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JP2005048875A - スプリング組立体 - Google Patents

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JP2005048875A
JP2005048875A JP2003281676A JP2003281676A JP2005048875A JP 2005048875 A JP2005048875 A JP 2005048875A JP 2003281676 A JP2003281676 A JP 2003281676A JP 2003281676 A JP2003281676 A JP 2003281676A JP 2005048875 A JP2005048875 A JP 2005048875A
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Hideyuki Imanaka
秀幸 今中
Kazuhiko Yoneda
一彦 米田
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Abstract

【課題】 スプリング組立体において、コイルスプリングの摩耗を低減するとともに、コイルスプリングの性能を安定して発揮できるようにする。
【解決手段】 スプリング組立体5は、第1コイルスプリング51と、第2コイルスプリング52と、一対のスプリングシート53と、支持部材54とを有している。第2コイルスプリング52は、第1コイルスプリング51より自由長が短く設定されており、第1コイルスプリング51の内周部に配置されている。一対のスプリングシート53は、第1コイルスプリング51の両端に対向して配置されている。この一対のスプリングシート53は、支持部53aと、係合部53bと、貫通孔53cとを有している。支持部材54は、第2コイルスプリング52の内周部に挿通されており、両端部が一対の貫通孔53cに摺動自在に係合している。
【選択図】 図4

Description

本発明は、スプリング組立体、特に、捩り振動ダンパーの少なくとも2つの部材が相対回転する際に回転方向に圧縮されるスプリング組立体に関する。
車両のクラッチディスク組立体、フライホイール組立体、トルクコンバーターのロックアップクラッチ等のダンパー機構には、捩り振動を吸収するためにスプリング組立体が設置されている。スプリング組立体は、入力側回転部材および出力側回転部材を円周方向において弾性的に連結するように配置されている。このスプリング組立体は、入力側回転部材と出力側回転部材とが相対回転することで、両部材間で回転方向に圧縮される。そして、このようなスプリング組立体と、相対回転時に摩擦抵抗を発生する摩擦抵抗発生部とを用いることによって、入力側回転部材に入力された捩り振動が吸収・減衰される。
スプリング組立体は、たとえば、第1コイルスプリングと、第2コイルスプリングと、一対のスプリングシートとを有している。第2コイルスプリングは、第1コイルスプリングの内周部に配置されている。この第2コイルスプリングでは、自由長が第1コイルスプリングより短く設定される場合がある。このとき、入力側回転部材と出力側回転部材とが相対回転をしていない状態で、第2コイルスプリングが第1コイルスプリングの内周部で回転方向に移動自在になっている。一対のスプリングシートは、第1コイルスプリングの両端にそれぞれ対向して配置されている。この一対のスプリングシートは、支持部と係合部とを有している。支持部は、第1コイルスプリングの両端を支持可能になっている。係合部は、支持部に設けられており、第1コイルスプリングの内周部に係合可能かつ第2コイルスプリングの両端に当接可能になっている。
このようなスプリング組立体では、入力側回転部材と出力側回転部材とが相対回転をはじめると、第1コイルスプリングがスプリングシートの支持部によって圧縮される。そして、入力側回転部材と出力側回転部材との相対回転がより一層大きくなると、第1コイルスプリングが支持部によって圧縮されながら、第2コイルスプリングもスプリングシートの係合部によって圧縮される。
