JP2005053986A - 高炉用フェロコークスの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】コークス原料として低品質炭(非微粘結炭等)の粉炭、及び、バイオマスを使用し、高炉用の高強度フェロコークスを製造する。
【解決手段】石炭と鉄原料を混合、成形し乾留して高炉用フェロコークスを製造する方法において、(a)粉炭を微粉炭と粗粒炭に分級し、(b)上記微粉炭と粉状鉄原料を、さらにバイオマスを加えて混合し、(c)上記混合物を加圧成形し、次いで、(d)上記成形物を単独で、又は、上記粗粒炭及び/又は粘結炭と適宜混合して乾留する。
【選択図】 図1
【解決手段】石炭と鉄原料を混合、成形し乾留して高炉用フェロコークスを製造する方法において、(a)粉炭を微粉炭と粗粒炭に分級し、(b)上記微粉炭と粉状鉄原料を、さらにバイオマスを加えて混合し、(c)上記混合物を加圧成形し、次いで、(d)上記成形物を単独で、又は、上記粗粒炭及び/又は粘結炭と適宜混合して乾留する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、コークス原料として、低品質炭(非微粘結炭等)及びバイオマスを使用し、高炉用の高強度フェロコークスを製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
高炉操業においては、従来から、粉状の粘結性炭や低粘結性炭を成形、乾留して製造した成形コークスが、室炉コークスに代替する還元材として用いられているが、コークスは、高炉内の通気性を確保するため所要の強度を備えている必要があり、成形コークスの強度向上を図る技術が、これまで数多く開示されている(例えば、特許文献1〜3、参照)。
【0003】
特許文献1には、粘結性の少ない原料炭に、石炭系結合剤を添加して成型した塊成炭を、直立型乾留炉で、塊成炭の炉内滞留時間を制御しながら乾留する成形コークスの方法が開示されている。
【0004】
また、特許文献2には、成形炭を固体熱媒(600℃以上溶融温度以下に加熱された塊状又は塊成化した還元鉄又は酸化鉄)で直接加熱して乾留する成形コークスの製造方法が開示されている。
【0005】
さらに、特許文献3には、非微粘結炭を所定量含有する粉炭にバインダーを添加して塊成化した成形炭を、竪型乾留炉で、羽口から吹き込む熱媒ガスの温度及び流量を調節しながら乾留する成形コークスの製造方法が開示されている。
【0006】
このように、コークス用の高品質炭(強粘結炭)が枯渇傾向にあることを踏まえ、低品質炭(非微粘結炭)を使用する成形コークスの製造技術が開示されているが、低品質炭を原料とするが故、従来技術ではコークス強度の向上に限界があるのが実情である。
【0007】
そこで、本発明者は、低品質粉炭の熱的特性に着目し、予熱後分級、分級微粉炭の急速加熱、急速加熱後の熱間成形、分級粗粒炭との混合乾留を基本工程とする高炉用コークスの製造方法を提案した(特許文献4、参照)。
【0008】
特許文献4の方法は、原料炭の炭種拡大、生産性の向上等の点で効果の大きいものである。
【0009】
また、高炉操業においては還元効率の向上が求められ、この観点から、鉄鉱石等の含鉄原料を含むフェロコークスが製造され使用されてきた(例えば、特許文献5〜8、参照)。
【0010】
例えば、特許文献5には、石炭粉及び粉状鉄源に粘結材を加えて混練、加圧成型してブリケットを製造し、原料石炭粉と混合して乾留するフェロコークスの製造方法が開示されている。
【0011】
また、特許文献6には、粉状鉄源と粉状石炭との混合成形物をシャフト炉に装入して成型フェロコークスを製造するに際し、シャフト炉の炉頂ガスをシャフト炉に供給する成型フェロコークスの製造方法が開示されている。
【0012】
また、特許文献7には、溶融還元製鉄法において、粉状含鉄原料と粉状石炭の混合物からなる成形物を乾留して得た成形フェロコークスを用いることが開示されている。
【0013】
さらに、特許文献8には、室式コークス炉に、石炭と粉状鉄源を一定の比率で装入して乾留し、一部被還元された粉状鉄源を内包するフェロコークスを製造する方法が開示されている。
【0014】
しかし、高炉用フェロコークスにおいても、当然に、所要のコークス強度が求められ、コークス用の高品質炭(強粘結炭等)が枯渇傾向にある現在、低品質粉炭をコークス原料として使用し、高炉用の高強度フェロコークスを製造する技術の開発が求められている。
【0015】
ところで、地球温暖化問題への対応策の一つとして、廃棄物エネルギーの利用が進められている。特に、バイオマスはカーボンニュートラルであり、石油・石炭に替わり積極的に使用されるべきエネルギー資源として注目されている。
【0016】
バイオマスは、農業系(麦藁、サトウキビ、米糠、草木等)、林業系(製紙廃棄物、製材廃材、除間伐材、薪炭林等)、畜産系(家畜廃棄物)、水産系(水産加工残滓)、廃棄物系(生ゴミ、ゴミ固形化燃料、庭木、建設廃材、下水汚泥)等に分類されるが、廃棄物系バイオマスは、固定炭素と呼ばれる炭素分、即ち、無酸素雰囲気下の熱分解でガス化せず、固体炭素として残渣となる炭素分を含んでいる。
【0017】
このバイオマス残渣(固定炭素)は、燃焼性、着火性に優れ、他の性状もコークスに比べ遜色がないので、コークスとして使用し得るものである。
【0018】
しかし、固定炭素の特性に着目し、バイオマスをコークス原料として直接利用する技術は、今のところ提案されていない。
【0019】
特許文献9には、廃棄物系バイオマスの一つの下水汚泥を、コークス乾式消火装置のプレチャンバー内に投入して焼却処理する方法が開示されているが、この方法では、固定炭素の多くは、ダストとして可燃ガスとともに煙道に導かれ、結局は、有効に利用されないまま飛散することになる。
【0020】
このように、バイオマスに含まれる炭素分は、エネルギー資源としての有効性が認識されているにも拘わらず、これを有効に利用する技術は見あたらない。
【0021】
【特許文献1】
特公昭60−38437号公報
【特許文献2】
特公昭62−45914号公報
【特許文献3】
特開平7−145385号公報
【特許文献4】
特開平8−209150号公報
【特許文献5】
特開昭63−137989号公報
【特許文献6】
特開昭64−81889号公報
【特許文献7】
特開平4−28810号公報
【特許文献8】
特開平10−287883号公報
【特許文献9】
特開平6−233999号公報
【0022】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記実情・現状に鑑み、コークス原料として、低品質炭(非粘結炭、微粘結炭等)の粉炭、及び、バイオマスを使用し、高炉用の高強度フェロコークスを製造することを目的とする。
【0023】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、鉄原料を含むフェロコークスの製造において、コークス原料として、非微粘結炭及びバイオマスを使用することを前提に、コークス強度の向上を図る非微粘結粉炭の処理、及び、バイオマス中の炭素分を非微粘結粉炭と一体的にコークス化するための製造工程について鋭意検討した。
【0024】
その結果、(i)非微粘結粉炭の熱的特性に立脚する一連の処理(予熱後分級、急速加熱、熱間成形)により、非微粘結微粉炭の粘結性が改善され、コークス強度が向上すること、及び、(ii)バイオマスを直接コークス原料に混合することが、粘結材としての機能も果たし、コークス強度の向上に有効であること、を知見した。
【0025】
本発明は、上記知見に基づいてなされたもので、その要旨は、以下のとおりである。
【0026】
(1) 石炭と鉄原料を混合、成形し、乾留して高炉用フェロコークスを製造する方法において、
(a)粉炭を微粉炭と粗粒炭に分級し、
(b)上記微粉炭と粉状鉄原料を、さらに、バイオマスを加えて混合し、
(c)上記混合物を加圧成形し、次いで、
(d−1)上記成形物を単独で、又は、上記粗粒炭及び/又は粘結炭と適宜混合して乾留する、ことを特徴とする高炉用フェロコークスの製造方法。
【0027】
(2) 石炭と鉄原料を混合、成形し、乾留して高炉用フェロコークスを製造する方法において、
(a)粉炭を微粉炭と粗粒炭に分級し、
(b)上記微粉炭と粉状鉄原料を、さらに、バイオマスを加えて混合し、
(c)上記混合物を加圧成形し、次いで、
(d−2)上記成形物を上記粗粒炭及び/又は粘結炭と適宜混合してブリケットに成形後、乾留する、ことを特徴とする高炉用フェロコークスの製造方法。
