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JP2005053796A - メークアップ皮膚化粧料 - Google Patents

メークアップ皮膚化粧料 Download PDF

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JP2005053796A
JP2005053796A JP2003205742A JP2003205742A JP2005053796A JP 2005053796 A JP2005053796 A JP 2005053796A JP 2003205742 A JP2003205742 A JP 2003205742A JP 2003205742 A JP2003205742 A JP 2003205742A JP 2005053796 A JP2005053796 A JP 2005053796A
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silyl group
polymer
reactive silyl
cosmetic
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JP2003205742A
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Takashi Oka
隆史 岡
Kazuyuki Miyazawa
和之 宮沢
Osayuki Yoshino
修之 吉野
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Shiseido Co Ltd
Original Assignee
Shiseido Co Ltd
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Publication date
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Abstract

【課題】二次付着レス効果が高く、しかも使用感にも優れるメークアップ皮膚化粧料、特にファンデーションを提供する。
【解決手段】反応性シリル基含有ポリマーを含む水系ポリマーエマルジョンと、皮膜形成剤とを配合し、前記ポリマーがアニオン性又はカチオン性である場合には、前記皮膜形成剤が非イオン性あるいは前記ポリマーと同符号のイオン性のものであり、反応性シリル基含有ポリマーが、化粧料中0.1〜10質量%であるメークアップ皮膚化粧料。前記反応性シリル基含有ポリマー中に占める反応性シリル基含有モノマーの割合が0.001〜10質量%であることが好適である。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、メークアップ皮膚化粧料、特にファンデーション等における二次付着防止効果の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、ファンデーションなどのメークアップ化粧料においては、顔料などの色材が多量に配合されている。そして、このようなメークアップ化粧料が肌上に塗布された後、化粧料が衣服等に付着してしまういわゆる二次付着を防止するために、有機シリコーン樹脂等の皮膜形成剤を配合することが行われている。
一方、近年、反応性シリル基を有する常温架橋性ポリマーの水系エマルジョンが耐水性、耐油性に優れる皮膜を形成することが報告されている(特許文献1〜2)。
【0003】
【特許文献1】
特開2002−327019号公報
【特許文献2】
特開2003−20314号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の皮膜形成剤で二次付着レス効果を高めようと配合量を増量すると、のびが重くなったり、ぬめり感やべたつき感が強くなったりと使用感が著しく悪化してしまうという問題があった。このため、皮膜形成剤の配合量は制限され、十分な二次付着レス効果を発揮する化粧料が得られていないのが現状であった。
【0005】
また、前記の反応性シリル基含有ポリマーの水系エマルジョンは、分散媒の揮散に伴い常温で架橋して強固な架橋皮膜を形成するものであり、耐水性が向上することが前記特許文献1に記載されている。しかし、特にファンデーション等のメークアップ化粧料に配合した場合に、二次付着レス効果に優れることは知られていなかった。また、広範囲の肌に塗布するファンデーションのような皮膚化粧料において高配合した場合には、架橋皮膜形成時に肌につっぱり感などの違和感を生じることがあった。