従来のスプリング組立体では、入力側回転部材と出力側回転部材とが相対回転をはじめると、第1コイルスプリングの内周部に配置された第2コイルスプリングが、遠心力によって第1コイルスプリングの内周外側で接触を繰り返したり摺動したりする。すると、状況によっては第2コイルスプリングが第1コイルスプリングの素線間に入り込んだり、第1コイルスプリングの内周や第2コイルスプリングの外周が摩耗したりするおそれがある。また、入力側回転部材と出力側回転部材との相対回転がより一層大きくなって、第2コイルスプリングが圧縮されると、第1コイルスプリングの内周外側に第2コイルスプリングが接触した状態で、第2コイルスプリングが伸び縮みするために、第1および第2コイルスプリングの摩耗がより促進されるおそれがある。特に、第2コイルスプリングが第1コイルスプリングの内周外側で接触を繰り返しているときに、第2コイルスプリングが圧縮されると、第2コイルスプリングが作動する軌道が安定しないために、第2コイルスプリングの性能にばらつきが生じるおそれがある。このように、第2コイルスプリングの性能にばらつきが生じると、第2コイルスプリングだけでなく、第1および第2コイルスプリング全体での性能を安定して発揮することが難しくなる。
本発明の課題は、スプリング組立体において、コイルスプリングの摩耗を低減するとともに、コイルスプリングの性能を安定して発揮できるようにすることにある。
請求項1に記載のスプリング組立体は、捩り振動ダンパーの少なくとも2つの部材が相対回転する際に回転方向に圧縮されるスプリング組立体であって、第1コイルスプリングと、第2コイルスプリングと、一対のスプリングシートと、支持部材とを備えている。第2コイルスプリングは、第1コイルスプリングより自由長が短く設定されており、第1コイルスプリングの内周部に配置されている。一対のスプリングシートは、第1コイルスプリングの両端にそれぞれ対向して配置されている。この一対のスプリングシートは、支持部と、係合部と、貫通孔とを有している。支持部は、第1コイルスプリングの両端を支持している。係合部は、支持部に設けられており、第1コイルスプリングの内周部に係合している。貫通孔は、係合部を回転方向に貫通して形成されている。支持部材は、第2コイルスプリングの内周部に挿通されており、両端部が一対の貫通孔に摺動自在に係合している。
このスプリング組立体では、捩り振動ダンパーの少なくとも2つの部材が相対回転をはじめると、支持部材の端部がスプリングシートの貫通孔を摺動するとともに、一対のスプリングシートの支持部が第1コイルスプリングの両端を押圧して第1コイルスプリングを圧縮する。このとき、一対のスプリングシートの係合部は、第1コイルスプリングの内周部に係合している。捩り振動ダンパーの少なくとも2つの部材の相対回転がより一層大きくなると、第1コイルスプリングが圧縮されながら、一対のスプリングシートの係合部が、第1コイルスプリングの内周部に配置された第2コイルスプリングを圧縮する。このときも、支持部材の端部はスプリングシートの貫通孔を摺動している。
ここでは、一対のスプリングシートの係合部を第1コイルスプリングの内周部に係合させるとともに、支持部材を第2コイルスプリングの内周部に挿通させて、支持部材の両端部を一対のスプリングシートの貫通孔に摺動自在に係合させているので、第1および第2コイルスプリングが作動する軌道を、スプリングシートおよび支持部材によって安定させることができる。このように、第1コイルスプリングの作動する軌道を確保した上で、第2コイルスプリングの作動する軌道も安定に維持しているので、第1コイルスプリングの内周部に配置された第2コイルスプリングは、第1コイルスプリングの内周外側に接触しにくくなる。これにより、第1コイルスプリングと第2コイルスプリングの間に生じうる摩耗を低減することができる。この状態で、第1および第2コイルスプリングが一対のスプリングシートによって圧縮されるので、第1および第2コイルスプリングの性能を安定して発揮させることができる。
請求項2に記載のスプリング組立体は、請求項1において、係合部が第1コイルスプリングの内径より小径の円形凸状に形成されている。このスプリング組立体では、係合部が第1コイルスプリングの内径より小径の円形凸状に形成されているので、係合部を第1コイルスプリングの内周部に容易に位置決めして係合することができる。
請求項3に記載のスプリング組立体は、請求項2において、係合部の外径が第2コイルスプリングの外径より大きくなっている。このスプリング組立体では、係合部の外径が第2コイルスプリングの外径より大きくなっているので、第2コイルスプリングの外周は第1コイルスプリングの内周に接触しにくくなっている。これにより、第1コイルスプリングの内周や第2コイルスプリングの外周が摩耗しにくくなる。
請求項4に記載のスプリング組立体は、請求項1から3のいずれかにおいて、一対の係合部の先端に当接面が形成されている。そして、捩り振動ダンパーの少なくとも2つの部材が相対回転して、一対の当接面が第2コイルスプリングの両端に当接した状態では、一対の当接面が互いに略平行になるように形成されている。このスプリング組立体では、一対の当接面が第2コイルスプリングの両端に当接した状態で、一対の当接面が互いに略平行になるように形成されているので、第2コイルスプリングの両端が一対の当接面によって押圧されたときに、第2コイルスプリングを安定した状態で圧縮することができる。