【0028】
(3) 石炭と鉄原料を混合、成形し、乾留して高炉用フェロコークスを製造する方法において、
(a)粉炭を予熱して、微粉炭と粗粒炭に分級し、
(b)上記微粉炭と粉状鉄原料を、さらに、バイオマスを加えて混合し、
(c)上記混合物を、250℃以上で、かつ、石炭の軟化開始温度以下の温度に急速加熱して加圧成形し、次いで、
(d−1)上記成形物を単独で、又は、上記粗粒炭及び/又は粘結炭と適宜混合して乾留する、ことを特徴とする高炉用フェロコークスの製造方法。
【0029】
(4) 石炭と鉄原料を混合、成形し、乾留して高炉用フェロコークスを製造する方法において、
(a)粉炭を予熱して、微粉炭と粗粒炭に分級し、
(b)上記微粉炭と粉状鉄原料を、さらに、バイオマスを加えて混合し、
(c)上記混合物を、250℃以上で、かつ、石炭の軟化開始温度以下の温度に急速加熱して加圧成形し、次いで、
(d−2)上記成形物を上記粗粒炭及び/又は粘結炭と適宜混合してブリケットに成形後、乾留する、ことを特徴とする高炉用フェロコークスの製造方法。
【0030】
(5) 石炭と鉄原料を混合、成形し、乾留して高炉用フェロコークスを製造する方法において、
(a)粉炭を予熱して、微粉炭と粗粒炭に分級し、
(b)上記微粉炭を、250℃以上で、かつ、石炭の軟化開始温度以下の温度に急速加熱して、粉状鉄原料と、さらに、バイオマス加えて混合し、
(c)上記混合物を加圧成形し、次いで、
(d−1)上記成形物を単独で、又は、上記粗粒炭及び/又は粘結炭と適宜混合して乾留する、ことを特徴とする高炉用フェロコークスの製造方法。
【0031】
(6) 石炭と鉄原料を混合、成形し、乾留して高炉用フェロコークスを製造する方法において、
(a)粉炭を予熱して、微粉炭と粗粒炭に分級し、
(b)上記微粉炭を、250℃以上で、かつ、石炭の軟化開始温度以下の温度に急速加熱して、粉状鉄原料と、さらにバイオマス加えて混合し、
(c)上記混合物を加圧成形し、次いで、
(d−2)上記成形物を上記粗粒炭及び/又は粘結炭と適宜混合してブリケットに成形後、乾留する、ことを特徴とする高炉用フェロコークスの製造方法。
【0032】
(7) 石炭と鉄原料を混合、成形し、乾留して高炉用フェロコークスを製造する方法において、
(a)粉炭を予熱して、微粉炭と粗粒炭に分級し、
(b)上記微粉炭を、250℃以上で、かつ、石炭の軟化開始温度以下の温度に急速加熱して造粒し、
(c)上記造粒物と粉状鉄原料を、さらに、バイオマスを加えて、250℃以上で、かつ、石炭の軟化開始温度以下の温度で混合して加圧成形し、次いで、
(d−1)上記成形物を単独で、又は、上記粗粒炭及び/又は粘結炭と適宜混合して乾留する、ことを特徴とする高炉用フェロコークスの製造方法。
【0033】
(8) 石炭と鉄原料を混合、成形し、乾留して高炉用フェロコークスを製造する方法において、
(a)粉炭を予熱して、微粉炭と粗粒炭に分級し、
(b)上記微粉炭を、250℃以上で、かつ、石炭の軟化開始温度以下の温度に急速加熱して造粒し、
(c)上記造粒物と粉状鉄原料を、さらに、バイオマスを加えて、250℃以上で、かつ、石炭の軟化開始温度以下の温度で混合して加圧成形し、次いで、
(d−2)上記成形物を上記粗粒炭及び/又は粘結炭と適宜混合してブリケットに成形後、乾留する、ことを特徴とする高炉用フェロコークスの製造方法。
【0034】
(9) 前記石炭が、非微粘結炭であることを特徴とする前記(1)〜(8)のいずれかに記載の高炉用フェロコークスの製造方法。
【0035】
(10) 前記粉炭を250〜350℃に予熱することを特徴とする前記(1)〜(8)のいずれかに記載の高炉用フェロコークスの製造方法。
【0036】
(11) 前記微粉炭が、粒径0.3mm以下の微粉炭であることを特徴とする前記(1)〜(10)のいずれかに記載の高炉用フェロコークスの製造方法。
【0037】
(12) 前記粗粒炭が、粒径0.3mm超の粗粒炭であることを特徴とする前記(1)〜(11)のいずれかに記載の高炉用フェロコークスの製造方法。
【0038】
(13) 前記急速加熱を1×102〜1×105℃/分の加熱速度で行うことを特徴とする前記(1)〜(12)のいずれかに記載の高炉用フェロコークスの製造方法。
【0039】
(14) 前記粉状鉄原料を、微粉炭100質量部に対し、5〜60質量部混合することを特徴とする前記(1)〜(13)のいずれかに記載の高炉用フェロコークスの製造方法。
【0040】
(15) 前記粉状鉄原料が、粒径0.01〜10mmの鉄鉱石であることを特徴とする前記(1)〜(14)のいずれかに記載の高炉用フェロコークスの製造方法。
【0041】
(16) 前記粉状鉄原料が、製鉄ダストを含むことを特徴とする前記(1)〜(15)のいずれかに記載の高炉用フェロコークスの製造方法。
【0042】
(17) 前記バイオマスが、木質系バイオマス及び/又は廃棄物系バイオマスであることを特徴とする前記(1)〜(16)のいずれかに記載の高炉用フェロコークスの製造方法。
【0043】
(18) 前記バイオマスを、微粉炭と粉状鉄原料100質量部、又は、造粒炭と粉状鉄原料100質量部に対し、1〜20質量部混合することを特徴とする前記(1)〜(17)のいずれかに記載の高炉用フェロコークスの製造方法。
【0044】
(19) 前記加圧成形を、5〜1,000kg/cm2の圧力で行うことを特徴とする前記(1)〜(18)のいずれかに記載の高炉用フェロコークスの製造方法。
【0045】
(20) 前記造粒を、加圧成形機による成形で行うことを特徴とする前記(1)〜(19)のいずれかに記載の高炉用フェロコークスの製造方法。
【0046】
(21) 前記成形物が、円相当径0.3mm以上の柱状物ないし棒状物であることを特徴とする前記(1)〜(20)のいずれかに記載の高炉用フェロコークスの製造方法。
【0047】
(22) 前記造粒炭が、粒径0.3mm未満の球状成形物、又は、枕型成形物であることを特徴とする前記(1)〜(21)のいずれかに記載の高炉用フェロコークスの製造方法。
【0048】
(23) 前記ブリケットが、最大径120〜150mmのブリケットであることを特徴とする前記(2)、(4)、(6)、(8)、及び、(9)〜(22)のいずれかに記載の高炉用フェロコークスの製造方法。
【0049】
(24) 前記乾留を、室炉式コークス炉で行うことを特徴とする前記(1)、(3)、(5)、(7)、及び、(9)〜(22)のいずれかに記載の高炉用フェロコークスの製造方法。
【0050】
(25) 前記乾留を、縦型シャフト炉で行うことを特徴とする前記(2)、(4)、(6)、(8)、及び、(9)〜(23)のいずれかに記載の高炉用フェロコークスの製造方法。
【0051】
【発明の実施の形態】
本発明について、図面に基づいて詳細に説明する。図1に、本発明の実施態様を示す。
【0052】
配合貯槽1から非微粘結粉炭Aを切り出し、乾燥予熱機2で、好ましくは80〜350℃に加熱して乾燥予熱する。この乾燥予熱は、非微粘結炭の粘性を改善する効果を有するが、後工程の分級に支障をきたさない程度に十分乾燥されていれば、省略してもよい。それ故、図1に示す実施態様において、この乾燥予熱は、必ずしも必須のものではない。
【0053】
非微粘結粉炭を乾燥予熱する場合、上記粘性改善効果は、通常、80℃以上で発現するが、一方、350℃を超えると、石炭の熱分解が始まり、石炭が変質することがあるので、乾燥予熱温度の上限は350℃が好ましい。
【0054】
乾燥予熱した又はしない粉炭を、サイクロンのような分級機3で、微粉炭A1と粗粒炭A2に分級する。石炭は、銘柄や含水量により被粉砕性が異なり、粉砕後の粒度分布も異なるので、本発明で微粉炭として扱う粒径範囲は、特に限定されるものではない。
【0055】
微粉炭と粗粒炭を区分する臨界粒径は、石炭の銘柄や含水量、さらに、所望のコークス強度に応じて適宜設定すればよい。通常、粒径0.3mm以下の石炭を微粉炭として扱っているので、本発明においても、粒径0.3mm以下の石炭を微粉炭として扱うのが好ましい。
【0056】
次に、分級した微粉炭A1と、配合貯槽4から切り出した粉状鉄原料B、さらに、バイオマス貯槽16から抜き出したバイオマスDを、混合機7で混合する。
【0057】
この場合、微粉炭A1は予熱された状態で混合機7へ送給されるので、粉状鉄原料BとバイオマスDについても、微粉炭A1の予熱状態程度まで加熱して、混合機7へ送給するのが好ましい。
【0058】
