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JP2005054940A - 動力伝達チェーン及びそれを用いた動力伝達装置 - Google Patents

動力伝達チェーン及びそれを用いた動力伝達装置 Download PDF

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JP2005054940A JP2003288016A JP2003288016A JP2005054940A JP 2005054940 A JP2005054940 A JP 2005054940A JP 2003288016 A JP2003288016 A JP 2003288016A JP 2003288016 A JP2003288016 A JP 2003288016A JP 2005054940 A JP2005054940 A JP 2005054940A
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Shigeo Kamamoto
繁夫 鎌本
Nobuki Fukui
伸樹 福井
Shinji Yasuhara
伸二 安原
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Abstract

【課題】 プーリ間にミスアライメントが存在しても異常摩耗や異常すべりの発生を有効に抑制することができる動力伝達チェーンを提供する。
【解決手段】 本発明の動力伝達チェーンは、複数のリンク2と、複数のピン3と、複数のストリップとを備えている。そして、リンク2と、ピン3、ストリップ5との間に、プーリ間に存在するミスアライメントを許容する隙間を形成するようにした。
【選択図】 図3

Description

本発明は、車両などに採用されるいわゆるチェーン式無段変速機などに用いられる動力伝達チェーン及びそれを用いた動力伝達装置に関する。
自動車の無段変速機(CVT:Continuously Variable Transmission)としては、例えば、エンジン側に設けられたドライブプーリと、駆動輪側に設けられたドリブンプーリと、両者間に架け渡された、複数のリンクとこれらを相互に連結する複数のピンと複数のストリップとを有する無端状のチェーンとを備えたものがある。このような、いわゆるチェーン式無段変速機では、各プーリの円錐面状のシーブ面とチェーンのピン端面とがシーブ面の周方向に若干の滑り接触をすることによりトラクションを発生させ、このトラクションによって動力を伝達する。そして、ドライブプーリ及びドリブンプーリのうちの少なくとも一方の溝幅(シーブ面間距離)を連続的に変えることにより、従来のギア式とは異なるスムーズな動きで、無段の変速を行うことができる。
このようなチェーン式無段変速機において、チェーンは、高い効率で動力伝達を行うべく、リンクの貫通孔にピンやストリップを圧入して構成されている(例えば特許文献1参照)。
特開平8−312725号公報(第4頁)
しかしながら、上記のようなチェーンは、動力伝達方向(チェーンの進行方向)に対しては屈曲可能に形成されているが、その方向以外の方向に対しては殆ど動かすことができないので、図8(a)〜(c)に示すように、ドライブプーリ31とドリブンプーリ32との間で水平方向(動力伝達方向に直交する方向)にずれを生じるミスアライメントAや、プーリ31,32が互いに異なる方向を向くことで生じるミスアライメントBや、プーリ31,32間でねじれるように回転することで生じるミスアライメントCや、これらが合わさったミスアライメントが存在すると、特に巻き掛け角度の小さい側のプーリで適切なクランプを行うのが難しい。そのため、長期にわたり動力伝達を行うと、プーリのシーブ面とピン端面との間で片当たりが生じて、プーリのシーブ面やピン端面に異常摩耗が発生したり、プーリのシーブ面とピン端面との間で異常すべりが発生したりしてしまうという問題がある。このようなことから、チェーン式無段変速機などの動力伝達装置において、プーリ間のミスアライメントの許容範囲が大きい技術の開発が嘱望されている。
