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JP2005053980A - 熱可塑性樹脂フィルム - Google Patents

熱可塑性樹脂フィルム Download PDF

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JP2005053980A
JP2005053980A JP2003206435A JP2003206435A JP2005053980A JP 2005053980 A JP2005053980 A JP 2005053980A JP 2003206435 A JP2003206435 A JP 2003206435A JP 2003206435 A JP2003206435 A JP 2003206435A JP 2005053980 A JP2005053980 A JP 2005053980A
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Japan
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film
thermoplastic resin
polyester
weight
resin film
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JP2003206435A
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English (en)
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Hiroshi Kubota
啓 窪田
Tetsuya Machida
哲也 町田
Tetsuya Tsunekawa
哲也 恒川
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Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
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Publication date
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Abstract

【課題】走行面側の突起が磁性面側に転写しにくく、またガイドロールとの間の空気の流れがスムーズであるため高速走行安定性を有する磁気記録装置用磁気テープのベースフィルムとして高品質のポリエステルフィルム提供する。
【解決手段】ポリエステルを50重量%以上含んでなる二軸配向フィルムであって、フィルムの少なくとも1方の表層部分に不活性粒子またはポリエステル以外の熱可塑性樹脂からなるドメインが、面内の1方向に整列せしめてなる熱可塑性樹脂フィルムとする。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、フィルム表面に整列構造を有するドメインや不活性粒子が存在し、特に高密度磁気記録媒体用基材として用いた際に、突起等の反対面への転写が少なく、また、走行特性を大幅に向上させた熱可塑性樹脂フィルムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ポリエステルフィルムはその優れた熱特性、寸法安定性、機械特性および表面形態の制御し易さから各種用途に使用されており、特に磁気テープ用などのベースフィルムとしての有用性はよく知られている。近年、磁気テープは機材の軽量化、小型化と長時間記録化のために高密度記録化が要求されている。高密度記録化のためには、記録波長を短くし、記録密度を高めることが有効である。
【0003】
上記、磁気記録媒体用ベースフィルムにおいては、一般的に、磁気記録面側(以後、磁性面という)の表面は、電磁変換特性の向上などの目的で、平滑な表面が求められる。一方、ベースフィルムの製膜・加工工程での搬送性や、磁気テープのドライブ内での走行性を向上させるため、磁性面側と反対の表面(以後、走行面という)はある程度の粗さを有する必要がある。
【0004】
上記のように、フィルムの表面性をコントロールするという点では、従来、表面突起形成のための粒子を含有させた積層ポリエステルフィルムや、微粒子を含んだ不連続被膜をコーティングする手法等が知られている(特許文献1、2)。
【0005】
あるいは、粒子を添加することなしに2種類以上のポリマーをブレンドして、ポリマをマトリックスポリマ中に微分散する手法等が知られている(特許文献3、4)。
【0006】
しかし、高記録密度化の流れを受けて、磁性側の平滑化が急激に進む中で、磁気記録面側と走行面側の表面粗さが大きく異なってきており、従来の走行面の粗さでは、ベースフィルムの生産工程や、磁気テープ加工工程などで、走行面側の突起が磁性面側に「転写」し、磁性面側が粗くなる問題が起こってきている。また、この問題に対処するため、走行面側を平滑にした場合には、磁気テープとした際に、ガイドロールとの間の摩擦が高くなったり、空気抜けが悪くなることによって、テープが削れやすくなったり、テープの蛇行などの走行不良が生じたりする。
【0007】
このため、特に磁気記録媒体用のベースフィルムには、ある程度の走行性を有しながら、平滑で相手部材に転写しにくい表面が求められてきている。
【0008】
【特許文献1】特開平7−272249号公報
【0009】
【特許文献2】特開平3−208639号公報
【0010】
【特許文献3】特開2001−329077号公報
【0011】
【特許文献4】特開2003−4913号公報
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、フィルム中に粒子やポリマードメインをライン状に形成することによって、フィルム表面にライン状の整列構造を形成せしめ、走行性や耐削れ性に優れ、また、転写の少ない、磁気記録媒体用ベースフィルムとして優れた二軸配向熱可塑性樹脂フィルム、または、ライン方向のカットがし易い包装用途として優れた熱可塑性樹脂フィルムを提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明は、ポリエステルを50重量%以上含み、面方向における少なくとも1方向に整列構造を有するドメインが存在している熱可塑性樹脂フィルムを特徴とする。
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明の熱可塑性樹脂フィルムは、未延伸、一軸配向、二軸配向のいずれの配向形態においても使用できるが、例えば、磁気記録媒体用途に用いる場合などには、二軸に配向したフィルムであることが好ましい。フィルムが、2層以上の積層構成である場合には、これを構成するフィルム層の少なくとも1層が二軸に配向していること好ましい。
【0015】
本発明の熱可塑性樹脂フィルムは、ポリエステルをフィルム重量の50重量%以上含んでいる。もちろん、実質的にポリエステルのみから構成されていてもよいし、ポリエステル以外の熱可塑性樹脂を含んでいてもよい。
【0016】
本発明の熱可塑性樹脂フィルムに用いられるポリエステルは、芳香族ジカルボン酸、脂環族ジカルボン酸又は脂肪族ジカルボン酸などの酸成分とジオール成分から構成されるポリマーである。
【0017】
芳香族ジカルボン酸としては、例えば、テレフタル酸、イソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸等を用いることができる。脂環族ジカルボン酸としては、例えば、シクロヘキサンジカルボン酸等を用いることができる。脂肪族ジカルボン酸としては、例えば、アジピン酸、セバシン酸、ドデカンジオン酸等を用いることができる。なかでも好ましくは、テレフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸等を用いることができ、特に好ましくは、テレフタル酸を用いることができる。これらの酸成分は一種のみを用いてもよく、二種以上を併用してもよい。
【0018】
また、ジオール成分としては、例えば、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、2,2’−ビス(4’−β−ヒドロキシエトキシフェニル)プロパン等を用いることができ、なかでも好ましくは、エチレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ジエチレングリコール等を用いることができ、特に好ましくは、エチレングリコールを用いることができる。これらのジオール成分は一種のみを用いてもよく、二種以上を併用してもよい。
【0019】