請求項5に記載のスプリング組立体は、請求項1から4のいずれかにおいて、貫通孔に摺動部とクリアランス部とが設けられている。摺動部は、第2コイルスプリング側に形成されており、支持部材に沿って摺動する。クリアランス部は、摺動部からスプリングシートの支持部側に向けて拡径して形成されている。このスプリング組立体では、支持部材を摺動部で摺動させて、支持部材の両端をクリアランス部に接触させないようにしているので、支持部材とスプリングシートとを安定して動作させることができる。
請求項6に記載のスプリング組立体は、請求項1から5のいずれかにおいて、支持部材が第2コイルスプリングの内周を押圧している。このスプリング組立体では、支持部材が第2コイルスプリングの内周を押圧しているので、第2コイルスプリングを回転方向に移動させにくくすることができる。これにより、第1コイルスプリングの内周や第2コイルスプリングの外周が摩耗しにくくなる。また、支持部材が第2コイルスプリングの内周を押圧するようにしたことで、第2コイルスプリングが圧縮されたときに、支持部材と第2コイルスプリングとの間に摺動抵抗が生じ、この摺動抵抗による振動減衰効果を期待することができる。
請求項7に記載のスプリング組立体は、請求項6において、支持部材がC形筒状に形成されたスプリングピンからなっている。このスプリング組立体では、支持部材がC形筒状に形成されたスプリングピンからなっているので、支持部材によって、第2コイルスプリングの作動する軌道を安定に維持しながらも、第2コイルスプリングの内周も同時に押圧することができる。
請求項8に記載のスプリング組立体は、請求項1から7のいずれかにおいて、第1および第2コイルスプリングの両端には一対の座面がそれぞれに形成されている。また、捩り振動ダンパーの少なくとも2つの部材が相対回転をしていない状態で、一対の座面が互いに平行になるように加工されている。このスプリング組立体では、捩り振動ダンパーの少なくとも2つの部材が相対回転をしていない状態で、第1および第2コイルスプリングのそれぞれの両端に形成された一対の座面が、互いに平行になるように研削加工されている。これにより、相対回転が生じて、第1および第2コイルスプリングの座面がスプリングシートによって押圧されたときに、第1および第2コイルスプリングを安定した状態で圧縮することができる。
本発明に係るスプリング組立体では、コイルスプリングの摩耗を低減することができるとともに、コイルスプリングの性能を安定して発揮させることができる。
〔クラッチディスク組立体の構成〕
本発明の一実施形態としてのクラッチディスク組立体1を、図1および図2に示す。クラッチディスク組立体1は車輌のクラッチに用いられるものであり、図1のクラッチディスク組立体1の左側(軸方向エンジン側)には図示しないフライホイールが配置され、図1の右側(軸方向トランスミッション側)には図示しないトランスミッションが配置されている。図1のO−Oはクラッチディスク組立体1の回転軸線であり、図2のR1はフライホイール及びクラッチディスク組立体1の回転方向、R2はその反対方向である。また、図1に示すクラッチディスク組立体1は、上半部が図2のO−I線による断面図、下半部がO−II線による断面図である。
クラッチディスク組立体1は、図1に示すように、主に、クラッチディスク2、クラッチプレート6及びリティーニングプレート7を含む入力側回転部材3と、ハブフランジ8及び出力ハブ9を含む出力側回転部材4と、入力側および出力側回転部材3,4を回転方向に連結するスプリング組立体5と、相対回転時に摩擦抵抗を発生する摩擦抵抗発生部13から構成されている。
クラッチディスク2は、図1に示すように、フライホールの摩擦面に押圧されてエンジン側のトルクを伝達するためのものであり、クッショニングプレート10とクッショニングプレート10の両側に装着された摩擦フェーシング11とを有している。
クラッチプレート6は、環状に形成された鋼製のプレート部材である。このクラッチプレート6は、図1に示すように、円周方向において軸方向エンジン側に膨らませて絞り加工されている。クラッチプレート6は、出力ハブ9と同軸になるように半径方向に位置決めされ、内周部において出力ハブ9の軸方向エンジン側端部の外周面に回転自在に支持されている。また、クラッチプレート6の外周部には、摩擦フェーシング11がクッショニングプレート10を介して複数のリベット14によって固定されている。一方で、クラッチプレート6には、半径方向中間部において、回転方向に所定の間隔をあけて複数の第1窓孔6aが形成されている。この第1窓孔6aの円周方向端部には保持部19が設けられている。そして、第1窓孔6aの内部にスプリング組立体5が配置され、このスプリング組立体5が保持部19によって支持されている。