本発明は、前記従来技術の課題に鑑みなされたものであり、その目的は、二次付着レス効果が高く、しかも使用感にも優れるメークアップ化粧料を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために、本発明者らが鋭意検討を行った結果、反応性シリル基含有ポリマーの水系ポリマーエマルジョンと、皮膜形成剤とをメークアップ皮膚化粧料に配合することにより、非常に高い二次付着レス効果と良好な使用感を有するものが得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明にかかるメークアップ皮膚化粧料は、反応性シリル基含有ポリマーを含む水系ポリマーエマルジョンと、皮膜形成剤とを配合し、
前記ポリマーがアニオン性又はカチオン性である場合には、前記皮膜形成剤が非イオン性あるいは前記ポリマーと同符号のイオン性のものであり、
前記反応性シリル基含有ポリマーが、化粧料中1〜10質量%であることを特徴とする。
【0007】
また、本発明において、前記反応性シリル基含有ポリマー中に占める反応性シリル基含有モノマーの割合が0.001〜10質量%であることが好適である。
また、皮膜形成剤が油溶性高分子であることが好適である。
また、顔料を含む粉末が化粧料中10質量%以上であることが好適である。
また、本発明の化粧料は、ファンデーションであることが好適である。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明において反応性シリル基を有するポリマーとは、反応性シリル基を官能基として有する重合性のモノマーの1種又は2種以上を、構成モノマーとして有する常温架橋性のポリマーのことである。
なお、反応性シリル基とは、シロキサン結合−Si−O−Si−を形成してポリマー分子間を架橋し得る官能基のことであり、−SiRで表されるシリル基において、Rのうちの1又は2以上が、水酸基、又は加水分解反応により水酸基となり得る官能基、例えば、アルコキシ基、水素原子、ハロゲン原子、アシルオキシ基、アミノ基等の官能基で置換されたシリル基のことである。
【0009】
反応性シリル基を有する重合性のモノマーとしては、例えば、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリプロポキシシラン、ビニルメチルジメトキシシラン、ビニルメチルジエトキシシラン、ビニルメチルジプロポキシシシラン、γ−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−アクリロキシプロピルトリエトキシシラン、γ−アクリロキシプロピルトリプロポキシシラン、γ−アクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−アクリロキシプロピルメチルジプロポキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリプロポキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルメチルジプロポキシシラン、などのビニル基、アクリロキシまたはメタクリロキシ基と、アルコキシシリル基とを有する重合性モノマーが挙げられる。
【0010】
このような反応性シリル基含有モノマーは、ポリマーを構成するモノマー全量中0.001〜10質量%であることが好適であり、さらには、0.01〜5質量%であることが好適である。反応性シリル基含有モノマーの割合が少なすぎると、化粧料塗布後のポリマーの架橋反応が十分でないため、本発明の効果が十分に発揮されないことがある。また、反応性シリル基含有モノマーの割合が多すぎると、化粧料中で経時的にポリマーが架橋を生じ、製品安定性が低下することがある。
【0011】