本発明で用いるポリエステルとしては、ポリエチレンテレフタレート(PET)およびポリ(エチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレート)(PEN)が特に好ましく例示され、溶融成形性の観点から、最も好ましくは、ポリエチレンテレフタレート(PET)が挙げられる。
【0020】
本発明で用いるポリエステルがエチレンテレフタレートを主要構成成分とするポリエステルである場合、ポリエステルは直重法およびDMT法のいずれによるものでもよいが、DMT法の時はエステル交換触媒として酢酸カルシウムを用いることが好ましい。また重合段階では、特に限定されないが、ゲルマニウム化合物を重合触媒として用いることが異物による粗大突起を低減させるため好ましい。ゲルマニウム触媒としては、例えば、(1)無定形酸化ゲルマニウム、(2)平均粒径5μm以下の結晶性酸化ゲルマニウム、(3)酸化ゲルマニウムをアルカリ金属又はアルカリ土類金属もしくはそれらの化合物の存在下にグリコールに溶解した溶液、および、(4)酸化ゲルマニウムを水に溶解し、これにグリコールを加え水を留去して調整した酸化ゲルマニウムのグリコール溶液等が用いられる。
【0021】
また、ポリエステルには、トリメリット酸、ピロメリット酸、グリセロール、ペンタエリスリトール、2,4−ジオキシ安息香酸等の多官能化合物、ラウリルアルコール、イソシアン酸フェニル等の単官能化合物、p−ヒドロキシ安息香酸、m−ヒドロキシ安息香酸、2,6−ヒドロキシナフトエ酸などの芳香族ヒドロキシカルボン酸あるいはp−アミノフェノール、p−アミノ安息香酸などを本発明の効果が損なわれない程度の量であればさらに共重合してもよい。
【0022】
本発明の熱可塑性樹脂フィルムには、上記ポリエステルの他に、不活性粒子またはポリエステル以外の熱可塑性樹脂を含んでいてもよい。
【0023】
本発明の熱可塑性樹脂フィルムが不活性粒子を含み、この不活性粒子を整列構造として利用する場合、不活性粒子とは、平均粒径1nm〜5μm程度の無機又は有機の粒子で、本発明で用いるポリマー中で化学反応を起こしたり、電磁気的影響により磁気記録に悪影響を与えないものをいう。不活性粒子としては、酸化チタン、炭酸カルシウム、カオリン、タルク、湿式又は乾式シリカ、コロイド状シリカ、リン酸カルシウム、硫酸バリウム、アルミナおよびジルコニア等の無機粒子、アクリル酸類、スチレン、シリコーン、イミド等を構成成分とする有機粒子、ポリエステル重合反応時に添加する触媒等によって析出する粒子(いわゆる内部粒子)や、界面活性剤などがある。
【0024】
本発明の熱可塑性樹脂フィルムが不活性粒子を含む場合、不活性粒子の平均粒径や含有量はフィルム用途や積層構成によって大きく異なるが、平均粒径が10nm〜1μmの場合に、不活性粒子が整列構造をとり易くなるため好ましい。特に好ましくは50nm〜0.5μmである。
【0025】
本発明の熱可塑性樹脂フィルムが不活性粒子を含み、不活性粒子を整列構造として利用する場合、不活性粒子の含有量は、不活性粒子の粒径によっても異なるが、5〜15重量%が好ましく、さらに好ましくは7〜12重量%である。この含有量の場合に、粒子が整列し易くなる。この場合、ポリエステルとしては、ポリエチレンテレフタレートを用いることが好ましい。また、不活性粒子としては、架橋ポリスチレン、シリカ、アルミナおよびシリコーンからなる群から選ばれる少なくとも1種の粒子であることが好ましい。
【0026】
また、各フィルム層に含有させる不活性粒子は1種類でもよいが、2種類以上併用しても構わない。
【0027】
本発明の熱可塑性樹脂フィルムがポリエステル以外の熱可塑性樹脂を含む場合、ポリエステル以外の熱可塑性樹脂は、ポリエステルと混合した際に、200〜350℃の温度で溶融成形性を有する熱可塑性樹脂であることが好ましい。
【0028】
また、ポリエステル以外の熱可塑性樹脂は、ポリエステルと溶融混合した際に、海島構造の相分離構造(ドメイン)が面方向の少なくとも1方向に整列構造を有するように形成されていることが好ましい。このドメインの径は10nm〜1μmであることが好ましい。ドメイン径は、さらに好ましくは30nm〜0.5μm、最も好ましくは50nm〜0.3μmである。ここでいうドメイン径とは、例えば、ポリエステルとポリエステル以外の熱可塑性樹脂からなるポリマーアロイを用い、未延伸または二軸延伸フィルムを作成し、該フィルム断面を透過型電子顕微鏡で3万〜50万倍の倍率で観察した場合に観察される構造の円相当直径をいう。ドメイン径が10nmより小さな場合は、ドメインは整列しにくいばかりでなく、整列した場合にも、フィルム物性に及ぼす影響が小さい場合があり、ドメイン径が1μmより大きな場合には、相分離に起因する製膜破れが頻発したり、製造したフィルムが脆くなる場合がある。
【0029】
本発明におけるポリエステル以外の熱可塑性樹脂としては、ポリエステルよりも、ガラス転移温度(Tg)の高い耐熱性樹脂を用いる場合、高い寸法安定性、耐熱性を有するフィルムが得られ、磁気記録媒体用途として好ましい。
【0030】
上記の条件を満たすポリエステル以外の熱可塑性樹脂としては、ポリエステルの種類によっても異なるが、ポリカーボネート、ポリイミド、ポリスルホンおよびポリエーテルスルホンからなる群から選ばれる少なくとも1種の熱可塑性樹脂が好ましく例示される。
【0031】
ポリエステル以外の熱可塑性樹脂として用いられる上記ポリカーボネートとしては、特に芳香族ポリカーボネートが好ましく、特に限定されないが、ビスフェノールA、つまり、2,2’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルアルカンあるいは4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、および、4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテルから選ばれた1種以上を主原料とするものが好ましく挙げられ、中でもビスフェノールA、つまり、2,2’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンを主原料として製造されるものが好ましい。具体的には、上記ビスフェノールAなどをジヒドロキシ成分として用い、エステル交換法あるいはホスゲン法により得られたポリカーボネートが好ましい。さらに、ビスフェノールAの一部、好ましくは、10モル%以下を4,4’−ジヒドロキシジフェニルアルカンあるいは4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、および、4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテルなどで置換したものも好ましい。
【0032】
これらは、本発明の効果を阻害しない範囲内で、一種あるいは二種以上一緒にポリマー鎖中に存在してもよい。
【0033】
ポリエステル以外の熱可塑性樹脂として用いられる上記ポリイミドは、溶融成形性であれば特に限定されないが、例えば、下記一般式で示されるような構造単位を含有するものが好ましい。
【0034】
【化2】
Figure 2005053980
【0035】
ただし、式中のRは、
【0036】
【化3】
Figure 2005053980
【0037】
【化4】
Figure 2005053980
【0038】
などの脂肪族炭化水素基、脂環族炭化水素基、芳香族炭化水素基から選ばれた一種もしくは二種以上の基を表し、
また、式中のRは、
【0039】
【化5】
Figure 2005053980
【0040】
などの脂肪族炭化水素基、脂環族炭化水素基、芳香族炭化水素基から選ばれた一種もしくは二種以上の基を表す。
【0041】
かかるポリイミドは、テトラカルボン酸および/またはその酸無水物と、脂肪族一級モノアミン、芳香族一級モノアミン、脂肪族一級ジアミンおよび芳香族一級ジアミンよりなる群から選ばれる一種もしくは二種以上の化合物を脱水縮合することにより得ることができる。
【0042】
ポリエステルとの溶融成形性や取り扱い性、表面突起の形成性などの点から、下記一般式で示されるような、ポリイミド構成成分にエーテル結合を含有するポリエーテルイミドが特に好ましい。
【0043】
【化6】
Figure 2005053980
【0044】
(ただし、上記式中Rは、6〜30個の炭素原子を有する2価の芳香族または脂肪族残基、Rは6〜30個の炭素原子を有する2価の芳香族残基、2〜20個の炭素原子を有するアルキレン基、2〜20個の炭素原子を有するシクロアルキレン基、および2〜8個の炭素原子を有するアルキレン基で連鎖停止されたポリジオルガノシロキサン基からなる群より選択された2価の有機基である。)
上記R、Rとしては、例えば、下記式群に示される芳香族残基
【0045】
