のコンタクトホールを含む領域である。
【0074】
ステップ3において、第2のマッチングサイズBが定められたら、ステップ4において、第2のマッチングサイズでサーチする範囲(パターンマッチング処理を行う範囲)を決定する。第2のマッチングサイズでサーチする範囲は2種類の内いずれかを選択することができる。一方は全視野サーチであり、他方は不一致領域サーチである。
【0075】
全視野サーチが選択された場合、第1の不一致領域を含む走査電子顕微鏡像の全視野を、第2のマッチングサイズでサーチする(ステップ5)。ステップ5でサーチ(パターンマッチング処理)した結果、マッチングしなかった第2の不一致領域を抽出する(ステップ6)。ステップ7では、パターンマッチングユニット18は、第1と第2の不一致領域が重なる部分を欠陥部分として認定する。
【0076】
ステップ4で第2のマッチングサイズでパターンマッチング処理を行う領域を第1の不一致領域に限定する方式を選択した場合、ステップ8で、ステップ2において抽出された第1の不一致領域に限定して、第2のマッチングサイズによりサーチが実行される。この結果、マッチングしなかった部分を欠陥部分として認定する(ステップ9)。
【0077】
ステップ7あるいはステップ9で欠陥部分が特定されると、ステップ10に記載の通り、例えば、走査電子顕微鏡の倍率が高められ、より詳細に欠陥部分の観察が行われる。あるいは、欠陥部分に電子ビームを照射し、欠陥部分からの特性X線を検出し、欠陥部分の元素分析を行う。
【0078】
ステップ11では、欠陥部分を高倍率、高分解能で観察することにより、欠陥部分の詳細な形状を知ることができる。また、欠陥部が異物の付着であった場合には、異物の元素を分析し、どの工程で異物の付着が生じたかの手がかりが得られる。以上のステップにより、パターンマッチング技術を用いた欠陥検査を行うことができる。
【0079】
なお、光学式欠陥検査装置1による検査でウェハ試料上に複数の欠陥場所があった場合、パターンマッチングユニット18は、高速性のものが開発されているので、ウェハ試料8を走査電子顕微鏡3のステージ9上に搬送し、その後、最初の欠陥場所にステージを移動させて第1と第2のサーチを行なって欠陥場所の中の欠陥領域を抽出する工程に要する時間は、次の欠陥場所へステージが移動する程度の短時間に行なうことができる。しかしながら、次の欠陥場所へステージを移動させるタイミングは、第1と第2のサーチを行なって欠陥領域を抽出し、その欠陥領域の位置データが保存された後に行なう必要がある。
【0080】
ところで、マッチングサイズの決定の変形として、次のような手順によって、欠陥領域の抽出を行なうことができる。まず、第1段階のマッチングサイズをコンタクトホール1個に定めた場合、1回のサーチで欠陥コンタクトホールを発見することができる。しかしこの方法だけでは、図3においてBで示した領域のように、元来コンタクトホールが存在すべき場所に存在しなかったような種類の欠陥を見落とすことになる。
【0081】
そのため、本発明の実施の形態では、既に説明したように、複数の異なったマッチングサイズでサーチする場合、そのマッチングサイズの内の一つは、複数個のコンタクトホールを含むようにマッチングサイズを定め、複数回マッチングを実行させることは、繰り返し図形のパターンにとっては重要な手法である。
【0082】
前記した実施の形態では、マッチング処理を行う場合に、最初に複数個のパターン(コンタクトホール)を含むマッチングサイズで検査し、その後、1個のパターン(コンタクトホール)のマッチングサイズで検査を行なったが、最初に1個のパターンのマッチングサイズで検査し、次に複数個のパターンを含むマッチングサイズで検査を行なっても、同じ結果が得られる。
【0083】
また、走査電子顕微鏡の視野を仮想的に整数で分割する領域は、隣接する領域同士が全く重なり合わずに接続するようにしてもよいし、少しずつ重なり合うようにしてもよい。この領域が少しずつ重なり合うように分割処理を行なえば、領域の境界上のパターンの検査ミスが防止できる。
【0084】
上記した実施の形態において、マッチングサイズとなる基準画像として走査電子顕微鏡画像の内の正常な画像領域を用いたが、LSIの設計を行なったCADからダウンロードしたレイアウト図を基準画像としても良い。このレイアウト図と走査電子顕微鏡画像とのパターンマッチングが行なえることは、実験で検証されている。このようなマッチングを行なう際には、次に述べる点に留意することが必要である。
【0085】
第1に、レイアウト図は線描画のみであるから、例えば、ラインアンドスペースのようなパターンが試料表面に形成されている場合では、どの部分がライン(線幅)であるかを区別するために、図形に黒で色付けなどの処理を行なって、基準画像を記憶するメモリーに転送することが必要となる。
【0086】
第2に、欠陥検査は、LSI製造途中の段階で行なうので、たとえば、配線の上層に形成したビアホールが正しい位置にあるか否かを検査する場合、ビアホール部分の走査電子顕微鏡像は、図5に示すような形状となっている。図5において、Lは多層のLSIの下層に形成された配線であり、BHは配線Lが形成された層の上の層に形成されたビアホールである。このような形状の基準画像をCADからダウンロードしたレイアウト図から作成するためには、下層の配線レイアウト図と上層のホールレイアウト図を合成して、新たな図形を作成する前準備が必要となる。
【0087】
第3に、LSIでは、下層の凹凸の影響が上層の表面に現れることがあり、このようなLSIに対しては、下層と上層のレイアウト図を合成する際、適宜実際の走査電子顕微鏡像を観察して合成部分の像を参照し、合成レイアウト図における下層の線描画に沿って、色の濃淡付けなどの画像修正を行なうことが必要である。
【0088】
第4に、欠陥検査にあたっては、ウェハ試料の真上から電子ビームを照射した場合、欠陥の凹凸を観察することが極めて困難となる。そのため、ウェハ試料を少し傾斜させて走査電子顕微鏡像を取得し、傾斜像に基づいて欠陥検査を行うようにしている。この場合、CADからのレイアウト図に基づいた基準画像は、上層レイアウト図(場合によっては下層レイアウト図も)とプロセス情報の膜厚データと、試料の傾斜角度とから作成された三次元画像(鳥瞰図)とする。このようにして形成した基準画像であれば、傾斜した検査画像とのパターンマッチングを行なうことができ、更に、両画像の比較を行なうことによって、欠陥の凹凸を判定したり、所望箇所の高さ測定を行なうことができる。
【0089】
以上本発明の実施の形態を説明したが、本発明はこの実施の形態に限定されず他の変形も可能である。例えば、マッチングを行う画像として走査電子顕微鏡像を例に説明したが、それ以外にイオンビーム装置やレーザー顕微鏡によって得られた画像により、マッチング動作を行うようにしてもよい。また、プリント基板の部品載置の検査に本発明を適用することもできるが、その場合、マッチングする画像は高倍率である必要はなく、TVカメラ(CCD)式光学顕微鏡などの比較的低倍率の顕微鏡を用いることができる。
【0090】
また、走査電子顕微鏡像によりマッチングを行う場合、像として2次電子像を用いたが、2次電子像に限らず、反射電子像や吸収電流像、特性X線像、あるいは複数の像の合成した像を用いてマッチングを行なうこともできる。
【0091】
更にまた、検査対象は、ウェハ上に形成されたパターンだけではなく、電子ビーム描画装置等で作成されたLSIパターン露光用マスクの検査も同様に行うことができる。露光用マスクとは、厚い石英ガラス上にパターンが描かれたものであり、検査段階は、パターンの材質がレジストのままである場合や、マスク製作工程が進んだ段階のクロムパターン等の場合がある。更には、ガラスではなくシリコン(SiあるいはSiC)ウェハを母材とした、ステンシルマスク(補強のために設けた薄いメンブレム膜付きも含む)も検査対象とすることができる。ステンシルマスクの検査の場合は、マッチング画像として透過電子像を用いることが好ましい。