また、本発明に用いられる反応性シリル基を有するポリマーとしては、上記反応性シリル基含有重合性モノマー以外の重合性モノマーを構成モノマーとして含有することができる。このような重合性モノマーとしては、例えば、エチレン、プロピレン、ブテン、ブタジエン、イソプレン、ビニルアセチレン、ジビニルアセチレン、塩化ビニル、フッ化ビニル、スチレン、メチルスチレン、ビニルスチレン、ビニルピリジン、ビニルピロリドン、アクリル酸、メタクリル酸、メチルビニルエーテル、2−メトキシエチルビニルエーテル、メチルトリエチレングリコールビニルエーテル、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトール(メタ)アクリレート、2,3−ジヒドロキシプロピルメタクリレート、ヒドロキシエトキシエチルメカクリレート、アクリルアミド、N−メチルアクリルアミド、N−エチルアクリルアミド、N−プロピルアクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N,N−ジエチルアクリルアミド、N−アクリロイルピロリドン、N−アクロイルモルホリン、ビニルピロリドン、2−アクリルアミド−2−メチル−1−プロパンスルホン酸、メチルアクリレート、エチルアクリレート、n−プロピルアクリレート、イソプロピルアクリレート、n−ブチルアクリレート、tert−ブチルアクリレート、イソブチルアクリレート、ヘキシルアクリレート、オクチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、ラウリルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、イソボルニルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、n−プロピルメタクリレート、イソプロピルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、tert−ブチルメタクリレート、イソブチルメタクリレート、ヘキシルメタクリレート、オクチルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、イソボニルメタクリレート、メタクリル酸ポリジメチルシロキサン、アクリル酸ポリジメチルシロキサン等を挙げることができる。
【0012】
本発明で用いる反応性シリル基含有ポリマーを含む水系ポリマーエマルジョンは、上記反応性シリル基を有する重合性のモノマーの1種又は2種以上、又はこれと上記重合性モノマーの1種又は2種以上とを併せて用い、公知の重合方法により重合させることによって得ることができるが、本発明においては、前記特許文献1又は特許文献2に記載のものが特に好適である。
すなわち、反応性シリル基含有重合性モノマーの1種又は2種以上を含む重合性モノマーの混合物を、乳化剤により水系溶媒中に乳化した状態で、重合開始剤を用いて乳化重合を行うことによって得られた水系ポリマーエマルジョンが特に好適に使用できる。乳化重合によりポリマーエマルジョンを製造する際には、上記重合性モノマー、乳化剤、開始剤といった各種原料の他に、予め適量の緩衝剤、重合度を調整する連鎖移動剤等を配合した状態で、重合を行うことも出来る。
【0013】
このような水系ポリマーエマルジョン中、反応性シリル基は加水分解によりシラノール基として存在していると考えられる。そして、水などの分散媒の揮発に伴って、このシラノール基の脱水縮合反応によりポリマー同士が架橋し、架橋皮膜を形成すると考えられる。このような架橋反応は、特に加熱を必要とせず、常温で進行する。
【0014】
上記乳化重合時に用いる乳化剤として、アデカリアソープSEシリーズあるいはNEシリーズ(旭電化工業(株)製)、アクアロンRNシリーズあるいはHSシリーズ(第一工業製薬(株)製)、エレミノールJS―2(三洋化成工業(株)製)などの反応性乳化剤を用いれば、これらの乳化剤がポリマーに共重合され、アニオン性のポリマーエマルジョンが得られる。
【0015】
また、乳化剤として、ドデシルトリメチルアンモニウム塩、セチルトリメチルアンモニウム塩、デシルトリメチルアンモニウム塩、ステアリルトリメチルアンモニウム塩、セチルピリジウム塩、デシルピリジウム塩、ステアリルピリジウム塩、オキシアルキレントリアルキルアンモニウム塩、ジオキシアルキレンジアルキルアンモニウム塩、あるいは分子内に重合性基を含む反応性乳化剤(例えば、アリルトリアルキルアンモニウム塩、ジアリルジアルキルアンモニウム塩など)等のカチオン性乳化剤を用いれば、カチオン性のポリマーエマルジョンが得られる。
【0016】
なお、本発明の化粧料においては、皮膚への適合性の点からアニオン性ポリマーエマルジョンを用いることがより好適である。
本発明にかかる反応性シリル基を有するポリマーの平均分子量は、オリゴマー以上の重合度を有していればよく、特に制限されるものではない。ただし、重合度が小さい場合、塗膜強度が低下し、また、あまりに重合度が大きすぎると塗膜の除去性に劣ることから、ポリマーの平均分子量は2,000〜200,000程度であることが好ましい。