【化7】
Figure 2005053980
【0046】
を挙げることができる。(式中のnは1〜5の整数)
本発明では、ポリエステルとの親和性、コスト、溶融成形性等の観点から、2,2−ビス[4−(2,3−ジカルボキシフェノキシ)フェニル]プロパン二無水物とm−フェニレンジアミンまたはp−フェニレンジアミンとの縮合物である、下記式で示される繰り返し単位を有するポリマーが好ましく、ポリエステルとの相分離ドメインの形成し易さの観点から、p−フェニレンジアミンとの縮合物が特に好ましい。また、2,2−ビス[4−(2,3−ジカルボキシフェノキシ)フェニル]プロパン二無水物とm−フェニレンジアミンとの縮合物とp−フェニレンジアミンとの縮合物を共に用いた場合、混合比によってポリエステル中における分散径を制御することができ好ましい。
【0047】
【化8】
Figure 2005053980
【0048】
または
【0049】
【化9】
Figure 2005053980
【0050】
(nは2以上の整数、好ましくは20〜50の整数)
このポリエーテルイミドは、“ウルテム”(登録商標)の商品名で、ジーイープラスチックス社より入手可能である。
【0051】
ポリエステル以外の熱可塑性樹脂として用いられる上記ポリエーテルスルホンは、1つのスルホニル基と1つまたは2つのエーテル基とで芳香族環が結合された下記式の繰り返し単位を有するポリマーであるが、他の構造単位がある程度共重合されていてもよい。
【0052】
【化10】
Figure 2005053980
【0053】
【化11】
Figure 2005053980
【0054】
【化12】
Figure 2005053980
【0055】
ポリエステル以外の熱可塑性樹脂として用いられる上記ポリスルホンは、下記式の繰り返し単位を有するポリマーであるが、例えばアルキル基などの官能基を含んでいてもよく、また他の構造単位がある程度共重合されていてもよい。
【0056】
【化13】
Figure 2005053980
【0057】
本発明の熱可塑性樹脂フィルムを構成するポリマーには、ドメイン径(分散径)を制御するために、必要に応じて、相溶化剤を併用してもよい。この場合、相溶化剤の種類は、ポリマーの種類によって異なるが、添加量は0.01〜10重量%が好ましい。
【0058】
本発明の熱可塑性樹脂フィルムがポリエステル以外の熱可塑性樹脂を含む場合、本発明のフィルム層中の1種類のポリエステル以外の熱可塑性樹脂の含有量は、フィルム中のポリマーアロイに対する量で1〜30重量%の範囲にあることが好ましい。さらに好ましくは、5〜15重量%である。一般的にポリエステルと本発明の熱可塑性樹脂の溶融粘度は大きく異なるため、熱可塑性樹脂の含有量が1重量%未満であると、押出機にて十分に微分散させることが困難な場合があり、熱可塑性樹脂のドメインが粗大分散物となり、また、ドメインが整列しにくい場合がある。1種類の熱可塑性樹脂の含有量が30重量%を超える量であると、相分離構造が海島構造とならずに、相互連続構造となってしまい、ドメインの整列が起こらない場合がある。
【0059】
熱可塑性樹脂を2種類以上含む場合、本発明のフィルム層中のポリエステル以外の熱可塑性樹脂の総含有量は、1〜50重量%の範囲にあることが好ましい。熱可塑性樹脂の含有量が1重量%未満であると、押出機にて十分に微分散させることが困難な場合があり、熱可塑性樹脂の含有量が50重量%を超える量であると、延伸性が不良となって、製造が困難となる場合がある。
【0060】
本発明において、ポリエステル以外の熱可塑性樹脂をポリエステルに添加する時期は、ポリエステルの重合前、例えば、エステル化反応前に添加してもよいし、重合後に添加してもよい。また、溶融押出前に、混合してペレタイズしてもよい。
【0061】
ペレタイズの際に、一旦、ポリエステルとポリエステル以外の熱可塑性樹脂を同程度の含有量比(例えば、ポリエステル以外の熱可塑性樹脂の含有量が40〜60重量%)からなるマスターペレットを作成してから、さらにポリエステルで希釈して、所定の濃度に調整する方法を用いると、ポリマー同士の分散性が向上し、分散不良物の発生を抑制し、本発明のポリマーとしてより好ましい分散状態を示すものとなる。
【0062】
また本発明のポリマーをより好ましい分散状態に調整する他の方法としては、例えば、タンデム押出機を用いて混合する方法、粉砕器で熱可塑性樹脂を粉末状に粉砕した後に混合する方法、両者を溶媒に溶解し共沈させることにより混合する方法、一方を溶媒に溶かした溶液状とした後に他方に混合する方法なども挙げられるが、さらには、異なる2種類の熱可塑性樹脂を二軸押出機を用いて溶融混合、または溶媒に溶かした溶液として混合した後に溶媒を揮発させるなどして、熱可塑性樹脂/熱可塑性樹脂のブレンド物を作成した後にポリエステルと溶融混合する方法なども好ましく挙げられるが、この限りではない。
【0063】
本発明の熱可塑性樹脂フィルムは、ポリマーの溶融粘度、押出の際の剪断力、不活性粒子の粒径や、ポリマードメイン径、不活性粒子の粒子濃度やポリエステル中の熱可塑性樹脂濃度が関係する流体力学的効果によるものと考えられるが、フィルム(積層フィルムの場合、本発明のフィルム層)の面方向における少なくとも1方向に整列構造を有するドメインまたは不活性粒子が存在している(以後、ドメインをポリマードメインということがある)。不活性粒子またはポリマードメインが方向性をもって整列することによって、フィルムの最表面として用いる場合には、ライン状に突起が整列した異方性の表面を得ることができ、これによって、例えば磁気テープの走行面として用いた場合には、高速で走行させた場合のガイドロールとのエア噛みを低減し、高速走行時のテープの横ずれを低減させたり、ライン状の突起によって、厚み方向にかかる力を分散することによって、テープ保存時の厚み方向のテープパックストレスによる走行面側の突起の磁性面側への転写を抑制することができる。また、フィルム中央層に用いた場合は、ドメイン、不活性粒子いずれの場合でも、表面層の形態に影響を与えることなく、整列方向に裂けやすい性質を付与することができる。
【0064】
なお、本発明でいう「不活性粒子またはドメインが、面方向における少なくとも1方向に整列構造を有している」とは下記の方法で決定する。透過型電子顕微鏡(TEM)でフィルムの表層(30μm□、厚み約0.5μm)を30点観察する。フィルムの面内のある1方向を長辺とする30μm×1μmの長方形中に観察される粒子または熱可塑性樹脂のドメイン個数(N)と、上記方向とフィルム面内で垂直な方向を長辺とする30μm×1μmの長方形中に観察される粒子または熱可塑性樹脂のドメイン個数(N)が以下の関係にある部分が30点中15点以上観察されることをいう。なお、観察する長方形部分(30μm×1μm)の中心点はTEM観察部分(30μm□)の中心点とする。
【0065】
>Nの場合、N/N>1.3
>Nの場合、N/N>1.3
本発明の熱可塑性樹脂フィルムを磁気記録媒体用途として用いる場合、少なくとも一方の表面の表面粗さRaは、1nm〜25nmが好ましく、より好ましくは5〜15nm、特に好ましくは7〜12nmである。Raが1nmより小さい場合は、フィルム製造、加工工程などで、搬送ロールなどとの摩擦係数が大きくなり、工程トラブルを起こすことがある。また、Raが25nmより大きい場合は、高密度記録の磁気テープとして用いる場合に、磁性面側への転写が生じる場合がある。
【0066】
上記表面は、特に限定されないが、不活性粒子またはポリエステル以外の熱可塑性樹脂からなるドメインが整列している側の表面(以下、S面という)であることが好ましい。
【0067】
また、本発明の熱可塑性樹脂フィルムを磁気記録媒体以外の用途に用いる場合はこの限りではなく、例えば包装用途として用いる場合には、Raは、製造、加工工程の滑り性の観点から20nm〜100nmが好ましい。
【0068】
また、特に限定されないが、本発明の熱可塑性樹脂フィルムのS面と反対側の表面(以下、B面という)の中心線表面粗さRaは、使用用途によって、適切な範囲は異なる。例えば、磁気記録媒体用途で磁気記録面側として用いる場合、1nm〜10nmが好ましく、さらに好ましくは2〜8nmである。また、例えば、磁気記録媒体用途で走行面側として用いる場合、5nm〜15nmが好ましく、さらに好ましくは9〜12nmである。また、例えば包装用途として用いる場合には、Raは、製造、加工工程の滑り性の観点から20nm〜100nmが好ましい。
【0069】
本発明の熱可塑性樹脂フィルムを含むフィルムの総厚みは、使用用途によって、適切な範囲は異なり、特に限定されないが、1〜500μmが好ましく、薄膜用途や作業性などの観点から、より好ましくは3〜300μmの範囲である。中でも、例えば、磁気テープ用途に用いる場合には、総厚みが3〜15μmが好ましく、より好ましくは4〜8μmである。
【0070】