【0092】
【発明の効果】
以上説明したように、各請求項に記載された発明では、パターンマッチングにより、正常な領域を見つけだし、その残りの部分が欠陥部分とする基本的な考え方に基づいている。このような考え方に基づけば、高速、高性能の各種アルゴリズムやハードウェアが利用できるパターンマッチングシステムによって、欠陥を見出すことができるので、新たに欠陥発見のために専用の欠陥検出アルゴリズムを開発する必要がなくなる。
【0093】
請求項1の発明に基づく走査型荷電粒子ビーム装置を用いた欠陥検査方法は、光学式検査装置によって検出された欠陥位置で欠陥の大きさに対応した領域で荷電粒子ビームを2次元走査し、この走査によって被検査物質から得られた信号を検出し、検出信号を画像信号として記憶し、該記憶された画像を整数で分割し、分割されたそれぞれの領域のパターンを基準パターンとして他の分割された領域のパターンとマッチング処理を行ない、マッチングした領域以外を欠陥領域とした。
【0094】
この結果、請求項1の発明では、光学式欠陥検査装置で検出された欠陥部の例えば走査電子顕微鏡像を取得し、得られた像を整数で分割し、分割されたそれぞれの領域のパターンを基準パターンとして他の分割された領域のパターンとマッチング処理を行なう簡単なアルゴリズムにより、欠陥領域を高倍率、高分解能で観察等を行うことができる。
【0095】
請求項2の発明に基づく走査型荷電粒子ビーム装置を用いた欠陥検査方法は、光学式検査装置によって検出された欠陥位置で欠陥の大きさに対応した領域で荷電粒子ビームを2次元走査し、この走査によって被検査物質から得られた信号を検出し、検出信号を画像信号として記憶し、該記憶された画像中の表面構造を示すパターンと、欠陥がない基準パターンとパターンマッチング処理を行ない、マッチングした領域以外を欠陥領域とした。
【0096】
請求項2の発明では、走査電子顕微鏡等で得られた画像中の表面構造を示すパターンと、欠陥がない基準パターンとパターンマッチング処理を行ない、マッチングした領域以外を欠陥領域とする簡単なアルゴリズムにより、高速に高精度で欠陥領域の観察等を行うことができる。
【0097】
請求項7の発明に基づく走査型荷電粒子ビーム装置を用いた欠陥検査方法は、光学式検査装置によって検出された欠陥位置で欠陥の大きさに対応した被検査領域で荷電粒子ビームを2次元走査し、この走査によって被検査物質から得られた信号を検出し、検出信号を画像信号として記憶すると共に、領域の大きさが異なった欠陥がない第1と第2の基準パターンを準備し、該記憶された被検査領域の画像中の表面構造を示すパターンと、第1の基準パターンとの間でパターンマッチング処理を行ない、その後第2の基準パターンとの間でパターンマッチング処理を行ない、2回のパターンマッチング処理によってマッチングした領域以外を欠陥領域とした。このように、請求項7の発明では、第1の基準パターンと第2の基準パターンとの間で2回パターンマッチング処理を行うようにしたので、欠陥の見落としが防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に基づく検査方法を実施するための基本システム構成の一例を示す図である。
【図2】走査電子顕微鏡像の視野を整数で分割した例を示す図である。
【図3】パターンマッチングを行なう走査電子顕微鏡像の視野とマッチングサイズを示す図である。
【図4】図3の視野からマッチング不可領域を取り出した図である。
【図5】配線上に形成されたビアホールを示す図である。
【図6】異なった基準パターンに基づき、パターンマッチング処理を2回行うようにした実施の形態を説明するためのフロー図である。
【符号の説明】
1 光学式欠陥検査装置
2 制御器
3 走査電子顕微鏡
4 電子銃
5 コンデンサレンズ
6 対物レンズ
7 偏向器
8 ウェハ試料
9 移動ステージ
10 偏向器駆動回路
11 ステージ駆動回路
12 コンピュータ
14 2次電子検出器
15 信号処理器
16 画像メモリー
17 表示装置
18 パターンマッチングユニット
19 メモリー
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体LSIなどの検査対象物の表面上の欠陥を、走査電子顕微鏡などの走査型荷電粒子ビーム装置によって得られた走査像中の表面構造パターンに基づいたパターンマッチング技術を用いて検査する走査型荷電粒子ビーム装置を用いた欠陥検査方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
LSI製造工程においては、最終的に製造されるデバイスの性能を左右するクリティカルな個所の欠陥検査を、当初は光学顕微鏡を用いて行なっていた。この光学顕微鏡を用いて行う欠陥検査では、デバイスの製造工程中の所定の工程が終了したウェハを光学顕微鏡の試料として、光学顕微鏡の試料室に導入する。
【0003】
光学顕微鏡においては、ウェハ試料上の特定領域ごとにレーザー光を走査し、この走査に伴って試料から発生する散乱光を検出し、レーザー光の走査に同期した画像信号を得る。得られた画像は、ウェハ試料上の特定領域の表面に形成されたパターンであり、このパターンの検出画像は、予め得られている基準パターン画像と比較される。
【0004】
上記2種の画像の比較は、目視によってもできるが、通常はパターンマッチング技術を用い、コンピュータ制御の下で自動的に行なわれる。この2種の画像比較により、ウェハ試料上に形成されたパターンの形状不良(例えば、パターン幅や長さが異常に長くなっている、あるいは、パターンの一部が欠落している等)、異物の混入等の欠陥を検出する。
【0005】
検出された欠陥は、その種類に応じて15分類程度に仕分けされて欠陥の発生原因との対応付けが行なわれる。したがって、デバイスの製造工程中の所定の工程が終了したウェハを光学顕微鏡により検査し、仮にある種の欠陥が見つかった場合には、その発生原因となった製造工程にその情報をフィードバックし、当該発生原因を取り除くことによって、最終的に製造されるデバイスの歩留まりを向上させるようにしている。
【0006】
しかしながら、上記した光学顕微鏡による欠陥検査では、試料にレーザー光を照射していることから、画像の分解能に限界があり、LSIの微細化の進展に伴ってパターン形状がボケてしまい、欠陥検査を行なうことが不可能となってきた。
【0007】
超LSIであっても、光学顕微鏡で検出できる大きさの欠陥も存在し、そのような欠陥は、従来からの光学顕微鏡による欠陥検査で検出し、その後の処理を行なうことが検査全体のスループット向上にとって有効である。しかし、前記したように、ウェハ上に形成されたパターンの微細化に伴い、パターンの欠陥も微細化し、このような微細欠陥もLSIデバイスの性能不良の原因となる。このような微細欠陥は、比較的倍率の低い光学顕微鏡を用いた検査では見出すことができない。あるいは、欠陥の有無までは検出できても、微細欠陥の形状やその大きさなどを高い精度で特定することは不可能である。
【0008】
その結果、微細欠陥の検査は、倍率が高くまた画像の分解能が高い走査電子顕微鏡等の荷電粒子ビーム装置を使用して行なうようになってきた。このような走査電子顕微鏡を用いて欠陥検査を行なう例として特許文献1を挙げることができる。次に、従来走査電子顕微鏡を用いてデバイス製造過程のウェハ上に形成されたパターン等の欠陥検査を行なう手順を説明する。