【0017】
本発明の化粧料において、反応性シリル基を有するポリマーは、化粧料の総量に対して、1〜10質量%であることが好ましい。反応性シリル基を有するポリマーの配合量が少なすぎる場合には、所望の効果が得られない場合があり、また、配合量が多すぎる場合には、広範囲の皮膚に塗布した際に違和感を生じることがある。また、化粧料の経時安定性や、化粧落としをする際の化粧皮膜の除去性も悪くなることがある。
【0018】
本発明で用いる皮膜形成剤としては、皮膜形成能を有し、通常化粧料に配合可能な成分であれば何れも使用可能であるが、反応性シリル基含有ポリマーがイオン性を有する場合には、皮膜形成剤の電荷が反応性シリル基含有ポリマーと反対符号であると、化粧料中で凝集することがある。よって、反応性シリル基含有ポリマーも皮膜形成剤もイオン性のものを用いる場合には、同符号のものを用いる。例えば、反応性シリル基含有ポリマーがアニオン性である場合には、皮膜形成剤として非カチオン性(すなわち、アニオン性又は非イオン性)のものを用い、一方、反応性シリル基含有ポリマーがカチオン性である場合には、非アニオン性(すなわち、カチオン性又は非イオン性)のものを用いる。反応性シリル基含有ポリマーが非イオン性である場合には、皮膜形成剤は、イオン性、非イオン性の何れも用いることができる。
【0019】
アニオン性皮膜剤としては、カルボキシル基、スルホン酸基等のアニオン性基を有する高分子であり、例えば、(メタ)アクリル酸/(メタ)アクリル酸エステル共重合体、メチルビニルエーテル/無水マレイン酸高重合体等が挙げられる。
カチオン性皮膜剤としては、アンモニウム基等のカチオン性基を有する高分子であり、カチオン化セルロース、ジメチルジアリルアンモニウムクロライド重合体、ジメチルジアリルアンモニウムクロライド/アクリルアミド共重合体等が挙げられる。
【0020】
また、ノニオン性皮膜剤としては、イオン性基を持たない高分子であり、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリ酢酸ビニル、ポリアクリル酸エステル共重合体、(メタ)アクリルアミド、高分子シリコーン、シリコーンレジン、トリメチルシロキシケイ酸等が挙げられる。
【0021】
これら皮膜形成剤のうち油溶性高分子が好適であり、例えば、トリメチルシロキシケイ酸等のシリコーン樹脂、高分子量ジメチルポリシロキサンや高分子量アミノ変性シリコーン等の高分子量シリコーン類などが挙げられる。このような油溶性高分子を用いた場合には、反応性シリル基含有ポリマーとの親和性が良好であるためと考えられるが、二次付着レス効果がより高くなる。本発明において、特に好ましくはトリメチルシロキシケイ酸である。
【0022】
皮膜形成剤の配合量は、本発明の効果を損なわない限り特に制限されず、皮膜剤の種類等により適宜決定すればよいが、通常化粧料中0.1〜10質量%である。皮膜剤が少なすぎると本発明の効果が十分に発揮されず、多すぎるとのびや使用感が悪化することがある。
【0023】
メークアップ化粧料には、通常色材として顔料が配合されている。例えば、無機白色顔料(例えば、二酸化チタン、酸化亜鉛等);無機赤色系顔料(例えば、酸化鉄(ベンガラ)、チタン酸鉄等);無機褐色系顔料(例えば、γ−酸化鉄等);無機黄色系顔料(例えば、黄酸化鉄、黄土等);無機黒色系顔料(例えば、黒酸化鉄、低次酸化チタン等);無機紫色系顔料(例えば、マンゴバイオレット、コバルトバイオレット等);無機緑色系顔料(例えば、酸化クロム、水酸化クロム、チタン酸コバルト等);無機青色系顔料(例えば、群青、紺青等);パール顔料(例えば、酸化チタンコーテッドマイカ、酸化チタンコーテッドオキシ塩化ビスマス、酸化チタンコーテッドタルク、着色酸化チタンコーテッドマイカ、オキシ塩化ビスマス、魚鱗箔等);金属粉末顔料(例えば、アルミニウムパウダー、カッパーパウダー等);ジルコニウム、バリウム又はアルミニウムレーキ等の有機顔料(例えば、赤色201号、赤色202号、赤色204号、赤色205号、赤色220号、赤色226号、赤色228号、赤色405号、橙色203号、橙色204号、黄色205号、黄色401号、及び青色404号などの有機顔料、赤色3号、赤色104号、赤色106号、赤色227号、赤色230号、赤色401号、赤色505号、橙色205号、黄色4号、黄色5号、黄色202号、黄色203号、緑色3号及び青色1号等);天然色素(例えば、クロロフィル、β−カロチン等)等が挙げられる。