本発明はこのような事情に鑑みなされたものであり、プーリ間にミスアライメントが存在しても異常摩耗や異常すべりの発生を有効に抑制することができる動力伝達チェーンおよびそれを用いた動力伝達装置の提供をその目的とする。
本発明の動力伝達チェーンは、貫通孔を有する複数のリンクと、前記貫通孔に挿通して前記複数のリンクを相互に連結する複数のピンと、前記貫通孔に挿通され前記複数のピンの一側面と接触する一側面を有する複数のストリップとを備え、円錐面状のシーブ面を有する第1のプーリと、円錐面状のシーブ面を有する第2のプーリとの間に架け渡されて用いられ、前記ピンの端面と前記第1および第2のプーリのシーブ面とが接触して動力を伝達する動力伝達チェーンであって、前記リンクの貫通孔内壁面と前記ピンの他側面との間および前記リンクの貫通孔内壁面とストリップの他側面との間のうちの少なくとも一方に、第1のプーリと第2のプーリとの間に存在するミスアライメントを許容する隙間を有することを特徴とする。
上記の構成によれば、前記リンクの貫通孔と前記ピンとの間および前記リンクの貫通孔と前記ストリップとの間のうちの少なくとも一方にプーリ間に存在するミスアライメントを許容する隙間を設けているので、動力伝達方向以外の方向に対しても柔軟性を有するようになる。すなわち、ミスアライメントの方向に対しても柔軟性を有することとなる。このため、ピン端面とプーリのシーブ面との間で片当たりが生じ、プーリが適切にチェーンをクランプできないといったことを有効に抑制することができる。
上記動力伝達チェーンにおいて、前記ピンの両端側の側面およびストリップの両端側の側面のうちの少なくとも一方に、前記リンクを係止する突起部を有するのが好ましい。上記の動力伝達チェーンでは、ピンやストリップをリンクの貫通孔に圧入せず、一定の大きさの隙間を設けているので、従来のチェーンに比べてリンクが脱落しやすい構成になっている。ところが、ピンおよびストリップのうちの少なくとも一方にリンク脱落防止用の突起部を設ける構成をさらに採用すると、この突起部がリンクのストッパーとして機能するので、チェーンに柔軟性を付与しつつ、リンクが脱落しにくい動力伝達チェーンになるという利点を有する。
また、上記動力伝達チェーンにおいて、前記複数のリンクのうちチェーン幅方向の両端側に配置されるリンクは、その貫通孔が他のリンクの貫通孔よりも小さく形成されており、かつ、前記ピンおよびストリップのうちの少なくとも一方が、前記複数のリンクのうちチェーン幅方向の両端側に配置されるリンクのみに圧入されているのが好ましい。この場合、ピンおよびストリップのうちの少なくとも一方が、チェーン幅方向の両端側に配置されるリンクの貫通孔に嵌合固定されているので、リンクが脱落しにくい動力伝達チェーンになるという利点を有する。
さらに、上記動力伝達チェーンにおいて、前記複数のリンクのうちチェーン幅方向の両端側に配置されるリンクは、その貫通孔が他のリンクの貫通孔よりも小さく形成されており、かつ、前記ピンの両端側の側面およびストリップの両端側の側面のうちの少なくとも一方に、前記チェーン幅方向の両端側に配置されるリンクの貫通孔の内壁縁部が入り込む溝部を有するのが好ましい。この場合、チェーン幅方向の両端側のリンクの貫通孔の内壁縁部が、ピンおよびストリップのうちの少なくとも一方の両端側の側面の溝部に入り込んで、両端側のリンクを係止するので、リンクが脱落しにくい動力伝達チェーンになるという利点を有する。
本発明の動力伝達装置は、円錐面状のシーブ面を有する第1のプーリと、円錐面状のシーブ面を有する第2のプーリと、両者の間に架け渡され、貫通孔を有する複数のリンクと、前記貫通孔に挿通して前記複数のリンクを相互に連結する複数のピンと、前記貫通孔に挿通され前記複数のピンの一側面と接触する一側面を有する複数のストリップとを有するチェーンと、を備えた動力伝達装置であって、前記チェーンが、上記した動力伝達チェーンであることを特徴とする。
上記の構成によれば、第1のプーリと第2のプーリとの間にミスアライメントが存在したとしても、前記リンクの貫通孔と前記ピンとの間および前記リンクの貫通孔と前記ストリップとの間のうちの少なくとも一方に、プーリ間に存在するミスアライメントを許容する隙間を設けているので、ミスアライメントの方向に対してチェーンが柔軟性を発揮することとなる。このため、動力伝達の際に、ピン端面とプーリのシーブ面との間で片当たりが生じて異常摩耗や異常すべりが発生し、プーリが適正にチェーンをクランプできないといったことが有効に抑制されたものとなる。