【0009】
まず、被検査ウェハ試料は、レーザー光を光源とした光学顕微鏡をベースにした光学式欠陥検査装置に導入され、レーザー光で試料の所定領域が走査される。この走査によって得られた散乱光を検出し、画像データを取得する。この画像データに基づく画像と基準の画像が比較(例えばパターンマッチング処理)され、試料表面上の欠陥の位置とその大きさが検出される。
【0010】
上記検査において、光学式検査装置は、欠陥の有無、欠陥の位置と大きさを検出し、それらのデータを、高い倍率で高分解能の像を観察できる走査電子顕微鏡の制御系に転送することが大きな機能となっている。この光学式欠陥検査装置で検出した欠陥の位置は、ウェハ試料上に仮想的に決められた座標系による座標値によって表される。更に、欠陥の大きさは、高い精度ではなく、光学顕微鏡固有の分解能に基づいて検出できる範囲の精度による数値となる。
【0011】
上記光学式検査装置で所定の検査を行なったウェハ試料は、光学式欠陥検査装置の試料室から取り出され、走査電子顕微鏡の試料室中の移動ステージ上に搬送されて装填される。これら試料の取り出し、搬送、移動ステージへの装填はマニュアルによって行なっても良いが、好ましくは自動的に行なわれることが望ましい。試料の搬送と同時に、光学式欠陥検査装置で検出した欠陥の有無、欠陥があった場合のその位置と大きさのデータが、フロッピディスクなどの媒体を介したり、LANのような通信機能を通じて走査電子顕微鏡の制御系に転送される。
【0012】
ウェハ試料が搬送され、検査領域における欠陥の位置と大きさのデータが転送された走査電子顕微鏡においては、欠陥の位置(座標値)に応じてウェハ試料を移動させ、欠陥部分を走査電子顕微鏡の観察位置に配置する。なお、欠陥が複数箇所に存在する場合には、走査電子顕微鏡で観察する欠陥部分の順番が自動的に決められる。
【0013】
試料移動によって欠陥部分が走査電子顕微鏡の観察位置(電子光学系の光軸近傍)に配置された後、欠陥部分で欠陥の大まかな大きさに応じた領域で電子ビームを2次元走査する。すなわち、走査電子顕微鏡における電子ビームの2次元走査幅が制御され、大きな欠陥部分の場合には走査幅は大きくされ、比較的低い倍率で電子ビーム走査に基づく画像を取得する。
【0014】
逆に小さな欠陥部分の画像を取得する場合には、電子ビームの走査幅は小さくされ、比較的高い倍率が用いられる。走査電子顕微鏡により取得された、欠陥部分の画像データはコンピュータに供給され、画像処理機能により、欠陥を15分類程度に識別する。
【0015】
さて,走査電子顕微鏡では、欠陥分類をすべき対象となる微細な欠陥を含む画像データを順次取り込むように設計されているが、1つの箇所の微細欠陥の画像データの取り込みが終了した後,次の箇所の微細欠陥の取り込みを実行するために、予め情報として得ている欠陥位置が走査電子顕微鏡の観察位置に配置されるようにウェハ試料が移動される。
【0016】
しかし、往々にしてこの欠陥位置は数μm程度の誤差を有している。そのため、欠陥部分が1枚の画像の中に必ず含まれるように、走査電子顕微鏡の倍率を欠陥分類に最適な倍率より低い5千〜1万倍程度の倍率とし、画像データを取得するようにしている。
【0017】
そのため、この倍率によって取得した画像データから欠陥位置と大きさを再検出し、この欠陥位置を走査電子顕微鏡の観察視野の中央(光軸上)に配置されるようにウェハ試料を移動し、その後、欠陥分類に適した倍率により、欠陥部分を含む領域を電子ビームで走査し、画像データを取得するようにしている。
【0018】
上記した一連の手順が自動的に実行されるように、走査電子顕微鏡およびその制御系は構成されている。この構成でいくつかの画像処理技術が使用されている。例えば、低い5千〜1万倍程度の倍率の画像データから欠陥を検出する方法として、無欠陥画像(基準画像)と欠陥を含む画像(被検査画像)を比較することによって欠陥の位置と大きさを再検出する画像比較法が用いられている。
【0019】
この画像比較法を大きなパターンサイズにおける欠陥をTVカメラを用いて検査する場合を例にして説明する。第1の例としては、プリント配線基板において、良品パターンのエッジパターンと被検査画像中のエッジパターンとを、パターンマッチング処理を行なって比較検査し、不一致部を欠陥候補とする。次に、形状的に特徴を評価・分類し、欠陥候補の内の真の欠陥を決定する。このような画像比較法については、非特許文献1に記載されている。
【0020】
次に、画像比較法を用いた第2の例を説明する。この第2の例では、印刷配線シートで、良品のパターンを反転させて2値化したり、拡大したパターンと縮小したパターンを作るなどの画像処理を施し、相似な2種類のパターンを作成し、この2種類のパターンを基準パターンとする。この基準パターンと被検査シートのパターンとを比較し、欠陥検査を行なう。なお、この場合の良非判定は、被検査シートのパターンが拡大パターンと縮小パターンの間に含まれているかどうかによって行なう。このような画像比較法については、非特許文献2に記載されている。
【0021】
【特許文献1】
特開2001−210687
【非特許文献1】
稲田等:“セラミックスシート印刷配線パターン検査装置”第1回産業における画像シンポジウム,pp339−1986
【非特許文献2】
J.F.Jarvis:“A Method for Automating the visual inspection of printed
writing bords,”IEEE Trans. on Pattern Anal. & Machin Intell., vol. PAMI−2, No.1 pp77−82, 1986
【0022】
【発明が解決しようとする課題】
さて、上述したように、微細なパターンが形成されたウェハ試料の欠陥を走査電子顕微鏡を用いて検査する場合、最初にそのウェハ試料をレーザー光を光源とした光学顕微鏡をベースにした光学式欠陥検査装置で欠陥の有無、欠陥があった場合にその欠陥の位置と大きさを測定する。そして光学欠陥検査装置で測定した欠陥の位置座標値等のデータと被検査ウェハ試料が走査電子顕微鏡に転送および搬送される。
【0023】
走査電子顕微鏡でウェハ試料を検査(再検査と呼ぶ)するには、予め光学式欠陥検査装置と走査電子顕微鏡の試料ステージの座標基準位置を合わせ、その後、走査電子顕微鏡の試料ステージを転送された欠陥位置座標値に応じて、走査電子顕微鏡の試料ステージをこの欠陥位置座標に移動させる。
【0024】
この場合、欠陥点が走査電子顕微鏡の観察領域の中心に位置するように試料ステージを移動させる。試料ステージの移動後、走査電子顕微鏡により観察領域の表面の画像データが得られるが、初期観察倍率は最大1万倍程度に留まっている。この理由は、レーザー光学顕微鏡をベースとした光学式欠陥検査装置における試料ステージの座標位置精度と、走査電子顕微鏡の試料ステージの座標位置精度の機械的な精度の相違に基づく。
【0025】
LSIパターンが100nm以下になってくると、発見すべき欠陥も小さくなり、走査電子顕微鏡の検査倍率は、5万〜10万倍が要求されるようになってきた。しかし、前記したように、走査電子顕微鏡による観察の初期倍率は5千〜1万倍であり、要求された5万〜10万倍の倍率に達していない。したがって、走査電子顕微鏡における初期倍率が検査倍率より低い場合、初期倍率で取得した画像データから欠陥領域を絞り込み、その領域を高い倍率で電子ビームの走査を行ない、絞り込んだ領域の画像データを得なければならず、欠陥検査のスループットが良くない。
【0026】