本発明の熱可塑性樹脂フィルムは、用途に応じて、単層フィルムで用いてもよいし、積層フィルム中の少なくとも1層のフィルム層として用いても良い。積層フィルムとして用いる場合の積層形態としては、例えば、基層部/積層部の2層積層構成、積層部/基層部/積層部や、積層部/積層部/基層部の3層積層構成、積層部/積層部/基層部/積層部の4層構成などが挙げられる。なお、ここでいう基層部とは、一般的にフィルム中で最も厚みの厚い層であり、例えば、磁気記録媒体用途などでは、主に強度、寸法安定性の保持などの機能を分担する層である。また、ここでいう積層部とは、基層部よりもフィルム層の厚みが薄い層であり、例えば、比較的粗い表面とすることで、フィルムの搬送性や、巻き特性を良化させることができ、磁気テープ用途などでは、良好な走行性を得るためなどに機能する層である。
【0071】
本発明の熱可塑性樹脂フィルムを積層フィルムとして用いる場合、本発明のフィルム層をフィルム中のどの層に用いるかは、用途、目的によって異なる。例えば、磁気テープなどの磁気記録媒体用途で、ガイドピンとの摩擦を低減する目的に用いる場合は、基層部/積層部の2層積層フィルムの積層部に用いることができる。また、平滑でかつ磁気ヘッドとの滑り性を有する表面設計に用いる場合には基層部に用いても良い。また、包装材料用途などに用いて、易カット性を付与する場合には、積層部/基層部/積層部の3層積層フィルムの基層部に用いることができる。
【0072】
本発明の熱可塑性樹脂フィルムを積層フィルムとして用いる場合、積層部の厚みは用途によって異なるが、例えば、磁気記録媒体用途では、フィルム強度や表面平滑性の観点から、0.05μm〜2μmが好ましく、包装材料用途では、製造上の容易さから、1μm〜5μmが好ましい。
【0073】
本発明の熱可塑性樹脂フィルムを積層フィルムとして用いる場合、本発明のフィルム以外のフィルム層を構成する樹脂成分は、ポリエステルのみでもよいし、ポリエステルと本発明のポリエステル以外の熱可塑性樹脂からなるポリマーアロイでも良い。特に、ポリエチレンテレフタレートまたはポリ(エチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレート)を主たる樹脂成分とする場合、製膜性が良好で、高いフィルム強度が得られる好ましい。
【0074】
本発明の熱可塑性樹脂フィルムを積層フィルムとして用いる場合、本発明のフィルム以外のフィルム層には、フィルムの搬送性向上などの目的で不活性粒子を含有しても良い。その場合の粒子は、特に限定されず、平均粒径1nm〜5μm程度の無機または有機の粒子で、本発明のポリマー中で化学反応を起こしたり、電磁気的影響により磁気記録に悪影響を与えないものである。粒子の種類としては、酸化チタン、炭酸カルシウム、カオリン、タルク、湿式または乾式シリカ、コロイド状シリカ、リン酸カルシウム、硫酸バリウム、アルミナおよびジルコニア等の無機粒子、アクリル酸類、スチレン、シリコーン、イミド等を構成成分とする有機粒子、ポリエステル重合反応時に添加する触媒等によって析出する粒子(いわゆる内部粒子)や、界面活性剤などがある。粒子の平均粒径や含有量はフィルム用途や積層構成によって大きく異なる。特に、磁気テープなどの磁気記録媒体用途に用いる場合、通常は、一つのフィルム層には粒径の小さな粒子を添加し、反対側のフィルム層には比較的粒径の大きな粒子を添加する手法が一般的である。
【0075】
本発明の熱可塑性樹脂フィルムは、本発明の効果を阻害しない範囲内で、熱安定剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、難燃剤、顔料、染料、脂肪酸エステル、ワックスなどの有機滑剤などが添加されてもよい。
【0076】
本発明の熱可塑性樹脂フィルムのヤング率は、フィルムの使用用途によって大きく異なるが、例えば、磁気記録媒体用途として用いる場合、長手方向のヤング率と幅方向のヤング率の和は、磁気テープの伸び変形などの観点から、9〜25GPaの範囲であることが好ましく、より好ましくは11〜22GPa、さらに好ましくは14〜20GPaである。また、長手方向のヤング率は、磁気ヘッドとのヘッド当たりなどの観点から、4.5GPa以上が好ましく、より好ましくは5.5GPa以上、最も好ましくは、6.5GPa以上である。幅方向のヤング率は、テープエッジダメージなどの観点から、4.5GPa以上が好ましく、より好ましくは5GPa以上、最も好ましくは、5.5GPa以上である。
【0077】
本発明の熱可塑性樹脂フィルムのポリマーのガラス転移開始温度(Tg)は、特に限定されないが、フィルムの耐熱性や成形加工性などの観点から、80〜150℃であることが好ましく、より好ましくは90〜130℃、さらに好ましくは100〜120℃の範囲内である。
【0078】
本発明の熱可塑性樹脂フィルムのポリエステルがPETである場合、本発明の熱可塑性樹脂フィルムの280℃、1,000秒−1における溶融粘度は300〜1,000Pa・sが好ましく、さらに好ましくは400〜800Pa・sである。上記範囲の溶融粘度であれば、Tダイ押出の際の剪断応力によって、不活性粒子やポリマードメインが1方向に整列し易いため好ましい。
【0079】
また、本発明の熱可塑性樹脂フィルムのポリエステルがPENである場合、本発明の熱可塑性樹脂フィルムの320℃、1,000秒−1における溶融粘度は400〜1,500Pa・sが好ましく、さらに好ましくは600〜1,000Pa・sである。上記範囲の溶融粘度であれば、Tダイ押出の際の剪断応力によって、不活性粒子やポリマードメインが1方向に整列し易いため好ましい。
【0080】
本発明の熱可塑性樹脂フィルムの用途は、特に限定されないが、磁気記録媒体用ベースフィルムやコンデンサー用途、感熱転写リボン用途、感熱孔版用途、包装用途、光学材料用途などに用いられる。中でも、磁気テープ用ベースフィルムの走行面として用いれば、ガイドピンとの空気の流動特性が良化し、走行性が向上したり、平滑な磁性面側への転写を抑制することができる。また、包装用途としては、引き裂き性の異方性を利用し、易カット性を付与することができる。
【0081】
本発明の熱可塑性樹脂フィルムは、さらに他のポリマー層、例えば、ポリオレフィン、ポリアミド、ポリ塩化ビニリデンおよびアクリル系ポリマーを直接、あるいは接着剤などの層を介して積層してもよい。
【0082】
本発明の熱可塑性樹脂フィルムは、必要に応じて、熱処理、成形、表面処理、ラミネート、コーティング、印刷、エンボス加工、エッチングなどの任意の加工を行ってもよい。
【0083】
また、本発明の熱可塑性樹脂フィルムの少なくとも片面に磁性層を設けることにより、磁気記録媒体として用いることができる。この場合、磁性層としては、強磁性金属薄膜や強磁性金属微粉末を結合剤中に分散してなる磁性層や金属酸化物塗布による磁性層などが好適な例として挙げられる。前記強磁性金属薄膜に用いる金属としては、鉄、コバルト、ニッケルやその合金等が好ましい。また、前記強磁性金属微粉末を結合剤中に分散してなる磁性層に用いる強磁性金属微粉末としては、強磁性六方晶フェライト微粉末や、鉄、コバルト、ニッケルやその合金からなる粉末が好ましい。前記結合剤としては熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、反応型樹脂やこれらの混合物などが好ましい。
【0084】
本発明の熱可塑性樹脂フィルムを製造するための方法においては、ポリエステルと不活性粒子、または、ポリエステルと熱可塑性樹脂のポリマーアロイを押出機を用いた溶融押出により口金から吐出し、吐出されたポリマーを冷却固化させてシート状に成形することが好ましい。その際、繊維焼結ステンレス金属フィルターによりポリマーを濾過することが、ポリマーアロイ中の未溶融物を除去するために好ましい。
【0085】
なお、この際、押出温度においての、1,000秒−1における溶融粘度は200〜1,000Pa・s、さらに好ましくは400〜800Pa・sである場合、不活性粒子やポリマードメインがフィルム中で整列構造をとり易く好ましい。
【0086】
口金から吐出する際に、Tダイの口金ランド部の長さが15〜40mmの範囲、口金部での剪断速度を、好ましくは3〜200秒−1、さらに好ましくは8〜100秒−1の範囲に制御すると不活性粒子やポリマードメインがフィルム中で整列構造をとり易く好ましい。
【0087】
本発明の熱可塑性樹脂フィルムは、該シートを長手方向と幅方向の二軸に特定条件で延伸した後、熱処理することにより製造できる。この際、長手方向、および、幅方向の延伸は1段階ずつで行ってもよいが、フィルムの使用用途に応じて、2段階以上に分けて延伸してもよい。また、再縦、再横延伸を行う場合、特に高密度記録の磁気テープとして最適な高強度のフィルムが得られ易いため好ましい。
【0088】