リティーニングプレート7は、クラッチプレート6と同様に、環状に形成された鋼製のプレートである。このリティーニングプレート7は、図1に示すように、軸方向トランスミッション側に膨らませて絞り加工されている。リティーニングプレート7は、クラッチプレート6に対向して配置され、クラッチプレート6との間に軸方向に所定の間隔が設けられている。また、リティーニングプレート7は、内周部において、出力ハブ9の軸方向トランスミッション側端部の外周面と隙間をあけて配置されている。この状態で、リティーニングプレート7が、円周方向に所定の間隔で配置された複数のストップピン15によって、クラッチプレート6に固定されている。これにより、クラッチプレート6とリティーニングプレート7とは一体回転可能になる。一方で、リティーニングプレート7には、半径方向中間部において、クラッチプレート6に形成された複数の第1窓孔6aに対応する位置に第2窓孔7aが形成されている。この第2窓孔7aの円周方向端部には保持部23が設けられている。そして、第2窓孔7aの内部にスプリング組立体5が配置され、このスプリング組立体5が保持部23によって支持されている。
ハブフランジ8は、環状に形成された鋼製のプレート部材である。このハブフランジ8は、図1および図2に示すように、外周部において、外方に向けて開放された複数の切欠き20が形成されている。この切欠き20内を、ストップピン15が軸方向に通過している。また、ハブフランジ8は、内周部において複数の内周歯37が形成されている。ハブフランジ8は、クラッチプレート6とリティーニングプレート7との軸方向間に配置されている。このとき、ハブフランジ8の両側面は、クラッチプレート6の軸方向トランスミッション側の側面とリティーニングプレート7の軸方向エンジン側の側面との間でそれぞれ所定の間隔が確保されている。一方で、ハブフランジ8には、半径方向中間部において、クラッチプレート6の複数の第1窓孔6aおよびリティーニングプレート7の複数の第2窓孔7aに対応する位置に第3窓孔8aが形成されている。そして、第3窓孔8aの内部にスプリング組立体5が配置される。
出力ハブ9は、筒状に形成された鋼製の部材である。この出力ハブ9は、図1および図2に示すように、クラッチプレート6およびリティーニングプレート7とハブフランジ8との各回転軸が同軸になるように、これらの部材6,7,8に設けられた中心孔内に配置されている。出力ハブ9は、外周面に複数の外周歯38が形成されている。この外周歯38とハブフランジ8の内周歯37とが噛み合うことによって、出力ハブ9とハブフランジ8とは一体回転可能になっている。ここで、外周歯38と内周歯37とは、円周方向に所定の隙間を設けて係合させている。これにより、出力ハブ9およびハブフランジ8は、内周歯37と外周歯38との円周方向隙間の角度だけ相対回転可能となっている。また、出力ハブ9は、内周面において、軸方向に延びる複数のスプライン孔39が形成されている。このスプライン孔39にトランスミッションから延びるシャフトのスプラインが係合することで、出力ハブ9からトランスミッションにトルクが伝達可能となっている。
スプリング組立体5は、クラッチプレート6およびリティーニングプレート7とハブフランジ8とが相対回転する際に回転方向に圧縮される。このスプリング組立体5は、図3および図4に示すように、第1コイルスプリング51と、第2コイルスプリング52と、一対のスプリングシート53と、支持部材54とを有している。第1および第2コイルスプリング51,52の両端には、一対の座面51a,52aがそれぞれに形成されている。この一対の座面51a,52aは、クラッチプレート6およびリティーニングプレート7とハブフランジ8とが相対回転をしていない状態で、互いに平行になるように研削加工されている。これにより、第1および第2コイルスプリング51,52の座面51a,52aがスプリングシート53によって押圧されたときに、第1および第2コイルスプリング51,52を安定した状態で圧縮することができる。第2コイルスプリング52は、第1コイルスプリング51より自由長が短く設定されており、第1コイルスプリング51の内周部に配置されている。
一対のスプリングシート53は、第1コイルスプリング51の両端に対向して配置されており、第1から第3までの窓孔6a,7a,8aの円周方向端部に当接している。また、一対のスプリングシート53は、第1および第2窓孔6a,7aに形成された保持部19,23によって支持されている。