粉状鉄原料の混合割合は、高炉用コークスとしての強度を安定的に確保し、かつ、炉内還元効率の一定の向上を確保する点で、微粉炭100質量部に対し、5〜60質量部が好ましい。
【0059】
上記混合割合が5質量%未満であると、炉内還元効率の向上は期待できないし、一方、60質量%を超えると、所望のコークス強度を安定的に確保することが難しくなる。
【0060】
粉状鉄原料としては、主として粉状鉄鉱石を用いるが、基本的には、鉄及び鉄酸化物を所要量含有している粉状の物質であればよく、鉄鉱石以外では、製鉄ダスト等を用いることができる。
【0061】
粉状鉄原料B、微粉炭A1、及び、バイオマスDを混合機7で混合する場合、均一に混合するため、粉状鉄原料の粒径を、微粉炭の粒径に対応して適宜設定する。例えば、粒径0.3mm以下の微粉炭と混合する場合、粉状鉄原料は、粒径0.01〜10mmのものが好ましい。
【0062】
バイオマスの混合割合は、混合物の粘結性を高め、高炉用コークスとしての強度を安定的に確保する点で、微粉炭100質量部に対し、1〜20質量部が好ましい。
【0063】
上記混合割合が1質量部未満であると、混合物の粘結性の向上に寄与しないし、一方、20質量部を超えると、適正な粘結性を維持できず、成形物の強度が低下する。
【0064】
バイオマスは、主として、排出量の多い木質系バイオマス及び/又は廃棄物系バイオマスを用いるが、基本的には、固定炭素として残留する炭素を所定量含んでいればよく、この限りで、どのような種類のバイオマスでもよい。
【0065】
微粉炭A1、バイオマスD、及び、粉状鉄原料Bを混合機7で均一に混合した後、この混合物を加圧成形機9に送給し、コークス炉に装入した時、できるだけ嵩密度を高め得る形状の成形物に加圧成形する。
【0066】
加圧成形においては、上記混合物を、5〜1,000kg/cm2の圧力で、円相当径0.3mm以上の柱状物ないし棒状物に成形することが好ましい。
【0067】
加圧力が5kg/cm2未満であると、成形時の圧力が小さ過ぎて、成形物の歩留りが低下し、一方、1,000kg/cm2を超えると、成形機で加圧成形する際に、成形物内に亀裂が入り割れてしまうことがある。
【0068】
上記圧力範囲にある圧力で成形することにより、成形後のハンドリングが容易で、かつ、所要のコークス強度を安定的に確保できる成形物を、歩留りよく得ることができる。
【0069】
成形物の形状は柱状ないし棒状が好ましい。成形物が柱状物ないし棒状物であれば、成形物を単独で、又は、粗粒炭及び/又は粘結炭と混合してコークス炉内に装入した場合でも、コークス原料の嵩密度を高めることができ、コークス強度の向上に貢献する。
【0070】
加圧成形機9で成形した成形物は、コークス炉へ装入する前、一旦、配合貯槽12に貯蔵してもよい。この時、分級機3で分級した粗粒炭A2、及び/又は、配合貯槽5から切り出して乾燥予熱機6で乾燥予熱した粘結炭Cと混合して、配合貯槽12に貯蔵してもよい。
【0071】
本発明においては、加圧成形機9で成形した成形物を、単独で、又は、粗粒炭A2及び/又は粘結炭Cと適宜混合して、乾留炉で乾留する。
【0072】
コークス炉として、通常、室炉式コークス炉13又は縦型シャフト炉15を用いるが、本発明においては、所要の乾留を実施できればよいから、その限りで、他の形式の炉を用いてもよい。
【0073】
乾留炉として室炉式コークス炉13を用いる場合には、上記成形物、又は、該成形物と粗粒炭A2及び/又は粘結炭Cとの混合物を配合貯槽12から切り出して、室炉式コークス炉13に装入する。
【0074】
ただし、乾留炉として縦型シャフト炉15を用いる場合には、配合貯槽12から切り出した上記成形物と粗粒炭A2及び/又は粘結炭Cとの混合物を、ブリケット成形機14でブリケットに成形して、縦型シャフト炉15に装入する。
【0075】
このように、配合貯槽12から切り出した混合物をブリケットに成形して乾留することにより、高強度の成形コークスを製造することができる。
【0076】
ブリケットを乾留炉内で乾留する場合は、熱伝導によってブリケットの乾留が進行する。このため、ブリケットの径が大きすぎると、炉内でブリケットを乾留する際に、ブリケット内で熱応力が大きくなり、乾留過程でブリケットに亀裂が発生し、乾留後のコークスの強度が低下する。
【0077】
そこで、乾留時に、ブリケット内での亀裂発生を抑制する点から、ブリケットの最大径は120〜150mmが好ましい。
【0078】
なお、乾留温度は、いずれの炉を用いる場合でも、通常の950〜1200℃でよい。
【0079】
成形物と粗粒炭及び/又は粘結炭との混合割合は、特に限定されるものではない。選択する炉や、所望のコークス強度を考慮して、適宜設定すればよい。
【0080】
本発明によれば、このようにして、高炉用の高強度フェロコークスを、安定的に歩留りよく製造することができる。
【0081】
図2に、本発明の別の実施態様を示す。なお、図2中、図1に示すものと同じものについては、図1中の数字、記号と同じ数字、記号で示した。
【0082】
図2に示す実施態様は、
(i)非微粘結粉炭Aを、乾燥予熱機2で乾燥予熱する点、及び、
(ii)混合物を、加圧成形機9に送給する前、急速加熱機8で、250℃以上で、かつ、石炭の軟化開始温度以下の温度に急速加熱する点、
で、図1に示す実施態様と相違する。
【0083】
配合貯槽1から非微粘結粉炭Aを切り出し、乾燥予熱機2で、好ましくは80〜350℃に加熱して乾燥予熱する。図2に示す実施態様において、この乾燥予熱は、必須の処理であり、非微粘結粉炭の粘結性を改善し、高強度のフェロコークスを製造する処理工程における最初の工程として重要である。
【0084】
加熱温度が80℃未満であると乾燥予熱が充分でなく、また、後工程の急速加熱によっても、粘結性の改善に至らない場合がある。一方、加熱温度が350℃超であると、石炭からガスが発生し、石炭が変質するので、コークス強度が低下してしまう。
【0085】
図2に示す実施態様においては、微粉炭A1、バイオマスD、及び、粉状鉄原料Bを混合機7で均一に混合した後、この混合物を、急速加熱機8へ送給し、250℃以上で、かつ、石炭の軟化開始温度以下の温度まで急速加熱する。
【0086】
この急速加熱が、非微粘結微粉炭の粘結性を改善するうえで、乾燥予熱と相俟って重要な処理である。
【0087】
加熱速度は1×102〜1×105℃/分が好ましい。加熱速度が1×102℃/分未満であると、粘結性改善効果が充分に発現せず、この限りで、加熱速度は1×103℃/分以上であればよいが、実現可能な加熱速度として、上限値を1×105℃/分に設定した。
【0088】
非微粘結粉炭の乾燥予熱に続き、微粉炭と粗粒炭に分級し、分級した微粉炭を、250℃以上で、かつ、石炭の軟化開始温度以下の温度に急速加熱すれば、非微粘結微粉炭自体の粘結性が向上することは、本発明者が、既に、特許文献4で開示したことであるが、本発明は、非粘結性の粉状鉄原料を所要量含むフェロコークスの製造であるから、非微粘結微粉炭自体の粘結性を高めても、それがコークス強度の向上に直結しないことが予想される。
【0089】
そこで、本発明者は、粒径0.3mm以下の微粉炭、粒径0.01〜10mmの粉状鉄鉱石、及び、バイオマスを、混合割合を変えて混合し、成形、乾留し、該微粉炭の急速加熱温度とコークス強度の関係を調査した。
【0090】
その結果、非粘結性の粉状鉄鉱石との混合状態においても、基本的には、非微粘結微粉炭自体の粘結性の向上が、コークス強度の向上をもたらすことが判明した。
【0091】
“粉状鉄原料、微粉炭及びバイオマスの混合物”を急速加熱機8で上記温度に急速加熱した後、加圧成型機9に送給し、コークス炉に装入した時、できるだけ嵩密度を高め得る形状の成形物に加圧成形する。以後の処理は、図1に示す実施態様の場合と同じである。
【0092】
本発明によれば、このようにして、高炉用の高強度フェロコークスを、安定的に歩留りよく製造することができる。
【0093】
図3に、本発明の別の実施態様を示す。なお、図3中、図2に示すものと同じものについては、図2中の数字、記号と同じ数字、記号で示した。
【0094】
図3に示す実施態様は、
(i)微粉炭A1だけを、急速加熱機8で、250℃以上で、かつ、石炭の軟化開始温度以下の温度に急速加熱する点、及び、
(ii)急速加熱後、微粉炭A1、バイオマスD、及び、粉状鉄原料Bを混合機7で混合する点、
で、図2に示す実施態様と異なる。
【0095】
なお、混合機7による混合に際しては、粉状鉄原料B及びバイオマスDを、微粉炭A1の温度に近い温度まで予熱することが、混合機7で均一な混合を図るうえで好ましい。