本発明の熱可塑性樹脂フィルムを製造する際の長手方向の総延伸倍率は、特に限定されないが、2.5〜10倍が好ましく、より好ましくは4.5〜7倍である。長手方向の総延伸倍率が2.5倍より小さな場合は、厚みむらが悪くなったり、長手方向の弾性率が低下するため、例えば、磁気記録媒体として用いる場合、電磁変換特性が低下することがある。長手方向の総延伸倍率が10倍より大きな場合には、フィルム破れが増加して、生産性が低下したりする。また、再縦延伸を行う際の再縦延伸倍率を総縦延伸倍率の25%以下にする場合、フィルム破れが減少するため好ましい。再縦延伸を行う際、1度目の縦延伸の延伸倍率は2.5〜4.0倍、再縦延伸倍率は1.2〜2.3倍が好ましい。
【0089】
本発明の熱可塑性樹脂フィルムを製造する際の幅方向の総延伸倍率は、特に限定されないが、3〜8倍が好ましく、より好ましくは3.5〜6倍である。幅方向の総延伸倍率が3倍より小さな場合は、厚みむらが悪くなったり、例えば、磁気記録媒体として用いる場合、トラックずれが起こりやすくなったりする。幅方向の総延伸倍率が6倍以上である場合、フィルム破れによって生産性が低下することがある。また、再横延伸を行う際の再横延伸倍率を総横延伸倍率の20%以上にする場合、フィルム破れが減少するため好ましい。再横延伸を行う際、1度目の横延伸の延伸倍率は3.0〜4.5倍、再縦延伸倍率は1.2〜2倍が好ましい。
【0090】
本発明の熱可塑性樹脂フィルムを製造する際の長手方向の延伸温度は、特に限定されないが、延伸性などの観点から、ポリマー(積層構成の場合、基層部のポリマー)のガラス転移温度Tg〜(Tg+50℃)の範囲で行う場合、延伸性が良好となるため好ましい。再縦延伸を行う場合、再縦延伸温度は(Tg+30℃)〜(Tg+80℃)が好ましい。
【0091】
本発明の熱可塑性樹脂フィルムを製造する際の幅方向の延伸温度は、特に限定されないが、延伸性などの観点から、ポリマー(積層構成の場合、基層部のポリマー)のTg〜(Tg+50℃)の範囲が好ましい。再横延伸を行う場合、再横延伸温度は(Tg+50℃)〜(Tg+150℃)が好ましい。
【0092】
本発明の熱可塑性樹脂フィルムを製造する際の長手方向の延伸速度は、特に限定されないが、5,000〜20万%/分の範囲が好ましく、再縦延伸を行う場合、再縦延伸速度は3万〜20万%/分の範囲が好ましい。
【0093】
本発明の熱可塑性樹脂フィルムを製造する際の幅方向の延伸速度は、特に限定されないが、1,000〜10,000%/分の範囲が好ましく、再横延伸を行う場合、再横延伸速度は1,000〜20,000%/分が好ましい。
【0094】
本発明の熱可塑性樹脂フィルムを製造する際の熱処理温度は、160℃〜230℃の範囲が好ましく、より好ましくは、180℃〜210℃である。本発明の熱可塑性樹脂フィルムを製造する際の熱処理時間は、0.5〜10秒の範囲が好ましく、より好ましくは3〜8秒である。
【0095】
本発明の熱可塑性樹脂フィルムの延伸形式としては、長手方向に延伸した後に幅方向に延伸を行うなどの逐次二軸延伸法や、同時二軸テンター等を用いて長手方向と幅方向を同時に延伸する同時二軸延伸法、さらに、逐次二軸延伸法と同時二軸延伸法を組み合わせた方法などが包含される。
【0096】
以下、本発明の熱可塑性樹脂フィルムの製造方法の例について説明するが、これに限定されるものではない。ここでは、ポリエステルとしてポリエチレンテレフタレート(PET)、熱可塑性樹脂として、ポリエーテルイミド(PEI)“ウルテム”を用いたフィルムの例を示す。
【0097】
まず、ポリエステルの製造方法をポリエチレンテレフタレートを例にして説明する。本発明で使用するポリエチレンテレフタレートは、次のいずれかのプロセスで製造される。すなわち、(1)テレフタル酸とエチレングリコールを原料とし、直接エステル化反応によって低分子量のポリエチレンテレフタレートまたはオリゴマーを得、さらにその後の三酸化アンチモンやチタン化合物を触媒に用いた重縮合反応によってポリマーを得るプロセス、(2)ジメチルテレフタレートとエチレングリコールを原料とし、エステル交換反応によって低分子量体を得、さらにその後の三酸化アンチモンやチタン化合物を触媒に用いた重縮合反応によってポリマーを得るプロセスである。ここで、エステル化は無触媒でも反応は進行するが、エステル交換反応においては、通常、マンガン、カルシウム、マグネシウム、亜鉛、リチウム、チタン等の化合物を触媒に用いて進行させ、またエステル交換反応が実質的に完結した後に、該反応に用いた触媒を不活性化する目的で、リン化合物を添加する場合もある。
【0098】
また、フィルムを構成するポリエステルに不活性粒子を含有させる場合には、エチレングリコールに不活性粒子を所定割合にてスラリーの形で分散させ、このエチレングリコールを重合時に添加する方法が好ましい。不活性粒子を添加する際には、例えば、不活性粒子の合成時に得られる水ゾルやアルコールゾル状態の粒子を一旦乾燥させることなく添加すると粒子の分散性がよい。また、不活性粒子の水スラリーを直接PETペレットと混合し、ベント式二軸混練押出機を用いて、PETに練り込む方法も有効である。不活性粒子の含有量を調節する方法としては、上記方法で高濃度の不活性粒子のマスターペレットを作っておき、それを製膜時に不活性粒子を実質的に含有しないPETで希釈して不活性粒子の含有量を調節する方法が有効である。
【0099】
次に、該PETのペレットとPEIのペレットを、所定の割合で混合して、270〜300℃に加熱されたベント式の二軸混練押出機に供給して、溶融押出する。このときの滞留時間は30〜600秒が好ましく、より好ましくは60〜300秒である。得られたチップを再び二軸押出機に投入し、好ましい分散径になるまで押出を繰り返してもよい。
【0100】
得られたPEI含有のPETのペレットを、180℃で3時間以上減圧乾燥した後、固有粘度が低下しないように窒素気流下あるいは減圧下で、280〜320℃に加熱された押出機に供給し、スリット状のダイから押出し、キャスティングロール上で冷却して未延伸フィルムを得る。この際、異物や変質ポリマーを除去するために各種のフィルター、例えば、焼結金属、多孔性セラミック、サンド、金網などの素材からなるフィルターを用いることが好ましい。また、必要に応じて、定量供給性を向上させるためにギアポンプを設けてもよい。フィルムを積層する場合には、2台以上の押出機およびマニホールドまたは合流ブロックを用いて、複数の異なるポリマーを溶融積層する。
【0101】
次に、この未延伸フィルムを二軸延伸し、二軸配向させる。ここでは、最初に長手方向、次に幅方向の延伸を行う逐次二軸延伸法を用いる。延伸温度は、例えば、ポリエチレンテレフタレートからなる基層部とポリエチレンテレフタレートとポリエーテルイミドの混合ポリマー(混合重量比9:1)からなる積層部を有する場合を例にとって説明する。未延伸フィルムを例えば70〜120℃の加熱ロール群で加熱し、長手方向に2.5〜10倍(再際縦延伸を行う場合、2.5〜4倍)に1段もしくは多段で延伸し、20〜50℃の冷却ロール群で冷却する。長手方向の延伸速度は5,000〜200,000%/分の範囲で行うのが好ましい。続いて、幅方向の延伸を行う。幅方向の延伸方法としては、例えば、テンターを用いる方法が一般的である。幅方向の延伸倍率は3〜8倍(再横延伸を行う場合、3〜4.5倍)、延伸速度は1,000〜10,000%/分、温度は80〜130℃の範囲で行うのが好ましい。さらに、再縦延伸および再横延伸を行う。その場合の延伸条件としては、長手方向の延伸は、温度80〜160℃の加熱ロール群で、延伸倍率1.2〜2.3倍、幅方向の延伸方法としてはテンターを用いる方法が好ましく、温度130〜230℃、延伸倍率1.2〜2倍で行うのが好ましい。続いて、この延伸フィルムを緊張下または幅方向に弛緩しながら熱処理する。この場合の熱処理温度は、160℃〜230℃で、時間は0.5〜10秒の範囲で行うのが好ましい。
【0102】
(物性の測定方法ならびに効果の評価方法)
本発明における特性値の測定方法並びに効果の評価方法は次の通りである。
【0103】
(1)整列構造を有する不活性粒子またはドメインの個数
フィルム表面にアルミ蒸着を行い、微分干渉顕微鏡で倍率400〜1,000倍でフィルム表面の観察を行い、不活性粒子またはポリマードメインが整列している方向を判別する。また、必要に応じて、SEM、TEMや位相差顕微鏡を用いて判別を行っても良い。
【0104】
特に限定されないが、上記方向は、フィルムの長手方向または幅方向(フィルムの屈折率を測定した場合、最も大きな値をとる方向とその垂直方向)であることが多い。
【0105】