この一対のスプリングシート53は、支持部53aと、係合部53bと、貫通孔53cとを有している。支持部53aは、第1コイルスプリング51の両端を支持している。係合部53bは、支持部53aから第1コイルスプリング51の圧縮方向に突出して設けられており、第1コイルスプリング51の内径より小径の円柱状に形成されている。このように係合部53bを形成することで、係合部53bを第1コイルスプリング51の内周部に容易に位置決めして係合することができる。また、係合部53bの外径は、第2コイルスプリング52の外径より大きくなるように形成されている。これにより、第2コイルスプリング52の外周は第1コイルスプリング51の内周に接触しにくくなり、第1コイルスプリング51の内周や第2コイルスプリング52の外周が摩耗しにくくなる。なお、係合部53bの外周縁53fは面取りされている。このような係合部53bは、外周面が第1コイルスプリング51の内周部に係合可能になっている。
係合部53bの先端は、第2コイルスプリング52に当接可能になっている。この係合部53bの先端には、当接面53dが形成されている。当接面53dは、第1コイルスプリング51の内周部外側から内周部内側に向けて傾斜するように形成されている。つまり、当接面53dは、図4に示すように、クラッチプレート6およびリティーニングプレート7とハブフランジ8とが相対回転して、第2コイルスプリング52の両端に当接した状態で、当接面53dが互いに略平行になるように形成されている。これにより、第2コイルスプリング52の両端が一対の当接面53dによって押圧されたときに、第2コイルスプリング52を安定した状態で圧縮することができる。
貫通孔53cは、係合部53bを回転方向に貫通して形成されている。この貫通孔53cには、摺動部53gとクリアランス部53hとが設けられている。摺動部53gは、貫通孔53cの第2コイルスプリング52側において、貫通孔53cの内周部側に突出して環状に形成されている。また、摺動部53gは、第2コイルスプリング52側の内周縁53iが面取りされている。この摺動部53gは、後述する支持部材54に沿って摺動するようになっている。クリアランス部53hは、摺動部53gからスプリングシート53の支持部53a側に向けて形成されている。また、クリアランス部53hは、内径が摺動部53gの内径より大径になるように形成されている。このように貫通孔53cを形成することで、後述する支持部材54は摺動部53gで摺動して、支持部材54の両端がクリアランス部53hに接触しないようになっている。
支持部材54は、第2コイルスプリング52の内周部に挿通されており、両端部が一対の貫通孔53cに摺動自在に係合している。支持部材54は、具体的には、C形筒状に形成されたスプリングピンからなっており、第2コイルスプリング52の内周を半径方向に押圧している。これにより、第2コイルスプリング52は回転方向に移動しにくくなり、第1コイルスプリング51の内周や第2コイルスプリング52の外周が摩耗しにくくなる。また、支持部材54と第2コイルスプリング52との間では摺動抵抗が生じるので、この摺動抵抗による振動減衰効果を期待することもできる。ここで、クラッチプレート6およびリティーニングプレート7とハブフランジ8とが相対回転していない状態で、支持部材54の両端が一対のスプリングシート53のクリアランス部53h内に位置するように、支持部材54の長さは、各窓孔6a,7a,8aの円周方向の端部間長さより短く設定されている。
摩擦抵抗発生部13は、図1に示すように、ハブフランジ8両側面の内周側に配置されている。この摩擦抵抗発生部13を、クラッチプレート6の軸方向トランスミッション側の側面およびリティーニングプレート7の軸方向エンジン側の側面に係合させることにより、相対回転時に摩擦抵抗が発生するようになっている。
〔クラッチディスク組立体およびスプリング組立体の動作〕
エンジンからのトルクがクラッチディスク組立体1に入力されているときのクラッチディスク組立体1の動作を説明する。トルクがクラッチディスク組立体1に入力されているとき(R1方向)、トルクは、フライホイールの摩擦面からクラッチディスク2の摩擦フェーシング11に伝達され、クッショニングプレート10を介してクラッチプレート6に伝達されている。このとき、クラッチプレート6およびリティーニングプレート7は、トルクの大きさに応じた捩り角度(C1)でハブフランジ8に対して捩られている。スプリング組立体5は、捩り角度(C1)の大きさに応じて回転方向に圧縮されている。このような状態で、ハブフランジ8に係合させた出力ハブ9が回転している。このようにして、クラッチディスク組立体1に入力されたトルクがトランスミッションへと伝達されている。