【0024】
本発明のメークアップ皮膚化粧料においても、これら顔料を配合することができ、その配合量は、期待するメークアップ効果等により適宜決定される。本発明においては、例えば顔料を化粧料中に10質量%以上、特に15質量%と多量に配合した場合でも、二次付着が少ない。よって、本発明は、このようなメークアップ皮膚化粧料において特に有用である。
【0025】
本発明にかかるメークアップ皮膚化粧料は、肌上に塗布後、溶媒が揮散するのに伴い、反応性シリル基含有ポリマーが架橋皮膜を形成する。このとき、皮膜形成剤が架橋皮膜と共に、強固且つ柔軟な皮膜を形成し、この皮膜中に顔料等の色材が強固に保持されることにより、高い二次付着レス効果と良好な使用感が発揮されるものと考えられる。
【0026】
本発明のメークアップ皮膚化粧料は、上記のように、製品中では架橋せず、反応性シリル基含有ポリマーが、塗布後溶媒の揮発に伴って架橋皮膜を形成するものである。従って、本発明のメークアップ皮膚化粧料は、水、エタノール等の低級アルコール、揮発性油などの揮発性媒体を多量に含むことが好適であり、揮発性媒体は化粧料中40質量%以上、さらには60質量%以上であることが好適である。
【0027】
本発明のメークアップ皮膚化粧料は、皮膚に適用されるものであり、例えば、ファンデーション、ほお紅、アイシャドー、口紅等が挙げられるが、本発明によれば、顔料配合量が多くても二次付着がほとんどなく、従って、化粧崩れしにくい。また、広範囲の皮膚に塗布しても違和感がないので、ファンデーションにおいて特に有用である。なお、毛髪や眉毛、睫毛、爪のような皮膚以外に適用されるメークアップ化粧料は本発明に含まれない。
【0028】
本発明のメークアップ皮膚化粧料の性状としては、液状、ジェル状、乳液状、クリーム状等が挙げられる。ファンデーションとしては、O/W、W/O何れの乳化タイプも可能であり、また、水おしろいなど、固相と水相とを含むファンデーションなどにも適用可能である。
【0029】
本発明のメークアップ皮膚化粧料には、本発明の効果を損なわない範囲であれば通常化粧料に配合される成分を必要に応じて配合して使用することが出来る。例えば、粉末成分、液体油脂、固体油脂、ロウ、炭化水素、高級脂肪酸、高級アルコール、エステル、シリコーン、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤、非イオン界面活性剤、水溶性高分子、増粘剤、紫外線防止剤、金属イオン封鎖剤、低級アルコール、多価アルコール、糖、アミノ酸、有機アミン、pH調製剤、酸化防止剤、香料、各種薬剤等を必要に応じて適宜配合し、目的とする剤形に応じて常法により製造することが出来る。
【0030】
【実施例】
以下、本発明を具体例を挙げて説明するが、本発明はこれにより限定されるものではない。配合量は、特に指定のない限り質量%で示す。
二次付着レス効果
人工皮革上に、一定量の製剤を均一に塗布後、こすり試験機(MOVE MASTER EX、三菱社製)の滑り面にセットした。こすり試験に用いる白色綿を予め測色した後、こすり試験機のプローブ部分に該白色綿をセットした。10回往復してこすり試験を行った後、白色綿を測色した。こすり試験前後の白色綿の色差を汚着性△Yとした。従って、汚着性△Yの数値が低いほど、二次付着レス効果が高いことを示す。
【0031】
のび
パネル(50名)の実使用試験を行い、のびが「極めて軽い」あるいは「軽い」との有効判定をしたパネルの数によって、以下のように評価を行った。
(評価)
A:有効判定をしたパネルが80%以上
B:有効判定をしたパネルが50%以上80%未満
C:有効判定をしたパネルが30%以上50%未満
D:有効判定をしたパネルが30%未満
【0032】
ぬめり
パネル(50名)の実使用試験を行い、ぬめりが「全く感じられない」あるいは「ほとんど感じられない」との有効判定をしたパネルの数によって、下記のように評価を行った。
(評価)
A:有効判定をしたパネルが80%以上
B:有効判定をしたパネルが50%以上80%未満
C:有効判定をしたパネルが30%以上50%未満
D:有効判定をしたパネルが30%未満
【0033】
違和感
パネル(50名)の実使用試験を行い、違和感(つっぱり感等)が「全く感じられない」あるいは「ほとんど感じられない」との有効判定をしたパネルの数によって、下記のように評価を行った。
(評価)
A:有効判定をしたパネルが80%以上
B:有効判定をしたパネルが50%以上80%未満