以上のように、本発明の動力伝達チェーンは、リンクの貫通孔とピンとの間およびリンクの貫通孔とストリップとの間のうちの少なくとも一方にプーリ間に存在するミスアライメントを許容する隙間を設けているので、異常摩耗や異常すべりが発生するのが有効に抑制されたものとなる。
また、本発明の動力伝達装置は、上記の隙間を有するチェーンを用いているので、異常摩耗や異常すべりの発生が有効に抑制され、長期にわたり安定して動力伝達を行うことができる。
つぎに、本発明の好ましい実施形態について図面を参照しながら説明する。図1は本発明の動力伝達チェーンの第1の実施形態に係るいわゆるチェーン式無段変速機用のチェーン(以下単に「チェーン」ともいう)の要部構成を模式的に示す斜視図である。本形態に係るチェーン1は、無端状であって、複数の金属(軸受鋼等)製リンク2と、これらリンク2を相互に連結するための複数の金属(軸受鋼等)製ピン3と、これらピン3よりも若干短いストリップ5とから構成されている。なお、図1では、チェーン2の幅方向の略中央のリンクやピンの記載を一部省略している。
リンク2は、外形線がなだらかな曲線となった形状で、1枚につき貫通孔4が2つずつ設けられており、全て実質的に同一の外形となるように形成されている。貫通孔4は、ピン3及びストリップ5を挿入できるよう形成されている。そして、このようなリンク2は、チェーン1の幅方向に平行に所定の順序で配列され、チェーン1の長手方向(動力伝達方向)に屈曲可能なように連結されている。
図2及び図3も参照して、ピン3は、プーリのシーブ面と接触する端面を有する棒状体であり、チェーン1の幅方向に配列された各リンク2の貫通孔に挿通して各リンク2を連結できるように構成されている。そして、ピン3の他側面(ストリップ5と接触しない面)とリンク2の貫通孔4の内壁面との間には隙間dが形成されている。この隙間dは、チェーン1が配設される第1のプーリと第2のプーリとの間のミスアライメントの量以上となる大きさに設定されている。これにより、プーリ間に存在するミスアライメントを確実に許容することができる。ここで、「ミスアライメント量」とは、第1のプーリと第2のプーリとのずれの度合いを表す指標であり、第1のプーリのシーブ面間に形成された溝の中心線と第2のプーリのシーブ面間に形成された溝の中心線とが一直線上に並んだ状態を0とし、その状態から第2のプーリがずれた距離または角度をいう。なお、隙間dがあまりに大きすぎると、リンク2の変動が大きくなり動力伝達効率に悪影響を及ぼすなどのおそれがあることから、上記ミスアライメント量よりも少しだけ大きい方が好ましい。
また、ピン3の両端側の側面3aには、突起部3bが形成されており、この突起部3bがリンク2を係止して、リンク2が抜け落ちないようになっている。ここで、突起部3bは、リンク2を係止できるのであればいかなる形状であってもよい。例えば、ピン3の両端側の外周に沿って形成された突条であってもよいし、貫通孔4の内壁面と対向する側の側面のみに形成された突条であってもよいし、あるいは複数の箇所に分割された凸部であってもよい。このような突起は、かしめ工具などを用いて簡単に形成することができる。また、突起部3bは、リング状部材(止め輪、スナップリング)や割ピン、クリップ、保持器等の別部材をピンやストリップに固定することで形成してもよい。
図1に戻って、ストリップ5は、シーブ面と接触しないようにピン3よりも若干短く形成された棒状体である。そして、このストリップ5は、その一側面がピン3の一側面と接触(転がり摺動接触:転がり接触若しくは滑り接触または両接触を含む接触)するよう貫通孔4内に挿入されている。これにより、プーリのシーブ面に対してピン3が殆ど回転しないようになる。このため、摩擦損失が低減し、高い動力伝達効率を確保することができる。このようなストリップ5にも、ピン3と同様、ストリップ5の他側面とリンク2の貫通孔4の内壁面との間に隙間dを形成してもよい。また、ピン3と同様、ストリップ5の両端側の側面に、リンク2を係止する突起部を形成してもよい。