透過型電子顕微鏡(TEM)で加圧電圧100kVの条件下でフィルム(積層フィルムであれば、本発明のフィルム層)の表層(厚み約0.5μm、厚み約0.5μm)を観察、4万倍で写真を撮影し、フィルムの上記で判別した方向を長辺とする30μm×1μmの長方形の部分中に観察される不活性粒子またはポリマードメインの個数をNとし、上記方向と垂直な方向を長辺とする30μm×1μmの長方形の部分中に観察される不活性粒子またはポリマードメインの個数をNとする。なお、観察する長方形部分(30μm×1μm)の中心点はTEM観察部分(30μm□)の中心点とする。必要に応じて、画像解析(例えば、Image Pro Plus ver.4.0)を用いて個数をカウントしても良い。
【0106】
(2)ヤング率
ASTM−D882に規定された方法に従って、インストロンタイプの引張試験機を用いて測定した。測定は下記の条件とした。
【0107】
測定装置:オリエンテック(株)製フイルム強伸度自動測定装置
“テンシロンAMF/RTA−100”
試料サイズ:幅10mm×試長間100mm
引張り速度:200mm/分
測定環境:温度23℃、湿度65%RH
(3)不活性粒子の平均粒径(またはポリマードメインのドメイン径(分散径))
フィルム断面を透過型電子顕微鏡(TEM)を用い、1万倍以上の倍率で観察する。TEMの切片厚さは約100nmとし、場所を変えて100視野以上測定する。測定した等価円相当径の平均を不活性粒子の平均粒径(またはポリマードメインのドメイン径(分散径))とした。
【0108】
フィルム中に粒径の異なる2種類以上の粒子が存在する場合、上記の等価円相当径の個数分布が2種類以上のピークを有する分布となるため、そのそれぞれについて、別個に平均粒径を算出する。
【0109】
(4)ポリエステル、熱可塑性樹脂、不活性粒子の含有量
ポリエステル、熱可塑性樹脂の両者を溶解する適切な溶媒に溶解し、H核のNMR(核磁気共鳴)スペクトルを測定する。適切な溶媒は、ポリマーの種類によって異なるが、例えば、ヘキサフルオロイソプロパノール(HFIP)/重クロロホルムが用いられる。得られたスペクトルにおいて、ポリエステル、熱可塑性樹脂に特有の吸収(例えばPETであればテレフタル酸の芳香族プロトンの吸収、PEIであればビスフェノールAの芳香族のプロトンの吸収)のピーク面積強度をもとめ、その比率とプロトン数よりポリエステルと熱可塑性樹脂のモル比を算出する。さらに各々のポリマーの単位ユニットに相当する式量より重量比を算出する。測定条件は、例えば、以下のような条件であるが、ポリマーの種類によって異なるため、この限りではない。
【0110】
装置 :BRUKER DRX−500(ブルカー社)
溶媒 :HFIP/重クロロホルム
観測周波数 :499.8MHz
基準 :TMS(テトラメチルシラン)(0ppm)
測定温度 :30℃
観測幅 :10KHz
データ点 :64K
acquisiton time :4.952秒
pulse delay time:3.048秒
積算回数 :256回
また、必要に応じて、顕微FT−IR法(フーリエ変換顕微赤外分光法)で組成分析を行ってもよい。その場合、ポリエステルのカルボニル基に起因するピークとそれ以外の物質に起因するピークの比から求める。なお、ピーク高さ比を重量比に換算するために、あらかじめ重量比既知のサンプルで検量線を作成してポリエステルとそれ以外の物質の合計量に対するポリエステル比率を求める。これと、不活性粒子含有量より熱可塑性樹脂の比率を求める。また、必要に応じてX線マイクロアナライザーを併用してもよい。
【0111】
また、不活性粒子の含有量については、ポリエステル、熱可塑性樹脂は溶解するが不活性粒子は溶解させない溶媒を選んで、ポリエステル、熱可塑性樹脂を溶解し、不活性粒子を遠心分離して重量百分率を求めた。
【0112】
(5)積層厚さ
透過型電子顕微鏡(日立製H−600型)を用いて、加速電圧100kVで、フィルム断面を、超薄切片法(RuO染色)で観察する。その界面の観察結果から、各層の厚さを求める。倍率は、判定したい積層厚さによって適切な倍率を選ぶが、1万〜10万倍が適当である。
【0113】
また、2次イオン質量分析装置(SIMS)を用いて測定することもできる。表層から深さ3,000nmの範囲のフィルム中の不活性粒子の内、最も高濃度の粒子(あるいはPEI)に起因する元素と、ポリエステルの炭素元素の濃度比(M/C)を、表面から深さ3,000nmまで厚さ方向にSIMSで分析する。表層では不活性粒子に起因する元素濃度は低く、表面から遠ざかるにつれて不活性粒子に起因する元素濃度は高くなる。本発明フィルムの場合は一旦極大値となった不活性粒子に起因する元素濃度がまた減少し始める。この濃度分布曲線において、不活性粒子に起因する元素濃度が極大値の1/2まで減少した深さを積層厚さとする。条件は次の通りである。
【0114】
i)測定装置
2次イオン質量分析装置(SIMS)
西独、ATOMIKA社製 A−DIDA3000
ii)測定条件
1次イオン種 :O
1次イオン加速電圧:12KV
1次イオン電流 :200nA
ラスター領域 :400μm□
分析領域 :ゲート30%
測定真空度 :5.0×10−9Torr
E−GUN :0.5KV−3.0A
なお、表層から深さ3,000nmの範囲に最も多く含有する不活性粒子が有機高分子粒子の場合はSIMSでは測定が難しいので、表面からエッチングしながらXPS(X線光電子分光法)、IR(赤外分光法)などで上記同様のデプスプロファイルを測定し積層厚みを求めることもできる。
【0115】
(6)表面粗さRa
小坂研究所製の高精度薄膜段差測定器ET−10を用いて中心線平均粗さRaを測定した。条件は下記のとおりであり、フィルム幅方向に走査して20回測定を行った平均値をもって値とした。なお、積層フィルムの場合、本願のフィルム層側の表面の表面粗さをRa(1)、反対側の表面の表面粗さをRa(2)とする。
【0116】
・触針先端半径:0.5μm
・触針荷重 :5mg
・測定長 :1mm
・カットオフ値:0.08mm
(7)溶融粘度
メルトインデクサを用いて、剪断速度1,000秒−1の時の粘度を測定した。
【0117】
(8)ガラス転移温度(Tg)
下記装置および条件で比熱測定を行い、JIS K7121に従って決定した。
【0118】
装置 :TA Instrument社製温度変調DSC
測定条件:
加熱温度 :270〜570K(RCS冷却法)
温度校正 :高純度インジウムおよびスズの融点
温度変調振幅:±1K
温度変調周期:60秒
昇温ステップ:5K
試料重量 :5mg
試料容器 :アルミニウム製開放型容器(22mg)
参照容器 :アルミニウム製開放型容器(18mg)
なお、ガラス転移温度は下記式により算出した。
【0119】
ガラス転移温度=(補外ガラス転移開始温度+補外ガラス転移終了温度)/2
(9)口金部分の剪断速度
下記式に従って求める。
【0120】
J=6Q/wt
ここで、J:剪断速度(sec−1
Q:流量(g/sec)
w:口金幅(cm)
t:スリット幅(cm)
(10)不活性粒子またはポリマードメインの整列度合い(N/N
前記(1)の測定方法に従い、30点観察を行い、30組のN、Nを求め、比N/Nを算出する。このとき、以下の関係を満たすN/Nが30点中15点以上であった場合、フィルム中で不活性粒子またはポリマードメインが1方向に整列している(整列構造を有している)と判定する。
【0121】
>Nの場合、N/N>1.3
>Nの場合、N/N>1.3
(11)磁気テープの耐転写性
1m幅にスリットしたフィルムを、張力20kg/mで搬送させ、フィルムの不活性粒子またはポリエステル以外の熱可塑性樹脂からなるドメインが整列している側と反対側の表面に下記組成の磁性塗料および非磁性塗料をエクストルージョンコーターにより重層塗布(上層は磁性塗料で、塗布厚0.1μm、非磁性下層の厚みは適宜変化させた。)し、磁気配向させ、乾燥温度100℃で乾燥させる。次いで反対側の表面(不活性粒子またはポリエステル以外の熱可塑性樹脂からなるドメインが整列している側の表面)に下記組成のバックコートを塗布した後、小型テストカレンダー装置(スチール/ナイロンロール、5段)で、温度85℃、線圧200kg/cmでカレンダー処理した後、巻き取る。上記テープ原反を1/2インチ幅にスリットし、長さ500m分を張力10MPaで巻き取って、パンケーキを作成した。次いで、このパンケーキからの表層(パンケーキ外側の端から10mの部分)と巻芯(パンケーキ巻芯の端から10mの部分)をサンプリングし、(6)の測定方法に従って、磁性面側の表面粗さRaを測定した。巻芯の表面粗さRa(巻芯)と表層の表面粗さRa(表層)の差、表面粗さRa(巻芯)−表面粗さRa(表層)が3nm以下の場合、耐転写性良好と判断し、3nmより大きい場合は、耐転写性不良と判断した。
(磁性塗料の組成)
・強磁性金属粉末 : 100重量部
・変成塩化ビニル共重合体 : 10重量部
・変成ポリウレタン : 10重量部
・ポリイソシアネート : 5重量部
・ステアリン酸 : 1.5重量部
・オレイン酸 : 1重量部
・カーボンブラック : 1重量部