トルクに変動が生じて、クラッチディスク組立体1に捩り振動が発生すると、クラッチプレート6およびリティーニングプレート7とハブフランジ8との間で維持されていた一定の捩り角度(C1)に変動が生じる。この変動によって、クラッチプレート6とリティーニングプレート7とは、ハブフランジ8に対して繰り返し相対回転する。このとき、スプリング組立体5は、回転方向に圧縮された状態で、捩り角度(C1)に生じた変動の大きさに応じて繰り返し伸び縮みする。そして、摩擦抵抗発生部13には摩擦抵抗が発生する。このように、スプリング組立体5と摩擦抵抗発生部13とによって、クラッチディスク組立体1に発生した捩り振動が吸収・減衰される。
このように動作するクラッチディスク組立体1およびスプリング組立体5の捩り特性を、捩り角度の変化に対応させて説明する。図3に示した初期取付状態から、クラッチプレート6およびリティーニングプレート7をハブフランジ8に対してR1方向に捩っていく。すると、スプリング組立体5は回転方向に圧縮される。捩り角度の小さい範囲では、第1コイルスプリング51が、回転方向R1側のスプリングシート53の支持部53aと回転方向R2側のスプリングシート53の支持部53aとの間で、回転方向に圧縮される。そして、支持部材54は、スプリングシート53の貫通孔53cにおいて、端部がクリアランス部に接触しないように摺動部53gで摺動する。このとき、第2コイルスプリング52は、圧縮されておらず、内周が支持部材54によって半径方向に押圧されただけの状態である。このように第1コイルスプリング51が圧縮されている状態では、スプリング組立体5の捩り剛性は比較的低く保持される。このとき、摩擦抵抗発生部13は、クラッチプレート6およびリティーニングプレート7とハブフランジ8との間で摩擦抵抗を発生させる。
一方で、捩り角度の大きい範囲では、図4に示したように、第2コイルスプリング52の両端に一対のスプリングシート53の係合部53bに形成された当接面53dが当接して、第2コイルスプリング52が第1コイルスプリング51とともに圧縮される。そして、第2コイルスプリング52と支持部材54との間には摺動抵抗が生じる。このときも、支持部材54は、スプリングシート53の貫通孔53cにおいて、端部がクリアランス部に接触しないように摺動部53gで摺動する。このように第1および第2コイルスプリング51,52が同時に圧縮されるときは、スプリング組立体5の捩り剛性は比較的高くなる。このとき、摩擦抵抗発生部13は、クラッチプレート6およびリティーニングプレート7とハブフランジ8との間で摩擦抵抗を発生させる。
従来のクラッチディスク組立体1では、スプリング組立体5は、捩り角度の小さい範囲で、第1コイルスプリング51の内周部に配置された第2コイルスプリング52が、遠心力によって第1コイルスプリング51の内周外側で接触を繰り返したり摺動したりする。すると、状況によっては第2コイルスプリング52が第1コイルスプリング51の素線間に入り込んだり、第1コイルスプリング51の内周や第2コイルスプリング52の外周が摩耗したりするおそれがある。また、捩り角度の大きい範囲で第2コイルスプリング52が圧縮されるとき、第1コイルスプリング51の内周外側に第2コイルスプリング52が接触した状態で、第2コイルスプリング52が伸び縮みすると、第1および第2コイルスプリング52の摩耗がより促進されるおそれがある。特に、第2コイルスプリング52が第1コイルスプリング51の内周外側で接触を繰り返しているときに、第2コイルスプリング52が圧縮されると、第2コイルスプリング52が作動する軌道が安定しないために、第2コイルスプリング52の性能にばらつきが生じるおそれがある。このように、第2コイルスプリング52の性能にばらつきが生じると、第2コイルスプリング52だけでなく、第1および第2コイルスプリング全体51,52での性能を安定して発揮することが難しくなる。
本実施形態のスプリング組立体5では、一対のスプリングシート53の係合部53bを第1コイルスプリング51の内周部に係合させるとともに、支持部材54を第2コイルスプリング52の内周部に挿通させて、支持部材54の両端部を一対のスプリングシート53の貫通孔53cに摺動自在に係合させているので、第1および第2コイルスプリング51,52が作動する軌道を、スプリングシート53および支持部材54によって安定させることができる。このように、第1コイルスプリング51の作動する軌道を確保した上で、第2コイルスプリング52の作動する軌道も安定に維持しているので、第1コイルスプリング51の内周部に配置された第2コイルスプリング52は、第1コイルスプリング51の内周外側に接触しにくくなる。これにより、第1コイルスプリング51と第2コイルスプリング52との間に生じうる摩耗を低減することができる。この状態で、第1および第2コイルスプリング51,52が一対のスプリングシート53によって圧縮されるので、第1および第2コイルスプリング51,52の性能を安定して発揮させることができる。