【0096】
本発明者は、本発明において、上記(i)及び(ii)の工程を採用する実施態様においても、高炉用の高強度フェロコークスを、安定的に歩留りよく製造できることを実験的に確認した。
【0097】
図4に、本発明のさらに別の実施態様を示す。なお、図4中、図1〜3に示すものと同じものについては、図1〜3中の数字、記号と同じ数字、記号で示した。
【0098】
図4に示す実施態様は、
(i)微粉炭A1を、急速加熱後、造粒機10で造粒する点、及び、
(ii)造粒炭、バイオマスD、及び、粉状鉄原料Bを、混合加圧成形機11で混合し、加圧成形する点、
で、図3に示す実施態様と異なる。
【0099】
造粒炭は、造粒直後の粉状鉄原料、及び、バイオマスとの均一な混合を図るうえで、粒径0.3mm未満の球状又は枕型のものが好ましい。造粒機10は、どのような種類の造粒機でもよいが、球状又は枕型に造粒し得る造粒機又は塊成機として、例えば、ダブルロールプレス型の成形機、又は、ロールコンパクターなどが好ましい。
【0100】
上記(ii)の混合加圧成形は、造粒炭、バイオマスD、及び、粉状鉄原料Bを、250℃以上で、かつ、石炭の軟化開始温度以下の温度に加熱して行う。この加熱により、混合加圧成形機11において、均一な混合をなし、円滑な加圧成形を行うことができる。
【0101】
本発明者は、上記(i)及び(ii)の工程を採用する実施態様においても、高炉用の高強度フェロコークスを、安定的に歩留りよく製造できることを実験的に確認した。
【0102】
なお、本発明において、コークス強度とは、JIS K 2151に従って、ドラム試験機でコークスサンプルに対して150回転の衝撃を与えた後に、15mmの篩の上に残存する割合で表わす指標(DI150 15)で示す。
【0103】
【実施例】
次に、本発明の実施例について説明するが、実施例における条件は、本発明の実施可能性及び効果を実証するために採用した一条件例であり、本発明は、該条件例に限定されるものではない。
【0104】
本発明は、本発明の要旨を逸脱せず、本発明の目的を達成する限りにおいて、適宜、条件を設定し得るものである。
【0105】
(実施例1)
粉炭を80℃に予熱して、粒径0.3mm以下の微粉炭と粒径0.3mm超の粗粒炭に分級した。上記微粉炭と、粒径0.01〜1.0mmの鉄鉱石、及び/又は、粒径0.01〜0.5mmの製鉄ダスト等の粉状鉄原料、及び、木質系バイオマスを、表1に示す割合で混合して、混合物(a)(微粉炭90mass%、鉄鉱石5mass%、バイオマス5mass%)、及び、混合物(b)(微粉炭80mass%、鉄鉱石5mass%、製鉄ダスト5mass%、バイオマス5mass%)を調製した。
【0106】
これらの混合物(a)及び混合物(b)を、加熱速度150℃/分で300℃(250℃以上で、かつ、石炭の軟化開始温度以下の温度)に急速加熱し、ダブルロールプレス型の成形機を用い、700kg/cm2の圧力で、直径15mmの柱状に加圧成形した。
【0107】
次いで、上記柱状成形物を単独で、又は、粒径0.3mm超の粗粒炭及び/又は粒径0.1〜5.0mmの粘結炭と、表2に示す混合割合で適宜混合して室炉式コークス炉に装入し、1050〜1100℃で乾留した。
【0108】
得られたフェロコークスの性状を表3に示す。表3から、得られたコークスのドラム強度(DI150 15)は82.5〜83.5であり、高炉用コークスとして充分に使用し得るコークスが得られていることが解かる。
【0109】
【表1】
【0110】
【表2】
【0111】
【表3】
【0112】
(実施例2)
実施例1で得た成形物(混合物(a)及び混合物(b)を、加熱速度150℃/分で300℃(250℃以上で、かつ、石炭の軟化開始温度以下の温度)に急速加熱し、ダブルロールプレス型の成形機を用い、700kg/cm2の圧力で、直径15mmの柱状に加圧成形して得た成形物)と、粒径0.3mm超の粗粒炭及び/又は粒径0.01〜5.0mmの粘結炭を、表4に示す割合で混合してブリケットに成形した。
【0113】
このブリケットを縦型シャフト炉に装入して、1000〜1100℃で乾留した。
【0114】
得られたフェロコークスの性状を表5に示す。表5から、得られたコークスのドラム強度(DI150 15)は83.1〜83.9と高く、高炉用コークスとして充分に使用し得るコークスが得られていることが解かる。
【0115】
【表4】
【0116】
【表5】
【0117】
【発明の効果】
本発明によれば、非微粘結炭及びバイオマスを用いて高強度のフェロコークスを、低コストで歩留りよく製造することができる。
【0118】
したがって、本発明は、高炉の安定操業、生産性の向上、さらに、バイオマスの有効利用に大きく貢献する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施態様を示す図である。
【図2】本発明の別の実施態様を示す図である。
【図3】本発明の別の実施態様を示す図である。
【図4】本発明のさらに別の実施態様を示す図である。
【符号の説明】
1、4、5、12…配合貯槽
2、6…乾燥予熱機
3…分級機
7…混合機
8…急速加熱機
9…加圧成型機
10…造粒機
11…混合加圧成型機
13…室炉式コークス炉
14…ブリケット成形機
15…縦型シャフト炉
16…バイオマス貯槽
A…非微粘結粉炭
A1…微粉炭
A2…粗粒炭
B…粉状鉄原料
C…粘結炭
D…バイオマス
【発明の属する技術分野】
本発明は、コークス原料として、低品質炭(非微粘結炭等)及びバイオマスを使用し、高炉用の高強度フェロコークスを製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
高炉操業においては、従来から、粉状の粘結性炭や低粘結性炭を成形、乾留して製造した成形コークスが、室炉コークスに代替する還元材として用いられているが、コークスは、高炉内の通気性を確保するため所要の強度を備えている必要があり、成形コークスの強度向上を図る技術が、これまで数多く開示されている(例えば、特許文献1〜3、参照)。
【0003】
特許文献1には、粘結性の少ない原料炭に、石炭系結合剤を添加して成型した塊成炭を、直立型乾留炉で、塊成炭の炉内滞留時間を制御しながら乾留する成形コークスの方法が開示されている。
【0004】
また、特許文献2には、成形炭を固体熱媒(600℃以上溶融温度以下に加熱された塊状又は塊成化した還元鉄又は酸化鉄)で直接加熱して乾留する成形コークスの製造方法が開示されている。
【0005】
さらに、特許文献3には、非微粘結炭を所定量含有する粉炭にバインダーを添加して塊成化した成形炭を、竪型乾留炉で、羽口から吹き込む熱媒ガスの温度及び流量を調節しながら乾留する成形コークスの製造方法が開示されている。
【0006】
このように、コークス用の高品質炭(強粘結炭)が枯渇傾向にあることを踏まえ、低品質炭(非微粘結炭)を使用する成形コークスの製造技術が開示されているが、低品質炭を原料とするが故、従来技術ではコークス強度の向上に限界があるのが実情である。
【0007】
そこで、本発明者は、低品質粉炭の熱的特性に着目し、予熱後分級、分級微粉炭の急速加熱、急速加熱後の熱間成形、分級粗粒炭との混合乾留を基本工程とする高炉用コークスの製造方法を提案した(特許文献4、参照)。
【0008】
特許文献4の方法は、原料炭の炭種拡大、生産性の向上等の点で効果の大きいものである。
【0009】
また、高炉操業においては還元効率の向上が求められ、この観点から、鉄鉱石等の含鉄原料を含むフェロコークスが製造され使用されてきた(例えば、特許文献5〜8、参照)。
【0010】
例えば、特許文献5には、石炭粉及び粉状鉄源に粘結材を加えて混練、加圧成型してブリケットを製造し、原料石炭粉と混合して乾留するフェロコークスの製造方法が開示されている。
【0011】
また、特許文献6には、粉状鉄源と粉状石炭との混合成形物をシャフト炉に装入して成型フェロコークスを製造するに際し、シャフト炉の炉頂ガスをシャフト炉に供給する成型フェロコークスの製造方法が開示されている。
【0012】
また、特許文献7には、溶融還元製鉄法において、粉状含鉄原料と粉状石炭の混合物からなる成形物を乾留して得た成形フェロコークスを用いることが開示されている。
【0013】
さらに、特許文献8には、室式コークス炉に、石炭と粉状鉄源を一定の比率で装入して乾留し、一部被還元された粉状鉄源を内包するフェロコークスを製造する方法が開示されている。
【0014】