・アルミナ : 10重量部
・メチルエチルケトン : 75重量部
・シクロヘキサノン : 75重量部
・トルエン : 75重量部
(バックコートの組成)
・カーボンブラック(平均粒径20nm) : 95重量部
・カーボンブラック(平均粒径280nm): 10重量部
・αアルミナ : 0.1重量部
・変成ポリウレタン : 20重量部
・変成塩化ビニル共重合体 : 30重量部
・シクロヘキサノン : 200重量部
・メチルエチルケトン : 300重量部
・トルエン : 100重量部
(12)磁気テープの高速走行安定性
前記(11)で加工した磁気テープをテープ走行性試験機TBT−300型((株)横浜システム研究所製)を使用し、60℃、80%RH雰囲気で、片端に位置規制板を有するガイドピン(SUS27、6mmφ、巻き付け角90°)上を、速度10m/秒、張力5Nの条件で、500m走行させ、レーザー寸法測定器を用いて、位置規制板と反対側のテープエッジの初期位置からの変位を読みとり、最大変位量(μm)を測定した。最大変位量が5μm以下であれば、高速走行安定性が良好であると判断する。
【0122】
(13)直線引裂性
フィルムの長手方向に300mm、幅方向に20mmの短冊状のフィルム片を切り出し、このフィルム片の一方の短辺の中央部に長さ5mmの切れ込みを入れた試料を10本作成した。次に、切れ込みより長手方向に手で引裂き、切れ込みを入れた辺に向かい合う短辺に到達したときを長手方向の直線引裂性を良好として、短辺に到達せず途中で長辺に達したときを長手方向の直線引裂性を不良とした。10本の試料を評価して、5本以上の試料の直線引裂性が良好であれば直線引裂性良好、4本以下であれば不良とした。
【0123】
【実施例】
次の実施例に基づき、本発明の実施形態を説明する。なお、ここでポリエチレンテレフタレートをPET、2,2−ビス[4−(2,3−ジカルボキシフェノキシ)フェニル]プロパン二無水物とm−フェニレンジアミンとの縮合物であるポリエーテルイミドをm−PEI、2,2−ビス[4−(2,3−ジカルボキシフェノキシ)フェニル]プロパン二無水物とp−フェニレンジアミンとの縮合物であるポリエーテルイミドをp−PEI、ポリカーボネートをPCと表記する。
【0124】
実施例1
テレフタル酸ジメチル194重量部とエチレングリコール124重量部に、酢酸マグネシウム4水塩0.1重量部を加え、140〜230℃でメタノールを留出しつつエステル交換反応を行った。次いで、リン酸トリメチル0.05重量部のエチレングリコール溶液、および三酸化アンチモン0.05重量部を加えて5分間撹拌した後、低重合体を30rpmで攪拌しながら、反応系を230℃から290℃まで徐々に昇温するとともに、圧力を0.1kPaまで下げた。最終温度、最終圧力到達までの時間はともに60分間とした。3時間重合反応させ所定の攪拌トルクとなった時点で反応系を窒素パージし常圧に戻して重縮合反応を停止し、冷水にストランド状に吐出し、直ちにカッティングして固有粘度0.62のポリエチレンテレフタレート(PET)のペレットを得た。該PETのペレットのガラス転移温度は78℃であった。
【0125】
得られたポリエチレンテレフタレートのペレット(温度180℃で3時間減圧乾燥)を50重量%と、General Electric(GE)社製m−PEI“ウルテム1010”25重量%と、GE社製p−PEI“ウルテム5001”25重量%を、300℃に加熱されたベント式の二軸混練押出機に供給して、溶融押出し、m−PEIを25重量%、p−PEIを25重量%含有するPET/PEIのペレットを作成した。
【0126】
温度280℃に加熱された押出機に、得られたPET/PEIのペレット40重量部とポリエチレンテレフタレートのペレット60重量部(m−PEI含有量10重量%、p−PEI含有量10重量%)を180℃で3時間減圧乾燥した後に供給し、Tダイにより溶融押出した(口金ランド長30mm)。この時の溶融押出における滞留時間は3分間、口金での剪断速度は12sec−1であった。表面温度25℃のキャストドラムに静電荷を印加させながらシートを密着させて冷却固化し、厚み150μmの未延伸熱可塑性樹脂フィルム(Tgは95℃であった)を作成した。
【0127】
この未延伸フィルムをロール式延伸機にて長手方向に2段で、速度20,000%/分、温度70℃から110℃で3.0倍延伸し、さらに、テンターを用いて、幅方向に速度2,000%/分、温度115℃で3.5倍延伸した。続いて、ロール式延伸機で長手方向に1段で、温度80℃から165℃で1.5倍に再延伸した後、定長下で温度205℃で3秒間熱処理後、幅方向に5%の弛緩処理を施し、厚さ8μmの二軸配向熱可塑性樹脂フィルムを得た。
【0128】
この二軸配向熱可塑性樹脂フィルムは表1のとおり、長手方向のヤング率は6GPa、幅方向のヤング率は4GPa、表面粗さは表裏とも9nmであった。また、280℃、1,000秒−1におけるフィルムの溶融粘度は600Pa・sであり、N/Nの値も本願の範囲を満たすものであった。
【0129】
比較例1
実施例1と同様にして得た実質的に粒子を含有しないPETのペレット(Tg80℃)50重量部と平均粒径0.1μmの架橋ジビニルベンゼン粒子を2重量%含有するPETペレットを180℃で3時間減圧乾燥した後に押出機に供給し、実施例1と全く同様にして、厚み150μmの未延伸熱可塑性樹脂フィルム(Tgは80℃であった)を作成した。
【0130】
この未延伸フィルムをロール式延伸機にて長手方向に、温度95℃で3.0倍延伸し、さらに、テンターを用いて、幅方向に温度100℃で3.5倍延伸した。続いて、ロール式延伸機にて長手方向に、温度165℃で1.5倍延伸した後、定長下で温度205℃で3秒間熱処理後、幅方向に5%の弛緩処理を施し、厚さ8μmの二軸配向熱可塑性樹脂フィルムを得た。
【0131】
この二軸配向熱可塑性樹脂フィルムは表1のとおり、長手方向のヤング率は7GPa、幅方向のヤング率は4GPa、表面粗さは表裏とも9nmであった。また、280℃、1,000秒−1におけるフィルムの溶融粘度は150Pa・sであり、N/Nの値は本願の範囲を満たさなかった。また、表1に示すとおり、磁気テープに加工した際の、高速走行安定性も実施例1対比劣るものであった。
【0132】
実施例2
実施例1と同様にして、得たPETのペレット(Tg80℃)50重量%とGE社製の“ウルテム”1010(Tg216℃)50重量%を、290℃に加熱された同方向回転タイプのベント式二軸混練押出機に供給して、PEIを50重量%含有したPET/PEIブレンドチップを作成した。
【0133】
次いで、押出機2台を用い、製膜を行った。
【0134】
280℃に加熱された押出機1(積層部用)には、上記のPET/PEIブレンドチップを40重量部と、平均粒径50nmの球状シリカ粒子を20重量%含有する固有粘度0.85のPETペレット60重量部の混合原料(280℃、1000秒−1における溶融粘度は400Pa・s)を180℃で3時間減圧乾燥した後に供給した。
【0135】
295℃に加熱された押出機2(基層部用)には、平均粒径50nmのシリカを1重量%含有する固有粘度0.61のPETペレット5重量部と、実質的に粒子を含有しない固有粘度0.61のPETペレット95重量部の混合原料をを180℃で3時間減圧乾燥した後に供給した。
【0136】
これらをそれぞれ、サンドフィルター、繊維焼結ステンレス金属フィルターの順に濾過した後、Tダイ中で合流させ、実施例1と同様にして、2層積層未延伸フィルム(積層厚み比:積層部/基層部=1/5)を作成した。
【0137】
この未延伸フィルムを同時二軸テンターを用いて、長手・幅方向に同時で速度2,000%/分、温度100℃で長手方向4倍、幅方向4倍延伸した。続いて、同時二軸テンターを用いて、長手に速度2,000%/分、温度150℃で長手方向1.5倍延伸した後、定長下で温度220℃で5秒間熱処理した後、幅方向に5%の弛緩処理を行い、厚さ約6μmの二軸配向熱可塑性フィルムを作成した。
【0138】
各層のフィルム厚みは、基層部5μm、積層部(本発明のフィルム層)1μmであった。長手方向のヤング率は7GPa、幅方向のヤング率は5GPaであった。
【0139】
この熱可塑性樹脂フィルムは、表2に示したとおり、N/Nの値が本願の範囲を満たすものであった。また、表3に示したとおり、磁気テープに加工した際の高速走行安定性、耐転写性に優れたフィルムであった。
【0140】
実施例3
得られたポリエチレンテレフタレートのペレット(温度180℃で3時間減圧乾燥)を70重量%と、芳香族ポリカーボネートのペレット“ユーピロン”(登録商標)S−2000(三菱エンジニアプラスチック社製:ガラス転移温度150℃)(温度120℃で3時間減圧乾燥)30重量%を配合し、280℃に加熱されたベント式の二軸混練押出機に供給して、溶融押出し、芳香族ポリカーボネートを30重量%含有するPET/PCのペレットを作成した。得られたペレットは透明であった(280℃、1,000秒−1における溶融粘度は800Pa・s)。