C:有効判定をしたパネルが30%以上50%未満
D:有効判定をしたパネルが30%未満
【0034】
実施例1 W/Oリキッドファンデーション
(処方)
イオン交換水 19.37
1,3−ブチレングリコール 4
POE・メチルポリシロキサン共重合体(POE変性率20%) 0.5
セスキイソステアリン酸ソルビタン 1.5
デカメチルシクロペンタシロキサン to 100
メチルポリシロキサン(6cs) 1
パラメトキシ桂皮酸2−エチルヘキシル 4
アルキル変性酸化チタン 11
アルキル変性シリコーン樹脂被覆酸化チタン 10
アルキル変性シリコーン樹脂被覆黄酸化鉄 2
アルキル変性シリコーン樹脂被覆ベンガラ 0.4
アルキル変性シリコーン樹脂被覆黒酸化鉄 0.2
アルキル変性シリコーン樹脂被覆セリサイト 7
トリメチルシロキシケイ酸 表1
反応性シリル基含有ポリマーエマルジョン 表1
【0035】
【表1】
Figure 2005053796
【0036】
上記処方は、典型的なW/Oリキッドファンデーションの処方である。表1からわかるように、従来の皮膜形成剤であるトリメチルシロキシケイ酸を配合すれば、無配合の場合に比して二次付着レス効果は高くなる(△Yが小さくなる)。しかし、増量により二次付着レス効果を高めようとすると、製剤ののびが重くなり、またぬめり感も生じてしまう。
一方、トリメチルシロキシケイ酸の代わりに反応性シリル基含有ポリマーの水系ポリマーエマルジョンを配合した場合には、のびやぬめりがなく、二次付着レス効果もトリメチルシロシキケイ酸よりは良いものの、多量に配合すると肌への違和感を生じてしまう。
【0037】
これに対して、トリメチルシロキシケイ酸と、反応性シリル基含有ポリマーとを併用した場合には、二次付着レス効果がそれぞれを単独で用いた場合よりも高くなり、皮膜剤によるのびの悪さやぬめり感、反応性シリル基含有ポリマーによる違和感も解消され、使用感が非常に良好なものとすることができた。
【0038】
【表2】
Figure 2005053796
【0039】
表2は、本発明の反応性シリル基含有ポリマーの代わりに、従来使用されている皮膜剤を組み合わせた場合の、二次付着レス効果を調べた結果である。表2のように、何れの皮膜剤の組み合わせにおいても、二次付着レス効果はそれぞれ単独の場合に比べ、著しく向上することはない。また、のびやぬめりも大きく改善されない。
従って、本発明の反応性シリル基含有ポリマーと皮膜形成剤との併用による効果の向上は、両者の間に特異的に認められる効果であることがわかる。
【0040】
【表3】
Figure 2005053796
【0041】
表3は、本発明の反応性シリル基含有ポリマーと、各種皮膜剤とを組み合わせた場合の、二次付着レス効果を調べた結果である。表3のように、何れの皮膜剤の組み合わせにおいても、二次付着レス効果は反応性シリル基含有ポリマー単独の場合に比べ、更に向上するが、中でも、トリメチルシロキシケイ酸と反応性シリル基含有ポリマーとを併用した場合には、二次付着レス効果が極めて高くなり、また、反応性シリル基含有ポリマーによる違和感が最も改善された。また、トリメチルシロキシケイ酸の場合には、皮膜剤によるのびの悪さやぬめり感もほとんどなく、使用感の非常に良好な化粧料とすることができた。
従って、本発明において反応性シリル基含有ポリマーと併用する皮膜剤として、トリメチルシロキシケイ酸が特に良好であることがわかる。
【0042】
【表4】
Figure 2005053796
【0043】
表4は、表1において、反応性シリル基含有ポリマーエマルジョンの配合量を変えて評価を行った結果である。表4から解るように、反応性シリル基含有ポリマーが少なすぎると二次付着レス効果における相乗効果が十分に発揮されない。一方、多すぎる場合には違和感を生じることがあり、また、過剰の配合に見合った効果の増大は見られない。
従って、反応性シリル基含有ポリマーは、化粧料中1〜10質量%であることが好適であり、特に1〜7質量%であることが好適である。
【0044】
実施例2 O/Wリキッドファンデーション
(処方)
イオン交換水 to 100
ジプロピレングリコール 5
グリセリン 2
1,3−ブチレングリコール 5
水酸化カリウム 0.26
ステアリン酸 0.6
ベヘニン酸 1
イソステアリン酸 1
モノステアリン酸POEグリセリル 1
ジイソステアリン酸ポリグリセリル 1.5
セタノール 0.7
ベヘニルアルコール 0.6
流動パラフィン 7
2−エチルヘキサン酸セチル 7
酸化チタン 4
ベンガラ 0.2