前述した非特許文献1では、プリント配線基板において、良品パターンのエッジパターンと被検査画像のエッジパターンをパターンマッチングで比較検査し、不一致部を欠陥候補としてしている。そして、この欠陥候補について形状的に特徴を評価・分類し、欠陥と決定する方式が記載されている。更に、非特許文献1では、良品を5×5あるいは7×7の小さな正方形の領域で切り出した良品パターンと、同様に切り出した被検査パターンをマッチングすることが記載されているものの、しかしながら、非特許文献1では、TVカメラを用いて画像を取得するようにしているので、高い精度で欠陥の観察を行なうことができない。また、非特許文献2に記載のマッチング方式では、2種類の基準パターンを用いるので、パターンマッチングを2回行なうことになるが、良品パターンの画像に画像処理を施して、新規な類似な基準パターンを2種類作成しており、この画像処理は煩雑であり、処理時間も比較的長い。
【0027】
本発明は、このような点に鑑みてなされたもので、その目的は、半導体LSIなどの被検査試料の表面に生じた欠陥の検査を、パターンマッチング技術を用いて高い精度で短時間に行なうことができる走査型荷電粒子ビーム装置を用いた欠陥検査方法を実現するにある。
【0028】
【課題を解決するための手段】
各請求項に記載された発明では、パターンマッチングにより、正常な領域を見つけだし、その残りの部分が欠陥部分とする基本的な考え方に基づいている。
【0029】
請求項1の発明に基づく走査型荷電粒子ビーム装置を用いた欠陥検査方法は、光学式検査装置によって検出された欠陥位置で欠陥の大きさに対応した領域で荷電粒子ビームを2次元走査し、この走査によって被検査物質から得られた信号を検出し、検出信号を画像信号として記憶し、該記憶された画像を整数で分割し、分割されたそれぞれの領域のパターンを基準バターンとして他の分割された領域のパターンとマッチング処理を行ない、マッチングした領域以外を欠陥領域としたことを特徴としている。
【0030】
請求項1の発明では、光学式欠陥検査装置で検出された欠陥部の例えば走査電子顕微鏡像を取得し、得られた像を整数で分割し、分割されたそれぞれの領域のパターンを基準パターンとして他の分割された領域のパターンとマッチング処理を行なう簡単なアルゴリズムにより、欠陥領域を高倍率、高分解能で観察等を行う。
【0031】
請求項2の発明に基づく走査型荷電粒子ビーム装置を用いた欠陥検査方法は、光学式検査装置によって検出された欠陥位置で欠陥の大きさに対応した領域で荷電粒子ビームを2次元走査し、この走査によって被検査物質から得られた信号を検出し、検出信号を画像信号として記憶し、該記憶された画像中の表面構造を示すパターンと、欠陥がない基準パターンとパターンマッチング処理を行ない、マッチングした領域以外を欠陥領域としたことを特徴としている。
【0032】
請求項2の発明では、走査電子顕微鏡等で得られた画像中の表面構造を示すパターンと、欠陥がない基準パターンとパターンマッチング処理を行ない、マッチングした領域以外を欠陥領域とする簡単なアルゴリズムにより、高速に高精度で欠陥領域の観察等を行う。
【0033】
請求項7の発明に基づく走査型荷電粒子ビーム装置を用いた欠陥検査方法は、光学式検査装置によって検出された欠陥位置で欠陥の大きさに対応した被検査領域で荷電粒子ビームを2次元走査し、この走査によって被検査物質から得られた信号を検出し、検出信号を画像信号として記憶すると共に、領域の大きさが異なった欠陥がない第1と第2の基準パターンを準備し、該記憶された被検査領域の画像中の表面構造を示すパターンと、第1の基準パターンとの間でパターンマッチング処理を行ない、その後第2の基準パターンとの間でパターンマッチング処理を行ない、2回のパターンマッチング処理によってマッチングした領域以外を欠陥領域としたことを特徴としている。
【0034】
請求項7の発明では、第1の基準パターンと第2の基準パターンとの間で2回パターンマッチング処理を行うようにしたので、欠陥の見落としが防止できる。
【0035】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。図1は本発明に基づく検査方法を実施するための基本システム構成の一例を示している。図中1は、レーザー光を光源とした光学顕微鏡をベースにした光学式欠陥検査装置であり、2は光学式欠陥検査装置1の制御装置である。
【0036】
この光学式欠陥検査装置1を用いて行う欠陥検査では、デバイスの製造工程中の所定の工程が終了したウェハを光学顕微鏡の試料として、光学顕微鏡の試料室に導入する。
【0037】
光学顕微鏡においては、ウェハ試料上の特定領域ごとにレーザー光を走査し,この走査に伴って試料から発生する散乱光を検出し、レーザー光の走査に同期した画像信号を得る。得られた画像は、ウェハ試料上の特定領域の表面に形成されたパターンであり、このパターンの検出画像は、制御器2において、予め得られている基準パターン画像と比較される。
【0038】
上記2種の画像の比較は、目視によってもできるが、通常はパターンマッチング技術を用い、コンピュータを有した制御器2の下で自動的に行なわれる。この2種の画像比較により、ウェハ試料上に形成されたパターンの形状不良(例えば、パターン幅や長さが異常に長くなっている、あるいは、パターンの一部が欠落している等)、異物の混入等の欠陥を検出する。
【0039】
検出された欠陥は、その種類に応じて15分類程度に仕分けされて欠陥の発生原因との対応付けが行なわれる。したがって、デバイスの製造工程中の所定の工程が終了したウェハを光学顕微鏡により検査し、仮にある種の欠陥が見つかった場合には、その発生原因となった製造工程にその情報をフィードバックし、当該発生原因を取り除くことによって、最終的に製造されるデバイスの歩留まりを向上させるようにしている。
【0040】
しかしながら、上記した光学顕微鏡による欠陥検査では、従来技術の欄で説明したように、試料にレーザー光を照射していることから、画像の分解能に限界があり、LSIの微細化の進展に伴ってパターン形状がボケてしまい、詳細な欠陥検査を行なうことが不可能となってきた。
【0041】
超LSIであっても、光学顕微鏡で検出できる大きさの欠陥も存在し、そのような欠陥は、従来からの光学顕微鏡を用いた光学式欠陥検査装置による欠陥検査で検出し、その後の処理を行なうことが検査全体のスループット向上にとって有効である。しかし、ウェハ上に形成されたパターンの微細化に伴い、パターンの欠陥も微細化し、このような微細欠陥もLSIデバイスの性能不良の原因となる。
【0042】
その結果、微細欠陥の検査は、画像の分解能が高い走査電子顕微鏡等の荷電粒子ビーム装置を使用して行なうようになってきた。従って、本実施の形態においても、光学式欠陥検査装置1による欠陥検査の結果に基づいて、微細欠陥の検査を走査電子顕微鏡3により行うようにしている。走査電子顕微鏡3は、電子銃4、コンデンサレンズ5、対物レンズ6、偏向器7、試料8が装填される移動ステージ9より構成されている。
【0043】
電子銃4より発生し加速された電子ビームEBは、コンデンサレンズ5、対物レンズ6によってウェハ試料8上に細く収束される。試料8上の電子ビームの照射位置は、偏向器7によって2次元的に走査される。また、移動ステージ9をX,Y方向に任意に移動させることにより、試料上の電子ビームの2次元走査領域を移動させることができる。偏向器7にX,Y方向の走査信号を供給するための駆動回路10、移動ステージ9をX,Y2方向に必要量移動させるための駆動回路11は、コンピュータ12によって制御される。
【0044】
なお、光学式欠陥検査装置1によってウェハ試料8の欠陥検査が終了すると、ウェハ試料8は、光学式欠陥検査装置1内の試料室から、走査電子顕微鏡3の移動ステージ9上に搬送される。それと同時に、コンピュータ12には、光学式欠陥検査装置1の制御部2から、ウェハ試料表面の欠陥の位置座標値とその大きさの情報が転送される。