【0141】
続いて、押出機2台を用いて、製膜を行った。
【0142】
温度280℃に加熱された押出機1には、得られたPET/PCのペレット30重量部とポリエチレンテレフタレートのペレット70重量部(PC含有量9重量%)を180℃で3時間減圧乾燥した後に供給し、押出機2には実施例2と全く同様の原料を供給した。 これらをそれぞれ、サンドフィルター、繊維焼結ステンレス金属フィルターの順に濾過した後、Tダイ中で合流させ、実施例1と同様にして、2層積層未延伸フィルム(積層厚み比:積層部/基層部=1/3)を作成した。
【0143】
この未延伸フィルムをロール式延伸機にて長手方向に2段で、速度20,000%/分、温度70℃から105℃で3.5倍延伸し、さらに、テンターを用いて、幅方向に速度2,000%/分、温度110℃で4.2倍延伸した後、定長下で温度220℃で5秒間熱処理した後、幅方向に5%の弛緩処理を行い、厚さ約8μmの積層ポリエステルフィルムを作成した。
【0144】
各層のフィルム厚みは、基層部6μm、積層部(本発明のフィルム層)2μmであった。長手方向のヤング率は4GPa、幅方向のヤング率は6.2GPaであった。
【0145】
この熱可塑性樹脂フィルムは、表2に示したとおり、N/Nの値が本願の範囲を満たすものであった。また、表3に示したとおり、磁気テープに加工した際の高速走行安定性、耐転写性に優れたフィルムであった。
【0146】
比較例2
積層部原料を表2に示したように変更し、積層原料の溶融粘度(280℃、1,000秒−1)を250Pa・sとすること以外は、実施例2と全く同様にして、厚さ約6μmの二軸配向熱可塑性フィルムを作成した。
【0147】
各層のフィルム厚みは、基層部5μm、積層部1μmであった。長手方向のヤング率は7GPa、幅方向のヤング率は5GPaであった。
【0148】
この熱可塑性樹脂フィルムは、表2に示したとおり、N/Nの値が本願の範囲を満たさなかった。また、表3に示したとおり、磁気テープに加工した際の耐転写性が実施例対比劣るフィルムであった。
【0149】
比較例3
積層部原料にPEIを含有せず、固有粘度0.58のPET原料を使用することによって積層原料の溶融粘度(280℃、1,000秒−1)を100Pa・sに変更し、また、表2に示すように、粒子種、粒子含有量を変更して、実施例3と同様にして、2層積層未延伸フィルム(積層厚み比:積層部/基層部=1/3)を作成した。
【0150】
この未延伸フィルムを実施例3と全く同様にして、延伸・熱処理を行い、厚さ約8μmの積層ポリエステルフィルムを作成した。
【0151】
各層のフィルム厚みは、基層部6μm、積層部2μmであった。長手方向のヤング率は4.2GPa、幅方向のヤング率は6.3GPaであった。
【0152】
この熱可塑性樹脂フィルムは、表2に示したとおり、N/Nの値が本願の範囲を満たさなかった。また、表3に示したとおり、磁気テープに加工した際の高速走行安定性、耐転写性が実施例対比劣るフィルムであった。
【0153】
実施例4
実施例1と同様のm−PEIとp−PEIを1:3の割合でNメチルピロリドン(NMP)に溶解させた後、溶媒を揮発させて、m−PEIとp−PEIを1:3の割合で含むPEIペレットを作成した。
【0154】
上記PEIペレット40重量部と実施例1と同様にして得られた固有粘度0.85のPETペレット60重量%を300℃に加熱されたベント式の二軸混練押出機に供給して溶融押出し、m−PEIを10重量%、p−PEIを30重量%含有するPET/PEIのペレットを作成した。
【0155】
続いて押出機2台を用いて製膜を行った。
【0156】
温度280℃に加熱された押出機1(基層部用)には、上記PET/PEIのペレット50重量部とポリエチレンテレフタレートのペレット50重量部の混合原料(Tg95℃、280℃、1,000秒−1における溶融粘度は500Pa・s)を180℃で3時間減圧乾燥した後に供給し、押出機2(積層部用)には表2に示す様に、平均粒径0.3μmの架橋ジビニルベンゼンを1重量%含有する固有粘度0.60のPET原料を供給した。
【0157】
これらをそれぞれ、サンドフィルター、繊維焼結ステンレス金属フィルターの順に濾過した後、Tダイ中で合流させ、実施例1と同様にして、3層積層未延伸フィルム(積層厚み比:積層部/基層部/積層部=1/48/1)を作成した。
【0158】
この未延伸フィルムをロール式延伸機にて長手方向に2段で、速度20,000%/分、温度70℃から115℃で3倍延伸し、さらに、テンターを用いて、幅方向に速度2,000%/分、温度110℃で3倍延伸した後、定長下で温度240℃で5秒間熱処理し、厚さ約50μmの積層ポリエステルフィルムを作成した。
【0159】
各層のフィルム厚みは、基層部48μm(本発明のフィルム層)、積層部はそれぞれ1μmであった。長手方向のヤング率は4.1GPa、幅方向のヤング率は4.2GPaであった。
【0160】
この熱可塑性樹脂フィルムは、表2に示したとおり、N/Nの値が本願の範囲を満たすものであった。また、表4に示したとおり、直線引裂性の良好なフィルムであった。
【0161】
比較例4
表2に示すように、基層部の原料として、実質的に粒子を含有しない固有粘度0.65のPET原料(Tg80℃、280℃、1,000秒−1における溶融粘度は150Pa・s)を用いる以外は、実施例4と全く同様にして、3層積層未延伸フィルム(積層厚み比:積層部/基層部/積層部=1/48/1)を作成した。
【0162】
この未延伸フィルムをロール式延伸機にて長手方向に2段で、速度20,000%/分、温度70℃から95℃で3倍延伸し、さらに、テンターを用いて、幅方向に速度2,000%/分、温度100℃で3倍延伸した後、定長下で温度240℃で5秒間熱処理し、厚さ約50μmの積層ポリエステルフィルムを作成した。
【0163】
各層のフィルム厚みは、基層部48μm、積層部はそれぞれ1μmであった。長手方向のヤング率は4.5GPa、幅方向のヤング率は4.5GPaであった。
【0164】
この熱可塑性樹脂フィルムは、表2に示したとおり、N/Nの値が本願の範囲を満たさなかった。また、表4に示したとおり、直線引裂性の劣るフィルムであった。
【0165】
【表1】
Figure 2005053980
【0166】
【表2】
Figure 2005053980
【0167】
【表3】
Figure 2005053980
【0168】
【表4】
Figure 2005053980
【0169】
【発明の効果】
本発明によれば、フィルム中に粒子またはポリマードメインが整列した構造を形成することによって、表層に微細なすじ状の構造を形成し、転写が起こりにくく、また、高速で走行させた場合の安定性に優れた磁気記録装置用磁気テープのベースフィルムとして高品質のポリエステルフィルムを得ることができる。

Claims (9)

  1. ポリエステルを50重量%以上含み、面方向における少なくとも1方向に整列構造を有するドメインが存在している熱可塑性樹脂フィルム。
  2. ポリエステルを50重量%以上含み、面方向における少なくとも1方向に整列構造を有する不活性粒子が存在している熱可塑性樹脂フィルム。
  3. 少なくとも一方の表面の表面粗さRaが1〜25nmである、請求項1または2に記載の熱可塑性樹脂フィルム。
  4. ポリカーボネート、ポリイミド、ポリスルホンおよびポリエーテルスルホンからなる群から選ばれる少なくとも1種の熱可塑性樹脂を含んでいる、請求項1〜3のいずれかに記載の熱可塑性樹脂フィルム。
  5. ポリエステルがポリエチレンテレフタレートであり、かつ、熱可塑性樹脂として、下記の化学式で表されるポリエーテルイミドを5〜15重量%含んでいる、請求項4に記載の熱可塑性樹脂フィルム。
    Figure 2005053980
  6. ポリエステルがポリエチレンテレフタレートであり、かつ、架橋ポリスチレン、シリカ、アルミナおよびシリコーンからなる群から選ばれる少なくとも1種の粒子を5〜15重量%含んでいる、請求項1〜5のいずれかに記載の熱可塑性樹脂フィルム。
  7. ポリエステルがポリエチレンテレフタレートであり、280℃、1,000秒−1における溶融粘度が300〜1,000Pa・sである、請求項1〜6のいずれかに記載の熱可塑性樹脂フィルム。
  8. 請求項1〜7のいずれかに記載の熱可塑性樹脂フィルムの層を少なくとも1層有している積層フィルム。
  9. 請求項1〜7のいずれかに記載の熱可塑性樹脂フィルムまたは請求項8に記載の積層フィルムの少なくとも片面に磁性層を設けてなる磁気記録媒体。
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