黄酸化鉄 0.7
黒酸化鉄 0.1
タルク 12
ベントナイト 0.8
ヘキサメタリン酸ナトリウム 0.05
パラオキシ安息香酸エチル 0.05
パラオキシ安息香酸ブチル 0.25
トリメチルシロキシケイ酸 表5
反応性シリル基含有ポリマーエマルジョン 表5
【0045】
【表5】
Figure 2005053796
【0046】
表4のように、O/Wリキッドファンデーションにおいても、前記試験例1と同様の傾向が認められ、トリメチルシロキシケイ酸と、反応性シリル基含有ポリマーとを併用した場合には、高い二次付着レス効果と、良好な使用感を両立させることができた。
【0047】
実施例3 水系アイシャドー
(処方)
エタノール 6
グリセリン 4
1,3−ブチレングリコール 5
硫酸バリウム 3
マイカ 1
ベンガラ被覆雲母チタン 8
ベンガラ被覆雲母 0.3
雲母チタン 2
パラヒドロオキシ安息香酸メチル 0.2
酸化亜鉛処理グンジョウ 0.5
セルロース末 3
ベントナイト 0.5
反応性シリル基含有ポリマー 表6
アクリル酸・メタクリル酸アルキル共重合体 表6
イオン交換水 to 100
【0048】
【表6】
Figure 2005053796
【0049】
表6のように、水系アイシャドーの処方系においても、従来の皮膜形成剤であるアクリル・メタクリル酸アルキル共重合体を配合すれば、無配合の場合に比して二次付着レス効果が高くなる(△Yが小さくなる)が、増量するとぬめり感が強くなる。
一方、アクリル・メタクリル酸アルキル共重合体の代わりに反応性シリル基含有ポリマー(アニオン性常温架橋型水系ポリマーエマルジョン)を配合した場合、ぬめり感や二次付着レス効果はアクリル・メタクリル酸アルキル共重合体よりも良好であるが、違和感を生じることがある。
これに対して、トリメチルシロキシケイ酸と、反応性シリル基含有ポリマーとを併用した場合には、高い二次付着レス効果と、良好な使用感を両立させることができる。
【0050】
実施例4 ジェルタイプアイシャドー
ジプロピレングリコール 5
1,3−ブチレングリコール 1
ソルビット 5
ポリエチレンテレフタレート・
ポリメチルメタクリレート積層フィルム末 6
雲母チタン 1
顔料 適量
水酸化カリウム 0.2
ヘキサメタリン酸ナトリウム 0.1
パラヒドロキシ安息香酸メチル 0.3
フェノキシエタノール 0.5
エチレンジアミンヒドロキシエチル三酢酸三ナトリウム 0.1
キサンタンガム 0.1
カルボキシビニルポリマー 表7
反応性シリル基含有ポリマー(50%水分散液) 表7
イオン交換水 to100
【0051】
【表7】
Figure 2005053796
【0052】
表7のように、ジェルタイプのアイシャドーの増粘剤、皮膜剤としてカルボキシビニルポリマーを用いた場合には、ぬめり感がなく且つ二次付着レス効果も高いものを得ることは困難であるが、反応性シリル基含有ポリマーとを併用することにより、高い二次付着レス効果と、良好な使用感を両立させることが可能となった。
【0053】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、反応性シリル基含有ポリマーと、皮膜形成剤とをメークアップ皮膚化粧料に配合することにより、のびがよくて、肌への違和感やぬめり感がなく、且つ二次付着レス効果の高いメークアップ皮膚化粧料を得ることができる。

Claims (5)

  1. 反応性シリル基含有ポリマーを含む水系ポリマーエマルジョンと、皮膜形成剤とを配合し、
    前記ポリマーがアニオン性又はカチオン性である場合には、前記皮膜形成剤が非イオン性あるいは前記ポリマーと同符号のイオン性のものであり、
    前記反応性シリル基含有ポリマーが、化粧料中1〜10質量%であることを特徴とするメークアップ皮膚化粧料。
  2. 請求項1記載の化粧料において、前記反応性シリル基含有ポリマー中に占める反応性シリル基含有モノマーの割合が0.001〜10質量%であることを特徴とするメークアップ皮膚化粧料。
  3. 請求項1〜3の何れかに記載の化粧料において、皮膜形成剤が油溶性高分子であることを特徴とするメークアップ皮膚化粧料。
  4. 請求項1〜3の何れかに記載の化粧料において、顔料を含む粉末が化粧料中10質量%以上であることを特徴とするメークアップ皮膚化粧料。
  5. 請求項1〜4の何れかに記載の化粧料からなるファンデーション。
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