【0045】
コンピュータ12は、制御部2から転送されたウェハ試料8の欠陥の位置座標値に基づき移動ステージ駆動回路11を制御し、欠陥部を電子ビームEBの光軸下に配置する。また、コンピュータ12は、制御部2から転送されたウェハ試料の欠陥の大きさのデータに基づき、電子ビームの試料上の走査範囲(倍率)を決める。この決められた走査範囲の情報は、偏向器7の駆動回路10に供給され、駆動回路10は走査範囲情報に基づいた倍率の2次元走査信号を発生し、偏向器7に供給する。その結果、欠陥部分の大きさに応じた最適な倍率で欠陥部分の画像データを取得することが可能となる。
【0046】
試料8への電子ビームEBの照射によって発生した、例えば2次電子は、2次電子検出器14によって検出される。検出器14の検出信号は、試料表面形状を現す画像データとして、増幅器や輝度調整回路、コントラスト調整回路などの信号処理を行う信号処理器15を介して、画像積算機能を有した画像メモリー16に供給される。
【0047】
なお、信号処理器15から画像メモリー16に供給される信号は、AD変換器によってディジタル信号に変換されるが、AD変換器は図では省略されている。また、この図1の構成の説明で、当然信号のAD変換、DA変換の必要があるが、説明を簡略化するためにAD変換器、DA変換器は図からは除きその説明も省略されている。
【0048】
画像メモリー16に記憶された走査電子顕微鏡画像データは読み出されて陰極線管などの表示装置17に供給される。その結果、表示装置17には、ウェハ試料8の所望領域の2次電子像が表示される。画像メモリー16に記憶された画像データは、パターンマッチングユニット18に供給されて、このユニット18において2種のパターンのマッチング処理が行なわれる。パターンマッチングユニット18にはメモリー19が接続されているが、このメモリーには、後で説明する基準画像データなどが記憶される。以上のような構成の動作を次に詳細に説明する。
【0049】
まず、レーザー光を光源とした光学顕微鏡をベースにした光学式欠陥検査装置1の試料室内に、デバイスの製造工程中の所定の工程が終了したウェハを試料として導入する。光学顕微鏡においては、ウェハ試料上の特定領域ごとにレーザー光を走査し,この走査に伴って試料から発生する散乱光を検出し、レーザー光の走査に同期した画像信号を得る。得られた画像は、ウェハ試料上の特定領域の表面に形成されたパターンであり、このパターンの検出画像は、制御器2において、予め得られている基準パターン画像と比較される。
【0050】
上記2種の画像の比較は、パターンマッチング技術を用い、コンピュータを有した制御器2の下で自動的に行なわれる。この2種の画像比較により、ウェハ試料上に形成されたパターンの形状不良(例えば、パターン幅や長さが異常に長くなっている、あるいは、パターンの一部が欠落している等)、異物の混入等の欠陥を検出する。この欠陥の検出は、最低限欠陥の位置座標値とその欠陥の大きさの情報を得ることである。
【0051】
制御器2によって検出された欠陥の情報は、コンピュータ12に転送されると共に、光学式欠陥検査装置1の試料室内のウェハ試料8は走査電子顕微鏡3の移動ステージ9上に装填される。この後、移動ステージ9上でウェハ試料8の座標アライメントが行なわれる。
【0052】
ウェハ試料8には、同一パターンの多数のチップが配列されており、そのうち、欠陥のあるパターンを有したチップT1の欠陥部の座標位置(Xa,Yb)において、正常なパターンが形成されているチップT2を探し、そのチップT2の座標位置(Xa,Yb)が、電子ビーム光軸上に配置されるように、移動ステージ9を精密に移動させる。この状態で、正常なパターンが形成されているチップT2の座標位置(Xa,Yb)で、制御器2で検出された欠陥部の大きさのデータに基づいてコンピュータ12は最適な倍率を設定し、偏向器駆動回路10を制御する。
【0053】
この結果、正常なパターンが形成されているチップT2の座標位置(Xa,Yb)で、電子ビームの2次元走査が行なわれる。この電子ビームの試料上での2次元走査に伴って試料8から発生した2次電子は、2次電子検出器14によって検出される。検出信号は信号処理回路15を介して画像メモリー16に供給され、信号積算処理が施されてSN比が優れた画像データが得られる。
【0054】
この画像データは、試料上のパターン等に欠陥のない正常なパターンに基づくものであり、パターンマッチングユニット18に接続されたメモリー19に基準画像パターンとして記憶される。パターンマッチングユニット18内のコンピュータは、メモリー19に記憶された画像から特長量を検出する。メモリー19には、基準画像の視野全体を整数で仮想的に分割した各分割領域の画像や、これらの領域ごとの特長量が保存される。
【0055】
図2は基準画像の視野I全体を仮想的に整数で分割した例を示しており、視野I全体は、11から34の領域に分割されている。なお、特長量とは、画像工学的に抽出された物理量で、輪郭形状とか輝度分布などもその例である。ここで、仮想的に分割した領域を(パターン)マッチングサイズと呼ぶことにする。
【0056】
このマッチングサイズは、コンピュータのプログラムで自動分割するようにしてもよいし、オペレータが表示装置17で画像を観察しながら、最適と思われるように分割しても良い。オペレータが介在する理由は、パターンのどこで区切ればマッチングの確率が高いかを判断できるからである。
【0057】
なお、パターンマッチングは、特長量同士の比較で実行されるため、基準画像データ自体は、特長量の検出が終了した後は、保存しておく必要性は低いが、膨大な枚数のウェハを検査していく過程で、オリジナルの基準画像を見たくなることがあるため、基準画像データは保存しておくことが望ましい。
【0058】
パターンマッチングユニット18に含まれているコンピュータは、マッチングサイズに含まれる領域の特長量を画像データから抽出するが、また次のような処理を行なう。すなわち、積算機能を有する画像メモリー16に取り込まれた欠陥が含まれる検査画像全体に対してパターンマッチングユニットが、例えば、図2の画像の内、マッチングサイズ番号11の画像でもってサーチする。
【0059】
サーチとは、検査画像全視野の中で、マッチングサイズ番号11と一致するパターンがどこかに存在するか否かをパターンマッチング法で検査(=特長量の比較検査)し、一致するところがあれば、その領域に矩形でマーキングするようになっているので、この機能を動作開始することである。マーキング結果を表示すれば、視覚に訴えることができるが、マーキングは必ずしも必要ではなく、コンピュータがその領域を認識できていれば充分である。
【0060】
このようにして、マッチングサイズ11〜34の各々を使って、検査画像全体をサーチする。その結果、検査画像においてマッチングできなかった領域が残った場合、この領域が欠陥が存在する領域と考えられる。次に、欠陥領域の全体を検査するため、走査電子顕微鏡の倍率を大きくする。すなわち、コンピュータ12は偏向器駆動回路10を制御し、駆動回路10から偏向器7に供給される電子ビームの2次元走査信号の振幅を小さくする。この際、欠陥領域が走査電子顕微鏡の光軸上に配置されるようステージ駆動回路11を制御し、移動ステージ9を移動させることが好ましい。
【0061】
このようにして、移動ステージを移動させて欠陥領域を電子ビーム光軸上近傍に配置する。この状態で、欠陥領域を電子ビームで走査し、この走査に基づいて発生した2次電子を検出器14で検出し、検出信号を信号処理器15を介して画像メモリー16に供給する。画像メモリー16に記憶された画像データは読み出され、表示装置17に供給されることから、表示装置17上には、微細な欠陥領域が拡大されて表示される。