しかし、高炉用フェロコークスにおいても、当然に、所要のコークス強度が求められ、コークス用の高品質炭(強粘結炭等)が枯渇傾向にある現在、低品質粉炭をコークス原料として使用し、高炉用の高強度フェロコークスを製造する技術の開発が求められている。
【0015】
ところで、地球温暖化問題への対応策の一つとして、廃棄物エネルギーの利用が進められている。特に、バイオマスはカーボンニュートラルであり、石油・石炭に替わり積極的に使用されるべきエネルギー資源として注目されている。
【0016】
バイオマスは、農業系(麦藁、サトウキビ、米糠、草木等)、林業系(製紙廃棄物、製材廃材、除間伐材、薪炭林等)、畜産系(家畜廃棄物)、水産系(水産加工残滓)、廃棄物系(生ゴミ、ゴミ固形化燃料、庭木、建設廃材、下水汚泥)等に分類されるが、廃棄物系バイオマスは、固定炭素と呼ばれる炭素分、即ち、無酸素雰囲気下の熱分解でガス化せず、固体炭素として残渣となる炭素分を含んでいる。
【0017】
このバイオマス残渣(固定炭素)は、燃焼性、着火性に優れ、他の性状もコークスに比べ遜色がないので、コークスとして使用し得るものである。
【0018】
しかし、固定炭素の特性に着目し、バイオマスをコークス原料として直接利用する技術は、今のところ提案されていない。
【0019】
特許文献9には、廃棄物系バイオマスの一つの下水汚泥を、コークス乾式消火装置のプレチャンバー内に投入して焼却処理する方法が開示されているが、この方法では、固定炭素の多くは、ダストとして可燃ガスとともに煙道に導かれ、結局は、有効に利用されないまま飛散することになる。
【0020】
このように、バイオマスに含まれる炭素分は、エネルギー資源としての有効性が認識されているにも拘わらず、これを有効に利用する技術は見あたらない。
【0021】
【特許文献1】
特公昭60−38437号公報
【特許文献2】
特公昭62−45914号公報
【特許文献3】
特開平7−145385号公報
【特許文献4】
特開平8−209150号公報
【特許文献5】
特開昭63−137989号公報
【特許文献6】
特開昭64−81889号公報
【特許文献7】
特開平4−28810号公報
【特許文献8】
特開平10−287883号公報
【特許文献9】
特開平6−233999号公報
【0022】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記実情・現状に鑑み、コークス原料として、低品質炭(非粘結炭、微粘結炭等)の粉炭、及び、バイオマスを使用し、高炉用の高強度フェロコークスを製造することを目的とする。
【0023】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、鉄原料を含むフェロコークスの製造において、コークス原料として、非微粘結炭及びバイオマスを使用することを前提に、コークス強度の向上を図る非微粘結粉炭の処理、及び、バイオマス中の炭素分を非微粘結粉炭と一体的にコークス化するための製造工程について鋭意検討した。
【0024】
その結果、(i)非微粘結粉炭の熱的特性に立脚する一連の処理(予熱後分級、急速加熱、熱間成形)により、非微粘結微粉炭の粘結性が改善され、コークス強度が向上すること、及び、(ii)バイオマスを直接コークス原料に混合することが、粘結材としての機能も果たし、コークス強度の向上に有効であること、を知見した。
【0025】
本発明は、上記知見に基づいてなされたもので、その要旨は、以下のとおりである。
【0026】
(1) 石炭と鉄原料を混合、成形し、乾留して高炉用フェロコークスを製造する方法において、
(a)粉炭を微粉炭と粗粒炭に分級し、
(b)上記微粉炭と粉状鉄原料を、さらに、バイオマスを加えて混合し、
(c)上記混合物を加圧成形し、次いで、
(d−1)上記成形物を単独で、又は、上記粗粒炭及び/又は粘結炭と適宜混合して乾留する、ことを特徴とする高炉用フェロコークスの製造方法。
【0027】
(2) 石炭と鉄原料を混合、成形し、乾留して高炉用フェロコークスを製造する方法において、
(a)粉炭を微粉炭と粗粒炭に分級し、
(b)上記微粉炭と粉状鉄原料を、さらに、バイオマスを加えて混合し、
(c)上記混合物を加圧成形し、次いで、
(d−2)上記成形物を上記粗粒炭及び/又は粘結炭と適宜混合してブリケットに成形後、乾留する、ことを特徴とする高炉用フェロコークスの製造方法。
【0028】
(3) 石炭と鉄原料を混合、成形し、乾留して高炉用フェロコークスを製造する方法において、
(a)粉炭を予熱して、微粉炭と粗粒炭に分級し、
(b)上記微粉炭と粉状鉄原料を、さらに、バイオマスを加えて混合し、
(c)上記混合物を、250℃以上で、かつ、石炭の軟化開始温度以下の温度に急速加熱して加圧成形し、次いで、
(d−1)上記成形物を単独で、又は、上記粗粒炭及び/又は粘結炭と適宜混合して乾留する、ことを特徴とする高炉用フェロコークスの製造方法。
【0029】
(4) 石炭と鉄原料を混合、成形し、乾留して高炉用フェロコークスを製造する方法において、
(a)粉炭を予熱して、微粉炭と粗粒炭に分級し、
(b)上記微粉炭と粉状鉄原料を、さらに、バイオマスを加えて混合し、
(c)上記混合物を、250℃以上で、かつ、石炭の軟化開始温度以下の温度に急速加熱して加圧成形し、次いで、
(d−2)上記成形物を上記粗粒炭及び/又は粘結炭と適宜混合してブリケットに成形後、乾留する、ことを特徴とする高炉用フェロコークスの製造方法。
【0030】
(5) 石炭と鉄原料を混合、成形し、乾留して高炉用フェロコークスを製造する方法において、
(a)粉炭を予熱して、微粉炭と粗粒炭に分級し、
(b)上記微粉炭を、250℃以上で、かつ、石炭の軟化開始温度以下の温度に急速加熱して、粉状鉄原料と、さらに、バイオマス加えて混合し、
(c)上記混合物を加圧成形し、次いで、
(d−1)上記成形物を単独で、又は、上記粗粒炭及び/又は粘結炭と適宜混合して乾留する、ことを特徴とする高炉用フェロコークスの製造方法。
【0031】
(6) 石炭と鉄原料を混合、成形し、乾留して高炉用フェロコークスを製造する方法において、
(a)粉炭を予熱して、微粉炭と粗粒炭に分級し、
(b)上記微粉炭を、250℃以上で、かつ、石炭の軟化開始温度以下の温度に急速加熱して、粉状鉄原料と、さらにバイオマス加えて混合し、
(c)上記混合物を加圧成形し、次いで、
(d−2)上記成形物を上記粗粒炭及び/又は粘結炭と適宜混合してブリケットに成形後、乾留する、ことを特徴とする高炉用フェロコークスの製造方法。
【0032】
(7) 石炭と鉄原料を混合、成形し、乾留して高炉用フェロコークスを製造する方法において、
(a)粉炭を予熱して、微粉炭と粗粒炭に分級し、
(b)上記微粉炭を、250℃以上で、かつ、石炭の軟化開始温度以下の温度に急速加熱して造粒し、
(c)上記造粒物と粉状鉄原料を、さらに、バイオマスを加えて、250℃以上で、かつ、石炭の軟化開始温度以下の温度で混合して加圧成形し、次いで、
(d−1)上記成形物を単独で、又は、上記粗粒炭及び/又は粘結炭と適宜混合して乾留する、ことを特徴とする高炉用フェロコークスの製造方法。
【0033】
(8) 石炭と鉄原料を混合、成形し、乾留して高炉用フェロコークスを製造する方法において、
(a)粉炭を予熱して、微粉炭と粗粒炭に分級し、
(b)上記微粉炭を、250℃以上で、かつ、石炭の軟化開始温度以下の温度に急速加熱して造粒し、
(c)上記造粒物と粉状鉄原料を、さらに、バイオマスを加えて、250℃以上で、かつ、石炭の軟化開始温度以下の温度で混合して加圧成形し、次いで、
(d−2)上記成形物を上記粗粒炭及び/又は粘結炭と適宜混合してブリケットに成形後、乾留する、ことを特徴とする高炉用フェロコークスの製造方法。
【0034】
(9) 前記石炭が、非微粘結炭であることを特徴とする前記(1)〜(8)のいずれかに記載の高炉用フェロコークスの製造方法。
【0035】
(10) 前記粉炭を250〜350℃に予熱することを特徴とする前記(1)〜(8)のいずれかに記載の高炉用フェロコークスの製造方法。
【0036】
(11) 前記微粉炭が、粒径0.3mm以下の微粉炭であることを特徴とする前記(1)〜(10)のいずれかに記載の高炉用フェロコークスの製造方法。
【0037】
(12) 前記粗粒炭が、粒径0.3mm超の粗粒炭であることを特徴とする前記(1)〜(11)のいずれかに記載の高炉用フェロコークスの製造方法。
【0038】
(13) 前記急速加熱を1×102〜1×105℃/分の加熱速度で行うことを特徴とする前記(1)〜(12)のいずれかに記載の高炉用フェロコークスの製造方法。