〔他の実施形態〕
(a) 前記実施形態では、車輌のクラッチに用いられるクラッチディスク組立体1を例にしてスプリング組立体5の説明を行ったが、具体的な構造は、前記実施形態に限定されず、他の種類のクラッチディスク組立体に用いられるスプリング組立体にも本発明は適用できる。たとえば、フライホイール組立体、トルクコンバーターのロックアップクラッチ等に用いられるスプリング組立体でも良い。
(b) 前記実施形態では、出力ハブ9とハブフランジ8とが別部材で構成された出力側回転部材4の例を示したが、出力側回転部材4は、前記実施形態に限定されず、ハブフランジ8と出力ハブ9とが一体に構成されていても良い。
(c) 前記実施形態では、図3に示したように、支持部材54の長さが、各窓孔6a,7a,8aの円周方向の端部間長さよりわずかに短い場合の例を示したが、支持部材54の長さは、前記実施形態に限定されず、クラッチプレート6およびリティーニングプレート7とハブフランジ8とが相対回転していない状態で、支持部材54の両端が一対のスプリングシート53のクリアランス部53h内に位置していれば、どのような長さに設定しても良い。
本発明の一実施形態としてのクラッチディスク組立体の縦断面概略図。 前記クラッチディスク組立体の平面図。 前記クラッチディスク組立体に配置されたスプリング組立体の動作前の拡大図。 前記クラッチディスク組立体に配置されたスプリング組立体の動作時の拡大図。
符号の説明
1 クラッチディスク組立体
2 クラッチディスク
3 入力側回転部材
4 出力側回転部材
5 スプリング組立体
6 クラッチプレート
7 リティーニングプレート
8 ハブフランジ
9 出力ハブ
13 摩擦抵抗発生部
51 第1コイルスプリング
52 第2コイルスプリング
51a,52a 座面
53 スプリングシート
53a 支持部
53b 係合部
53c 貫通孔
53d 当接面
53g 摺動部
53h クリアランス部
54 支持部材

Claims (8)

  1. 捩り振動ダンパーの少なくとも2つの部材が相対回転する際に回転方向に圧縮されるスプリング組立体であって、
    第1コイルスプリングと、
    前記第1コイルスプリングより自由長が短く設定され、前記第1コイルスプリングの内周部に配置される第2コイルスプリングと、
    前記第1コイルスプリングの両端にそれぞれ対向して配置され、前記第1コイルスプリングの前記両端を支持する支持部と、前記支持部に設けられ前記第1コイルスプリングの内周部に係合する係合部と、前記係合部を前記回転方向に貫通して形成される貫通孔とを有する一対のスプリングシートと、
    前記第2コイルスプリングの内周部に挿通され両端部が一対の前記貫通孔に摺動自在に係合する支持部材と、
    を備えたスプリング組立体。
  2. 前記係合部は、前記第1コイルスプリングの内径より小径の円形凸状に形成されている、請求項1に記載のスプリング組立体。
  3. 前記係合部の外径は、前記第2コイルスプリングの外径より大きくなっている、請求項2に記載のスプリング組立体。
  4. 一対の前記係合部の先端には当接面が形成されており、前記相対回転したときに一対の前記当接面が前記第2コイルスプリングの両端に当接して、一対の前記当接面が互いに略平行になるように形成されている、請求項1から3のいずれかに記載のスプリング組立体。
  5. 前記貫通孔には、前記第2コイルスプリング側に形成され前記支持部材に沿って摺動する摺動部と、前記摺動部から前記スプリングシートの前記支持部側に向けて拡径して形成されるクリアランス部とが設けられている、請求項1から4のいずれかに記載のスプリング組立体。
  6. 前記支持部材は、前記第2コイルスプリングの内周を押圧している、請求項1から5のいずれかに記載のスプリング組立体。
  7. 前記支持部材は、C形筒状に形成されたスプリングピンからなる、請求項6に記載のスプリング組立体。
  8. 前記第1および第2コイルスプリングの前記両端には一対の座面がそれぞれに形成されており、前記2つの部材が相対回転をしていない状態で一対の前記座面が互いに平行になるように加工されている、請求項1から7のいずれかに記載のスプリング組立体。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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