【0062】
この段階では、欠陥領域が相当小さな領域にまで絞り込まれているので、欠陥がパターンの欠落か異物の付着か、あるいは他の欠陥であるのかが明瞭に判断することができる。また、走査電子顕微鏡3にX線分析機能を付加しておけば、例えば、異物に電子ビームを照射し、発生した特性X線を検出し分析することにより、異物の元素分析を行うことができる。従って、上記した欠陥検査の方式では、欠陥分類の面からも利用価値が高い。
【0063】
なお、上記した実施の形態では、マッチングサイズを小さくした場合には、マッチング残りの領域を小さくすることが期待できるが、サーチに時間がかかりすぎる欠点が生じる。逆にマッチングサイズを大きくした場合には、サーチ時間を短縮することができるが、マッチング残り領域が大きくなり、欠陥領域の絞り込みが不十分となる。したがって、マッチングサイズは、画像に含まれるパターンの数や大きさによって、最適サイズが存在するので、マッチングサイズは、パターンに応じて試行を行い、最適値を求めればよい。
【0064】
このように、視野全体を整数に仮想的に分割して、それらの分割領域を全てマッチングの基準画像とする方法は、あらゆる種類の被検査試料、例えば、LSIに利用可能であるが、パターン形状がランダムなロジック系の領域に適用すれば、特に有効であり、汎用性が高い機能となる。
【0065】
ところで、メモリー系素子のメモリー箇所のパターン形状のように、パターンがアレイ状となっており、いわゆる繰り返し図形である場合には、以下に示す第2の実施の形態を利用すれば便利である。この実施の形態では、図3に示すコンタクトホール列を例にして説明する。
【0066】
この実施の形態の第1段階では、コンタクトホールを8個含むマッチングサイズを選び、その基準マッチングサイズとして、図3の走査電子顕微鏡像の視野中左上に実線で囲まれた領域Aを選択し、このマッチングサイズAのパターンデータ(領域Aの画像データ)をメモリー19に記憶させる。このマッチングサイズAを図3の検査画像Iの全体に対してサーチし、その結果、マッチングした部分が図中で実線、点線、一点鎖線で囲まれた領域であったとする。なお、図3において、マッチングした領域の境界は共通の位置となるが、理解を容易にするために領域の境界部は意識的に位置をずらして描いている。また、領域を示す線種も領域を分かり易くするために複数用いているが、線種の違いによる別の意味は全くない。
【0067】
図3に示した視野中でマッチングサイズAとマッチングできる場所は何カ所も存在するのでマッチングできたところでは、重なる部分が存在するが、一方、マッチングできなかった部分は確実に残る。マッチングできなかった部分Bは、図中斜線を施したが、図4にマッチングできなかった部分Bのみを抜き出した図を示す。この図でも、斜線が施された部分Bがマッチングできずにマッチング残りになった部分である。
【0068】
上記した第1段階で絞り込まれたマッチング残りの領域Bにおいて、更に第2段階として、例えば、コンタクトホール1個を含むようにマッチングサイズを選び、この領域に対して、パターンマッチングを実行すると、図4に図示したように、更に狭く欠陥領域を領域Cに絞り込むことができる。なお、図4の左右の斜線で示す部分Cがマッチング不可、すなわち欠陥領域となる。
【0069】
なお、図4で示す逆L字型のような欠陥領域の場合、このようなL字領域のみにおいて上記した第2段階のサーチを行なうよにするためには、第1段階のプログラムとは別に、L字領域のみをサーチするプログラムを作成することになる。しかしながら、欠陥領域の形状や大きさは、ウェハ試料に応じて相違するため、第1段階のサーチによって得られた欠陥領域に応じてその都度第2段階のプログセムを作成することは煩雑となる。
【0070】
この問題を解決するためには、第2段階のサーチの場合でも、全視野をサーチすることにしておけば、第1段階で使用したプログラムを再度実行すればよく、第2段階で新たなプログラムを作成する手間を省くことができる。すなわち、全視野に対して、複数個のコンタクトホールを含むマッチングサイズAで第1段階のサーチを行ない、さらに全視野に対して1個のコンタクトホールで第2段階のサーチを行うようになし、第1段階と第2段階とのどちらでもマッチングできなかった部分が抽出できるので、欠陥領域を見落とすことなく見出すことができる。
【0071】
ここで、上述した欠陥検査の方法を、図6に示すフロー図に基づきまとめて説明する。なお、このフロー図では、光学式欠陥検査装置で検出された欠陥の位置と大きさに基づいた視野の走査電子顕微鏡像を取得した後の処理工程、特に、パターンマッチングユニット18において、パターンマッチングを行なって欠陥の詳細な検査を行なうステップを示している。すなわち、画像メモリー16には欠陥を有した領域の走査電子顕微鏡像が記憶されており、メモリー19には、パターンマッチングを行う基準パターン(マッチングサイズ)が記憶されている。
【0072】
まず検査の開始をコンピュータ12が指示すると、以下に示すステップで視野内の欠陥検査が実行される。ステップ1においては、メモリー19に記憶された第1のマッチングサイズ(例えば、図3に示したマッチングサイズA)と画像メモリー16に記憶されている画像とのパターンマッチング処理がマッチングユニット18において実行される。
【0073】
ステップ2では、ステップ1のパターンマッチング処理によってマッチングしなかった第1の不一致領域を抽出する。パターンマッチングユニット18は、第1のマッチングサイズより小さい第2のマッチングサイズBを定め、メモリー19に記憶させる(ステップ3)。この第2のマッチングサイズBは、例えば、1個のコンタクトホールを含む領域である。
【0074】
ステップ3において、第2のマッチングサイズBが定められたら、ステップ4において、第2のマッチングサイズでサーチする範囲(パターンマッチング処理を行う範囲)を決定する。第2のマッチングサイズでサーチする範囲は2種類の内いずれかを選択することができる。一方は全視野サーチであり、他方は不一致領域サーチである。
【0075】
全視野サーチが選択された場合、第1の不一致領域を含む走査電子顕微鏡像の全視野を、第2のマッチングサイズでサーチする(ステップ5)。ステップ5でサーチ(パターンマッチング処理)した結果、マッチングしなかった第2の不一致領域を抽出する(ステップ6)。ステップ7では、パターンマッチングユニット18は、第1と第2の不一致領域が重なる部分を欠陥部分として認定する。
【0076】
ステップ4で第2のマッチングサイズでパターンマッチング処理を行う領域を第1の不一致領域に限定する方式を選択した場合、ステップ8で、ステップ2において抽出された第1の不一致領域に限定して、第2のマッチングサイズによりサーチが実行される。この結果、マッチングしなかった部分を欠陥部分として認定する(ステップ9)。
【0077】
ステップ7あるいはステップ9で欠陥部分が特定されると、ステップ10に記載の通り、例えば、走査電子顕微鏡の倍率が高められ、より詳細に欠陥部分の観察が行われる。あるいは、欠陥部分に電子ビームを照射し、欠陥部分からの特性X線を検出し、欠陥部分の元素分析を行う。
【0078】
ステップ11では、欠陥部分を高倍率、高分解能で観察することにより、欠陥部分の詳細な形状を知ることができる。また、欠陥部が異物の付着であった場合には、異物の元素を分析し、どの工程で異物の付着が生じたかの手がかりが得られる。以上のステップにより、パターンマッチング技術を用いた欠陥検査を行うことができる。