【0039】
(14) 前記粉状鉄原料を、微粉炭100質量部に対し、5〜60質量部混合することを特徴とする前記(1)〜(13)のいずれかに記載の高炉用フェロコークスの製造方法。
【0040】
(15) 前記粉状鉄原料が、粒径0.01〜10mmの鉄鉱石であることを特徴とする前記(1)〜(14)のいずれかに記載の高炉用フェロコークスの製造方法。
【0041】
(16) 前記粉状鉄原料が、製鉄ダストを含むことを特徴とする前記(1)〜(15)のいずれかに記載の高炉用フェロコークスの製造方法。
【0042】
(17) 前記バイオマスが、木質系バイオマス及び/又は廃棄物系バイオマスであることを特徴とする前記(1)〜(16)のいずれかに記載の高炉用フェロコークスの製造方法。
【0043】
(18) 前記バイオマスを、微粉炭と粉状鉄原料100質量部、又は、造粒炭と粉状鉄原料100質量部に対し、1〜20質量部混合することを特徴とする前記(1)〜(17)のいずれかに記載の高炉用フェロコークスの製造方法。
【0044】
(19) 前記加圧成形を、5〜1,000kg/cm2の圧力で行うことを特徴とする前記(1)〜(18)のいずれかに記載の高炉用フェロコークスの製造方法。
【0045】
(20) 前記造粒を、加圧成形機による成形で行うことを特徴とする前記(1)〜(19)のいずれかに記載の高炉用フェロコークスの製造方法。
【0046】
(21) 前記成形物が、円相当径0.3mm以上の柱状物ないし棒状物であることを特徴とする前記(1)〜(20)のいずれかに記載の高炉用フェロコークスの製造方法。
【0047】
(22) 前記造粒炭が、粒径0.3mm未満の球状成形物、又は、枕型成形物であることを特徴とする前記(1)〜(21)のいずれかに記載の高炉用フェロコークスの製造方法。
【0048】
(23) 前記ブリケットが、最大径120〜150mmのブリケットであることを特徴とする前記(2)、(4)、(6)、(8)、及び、(9)〜(22)のいずれかに記載の高炉用フェロコークスの製造方法。
【0049】
(24) 前記乾留を、室炉式コークス炉で行うことを特徴とする前記(1)、(3)、(5)、(7)、及び、(9)〜(22)のいずれかに記載の高炉用フェロコークスの製造方法。
【0050】
(25) 前記乾留を、縦型シャフト炉で行うことを特徴とする前記(2)、(4)、(6)、(8)、及び、(9)〜(23)のいずれかに記載の高炉用フェロコークスの製造方法。
【0051】
【発明の実施の形態】
本発明について、図面に基づいて詳細に説明する。図1に、本発明の実施態様を示す。
【0052】
配合貯槽1から非微粘結粉炭Aを切り出し、乾燥予熱機2で、好ましくは80〜350℃に加熱して乾燥予熱する。この乾燥予熱は、非微粘結炭の粘性を改善する効果を有するが、後工程の分級に支障をきたさない程度に十分乾燥されていれば、省略してもよい。それ故、図1に示す実施態様において、この乾燥予熱は、必ずしも必須のものではない。
【0053】
非微粘結粉炭を乾燥予熱する場合、上記粘性改善効果は、通常、80℃以上で発現するが、一方、350℃を超えると、石炭の熱分解が始まり、石炭が変質することがあるので、乾燥予熱温度の上限は350℃が好ましい。
【0054】
乾燥予熱した又はしない粉炭を、サイクロンのような分級機3で、微粉炭A1と粗粒炭A2に分級する。石炭は、銘柄や含水量により被粉砕性が異なり、粉砕後の粒度分布も異なるので、本発明で微粉炭として扱う粒径範囲は、特に限定されるものではない。
【0055】
微粉炭と粗粒炭を区分する臨界粒径は、石炭の銘柄や含水量、さらに、所望のコークス強度に応じて適宜設定すればよい。通常、粒径0.3mm以下の石炭を微粉炭として扱っているので、本発明においても、粒径0.3mm以下の石炭を微粉炭として扱うのが好ましい。
【0056】
次に、分級した微粉炭A1と、配合貯槽4から切り出した粉状鉄原料B、さらに、バイオマス貯槽16から抜き出したバイオマスDを、混合機7で混合する。
【0057】
この場合、微粉炭A1は予熱された状態で混合機7へ送給されるので、粉状鉄原料BとバイオマスDについても、微粉炭A1の予熱状態程度まで加熱して、混合機7へ送給するのが好ましい。
【0058】
粉状鉄原料の混合割合は、高炉用コークスとしての強度を安定的に確保し、かつ、炉内還元効率の一定の向上を確保する点で、微粉炭100質量部に対し、5〜60質量部が好ましい。
【0059】
上記混合割合が5質量%未満であると、炉内還元効率の向上は期待できないし、一方、60質量%を超えると、所望のコークス強度を安定的に確保することが難しくなる。
【0060】
粉状鉄原料としては、主として粉状鉄鉱石を用いるが、基本的には、鉄及び鉄酸化物を所要量含有している粉状の物質であればよく、鉄鉱石以外では、製鉄ダスト等を用いることができる。
【0061】
粉状鉄原料B、微粉炭A1、及び、バイオマスDを混合機7で混合する場合、均一に混合するため、粉状鉄原料の粒径を、微粉炭の粒径に対応して適宜設定する。例えば、粒径0.3mm以下の微粉炭と混合する場合、粉状鉄原料は、粒径0.01〜10mmのものが好ましい。
【0062】
バイオマスの混合割合は、混合物の粘結性を高め、高炉用コークスとしての強度を安定的に確保する点で、微粉炭100質量部に対し、1〜20質量部が好ましい。
【0063】
上記混合割合が1質量部未満であると、混合物の粘結性の向上に寄与しないし、一方、20質量部を超えると、適正な粘結性を維持できず、成形物の強度が低下する。
【0064】
バイオマスは、主として、排出量の多い木質系バイオマス及び/又は廃棄物系バイオマスを用いるが、基本的には、固定炭素として残留する炭素を所定量含んでいればよく、この限りで、どのような種類のバイオマスでもよい。
【0065】
微粉炭A1、バイオマスD、及び、粉状鉄原料Bを混合機7で均一に混合した後、この混合物を加圧成形機9に送給し、コークス炉に装入した時、できるだけ嵩密度を高め得る形状の成形物に加圧成形する。
【0066】
加圧成形においては、上記混合物を、5〜1,000kg/cm2の圧力で、円相当径0.3mm以上の柱状物ないし棒状物に成形することが好ましい。
【0067】
加圧力が5kg/cm2未満であると、成形時の圧力が小さ過ぎて、成形物の歩留りが低下し、一方、1,000kg/cm2を超えると、成形機で加圧成形する際に、成形物内に亀裂が入り割れてしまうことがある。
【0068】
上記圧力範囲にある圧力で成形することにより、成形後のハンドリングが容易で、かつ、所要のコークス強度を安定的に確保できる成形物を、歩留りよく得ることができる。
【0069】
成形物の形状は柱状ないし棒状が好ましい。成形物が柱状物ないし棒状物であれば、成形物を単独で、又は、粗粒炭及び/又は粘結炭と混合してコークス炉内に装入した場合でも、コークス原料の嵩密度を高めることができ、コークス強度の向上に貢献する。
【0070】
加圧成形機9で成形した成形物は、コークス炉へ装入する前、一旦、配合貯槽12に貯蔵してもよい。この時、分級機3で分級した粗粒炭A2、及び/又は、配合貯槽5から切り出して乾燥予熱機6で乾燥予熱した粘結炭Cと混合して、配合貯槽12に貯蔵してもよい。
【0071】
本発明においては、加圧成形機9で成形した成形物を、単独で、又は、粗粒炭A2及び/又は粘結炭Cと適宜混合して、乾留炉で乾留する。
【0072】
コークス炉として、通常、室炉式コークス炉13又は縦型シャフト炉15を用いるが、本発明においては、所要の乾留を実施できればよいから、その限りで、他の形式の炉を用いてもよい。
【0073】
乾留炉として室炉式コークス炉13を用いる場合には、上記成形物、又は、該成形物と粗粒炭A2及び/又は粘結炭Cとの混合物を配合貯槽12から切り出して、室炉式コークス炉13に装入する。
【0074】
ただし、乾留炉として縦型シャフト炉15を用いる場合には、配合貯槽12から切り出した上記成形物と粗粒炭A2及び/又は粘結炭Cとの混合物を、ブリケット成形機14でブリケットに成形して、縦型シャフト炉15に装入する。
【0075】
このように、配合貯槽12から切り出した混合物をブリケットに成形して乾留することにより、高強度の成形コークスを製造することができる。
【0076】
ブリケットを乾留炉内で乾留する場合は、熱伝導によってブリケットの乾留が進行する。このため、ブリケットの径が大きすぎると、炉内でブリケットを乾留する際に、ブリケット内で熱応力が大きくなり、乾留過程でブリケットに亀裂が発生し、乾留後のコークスの強度が低下する。