上記のように構成された本形態に係るチェーンは、プーリ間に存在するミスアライメントの量以上の大きさに設定された隙間dが形成されているので、動力伝達方向以外の方向に柔軟性を有している。このため、プーリ間に存在する前記した各ミスアライメントの方向に対しても当該柔軟性を発揮するので、動力伝達装置に組み込んで長期にわたり動力伝達を行わせても、プーリのシーブ面とピン端面との間で異常摩耗が発生したり、異常すべりが発生したりするのを抑制することができる。また、本形態では、ピン3の両端側の側面に突起部3bを設けてリンク2を係止しているので、リンク2が脱落してしまうといった不具合の発生を有効に防止することができる。さらに、本形態のチェーンは、リンク2の貫通孔4にピン2、ストリップ3を圧入しないので、製造容易であり、生産性の向上、生産コスト抑制などの利点を有する。
なお、上記ではピン3の側面とリンク2の貫通孔4の内壁面との間に隙間dを設け、さらにピン3の両端側の側面に突起部3bを形成する態様について説明したが、本発明はこれに限定するものではない。すなわち、リンク2の貫通孔4内壁面とピン3の他側面との間およびリンク2の貫通孔4内壁面とストリップ5の他側面との間のうちの少なくとも一方に、第1のプーリと第2のプーリとの間に存在するミスアライメントを許容する隙間を有しておればよい。また、リンク2の脱落を防止すべく、ピン3およびストリップ5のうちの少なくとも一方の両端側の側面に、リンク2を係止する突起部を形成すればよい。
図4は、第2の実施形態に係るチェーンを示す断面図である。本形態に係るチェーンは、第1の実施形態のチェーン1に比べて、チェーンの両端側に配置されるリンク2aとして、他のリンク2bの貫通孔4bより小さい貫通孔4aを有するものを用い、このリンク2aのみにピン3、ストリップ5を圧入するようにした点で異なる。このような態様であっても、チェーン幅方向内部側のリンク2bの貫通孔内壁面とピン3の他側面との間にミスアライメント量以上の隙間dを形成しているので、動力伝達方向以外の方向に対して柔軟性を有するようになる。このため、前記した各ミスアライメントの方向に対しても柔軟性を有し、ミスアライメントを確実に許容するので、プーリのシーブ面とピン端面との間の異常摩耗の発生や異常すべりの発生を有効に抑制することができる。また、本形態のチェーンは、第1の実施形態のチェーン1(図2参照)のように突起部3bを形成せず、チェーン幅方向両端のリンク2aの貫通孔4aを小さくし、かかる貫通孔4aにピン3、ストリップ5を圧入しているので、リンク2a,2bの脱落が有効に防止されたものとなる。
図5は、第3の実施形態に係るチェーンを示す断面図である。本形態に係るチェーンは、第1の実施形態のチェーンに比べて、チェーンの両端側に配置されるリンク2cとして、他のリンク2dの貫通孔4dより小さい貫通孔4cを有するものを用い、またピン3として両端側の側面にピン3の周囲に沿って形成された溝部3cを有するものを用い、両端側に配置されるリンク2cの貫通孔4cの内壁縁部2eをピン3の溝部3cに圧入してリンク2c,2dを係止するようにした点で異なる。このような態様であっても、ピン3の側面と両端側のリンク2cを除く他のリンク2dの貫通孔4dの内壁面との間に、プーリ間に存在するミスアライメント量以上の隙間を形成して前記した各ミスアライメントの方向に対し柔軟性を付与しているので、ミスアライメントを確実に許容して、ピン端面の異常摩耗や異常すべりの発生を有効に抑制することができる。また、本形態のチェーンは、第1の実施形態のチェーン1(図2参照)のように突起部3bを形成せず、チェーン幅方向両端のリンク2cの貫通孔4cを小さくするとともにピン3に溝部3cを設け、かかる溝部3cにチェーン幅方向の両端側のリンク2cの貫通孔4cの内壁縁部2eを圧入してリンク2c、2dを係止しているので、リンク2c、2dの脱落が有効に防止されたものとなる。なお、上記では溝部3cに貫通孔4cの内壁縁部2を圧入しているが、本形態はこれに限らず、リンク2c、2dの脱落が防止できる形状の溝部3cが形成されておればよい。
なお、本発明の動力伝達チェーンは、上記各実施形態に限定されるものではなく、ピンおよびストリップの側面とリンクの貫通孔との間に、当該動力伝達チェーンが配設されるプーリ間に存在するミスアライメントを許容する隙間を設けるのであれば、いかなる設計変更も可能である。
本発明の動力伝達チェーンは、いわゆるチェーン式無段変速機などの動力伝達装置に好適に用いることができる。以下、本発明の動力伝達チェーンの代表的な使用態様であるチェーン式無段変速機に適用した場合について図面を参照しつつ説明する。