【0079】
なお、光学式欠陥検査装置1による検査でウェハ試料上に複数の欠陥場所があった場合、パターンマッチングユニット18は、高速性のものが開発されているので、ウェハ試料8を走査電子顕微鏡3のステージ9上に搬送し、その後、最初の欠陥場所にステージを移動させて第1と第2のサーチを行なって欠陥場所の中の欠陥領域を抽出する工程に要する時間は、次の欠陥場所へステージが移動する程度の短時間に行なうことができる。しかしながら、次の欠陥場所へステージを移動させるタイミングは、第1と第2のサーチを行なって欠陥領域を抽出し、その欠陥領域の位置データが保存された後に行なう必要がある。
【0080】
ところで、マッチングサイズの決定の変形として、次のような手順によって、欠陥領域の抽出を行なうことができる。まず、第1段階のマッチングサイズをコンタクトホール1個に定めた場合、1回のサーチで欠陥コンタクトホールを発見することができる。しかしこの方法だけでは、図3においてBで示した領域のように、元来コンタクトホールが存在すべき場所に存在しなかったような種類の欠陥を見落とすことになる。
【0081】
そのため、本発明の実施の形態では、既に説明したように、複数の異なったマッチングサイズでサーチする場合、そのマッチングサイズの内の一つは、複数個のコンタクトホールを含むようにマッチングサイズを定め、複数回マッチングを実行させることは、繰り返し図形のパターンにとっては重要な手法である。
【0082】
前記した実施の形態では、マッチング処理を行う場合に、最初に複数個のパターン(コンタクトホール)を含むマッチングサイズで検査し、その後、1個のパターン(コンタクトホール)のマッチングサイズで検査を行なったが、最初に1個のパターンのマッチングサイズで検査し、次に複数個のパターンを含むマッチングサイズで検査を行なっても、同じ結果が得られる。
【0083】
また、走査電子顕微鏡の視野を仮想的に整数で分割する領域は、隣接する領域同士が全く重なり合わずに接続するようにしてもよいし、少しずつ重なり合うようにしてもよい。この領域が少しずつ重なり合うように分割処理を行なえば、領域の境界上のパターンの検査ミスが防止できる。
【0084】
上記した実施の形態において、マッチングサイズとなる基準画像として走査電子顕微鏡画像の内の正常な画像領域を用いたが、LSIの設計を行なったCADからダウンロードしたレイアウト図を基準画像としても良い。このレイアウト図と走査電子顕微鏡画像とのパターンマッチングが行なえることは、実験で検証されている。このようなマッチングを行なう際には、次に述べる点に留意することが必要である。
【0085】
第1に、レイアウト図は線描画のみであるから、例えば、ラインアンドスペースのようなパターンが試料表面に形成されている場合では、どの部分がライン(線幅)であるかを区別するために、図形に黒で色付けなどの処理を行なって、基準画像を記憶するメモリーに転送することが必要となる。
【0086】
第2に、欠陥検査は、LSI製造途中の段階で行なうので、たとえば、配線の上層に形成したビアホールが正しい位置にあるか否かを検査する場合、ビアホール部分の走査電子顕微鏡像は、図5に示すような形状となっている。図5において、Lは多層のLSIの下層に形成された配線であり、BHは配線Lが形成された層の上の層に形成されたビアホールである。このような形状の基準画像をCADからダウンロードしたレイアウト図から作成するためには、下層の配線レイアウト図と上層のホールレイアウト図を合成して、新たな図形を作成する前準備が必要となる。
【0087】
第3に、LSIでは、下層の凹凸の影響が上層の表面に現れることがあり、このようなLSIに対しては、下層と上層のレイアウト図を合成する際、適宜実際の走査電子顕微鏡像を観察して合成部分の像を参照し、合成レイアウト図における下層の線描画に沿って、色の濃淡付けなどの画像修正を行なうことが必要である。
【0088】
第4に、欠陥検査にあたっては、ウェハ試料の真上から電子ビームを照射した場合、欠陥の凹凸を観察することが極めて困難となる。そのため、ウェハ試料を少し傾斜させて走査電子顕微鏡像を取得し、傾斜像に基づいて欠陥検査を行うようにしている。この場合、CADからのレイアウト図に基づいた基準画像は、上層レイアウト図(場合によっては下層レイアウト図も)とプロセス情報の膜厚データと、試料の傾斜角度とから作成された三次元画像(鳥瞰図)とする。このようにして形成した基準画像であれば、傾斜した検査画像とのパターンマッチングを行なうことができ、更に、両画像の比較を行なうことによって、欠陥の凹凸を判定したり、所望箇所の高さ測定を行なうことができる。
【0089】
以上本発明の実施の形態を説明したが、本発明はこの実施の形態に限定されず他の変形も可能である。例えば、マッチングを行う画像として走査電子顕微鏡像を例に説明したが、それ以外にイオンビーム装置やレーザー顕微鏡によって得られた画像により、マッチング動作を行うようにしてもよい。また、プリント基板の部品載置の検査に本発明を適用することもできるが、その場合、マッチングする画像は高倍率である必要はなく、TVカメラ(CCD)式光学顕微鏡などの比較的低倍率の顕微鏡を用いることができる。
【0090】
また、走査電子顕微鏡像によりマッチングを行う場合、像として2次電子像を用いたが、2次電子像に限らず、反射電子像や吸収電流像、特性X線像、あるいは複数の像の合成した像を用いてマッチングを行なうこともできる。
【0091】
更にまた、検査対象は、ウェハ上に形成されたパターンだけではなく、電子ビーム描画装置等で作成されたLSIパターン露光用マスクの検査も同様に行うことができる。露光用マスクとは、厚い石英ガラス上にパターンが描かれたものであり、検査段階は、パターンの材質がレジストのままである場合や、マスク製作工程が進んだ段階のクロムパターン等の場合がある。更には、ガラスではなくシリコン(SiあるいはSiC)ウェハを母材とした、ステンシルマスク(補強のために設けた薄いメンブレム膜付きも含む)も検査対象とすることができる。ステンシルマスクの検査の場合は、マッチング画像として透過電子像を用いることが好ましい。
【0092】
【発明の効果】
以上説明したように、各請求項に記載された発明では、パターンマッチングにより、正常な領域を見つけだし、その残りの部分が欠陥部分とする基本的な考え方に基づいている。このような考え方に基づけば、高速、高性能の各種アルゴリズムやハードウェアが利用できるパターンマッチングシステムによって、欠陥を見出すことができるので、新たに欠陥発見のために専用の欠陥検出アルゴリズムを開発する必要がなくなる。
【0093】
請求項1の発明に基づく走査型荷電粒子ビーム装置を用いた欠陥検査方法は、光学式検査装置によって検出された欠陥位置で欠陥の大きさに対応した領域で荷電粒子ビームを2次元走査し、この走査によって被検査物質から得られた信号を検出し、検出信号を画像信号として記憶し、該記憶された画像を整数で分割し、分割されたそれぞれの領域のパターンを基準パターンとして他の分割された領域のパターンとマッチング処理を行ない、マッチングした領域以外を欠陥領域とした。
【0094】
この結果、請求項1の発明では、光学式欠陥検査装置で検出された欠陥部の例えば走査電子顕微鏡像を取得し、得られた像を整数で分割し、分割されたそれぞれの領域のパターンを基準パターンとして他の分割された領域のパターンとマッチング処理を行なう簡単なアルゴリズムにより、欠陥領域を高倍率、高分解能で観察等を行うことができる。
【0095】