【0077】
そこで、乾留時に、ブリケット内での亀裂発生を抑制する点から、ブリケットの最大径は120〜150mmが好ましい。
【0078】
なお、乾留温度は、いずれの炉を用いる場合でも、通常の950〜1200℃でよい。
【0079】
成形物と粗粒炭及び/又は粘結炭との混合割合は、特に限定されるものではない。選択する炉や、所望のコークス強度を考慮して、適宜設定すればよい。
【0080】
本発明によれば、このようにして、高炉用の高強度フェロコークスを、安定的に歩留りよく製造することができる。
【0081】
図2に、本発明の別の実施態様を示す。なお、図2中、図1に示すものと同じものについては、図1中の数字、記号と同じ数字、記号で示した。
【0082】
図2に示す実施態様は、
(i)非微粘結粉炭Aを、乾燥予熱機2で乾燥予熱する点、及び、
(ii)混合物を、加圧成形機9に送給する前、急速加熱機8で、250℃以上で、かつ、石炭の軟化開始温度以下の温度に急速加熱する点、
で、図1に示す実施態様と相違する。
【0083】
配合貯槽1から非微粘結粉炭Aを切り出し、乾燥予熱機2で、好ましくは80〜350℃に加熱して乾燥予熱する。図2に示す実施態様において、この乾燥予熱は、必須の処理であり、非微粘結粉炭の粘結性を改善し、高強度のフェロコークスを製造する処理工程における最初の工程として重要である。
【0084】
加熱温度が80℃未満であると乾燥予熱が充分でなく、また、後工程の急速加熱によっても、粘結性の改善に至らない場合がある。一方、加熱温度が350℃超であると、石炭からガスが発生し、石炭が変質するので、コークス強度が低下してしまう。
【0085】
図2に示す実施態様においては、微粉炭A1、バイオマスD、及び、粉状鉄原料Bを混合機7で均一に混合した後、この混合物を、急速加熱機8へ送給し、250℃以上で、かつ、石炭の軟化開始温度以下の温度まで急速加熱する。
【0086】
この急速加熱が、非微粘結微粉炭の粘結性を改善するうえで、乾燥予熱と相俟って重要な処理である。
【0087】
加熱速度は1×102〜1×105℃/分が好ましい。加熱速度が1×102℃/分未満であると、粘結性改善効果が充分に発現せず、この限りで、加熱速度は1×103℃/分以上であればよいが、実現可能な加熱速度として、上限値を1×105℃/分に設定した。
【0088】
非微粘結粉炭の乾燥予熱に続き、微粉炭と粗粒炭に分級し、分級した微粉炭を、250℃以上で、かつ、石炭の軟化開始温度以下の温度に急速加熱すれば、非微粘結微粉炭自体の粘結性が向上することは、本発明者が、既に、特許文献4で開示したことであるが、本発明は、非粘結性の粉状鉄原料を所要量含むフェロコークスの製造であるから、非微粘結微粉炭自体の粘結性を高めても、それがコークス強度の向上に直結しないことが予想される。
【0089】
そこで、本発明者は、粒径0.3mm以下の微粉炭、粒径0.01〜10mmの粉状鉄鉱石、及び、バイオマスを、混合割合を変えて混合し、成形、乾留し、該微粉炭の急速加熱温度とコークス強度の関係を調査した。
【0090】
その結果、非粘結性の粉状鉄鉱石との混合状態においても、基本的には、非微粘結微粉炭自体の粘結性の向上が、コークス強度の向上をもたらすことが判明した。
【0091】
“粉状鉄原料、微粉炭及びバイオマスの混合物”を急速加熱機8で上記温度に急速加熱した後、加圧成型機9に送給し、コークス炉に装入した時、できるだけ嵩密度を高め得る形状の成形物に加圧成形する。以後の処理は、図1に示す実施態様の場合と同じである。
【0092】
本発明によれば、このようにして、高炉用の高強度フェロコークスを、安定的に歩留りよく製造することができる。
【0093】
図3に、本発明の別の実施態様を示す。なお、図3中、図2に示すものと同じものについては、図2中の数字、記号と同じ数字、記号で示した。
【0094】
図3に示す実施態様は、
(i)微粉炭A1だけを、急速加熱機8で、250℃以上で、かつ、石炭の軟化開始温度以下の温度に急速加熱する点、及び、
(ii)急速加熱後、微粉炭A1、バイオマスD、及び、粉状鉄原料Bを混合機7で混合する点、
で、図2に示す実施態様と異なる。
【0095】
なお、混合機7による混合に際しては、粉状鉄原料B及びバイオマスDを、微粉炭A1の温度に近い温度まで予熱することが、混合機7で均一な混合を図るうえで好ましい。
【0096】
本発明者は、本発明において、上記(i)及び(ii)の工程を採用する実施態様においても、高炉用の高強度フェロコークスを、安定的に歩留りよく製造できることを実験的に確認した。
【0097】
図4に、本発明のさらに別の実施態様を示す。なお、図4中、図1〜3に示すものと同じものについては、図1〜3中の数字、記号と同じ数字、記号で示した。
【0098】
図4に示す実施態様は、
(i)微粉炭A1を、急速加熱後、造粒機10で造粒する点、及び、
(ii)造粒炭、バイオマスD、及び、粉状鉄原料Bを、混合加圧成形機11で混合し、加圧成形する点、
で、図3に示す実施態様と異なる。
【0099】
造粒炭は、造粒直後の粉状鉄原料、及び、バイオマスとの均一な混合を図るうえで、粒径0.3mm未満の球状又は枕型のものが好ましい。造粒機10は、どのような種類の造粒機でもよいが、球状又は枕型に造粒し得る造粒機又は塊成機として、例えば、ダブルロールプレス型の成形機、又は、ロールコンパクターなどが好ましい。
【0100】
上記(ii)の混合加圧成形は、造粒炭、バイオマスD、及び、粉状鉄原料Bを、250℃以上で、かつ、石炭の軟化開始温度以下の温度に加熱して行う。この加熱により、混合加圧成形機11において、均一な混合をなし、円滑な加圧成形を行うことができる。
【0101】
本発明者は、上記(i)及び(ii)の工程を採用する実施態様においても、高炉用の高強度フェロコークスを、安定的に歩留りよく製造できることを実験的に確認した。
【0102】
なお、本発明において、コークス強度とは、JIS K 2151に従って、ドラム試験機でコークスサンプルに対して150回転の衝撃を与えた後に、15mmの篩の上に残存する割合で表わす指標(DI150 15)で示す。
【0103】
【実施例】
次に、本発明の実施例について説明するが、実施例における条件は、本発明の実施可能性及び効果を実証するために採用した一条件例であり、本発明は、該条件例に限定されるものではない。
【0104】
本発明は、本発明の要旨を逸脱せず、本発明の目的を達成する限りにおいて、適宜、条件を設定し得るものである。
【0105】
(実施例1)
粉炭を80℃に予熱して、粒径0.3mm以下の微粉炭と粒径0.3mm超の粗粒炭に分級した。上記微粉炭と、粒径0.01〜1.0mmの鉄鉱石、及び/又は、粒径0.01〜0.5mmの製鉄ダスト等の粉状鉄原料、及び、木質系バイオマスを、表1に示す割合で混合して、混合物(a)(微粉炭90mass%、鉄鉱石5mass%、バイオマス5mass%)、及び、混合物(b)(微粉炭80mass%、鉄鉱石5mass%、製鉄ダスト5mass%、バイオマス5mass%)を調製した。
【0106】
これらの混合物(a)及び混合物(b)を、加熱速度150℃/分で300℃(250℃以上で、かつ、石炭の軟化開始温度以下の温度)に急速加熱し、ダブルロールプレス型の成形機を用い、700kg/cm2の圧力で、直径15mmの柱状に加圧成形した。
【0107】
次いで、上記柱状成形物を単独で、又は、粒径0.3mm超の粗粒炭及び/又は粒径0.1〜5.0mmの粘結炭と、表2に示す混合割合で適宜混合して室炉式コークス炉に装入し、1050〜1100℃で乾留した。
【0108】
得られたフェロコークスの性状を表3に示す。表3から、得られたコークスのドラム強度(DI150 15)は82.5〜83.5であり、高炉用コークスとして充分に使用し得るコークスが得られていることが解かる。
【0109】
【表1】
【0110】
【表2】
【0111】
【表3】
【0112】
(実施例2)
実施例1で得た成形物(混合物(a)及び混合物(b)を、加熱速度150℃/分で300℃(250℃以上で、かつ、石炭の軟化開始温度以下の温度)に急速加熱し、ダブルロールプレス型の成形機を用い、700kg/cm2の圧力で、直径15mmの柱状に加圧成形して得た成形物)と、粒径0.3mm超の粗粒炭及び/又は粒径0.01〜5.0mmの粘結炭を、表4に示す割合で混合してブリケットに成形した。
【0113】
このブリケットを縦型シャフト炉に装入して、1000〜1100℃で乾留した。
【0114】