図6は、本発明の動力伝達装置の一実施形態に係るいわゆるチェーン式無段変速機(以下、単に「無段変速機」ともいう)の要部構成を示す模式的な斜視図である。本形態に係る無段変速機は、例えば自動車に搭載され、第1のプーリとしての金属(構造用鋼等)製ドライブプーリ10と、第2のプーリとしての金属(構造用鋼等)製ドリブンプーリ20と、その間に架け渡された無端状のチェーン1とを備えている。なお、図6中のチェーン1は理解を容易にするために一部断面を明示している。
図7も参照して、ドライブプーリ10は、エンジン側に接続された入力軸11に一体回転可能に取り付けられたものであり、円錐面状の傾斜面12aを有する固定シーブ12と、その傾斜面12aに対向して配置される円錐面状の傾斜面13aを有する可動シーブ13とを備えている。そして、これらシーブの傾斜面12a、13aにより溝を形成し、この溝によってチェーン1を強圧で挟んで保持するようになっている。また、可動シーブ13には、溝幅を変更するための油圧アクチュエータ(図示せず)が接続されており、変速時に、図7の左右方向に可動シーブ13を移動させることにより溝幅を変化させ、それにより図7の上下方向にチェーン1を移動させて入力軸11に対するチェーン1の巻掛け半径を変化できるようになっている。
一方、ドリブンプーリ20は、駆動輪側に接続された出力軸21に一体回転可能に取り付けられており、ドライブプーリ10と同様に、チェーン1を強圧で挟む溝を形成するための傾斜面を有する固定シーブ22と可動シーブ23とを備えている。また、このプーリ20の可動シーブ23には、ドライブプーリ10の可動シーブ13と同様に、油圧アクチュエータ(図示せず)が接続されており、変速時に、可動シーブ13を移動させることにより、溝幅を変化させ、それによりチェーン1を移動させて出力軸21に対するチェーン1の巻掛け半径を変化できるようになっている。
上記ドライブプーリ10とドリブンプーリ20との間に架け渡されるチェーン1は、上述した第1の実施形態に係るチェーン(図1〜3参照)である。なお、詳細については、上述したとおりであるので、その説明は省略する。また、第2、第3の実施形態に係るチェーンを用いてもよいのは勿論である。
上記のように構成された本形態に係る無段変速機では、例えば、以下のようにして無段階の変速を行うことができる。すなわち、出力軸21の回転を減速する場合、ドライブプーリ10側の溝幅を可動シーブ13の移動によって拡大させ、チェーン1のピン端面3a,3bを円錐面状のシーブ面12a,13aの内側方向(図7の下方向)に向けて境界潤滑(接触面内の一部が微小突起の直接接触で、残部が潤滑油膜を介して接触する潤滑状態)条件下で滑り接触させながらチェーン1の入力軸11に対する巻き掛け径を小さくする一方、ドリブンプーリ20側では可動シーブ23の移動によって溝幅を縮小させ、チェーン1のピン端面3a,3bを円錐面状のシーブ面22a,23aの外側方向に向けて境界潤滑条件下で滑り接触させながらチェーン1の出力軸21に対する巻き掛け径を大きくする。こうすることで、出力軸21の回転を減速することができる。一方、出力軸21の回転を増速する場合、ドライブプーリ10側の溝幅を可動シーブ13の移動によって縮小させ、チェーン1のピン端面3a,3bを円錐面状のシーブ面12a,13aの外側方向(図7の上方向)に向けて境界潤滑条件下で滑り接触させながらチェーン1の入力軸11に対する巻き掛け径を大きくする一方、ドリブンプーリ20側では可動シーブ23の移動によって溝幅を拡大させ、チェーン1のピン端面3a,3bを円錐面状のシーブ面22a,23aの内側方向に向けて境界潤滑条件下で滑り接触させながらチェーン1の出力軸21に対する巻き掛け径を小さくする。こうすることで、出力軸21の回転を増速することができる。
上記のように構成された本形態に係る無段変速機では、第1のプーリとしてのドリブンプーリ20と第2のプーリとしてのドライブプーリ21との間にミスアライメントが存在しても、ピンおよびストリップのうちの少なくとも一方とリンクとの間に上記ミスアライメントの量以上に設定された隙間を有するチェーン1を用いているので、上記ミスアライメントの方向に対してチェーン1が柔軟性を発揮することができる。このため、長期にわたり動力伝達を行っても、異常摩耗や異常すべりの発生を有効に抑制することができる。このため、長期にわたり安定して動力伝達を行うことが可能な無段変速機となる。