請求項2の発明に基づく走査型荷電粒子ビーム装置を用いた欠陥検査方法は、光学式検査装置によって検出された欠陥位置で欠陥の大きさに対応した領域で荷電粒子ビームを2次元走査し、この走査によって被検査物質から得られた信号を検出し、検出信号を画像信号として記憶し、該記憶された画像中の表面構造を示すパターンと、欠陥がない基準パターンとパターンマッチング処理を行ない、マッチングした領域以外を欠陥領域とした。
【0096】
請求項2の発明では、走査電子顕微鏡等で得られた画像中の表面構造を示すパターンと、欠陥がない基準パターンとパターンマッチング処理を行ない、マッチングした領域以外を欠陥領域とする簡単なアルゴリズムにより、高速に高精度で欠陥領域の観察等を行うことができる。
【0097】
請求項7の発明に基づく走査型荷電粒子ビーム装置を用いた欠陥検査方法は、光学式検査装置によって検出された欠陥位置で欠陥の大きさに対応した被検査領域で荷電粒子ビームを2次元走査し、この走査によって被検査物質から得られた信号を検出し、検出信号を画像信号として記憶すると共に、領域の大きさが異なった欠陥がない第1と第2の基準パターンを準備し、該記憶された被検査領域の画像中の表面構造を示すパターンと、第1の基準パターンとの間でパターンマッチング処理を行ない、その後第2の基準パターンとの間でパターンマッチング処理を行ない、2回のパターンマッチング処理によってマッチングした領域以外を欠陥領域とした。このように、請求項7の発明では、第1の基準パターンと第2の基準パターンとの間で2回パターンマッチング処理を行うようにしたので、欠陥の見落としが防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に基づく検査方法を実施するための基本システム構成の一例を示す図である。
【図2】走査電子顕微鏡像の視野を整数で分割した例を示す図である。
【図3】パターンマッチングを行なう走査電子顕微鏡像の視野とマッチングサイズを示す図である。
【図4】図3の視野からマッチング不可領域を取り出した図である。
【図5】配線上に形成されたビアホールを示す図である。
【図6】異なった基準パターンに基づき、パターンマッチング処理を2回行うようにした実施の形態を説明するためのフロー図である。
【符号の説明】
1 光学式欠陥検査装置
2 制御器
3 走査電子顕微鏡
4 電子銃
5 コンデンサレンズ
6 対物レンズ
7 偏向器
8 ウェハ試料
9 移動ステージ
10 偏向器駆動回路
11 ステージ駆動回路
12 コンピュータ
14 2次電子検出器
15 信号処理器
16 画像メモリー
17 表示装置
18 パターンマッチングユニット
19 メモリー
Claims (13)
- 物質の表面に形成された構造の欠陥を検査する方法であって、最初に光学式欠陥検査装置によって被検査物質の表面構造の欠陥部分の位置と大きさを検出し、次に被検査物質を走査型荷電粒子ビーム装置の移動ステージ上に装填し、光学式検査装置によって検出された欠陥位置で欠陥の大きさに対応した領域で荷電粒子ビームを2次元走査し、この走査によって被検査物質から得られた信号を検出し、検出信号を画像信号として記憶し、該記憶された画像を整数で分割し、分割されたそれぞれの領域のパターンを基準パターンとして他の分割された領域のパターンとマッチング処理を行ない、マッチングした領域以外を欠陥領域とした走査型荷電粒子ビーム装置を用いた欠陥検査方法。
- 物質の表面に形成された構造の欠陥を検査する方法であって、最初に光学式欠陥検査装置によって被検査物質の表面構造の欠陥部分の位置と大きさを検出し、次に被検査物質を走査型荷電粒子ビーム装置の移動ステージ上に装填し、光学式検査装置によって検出された欠陥位置で欠陥の大きさに対応した領域で荷電粒子ビームを2次元走査し、この走査によって被検査物質から得られた信号を検出し、検出信号を画像信号として記憶し、該記憶された画像中の表面構造を示すパターンと、欠陥がない基準パターンとパターンマッチング処理を行ない、マッチングした領域以外を欠陥領域とした走査型荷電粒子ビーム装置を用いた欠陥検査方法。
- 基準パターンは、被検査物質から得られた信号を検出し、検出信号を画像信号として記憶し、該記憶された画像中の中で欠陥のない領域を用いた請求項2記載の走査型荷電粒子ビーム装置を用いた欠陥検査方法。
- 被検査試料は、半導体LSI製造の特定の工程が終了し、表面にパターンが形成された半導体LSI用のウェハである請求項1〜3の何れかに記載の走査型荷電粒子ビーム装置を用いた欠陥検査方法。
- 被検査試料は、半導体LSI製造の特定の工程が終了し、表面にパターンが形成された半導体LSI用のウェハであり、基準パターンは、該半導体LSIの設計を行なったCADからダウンロードされたレイアウト図である請求項4記載の走査型荷電粒子ビーム装置を用いた欠陥検査方法。
- 走査型荷電粒子ビーム装置は、走査電子顕微鏡である請求項1〜5の何れかに記載の走査型荷電粒子ビーム装置を用いた欠陥検査方法。
- 物質の表面に形成された構造の欠陥を検査する方法であって、最初に光学式欠陥検査装置によって被検査物質の表面構造の欠陥部分の位置と大きさを検出し、次に被検査物質を走査型荷電粒子ビーム装置の移動ステージ上に装填し、光学式検査装置によって検出された欠陥位置で欠陥の大きさに対応した被検査領域で荷電粒子ビームを2次元走査し、この走査によって被検査物質から得られた信号を検出し、検出信号を画像信号として記憶すると共に、領域の大きさが異なった欠陥がない第1と第2の基準パターンを準備し、該記憶された被検査領域の画像中の表面構造を示すパターンと、第1の基準パターンとの間でパターンマッチング処理を行ない、その後第2の基準パターンとの間でパターンマッチング処理を行ない、2回のパターンマッチング処理によってマッチングした領域以外を欠陥領域とした走査型荷電粒子ビーム装置を用いた欠陥検査方法。
- 第1の基準パターンのマッチングサイズは、第2の基準パターンのマッチングサイズよりも大きく、被検査領域の画像中のパターンと第1の基準パターンとの間でパターンマッチング処理を行ない、その後第1の基準パターンとの間のパターンマッチング処理によりマッチングした領域以外の領域で第2の基準パターンとの間のパターンマッチング処理を行なうようにした請求項7記載の走査型荷電粒子ビーム装置を用いた欠陥検査方法。
- 第1の基準パターンのマッチングサイズは、第2の基準パターンのマッチングサイズよりも大きく、被検査領域の画像中のパターンと第1の基準パターンとの間でパターンマッチング処理を行ない、その後第1の基準パターンとの間のパターンマッチング処理によりマッチングした領域が除かれた被検査領域の画像中のパターンと第2の基準パターンとの間のパターンマッチング処理を行なうようにした請求項7記載の走査型荷電粒子ビーム装置を用いた欠陥検査方法。
- 第1と第2の基準パターンは、被検査物質から得られた信号を検出し、検出信号を画像信号として記憶し、該記憶された画像の中で欠陥のない領域を用いた請求項7〜9の何れかに記載の走査型荷電粒子ビーム装置を用いた欠陥検査方法。
- 被検査試料は、半導体LSI製造の特定の工程が終了し、表面にパターンが形成された半導体LSI用のウェハである請求項7〜10の何れかに記載の走査型荷電粒子ビーム装置を用いた欠陥検査方法。
- 被検査試料は、半導体LSI製造の特定の工程が終了し、表面にパターンが形成された半導体LSI用のウェハであり、第1と第2の基準パターンは、該半導体LSIの設計を行なったCADからダウンロードされたレイアウト図である請求項11記載の走査型荷電粒子ビーム装置を用いた欠陥検査方法。
- 走査型荷電粒子ビーム装置は、走査電子顕微鏡である請求項7〜12の何れかに記載の走査型荷電粒子ビーム装置を用いた欠陥検査方法。
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