得られたフェロコークスの性状を表5に示す。表5から、得られたコークスのドラム強度(DI150 15)は83.1〜83.9と高く、高炉用コークスとして充分に使用し得るコークスが得られていることが解かる。
【0115】
【表4】
【0116】
【表5】
【0117】
【発明の効果】
本発明によれば、非微粘結炭及びバイオマスを用いて高強度のフェロコークスを、低コストで歩留りよく製造することができる。
【0118】
したがって、本発明は、高炉の安定操業、生産性の向上、さらに、バイオマスの有効利用に大きく貢献する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施態様を示す図である。
【図2】本発明の別の実施態様を示す図である。
【図3】本発明の別の実施態様を示す図である。
【図4】本発明のさらに別の実施態様を示す図である。
【符号の説明】
1、4、5、12…配合貯槽
2、6…乾燥予熱機
3…分級機
7…混合機
8…急速加熱機
9…加圧成型機
10…造粒機
11…混合加圧成型機
13…室炉式コークス炉
14…ブリケット成形機
15…縦型シャフト炉
16…バイオマス貯槽
A…非微粘結粉炭
A1…微粉炭
A2…粗粒炭
B…粉状鉄原料
C…粘結炭
D…バイオマス
Claims (25)
- 石炭と鉄原料を混合、成形し、乾留して高炉用フェロコークスを製造する方法において、
(a)粉炭を微粉炭と粗粒炭に分級し、
(b)上記微粉炭と粉状鉄原料を、さらに、バイオマスを加えて混合し、
(c)上記混合物を加圧成形し、次いで、
(d−1)上記成形物を単独で、又は、上記粗粒炭及び/又は粘結炭と適宜混合して乾留する、ことを特徴とする高炉用フェロコークスの製造方法。 - 石炭と鉄原料を混合、成形し、乾留して高炉用フェロコークスを製造する方法において、
(a)粉炭を微粉炭と粗粒炭に分級し、
(b)上記微粉炭と粉状鉄原料を、さらに、バイオマスを加えて混合し、
(c)上記混合物を加圧成形し、次いで、
(d−2)上記成形物を上記粗粒炭及び/又は粘結炭と適宜混合してブリケットに成形後、乾留する、ことを特徴とする高炉用フェロコークスの製造方法。 - 石炭と鉄原料を混合、成形し、乾留して高炉用フェロコークスを製造する方法において、
(a)粉炭を予熱して、微粉炭と粗粒炭に分級し、
(b)上記微粉炭と粉状鉄原料を、さらに、バイオマスを加えて混合し、
(c)上記混合物を、250℃以上で、かつ、石炭の軟化開始温度以下の温度に急速加熱して加圧成形し、次いで、
(d−1)上記成形物を単独で、又は、上記粗粒炭及び/又は粘結炭と適宜混合して乾留する、ことを特徴とする高炉用フェロコークスの製造方法。 - 石炭と鉄原料を混合、成形し、乾留して高炉用フェロコークスを製造する方法において、
(a)粉炭を予熱して、微粉炭と粗粒炭に分級し、
(b)上記微粉炭と粉状鉄原料を、さらに、バイオマスを加えて混合し、
(c)上記混合物を、250℃以上で、かつ、石炭の軟化開始温度以下の温度に急速加熱して加圧成形し、次いで、
(d−2)上記成形物を上記粗粒炭及び/又は粘結炭と適宜混合してブリケットに成形後、乾留する、ことを特徴とする高炉用フェロコークスの製造方法。 - 石炭と鉄原料を混合、成形し、乾留して高炉用フェロコークスを製造する方法において、
(a)粉炭を予熱して、微粉炭と粗粒炭に分級し、
(b)上記微粉炭を、250℃以上で、かつ、石炭の軟化開始温度以下の温度に急速加熱して、粉状鉄原料と、さらに、バイオマス加えて混合し、
(c)上記混合物を加圧成形し、次いで、
(d−1)上記成形物を単独で、又は、上記粗粒炭及び/又は粘結炭と適宜混合して乾留する、ことを特徴とする高炉用フェロコークスの製造方法。 - 石炭と鉄原料を混合、成形し、乾留して高炉用フェロコークスを製造する方法において、
(a)粉炭を予熱して、微粉炭と粗粒炭に分級し、
(b)上記微粉炭を、250℃以上で、かつ、石炭の軟化開始温度以下の温度に急速加熱して、粉状鉄原料と、さらに、バイオマス加えて混合し、
(c)上記混合物を加圧成形し、次いで、
(d−2)上記成形物を上記粗粒炭及び/又は粘結炭と適宜混合してブリケットに成形後、乾留する、ことを特徴とする高炉用フェロコークスの製造方法。 - 石炭と鉄原料を混合、成形し、乾留して高炉用フェロコークスを製造する方法において、
(a)粉炭を予熱して、微粉炭と粗粒炭に分級し、
(b)上記微粉炭を、250℃以上で、かつ、石炭の軟化開始温度以下の温度に急速加熱して造粒し、
(c)上記造粒物と粉状鉄原料を、さらに、バイオマスを加えて、250℃以上で、かつ、石炭の軟化開始温度以下の温度で混合して加圧成形し、次いで、
(d−1)上記成形物を単独で、又は、上記粗粒炭及び/又は粘結炭と適宜混合して乾留する、ことを特徴とする高炉用フェロコークスの製造方法。 - 石炭と鉄原料を混合、成形し、乾留して高炉用フェロコークスを製造する方法において、
(a)粉炭を予熱して、微粉炭と粗粒炭に分級し、
(b)上記微粉炭を、250℃以上で、かつ、石炭の軟化開始温度以下の温度に急速加熱して造粒し、
(c)上記造粒物と粉状鉄原料を、さらに、バイオマスを加えて、250℃以上で、かつ、石炭の軟化開始温度以下の温度で混合して加圧成形し、次いで、
(d−2)上記成形物を上記粗粒炭及び/又は粘結炭と適宜混合してブリケットに成形後、乾留する、ことを特徴とする高炉用フェロコークスの製造方法。 - 前記石炭が、非微粘結炭であることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の高炉用フェロコークスの製造方法。
- 前記粉炭を250〜350℃に予熱することを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の高炉用フェロコークスの製造方法。
- 前記微粉炭が、粒径0.3mm以下の微粉炭であることを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載の高炉用フェロコークスの製造方法。
- 前記粗粒炭が、粒径0.3mm超の粗粒炭であることを特徴とする請求項1〜11のいずれか1項に記載の高炉用フェロコークスの製造方法。
- 前記急速加熱を1×102〜1×105℃/分の加熱速度で行うことを特徴とする請求項1〜12のいずれか1項に記載の高炉用フェロコークスの製造方法。
- 前記粉状鉄原料を、微粉炭100質量部に対し、5〜60質量部混合することを特徴とする請求項1〜13のいずれか1項に記載の高炉用フェロコークスの製造方法。
- 前記粉状鉄原料が、粒径0.01〜10mmの鉄鉱石であることを特徴とする請求項1〜14のいずれか1項に記載の高炉用フェロコークスの製造方法。
- 前記粉状鉄原料が、製鉄ダストを含むことを特徴とする請求項1〜15のいずれか1項に記載の高炉用フェロコークスの製造方法。
- 前記バイオマスが、木質系バイオマス及び/又は廃棄物系バイオマスであることを特徴とする請求項1〜16のいずれか1項に記載の高炉用フェロコークスの製造方法。
- 前記バイオマスを、微粉炭と粉状鉄原料100質量部、又は、造粒炭と粉状鉄原料100質量部に対し、1〜20質量部混合することを特徴とする請求項1〜17のいずれか1項に記載の高炉用フェロコークスの製造方法。
- 前記加圧成形を、5〜1,000kg/cm2の圧力で行うことを特徴とする請求項1〜18のいずれか1項に記載の高炉用フェロコークスの製造方法。
- 前記造粒を、加圧成形機による成形で行うことを特徴とする請求項1〜19のいずれか1項に記載の高炉用フェロコークスの製造方法。
- 前記成形物が、円相当径0.3mm以上の柱状物ないし棒状物であることを特徴とする請求項1〜20のいずれか1項に記載の高炉用フェロコークスの製造方法。
- 前記造粒炭が、粒径0.3mm未満の球状成形物、又は、枕型成形物であることを特徴とする請求項1〜21のいずれか1項に記載の高炉用フェロコークスの製造方法。
- 前記ブリケットが、最大径120〜150mmのブリケットであることを特徴とする請求項2、4、6、8、及び、9〜22のいずれか1項に記載の高炉用フェロコークスの製造方法。
- 前記乾留を、室炉式コークス炉で行うことを特徴とする請求項1、3、5、7、及び、9〜22のいずれか1項に記載の高炉用フェロコークスの製造方法。
- 前記乾留を、縦型シャフト炉で行うことを特徴とする請求項2、4、6、8、及び、9〜23のいずれか1項に記載の高炉用フェロコークスの製造方法。
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