なお、上記では、前記した第1の実施形態に係る動力伝達チェーンを用いた無段変速機の例を説明したが、第2,第3の実施形態に係る動力伝達チェーンを用いても、同様に異常摩耗や異常すべりの発生が抑制され、長期にわたり安定して動力伝達を行うことが可能な無段変速機となる。
なお、本発明の動力伝達装置は、ドライブプーリ及びドリブンプーリの両方の溝幅が変動する態様に限定されるものではなく、いずれか一方の溝幅のみが変動し、他方が変動しない固定幅にした態様であってもよい。また、上記では溝幅が連続的(無段階)に変動する態様について説明したが、有段的に変動したり、固定式(無変速)である等の他の動力伝達装置に適用してもよい。
本発明の動力伝達チェーンの第1の実施形態に係るチェーン式無段変速機用チェーンの要部構成を模式的に示す斜視図である。 図1に示すチェーン式無段変速機用チェーンを構成するリンク、ピンを示すピンの軸方向の断面図である。 図1に示すチェーン式無段変速機用チェーンを構成するリンク、ピン、ストリップを示すチェーン進行方向の一部断面図である。 本発明の動力伝達チェーンの第2の実施形態に係るチェーン式無段変速機用チェーンを示す断面図である。 本発明の動力伝達チェーンの第3の実施形態に係るチェーン式無段変速機用チェーンを示す断面図である。 本発明の動力伝達装置の一実施形態に係るチェーン式無段変速機の要部構成を模式的に示す斜視図である。 図6に示すチェーン式無段変速機のドライブプーリ(ドリブンプーリ)、チェーンの部分的な拡大断面図である。 ミスアライメントを説明するための模式図である。
符号の説明
1 チェーン式無段変速機用チェーン(動力伝達チェーン)
2 リンク
3 ピン
5 ストリップ
d 隙間

Claims (5)

  1. 貫通孔を有する複数のリンクと、前記貫通孔に挿通して前記複数のリンクを相互に連結する複数のピンと、前記貫通孔に挿通され前記複数のピンの一側面と接触する一側面を有する複数のストリップとを備え、円錐面状のシーブ面を有する第1のプーリと、円錐面状のシーブ面を有する第2のプーリとの間に架け渡されて用いられ、前記ピンの端面と前記第1および第2のプーリのシーブ面とが接触して動力を伝達する動力伝達チェーンであって、
    前記リンクの貫通孔内壁面と前記ピンの他側面との間および前記リンクの貫通孔内壁面とストリップの他側面との間のうちの少なくとも一方に、第1のプーリと第2のプーリとの間に存在するミスアライメントを許容する隙間を有することを特徴とする動力伝達チェーン。
  2. 前記ピンの両端側の側面およびストリップの両端側の側面のうちの少なくとも一方に、前記リンクを係止する突起部を有する請求項1記載の動力伝達チェーン。
  3. 前記複数のリンクのうちチェーン幅方向の両端側に配置されるリンクは、その貫通孔が他のリンクの貫通孔よりも小さく形成されており、
    かつ、前記ピンおよびストリップのうちの少なくとも一方が、前記複数のリンクのうちチェーン幅方向の両端側に配置されるリンクのみに圧入されている請求項1記載の動力伝達チェーン。
  4. 前記複数のリンクのうちチェーン幅方向の両端側に配置されるリンクは、その貫通孔が他のリンクの貫通孔よりも小さく形成されており、
    かつ、前記ピンの両端側の側面およびストリップの両端側の側面のうちの少なくとも一方に、前記チェーン幅方向の両端側に配置されるリンクの貫通孔の内壁縁部が入り込む溝部を有する請求項1記載の動力伝達チェーン。
  5. 円錐面状のシーブ面を有する第1のプーリと、
    円錐面状のシーブ面を有する第2のプーリと、
    両者の間に架け渡され、貫通孔を有する複数のリンクと、前記貫通孔に挿通して前記複数のリンクを相互に連結する複数のピンと、前記貫通孔に挿通され前記複数のピンの一側面と接触する一側面を有する複数のストリップとを有するチェーンと、を備えた動力伝達装置であって、
    前記チェーンが、請求項1〜4のいずれか一項に記載の動力伝達チェーンであることを特徴とする動力伝達装置。
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